説明

撮影装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体

【課題】 撮影を依頼された側を混乱させることなく撮影を依頼する側の意図を明確に伝えるために、撮影画像の撮影参考モデル形成において、撮影を依頼する側が煩雑な手続きを行うことなく、撮影画像の撮影参考モデルを形成するためのオブジェクト抽出方法を最適に選択することができる撮影装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】 撮影装置100は、元々撮影装置100に備えられた撮影画像の風景を撮影参考モデルとする風景モードがユーザによって設定されているか否かを判別し、風景モードが設定されていないときは、ピント合致オブジェクト抽出モードを選択し、風景モードが設定されているときは、ヒトオブジェクト除去オブジェクト抽出モードを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体に関し、特に、撮影操作の支援に係る撮影装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、観光地で、友人や仲間、家族等の全員が写った記念集合写真を撮る際に三脚がない場合には、その場に居合わせた第三者に撮影装置を渡して撮影操作を依頼することが多い。その場合、撮影を依頼された側の感覚や撮影技術等が撮影を依頼する側のものと必ずしも同じではなく、撮影を依頼する側の意図が反映されない場合がある。この問題を解消すべく以下の技術が提案されている。
【0003】
まず、第1の従来技術では、撮影を依頼する側が、意図した構図の写真を得るために仮撮影と本撮影を連続して行い、仮撮影の時点で、モニタに表示された画像(以下、「スルー画像」という)を構図合わせ用の基準画像(撮影参考モデル)として一時記憶し、仮撮影後に、逐次変化するスルー画像に基準画像を半透明にして合成し、合成画像をスルー画像に代えてモニタに表示すると共に、シャッタが半押しされた時点で画像上に撮影が可能である旨を知らせる撮影指示メッセージを表示して、全押しされた時点で通常の撮影処理を行い撮影画像を記録する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
次に、第2の従来技術では、撮影を依頼する側が、意図した構図の写真である第1の画像の構図及びパースを保存すべくフレーミングモードを選択すると、画像エディタは第1の画像の構図及びパースから第2の画像を形作る少なくとも1本の輪郭線(オブジェクト)を抽出し、撮影を依頼された側は、抽出されたガイド(透明)画像(撮影参考モデル)を案内として用いることにより第2の画像を撮影する(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、撮影を依頼する側が意図した構図の写真からオブジェクトを抽出する方法としては、画素結合方法、4分木法、ヒストグラム法、クラスタリング法及びモデルマッチング法などが提案され(例えば、特許文献3参照)、具体的には、直線を抽出する直線抽出方法(例えば、特許文献4参照)、人物を抽出するヒトオブジェクト抽出方法(例えば、特許文献5参照)等がある。
【特許文献1】特開2003−333379号公報
【特許文献2】特開2005−51776号公報
【特許文献3】特開平11−25271号公報
【特許文献4】特開平6−314339号公報
【特許文献5】特開2005−117530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、撮影を依頼する側の意図する写真の構図情報が過度に提供されて撮影を依頼された側を混乱させ、撮影を依頼する側の意図を明確に伝えることができないという問題がある。また、撮影画像の撮影参考モデルの形成において、撮影装置による撮影画像の撮影参考モデルを形成するためのオブジェクト抽出方法を最適に選択することができずに必要な構図情報を得ることができない場合や、撮影を依頼する側がオブジェクト抽出方法を最適に選択するにしてもその都度選択していたのでは使い勝手が悪くなるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、撮影を依頼された側を混乱させることなく撮影を依頼する側の意図を明確に伝えるために、撮影画像の撮影参考モデル形成において、撮影を依頼する側が煩雑な手続きを行うことなく、撮影画像の撮影参考モデルを形成するためのオブジェクト抽出方法を最適に選択することができる撮影装置及び方法、並びにプログラム及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の撮影装置は、撮影画像の撮影モードを所定の撮影モードに設定する設定手段と、所定の抽出方法で前記撮影画像の構図を抽出する撮影画像構図抽出手段と、前記抽出された撮影画像の構図から前記撮影画像の撮影参考画像を形成する撮影参考画像形成手段とを備える撮影装置において、前記設定された撮影モードに基づいて前記所定の抽出方法を決定する決定手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項6記載の撮影方法は、撮影画像の撮影モードを所定の撮影モードに設定する設定ステップと、所定の抽出方法で前記撮影画像の構図を抽出する撮影画像構図抽出ステップと、前記抽出された撮影画像の構図から前記撮影画像の撮影参考画像を形成する撮影参考画像形成ステップとを備える撮影方法において、前記設定された撮影モードに基づいて前記所定の抽出方法を決定する決定ステップを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項11記載の撮影プログラムは、撮影画像の撮影モードを所定の撮影モードに設定する設定モジュールと、所定の抽出方法で前記撮影画像の構図を抽出する撮影画像構図抽出モジュールと、前記抽出された撮影画像の構図から前記撮影画像の撮影参考画像を形成する撮影参考画像形成モジュールと、前記設定された撮影モードに基づいて前記所定の抽出方法を決定する決定モジュールとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
請求項12記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、請求項11記載の撮影プログラムを格納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮影画像の撮影モードを所定の撮影モードに設定し、所定の抽出方法で抽出された撮影画像の構図から撮影画像の撮影参考画像を形成する際に、設定された撮影モードに基づいて所定の抽出方法を決定するので、撮影を依頼された側を混乱させることなく撮影を依頼する側の意図を明確に伝えるための撮影画像の撮影参考モデル形成において、撮影を依頼する側が煩雑な手続きを行うことなく、撮影画像の撮影参考モデルを形成するためのオブジェクト抽出方法を最適に選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る撮影装置の構成を概略的に示す図である。
【0015】
図1において、撮影装置100は、レンズ系101及びレンズ駆動機構102と、露出制御機構103と、フィルタ機構104と、CCD撮像素子105とを順に備え、さらに、CCD撮像素子107に接続されたプリプロセス回路107と、プリプロセス回路107に接続されたディジタルプロセス回路108と、ディジタルプロセス回路108に接続されたLDC画像表示系111及びメモリカードインターフェース109と、CCD撮像素子105に接続されたCCDドライバ106と、レンズ駆動機構102に接続されたレンズドライバ116と、レンズドライバ116、CCDドライバ106,プルプロセス回路107、及びディジタルプロセス回路108に夫々接続された制御装置112とを備える。メモリカードインターフェース109には、メモリカード110が装着される。
【0016】
撮影装置100は、さらに、制御装置112に接続された操作スイッチ系113、操作表示系114、及び露出制御ドライバ117を備え、加えて、露出制御ドライバ117に接続されたストロボ115を備える。
【0017】
制御装置112は、ROM118を内蔵しており、このROM118は、後述する図2のソフトウェアを記憶している。これらのソフトウェアは制御装置112により実行される。
【0018】
図2は、図1におけるROM118に記憶されたソフトウェアの構成を概略的に示す図である。
【0019】
図2において、ROM118は、フォーカス処理部201と、オブジェクト抽出モード選択部202と、オブジェクト抽出モード設定部203と、フォーカスエリア記憶部204と、長さ閾値設定部205と、撮影参考モデル保存データベース206と、撮影参考モデル選択部207と、撮影参考モデル記憶部208と、ヒトオブジェクト抽出部209とを備え、さらに、これらに接続されたコア部210を備える。
【0020】
図3は、図1における撮影装置100によって実行される撮影参考モデルを用いた撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【0021】
図3において、まず、後述する図5の撮影参考モデル形成処理(撮影参考画像形成手段)を実行して、撮影参考モデルを形成し(図4(A))(ステップS301)、ユーザが形成された撮影参考モデルを採用することを決定すると(ステップS302でYES)、撮影参考モデルとスルー画像を合成して表示し(図4(B))(ステップS303)、ユーザによってシャッタが半押しされたか否かを判別し(ステップS304)、シャッタが半押しされたときは、スルー画像表示に切り替えるか又は撮影指示メッセージを表示して、ユーザに撮影の用意が整ったことを知らせ(ステップS305)、ユーザによってシャッタが全押しされたか否かを判別する(ステップS306)。
【0022】
ステップS306の判別の結果、ユーザによってシャッタが全押しされたときは、ユーザによって設定されたAF位置/AE値で撮影を行って、撮影した画像を記録し(ステップS307)、本処理を終了する。
【0023】
ステップS304の判別の結果、ユーザによってシャッタが半押しされていないとき、又は、ステップS306の判別の結果、ユーザによってシャッタが全押しされていないときは、ステップS303以降の処理を繰り返す。
【0024】
図3の撮影処理によれば、撮影参考モデル形成処理により形成された(ステップS301)撮影参考モデルとスルー画像とを合成して表示するので(ステップS303)、撮影を依頼された側を混乱させることなく撮影を依頼する側の意図を明確に伝えることができる。
【0025】
図5は、図3のステップS301の撮影参考モデル形成処理の手順を示すフローチャートである。
【0026】
図5において、まず、オブジェクト抽出モードの選択を自動とさせるか手動とさせるかに関するユーザの選択において、選択されたオブジェクト抽出モードの選択が自動選択か手動選択かを判別し(ステップS501)、自動選択のときは、後述する図6のオブジェクト抽出モード自動選択処理を実行して、オブジェクト抽出モードを選択し(ステップS502)、手動選択のときは、後述する図7のオブジェクト抽出モード手動選択処理を実行して、ユーザによってオブジェクト抽出モードを選択し(ステップS503)、後述するステップS504の処理に進む。
【0027】
続くステップS504では、上記選択した又はユーザによって選択したオブジェクト抽出モードを設定し、次いで、ユーザによってシャッタが半押しされたか否かを判別し(ステップS505)、シャッタが半押しされたときは、フォーカス処理を実行して、x―y座標系においてフォーカスエリア((x,y),(x,y))をフォーカスエリア記憶部204に保存して(ステップS506)、後述する図8のオブジェクト抽出処理(撮影画像構図抽出手段)を実行して、設定したオブジェクト抽出モードで抽出された撮影画像のオブジェクトから撮影画像の撮影参考モデルを形成して表示する(ステップS508)。この表示は、撮影参考モデルのみを表示してもよく、撮影画像と合成して表示してもよい。
【0028】
続くステップS509では、ユーザによってシャッタが全押しされたか否かを判別し、シャッタが全押しされたときは、撮影参考モデルを撮影参考モデル記憶部208に保存し(ステップS510)、本処理を終了する。
【0029】
ステップS505の判別の結果、ユーザによってシャッタが半押しされていないとき、又は、ステップS509の判別の結果、ユーザによってシャッタが全押しされていないときは、ステップS501以降の処理を繰り返す。
【0030】
図5の撮影参考モデル形成処理によれば、オブジェクト抽出モード自動選択処理(図6)により選択したオブジェクト抽出モードを設定した上で(ステップS504)、オブジェクト抽出処理(図8)を実行して(ステップS507)、設定したオブジェクト抽出モードで抽出された撮影画像のオブジェクトから撮影画像の撮影参考モデルを形成して表示する(ステップS508)ので、撮影画像の撮影参考モデル形成において、撮影を依頼する側が煩雑な手続きを行うことなく、撮影画像の撮影参考モデルを形成するためのオブジェクト抽出方法を最適に選択することができる。
【0031】
図6は、図5のステップS502のオブジェクト抽出モード自動選択処理の手順を示すフローチャートである。
【0032】
図6において、元々撮影装置100に備えられた撮影画像の風景を撮影参考モデルとする風景モードがユーザによって設定されているか否かを判別し(設定手段)(ステップS601)、風景モードが設定されていないときは(ステップS601でNO)、ピント合致オブジェクト抽出モード(ピント合致構図抽出方法)を選択し(決定手段)(ステップS602)、風景モードが設定されているときは(ステップS601でYES)、ヒトオブジェクト除去オブジェクト抽出モード(人物構図除去抽出方法)を選択し(決定手段)(ステップS603)、本処理を終了する。
【0033】
また、図6では風景モードとしたが、ポートレートモード、マクロモード等のモードでもよく、その場合、ステップS601による判別は逆転する。
【0034】
図6のオブジェクト抽出モード自動選択処理によれば、ユーザによる元々備えられた風景モードの設定によって(ステップS601)、オブジェクト抽出モードを選択する(ステップS602,603)ので、撮影画像の撮影参考モデル形成において、撮影を依頼する側が煩雑な手続きを行うことなく、撮影画像の撮影参考モデルを形成するためのオブジェクト抽出方法を最適に選択することができる。
【0035】
図7は、図5のステップS503のオブジェクト抽出モード手動選択処理の手順を示すフローチャートである。
【0036】
図7において、ユーザによってオブジェクト抽出モードが選択され(ステップS701)、ピント合致オブジェクト抽出が選択されたときは、ピント合致オブジェクト抽出モードを選択し(ステップS702)、直線オブジェクト抽出が選択されたときは、直線オブジェクト抽出モードを選択し(ステップS703)、ヒトオブジェクト抽出が選択されたときは、ヒトオブジェクト抽出モードを選択し(ステップS704)、ヒトオブジェクト除去オブジェクト抽出が選択されたときは、ヒトオブジェクト除去オブジェクト抽出モードを選択し(ステップS705)、本処理を終了する。
【0037】
図7のオブジェクト抽出モード手動選択処理によれば、ユーザによってオブジェクト抽出モードを選択する(ステップS702〜S705)ので、撮影画像の撮影参考モデルを形成するためのオブジェクト抽出方法を最適に選択することができる。
【0038】
図8は、図5のステップS507のオブジェクト抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【0039】
図8において、ステップS504によって設定されたオブジェクト抽出モードの種類を判別し(ステップS801)、ピント合致オブジェクト抽出モードのときは、後述する図9のピント合致オブジェクト抽出処理を実行し(ステップS802)、直線オブジェクト抽出モードのときは、後述する図10の直線オブジェクト抽出処理を実行し(ステップS803)、ヒトオブジェクト抽出モードのときは、後述する図11のヒトオブジェクト抽出処理を実行し(ステップS804)、ヒトオブジェクト除去オブジェクト抽出モードのときは、後述する図12のヒトオブジェクト除去オブジェクト抽出処理を実行し(ステップS805)、本処理を終了する。
【0040】
図8のオブジェクト抽出処理によれば、設定したオブジェクト抽出モードによって対応するオブジェクト抽出処理を実行する(ステップS802〜S805)ので、撮影画像の撮影参考モデルを形成するためのオブジェクト抽出を最適に実行することができる。
【0041】
図9は、図8のステップS802のピント合致オブジェクト抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【0042】
図9において、フォーカスエリア記憶部204からフォーカスエリアを読み込み(ステップS901)、撮影画像(図13)からオブジェクトを抽出し(図14)(ステップS902)、フォーカスエリアと重なるオブジェクトを抽出し、抽出したオブジェクトをピント合致オブジェクトとする(図15)(ステップS903)。この場合、フォーカスエリアと重なるオブジェクトが複数あるときは、重なった面積が最大のものを抽出する。
【0043】
続くステップS904では、抽出したピント合致オブジェクトのエッジを検出し、検出したエッジから撮影参考モデルを形成して(図15)、本処理を終了する。
【0044】
図9のピント合致オブジェクト抽出処理によれば、撮影画像(図13)からオブジェクトを抽出し(図14)(ステップS902)、フォーカスエリアと重なるオブジェクトを抽出し、抽出したオブジェクトをピント合致オブジェクトとする(図15)(ステップS903)ので、図16のような撮影画像(図13)の背景が変化している場合においても(図16)、撮影を依頼された側を混乱させることなく撮影を依頼する側の意図を明確に伝えることができる。
【0045】
また、定点撮影の場合、時間経過や日数経過等による背景の変化などがあっても、ピント合致オブジェクト抽出処理を用いれば、一定時間経過後や別の日に撮影する場合も混乱することなく、撮影することができる。
【0046】
図10は、図8のステップS803の直線オブジェクト抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【0047】
図10において、撮影画像(図17)から直線オブジェクトを検出し(ステップS1001)、検出した直線オブジェクトが単数であるか否かを判別し(ステップS1002)、単数であるときは、その直線オブジェクトを抽出し(ステップS1005)、後述するステップS1006の処理に進む。
【0048】
ステップS1002の判別の結果、検出した直線オブジェクトが単数でないときは、各直線オブジェクトの長さを算出し(ステップS1003)、ユーザによって予め設定された長さ閾値(図19)より長い直線オブジェクトを抽出し(図18)(ステップS1004)、後述するステップS1006の処理に進む。
【0049】
続くステップS1006では、抽出した直線オブジェクトのエッジを検出し、検出したエッジから撮影参考モデルを形成し、本処理を終了する。
【0050】
図11は、図8のステップS804のヒトオブジェクト抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【0051】
図11において、ROM118からヒトオブジェクトパターンを参照し(ステップS1101)、撮影画像(図20)からオブジェクトを検出し、参照したヒトオブジェクトパターンと検出したオブジェクトとのパターンマッチングを行い(ステップS1102)、パターンマッチングしたオブジェクトをヒトオブジェクトとして抽出し(ステップS1103)、抽出したヒトオブジェクトのエッジを検出し、検出したエッジから撮影参考モデルを形成し(図21)(ステップS1104)、本処理を終了する。
【0052】
図12は、図8のステップS805のヒトオブジェクト除去オブジェクト抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【0053】
図12において、撮影画像(図22)からオブジェクトを抽出し(ステップS1201)、ROM118からヒトオブジェクトパターンを参照し(ステップS1202)、撮影画像(図22)からオブジェクトを検出して、参照したヒトオブジェクトパターンと検出したオブジェクトとのパターンマッチングを行い(ステップS1203)、パターンマッチングしたオブジェクトをヒトオブジェクトとして抽出し(ステップS1204)、抽出したオブジェクトから抽出したヒトオブジェクトを除去して、ヒトオブジェクト除去オブジェクトを抽出し(図23)(ステップS1205)、抽出したヒトオブジェクト除去オブジェクトのエッジを検出し、検出したエッジから撮影参考モデルを形成し(図23)(ステップS1206)、本処理を終了する。
【0054】
図12のヒトオブジェクト除去オブジェクト抽出処理によれば、撮影画像(図22)からオブジェクトを抽出する(ステップS1201)と共に、パターンマッチングしたオブジェクトをヒトオブジェクトとして抽出し(ステップS1204)、抽出したオブジェクトから抽出したヒトオブジェクトを除去して、ヒトオブジェクト除去オブジェクトを抽出するので(図23)(ステップS1205)、撮影を依頼された側を混乱させることなく撮影を依頼する側の意図を明確に伝えることができる。
【0055】
また、本発明の目的は、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0056】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0057】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。又は、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0058】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0059】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る撮影装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1におけるROMに記憶されたソフトウェアの構成を概略的に示す図である。
【図3】図1における撮影装置によって実行される撮影参考モデルを用いた撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】(A)は図3のステップS301の撮影参考モデル形成処理によって形成された撮影参考モデルを示す図であり、(B)は図3のステップS303の撮影参考モデルとスルー画像の合成表示を説明する図である。
【図5】図3のステップS301の撮影参考モデル形成処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS502のオブジェクト抽出モード自動選択処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図5のステップS503のオブジェクト抽出モード手動選択処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図5のステップS507のオブジェクト抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS802のピント合致オブジェクト抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図8のステップS803の直線オブジェクト抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図8のステップS804のヒトオブジェクト抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図8のステップS805のヒトオブジェクト除去オブジェクト抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】図9のピント合致オブジェクト抽出処理が実行される撮影画像を示す図である。
【図14】図9のステップS902で抽出されたオブジェクトを示す図である。
【図15】図9のステップS903で抽出されたピント合致オブジェクトを示す図である。
【図16】図13における撮影画像の背景が変化している場合を示す図である。
【図17】図10の直線オブジェクト抽出処理が実行される撮影画像を示す図である。
【図18】図10のステップS1004で抽出された長さ閾値より長い直線オブジェクトを示す図である。
【図19】図10のステップS1004の長さ閾値の設定画面を示す図である。
【図20】図11のヒトオブジェクト抽出処理が実行される撮影画像を示す図である。
【図21】図11のステップS1103で抽出されたヒトオブジェクトを示す図である。
【図22】図12のヒトオブジェクト除去オブジェクト抽出処理が実行される撮影画像を示す図である。
【図23】図12のステップS1205で抽出されたヒトオブジェクト除去オブジェクトを示す図である。
【符号の説明】
【0061】
100 撮影装置
111 LCD画像表示系
112 制御装置
113 操作スイッチ系
118 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影画像の撮影モードを所定の撮影モードに設定する設定手段と、
所定の抽出方法で前記撮影画像の構図を抽出する撮影画像構図抽出手段と、
前記抽出された撮影画像の構図から前記撮影画像の撮影参考画像を形成する撮影参考画像形成手段とを備える撮影装置において、
前記設定された撮影モードに基づいて前記所定の抽出方法を決定する決定手段を備えることを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記所定の撮影モードは、風景モード、ポートレートモード、マクロモードのいずれか1つであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記所定の撮影モードが風景モードであるときは、前記所定の抽出方法は人物構図除去抽出方法であることを特徴とする請求項1又は2記載の撮影装置。
【請求項4】
前記所定の撮影モードがポートレートモード及びマクロモードのいずれか一方であるときは、前記所定の抽出方法はピント合致構図抽出方法であることを特徴とする請求項1又は2記載の撮影装置。
【請求項5】
前記撮影参考画像形成手段は、前記抽出された撮影画像の構図からエッジを抽出し、当該抽出されたエッジに基づいて前記撮影参考画像を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項6】
撮影画像の撮影モードを所定の撮影モードに設定する設定ステップと、
所定の抽出方法で前記撮影画像の構図を抽出する撮影画像構図抽出ステップと、
前記抽出された撮影画像の構図から前記撮影画像の撮影参考画像を形成する撮影参考画像形成ステップとを備える撮影方法において、
前記設定された撮影モードに基づいて前記所定の抽出方法を決定する決定ステップを備えることを特徴とする撮影方法。
【請求項7】
前記所定の撮影モードは、風景モード、ポートレートモード、マクロモードのいずれか1つであることを特徴とする請求項6記載の撮影方法。
【請求項8】
前記所定の撮影モードが風景モードであるときは、前記所定の抽出方法は人物構図除去抽出方法であることを特徴とする請求項6又は7記載の撮影方法。
【請求項9】
前記所定の撮影モードがポートレートモード及びマクロモードのいずれか一方であるときは、前記所定の抽出方法はピント合致構図抽出方法であることを特徴とする請求項6又は7記載の撮影方法。
【請求項10】
前記撮影参考画像形成ステップは、前記抽出された撮影画像の構図からエッジを抽出し、当該抽出されたエッジに基づいて前記撮影参考画像を形成することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の撮影方法。
【請求項11】
撮影画像の撮影モードを所定の撮影モードに設定する設定モジュールと、
所定の抽出方法で前記撮影画像の構図を抽出する撮影画像構図抽出モジュールと、
前記抽出された撮影画像の構図から前記撮影画像の撮影参考画像を形成する撮影参考画像形成モジュールと、
前記設定された撮影モードに基づいて前記所定の抽出方法を決定する決定モジュールとをコンピュータに実行させることを特徴とする撮影プログラム。
【請求項12】
請求項11記載の撮影プログラムを格納していることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−13734(P2007−13734A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193097(P2005−193097)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】