説明

撮像装置

【課題】リセット動作にかかる時間を短縮しながら、このリセット動作が完了した時点でピントの合った画像を出力できる撮像装置を提供する。
【解決手段】ズーム用レンズを光軸方向に変位駆動するズーム用ステッピングモータと、フォーカス用レンズを光軸方向に変位駆動するフォーカス用ズーム用ステッピングモータと、ズーム用ステッピングモータの初期リセット位置を設定するズーム用リセットスイッチと、フォーカス用ステッピングモータの初期リセット位置を設定するフォーカス用リセットスイッチとを備え、ズーム用ステッピングモータとフォーカス用ステッピングモータとの初期リセット位置Rが、ズーム用レンズとフォーカス用レンズとの合焦時における相対な位置関係を示すズームトラッキング曲線Sの変曲点と合致する位置に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のレンズにより結像された被写体の像を、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子で受像し、この撮像素子が受像した光を光電変換して電気信号として出力し、被写体の像に対応したデジタル画像を生成して記録するデジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ、監視カメラなどの撮像装置が普及している。
【0003】
このような撮像装置では、レンズ鏡筒に配置された複数のレンズのうち、ズーム(バリエータ)用レンズを光軸方向に移動させながら変倍(ズーミング)と、フォーカス用レンズを光軸方向に移動させながら合焦(フォーカシング)とを行う。
【0004】
また、従来の撮像装置では、ズーム用レンズを光軸方向に駆動する駆動モータと、フォーカス用レンズを光軸方向に駆動する駆動モータにステッピングモータを採用しており、これらステッピングモータに供給するパルス数を計数しながら、レンズの移動量(位置)を制御することが行われている(例えば、特許文献1,2を参照。)。
【0005】
また、一般にステッピングモータを用いる場合は、開ループ制御となるため、電源投入(ON)時に、このステッピングモータの初期リセット位置を設定するためのリセット動作が必要となる。
【0006】
言い換えれば、このようなリセット動作を行わない場合には、オートフォーカスでピントが合っている状態であっても、ズーミングを行った瞬間にズーム用レンズとフォーカス用レンズとの位置関係が不明となり、ピントがボケてしまう。
【0007】
ここで、ズーム用レンズとフォーカス用レンズとの合焦時における相対な位置関係を示すズームトラッキング曲線(カムカーブ)Sを図7に示す。この図7に示すグラフは、横軸にズーム用レンズの広角(Wide)端から望遠(Tele)端までの位置と、縦軸にフォーカス用レンズの至近端点から無限端点まで位置とを示し、ズームトラッキング曲線Sは、広角(ワイド)端と望遠(テレ)端との間でズーム用レンズを変倍したときのフォーカス用レンズが合焦する位置を表している。
【0008】
撮像装置では、このズームトラッキング曲線Sの線上で合焦状態が維持されることから、上述したズーム用及びフォーカス用のステッピングモータにより駆動されるズーム用レンズとフォーカス用レンズとの位置情報として、このズームトラッキング曲線Sをステッピングモータの制御回路に予め記憶させている。
【0009】
一方、ステッピングモータの駆動を制御する際は、この記憶されたズームトラッキング曲線Sを正確にトレースさせるため、電源投入毎に、ズーム用レンズとフォーカス用レンズとの位置(初期リセット位置)を確認するための初期動作(リセット動作)が必要となる。
【0010】
そして、撮像装置では、このリセット動作によりズーム用レンズとフォーカス用レンズとの位置を確認した後、上述したズームトラッキング曲線Sに基づいてステッピングモータがズーム用レンズとフォーカス用レンズとの駆動を行うことで、合焦状態を維持したまま変倍動作を行うことが可能となる。
【0011】
撮像装置には、このようなリセット動作を行うため、ズーム用ステッピングモータの初期リセット位置を設定するズーム用リセットスイッチと、フォーカス用ステッピングモータの初期リセット位置を設定するフォーカス用リセットスイッチとが配置されている。
【0012】
従来の撮像装置では、上記図7に示すグラフにおいて、ズーム用ステッピングモータの初期リセット位置がズーム用レンズの可動範囲の中間に位置すると共に、フォーカス用ステッピングモータの初期リセット位置がフォーカス用レンズの可動範囲の中間に位置するように、上述したリセットスイッチによる初期リセット位置Rが設定されている。
【0013】
この場合、ズーム用レンズとフォーカス用レンズとが前回の電源遮断(OFF)時にどこの位置にあっても、最小の時間で初期リセット位置Rに移動させることができる。また、ズーム用ステッピングモータのリセット動作と、フォーカス用ステッピングモータのリセット動作とを同時に行うことで、リセット動作にかかる時間の短縮が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2006−162674号公報
【特許文献2】特開2006−122583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上述した従来の撮像装置では、初期リセット位置Rがズームトラッキング曲線S上に存在しないため、リセット動作が完了した時点では合焦状態とはならない。このため、従来の撮像装置では、リセット動作が完了した後に、ズーム用レンズとフォーカス用レンズとをズームトラッキング曲線S上に位置させるための合焦動作が必要となる。なお、図7中に示すZは、合焦動作に必要なフォーカス用レンズの移動量を表している。
【0016】
したがって、従来の撮像装置では、電源を投入してから、リセット動作が完了し、合焦動作によりピントの合った画像が出力されるまでに、多くの時間を要することになる。また、電源投入直後の状態では、ピントの合った画像を出力することができない。
【0017】
一方、上記図7に示すグラフにおいて、ズームトラッキング曲線S上に初期リセット位置R’を位置させた場合には、設計上はリセット動作が完了した時点で合焦状態が維持されるため、ピントの合った画像を出力することが可能となる。
【0018】
しかしながら、レンズには個体差があり、各レンズの単品での設計誤差とその積み重ねによって、各レンズ群の焦点距離は微少にその設計値からのズレが生じている。また、撮像素子の取付位置のバラツキから、ズームレンズのピント位置は設計値からのズレが生じている。その結果、ズームレンズのズームトラッキング曲線は、設計値からのズレを持っている。
【0019】
このため、リセットスイッチの取付位置には、実際のところ約±0.2mm程度の誤差Xが生じる場合がある。この場合、初期リセット位置R’は、ズームトラッキング曲線S上からの位置ズレY’が大きくなるため、リセット動作が完了し時点で出力される画像には、微小なボケが発生してしまう。したがって、この場合も、リセット動作が完了した後に、ズーム用レンズとフォーカス用レンズとをズームトラッキング曲線S上に位置させるための合焦動作が必要となってしまう。
【0020】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、リセット動作にかかる時間を短縮しながら、このリセット動作が完了した後に、直ちにピントの合った画像を出力できる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、ズーミング用レンズとフォーカス用レンズとを含む複数のレンズと、複数のレンズが光軸方向に並んで配置された鏡筒本体と、ズーミング用レンズを保持するズーム用レンズ保持部材と、フォーカス用レンズを保持するフォーカス用レンズ保持部材と、ズーム用レンズ保持部材を光軸方向に変位駆動するズーム用レンズ駆動機構と、フォーカス用レンズ保持部材を光軸方向に変位駆動するフォーカス用レンズ駆動機構と、ズーム用レンズ駆動機構の初期リセット位置を設定するズーム用リセットスイッチと、フォーカス用レンズ駆動機構の初期リセット位置を設定するフォーカス用リセットスイッチとを備え、ズーム用レンズ駆動機構とフォーカス用レンズ駆動機構との初期リセット位置が、ズーム用レンズとフォーカス用レンズとの合焦時における相対な位置関係を示すズームトラッキング曲線の変曲点と合致する位置に設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明に係る撮像装置では、ズーム用レンズ駆動機構とフォーカス用レンズ駆動機構との初期リセット位置を、ズーム用レンズとフォーカス用レンズとの合焦時における相対な位置関係を示すズームトラッキング曲線の変曲点と合致する位置に設定することで、リセットスイッチの取付誤差が生じた場合でも、初期リセット位置のズームトラッキング曲線上からの位置ズレを、リセット動作が完了した後に合焦動作を行う必要ないレベルにまで縮小化できる。したがって、この撮像装置では、リセット動作にかかる時間を短縮しながら、このリセット動作が完了した後に、直ちにピントの合った画像を出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明を適用した撮像装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す撮像装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す撮像装置のワイド端位置での内部構造を示す分断面図である。
【図4】図4は、図1に示す撮像装置のテレ端位置での内部構造を示す分断面図である。
【図5】図5は、図1に示す撮像装置の初期リセット位置での内部構造を示す分断面図である。
【図6】図6は、本発明の初期リセット位置とズームトラッキング曲線との関係を説明するためのグラフである。
【図7】図7は、従来の初期リセット位置とズームトラッキング曲線との関係を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を適用した撮像装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した撮像装置1の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す撮像装置1の構成を示す分解斜視図であり、図3は、図1に示す撮像装置1のワイド端位置での内部構造を示す分断面図であり、図4は、図1に示す撮像装置1のテレ端位置での内部構造を示す分断面図であり、図5は、図1に示す撮像装置1の初期リセット位置での内部構造を示す分断面図である。
【0025】
本発明を適用した撮像装置1は、図1、図2及び図3〜図5に示すように、複数(本例では14枚)のレンズL1〜L14が光軸方向に並んで配置された鏡筒本体2を備え、この鏡筒本体に配置された複数のレンズL1〜L14によって、インナーフォーカス式のズームレンズが構成されている。
【0026】
具体的に、このズームレンズは、物体側(撮像装置1の正面側)から順に、レンズL1,L2,L3,L4からなる第1レンズ群G1と、レンズL5,L6,L7,L8からなる第2レンズ群(ズーム(バリエータ)用レンズ)G2と、レンズL9,L10からなる第3レンズ群G3と、レンズL11,L12からなる第4レンズ群(補正レンズ)G4と、レンズL13,L14からなる第5レンズ群(フォーカス用レンズ)G5との5群のレンズ構成を有している。また、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には絞りSPが配置されている。なお、上記ズームレンズの構成については、上述した5群14枚のレンズ構成に限らず、そのレンズの枚数や組み合わせなどを適宜変更して実施することが可能である。
【0027】
また、撮像装置1は、これら複数のレンズL1〜L14(ズームレンズ)によって結像された被写体の像を、鏡筒本体2の後端側に取り付けられたCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子IPで受像し、この撮像素子IPが受像した光を光電変換して電気信号として出力し、被写体の像に対応したデジタル画像を生成することが可能となっている。
【0028】
なお、このような撮像装置1は、例えば、デジタルビデオカメラや、デジタルスチルカメラ、監視カメラなどに適用することができる。そして、この撮像装置1では、生成されたデジタル画像(動画又は静止画)を、例えばHDD(Hard Disk Drive)やメモリカード、光ディスク、磁気テープなどの記録媒体に記録することが可能である。
【0029】
鏡筒本体2は、光軸の前後方向において3分割された前部鏡筒3と中間鏡筒4と後部鏡筒5とを有している。また、中間鏡筒4と後部鏡筒5との間には、上記絞りSPの開口を調整する絞り調整機構6と、上記補正レンズG4を光軸と直交する方向に変位駆動する手振れ補正機構7とが一体化された保持ユニット8が配置されている。
【0030】
このうち、前部鏡筒3は、上記第1レンズ群G1を内側に保持した状態で、中間鏡筒4の前面側に位置決め固定されている。具体的に、この前部鏡筒3の背面側には、中間鏡筒4に対して位置決めされる複数の位置決め孔3aと、中間鏡筒4にネジ止めされるネジ(図示せず。)を貫通させる複数の貫通孔3bとが形成されている。一方、中間鏡筒4の正面側には、これら複数の位置決め孔3aが係合される位置決め突起4aと、これら複数の貫通孔3bを貫通したネジが螺合される複数のネジ穴4bとが形成されている。
【0031】
そして、この前部鏡筒3は、位置決め孔3aに位置決め突起4aが係合されることによって、中間鏡筒4に対して位置決めされると共に、貫通孔3bを通してネジ穴4bにネジが螺合されることによって、中間鏡筒4の正面側に固定されている。
【0032】
一方、後部鏡筒5は、保持ユニット8を介して中間鏡筒4の背面側に位置決め固定されている。具体的に、この後部鏡筒5の正面側には、保持ユニット8に対して位置決される複数の位置決め突起5aと、中間鏡筒4にネジ止めされるネジ(図示せず。)を貫通させる複数の貫通孔5bとが形成されている。一方、保持ユニット8(手振れ補正機構7)の背面側には、これら複数の位置決め突起5aが係合される位置決め穴(図示せず。)と、これら複数の貫通孔5bを貫通したネジを貫通させる複数の貫通孔8aとが形成されている。また、中間鏡筒4の背面側には、これら複数の貫通孔5b,8aを貫通したネジが螺合される複数のネジ穴(図示せず。)が形成されている。
【0033】
そして、この後部鏡筒5は、位置決め突起5aが保持ユニット8の位置決め穴に係合されることによって、保持ユニット8に対して位置決めされると共に、貫通孔5b,8aを通して中間鏡筒4のネジ穴にネジが螺合されることによって、保持ユニット8を挟み込んだ状態で中間鏡筒4の背面側に固定されている。
【0034】
中間鏡筒4の内側には、ズーム用レンズG2を保持するズーム用レンズ保持部材9と、このズーム用レンズ保持部材9を光軸方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸10a,10bと、これら一対のガイド軸10a,10bに沿ってズーム用レンズ保持部材9を光軸方向に変位駆動するズーム用レンズ駆動機構11と、このズーム用レンズ駆動機構11の初期リセット位置を設定するズーム用リセットスイッチ12とが設けられている。
【0035】
ズーム用レンズ保持部材9は、ズーム用レンズG2を内側に保持する保持枠13と、一方のガイド軸10aが挿通されるガイド孔14aが形成された第1の支持部14と、他方のガイド軸10bが係合されるガイド溝15aが形成された第2の支持部15とを有している。また、第1の支持部14と第2の支持部15とは、保持枠13の外周部においてズーム用レンズG2の光軸を挟んで相対向する位置に設けられている。
【0036】
一対のガイド軸10a,10bは、それぞれの両端部が前部鏡筒3と保持ユニット8(絞り調整機構6)との間で固定支持されることによって、中間鏡筒4の内側に光軸と平行な状態で取り付けられている。そして、ズーム用レンズ保持部材9は、第1の支持部14のガイド孔14aに一方のガイド軸10aが挿通され、第2の支持部15のガイド溝15aに他方のガイド軸10bが係合されることによって、これら一対のガイド軸10a,10bに沿った方向(光軸方向)にスライド可能に支持されている。
【0037】
また、一対のガイド軸10a,10bは、外部からの振動等によってズーム用レンズ保持部材9にガタツキが発生することを抑制するため、このズーム用レンズ保持部材9の第1の支持部14と第2の支持部15とを結ぶ直線が重力方向(鉛直方向)に対して略45゜傾けられた状態となるように配置されている。
【0038】
ズーム用レンズ駆動機構11は、ズーム用レンズ保持部材9に取り付けられたラック部材16と噛合されるリードスクリュー17と、このリードスクリュー17を回転駆動するズーム用ステッピングモータ18とを有している。
【0039】
リードスクリュー17は、ズーム用ステッピングモータ18の駆動軸と一体に形成されており、一端と他端との間がブラケット19により支持されている。このブラケット19は、両端部が同一方向に折り曲げられた平板部材からなり、一端にリードスクリュー17を貫通させた状態でズーム用ステッピングモータ18が固定され、他端に設けられた軸受にリードスクリュー17の先端が軸支されることによって、このリードスクリュー17を軸周りに回転自在に支持している。
【0040】
また、このブラケット19には、中間鏡筒4に対して位置決めされる複数の位置決め孔19aと、中間鏡筒4にネジ止めされるネジ(図示せず。)を貫通させる複数の貫通孔19bとが形成されている。一方、中間鏡筒4には、これら複数の位置決め孔19aが係合される位置決め突起4cと、これら複数の貫通孔19bを貫通したネジが螺合される複数のネジ穴(図示せず。)と、リードスクリュー17を光軸と平行な状態で内部に挿入するための挿入口4dとが形成されている。
【0041】
そして、このズーム用レンズ駆動機構11は、中間鏡筒4の挿入口4dからリードスクリュー17を内部に挿入し、このリードスクリュー17をラック部材16に噛合させた状態で、ブラケット19の貫通孔19bを通してネジを中間鏡筒4のネジ孔に螺合することによって、中間鏡筒4の側面側に取り付けられている。
【0042】
これにより、ズーム用レンズ駆動機構11では、ズーム用ステッピングモータ18がリードスクリュー17を回転駆動しながら、このリードスクリュー17と噛合されたラック部材16を介してズーム用レンズ保持部材9を光軸方向に変位駆動することが可能となっている。
【0043】
ズーム用リセットスイッチ12は、ズーム用レンズ保持部材9に設けられた突出部20を検知するセンサ21と、このセンサ21を保持する基板22とを有している。また、基板22には、中間鏡筒4に対して位置決めされる複数の位置決め孔22aと、中間鏡筒4にネジ止めされるネジ(図示せず。)を貫通させる複数の貫通孔22bとが形成されている。一方、中間鏡筒4には、これら複数の位置決め孔22aが係合される位置決め突起4eと、これら複数の貫通孔22bを貫通したネジが螺合される複数のネジ穴4fと、センサ21を内部に挿入するための挿入口4gとが形成されている。
【0044】
そして、このズーム用リセットスイッチ12は、中間鏡筒4の開口部4gからセンサ21を内部に挿入した状態で、基板22の位置決め孔22aに中間鏡筒4の位置決め突起4eを係合させると共に、基板22の貫通孔22bを通してネジを中間鏡筒4のネジ孔4fに螺合することによって、中間鏡筒4の側面側に取り付けられている。
【0045】
ズーム用リセットスイッチ12は、ズーム用レンズ保持部材9の移動に伴って、センサ21に形成された溝部21aの内側をズーム用レンズ保持部材9の突出部20が通過する仕組みとなっている。そして、このズーム用リセットスイッチ12では、センサ21によって溝部21aの内側に突出部20が位置する遮光状態と、溝部21aの内側に突出部20が位置しない透過状態とを検知することが可能となっている。また、ズーム用リセットスイッチ12では、センサ21によって遮光状態と透過状態との切り替わりを検知することで、上記ズーム用ステッピングモータ18の初期リセット位置を設定することが可能となっている。
【0046】
後部鏡筒5の内側には、フォーカス用レンズG5を保持するフォーカス用レンズ保持部材23と、このフォーカス用レンズ保持部材23を光軸方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸24a,24bと、これら一対のガイド軸24a,24bに沿ってフォーカス用レンズ保持部材23を光軸方向に変位駆動するフォーカス用レンズ駆動機構25と、このフォーカス用レンズ駆動機構25の初期リセット位置を設定するフォーカス用リセットスイッチ26とが設けられている。
【0047】
フォーカス用レンズ保持部材23は、フォーカス用レンズG5を保持する保持枠27と、一方のガイド軸24aが挿通されるガイド孔28aが形成された第1の支持部28と、他方のガイド軸24bが係合されるガイド溝29aが形成された第2の支持部29とを有している。また、第1の支持部28と第2の支持部29とは、保持枠27の外周部においてフォーカス用レンズG5の光軸を挟んで相対向する位置に設けられている。
【0048】
一対のガイド軸24a,24bは、それぞれの両端部が後部鏡筒5と保持ユニット8(手振れ補正機構7)との間で固定支持されることによって、後部鏡筒4の内側に光軸と平行な状態で取り付けられている。そして、フォーカス用レンズ保持部材23は、第1の支持部28のガイド孔28aに一方のガイド軸24aが挿通され、第2の支持部29のガイド溝24aに他方のガイド軸24bが係合されることによって、これら一対のガイド軸24a,24bに沿った方向(光軸方向)にスライド可能に支持されている。
【0049】
また、一対のガイド軸24a,24bは、外部からの振動等によってフォーカス用レンズ保持部材23にガタツキが発生することを抑制するため、このフォーカス用レンズ保持部材23の第1の支持部28と第2の支持部29とを結ぶ直線が重力方向(鉛直方向)に対して略45゜傾けられた状態となるように配置されている。
【0050】
また、一対のガイド軸24a,24bと一対のガイド軸10a,10bとは、外部からの振動等による影響を少なくするため、上記ズーム用レンズ保持部材9の第1の支持部14と第2の支持部15とを結ぶ直線と、フォーカス用レンズ保持部材23の第1の支持部28と第2の支持部29とを結ぶ直線とが光軸と直交する面内で交差する配置関係となっている。
【0051】
フォーカス用レンズ駆動機構25は、フォーカス用レンズ保持部材23に取り付けられたラック部材30と噛合されるリードスクリュー31と、このリードスクリュー31を回転駆動するフォーカス用ステッピングモータ32とを有している。
【0052】
リードスクリュー31は、フォーカス用ステッピングモータ32の駆動軸と一体に形成されており、一端と他端との間がブラケット33により支持されている。このブラケット33は、両端部が同一方向に折り曲げられた平板部材からなり、一端にリードスクリュー31を貫通させた状態でフォーカス用ステッピングモータ32が固定され、他端に設けられた軸受にリードスクリュー31の先端が軸支されることによって、このリードスクリュー31を軸周りに回転自在に支持している。
【0053】
また、このブラケット33には、後部鏡筒5に対して位置決めされる複数の位置決め孔33aと、後部鏡筒5にネジ止めされるネジ(図示せず。)を貫通させる複数の貫通孔33bとが形成されている。一方、後部鏡筒5には、これら複数の位置決め孔33aが係合される位置決め突起(図示せず。)と、これら複数の貫通孔33bを貫通したネジが螺合される複数のネジ穴(図示せず。)と、リードスクリュー31を光軸と平行な状態で内部に挿入するための挿入口(図示せず。)とが形成されている。
【0054】
そして、このフォーカス用レンズ駆動機構25は、後部鏡筒5の挿入口からリードスクリュー31を内部に挿入し、このリードスクリュー31をラック部材30に噛合させた状態で、ブラケット33の貫通孔33bを通してネジを中間鏡筒4のネジ孔に螺合することによって、後部鏡筒5の側面側に取り付けられている。
【0055】
これにより、フォーカス用レンズ駆動機構25では、フォーカス用ステッピングモータ32がリードスクリュー31を回転駆動しながら、このリードスクリュー31と噛合されたラック部材30を介してフォーカス用レンズ保持部材23を光軸方向に変位駆動することが可能となっている。
【0056】
フォーカス用リセットスイッチ26は、フォーカス用レンズ保持部材23に設けられた突出部34を検知するセンサ35と、このセンサ35を保持する基板36とを有している。また、基板36には、後部鏡筒5に対して位置決めされる複数の位置決め孔36aと、後部鏡筒5にネジ止めされるネジ(図示せず。)を貫通させる複数の貫通孔36bとが形成されている。一方、後部鏡筒5には、これら複数の位置決め孔36aが係合される位置決め突起(図示せず。)と、これら複数の貫通孔36bを貫通したネジが螺合される複数のネジ穴(図示せず。)と、センサ35を内部に挿入するための挿入口5cとが形成されている。
【0057】
そして、このズーム用リセットスイッチ26は、後部鏡筒5の開口部5cからセンサ35を内部に挿入した状態で、基板36の位置決め孔36aに後部鏡筒5の位置決め突起を係合させると共に、基板36の貫通孔36bを通してネジを後部鏡筒5のネジ孔に螺合することによって、後部鏡筒5の側面側に取り付けられている。
【0058】
フォーカス用リセットスイッチ26は、フォーカス用レンズ保持部材23の移動に伴って、センサ35に設けられた溝部35aの内側をフォーカス用レンズ保持部材23の突出部34が通過する仕組みとなっている。そして、このフォーカス用リセットスイッチ26では、センサ35によって溝部35aの内側に突出部34が位置する遮光状態と、溝部35aの内側に突出部34が位置しない透過状態とを検知することが可能となっている。また、フォーカス用リセットスイッチ26では、センサ35によって遮光状態と透過状態との切り替わりを検知することで、上記フォーカス用ステッピングモータ32の初期リセット位置を設定することが可能となっている。
【0059】
絞り調整機構6は、一対のシャッタ部材37a,37bと、これら一対のシャッタ部材37a,37bを鉛直方向において互いに逆向きにスライド自在に支持すると共に、開口部38aが形成された支持部材38と、一対のシャッタ部材37a,37bを互いに逆向きに変位駆動するガルバノメータ等からなる駆動モータ39とを有している。
【0060】
この絞り調整機構6では、駆動モータ39の駆動によって一対のシャッタ部材37a,37bをスライドさせながら、これら一対のシャッタ部材37a,37bによって開口部38aの遮蔽される領域を変化させることで、上記絞りSPの開口を調節することが可能となっている。
【0061】
手振れ補正機構7は、第4レンズ群G4を内側に保持する保持枠40と、この保持枠40を光軸と直交する面内で移動可能に支持する支持枠41と、この支持枠41に対して保持枠40を光軸と直交する方向に変位駆動するためのピエゾ素子(PZT)等からなる振動アクチュエータ42とを有している。
【0062】
この手振れ補正機構では、振動アクチュエータ42によって保持枠40を支持枠41に対して、補正レンズG4の光軸と直交する面内において互いに直交するヨーイング(水平)方向とピッチング(鉛直)方向とに変位駆動しながら、手振れ等に起因した画像の振れを光学的に補正することが可能となっている。
【0063】
撮像素子IPは、前面側に光学フィルタ43が配置された状態で、配線基板44上に実装されている。光学フィルタ43は、例えば、近赤外光が撮像素子IPに到達しないようにするための赤外カットフィルタや、撮像素子IPに向かう光から特定の空間周波数成分を取り出すためのローパスカットフィルタ、又はこれらのフィルタが貼り合わされたものなどからなる。
【0064】
この光学フィルタ43は、配線基板44上において撮像素子IPの周囲を囲むように配置された支持部材45を介して撮像素子IPの前面に取り付けられている。また、撮像素子IPが実装された配線基板44は、保持板46に取り付けられている。そして、撮像素子IPは、この保持板46を介して後部鏡筒5の背面側に取り付けられている。
【0065】
具体的に、保持板46には、後部鏡筒5にネジ止めされるネジ(図示せず。)を貫通させる複数の貫通孔46aが形成されている。一方、後部鏡筒5の背面側には、これら複数の貫通孔46aを貫通したネジが螺合される複数のネジ穴(図示せず。)と、光学フィルタ43、支持部材45、撮像素子IP及び配線基板44を内側に位置させるための凹部5dとが形成されている。そして、この撮像素子IPは、保持板46の貫通孔46aを通してネジを後部鏡筒5のネジ孔に螺合することによって、後部鏡筒5の背面側に取り付けられている。
【0066】
以上のような構造を有する撮像装置1では、ズーム用レンズG2を光軸方向に移動させることによって変倍(ズーミング)を行いながら、複数のレンズL1〜L14により結像された被写体の像面と撮像素子IPの受光面とが一致するように、フォーカス用レンズG5を光軸方向に移動させることによって合焦(フォーカシング)を行う。これにより、複数のレンズL1〜L14により結像された被写体の像面と撮像素子IPの受光面とを一致させたまま、焦点距離を連続的に変化させることができる。
【0067】
例えば、図3に示すワイド端位置では、ズーム用レンズG2を最も前面側(ワイド端)に位置させることによって、撮像素子IPの受光面に結像される被写体の像を最も広角(ワイド)とすることができる。
【0068】
一方、図4に示すテレ端位置では、ズーム用レンズG2を最も背面側(テレ端)に位置させることによって、撮像素子IPの受光面に結像される被写体の像を最も望遠(テレ)とすることができる。
【0069】
また、この撮像装置1では、補正用レンズG4を光軸と直交する方向に移動させることによって、手振れ等に起因した像振れを打ち消す(キャンセル)することができる。
【0070】
そして、この撮像装置1では、複数のレンズL1〜L14により結像された被写体の像を撮像素子IPで受像し、この撮像素子IPから出力される電気信号を処理することで、被写体の像に対応したデジタル画像データを生成することができる。
【0071】
ところで、本発明を適用した撮像装置1では、図6のグラフに示すように、上記ズーム用ステッピングモータ18と上記フォーカス用ステッピングモータ32との初期リセット位置Rが、上記ズーム用レンズG2と上記フォーカス用レンズG5との合焦時における相対な位置関係を示すズームトラッキング曲線Sの変曲点と合致する位置に設定されている。
【0072】
具体的に、この図6に示すグラフは、上記図7に示すグラフと同様に、横軸にズーム用レンズG2の広角(Wide)端から望遠(Tele)端までの位置と、縦軸にフォーカス用レンズG5の至近端点から無限端点まで位置とを示し、ズームトラッキング曲線Sは、広角(ワイド)端と望遠(テレ)端との間でズーム用レンズG2を変倍したときのフォーカス用レンズG5が合焦する位置を表している。
【0073】
上記撮像装置1では、このズームトラッキング曲線Sの線上で合焦状態が維持されることから、上述したズーム用ステッピングモータ18及びフォーカス用ステッピングモータ32により駆動されるズーム用レンズG2とフォーカス用レンズG5との位置情報として、このズームトラッキング曲線Sをステッピングモータ18,32の制御回路(図示せず。)に予め記憶させている。
【0074】
そして、上記撮像装置1では、この記憶されたズームトラッキング曲線Sを正確にトレースさせるため、電源投入毎に、上記ズーム用ステッピングモータ18と上記フォーカス用ステッピングモータ32との初期リセット位置Rを設定するリセット動作を行っている。
【0075】
ここで、上記撮像装置1では、ズーム用リセットスイッチ12における遮光状態と透過状態との切り替わり位置と、フォーカス用リセットスイッチ26における遮光状態と透過状態との切り替わり位置とが、ズームトラッキング曲線Sの変曲点と合致するように、上記突出部20,34の軸線方向の長さと、上記センサ21,35の位置が設定されている。
【0076】
すなわち、上記撮像装置1では、図5に示す初期リセット位置において、ズーム用リセットスイッチ12は、遮光状態と透過状態との切り替わりとなり、フォーカス用リセットスイッチ26は、遮光状態と透過状態との切り替わりとなっている。
【0077】
これより、上述した図6のグラフに示す上記ズーム用ステッピングモータ18と上記フォーカス用ステッピングモータ32との初期リセット位置Rを、ズームトラッキング曲線Sの変曲点と合致する位置に設定することができる。
【0078】
なお、上記撮像装置1では、図3に示すワイド端位置において、ズーム用リセットスイッチ12は、透過状態となり、フォーカス用リセットスイッチ26は、透過状態となっている。一方、上記撮像装置1では、図4に示すテレ端位置において、ズーム用リセットスイッチ12は、遮光状態となり、フォーカス用リセットスイッチ26は、透過状態となっている。
【0079】
上記撮像装置1のリセット動作については、上記撮像装置1に電源が投入されると、上記ズーム用リセットスイッチ12の状態と、上記フォーカス用リセットスイッチ26の状態から、上記ズーム用レンズG2と上記フォーカスレンズG5との位置を判別する。
【0080】
具体的に、ズーム用リセットスイッチ12が透過状態にある場合は、上記ズーム用レンズG2がワイド側にあると判断し、上記ズーム用レンズ駆動機構11による上記ズーム用レンズG2のテレ側への移動を開始する。一方、ズーム用リセットスイッチ12が遮光状態にある場合は、上記ズーム用レンズG2がテレ側にあると判断し、上記ズーム用レンズ駆動機構11による上記ズーム用レンズG2のワイド側への移動を開始する。
【0081】
同様に、フォーカス用リセットスイッチ26が透過状態にある場合は、上記フォーカス用レンズG5が無限側にあると判断し、上記フォーカス用レンズ駆動機構25による上記フォーカス用レンズG5の至近側への移動を開始する。一方、フォーカス用リセットスイッチ26が遮光状態にある場合は、上記フォーカス用レンズG5が至近側にあると判断し、上記フォーカス用レンズ駆動機構25による上記フォーカス用レンズG5の無限側への移動を開始する。
【0082】
そして、ズーム用リセットスイッチ12は、透過状態と遮光状態との切り替わりを検出した位置で、上記ズーム用レンズ駆動機構11による上記ズーム用レンズG2の移動を停止する。同様に、フォーカス用リセットスイッチ26は、透過状態と遮光状態との切り替わりを検出した位置で、上記フォーカス用レンズ駆動機構25による上記フォーカス用レンズG5の移動を停止する。
【0083】
上記撮像装置1では、以上のようなリセット動作によって、上記ズーム用ステッピングモータ18と上記ズーム用リセットスイッチ32との初期リセット位置Rを設定することができ、その後は、上述した図6に示すズームトラッキング曲線Sに基づいて、これらステッピングモータ18,32がズーム用レンズG2とフォーカス用レンズG5との駆動を行うことで、合焦状態を維持したまま変倍動作を正確に行うことが可能となる。
【0084】
ここで、上記図6のグラフに示すように、ズームトラッキング曲線S上に初期リセット位置R’を設定した場合でも、リセットスイッチ12,26の取付位置に約±0.2mm程度の誤差Xが生じると、この初期リセット位置R’は、ズームトラッキング曲線S上から位置ズレY’が大きくなるため、リセット動作が完了し時点で出力される画像には、微小なボケが発生してしまう。
【0085】
これに対して、本発明では、上記ズーム用ステッピングモータ18と上記フォーカス用ステッピングモータ32との初期リセット位置Rを、ズームトラッキング曲線Sの変曲点と合致する位置に設定することで、上述したリセットスイッチ12,26の取付位置に誤差Xが生じた場合でも、初期リセット位置Rのズームトラッキング曲線上からの位置ズレYを、上記リセット動作が完了した後に合焦動作を行う必要ないレベルにまで縮小化できる。
【0086】
すなわち、ズームトラッキング曲線S上の傾斜を有する位置に初期リセット位置R’を設定した場合には、リセットスイッチ12,26の取付位置の誤差Xに伴い、初期リセット位置R’のズームトラッキング曲線S上からの位置ズレYが大きくなる。一方、ズームトラッキング曲線Sの変曲点付近は傾斜が緩いため、初期リセット位置Rのズームトラッキング曲線S上からの位置ズレYをほとんど無視できる程度まで縮小化(Y<Y’)できる。したがって、後者の場合は、前者の場合に比べて、ボケの発生程度は微小であり、またオートフォーカスによるピントの取り直し時間も短くすることが可能である。
【0087】
例えば、上記図6に示すグラフにおいて、ズームトラッキング曲線Sの変曲点にある初期リセット位置Rの座標を(19.3121,1.95776)とした場合、ズーム用リセットスイッチ16の取付位置がワイド側に約0.2mmずれて、その座標が(19.1192,1.96332)となった場合、その誤差は0.00556mmとなる。逆に、ズーム用リセットスイッチ16の取付位置がテレ側に約0.2mmずれて、その座標が(19.505,1.96706)となった場合、その誤差は0.00093mmとなる。したがって、何れの場合も誤差は10μm以内であり、大きなボケを発生させない程度に抑えられている。
【0088】
以上のように、本発明を適用した撮像装置1では、リセット動作にかかる時間を短縮しながら、このリセット動作が完了した後に、直ちにピントの合った画像を出力することが可能である。
【0089】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本発明を適用した撮像装置では、上記リセット動作を電源遮断(OFF)時に行うことも可能である。この場合、電源投入時のリセット動作において、ズーム用リセットスイッチ12は、遮光状態と透過状態との切り替わりとなり、フォーカス用リセットスイッチ26は、遮光状態と透過状態との切り替わりとなるため、上記ズーム用ステッピングモータ18と上記ズーム用リセットスイッチ32との初期リセット位置Rを直ちに設定することができる。したがって、電源投入時のリセット動作にかかる時間を更に短縮して、このリセット動作が完了した後に、直ちにピントの合った画像を出力することが可能となる。
【0090】
なお、上記ズーム用及びフォーカス用レンズ駆動機構11,25では、何れもステッピングモータ18,32を用いた構成となっているが、それ以外にも上記リセット動作が必要な駆動モータを採用した場合に、本発明を好適に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0091】
1…撮像装置 2…鏡筒本体 3…前部鏡筒 4…中間鏡筒 5…後部鏡筒 6…絞り調整機構 7…手振れ補正機構 8…保持ユニット 9…ズーム用レンズ保持部材 10a,10b…ガイド軸 11…ズーム用レンズ駆動機構 12…ズーム用リセットスイッチ 18…ズーム用ステッピングモータ 20…突出部 21…センサ 23…フォーカス用レンズ保持部材 24a,24b…ガイド軸 25…フォーカス用レンズ駆動機構 26…フォーカス用リセットスイッチ 32…フォーカス用ステッピングモータ 34…突出部 35…センサ L1〜L14…レンズ G1…第1レンズ群 G2…第2レンズ群(ズーム用レンズ) G3…第3レンズ群 G4…第4レンズ群(補正レンズ) G5…第5レンズ群(フォーカス用レンズ) SP…絞り IP…撮像素子 S…ズームトラッキング曲線 R…初期リセット位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ズーミング用レンズとフォーカス用レンズとを含む複数のレンズと、
前記複数のレンズが光軸方向に並んで配置された鏡筒本体と、
前記ズーミング用レンズを保持するズーム用レンズ保持部材と、
前記フォーカス用レンズを保持するフォーカス用レンズ保持部材と、
前記ズーム用レンズ保持部材を光軸方向に変位駆動するズーム用レンズ駆動機構と、
前記フォーカス用レンズ保持部材を光軸方向に変位駆動するフォーカス用レンズ駆動機構と、
前記ズーム用レンズ駆動機構の初期リセット位置を設定するズーム用リセットスイッチと、
前記フォーカス用レンズ駆動機構の初期リセット位置を設定するフォーカス用リセットスイッチとを備え、
前記ズーム用レンズ駆動機構と前記フォーカス用レンズ駆動機構との初期リセット位置が、前記ズーム用レンズと前記フォーカス用レンズとの合焦時における相対な位置関係を示すズームトラッキング曲線の変曲点と合致する位置に設定されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記ズーム用レンズ駆動機構と前記フォーカス用レンズ駆動機構とにより前記ズーム用レンズ保持部材と前記フォーカス用レンズ保持部材とを初期リセット位置に移動させるリセット動作を電源投入時に行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記リセット動作を電源遮断時に行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記複数のレンズにより結像された被写体の像を撮像する撮像素子を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−133114(P2012−133114A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284976(P2010−284976)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(598045058)株式会社サムスン横浜研究所 (294)
【Fターム(参考)】