説明

撮影装置及び画像送信システム

【課題】画像データを高い確率で自動送信を行えるようにする。
【解決手段】タイマー部で時間カウントし、時間TでシステムIC部が起動、無線通信部から信号を送信し、周囲の無線環境を調査して無線通信可能な装置を検索し、画像データの自動送信先として予め登録されたPCが無線通信可能であると判定すると、メモリカードから自動送信済みラベルが付されていない画像データを読み出し送信する。無線送信が成功すると、送信完了した画像データを消去する設定であるか否かを判定し、送信済みのラベルを付与するように設定されている場合には自動送信が完了した画像データに自動送信済みのラベルを付与して電源オフ処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置及び画像送信システムに係り、特に、撮影した画像データを無線送信する撮影装置及び該撮影装置を用いた画像送信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラなどの撮影装置では、撮影した画像データをパーソナルコンピュータで印刷したり、アルバム編集したりするために、ユーザは、撮影装置とパーソナルコンピュータとを所定のインタフェースにより接続して、画像データを撮影装置からパーソナルコンピュータに転送している。
【0003】
このとき、インタフェースによって接続する作業負担がかかるため、この作業負担をなくすために、撮影の終了後、及び電源をオンオフしたタイミングで、無線手段により特定のPC又はサーバ等に画像データを自動伝送する画像自動伝送デジタルカメラが知られている(特許文献1、特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−10188
【特許文献2】特開2002−84448
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1及び特許文献2に記載の画像自動伝送デジタルカメラでは、デジタルカメラを使用している最中又は、使用する直前直後に画像データを伝送するため、画像データを伝送するタイミングにおいて、周辺に伝送先のPCやサーバが存在しない場合が多く、画像データが伝送される可能性が低い、という問題がある。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、画像データの自動送信を高い確率で実現することにより、ユーザの利便性を向上させることができる撮影装置及び画像送信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る撮影装置は、被写体を撮影して被写体画像を示す画像データを出力する撮影手段と、前記撮影手段から出力された画像データを記憶する記憶手段と、画像データを無線送信するための無線送信手段と、バックアップ電源を備え、電源がオフにされてから所定時間経過後に電源をオンさせる電源制御手段と、前記電源制御手段によって電源がオンされたとき、前記記憶手段に記憶され、かつ、前記無線送信手段によって無線送信されていない画像データを無線送信するように前記無線送信手段を制御すると共に、前記無線送信終了後に電源をオフする送信制御手段とを含んで構成されている。
【0007】
本発明に係る撮影装置によれば、撮影手段によって、被写体を撮影して被写体画像を示す画像データを出力し、出力された画像データを記憶手段に記憶する。そして、撮影装置の電源がオフされると、バックアップ電源から電源を供給された電源制御手段によって、電源がオフにされてから所定時間経過後に撮影装置の電源をオンさせる。
【0008】
そして、電源制御手段によって電源がオンされたとき、送信制御手段によって、記憶手段に記憶され、かつ、無線送信手段によって無線送信されていない画像データを無線送信するように無線送信手段を制御して、無線送信手段によって無線送信されていない画像データを無線送信し、また、送信制御手段によって、無線送信終了後に電源をオフする。
【0009】
従って、電源がオフにされてから所定時間経過後に撮影装置の電源をオンさせ、画像データを無線送信するようにすることにより、撮影装置が使用されておらず、撮影装置の周辺に送信先のPCやサーバが存在する可能性が高い状況において、画像データを無線送信するため、画像データの自動送信を高い確率で実現でき、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0010】
本発明に係る送信制御手段は、電源制御手段によって電源がオンされたとき、周囲から無線通信が可能な情報処理装置を検索して、画像データの無線送信が可能であるか否かを判定し、無線送信が可能であると判定されたときに、画像データを無線送信するように無線送信手段を制御することができる。これにより、無線送信が可能な状況においてのみ、画像データの無線送信を行うようにし、無駄な動作を防止することができる。
【0011】
また、本発明に係る撮影装置は、記憶手段に記憶された画像データの中に、無線送信手段によって無線送信されていない画像データがないとき、電源制御手段によって電源をオンさせないように制御する電源オン禁止手段を更に含むことができる。これにより、無線送信すべき画像データがないとき、電源をオンしないため、無駄な電力消費を防ぐことができる。
【0012】
また、本発明に係る撮影装置は、電源制御手段によって電源をオンされた回数を記憶する回数記憶手段と、回数記憶手段に記憶された回数が所定回数以上になると、所定時間を長くするように変更する変更手段とを更に含むことができる。これにより、無線送信が不可能な状況において、何回も電源をオンにさせて無駄に電力消費することを抑止できる。
【0013】
本発明に係る画像送信システムは、上述した撮影装置と、電源がオフされてから予め定められた第1の時間経過後に、電源をオンさせ、前記電源をオンさせてから予め定められた第2の時間経過後に、電源をオフさせるオンオフ電源制御手段、及び前記撮影装置から前記画像データを無線受信する無線受信手段を備えた情報処理装置とを含んで構成されている。
【0014】
本発明に係る画像送信システムによれば、撮影装置の電源がオフされると、バックアップ電源から電源を供給された電源制御手段によって、電源がオフにされてから所定時間経過後に撮影装置の電源をオンさせる、
また、情報処理装置では、オンオフ電源制御手段によって、情報処理装置の電源がオフされてから予め定められた第1の時間経過後に、情報処理装置の電源をオンさせ、電源をオンさせてから予め定められた第2の時間経過後に、電源をオフさせる。
【0015】
ここで、撮影装置と情報処理装置とがともに電源オンされている場合には、撮影装置における送信制御手段によって、記憶手段に記憶され、かつ、無線送信手段によって無線送信されていない画像データを無線送信するように無線送信手段を制御して、無線送信手段によって無線送信されていない画像データを無線送信する。また、情報処理装置における無線受信手段によって、撮影装置から画像データを無線受信する。
【0016】
そして、撮影装置における送信制御手段によって、無線送信終了後に撮影装置の電源をオフする。
【0017】
従って、撮影装置の電源がオフにされてから所定時間経過後に撮影装置の電源をオンさせ、画像データを無線送信するようにすることにより、撮影装置が使用されておらず、撮影装置の周辺に送信先のPCやサーバが存在する可能性が高い状況において、画像データを無線送信するため、画像データの自動送信を高い確率で実現でき、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0018】
また、情報処理装置の電源がオフされてから予め定められた第1の時間経過後に、情報処理装置の電源をオンさせることにより、撮影装置の電源がオンされて画像データを無線送信するときに、情報処理装置の電源がオンされている可能性が高いため、画像データの自動送信をさらに高い確率で実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る撮影装置及び画像送信システムによれば、電源がオフにされてから所定時間経過後に撮影装置の電源をオンさせ、画像データを無線送信するようにすることにより、撮影装置が使用されておらず、撮影装置の周辺に送信先のPCやサーバが存在する可能性が高い状況において、画像データを無線送信するため、画像データの自動送信を高い確率で実現でき、ユーザの利便性を向上させることができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、デジタルカメラに本発明を適用した場合について説明する。
【0021】
図1に示すように、第1の実施の形態に係る画像送信システム10は、デジタルカメラ12と、PC14、16と、ファイルサーバ18、20と、後述するネットワーク24を介してデータ通信を行うネットワークサーバ22と、ネットワークサーバ22、PC16、及びファイルサーバ20を互いに接続するネットワーク24とから構成されている。
【0022】
PC14、ファイルサーバ18、及びネットワークサーバ22は、無線通信機能を備えており、デジタルカメラ12と無線通信が行えるようになっている。また、ネットワークサーバ22は、ネットワーク24を介してPC16及びファイルサーバ20にデータを送信するようになっている。
【0023】
また、図2に示すように、デジタルカメラ12には、レンズを含んで構成された光学ユニット23と、レンズの光軸後方に配設された電荷結合素子(以下、「CCD」という。)25と、入力されたアナログ信号に対して各種のアナログ信号処理を行なうアナログ信号処理部26とが設けられている。
【0024】
また、デジタルカメラ12には、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28が設けられており、このデジタルデータが後述するシステムIC部40に出力され、このデジタルデータに対して各種のデジタル信号処理が行われる。
【0025】
CCD25の出力端はアナログ信号処理部26の入力端に、アナログ信号処理部26の出力端はADC28の入力端に、各々接続されている。従って、CCD25から出力された被写体像を示すアナログ信号はアナログ信号処理部26によって所定のアナログ信号処理が施され、ADC28によってデジタル画像データに変換された後にシステムIC部40に入力される。
【0026】
また、デジタルカメラ12には、デジタルカメラ12全体の動作を制御するシステムIC部40と、撮影により得られた画像データ等を一時的に記憶するSDRAM(Synchronous DRAM)で構成されるメモリ48と、メモリ48に対するアクセスの制御を行なうメモリインタフェース46とが設けられている。
【0027】
更に、デジタルカメラ12には、例えば、可搬型のスマートメディア(Smart Media(登録商標))で構成されるメモリカード52をデジタルカメラ12でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース50と、デジタル画像データに対する圧縮処理及び伸張処理を行なう圧縮・伸張処理回路54とが設けられている。
【0028】
一方、デジタルカメラ12は、主としてCCD25を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD25に供給するタイミングジェネレータ32を備えており、CCD25の駆動はシステムIC部40によりタイミングジェネレータ32を介して制御される。
【0029】
更に、デジタルカメラにはモータ駆動部34が設けられており、光学ユニット23に備えられた図示しない焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータの駆動もシステムIC部40によりモータ駆動部34を介して制御される。
【0030】
更に、レリーズスイッチ、電源スイッチ、モード切替スイッチ、十字カーソルスイッチ、ズームスイッチ、メニュースイッチ等の各種スイッチ(図2では、「操作部56」と総称。)はシステムIC部40に接続されており、システムIC部40は、操作部56に対する操作状態を常時把握できる。
【0031】
また、デジタルカメラ12には、ストロボ44とシステムIC部40との間に介在されると共に、システムIC部40の制御によりストロボ44を発光させるための電力を充電する充電部42が設けられている。更に、ストロボ44はシステムIC部40にも接続されており、ストロボ44の発光はシステムIC部40によって制御される。
【0032】
また、デジタルカメラ12は、デジタル画像データにより示される被写体像やメニュー画面等をLCD38に表示させるための画像信号を生成してLCD38に供給するLCDインタフェース36を備えている。
【0033】
その他、LCDインタフェース36では、画像データにより示される被写体像の画素配列に変換する画素配列変換処理、当該被写体像の画素数をLCD38の画素数に変換する画素数変換処理、当該被写体像に対するLCD38の特性等に応じたガンマ処理やシャープネス処理等の各種処理を実行するが、以上のようなLCDインタフェース36の動作は従来既知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0034】
また、デジタルカメラ12には、無線信号を送受信して無線通信を行うための無線通信部60、及び無線通信部60の制御を行う無線インタフェース部62が設けられている。
【0035】
また、デジタルカメラ12には、RTC(Real Time Clock)を用いたタイマー部66と、デジタルカメラ12の電源がオフになったときにタイマー部66に電源を供給するバックアップ電池64とが設けられている。
【0036】
また、デジタルカメラ12には、例えば、充電式の電池を備え、入力される電源制御信号に基づいて、デジタルカメラ12の各部に電源を供給したり、電源の供給を停止したりする電源部68が設けられている。
【0037】
ADC28、LCDインタフェース36、システムIC部40、メモリインタフェース46、外部メモリインタフェース50、圧縮・伸張処理回路54、無線インタフェース部62、タイマー部66、及び電源部68はシステムバスBUSを介して相互に接続されている。システムIC部40は、LCDインタフェース36、圧縮・伸張処理回路54、無線インタフェース部62、タイマー部66、及び電源部68の作動の制御、並びにメモリ48及びメモリカード52へのメモリインタフェース46ないし外部メモリインタフェース50を介したアクセスを行なう。
【0038】
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ12の動作について説明する。ここでは、デジタルカメラ12によって被写体が撮像されて、画像データがメモリカード52に記憶された後に、デジタルカメラ12の電源がオフされる場合について説明する。
【0039】
まず、デジタルカメラ12の操作部56の電源スイッチが押圧されると、システムIC部40において図3に示す電源スイッチ操作割り込み処理ルーチンが実行される。
【0040】
ステップ100において、電源スイッチが押圧されて電源がオンされるのか否かが判定され、電源オフ状態において電源スイッチが押圧された場合には、ステップ102において、タイマー部66のタイマーのカウントを停止し、ステップ104において、通常処理を開始し、電源スイッチ操作割り込み処理ルーチンを終了する。
【0041】
一方、電源オン状態において電源スイッチが押圧された場合には、ステップ106において、バッテリ残電力制限設定がオンになっており、かつ、制限設定されている閾値残電力以下であるか否かを判定する。
【0042】
デジタルカメラ12では、電源部68のバッテリ残電力が小さい場合に、自動的に電源オンしないようにバッテリ残電力制限設定をオンに設定することができ、また、バッテリ残電力制限設定がオンの場合には、バッテリ残電力が小さいか否かを判定するための閾値である閾値残電力を設定することができる。
【0043】
ステップ106で、バッテリ残電力制限設定がオンになっている場合には、電源部68のバッテリ残電力を計算し、計算されたバッテリ残電力が閾値残電力以下であると、ステップ114へ移行するが、バッテリ残電力制限設定がオフに設定されている場合や、バッテリ残電力制限設定がオンであり、かつ、バッテリ残電力が閾値残電力より大きい場合には、ステップ108において、自動送信済みでない画像データがメモリカード52に記憶されているか否かを判定する。
【0044】
ここで、メモリカード52に記憶されている画像データは、PC14、ファイルサーバ18、及びネットワークサーバ22の何れかに自動送信されていると、自動送信済みであることを示す自動送信済みラベルが付されるようになっており、メモリカード52に記憶されている画像データ全てに自動送信済みラベルが付されていると、ステップ114へ移行するが、一方、メモリカード52に記憶されている画像データの中に、自動送信済みラベルが付されていない画像データが存在する場合には、ステップ110において、所定の時間Tのタイマーを開始するようにタイマー部66にタイマー開始指示信号を出力する。
【0045】
そして、ステップ112では、自動電源オンした回数を示す自動電源オン回数を0に設定し、ステップ114において、デジタルカメラ12の各部の電源供給の停止などの電源オフ処理を行い、電源スイッチ操作割り込み処理ルーチンを終了する。
【0046】
そして、タイマー部66はバックアップ電池64から電源を供給されて起動し、タイマー部66で時間T(例えば2時間)になるまでカウントを行い、時間Tになると、電源部68に電源制御信号を出力し、電源部68からデジタルカメラ12の各部に電源が供給され、システムIC部40が起動される。なお、タイマー部66では、時間Tのカウントだけでなく、カウントが行われる時間の範囲(例えば10:00〜23:00)を指定できるようにしてもよい。
【0047】
そして、システムIC部40において、図4に示す自動送信処理ルーチンが実行され、まず、ステップ130において、自動電源オン回数をインクリメントし、ステップ132で、無線通信部60から無線信号を送信し、デジタルカメラ12の周囲の無線環境を調査して、無線通信可能な装置を検索する。
【0048】
そして、ステップ134において、ステップ132の検索結果に基づいて、画像データの自動送信先として予め登録された装置が無線通信可能であるか否かを判定し、例えば、PC14が自動送信先として予め登録されている場合には、ステップ132において送信した無線信号に対して、PC14から応答がないと、ステップ136において、タイマー時間Tを長くする必要があるか否かを判定し、自動電源オン回数が所定回数(例えば3回)以上であると、ステップ138において、タイマー時間Tを長くなるように変更し、ステップ140へ移行する。また、ステップ136において、自動電源オン回数が所定回数より小さいと、ステップ140において、時間Tのタイマーを開始するようにタイマー部66に指示し、ステップ154へ移行する。
【0049】
また、ステップ134において、予め登録されたPC14がデジタルカメラ12の周囲に設置されており、かつ、PC14の電源がオンされた状態で無線通信可能であって、PC14から無線信号によって応答があり無線通信可能メッセージが送信されると、ステップ142において、メモリカード52から自動送信済みラベルが付されていない画像データを読み出し、ステップ144において、ステップ142で読み出した画像データをPC14へ無線によって送信する。
【0050】
ここで、画像データ毎に自動転送済みラベルが付与されているか否かを示す自動転送済み管理テーブルがメモリカード52に記憶されており、自動転送済みのラベルが画像データに付与されているか否かについて、この自動転送済み管理テーブルに基づいて判断すればよい。
【0051】
そして、ステップ146において、無線送信が成功したか否かを判定し、PC14から画像データの受信が成功したことを示す受信成功メッセージを受信しない場合には、上述したステップ136へ移行するが、受信成功メッセージを受信した場合には、ステップ148において、自動送信が完了した画像データを消去する設定であるか否かを判定する。
【0052】
デジタルカメラ12では、自動送信が完了した画像データを消去するか、又は、自動送信が完了した画像データをそのまま保存し、自動送信済みのラベルを付与するようにするかを選択して設定するようになっており、自動送信が環境した画像データを消去するように設定されていると、ステップ150において、無線送信によって自動送信が完了した画像データをメモリカード52から消去し、ステップ154へ移行する。一方、自動送信済みのラベルを付与するように設定されている場合には、ステップ152において、無線送信によって自動送信が完了した画像データに自動送信済みのラベルを付与して、ステップ154において、電源オフ処理を行って、自動送信処理ルーチンを終了する。
【0053】
そして、自動送信が行われなかった場合には、再びタイマー部66で時間Tになるまでカウントを行い、時間Tになると、電源部68からデジタルカメラ12の各部に電源が供給され、システムIC部40が起動され、上記の自動送信処理ルーチンが実行される。ここで、上記ステップ138において、タイマー時間が自動電源オン回数に応じて長く変更されるため、図5に示すように、自動的に電源オンされる周期が徐々に長くなり、最終的に最大周期時間(例えば24時間)まで時間Tが長く変更されて、タイマー部66によって、タイマー時間T毎に、電源部68からデジタルカメラ12の各部に電源が供給されて、システムIC部40が起動される。
【0054】
以上説明したように、第1の実施の形態に係る画像送信システムによれば、タイマー部によって、電源がオフにされてからタイマー時間経過後にデジタルカメラの電源をオンさせ、自動送信済みでない画像データを無線送信することにより、デジタルカメラが使用されておらず、デジタルカメラの周辺に送信先のPCやサーバが存在する可能性が高い状況において、画像データを無線送信するため、画像データの自動送信を高い確率で実現でき、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0055】
また、周辺から無線通信可能な情報処理装置を検索して、自動送信先として予め登録された情報処理装置が無線送信可能であると判断された場合のみ、画像データの無線送信を行うようにすることにより、無駄な動作を防止することができる。
【0056】
また、メモリカードに記憶されている画像データの中に自動送信済みでない画像データがないとき、自動電源オンしないため、無駄な電力消費を防ぐことができる。
【0057】
また、タイマー時間を自動電源オン回数に応じて長く変更することにより、送信先として登録されている情報処理装置へ無線送信が不可能な状況において、何回も電源をオンにさせて無駄な電力消費されるのを抑止することができる。
【0058】
なお、上記の実施の形態では、自動送信済みのラベルが付与された画像データは、メモリカードに保存されたままになる場合を例に説明したが、メモリカードの容量が少なくなった場合には、自動送信済みのラベルが付与された画像データを自動的に消去するようにしてもよい。
【0059】
また、上記では、デジタルカメラに本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明に係る撮影装置が、カメラ機能が搭載された携帯電話端末であってもよい。
【0060】
また、タイマー部によって、デジタルカメラの電源がオンされる場合には、デジタルカメラの各部へ電源を供給する場合を例に説明したが、画像データの無線送信に必要な部分だけに電源を供給するようにしてもよい。例えば、撮像系の部分やLCDなどは使用されないため、該当部分への電源供給を行わないようにしてもよい。
【0061】
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
図6に示すように、第2の実施の形態に係る画像送信システム200では、PC202にタイマー装置204が設けられている点が第1の実施の形態と異なっている。
【0063】
デジタルカメラ12からの画像データの送信先であるPCやサーバは、電源がオンされていない可能性があり、電源がオンされていないと画像データが送信されないため、タイマー装置204によって、定期的にPC202の電源をオンさせて無線通信可能にさせる。
【0064】
タイマー装置204は、図7に示すように、デジタルカメラ12の場合とは異なり、PC202の電源がオンされている状態をある程度長い時間継続させるようになっており、PC202の電源がオフされている状態において、タイマー時間B(例えば、1.5時間)経過後、PC202の電源をオンさせ、PC202の電源がオンされている状態において、タイマー時間A(例えば0.5時間)経過後、PC202の電源をオフさせる。
【0065】
PC202のタイマー装置204は外付けされていてもいいし、内臓されていてもよい。なお、タイマー装置204が外付けされている場合には、ウェークアップLAN機能を用いてタイマー装置204からPC202に電源を供給するようにしてもよい。
【0066】
以上説明したように、第2の実施の形態に係る画像送信システムによれば、デジタルカメラの電源がオフにされてからタイマー時間経過後に撮影装置の電源をオンさせ、画像データを無線送信するようにすることにより、デジタルカメラが使用されておらず、デジタルカメラの周辺に送信先のPCやサーバが存在する可能性が高い状況において、画像データを無線送信するため、画像データの自動送信を高い確率で実現でき、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0067】
また、情報処理装置の電源がオフされてから予め定められたタイマー時間A経過後に、情報処理装置の電源をオンさせることにより、デジタルカメラの電源がオンされて画像データを無線送信するときに、情報処理装置の電源がオンされている可能性が高いため、画像データの自動送信をさらに高い確率で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像送信システムの構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラの電気系の主要構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラの電源スイッチ操作割り込み処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラの自動送信処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るデジタルカメラの自動電源オンのタイミングを示すタイムチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る画像送信システムの構成を示す概略図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るデジタルカメラ及びPCの自動電源オンのタイミングを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0069】
10、200 画像送信システム
12 デジタルカメラ
14、16、202 PC
18、20 ファイルサーバ
22 ネットワークサーバ
25 CCD
40 システムIC部
52 メモリカード
56 操作部
60 無線通信部
62 無線インタフェース部
64 バックアップ電池
66 タイマー部
68 電源部
204 タイマー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影して被写体画像を示す画像データを出力する撮影手段と、
前記撮影手段から出力された画像データを記憶する記憶手段と、
画像データを無線送信するための無線送信手段と、
バックアップ電源を備え、電源がオフにされてから所定時間経過後に電源をオンさせる電源制御手段と、
前記電源制御手段によって電源がオンされたとき、前記記憶手段に記憶され、かつ、前記無線送信手段によって無線送信されていない画像データを無線送信するように前記無線送信手段を制御すると共に、前記無線送信終了後に電源をオフする送信制御手段と、
を含む撮影装置。
【請求項2】
前記送信制御手段は、前記電源制御手段によって電源がオンされたとき、周囲から無線通信が可能な情報処理装置を検索して、前記画像データの無線送信が可能であるか否かを判定し、前記無線送信が可能であると判定されたときに、前記画像データを無線送信するように前記無線送信手段を制御する請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶された画像データの中に、前記無線送信手段によって無線送信されていない画像データがないとき、前記電源制御手段によって電源をオンさせないように制御する電源オン禁止手段を更に含む請求項1又は2記載の撮影装置。
【請求項4】
前記電源制御手段によって電源をオンされた回数を記憶する回数記憶手段と、
前記回数記憶手段に記憶された回数が所定回数以上になると、前記所定時間を長くするように変更する変更手段とを更に含む請求項1〜請求項3の何れか1項記載の撮影装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項記載の撮影装置と、
電源がオフされてから予め定められた第1の時間経過後に、電源をオンさせ、前記電源をオンさせてから予め定められた第2の時間経過後に、電源をオフさせるオンオフ電源制御手段、及び
前記撮影装置から前記画像データを無線受信する無線受信手段を備えた情報処理装置と、
を含む画像送信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−96854(P2007−96854A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−284524(P2005−284524)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】