説明

撮影システムの表示方法

【課題】撮影をアドバイスするキーワードと、該キーワードに従った撮影の結果得られた画像の内容から、当該キーワードを修飾したコメントを合成して画像に表示することが可能な撮影システムの方法を提供することである。
【解決手段】デジタルカメラ10に於いて、撮影者に対して次に撮影すべき被写体の候補に関する情報をシーな抽出部18で抽出し、前記シーン抽出部18から出力された情報に基づいて、次に撮影すべき被写体の候補に関する情報を候補表示部20aにて撮影者に告知する。この候補表示部20aの告知に基づいて、撮影された画像の特徴を特徴検出部15で検出する。そして、前記シーン抽出部18及び特徴検出部15の出力に基づいて、フレーズ合成部21にて修飾されたフレーズを作成し、前記撮影された画像と共に当該フレーズを候補表示部20aに表示して、前記撮影者に告知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラ及び撮影システムに関し、より詳細には、物語性のある写真鑑賞を可能とする撮影システムの表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラの普及によって、画像がデジタル化され、転送なども容易となり、スライドショーの活用、電子アルバムによる自動レイアウト等、様々な画像鑑賞の可能性が広がっている。
【0003】
また、音楽をBGMにしたり、画像に文字を合成したりすることも、手間をかければ誰にでもできるようになっている。前述のスライドショーなどでも、複数の画像を利用して、相互作用でより豊かな情感を伝えることも可能となっている。
【0004】
こうした流れの中で、凝った画像に見慣れてしまうと、カメラで撮影した画像だけを見せられても、単調に感じたり、味気なく感じたりする鑑賞者が増えている。一方で、さりげないコメントが入っているだけでも、撮影者が身近に感じられて、その写真の持つ雰囲気が変わることがある。そのため、簡単に画像にコメントを添える技術が模索されている。
【0005】
また、前述したスライドショーや電子アルバム等に於いて、個々の画像にコメントを付けて、全体としてストーリーができるような表現方法が求められている。単に、コメントを画像に付けるものとしては、例えば、下記特許文献1及び特許文献2のような技術がある。例えば、下記特許文献1には、撮影画像に対して後の整理・検索に役立つ具体的な識別清報を簡単に付加することができるデジタルスチルカメラ及びその制御方法が開示されている。また、下記特許文献2には、季語等によって、写真と俳句を関連付ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−228608号公報
【特許文献2】特開2004−240579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に記載のカメラでは、ユーザがタッチパネルに表示されるアイコンを逐一選択しなければならず、煩わしいものであった。また、前記特許文献2に記載の技術では、一枚の写真で完結するため、撮影した写真群から物語性を得ることができないものであった。
【0008】
したがって、本発明は前記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮影をアドバイスするキーワードと、該キーワードに従った撮影の結果得られた画像の内容から、当該キーワードを修飾したコメントを合成して画像に表示することが可能な撮影システムの表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち請求項1に記載の発明は、撮影のテーマを選択するステップと、上記テーマに従ったアドバイスを表示するステップと、撮影するステップと、上記表示されたアドバイスと上記撮影結果から、テキストを決定して表示する撮影システムの表示方法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮影をアドバイスするキーワードと、該キーワードに従った撮影の結果得られた画像の内容から、当該キーワードを修飾したコメントを合成して画像に表示することが可能な撮影システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態であって、撮影システムが適用されたデジタルカメラ10の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に於いて、このデジタルカメラ10は、位置検出部11と、時刻検出部12と、通信部13と、撮影部14と、特徴検出部15と、データベース(DB)部16と、シーン抽出部18と、候補表示部19と、フレーズ合成部20と、候補表示部20aを含む表示部20と、制御部22と、を有して構成される。
【0014】
前記位置検出部11は、GPSからの電波を受信し、撮影時のデジタルカメラ10の位置情報を検出・取得するための位置取得部である。前記時刻検出部12は、このデジタルカメラ10に内蔵される時計機能を有したもので、前記位置検出部11で取得された位置に於ける時刻情報を取得するものである。前記通信部13は、図示されない外部機器との通信、例えば撮影スポット情報等の特定の情報を取得するためのものである。
【0015】
撮影部14は、写真撮影時に写真画像を得る撮影手段である。特徴検出部15は、前記撮影部14より得られた写真画像を解析して写真の特徴を検出する特徴検出手段であり、画像処理機能を有している。この特徴検出には、例えば、色分布や顔検出等が用いられる。データベース部16は、撮影位置、時刻、及び写真の特徴を格納する記録手段である。
【0016】
シーン抽出部18は、最初に取得した位置情報及び時刻情報より撮影テーマ選択を撮影者であるユーザに促し、更に撮影した写真の特徴と撮影位置情報より、次の撮影シーンを抽出するためのテーマ抽出手段である。表示部20は告知手段としての候補表示部20aを有するもので、撮影部14で取得された画像(写真)を表示するためのディスプレイ等の表示手段である。候補表示部20aは、前記シーン抽出部18で抽出されたシーン情報をアドバイスとして表示する。フレーズ合成部21は、撮影後に、候補表示部20aに表示されたシーン情報と写真の特徴より、フレーズを作成、合成するものでフレーズ合成手段を構成する。また、制御部22は、ユーザの操作に従った制御を行うもので、このデジタルカメラ10全体の制御を司るものである。
【0017】
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態に於けるデジタルカメラ10に於いて、撮影された写真にフレーズを関連付ける方法について説明する。
【0018】
時刻検出部12より検出された時刻情報を基に、季節及び時刻が特定される。特定して季節を表すキーワードとしては、例えば、「立春」、「春分」、「春」、「初夏」、「夏」、「秋分」、「秋」、「冬」、「冬至」などがある。また、特定された時刻を表すキーワードとしては、例えば、「早朝」、「朝」、「午前」、「正午」、「昼」、「午後」、「タ方」、「夜」、「深夜」などがある。
【0019】
位置検出部11より検出された位置情報を基に、地図上の位置が特定される。ここで、特定された地図上の位置を表すキーワードとしては、その場所を表す大まかなもの、例えば、「山」、「畑」、「海」など、そしてその場所を示す目印のようなもの、例えば、「学校」、「会社」などがある。季節を表すキーワードと場所を表すキーワードから、フレーズが合成され、写真に関連付けられる。
【0020】
更に、特徴検出部15より検出された情報を基に、被写体の特徴が特定される。特定された被写体を表すキーワードの分類としては、「色(赤、青、黄、緑、など)」、「形(丸、三角、四角、長、短、など)」及び「推定された被写体(花、人、車、など)」がある。
【0021】
前述した季節、場所と被写体のキーワードから、フレーズのテンプレートを基にフレーズが合成されて、写真に関連付けられる。
【0022】
例えば、図2(a)に示されるように、位置情報より「山」、時刻情報より「秋」、被写体の特徴情報より「人」、の組合せにより、ハイキングのシーンが推定され、「秋のハイキング」というフレーズ26aが合成されて写真に関連付けられる。
【0023】
また、図2(b)に示されるように、位置情報として「山」、時刻情報として「春」、被写体の特徴情報より「赤・花」、の組合せにより、山で赤い花を撮影したことが推定され、「赤い花をみつけた」というフレーズ26bが合成されて写真に関連付けられる。
【0024】
次に、図3及び図4を参照して、ユーザに撮影テーマの選択を促すことについて説明する。
【0025】
図3は、ユーザに選択を促すためのテーマを示した図である。
【0026】
図3に於いて、時刻検出部12で取得される情報から特定された季節を表すキーワードと、位置検出部11で取得される情報から特定された場所を表すキーワードを、通信部13を介して、図示されないサーバへ問い合わせが行われ、ピックアップされたキーワードから連想される数点のテーマの大枠が、前記サーバより取得される。
【0027】
ピックアップされたテーマの大枠は、「家族野山ハイキング」や「野鳥観察」などである。ピックアップされたテーマの大枠がユーザによって選択され、ユーザによって「家族野山ハイキング」が選択された場合、そのテーマ情報を基に、通信部13を介して図示されないサーバへ問い合わせが行われる。次いで、前記サーバより、そのテーマに沿ったシナリオデータ、撮影スポット情報、フレーズのテンプレート、キーワード、画像の特徴データが取得される。そして、シナリオデータに沿って、テーマに沿った撮影シーンがアドバイスされる。
【0028】
図4は、撮影テーマとアドバイスを説明するための図である。
【0029】
先ず、図4(a)に示されるデジタルカメラ10のディスプレイ(表示部20)に、図4(b)に示されるような撮影テーマ選択メニューを表示される。ユーザが撮影を始める前に、図4(b)に示されるようなメニュー階層を辿ることによって、所望のテーマが選択される。図4(a)に示される例では、先ず、メニュー第1階層で「プライベート」が選択され、メニュー第2階層で「遠出」が選択され、更に、メニュー第3階層で「日帰り」が選択される。
【0030】
選択された各メニュー階層の各メニューは、キーワードとして利用される。このキーワードと撮影を始める時の位置情報、時刻情報より、撮影シーンの候補が抽出される。例えば、上記例が選択された場合、位置情報が「山」、時刻情報より「春」、選択されたキーワードの組合せによって、図4(c)に示されるように、「忘れずに撮りましよう」というカテゴリの中に、「1.代表的な風景」、「2.きれいな花」、「3.家族みんなで」という撮影シーンのアドバイスが抽出される。
【0031】
次に、図5を参照して、合成フレーズの候補の文言、表示アドバイス、撮影された写真群の関連付けについて説明する。
【0032】
図5(a)〜(c)は、合成フレーズの候補の文言、表示アドバイス、撮影した写真群の関連付けを説明するための図である。
【0033】
図5(b)に示されるようなアドバイスA1〜A3は、それぞれ図5(a)に示されるようなフレーズM1、M2、M11、M12、M21、M22と関連している。ユーザにより写真撮影が行われる時、デジタルカメラ10では、図5(b)に示されるようなアドバイスA1〜A3が候補表示部(表示装置)20aに表示される。ユーザは、この表示されたアドバイスを考慮して撮影を行う。この時、撮影された図5(c)に示されるような写真P1〜P5は、そのアドバイスと関連を持っている。したがって、アドバイスと関連した写真と、アドバイスと関連したフレーズが結びつけられる。
【0034】
次に、図6のフローチャートを参照して、本実施形態に於けるデジタルカメラ10の制御動作について説明する。ここでは、ユーザが撮影テーマを選択する場合と、ユーザが写真撮影を行う場合と、ユーザが撮影した写真を再生する場合について説明する。
【0035】
尚、この制御動作は、主に制御部22によって行われる。
【0036】
先ず、カメラが起動されると、ステップS1に於いて、撮影モードが確認される。ここで、撮影モードであればステップS2へ移行し、そうでない場合は後述するステップS11に移行する。
【0037】
ステップS2は、撮影可能な状態へ遷移されている。ここで、図示されないシャッタ釦が押されていない状態(スルー画表示中等)でシャッタ釦が押された場合は、ステップS3に移行する。このステップS3では、撮影が行われて、画像がデータベース部16に記録される。
【0038】
次に、ステップS4に於いて、撮影された写真より抽出された特徴、撮影位置、撮影時刻等のデータを基に、関連するデータの取得が行われてデータが取得できたかどうかが判定される。ここで、データが取得できた場合は、ステップS5に移行して、取得されたデータと画像の関連付けが行われる。一方、データが取得できない場合は、本シーケンスが終了する。
【0039】
ステップS6では、撮影アドバイスに合致した画像であるかの判定処理が行われる。尚、このステップS6のサブルーチン「アドバイス画像判定処理」の詳細な動作については後述する。前記ステップS6の判定処理の結果、ステップS7に於いて、撮影アドバイスに合致すれば、ステップS8に移行してアドバイス画像としてデータベース部16に記録される。一方、撮影アドバイスに合致した画像ではなかった場合は、前記ステップS4に移行して、再度データの取得が行われる。
【0040】
また、前記ステップS2に於いて、図示されないシャッタ釦が押されていない状態(スルー画表示中)であれば、ステップS9に移行する。ここで、撮影テーマが指定されていれば、ステップS10に移行してデジタルカメラ10の候補表示部20aにアドバイス表示が行われる。その後、前記ステップS9に移行する。
【0041】
一方、前記ステップS9に於いて撮影テーマが選択されていない場合は、撮影テーマ選択を行うように促されるべく、前記ステップS1に移行する。
【0042】
次に、ユーザが撮影した写真を再生する場合の動作について説明する。
【0043】
前記ステップS1にて撮影モードでないとされた場合は、ステップS11に於いて、再生モードであるか否かが判定される。ここで、再生モードであればステップS12に移行するが、そうでない場合は、後述するステップS19へ移行する。
【0044】
前記ステップS11で再生モードであると判定された場合は、ステップS12にて再生する画像が選択される。次いで、ステップS13にて、再生画像の選択がなされたか否かが判定される。ここで、画像が選択されなければ、再度、再生モードに移行するかどうかをユーザの入力に促されるべく前記ステップS11に移行する。
【0045】
前記ステップS13で再生画像が選択されたと判定された場合は、ステップS14に移行して、選択された画像が撮影アドバイスによるものか否かの判定が行われる。ここで、撮影アドバイスによる写真であれば、ステップS15に移行して、撮影アドバイスと撮影時のデータを基に、文言(フレーズ)が合成される。尚、このステップS15のサブルーチン「アドバイスと撮影時データよりコメントを合成」の詳細な動作については後述する。次いで、ステップS16では、合成された文言(フレーズ)がコメントとして、撮影された写真と関連付けて再生される。
【0046】
一方、前記ステップS14に於いて、選択された画像が撮影アドバイスによるものでない場合は、ステップS17に移行して通常の画像再生が行われる。
【0047】
そして、選択された画像が全て再生終了したならば、ステップS18に移行して、再生モードを終了する否かが判定される。その結果、再生終了の場合は再生モードが終了して、本シーケンスが終了する。一方、再生終了でない場合は、前記ステップS13に移行して、再度画像選択が行われる。
【0048】
次に、撮影テーマの選択動作について説明する。
【0049】
前記ステップS11にて再生モードではないと判定された場合には、ステップS19に移行して、テーマ指定モードであるか否かが判定される。ここで、テーマ指定で無ければ、前述したステップS1に移行し、テーマ指定モードであればステップS20に移行する。このステップS20では、選択可能なテーマが候補表示部20aに表示されて、ユーザに対して入力が促される。ここで、ユーザによりテーマ選択が行われると、続くステップS21にて、ユーザによって指定されたテーマが、デジタルカメラ10に記録される。その後、本シーケンスが終了する。
【0050】
図7は、図6のフローチャートのステップS6に於けるサブルーチン「アドバイス画像判定処理(日帰り)の詳細な動作を説明するためフローチャートである。ここでは、撮影を行った写真が撮影アドバイスに則った写真であるかどうかが判定される。
【0051】
ここでは、図4(c)に示されるように、テーマとして「日帰り」が選択された場合について説明する。この場合、撮影アドバイスとして「家族みんなで」というフレーズが存在する。したがって、先ず、ステップS31にて、撮影画像中の被写体に人の顔があるか否か、顔認識技術が利用されて特徴検出部15による検出が行われ、判定がなされる。その結果、被写体に顔が存在するならば、ステップS32に移行して、笑顔検出技術が利用されて正面を向いた笑顔の数が検出される。
【0052】
次に、ステップS33に於いて、検出された笑顔が、これまで「家族みんなで」という撮影アドバイスによって撮影された写真の中で最も多いか否かが判定される。ここで、撮影された写真の中で最も多い場合は、ステップS34に移行して、この画像が「家族みんなで」というアドバイス画像として記録される。そして、ステップS35にて、この時、前回「家族みんなで」というアドバイス画像として記録されていたものは、その候補から外される。その後、本サブルーチンを抜けて、図6のフローチャートのステップS7に移行する。
【0053】
一方、前記ステップS31にて、撮影画像中より人の顔が検出できなかった場合は、ステップS36に移行する。ここでは、撮影アドバイス「きれいな花」を撮影したものか否かが判定されるために、その画像中に花のパターンが存在するか否かが判定される。花のパターンは、画像中の特徴抽出技術(エッジ、輪郭、線成分の抽出、領域分割による抽出、テクスチャの抽出等の処理)が利用されるもので、特徴検出部15により抽出及び検出が行われる。
【0054】
前記ステップS36にて、花のパターンが抽出されたならば、次にステップS37に於いて、抽出された画像の特徴より、以前に「きれいな花」アドバイス画像として記録された写真と比較されて、より大きく鮮やかに写っているか否かが判定される。この判定の結果、大きく鮮やかに写っていれば、ステップS38に移行して、その写真が「きれいな花」アドバイス画像として記録される。そして、ステップS39にて、この時、前回「きれいな花」アドバイス画像として記録されていたものは、その候補から外される。その後、本サブルーチンを抜けて、図6のフローチャートのステップS7に移行する。
【0055】
一方、ステップS37にて、抽出された画像が大きく鮮やかなものではなかった場合は、ステップS38及びS29がスキップされて、図6のフローチャートのステップS7に移行する。
【0056】
また、前記ステップS36に於いて、撮影画像中より花のパターンが検出できなかった場合は、ステップS40に移行する。このステップS40では、撮影アドバイス「代表的な風景」が撮影されたものか否かが判定される。そのために、その撮影画像の圧縮データサイズが今まで「代表的な風景」というアドバイス画像として記録された写真と比較されて、より大きいか否かが判定される。尚、風景写真は色情報が複雑であるため、JPEG等、画像圧縮が行われた時、圧縮率が低いため、圧縮画像データサイズは大きくなる。
【0057】
前記ステップS40にて、圧縮データが大きかった場合は、ステップS41に移行して、「代表的な風景」というアドバイス画像として記録される。この時、続くステップS42にて、前回「代表的な風景」アドバイス画像として記録されていたものが、その候補から外される。その後、本サブルーチンを抜けて、図6のフローチャートのステップS7に移行する。
【0058】
一方、前記ステップS40にて圧縮データ量が大と判定されなかった場合は、ステップS41及びS42がスキップされて、図6のフローチャートのステップS7に移行する。
【0059】
次に、図8のフローチャートを参照して、図6のフローチャートのステップS15に於けるサブルーチン「アドバイスと撮影時データよりコメントを合成」の詳細な動作について説明する。ここでは、撮影アドバイスと撮影時データよりフレーズを合成するための動作を説明する。
【0060】
本サブルーチンに入ると、先ず、ステップS51にて、撮影時に取得された位置情報から取得可能な場所データが存在するか否かが判定される。場所データは、位置情報(GPSデータ)が地名や地形及び地形を意味するキーワード(山、川、海)などに変換されたキーワードを意味する。ここで、場所データが存在すれば、ステップS52に移行して、その場所を修飾するコメントが抽出される。ここで、抽出されるコメントは、例えば、「山」、「川」、「海」などである。一方、前記ステップS51にて場所データが存在しない場合は、ステップS52がスキップされる。
【0061】
次に、ステップS53に於いて、日時データ(時刻情報)が存在するか否かが判定される。ここで、日時データが無い場合は、ステップS54に移行する。一方、日時データがあれば、ステップS57に移行して、月の情報から季節が判定される。このステップS57にて季節が判定されたならば、ステップS58に移行して、季節を修飾するコメントが抽出される。季節を修飾するコメントは、例えば、「初春」、「春分」、「春」、「初夏」、「夏至」、「夏」、「残暑」、「初秋」、「秋」、「秋分」、「冬至」、「初冬」、「冬」などである。また、前記ステップS57にて、季節が判定されない場合は、ステップS58がスキップされる。
【0062】
ステップS59では、休日判定が行われる。ここで、休日であれば、ユーザが日常と異なる行動をとっていると推定されるので、ステップS60に移行して、休日を修飾するコメントが抽出される。また、祝日である場合は、祝日の種類が抽出される。ここで、抽出されるコメントは、「土曜日」、「日曜日」、「正月」、「春分の日」、「みどりの日」、「国民の休日」、「海の日」、「終戦記念日」、「秋分の日」、「敬老の日」、「勤労感謝の日」、「天皇誕生日」などである。休日修飾コメントが抽出された後は、ステップS54に移行する。
【0063】
ステップS54では、撮影された写真より抽出された特徴データの中の1つである、色の判定が行われる。これは、撮影された写真より画像の特徴が抽出(エッジ、輪郭、線成分の抽出、領域分割による抽出、テクスチャの抽出などの処理)される。そして、その画像を構成する中で、象徴的な色が抽出された場合は、ステップS55に移行してその色を修飾するコメントが抽出される。修飾するコメントは、「赤」、「青」、「黄」、「緑」、「白」、「黒」などである。一方、前記ステップS54にて、各撮影時データより各条件を判定できない場合は、ステップS56に移行し、修飾コメントは抽出されない。その後、本サブルーチンを抜けて、図6のフローチャートのステップS16に移行する。
【0064】
図9は、デジタルカメラ10の位置検出部11にて取得された位置情報を基に、地図30上にその位置を関連付けた図を示している。
【0065】
撮影が行われる場所で、位置検出部11により位置情報が取得されたとしても、地図30上の地名や地形など、その場所を示すキーワードが検出できないこと場合がある。この場合、予め自宅31の位置情報を取得し、デジタルカメラ10内に登録しておくことにより、撮影場所32が自宅から離れていた場合に、例えば、「はるばる来た」などの修飾コメントが付与される。
【0066】
このように、本実施形態のデジタルカメラによれば、撮影をアドバイスするキーワードと、該キーワードに従った撮影の結果得られた画像の内容から、当該キーワードを修飾したコメントを合成して画像に表示することができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0068】
更に、前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態であって、撮影システムが適用されたデジタルカメラ10の構成を示すブロック図である。
【図2】撮影された写真にフレーズを関連付ける方法を説明するための図である。
【図3】ユーザに選択を促すためのテーマを示した図である。
【図4】撮影テーマとアドバイスを説明するための図である。
【図5】合成フレーズの候補の文言、表示アドバイス、撮影された写真群の関連付けについて説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態に於けるデジタルカメラ10の制御動作について説明するためのフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートのステップS6に於けるサブルーチン「アドバイス画像判定処理(日帰り)の詳細な動作を説明するためフローチャートである。
【図8】図6のフローチャートのステップS15に於けるサブルーチン「アドバイスと撮影時データよりコメントを合成」の詳細な動作について説明するためのフローチャートである。
【図9】デジタルカメラ10の位置検出部11にて取得された位置情報を基に、地図30上にその位置を関連付けた例を示した図である。
【符号の説明】
【0070】
10…デジタルカメラ、11…位置検出部、12…時刻検出部、13…通信部、14…撮影部、15…特徴検出部、16…データベース(DB)部、18…シーン抽出部、20…表示部、20a…候補表示部、21…フレーズ合成部、22…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影のテーマを選択するステップと、
上記テーマに従ったアドバイスを表示するステップと、
撮影するステップと、
上記表示されたアドバイスと上記撮影結果から、
テキストを決定して表示する撮影システムの表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−78142(P2013−78142A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−283265(P2012−283265)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2008−206062(P2008−206062)の分割
【原出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】