撮像装置
【課題】装置本体に対して着脱可能なハンドル部を備え、且つ、ハンドル部に電気接点を有する撮像装置において、ハンドル部から送られてくる音声信号の劣化を回避することができる仕組みを提供する。
【解決手段】ハンドル部50をカメラ本体10に装着すると、外部マイクコネクタ53は、ハンドル側接点部55および本体側接点部40を介して、カメラ本体10のオーディオブロック21に接続され、ハンドルズームスイッチ701およびハンドルトリガースイッチ702は、ハンドル側接点部56および本体側接点部41を介して、操作系ブロック22に接続される。
【解決手段】ハンドル部50をカメラ本体10に装着すると、外部マイクコネクタ53は、ハンドル側接点部55および本体側接点部40を介して、カメラ本体10のオーディオブロック21に接続され、ハンドルズームスイッチ701およびハンドルトリガースイッチ702は、ハンドル側接点部56および本体側接点部41を介して、操作系ブロック22に接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体に対して着脱可能なハンドル部を備え、且つ、ハンドル部に電気接点を有するデジタルビデオカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラ等の撮像装置では、装置本体の上部にハンドル部を着脱可能に装着したものがある。このハンドル部は、ローアングルからの撮影を容易にするほか、装置本体に対して着脱可能とすることで、携帯性や収納性を向上させるなどのメリットを有する。
【0003】
この種の撮像装置としては、例えば、装置本体側に2か所のハンドル固定部を設け、ハンドル部側に2か所の装着部を設けたものが提案されている(特許文献1)。
【0004】
この提案では、装置本体に対して一方の装着部を上下左右及び回転方向に位置決めし、他方の装着部に左右方向に進退するスライダを設けて装置本体に対して他方の装着部を前後方向に係止する。これにより、ハンドル部の装着状態において、装置本体に対してハンドル部を前後上下左右及び回転方向に固定することが可能となる。
【0005】
また、近年、ローアングル撮影時などの操作性向上のため、ハンドルにズームやトリガーなどの操作スイッチを配置したものも多く見受けられる。この場合、操作系信号の授受をハンドル部と装置本体間で行うことから、装置本体に対してハンドル部を電気的に接続する必要がある。
【0006】
図8及び図9に、装置本体に対して着脱可能なハンドル部を備え、且つ、ハンドル部に電気接点を有する従来のデジタルビデオカメラの一例を示す。図8は従来のデジタルビデオカメラの斜視図、図9は図8に示すデジタルビデオカメラのカメラ本体からハンドル部を取り外した状態を示す斜視図である。
【0007】
このデジタルビデオカメラは、図8に示すように、カメラ本体80の前方部分に撮影レンズ11が設けられ、また、撮影者側から見てカメラ本体80の右側部には、グリップベルト13が設けられている。カメラ本体80の上部には、ズームスイッチ14、モードスイッチ15、及び内蔵マイク16が設けられている。
【0008】
また、カメラ本体80の上部には、ハンドル部90が着脱可能に装着されている。ハンドル部90の前方部分には、外部マイクホルダ52、外部マイクホルダ52に装着された外部マイクと電気的に接続される外部マイクコネクタ53、及びアクセサリ取付部54が設けられている。
【0009】
また、図9に示すように、カメラ本体80の上部には、固定部81及び本体側接点部41がカメラ本体80の前後方向に離間して設けられている。一方、ハンドル部90の前方部分には、装着部91が設けられ、ハンドル部90の後方部分には、ハンドル側接点部56が設けられている。そして、図9の状態からハンドル部90をカメラ本体80に装着する際は、図の矢印方向にハンドル部90をスライドさせて装着する。
【0010】
このとき、固定部81に装着部91が係合するとともに、本体側接点部41にハンドル側接点部56が係合し、これにより、カメラ本体80とハンドル部90とが電気的に接続される。本体側接点部41とハンドル側接点部56との間では、主に操作系信号や音声信号、電源などが授受される。
【0011】
図10は、図8の状態からカメラ本体80の外装部材12及びハンドル部90の外装部材51等を取り外した状態を示す内部構造の斜視図である。
【0012】
図10において、メイン基板82は、撮像した画像や音声信号の圧縮・加工処理や操作入出力信号の処理・映像信号の記録読み出し等の信号処理を行う。メイン基板82には、オーディオブロック21、及び操作系ブロック22が配置されている。
【0013】
オーディオブロック21は、内蔵マイク16や外部マイクから入力された音声などの微小なアナログオーディオ信号をアンプしデジタル処理する。操作系ブロック22は、ズームスイッチ14、モードスイッチ15、及びハンドル部90の操作系からの入出力信号を処理する。
【0014】
また、メイン基板82には、本体側接点部41及び内蔵マイク16がそれぞれフレキシブルプリント基板(以下、FPCという。)31,32を介して電気的に接続される。更に、メイン基板82には、ズームスイッチ14やモードスイッチ15がFPC33を介して接続される。
【0015】
FPC70は、ハンドルズームスイッチ701やハンドルトリガースイッチ702を実装し、ハンドル側接点部56と電気的に接続される。外部マイク基板60は、外部マイクコネクタ53を実装し、電源基板61は、FPC70や外部マイク基板60等に電源を供給する。
【0016】
図11は、図8に示すデジタルビデオカメラの電気系の概略を示すブロック図である。前述したように、外部マイク基板60は、外部マイクコネクタ53を実装し、外部マイクからの音声信号を受信する。このとき、電源基板61では、メイン基板82からFPC70を介して受け取った電源信号を基に、外部マイクを動作させる為の電源信号を生成し、外部マイク基板60に送信する。
【0017】
オーディオキー基板62は、マイクチャンネル切り替えスイッチやマイク感度調整ボリュームなどを実装し、それらの操作信号をオーディオ基板63に伝達する。オーディオ基板63では、マイクチャンネル切り替えスイッチやマイク感度調整ボリュームの操作に応じて、外部マイク基板60から入力される音声信号を処理・生成する。ここで生成された音声信号は、電源基板61及びFPC70を介してハンドル側接点部56に送られる。
【0018】
また、FPC70に実装されたハンドルズームスイッチ701やハンドルトリガースイッチ702を操作した場合も、その操作信号はFPC70からハンドル側接点部56へと送られる。ハンドル側接点部56へ送られたハンドル部90からの操作信号は、本体側接点部41及びFPC31を介してメイン基板82に伝達される。
【0019】
一方、メイン基板82のカメラ本体80の前方部分には、オーディオ信号のアナログ/デジタル変換処理等を行うオーディオブロック21が配置されている。内蔵マイク16からの音声信号はFPC32を介してメイン基板82へと伝達され、オーディオブロック21に送られて信号処理される。
【0020】
また、カメラ本体80に配置されたズームスイッチ14及びモードスイッチ15等の操作部からの操作信号は、FPC33を介してメイン基板82に伝達された後、操作系ブロック22に送られて信号処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開平5−292367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
ところで、前述したように、ハンドル部90から送られてくる操作信号や音声信号は、FPC31を介してメイン基板82へと伝達される。これらの信号は、メイン基板82で信号処理を行うため、操作信号は、操作系ブロック22へ、音声信号は、オーディオブロック21へとそれぞれメイン基板82内でパターン結線される。
【0023】
具体的には、図11を参照して、操作信号は、パターンH4を通って操作系ブロック22へと結線され、音声信号は、パターンH3を通ってオーディオブロック21へと結線される。
【0024】
このとき、メイン基板82におけるハンドル部90からの信号受信部は、メイン基板82上でカメラ本体80の後方部分となる領域に配置され、オーディオブロック21は、メイン基板82のカメラ本体80の前方部分となる領域に配置されている。このため、パターンH3は、メイン基板82のカメラ本体80の後方部分となる領域から前方部分となる領域へと長い距離で結線される。
【0025】
ここで、メイン基板82では、各種ICやドライバなどを動作させるPWM制御された電源信号や、映像情報の記録・読み出し等の可聴帯域で間欠動作する高負荷回路信号である記録系信号等、オーディオ信号線に対してノイズ源となる信号を含んでいる。
【0026】
従って、音声信号は、パターンH3を通ってメイン基板82のカメラ本体80の前方部分となる領域に配置されたオーディオブロック21までの距離を伝達される間、ノイズ源である電源信号ラインPや記録系信号ラインSを跨いだり、その近傍を通過する。この場合、微小なアナログ信号である音声信号は、ノイズの影響をうけ、信号品質の劣化を招くおそれがある。
【0027】
そこで、本発明は、装置本体に対して着脱可能なハンドル部を備え、且つ、ハンドル部に電気接点を有する撮像装置において、ハンドル部から送られてくる音声信号の劣化を回避することができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、装置本体と前記装置本体に対して着脱可能なハンドル部からなる撮像装置であって、前記装置本体の前方部分には、音声信号処理部および前記音声信号処理部に接続される第1の本体側接点部が配置され、前記装置本体の後方部分には、操作系信号処理部および前記操作系信号処理部に接続される第2の本体側接点部が配置され、前記ハンドル部の前方部分には、ハンドル側マイクおよび前記ハンドル側マイクに接続される第1のハンドル側接点部が配置され、前記ハンドル部の後方部分には、ハンドル側操作部および前記ハンドル側操作部に接続される第2のハンドル側接点部が配置され、前記ハンドル部を前記装置本体に装着したとき、前記第1のハンドル側接点部と前記第1の本体側接点部とが電気的に接続されるとともに、前記第2のハンドル側接点部と前記第2の本体側接点部とが電気的に接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、装置本体に対して着脱可能なハンドル部を備え、且つ、ハンドル部に電気接点を有する撮像装置において、ハンドル部から送られてくる音声信号の劣化を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の撮像装置の実施形態の一例であるデジタルビデオカメラの斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルビデオカメラのカメラ本体からハンドル部を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】図1の状態からカメラ本体の外装部材及びハンドル部の外装部材等を取り外した状態を示す内部構造の斜視図である。
【図4】図3の状態を背面側から見た斜視図である。
【図5】図3の矢印A方向から見た図である。
【図6】図5のR部拡大断面図である。
【図7】デジタルビデオカメラの電気系の概略を示すブロック図である。
【図8】従来のデジタルビデオカメラの斜視図である。
【図9】図8に示すデジタルビデオカメラのカメラ本体からハンドル部を取り外した状態を示す斜視図である。
【図10】図8の状態からカメラ本体の外装部材及びハンドル部の外装部材等を取り外した状態を示す内部構造の斜視図である。
【図11】図8に示すデジタルビデオカメラの電気系の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0032】
図1は本発明の撮像装置の実施形態の一例であるデジタルビデオカメラの斜視図、図2は図1に示すデジタルビデオカメラのカメラ本体からハンドル部を取り外した状態を示す斜視図である。なお、本実施形態では、既に図8〜図11で説明した従来のデジタルビデオカメラと重複する部分については、各図に同一符号を付して説明する。
【0033】
本実施形態のデジタルビデオカメラでは、図1に示すように、前後左右の方向を定義付ける。従ってカメラ本体10の前方に撮影レンズ11が設けられ、また、カメラ本体10の右側には、グリップベルト13が設けられている。カメラ本体10の上部には、ズームスイッチ14、モードスイッチ15、及び内蔵マイク16が設けられている。ここで、カメラ本体10は、本発明の装置本体の一例に相当する。
【0034】
また、カメラ本体10の上部には、ハンドル部50が着脱可能に装着されている。ハンドル部90の前方部分には、外部マイクホルダ52、外部マイクホルダ52に着脱可能に装着される外部マイクと電気的に接続される外部マイクコネクタ53、及びアクセサリ取付部54が設けられている。ここで、外部マイクは、本発明のハンドル側マイクの一例に相当する。
【0035】
そして、撮影者が右手をグリップベルト13に通してカメラ本体10を把持した状態で撮影を行う際には、撮影者の右手の人差し指は、ズームスイッチ14及びモードスイッチ15を操作可能な位置に配置される。また、撮影者の右手の親指は、カメラ本体10の背面側の不図示のトリガースイッチを操作可能な位置に配置される。
【0036】
このように、撮影時に使用するスイッチ類は、カメラ本体10を把持する手で操作可能である必要があるため、カメラ本体10の背面側や後方部分に配置される。ここで、ズームスイッチ14、モードスイッチ15、及び不図示のトリガースイッチは、本発明の本体側操作部の一例に相当する。
【0037】
一方、内蔵マイク16は、被写体の発する音声等を良好に入力するため、また、カメラ本体10を把持した手で触れられることによる雑音の入力を避けるため、被写体に近いカメラ本体10の前方部分に配置される。
【0038】
また、撮影者がハンドル部50を右手で把持して撮影を行う際には、撮影者の右手の親指が、ハンドル部50上面側に配置されたハンドルズームスイッチ701やハンドルトリガースイッチ702(図3参照)を操作可能な位置に配置される。ここで、ハンドルズームスイッチ701及びハンドルトリガースイッチ702は、本発明のハンドル側操作部の一例に相当する。
【0039】
外部マイクを使用する際は、外部マイクホルダ52に外部マイクを装着し、外部マイクの出力端子を外部マイクコネクタ53に挿入することで、外部マイクとカメラ本体10とを電気的に接続する。外部マイクは、被写体の発する音声等を良好に入力するため、外部マイクホルダ52や外部マイクコネクタ53は、被写体に近いハンドル部50の前方部分に配置される。
【0040】
また、図2に示すように、カメラ本体10の上部には、本体側接点部40がカメラ本体10の前方部分に位置して設けられ、本体側接点部41がカメラ本体10の後方部分に位置して設けられている。
【0041】
また、ハンドル部50には、2つのハンドル側接点部55および56が設けられている。ここで、本体側接点部40は、本発明の第1の本体側接点部の一例に相当し、本体側接点部41は、本発明の第2の本体側接点部の一例に相当する。また、ハンドル側接点部55は、本発明の第1のハンドル側接点部の一例に相当し、ハンドル側接点部56は、本発明の第2のハンドル側接点部の一例に相当する。
【0042】
そして、図2の状態からハンドル部50をカメラ本体10に装着する際は、図中の矢印方向にハンドル部50をスライドさせて装着する。
【0043】
このとき、本体側接点部40にハンドル側接点部55を係合させることで、本体側接点部40とハンドル側接点部55とが電気的に接続される。本体側接点部41にハンドル側接点部56を係合させることで、本体側接点部41とハンドル側接点部56とが電気的に接続される。すなわち、カメラ本体10とハンドル部50とがカメラ本体10の前方部分と後方部分の2か所で電気的に接続される。
【0044】
ところで、ハンドル部50に求められる電気的機能(例えばビデオライトLEDや赤外光照射LEDなど)の数が増大した場合、ハンドル部50に必要な電気接点数が増える。着脱式のハンドル部50における各電気接点間のピッチは、接触信頼性を確保するため、所定の距離を保つ必要がある。
【0045】
従って、単純に電気接点のピン数を増やすと、ハンドル部50の大型化を招くことになる。本実施形態では、接点部をハンドル部50に複数設けているため、複数の接点部に対して必要なピン数を振り分けることで、ハンドル部50の大型化を招くことなく、ハンドル部50の電気的機能の数の増大の要求に応えることが可能となる。
【0046】
なお、本実施形態では、電気接点部をカメラ本体10及びハンドル部50にそれぞれ2カ所設けているが、3カ所以上設けるようにしてもよい。
【0047】
図3は、図1の状態からカメラ本体10の外装部材12及びハンドル部50の外装部材51等を取り外した状態を示す内部構造の斜視図である。
【0048】
図3において、メイン基板20は、カメラ本体10の内部に配置され、撮像した画像や音声信号の圧縮・加工処理や操作入出力信号の処理・映像信号の記録読み出し等の信号処理を行う。メイン基板20には、オーディオブロック21、及び操作系ブロック22が配置されている。
【0049】
オーディオブロック21は、内蔵マイク16や外部マイクから入力された音声などの微小なアナログオーディオ信号をアンプしデジタル処理する。操作系ブロック22は、ズームスイッチ14、モードスイッチ15、及びハンドル部50の操作系からの入出力信号を処理する。ここで、オーディオブロック21は、本発明の音声信号処理部の一例に相当し、操作系ブロック22は、本発明の操作系信号処理部の一例に相当する。
【0050】
また、メイン基板20には、前側コネクタ23、後側コネクタ24、操作系コネクタ25、及び内蔵マイクコネクタ26が実装されている。前側コネクタ23と本体側接点部40とは、FPC30を介して電気的に接続され、後側コネクタ24と本体側接点部41とは、FPC31を介して電気的に接続される。
【0051】
FPC32は、内蔵マイク16に接続された内蔵マイクワイヤ34に接続され、内蔵マイクコネクタ26を介してメイン基板20へと音声信号を伝達する。FPC33は、操作系コネクタ25に接続されて、ズームスイッチ14やモードスイッチ15とメイン基板20とを電気的に接続する。
【0052】
FPC70は、ハンドルズームスイッチ701やハンドルトリガースイッチ702を実装し、ハンドル側接点部56と電気的に接続される。FPC71は、ハンドル側接点部55と電気的に接続される。外部マイク基板60は、外部マイクコネクタ53を実装し、電源基板61は、FPC70や外部マイク基板60等に電源を供給する。
【0053】
図4は、図3の状態を背面側から見た斜視図である。図4において、オーディオキー基板62は、チャンネル切り替えやマイクの入力モード等を切り替えるオーディオモードスイッチ621やマイク感度を調節するボリューム622を実装する。オーディオ基板63は、外部マイク基板60から入力される音声信号を処理・生成し、FPC71を介してハンドル側接点部55と電気的に接続される。
【0054】
図5は図3の矢印A方向から見た図、図6は図5のR部拡大断面図である。図5及び図6を参照して、ハンドル側接点部55の接点552、及び本体側接点部40の接点402は、共に導通性及びバネ性を有する金属等の材料が用いられる。接点552,402は、図6の紙面に直交する奥行き方向に複数配置される。
【0055】
そして、カメラ本体10の前方部分のハンドル側接点部55のスリットに挿入されたFPC71の銅箔部に対して本体側接点部40の接点552が付勢された状態で接触して電気的に接続される(図6のL部)。接点402は、接点552の平面部に対して付勢された状態で接触して電気的に接続される(図6のM部)。また、接点402は、FPC30の銅箔部に対して付勢された状態で接触して電気的に接続される(図6のN部)。
【0056】
これにより、FPC71とFPC30とがハンドル側接点部55及び本体側接点部40を介して接続される。なお、カメラ本体10の後方部分のハンドル側接点部56と本体側接点部41についても、上記同様にして、FPC70とFPC31とがハンドル側接点部56及び本体側接点部41を介して接続される。
【0057】
図7は、デジタルビデオカメラの電気系の概略を示すブロック図である。前述したように、外部マイク基板60は、外部マイクコネクタ53を実装し、外部マイクからの音声信号を受信する。このとき、電源基板61では、メイン基板20からFPC70を介して供給される電源信号を基に、外部マイクを動作させる為の電源信号を生成し、外部マイク基板60に送信する。
【0058】
オーディオキー基板62は、チャンネル切り替えやマイクの入力モード等を切り替えるオーディオモードスイッチ621やマイク感度を調節するボリューム622などを実装し、それらの操作信号をオーディオ基板63に伝達する。
【0059】
オーディオ基板63では、オーディオモードスイッチ621やボリューム622等の操作に応じて、外部マイク基板60から入力される音声信号を処理・生成する。ここで生成された音声信号は、FPC71を介してハンドル側接点部55に出力され、本体側接点部40及びFPC30を介してメイン基板20のオーディオブロック21へ伝達される。
【0060】
また、FPC70に実装されたハンドルズームスイッチ701及びハンドルトリガースイッチ702からの操作信号は、FPC70からハンドル側接点部56へ出力され、本体側接点部41及びFPC31を介してメイン基板20の操作系ブロック22へ伝達される。
【0061】
このように、外部マイクから入力される音声信号がメイン基板20のカメラ本体10の前方部分となる領域へ接続され、操作信号や電源信号等がメイン基板20のカメラ本体10の後方部分となる領域へ接続されることとなる。
【0062】
一方、メイン基板20上でカメラ本体10の前方部分となる領域には、オーディオ信号のアナログ/デジタル変換処理等を行うオーディオブロック21が配置されている。内蔵マイク16からの音声信号は、FPC32を介してメイン基板20へと伝達され、オーディオブロック21に送られて信号処理される。
【0063】
ここで、内蔵マイク16からの音声信号は、微弱でノイズの影響を受けやすいアナログ信号である。従って、内蔵マイク16からの音声信号の劣化を防止するために、音声信号のメイン基板20の接続部である内蔵マイクコネクタ26からオーディオブロック21までのパターン結線距離を出来る限り短くするのが好ましい。
【0064】
また、カメラ本体10に配置されたズームスイッチ14及びモードスイッチ15等の操作部からの操作信号は、FPC33を介してメイン基板20に伝達された後、操作系ブロック22に送られて信号処理される。ズームスイッチ14及びモードスイッチ15等の操作部は、撮影時に撮影者が操作しやすいように、カメラ本体10の後方部分に配置される。
【0065】
このため、操作系ブロック22は、メイン基板20のカメラ本体10の後方部分となる領域に配置するのが好ましい。操作系ブロック22をメイン基板20上でカメラ本体10の後方部分となる領域に配置することで、FPC33の長さを短くして、低コスト化を図れる他、メイン基板20のパターン結線も短くできるため、メイン基板20の小型化にも寄与できる。
【0066】
次に、ハンドル部50からメイン基板20に送られてくる電気信号の処理に関して説明する。
【0067】
まず、ハンドル部50の外部マイクからメイン基板20に送られる音声信号は、FPC71とFPC30がカメラ本体10の前方部分の本体側接点部40及びハンドル側接点部55を介して接続されることで、メイン基板20のオーディオブロック21へ伝達される。
【0068】
FPC30は、メイン基板20に実装された前側コネクタ23へ接続され、前側コネクタ23に入力された音声信号は、メイン基板20で信号処理を行うため、図7に示すパターンH1を通り、オーディオブロック21へ結線される。
【0069】
ここで、図7に示すように、前側コネクタ23及びオーディオブロック21は共に、メイン基板20上でカメラ本体10の前方部分となる領域に配置されるため、パターンH1は、極短い距離で結線される。
【0070】
これにより、ハンドル部50の外部マイクから入力された音声信号は、メイン基板20においてノイズ源である例えば図7に示す電源ラインPや記録系信号ラインSの影響を受けることなく、信号処理することが可能となる。また、メイン基板20での結線パターンH1を短くできるので、メイン基板20の外形を小さくすることができ、デジタルビデオカメラの小型化や低コスト化を図ることができる。
【0071】
一方、ハンドル部50の操作部からメイン基板20に送られてくる操作信号は、FPC70とFPC31とがカメラ本体10の後方部分の本体側接点部41及びハンドル側接点部56を介して接続されることで、メイン基板20の操作系ブロック22へと伝達される。
【0072】
後側FPC31は、メイン基板20に実装された後側コネクタ24へと接続され、後側コネクタ24に入力された操作信号は、メイン基板20で信号処理を行うため、図7に示すパターンH2を通って操作系ブロック22へ結線される。
【0073】
ここで、図7に示すように、後側コネクタ24及び操作系ブロック22は共に、メイン基板20上でカメラ本体10の後方部分となる領域に配置されるため、パターンH2は、極短い距離で結線される。これにより、メイン基板20の外形を小さくすることができ、デジタルビデオカメラの小型化や低コスト化を図ることができる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態では、カメラ本体10に対して着脱可能なハンドル部50を備え、且つ、ハンドル部50に電気接点を有するデジタルビデオカメラにおいて、ハンドル部50から送られてくる音声信号の劣化を回避することができる。また、本実施形態では、メイン基板20の外形を小さくすることができるので、デジタルビデオカメラの小型化や低コスト化を図ることができる。
【符号の説明】
【0075】
10 カメラ本体
16 内蔵マイク
20 メイン基板
21 オーディオブロック
22 操作系ブロック
40 本体側接点部
41 本体側接点部
50 ハンドル部
55 ハンドル側接点部
56 ハンドル側接点部
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体に対して着脱可能なハンドル部を備え、且つ、ハンドル部に電気接点を有するデジタルビデオカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラ等の撮像装置では、装置本体の上部にハンドル部を着脱可能に装着したものがある。このハンドル部は、ローアングルからの撮影を容易にするほか、装置本体に対して着脱可能とすることで、携帯性や収納性を向上させるなどのメリットを有する。
【0003】
この種の撮像装置としては、例えば、装置本体側に2か所のハンドル固定部を設け、ハンドル部側に2か所の装着部を設けたものが提案されている(特許文献1)。
【0004】
この提案では、装置本体に対して一方の装着部を上下左右及び回転方向に位置決めし、他方の装着部に左右方向に進退するスライダを設けて装置本体に対して他方の装着部を前後方向に係止する。これにより、ハンドル部の装着状態において、装置本体に対してハンドル部を前後上下左右及び回転方向に固定することが可能となる。
【0005】
また、近年、ローアングル撮影時などの操作性向上のため、ハンドルにズームやトリガーなどの操作スイッチを配置したものも多く見受けられる。この場合、操作系信号の授受をハンドル部と装置本体間で行うことから、装置本体に対してハンドル部を電気的に接続する必要がある。
【0006】
図8及び図9に、装置本体に対して着脱可能なハンドル部を備え、且つ、ハンドル部に電気接点を有する従来のデジタルビデオカメラの一例を示す。図8は従来のデジタルビデオカメラの斜視図、図9は図8に示すデジタルビデオカメラのカメラ本体からハンドル部を取り外した状態を示す斜視図である。
【0007】
このデジタルビデオカメラは、図8に示すように、カメラ本体80の前方部分に撮影レンズ11が設けられ、また、撮影者側から見てカメラ本体80の右側部には、グリップベルト13が設けられている。カメラ本体80の上部には、ズームスイッチ14、モードスイッチ15、及び内蔵マイク16が設けられている。
【0008】
また、カメラ本体80の上部には、ハンドル部90が着脱可能に装着されている。ハンドル部90の前方部分には、外部マイクホルダ52、外部マイクホルダ52に装着された外部マイクと電気的に接続される外部マイクコネクタ53、及びアクセサリ取付部54が設けられている。
【0009】
また、図9に示すように、カメラ本体80の上部には、固定部81及び本体側接点部41がカメラ本体80の前後方向に離間して設けられている。一方、ハンドル部90の前方部分には、装着部91が設けられ、ハンドル部90の後方部分には、ハンドル側接点部56が設けられている。そして、図9の状態からハンドル部90をカメラ本体80に装着する際は、図の矢印方向にハンドル部90をスライドさせて装着する。
【0010】
このとき、固定部81に装着部91が係合するとともに、本体側接点部41にハンドル側接点部56が係合し、これにより、カメラ本体80とハンドル部90とが電気的に接続される。本体側接点部41とハンドル側接点部56との間では、主に操作系信号や音声信号、電源などが授受される。
【0011】
図10は、図8の状態からカメラ本体80の外装部材12及びハンドル部90の外装部材51等を取り外した状態を示す内部構造の斜視図である。
【0012】
図10において、メイン基板82は、撮像した画像や音声信号の圧縮・加工処理や操作入出力信号の処理・映像信号の記録読み出し等の信号処理を行う。メイン基板82には、オーディオブロック21、及び操作系ブロック22が配置されている。
【0013】
オーディオブロック21は、内蔵マイク16や外部マイクから入力された音声などの微小なアナログオーディオ信号をアンプしデジタル処理する。操作系ブロック22は、ズームスイッチ14、モードスイッチ15、及びハンドル部90の操作系からの入出力信号を処理する。
【0014】
また、メイン基板82には、本体側接点部41及び内蔵マイク16がそれぞれフレキシブルプリント基板(以下、FPCという。)31,32を介して電気的に接続される。更に、メイン基板82には、ズームスイッチ14やモードスイッチ15がFPC33を介して接続される。
【0015】
FPC70は、ハンドルズームスイッチ701やハンドルトリガースイッチ702を実装し、ハンドル側接点部56と電気的に接続される。外部マイク基板60は、外部マイクコネクタ53を実装し、電源基板61は、FPC70や外部マイク基板60等に電源を供給する。
【0016】
図11は、図8に示すデジタルビデオカメラの電気系の概略を示すブロック図である。前述したように、外部マイク基板60は、外部マイクコネクタ53を実装し、外部マイクからの音声信号を受信する。このとき、電源基板61では、メイン基板82からFPC70を介して受け取った電源信号を基に、外部マイクを動作させる為の電源信号を生成し、外部マイク基板60に送信する。
【0017】
オーディオキー基板62は、マイクチャンネル切り替えスイッチやマイク感度調整ボリュームなどを実装し、それらの操作信号をオーディオ基板63に伝達する。オーディオ基板63では、マイクチャンネル切り替えスイッチやマイク感度調整ボリュームの操作に応じて、外部マイク基板60から入力される音声信号を処理・生成する。ここで生成された音声信号は、電源基板61及びFPC70を介してハンドル側接点部56に送られる。
【0018】
また、FPC70に実装されたハンドルズームスイッチ701やハンドルトリガースイッチ702を操作した場合も、その操作信号はFPC70からハンドル側接点部56へと送られる。ハンドル側接点部56へ送られたハンドル部90からの操作信号は、本体側接点部41及びFPC31を介してメイン基板82に伝達される。
【0019】
一方、メイン基板82のカメラ本体80の前方部分には、オーディオ信号のアナログ/デジタル変換処理等を行うオーディオブロック21が配置されている。内蔵マイク16からの音声信号はFPC32を介してメイン基板82へと伝達され、オーディオブロック21に送られて信号処理される。
【0020】
また、カメラ本体80に配置されたズームスイッチ14及びモードスイッチ15等の操作部からの操作信号は、FPC33を介してメイン基板82に伝達された後、操作系ブロック22に送られて信号処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開平5−292367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
ところで、前述したように、ハンドル部90から送られてくる操作信号や音声信号は、FPC31を介してメイン基板82へと伝達される。これらの信号は、メイン基板82で信号処理を行うため、操作信号は、操作系ブロック22へ、音声信号は、オーディオブロック21へとそれぞれメイン基板82内でパターン結線される。
【0023】
具体的には、図11を参照して、操作信号は、パターンH4を通って操作系ブロック22へと結線され、音声信号は、パターンH3を通ってオーディオブロック21へと結線される。
【0024】
このとき、メイン基板82におけるハンドル部90からの信号受信部は、メイン基板82上でカメラ本体80の後方部分となる領域に配置され、オーディオブロック21は、メイン基板82のカメラ本体80の前方部分となる領域に配置されている。このため、パターンH3は、メイン基板82のカメラ本体80の後方部分となる領域から前方部分となる領域へと長い距離で結線される。
【0025】
ここで、メイン基板82では、各種ICやドライバなどを動作させるPWM制御された電源信号や、映像情報の記録・読み出し等の可聴帯域で間欠動作する高負荷回路信号である記録系信号等、オーディオ信号線に対してノイズ源となる信号を含んでいる。
【0026】
従って、音声信号は、パターンH3を通ってメイン基板82のカメラ本体80の前方部分となる領域に配置されたオーディオブロック21までの距離を伝達される間、ノイズ源である電源信号ラインPや記録系信号ラインSを跨いだり、その近傍を通過する。この場合、微小なアナログ信号である音声信号は、ノイズの影響をうけ、信号品質の劣化を招くおそれがある。
【0027】
そこで、本発明は、装置本体に対して着脱可能なハンドル部を備え、且つ、ハンドル部に電気接点を有する撮像装置において、ハンドル部から送られてくる音声信号の劣化を回避することができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、装置本体と前記装置本体に対して着脱可能なハンドル部からなる撮像装置であって、前記装置本体の前方部分には、音声信号処理部および前記音声信号処理部に接続される第1の本体側接点部が配置され、前記装置本体の後方部分には、操作系信号処理部および前記操作系信号処理部に接続される第2の本体側接点部が配置され、前記ハンドル部の前方部分には、ハンドル側マイクおよび前記ハンドル側マイクに接続される第1のハンドル側接点部が配置され、前記ハンドル部の後方部分には、ハンドル側操作部および前記ハンドル側操作部に接続される第2のハンドル側接点部が配置され、前記ハンドル部を前記装置本体に装着したとき、前記第1のハンドル側接点部と前記第1の本体側接点部とが電気的に接続されるとともに、前記第2のハンドル側接点部と前記第2の本体側接点部とが電気的に接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、装置本体に対して着脱可能なハンドル部を備え、且つ、ハンドル部に電気接点を有する撮像装置において、ハンドル部から送られてくる音声信号の劣化を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の撮像装置の実施形態の一例であるデジタルビデオカメラの斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルビデオカメラのカメラ本体からハンドル部を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】図1の状態からカメラ本体の外装部材及びハンドル部の外装部材等を取り外した状態を示す内部構造の斜視図である。
【図4】図3の状態を背面側から見た斜視図である。
【図5】図3の矢印A方向から見た図である。
【図6】図5のR部拡大断面図である。
【図7】デジタルビデオカメラの電気系の概略を示すブロック図である。
【図8】従来のデジタルビデオカメラの斜視図である。
【図9】図8に示すデジタルビデオカメラのカメラ本体からハンドル部を取り外した状態を示す斜視図である。
【図10】図8の状態からカメラ本体の外装部材及びハンドル部の外装部材等を取り外した状態を示す内部構造の斜視図である。
【図11】図8に示すデジタルビデオカメラの電気系の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0032】
図1は本発明の撮像装置の実施形態の一例であるデジタルビデオカメラの斜視図、図2は図1に示すデジタルビデオカメラのカメラ本体からハンドル部を取り外した状態を示す斜視図である。なお、本実施形態では、既に図8〜図11で説明した従来のデジタルビデオカメラと重複する部分については、各図に同一符号を付して説明する。
【0033】
本実施形態のデジタルビデオカメラでは、図1に示すように、前後左右の方向を定義付ける。従ってカメラ本体10の前方に撮影レンズ11が設けられ、また、カメラ本体10の右側には、グリップベルト13が設けられている。カメラ本体10の上部には、ズームスイッチ14、モードスイッチ15、及び内蔵マイク16が設けられている。ここで、カメラ本体10は、本発明の装置本体の一例に相当する。
【0034】
また、カメラ本体10の上部には、ハンドル部50が着脱可能に装着されている。ハンドル部90の前方部分には、外部マイクホルダ52、外部マイクホルダ52に着脱可能に装着される外部マイクと電気的に接続される外部マイクコネクタ53、及びアクセサリ取付部54が設けられている。ここで、外部マイクは、本発明のハンドル側マイクの一例に相当する。
【0035】
そして、撮影者が右手をグリップベルト13に通してカメラ本体10を把持した状態で撮影を行う際には、撮影者の右手の人差し指は、ズームスイッチ14及びモードスイッチ15を操作可能な位置に配置される。また、撮影者の右手の親指は、カメラ本体10の背面側の不図示のトリガースイッチを操作可能な位置に配置される。
【0036】
このように、撮影時に使用するスイッチ類は、カメラ本体10を把持する手で操作可能である必要があるため、カメラ本体10の背面側や後方部分に配置される。ここで、ズームスイッチ14、モードスイッチ15、及び不図示のトリガースイッチは、本発明の本体側操作部の一例に相当する。
【0037】
一方、内蔵マイク16は、被写体の発する音声等を良好に入力するため、また、カメラ本体10を把持した手で触れられることによる雑音の入力を避けるため、被写体に近いカメラ本体10の前方部分に配置される。
【0038】
また、撮影者がハンドル部50を右手で把持して撮影を行う際には、撮影者の右手の親指が、ハンドル部50上面側に配置されたハンドルズームスイッチ701やハンドルトリガースイッチ702(図3参照)を操作可能な位置に配置される。ここで、ハンドルズームスイッチ701及びハンドルトリガースイッチ702は、本発明のハンドル側操作部の一例に相当する。
【0039】
外部マイクを使用する際は、外部マイクホルダ52に外部マイクを装着し、外部マイクの出力端子を外部マイクコネクタ53に挿入することで、外部マイクとカメラ本体10とを電気的に接続する。外部マイクは、被写体の発する音声等を良好に入力するため、外部マイクホルダ52や外部マイクコネクタ53は、被写体に近いハンドル部50の前方部分に配置される。
【0040】
また、図2に示すように、カメラ本体10の上部には、本体側接点部40がカメラ本体10の前方部分に位置して設けられ、本体側接点部41がカメラ本体10の後方部分に位置して設けられている。
【0041】
また、ハンドル部50には、2つのハンドル側接点部55および56が設けられている。ここで、本体側接点部40は、本発明の第1の本体側接点部の一例に相当し、本体側接点部41は、本発明の第2の本体側接点部の一例に相当する。また、ハンドル側接点部55は、本発明の第1のハンドル側接点部の一例に相当し、ハンドル側接点部56は、本発明の第2のハンドル側接点部の一例に相当する。
【0042】
そして、図2の状態からハンドル部50をカメラ本体10に装着する際は、図中の矢印方向にハンドル部50をスライドさせて装着する。
【0043】
このとき、本体側接点部40にハンドル側接点部55を係合させることで、本体側接点部40とハンドル側接点部55とが電気的に接続される。本体側接点部41にハンドル側接点部56を係合させることで、本体側接点部41とハンドル側接点部56とが電気的に接続される。すなわち、カメラ本体10とハンドル部50とがカメラ本体10の前方部分と後方部分の2か所で電気的に接続される。
【0044】
ところで、ハンドル部50に求められる電気的機能(例えばビデオライトLEDや赤外光照射LEDなど)の数が増大した場合、ハンドル部50に必要な電気接点数が増える。着脱式のハンドル部50における各電気接点間のピッチは、接触信頼性を確保するため、所定の距離を保つ必要がある。
【0045】
従って、単純に電気接点のピン数を増やすと、ハンドル部50の大型化を招くことになる。本実施形態では、接点部をハンドル部50に複数設けているため、複数の接点部に対して必要なピン数を振り分けることで、ハンドル部50の大型化を招くことなく、ハンドル部50の電気的機能の数の増大の要求に応えることが可能となる。
【0046】
なお、本実施形態では、電気接点部をカメラ本体10及びハンドル部50にそれぞれ2カ所設けているが、3カ所以上設けるようにしてもよい。
【0047】
図3は、図1の状態からカメラ本体10の外装部材12及びハンドル部50の外装部材51等を取り外した状態を示す内部構造の斜視図である。
【0048】
図3において、メイン基板20は、カメラ本体10の内部に配置され、撮像した画像や音声信号の圧縮・加工処理や操作入出力信号の処理・映像信号の記録読み出し等の信号処理を行う。メイン基板20には、オーディオブロック21、及び操作系ブロック22が配置されている。
【0049】
オーディオブロック21は、内蔵マイク16や外部マイクから入力された音声などの微小なアナログオーディオ信号をアンプしデジタル処理する。操作系ブロック22は、ズームスイッチ14、モードスイッチ15、及びハンドル部50の操作系からの入出力信号を処理する。ここで、オーディオブロック21は、本発明の音声信号処理部の一例に相当し、操作系ブロック22は、本発明の操作系信号処理部の一例に相当する。
【0050】
また、メイン基板20には、前側コネクタ23、後側コネクタ24、操作系コネクタ25、及び内蔵マイクコネクタ26が実装されている。前側コネクタ23と本体側接点部40とは、FPC30を介して電気的に接続され、後側コネクタ24と本体側接点部41とは、FPC31を介して電気的に接続される。
【0051】
FPC32は、内蔵マイク16に接続された内蔵マイクワイヤ34に接続され、内蔵マイクコネクタ26を介してメイン基板20へと音声信号を伝達する。FPC33は、操作系コネクタ25に接続されて、ズームスイッチ14やモードスイッチ15とメイン基板20とを電気的に接続する。
【0052】
FPC70は、ハンドルズームスイッチ701やハンドルトリガースイッチ702を実装し、ハンドル側接点部56と電気的に接続される。FPC71は、ハンドル側接点部55と電気的に接続される。外部マイク基板60は、外部マイクコネクタ53を実装し、電源基板61は、FPC70や外部マイク基板60等に電源を供給する。
【0053】
図4は、図3の状態を背面側から見た斜視図である。図4において、オーディオキー基板62は、チャンネル切り替えやマイクの入力モード等を切り替えるオーディオモードスイッチ621やマイク感度を調節するボリューム622を実装する。オーディオ基板63は、外部マイク基板60から入力される音声信号を処理・生成し、FPC71を介してハンドル側接点部55と電気的に接続される。
【0054】
図5は図3の矢印A方向から見た図、図6は図5のR部拡大断面図である。図5及び図6を参照して、ハンドル側接点部55の接点552、及び本体側接点部40の接点402は、共に導通性及びバネ性を有する金属等の材料が用いられる。接点552,402は、図6の紙面に直交する奥行き方向に複数配置される。
【0055】
そして、カメラ本体10の前方部分のハンドル側接点部55のスリットに挿入されたFPC71の銅箔部に対して本体側接点部40の接点552が付勢された状態で接触して電気的に接続される(図6のL部)。接点402は、接点552の平面部に対して付勢された状態で接触して電気的に接続される(図6のM部)。また、接点402は、FPC30の銅箔部に対して付勢された状態で接触して電気的に接続される(図6のN部)。
【0056】
これにより、FPC71とFPC30とがハンドル側接点部55及び本体側接点部40を介して接続される。なお、カメラ本体10の後方部分のハンドル側接点部56と本体側接点部41についても、上記同様にして、FPC70とFPC31とがハンドル側接点部56及び本体側接点部41を介して接続される。
【0057】
図7は、デジタルビデオカメラの電気系の概略を示すブロック図である。前述したように、外部マイク基板60は、外部マイクコネクタ53を実装し、外部マイクからの音声信号を受信する。このとき、電源基板61では、メイン基板20からFPC70を介して供給される電源信号を基に、外部マイクを動作させる為の電源信号を生成し、外部マイク基板60に送信する。
【0058】
オーディオキー基板62は、チャンネル切り替えやマイクの入力モード等を切り替えるオーディオモードスイッチ621やマイク感度を調節するボリューム622などを実装し、それらの操作信号をオーディオ基板63に伝達する。
【0059】
オーディオ基板63では、オーディオモードスイッチ621やボリューム622等の操作に応じて、外部マイク基板60から入力される音声信号を処理・生成する。ここで生成された音声信号は、FPC71を介してハンドル側接点部55に出力され、本体側接点部40及びFPC30を介してメイン基板20のオーディオブロック21へ伝達される。
【0060】
また、FPC70に実装されたハンドルズームスイッチ701及びハンドルトリガースイッチ702からの操作信号は、FPC70からハンドル側接点部56へ出力され、本体側接点部41及びFPC31を介してメイン基板20の操作系ブロック22へ伝達される。
【0061】
このように、外部マイクから入力される音声信号がメイン基板20のカメラ本体10の前方部分となる領域へ接続され、操作信号や電源信号等がメイン基板20のカメラ本体10の後方部分となる領域へ接続されることとなる。
【0062】
一方、メイン基板20上でカメラ本体10の前方部分となる領域には、オーディオ信号のアナログ/デジタル変換処理等を行うオーディオブロック21が配置されている。内蔵マイク16からの音声信号は、FPC32を介してメイン基板20へと伝達され、オーディオブロック21に送られて信号処理される。
【0063】
ここで、内蔵マイク16からの音声信号は、微弱でノイズの影響を受けやすいアナログ信号である。従って、内蔵マイク16からの音声信号の劣化を防止するために、音声信号のメイン基板20の接続部である内蔵マイクコネクタ26からオーディオブロック21までのパターン結線距離を出来る限り短くするのが好ましい。
【0064】
また、カメラ本体10に配置されたズームスイッチ14及びモードスイッチ15等の操作部からの操作信号は、FPC33を介してメイン基板20に伝達された後、操作系ブロック22に送られて信号処理される。ズームスイッチ14及びモードスイッチ15等の操作部は、撮影時に撮影者が操作しやすいように、カメラ本体10の後方部分に配置される。
【0065】
このため、操作系ブロック22は、メイン基板20のカメラ本体10の後方部分となる領域に配置するのが好ましい。操作系ブロック22をメイン基板20上でカメラ本体10の後方部分となる領域に配置することで、FPC33の長さを短くして、低コスト化を図れる他、メイン基板20のパターン結線も短くできるため、メイン基板20の小型化にも寄与できる。
【0066】
次に、ハンドル部50からメイン基板20に送られてくる電気信号の処理に関して説明する。
【0067】
まず、ハンドル部50の外部マイクからメイン基板20に送られる音声信号は、FPC71とFPC30がカメラ本体10の前方部分の本体側接点部40及びハンドル側接点部55を介して接続されることで、メイン基板20のオーディオブロック21へ伝達される。
【0068】
FPC30は、メイン基板20に実装された前側コネクタ23へ接続され、前側コネクタ23に入力された音声信号は、メイン基板20で信号処理を行うため、図7に示すパターンH1を通り、オーディオブロック21へ結線される。
【0069】
ここで、図7に示すように、前側コネクタ23及びオーディオブロック21は共に、メイン基板20上でカメラ本体10の前方部分となる領域に配置されるため、パターンH1は、極短い距離で結線される。
【0070】
これにより、ハンドル部50の外部マイクから入力された音声信号は、メイン基板20においてノイズ源である例えば図7に示す電源ラインPや記録系信号ラインSの影響を受けることなく、信号処理することが可能となる。また、メイン基板20での結線パターンH1を短くできるので、メイン基板20の外形を小さくすることができ、デジタルビデオカメラの小型化や低コスト化を図ることができる。
【0071】
一方、ハンドル部50の操作部からメイン基板20に送られてくる操作信号は、FPC70とFPC31とがカメラ本体10の後方部分の本体側接点部41及びハンドル側接点部56を介して接続されることで、メイン基板20の操作系ブロック22へと伝達される。
【0072】
後側FPC31は、メイン基板20に実装された後側コネクタ24へと接続され、後側コネクタ24に入力された操作信号は、メイン基板20で信号処理を行うため、図7に示すパターンH2を通って操作系ブロック22へ結線される。
【0073】
ここで、図7に示すように、後側コネクタ24及び操作系ブロック22は共に、メイン基板20上でカメラ本体10の後方部分となる領域に配置されるため、パターンH2は、極短い距離で結線される。これにより、メイン基板20の外形を小さくすることができ、デジタルビデオカメラの小型化や低コスト化を図ることができる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態では、カメラ本体10に対して着脱可能なハンドル部50を備え、且つ、ハンドル部50に電気接点を有するデジタルビデオカメラにおいて、ハンドル部50から送られてくる音声信号の劣化を回避することができる。また、本実施形態では、メイン基板20の外形を小さくすることができるので、デジタルビデオカメラの小型化や低コスト化を図ることができる。
【符号の説明】
【0075】
10 カメラ本体
16 内蔵マイク
20 メイン基板
21 オーディオブロック
22 操作系ブロック
40 本体側接点部
41 本体側接点部
50 ハンドル部
55 ハンドル側接点部
56 ハンドル側接点部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と前記装置本体に対して着脱可能なハンドル部からなる撮像装置であって、
前記装置本体の前方部分には、音声信号処理部および前記音声信号処理部に接続される第1の本体側接点部が配置され、
前記装置本体の後方部分には、操作系信号処理部および前記操作系信号処理部に接続される第2の本体側接点部が配置され、
前記ハンドル部の前方部分には、ハンドル側マイクおよび前記ハンドル側マイクに接続される第1のハンドル側接点部が配置され、
前記ハンドル部の後方部分には、ハンドル側操作部および前記ハンドル側操作部に接続される第2のハンドル側接点部が配置され、
前記ハンドル部を前記装置本体に装着したとき、前記第1のハンドル側接点部と前記第1の本体側接点部とが電気的に接続されるとともに、前記第2のハンドル側接点部と前記第2の本体側接点部とが電気的に接続されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記装置本体の前方部分には、前記音声信号処理部に接続される内蔵マイクが配置され、
前記装置本体の後方部分には、前記操作系信号処理部に接続される本体側操作部が配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記ハンドル部の前方部分には、前記ハンドル側マイクを接続できるマイクコネクタが配置され、前記マイクコネクタと前記第1のハンドル側接点部とが接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項1】
装置本体と前記装置本体に対して着脱可能なハンドル部からなる撮像装置であって、
前記装置本体の前方部分には、音声信号処理部および前記音声信号処理部に接続される第1の本体側接点部が配置され、
前記装置本体の後方部分には、操作系信号処理部および前記操作系信号処理部に接続される第2の本体側接点部が配置され、
前記ハンドル部の前方部分には、ハンドル側マイクおよび前記ハンドル側マイクに接続される第1のハンドル側接点部が配置され、
前記ハンドル部の後方部分には、ハンドル側操作部および前記ハンドル側操作部に接続される第2のハンドル側接点部が配置され、
前記ハンドル部を前記装置本体に装着したとき、前記第1のハンドル側接点部と前記第1の本体側接点部とが電気的に接続されるとともに、前記第2のハンドル側接点部と前記第2の本体側接点部とが電気的に接続されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記装置本体の前方部分には、前記音声信号処理部に接続される内蔵マイクが配置され、
前記装置本体の後方部分には、前記操作系信号処理部に接続される本体側操作部が配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記ハンドル部の前方部分には、前記ハンドル側マイクを接続できるマイクコネクタが配置され、前記マイクコネクタと前記第1のハンドル側接点部とが接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−74599(P2013−74599A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214390(P2011−214390)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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