説明

撮影装置、テレビ通話装置、および画像処理方法

【課題】テレビ通話装置のプライバシー保護機能を向上させる。
【解決手段】本発明は、通信ネットワーク4を介して外部装置と通信可能な通信部35を備えるテレビ電話システム1装置に用いられるカメラ2に関する。カメラ2は、撮影した撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、静止画像を表示させる固定データに置き換える機能を有するDSP25を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ通話装置に用いられる撮影装置に関し、より詳細には、プライバシーの保護機能および画質を向上させたテレビ通話装置を実現する撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、全世界におけるネットワーク環境の整備拡大に伴って、従来の電話回線に加えて、インターネット回線を用いたIP電話が普及している。このIP電話では、ユーザは、インターネット回線に接続されたPC(Personal Computer)、或いはLAN機能を内蔵した携帯電話機などを用いて、音声や画像信号をインターネットプロトコルで通信して会話を行う。
【0003】
このようなIP電話のなかで、特にスカイプ(skype)と呼ばれるサービスが世界中に広く普及しており、数億人の登録ユーザが存在している。スカイプを利用したIP電話は、当初は音声通話のみであったが、ネットワークの高速化や端末装置の高機能化に伴い、現在ではハイビジョン映像にも対応したテレビ通話が可能となっており、多くの人々によって利用されている。
【0004】
また、最近では、このスカイプに加えて他の通信機器会社やソフトウエア会社が同様のサービス事業に参入してきており、今後の更なる市場拡大が予想されている。
【0005】
ところで、このようなIP電話の利用には、PCを通信端末として用いるユーザが大多数を占めていた。しかしながら、PCでIP電話を利用する場合、下記に示すような手順が必要であり、操作が煩雑であった。
【0006】
すなわち、ユーザは、まず、PCに備えられたUSB入力端子を介して接続したカメラを画面上部に設置し、さらにオーディオ端子にマイクを接続した後、Windows(登録商標)などのOS上で通信ソフトを起動させる。これにより、ユーザがオンライン状態になったことがサービス提供会社の管理サーバに送信されると共に、他のユーザの通話可否情報を受信する。そして、ユーザは、通話を希望する相手がオンラインであることを通話可否情報で確認したうえで、発信操作を行う必要があった。
【0007】
以上の操作を経て、相手が通話を許可すれば両者のPCが接続され、カメラで撮影された画像とマイクに入力された音声とが、PCの演算装置で圧縮、符号化処理され、LAN接続されたインターネット回線を介して送受信されることで、テレビ通話を行っていた。
【0008】
このように、PCでIP電話を利用する方式では、操作の煩雑さやシステムの立ち上げに要する時間が長いという課題があったため、近年では、スマートフォンや家庭用デジタルテレビなどの機器を用いる方式への移行が進んでいる。
【0009】
これらの機器は、PCのような汎用性がない代わりに動作が軽く、PCの操作に不慣れなユーザでも比較的手軽に利用することができるという利点がある。特に最近では、映画やビデオのネット配信に対応した通信機能を有する大画面の薄型ネットテレビが製品化されて急速に普及しており、ネットテレビの大画面と通信機能とを利用したテレビ通話を行うユーザが増加している。
【0010】
また、テレビが通信機能を有していない場合のために、セットトップボックスやビデオレコーダに通信機能を内蔵して、これらの機器をテレビと組み合わせることでテレビ通話を実現する方式も実用化されている。この場合、テレビ自体が通信機能を有していなくても、カメラをセットトップボックスやレコーダなどに接続することで、テレビの画面に高画質の映像を表示させてテレビ通話を行うことができる。
【0011】
これらのテレビ通話システムによれば、ユーザの操作が容易になるだけでなく、PCや携帯電話機などではその画面サイズの制約から1対1に限られていた通話形態が、グループ対グループへと拡大することができ、さらに用途の広がりが期待される。
【0012】
例えば、多人数での同時会話が可能となるため、遠隔地を結んだ友人とのパーティや家族同士の会話が可能となる。また、離れた場所に住む祖父母に小さな孫の姿を大画面で見せるといったような用途が可能となる。
【0013】
このようにネットテレビを用いたテレビ通話は、誰でも簡単、且つ、便利に使用することができるが、以下に示すような問題もある。
【0014】
まず第1に、プライバシーの保護に関する問題がある。すなわち、ネットテレビを用いたテレビ通話では、携帯電話機やパソコンによるテレビ通話に比べて、画角の広いカメラが使用されるのが一般的である。このため、部屋の内部が広角で撮影されるような通話環境では、ユーザが見られたくない場所や物までがフレーム内に入って撮影されることが想定される。これを回避するためには、例えば、カメラの向きを変えることも考えられるが、この場合、ユーザが映像の中心からズレるため、カメラの向きに応じてユーザも場所を移動する必要があり、不便である。
【0015】
第2に、テレビ通話時の画質やフレームレートの低下が、ユーザに与える影響が大きいという問題がある。すなわち、ユーザが通信に利用するネットワーク回線の速度が低速なため、画質やフレームレートが低下した場合、従来のPCや携帯電話機のような小さな画面では問題とはならなかった画質などの低下が、40インチ程度の大型画面が主流のネットテレビを用いたテレビ通話では、ユーザに違和感を与えてしまい、快適なテレビ通話が困難となる。このような問題は、未だ1Mbps程度の低速な回線が使用されている先進国の一部の地域や新興国において特に顕著である。
【0016】
さらに、通信が混雑しているような場合には、通信速度がさらに低下するため、画質などの低下が大きくなり、快適なテレビ通話の実現はより困難なものとなる。
【0017】
なお、通信時の撮影データは、通常、H.264のような高度な圧縮処理がなされるが、ハイビジョンのような高解像度では、圧縮しても依然としてデータ量は膨大なものとなる。その対策として、回線状態をモニタリングし、転送速度が低い場合は、例えばVGAレベル以下まで解像度を落として画像の送信を行うという方式も実用化されている。しかしながら、この方法では、画像全体の解像度を下げてデータ量を小さくすることで、コマ落ちを防止して通信することはできるが、本来、高画質に表示したいユーザの表情などの画質も低下してしまう。
【0018】
したがって、ネットテレビを用いたテレビ通話では、画質を低下させることなく、如何に効率よくデータ量を減少させることができるかが重要となる。
【0019】
このようなテレビ通話に関連した技術が、特許文献1から3に開示されている。例えば、特許文献1には、撮影された主要被写体以外に対してモザイク処理を行うことで、ユーザのプライバシーを保護する技術が開示されている。
【0020】
また、特許文献2には、撮影された画像の画像サイズを小さく加工して不鮮明な画像にすることで、ユーザのプライバシーを保護する技術が開示されている。
【0021】
さらに、特許文献3には、被写体となるユーザが撮影可否判定装置を持ち、その撮影可否判定装置から発せられる許可信号を受信したときのみカメラによる撮影を行うことで、盗撮を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2009−284235号公報(2009年12月3日公開)
【特許文献2】特開2003−143566号公報(2003年5月16日公開)
【特許文献3】特開2006−041841号公報(2006年2月9日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、モザイク処理自体に時間を要し、さらに、モザイク処理された部分は、複雑な色および明るさの情報を有すると共に、時間的に変化する。このため、撮影データを送信する際の画像圧縮処理において、フレーム間の関係を用いるH.264といった圧縮技術を適用した場合、圧縮率が低下する。このため、特許文献1に開示された技術では、データ量を効率よく減少させることができない。
【0024】
また、特許文献2に開示された技術では、画像サイズを小さくすることで画像全体の解像度が低下するので、本来、高画質に表示したいユーザの表情などの画質も低下してしまう。
【0025】
さらに、特許文献3に開示された技術では、装置が複雑化すると共に、画像のデータ量を減少させることができない。
【0026】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、プライバシーの保護機能および通信時の画質などを向上させたテレビ通話装置を実現する撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明に係る撮影装置は、上記の課題を解決するために、通信ネットワークを介して外部装置と通信可能な通信部を備えるテレビ通話装置に用いられる撮影装置であって、撮影した撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、静止画像を表示させる固定データに置き換える機能を有する画像処理部を備えることを特徴としている。
【0028】
上記の構成では、撮影装置は、撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、固定データに置き換える機能を有する画像処理部を備えているため、例えば、ユーザが見られたくない物や場所が表示された領域を指定することで、当該領域のデータを固定データ置き換えた撮影データを生成することが可能となる。
【0029】
このため、この撮影装置を、通信ネットワークを介して外部装置と通信可能な通信部を備えるテレビなどの表示装置に接続することで、ユーザによって指定された領域のデータを固定データに置き換えた撮影データを、外部装置に送信させることが可能となる。
【0030】
したがって、本発明に係る撮影装置によれば、ユーザによって指定された領域が外部装置に送信されることがないため、ユーザのプライバシーの保護機能を向上させたテレビ通話装置を実現することができる。
【0031】
なお、固定データに置き換える領域は、ユーザが予め指定したものであってもよく、或いはユーザが撮影画像を観ながら適宜指定したものであってもよい。
【0032】
また、上記の構成の画像処理部では、ユーザによって指定された領域のデータを単に削除するのではなく、静止画像を表示させる固定データに置き換えるため、撮影データの画像サイズやアスペクト比を変えることなく、データ量を低下させることが可能となる。
【0033】
このため、撮影画像全体の解像度を低下させることなく、画像圧縮処理における撮影データの圧縮率を上げることができる。さらに、外部装置では常に定まった形状のデータが受信されるため、外部装置における画像処理の効率を向上させることができる。
【0034】
したがって、上記の構成によれば、通信時の画質やフレームレートを向上させたテレビ通話装置を実現することができる。
【0035】
以上のように、本発明に係る撮影装置によれば、プライバシーの保護機能および通信時の画質などを向上させたテレビ通話装置を実現する撮影装置を提供することができる。
【0036】
また、本発明に係る撮影装置では、上記固定データは、単色の画像を表示させる画像データであることが好ましい。
【0037】
上記の構成では、固定データは、単色の画像を表示させる画像データであるため、データ量を効率的に低下させて、撮影データの圧縮率を上げることができる。
【0038】
これにより、テレビ通話装置の通信時における画質やフレームレートをさらに向上させることができる。
【0039】
また、本発明に係る撮影装置では、外部から画像データの入力を受け付ける画像入力部をさらに備え、前記画像入力部に入力された画像データ、または前記画像処理部によって処理された撮影データの何れかを、前記通信部に出力することが好ましい。
【0040】
例えば、ユーザが写真などを見ながらテレビ通話を行う場合、写真を撮影装置で撮影して、当該写真を外部装置に表示させることが考えられる。しかしながら、この場合、写真が不鮮明になってしまい、外部装置に高画質の写真を表示させることができない。
【0041】
また、クラウドネットワークが発達した環境では、共通のサーバにその写真をアップロードして、別の通信端末で写真を表示させることも可能ではあるが、この場合、ユーザは2つの装置を同時に扱う必要があり操作が煩雑となる。
【0042】
そこで、上記の構成では、撮影装置は、外部から写真などの画像データの入力を受け付ける画像入力部をさらに備え、画像入力部に入力された画像データ、または画像処理部によって処理された撮影データの何れかを選択的に通信部に出力するため、撮影データに代えて、任意の画像データを外部装置に送信させることが可能となる。
【0043】
これにより、本発明に係る撮影装置によれば、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、外部装置に写真などの画像を高画質に表示させることができる。
【0044】
また、本発明に係る撮影装置では、前記画像入力部は、画像データを記録した記録媒体から、当該画像データを読み出す記録媒体読出部であることが好ましい。
【0045】
上記の構成では、画像入力部は、画像データを記録した記録媒体から、当該画像データを読み出す記録媒体読出部であるため、例えば、デジタルカメラなどで画像データの保存するために広く利用されているメモリカードなどから、画像データを読み出すことが可能となる。
【0046】
また、本発明に係る撮影装置では、前記画像入力部は、HDMI端子であることが好ましい。
【0047】
上記の構成によれば、画像入力部は、HDMI端子であるため、AV機器のインターフェイスとして広く利用されているHDMI端子を接続して、各種のAV機器から画像データを直接取得することができる。
【0048】
また、本発明に係る撮影装置では、撮影した撮影データに動く被写体が一定時間検出されないとき、撮影を停止することが好ましい。
【0049】
上記の構成では、撮影データに動く被写体が一定時間検出されないとき、撮影装置は撮影を停止するため、電源の切り忘れなどにより意図せず撮影された撮影データが、外部装置に送信されることなどを防止することができる。
【0050】
したがって、本発明に係る撮影装置によれば、テレビ通話装置のプライバシーの保護機能を向上させることができると共に、電源の切り忘れなどによる不要な電力消費を防止することができる。
【0051】
また、本発明に係る撮影装置では、被写体像を形成するためのレンズ部を備え、前記レンズ部は、装置本体の内部に格納可能であることが好ましい。
【0052】
また、本発明に係る撮影装置では、被写体像を形成するためのレンズ部と、前記レンズ部を遮蔽する遮蔽部材と、を備えることが好ましい。
【0053】
例えば、テレビ通話装置がコンピュータウイルスなどに感染した場合、撮影装置が自動で起動し、意図せず撮影された撮影データが外部装置に送信される可能性がある。
【0054】
上記の構成では、撮影装置は、被写体像を形成するためのレンズ部を格納または遮蔽して撮影することできない状態とするため、たとえ撮影装置が自動で起動した場合であっても、ユーザのプライバシーを保護することができる。
【0055】
したがって、本発明に係る撮影装置によれば、コンピュータウイルスを用いた盗撮などの脅威から、ユーザを保護することができる。また、外部装置と通信を行わないときは、レンズ部を外部から見えなくすることで、ユーザは安心して日常の生活を送ることができる。
【0056】
また、本発明に係る撮影装置では、前記レンズ部は、前記テレビ通話装置と前記外部装置との通信が終了したとき、前記装置本体の内部に格納されることが好ましい。
【0057】
また、本発明に係る撮影装置では、前記レンズ部は、前記テレビ通話装置と前記外部装置との通信が終了したとき、前記遮蔽部材によって遮蔽されることが好ましい。
【0058】
上記の構成では、テレビ通話装置と外部装置との通信が終了したとき、レンズ部は格納または遮蔽されるため、レンズ部の格納または遮蔽し忘れを防止することができる。
【0059】
したがって、本発明に係る撮影装置によれば、テレビ通話装置と外部装置とが通信を行わないときレンズ部は常に格納された状態または遮蔽された状態となるため、テレビ通話装置のプライバシーの保護機能を向上させることができる。
【0060】
また、本発明に係る撮影装置では、前記レンズ部が前記装置本体の内部に格納された格納状態は、手動でのみ解除可能であることが好ましい。
【0061】
前記レンズ部が前記遮蔽部材によって遮蔽された遮蔽状態は、手動でのみ解除可能であることが好ましい。
【0062】
上記の構成では、格納状態または遮蔽状態を解除するには、ユーザが手動で行う必要があるため、コンピュータウイルスなどが感染して撮影装置が自動で起動した場合であっても、レンズ部は格納状態または遮蔽状態を維持することができる。
【0063】
したがって、本発明に係る撮影装置によれば、コンピュータウイルスなどの感染によって撮影装置が自動で起動した場合であっても、ユーザのプライバシーを確実に保護することができる。
【0064】
また、本発明に係る撮影装置では、ユーザの音声を入力するための音声入力部を備え、前記音声入力部は、前記レンズ部が前記装置本体の内部に格納されているとき、当該音声入力部の駆動を制御する音声入力部駆動回路との接続が電気的に切断された状態となることが好ましい。
【0065】
また、本発明に係る撮影装置では、ユーザの音声が入力される音声入力部を備え、前記音声入力部は、前記レンズ部が前記遮蔽部材によって遮蔽されているとき、当該音声入力部の駆動を制御する音声入力部駆動回路との接続が電気的に切断された状態となることが好ましい。
【0066】
上記の構成では、レンズ部が格納または遮蔽されているとき、音声入力部と音声入力部駆動回路との接続が電気的に切断された状態となるため、音声入力部は完全に停止状態となる。
【0067】
したがって、本発明に係る撮影装置によれば、盗聴などによる音声データの流出を防止することができる。
【0068】
本発明に係るテレビ通話装置は、上記の課題を解決するために、通信ネットワークを介して外部装置と通信可能な通信部を備えるテレビ通話装置であって、ユーザを撮影する撮影装置と、前記撮影装置によって撮影された撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、静止画像を表示させる固定データに置き換える機能を有する画像処理部と、を備えることを特徴としている。
【0069】
本発明に係る画像処理方法は、上記の課題を解決するために、通信ネットワークを介して外部装置と通信可能な通信部を備えるテレビ通話装置に用いられる画像処理方法であって、ユーザを撮影する撮影ステップと、前記撮影ステップにて撮影された撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、静止画像を表示させる固定データに置き換える画像処理ステップと、を含むことを特徴としている。
【0070】
上記の構成では、テレビ通話装置は、撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、固定データに置き換える機能を有する画像処理部を備えているため、例えば、ユーザが見られたくない物や場所が表示された領域を指定することで、当該領域のデータを固定データに置き換えた撮影データを生成することが可能となる。
【0071】
したがって、本発明に係るテレビ通話装置によれば、ユーザによって指定された領域の画像が外部装置で表示されるがないため、ユーザのプライバシーの保護機能を向上させることができる。
【0072】
また、上記の構成の画像処理部では、ユーザによって指定された領域のデータを単に削除するのではなく、静止画像を表示させる固定データに置き換えるため、撮影データの画像サイズやアスペクト比を変えることなく、データ量を低下させることが可能となる。
【0073】
このため、撮影画像全体の解像度を低下させることなく、画像圧縮処理における撮影データの圧縮率を上げることができる。さらに、外部装置では常に定まった形状のデータが受信されるため、外部装置における画像処理の効率を向上させることができる。
【0074】
したがって、本発明に係るテレビ通話装置によれば、通信時の画質やフレームレートを向上させることができる。
【0075】
以上のように、本発明に係るテレビ通話装置によれば、プライバシーの保護機能および通信時の画質などを向上させたテレビ通話装置を実現することができる。
【0076】
また、本発明に係るテレビ通話装置では、上記固定データは、単色の画像を表示させる画像データであることが好ましい。
【0077】
上記の構成では、固定データは、単色の画像を表示させる画像データであるため、データ量を効率的に低下させて、撮影データの圧縮率を上げることができる。
【0078】
これにより、テレビ通話装置の通信時における画質やフレームレートをさらに向上させることができる。
【0079】
また、本発明に係るテレビ通話装置では、前記画像処理部は、前記撮影装置に配設されていることが好ましい。
【0080】
一般的なテレビなどの表示装置の処理能力では、映像表示以外の画像処理は大きな負荷となる。
【0081】
そこで、画像処理部が撮影装置に配設される構成、すなわち、ユーザによって指定された領域のデータを、固定データに置き換える処理を撮影装置で行う構成とすることにより、表示装置の処理負担を軽減することができる。
【0082】
したがって、本発明に係るテレビ通話装置によれば、一般的な処理能力を有する表示装置を用いて、プライバシーの保護機能および通信時の画質などを向上させたテレビ通話装置を実現することができる。
【0083】
また、本発明に係るテレビ通話装置では、セットトップボックスまたはレコーダをさらに備え、前記通信部は、前記セットトップボックスまたは前記ビデオレコーダに配設されていることが好ましい。
【0084】
上記の構成では、通信部がセットトップボックスまたはビデオレコーダに配設されるため、表示装置自体が通信機能を有する必要がない。
【0085】
したがって、本発明に係るテレビ通話装置によれば、通信機能を有しない表示装置を用いて、プライバシーの保護機能および通信時の画質などを向上させたテレビ通話装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0086】
以上のように、本発明に係る撮影装置は、通信ネットワークを介して外部装置と通信可能な通信部を備えるテレビ通話装置に用いられる撮影装置であって、撮影した撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、静止画像を表示させる固定データに置き換える機能を有する画像処理部を備える。
【0087】
また、本発明に係るテレビ通話装置は、上記の課題を解決するために、通信ネットワークを介して外部装置と通信可能な通信部を備えるテレビ通話装置であって、ユーザを撮影するための撮影装置と、前記撮影装置によって撮影された撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、静止画像を表示させる固定データに置き換える機能を有する画像処理部と、を備える。
【0088】
それゆえ、本発明に係る撮影装置によれば、プライバシーの保護機能および通信時の画質などを向上させたテレビ通話装置を実現する撮影装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係るカメラを備えるテレビ電話システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるカメラの外観構成を示す正面図であり、(a)は撮影状態を示しており、(b)はレンズ21を格納した状態を示している。
【図3】図2(a)(b)に示されるカメラの変形例を示す正面図である。
【図4】図1に示されるテレビ電話システムの基本的な処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図1に示されるカメラによる撮影を自動的に停止させる処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図1に示されるテレビ電話システムの変形例の概略構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示されるテレビ電話システムの他の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
本発明の一実施形態について、図1から図7に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態では、本発明に係る撮影装置を、外部装置と通信可能なテレビに適用したテレビ電話システムについて説明する。
【0091】
(1)テレビ電話システムの構成
本実施形態に係るテレビ電話システムの構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るテレビ電話システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0092】
図1に示されるように、テレビ電話システム(テレビ通話装置)1は、カメラ2と、テレビ3とを備えている。
【0093】
カメラ(撮影装置)2は、ユーザなどの被写体を撮影するための映像入力デバイスである。カメラ2は、テレビ3の上部に取り付けられ、ユーザを所定の画角で撮影する。カメラ2は、例えば、デジタルビデオカメラなどで実現される。
【0094】
テレビ3は、映像を表示してユーザに提示する映像表示デバイスであり、通信ネットワーク4を介して外部装置と通信する機能を有している。テレビ3は、例えば、通信機能を有する液晶テレビまたはプラズマテレビなどで実現される。
【0095】
(2)カメラの構成
図1に示されるように、カメラ2は、レンズ21と、イメージセンサ22と、音声入力部23と、画像入力部24と、DSP25と、接続部26とを備えている。
【0096】
(2−1)レンズ
レンズ(レンズ部)21は、被写体像を形成する撮影光学系であり、被写体からの光を、イメージセンサ22に結像する。レンズ21は、その外周部分がレンズバレル(不図示)によって保持されている。
【0097】
また、カメラ2は、レンズ21を格納または遮蔽する機構を備えている。なお、カメラ2におけるレンズ21を格納または遮蔽する動作の詳細については後述する。
【0098】
(2−2)イメージセンサ
イメージセンサ22は、レンズ21が形成した被写体像を電気信号に変換する、光電変換デバイスである。イメージセンサ22としては、例えば、CCD(charge-coupled device)イメージセンサ、CMOS(complementary metal-oxide semiconductor)イメージセンサ、VMISイメージセンサ(Threshold Voltage Modulation Image Sensor)などを用いることができる。
【0099】
イメージセンサ22は、レンズ21が形成した被写体像を電気信号に変換して、DSP25に出力する。
【0100】
(2−3)音声入力部
音声入力部23は、ユーザの通話音声を入力するためのマイクロフォンなどの音声入力デバイスである。音声入力部23は、入力された音声を電気信号に変換して、DSP25に出力する。
【0101】
(2−4)画像入力部
画像入力部24は、外部から画像データの入力を受け付ける画像入力デバイスである。例えば、ユーザが写真などを見ながらテレビ通話を行う場合、写真をカメラ2で撮影して、当該写真を外部装置に表示させることが考えられる。しかしながら、この場合、写真が不鮮明になってしまい、外部装置に高画質の写真を表示させることができない。
【0102】
また、クラウドネットワークが発達した環境では、共通のサーバにその写真をアップロードして、別の通信端末で写真を表示させることも可能ではあるが、この場合、ユーザは2つの装置を同時に扱う必要があり操作が煩雑となる。
【0103】
そこで、カメラ2が外部から写真などの画像データの入力を受け付ける画像入力部24を備え、画像入力部24から入力された画像データを、カメラ2によって撮影された撮影データに代えて外部装置に送信することで、ユーザに煩雑な操作を強いることなく、外部装置に高画質の写真を表示させることができる。
【0104】
画像入力部24は、例えば、JPEGなどのフォーマットで記録されたが写真などの画像データが書き込まれたメモリカード(記録媒体)を挿入するメモリカードスロット(記録媒体読出部)などで実現される。これにより、カメラ2は、デジタルカメラなどで画像データを保存するために広く利用されているSDカードを挿入して、画像入力部24を介して写真などの画像データを受け付けることができる。
【0105】
また、画像入力部24は、HDMI端子であってもよい。これにより、デジタルカメラなどのAV機器から直接画像データの入力を受け付けることができる。
【0106】
(2−5)DSP
DSP(Digital Signal Processor)25は、イメージセンサ22から出力された撮影データ、および音声入力部23から出力された音声データに所定の処理を施す信号処理デバイスである。
【0107】
DSP25は、画像処理部としての機能を有しており、イメージセンサ22から出力された撮影データを取得したとき、当該撮影データに所定の画像処理を施してテレビ3に出力する。
【0108】
例えば、DSP25は、テレビ3からの制御信号に応じて、撮影データのうち、ユーザによって指定された領域(以下、指定領域と称する)のデータを固定データに置き換える画像処理(以下、置換処理と称する)を行う機能を有する。
【0109】
具体的には、DSP25は、テレビ3から出力された制御信号を取得したとき、制御信号で示される指定領域のデータを固定データに置き換えた撮影データを生成し、置換処理後の撮影データをテレビ3に出力する。
【0110】
ここで、本実施形態のようにテレビ3を利用したテレビ電話システム1では、PCや携帯電話機とは異なり、ユーザはテレビ3のディスプレイ31から2〜3m以上離れた位置で通話することが一般的である。このため、レンズ21には、通常、画角が60度程度の広角のものが使用されるので、カメラ2によって撮影された撮影データには、ユーザが見られたくない物や場所が含まれる蓋然性が高い。
【0111】
そこで、DSP25を備えることにより、ユーザが見られたくない物や場所が含まれる撮影データの領域を指定することで、指定領域のデータを固定データに置き換えた撮影データを生成することが可能となる。
【0112】
さらに、DSP25は、指定領域を単に削除するのではなく固定データに置き換えるため、撮影データの画像サイズやアスペクト比を変えることなく、データ量を低下させることが可能となる。
【0113】
なお、指定領域は、ユーザが予め指定したものであってもよく、或いは、ユーザがテレビ3のディスプレイ31に表示された撮影画像を観ながら、適宜指定したものであってもよい。この指定領域の指定には、例えば、ディスプレイ31に表示された撮影画像を、リモコンのカーソルキーやポインティングデバイスなどを用いてディスプレイ31に表示された指定マークを動かし、固定データに置き換えたい領域を選択指定すればよい。
【0114】
また、固定データは、静止画像を表示させる画像データであって、指定領域のデータに比べて相対的にデータ量が小さいデータであることが好ましい。固定データには、例えば、青色などの単色画像データを好適に用いることができる。なお、固定データは、カメラ2が備えるメモリ(不図示)に予め記憶されており、ユーザは、固定データを適宜選択して変更することができる。
【0115】
さらに、DSP25は、音声処理部としての機能を有しており、音声入力部23から音声データを取得したとき、取得した音声データに対して、エコー、ハウリング、およびノイズなどを取り除く処理を行う。
【0116】
上述のとおり、テレビ電話システム1では、ユーザはテレビ3のディスプレイ31から2〜3m以上離れているため、カメラ2は、通常、複数の音声入力部23を内蔵している。また、テレビ3の音声出力部32から出力される通話相手の音声が音声入力部23に入力される場合もある。
【0117】
このため、DSP25は、音声入力部23から出力された音声データに対して、エコー、ハウリング、およびノイズなどを取り除く処理を行い、処理後の音声データをテレビ3に出力する。
【0118】
なお、本実施形態に係るテレビ電話システム1のように、DSP25をカメラ2が備えることにより、テレビ3の処理負担を軽減することが可能となる。これにより、一般的な処理能力を有するテレビ3を用いて、テレビ電話システム1を実現することができる。
【0119】
(2−6)接続部
接続部26は、カメラ2とテレビ3との間で電気信号を入出力する接続デバイスである。接続部26は、テレビ3が備える接続部36と接続されており、カメラ2は、接続部26を介して、電気信号に変換した撮影データおよび音声データをテレビ3に出力する。
【0120】
(3)テレビの構成
図1に示されるように、テレビ3は、ディスプレイ31と、音声出力部32と、メモリ33と、制御部34と、通信部35と、接続部36とを備えている。
【0121】
(3−1)ディスプレイ
ディスプレイ31は、映像を出力する映像出力デバイスである。ディスプレイ31は、テレビ通話が行われている間、通信ネットワーク4を介して外部装置から受信した通話相手の画像をメイン画面に表示する。また、ディスプレイ31は、カメラ2で撮影されたユーザ自身の画像をサブ画面に表示する。ディスプレイ31は、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどで実現される。
【0122】
(3−2)音声出力部
音声出力部32は、通話音声および動画再生音声を出力するためのスピーカなどの音声出力デバイスである。音声出力部32は、通信ネットワーク4を介して外部装置から受信した通話相手の音声を出力する。
【0123】
(3−3)メモリ
メモリ33は、ユーザが予め指定した指定領域を記憶するための記録媒体である。このように、指定領域を予めメモリ33に記録させておくことで、ユーザは、テレビ通話の度に、指定領域を指定する必要がなくなるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0124】
(3−4)制御部
制御部34は、テレビ電話システム1の各部の動作を制御する制御デバイスである。
【0125】
具体的には、制御部34は、通信ネットワーク4を介して外部装置から通話相手の画像を受信したとき、受信した画像をディスプレイ31のメイン画面に表示させる。また、制御部34は、カメラ2から出力された撮影データを取得したとき、撮影画像をディスプレイ31のサブ画面に表示させる。
【0126】
また、制御部34は、ユーザが指定領域を指定したとき、指定領域のデータを固定データに置き換える制御指示を生成して、生成した制御指示をDSP25に出力する。或いは、制御部34は、ユーザがメモリ33に予め記憶された指定領域の使用を指示したとき、メモリ33から指定領域を読み出し、読み出した指定領域のデータを固定データに置き換える制御指示を生成して、DSP25に出力する。
【0127】
さらに、制御部34は、DSP25から出力された置換処理後の撮影データを取得したとき、取得した置換処理後の撮影データをディスプレイ31のサブ画面に表示させる。
【0128】
また、制御部34は、DSP25から出力された置換処理後の撮影データを取得したとき、取得した置換処理後の撮影データに対して画像圧縮処理を行う。そして、制御部34は、画像圧縮処理した撮影データと、音声入力部23から出力された音声データとを関連づけて、通信部35を介して外部装置に送信する。
【0129】
このように、置換処理後の撮影データを外部装置に送信することにより、例えば、ユーザが見られたくない物や場所が表示された領域のデータを、固定データに置き換えた撮影データを外部装置に送信することが可能となり、当該領域の画像が外部装置に表示されることはない。したがって、ユーザのプライバシーの保護を図ることができる。
【0130】
また、上述のとおり、DSP25は、ユーザによって指定された領域のデータを単に削除するのではなく、固定データに置き換えるため、撮影データの画像サイズやアスペクト比を変えることなく、データ量を低下させることが可能となる。
【0131】
このため、制御部34は、撮影画像全体の解像度を低下させることなく、画像圧縮処理における撮影データの圧縮率を上げることができる。さらに、外部装置では常に定まった形状のデータが受信されるため、外部装置における画像処理の効率を向上させることができる。
【0132】
(3−5)通信部
通信部35は、通信ネットワーク4を介して、外部装置と通信可能な通信デバイスである。通信ネットワーク4は、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網などで実現される。
【0133】
(3−6)接続部
接続部36は、カメラ2とテレビ3との間で電気信号を入出力する接続デバイスである。接続部36は、カメラ2が備える接続部26と接続されており、テレビ3は、接続部36を介して制御信号などをカメラ2に出力する。
【0134】
なお、本実施形態に係るテレビ電話システム1では、カメラ2とテレビ3とを異なる部材で構成しているが、例えば、カメラ2とテレビ3とは単一の部材で構成してもよい。
【0135】
(4)カメラの動作
次に、カメラ2の動作について、図2および図3を参照して説明する。
【0136】
図2は、本実施形態に係るカメラ2の外観構成を示す正面図であり、(a)は撮影状態を示しており、(b)はレンズ21を格納した状態を示している。図2(a)(b)に示されるように、カメラ2のでは、レンズ21がカメラ2の筐体(装置本体)27の内部に格納可能なように構成されている。
【0137】
ここで、テレビ電話システム1がコンピュータウイルスなどに感染した場合、カメラ2が自動で起動し、意図せず撮影された撮影データが外部装置に送信される可能性がある。
【0138】
そこで、テレビ電話システム1を使用しないときは、レンズ21を筐体27の内部に格納しておくことで、たとえカメラ2が自動で起動した場合であっても、ユーザのプライバシーを保護することができる。
【0139】
これにより、コンピュータウイルスを用いた盗撮などの脅威から、ユーザを保護することができる。また、テレビ電話システム1を使用しないときは、レンズ21を外部から見えなくすることで、ユーザは安心して日常の生活を送ることができる。
【0140】
なお、カメラ2は、レンズ21を筐体27の内部に格納する構成に限られず、例えば、レンズ21を遮蔽する構成であってもよい。
【0141】
図3は、図2に示されるカメラ2の変形例を示す正面図である。図3に示されるように、カメラ2は、レンズ21を遮蔽する遮蔽部材28を備え、テレビ電話システム1を使用しないときは、レンズ21を遮蔽部材28で遮蔽しておく構成であってもよい。
【0142】
これにより、簡略な構成で、コンピュータウイルスを用いた盗撮などの脅威から、ユーザを保護することができる。
【0143】
なお、テレビ電話システム1では、テレビ通話が終了したとき、レンズ21は自動的に格納または遮蔽されることが好ましい。これにより、レンズ21の格納または遮蔽し忘れを防止することができる。
【0144】
また、テレビ電話システム1では、レンズ21が筐体27の内部に格納された格納状態、またはレンズ21が遮蔽部材28に遮蔽された遮蔽状態は、ユーザが手動でのみ解除可能であることが好ましい。例えば、モータなどを用いてレンズ21を自動的に格納する場合であっても、レンズ21を筐体27の外部に出すときは手動で行うようにすれば、ユーザが解除しない限り、カメラ2による撮影は行われない。
【0145】
このため、コンピュータウイルスなどが感染してカメラ2が自動で起動した場合であっても、レンズ21の格納状態または遮蔽状態を維持することができるため、ユーザのプライバシーを確実に保護することができる。
【0146】
さらに、テレビ電話システム1では、レンズ21が格納または遮蔽されているとき、音声入力部23と、音声入力部23の駆動を制御する音声入力部駆動回路(不図示)との接続が電気的に切断された状態となることが好ましい。これにより、レンズ21が格納または遮蔽されているときは、音声入力部23は完全に停止状態となるため、盗聴などによる音声データの流出を防止することができる。
【0147】
なお、音声入力部23と音声入力部駆動回路との接続を電気的に切断する機構は、特に限定されず、例えば、金属による接触スイッチなどを音声入力部23と音声入力部制御回との接続に用いた機構などを用いることができる。
【0148】
また、テレビ電話システム1では、撮影した撮影データに動く被写体が一定時間検出されないとき、カメラ2による撮影を自動的に停止させることが好ましい。例えば、撮影データ中に動いている物体が一定時間検出されないとき、カメラ2による撮影を停止することで、電源の切り忘れなどにより、意図せず撮影された撮影データが外部装置に送信されることを防止することができる。
【0149】
これにより、ユーザのプライバシーの保護を図ることができると共に、電源の切り忘れなどによる不要な電力消費を防止することができる。なお、カメラ2による撮影を自動的に停止させる処理の詳細については後述する。
【0150】
(5)テレビ電話システムの操作
次に、本実施形態に係るテレビ電話システム1の基本的な操作方法について説明する。テレビ電話システム1は、以下に示す操作で、テレビ通話の発信および受信を行うことができる。
【0151】
(5−1)発信時の操作
まず、テレビ電話システム1から外部装置にテレビ電話を発信する場合、ユーザは、テレビ3に電源が入った状態でリモコンなどを用いて通信ソフトを起動させる。
【0152】
次に、ディスプレイ31のメイン画面に電話帳が表示されるので、ユーザは、発信先の外部装置がオンラインであることを通話可否情報で確認する。また、ディスプレイ31のサブ画面にカメラ2から出力された撮影画像が表示されるので、ユーザは、リモコンのカーソルキーやポインティングデバイスなどを用いてディスプレイ31に表示された指定マークを動かし、必要に応じて、指定領域を指定する。このとき、ユーザは、メモリ33に予め記憶された指定領域の使用を指示してもよい。そして、通話相手がオンラインであれば、リモコンの発信ボタンを押下する。
【0153】
通話相手がテレビ通話に応答すると、ディスプレイ31のメイン画面に通話相手の画像が表示され、これにより、テレビ通話を行うことができる。
【0154】
テレビ通話が終われば、ユーザがリモコンで終話ボタンを押下することで、テレビ電話システム1と外部装置との通信を終了する。
【0155】
(5−2)受信時の操作
一方、外部装置からのテレビ電話をテレビ電話システム1で受信する場合、ディスプレイ31に発信者の情報と共に、受信中であることを示す通知画面が絵や文字でインポーズされて表示される。
【0156】
ユーザは発信者を確認のうえ、テレビ通話に応答する場合は、ディスプレイ31のサブ画面に表示されたカメラ2による撮影画像を観ながら、必要に応じて指定領域を指定する。このとき、ユーザは、メモリ33に予め記憶された指定領域の使用を指示してもよい。
【0157】
そして、ユーザが、リモコンで通話ボタンを押下すると、ディスプレイ31のメイン画面に通話相手の画像が表示され、これにより、テレビ通話を行うことができる。
【0158】
テレビ通話が終われば、ユーザがリモコンで終話ボタンを押下することで、テレビ電話システム1と外部装置との通信を終了する。
【0159】
(6)テレビ電話システムの処理
次に、本実施形態に係るテレビ電話システム1の処理について、図4および図5を参照して説明する。
【0160】
(6−1)処理例1
まず、置換処理を施した撮影データを、外部装置に送信するときのテレビ電話システム1の基本的な処理について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るテレビ電話システム1の基本的な処理の流れを示すフローチャートである。
【0161】
図4に示されるように、テレビ通話を開始するとき、制御部34は、カメラ2から出力された撮影データをディスプレイ31に表示させる(S1)。
【0162】
次に、制御部34は、ユーザによって指定領域が指定された否かを判定する(S2)。ユーザが指定領域を指定した場合(S2でYES)、制御部34は指定された指定領域のデータを固定データに置き換える制御指示を生成して、DSP25に出力する。また、ユーザがメモリ33に予め記憶された指定領域の使用を指示した場合、制御部34は、メモリ33から指示領域を読み出して、読み出した指示領域のデータを固定データに置き換える制御指示を生成して、DSP25に出力する。
【0163】
そして、DSP25は、制御部34から出力された制御信号を取得したとき、当該制御指示に示される指定領域のデータを、固定データに置き換えた撮影データを生成し(S3)、置換処理後の撮影データを制御部34に出力する。
【0164】
次に、制御部34は、DSP25から出力された置換処理後の撮影データを取得したとき、取得した置換処理後の撮影データをディスプレイ31のサブ画面に表示させる。
【0165】
また、制御部34は、DSP25から出力された置換処理後の撮影データを取得したとき、取得した置換処理後の撮影データに対して画像圧縮処理を行う。そして、制御部34は、画像圧縮処理した撮影データと、音声入力部23から出力された音声データとを関連づけて、通信部35を介して外部装置に送信する(S4)。
【0166】
(6−2)処理例2
次に、カメラ2による撮影を自動的に停止させる処理について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態にカメラ2による撮影を自動的に停止させる処理の流れを示すフローチャートである。
【0167】
図5に示されるように、制御部34は、カメラ2による撮影開始後、撮影データに動く物体(被写体)が検出されたか否かを判定する(S11)。具体的には、制御部34は、カメラ2によって撮影された撮影データに動く物体(被写体)が検出されたか否かを、フレーム差分法を用いて判定する。撮影データに動く物体が検出された場合(S11でYES)、制御部34は、当該物体がテレビ通話中のユーザであると判断し、撮影を継続する。
【0168】
一方、撮影データに動く物体が検出されなかった場合(S11でNO)、制御部34は、動く物体が検出されるまでの時間のカウントを開始する(S12)。
【0169】
次に、制御部34は、カウント中の撮影データに動く物体が検出されたか否かを判定する(S13)。カウント中の撮影データに動く物体が検出された場合(S13でYES)、制御部34は、ユーザがテレビ通話中であると判断し、撮影を継続してS11に戻る。
【0170】
一方、カウント中の撮影データに動く物体が検出されなかった場合(S13でNO)、制御部34は、ユーザがテレビ通話を終了したと判断し、カウント開始から一定時間(例えば、10分)経過後、カメラ2による撮影を停止させる(S14)。
【0171】
このように、撮影データに動く物体が一定時間検出されないとき、カメラ2による撮影を停止させることにより、ユーザのプライバシーの保護を図ることができると共に、電源の切り忘れなどによる不要な電力消費を低減することができる。
【0172】
なお、カウント時間は、セキュリティリスクに応じて、ユーザが適宜設定することが可能である。
【0173】
(7)総括
以上のように、本実施形態に係るカメラ2は、通信ネットワーク4を介して外部装置と通信可能な通信部35を備えるテレビ電話システム1に用いられるカメラ2であって、カメラ2は、撮影した撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、静止画像を表示させる固定データに置き換える機能を有するDSP25を備えている。
【0174】
このため、このカメラ2を、通信ネットワークを介して外部装置と通信可能な通信部35を備えるテレビ3に接続することで、ユーザによって指定された領域のデータを固定データに置き換えた撮影データを外部装置に送信させることが可能なテレビ電話システム1を実現することができる。
【0175】
したがって、カメラ2によれば、指定領域の画像が外部装置に表示されることがないため、ユーザのプライバシーの保護機能を向上させたテレビ電話システム1を実現することができる。
【0176】
また、DSP25は、指定領域のデータを単に削除するのではなく、静止画像を表示させる固定データに置き換えるため、撮影データの画像サイズやアスペクト比を変えることなく、データ量を低下させることが可能となる。
【0177】
このため、撮影画像全体の解像度を低下させることなく、画像圧縮処理における撮影データの圧縮率を上げることができる。さらに、外部装置では常に定まった形状のデータが受信されるため、外部装置における画像処理の効率を向上させることができる。
【0178】
したがって、カメラ2によれば、通信時の画質やフレームレートを向上させたテレビ電話システム1を実現することができる。
【0179】
それゆえ、本実施形態によれば、プライバシーの保護機能および通信時の画質などを向上させたテレビ電話システム1を実現するカメラ2を提供することができる。
【0180】
(8)変形例
(8−1)変形例1
上述の実施形態では、カメラ2がDSP25を備える構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、テレビ3の制御部34がDSP25の機能を備える構成であってもよい。
【0181】
図6は、本実施形態に係るテレビ電話システム1の変形例の概略構成を示すブロック図である。図6に示されるように、テレビ電話システム1aは、カメラ2aがDSP25を備えておらず、テレビ3が備える制御部34aがDSP25の機能を有する点で本実施形態に係るテレビ電話システム1と異なる。
【0182】
このように、DSP25の機能をテレビ3の制御部34aが有する構成とすることにより、カメラ2の処理負担を軽減して、カメラ2の構成を簡略化することができる。
【0183】
(8−2)変形例2
また、上述の実施形態では、テレビ電話システム1は、テレビ3が通信ネットワーク4を介して外部装置と通信可能な通信部35を備える構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。テレビ3に通信機能を有しない場合、例えば、通信機能を有するセットトップボックスまたはビデオレコーダをさらに備えた構成であってもよい。
【0184】
図7は、本実施形態に係るテレビ電話システム1の他の変形例を示す正面図である。図7に示されるように、テレビ電話システム1bは、カメラ2と、テレビ3bと、DVDレコーダ5とを備えている。DVDレコーダ5には、カメラ2とテレビ3bとがそれぞれ接続されている。
【0185】
DVDレコーダ(ビデオレコーダ)5は、映像を録画する映像記録デバイスである。DVDレコーダ5は、通信部35(不図示)を備えており、通信ネットワーク4を介して外部装置と通信する機能を有している。なお、映像記録デバイスとしては、DVDレコーダ5のほか、例えば、ブルーレイレコーダ、或いはHDDレコーダなどを用いてもよい。
【0186】
このように、テレビ3以外の機器が通信部35を備える構成とすることにより、通信機能を有しないテレビ3bを用いてテレビ電話システム1bを実現することができる。
【0187】
(8−3)変形例3
また、上述の実施形態では、テレビ3がテレビ電話システム1の各部の動作を制御する制御部34を備え、制御部34がカメラ2の各部の動作も制御する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、カメラ2が、カメラ2の各部の動作を制御するカメラ制御部を別途備える構成であってもよい。
【0188】
カメラ2が、カメラ制御部を備えることより、テレビ3の制御部34の処理負担を軽減することができるため、一般的な処理能力を有するテレビ3を用いて、テレビ電話システム1を実現することができる。
【0189】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0190】
(9)補足
なお、本発明に係る撮影装置(カメラ)は、以下のように表現することも可能である。
【0191】
すなわち、本発明に係る撮影装置は、イメージセンサ、マイク、およびインターフェイスを内蔵し、外部ネットワークに接続されているネットワーク機能内蔵テレビに該インターフェイスを介して接続して、入力された画像データおよび音声データをテレビ内で演算処理したあと、ネットワークを介して同等の機器をもつ通話相手とビデオ通話を行うための撮影装置において、写真などの画像データを入力できるインターフェイスをもち、撮影された画像に代えて入力された画像データを出力できることを特徴としている。
【0192】
また、本発明に係る撮影装置は、入力インターフェイスがメモリカードなどの記録媒体であることを特徴としている。
【0193】
また、本発明に係る撮影装置は、入力インターフェイスがHDMI端子であることを特徴としている。
【0194】
また、本発明に係る撮影装置は、画像処理を行い一定時間画角内に動いている物体がいないと撮影を停止することを特徴としている。
【0195】
また、本発明に係る撮影装置は、機械的に可動する構造を持ち、使用しないときにはレンズ部が格納されるか、或いは遮蔽されて撮影ができないことを特徴としている。
【0196】
また、本発明に係る撮影装置は、通話が終わればレンズ部が自動的に格納されるか、或いは遮蔽されて撮影ができないことを特徴としている。
【0197】
また、本発明に係る撮影装置は、通話を行う時にはレンズ部を手動でのみ格納状態あるいは遮蔽状態から撮影可能状態に変更できることを特徴としている。
【0198】
また、本発明に係る撮影装置は、レンズ部が格納されるか、或いは遮蔽されているときにマイクも音声入力回路部と機械的に切断されていることを特徴としている。
【0199】
また、本発明に係るテレビ通話装置は、以下に示すように表現することも可能である。
【0200】
すなわち、本発明に係るテレビ(ビデオ)通話装置は、イメージセンサ、マイク、およびインターフェイスを内蔵したカメラを、外部ネットワークに接続されているネットワーク機能内蔵テレビに該インターフェイスを介して接続し、カメラから入力された画像データおよび音声データをテレビ内で通信データに処理したあとネットワークを介して送信し、同等の機器をもつ通話相手とテレビ通話を行システムにおいて、撮影した画像の指定された領域を画像処理して固定データに置換して送信することを特徴としている。
【0201】
また、本発明に係るテレビ通話装置は、撮影した画像の指定された領域を画像処理して固定データに置換する処理を、カメラ内に内蔵されたDSPで行うことを特徴としている。
【0202】
また、本発明に係るテレビ通話装置は、カメラが接続される装置がネットワーク機能内蔵テレビではなく、ネットワーク機能をもたないテレビに接続されたセットトップボックス、或いはネットワーク機能内蔵レコーダであることを特徴としている。
【産業上の利用可能性】
【0203】
本発明に係る撮影装置は、テレビ通話機能を有する通信装置、例えば、テレビ、モニタ、デジタルサイネージ、タブレット端末、携帯電話機などに好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0204】
1 テレビ電話システム(テレビ通話装置)
1a テレビ電話システム(テレビ通話装置)
1b テレビ電話システム(テレビ通話装置)
2 カメラ(撮影装置)
2a カメラ(撮影装置)
4 通信ネットワーク
5 DVDレコーダ(ビデオレコーダ)
21 レンズ(レンズ部)
23 音声入力部
24 画像入力部(記録媒体読出部・HDMI端子)
25 DSP
26 接続部
27 筐体(装置本体)
28 遮蔽部材
34・34a 制御部
35 通信部
36 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して外部装置と通信可能な通信部を備えるテレビ通話装置に用いられる撮影装置であって、
撮影した撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、静止画像を表示させる固定データに置き換える機能を有する画像処理部を備えることを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
上記固定データは、単色の画像を表示させる画像データであることを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
外部から画像データの入力を受け付ける画像入力部をさらに備え、
前記画像入力部に入力された画像データ、または前記画像処理部によって処理された撮影データの何れかを、前記通信部に出力することを特徴とする請求項1または2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記画像入力部は、画像データを記録した記録媒体から、当該画像データを読み出す記録媒体読出部であることを特徴とする請求項3に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記画像入力部は、HDMI端子であることを特徴とする請求項3に記載の撮影装置。
【請求項6】
撮影した撮影データに動く被写体が一定時間検出されないとき、撮影を停止することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の撮影装置。
【請求項7】
被写体像を形成するためのレンズ部を備え、
前記レンズ部は、装置本体の内部に格納可能であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の撮影装置。
【請求項8】
前記レンズ部は、前記テレビ通話装置と前記外部装置との通信が終了したとき、前記装置本体の内部に格納されることを特徴とする請求項7に記載の撮影装置。
【請求項9】
前記レンズ部が前記装置本体の内部に格納された格納状態は、手動でのみ解除可能であることを特徴とする請求項7または8に記載の撮影装置。
【請求項10】
ユーザの音声を入力するための音声入力部を備え、
前記音声入力部は、前記レンズ部が前記装置本体の内部に格納されているとき、当該音声入力部の駆動を制御する音声入力部駆動回路との接続が電気的に切断された状態となることを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の撮影装置。
【請求項11】
被写体像を形成するためのレンズ部と、
前記レンズ部を遮蔽する遮蔽部材と、
を備えることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の撮影装置。
【請求項12】
前記レンズ部は、前記テレビ通話装置と前記外部装置との通信が終了したとき、前記遮蔽部材によって遮蔽されることを特徴とする請求項11に記載の撮影装置。
【請求項13】
前記レンズ部が前記遮蔽部材によって遮蔽された遮蔽状態は、手動でのみ解除可能であることを特徴とする請求項11または12に記載の撮影装置。
【請求項14】
ユーザの音声を入力が入力される音声入力部を備え、
前記音声入力部は、前記レンズ部が前記遮蔽部材によって遮蔽されているとき、当該音声入力部を駆動させる音声入力部駆動回路との接続が電気的に切断された状態となることを特徴とする請求項11から13の何れか1項に記載の撮影装置。
【請求項15】
通信ネットワークを介して外部装置と通信可能な通信部を備えるテレビ通話装置であって、
ユーザを撮影する撮影装置と、
前記撮影装置によって撮影された撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、静止画像を表示させる固定データに置き換える機能を有する画像処理部と、
を備えることを特徴とするテレビ通話装置。
【請求項16】
上記固定データは、単色の画像を表示させる画像データであることを特徴とする請求項15に記載のテレビ通話装置。
【請求項17】
前記画像処理部は、前記撮影装置に配設されていることを特徴とする請求項15または16に記載のテレビ通話装置。
【請求項18】
セットトップボックスまたはビデオレコーダをさらに備え、
前記通信部は、前記セットトップボックスまたは前記ビデオレコーダに配設されていることを特徴とする請求項15から17の何れか1項に記載のテレビ通話装置。
【請求項19】
通信ネットワークを介して外部装置と通信可能な通信部を備えるテレビ通話装置に用いられる画像処理方法であって、
ユーザを撮影する撮影ステップと、
前記撮影ステップにて撮影された撮影データのうち、ユーザによって指定された領域のデータを、静止画像を表示させる固定データに置き換える画像処理ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−227624(P2012−227624A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91536(P2011−91536)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】