説明

撮影装置

【課題】本発明は、被写体像を結像させ、撮影操作に応じて該被写体を表す画像データを生成して記録する撮影装置に関し、コストアップを招くことなく、各種設定の操作が簡便な撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】設定内容を表す情報が記録された画像を撮影して得た画像データから抽出された情報に基づいて設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体像を結像させ、撮影操作に応じて該被写体を表す画像データを生成して記録する撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮像素子上に被写体の像を結像させて、その被写体を表す画像データを取り込む電子スチールカメラの中には、多数のモードを備え、各モードの設定を行うための多数の操作子を備えたカメラが知られている。このようなカメラにおける各モードの設定操作を困難に感じるユーザの中には、カメラを初期設定のまま使用するユーザも見受けられる。以下、カメラにおける設定の一例として、日付や時刻の設定を挙げて問題点を考察する。
【0003】
従来より、カメラの中には日付や時刻を設定する時計機能を備えたカメラが知られている。カメラに時計機能が搭載されることによって、例えば、被写体を撮影した撮影画像上に、この撮影画像が撮影された日付や時刻を記録してプリントすることが可能となる。
【0004】
このような時計機能の電源はカメラに装填された電池であるため、電池交換のために電池が抜き取られると、電池が抜き取られるまでに記憶されていた日付や時刻を表す計時データが消失することとなり、ユーザは電池交換のたびに操作子を操作して日付や時刻を再設定しなければならず、使い勝手が悪い。このような再設定の煩わしさに起因して、ユーザの中には日付や時刻の再設定操作を行うことなく使用していることもあり問題である。
【0005】
電池交換時における日付や時刻の再設定操作をより簡便なものとするために、電池が抜き取られる際に、それまで記憶されていた日付や時刻を表す計時データを書き込む不揮発性メモリを備えたカメラが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されたカメラによれば、電池交換が行われて新しい電池が装填されると、不揮発性メモリに記憶された計時データが読み出されて日付や時刻が再設定される。
【特許文献1】特開2002−22861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に開示されたカメラによれば、電池交換時に、不揮発性メモリに記憶された計時データが読み出されて日付や時刻が再設定されるものの、電池が抜き取られる操作が行われたことを検知する手段や、電池が抜き取られた状態での不揮発性メモリへの計時データの書き込みを保証するための電源バックアップ手段を必要とするため、カメラの大型化やコストアップを招いてしまう。
【0007】
上述した問題点の考察では、日付や時刻を設定する際の問題点の例を挙げて説明したが、他のモードにおける設定の操作においても上述した問題点と同様の問題点がある。例えば、画像処理パラメータなどといったデータを入れ替えることによって今まで有効であった機能をより一層高めるグレードアップの情報や、新たな機能を追加するバージョンアップの情報が書き込まれたCD−R等の記録メディアをユーザが入手し、入手した記録メディアをパーソナルコンピュータに装填し、そのパーソナルコンピュータに接続されたデジタルカメラに記録メディアに書き込まれた情報を読み込ませることによって機能向上の設定を施す場合の設定操作や、デジタルカメラで撮影されて記録された撮影画像を表す画像データに、プリント注文の有無およびプリント枚数などといったプリント注文情報を付加する場合の設定操作等においても、複雑な設定操作についていくことが困難と感じるユーザも見受けられる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、コストアップを招くことなく、各種設定の操作が簡便な撮像装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の撮影装置は、
被写体像を結像させ、撮影操作に応じてその被写体を表す画像データを生成して記録する撮影装置において、
設定内容を表す情報が記録された画像を撮影して得た画像データからその情報を抽出する情報抽出部と、
上記情報抽出部で抽出された情報に基づく設定を行う設定部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の撮影装置は、設定内容を表す情報が記録された画像を撮影して得た画像データから抽出された情報に基づいて設定するものであるため、ユーザが多数の操作子を操作することによって設定を行うような煩雑な操作が回避される。また、本発明の撮影装置は、「発明が解決しようとする課題」の欄で説明した電源バックアップ手段などといった手段が不要であるため、コストアップを招くことも回避される。
【0011】
ここで、上記本発明の撮影装置は、
「日時を管理する日時管理部を備え、
上記情報抽出部は、日時を表す情報を抽出するものであり、
上記設定部は、上記日時管理部に、上記情報抽出部で抽出された情報に基づく日時を設定するものである」
ことが好ましい。
【0012】
このような日時管理部を備えた撮影装置によれば、日時を表す情報が記録された画像を撮影して得た画像データから抽出された情報に基づいて日時を設定することができる。
【0013】
また、上記本発明の撮影装置は、
「上記情報抽出部は、プリント注文情報を抽出するものであり、
上記設定部は、上記情報抽出部で抽出されたプリント注文情報に基づくプリント注文の有無およびプリント枚数を設定するものである」
ことも好ましい形態である。
【0014】
このような好ましい形態によれば、例えばプリント注文の有無やプリント枚数などを指定することのできるDPOF(登録商標)対応のデジタルカメラにおいて、プリント注文情報が記録された画像を撮影して得た画像データから抽出されたプリント注文情報に基づいてプリント注文の有無およびプリント枚数を設定することができる。
【0015】
また、上記本発明の撮影装置は、
「撮影により得られた画像データに、設定された画像処理内容に基づく画像処理を施す画像処理部を備え、
上記情報抽出部は、画像処理内容を表す情報を抽出するものであり、
上記設定部は、上記画像処理部に、上記情報抽出部で抽出された情報に基づく画像処理内容を設定するものである」
という形態も好ましい。
【0016】
このような画像処理部を備えた撮影装置によれば、画像処理内容を表す情報が記録された、例えば、2次元コードの一例に相当するQRコード(登録商標)や、縦縞状の太さの異なるバーの組み合わせからなるバーコードなどといった画像を撮影して得た画像データから抽出された情報に基づいて画像処理内容を設定することができる。
【0017】
さらに、上記本発明の撮影装置は、
「撮影条件決定情報に従って撮影条件を決定し、決定した撮影条件による撮影を行う撮影部を備え、
前記情報抽出部は、前記撮影条件決定情報を抽出するものであり、
前記設定部は、前記撮影部に、前記情報抽出部で抽出された撮影条件決定情報を設定するものである」
という形態も好ましい。
【0018】
このような撮影部を備えた撮影装置によれば、撮影条件決定情報が記録された、例えば、2次元コードの一例に相当するQRコード(登録商標)や、縦縞状の太さの異なるバーの組み合わせからなるバーコードなどといった画像を撮影して得た画像データから抽出された撮影条件決定情報を設定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コストアップを招くことなく、各種設定の操作が簡便な撮像装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
ここでは、本発明を、撮像素子(ここでは、Charge Coupled Device:CCDとする)上に被写体の像を結像させて、その被写体を表す撮影画像データを取り込むデジタルカメラに適用した実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の撮影装置の第1実施形態が適用されたデジタルカメラを前面斜め上から見た外観斜視図であり、図2は、図1に示すデジタルカメラを背面斜め上から見た外観斜視図である。
【0023】
図1に示すように、デジタルカメラ100の正面の中央部には、外観上、被写体に焦点を合わせるフォーカスレンズなどで構成される撮影レンズ101が備えられている。また、このデジタルカメラ100の前面上部には、撮影者が被写体の位置などを定めるために覗く光学式ファインダ対物窓102、およびシャッタレリーズボタン105の押下に同期して発光する閃光発光装置103が備えられている。さらに、このデジタルカメラ100の上面には、スライド式の電源ボタン104、および撮影時に押下されるシャッタレリーズボタン105が備えられている。シャッタレリーズボタン105は半押し、および全押しの2段階に押下可能であり、撮影レンズ101内のフォーカスレンズに取り付けられたモータを光軸方向に駆動して撮影画角の中央領域に焦点を合わせる、フォーカス機能によるフォーカシングが連続的に行われていて、シャッタレリーズボタン105を半押しすると、フォーカスレンズの位置をその半押しされた時点の位置に固定するフォーカスロックが設定され、シャッタレリーズボタン105を全押しすると、シャッタが切られて実際の撮影が行われる。デジタルカメラ100の内部には、撮影レンズ101の背面に配備されたCCD113(図3参照)が備えられている。撮影レンズ101を経由してきた被写体光はCCD113に入射されて電気信号であるアナログの画像信号に変換される。
【0024】
また、図2に示すように、このデジタルカメラ100の背面には、光学式ファインダ接眼窓106と、メニューボタン1071と、画面切換ボタン1072と、通常撮影機能と光学式文字読取装置(Optical Character Reader:OCR)機能とを切り換えるOCRモードボタン1073と、各種選択操作を行う十字キー1074と、各種操作によって変更された設定を確定する実行ボタン1075と、画像やメニューを表示する液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)パネル108とが備えられている。電源ボタン104がスライド操作されてデジタルカメラ100が駆動されると通常撮影機能が有効となり、OCRモードボタン1073が押下されるとOCR機能が有効となる。また、OCR機能が有効の状態でOCRモードボタン1073が押下されると通常撮影機能が有効となる。
【0025】
図3は、図1,図2に示すデジタルカメラ100のブロック図である。
【0026】
デジタルカメラ100には、モータドライバ111a、モータ111b、アイリス111、モータドライバ112a、モータ112b、フォーカスレンズ112、タイミングジェネレータ113a、CCD113、CDS−AMP121、A/D(Analog/Degital)変換部122、メモリコントローラ123、AF値判断部124、画像信号処理部125、CPU126、AF検出部127、ビデオエンコーダ128、メディアコントローラ129、ROM130、E2PROM131、RAM132、OCR133、計時回路134、シャッタスイッチ161、電源スイッチ162、十字キースイッチ163、および画像表示装置140が具備されており、さらに、記録メディア150が接続されている。デジタルカメラ100の内部には、これらの他にも、シャッタなどが備えられているが、これらは、本発明の主題とは無関係であるので図示を省略する。
【0027】
まず、スイッチについて説明する。
【0028】
シャッタスイッチ161は、図1,図2にも示すシャッタレリーズボタン105の押下に同期して2段階に入切されるスイッチであり、一段目のスイッチが入るとフォーカスロックが設定され、二段目のスイッチが入ると被写体の本撮影が行われる。
【0029】
電源スイッチ162は、図1,図2にも示す電源ボタン104のスライド操作に同期して入切され、電源スイッチ162が入ると、デジタルカメラ100が駆動される。
【0030】
十字キースイッチ163は、図2に示すメニューボタン1071が押下された後の、LCDパネル108に各種メニューが表示されている状態では、図2にも示す十字キー1074の押下に同期してLCDパネル108に表示されるカーソルが移動され、LCDパネル108に表示される選択メニューの、複数の項目の中のいずれかの項目を選択するスイッチであり、ユーザが所望の項目を選択した後に図2に示す実行ボタン1075を押下することによってその選択が確定される。
【0031】
OCRモードスイッチ164は、図2にも示すOCRモードボタン1073の押下に同期して通常撮影機能とOCR機能とを切り換えるスイッチであり、OCRモードボタン1073が1回押下されてOCRモードスイッチ164が入るとOCR機能が有効となり、OCRモードボタン1073が再度押下されてOCRモードスイッチ164が切られると通常撮影機能が有効となる。
【0032】
また、図示しないが、画像表示装置140に撮影画像を表示する画像表示スイッチなどといった各種スイッチが備えられている。これらの各スイッチが設定されると、CPU126に各スイッチの設定状況が伝えられる。
【0033】
次に、被写体を撮影し、その撮影画像に信号処理を施す要素について説明する。
【0034】
アイリス111には、大きさの異なる2つの孔が設けられている。また、アイリス111にはモータ111bが取り付けられており、そのモータ111bはモータドライバ111aによって駆動される。モータドライバ111aが、CPU126からの指示に従った指示信号をモータ111bに与え、モータ111bがその指示信号に従って回転すると、アイリス111に設けられた孔が切り替えられる。このような切り替えによって、被写体光の光量が調整される。
【0035】
フォーカスレンズ112は、被写体に焦点を合わせるためのレンズである。尚、本来、デジタルカメラなどといった撮影装置には複数のレンズが配備され、それら複数のレンズのうち少なくとも1つのレンズがピントの調節に大きく関与するが、この図3では、それらの複数のレンズのうち、ピントの調節に係わるレンズのみをフォーカスレンズ112として模式的に示している。フォーカスレンズ112にはモータ112bが取り付けられており、そのモータ112bはモータドライバ112aによって駆動される。モータドライバ112aは、CPU126からの、フォーカスレンズ112を所定の駆動範囲内で移動させる指示や、フォーカスレンズ112を合焦位置に向かわせるための合焦位置の指示などを受けて、それらの指示に従った指示信号をモータ112bに与える。モータ112bがモータドライバ112aから与えられた指示信号に従って回転すると、フォーカスレンズ112が移動する。
【0036】
CCD113は、図1の撮影レンズ101を通ってきた被写体光を受光して、被写体光に基づく被写体像を、アナログ信号である被写体信号として読み取る。この被写体信号は、タイミングジェネレータ113aからの指示に従って、CDS−AMP121に出力される。
【0037】
タイミングジェネレータ113aは、所定時間ごと、あるいは図1,図2に示すシャッタレリーズボタン105が押されたときに、CCD113に被写体信号を出力させる指示を送る。CDS−AMP121は、増幅率を調整してその調整された増幅率で被写体信号を増幅する。A/D変換部122は、被写体信号をデジタルデータである撮影画像データに変換する。メモリコントローラ123は、撮影画像データの出力先を制御する。デジタルカメラ100は、フォーカスレンズ112の合焦位置を検出する合焦動作を行うために、本撮影の前にも撮影画像データを生成する。この合焦動作の際の撮影画像データは、解像度が低い一時的なデータであり、AF検出部127やAF値判断部124やRAM132に送られる。また、本撮影時に生成される解像度の高い撮影画像データは、RAM132に送られて書き込まれる。画像信号処理部125は、本撮影時に生成されてRAM132に書き込まれた撮影画像データをRAM132から読み出して、その撮影画像データのRGBレベルの調節、ガンマ調整、圧縮処理などを行う。ビデオエンコーダ128は、CPU126からの指示に従い、画像信号処理部125によって圧縮された撮影画像データを画像表示装置140で表示できるデータの形式に変換する。ビデオエンコーダ128によって変換された後の撮影画像データは、画像表示装置140に送られ、画像表示装置140は、撮影画像データが表す撮影画像をLCDパネル108(図2参照)に表示させる。メディアコントローラ129は、記録メディア150への撮影画像データの記録や読み出しを制御する。画像表示装置140はメニュー画面や撮影画像データが表す撮影画像をLCDパネル108(図2参照)に表示させるためのものである。また、記録メディア150は、撮影画像データを記録しておく記録媒体である。
【0038】
また、CPU126は、図1〜図3に示すデジタルカメラ100の各種要素を制御する。このCPU126は、本発明にいう設定部の一例に相当する。
【0039】
AF検出部127は、メモリコントローラ123から送られてきた解像度の低い撮影画像データを基に、撮影画像のコントラストを検出する。検出されたコントラストは、AF値判断部124に送られる。
【0040】
AF値判断部124は、AF検出部127から送られてきたコントラストを基にフォーカスレンズ112の合焦位置を決定する。決定された合焦位置は、CPU126に伝えられ、CPU126からフォーカスレンズ112のモータドライバ112aに駆動指示が与えられる。
【0041】
ROM130には、デジタルカメラ100を動作させる各種プログラムなどが保存されている。
【0042】
2PROM131には、例えばユーザによって変更された設定値などが書き込まれて保存される。
【0043】
RAM132には、撮影時に一時的に蓄えられる撮影画像データなどが書き込まれる。
【0044】
OCR133は、OCR機能が有効な状態で日時を表す情報が記録された画像が撮影された場合に、撮影されて得られた撮影画像データから文字を認識して、その日時を表す情報を抽出する。このOCR133は、本発明にいう情報抽出部の一例に相当する。
【0045】
計時回路134は、日時を管理する。この計時回路134は、本発明にいう日時管理部の一例に相当する。
【0046】
第1実施形態のデジタルカメラ100は、基本的には以上のように構成されている。
【0047】
ここで、デジタルカメラ100における、本発明の第1実施形態としての特徴は、日時を設定する動作にあり、以下、この動作について説明する。
【0048】
図4は、日時を設定する操作の流れを説明するフローチャートである。尚、電源ボタン104をスライド操作してデジタルカメラ100を駆動させた直後には通常撮影機能が有効となっていて、OCRモードボタン1073は、上述したように、このOCRモードボタン1073が1回押下されてOCRモードスイッチ164が入るとOCR機能が有効となり、OCRモードボタン1073が再度押下されてOCRモードスイッチ164が切られると通常撮影機能が有効となるように設定するものである。つまり、OCRモードボタン1073が1回押下されるごとにOCRモードスイッチ164のON・OFFが切り替えられるものである。
【0049】
この図4に示すフローチャートで説明する動作は、OCRモードボタン1073が押下されてOCR機能が有効な状態で、日時を表す情報が記録された画像を撮影するためにシャッタボタン104が押下されることによって開始される。
【0050】
まず、シャッタボタン104が押下されたことを受けて、図3に示すCCD113からCDS−AMP121に出力された被写体信号がCDS−AMP121において増幅率が調整されてその調整された増幅率で被写体信号が増幅される(ステップ11)。
【0051】
次に、ステップ11で増幅された被写体信号がCDS−AMP121からA/D変換部122に出力されて、A/D変換部122において被写体信号がデジタルデータである撮影画像データに変換される(ステップ12)。
【0052】
次に、ステップ12で得られた撮影画像データが、RAM132に送られて書き込まれる(ステップ13)。
【0053】
次に、ステップ13でRAM132に書き込まれた撮影画像データがOCR133に出力されて、OCR133において撮影画像データから文字が認識され、日時を表す情報が抽出される(ステップ14)。
【0054】
次に、CPU126によって、計時回路134に、ステップ14で抽出された日時を表す情報に基づく日時が設定される(ステップ15)。
【0055】
このように、上述した第1実施形態のデジタルカメラ100は、日時を表す情報が記録された画像を撮影して得られた撮影画像データから抽出された情報に基づいて日時を設定するものであるため、ユーザが多数の操作子を操作することによって設定を行うような煩雑な操作が回避される。また、このデジタルカメラ100によれば、「発明が解決しようとする課題」の欄で説明した電源バックアップ手段などといった手段が不要であるため、コストアップを招くことも回避される。
【0056】
以上で、本発明の第1実施形態の説明を終了する。
【0057】
次に、第2実施形態として、OCR機能が搭載されたデジタルカメラにおいてOCR機能が有効な状態で、プリント注文情報が記録された画像を撮影して得られた撮影画像データから抽出されたプリント注文情報に基づいてプリント注文の有無およびプリント枚数を設定する実施形態について説明する。
【0058】
尚、以下説明する第2実施形態では、第1実施形態で説明した装置構成とほぼ同じ装置構成を有するため、第1実施形態との相違点に注目し、同じ要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0059】
図5は、本発明の撮影装置の第2実施形態が適用されたデジタルカメラを前面斜め上から見た外観斜視図であり、図6は、図5に示すデジタルカメラを背面斜め上から見た外観斜視図であり、図7は、図5,図6に示すデジタルカメラ200のブロック図である。尚、このデジタルカメラ200は、プリント注文の有無やプリント枚数などを指定することのできるDPOF(登録商標)対応のデジタルカメラである。
【0060】
図6に示すように、このデジタルカメラ200の背面には、光学式ファインダ接眼窓106と、メニューボタン1071と、画面切換ボタン1072と、通常撮影機能とOCR機能とを切り換えるOCRモードボタン1076と、各種選択操作を行う十字キー1074と、各種操作によって変更された設定を確定する実行ボタン1075と、画像やメニューを表示するLCDパネル108とが備えられている。
【0061】
図7に示すOCRモードスイッチ165は、図6にも示すOCRモードボタン1076の押下に同期して通常撮影機能とOCR機能とを切り換えるスイッチであり、OCRモードボタン1076が1回押下されてOCRモードスイッチ165が入るとOCR機能が有効となり、OCRモードボタン1076が再度押下されてOCRモードスイッチ165が切られると通常撮影機能が有効となる。
【0062】
OCR135は、OCR機能が有効な状態でプリント注文情報が記録された画像が撮影された場合に、撮影されて得られた撮影画像データから文字を認識して、そのプリント注文情報を抽出する。このOCR135は、本発明にいう情報抽出部の一例に相当する。
【0063】
第2実施形態のデジタルカメラ200は、基本的には以上のように構成されている。
【0064】
ここで、デジタルカメラ200における、本発明の一実施形態としての特徴は、プリント注文の有無およびプリント枚数を設定する動作にあり、以下、この動作について説明する。
【0065】
図8は、プリント注文の有無およびプリント枚数を設定する操作の流れを説明するフローチャートである。尚、電源ボタン104をスライド操作してデジタルカメラ100を駆動させた直後には通常撮影機能が有効となっていて、OCRモードボタン1076は、上述したように、このOCRモードボタン1076が1回押下されてOCRモードスイッチ165が入るとOCR機能が有効となり、OCRモードボタン1076が再度押下されてOCRモードスイッチ165が切られると通常撮影機能が有効となるように設定するものである。つまり、OCRモードボタン1076が1回押下されるごとにOCRモードスイッチ165のON・OFFが切り替えられるものである。
【0066】
この図8に示すフローチャートで説明する動作は、通常撮影機能が有効な状態で撮影されて得られた撮影画像データが記録メディア150に保存された直後にOCRモードボタン1076が押下されてOCR機能が有効な状態で、プリント注文の有無やプリント枚数を表すプリント注文情報が記録された画像を撮影するためにシャッタボタン104が押下されることによって開始される。尚、この図8に示すフローチャートで説明する動作のうちのステップ24の前までの動作は、上述した図4に示すフローチャートで説明した動作のうちのステップ14の前までの動作と同一の動作であるため説明を省略する。。
【0067】
ステップ23でRAM132に書き込まれた撮影画像データがOCR133に出力されて、OCR133において撮影画像データから文字が認識され、プリント注文の有無やプリント枚数を表すプリント注文情報が抽出される(ステップ24)。
【0068】
次に、CPU126によって、プリント注文情報が記録された画像が撮影される直前に通常撮影機能が有効な状態で撮影されて記録メディア150に保存された撮影画像データに1対1で対応付けて記録メディア150に、ステップ24で抽出されたプリント注文情報に基づくプリント注文の有無やプリント枚数が設定される(ステップ25)。
【0069】
このように、上述した第2実施形態のデジタルカメラ200は、プリント注文情報が記録された画像を撮影して得られた撮影画像データから抽出されたプリント注文情報に基づいてプリント注文の有無やプリント枚数を設定するものであるため、ユーザが多数の操作子を操作することによって設定を行うような煩雑な操作が回避される。
【0070】
以上で、本発明の第2実施形態の説明を終了する。
【0071】
次に、第3実施形態として、QRコード(登録商標)などといった2次元コードを読み取る2次元コードリーダが搭載されたデジタルカメラにおいて2次元コードリーダによる2次元コード読取機能が有効な状態で、画像処理内容を表す情報や撮影条件決定情報が記録された画像を撮影して得られた撮影画像データから抽出された情報に基づいて画像処理内容や撮影条件決定情報を設定する実施形態について説明する。
【0072】
尚、以下説明する第3実施形態では、第1実施形態で説明した装置構成とほぼ同じ装置構成を有するため、第1実施形態との相違点に注目し、同じ要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0073】
図9は、本発明の撮影装置の第3実施形態が適用されたデジタルカメラを前面斜め上から見た外観斜視図であり、図10は、図9に示すデジタルカメラを背面斜め上から見た外観斜視図であり、図11は、図9,図10に示すデジタルカメラ300のブロック図である。
【0074】
図10に示すように、このデジタルカメラ300の背面には、光学式ファインダ接眼窓106と、メニューボタン1071と、画面切換ボタン1072と、通常撮影機能と2次元コード読取機能とを切り換える2次元コードボタン1077と、各種選択操作を行う十字キー1074と、各種操作によって変更された設定を確定する実行ボタン1075と、画像やメニューを表示するLCDパネル108とが備えられている。
【0075】
図11に示すフォーカスレンズ112は、被写体に焦点を合わせるためのレンズである。このフォーカスレンズ112にはモータ112bが取り付けられており、そのモータ112bはモータドライバ112aによって駆動される。モータドライバ112aは、CPU126からの、フォーカスレンズ112を所定の駆動範囲内で移動させる指示や、フォーカスレンズ112を合焦位置に向かわせるための合焦位置の指示などを受けて、それらの指示に従った指示信号をモータ112bに与える。モータ112bがモータドライバ112aから与えられた指示信号に従って回転すると、フォーカスレンズ112が移動する。このフォーカスレンズ112とモータ112bとモータドライバ112aを合わせたものは、本発明の撮影装置における撮影部の一例に相当する。
【0076】
画像信号処理部125は、本撮影時に生成されてRAM132に書き込まれた撮影画像データをRAM132から読み出して、その撮影画像データのRGBレベルの調節、ガンマ調整、圧縮処理などを行う。この画像信号処理部125は、本発明にいう画像処理部の一例に相当する。
【0077】
2次元コードスイッチ166は、図10にも示す2次元コードボタン1077の押下に同期して通常撮影機能と2次元コード読取機能とを切り換えるスイッチであり、2次元コードボタン1077が1回押下されて2次元コードスイッチ166が入ると2次元コード読取機能が有効となり、2次元コードボタン1077が再度押下されて2次元コードスイッチ166が切られると通常撮影機能が有効となる。
【0078】
2次元コードリーダ136は、2次元コード読取機能が有効な状態で画像処理内容を表す情報や撮影条件決定情報が記録された画像が撮影された場合に、撮影されて得られた撮影画像データから文字を認識して、その画像処理内容を表す情報や撮影条件決定情報を抽出する。この2次元コードリーダ136は、本発明にいう情報抽出部の一例に相当する。
【0079】
2PROM131には、画像信号処理部125における画像信号処理に用いられる各種画像信号処理パラメータや、例えば露出値に応じた絞り値とシャッタスピードの組み合わせなどといった、撮影で用いられる撮影条件を決定する撮影条件決定情報が保存されている他、例えばユーザによって変更された設定値などが書き込まれて保存される。
【0080】
第3実施形態のデジタルカメラ300は、基本的には以上のように構成されている。
【0081】
ここで、デジタルカメラ300における、本発明の一実施形態としての特徴は、画像処理内容や撮影条件決定情報を設定する動作にあり、以下、この動作について説明する。
【0082】
図12は、画像処理内容や撮影条件決定情報を設定する操作の流れを説明するフローチャートである。尚、電源ボタン104をスライド操作してデジタルカメラ100を駆動させた直後には通常撮影機能が有効となっていて、2次元コードボタン1077は、上述したように、この2次元コードボタン1077が1回押下されて2次元コードスイッチ166が入ると2次元コード読取機能が有効となり、2次元コードボタン1077が再度押下されて2次元コードスイッチ166が切られると通常撮影機能が有効となるように設定するものである。つまり、2次元コードボタン1077が1回押下されるごとに2次元コードスイッチ166のON・OFFが切り替えられるものである。
【0083】
この図12に示すフローチャートで説明する動作は、2次元コードボタン1077が押下されて2次元コード読取機能が有効な状態で、画像処理内容を表す情報や撮影条件決定情報が記録された画像を撮影するためにシャッタボタン104が押下されることによって開始される。尚、この図12に示すフローチャートで説明する動作のうちのステップ34の前までの動作は、上述した図4に示すフローチャートで説明した動作のうちのステップ14の前までの動作と同一の動作であるため説明を省略する。。
【0084】
ステップ33でRAM132に書き込まれた撮影画像データが2次元コードリーダ136に出力されて、2次元コードリーダ136において撮影画像データから文字が認識され、画像処理内容を表す情報が記録された画像が撮影された場合には画像処理内容を表す情報が抽出され、撮影条件決定情報を表す情報が記録された画像が撮影された場合には撮影条件決定情報が抽出される(ステップ34)。
【0085】
次に、CPU126によって、E2PROM131に、ステップ34で抽出された画像処理内容を表す情報に基づく画像処理内容や撮影条件決定情報が設定される(ステップ35)。
【0086】
このように、上述した第3実施形態のデジタルカメラ300は、画像処理内容を表す情報が記録された画像や、撮影条件決定情報を表す情報が記録された画像を撮影して得られた撮影画像データから抽出された画像処理内容を表す情報や撮影条件決定情報に基づいて画像処理内容や撮影条件決定情報を設定するものであるため、ユーザが多数の操作子を操作することによって設定を行うような煩雑な操作が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の撮影装置の一実施形態が適用されたデジタルカメラを前面斜め上から見た外観斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラを背面斜め上から見た外観斜視図である。
【図3】図1,図2に示すデジタルカメラ100のブロック図である。
【図4】日時を設定する操作の流れを説明するフローチャートである。
【図5】本発明の撮影装置の第2実施形態が適用されたデジタルカメラを前面斜め上から見た外観斜視図である。
【図6】図5に示すデジタルカメラを背面斜め上から見た外観斜視図である。
【図7】図5,図6に示すデジタルカメラ200のブロック図である。
【図8】プリント注文の有無およびプリント枚数を設定する操作の流れを説明するフローチャートである。
【図9】本発明の撮影装置の第3実施形態が適用されたデジタルカメラを前面斜め上から見た外観斜視図である。
【図10】図9に示すデジタルカメラを背面斜め上から見た外観斜視図である。
【図11】図9,図10に示すデジタルカメラ300のブロック図である。
【図12】画像処理内容や撮影条件決定情報を設定する操作の流れを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
100,200,300 デジタルカメラ
101 撮影レンズ
102 光学式ファインダ対物窓
103 閃光発光装置
104 電源ボタン
105 シャッタレリーズボタン
106 光学式ファインダ接眼窓
1071 メニューボタン
1072 画面切換ボタン
1073 OCRモードボタン
1074 十字キー
1075 実行ボタン
1076 OCRモードボタン
1077 2次元コードボタン
108 LCDパネル
111 アイリス
111a モータドライバ
111b モータ
112a モータドライバ
112b モータ
112 フォーカスレンズ
113a タイミングジェネレータ
113 CCD
121 CDS−AMP
122 A/D変換部
123 メモリコントローラ
124 AF値判断部
125 画像信号処理部
126 CPU
127 AF検出部
128 ビデオエンコーダ
129 メディアコントローラ
130 ROM
131 E2PROM
132 RAM
133 OCR
134 計時回路
135 OCR
136 2次元コードリーダ
140 画像表示装置
150 記録メディア
161 シャッタスイッチ
162 電源スイッチ
163 十字キースイッチ
164 OCRモードスイッチ
165 OCRモードスイッチ
166 2次元コードスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を結像させ、撮影操作に応じて該被写体を表す画像データを生成して記録する撮影装置において、
設定内容を表す情報が記録された画像を撮影して得た画像データから該情報を抽出する情報抽出部と、
前記情報抽出部で抽出された情報に基づく設定を行う設定部とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
日時を管理する日時管理部を備え、
前記情報抽出部は、日時を表す情報を抽出するものであり、
前記設定部は、前記日時管理部に、前記情報抽出部で抽出された情報に基づく日時を設定するものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記情報抽出部は、プリント注文情報を抽出するものであり、
前記設定部は、前記情報抽出部で抽出されたプリント注文情報に基づくプリント注文の有無およびプリント枚数を設定するものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項4】
撮影により得られた画像データに、設定された画像処理内容に基づく画像処理を施す画像処理部を備え、
前記情報抽出部は、画像処理内容を表す情報を抽出するものであり、
前記設定部は、前記画像処理部に、前記情報抽出部で抽出された情報に基づく画像処理内容を設定するものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項5】
撮影条件決定情報に従って撮影条件を決定し、決定した撮影条件による撮影を行う撮影部を備え、
前記情報抽出部は、前記撮影条件決定情報を抽出するものであり、
前記設定部は、前記撮影部に、前記情報抽出部で抽出された撮影条件決定情報を設定するものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−157097(P2006−157097A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339993(P2004−339993)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】