撮像装置
【課題】連写撮影して得られた複数枚の関連画像を容易に取り扱うとともに、連写画像と単写画像を容易に区別すること。
【解決手段】撮像手段は、複数枚の画像を連続して撮影し、複数の画像データを取得する。制御手段は、複数の画像データから1つの画像データを主画像データとして選択し、選択した主画像データと、複数の画像データにおける主画像データを除く残りの副画像データとを1つの画像ファイルとして記録させる。また、制御手段は、主画像データおよび主画像データのヘッダ情報を画像ファイルから抜きだして主画像データのみの単写画像ファイルを作成する。
【解決手段】撮像手段は、複数枚の画像を連続して撮影し、複数の画像データを取得する。制御手段は、複数の画像データから1つの画像データを主画像データとして選択し、選択した主画像データと、複数の画像データにおける主画像データを除く残りの副画像データとを1つの画像ファイルとして記録させる。また、制御手段は、主画像データおよび主画像データのヘッダ情報を画像ファイルから抜きだして主画像データのみの単写画像ファイルを作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に関し、特に、複数枚の画像を所定の時間間隔で連続して撮影可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルカメラ関連の技術の分野における進歩は著しく、今やデジタルカメラは、従来のフィルム式カメラに置き換わるまでになっている。
【0003】
デジタルカメラの特長は、従来のフィルム式カメラが、撮影した画像を現像するまで確認できないのに対して、撮った画像をその場で確認できるため、素人でも失敗が少ないという点である。また、フィルムは、1回使えば二度と使用できないが、デジタルカメラは、撮影画像を着脱可能な半導体メモリ(以下、「メモリカード」と呼ぶ)に記録しており、記録した画像を消去すれば何度でも使えるので、コスト的にも有利である。さらに、撮影された画像は、デジタル信号であるため、画像の圧縮技術を使えば記録データ量を削減することができ、メモリカードの更なる効率的な使用が可能となる。
【0004】
ところで、撮影に慣れていない撮影者の場合、被写体が目を閉じたり横を向いたりした瞬間にシャッターを切ってしまってシャッターチャンスを逃したり、撮影時の手ブレによりブレた写真を撮ってしまう。さらには、撮影条件の設定がうまくいかず、ピンボケや露出オーバーの失敗写真を撮ってしまうこともよく経験するところである。
【0005】
このような問題を解消するために、デジタルカメラには連写機能の付いたものがある。この連写機能を使えば、同一の撮影条件で、同じ被写体の写真を連続して複数枚撮影することが可能であり、できあがった写真の中から最も上手に撮れた写真を選択することができる。さらには、撮影毎に露出やホワイトバランス等の撮影条件を変えながら連続撮影が可能なオートブラケットと呼ばれる機能も普及している。
【0006】
上記連写機能では、1回の撮影で複数枚の画像がメモリカードに記録される。これらの画像は、1つの画像につき1つの画像ファイルとして記録される。この連写機能で撮影された画像(以下、「連写画像」と呼ぶ)に含まれる各画像は、通常の撮影機能で記録された画像(以下、「単写画像」と呼ぶ)とは性質が異なる。単写画像は、撮影時刻、撮影場所、撮影条件等がそれぞれの画像で異なり、1枚の独立した画像である。これに対して、連写画像は、それぞれが関連した画像であり、撮影後にこれらの画像をまとめて取り扱うことがある。
【0007】
したがって、連写画像を単写画像と同様に記録すると、連写画像の取り扱いに不便が生じる。例えば、連写画像の中から、最も上手に撮れた、あるいは気に入った等の理由で1枚の画像を選択して印刷したり、あるいはパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ)に取り込んで各種加工をするのに、手間がかかる。また、連写画像をまとめて削除、移動、コピーするたびにすべての画像を選択する必要があり、操作が煩雑となる。さらには、連写画像の中から1枚の画像を見つけるためには、すべての連写画像を撮影者が目で見て判断する必要があり、時間がかかったり、あるいは誤って選択することもあった。
【0008】
このような問題を解消するために、連写撮影を行うたびにメモリカードに新たなフォルダを作成し、そのフォルダ内に1回の連写撮影によって得られた複数枚の画像ファイルを記録することにより、1回の連写で多くの画像ファイルが生成されても、連写による画像の検索、再生、印刷、削除等の処理を簡単に行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
また、連写画像についてはそれぞれの画像ファイルのヘッダに連写IDを付してメモリカードに記録し、単写の画像ファイルを連写の画像ファイルと同じフォルダに記録しても、連写の画像ファイルを迅速に検索できる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
また、オートブラケットで撮影した連写画像を表示部に同時に表示させ、好みの画像を選択しやすくする方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−341421号公報
【特許文献2】特開2005−143020号公報
【特許文献3】特開2004−229073号公報
【特許文献4】特開平7−245723号公報
【特許文献5】特開平6−325147号公報
【特許文献6】特開平1−201776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、連写画像は同一のフォルダにまとめて記録されているため、削除等は1回の操作で済むが、別のフォルダに格納された他の連写画像や単写画像と比較して見ることができない。また、同一フォルダ内に単写画像と連写画像を格納すると、連写画像と単写画像の区別が付かない。
【0013】
特許文献2に開示された従来技術では、同一フォルダ内に連写画像と単写画像を共存させることができるが、画像ファイルの数が膨大となり、必要な画像ファイルを検索するのに時間がかかる。また、操作の途中に同一の連写で撮影された画像が異なるフォルダに格納されたりして、画像ファイルの整理が大変になる。
【0014】
特許文献3に開示された従来技術では、オートブラケットで撮影されて記録された画像は、同時に画面に表示されるため、選択しやすいが、画面が小さくなるので、画像間の微妙な違いは、撮影者が目で見て判断するのは難しい。
【0015】
このように、従来は、連写撮影でたくさんの画像を撮ったにもかかわらず、画像ファイルの整理が煩雑になり、所望の画像ファイルの検索や処理に手間がかかっていた。今後、メモリカードの容量はますます増加する方向で、連写機能は今まで以上に重要な機能となることが予想されるので、上記課題の解決が強く求められている。
【0016】
本発明の目的は、連写撮影して得られた複数枚の関連画像を容易に取り扱うことができるとともに、連写画像と単写画像を容易に区別することができる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の撮像装置は、複数枚の画像を連続して撮影し、複数の画像データを取得する撮像手段と、前記複数の画像データから1つの画像データを主画像データとして選択し、選択した前記主画像データと、前記複数の画像データにおける前記主画像データを除く残りの副画像データとを1つの画像ファイルとして記録させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記主画像データおよび前記主画像データのヘッダ情報を前記画像ファイルから抜きだして前記主画像データのみの単写画像ファイルを作成する、構成を採る。
【発明の効果】
【0018】
本発明の撮像装置によれば、連写撮影して得られた複数枚の関連画像を容易に取り扱うことができるとともに、連写画像と単写画像を容易に区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における連写機能付きデジタルカメラの概観図
【図2】本発明の実施の形態1における連続撮影動作時のレリーズ釦と露光の関係を示す図
【図3】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラの回路構成の一例を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1における連写画像ファイルの構造の一例を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における連写画像ファイルをExif形式として実現した場合の説明図
【図6】本発明の実施の形態1におけるファイル管理を説明するための図
【図7】本発明の実施の形態1における連写撮影の撮影動作を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1におけるシャッターチャンス画像を主画像とする処理を説明するためのフローチャート
【図9】本発明の実施の形態1における連写画像がファイル化されてメモリカードへ記録されるまでの処理を説明するためのフローチャート
【図10】本発明の実施の形態1における連写画像ファイルの表示(印刷)処理を説明するためのフローチャート
【図11】本発明の実施の形態1におけるマルチ表示モードの画面例を示す図
【図12】本発明の実施の形態1における順次表示モードの画面例を示す図
【図13】本発明の実施の形態1におけるコピー(移動、送信)処理を説明するためのフローチャート
【図14】本発明の実施の形態1における主画像入れ換え処理を説明するためのフローチャート
【図15】本発明の実施の形態2における手ブレ検出量に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャート
【図16】本発明の実施の形態3における撮影画像の動き量に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャート
【図17】本発明の実施の形態4における撮影画像の合焦度合いに基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャート
【図18】本発明の実施の形態5における撮影画像の顔認識結果に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャート
【図19】本発明の実施の形態6におけるABモード撮影での主画像選択の動作を示すフローチャート
【図20】本発明の実施の形態1における連写機能付きデジタルカメラの背面図
【図21】本発明の実施の形態1における連写画像ファイルであることを示す表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における連写機能付きデジタルカメラ100の概観図である。デジタルカメラ100は、レンズ鏡筒101、ビューファインダ102、レリーズ釦103、通常撮影/連続撮影切り換え釦104、メモリカード挿入口105、メモリカード取り出し釦106を備えている。通常は、ビューファインダ102で被写体の構図を確認後に、レリーズ釦103を1回押す毎に1枚の画像が撮影され、メモリカード挿入口105から装着されたフラッシュメモリ等のメモリカード(図示せず)へ撮影画像が記録される。撮影後は、メモリカード取り出し釦106を押して、メモリカードをカメラ本体の外へ取り出し、PC等に画像を取り込んで再生したり、あるいは編集や加工をして楽しむ。
【0022】
次に、このデジタルカメラ100で連続撮影をする方法について説明する。
【0023】
まず、通常撮影/連続撮影切り換え釦104を押して連続撮影モード(以下、「連写モード」と略記する)に切り換える。次に、連続撮影をする被写体をビューファインダ102で確認し、レリーズ釦103を全ストロークの約半分まで軽く押し込む。この時点で連続撮影がスタートし、ちょうどシャッターチャンスのタイミングでレリーズ釦103をほぼ全ストローク近くまで深く押し込む。このタイミングでシャッターチャンスの撮影画像が取り込まれ、その後、予め設定された枚数の撮影が継続した後、撮影を終了する。これらの連続撮影された複数の画像は、デジタルカメラ内部のバッファメモリに一旦格納された後、所定の処理が施されてメモリカードへ保存される。
【0024】
次に、図2を参照しながら、連続撮影についてさらに詳しく説明する。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態1における連続撮影動作時のレリーズ釦103と露光の関係を示す図である。図2において、時刻t0でレリーズ釦103を半押し状態にすると、1回目の露光が時刻t1で始まる。以降、半押し状態が続く間、予め設定された時間間隔に基づいて、時刻t2、t3で露光が繰り返され、周期的に撮影される。次に、時刻t4でレリーズ釦103が全押しされると、直後の時刻t5で露光され、操作者が最も撮りたいタイミングで被写体が撮影される。その後も、予め設定された枚数および時間間隔の画像が撮影されて、撮影が終了する。図2は、レリーズ釦103を全押しして時刻t5でシャッターチャンスの画像を1枚撮影した後、さらに3枚を撮影する場合を示しており、時刻t6、t7、t8で継続して撮影される。
【0026】
なお、連続撮影の時間間隔やレリーズ釦103全押し後の撮影枚数等は、別途、デジタルカメラ本体の裏側に備えられた後述するLCD等に表示したメニューで設定可能となっている。なお、上記説明では、レリーズ釦103の半押しと全押しを組み合わせて撮影者が意識的にシャッターチャンスを制御する例を示したが、これに限られるものではなく、撮影者がレリーズ釦103を半押ししている間に予め設定された撮影時間間隔で連続撮影を行う通常の連写モードや、セルフタイマー機能を用いた連続撮影を実施してもよい。また、連続撮影枚数や撮影時間間隔については、予めカメラ本体に設定されており、操作者は変更できないような構成であってもよい。また、撮影時間間隔は一定でなくてもよい。
【0027】
図3は、本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラ100の回路構成の一例を示すブロック図である。図3において、デジタルカメラ100は、ズームレンズ202とフォーカスレンズ203とを含んだ撮像レンズ群201、絞り204、撮像素子205、ズームレンズ制御駆動部206、フォーカスレンズ制御駆動部207、絞り制御駆動部208、撮像素子制御駆動部209、アナログ信号処理部210、A/D変換部211、デジタル信号処理部212、AF検出部213、動き検出部214、バッファメモリ215、JPEG処理部216、ワークメモリ217、画像認識部218、カードI/F219、メモリカード220、LCDI/F221、LCD222、外部I/F223、操作部224、手ブレ検出部225、データバス226、撮影情報記憶部227を内蔵したマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する)228を備えている。また、外部I/F223にはPC229やプリンタ230等が接続可能である。
【0028】
撮像レンズ群201は、被写体像を撮像素子205上へ結像させるための光学系である。ズームレンズ202は、被写体を光学的に拡大して撮影するためのレンズであり、ズームレンズ制御駆動部206によって望遠、広角撮影に合わせて光軸上を移動する。フォーカスレンズ203は、被写体像の焦点を調整するためのレンズであり、フォーカスレンズ制御駆動部207によって撮像素子205上で焦点が合うように光軸上を移動する。
【0029】
絞り204は、周囲の明るさに基づいて最適な露光量を調整するための機構であり、絞り制御駆動部208によって開口量が制御される。撮像素子205は、CCD等で構成され、撮像レンズ群201によって撮像された被写体像を光電変換して電気信号に変換する素子であり、撮像素子制御駆動部209により制御される。アナログ信号処理部210は、撮像素子205から出力されるアナログ画像信号にゲイン調整、ガンマ処理等の所定のアナログ信号処理を施す。A/D変換部211は、アナログ信号処理部210から出力されるアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する。
【0030】
デジタル信号処理部212は、画像データに対して、ノイズ除去や輪郭強調等のデジタル処理を施す。また、AF検出部213は、画像データのコントラスト値を計算し、合焦度合いを検出する。検出結果はマイコン228に取り込まれて、フォーカスレンズ203の制御駆動に使用される。動き検出部214は、デジタル画像データの動きベクトル等から撮影時の被写体の動き量を検出し、検出結果をマイコン228に出力する。手ブレ検出部225は、角速度センサ等から構成されており、撮影時の手ブレ量を検出する。そして、この検出結果は、マイコン228へ取り込まれて、手ブレ補正に使用される。なお、手ブレとは、デジタルカメラ100を持つ撮影者の手の動き等に起因するデジタルカメラ100の振動のことを意味する。
【0031】
バッファメモリ215は、複数枚の非圧縮画像を記憶できる容量を持ったSDRAM等から構成され、画像データはデジタル信号処理部212を経て一旦このバッファメモリ215へ格納される。画像認識部218は、バッファメモリ215から読み出された画像データから顔の部分を認識し、目が閉じている等の失敗画像を検出するための処理回路である。顔認識結果は、マイコン228に取り込まれる。JPEG処理部216は、バッファメモリ215に格納された画像データに対して記録時にはJPEG圧縮処理を施して圧縮データを生成し、再生時には圧縮データに対してJPEG伸張処理を施して元の非圧縮の画像データに戻すための処理回路である。ワークメモリ217は、JPEG圧縮データをメモリカード220に記録するためのファイルフォーマットに変換するために用いられる。このワークメモリ217において、圧縮データにヘッダが付加されて、記録するための画像ファイルが形成される。ここで、ヘッダは、撮影時の撮影情報や画像を識別するための縮小画像(以下、「サムネイル画像」と呼ぶ)から構成される。メモリカード220は、例えばフラッシュメモリ等の着脱可能な半導体メモリカードであり、上記画像ファイルがカードI/F219を介して記録保存される。
【0032】
LCD222は、液晶表示素子で構成された表示部であり、LCDI/F221を介して画像を表示する。撮影中は、被写体を確認するために、スルー画像をLCD222に表示するとともに、撮影後は、メモリカード220に記録された画像を、バッファメモリ215を経由してLCD222に表示させて、確認することができる。操作部224は、撮影者がデジタルカメラ100の撮影モードや各種撮影条件(露出、ズーム、フォーカス等)の設定を入力するため手段である。この操作部224によって入力された設定情報や操作のためのメニュー画面もLCD222に表示される。
【0033】
上記の各要素は、データバス226に接続されており、画像データ、JPEG圧縮データ、制御情報等が、このデータバス226を介して、お互いの要素間でやり取りされる。上記説明では、非圧縮の画像データを格納するバッファメモリ215とJPEG圧縮データを格納するワークメモリとを分けて説明したが、これら2つのメモリは、共通のメモリを使用してもよい。
【0034】
マイコン228は、デジタルカメラ100全体を一元的に管理しており、撮影者が操作部で設定する各種撮影条件に従って、撮影、記録、再生、表示等の各動作を制御する。また、外部I/F223を介してPC229やプリンタ230等、他の外部機器との情報通信の制御等も行う。さらに、マイコン228には、AF検出部213、動き検出部214、画像認識部218、手ブレ検出部225でそれぞれ検出された撮影画像毎の撮影状態が入力されており、この撮影画像毎の撮影状態は、マイコン228の内部にある撮影情報記憶部227に格納された後、ヘッダ情報に加工され、圧縮データとともに画像ファイルに埋め込まれてメモリカード220に記録される。
【0035】
マイコン228は、連写機能により複数枚の画像を連続して撮影して得られた複数の画像データから1つの画像データを選択し、選択した画像データと残りの画像データとを1つの画像ファイルとして記録させる機能を有する。また、マイコン228は、その画像ファイルを読み出し、複数の画像データからの1つの画像データの選択を受け付け、前回選択された画像データを今回選択された画像データと入れ換え、今回選択された画像データと残りの画像データとを当該画像ファイルに記録させる。このとき、画像データの構造は、前回選択された画像データを今回選択された画像データと入れ換える際に、当該画像ファイルにおいて今回選択された画像データと残りの画像データとを並び替える構造であっても、あるいは、当該画像ファイルにおいて今回選択された画像データを所定の位置にコピーする構造であってもよい。
【0036】
より具体的には、例えば、マイコン228は、連写機能により複数枚の画像を連続して撮影して得られた複数の画像データから1つの画像データを主画像として選択し、選択した主画像を1つの画像ファイルの先頭に記録させるとともに、主画像以外の画像データを副画像として当該画像ファイルの主画像よりも後ろに記録させる機能を有する。また、マイコン228は、主画像の入れ換え時に、入れ替え後の主画像を当該画像ファイルの先頭に記録させるとともに、主画像以外の画像データを当該画像ファイルの主画像よりも後ろに記録させる。すなわち、マイコン228は、当該画像ファイルを読み出し、複数の画像データからの1つの画像データの選択を受け付け、選択された画像データを新たな主画像として当該画像ファイルの先頭に記録させるとともに、残りの画像データを当該画像ファイルの主画像よりも後ろに記録させる。
【0037】
また、画像ファイルの構造に関連して、例えば、マイコン228は、複数の画像データを再生させる際に、選択した画像データ(主画像)を最初に再生させたり、あるいは、選択した画像データ(主画像)およびこの前後の画像データのみを再生させる。また、マイコン228は、画像ファイルを読み出し、複数の画像データからの画像データの選択を受け付け、選択された画像データを当該画像ファイルから削除する(画像データの選択的削除)。
【0038】
図20は、本発明の実施の形態1における連写機能付きデジタルカメラ100の背面図である。なお、図20には、便宜上図1には示していないダイアルも示している。
【0039】
レリーズ釦103、通常撮影/連続撮影切り換え釦104、ズームダイアル172、モードダイアル174は、カメラ本体の上面に配置されている。レリーズ釦103は、押下操作を受け付ける。マイコン228は、レリーズ釦103が半押し操作されるのに応じて、AE制御やAF制御を開始する。また、マイコン228は、レリーズ釦103が全押し操作されるのに応じて、被写体の撮像を行う。ズームダイアル172は、レリーズ釦103の周りに回転可能に配置されている。マイコン228は、ズームダイアル172が回転操作されるのに応じて、光学ズーム制御や電子ズーム制御を開始する。モードダイアル174は、回転操作を受け付ける。モードダイアル174は、目盛りが設けられており、各目盛りにはデジタルカメラ100の動作モードが割り当てられている。デジタルカメラ100の動作モードとは、例えば、再生モードや録画モード等である。マイコン228は、モードダイアル174の回転操作に応じて、モードダイアル174が指定する動作モードでデジタルカメラ100を制御する。
【0040】
電源スイッチ173、十字キー180、削除釦186、LCD222は、カメラ本体の背面に配置されている。電源スイッチ173は、スライド操作を受け付ける。マイコン228は、電源スイッチ173のスライド操作に応じて、デジタルカメラ100の電源状態を切り替える。LCD222は、例えば、上記のように、モードダイアル174により選択された動作モードに応じて、メモリカード220に記録された画像データやメニュー画面等を表示する。十字キー180は、4方向181〜184および中央部185の5パターンの押下操作を受け付ける。マイコン228は、十字キー180が押下操作されるのに応じて、再生画像データの切り替え等のLCD222の表示の操作を行う。削除釦186は、押下操作を受け付ける。マイコン228は、削除釦186が押下操作されるのに応じて、事前に選択された画像データを削除する。
【0041】
次に、N枚の連写画像をメモリカード220へ記録する際の画像ファイルの構造について説明する。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態1における連写画像ファイルの構造の一例を示す図である。図4Aに示すように、連写画像ファイルは、管理情報、ヘッダ、画像データの3つの領域から構成されている。ヘッダ領域および画像データ領域には、図4Bに示すように、連写画像を代表する1枚の主画像と、その後に連続してN−1枚の副画像の情報が格納されている。すなわち、本実施の形態では、主画像を先頭に配置し、主画像の後ろに副画像を配置するようにしている。ここで、主画像データおよび副画像データは、JPEG圧縮データである。また、図4Cに示すように、管理情報領域には、連写フラグ、連写枚数、連写間隔等の連写撮影に関する情報、および、撮影日時や撮影場所等の全画像に共通の情報が格納されており、ヘッダ領域には、各画像毎に異なる撮影情報、サムネイル画像、ポインタ等が格納されている。ここで、ポインタは、ヘッダに対応する画像データが格納されているアドレスを指し示す情報である。ヘッダを見ることにより、画像ファイル中の画像データの格納場所がわかるので、検索等の処理が迅速かつ容易に可能となる。本実施の形態では、図4Cに示すように、主画像のヘッダと副画像のヘッダとは、同一構造である。
【0043】
また、撮影情報としては、図4Dに示すように、シャッター速度、絞り値、焦点距離、ストロボ等の撮影前に設定される一般的な撮影条件に加えて、シャッターチャンスフラグ、手ブレ量、画像の動き量、顔認識結果(目が閉じているか否か)、合焦度合い、主画像フラグ等の撮影状態を表す情報も合わせて格納されている。そして、これらの撮影状態の情報は、撮影後に主画像を自動選定するための情報として使用される。なお、撮影情報としてヘッダに格納する情報は、これに限定されるものではない。連写画像ファイルをこのような構造にすることにより、N枚の連写画像を1つの画像ファイルとして扱えるとともに、管理情報の連写フラグで単写画像と容易に区別できる。なお、単写画像ファイルの構造は、図4Aにおいて、連写に関連する管理情報がなく、ヘッダおよび画像データのそれぞれの領域に単写画像のヘッダと画像データが記録された構造である。
【0044】
次に、連写画像ファイルを現在デジタルカメラの画像ファイル形式として広く普及しているExif(Exchange Image File)形式と互換性をとる方法について説明する。
【0045】
図5は、本発明の実施の形態1における連写画像ファイルをExif形式として実現した場合の説明図である。図5Aに示すように、連写画像の主画像データおよびヘッダ情報のうち標準的にサポートされている撮影条件等は、Exif形式の主画像領域に格納する。N−1枚の副画像ならびにそれに伴う圧縮パラメータおよびサムネイル画像は、画像ファイルの末尾を示すマーク(EOI)の後に連続して付加する。図5Bおよび図5Cに示すように、Exif形式の画像ファイルの「Exif IFD」の中には、メーカーが独自に定義した付加情報があることを示すタグ(「Maker Note Tag」)が存在している。そして、このタグに記載されたアドレス(「Value Offset」)で示された位置から具体的な付加情報(「Exif Value Data」)を格納している。この付加情報の構造は任意に定めることができるので、図5Dに示すように、連写画像ファイルの管理情報、主画像のヘッダ、N−1枚の副画像のヘッダを格納する。そして、上記副画像ヘッダには、撮影情報に加えて、副画像データおよびサムネイルのそれぞれのアドレスを指し示す2つのポインタが格納される。このような構造にすることにより、Exif形式と互換性を維持しながら連写画像を1つの画像ファイルとして扱うことができる。すなわち、本実施の形態における新フォーマット(画像ファイルの構造)に対応していない旧フォーマット再生装置でも、少なくとも主画像は再生することができる。
【0046】
図6は、本発明の実施の形態1におけるファイル管理を説明するための図であり、デジタルカメラ100で使用されるメモリカード220内の一般的なディレクトリ(フォルダ)構造を示している。図6に示すように、メモリカード220のルートには「DCIM」というDCFイメージルートディレクトリが存在し、その直下に、「100ABCDE」、「101ABCDE」等のDCFディレクトリが存在する。そして、このDCFディレクトリ「100ABCDE」の中に、例えばABCD0001.jpg〜ABCD0008.jpgの8個の画像ファイルが記録される。これらの画像ファイルの中でABCD0002.jpgおよびABCD0005.jpgが連写画像ファイルであり、それ以外は単写画像ファイルである。図6に示すように、連写画像ファイルは、単写画像ファイルと同様に、撮影者には1つの画像ファイルとして提示される。また、同じDCFディレクトリ「100ABCDE」の中に、連写画像ファイルと単写画像ファイルが共存していても、連写フラグの識別マークにより、容易に区別が可能である。ところで、図6は、連写画像ファイル対応のデジタルカメラでの見え方を示しており、これが連写画像ファイルに対応していない従来の機種では、最後尾欄の連写フラグは表示されない。
【0047】
図21は、連写画像ファイルであることを示す表示例を示す図である。この例では、一例として、連写画像ファイルは、表示261で示され、単写画像ファイルは、表示262で示される。連写画像ファイルは、主画像のサムネイルを表示し、単写画像ファイルは、単写画像のサムネイルを表示する。単写画像ファイルは、サムネイルの枠が1重であるのに対し、連写画像ファイルは、サムネイルの枠が部分的に3重になっている。これにより、同じJPEGファイルであっても、連写画像ファイルと単写画像ファイルを区別して表示することができる。なお、連写画像ファイルの表示は、副画像の数に応じて異なるようにしてもよい。例えば、サムネイルの枠が重なる数を副画像の数が多いほど多く表示してもよい。
【0048】
このように、本発明の連写画像ファイルのフォーマットに対応したデジタルカメラまたは対応ソフトをインストールしたPCでは、N枚の連写画像が1つの画像ファイルとして扱える。従来のデジタルカメラまたは対応ソフトがインストールされていないPCでも、主画像以外の情報は無視されるため、この画像ファイルはあたかも主画像の単写画像ファイルとして認識される。このように、連写画像ファイルを上記の形式でメモリカード220へ記録することで、新旧フォーマットの互換性が維持され、画像ファイルの扱いが従来に比べて格段に簡単となる。
【0049】
次に、連写画像ファイルの作成過程を図7〜図9を参照しながら説明する。
【0050】
図7は、本発明の実施の形態1における連写撮影の撮影動作を示すフローチャートである。まず、ステップS300で、設定された撮影モードが連写モードか否かが判定される。もし連写モードが選択されていなければ(Noの場合)、ステップS302へ進み、通常撮影が行われる。ステップS300で連写モードが選択されていれば(Yesの場合)、まず、ステップS301で、連写枚数、連写間隔、撮影日時、撮影場所等の連写撮影の管理情報がマイコン228に取り込まれる。そして、ステップS303で、レリーズ釦103が半押しされるのを待つ。レリーズ釦103が半押しされると、連続撮影を開始する。ステップS304で、まず1コマが撮影されると、ステップS305で、撮影画像の画像データをバッファメモリ215に一時格納するとともに、その撮影画像の撮影情報がマイコン228に取り込まれる。次に、ステップS306で、レリーズ釦103が全押しされたかどうかを監視し、全押しされるまで所定の時間間隔で連続撮影を繰り返す。そして、ステップS306でレリーズ釦103の全押しが検出されると(Yesの場合)、ステップS307で、次に撮影される1コマの撮影情報のシャッターチャンスフラグが設定される。その後、ステップS308とステップS309で、1コマ撮影、画像データのバッファメモリ215への格納と撮影情報のマイコン228への取り込みとが実施され、ステップS310で、撮影枚数がステップS301で取り込まれた所定枚数に達したか否かが判定され、所定枚数に達するまで撮影が繰り返されて終了する。
【0051】
次に、連写モードにおける主画像の選択方法について図8を参照しながら説明する。
【0052】
本実施の形態では、シャッターチャンスで撮影した画像を主画像に選定する。図8は、本発明の実施の形態1におけるシャッターチャンス画像を主画像とする処理を説明するためのフローチャートである。撮影が終了すると、まず、ステップS320で、画像番号iを初期化する(i=1)。次に、ステップS321で、マイコン228内の撮影情報記憶部227からi番目の画像のシャッターチャンスフラグを読み出す。そして、ステップS322で、この撮影画像がシャッターチャンス画像か否かが判定され、シャッターチャンス画像であれば(Yesの場合)、ステップS323で、撮影情報の主画像フラグを設定して終了する。ステップS322でシャッターチャンス画像でないと判定されると(Noの場合)、ステップS324で、画像番号iを更新し、ステップS321に戻り、このサイクルを繰り返す。
【0053】
次に、連写画像ファイルの作成過程を説明する。
【0054】
図9は、本発明の実施の形態1における連写撮影された後、連写画像がファイル化されてメモリカード220へ記録されるまでの処理を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS340で、画像番号iを初期化する。そして、ステップS341で、バッファメモリ215より、i番目の画像データを読み出して、ステップS342で、JPEG圧縮を施す。次に、ステップS343で、マイコン228内に格納されている撮影情報の主画像フラグを参照して、この画像が主画像か否かを判定し、主画像であれば(Yesの場合)、ステップS344で、図5に示す主画像ヘッダを作成し、ステップS345で、その主画像ヘッダをJPEG圧縮データとともにワークメモリ217の主画像領域へ格納する。一方、ステップS343で主画像でないと判定されると(Noの場合)、副画像と判定され、ステップS346で、図5に示す副画像ヘッダを作成し、ステップS347で、その副画像ヘッダをJPEG圧縮データとともに副画像領域に格納する。そして、ステップS348およびステップS349で、画像番号iの更新および判定を行って、N番目の画像までステップS341〜ステップS349の動作を繰り返す。次に、ステップS350で、ワークメモリ217から主画像、副画像1〜N−1の順に全画像の圧縮データとそれぞれのヘッダを順次読み出し、ステップS351で、管理情報を付加する。このようにして、図5に示す連写画像ファイルを生成して、最後に、ステップS352で、メモリカード220へ記録して終了する。
【0055】
次に、連写画像ファイルの処理について図10〜図14を参照しながら説明する。
【0056】
図10、図13、図14は本発明の実施の形態1におけるそれぞれ連写画像ファイルの表示(印刷)、コピー(移動、送信)、主画像入れ換えの各処理を説明するためのフローチャートである。
【0057】
まず、図10を参照しながら表示(印刷)処理について説明する。
【0058】
図10において、まず、ステップS360で、メモリカード220内のフォルダから所定の画像ファイルが選択されると、ステップS361で、この画像ファイルが連写画像ファイルか単写画像ファイルかが判定され、連写画像ファイルでなければ(Noの場合)、ステップS362へ進み、通常の表示が行われる。一方、ステップS361で連写画像ファイルと判定されると(Yesの場合)、ステップS363で、表示モードが選択される。本実施の形態のデジタルカメラ100は、マルチ表示モード、主画像表示モード、順次表示モードの3種類の表示モードを持っている。マルチ表示モードは、すべての連写画像を1枚の画像に合成して表示するモードであり、一度に全連写画像が見えるので、画像間の比較がしやすいというメリットがある。ステップS363でこのマルチ表示モードが選択されると、ステップS364で、メモリカード220から全画像の圧縮データが一旦ワークメモリ217の対応する領域に読み出され、それらの圧縮データは、ステップS365で、伸張されて元の非圧縮の画像データに戻される。そして、ステップS366で、1枚の画像に合成され、ステップS367で、LCD222へ表示される。このマルチ表示モードの画面例を、図11に示す。図11は、図6のディレクトリ「100ABCDE」内の連写画像ファイルABCD0002.jpgを表示したものであり、連写画像ファイルABCD0002.jpgに7枚の連写画像が含まれている場合を示している。なお、上記説明では、連写画像のすべてを1枚の画面に表示する例を示したが、連写枚数が多くて、1枚の画像が小さくなりすぎる場合は、何枚かの画面に分けて表示してもよい。
【0059】
次に、ステップS363で主画像表示モードが選択されると、ステップS368で、メモリカード220の連写画像ファイルから主画像の圧縮データのみがワークメモリ217へ読み出される。主画像の圧縮データは、ステップS369で、伸張され、ステップS370で、LCD222に主画像が1枚表示される。この主画像表示モードを使うことにより、多くの連写画像の中から手間をかけて1枚の主画像を選択しなくても、連写画像ファイルを選択するのみで主画像が表示され、従来の単写画像と全く同様に表示することが可能であり、ファイル選択の効率が格段に向上する。
【0060】
次に、ステップS363で順次表示モードが選択されると、ステップS371で、最初に撮影された画像の圧縮データがメモリカード220から読み出され、ステップS372で、圧縮データが伸張された後、ステップS373で、LCD222へ表示される。次に、ステップS374で、表示画像を更新するか表示を終了するかの操作者からの指示を待ち、更新指示があれば(Yesの場合)、ステップS375で、次の画像の圧縮データを読み出してステップS372へ戻る。この順次表示モードの画面例を図12に示す。図12において、画面右上部の順方向送りキー251または逆方向送りキー252をクリックする毎に記録画像を1枚ずつ撮影順または逆の順序で表示させることができる。この順次表示モードを使えば、撮影者が連写画像を1枚ずつ選択する必要がなく、送りキー251、252を押すだけで、すべての連写画像を1枚ずつ確認することができるとともに、正逆方向キー251、252を素早く切り換えて、所望の画像を容易に検索できる。さらに、LCD222には選択された1枚の画像のみが表示されるので、マルチ表示モードと比較して細かい所まで確認ができる。
【0061】
なお、上記説明では、画像が選択されるたびに1枚ずつメモリカード220から読み出す方法を説明したが、マルチ表示モードと同様に、一旦全画像をバッファメモリ215に格納しておいて、画像が選択されるたびに、選択された画像をバッファメモリ215から読み出すようにしてもよい。こうすることにより、選択してから表示するまでの時間を短縮できる。また、最初に表示する画像を、主画像として、送りキー251、252の操作によって主画像を中心に前後に撮影した画像を順次表示するようにしてもよい。また、順次再生モードは、連続再生の機能を有しており、図12の画面左上部のプレイキー253をクリックすると、全連写画像を撮影順に一定の間隔でアニメーション表示することもできる。
【0062】
次に、連写画像ファイルのコピー(移動、送信)処理について図13を参照しながら説明する。
【0063】
図13は、コピー処理を説明するためのフローチャートである。図13において、まず、ステップS380で、所定の画像ファイルが選択されると、ステップS381で、この画像ファイルが連写画像ファイルか単写画像ファイルかが判定され、連写画像ファイルでなければ(Noの場合)、ステップS382で、通常のコピーが行われる。ステップS381で連写画像ファイルと判定されると(Yesの場合)、ステップS383で、コピーモードが選択される。連写画像のコピーモードには、全画像コピーモードと主画像コピーモードの2つのモードがある。ステップS383で全画像コピーモードが選択されると、ステップS384で、連写画像ファイルがそのままメモリカード220内の他のフォルダやPC229へコピーされる。一方、ステップS383で主画像コピーモードが選択されると、ステップS385で、連写画像ファイルから主画像データと主画像ヘッダ情報を抜き出して主画像のみの単写画像ファイルを作成し(ステップS386)、ステップS387で、この主画像の単写画像ファイルがコピー対象のフォルダへ移動される。この主画像コピーモードを用いて主画像のみの軽いファイルをコピーすることにより、メモリの節約が可能となる。また、送信にこのモードを使うと、通信回線に負荷をかけることなく、必要な画像のみを送信相手に送ることができる。受け取った相手も、自分のメモリ容量を浪費することがない。
【0064】
次に、連写画像の主画像入れ換え処理について図14を参照しながら説明する。
【0065】
図14は、主画像入れ換え処理を説明するためのフローチャートである。図14において、まず、ステップS400で、所定の画像ファイルが選択されると、ステップS401で、この画像ファイルが連写画像ファイルか単写画像ファイルかが判定され、連写画像ファイルでなければ(Noの場合)、ステップS402で、選択画像ファイルが連写画像ファイルでない旨のワーニングが表示され、終了する。ステップS401で連写画像ファイルと判定されると(Yesの場合)、ステップS403で、マルチ表示モードか順次表示モードへ移行し、この表示モードを使って新たな主画像を選択する(ステップS404)。例えば、ステップS403の表示モードでは、現在の主画像から表示される。次に、ステップS405で、ダイエットモードか否かを判断する。ダイエットモードは、記録容量を節約するために準備されたモードであり、ステップS405でダイエットモードが選択されると(Yesの場合)、ステップS410で、連写画像ファイルから主画像の圧縮データとヘッダを取り出し、ステップS411で、管理情報とヘッダを変更して新たな単写画像ファイルを作成し、ステップS412で、この単写画像ファイルをメモリカード220へ記録する。そして、最後に、ステップS413で、旧連写画像ファイルをメモリカード220から削除して終了する。
【0066】
また、ステップS405でダイエットモードが選択されなければ(Noの場合)、ステップS406で、連写画像ファイルの中の新旧主画像を入れ換える。これは、連写画像の圧縮データとヘッダを、一旦ワークメモリ217へ読み出し、主画像データとヘッダを副画像領域へ格納し、新たな主画像の画像データとヘッダを主画像領域に格納した後に、順次読み出すことで、実行される。次に、ステップS407で、連写画像ファイルの管理情報とヘッダを変更し、新たな連写画像ファイルを作成する。そして、ステップS408で、新連写画像ファイルをメモリカード220へ記録し、最後に、ステップS409で、旧連写画像ファイルをメモリカード220から削除して終了する。このように、この主画像入れ換えモードを使えば、簡単に主画像を他の副画像と入れ換えることができる。また、メモリカード220の残容量が少なくなると、ダイエットモードを使って主画像以外の画像データを即座に削除でき、使用できる容量を増やすことができる。
【0067】
なお、ここで説明した表示(印刷)、コピー(移動、送信)、主画像入れ換え処理以外にも、画像ファイル処理としては、削除、色加工等があるが、これらの処理は、連写画像ファイルに含まれる全画像に対して施される。また、画像ファイル処理は、これらに限定されるものではなく、画像ファイル処理毎に主画像のみを対象とするか、全画像を対象とするかは適宜決めることが可能である。
【0068】
以上、詳細に説明したように、本実施の形態によれば、マイコン228は、連写機能により複数枚の画像を連続して撮影して得られた複数の画像データから1つの画像データを主画像として選択し、選択した主画像を1つの画像ファイルの先頭に記録させるとともに、主画像以外の画像データを副画像として当該画像ファイルの主画像よりも後ろに記録させる。また、主画像の入れ換え時に、入れ替え後の主画像を当該画像ファイルの先頭に記録させるとともに、主画像以外の画像データを当該画像ファイルの主画像よりも後ろに記録させる。これにより、連写した画像が1つのファイルにまとめて記録されるので、関連画像の取り扱いが容易である。そして、この場合、1つのファイルにまとめて記録される画像データのうち、主画像を先頭に、それ以外の副画像を主画像の後ろに順次記録するので、主画像についてはいかなる場合においても確実かつ迅速に表示することができる。特に、1つのファイルの最初に主画像を配置することで、従来のExif形式を持つ撮像装置および記録メディアと互換性を保つことができ、主画像ついてはどのような撮像装置等においても表示などの出力が担保される。これは、旧フォーマット再生装置で再生できるという優れた利点がある。また、主画像を先頭に配置ことで、検索が速いという効果もある。使い方としては、該当ファイルをクリックすると、必ず主画像が最初に出ることになる。
【0069】
なお、特許文献4から特許文献6には、主画像データと主画像のデータサイズを縮小した副画像データとを1つのファイルに記録する方法が開示されている。しかし、これらは、主画像データと副画像データという用語こそ類似しているものの、(1)検索の簡素化を目的とするものであること、また(2)連写画像でないこと、から本実施の形態とは異なる技術である。
【0070】
また、デジタルカメラのムービーモードでは、モーションJPEGが用意されており、一連の静止画のレビューファイルを時系列で再生する。これは、1つのファイルに複数の画像データが記録される。しかしながら、この技術は動画像再生であることから、本実施の形態のような、主画像を撮影順序とは関係なくファイルの最初に持ってくるものとは異なる技術である。
【0071】
(実施の形態2)
実施の形態2は、手ブレ量により主画像を選択する場合である。
【0072】
図15は、本発明の実施の形態2における手ブレ検出量に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【0073】
撮影のタイミングで手ブレが発生すると、撮影画像はブレてしまう。そこで、本実施の形態では、手ブレ検出部225から出力される手ブレ量を監視し、最も手ブレの少ない画像を主画像として選択するようにしている。
【0074】
図15において、まず、ステップS420で、画像番号iを初期化(i=1)する。そして、ステップS421で、連写撮影時に撮影情報記憶部227に格納したデジタルカメラ100の手ブレ量Q(i)を読み出す。次に、ステップS422で、1枚前に撮影した(i−1)番目の画像の手ブレ量Q(i−1)と比較し、小さければ(Yesの場合)、ステップS423で主画像番号kをiに設定する。逆に、Q(i)がQ(i−1)より大きい場合は、そのままステップS424へ進み、画像番号iを更新して、ステップS425で画像番号iがNに等しくなるまで、ステップS421からステップS425のループを繰り返す。そして、最後に、ステップS426で、k番目の画像に主画像フラグを設定して終了する。このようにすると、連写で撮影したN枚の画像の中で最も手ブレ量の少ない画像を主画像に設定できる。
【0075】
(実施の形態3)
実施の形態3は、画像の動き量により主画像を選択する場合である。
【0076】
図16は、本発明の実施の形態3における撮影画像の動き量に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【0077】
撮影のタイミングで被写体が動いてしまうと、撮影画像はブレてしまう。そこで、本実施の形態では、撮像時に動き検出部214の出力から被写体の動き量を監視し、最も動き量の少ない画像を主画像として選択するようにしている。
【0078】
図16において、まず、ステップS440で、画像番号iを初期化(i=1)する。そして、ステップS441で、連写撮影時に撮影情報記憶部227に格納した画像の動き量M(i)を読み出す。次に、ステップS442で、1枚前に撮像した(i−1)番目の画像の動き量M(i−1)と比較し、小さければ(Yesの場合)、ステップS443で、主画像番号kをiに設定する。逆に、M(i)がM(i−1)より大きければ(Noの場合)、そのままステップS444へ進み、画像番号iを更新して、ステップS445で画像番号iがNに等しくなるまで、ステップS441からステップS445のループを繰り返す。そして、最後に、ステップS446で、k番目の画像に主画像フラグを設定して終了する。このようにすると、連写で撮影したN枚の画像の中で最も被写体の動き量の少ない画像を主画像に設定できる。
【0079】
(実施の形態4)
実施の形態4は、合焦度合いにより主画像を選択する場合である。
【0080】
図17は、本発明の実施の形態4における撮影画像の合焦度合いに基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【0081】
撮影のタイミングで被写体にちょうど焦点が合っていないと、撮影画像はピンボケの画像になってしまう。そこで、本実施の形態では、AF検出部213から出力される撮影画像のコントラスト値から合焦度合いを監視し、最も焦点の合った画像を主画像として選択するようにしている。
【0082】
図17において、まず、ステップS460で、画像番号iを初期化(i=1)する。そして、ステップS461で、連写撮影時に撮影情報記憶部227に格納した撮影画像iのコントラスト値C(i)を読み出す。次に、ステップS462で、1枚前に撮像した(i−1)番目の画像のコントラスト値C(i−1)と比較し、大きければ(Yesの場合)、ステップS463で、主画像番号kをiに設定する。逆に、C(i)がC(i−1)より小さい場合は、そのままステップS464へ進み、画像番号iを更新して、ステップS465で画像番号iがNに等しくなるまで、ステップS461からステップS465のループを繰り返す。そして、最後に、ステップS466で、k番目の画像に主画像フラグを設定して終了する。このようにすると、連写で撮影したN枚の画像の中で最も焦点の合った画像を正確に判定でき、その画像を主画像に設定できる。
【0083】
(実施の形態5)
実施の形態5は、画像中の顔を認識して目が閉じた画像を検出するとその画像にNGフラグを設定する場合である。
【0084】
図18は、本発明の実施の形態5における撮影画像の顔認識結果に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【0085】
撮影のタイミングで被写体が瞬きしてしまい、目を閉じた画像が撮影されることがある。そこで、本実施の形態では、画像認識部218での顔の認識結果から、目を閉じた画像を主画像の候補から外すようにしている。本実施の形態では、連写撮影が終了し、N枚の連写画像がバッファメモリ215に格納された後に、顔認識を行うものとする。
【0086】
図18において、まず、ステップS480で、画像番号iを初期化(i=1)する。そして、ステップS481で、バッファメモリ215からi番目の画像を読み出す。次に、ステップS482で、顔認識を行う。そして、ステップS483で、顔認識の結果、目を閉じているか否かを判定し、目を閉じていれば(Yesの場合)、撮影情報の顔認識結果にNGを設定する。逆に、ステップS483で目を閉じていないと判定されると(Noの場合)、そのままステップS485へ進み、画像番号iを更新して、ステップS486で画像番号iがNに等しくなるまで、ステップS481からステップS486のループを繰り返す。このようにすると、連写で撮影したN枚の画像の中で目を閉じた画像にNGを設定でき、主画像を選択する際の候補から外すことができる。
【0087】
(実施の形態6)
実施の形態6は、オートブラケットモード(以下、「ABモード」と略記する)での撮影の後、お気に入りの画像を主画像に設定する場合である。
【0088】
図19は、本発明の実施の形態6におけるABモード撮影での主画像選択の動作を示すフローチャートである。
【0089】
図19において、まず、ステップS500で、設定された撮影モードがABモードか否かが判断される。もしABモードでなければ(Noの場合)、ステップS502で、通常撮影を行う。ステップS500でABモードが選択されていれば(Yesの場合)、まず、ステップS501で、連写枚数、連写間隔、撮影日時、撮影場所等の連写撮影の管理情報がマイコン228に取り込まれる。そして、ステップS503で、撮影条件の初期値が設定される。そして、ステップS504で、レリーズ釦103が押されて撮影がスタートするのを待つ。ABモードが設定された場合は、レリーズ釦103の全押しで、予め設定された通りに撮影条件を変えながら所定の枚数が撮影される。ステップS504でレリーズ釦103が押されて撮影がスタートすると、ステップS505で、1コマ撮影され、ステップS506で、撮影画像データがバッファメモリ215へ、そのときの撮影条件が撮影情報記憶部227へそれぞれ格納される。そして、ステップS507で、撮影枚数が所定枚数に達したか否かが判定され、所定枚数になるまで撮影条件を更新しながら(ステップS508)、撮影を繰り返す。撮影が終了すると、ステップS509で、表示モードに移行し、ABモードで撮影された画像の中からお気に入りの画像を選択する(ステップS510)。そして、最後に、ステップS511で、選択された画像の撮影情報に主画像フラグを設定して終了する。このようにすることにより、ABモードの撮影でも、通常の連写撮影と同様に、1枚の主画像を持った1つの連写画像ファイルとしてメモリカード220へ記録される。
【0090】
なお、このABモード撮影の主画像選択方法に実施の形態1から実施の形態5で説明した通常の連写撮影時の主画像選択方法を組み合わせれば、さらに選択の精度を向上することができる。ABモード撮影で撮影毎に変更する撮影条件としては、露光量、ホワイトバランス等があるが、これに限定されるものではないことはもちろんである。
【0091】
以上説明したように、本発明の実施の形態による撮像装置においては、連写撮影して得られた複数枚の連写画像から主画像を正確かつ迅速に選択できるとともに、メモリカード220に記録された画像ファイルの取り扱いが極めて簡単となる。
【0092】
なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
【0093】
本発明は、撮像装置を有する電子機器であれば、どのような装置にも適用できる。例えば、デジタルカメラおよびビデオカメラは勿論のこと、カメラ付き携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末、撮像装置を備えるパソコン等の情報処理装置にも適用可能である。
【0094】
また、主画像を先頭に、それ以外の副画像を主画像の後ろに順次記録する制御を行うものであれば、どのような方法でもよく、例えば、主画像を示すポインタを用いる方法のほか、主画像にフラグを立てる方法でもよい。さらには、主画像の入れ換え時に、画像データの並び替えを行う方式のほか、画像データの並び替えは行わずに、主画像を先頭位置にコピーして対応する方式も可能である。
【0095】
また、上記説明では、通常の連写の場合の主画像の選択は自動で行うとしたが、これに限定されるものではなく、ABモード撮影と同様に、撮影後にマルチ表示モードや順次表示モードを使って撮影された全画像を目で確認しながら最も気に入った画像を撮影者がマニュアルで設定してもよい。
【0096】
また、上記説明では、撮影状態を独立に評価して主画像を決定したが、複数の撮影状態を総合的に評価して主画像を決定してもよい。例えば、各撮影状態毎に評価点を付け、合計点の最も高い画像を主画像として選択する等である。
【0097】
また、上記説明では、撮影画像はJPEG圧縮されてメモリカードへ記録する場合を説明したが、他の圧縮方式で記録された画像でもよいし、また、非圧縮の画像にも適用できることは言うまでもない。
【0098】
また、上記説明では、デジタルカメラでの処理を説明したが、連写画像ファイルの対応ソフトをインストールしたPC等の情報機器でも同様な処理が可能である。
【0099】
また、上記説明では、連写モード、ABモードともに連続して撮影した画像を対象として連写画像ファイルを作る場合について説明したが、必ずしも連写画像である必要はなく、1枚ずつ個別に撮影した後で関連画像を集めて1つの連写画像ファイルにすることもできる。例えばマニュアルでズーム倍率を変えながら撮った複数枚の画像を連写画像ファイルの形式で記録してもよい。
【0100】
また、上記各実施の形態では、撮像装置という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、撮影装置、デジタルカメラ、撮像方法等であってもよいことは勿論である。
【0101】
さらに、上記デジタルカメラを構成する各構成部、例えば撮像光学系の種類、その駆動部、取付け方法等、さらには動き検出部の種類等は、前述した実施の形態に限られない。
【0102】
また、以上説明した撮像装置は、この撮像装置の撮影制御方法を機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。
【0103】
本明細書は、2007年1月15日出願の特願2007−005611に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、連写機能を有するデジタルカメラ等の撮像装置に利用することが可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に関し、特に、複数枚の画像を所定の時間間隔で連続して撮影可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルカメラ関連の技術の分野における進歩は著しく、今やデジタルカメラは、従来のフィルム式カメラに置き換わるまでになっている。
【0003】
デジタルカメラの特長は、従来のフィルム式カメラが、撮影した画像を現像するまで確認できないのに対して、撮った画像をその場で確認できるため、素人でも失敗が少ないという点である。また、フィルムは、1回使えば二度と使用できないが、デジタルカメラは、撮影画像を着脱可能な半導体メモリ(以下、「メモリカード」と呼ぶ)に記録しており、記録した画像を消去すれば何度でも使えるので、コスト的にも有利である。さらに、撮影された画像は、デジタル信号であるため、画像の圧縮技術を使えば記録データ量を削減することができ、メモリカードの更なる効率的な使用が可能となる。
【0004】
ところで、撮影に慣れていない撮影者の場合、被写体が目を閉じたり横を向いたりした瞬間にシャッターを切ってしまってシャッターチャンスを逃したり、撮影時の手ブレによりブレた写真を撮ってしまう。さらには、撮影条件の設定がうまくいかず、ピンボケや露出オーバーの失敗写真を撮ってしまうこともよく経験するところである。
【0005】
このような問題を解消するために、デジタルカメラには連写機能の付いたものがある。この連写機能を使えば、同一の撮影条件で、同じ被写体の写真を連続して複数枚撮影することが可能であり、できあがった写真の中から最も上手に撮れた写真を選択することができる。さらには、撮影毎に露出やホワイトバランス等の撮影条件を変えながら連続撮影が可能なオートブラケットと呼ばれる機能も普及している。
【0006】
上記連写機能では、1回の撮影で複数枚の画像がメモリカードに記録される。これらの画像は、1つの画像につき1つの画像ファイルとして記録される。この連写機能で撮影された画像(以下、「連写画像」と呼ぶ)に含まれる各画像は、通常の撮影機能で記録された画像(以下、「単写画像」と呼ぶ)とは性質が異なる。単写画像は、撮影時刻、撮影場所、撮影条件等がそれぞれの画像で異なり、1枚の独立した画像である。これに対して、連写画像は、それぞれが関連した画像であり、撮影後にこれらの画像をまとめて取り扱うことがある。
【0007】
したがって、連写画像を単写画像と同様に記録すると、連写画像の取り扱いに不便が生じる。例えば、連写画像の中から、最も上手に撮れた、あるいは気に入った等の理由で1枚の画像を選択して印刷したり、あるいはパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ)に取り込んで各種加工をするのに、手間がかかる。また、連写画像をまとめて削除、移動、コピーするたびにすべての画像を選択する必要があり、操作が煩雑となる。さらには、連写画像の中から1枚の画像を見つけるためには、すべての連写画像を撮影者が目で見て判断する必要があり、時間がかかったり、あるいは誤って選択することもあった。
【0008】
このような問題を解消するために、連写撮影を行うたびにメモリカードに新たなフォルダを作成し、そのフォルダ内に1回の連写撮影によって得られた複数枚の画像ファイルを記録することにより、1回の連写で多くの画像ファイルが生成されても、連写による画像の検索、再生、印刷、削除等の処理を簡単に行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
また、連写画像についてはそれぞれの画像ファイルのヘッダに連写IDを付してメモリカードに記録し、単写の画像ファイルを連写の画像ファイルと同じフォルダに記録しても、連写の画像ファイルを迅速に検索できる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
また、オートブラケットで撮影した連写画像を表示部に同時に表示させ、好みの画像を選択しやすくする方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−341421号公報
【特許文献2】特開2005−143020号公報
【特許文献3】特開2004−229073号公報
【特許文献4】特開平7−245723号公報
【特許文献5】特開平6−325147号公報
【特許文献6】特開平1−201776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、連写画像は同一のフォルダにまとめて記録されているため、削除等は1回の操作で済むが、別のフォルダに格納された他の連写画像や単写画像と比較して見ることができない。また、同一フォルダ内に単写画像と連写画像を格納すると、連写画像と単写画像の区別が付かない。
【0013】
特許文献2に開示された従来技術では、同一フォルダ内に連写画像と単写画像を共存させることができるが、画像ファイルの数が膨大となり、必要な画像ファイルを検索するのに時間がかかる。また、操作の途中に同一の連写で撮影された画像が異なるフォルダに格納されたりして、画像ファイルの整理が大変になる。
【0014】
特許文献3に開示された従来技術では、オートブラケットで撮影されて記録された画像は、同時に画面に表示されるため、選択しやすいが、画面が小さくなるので、画像間の微妙な違いは、撮影者が目で見て判断するのは難しい。
【0015】
このように、従来は、連写撮影でたくさんの画像を撮ったにもかかわらず、画像ファイルの整理が煩雑になり、所望の画像ファイルの検索や処理に手間がかかっていた。今後、メモリカードの容量はますます増加する方向で、連写機能は今まで以上に重要な機能となることが予想されるので、上記課題の解決が強く求められている。
【0016】
本発明の目的は、連写撮影して得られた複数枚の関連画像を容易に取り扱うことができるとともに、連写画像と単写画像を容易に区別することができる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の撮像装置は、複数枚の画像を連続して撮影し、複数の画像データを取得する撮像手段と、前記複数の画像データから1つの画像データを主画像データとして選択し、選択した前記主画像データと、前記複数の画像データにおける前記主画像データを除く残りの副画像データとを1つの画像ファイルとして記録させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記主画像データおよび前記主画像データのヘッダ情報を前記画像ファイルから抜きだして前記主画像データのみの単写画像ファイルを作成する、構成を採る。
【発明の効果】
【0018】
本発明の撮像装置によれば、連写撮影して得られた複数枚の関連画像を容易に取り扱うことができるとともに、連写画像と単写画像を容易に区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における連写機能付きデジタルカメラの概観図
【図2】本発明の実施の形態1における連続撮影動作時のレリーズ釦と露光の関係を示す図
【図3】本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラの回路構成の一例を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1における連写画像ファイルの構造の一例を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における連写画像ファイルをExif形式として実現した場合の説明図
【図6】本発明の実施の形態1におけるファイル管理を説明するための図
【図7】本発明の実施の形態1における連写撮影の撮影動作を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1におけるシャッターチャンス画像を主画像とする処理を説明するためのフローチャート
【図9】本発明の実施の形態1における連写画像がファイル化されてメモリカードへ記録されるまでの処理を説明するためのフローチャート
【図10】本発明の実施の形態1における連写画像ファイルの表示(印刷)処理を説明するためのフローチャート
【図11】本発明の実施の形態1におけるマルチ表示モードの画面例を示す図
【図12】本発明の実施の形態1における順次表示モードの画面例を示す図
【図13】本発明の実施の形態1におけるコピー(移動、送信)処理を説明するためのフローチャート
【図14】本発明の実施の形態1における主画像入れ換え処理を説明するためのフローチャート
【図15】本発明の実施の形態2における手ブレ検出量に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャート
【図16】本発明の実施の形態3における撮影画像の動き量に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャート
【図17】本発明の実施の形態4における撮影画像の合焦度合いに基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャート
【図18】本発明の実施の形態5における撮影画像の顔認識結果に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャート
【図19】本発明の実施の形態6におけるABモード撮影での主画像選択の動作を示すフローチャート
【図20】本発明の実施の形態1における連写機能付きデジタルカメラの背面図
【図21】本発明の実施の形態1における連写画像ファイルであることを示す表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における連写機能付きデジタルカメラ100の概観図である。デジタルカメラ100は、レンズ鏡筒101、ビューファインダ102、レリーズ釦103、通常撮影/連続撮影切り換え釦104、メモリカード挿入口105、メモリカード取り出し釦106を備えている。通常は、ビューファインダ102で被写体の構図を確認後に、レリーズ釦103を1回押す毎に1枚の画像が撮影され、メモリカード挿入口105から装着されたフラッシュメモリ等のメモリカード(図示せず)へ撮影画像が記録される。撮影後は、メモリカード取り出し釦106を押して、メモリカードをカメラ本体の外へ取り出し、PC等に画像を取り込んで再生したり、あるいは編集や加工をして楽しむ。
【0022】
次に、このデジタルカメラ100で連続撮影をする方法について説明する。
【0023】
まず、通常撮影/連続撮影切り換え釦104を押して連続撮影モード(以下、「連写モード」と略記する)に切り換える。次に、連続撮影をする被写体をビューファインダ102で確認し、レリーズ釦103を全ストロークの約半分まで軽く押し込む。この時点で連続撮影がスタートし、ちょうどシャッターチャンスのタイミングでレリーズ釦103をほぼ全ストローク近くまで深く押し込む。このタイミングでシャッターチャンスの撮影画像が取り込まれ、その後、予め設定された枚数の撮影が継続した後、撮影を終了する。これらの連続撮影された複数の画像は、デジタルカメラ内部のバッファメモリに一旦格納された後、所定の処理が施されてメモリカードへ保存される。
【0024】
次に、図2を参照しながら、連続撮影についてさらに詳しく説明する。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態1における連続撮影動作時のレリーズ釦103と露光の関係を示す図である。図2において、時刻t0でレリーズ釦103を半押し状態にすると、1回目の露光が時刻t1で始まる。以降、半押し状態が続く間、予め設定された時間間隔に基づいて、時刻t2、t3で露光が繰り返され、周期的に撮影される。次に、時刻t4でレリーズ釦103が全押しされると、直後の時刻t5で露光され、操作者が最も撮りたいタイミングで被写体が撮影される。その後も、予め設定された枚数および時間間隔の画像が撮影されて、撮影が終了する。図2は、レリーズ釦103を全押しして時刻t5でシャッターチャンスの画像を1枚撮影した後、さらに3枚を撮影する場合を示しており、時刻t6、t7、t8で継続して撮影される。
【0026】
なお、連続撮影の時間間隔やレリーズ釦103全押し後の撮影枚数等は、別途、デジタルカメラ本体の裏側に備えられた後述するLCD等に表示したメニューで設定可能となっている。なお、上記説明では、レリーズ釦103の半押しと全押しを組み合わせて撮影者が意識的にシャッターチャンスを制御する例を示したが、これに限られるものではなく、撮影者がレリーズ釦103を半押ししている間に予め設定された撮影時間間隔で連続撮影を行う通常の連写モードや、セルフタイマー機能を用いた連続撮影を実施してもよい。また、連続撮影枚数や撮影時間間隔については、予めカメラ本体に設定されており、操作者は変更できないような構成であってもよい。また、撮影時間間隔は一定でなくてもよい。
【0027】
図3は、本発明の実施の形態1におけるデジタルカメラ100の回路構成の一例を示すブロック図である。図3において、デジタルカメラ100は、ズームレンズ202とフォーカスレンズ203とを含んだ撮像レンズ群201、絞り204、撮像素子205、ズームレンズ制御駆動部206、フォーカスレンズ制御駆動部207、絞り制御駆動部208、撮像素子制御駆動部209、アナログ信号処理部210、A/D変換部211、デジタル信号処理部212、AF検出部213、動き検出部214、バッファメモリ215、JPEG処理部216、ワークメモリ217、画像認識部218、カードI/F219、メモリカード220、LCDI/F221、LCD222、外部I/F223、操作部224、手ブレ検出部225、データバス226、撮影情報記憶部227を内蔵したマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する)228を備えている。また、外部I/F223にはPC229やプリンタ230等が接続可能である。
【0028】
撮像レンズ群201は、被写体像を撮像素子205上へ結像させるための光学系である。ズームレンズ202は、被写体を光学的に拡大して撮影するためのレンズであり、ズームレンズ制御駆動部206によって望遠、広角撮影に合わせて光軸上を移動する。フォーカスレンズ203は、被写体像の焦点を調整するためのレンズであり、フォーカスレンズ制御駆動部207によって撮像素子205上で焦点が合うように光軸上を移動する。
【0029】
絞り204は、周囲の明るさに基づいて最適な露光量を調整するための機構であり、絞り制御駆動部208によって開口量が制御される。撮像素子205は、CCD等で構成され、撮像レンズ群201によって撮像された被写体像を光電変換して電気信号に変換する素子であり、撮像素子制御駆動部209により制御される。アナログ信号処理部210は、撮像素子205から出力されるアナログ画像信号にゲイン調整、ガンマ処理等の所定のアナログ信号処理を施す。A/D変換部211は、アナログ信号処理部210から出力されるアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する。
【0030】
デジタル信号処理部212は、画像データに対して、ノイズ除去や輪郭強調等のデジタル処理を施す。また、AF検出部213は、画像データのコントラスト値を計算し、合焦度合いを検出する。検出結果はマイコン228に取り込まれて、フォーカスレンズ203の制御駆動に使用される。動き検出部214は、デジタル画像データの動きベクトル等から撮影時の被写体の動き量を検出し、検出結果をマイコン228に出力する。手ブレ検出部225は、角速度センサ等から構成されており、撮影時の手ブレ量を検出する。そして、この検出結果は、マイコン228へ取り込まれて、手ブレ補正に使用される。なお、手ブレとは、デジタルカメラ100を持つ撮影者の手の動き等に起因するデジタルカメラ100の振動のことを意味する。
【0031】
バッファメモリ215は、複数枚の非圧縮画像を記憶できる容量を持ったSDRAM等から構成され、画像データはデジタル信号処理部212を経て一旦このバッファメモリ215へ格納される。画像認識部218は、バッファメモリ215から読み出された画像データから顔の部分を認識し、目が閉じている等の失敗画像を検出するための処理回路である。顔認識結果は、マイコン228に取り込まれる。JPEG処理部216は、バッファメモリ215に格納された画像データに対して記録時にはJPEG圧縮処理を施して圧縮データを生成し、再生時には圧縮データに対してJPEG伸張処理を施して元の非圧縮の画像データに戻すための処理回路である。ワークメモリ217は、JPEG圧縮データをメモリカード220に記録するためのファイルフォーマットに変換するために用いられる。このワークメモリ217において、圧縮データにヘッダが付加されて、記録するための画像ファイルが形成される。ここで、ヘッダは、撮影時の撮影情報や画像を識別するための縮小画像(以下、「サムネイル画像」と呼ぶ)から構成される。メモリカード220は、例えばフラッシュメモリ等の着脱可能な半導体メモリカードであり、上記画像ファイルがカードI/F219を介して記録保存される。
【0032】
LCD222は、液晶表示素子で構成された表示部であり、LCDI/F221を介して画像を表示する。撮影中は、被写体を確認するために、スルー画像をLCD222に表示するとともに、撮影後は、メモリカード220に記録された画像を、バッファメモリ215を経由してLCD222に表示させて、確認することができる。操作部224は、撮影者がデジタルカメラ100の撮影モードや各種撮影条件(露出、ズーム、フォーカス等)の設定を入力するため手段である。この操作部224によって入力された設定情報や操作のためのメニュー画面もLCD222に表示される。
【0033】
上記の各要素は、データバス226に接続されており、画像データ、JPEG圧縮データ、制御情報等が、このデータバス226を介して、お互いの要素間でやり取りされる。上記説明では、非圧縮の画像データを格納するバッファメモリ215とJPEG圧縮データを格納するワークメモリとを分けて説明したが、これら2つのメモリは、共通のメモリを使用してもよい。
【0034】
マイコン228は、デジタルカメラ100全体を一元的に管理しており、撮影者が操作部で設定する各種撮影条件に従って、撮影、記録、再生、表示等の各動作を制御する。また、外部I/F223を介してPC229やプリンタ230等、他の外部機器との情報通信の制御等も行う。さらに、マイコン228には、AF検出部213、動き検出部214、画像認識部218、手ブレ検出部225でそれぞれ検出された撮影画像毎の撮影状態が入力されており、この撮影画像毎の撮影状態は、マイコン228の内部にある撮影情報記憶部227に格納された後、ヘッダ情報に加工され、圧縮データとともに画像ファイルに埋め込まれてメモリカード220に記録される。
【0035】
マイコン228は、連写機能により複数枚の画像を連続して撮影して得られた複数の画像データから1つの画像データを選択し、選択した画像データと残りの画像データとを1つの画像ファイルとして記録させる機能を有する。また、マイコン228は、その画像ファイルを読み出し、複数の画像データからの1つの画像データの選択を受け付け、前回選択された画像データを今回選択された画像データと入れ換え、今回選択された画像データと残りの画像データとを当該画像ファイルに記録させる。このとき、画像データの構造は、前回選択された画像データを今回選択された画像データと入れ換える際に、当該画像ファイルにおいて今回選択された画像データと残りの画像データとを並び替える構造であっても、あるいは、当該画像ファイルにおいて今回選択された画像データを所定の位置にコピーする構造であってもよい。
【0036】
より具体的には、例えば、マイコン228は、連写機能により複数枚の画像を連続して撮影して得られた複数の画像データから1つの画像データを主画像として選択し、選択した主画像を1つの画像ファイルの先頭に記録させるとともに、主画像以外の画像データを副画像として当該画像ファイルの主画像よりも後ろに記録させる機能を有する。また、マイコン228は、主画像の入れ換え時に、入れ替え後の主画像を当該画像ファイルの先頭に記録させるとともに、主画像以外の画像データを当該画像ファイルの主画像よりも後ろに記録させる。すなわち、マイコン228は、当該画像ファイルを読み出し、複数の画像データからの1つの画像データの選択を受け付け、選択された画像データを新たな主画像として当該画像ファイルの先頭に記録させるとともに、残りの画像データを当該画像ファイルの主画像よりも後ろに記録させる。
【0037】
また、画像ファイルの構造に関連して、例えば、マイコン228は、複数の画像データを再生させる際に、選択した画像データ(主画像)を最初に再生させたり、あるいは、選択した画像データ(主画像)およびこの前後の画像データのみを再生させる。また、マイコン228は、画像ファイルを読み出し、複数の画像データからの画像データの選択を受け付け、選択された画像データを当該画像ファイルから削除する(画像データの選択的削除)。
【0038】
図20は、本発明の実施の形態1における連写機能付きデジタルカメラ100の背面図である。なお、図20には、便宜上図1には示していないダイアルも示している。
【0039】
レリーズ釦103、通常撮影/連続撮影切り換え釦104、ズームダイアル172、モードダイアル174は、カメラ本体の上面に配置されている。レリーズ釦103は、押下操作を受け付ける。マイコン228は、レリーズ釦103が半押し操作されるのに応じて、AE制御やAF制御を開始する。また、マイコン228は、レリーズ釦103が全押し操作されるのに応じて、被写体の撮像を行う。ズームダイアル172は、レリーズ釦103の周りに回転可能に配置されている。マイコン228は、ズームダイアル172が回転操作されるのに応じて、光学ズーム制御や電子ズーム制御を開始する。モードダイアル174は、回転操作を受け付ける。モードダイアル174は、目盛りが設けられており、各目盛りにはデジタルカメラ100の動作モードが割り当てられている。デジタルカメラ100の動作モードとは、例えば、再生モードや録画モード等である。マイコン228は、モードダイアル174の回転操作に応じて、モードダイアル174が指定する動作モードでデジタルカメラ100を制御する。
【0040】
電源スイッチ173、十字キー180、削除釦186、LCD222は、カメラ本体の背面に配置されている。電源スイッチ173は、スライド操作を受け付ける。マイコン228は、電源スイッチ173のスライド操作に応じて、デジタルカメラ100の電源状態を切り替える。LCD222は、例えば、上記のように、モードダイアル174により選択された動作モードに応じて、メモリカード220に記録された画像データやメニュー画面等を表示する。十字キー180は、4方向181〜184および中央部185の5パターンの押下操作を受け付ける。マイコン228は、十字キー180が押下操作されるのに応じて、再生画像データの切り替え等のLCD222の表示の操作を行う。削除釦186は、押下操作を受け付ける。マイコン228は、削除釦186が押下操作されるのに応じて、事前に選択された画像データを削除する。
【0041】
次に、N枚の連写画像をメモリカード220へ記録する際の画像ファイルの構造について説明する。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態1における連写画像ファイルの構造の一例を示す図である。図4Aに示すように、連写画像ファイルは、管理情報、ヘッダ、画像データの3つの領域から構成されている。ヘッダ領域および画像データ領域には、図4Bに示すように、連写画像を代表する1枚の主画像と、その後に連続してN−1枚の副画像の情報が格納されている。すなわち、本実施の形態では、主画像を先頭に配置し、主画像の後ろに副画像を配置するようにしている。ここで、主画像データおよび副画像データは、JPEG圧縮データである。また、図4Cに示すように、管理情報領域には、連写フラグ、連写枚数、連写間隔等の連写撮影に関する情報、および、撮影日時や撮影場所等の全画像に共通の情報が格納されており、ヘッダ領域には、各画像毎に異なる撮影情報、サムネイル画像、ポインタ等が格納されている。ここで、ポインタは、ヘッダに対応する画像データが格納されているアドレスを指し示す情報である。ヘッダを見ることにより、画像ファイル中の画像データの格納場所がわかるので、検索等の処理が迅速かつ容易に可能となる。本実施の形態では、図4Cに示すように、主画像のヘッダと副画像のヘッダとは、同一構造である。
【0043】
また、撮影情報としては、図4Dに示すように、シャッター速度、絞り値、焦点距離、ストロボ等の撮影前に設定される一般的な撮影条件に加えて、シャッターチャンスフラグ、手ブレ量、画像の動き量、顔認識結果(目が閉じているか否か)、合焦度合い、主画像フラグ等の撮影状態を表す情報も合わせて格納されている。そして、これらの撮影状態の情報は、撮影後に主画像を自動選定するための情報として使用される。なお、撮影情報としてヘッダに格納する情報は、これに限定されるものではない。連写画像ファイルをこのような構造にすることにより、N枚の連写画像を1つの画像ファイルとして扱えるとともに、管理情報の連写フラグで単写画像と容易に区別できる。なお、単写画像ファイルの構造は、図4Aにおいて、連写に関連する管理情報がなく、ヘッダおよび画像データのそれぞれの領域に単写画像のヘッダと画像データが記録された構造である。
【0044】
次に、連写画像ファイルを現在デジタルカメラの画像ファイル形式として広く普及しているExif(Exchange Image File)形式と互換性をとる方法について説明する。
【0045】
図5は、本発明の実施の形態1における連写画像ファイルをExif形式として実現した場合の説明図である。図5Aに示すように、連写画像の主画像データおよびヘッダ情報のうち標準的にサポートされている撮影条件等は、Exif形式の主画像領域に格納する。N−1枚の副画像ならびにそれに伴う圧縮パラメータおよびサムネイル画像は、画像ファイルの末尾を示すマーク(EOI)の後に連続して付加する。図5Bおよび図5Cに示すように、Exif形式の画像ファイルの「Exif IFD」の中には、メーカーが独自に定義した付加情報があることを示すタグ(「Maker Note Tag」)が存在している。そして、このタグに記載されたアドレス(「Value Offset」)で示された位置から具体的な付加情報(「Exif Value Data」)を格納している。この付加情報の構造は任意に定めることができるので、図5Dに示すように、連写画像ファイルの管理情報、主画像のヘッダ、N−1枚の副画像のヘッダを格納する。そして、上記副画像ヘッダには、撮影情報に加えて、副画像データおよびサムネイルのそれぞれのアドレスを指し示す2つのポインタが格納される。このような構造にすることにより、Exif形式と互換性を維持しながら連写画像を1つの画像ファイルとして扱うことができる。すなわち、本実施の形態における新フォーマット(画像ファイルの構造)に対応していない旧フォーマット再生装置でも、少なくとも主画像は再生することができる。
【0046】
図6は、本発明の実施の形態1におけるファイル管理を説明するための図であり、デジタルカメラ100で使用されるメモリカード220内の一般的なディレクトリ(フォルダ)構造を示している。図6に示すように、メモリカード220のルートには「DCIM」というDCFイメージルートディレクトリが存在し、その直下に、「100ABCDE」、「101ABCDE」等のDCFディレクトリが存在する。そして、このDCFディレクトリ「100ABCDE」の中に、例えばABCD0001.jpg〜ABCD0008.jpgの8個の画像ファイルが記録される。これらの画像ファイルの中でABCD0002.jpgおよびABCD0005.jpgが連写画像ファイルであり、それ以外は単写画像ファイルである。図6に示すように、連写画像ファイルは、単写画像ファイルと同様に、撮影者には1つの画像ファイルとして提示される。また、同じDCFディレクトリ「100ABCDE」の中に、連写画像ファイルと単写画像ファイルが共存していても、連写フラグの識別マークにより、容易に区別が可能である。ところで、図6は、連写画像ファイル対応のデジタルカメラでの見え方を示しており、これが連写画像ファイルに対応していない従来の機種では、最後尾欄の連写フラグは表示されない。
【0047】
図21は、連写画像ファイルであることを示す表示例を示す図である。この例では、一例として、連写画像ファイルは、表示261で示され、単写画像ファイルは、表示262で示される。連写画像ファイルは、主画像のサムネイルを表示し、単写画像ファイルは、単写画像のサムネイルを表示する。単写画像ファイルは、サムネイルの枠が1重であるのに対し、連写画像ファイルは、サムネイルの枠が部分的に3重になっている。これにより、同じJPEGファイルであっても、連写画像ファイルと単写画像ファイルを区別して表示することができる。なお、連写画像ファイルの表示は、副画像の数に応じて異なるようにしてもよい。例えば、サムネイルの枠が重なる数を副画像の数が多いほど多く表示してもよい。
【0048】
このように、本発明の連写画像ファイルのフォーマットに対応したデジタルカメラまたは対応ソフトをインストールしたPCでは、N枚の連写画像が1つの画像ファイルとして扱える。従来のデジタルカメラまたは対応ソフトがインストールされていないPCでも、主画像以外の情報は無視されるため、この画像ファイルはあたかも主画像の単写画像ファイルとして認識される。このように、連写画像ファイルを上記の形式でメモリカード220へ記録することで、新旧フォーマットの互換性が維持され、画像ファイルの扱いが従来に比べて格段に簡単となる。
【0049】
次に、連写画像ファイルの作成過程を図7〜図9を参照しながら説明する。
【0050】
図7は、本発明の実施の形態1における連写撮影の撮影動作を示すフローチャートである。まず、ステップS300で、設定された撮影モードが連写モードか否かが判定される。もし連写モードが選択されていなければ(Noの場合)、ステップS302へ進み、通常撮影が行われる。ステップS300で連写モードが選択されていれば(Yesの場合)、まず、ステップS301で、連写枚数、連写間隔、撮影日時、撮影場所等の連写撮影の管理情報がマイコン228に取り込まれる。そして、ステップS303で、レリーズ釦103が半押しされるのを待つ。レリーズ釦103が半押しされると、連続撮影を開始する。ステップS304で、まず1コマが撮影されると、ステップS305で、撮影画像の画像データをバッファメモリ215に一時格納するとともに、その撮影画像の撮影情報がマイコン228に取り込まれる。次に、ステップS306で、レリーズ釦103が全押しされたかどうかを監視し、全押しされるまで所定の時間間隔で連続撮影を繰り返す。そして、ステップS306でレリーズ釦103の全押しが検出されると(Yesの場合)、ステップS307で、次に撮影される1コマの撮影情報のシャッターチャンスフラグが設定される。その後、ステップS308とステップS309で、1コマ撮影、画像データのバッファメモリ215への格納と撮影情報のマイコン228への取り込みとが実施され、ステップS310で、撮影枚数がステップS301で取り込まれた所定枚数に達したか否かが判定され、所定枚数に達するまで撮影が繰り返されて終了する。
【0051】
次に、連写モードにおける主画像の選択方法について図8を参照しながら説明する。
【0052】
本実施の形態では、シャッターチャンスで撮影した画像を主画像に選定する。図8は、本発明の実施の形態1におけるシャッターチャンス画像を主画像とする処理を説明するためのフローチャートである。撮影が終了すると、まず、ステップS320で、画像番号iを初期化する(i=1)。次に、ステップS321で、マイコン228内の撮影情報記憶部227からi番目の画像のシャッターチャンスフラグを読み出す。そして、ステップS322で、この撮影画像がシャッターチャンス画像か否かが判定され、シャッターチャンス画像であれば(Yesの場合)、ステップS323で、撮影情報の主画像フラグを設定して終了する。ステップS322でシャッターチャンス画像でないと判定されると(Noの場合)、ステップS324で、画像番号iを更新し、ステップS321に戻り、このサイクルを繰り返す。
【0053】
次に、連写画像ファイルの作成過程を説明する。
【0054】
図9は、本発明の実施の形態1における連写撮影された後、連写画像がファイル化されてメモリカード220へ記録されるまでの処理を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS340で、画像番号iを初期化する。そして、ステップS341で、バッファメモリ215より、i番目の画像データを読み出して、ステップS342で、JPEG圧縮を施す。次に、ステップS343で、マイコン228内に格納されている撮影情報の主画像フラグを参照して、この画像が主画像か否かを判定し、主画像であれば(Yesの場合)、ステップS344で、図5に示す主画像ヘッダを作成し、ステップS345で、その主画像ヘッダをJPEG圧縮データとともにワークメモリ217の主画像領域へ格納する。一方、ステップS343で主画像でないと判定されると(Noの場合)、副画像と判定され、ステップS346で、図5に示す副画像ヘッダを作成し、ステップS347で、その副画像ヘッダをJPEG圧縮データとともに副画像領域に格納する。そして、ステップS348およびステップS349で、画像番号iの更新および判定を行って、N番目の画像までステップS341〜ステップS349の動作を繰り返す。次に、ステップS350で、ワークメモリ217から主画像、副画像1〜N−1の順に全画像の圧縮データとそれぞれのヘッダを順次読み出し、ステップS351で、管理情報を付加する。このようにして、図5に示す連写画像ファイルを生成して、最後に、ステップS352で、メモリカード220へ記録して終了する。
【0055】
次に、連写画像ファイルの処理について図10〜図14を参照しながら説明する。
【0056】
図10、図13、図14は本発明の実施の形態1におけるそれぞれ連写画像ファイルの表示(印刷)、コピー(移動、送信)、主画像入れ換えの各処理を説明するためのフローチャートである。
【0057】
まず、図10を参照しながら表示(印刷)処理について説明する。
【0058】
図10において、まず、ステップS360で、メモリカード220内のフォルダから所定の画像ファイルが選択されると、ステップS361で、この画像ファイルが連写画像ファイルか単写画像ファイルかが判定され、連写画像ファイルでなければ(Noの場合)、ステップS362へ進み、通常の表示が行われる。一方、ステップS361で連写画像ファイルと判定されると(Yesの場合)、ステップS363で、表示モードが選択される。本実施の形態のデジタルカメラ100は、マルチ表示モード、主画像表示モード、順次表示モードの3種類の表示モードを持っている。マルチ表示モードは、すべての連写画像を1枚の画像に合成して表示するモードであり、一度に全連写画像が見えるので、画像間の比較がしやすいというメリットがある。ステップS363でこのマルチ表示モードが選択されると、ステップS364で、メモリカード220から全画像の圧縮データが一旦ワークメモリ217の対応する領域に読み出され、それらの圧縮データは、ステップS365で、伸張されて元の非圧縮の画像データに戻される。そして、ステップS366で、1枚の画像に合成され、ステップS367で、LCD222へ表示される。このマルチ表示モードの画面例を、図11に示す。図11は、図6のディレクトリ「100ABCDE」内の連写画像ファイルABCD0002.jpgを表示したものであり、連写画像ファイルABCD0002.jpgに7枚の連写画像が含まれている場合を示している。なお、上記説明では、連写画像のすべてを1枚の画面に表示する例を示したが、連写枚数が多くて、1枚の画像が小さくなりすぎる場合は、何枚かの画面に分けて表示してもよい。
【0059】
次に、ステップS363で主画像表示モードが選択されると、ステップS368で、メモリカード220の連写画像ファイルから主画像の圧縮データのみがワークメモリ217へ読み出される。主画像の圧縮データは、ステップS369で、伸張され、ステップS370で、LCD222に主画像が1枚表示される。この主画像表示モードを使うことにより、多くの連写画像の中から手間をかけて1枚の主画像を選択しなくても、連写画像ファイルを選択するのみで主画像が表示され、従来の単写画像と全く同様に表示することが可能であり、ファイル選択の効率が格段に向上する。
【0060】
次に、ステップS363で順次表示モードが選択されると、ステップS371で、最初に撮影された画像の圧縮データがメモリカード220から読み出され、ステップS372で、圧縮データが伸張された後、ステップS373で、LCD222へ表示される。次に、ステップS374で、表示画像を更新するか表示を終了するかの操作者からの指示を待ち、更新指示があれば(Yesの場合)、ステップS375で、次の画像の圧縮データを読み出してステップS372へ戻る。この順次表示モードの画面例を図12に示す。図12において、画面右上部の順方向送りキー251または逆方向送りキー252をクリックする毎に記録画像を1枚ずつ撮影順または逆の順序で表示させることができる。この順次表示モードを使えば、撮影者が連写画像を1枚ずつ選択する必要がなく、送りキー251、252を押すだけで、すべての連写画像を1枚ずつ確認することができるとともに、正逆方向キー251、252を素早く切り換えて、所望の画像を容易に検索できる。さらに、LCD222には選択された1枚の画像のみが表示されるので、マルチ表示モードと比較して細かい所まで確認ができる。
【0061】
なお、上記説明では、画像が選択されるたびに1枚ずつメモリカード220から読み出す方法を説明したが、マルチ表示モードと同様に、一旦全画像をバッファメモリ215に格納しておいて、画像が選択されるたびに、選択された画像をバッファメモリ215から読み出すようにしてもよい。こうすることにより、選択してから表示するまでの時間を短縮できる。また、最初に表示する画像を、主画像として、送りキー251、252の操作によって主画像を中心に前後に撮影した画像を順次表示するようにしてもよい。また、順次再生モードは、連続再生の機能を有しており、図12の画面左上部のプレイキー253をクリックすると、全連写画像を撮影順に一定の間隔でアニメーション表示することもできる。
【0062】
次に、連写画像ファイルのコピー(移動、送信)処理について図13を参照しながら説明する。
【0063】
図13は、コピー処理を説明するためのフローチャートである。図13において、まず、ステップS380で、所定の画像ファイルが選択されると、ステップS381で、この画像ファイルが連写画像ファイルか単写画像ファイルかが判定され、連写画像ファイルでなければ(Noの場合)、ステップS382で、通常のコピーが行われる。ステップS381で連写画像ファイルと判定されると(Yesの場合)、ステップS383で、コピーモードが選択される。連写画像のコピーモードには、全画像コピーモードと主画像コピーモードの2つのモードがある。ステップS383で全画像コピーモードが選択されると、ステップS384で、連写画像ファイルがそのままメモリカード220内の他のフォルダやPC229へコピーされる。一方、ステップS383で主画像コピーモードが選択されると、ステップS385で、連写画像ファイルから主画像データと主画像ヘッダ情報を抜き出して主画像のみの単写画像ファイルを作成し(ステップS386)、ステップS387で、この主画像の単写画像ファイルがコピー対象のフォルダへ移動される。この主画像コピーモードを用いて主画像のみの軽いファイルをコピーすることにより、メモリの節約が可能となる。また、送信にこのモードを使うと、通信回線に負荷をかけることなく、必要な画像のみを送信相手に送ることができる。受け取った相手も、自分のメモリ容量を浪費することがない。
【0064】
次に、連写画像の主画像入れ換え処理について図14を参照しながら説明する。
【0065】
図14は、主画像入れ換え処理を説明するためのフローチャートである。図14において、まず、ステップS400で、所定の画像ファイルが選択されると、ステップS401で、この画像ファイルが連写画像ファイルか単写画像ファイルかが判定され、連写画像ファイルでなければ(Noの場合)、ステップS402で、選択画像ファイルが連写画像ファイルでない旨のワーニングが表示され、終了する。ステップS401で連写画像ファイルと判定されると(Yesの場合)、ステップS403で、マルチ表示モードか順次表示モードへ移行し、この表示モードを使って新たな主画像を選択する(ステップS404)。例えば、ステップS403の表示モードでは、現在の主画像から表示される。次に、ステップS405で、ダイエットモードか否かを判断する。ダイエットモードは、記録容量を節約するために準備されたモードであり、ステップS405でダイエットモードが選択されると(Yesの場合)、ステップS410で、連写画像ファイルから主画像の圧縮データとヘッダを取り出し、ステップS411で、管理情報とヘッダを変更して新たな単写画像ファイルを作成し、ステップS412で、この単写画像ファイルをメモリカード220へ記録する。そして、最後に、ステップS413で、旧連写画像ファイルをメモリカード220から削除して終了する。
【0066】
また、ステップS405でダイエットモードが選択されなければ(Noの場合)、ステップS406で、連写画像ファイルの中の新旧主画像を入れ換える。これは、連写画像の圧縮データとヘッダを、一旦ワークメモリ217へ読み出し、主画像データとヘッダを副画像領域へ格納し、新たな主画像の画像データとヘッダを主画像領域に格納した後に、順次読み出すことで、実行される。次に、ステップS407で、連写画像ファイルの管理情報とヘッダを変更し、新たな連写画像ファイルを作成する。そして、ステップS408で、新連写画像ファイルをメモリカード220へ記録し、最後に、ステップS409で、旧連写画像ファイルをメモリカード220から削除して終了する。このように、この主画像入れ換えモードを使えば、簡単に主画像を他の副画像と入れ換えることができる。また、メモリカード220の残容量が少なくなると、ダイエットモードを使って主画像以外の画像データを即座に削除でき、使用できる容量を増やすことができる。
【0067】
なお、ここで説明した表示(印刷)、コピー(移動、送信)、主画像入れ換え処理以外にも、画像ファイル処理としては、削除、色加工等があるが、これらの処理は、連写画像ファイルに含まれる全画像に対して施される。また、画像ファイル処理は、これらに限定されるものではなく、画像ファイル処理毎に主画像のみを対象とするか、全画像を対象とするかは適宜決めることが可能である。
【0068】
以上、詳細に説明したように、本実施の形態によれば、マイコン228は、連写機能により複数枚の画像を連続して撮影して得られた複数の画像データから1つの画像データを主画像として選択し、選択した主画像を1つの画像ファイルの先頭に記録させるとともに、主画像以外の画像データを副画像として当該画像ファイルの主画像よりも後ろに記録させる。また、主画像の入れ換え時に、入れ替え後の主画像を当該画像ファイルの先頭に記録させるとともに、主画像以外の画像データを当該画像ファイルの主画像よりも後ろに記録させる。これにより、連写した画像が1つのファイルにまとめて記録されるので、関連画像の取り扱いが容易である。そして、この場合、1つのファイルにまとめて記録される画像データのうち、主画像を先頭に、それ以外の副画像を主画像の後ろに順次記録するので、主画像についてはいかなる場合においても確実かつ迅速に表示することができる。特に、1つのファイルの最初に主画像を配置することで、従来のExif形式を持つ撮像装置および記録メディアと互換性を保つことができ、主画像ついてはどのような撮像装置等においても表示などの出力が担保される。これは、旧フォーマット再生装置で再生できるという優れた利点がある。また、主画像を先頭に配置ことで、検索が速いという効果もある。使い方としては、該当ファイルをクリックすると、必ず主画像が最初に出ることになる。
【0069】
なお、特許文献4から特許文献6には、主画像データと主画像のデータサイズを縮小した副画像データとを1つのファイルに記録する方法が開示されている。しかし、これらは、主画像データと副画像データという用語こそ類似しているものの、(1)検索の簡素化を目的とするものであること、また(2)連写画像でないこと、から本実施の形態とは異なる技術である。
【0070】
また、デジタルカメラのムービーモードでは、モーションJPEGが用意されており、一連の静止画のレビューファイルを時系列で再生する。これは、1つのファイルに複数の画像データが記録される。しかしながら、この技術は動画像再生であることから、本実施の形態のような、主画像を撮影順序とは関係なくファイルの最初に持ってくるものとは異なる技術である。
【0071】
(実施の形態2)
実施の形態2は、手ブレ量により主画像を選択する場合である。
【0072】
図15は、本発明の実施の形態2における手ブレ検出量に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【0073】
撮影のタイミングで手ブレが発生すると、撮影画像はブレてしまう。そこで、本実施の形態では、手ブレ検出部225から出力される手ブレ量を監視し、最も手ブレの少ない画像を主画像として選択するようにしている。
【0074】
図15において、まず、ステップS420で、画像番号iを初期化(i=1)する。そして、ステップS421で、連写撮影時に撮影情報記憶部227に格納したデジタルカメラ100の手ブレ量Q(i)を読み出す。次に、ステップS422で、1枚前に撮影した(i−1)番目の画像の手ブレ量Q(i−1)と比較し、小さければ(Yesの場合)、ステップS423で主画像番号kをiに設定する。逆に、Q(i)がQ(i−1)より大きい場合は、そのままステップS424へ進み、画像番号iを更新して、ステップS425で画像番号iがNに等しくなるまで、ステップS421からステップS425のループを繰り返す。そして、最後に、ステップS426で、k番目の画像に主画像フラグを設定して終了する。このようにすると、連写で撮影したN枚の画像の中で最も手ブレ量の少ない画像を主画像に設定できる。
【0075】
(実施の形態3)
実施の形態3は、画像の動き量により主画像を選択する場合である。
【0076】
図16は、本発明の実施の形態3における撮影画像の動き量に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【0077】
撮影のタイミングで被写体が動いてしまうと、撮影画像はブレてしまう。そこで、本実施の形態では、撮像時に動き検出部214の出力から被写体の動き量を監視し、最も動き量の少ない画像を主画像として選択するようにしている。
【0078】
図16において、まず、ステップS440で、画像番号iを初期化(i=1)する。そして、ステップS441で、連写撮影時に撮影情報記憶部227に格納した画像の動き量M(i)を読み出す。次に、ステップS442で、1枚前に撮像した(i−1)番目の画像の動き量M(i−1)と比較し、小さければ(Yesの場合)、ステップS443で、主画像番号kをiに設定する。逆に、M(i)がM(i−1)より大きければ(Noの場合)、そのままステップS444へ進み、画像番号iを更新して、ステップS445で画像番号iがNに等しくなるまで、ステップS441からステップS445のループを繰り返す。そして、最後に、ステップS446で、k番目の画像に主画像フラグを設定して終了する。このようにすると、連写で撮影したN枚の画像の中で最も被写体の動き量の少ない画像を主画像に設定できる。
【0079】
(実施の形態4)
実施の形態4は、合焦度合いにより主画像を選択する場合である。
【0080】
図17は、本発明の実施の形態4における撮影画像の合焦度合いに基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【0081】
撮影のタイミングで被写体にちょうど焦点が合っていないと、撮影画像はピンボケの画像になってしまう。そこで、本実施の形態では、AF検出部213から出力される撮影画像のコントラスト値から合焦度合いを監視し、最も焦点の合った画像を主画像として選択するようにしている。
【0082】
図17において、まず、ステップS460で、画像番号iを初期化(i=1)する。そして、ステップS461で、連写撮影時に撮影情報記憶部227に格納した撮影画像iのコントラスト値C(i)を読み出す。次に、ステップS462で、1枚前に撮像した(i−1)番目の画像のコントラスト値C(i−1)と比較し、大きければ(Yesの場合)、ステップS463で、主画像番号kをiに設定する。逆に、C(i)がC(i−1)より小さい場合は、そのままステップS464へ進み、画像番号iを更新して、ステップS465で画像番号iがNに等しくなるまで、ステップS461からステップS465のループを繰り返す。そして、最後に、ステップS466で、k番目の画像に主画像フラグを設定して終了する。このようにすると、連写で撮影したN枚の画像の中で最も焦点の合った画像を正確に判定でき、その画像を主画像に設定できる。
【0083】
(実施の形態5)
実施の形態5は、画像中の顔を認識して目が閉じた画像を検出するとその画像にNGフラグを設定する場合である。
【0084】
図18は、本発明の実施の形態5における撮影画像の顔認識結果に基づいて主画像を決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【0085】
撮影のタイミングで被写体が瞬きしてしまい、目を閉じた画像が撮影されることがある。そこで、本実施の形態では、画像認識部218での顔の認識結果から、目を閉じた画像を主画像の候補から外すようにしている。本実施の形態では、連写撮影が終了し、N枚の連写画像がバッファメモリ215に格納された後に、顔認識を行うものとする。
【0086】
図18において、まず、ステップS480で、画像番号iを初期化(i=1)する。そして、ステップS481で、バッファメモリ215からi番目の画像を読み出す。次に、ステップS482で、顔認識を行う。そして、ステップS483で、顔認識の結果、目を閉じているか否かを判定し、目を閉じていれば(Yesの場合)、撮影情報の顔認識結果にNGを設定する。逆に、ステップS483で目を閉じていないと判定されると(Noの場合)、そのままステップS485へ進み、画像番号iを更新して、ステップS486で画像番号iがNに等しくなるまで、ステップS481からステップS486のループを繰り返す。このようにすると、連写で撮影したN枚の画像の中で目を閉じた画像にNGを設定でき、主画像を選択する際の候補から外すことができる。
【0087】
(実施の形態6)
実施の形態6は、オートブラケットモード(以下、「ABモード」と略記する)での撮影の後、お気に入りの画像を主画像に設定する場合である。
【0088】
図19は、本発明の実施の形態6におけるABモード撮影での主画像選択の動作を示すフローチャートである。
【0089】
図19において、まず、ステップS500で、設定された撮影モードがABモードか否かが判断される。もしABモードでなければ(Noの場合)、ステップS502で、通常撮影を行う。ステップS500でABモードが選択されていれば(Yesの場合)、まず、ステップS501で、連写枚数、連写間隔、撮影日時、撮影場所等の連写撮影の管理情報がマイコン228に取り込まれる。そして、ステップS503で、撮影条件の初期値が設定される。そして、ステップS504で、レリーズ釦103が押されて撮影がスタートするのを待つ。ABモードが設定された場合は、レリーズ釦103の全押しで、予め設定された通りに撮影条件を変えながら所定の枚数が撮影される。ステップS504でレリーズ釦103が押されて撮影がスタートすると、ステップS505で、1コマ撮影され、ステップS506で、撮影画像データがバッファメモリ215へ、そのときの撮影条件が撮影情報記憶部227へそれぞれ格納される。そして、ステップS507で、撮影枚数が所定枚数に達したか否かが判定され、所定枚数になるまで撮影条件を更新しながら(ステップS508)、撮影を繰り返す。撮影が終了すると、ステップS509で、表示モードに移行し、ABモードで撮影された画像の中からお気に入りの画像を選択する(ステップS510)。そして、最後に、ステップS511で、選択された画像の撮影情報に主画像フラグを設定して終了する。このようにすることにより、ABモードの撮影でも、通常の連写撮影と同様に、1枚の主画像を持った1つの連写画像ファイルとしてメモリカード220へ記録される。
【0090】
なお、このABモード撮影の主画像選択方法に実施の形態1から実施の形態5で説明した通常の連写撮影時の主画像選択方法を組み合わせれば、さらに選択の精度を向上することができる。ABモード撮影で撮影毎に変更する撮影条件としては、露光量、ホワイトバランス等があるが、これに限定されるものではないことはもちろんである。
【0091】
以上説明したように、本発明の実施の形態による撮像装置においては、連写撮影して得られた複数枚の連写画像から主画像を正確かつ迅速に選択できるとともに、メモリカード220に記録された画像ファイルの取り扱いが極めて簡単となる。
【0092】
なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
【0093】
本発明は、撮像装置を有する電子機器であれば、どのような装置にも適用できる。例えば、デジタルカメラおよびビデオカメラは勿論のこと、カメラ付き携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末、撮像装置を備えるパソコン等の情報処理装置にも適用可能である。
【0094】
また、主画像を先頭に、それ以外の副画像を主画像の後ろに順次記録する制御を行うものであれば、どのような方法でもよく、例えば、主画像を示すポインタを用いる方法のほか、主画像にフラグを立てる方法でもよい。さらには、主画像の入れ換え時に、画像データの並び替えを行う方式のほか、画像データの並び替えは行わずに、主画像を先頭位置にコピーして対応する方式も可能である。
【0095】
また、上記説明では、通常の連写の場合の主画像の選択は自動で行うとしたが、これに限定されるものではなく、ABモード撮影と同様に、撮影後にマルチ表示モードや順次表示モードを使って撮影された全画像を目で確認しながら最も気に入った画像を撮影者がマニュアルで設定してもよい。
【0096】
また、上記説明では、撮影状態を独立に評価して主画像を決定したが、複数の撮影状態を総合的に評価して主画像を決定してもよい。例えば、各撮影状態毎に評価点を付け、合計点の最も高い画像を主画像として選択する等である。
【0097】
また、上記説明では、撮影画像はJPEG圧縮されてメモリカードへ記録する場合を説明したが、他の圧縮方式で記録された画像でもよいし、また、非圧縮の画像にも適用できることは言うまでもない。
【0098】
また、上記説明では、デジタルカメラでの処理を説明したが、連写画像ファイルの対応ソフトをインストールしたPC等の情報機器でも同様な処理が可能である。
【0099】
また、上記説明では、連写モード、ABモードともに連続して撮影した画像を対象として連写画像ファイルを作る場合について説明したが、必ずしも連写画像である必要はなく、1枚ずつ個別に撮影した後で関連画像を集めて1つの連写画像ファイルにすることもできる。例えばマニュアルでズーム倍率を変えながら撮った複数枚の画像を連写画像ファイルの形式で記録してもよい。
【0100】
また、上記各実施の形態では、撮像装置という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、撮影装置、デジタルカメラ、撮像方法等であってもよいことは勿論である。
【0101】
さらに、上記デジタルカメラを構成する各構成部、例えば撮像光学系の種類、その駆動部、取付け方法等、さらには動き検出部の種類等は、前述した実施の形態に限られない。
【0102】
また、以上説明した撮像装置は、この撮像装置の撮影制御方法を機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。
【0103】
本明細書は、2007年1月15日出願の特願2007−005611に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、連写機能を有するデジタルカメラ等の撮像装置に利用することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の画像を連続して撮影し、複数の画像データを取得する撮像手段と、
前記複数の画像データから1つの画像データを主画像データとして選択し、選択した前記主画像データと、前記複数の画像データにおける前記主画像データを除く残りの副画像データとを1つの画像ファイルとして記録させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記主画像データおよび前記主画像データのヘッダ情報を前記画像ファイルから抜きだして前記主画像データのみの単写画像ファイルを作成する、
撮像装置。
【請求項2】
前記画像ファイルおよび前記単写画像ファイルを記録する記録部をさらに備える、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
外部機器とのデータの送信が可能な送信部をさらに備え、
前記制御部は、
撮像された画像を前記外部機器へ送信可能な送信モードがユーザにより選択されている場合は、前記単写画像ファイルを前記外部機器へ送信するよう前記送信部を制御する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
連続して撮影された複数の画像データのうち1つの画像データである主画像データと、前記複数の画像データにおける前記主画像データを除く残りの副画像データとを、1つの画像ファイルとして記録した記録媒体から、前記主画像データ及び前記主画像データのヘッダ情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出した前記主画像データおよび前記ヘッダ情報より前記主画像データのみの単写画像ファイルを作成する制御手段と、
を備える撮像装置。
【請求項1】
複数枚の画像を連続して撮影し、複数の画像データを取得する撮像手段と、
前記複数の画像データから1つの画像データを主画像データとして選択し、選択した前記主画像データと、前記複数の画像データにおける前記主画像データを除く残りの副画像データとを1つの画像ファイルとして記録させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記主画像データおよび前記主画像データのヘッダ情報を前記画像ファイルから抜きだして前記主画像データのみの単写画像ファイルを作成する、
撮像装置。
【請求項2】
前記画像ファイルおよび前記単写画像ファイルを記録する記録部をさらに備える、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
外部機器とのデータの送信が可能な送信部をさらに備え、
前記制御部は、
撮像された画像を前記外部機器へ送信可能な送信モードがユーザにより選択されている場合は、前記単写画像ファイルを前記外部機器へ送信するよう前記送信部を制御する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
連続して撮影された複数の画像データのうち1つの画像データである主画像データと、前記複数の画像データにおける前記主画像データを除く残りの副画像データとを、1つの画像ファイルとして記録した記録媒体から、前記主画像データ及び前記主画像データのヘッダ情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出した前記主画像データおよび前記ヘッダ情報より前記主画像データのみの単写画像ファイルを作成する制御手段と、
を備える撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−178860(P2012−178860A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−103186(P2012−103186)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【分割の表示】特願2009−113812(P2009−113812)の分割
【原出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【分割の表示】特願2009−113812(P2009−113812)の分割
【原出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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