説明

撮影条件決定支援装置及び撮影条件決定支援方法

【課題】新たなデータベースを作成することなく、模範とすべき撮影条件のみを提示する技術を提供する。
【解決手段】X線撮影システムを構成するコンソール23は、撮影条件を決定する際に、検索条件受付部39及び撮影条件検索部40として機能して撮影条件の決定を支援する。撮影条件受付部39は、撮影部位や撮影方法等、今回の撮影に関する検索条件を受け付ける。撮影条件検索部40の抽出候補判定部41は、ストレージデバイス27の画像データ格納部35に記憶されている過去画像のDICOMタグを参照して、被検者IDや撮影日時から、再撮影が行なわれることなく診断に用いられた過去画像を抽出候補として判定する。撮影条件検索部40は、抽出候補から検索条件に合致する過去画像の撮影条件を検索して提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線撮影システムにおいて撮影条件を決定する際の支援を行なう撮影条件決定支援装置及び撮影条件決定支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、放射線、例えばX線を利用したX線撮影システムが知られている。X線撮影システムは、被検者にX線を照射するX線発生装置と、被検者を透過したX線の照射を受けて、被検者の画像情報を表すX線画像を検出するX線画像検出装置とを備えている。X線画像検出装置は、従来はX線フイルムやイメージングプレート(IP)等が用いられていたが、現在ではフラットパネルディテクタ(FPD;flat panel detector)を検出パネルとして用いたものが普及している。FPDは、X線の入射量に応じた信号電荷を蓄積する画素がマトリックス状に配列されており、画素毎に蓄積した信号電荷を信号処理回路で電圧信号に変換することで、被検体の画像情報を表すX線画像を検出し、これをデジタルな画像データとして出力する。
【0003】
X線撮影システムは、撮影を行なう前に撮影条件を決定する必要がある。撮影条件とは、X線撮影を行なうために必要な各種設定であり、例えば、撮影部位や撮影方向等の撮影内容に関する「撮影メニュー」や、被検者の体厚等の身体的な情報に関する「被検者情報」、管電圧や管電流時間積等のX線撮影システムを構成する各装置の設定に関する「撮影パラメータ」等からなる。
【0004】
撮影条件、特に管電圧や管電流時間積等の撮影パラメータは、撮影メニューや被検者情報との組み合わせによって適正な値が変化するため、撮影条件の決定を行う放射線技師には、撮影条件に関する知識とともに、経験や勘といった高い熟練度が要求される判断が必要となる。しかし、放射線技師の熟練度にはばらつきがあり、相対的に熟練度が低い放射線技師も存在する。そのため、熟練度の低い放射線技師によるX線撮影では、撮影条件の決定に時間がかかったり、撮影条件の決定ミスによって診断可能な画像が得られずに再撮影が必要になることがあった。
【0005】
放射線技師の熟練度に影響されることなく適正な撮影条件を決定できるようにするために、例えば、過去の撮影で用いた撮影条件の中から参考となる判断材料を抽出して提示し、撮影条件の決定を支援する発明が従来されている。例えば、特許文献1には、過去に撮影したX線画像(以下、過去画像という)とその画質評価情報とを対応付けて記録し、画質評価情報を、撮影条件を決定する際の判断資料とするX線撮影システムが開示されている。特許文献2には、検索情報として患者に関する被検者情報の入力を受け付けて、入力された被検者情報との適合度が高い順、あるいは利用頻度が高い順に撮影条件を順位付けして表示するX線撮影システムが開示されている。また、特許文献3には、失敗画像を外部装置に出力しないようにしたX線撮影システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−105437号公報
【特許文献2】特開2009−060939号公報
【特許文献3】特開2004−337232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、過去の撮影条件の中には、診断適性が高い画像が得られた模範とすべき撮影条件ばかりでなく、失敗画像や、再撮影画像の撮影条件も多く含まれている。失敗画像とは、診断可能な画質が得られなかった画像や、診断に用いられたものの診断適性が低かった画像であり、再撮影画像とは、失敗画像の撮影後に撮影のやり直しにより得られた画像である。そのため、失敗画像や再撮影画像は、熟練度の低い放射線技師によって決定された撮影条件によって撮影された画像と考えられ、これらの画像の撮影条件を用いて新たな撮影を行うと、再び失敗画像が撮影される可能性がある。また、判断材料として提示する撮影条件は多ければよいというものではなく、厳選されている方がよい。多すぎると判断に迷う時間が無駄に費やされるからである。
【0008】
上記問題の解決策として、特許文献1及び3のように撮影条件に失敗画像であることを表す情報を付しておけば、失敗画像の撮影条件を抽出候補から除外できる。また、失敗画像の撮影条件の利用頻度は低くなると考えられるので、特許文献2のように利用頻度に応じて順位付けを行えば、表示順位が下がるため、失敗画像の撮影条件を排除できる。
【0009】
残る問題は、再撮影画像の撮影条件をどのように除外するかである。特許文献2のように、被検者情報との適合率が高いものを選んでも、適合率と再撮影画像との間に相関関係はないため、再撮影画像を排除する解決策にはならない。同様に、利用頻度の高いものが必ずしも再撮影画像でないとは限らないため、特許文献2の利用頻度を利用する方法も解決策としては不十分である。
【0010】
一方、特許文献1のように、画質評価情報を利用すれば、評価が最高のものだけを抽出するといった方法により、模範とすべき撮影条件のみを抽出することも可能ではある。しかしながら、特許文献1の画質評価情報は、評価者が画質を見て手入力する情報であるため、新たなデータベースの作成が必要となる。医療施設において蓄積してきた過去画像が多いほど、模範とすべき撮影条件の蓄積も多いため利用価値は高いが、それらの過去画像の撮影条件を利用するためには、過去画像の1つ1つに画質評価情報を入力して新たなデータベースを作成しなければならず、そうした作業は非常に手間がかかるため現実的ではない。
【0011】
本発明の目的は、新たなデータベースを作成することなく、模範とすべき撮影条件のみを提示する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の撮影条件決定支援装置は、過去に撮影された医用画像である過去画像の撮影条件を複数件格納する撮影条件格納手段と、検索条件の入力を受け付ける検索条件受付手段と、過去画像に対応付けて記録された付帯情報を参照して、複数の過去画像のうち、再撮影が行われることなく診断に用いられた過去画像の撮影条件を抽出候補として判定する抽出候補判定手段を有しており、格納手段内を検索して、抽出候補の中から、入力された検索条件に合致する過去画像の撮影条件を抽出する撮影条件検索手段とを備えている。
【0013】
付帯情報には、過去画像の撮影対象である被検者の識別情報と、撮影日時とが含まれていることが好ましい。
【0014】
抽出候補判定手段は、識別情報を参照して、同一の被検者の複数の過去画像があるか否かを調べ、複数の過去画像がある場合には、撮影日時を参照して複数の過去画像の撮影間隔を算出して再撮影期間と比較し、撮影間隔が再撮影期間内である場合には、複数の過去画像の少なくとも1つを再撮影が行われた再撮影画像と判定し、複数の過去画像の撮影条件を抽出候補から除外するのが好ましい。
【0015】
抽出候補判定手段は、撮影間隔が再撮影期間よりも長い場合には、複数の過去画像のうち最新の過去画像の撮影条件を抽出候補に含めることが好ましい。
【0016】
付帯情報には、撮影に失敗して再撮影が必要になった失敗画像か否か、及び再撮影で得られた再撮影画像か否かの少なくとも1つを表す再撮影情報が含まれていてもよく、この場合、抽出候補判定手段は、再撮影情報を参照して、再撮影画像及び失敗画像の少なくとも1つがあるか否かを調べて、抽出対象から除外する撮影条件を判定するようにしてもよい。
【0017】
検索条件受付手段は、撮影条件のうち、撮影部位を一次検索条件として受け付け可能であることが好ましい。また、検索条件受付手段は、撮影条件のうち、被検者の身体に関する被検者情報、対象病変、撮影装置の構成情報の少なくとも1つを二次検索条件として受け付け可能としてもよい。
【0018】
検索条件の検索結果とともに、検索結果に含まれる過去画像の撮影の際に用いられた放射線の線量に関する指標値が提示されるようにしてもよい。
【0019】
本発明の撮影条件決定支援方法は、検索条件の入力を受け付けるステップと、過去に撮影された医用画像である過去画像の撮影条件を複数件格納する撮影条件格納手段を参照して、過去画像に対応付けて記録された付帯情報に基づき、複数の過去画像のうち、再撮影が行われることなく診断に用いられた過去画像の撮影条件を抽出候補として判定するステップと、抽出候補の中から、入力された検索条件に合致する過去画像の撮影条件を抽出するステップとを備えたものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、過去画像の付帯情報に基づいて、再撮影が行なわれずに診断に用いられた診断適正の高い過去画像を抽出候補として抽出し、この抽出候補から検索条件に合致する過去画像を検索するので、新たなデータベースを作成することなく、模範とすべき撮影条件のみを提示して撮影条件の決定を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】X線撮影システムの概略的構成を示す説明図である。
【図2】コンソールの構成を示すブロック図である。
【図3】DICOMタグの記録内容の一例を示す説明図である。
【図4】撮影条件決定時のコンソールの機能を示すブロック図である。
【図5】ある医療機関の過去画像の撮影結果をX線の線量及び頻度により表したグラフである。
【図6】コンソールによる抽出候補の判定手順を示すフローチャートである。
【図7】抽出候補の一例を示す説明図である。
【図8】一次検索後にディスプレイに表示される一次検索結果ウィンドウの一例を示す説明図である。
【図9】撮影条件決定時のコンソールの制御手順を示すフローチャートである。
【図10】再撮影情報を有するDICOMタグの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1において、X線撮影システム10は、X線発生装置11と、X線撮影装置12とからなる。X線発生装置11は、X線源13と、X線源13を制御する線源制御装置14と、照射スイッチ15とで構成される。X線源13は、X線を放射するX線管13aと、X線管13aが放射するX線の照射野を限定する照射野限定器(コリメータ)13bとを有する。
【0023】
X線管13aは、熱電子を放出するフィラメントからなる陰極と、陰極から放出された熱電子が衝突してX線を放射する陽極(ターゲット)とを有している。照射野限定器13bは、例えば、X線を遮蔽する複数枚の鉛板を井桁状に配置し、X線を透過させる照射開口が中央に形成されたものであり、鉛板の位置を移動することで照射開口の大きさを変化させて、照射野を限定する。
【0024】
線源制御装置14は、X線源13に対して高電圧を供給する高電圧発生器と、X線源13が照射するX線の線質(エネルギースペクトル)を決める管電圧、単位時間当たりの線量を決める管電流、およびX線の照射時間を制御する制御部とからなる。高電圧発生器は、トランスによって入力電圧を昇圧して高圧の管電圧を発生し、高電圧ケーブルを通じてX線源13に駆動電力を供給する。管電圧、管電流、照射時間といった撮影条件は、線源制御装置14の操作パネルを通じて放射線技師などのオペレータにより手動で設定される。なお、線源制御装置14と、X線撮影装置12のコンソール23とが通信可能であるときには、コンソール23から線源制御装置14に撮影条件を設定してもよい。
【0025】
照射スイッチ15は、放射線技師によって操作され、線源制御装置14に信号ケーブルで接続されている。照射スイッチ15は二段階押しのスイッチであり、一段階押しでX線源13のウォームアップを開始させるためのウォームアップ開始信号を発生し、二段階押しでX線源13に照射を開始させるための照射開始信号を発生する。これらの信号は信号ケーブルを通じて線源制御装置14に入力される。
【0026】
線源制御装置14は、照射スイッチ15からの制御信号に基づいて、X線源13の動作を制御する。照射スイッチ15から照射開始信号を受けると、線源制御装置14は、X線源13に対して開始指令を発して電力供給を開始する。これによりX線源13は照射を開始する。線源制御装置14は、電力供給の開始とともに、タイマを作動させてX線の照射時間の計測を開始する。そして、撮影条件で設定された照射時間が経過すると、線源制御装置14は、X線源13に対して停止指令を発して電力供給を停止する。X線源13は、停止指令を受けるとX線の照射を停止させる。X線の照射時間は、撮影条件に応じて変化するが、静止画撮影の場合には、X線の最大照射時間が約500msec〜約2s程度の範囲に定められている場合が多く、照射時間はこの最大照射時間を上限として設定される。
【0027】
X線撮影装置12は、電子カセッテ21、撮影台22、コンソール23から構成される。電子カセッテ21は、周知の如くフラットパネルディテクタ(FPD;flat panel detector)とFPDを収容する可搬型の筐体とからなる。FPDはアモルファスシリコンをベースとしたTFT型または単結晶シリコンをベースとしたCMOS型であり、X線の入射量に応じた信号電荷を蓄積する画素がマトリックス状に配列されてなる。FPDは、X線を直接信号電荷に変換する直接変換型、またはシンチレータで変換された可視光線を信号電荷に変換する間接変換型であり、画素毎に信号電荷を蓄積し、蓄積した信号電荷を信号処理回路で電圧信号に変換することでX線画像を検出し、これをデジタルな画像データとして出力する。
【0028】
電子カセッテ21の筐体は略矩形状で偏平な形状を有し、平面サイズはフイルムカセッテやIPカセッテ(CRカセッテとも呼ばれる)と略同様の大きさ(国際規格ISO4090:2001に準拠した大きさ)である。このため、電子カセッテ21は、フイルムカセッテやIPカセッテ用の既存の撮影台にも取り付け可能である。なお、電子カセッテ21は、撮影台にセットせずに、被検体が仰臥するベッド上に置いたり被検体自身に持たせたりして単体で使用することも可能である。
【0029】
電子カセッテ21は例えばワイヤレスタイプであり、通信ケーブルを使用した有線通信に加えて、電波や赤外線等の光によってコンソール23と無線通信することが可能である。また、電源ケーブルを使用した商用電源からの受電に加えて、内蔵のバッテリで駆動することが可能である。
【0030】
撮影台22は、電子カセッテ21が着脱自在に取り付けられるスロットを有し、X線が入射する入射面がX線源13と対向する姿勢で電子カセッテ21を保持する。なお、撮影台22として、被検者Hを立位姿勢で撮影する立位撮影台を例示しているが、被検者Hを臥位姿勢で撮影する臥位撮影台でもよい。
【0031】
コンソール23は、有線方式や無線方式により電子カセッテ21と通信可能に接続されており、電子カセッテ21の動作を制御する。具体的には、電子カセッテ21に対して撮影条件を送信して、FPDの信号処理の条件(蓄積される信号電荷に応じた電圧を増幅するアンプのゲイン等)を設定させるとともに、X線発生装置11によるX線の照射開始・終了タイミングとFPDの蓄積・読み出し動作を同期させるための同期制御を行う。また、電子カセッテ21の電源のオンオフ、省電力モードや撮影準備状態へのモード切り替え等の制御も行う。
【0032】
コンソール23は、電子カセッテ21から送信されるX線画像データに対してオフセット補正やゲイン補正等の各種画像処理を施す。画像処理済みのX線画像はコンソール23のディスプレイ29(図2参照)に表示される他、そのデータがコンソール23内のストレージデバイス27やメモリ26(ともに図2参照)に記憶される。なお、画像データは、コンソール23とネットワーク接続された画像蓄積サーバ等のデータストレージに記憶してもよい。
【0033】
コンソール23は、患者の性別、年齢、撮影部位、撮影方向といった情報が含まれる検査オーダの入力を受け付けて、検査オーダをディスプレイ29に表示する。検査オーダは、HIS(病院情報システム)やRIS(放射線情報システム)といった患者情報や放射線検査に係る検査情報を管理する外部システムから入力されるか、放射線技師により手動入力される。放射線技師は、検査オーダの内容をディスプレイ29で確認し、その内容に応じた撮影条件をコンソール23の操作画面を通じて入力する。
【0034】
図2において、コンソール23を構成するコンピュータは、CPU25、メモリ26、ストレージデバイス27、通信I/F28、ディスプレイ29、および入力デバイス30を備えている。これらはデータバス31を介して相互接続されている。
【0035】
ストレージデバイス27は、例えばHDD(Hard Disk Drive)である。ストレージデバイス27には、制御プログラム33、アプリケーションプログラム(以下、APという)34が記憶されている。制御プログラム33は、コンソール23を構成するコンピュータを統括的に制御するためのプログラムである。AP34は、検査オーダやX線画像の表示処理、X線画像に対する画像処理の他、撮影条件の決定支援、及び撮影条件の設定等のX線撮影に関する様々な機能をコンソール23に実行させるためのプログラムである。
【0036】
ストレージデバイス27は、本発明の撮影条件格納手段としても機能し、過去に撮影したX線画像のデータを複数格納した画像データ格納部35を有している。X線画像のデータは、個々のX線画像を識別するための画像IDを有する。X線画像のデータは、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)に準拠したファイル形式で画像データ格納部35に格納されている。
【0037】
X線画像のファイルには、X線画像のデータ記憶領域と、DICOMタグとが設けられている。図3は、画像データ格納部35に格納されている複数のX線画像のDICOMタグの内容を表した表(以下、DICOMタグ36という)である。DICOMタグ36には、被検者IDや被検者名といった被検者基本情報の他、検査IDや撮影日時、X線撮影システム10の撮影条件といった項目を記憶するフィールドが用意されている。X線画像のファイルは、DICOMタグ36の各種項目を検索キーとして、検索が可能である。
【0038】
DICOMタグ36の被検者ID及び撮影日時は、本発明の付帯情報に相当する。撮影条件は、例えば、撮影メニュー、被検者情報及び撮影パラメータ等からなる。撮影メニューは、例えば、撮影部位、撮影方向、対象病変等である。撮影部位とは、撮影された被検者の部位であり、例えば、頭部、胸部、腹部等である。撮影方向とは、被検者に対する撮影の方向であり、例えば、正面、側面、斜位等である。撮影方向は、各撮影方向にPA(X線を被検体の背面から照射)またはAP(X線を被検体の前面から照射)を付加することにより、X線の照射方向が指定できるようになっている。対象病変とは、被検者の診断内容であり、例えば、肺結節、肺ガン、足部骨折等である。
【0039】
被検者情報とは、撮影された被検者の身体に関する情報であり、例えばX線照射方向における被検者の体厚等である。撮影パラメータとは、X線撮影システム10を構成する各装置の設定に関する情報であり、例えば、管電圧(kV)、管電流時間積(mAs)、付加フィルタの有無及び種類、X線源13から電子カセッテ21までの距離(SID)、自動露出制御装置(AEC)設定の有無等である。
【0040】
メモリ26は、CPU25が処理を実行するためのワークメモリである。CPU25は、ストレージデバイス27に記憶された制御プログラム33をメモリ26へロードして、プログラムに従った処理を実行することにより、コンピュータの各部及び電子カセッテ21を統括的に制御する主制御部37(図4参照)として機能する。通信I/F28は、RIS、HIS、画像蓄積サーバ、電子カセッテ21等の外部装置、あるいはリムーバブルメディア等の外部記憶媒体との伝送制御を行うネットワークインターフェース兼メディアインターフェースである。入力デバイス30は、キーボードやマウス、あるいはディスプレイ29と一体となったタッチパネル等である。
【0041】
コンソール23は、撮影条件を設定する際に、撮影条件の決定を支援する撮影条件決定支援装置として動作する。撮影条件の決定支援は、画像データ格納部35から、撮影条件を決定する際に参考となる過去の撮影条件を検索して、提示することにより行われる。図4に示すように、コンソール23のCPU25は、撮影条件の設定の際にストレージデバイス27のAP34を起動することにより、撮影条件決定支援装置を構成する検索条件受付部39、及び撮影条件検索部40として機能する。
【0042】
検索条件受付部39は、画像データ格納部35から参考となる撮影条件を検索するための検索条件の受け付けを行う。具体的には、検索条件受付部39は、主制御部37により、所定のタイミングで一次検索条件の入力ウィンドウと、二次検索条件の入力ウィンドウとをディスプレイ29に表示させ、入力デバイス30による一次検索条件及び二次検索条件の入力を受け付ける。
【0043】
一次検索条件及び二次検索条件は、放射線技師による判断を必要としない撮影条件、すなわち、放射線技師の熟練度によってぶれが生じない撮影条件が用いられる。本実施形態で採用する一次検索条件は、例えば撮影部位及び撮影方向であり、二次検索条件は、対象病変及び被検者情報である。なお、一次検索条件及び二次検索条件は、検査オーダや撮影システム自身が有する情報から自動的に入力されるようにしてもよい。また、被検者情報については、例えば本撮影の前にプレ撮影を行なうシステムでは、プレ撮影の結果から被検者情報を自動的に入力させてもよいし、同じ被検者の過去の画像に基づいて自動的に入力させてもよい。
【0044】
撮影条件検索部40は、画像データ格納部35から、参考となる撮影条件を検索するための母集団となる抽出候補を判定する抽出候補判定部41を有している。抽出候補とは、信頼度の高い模範となる撮影条件であり、例えば、再撮影が行われることなく診断に用いられた過去画像の撮影条件である。再撮影が行われることなく診断に用いられた過去画像は、1回の撮影で診断適正の高いX線画像が撮影されていることから、信頼度の高い模範となる撮影条件が設定されていたと考えられるため、撮影条件を決定する際に参考とする判断材料として好適だからである。
【0045】
図5は、ある医療機関の過去画像の撮影結果を表す円グラフである。領域Aは、ある一定期間に同一の撮影メニュー(撮影部位及び撮影方向)で、X線の線量を変更して複数回の撮影が行われた場合、すなわち失敗画像とその再撮影画像とを表している。領域Bは、領域Aに示す再撮影画像のうち、最終的に診断可能なX線画像が得られた撮影を示している。領域Cは、ある一定期間に同一の撮影メニューで、X線の線量を変更して複数回の撮影が行われなかった場合、すなわち1回の撮影で診断可能なX線画像が得られた撮影を表している。
【0046】
図5のグラフから分るように、画像データ格納部35は、多数の失敗画像及び再撮影画像の撮影条件を含んでいる。そのため、画像データ格納部35の全体から参考となる撮影条件を検索すると、失敗画像や再撮影画像の撮影条件が検索されることがある。失敗画像や再撮影画像は、熟練度の低い放射線技師によって決定された撮影条件によって撮影された画像と考えられるので、これらの画像の撮影条件を参考にして撮影条件を決定すると、その撮影条件を用いた撮影でも撮影が失敗する可能性が高くなる。また、画像データ格納部35の全体から検索を行うと検索に時間がかかり、検索により抽出される撮影条件が多くなってその選択に迷いが生じる可能性がある。抽出候補判定部41は、画像データ格納部35から診断適正の高い過去画像のみからなる抽出候補を判定することにより、以上のような問題を解決する。
【0047】
抽出候補判定部41による抽出候補の判定について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。抽出候補判定部41は、画像データ格納部35から参考となる撮影条件を検索するための母集団となる抽出候補を判定するため、画像データ格納部35から、図5に示す領域A及び領域Bの過去画像を除外して領域Cの過去画像のみを抽出する。具体的には、抽出候補判定部41は、DICOMタグ36の被検者IDを参照して、同一の被検者IDを有する複数の過去画像を探し、同一の被検者IDを有する複数の撮影条件を抽出する(S101)。
【0048】
例えば、図3に示す画像データでは、検査ID#501、#504及び#552の被検者IDが「#00301」で共通し、検査ID#550及び#554の被検者IDが「#00342」で共通している。
【0049】
抽出候補判定部41は、同一の被検者IDを有する複数の過去画像について、DICOMタグ36の撮影日時を参照し、撮影日時が先後する一組の過去画像ごとに撮影間隔を算出する(S102)。例えば、図3に示す画像データでは、検査ID#501と検査ID#504、検査ID#504と検査ID#552、検査ID#550と検査ID#554の撮影間隔がそれぞれ算出される。
【0050】
抽出候補判定部41は、算出した撮影間隔と予め設定されている再撮影期間とを比較することにより、その撮影間隔で撮影された過去画像が失敗画像であるのか、また失敗画像を原因として再撮影された再撮影画像であるのかを判定する(S103)。再撮影期間とは、先に行われた撮影が失敗してから、再撮影を終えるまでに必要とされる標準的な時間であり、例えば、先の撮影の終了後にX線画像の診断適正を判断する時間、X線画像が失敗画像であるときに再撮影用の撮影条件を決定する時間、及び再撮影を行なう時間等を含んでいる。なお、再撮影に必要な時間はX線撮影システム10の構成や、医療施設ごとのワークフロー等によって異なるが、例えば1週間〜1カ月程度が好ましい。再撮影期間をこのような間隔とするのは、同一の疾病に対する経過観察や定期検診等で行なわれた撮影を再撮影画像から除外して抽出候補に加えるためである。
【0051】
抽出候補判定部41は、撮影日時が先後する一組の過去画像ごとに算出した撮影間隔が再撮影期間よりも短いときには、先に撮影された過去画像を失敗画像と判定し、後から撮影された過去画像を再撮影画像と判定して、両画像を抽出候補から除外する(S104)。また、抽出候補判定部41は、撮影日時が先後する2つの撮影条件ごとに算出した撮影間隔が再撮影期間よりも長いときには、1回の撮影で診断適正の高い画像が取得されたと判定して、一組の過去画像のうち新しいほうを抽出候補に加える(S105)。同一の被検者IDを有する複数の過去画像が他にもある場合には、上述したステップS102〜S105が繰り返される(S106)。
【0052】
再撮影期間を例えば1週間とした場合、図3に示す画像データでは、検査ID#501及び検査ID#504と、検査ID#550及び検査ID#554の撮影間隔が再撮影期間以内となる。したがって、検査ID#501、#504、#550及び#554の撮影条件は、失敗画像及びその再撮影画像となり、抽出候補から除外される。また、検査ID#504と検査ID#552の撮影間隔は12日であり、再撮影期間よりも長いため、後の撮影に関する検査ID#552は抽出候補に加えられる。
【0053】
抽出候補判定部41は、検査ID#502、#503、#505等、同一の被検者IDを有する過去画像が他に存在しない過去画像の撮影条件については、1回の撮影で診断適正の高いX線画像が撮影されたと判定して抽出候補に加える(S107)。図7は、画像データ格納部35から抽出された抽出候補43の一例である。なお、上記の処理ステップ101で、同一の被検者IDを有する複数の過去画像が抽出されなかった場合には、失敗画像及び再撮影画像が存在しないものとして、全ての過去画像の撮影条件を抽出候補にするのが好ましい。
【0054】
撮影条件検索部40は、抽出候補判定部41によって抽出された抽出候補43から、一次検索条件に該当する過去画像を検索する(S108)。例えば、一次検索条件として撮影部位及び撮影方方向が「胸部」及び「正面」と指定されたときには、図7の抽出候補43から検査ID#505、506、551〜553、556等が検索される。
【0055】
撮影条件検索部40は、図8に示すように、主制御部37によってディスプレイ29に一次検索結果を表す一次検索結果ウィンドウ45を表示させる。一次検索結果ウィンドウ45には、一次検索により検索された過去画像46aとその撮影条件46bとが検査IDごとに表示されており、一次検索結果ウィンドウ45内をスクロール表示させることにより、一次検索によって検索された過去画像が全て確認できるようになっている。一次検索で目的とする撮影条件が検索された場合には、マウス等の入力デバイス30によって移動可能なポインタ47により、参考とする撮影条件を選択することができる。
【0056】
一次検索によって得られた検索件数が多く、目的とする撮影条件が絞り込めない場合には、二次検索を行なうことができる。撮影条件検索部40は、一次検索結果から二次検索条件に該当する撮影条件を検索する。例えば、二次検索条件の対象病変として「肺ガン」が指定され、被検者情報として「体厚190mm」が指定されたときには、抽出候補43から検査ID#506、#552及び#553が検索される。
【0057】
撮影条件検索部40は、主制御部37により、一次検索結果ウィンドウ45と同様な二次検索結果ウィンドウをディスプレイ29に表示させ、入力デバイス30によって選択可能にする。二次検索結果は、一次検索結果よりも件数が少なくなるため、一次検索結果から選択する場合と比較して、参考とする撮影条件を容易に選択することができる。また、二次検索結果は、一次検索結果よりも目的とする撮影の内容に近い撮影条件が提示されるため、一次検索結果から選択する場合と比較して、適正な撮影条件を選択することができる。
【0058】
なお、一次検索結果ウィンドウ及び二次検索結果ウィンドウには、符号46cで示すように、撮影条件の決定の参考になる指標値、例えばS値が一緒に表示される。S値とは、電子カセッテ21に照射されたX線の線量のヒストグラムから得られる読取感度値であり、画質管理や被爆線量管理のために照射線量の目安として使用され、S値が大きいほど少ない線量で撮影が成功したものと判断することができる。なお、検索結果とともに表示される指標値は、S値に限定されるものでなく、X線の線量の指標であるEI値またはREX値を表示してもよい。
【0059】
次に、図9のフローチャートを参照しながら上記構成による撮影条件の設定について説明する。コンソール23のCPU25は、ストレージデバイス27のAP33を起動することにより、検索条件受付部39及び撮影条件検索部40として機能する。検索条件受付部39は、主制御部37により、一次検索条件の入力ウィンドウをディスプレイ29に表示させ、入力デバイス30による一次検索条件の入力を受け付ける。
【0060】
一次検索条件の入力ウィンドウに入力デバイス30によって一次件索条件である撮影部位及び撮影方向が入力され、検索指示がなされると(S201)、撮影条件検索部40は、再撮影が行なわれることなく診断に用いられた過去画像の撮影条件の中から、一次検索条件に合致する撮影条件を検索する(S202)。処理ステップS202は、先に説明した図6に示すフローチャートにしたがって行なわれる。
【0061】
撮影条件検索部40は、主制御部37により、一次検索結果を表す一次検索結果ウィンドウ45をディスプレイ29に表示させる(S203)。また、一次検索結果から撮影条件を選択する際の参考となるように、一次検索結果ウィンドウ45には、撮影条件と併せてS値も表示される(S204)。一次検索で目的とする撮影条件が検索された場合には、二次検索を行なわずに、入力デバイス30によって、一次検索結果ウィンドウ45内から参考とする撮影条件を選択することができる(S205)。
【0062】
一次検索によって得られた検索件数が多く、目的とする撮影条件が絞り込めない場合には、二次検索を行なうことができる。検索条件受付部39は、入力デバイス30等から二次検索が指示された場合に、主制御部37によって二次検索条件の入力ウィンドウをディスプレイ29に表示させ、入力デバイス30による二次検索条件の入力を受け付ける。二次検索条件の入力ウィンドウに入力デバイス30によって二次件索条件である対象病変及び被検者情報が入力され、検索指示がなされると(S206)、撮影条件検索部40は、一次検索結果の中から二次検索条件に該当する撮影条件を検索する(S207)。
【0063】
撮影条件検索部40は、主制御部37により、二次検索結果を表す二次検索結果ウィンドウをディスプレイ29に表示させる(S208)。また、一次検索時と同様に、二次検索結果ウィンドウに撮影条件と併せてS値を表示させる(S209)。二次検索で目的とする撮影条件が検索された場合には、入力デバイス30によって、二次検索結果ウィンドウ内から参考とする撮影条件が選択される(S210)。
【0064】
一次検索結果または二次検索結果から参考とする撮影条件が選択されると、主制御部37は、例えばディスプレイ29の表示を撮影条件の設定画面に切り替えるとともに、選択された撮影条件を撮影条件設定画面に反映させる。撮影条件設定画面に反映された撮影条件は、そのまま使用することもできるが、部分的に修正することもできる。主制御部37は、例えば入力デバイス30によって撮影条件が修正されたときには、その修正指示に応じて選択された撮影条件を修正する(S211)。入力デバイス30により、撮影条件設定画面において撮影条件の確定指示がなされると、撮影条件の設定が確定される(S212)。
【0065】
以上説明したように、上記実施形態によれば、過去画像から参考となる撮影条件を選択することができるので、撮影条件の決定が容易になる。また、信頼度の高い模範となる撮影条件を抽出候補として抽出し、この抽出候補から参考となる撮影条件を検索するので、信頼度の高い撮影条件を判断材料として選択することができる。これにより、放射線技師の熟練度に影響を受けることなく、撮影条件を適正に決定することができる。また、抽出候補の判定は、画像ファイルのDICOMタグに記録されている情報に基づいて行なうことができるので、新たなデータベースを作成する必要がなく、既存のX線撮影システムにも比較的容易に適用することができる。
【0066】
第1実施形態では、画像データ格納部35の被検者ID及び撮影日時を参照して抽出候補の判定を行なったが、図10に示すDICOMタグ50のように、その過去画像が失敗画像であるか否か、または再撮影画像であるか否かの少なくとも1つを表す再撮影情報が記録されているときには、抽出候補判定部41は、再撮影情報に基づいて失敗画像及び撮影画像を除外した抽出候補を判定するようにしてもよい。
【0067】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、新しいデータベースを作成せずに信頼度の高い撮影条件を選択することができる。また、第1実施形態とは異なり、同一の被検者IDを有する複数の過去画像の抽出や、撮影間隔の算出、撮影間隔と再撮影期間との比較等が不要となるので、参考となる撮影条件の検索速度が向上する。なお、DICOMタグに、過去画像の画質評価に関する情報が含まれている場合には、当該情報も抽出候補の判定に用いてもよい。
【0068】
さらに、本発明に係るX線画像検出装置は、上記実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0069】
上記実施形態では、一次検索条件として撮影部位及び撮影方向を用いたが、画像データベースに撮影方向が記録されていない場合には、位置検索条件として撮影部位のみを用いてもよい。また、上記実施形態では、二次検索条件として、対象病変及び被検者情報を用いたが、画像データベースに記録されている内容に応じて、対象病変、被検者情報及びX線撮影装置12の構成情報の少なくとも1つを二次検索条件としてもよい。X線撮影装置12の構成情報とは、例えばAEC設定の有無等である。
【0070】
上記実施形態では、電子カセッテ21を用いたX線撮影システム10を例に説明したが、本発明は、付帯情報及び撮影条件を記憶したデータベースを有するのであれば、X線フイルムやIPを使用するX線撮影システムにも適用可能である。また、本発明は、一般撮影用のX線撮影システムだけでなく、マンモグラフィ等の撮影装置にも適用可能である。この場合、一次検索条件及び二次検索条件には、マンモグラフィに特有の項目を用いることができ、例えば「対象病変」として乳房石灰化や、「被検者情報」として脂肪質または繊維質等を選択できるようにするのが好ましい。
【0071】
本発明は、X線に限らず、γ線等の他の放射線を使用する撮影システムにも適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
10 X線撮影システム
11 X線発生装置
12 X線撮影装置
21 電子カセッテ
23 コンソール
25 CPU
27 ストレージデバイス
34 アプリケーションプログラム
35 画像データ格納部
36、50 DICOMタグ
39 検索条件受付部
40 撮影条件検索部
41 抽出候補判定部
43 抽出候補
45 一次検索結果表示ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を撮影する際の撮影条件の決定を支援する撮影条件決定支援装置において、
過去に撮影された医用画像である過去画像の撮影条件を複数件格納する撮影条件格納手段と、
検索条件の入力を受け付ける検索条件受付手段と、
前記過去画像に対応付けて記録された付帯情報を参照して、前記複数の過去画像のうち、再撮影が行われることなく診断に用いられた過去画像の撮影条件を抽出候補として判定する抽出候補判定手段を有しており、前記格納手段内を検索して、前記抽出候補の中から、入力された検索条件に合致する前記過去画像の撮影条件を抽出する撮影条件検索手段と、
を備えていることを特徴とする撮影条件決定支援装置。
【請求項2】
前記付帯情報には、前記過去画像の撮影対象である被検者の識別情報と、撮影日時とが含まれていることを特徴とする請求項1記載の撮影条件決定支援装置。
【請求項3】
前記抽出候補判定手段は、前記識別情報を参照して、同一の被検者の複数の過去画像があるか否かを調べて、複数の過去画像がある場合には、前記撮影日時を参照して前記複数の過去画像の撮影間隔を算出して再撮影期間と比較し、前記撮影間隔が前記再撮影期間内である場合には、前記複数の過去画像の少なくとも1つを再撮影が行われた再撮影画像と判定し、前記複数の過去画像の撮影条件を前記抽出候補から除外することを特徴とする請求項2記載の撮影条件決定支援装置。
【請求項4】
前記抽出候補判定手段は、前記撮影間隔が前記再撮影期間よりも長い場合には、前記複数の過去画像のうち最新の過去画像の撮影条件を前記抽出候補に含めることを特徴とする請求項3記載の撮影条件決定支援装置。
【請求項5】
前記付帯情報には、撮影に失敗して再撮影が必要になった失敗画像か否か、及び再撮影で得られた再撮影画像か否かの少なくとも1つを表す再撮影情報が含まれており、
前記抽出候補判定手段は、前記再撮影情報を参照して、前記再撮影画像及び前記失敗画像の少なくとも1つがあるか否かを調べて、前記抽出対象から除外する撮影条件を判定することを特徴とする請求項1記載の撮影条件決定支援装置。
【請求項6】
前記検索条件受付手段は、前記撮影条件のうち、撮影部位を一次検索条件として受け付け可能であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の撮影条件決定支援装置。
【請求項7】
前記検索条件受付手段は、前記撮影条件のうち、被検者の身体に関する被検者情報、対象病変、撮影装置の構成情報の少なくとも1つを二次検索条件として受け付け可能であることを特徴とする請求項6記載の撮影条件決定支援装置。
【請求項8】
前記検索条件の検索結果とともに、前記検索結果に含まれる過去画像の撮影の際に用いられた放射線の線量に関する指標値が提示されることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の撮影条件決定支援装置。
【請求項9】
検索条件の入力を受け付けるステップと、
過去に撮影された医用画像である過去画像の撮影条件を複数件格納する撮影条件格納手段を参照して、前記過去画像に対応付けて記録された付帯情報に基づき、前記複数の過去画像のうち、再撮影が行われることなく診断に用いられた過去画像の撮影条件を抽出候補として判定するステップと、
前記抽出候補の中から、入力された検索条件に合致する前記過去画像の撮影条件を抽出するステップと、
を備えたことを特徴とする撮影条件決定支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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