説明

撮像装置

【課題】小型なデジタルビデオカメラを提供する。
【解決手段】撮像装置101は、撮像レンズ102と撮像素子302とを有するカメラユニット315と、前記カメラユニットの駆動制御を行うカメラ制御回路305および電源回路306を実装される回路基板304と、電源回路306に対して電力を供給するバッテリ116を収納する電池収納部とを有する。回路基板304のカメラユニット315と重なる第1面にカメラ制御回路305を実装し、回路基板304の電池収納部と重なる第2面に電源回路306を実装する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小型で携帯性に優れた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルビデオカメラは記録媒体として不揮発性半導体メモリを用いるものが多く登場している。従来は、大容量のデータ領域を必要とする動画などは記録媒体としてテープを用い、不揮発性半導体メモリを用いたカード型記録装置は静止画などの容量の少ないデータの記録媒体として用いていた。よって、特許文献1のように、両者を併存させるためのレイアウトが提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−053994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年の不揮発性半導体メモリ低価格化に伴い、これまでテープを主の記録媒体としていたビデオカメラも、不揮発性半導体メモリを主の記録媒体とするものが増えてきている。そのため、ビデオカメラ本体の大きさを決める要素としては、カメラユニット、回路基板及び電池収納部をいかに効率よく配置するかが重要になってきている。
【0005】
本発明は、カメラユニット、回路基板及び電池収納部を効率よく配置した小型な撮像装置を提供することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての撮像装置は、撮像レンズと撮像素子とを有するカメラユニットと、前記カメラユニットの駆動制御を行うカメラ制御回路および電源回路が実装される回路基板と、前記電源回路に対して電力を供給する電池を収納する電池収納部と、を有する撮像装置であって、前記電池収納部を前記撮像装置の底面側に配置し、前記電池収納部、前記回路基板および前記カメラユニットを前記撮像装置の高さ方向に重ねて配置するとともに、前記回路基板の前記カメラユニットと重なる第1面に前記カメラ制御回路を実装し、前記回路基板の前記電池収納部と重なる第2面に前記電源回路を実装することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カメラユニット、回路基板及び電池収納部を効率よく配置した小型な撮像装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施例におけるデジタルビデオカメラ101の外観図である。
【図2】本実施例におけるデジタルビデオカメラ101の外観図である。
【図3】本実施例におけるデジタルビデオカメラ101の内部構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
図1及び図2に本実施例におけるデジタルビデオカメラ101の外観図を示す。図1において、図1(a)はデジタルビデオカメラ101の前面視図を示している。図1(b)はデジタルビデオカメラ101の右側面視図を示している。図1(c)はデジタルビデオカメラ101の上面図を示している。図1(d)はデジタルビデオカメラ101の右側面図で表示部を開いた状態を示す図を示している。図1(e)はデジタルビデオカメラ101の底面視図を示している。また、図2において、図2(a)はデジタルビデオカメラ101の背面視図、図2(b)はデジタルビデオカメラ101の左側面視図をそれぞれ示している。
【0011】
図1(a)に示されるように、デジタルビデオカメラ101は前面に撮像レンズ102の開口部が設けられ、撮像の際には前面を被写体に向けて撮像を行う。また、音声等を収録するマイクの開口部103が前面に設けられている。
【0012】
図1(b)に示されるように、デジタルビデオカメラ101の右側面には表示部(表示部材)104が2軸ヒンジ105を介して配置されている。表示部104は一般的なビデオカメラと同様に、液晶表示部などを持ち、撮像画像等を表示可能に構成されている。表示部104は2軸ヒンジ105によって、開閉及び回転動作が可能に構成されている。デジタルビデオカメラ101の上面にはズーム操作スイッチ106、フォトボタン107、電源ボタン108が配置されている。これら操作スイッチ(操作部材)の役割は、一般的なビデオカメラと同様で、ズーム操作スイッチ106によって撮像レンズを駆動またはデジタルズーム機能の入力を指示し、画角を決定することに使用される。また、フォトボタン107は静止画撮影の指示、電源ボタン108は電源の入り切りの指示に使用される。
【0013】
図1(c)に示されるように、デジタルビデオカメラの上面には前述した3つの操作スイッチが、図1(c)に示される如く並んでいることを示す。また、表示部104の位置は図1(c)に示す通り、本体右側面に沿うように配置されている。デジタルビデオカメラ101を使用せずに持ち歩くときなどは、表示部104を本体右側面に沿わせた、いわゆる収納状態として図の位置に置かれている。
【0014】
図1(d)に示されるように、デジタルビデオカメラ101の表示部104を開いた位置での右側面図を示す。前述の収納状態に対して、デジタルビデオカメラ101を使用する際には、表示部104を図1(d)の状態にすることで、使用者が表示部を視認可能な使用状態になる。デジタルビデオカメラ101の表示部104と対向する面には図1(d)に示す要素が配置されている。まず、カード蓋110内には2つのカードスロット109(a)及び109(b)が配置されている。カードスロットには記録媒体としてのメモリカードを挿入し、メモリカードは撮像画像等の記録に用いられる。カードスロットを2つ装備することによって、長時間撮影やメモリカード間の画像コピーなどが可能になり、使用者の利便性を向上させている。また、HDMI端子111開口部とUSB端子112開口部が同じ面内に配置されている。、また、操作ボタン113が同じ面内に配置され、再生・撮影の切り替えや、バッテリ残量表示、撮影モードの切り替え、撮影メニューの表示などが可能に構成されている。また、外部マイク端子114が図1(d)の位置に配置されている。
【0015】
図1(e)に示されるように、デジタルビデオカメラ101の底面側には電源回路306に電力を供給するバッテリ116を収納する電池収納部Sが配置され、電池収納部Sを開閉する電池蓋115が配置されている。バッテリ116の位置については後に詳述する。また、この面には電池蓋115よりも前面側に三脚座117が配置されている。また、三脚回転防止のピン受け穴118が構成されている。
【0016】
図2(a)に示されるように、デジタルビデオカメラ101の背面にはトリガーボタン201が配置されている。トリガーボタン201は一般的なビデオカメラのトリガーボタン同様、撮影の開始・停止を指示することに用いられる。また、スピーカー開口部202が背面に設けられている。図2(a)では、デジタルビデオカメラ101の背面は、トリガーボタン201を頂点に円弧上に湾曲した外観形状をしている。スピーカー開口部202はこの湾曲形状に沿って構成され、内部のスピーカー素子は斜めに取り付けられている(スピーカーの内部での様態は図3説明時に後述する)。
【0017】
図2(b)に示されるように、デジタルビデオカメラ101の左側面には電源端子203開口部、映像出力端子204開口部、映像出力及びヘッドフォン出力兼用端子205開口部が配置されている。また、デジタルビデオカメラ101は一般的なビデオカメラと同様に左側面を使用者が握ることによって把持可能に構成されているため、甲当てベルトの通し穴が前側206と後ろ側207に構成されている。後ろ側の甲当てベルト通し穴207は端子類203〜205の開口部を形成しているカバー部材208に一体的に形成されている。ベルト通し穴207はデジタルビデオカメラ101の左側面と背面に開口することで、左側面と背面が作る角部で甲当てベルトを保持する構造を取っている。そのため、左側面に出っ張りを作らずに甲当てベルト通し穴を形成可能でかつ、本体の後端に位置しているため、把持性に優れた本体を提供可能にしている。また、専用部材を用いていないため、安価に甲当てベルト取り付け部を形成することができる。
【0018】
図3は、デジタルビデオカメラ101の内部構成概略図を示している。図3(a)は、デジタルビデオカメラ101の右側面から見た、撮像レンズ中心付近の内部構成の概略図を示している。また、図3(b)は、基板構成のみを説明する斜視図を示している。
【0019】
図3(a)に示すように、バッテリ116を収納する電池収納部Sはデジタルビデオカメラ101の底面側に配置されている。そして、電池収納部S、回路基板304およびカメラユニット315をデジタルビデオカメラ101の高さ方向に重ねて配置されている。
【0020】
撮像レンズ102の光軸301は図3(a)に示すとおりである。撮像レンズ102は、カメラユニット315の前方に配置されている。カメラユニット315の後方には撮像レンズが結像した画像を電気信号に変換するための撮像素子302が配置されている。この撮像素子302は撮像素子搭載基板303上に実装されている。本実施例における撮像素子はCMOSやCCDを適応可能である。カメラユニット315の底面側で光軸301と平行に回路基板304が配置されている。すなわち、光軸301と回路基板304の主面の法線が直交するように配置されている。回路基板304はデジタルビデオカメラ101の主な制御回路が搭載された最大規模の基板で、光軸方向の本体全長を決める大きな要素になっている。また、回路基板304のカメラユニット315側にはカメラ制御回路305が実装されている。カメラ制御回路305はカメラユニット315の駆動制御及び撮像素子302・撮像素子搭載基板303の制御、画像処理全般等を行う回路である。回路基板304と撮像素子搭載基板303は図示しないフレキシブルプリント基板またはワイヤ等で接続されている。一般的に撮像素子搭載基板303からカメラ制御回路305は高速信号を用いて通信するため、ノイズの発生源となりやすい。したがって、最短距離で接続を行う必要があるため、回路基板304のカメラユニット315面側(第1面側)にカメラ制御回路が実装されている。前述のHDMI端子111・USB端子112及びカードスロット109(b)は図3(b)に示すように実装されている。また、回路基板304を挟んでカメラユニット315と反対側の面に電池収納部Sが配置されている。電池収納部Sは略直方体形状を有し、長手方向が光軸301と平行に(光軸301と電池収納部Sの主面の法線が直交になるよう)配置されている。回路基板304の電池収納部側(第2面側)には電源回路306が実装されている。電源回路306はデジタルビデオカメラ101の給電、充電等を制御する回路である。電池収納部Sに収納されるバッテリ116と回路基板304は図示しないフレキシブルプリント基板またはワイヤで接続されている。バッテリ116と電源回路306はアナログ信号で他の信号からノイズを受けやすい。したがって、バッテリ116と電源回路306は最短距離で接続する必要があるため、回路基板304の電池収納部S側に電源回路306が実装されている。
【0021】
電池収納部Sの光軸方向前方には、三脚座117が配置され、三脚座117の上方に内蔵メモリ基板307が配置される。すなわち、三脚座117および内蔵メモリ基板307がデジタルビデオカメラ101の高さ方向に重ねて配置され、三脚座117および内蔵メモリ基板307はデジタルビデオカメラ101の高さ方向で電池収納部Sとほぼ同じ位置に配置されている。
【0022】
また、撮像レンズ102の表面を保護する電動バリア308が、デジタルビデオカメラ101の光軸方向前方に配置される。電動バリア308はバリア駆動モータ309からギア列を介して、撮像レンズ102を露出させる位置と保護する位置を移動自在に構成されている。本実施例ではバリア駆動モータ309でバリアを駆動する例を説明したが、手動バリアの場合には、ギア列などの機構部材をバリア駆動モータ309の位置に配置してもよい。また、電動バリア308の光軸方向前方にはマイク素子310が配置されている。バリア駆動モータ309およびマイク素子310は、デジタルビデオカメラ101の高さ方向で電池収納部Sとほぼ同じ位置に配置されている。
【0023】
ここで、図3(a)に示されるように、カメラユニット315とバッテリ116はデジタルビデオカメラ101の高さ方向に異なる位置に配置される。そして、カメラユニット315とバッテリ116は回路基板304を挟んで、光軸301の前後方向にズレた状態で配置されている。つまり、バッテリ116の主面と直交する面のうち最も被写体側の面は、カメラユニット315の撮像レンズ102を含む平面と撮像素子302含む平面との間に配置されている。前後方向にズレたことによってできたスペース(空間)の光軸方向前方に三脚座117、内蔵メモリ基板307、バリア駆動モータ309が配置されている。このスペースには2軸ヒンジ105の構成部品が配置されても構わない。また、このスペースにマイク素子またはLEDライトやストロボなどの照明手段、コンデンサなどの電気部品を搭載することも可能なのは言うまでもない。
【0024】
カメラユニット315の光軸方向後方には、カード基板311および端子基板312が重ねられて配置されている。カード基板311および端子基板312はデジタルビデオカメラ101の高さ方向でカメラユニット315とほぼ同じ位置に配置されている。
【0025】
カード基板311には、カードスロット109(a)が実装され、端子基板312には、外部接続端子としての外部マイク端子114及び電源端子203、映像出力端子204、映像出力及びヘッドフォン出力兼用端子205等の入出力端子が実装されている。端子基板312の上方には、ズーム操作スイッチ106とフォトボタン107の機構収納部313が配置されている。端子基板312は図3(b)に示す通り、外部マイク端子114が本体右側面の表示部104と対向する面の開口部から露出し、残りの3つの端子は本体左側面に設けられた開口部から露出するように各端子を実装している。また、前述したとおりスピーカー開口部202の下にはスピーカー素子314が図3(a)に示す通りの位置で配置されている。
【0026】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0027】
例えば、本実施例ではデジタルビデオカメラを例に説明したが、デジタルスチルカメラ、携帯情報端末、携帯電話等においても適応可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0028】
101 デジタルビデオカメラ
102 撮像レンズ
116 バッテリ
301 光軸
302 撮像素子
304 回路基板
305 カメラ制御回路
306 電源回路
315 カメラユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズと撮像素子とを有するカメラユニットと、
前記カメラユニットの駆動制御を行うカメラ制御回路および電源回路が実装される回路基板と、
前記電源回路に対して電力を供給する電池を収納する電池収納部と、を有する撮像装置であって、
前記電池収納部を前記撮像装置の底面側に配置し、前記電池収納部、前記回路基板および前記カメラユニットを前記撮像装置の高さ方向に重ねて配置するとともに、
前記回路基板の前記カメラユニットと重なる第1面に前記カメラ制御回路を実装し、
前記回路基板の前記電池収納部と重なる第2面に前記電源回路を実装することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記電池収納部を前記カメラユニットよりも前記撮像装置の光軸方向後方に配置することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置の高さ方向で前記電池収納部とほぼ同じ高さであって、前記電池収納部よりも前記撮像装置の光軸方向前方に、三脚座を配置することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置の高さ方向で前記電池収納部とほぼ同じ高さであって、前記電池収納部よりも前記撮像装置の光軸方向前方に、バリア駆動手段を配置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像装置の高さ方向で前記電池収納部とほぼ同じ高さであって、前記電池収納部よりも前記撮像装置の光軸方向前方に、マイクを配置することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像装置の高さ方向で前記カメラユニットとほぼ同じ高さであって、前記カメラユニットよりも前記撮像装置の光軸方向後方に、カードスロットが実装されるカード基板を配置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像装置の高さ方向で前記カメラユニットとほぼ同じ高さであって、前記カメラユニットよりも前記撮像装置の光軸方向後方に、外部接続端子が実装される端子基板を配置することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−129782(P2012−129782A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279190(P2010−279190)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】