撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構
【課題】ワイドコンバータのように重量が重い前面アクセサリの場合でも、確実にレンズ鏡胴からの前面アクセサリの脱落を防止することができるようにした撮影レンズにおける前面アクセサリの装着機構を提供する。
【解決手段】前面アクセサリが装着されるレンズ鏡胴の先端部(円筒部42)には、係止溝48と、ガイド溝46が形成されている。前面アクセサリには係止溝48に係合する係止爪が設けられており、その係止爪がガイド溝46から挿入されて回転移動により係止溝48に係合することによって前面アクセサリが円筒部42に装着される。一方、前面アクセサリにはストッパ190を備えており、操作ネジ184を操作してストッパ190をガイド溝46に係合させることにより係止爪の回転移動が規制され前面アクセサリがレンズ鏡胴から外れないようにロックされる。
【解決手段】前面アクセサリが装着されるレンズ鏡胴の先端部(円筒部42)には、係止溝48と、ガイド溝46が形成されている。前面アクセサリには係止溝48に係合する係止爪が設けられており、その係止爪がガイド溝46から挿入されて回転移動により係止溝48に係合することによって前面アクセサリが円筒部42に装着される。一方、前面アクセサリにはストッパ190を備えており、操作ネジ184を操作してストッパ190をガイド溝46に係合させることにより係止爪の回転移動が規制され前面アクセサリがレンズ鏡胴から外れないようにロックされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構に係り、特に撮影レンズのレンズ鏡胴の前面に装着されるワイドコンバータ等の補助レンズの脱落を確実に防止することができる撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ENGカメラ等の業務用ハンディカメラに用いられる撮影レンズ(ズームレンズ)は、前玉繰り出しと呼ばれる方式、即ち、前玉のフォーカスレンズ群全体を繰り出してフォーカシングを行うのが一般的であったが、近年の更なる小型化、軽量化の下、インナーフォーカス式のズームレンズが広く用いられるようになっている。
【0003】
このようなインナーフォーカス式ズームレンズでは、レンズ鏡胴の内部には光学系を構成する各種レンズ等が保持されており、その後端部には、カメラ本体に対して例えばバヨネット方式により着脱可能に装着されるマウントが設けられ、レンズ鏡胴の外周部(レンズ鏡胴の各種構成部材を支持する鏡胴本体の外周部)には、内部に保持したフォーカス用のレンズ(フォーカスレンズ群)、ズーム用のレンズ(変倍レンズ群)、絞り等にメカ的に連結されてそれらを駆動するための操作リングが回動可能に設けられている。尚、本明細書では、フォーカスレンズ群、変倍レンズ群、絞りの各々を駆動するための操作リングをフォーカスリング、ズームリング、アイリスリングというものとする。
【0004】
また、レンズ鏡胴の先端部には各種前面アクセサリを装着するためのネジ部が設けられており、前面アクセサリに形成されたネジ部をレンズ鏡胴のネジ部に螺合させることで、前面アクセサリがレンズ鏡胴の先端部に取り付けられるようになっている(例えば、特許文献1参照)。レンズ鏡胴に装着可能な前面アクセサリとしては、レンズフード、ワイドコンバータレンズ、テレコンバータレンズ等がある。このような前面アクセサリの着脱機構によれば、容易に撮影レンズの前面に着脱でき、撮影レンズの口径等の規格にあったものであれば複数の撮影レンズに共用することもできるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−211303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ワイドコンバータレンズやテレコンバータレンズ等の補助レンズはレンズフードに比べて重量が重いため、特許文献1に開示されるような前面アクセサリの着脱機構ではレンズ鏡胴の先端部に補助レンズが装着されると、その自重によってネジ部がゆるみやすく、補助レンズとレンズ鏡胴の光軸に位置ずれを招き、最悪の場合には補助レンズが脱落してしまう恐れがある。
【0007】
一方、スナップイン方式のようにネジを使用せずに前面アクセサリをレンズ鏡胴に着脱する着脱機構も考えられる。しかしながら、着脱を可能にする必要性から装着力を強くするには限度があり、前面アクセサリの重量が重い場合には、振動、衝撃、加減速動作、手等の意図しない接触などによって前面アクセサリが脱落してしまう恐れがある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、前面アクセサリの重量が重い場合でも、確実にレンズ鏡胴からの前面アクセサリの脱落を防止することができる撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、請求項1に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構は、撮影レンズのレンズ鏡胴の先端部に設けられた鏡胴側装着部と、前面アクセサリの後端部に設けられたアクセサリ側装着部とからなり、前記鏡胴側装着部と前記アクセサリ側装着部とを着脱することにより、前記前面アクセサリを前記レンズ鏡胴の先端部に着脱可能にした撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構において、前記アクセサリ側装着部は、アクセサリ側筒体と、該アクセサリ側筒体の内周面側に突出形成された係止部材と、を有し、前記鏡胴側装着部は、前記アクセサリ側筒体の内側に配置される鏡胴側筒体と、該鏡胴側筒体の外周面の周方向に形成され、前記係止部材と係合して前記係止部材を係止する係止溝と、前記鏡胴側筒体の外周面に形成され、前記鏡胴側筒体の先端面から前記係止溝まで延在する溝であって、前記係止部材を前記撮影レンズの光軸方向に移動させて前記前記係止溝まで導くガイド溝と、を有し、前記係止部材が前記ガイド溝を移動した後、周方向に回転して前記係合溝に係合することにより前記前面アクセサリが前記レンズ鏡胴の先端部に装着されると共に、前記アクセサリ側装着部は、前記係止部材が前記係止溝に係合している状態において前記ガイド溝の側壁面に係合する位置に移動することにより、前記係止部材が前記ガイド溝の位置に回転移動することを規制するストッパ部材を備えた、ことを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、前面アクセサリを回転させて係止部材を周方向に回転移動させることによって、レンズ鏡胴の係止溝に係合させて前面アクセサリをレンズ鏡胴の先端部に装着することができ、これとは反対に前面アクセサリを回転させることによってレンズ鏡胴から前面アクセサリを取り外すことができる。一方、係止部材が係止溝に係合している状態において、即ち、前面アクセサリがレンズ鏡胴に装着されている状態において、ストッパ部材をガイド溝の側壁面に係合させることによって、係止部材の周方向の回転移動が規制され、前面アクセサリをレンズ鏡胴から取り外せない状態(ロック状態)となる。このロック状態により、前面アクセサリの重量が重い場合でも振動や衝撃等によって前面アクセサリがレンズ鏡胴から脱落してしまうという不測の事態を防止することができる。また、ストッパ部材が係合するガイド溝は、係止部材を係止溝に案内するために設けられたものを兼用したものであり、レンズ鏡胴側の構造がストッパ部材を有する前面アクセサリを想定しないものであっても本発明を適用することができる。
【0011】
請求項2に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構は、請求項1に係る発明において、前記ストッパ部材は、操作ネジの回転により前記ガイド溝の底面に当接する向きと、前記ガイド溝の底面から離間する向きとに移動し、前記ガイド溝の底面に当接する向きに移動することにより前記ガイド溝の側壁面に係合する位置に移動し、前記ガイド溝の底面から離間する向きに移動することにより前記ガイド溝の側壁面に係合しない位置に移動することを特徴としている。
【0012】
本発明は,ストッパ部材をロック状態とロック解除状態との移動させる手段として操作ネジを使用した態様を示す。ただし、必ずしもネジ機構を利用したものでなくてもよい。
【0013】
請求項3に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構は、請求項1、又は、2に係る発明において、前記鏡胴側装着部は、前記係止溝に前記係止部材の周方向への回転移動を規制する突起を備えたことを特徴としている。
【0014】
本発明は、ストッパ部材を設けなくても、前面アクセサリが容易にはレンズ鏡胴から外れないようにした機構であるが、この場合においても、前面アクセサリの重量が重いと、脱落する可能性があるためストッパ部材によるロック機構を備えることは有益である。
【0015】
請求項4に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構は、請求項1、2、又は、3に係る発明において、前記係止部材と該係止部材と係合する前記係止溝とが複数箇所に設けられ、前記ストッパ部材は複数のガイド溝のうちのいずれか1つのガイド溝の側壁面に係合する1つのみが設けられたことを特徴としている。
【0016】
本発明は、ストッパ部材は、主として回転方向への動作を規制するものであり、その抑止力は、前面レンズの重量に大きくは作用されないため、1つ備えていれば十分であることを示す。
【0017】
請求項5に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構は、請求項1、2、3、又は、4に係る発明において、前記前面アクセサリは、撮影レンズの焦点距離を変更する補助レンズであることを特徴としている。即ち、焦点距離を変更するような補助レンズはレンズの重量が重く、また、光軸の精度を保つために金属の保持枠を使用することが多いため、そのような補助レンズにおいて本発明を適用すると特に有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前面アクセサリの重量が重い場合でも、確実にレンズ鏡胴からの前面アクセサリの脱落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適用される撮影レンズの外観構成を示した上面図
【図2】レンズ鏡胴から前面アクセサリを取り外した状態を示し、レンズ鏡胴の先端部に設けられる鏡胴側装着部と、任意の種類の前面アクセサリの後端部に設けられるアクセサリ側係合部とを拡大して示した図が拡大して示されている。AF用撮像素子の光路長差を説明するための図
【図3】鏡胴側装着部の係合部を示した斜視図
【図4】アクセサリ側装着部の係止爪及び凹部を示した斜視図
【図5】アクセサリ側装着部を鏡胴側装着部に装着した状態を示した断面図
【図6】図1の撮影レンズにおいてレンズフードの代わりにワイドコンバータを装着した状態を示した上面図
【図7】ワイドコンバータの構成を示した断面図
【図8】アクセサリ装着部のロック機構の構成を示した斜視図
【図9】ロック機構のロック解除状態を示した断面図
【図10】ロック機構のロック状態を示した断面図
【図11】ロック機構のストッパの外観を示した斜視図
【図12】ロック機構のロック状態でのストッパとガイド溝との係合状態を示した斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面に従って本発明に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構の形態について詳述する。
【0021】
図1は、本発明が適用される撮影レンズの外観構成を示した上面図である。
【0022】
同図に示す撮影レンズ2は、放送用又は業務用として取材などで携帯されるENGカメラ等のカメラ装置に後端のマウント部18により着脱可能に装着されるレンズ装置であり、主としてレンズ鏡胴4と駆動ユニット20とから構成されている。
【0023】
レンズ鏡胴4は、前方側(対物側)から入射される被写体光を集光してカメラ装置の撮像面に被写体像を結像する撮影光学系を内部に保持しており、その撮影光学系の構成部品として、フォーカスレンズ(群)、ズームレンズ(群)、絞り、リレーレンズ(群)等を備えている。
【0024】
また、レンズ鏡胴4は、外周部に回動可能なフォーカスリング10、ズームリング12、アイリスリング14を備えており、フォーカスリング10を回動操作すると、前記フォーカスレンズが光軸に沿って前後移動してピント位置が変化し、ズームリング12を回動操作すると、前記ズームレンズが光軸に沿って前後移動して焦点距離が変化し、アイリスリング14を回動操作すると、前記絞りが開閉動作して絞り値が変化するようになっている。更に同図のレンズ鏡胴4は、後部にエクステンダー16を備えており、図示しないレバーを回動操作することによって像倍率を例えば1倍と2倍とで切り替えることができるようになっている。
【0025】
駆動ユニット20は、レンズ鏡胴4の側部に取り付けられており、その駆動ユニット20のケーシング内部には、レンズ鏡胴4のフォーカスリング10、ズームリング12、アイリスリング14の各々に係合したモータや各モータを駆動制御する回路部品等が内蔵されている。また、説明を省略するが駆動ユニット20のケーシングの外面にはレンズ操作のための各種操作部材が設けられている。
【0026】
次に、上記撮影レンズ2における前面アクセサリの着脱機構について説明する。
【0027】
図1のレンズ鏡胴4の先端部には、撮影画角外からの光を遮断するレンズフード30が取り付けられている。レンズフード30は前面アクセサリの一種としてレンズ鏡胴4から着脱できるようになっており、ユーザは、レンズフード30の代わりに他の種類の前面アクセサリをレンズ鏡胴4の先端部に装着することができるようになっている。
【0028】
レンズフード30以外の前面アクセサリとしては、例えば、撮影光学系の焦点距離を所定倍率分、広角側にシフトさせるワイドコンバータや、撮影光学系の焦点距離を所定倍率分、望遠側にシフトさせるテレコンバータ、画面のアスペクト比を16:9から4:3にしたときに変化する画像サイズを本来のサイズにするレシオコンバータなどが提供されている。
【0029】
これらの前面アクセサリとレンズ鏡胴4とは、前面アクセサリ側に設けられた装着部(アクセサリ側装着部と称す)と、レンズ鏡胴4の先端に設けられた装着部(鏡胴側装着部と称す)とからなる着脱機構によって着脱できるようになっており、アクセサリ側装着部は、交換可能とする任意の種類の前面アクセサリにおいて同一の基本構造を有して形成され、鏡胴側装着部も、それらの前面アクセサリを装着可能とする任意の種類のレンズ鏡胴において同一の基本構造を有して形成されている。
【0030】
図2は、レンズ鏡胴4から前面アクセサリを取り外した状態を示し、レンズ鏡胴4の先端部に設けられる上記の鏡胴側装着部40と、任意の種類の前面アクセサリの後端部に設けられる上記のアクセサリ側装着部60とを拡大して示している。
【0031】
ここで、本明細書における使用する向きについて用語を説明すると、レンズ鏡胴4や前面アクセサリにおいて、想定位置に対して対物側の向き及び位置範囲を「前」、その反対の向き及び位置範囲を「後」とする。想定位置に対してレンズ鏡胴4の中心軸(光軸)や前面アクセサリの中心軸(光軸)から離れる向き及び位置範囲を「外」、その反対の向き及び位置範囲を「内」とする。また、レンズ鏡胴4の中心軸や前面アクセサリの中心軸を中心とする周面の周方向に沿った位置に関して、想定位置に対して、前方から見たときに時計回りとなる向き及び位置範囲を「CW」、その反対の向き及び位置範囲を「CCW」とする。ただし、適宜図面上での方向も使用して説明する。
【0032】
鏡胴側装着部40は、レンズ鏡胴4の先端部に円筒状に突出形成された円筒部42と、その外周面上において例えば等間隔の3箇所に同一構造で形成された係合部44とを有している。同図の係合部44は複数の係合部のうちの1つ示す。
【0033】
円筒部42は、係合部44が設けられる部分以外において一様な(同一径の)円筒状の面(円筒面)を外周面として有している。以下において、円筒部42の外周面又は円筒面という場合にはその一様な円筒面を示す。
【0034】
係合部44は、図3の斜視図でも示すようにガイド溝46、係止溝48、及び、係止突起50とから構成されている。
【0035】
ガイド溝46及び係止溝48は、円筒部42の外周面上に形成された凹状の溝であり、ガイド溝46は、円筒部42の先端面42Aの位置から後側に向けて形成され、係止溝48は、ガイド溝46の後端位置からCW側に向けて形成されている。
【0036】
係止突起50は、ガイド溝46と係止溝48の連結部分において、係止溝48の底面から外向きに突出形成されており、ガイド溝46側、即ち、CCW側の面50Aがテーパ面で形成されている。尚、係止溝48から係止突起50を除いた部分を係止溝48と称するものとする。
【0037】
一方、アクセサリ側装着部60は、図2に示すように前面アクセサリの後端部に後向きに突出形成された円筒部62と、その内周面上において同一構造で形成された複数の凹部64と、各凹部64に配置された複数の係止爪66とを有している。同図の凹部64及び係止爪66は複数の凹部及び係止爪のうちの1つを示す。また、同図のアクセサリ側装着部60における実線は、円筒部62の内周面上での部材の輪郭を示す。
【0038】
円筒部62は、上記鏡胴側装着部40への装着時に鏡胴側装着部40の円筒部42の外側に嵌合されると共に、円筒部42の外周面と略等しい径(僅かに大きな径)の内周面を有している。尚、円筒部62は凹部64及び係止爪66が設けられる部分以外において一様な(同一径の)円筒状の面(円筒面)を内周面として有しており、以下において、円筒部42の内周面又は円筒面という場合にはその一様な円筒面を示す。
【0039】
凹部64は、図4の斜視図にも示すように円筒部62の内周面において外側に凹状に窪む穴(溝)であり、上記鏡胴側装着部40の各係合部44に対応した位置(係合部44と同数(例えば3つ)及び同間隔)に形成されている。この凹部64に係止爪66が配置されている。
【0040】
係止爪66は、板状体68と係止突起70とから形成されている。板状体68は、円筒部62の内周面を形成する部材に一体形成されて凹部64内にCW向きに突出配置されており、板状体68の内側の面が円筒部62の内周面に沿うような形状及び位置に配置されている。また、板状体68の外側の面は、凹部64の全ての壁面から離間しており、板状体68は、円筒部62の部材に連結された一端を基点にして弾性変形可能な状態に支持されている。
【0041】
係止突起70は、板状体68の内側の面に内向きに突出形成されており、円筒部62の内周面の位置よりも内側に突出した状態に配置される。係止突起70の内向きへの高さ(突出量)は、前面アクセサリの中心軸と、レンズ鏡胴4の中心軸とを一致させた状態において、鏡胴側装着部40の円筒部42の外周面よりも内側の位置に突出する高さに形成されている。係止突起70の周方向の長さ(幅)は、鏡胴側装着部40の係止溝48と略等しい長さ(幅)に形成されている。尚、鏡胴側装着部40の係止溝48の周方向の幅は、少なくとも係止爪66の係止突起70よりも大きな幅で形成されている。また、係止突起70の後側の面70Aと、係止爪66の基端側(CCW側)の面70Bはテーパ面で形成されている。
【0042】
以上の如く構成された鏡胴側装着部40とアクセサリ側装着部60とによる前面アクセサリの着脱機構によれば、以下の操作によって所望の前面アクセサリをレンズ鏡胴4に装着することができる。まず、操作者は、前面アクセサリの中心軸をレンズ鏡胴4の中心軸に合わせ、前面アクセサリを軸周りに回転させて前面アクセサリのアクセサリ側装着部60に設けられた複数の係止爪66の係止突起70の位置と、レンズ鏡胴4の鏡胴側装着部40に設けられた複数の係合部44のガイド溝46の位置とを合致させる。このとき、アクセサリ側装着部60の係止爪66の外側への微小の弾性変形によって、鏡胴側装着部40の円筒部42のガイド溝46に進入できる状態となる。尚、鏡胴側装着部40の円筒部42の先端面42Aと当接する係止爪66の係止突起70と面70A(係止突起70の後側の面70A)はテーパ面で形成されており、ガイド溝46に進入しやすいようになっている。
【0043】
続いて、操作者は、前面アクセサリをレンズ鏡胴4側に押し込む。これによって、アクセサリ側装着部60の係止突起70が鏡胴側装着部40のガイド溝46を進行し、アクセサリ側装着部60の円筒部62が鏡胴側装着部40の円筒部42の外側に覆い被さる状態に嵌め込まれる。そして、前面アクセサリをレンズ鏡胴4側にそれ以上押し込むことができなくなるまで、即ち、アクセサリ側装着部60の係止突起70が、鏡胴側装着部40のガイド溝46の後端に到達するまで、前面アクセサリをレンズ鏡胴4側に押し込む。
【0044】
次いで、操作者は、前面アクセサリをCW向きに回転可能な位置まで回転させる。このとき、アクセサリ側装着部60の係止突起70は、鏡胴側装着部40の係合部44のガイド溝46と係止溝48の間に設けられた係止突起50に当接するが、係止爪66が外側に弾性変形することによって、係止突起50を乗り越えた後、係止爪66が元の弾性変形の状態に戻ると共に、係止溝48に嵌合して係止された状態となる。尚、係止爪66の係止突起70が係止突起50を乗り越える際に当接する係止突起50の面50A(係止突起50のCCW側の面50A)はテーパ面で形成されているため、係止突起70の回転移動が完全に規制されることなく適度な回転力を加えることによって係止突起50を乗り越えられるようになっている。
【0045】
以上の操作により、鏡胴側装着部40とアクセサリ側装着部60とが装着され、前面アクセサリがレンズ鏡胴4の先端部に装着された状態となる。図5は、鏡胴側装着部40とアクセサリ側装着部60の装着状態において、レンズ鏡胴4(及び前面アクセサリ)の中心軸を含み、且つ、アクセサリ側装着部60の係止爪66を通過する平面での断面図を示す。同図に示すようにアクセサリ側装着部60の円筒部62は、鏡胴側装着部40の円筒部42の外側を覆う状態に嵌め込まれ、アクセサリ側装着部60の係止爪66の係止突起70が、鏡胴側装着部40の係止溝48に係合した状態となる。
【0046】
このとき、鏡胴側装着部40に対するアクセサリ側装着部60の前向きへの移動及びガタは、係止突起70の前側の面と係止溝48の前側の面とが当接した状態となることにより規制される。
【0047】
また、鏡胴側装着部40に対するアクセサリ側装着部60の後向きへの移動及びガタは、アクセサリ側装着部60の円筒部62の後端が、鏡胴側装着部40の円筒部42の基端に環状に形成された隆起部43に当接した状態となることにより規制される。
【0048】
一方、鏡胴側装着部40に対するアクセサリ側装着部60の周方向(CW向き及びCCW向き)への回転移動及びガタは、係止爪66の係止突起70の周方向の両端面が、図2及び図3に示されている係止溝48の端部(CW側の端部)と係止突起50に当接した状態となることにより規制される。
【0049】
従って、鏡胴側装着部40とアクセサリ側装着部60とが装着された状態では、レンズ鏡胴4に対して前面アクセサリが規定の位置に固定されると共に、容易には離脱しない状態に固定されるようになる。
【0050】
前面アクセサリをレンズ鏡胴4から取り外す場合には、装着時とは逆の手順の操作を行えばよく、前面アクセサリをCCW向きに比較的大きな力を加えて回転させる。そして、前面アクセサリの係止突起70が鏡胴側装着部40の係止突起50を乗り越えた後、前面アクセサリを前方に引き出せばよい。尚、係止爪66の係止突起70が係止溝48に係止されている状態において係止突起50に当接している係止突起70の面70B(係止突起70のCCW側の面70B)はテーパ面で形成されているため、係止突起70の回転移動が完全に規制されることなく適度な回転力を加えることによって係止突起50を乗り越えられるようになっている。
【0051】
次に、上記前面アクセサリの着脱機構において、前面アクセサリの脱落防止等にために補助的に設けられるロック機構について説明する。図6は、図1のレンズフード30の代わりに、例えば、ワイドコンバータ80を前面アダプタとしてレンズ鏡胴4の先端部に装着した場合の斜視図である。
【0052】
同図のワイドコンバータ80のように金属部品や複数のレンズを備えた前面アクセサリはレンズフード30と比較して重量が重く、上記の着脱機構のみでレンズ鏡胴4に装着した場合には、振動、衝撃、加減速動作等によりレンズ鏡胴4から脱落する恐れがある。そこで、ワイドコンバータ80のように重量の大きい前面アクセサリには、補助的にロック機構が設けられる。図6のワイドコンバータ80に設けられているツマミ200は、そのロック機構のロックをオン/オフするための操作部材であり、撮影操作を阻害しないような位置、及び、手等が誤接触しない位置、例えば、駆動ユニット20の近傍などに配置することができるようになっている。
【0053】
図7はワイドコンバータ80の構成を示し、簡単に説明すると、ワイドコンバータ80は、アルミ等の金属部材で構成されたレンズ保持枠100と、レンズ保持枠100の後端部に連結固定され、例えばアルミ樹脂等の樹脂部材で構成される上記アクセサリ側装着部60の円筒部62とを備え、レンズ保持枠100にレンズ102、104、106が支持されている。円筒部62には、図2、図4、図5に示したような上記着脱機構の係止爪66等が設けられている。
【0054】
図8は、上記のワイドコンバータ80をレンズ鏡胴4から取り外した状態で後側からアクセサリ側装着部60の構成を示した斜視図であり、図9、図10は、ワイドコンバータ80を上記着脱機構によりレンズ鏡胴4に装着した状態において、ワイドコンバータ80の中心軸に直交し、且つ、ロック機構の位置を通過する平面での断面図を示す。
【0055】
図8に示すようにアクセサリ側装着部60を構成する円筒部62には上記着脱機構における構成部である凹部64及び係止爪66が略等間隔に3カ所(鏡胴側装着部40における係合部44の配置も同様)に設けられており、そのうちの1つに隣接するCCW側の位置にロック機構180が設けられている。
【0056】
ロック機構180は、図8乃至図10に示すように主としてナット保持枠182、操作ネジ184、ナット186、ストッパ収容孔188、ストッパ190から構成されている。
【0057】
ナット保持枠182は、円筒部62の外周面から外側に突出する状態に円筒部62と一体形成されており、内部にナット186を収容保持する空間(ナット収容部192)を有すると共に、ナット186に螺合する操作ネジ184のネジ部202を挿通する挿通孔193を有している。また、ナット収容部192は、内部にナット186を挿入するための挿入口となる後面部分と、後述のストッパ収容孔188との連結部分が開口されている。ナット保持枠182の後面には、ネジ穴194、194が設けられており、ナット収容部192にナット186を挿入した後にそれらのネジ穴194、194に螺合されるビス196、196により、蓋部材198がナット保持枠182の後面全体を覆うようにして固定される。これによりナット186がナット収容部192内に保持されるようになっている。
【0058】
尚、ナット収容部192の周方向の幅は、6角ナットであるナット186の2面幅よりも大きく、対角距離よりも小さくなっており、ナット収容部192に収納されたナット186は軸周りの回転が規制される。
【0059】
操作ネジ184は、ツマミ200と、ネジ部202と、先端部203とを有している。ツマミ200は、ネジ部202の頭部となる部分に設けられており、ネジ部202よりも拡径され、操作ネジ184を回転操作する際に操作者がつまむために上記ナット保持枠182の外側に配置される。
【0060】
ネジ部202は、ナット保持枠182の挿通孔193を挿通してのナット収容部192に収容されたナット186のネジ孔に螺合される。
【0061】
先端部203は、ネジ部202よりも先端側に円柱状に突出して形成されており、後述のようにこの先端部203にストッパ190が回動可能に取り付けられる。
【0062】
ストッパ収容孔188は、円筒部62の内周面から外周面の位置(ナット収容部192)まで貫通する孔であり、円筒部62の後端面から前方に向けて徐々に周方向の幅が狭くなる形状を有している。尚、ストッパ収容孔188の形状は後述のストッパ190の形状に略等しい。このストッパ収容孔188にストッパ190が挿入された後、上記蓋部材198がナット保持枠182に装着されることにより、ストッパ収容孔188の後面側の開口も蓋部材198により覆われるようになっている。
【0063】
ストッパ190は、上記のようにストッパ収容孔188に収容される。図11は、ストッパ190のみを示した斜視図である。同図に示すようにストッパ190は、前壁204、後壁206、側壁208、上壁210とにより立体形状を構成しており、各々、隣接する壁と略直交している。尚、前壁204と後壁206の長さ(上壁210に沿った方向の長さ)は相違しており、前壁204より後壁206の方が長くなっている。そして、このストッパ190をストッパ収容孔188に収容する場合には、ストッパ収容孔188の形状に合わせて、前壁204をストッパ収容孔188の前側、後壁206をストッパ収容孔188の後側、上壁210をストッパ収容孔188の外側に向けて挿入される。
【0064】
また、ストッパ190の上壁210には操作ネジ184の先端部203を挿通する挿通孔212が形成されている。そして、図9、図10のようにストッパ190の上壁210と操作ネジ184のネジ部202の先端との間にワッシャ230を挟み込んだ状態で操作ネジ184の先端部203が挿通孔212に挿通され、上壁210の内側において先端部203にC型止め輪232が取り付けられる。これにより操作ネジ184の先端部203にストッパが回動可能に取り付けられるようになっている。
【0065】
更にストッパ190の前壁204、後壁206の各々の端面214、216(図11参照)には、段差が形成され、それらの端面214,216に略直交する同一平面上に係止面218、220が形成されている。そして、係止面218、220を含む平面を境にして、図9、図10のように内側(図中下側)に突出した端面部222と外側(図中上側)に凹んだ端面部224とが形成されている。これらの係止面218、220は、後述のようにロック機構180をロック状態にした際に、鏡胴側装着部40のガイド溝46の側測壁面(立壁)46A付近に配置されるようになっている。
【0066】
以上の如く構成されたロック機構180の作用について図9及び図10を用いて説明すると、操作ネジ184のツマミ200を所定方向に回転させると、ナット収容部192に保持されたナット186と操作ネジ184のネジ部202との作用により操作ネジ184が径方向(外向きと内向きの方向:図中上下方向)に移動する。これによって操作ネジ184の先端部203に取り付けられたストッパ190もストッパ収容孔188内で上下方向に移動する。図9のようにストッパ190を上昇させてストッパ190の端面214、216を、鏡胴側装着部40の円筒部42の外周面から離間させた状態がロック解除状態である。上記着脱機構により、アクセサリ側装着部60を鏡胴側装着部40に装着する際、又は、取り外す際には、ロック機構180をロック解除状態に設定しておく。
【0067】
一方、アクセサリ側装着部60を鏡胴側装着部40に装着した場合、即ち、アクセサリ側装着部60の係止爪66の係止突起70が、鏡胴側装着部40の係止溝48に係合した状態の場合に図10のように操作ネジ184を回転させてストッパ190を下降させる。ストッパ190は、上記のように前壁204と後壁206の端面214、216に形成された段差(係止面218、220)を境にして、下側に突出した端面部222と、その端面部222よりも上側に凹んだ端面部224とを有している。ストッパ190を下降させていくと、端面部222が、鏡胴側装着部40における円筒部42のガイド溝46よりもCCW側(円筒部42の外周面上)に配置された状態で、端面部222がガイド溝46内の底面に当接する。そして、係止面218、220がガイド溝46の側壁面46A付近に配置される。これによりロック機構180は、ロック状態に設定される。図12は、ロック状態におけるストッパ190とガイド溝46との係合状態を示した斜視図である。同図のようにロック状態では、ガイド溝46におけるCW側とCCW側の側壁面のうち係止溝48が設けられないCCW側の側測壁面46Aにストッパ190の係止面218、220が近接して固定され、アクセサリ側装着部60のCCW向きへの回転が規制される。
【0068】
この回転方向は、アクセサリ側装着部60の係止爪66の係止突起70を鏡胴側装着部40の係止溝48からガイド溝46へと移動させてワイドコンバータ80をレンズ鏡胴4から取り外す場合の回転方向であり、ロック機構180がロック状態でなければ、比較的容易に回転する回転方向である。従って、その回転がロック機構180のロック状態によって規制されることにより、レンズ鏡胴4へのワイドコンバータ80の装着が強固に保持され、ワイドコンバータ80の不測の脱落が防止されるようになっている。
【0069】
また、このときロック機構180のストッパ190を鏡胴側装着部40の円筒部42に押圧することによって装着力を増加させているのではなく、主としてワイドコンバータ80の回転を規制することが目的であるため、ストッパ190を円筒部42に強く押し当てる必要はなく、アクセサリ側装着部60の円筒部62の撓み等による精度の悪化なども生じない。また、ストッパ190によってワイドコンバータ80の周方向以外の方向への動きも規制されるため、上記装着機構による装着状態が強化され、周方向以外の方向への振動や衝撃等に対してもワイドコンバータ80の脱落を防止する効果がある。
【0070】
尚、 図8乃至図10に示されているナット保持枠182の孔250は、駆動ユニット20等に結び付けた紐などを通しておく孔であり、上記のロック機構180をロック状態にするのを忘れてワイドコンバータ80が脱落してしまう場合や、ロック状態した場合でもワイドコンバータ80が脱落してしまう場合に備えて、ワイドコンバータ80が地面に落下するのを防止する予備対策として使用される。
【0071】
また、鏡胴側装着部40の複数の係合部44(ガイド溝46及び係止溝48)と、アクセサリ側装着部60の複数の係止爪66を、周方向に等間隔に設けるようにした場合には、ロック機構180に隣接する係止爪66を所望の位置の係止溝48に係合させることが可能であり、その場合には、図6のようにロック機構180が駆動ユニット20の近傍に配置されるような回転位置でワイドコンバータ80をレンズ鏡胴4に装着すれば、ロック機構180が撮影操作等を阻害しない(手などが誤接触しない)ようにすることができる。もし、ワイドコンバータ80をレンズ鏡胴4に装着する回転位置が決まっている場合には駆動ユニット20の近傍となる係止爪66の近傍にロック機構180を設ければよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、ロック機構180をロック状態にしたときにストッパ190の一部がガイド溝46の底面に当接するようにしたが、ストッパ全体がガイド溝46の底面に当接するような構造であってもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、ロック機構180をワイドコンバータに設けた場合を示したが、全ての種類の前面アクセサリに設けてもよい。ただし、コストアップ等の問題があるため、重量の軽いレンズフード等のような前面アクセサリにはロック機構を設けず、ワイドコンバータ、テレコンバータ、レシオコンバータのように重量の重い前面アクセサリにのみロック機構を設けると好適である。特に撮影レンズの焦点距離を変更させるワイドコンバータ、テレコンバータ、レシオコンバータのような補助レンズは、重量が重いためロック機構は有益である。
【0074】
また、上記実施の形態では、鏡胴側装着部40の係止溝48に係止突起50を設けて、係止突起50により係止爪66のCCW向きへの回転移動を規制するようにしたが、全ての前面アクセサリにロック機構を設けるのであれば、係止突起50を必ずしも設ける必要はない。
【符号の説明】
【0075】
2…撮影レンズ、4…レンズ鏡胴、40…鏡胴側装着部、42…円筒部、44…係合部、46…ガイド溝、48…係止溝、50…係止突起、60…アクセサリ側装着部、62…円筒部、64…凹部、66…係止爪、68…板状体、70…係止突起、80…ワイドコンバータ、180…ロック機構、182…ナット保持枠、184…操作ネジ、186…ナット、188…ストッパ収容孔、190…ストッパ、200…ツマミ、202…ネジ部、203…先端部、218、220…係止面、230…ワッシャ、232…C型止め輪
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構に係り、特に撮影レンズのレンズ鏡胴の前面に装着されるワイドコンバータ等の補助レンズの脱落を確実に防止することができる撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ENGカメラ等の業務用ハンディカメラに用いられる撮影レンズ(ズームレンズ)は、前玉繰り出しと呼ばれる方式、即ち、前玉のフォーカスレンズ群全体を繰り出してフォーカシングを行うのが一般的であったが、近年の更なる小型化、軽量化の下、インナーフォーカス式のズームレンズが広く用いられるようになっている。
【0003】
このようなインナーフォーカス式ズームレンズでは、レンズ鏡胴の内部には光学系を構成する各種レンズ等が保持されており、その後端部には、カメラ本体に対して例えばバヨネット方式により着脱可能に装着されるマウントが設けられ、レンズ鏡胴の外周部(レンズ鏡胴の各種構成部材を支持する鏡胴本体の外周部)には、内部に保持したフォーカス用のレンズ(フォーカスレンズ群)、ズーム用のレンズ(変倍レンズ群)、絞り等にメカ的に連結されてそれらを駆動するための操作リングが回動可能に設けられている。尚、本明細書では、フォーカスレンズ群、変倍レンズ群、絞りの各々を駆動するための操作リングをフォーカスリング、ズームリング、アイリスリングというものとする。
【0004】
また、レンズ鏡胴の先端部には各種前面アクセサリを装着するためのネジ部が設けられており、前面アクセサリに形成されたネジ部をレンズ鏡胴のネジ部に螺合させることで、前面アクセサリがレンズ鏡胴の先端部に取り付けられるようになっている(例えば、特許文献1参照)。レンズ鏡胴に装着可能な前面アクセサリとしては、レンズフード、ワイドコンバータレンズ、テレコンバータレンズ等がある。このような前面アクセサリの着脱機構によれば、容易に撮影レンズの前面に着脱でき、撮影レンズの口径等の規格にあったものであれば複数の撮影レンズに共用することもできるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−211303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ワイドコンバータレンズやテレコンバータレンズ等の補助レンズはレンズフードに比べて重量が重いため、特許文献1に開示されるような前面アクセサリの着脱機構ではレンズ鏡胴の先端部に補助レンズが装着されると、その自重によってネジ部がゆるみやすく、補助レンズとレンズ鏡胴の光軸に位置ずれを招き、最悪の場合には補助レンズが脱落してしまう恐れがある。
【0007】
一方、スナップイン方式のようにネジを使用せずに前面アクセサリをレンズ鏡胴に着脱する着脱機構も考えられる。しかしながら、着脱を可能にする必要性から装着力を強くするには限度があり、前面アクセサリの重量が重い場合には、振動、衝撃、加減速動作、手等の意図しない接触などによって前面アクセサリが脱落してしまう恐れがある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、前面アクセサリの重量が重い場合でも、確実にレンズ鏡胴からの前面アクセサリの脱落を防止することができる撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、請求項1に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構は、撮影レンズのレンズ鏡胴の先端部に設けられた鏡胴側装着部と、前面アクセサリの後端部に設けられたアクセサリ側装着部とからなり、前記鏡胴側装着部と前記アクセサリ側装着部とを着脱することにより、前記前面アクセサリを前記レンズ鏡胴の先端部に着脱可能にした撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構において、前記アクセサリ側装着部は、アクセサリ側筒体と、該アクセサリ側筒体の内周面側に突出形成された係止部材と、を有し、前記鏡胴側装着部は、前記アクセサリ側筒体の内側に配置される鏡胴側筒体と、該鏡胴側筒体の外周面の周方向に形成され、前記係止部材と係合して前記係止部材を係止する係止溝と、前記鏡胴側筒体の外周面に形成され、前記鏡胴側筒体の先端面から前記係止溝まで延在する溝であって、前記係止部材を前記撮影レンズの光軸方向に移動させて前記前記係止溝まで導くガイド溝と、を有し、前記係止部材が前記ガイド溝を移動した後、周方向に回転して前記係合溝に係合することにより前記前面アクセサリが前記レンズ鏡胴の先端部に装着されると共に、前記アクセサリ側装着部は、前記係止部材が前記係止溝に係合している状態において前記ガイド溝の側壁面に係合する位置に移動することにより、前記係止部材が前記ガイド溝の位置に回転移動することを規制するストッパ部材を備えた、ことを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、前面アクセサリを回転させて係止部材を周方向に回転移動させることによって、レンズ鏡胴の係止溝に係合させて前面アクセサリをレンズ鏡胴の先端部に装着することができ、これとは反対に前面アクセサリを回転させることによってレンズ鏡胴から前面アクセサリを取り外すことができる。一方、係止部材が係止溝に係合している状態において、即ち、前面アクセサリがレンズ鏡胴に装着されている状態において、ストッパ部材をガイド溝の側壁面に係合させることによって、係止部材の周方向の回転移動が規制され、前面アクセサリをレンズ鏡胴から取り外せない状態(ロック状態)となる。このロック状態により、前面アクセサリの重量が重い場合でも振動や衝撃等によって前面アクセサリがレンズ鏡胴から脱落してしまうという不測の事態を防止することができる。また、ストッパ部材が係合するガイド溝は、係止部材を係止溝に案内するために設けられたものを兼用したものであり、レンズ鏡胴側の構造がストッパ部材を有する前面アクセサリを想定しないものであっても本発明を適用することができる。
【0011】
請求項2に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構は、請求項1に係る発明において、前記ストッパ部材は、操作ネジの回転により前記ガイド溝の底面に当接する向きと、前記ガイド溝の底面から離間する向きとに移動し、前記ガイド溝の底面に当接する向きに移動することにより前記ガイド溝の側壁面に係合する位置に移動し、前記ガイド溝の底面から離間する向きに移動することにより前記ガイド溝の側壁面に係合しない位置に移動することを特徴としている。
【0012】
本発明は,ストッパ部材をロック状態とロック解除状態との移動させる手段として操作ネジを使用した態様を示す。ただし、必ずしもネジ機構を利用したものでなくてもよい。
【0013】
請求項3に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構は、請求項1、又は、2に係る発明において、前記鏡胴側装着部は、前記係止溝に前記係止部材の周方向への回転移動を規制する突起を備えたことを特徴としている。
【0014】
本発明は、ストッパ部材を設けなくても、前面アクセサリが容易にはレンズ鏡胴から外れないようにした機構であるが、この場合においても、前面アクセサリの重量が重いと、脱落する可能性があるためストッパ部材によるロック機構を備えることは有益である。
【0015】
請求項4に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構は、請求項1、2、又は、3に係る発明において、前記係止部材と該係止部材と係合する前記係止溝とが複数箇所に設けられ、前記ストッパ部材は複数のガイド溝のうちのいずれか1つのガイド溝の側壁面に係合する1つのみが設けられたことを特徴としている。
【0016】
本発明は、ストッパ部材は、主として回転方向への動作を規制するものであり、その抑止力は、前面レンズの重量に大きくは作用されないため、1つ備えていれば十分であることを示す。
【0017】
請求項5に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構は、請求項1、2、3、又は、4に係る発明において、前記前面アクセサリは、撮影レンズの焦点距離を変更する補助レンズであることを特徴としている。即ち、焦点距離を変更するような補助レンズはレンズの重量が重く、また、光軸の精度を保つために金属の保持枠を使用することが多いため、そのような補助レンズにおいて本発明を適用すると特に有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前面アクセサリの重量が重い場合でも、確実にレンズ鏡胴からの前面アクセサリの脱落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適用される撮影レンズの外観構成を示した上面図
【図2】レンズ鏡胴から前面アクセサリを取り外した状態を示し、レンズ鏡胴の先端部に設けられる鏡胴側装着部と、任意の種類の前面アクセサリの後端部に設けられるアクセサリ側係合部とを拡大して示した図が拡大して示されている。AF用撮像素子の光路長差を説明するための図
【図3】鏡胴側装着部の係合部を示した斜視図
【図4】アクセサリ側装着部の係止爪及び凹部を示した斜視図
【図5】アクセサリ側装着部を鏡胴側装着部に装着した状態を示した断面図
【図6】図1の撮影レンズにおいてレンズフードの代わりにワイドコンバータを装着した状態を示した上面図
【図7】ワイドコンバータの構成を示した断面図
【図8】アクセサリ装着部のロック機構の構成を示した斜視図
【図9】ロック機構のロック解除状態を示した断面図
【図10】ロック機構のロック状態を示した断面図
【図11】ロック機構のストッパの外観を示した斜視図
【図12】ロック機構のロック状態でのストッパとガイド溝との係合状態を示した斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面に従って本発明に係る撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構の形態について詳述する。
【0021】
図1は、本発明が適用される撮影レンズの外観構成を示した上面図である。
【0022】
同図に示す撮影レンズ2は、放送用又は業務用として取材などで携帯されるENGカメラ等のカメラ装置に後端のマウント部18により着脱可能に装着されるレンズ装置であり、主としてレンズ鏡胴4と駆動ユニット20とから構成されている。
【0023】
レンズ鏡胴4は、前方側(対物側)から入射される被写体光を集光してカメラ装置の撮像面に被写体像を結像する撮影光学系を内部に保持しており、その撮影光学系の構成部品として、フォーカスレンズ(群)、ズームレンズ(群)、絞り、リレーレンズ(群)等を備えている。
【0024】
また、レンズ鏡胴4は、外周部に回動可能なフォーカスリング10、ズームリング12、アイリスリング14を備えており、フォーカスリング10を回動操作すると、前記フォーカスレンズが光軸に沿って前後移動してピント位置が変化し、ズームリング12を回動操作すると、前記ズームレンズが光軸に沿って前後移動して焦点距離が変化し、アイリスリング14を回動操作すると、前記絞りが開閉動作して絞り値が変化するようになっている。更に同図のレンズ鏡胴4は、後部にエクステンダー16を備えており、図示しないレバーを回動操作することによって像倍率を例えば1倍と2倍とで切り替えることができるようになっている。
【0025】
駆動ユニット20は、レンズ鏡胴4の側部に取り付けられており、その駆動ユニット20のケーシング内部には、レンズ鏡胴4のフォーカスリング10、ズームリング12、アイリスリング14の各々に係合したモータや各モータを駆動制御する回路部品等が内蔵されている。また、説明を省略するが駆動ユニット20のケーシングの外面にはレンズ操作のための各種操作部材が設けられている。
【0026】
次に、上記撮影レンズ2における前面アクセサリの着脱機構について説明する。
【0027】
図1のレンズ鏡胴4の先端部には、撮影画角外からの光を遮断するレンズフード30が取り付けられている。レンズフード30は前面アクセサリの一種としてレンズ鏡胴4から着脱できるようになっており、ユーザは、レンズフード30の代わりに他の種類の前面アクセサリをレンズ鏡胴4の先端部に装着することができるようになっている。
【0028】
レンズフード30以外の前面アクセサリとしては、例えば、撮影光学系の焦点距離を所定倍率分、広角側にシフトさせるワイドコンバータや、撮影光学系の焦点距離を所定倍率分、望遠側にシフトさせるテレコンバータ、画面のアスペクト比を16:9から4:3にしたときに変化する画像サイズを本来のサイズにするレシオコンバータなどが提供されている。
【0029】
これらの前面アクセサリとレンズ鏡胴4とは、前面アクセサリ側に設けられた装着部(アクセサリ側装着部と称す)と、レンズ鏡胴4の先端に設けられた装着部(鏡胴側装着部と称す)とからなる着脱機構によって着脱できるようになっており、アクセサリ側装着部は、交換可能とする任意の種類の前面アクセサリにおいて同一の基本構造を有して形成され、鏡胴側装着部も、それらの前面アクセサリを装着可能とする任意の種類のレンズ鏡胴において同一の基本構造を有して形成されている。
【0030】
図2は、レンズ鏡胴4から前面アクセサリを取り外した状態を示し、レンズ鏡胴4の先端部に設けられる上記の鏡胴側装着部40と、任意の種類の前面アクセサリの後端部に設けられる上記のアクセサリ側装着部60とを拡大して示している。
【0031】
ここで、本明細書における使用する向きについて用語を説明すると、レンズ鏡胴4や前面アクセサリにおいて、想定位置に対して対物側の向き及び位置範囲を「前」、その反対の向き及び位置範囲を「後」とする。想定位置に対してレンズ鏡胴4の中心軸(光軸)や前面アクセサリの中心軸(光軸)から離れる向き及び位置範囲を「外」、その反対の向き及び位置範囲を「内」とする。また、レンズ鏡胴4の中心軸や前面アクセサリの中心軸を中心とする周面の周方向に沿った位置に関して、想定位置に対して、前方から見たときに時計回りとなる向き及び位置範囲を「CW」、その反対の向き及び位置範囲を「CCW」とする。ただし、適宜図面上での方向も使用して説明する。
【0032】
鏡胴側装着部40は、レンズ鏡胴4の先端部に円筒状に突出形成された円筒部42と、その外周面上において例えば等間隔の3箇所に同一構造で形成された係合部44とを有している。同図の係合部44は複数の係合部のうちの1つ示す。
【0033】
円筒部42は、係合部44が設けられる部分以外において一様な(同一径の)円筒状の面(円筒面)を外周面として有している。以下において、円筒部42の外周面又は円筒面という場合にはその一様な円筒面を示す。
【0034】
係合部44は、図3の斜視図でも示すようにガイド溝46、係止溝48、及び、係止突起50とから構成されている。
【0035】
ガイド溝46及び係止溝48は、円筒部42の外周面上に形成された凹状の溝であり、ガイド溝46は、円筒部42の先端面42Aの位置から後側に向けて形成され、係止溝48は、ガイド溝46の後端位置からCW側に向けて形成されている。
【0036】
係止突起50は、ガイド溝46と係止溝48の連結部分において、係止溝48の底面から外向きに突出形成されており、ガイド溝46側、即ち、CCW側の面50Aがテーパ面で形成されている。尚、係止溝48から係止突起50を除いた部分を係止溝48と称するものとする。
【0037】
一方、アクセサリ側装着部60は、図2に示すように前面アクセサリの後端部に後向きに突出形成された円筒部62と、その内周面上において同一構造で形成された複数の凹部64と、各凹部64に配置された複数の係止爪66とを有している。同図の凹部64及び係止爪66は複数の凹部及び係止爪のうちの1つを示す。また、同図のアクセサリ側装着部60における実線は、円筒部62の内周面上での部材の輪郭を示す。
【0038】
円筒部62は、上記鏡胴側装着部40への装着時に鏡胴側装着部40の円筒部42の外側に嵌合されると共に、円筒部42の外周面と略等しい径(僅かに大きな径)の内周面を有している。尚、円筒部62は凹部64及び係止爪66が設けられる部分以外において一様な(同一径の)円筒状の面(円筒面)を内周面として有しており、以下において、円筒部42の内周面又は円筒面という場合にはその一様な円筒面を示す。
【0039】
凹部64は、図4の斜視図にも示すように円筒部62の内周面において外側に凹状に窪む穴(溝)であり、上記鏡胴側装着部40の各係合部44に対応した位置(係合部44と同数(例えば3つ)及び同間隔)に形成されている。この凹部64に係止爪66が配置されている。
【0040】
係止爪66は、板状体68と係止突起70とから形成されている。板状体68は、円筒部62の内周面を形成する部材に一体形成されて凹部64内にCW向きに突出配置されており、板状体68の内側の面が円筒部62の内周面に沿うような形状及び位置に配置されている。また、板状体68の外側の面は、凹部64の全ての壁面から離間しており、板状体68は、円筒部62の部材に連結された一端を基点にして弾性変形可能な状態に支持されている。
【0041】
係止突起70は、板状体68の内側の面に内向きに突出形成されており、円筒部62の内周面の位置よりも内側に突出した状態に配置される。係止突起70の内向きへの高さ(突出量)は、前面アクセサリの中心軸と、レンズ鏡胴4の中心軸とを一致させた状態において、鏡胴側装着部40の円筒部42の外周面よりも内側の位置に突出する高さに形成されている。係止突起70の周方向の長さ(幅)は、鏡胴側装着部40の係止溝48と略等しい長さ(幅)に形成されている。尚、鏡胴側装着部40の係止溝48の周方向の幅は、少なくとも係止爪66の係止突起70よりも大きな幅で形成されている。また、係止突起70の後側の面70Aと、係止爪66の基端側(CCW側)の面70Bはテーパ面で形成されている。
【0042】
以上の如く構成された鏡胴側装着部40とアクセサリ側装着部60とによる前面アクセサリの着脱機構によれば、以下の操作によって所望の前面アクセサリをレンズ鏡胴4に装着することができる。まず、操作者は、前面アクセサリの中心軸をレンズ鏡胴4の中心軸に合わせ、前面アクセサリを軸周りに回転させて前面アクセサリのアクセサリ側装着部60に設けられた複数の係止爪66の係止突起70の位置と、レンズ鏡胴4の鏡胴側装着部40に設けられた複数の係合部44のガイド溝46の位置とを合致させる。このとき、アクセサリ側装着部60の係止爪66の外側への微小の弾性変形によって、鏡胴側装着部40の円筒部42のガイド溝46に進入できる状態となる。尚、鏡胴側装着部40の円筒部42の先端面42Aと当接する係止爪66の係止突起70と面70A(係止突起70の後側の面70A)はテーパ面で形成されており、ガイド溝46に進入しやすいようになっている。
【0043】
続いて、操作者は、前面アクセサリをレンズ鏡胴4側に押し込む。これによって、アクセサリ側装着部60の係止突起70が鏡胴側装着部40のガイド溝46を進行し、アクセサリ側装着部60の円筒部62が鏡胴側装着部40の円筒部42の外側に覆い被さる状態に嵌め込まれる。そして、前面アクセサリをレンズ鏡胴4側にそれ以上押し込むことができなくなるまで、即ち、アクセサリ側装着部60の係止突起70が、鏡胴側装着部40のガイド溝46の後端に到達するまで、前面アクセサリをレンズ鏡胴4側に押し込む。
【0044】
次いで、操作者は、前面アクセサリをCW向きに回転可能な位置まで回転させる。このとき、アクセサリ側装着部60の係止突起70は、鏡胴側装着部40の係合部44のガイド溝46と係止溝48の間に設けられた係止突起50に当接するが、係止爪66が外側に弾性変形することによって、係止突起50を乗り越えた後、係止爪66が元の弾性変形の状態に戻ると共に、係止溝48に嵌合して係止された状態となる。尚、係止爪66の係止突起70が係止突起50を乗り越える際に当接する係止突起50の面50A(係止突起50のCCW側の面50A)はテーパ面で形成されているため、係止突起70の回転移動が完全に規制されることなく適度な回転力を加えることによって係止突起50を乗り越えられるようになっている。
【0045】
以上の操作により、鏡胴側装着部40とアクセサリ側装着部60とが装着され、前面アクセサリがレンズ鏡胴4の先端部に装着された状態となる。図5は、鏡胴側装着部40とアクセサリ側装着部60の装着状態において、レンズ鏡胴4(及び前面アクセサリ)の中心軸を含み、且つ、アクセサリ側装着部60の係止爪66を通過する平面での断面図を示す。同図に示すようにアクセサリ側装着部60の円筒部62は、鏡胴側装着部40の円筒部42の外側を覆う状態に嵌め込まれ、アクセサリ側装着部60の係止爪66の係止突起70が、鏡胴側装着部40の係止溝48に係合した状態となる。
【0046】
このとき、鏡胴側装着部40に対するアクセサリ側装着部60の前向きへの移動及びガタは、係止突起70の前側の面と係止溝48の前側の面とが当接した状態となることにより規制される。
【0047】
また、鏡胴側装着部40に対するアクセサリ側装着部60の後向きへの移動及びガタは、アクセサリ側装着部60の円筒部62の後端が、鏡胴側装着部40の円筒部42の基端に環状に形成された隆起部43に当接した状態となることにより規制される。
【0048】
一方、鏡胴側装着部40に対するアクセサリ側装着部60の周方向(CW向き及びCCW向き)への回転移動及びガタは、係止爪66の係止突起70の周方向の両端面が、図2及び図3に示されている係止溝48の端部(CW側の端部)と係止突起50に当接した状態となることにより規制される。
【0049】
従って、鏡胴側装着部40とアクセサリ側装着部60とが装着された状態では、レンズ鏡胴4に対して前面アクセサリが規定の位置に固定されると共に、容易には離脱しない状態に固定されるようになる。
【0050】
前面アクセサリをレンズ鏡胴4から取り外す場合には、装着時とは逆の手順の操作を行えばよく、前面アクセサリをCCW向きに比較的大きな力を加えて回転させる。そして、前面アクセサリの係止突起70が鏡胴側装着部40の係止突起50を乗り越えた後、前面アクセサリを前方に引き出せばよい。尚、係止爪66の係止突起70が係止溝48に係止されている状態において係止突起50に当接している係止突起70の面70B(係止突起70のCCW側の面70B)はテーパ面で形成されているため、係止突起70の回転移動が完全に規制されることなく適度な回転力を加えることによって係止突起50を乗り越えられるようになっている。
【0051】
次に、上記前面アクセサリの着脱機構において、前面アクセサリの脱落防止等にために補助的に設けられるロック機構について説明する。図6は、図1のレンズフード30の代わりに、例えば、ワイドコンバータ80を前面アダプタとしてレンズ鏡胴4の先端部に装着した場合の斜視図である。
【0052】
同図のワイドコンバータ80のように金属部品や複数のレンズを備えた前面アクセサリはレンズフード30と比較して重量が重く、上記の着脱機構のみでレンズ鏡胴4に装着した場合には、振動、衝撃、加減速動作等によりレンズ鏡胴4から脱落する恐れがある。そこで、ワイドコンバータ80のように重量の大きい前面アクセサリには、補助的にロック機構が設けられる。図6のワイドコンバータ80に設けられているツマミ200は、そのロック機構のロックをオン/オフするための操作部材であり、撮影操作を阻害しないような位置、及び、手等が誤接触しない位置、例えば、駆動ユニット20の近傍などに配置することができるようになっている。
【0053】
図7はワイドコンバータ80の構成を示し、簡単に説明すると、ワイドコンバータ80は、アルミ等の金属部材で構成されたレンズ保持枠100と、レンズ保持枠100の後端部に連結固定され、例えばアルミ樹脂等の樹脂部材で構成される上記アクセサリ側装着部60の円筒部62とを備え、レンズ保持枠100にレンズ102、104、106が支持されている。円筒部62には、図2、図4、図5に示したような上記着脱機構の係止爪66等が設けられている。
【0054】
図8は、上記のワイドコンバータ80をレンズ鏡胴4から取り外した状態で後側からアクセサリ側装着部60の構成を示した斜視図であり、図9、図10は、ワイドコンバータ80を上記着脱機構によりレンズ鏡胴4に装着した状態において、ワイドコンバータ80の中心軸に直交し、且つ、ロック機構の位置を通過する平面での断面図を示す。
【0055】
図8に示すようにアクセサリ側装着部60を構成する円筒部62には上記着脱機構における構成部である凹部64及び係止爪66が略等間隔に3カ所(鏡胴側装着部40における係合部44の配置も同様)に設けられており、そのうちの1つに隣接するCCW側の位置にロック機構180が設けられている。
【0056】
ロック機構180は、図8乃至図10に示すように主としてナット保持枠182、操作ネジ184、ナット186、ストッパ収容孔188、ストッパ190から構成されている。
【0057】
ナット保持枠182は、円筒部62の外周面から外側に突出する状態に円筒部62と一体形成されており、内部にナット186を収容保持する空間(ナット収容部192)を有すると共に、ナット186に螺合する操作ネジ184のネジ部202を挿通する挿通孔193を有している。また、ナット収容部192は、内部にナット186を挿入するための挿入口となる後面部分と、後述のストッパ収容孔188との連結部分が開口されている。ナット保持枠182の後面には、ネジ穴194、194が設けられており、ナット収容部192にナット186を挿入した後にそれらのネジ穴194、194に螺合されるビス196、196により、蓋部材198がナット保持枠182の後面全体を覆うようにして固定される。これによりナット186がナット収容部192内に保持されるようになっている。
【0058】
尚、ナット収容部192の周方向の幅は、6角ナットであるナット186の2面幅よりも大きく、対角距離よりも小さくなっており、ナット収容部192に収納されたナット186は軸周りの回転が規制される。
【0059】
操作ネジ184は、ツマミ200と、ネジ部202と、先端部203とを有している。ツマミ200は、ネジ部202の頭部となる部分に設けられており、ネジ部202よりも拡径され、操作ネジ184を回転操作する際に操作者がつまむために上記ナット保持枠182の外側に配置される。
【0060】
ネジ部202は、ナット保持枠182の挿通孔193を挿通してのナット収容部192に収容されたナット186のネジ孔に螺合される。
【0061】
先端部203は、ネジ部202よりも先端側に円柱状に突出して形成されており、後述のようにこの先端部203にストッパ190が回動可能に取り付けられる。
【0062】
ストッパ収容孔188は、円筒部62の内周面から外周面の位置(ナット収容部192)まで貫通する孔であり、円筒部62の後端面から前方に向けて徐々に周方向の幅が狭くなる形状を有している。尚、ストッパ収容孔188の形状は後述のストッパ190の形状に略等しい。このストッパ収容孔188にストッパ190が挿入された後、上記蓋部材198がナット保持枠182に装着されることにより、ストッパ収容孔188の後面側の開口も蓋部材198により覆われるようになっている。
【0063】
ストッパ190は、上記のようにストッパ収容孔188に収容される。図11は、ストッパ190のみを示した斜視図である。同図に示すようにストッパ190は、前壁204、後壁206、側壁208、上壁210とにより立体形状を構成しており、各々、隣接する壁と略直交している。尚、前壁204と後壁206の長さ(上壁210に沿った方向の長さ)は相違しており、前壁204より後壁206の方が長くなっている。そして、このストッパ190をストッパ収容孔188に収容する場合には、ストッパ収容孔188の形状に合わせて、前壁204をストッパ収容孔188の前側、後壁206をストッパ収容孔188の後側、上壁210をストッパ収容孔188の外側に向けて挿入される。
【0064】
また、ストッパ190の上壁210には操作ネジ184の先端部203を挿通する挿通孔212が形成されている。そして、図9、図10のようにストッパ190の上壁210と操作ネジ184のネジ部202の先端との間にワッシャ230を挟み込んだ状態で操作ネジ184の先端部203が挿通孔212に挿通され、上壁210の内側において先端部203にC型止め輪232が取り付けられる。これにより操作ネジ184の先端部203にストッパが回動可能に取り付けられるようになっている。
【0065】
更にストッパ190の前壁204、後壁206の各々の端面214、216(図11参照)には、段差が形成され、それらの端面214,216に略直交する同一平面上に係止面218、220が形成されている。そして、係止面218、220を含む平面を境にして、図9、図10のように内側(図中下側)に突出した端面部222と外側(図中上側)に凹んだ端面部224とが形成されている。これらの係止面218、220は、後述のようにロック機構180をロック状態にした際に、鏡胴側装着部40のガイド溝46の側測壁面(立壁)46A付近に配置されるようになっている。
【0066】
以上の如く構成されたロック機構180の作用について図9及び図10を用いて説明すると、操作ネジ184のツマミ200を所定方向に回転させると、ナット収容部192に保持されたナット186と操作ネジ184のネジ部202との作用により操作ネジ184が径方向(外向きと内向きの方向:図中上下方向)に移動する。これによって操作ネジ184の先端部203に取り付けられたストッパ190もストッパ収容孔188内で上下方向に移動する。図9のようにストッパ190を上昇させてストッパ190の端面214、216を、鏡胴側装着部40の円筒部42の外周面から離間させた状態がロック解除状態である。上記着脱機構により、アクセサリ側装着部60を鏡胴側装着部40に装着する際、又は、取り外す際には、ロック機構180をロック解除状態に設定しておく。
【0067】
一方、アクセサリ側装着部60を鏡胴側装着部40に装着した場合、即ち、アクセサリ側装着部60の係止爪66の係止突起70が、鏡胴側装着部40の係止溝48に係合した状態の場合に図10のように操作ネジ184を回転させてストッパ190を下降させる。ストッパ190は、上記のように前壁204と後壁206の端面214、216に形成された段差(係止面218、220)を境にして、下側に突出した端面部222と、その端面部222よりも上側に凹んだ端面部224とを有している。ストッパ190を下降させていくと、端面部222が、鏡胴側装着部40における円筒部42のガイド溝46よりもCCW側(円筒部42の外周面上)に配置された状態で、端面部222がガイド溝46内の底面に当接する。そして、係止面218、220がガイド溝46の側壁面46A付近に配置される。これによりロック機構180は、ロック状態に設定される。図12は、ロック状態におけるストッパ190とガイド溝46との係合状態を示した斜視図である。同図のようにロック状態では、ガイド溝46におけるCW側とCCW側の側壁面のうち係止溝48が設けられないCCW側の側測壁面46Aにストッパ190の係止面218、220が近接して固定され、アクセサリ側装着部60のCCW向きへの回転が規制される。
【0068】
この回転方向は、アクセサリ側装着部60の係止爪66の係止突起70を鏡胴側装着部40の係止溝48からガイド溝46へと移動させてワイドコンバータ80をレンズ鏡胴4から取り外す場合の回転方向であり、ロック機構180がロック状態でなければ、比較的容易に回転する回転方向である。従って、その回転がロック機構180のロック状態によって規制されることにより、レンズ鏡胴4へのワイドコンバータ80の装着が強固に保持され、ワイドコンバータ80の不測の脱落が防止されるようになっている。
【0069】
また、このときロック機構180のストッパ190を鏡胴側装着部40の円筒部42に押圧することによって装着力を増加させているのではなく、主としてワイドコンバータ80の回転を規制することが目的であるため、ストッパ190を円筒部42に強く押し当てる必要はなく、アクセサリ側装着部60の円筒部62の撓み等による精度の悪化なども生じない。また、ストッパ190によってワイドコンバータ80の周方向以外の方向への動きも規制されるため、上記装着機構による装着状態が強化され、周方向以外の方向への振動や衝撃等に対してもワイドコンバータ80の脱落を防止する効果がある。
【0070】
尚、 図8乃至図10に示されているナット保持枠182の孔250は、駆動ユニット20等に結び付けた紐などを通しておく孔であり、上記のロック機構180をロック状態にするのを忘れてワイドコンバータ80が脱落してしまう場合や、ロック状態した場合でもワイドコンバータ80が脱落してしまう場合に備えて、ワイドコンバータ80が地面に落下するのを防止する予備対策として使用される。
【0071】
また、鏡胴側装着部40の複数の係合部44(ガイド溝46及び係止溝48)と、アクセサリ側装着部60の複数の係止爪66を、周方向に等間隔に設けるようにした場合には、ロック機構180に隣接する係止爪66を所望の位置の係止溝48に係合させることが可能であり、その場合には、図6のようにロック機構180が駆動ユニット20の近傍に配置されるような回転位置でワイドコンバータ80をレンズ鏡胴4に装着すれば、ロック機構180が撮影操作等を阻害しない(手などが誤接触しない)ようにすることができる。もし、ワイドコンバータ80をレンズ鏡胴4に装着する回転位置が決まっている場合には駆動ユニット20の近傍となる係止爪66の近傍にロック機構180を設ければよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、ロック機構180をロック状態にしたときにストッパ190の一部がガイド溝46の底面に当接するようにしたが、ストッパ全体がガイド溝46の底面に当接するような構造であってもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、ロック機構180をワイドコンバータに設けた場合を示したが、全ての種類の前面アクセサリに設けてもよい。ただし、コストアップ等の問題があるため、重量の軽いレンズフード等のような前面アクセサリにはロック機構を設けず、ワイドコンバータ、テレコンバータ、レシオコンバータのように重量の重い前面アクセサリにのみロック機構を設けると好適である。特に撮影レンズの焦点距離を変更させるワイドコンバータ、テレコンバータ、レシオコンバータのような補助レンズは、重量が重いためロック機構は有益である。
【0074】
また、上記実施の形態では、鏡胴側装着部40の係止溝48に係止突起50を設けて、係止突起50により係止爪66のCCW向きへの回転移動を規制するようにしたが、全ての前面アクセサリにロック機構を設けるのであれば、係止突起50を必ずしも設ける必要はない。
【符号の説明】
【0075】
2…撮影レンズ、4…レンズ鏡胴、40…鏡胴側装着部、42…円筒部、44…係合部、46…ガイド溝、48…係止溝、50…係止突起、60…アクセサリ側装着部、62…円筒部、64…凹部、66…係止爪、68…板状体、70…係止突起、80…ワイドコンバータ、180…ロック機構、182…ナット保持枠、184…操作ネジ、186…ナット、188…ストッパ収容孔、190…ストッパ、200…ツマミ、202…ネジ部、203…先端部、218、220…係止面、230…ワッシャ、232…C型止め輪
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズのレンズ鏡胴の先端部に設けられた鏡胴側装着部と、前面アクセサリの後端部に設けられたアクセサリ側装着部とからなり、前記鏡胴側装着部と前記アクセサリ側装着部とを着脱することにより、前記前面アクセサリを前記レンズ鏡胴の先端部に着脱可能にした撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構において、
前記アクセサリ側装着部は、アクセサリ側筒体と、該アクセサリ側筒体の内周面側に突出形成された係止部材と、を有し、
前記鏡胴側装着部は、前記アクセサリ側筒体の内側に配置される鏡胴側筒体と、
該鏡胴側筒体の外周面の周方向に形成され、前記係止部材と係合して前記係止部材を係止する係止溝と、
前記鏡胴側筒体の外周面に形成され、前記鏡胴側筒体の先端面から前記係止溝まで延在する溝であって、前記係止部材を前記撮影レンズの光軸方向に移動させて前記前記係止溝まで導くガイド溝と、を有し、
前記係止部材が前記ガイド溝を移動した後、周方向に回転して前記係合溝に係合することにより前記前面アクセサリが前記レンズ鏡胴の先端部に装着されると共に、
前記アクセサリ側装着部は、前記係止部材が前記係止溝に係合している状態において前記ガイド溝の側壁面に係合する位置に移動することにより、前記係止部材が前記ガイド溝の位置に回転移動することを規制するストッパ部材を備えた、
ことを特徴とする撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構。
【請求項2】
前記ストッパ部材は、操作ネジの回転により前記ガイド溝の底面に当接する向きと、前記ガイド溝の底面から離間する向きとに移動し、前記ガイド溝の底面に当接する向きに移動することにより前記ガイド溝の側壁面に係合する位置に移動し、前記ガイド溝の底面から離間する向きに移動することにより前記ガイド溝の側壁面に係合しない位置に移動することを特徴とする請求項1の撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構。
【請求項3】
前記鏡胴側装着部は、前記係止溝に前記係止部材の周方向への回転移動を規制する突起を備えたことを特徴とする請求項1、又は、2の撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構。
【請求項4】
前記係止部材と該係止部材と係合する前記係止溝とが複数箇所に設けられ、前記ストッパ部材は複数のガイド溝のうちのいずれか1つのガイド溝の側壁面に係合する1つのみが設けられたことを特徴とする請求項1、2、又は、3の撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構。
【請求項5】
前記前面アクセサリは、撮影レンズの焦点距離を変更する補助レンズであることを特徴とする請求項1、2、3、又は、4の撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構。
【請求項1】
撮影レンズのレンズ鏡胴の先端部に設けられた鏡胴側装着部と、前面アクセサリの後端部に設けられたアクセサリ側装着部とからなり、前記鏡胴側装着部と前記アクセサリ側装着部とを着脱することにより、前記前面アクセサリを前記レンズ鏡胴の先端部に着脱可能にした撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構において、
前記アクセサリ側装着部は、アクセサリ側筒体と、該アクセサリ側筒体の内周面側に突出形成された係止部材と、を有し、
前記鏡胴側装着部は、前記アクセサリ側筒体の内側に配置される鏡胴側筒体と、
該鏡胴側筒体の外周面の周方向に形成され、前記係止部材と係合して前記係止部材を係止する係止溝と、
前記鏡胴側筒体の外周面に形成され、前記鏡胴側筒体の先端面から前記係止溝まで延在する溝であって、前記係止部材を前記撮影レンズの光軸方向に移動させて前記前記係止溝まで導くガイド溝と、を有し、
前記係止部材が前記ガイド溝を移動した後、周方向に回転して前記係合溝に係合することにより前記前面アクセサリが前記レンズ鏡胴の先端部に装着されると共に、
前記アクセサリ側装着部は、前記係止部材が前記係止溝に係合している状態において前記ガイド溝の側壁面に係合する位置に移動することにより、前記係止部材が前記ガイド溝の位置に回転移動することを規制するストッパ部材を備えた、
ことを特徴とする撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構。
【請求項2】
前記ストッパ部材は、操作ネジの回転により前記ガイド溝の底面に当接する向きと、前記ガイド溝の底面から離間する向きとに移動し、前記ガイド溝の底面に当接する向きに移動することにより前記ガイド溝の側壁面に係合する位置に移動し、前記ガイド溝の底面から離間する向きに移動することにより前記ガイド溝の側壁面に係合しない位置に移動することを特徴とする請求項1の撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構。
【請求項3】
前記鏡胴側装着部は、前記係止溝に前記係止部材の周方向への回転移動を規制する突起を備えたことを特徴とする請求項1、又は、2の撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構。
【請求項4】
前記係止部材と該係止部材と係合する前記係止溝とが複数箇所に設けられ、前記ストッパ部材は複数のガイド溝のうちのいずれか1つのガイド溝の側壁面に係合する1つのみが設けられたことを特徴とする請求項1、2、又は、3の撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構。
【請求項5】
前記前面アクセサリは、撮影レンズの焦点距離を変更する補助レンズであることを特徴とする請求項1、2、3、又は、4の撮影レンズにおける前面アクセサリの着脱機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−221299(P2011−221299A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90684(P2010−90684)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]