説明

撮影用照明装置およびそれを備える撮影装置

【課題】 従来、検出部をストロボ発光部の内部でなく、ストロボ発光部から離れた場所に光ファイバを介して配置する場合、光ファイバにある程度の曲率が必要とされ、検出部まで光ファイバを導く経路が制限され、光ファイバの使用が難しい。
【解決手段】 プロテクタ41を介してケース40外へ照射されるXe管32の出射光は、プロテクタ41からライトガイド42によって軸44aの回動中心を通ってケース40外へ伝達され、軸44aの回動中心上におけるケース40の外に設けられたSPD33によって光量が検出される。この際、Xe管32を収容するケース40を軸44a、44b、44cを中心に回動させても、ライトガイド42は、軸44aの回動中心を通ってケース40の外に引き出されているので、外力が加わって捻れたりすることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射される出射光で被写体を照明する撮影用照明装置およびそれを備える撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の撮影装置としては、例えば、特許文献1に開示されたストロボ内蔵カメラがある。このストロボ内蔵カメラは、ストロボ光を直接に被写体に投射して撮影を行う通常のストロボ光直射撮影と、ストロボ光を被写体とは異なる他の物体に投射して該物体からの反射光で被写体を照明するストロボ光バウンス撮影とが可能なバウンス機構を具備している。ストロボ光バウンス撮影を行う場合には、バウンス機構を構成するカメラ内に収容されているポップアップフレームが、ポップアップフレームと一体の側板に形成されているカム溝に係合しているピンに導かれて、ばねの力によりカメラ内から外へポップアップする。その結果、発光管を含む発光ユニットはストロボ光発射開口を上方へ向けた姿勢に転換され、発光ユニットから発するストロボ光は天井等に投射される。一方、通常のストロボ撮影を行う場合には、上から手でポップアップフレームを押し下げると、ポップアップフレームがカメラ内に押し込まれ、発光ユニットから発生した光束のすべてが前面のフレネル板を通してカメラ前方側へ投射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−61899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のストロボ内蔵カメラで、ストロボ発光部が発光した光量が適量になったかを検出するには、光量検出用素子を有する検出部を備え、ストロボ発光部と検出部とを、光損失のない光ファイバを使って接続する必要がある。この際、ストロボ発光部を小型化したい場合やストロボ発光部内のスペースが少ない場合、検出部をストロボ発光部の内部でなく、ストロボ発光部から離れた場所に配置することが余儀なくされる。しかし、光ファイバの内部で光信号を全反射させるためには、光ファイバを曲げるのにある程度の曲率が必要とされ、カム溝に係合するピンが移動するバウンス機構を備えた内蔵ストロボでは、ストロボ発光部から離れた場所に配置された検出部まで光ファイバを導く経路が制限され、光ファイバの使用が難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
被写体を照明する光源(32)と、光源(32)を収容するケース(40)と、光源(32)から出射される出射光をケース(40)外へ透過させると共に光源(32)をケース(40)内に保持して保護するケース(40)の一面に設けられた透光性材質からなるプロテクタ(41)と、ケース(40)を支持体(2)に回動自在に支持する軸(44a、44b、44c)と、プロテクタ(41)に照射される光源(32)の出射光を軸(44a)の回動中心を通ってケース(40)外へ伝達するライトガイド(42)と、軸(44a)の回動中心上におけるケース(40)の外に設けられてライトガイド(42)を介して伝達される光源(32)の出射光の光量を検出する検出部(33)とを備えて、撮影用照明装置(6)を構成した。
【0006】
本構成によれば、ケース(40)が軸(44a、44b、44c)によって支持体(2)に対して回動されることで、ケース(40)の一面に設けられた透光性材質からなるプロテクタ(41)を介してケース(40)外へ出射される光源(32)の出射光の向きが変えられ、光源(32)の出射光を直接に被写体に投射して撮影を行う通常の出射光直射撮影と、光源(32)の出射光を被写体とは異なる他の物体に投射して該物体からの反射光で被写体を照明する出射光バウンス撮影とが行われる。プロテクタ(41)を介してケース(40)外へ照射される光源(32)の出射光は、プロテクタ(41)からライトガイド(42)によって軸(44a)の回動中心を通ってケース(40)外へ伝達され、軸(44a)の回動中心上におけるケース(40)の外に設けられた検出部(33)によって光量が検出される。この際、光源(32)を収容するケース(40)を軸(44a、44b、44c)を中心に回動させても、ライトガイド(42)は、軸(44a)の回動中心を通ってケース(40)の外に引き出されているので、外力が加わって捻れたりすることがない。また、検出部(33)は軸(44a)の回動中心上におけるケース(40)外に設けられているため、光源(32)を収容するケース(40)を軸(44a、44b、44c)を中心に回動させても、ライトガイド(42)から出射される光は逸れることなく検出部(33)に照射されて受光される。この結果、バウンス機能を有しながら、光源(32)の出射光の正確な光量の測定が可能な、検出部(33)が光源(32)を収容するケース(40)の外に設けられて小型化された撮影用照明装置(6)が提供される。
【0007】
また、本発明は、ライトガイド(42)が、プロテクタ(41)の一部が軸(44a)まで延出されて形成されていることを特徴とする。
【0008】
本構成によれば、プロテクタ(41)が、その一部が軸(44a)まで延出されて形成されてライトガイド(42)を兼ねることにより、撮影用照明装置(6)の構成部品が少なくなり、光源(32)を収容するケース(40)内の構成が簡略化されて、撮影用照明装置(6)を安価に提供できる。
【0009】
また、本発明は、軸(44a)が、ケース(40)に固定されていることを特徴とする。
【0010】
本構成によれば、軸(44a)がケース(40)に固定されているため、ケース(40)を軸(44a、44b、44c)を中心に回動させた場合、軸(44a)自体、および出射光を軸(44a)の回動中心を通ってケース(40)外へ伝達するライトガイド(42)も、ケース(40)と共に回動する。このため、ライトガイド(42)と軸(44a)とが同じ動きをすることで、ライトガイド(42)が軸(44a)から外力を受けることがなく、軸(44a)が支持体(2)に固定されてライトガイド(42)と軸(44a)とが異なる動きをする場合に比べて、ライトガイド(42)は捻れにくくなる。この結果、ライトガイド(42)の捻れによる光検出精度の低下が発生しにくくなり、検出精度が向上して、より正確な光量の測定が可能になる。
【0011】
また、本発明は、検出部(33)が、軸(44a)に固定されていることを特徴とする。
【0012】
本構成によれば、検出部(33)が軸(44a)に固定されているため、ケース(40)を軸(44a、44b、44c)を中心に回動させた場合、軸(44a)に固定されている検出部(33)もケース(40)と共に回動する。このため、軸(44a)の回動中心を通るライトガイド(42)と検出部(33)との相対位置が変わらなくなり、ライトガイド(42)が検出部(33)に対して偏位して、ライトガイド(42)から出射される光の検出部(33)による検出受光量が変化してしまうことが防げる。この結果、検出部(33)の光検出精度が維持されて、正確な光量測定が担保される。
【0013】
また、本発明は、光源(32)が、軸(44a)の回動中心を通るライトガイド(42)の周囲を通過するリード線(43b、43c)を備えることを特徴とする。
【0014】
本構成によれば、光源(32)のリード線(43b、43c)が軸(44a)の回動中心を通るライトガイド(42)の周囲を通過するため、ケース(40)を軸(44a、44b、44c)を中心に回動させた場合でも、軸(44a)の回動中心を通るライトガイド(42)とライトガイド(42)の周囲を通過するリード線(43b、43c)との接触が妨げられ、ライトガイド(42)とリード線(43b、43c)とが互いに絡まるのを防ぐことができる。この結果、ライトガイド(42)およびリード線(43b、43c)の捻れ等による光検出精度の低下が発生しにくくなり、正確な光量の測定が可能になる。
【0015】
また、本発明は、上記に記載の撮影用照明装置(6)と、支持体(2)を構成する筐体(2)と、被写体を撮像する撮像手段(25)とを備えて、撮影装置(1)を構成した。
【0016】
本構成によれば、バウンス機能を有しながら、光源(32)の出射光の正確な光量の測定が可能な、小型化された撮影用照明装置(6)を内蔵した撮影装置(1)が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明による撮影装置によれば、上記のように、バウンス機能を有しながら、光源の出射光の正確な光量の測定が可能な小型化された撮影用照明装置およびそれを備えた撮影装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態によるデジタルカメラの外観の概略を示す正面斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラの電気回路構成の概略を示すブロック図である。
【図3】(a)は、図1に示すデジタルカメラのストロボ発光部の水平断面図、(b)はその側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明による撮影用照明装置を備えた撮影装置をデジタルカメラに適用した場合における、本発明を実施するための一形態について説明する。
【0020】
図1は、この一実施の形態によるデジタルカメラ1の外観の概略を示す正面斜視図である。
【0021】
デジタルカメラ1は、カメラボディ2と、このカメラボディ2の前面に設けられた撮影用のレンズ3とから構成される。デジタルカメラ1の筐体を構成するカメラボディ2の上面には、撮影用のシャッターボタンであるレリーズボタン4が設けられている。このレリーズボタン4の右方のカメラボディ2の上面には、操作されるとデジタルカメラ1の内部の各回路に動作電源を供給させる電源ボタン5が設けられている。また、カメラボディ2の正面から見て右上側には、被写体が暗い場合に被写体にストロボ光を照射して明るさを確保するためのストロボ発光部6が備えられている。
【0022】
図2は、デジタルカメラ1の電気回路構成の概略を示すブロック図である。
【0023】
デジタルカメラ1は、CPU(Central Processing Unit)21、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などで構成される不揮発性メモリ22、およびRAM(Random Access Memory)などで構成されるバッファメモリ23を備えている。不揮発性メモリ22には、CPU21が種々の制御を行う際に参照される制御プログラムなどが格納されている。CPU21は、不揮発性メモリ22に格納されている制御プログラムに従い、バッファメモリ23を一時記憶作業領域として回路各部の制御を行い、デジタルカメラ1の種々の装置機能を作動させる。
【0024】
被写体からの光は、光学系を構成するレンズ3を介してデジタルカメラ1内に取り込まれる。デジタルカメラ1内に取り込まれた被写体光は、撮像部25の撮像面25a上に被写体像を投影する。撮像部25は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などからなり、撮像部25の撮像面25a上に結像した被写体像は、アナログの撮像信号に変換される。変換された撮像信号は、A/D変換部26においてデジタル信号に変換される。撮像部25は、被写体を撮像する撮像手段を構成する。画像処理部27は、A/D変換部26でデジタル信号に変換された撮像信号をバス28を介して取得し、取得した撮像信号に対して、ホワイトバランス処理やガンマ補正などの画像処理を行い、撮影された画像の画像データを生成する。画像処理部27によって生成された画像データは、圧縮処理が施されてバッファメモリ23に一時格納されると共に、I/F部29を介して、図示しないスロットに着脱される、記憶媒体を構成するメモリカード30に記録される。
【0025】
CPU21にはレリーズボタン4が接続されている。レリーズボタン4は、半押しされるとオートフォーカス機能を作動させてレンズ3を移動させ、全押しされると予め設定されたシャッター速度で図示しないシャッターを開かせ、被写体像を撮像部25の撮像面25aに所定時間露光させて被写体の撮影を行わせる。また、カメラボディ2の背面にはCPU21に接続されているモニタ11が設けられている。モニタ11は、TFT(Thin Film Transistor)液晶などからなり、CPU21は、モニタ11に、撮像部25の撮像面25aで撮像される被写体像を構図を確認するためのスルー画として表示させる。また、モニタ11の表示領域に対して行われるタッチ操作は、CPU21に接続されたタッチパネル12によって検出される。タッチ操作が検出されると、タッチパネル12からタッチ操作検出信号が出力され、タッチ操作により入力される情報がCPU21に送出される。
【0026】
また、CPU21には、トリガーコイル31、Xe(キセノン)管32、およびSPD(シリコンフォトダイオード)33が接続されている。これらは撮影用照明装置であるストロボ発光部6を構成し、Xe管32は、被写体を照明する光源を構成する。トリガーコイル31はCPU21から発光信号を受信するとXe管32を発光させる。SPD33は、光の強さを電気信号に変換する受光素子であり、Xe管32の発光した光量を検出する。CPU21は、SPD33にてXe管32の発光量が適量になったことが検出された場合、Xe管32へ信号を出力してその発光を停止させる。
【0027】
図3(a)は、デジタルカメラ1のストロボ発光部6の水平断面、(b)はその側面図である。
【0028】
ストロボ発光部6は、ケース40の内部にトリガーコイル31およびXe管32を収容している。Xe管32の前部のケース40の前面にはプロテクタ41が設けられ、Xe管32の後部側面にはトリガーコイル31が設けられている。
【0029】
ケース40は、その左側面が、カメラボディ2の凹部2aの左壁面との間に設けられた円柱状の軸44aにより、カメラボディ2に軸支されている。軸44aは、ケース40の左側面に固定され、ケース40の回動により凹部2aの左壁面に開口した穴に対して摺動する。また、ケース40の右側面には、円柱状の軸44bが突出して一体に設けられており、軸44bは、カメラボディ2の凹部2aの右壁面の開口した穴と嵌合している軸44cにピン46で固定されている。軸44cは、ケース40の回動により凹部2aの右壁面に開口した穴に対して摺動する。ストロボ発光部6は、ケース40の両側面がこれらの軸44a、44b、44cによって支持体を構成するカメラボディ2に軸支されることで、それらの軸芯を回動中心にカメラボディ2に対して回動自在に支持されている。
【0030】
プロテクタ41は、透光性材質からなり、Xe管32から出射される出射光をケース40外へ透過させると共に、Xe管32をケース40内に保持して保護する。Xe管32により発光した光はプロテクタ41を通って被写体を照らす。プロテクタ41の端部にはライトガイド42の一端が接続されている。ライトガイド42は、光ファイバから成り、プロテクタ41に照射されるXe管32の出射光の一部を軸44aの回動中心を通ってケース40外へ伝達する。軸44aの回動中心上におけるケース40の外には、SPD33が軸44aに固定して設けられている。SPD33は、ライトガイド42を介して伝達されるXe管32の出射光の光量を検出する検出部を構成する。
【0031】
トリガーコイル31の両端にはCPU21と接続する同図(a)で不図示の2本のリード線が設けられており、トリガーコイル31とXe管32の間にはリード線43aが設けられている。ストロボ撮影を行う場合、レリーズボタン4が押され、CPU21から発光信号が出力されると、トリガーコイル31からリード線43aを介してXe管32に高圧が印加されてXe管32が発光する。なお、トリガーコイル31は、発光効率の問題からXe管32の傍に設置されている。また、Xe管32の両端部には、カメラボディ2内から軸44aを通って伸びる2本のリード線43b、43cが接続されており、このリード線43b、43cを介してXe管32を発光させるための電力が供給される。
【0032】
軸44aは、ケース40の左側面から見ると同図(b)に示すように円形状をしており、その回動中心には、ライトガイド42を通すための穴45aが1つ設けられている。なお、同図(b)では、SPD33の図示を省略してある。ライトガイド42を通すための穴45aの周りには、リード線43b、43cを通すための穴45b、45c、およびトリガーコイル31の両端に接続された2本のリード線43d、43eを通すための穴45dが設けられている。Xe管32のリード線43b、43cおよびトリガーコイル31のリード線43d、43eは、軸44aの回動中心を通るライトガイド42の周囲を通過している。CPU21は、SPD33により検出されたXe管32の発光量が適量と判断すると、リード線43b、43cを介するXe管32への電力供給を停止し、Xe管32の発光を停止させる。
【0033】
このような本実施形態によるデジタルカメラ1によれば、ストロボ発光部6が軸44a、44b、44cによってカメラボディ2に対して回動されることで、ケース40の一面に設けられた透光性材質からなるプロテクタ41を介してケース40外へ出射されるXe管32の出射光の向きが変えられ、Xe管32の出射光を直接に被写体に投射して撮影を行う通常のストロボ光直射撮影と、Xe管32の出射光を被写体とは異なる他の物体に投射して該物体からの反射光で被写体を照明するストロボ光バウンス撮影とが行われる。プロテクタ41を介してケース40外へ照射されるXe管32の出射光は、プロテクタ41からライトガイド42によって軸44aの回動中心を通ってケース40外へ伝達され、軸44aの回動中心上におけるケース40の外に設けられたSPD33によって光量が検出される。この際、Xe管32を収容するケース40を軸44a、44b、44cを中心に回動させても、ライトガイド42は、軸44aの回動中心を通ってケース40の外に引き出されているので、外力が加わって捻れたりすることがない。また、SPD33は軸44aの回動中心上におけるケース40外に設けられているため、Xe管32を収容するケース40を軸44a、44b、44cを中心に回動させても、ライトガイド42から出射される光は逸れることなく、SPD33に照射されて受光される。この結果、バウンス機能を有しながら、Xe管32の出射光の正確な光量の測定が可能な、SPD33がXe管32を収容するケース40の外に設けられて小型化されたストロボ発光部6が提供される。
【0034】
また、本実施形態によれば、軸44aがケース40に固定されているため、ケース40を軸44a、44b、44cを中心に回動させた場合、軸44a自体、および出射光を軸44aの回動中心を通ってストロボ発光部6外へ伝達するライトガイド42も、ケース40と共に回動する。このため、ライトガイド42と軸44aとが同じ動きをすることで、ライトガイド42が軸44aから外力を受けることがなく、軸44aがカメラボディ2に固定されてライトガイド42と軸44とが異なる動きをする場合に比べて、ライトガイド42は捻れにくくなる。この結果、ライトガイド42の捻れによる光検出精度の低下が発生しにくくなり、検出精度が向上して、より正確な光量の測定が可能になる。
【0035】
また、本実施形態によれば、SPD33が軸44に固定されているため、ケース40を軸44a、44b、44cを中心に回動させた場合、軸44aに固定されているSPD33もケース40と共に回動する。このため、軸44aの回動中心を通るライトガイド42とSPD33との相対位置が変わらなくなり、ライトガイド42がSPD33に対して偏位して、ライトガイド42から出射される光のSPD33による検出受光量が変化してしまうことが防げる。この結果、SPD33の光検出精度が維持されて、正確な光量測定が担保される。
【0036】
また、本実施形態によれば、Xe管32のリード線43b、43c、およびトリガーコイル31のリード線43d、43eが軸44aの回動中心を通るライトガイド42の周囲を通過するため、ケース40を軸44aを中心に回動させた場合でも、軸44aの回動中心を通るライトガイド42とライトガイド42の周囲を通過するリード線43b、43c、43d、43eとの接触が妨げられ、ライトガイド42とリード線43b、43c、43d、43eとが互いに絡まるのを防ぐことができる。この結果、ライトガイド42およびリード線43b、43c、43d、43eの捻れ等による光検出精度の低下が発生しにくくなり、正確な光量の測定が可能になる。
【0037】
また、本実施形態によれば、バウンス機能を有しながら、Xe管32の出射光の正確な光量の測定が可能な、小型化されたストロボ発光部6を内蔵したデジタルカメラ1が提供される。
【0038】
なお、本実施形態では、ライトガイド42は、プロテクタ41とは別体の光ファイバで設けられる構成であったが、ライトガイド42は、プロテクタ41の一部が軸44まで延出されて形成され、プロテクタ41に照射されるXe管32の出射光を軸44aの回動中心を通ってストロボ発光部6外へ伝達する構成にしてもよい。この構成によれば、プロテクタ41が、その一部が軸44aまで延出されて形成されてライトガイド42を兼ねることにより、ストロボ発光部6の構成部品が少なくなり、Xe管32を収容するストロボ発光部6内の構成が簡略化されて、ストロボ発光部6を安価に提供できる。
【0039】
また、本実施形態では、撮影用照明装置を構成するストロボ発光部6がデジタルカメラ1に内蔵されている構成であったが、撮影用照明装置は、デジタルカメラ1などに外付けされている単体の構成であってもよい。また、光源として閃光を発光するXe管32の代わりに連続光を発光するLED(発光ダイオード)等を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
上記実施形態においては、本発明の撮影用照明装置を備えた撮影装置を撮影レンズが一体化されたコンパクト型のデジタルカメラに適用した場合について説明したが、撮影レンズが交換可能な一眼レフ式のカメラや、フィルム式のいわゆる銀塩カメラ、動画像を撮影するビデオカメラ、携帯電話機等に内蔵されるカメラ等のその他の撮影装置、並びにスピードライト等の単体の撮影用照明装置にも適用することが可能である。このような撮影装置や撮影照明装置に本発明を適用した場合においても、上記実施形態と同様な作用効果が奏される。
【符号の説明】
【0041】
1…デジタルカメラ
2…カメラボディ
5…ストロボ発光部
21…CPU
31…トリガーコイル
32…Xe管
33…SPD
41…プロテクタ
42…ライトガイド
43a、43b、43c、43d、43e…リード線
44a、44b、44c…軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を照明する光源と、前記光源を収容するケースと、前記光源から出射される出射光を前記ケース外へ透過させると共に前記光源を前記ケース内に保持して保護する前記ケースの一面に設けられた透光性材質からなるプロテクタと、前記ケースを支持体に回動自在に支持する軸と、前記プロテクタに照射される前記光源の出射光を前記軸の回動中心を通って前記ケース外へ伝達するライトガイドと、前記軸の回動中心上における前記ケースの外に設けられて前記ライトガイドを介して伝達される前記光源の出射光の光量を検出する検出部とを備える撮影用照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影用照明装置において、
前記ライトガイドは、前記プロテクタの一部が前記軸まで延出されて形成されていることを特徴とする撮影用照明装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の撮影用照明装置において、
前記軸は、前記ケースに固定されていることを特徴とする撮影用照明装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮影用照明装置において、
前記検出部は、前記軸に固定されていることを特徴とする撮影用照明装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の撮影用照明装置において、
前記光源は、前記軸の回動中心を通る前記ライトガイドの周囲を通過するリード線を備えることを特徴とする撮影用照明装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の撮影用照明装置と、前記支持体を構成する筐体と、被写体を撮像する撮像手段とを備える撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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