説明

撮影装置

【課題】支持脚取付部材の破損を抑制することが可能な撮影装置を提供する。
【解決手段】このビデオカメラ1は、筐体2と、三脚取付部材7と、保持部材8と、板ばね部材9とを備え、三脚取付部材7には、板ばね部材9の第1傾斜面91aと係合する第1係合面71bと、板ばね部材9の第2傾斜面92aと係合する第2係合面72bとを有する係合部7bが、三脚取付部材7の回転方向に沿って12個形成されており、三脚10の雄ねじ部10aを三脚取付部材7の雌ねじ部7aにB方向に締め付ける際に、三脚取付部材7に対してB方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合には、第1係合面71bが第1傾斜面91aを押圧することにより、第1係合面71bと第1傾斜面91aとの係合が解除されるように、係合部7bの第1係合面71bおよび第2係合面72bと板ばね部材9の第1傾斜面91aおよび第2傾斜面92aとが構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、撮影装置に関し、特に、撮影装置を支持するための支持脚を取り付けるための支持脚取付部材を備えた撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、三脚などの支持脚を取り付けるための支持脚取付部材(三脚取付部材)を備えた撮影装置が知られている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
上記特許文献1〜4には、撮影装置を構成する筐体に、雌ねじ部を有する三脚取付部材が設置された撮影装置が開示されている。なお、上記特許文献1〜4の撮影装置を支持するための三脚には、撮影装置の三脚取付部材の雌ねじ部に螺合される雄ねじ部が設けられている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−304902号公報
【特許文献2】特開2002−6381号公報
【特許文献3】特開2003−241278号公報
【特許文献4】特開2003−255453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1〜4に開示された従来の撮影装置では、撮影装置の三脚取付部材の雌ねじ部に三脚の雄ねじ部を螺合する際に、必要以上の力で締め付けを行った場合には、撮影装置の三脚取付部材(支持脚取付部材)の雌ねじ部が破損するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、支持脚取付部材の破損を抑制することが可能な撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面における撮影装置は、撮影装置本体を構成する筐体と、撮影装置本体を支持する支持脚の第1ねじ部が螺合される第2ねじ部と、係合部とを有するとともに、回転可能に筐体に設けられた支持脚取付部材とを備えた撮影装置において、筐体に取り付けられ、支持脚取付部材が回転可能に挿入される穴部を有するとともに、穴部に挿入された支持脚取付部材を回転可能に保持する保持部材と、保持部材に取り付けられ、第1傾斜面と、第1傾斜面に対して所定の角度傾斜した第2傾斜面とを含む突出部を有する板ばね部材とをさらに備え、支持脚取付部材には、板ばね部材の第1傾斜面と係合する第1係合面と、板ばね部材の第2傾斜面と係合する第2係合面とを有する係合部が、支持脚取付部材の回転方向に沿って複数形成されており、支持脚の第1ねじ部を支持脚取付部材の第2ねじ部に第1回転方向に締め付ける際に、支持脚取付部材に対して第1回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合には、支持脚取付部材の第1係合面が板ばね部材の第1傾斜面を押圧することにより、第1係合面と第1傾斜面との係合が解除される一方、支持脚取付部材に対して第1回転方向とは反対の第2回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合には、支持脚取付部材の第2係合面が板ばね部材の第2傾斜面を押圧したとしても、第2係合面と第2傾斜面との係合は解除されないように、係合部の第1係合面および第2係合面と板ばね部材の第1傾斜面および第2傾斜面とが構成されている。
【0008】
この第1の局面による撮影装置では、上記のように、撮影装置本体を支持する支持脚の第1ねじ部が螺合される第2ねじ部と係合部とを有する支持脚取付部材を、筐体に回転可能に設けるとともに、突出部を有する板ばね部材を設け、かつ、支持脚の第1ねじ部を支持脚取付部材の第2ねじ部にねじ込む際に、支持脚取付部材に対して第1回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合に支持脚取付部材の係合部に板ばね部材の突出部が押圧されて支持脚取付部材の係合部と板ばね部材の突出部との係合が解除されるように構成することによって、第1の力以上の大きさの力で支持脚取付部材の第2ねじ部に対する支持脚の第1ねじ部の締め付けが行われた場合に、板ばね部材の突出部と支持脚取付部材の係合部との係合が解除されて、支持脚取付部材(第2ねじ部)が支持脚(第1ねじ部)と共に第1回転方向に回転される。これにより、撮影装置の支持脚取付部材(第2ねじ部)に支持脚(第1ねじ部)を螺合する際に、必要以上の力(第1の力以上の大きさの力)で締め付けが行われたとしても、支持脚取付部材(第2ねじ部)が破損するのを抑制することができる。なお、第1の力未満の大きさの力で撮影装置の支持脚取付部材(第2ねじ部)に支持脚(第1ねじ部)を締め付ける場合には、板ばね部材の突出部と支持脚取付部材の係合部との係合状態が保持されるので、支持脚取付部材(第2ねじ部)が支持脚(第1ねじ部)と共に第1回転方向に回転することがない。これにより、支持脚取付部材の第2ねじ部に支持脚の第1ねじ部を第1の力未満の大きさの力で締め付けることができる。また、筐体に取り付けられ、支持脚取付部材が回転可能に挿入される穴部を有するとともに、穴部に挿入された支持脚取付部材を回転可能に保持する保持部材をさらに備えることによって、容易に、保持部材により、支持脚取付部材を回転可能に保持することができる。
【0009】
また、第1の局面では、板ばね部材の突出部を、第1傾斜面と、第1傾斜面に対して所定の角度傾斜した第2傾斜面とを含むように設け、かつ、支持脚取付部材の係合部を、板ばね部材の第1傾斜面と係合する第1係合面と、板ばね部材の第2傾斜面と係合する第2係合面とを含むように設け、支持脚取付部材に対して第1回転方向とは反対の第2回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合に、支持脚取付部材の第2係合面が板ばね部材の第2傾斜面を押圧したとしても、第2係合面と第2傾斜面との係合は解除されないように、係合部の第1係合面および第2係合面と板ばね部材の第1傾斜面および第2傾斜面とを構成することによって、支持脚(第1ねじ部)を第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させることにより撮影装置の支持脚取付部材(第2ねじ部)から支持脚(第1ねじ部)を取り外す場合に、第1回転方向への締め付け力(第1の力未満の大きさの力)よりも大きい力(第1の力以上の大きさの力)で第2回転方向に力を加えたとしても、板ばね部材の第2傾斜面と支持脚取付部材の第2係合面との係合状態が保持されるので、支持脚取付部材(第2ねじ部)が支持脚(第1ねじ部)と共に第2回転方向に回転することがない。これにより、容易に、撮影装置の支持脚取付部材(第2ねじ部)から支持脚(第1ねじ部)を取り外すことができる。また、支持脚取付部材の係合部を、支持脚取付部材の回転方向に沿って複数形成することによって、支持脚取付部材が第1回転方向に回転したとしても、回転後の位置において支持脚取付部材の係合部と板ばね部材の突出部とを係合させることができる。
【0010】
この発明の第2の局面による撮影装置は、撮影装置本体を構成する筐体と、撮影装置本体を支持する支持脚の第1ねじ部が螺合される第2ねじ部と、係合部とを有するとともに、回転可能に筐体に設けられた支持脚取付部材と、支持脚取付部材の係合部と係合する突出部を有する板ばね部材とを備え、支持脚の第1ねじ部を支持脚取付部材の第2ねじ部に第1回転方向に締め付ける際に、支持脚取付部材に対して第1回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合に支持脚取付部材の係合部により板ばね部材の突出部が押圧されて支持脚取付部材と板ばね部材の突出部との係合が解除される。
【0011】
この発明の第2の局面による撮影装置では、上記のように、撮影装置本体を支持する支持脚の第1ねじ部が螺合される第2ねじ部と係合部とを有する支持脚取付部材を、筐体に回転可能に設けるとともに、突出部を有する板ばね部材を設け、かつ、支持脚の第1ねじ部を支持脚取付部材の第2ねじ部にねじ込む際に、支持脚取付部材に対して第1回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合に支持脚取付部材の係合部に板ばね部材の突出部が押圧されて支持脚取付部材の係合部と板ばね部材の突出部との係合が解除されるように構成することによって、第1の力以上の大きさの力で支持脚取付部材の第2ねじ部に対する支持脚の第1ねじ部の締め付けが行われた場合に、板ばね部材の突出部と支持脚取付部材の係合部との係合が解除されて、支持脚取付部材(第2ねじ部)が支持脚(第1ねじ部)と共に第1回転方向に回転される。これにより、撮影装置の支持脚取付部材(第2ねじ部)に支持脚(第1ねじ部)を螺合する際に、必要以上の力(第1の力以上の大きさの力)で締め付けが行われたとしても、支持脚取付部材(第2ねじ部)が破損するのを抑制することができる。なお、第1の力未満の大きさの力で撮影装置の支持脚取付部材(第2ねじ部)に支持脚(第1ねじ部)を締め付ける場合には、板ばね部材の突出部と支持脚取付部材の係合部との係合状態が保持されるので、支持脚取付部材(第2ねじ部)が支持脚(第1ねじ部)と共に第1回転方向に回転することがない。これにより、支持脚取付部材の第2ねじ部に支持脚の第1ねじ部を第1の力未満の大きさの力で締め付けることができる。
【0012】
上記第2の局面による撮影装置において、好ましくは、筐体に取り付けられ、支持脚取付部材が回転可能に挿入される穴部を有するとともに、穴部に挿入された支持脚取付部材を回転可能に保持する保持部材をさらに備える。このように構成すれば、容易に、保持部材により、支持脚取付部材を回転可能に保持することができる。
【0013】
上記第1の局面による撮影装置または上記支持脚取付部材が回転可能に保持される穴部を有する保持部材をさらに備えた撮影装置において、好ましくは、保持部材は、保持部材の穴部を横切るように設けられた柱状部を含み、支持脚取付部材は、支持脚取付部材の下面の外周に沿って設けられた段差部を含み、支持脚取付部材は、上面が柱状部と当接するとともに、段差部が筐体の底面と当接することにより、撮影装置に回転可能に支持される。このように構成すれば、支持脚取付部材の上面が保持部材の柱状部に当接するので、支持脚取付部材が保持部材の穴部から筐体の内側方向に抜け落ちることを防止することができる。また、支持脚取付部材の段差部が筐体の底面と当接するので、支持脚取付部材が保持部材の穴部から筐体の外側方向に抜け落ちることを防止することができる。その結果、支持脚取付部材を、保持部材の穴部から抜け落ちることなく撮影装置に回転可能に支持することができる。
【0014】
上記第2の局面による撮影装置において、好ましくは、板ばね部材の突出部は、第1傾斜面と、第1傾斜面に対して所定の角度傾斜した第2傾斜面とを含むとともに、支持脚取付部材の係合部は、板ばね部材の第1傾斜面と係合する第1係合面と、板ばね部材の第2傾斜面と係合する第2係合面とを含み、支持脚取付部材に対して第1回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合には、支持脚取付部材の第1係合面が板ばね部材の第1傾斜面を押圧することにより、第1係合面と第1傾斜面との係合が解除される一方、支持脚取付部材に対して第1回転方向とは反対の第2回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合には、支持脚取付部材の第2係合面が板ばね部材の第2傾斜面を押圧したとしても、第2係合面と第2傾斜面との係合は解除されないように係合部の第1係合面および第2係合面と板ばね部材の第1傾斜面および第2傾斜面とが構成されている。このように構成すれば、支持脚(第1ねじ部)を第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させることにより撮影装置の支持脚取付部材(第2ねじ部)から支持脚(第1ねじ部)を取り外す場合に、第1回転方向への締め付け力(第1の力未満の大きさの力)よりも大きい力(第1の力以上の大きさの力)で第2回転方向に力を加えたとしても、板ばね部材の第2傾斜面と支持脚取付部材の第2係合面との係合状態が保持されるので、支持脚取付部材(第2ねじ部)が支持脚(第1ねじ部)と共に第2回転方向に回転することがない。これにより、容易に、撮影装置の支持脚取付部材(第2ねじ部)から支持脚(第1ねじ部)を取り外すことができる。
【0015】
上記第1の局面による撮影装置または上記板ばね部材の突出部が第1傾斜面および第2傾斜面を含む撮影装置において、好ましくは、係合部の第1係合面および第2係合面は、回転可能な支持脚取付部材の外周部に、支持脚取付部材の回転方向を第1回転方向に制限するためのラチェット機構の歯車部を構成するように設けられており、板ばね部材の第1傾斜面および第2傾斜面は、ラチェット機構の爪部を構成するように設けられている。このように構成すれば、ラチェット機構を構成する支持脚取付部材の係合部および板ばね部材により、容易に、支持脚取付部材の回転方向を第1回転方向に制限することができるので、容易に、撮影装置の支持脚取付部材(第2ねじ部)から支持脚(第1ねじ部)を取り外すことができる。
【0016】
この場合、好ましくは、板ばね部材の第1傾斜面および第2傾斜面は、それぞれ、係合部の第1係合面および第2係合面に面接触可能に構成されている。このように構成すれば、支持脚取付部材(第2ねじ部)の係合部と板ばね部材とが係合する際の係合部のがたつきを抑制することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、少なくとも板ばね部材の第1傾斜面は、支持脚取付部材の係合部の半径方向の外側に弾性変形可能に構成されている。このように構成すれば、板ばね部材の突出部は、外側に弾性変形した後に、支持脚取付部材の係合部の中心(支持脚取付部材の回転中心)に向かって形状を復元するので、容易に、支持脚取付部材の次の係合部と板ばね部材の突出部とを係合させることができる。
【0018】
上記第1または第2の局面による撮影装置において、好ましくは、板ばね部材は、第1傾斜面側および第2傾斜面側の両方で支持脚取付部材に固定されている。このように構成すれば、板ばね部材の第1傾斜面および第2傾斜面が弾性変形を繰り返す場合にも、板ばね部材の位置がずれるのを抑制することができる。
【0019】
上記第2の局面による撮影装置において、好ましくは、支持脚取付部材の係合部は、支持脚取付部材の回転方向に沿って複数形成されている。このように構成すれば、支持脚取付部材が第1回転方向に回転したとしても、回転後の位置において支持脚取付部材の係合部と板ばね部材の突出部とを係合させることができる。
【0020】
上記第1または第2の局面による撮影装置において、好ましくは、支持脚取付部材の係合部の上面を押圧する押さえばね部材をさらに備える。このように構成すれば、支持脚取付部材の上面が押さえばね部材によって押圧されるので、支持脚取付部材が保持部材の穴部から筐体の内側方向に抜け落ちることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態によるビデオカメラが三脚に取り付けられた状態を示した斜視図である。図2は、図1に示した一実施形態によるビデオカメラの底面図である。図3〜図11は、図1に示した一実施形態によるビデオカメラの構造の詳細を説明するための図である。まず、図1〜図11を参照して、本実施形態によるビデオカメラ1の構造について説明する。
【0023】
本実施形態によるビデオカメラ1は、図1に示すように、三脚10を取り付けることが可能なように構成されている。また、ビデオカメラ1は、筐体2に、レンズ3と、ファインダ4と、内蔵マイク5と、撮影ボタン6とが取り付けられた構造を有する。なお、ビデオカメラ1は、本発明の「撮影装置」の一例であり、三脚10は、本発明の「支持脚」の一例である。
【0024】
筐体2は、一方筐体21と、他方筐体22とにより構成されている。また、一方筐体21および他方筐体22の各々の底面側には、図2に示すように、一方筐体21と他方筐体22とを組み合わせたときに円形状の穴部2aとなる切欠部21aおよび22aが形成されている。また、図1に示すように、レンズ3は、筐体2の内部に収納され、かつ、筐体2の内部から外部に突出されるように構成されている。ファインダ4は、ユーザがファインダ4を介して被写体を見ながら、撮影範囲を決定することが可能なように構成されている。内蔵マイク5は、撮影時(録画時)に集音する機能を有している。撮影ボタン6は、撮影時に押されることにより、撮影が行われるように構成されている。
【0025】
ここで、本実施形態では、図2に示すように、筐体2の穴部2aに対応する部分に、雌ねじ部7aを有する樹脂製の三脚取付部材7が設けられている。この三脚取付部材7は、図1に示した三脚10をビデオカメラ1に取り付けるために設けられている。なお、三脚取付部材7は、本発明の「支持脚取付部材」の一例であり、雌ねじ部7aは、本発明の「第2ねじ部」の一例である。
【0026】
また、本実施形態では、図3、図4、図7および図8に示すように、筐体2の穴部2aに対応する部分に、穴部8aを有する樹脂製の保持部材8が取り付けられている。そして、図3〜図8に示すように、保持部材8の穴部8aに三脚取付部材7が挿入されることにより、三脚取付部材7が保持部材8により回転可能に保持されている。また、保持部材8の筐体2の内部側には、穴部8aを横切るように、柱状部8bが一体的に形成されている。この柱状部8bにより、保持部材8の穴部8aに挿入された三脚取付部材7が筐体2の内側方向(図6の矢印A方向)に抜け落ちるのが抑制される。また、保持部材8の筐体2の底面側の端部近傍には、保持部材8を筐体2にねじ止めするための取付部8cが設けられている。
【0027】
また、本実施形態では、図6および図7に示すように、保持部材8の筐体2の内部側に、板ばね部材9が取り付けられている。この板ばね部材9は、突出部9aを有するとともに、その突出部9aは、第1傾斜面91aと、第1傾斜面91aに対して所定の角度傾斜した第2傾斜面92aとによって構成されている。また、板ばね部材9は、突出部9aが保持部材8の穴部8a側に突出するように配置されている。また、板ばね部材9の第1傾斜面91aおよび第2傾斜面92aは、後述する三脚取付部材7の係合部7bの半径方向の外側に弾性変形可能に構成されている。また、板ばね部材9には、板ばね部材9の第1傾斜面91a側の部分と第2傾斜面92a側の部分との両方を保持部材8にねじ止めするための一対の取付部9bが設けられている。
【0028】
また、本実施形態では、図6、図7および図9に示すように、三脚取付部材7の上面(筐体2の内部側)の外周部には、板ばね部材9の第1傾斜面91aと係合する第1係合面71bと、板ばね部材9の第2傾斜面92aと係合する第2係合面72bとを有する係合部7bが形成されている。この三脚取付部材7の係合部7bは、三脚取付部材7の外周部に、三脚取付部材7の回転方向(図7の矢印BおよびC)に沿って12個等間隔で形成されるとともに、傾斜した歯車状に形成されている。この係合部7bの第1係合面71bおよび第2係合面72bは、三脚取付部材7の回転方向をB方向に制限するためのラチェット機構の歯車部を構成し、板ばね部材9の第1傾斜面91aおよび第2傾斜面92aからなる突出部9aは、上記ラチェット機構の爪部を構成するように形成されている。また、第1係合面71bおよび第2係合面72bは、図9に示すように、第1係合面71bと、係合部7bに外接する外接円(三脚取付部材7の外側面を構成する円)の第1係合面71bとの交点Pにおける接線200とのなす角度αより、第2係合面72bと、係合部7bに外接する外接円(三脚取付部材7の外側面を構成する円)の第2係合面72bとの交点Qにおける接線300とのなす角度βが大きくなるように構成されている。また、板ばね部材9の第1傾斜面91aおよび第2傾斜面92aは、それぞれ、係合部7bの第1係合面71bおよび第2係合面72bに面接触可能に構成されている。
【0029】
また、本実施形態では、図9に示すように、三脚取付部材7の第1係合面71bは、三脚取付部材7に対してB方向に力が加わった場合に、板ばね部材9の第1傾斜面91aを押圧し、かつ、三脚取付部材7の第2係合面72bは、三脚取付部材7に対してB方向とは反対のC方向に力が加わった場合に、板ばね部材9の第2傾斜面92aを押圧するように配置されている。また、突出部9aの第1傾斜面91aは、係合部7bの第1係合面71bから三脚取付部材7の回転中心Oを中心とする円の接線方向の力Fで押圧されると、第1傾斜面91aの垂直方向の力F(=Fcosθ)を受ける。この力Fは、接線方向の力Fに対して外側に角度θ傾斜した力であり、突出部9aの第1傾斜面91aを、係合を解除する方向である外側に弾性変形しやすくする力である。その一方、突出部9aの第2傾斜面92aは、係合部7bの第2係合面72bから三脚取付部材7の回転中心Oを中心とする円の接線方向の力Fで押圧されると、第2傾斜面92aの垂直方向(接線方向)の力Fを受ける。したがって、突出部9aの第2傾斜面92aには、接線方向の力Fのみが働き、接線方向の力Fに対して外側に傾斜した力は働かない。このため、突出部9aの第2傾斜面92aは、係合を解除する方向である外側には弾性変形しにくい。
【0030】
つまり、図9に示すように、突出部9aは、第2傾斜面92aに対して力Fが加わった際に、係合を解除する方向である外側に弾性変形しにくく、第1傾斜面91aに対して力Fが加わった際に、係合を解除する方向である外側に弾性変形しやすいように構成されている。したがって、板ばね部材9の突出部9aは、三脚取付部材7に対して加わったB方向の力が第1の力以上の大きさの力の場合には、第1係合面71bと第1傾斜面91aとの係合状態が解除されるまでF方向に弾性変形し、三脚取付部材7に対して加わったB方向の力が第1の力未満の大きさの力の場合には、第1係合面71bと第1傾斜面91aとの係合状態が解除される程度までは弾性変形しない。一方、板ばね部材9の突出部9aは、三脚取付部材7に対して加わったC方向の力が第1の力以上の大きさの力の場合にも、第2係合面72bと第2傾斜面92aとの係合状態が解除される程度までは弾性変形しない。
【0031】
また、本実施形態では、図3、図4および図8に示すように、三脚取付部材7の下面には、外周に沿って段差部7cが設けられている。この三脚取付部材7の段差部7cは、三脚取付部材7が保持部材8の穴部8aに挿入された状態において、筐体2の内面に支持されている。これにより、保持部材8の穴部8aに挿入された三脚取付部材7が、筐体2の外側方向(図4の矢印D方向)に抜け落ちるのが抑制されるとともに、回転可能な状態で筐体2に支持されるように構成されている。
【0032】
また、図10および図11に示すように、ビデオカメラ1を支持するための三脚10には、三脚取付部材7の雌ねじ部7aに対応する雄ねじ部10aが設けられている。そして、ビデオカメラ1を三脚10により支持する場合には、三脚10の雄ねじ部10aが取り付け部材7の雌ねじ部7aに螺合されて締め付けられる。なお、雄ねじ部10aは、本発明の「第1ねじ部」の一例である。
【0033】
次に、図7、図10および図11を参照して、三脚10をビデオカメラ1に取り付けおよび取り外す際の動作について説明する。
【0034】
まず、三脚10をビデオカメラ1に取り付ける際には、図10に示すように、三脚10を矢印E方向に移動させ、三脚10の雄ねじ部10aを三脚取付部材7の雌ねじ部7aに接触させた後に、雄ねじ部10aをB方向に回転させる。このとき、三脚10の雄ねじ部10aを第1の力未満の大きさの力で締め付けた場合には、係合部7bの第1係合面71bにより板ばね部材9の第1傾斜面91aが押圧されたとしても、板ばね部材9の突出部9aと三脚取付部材7の係合部7bとの係合が解除される程度までは板ばね部材9は弾性変形しない。したがって、三脚10の雄ねじ部10aを第1の力未満の大きさの力で締め付けた場合には、三脚取付部材7の第1係合面71bと板ばね部材9の第1傾斜面91aとの係合状態が保持される。これにより、三脚取付部材7が三脚10と共にB方向に回転することがないので、雌ねじ部7aに雄ねじ部10aが螺合される。また、第1の力以上の大きさの力で三脚取付部材7の雌ねじ部7aに対する三脚10の雄ねじ部10aの締め付けが行われた場合には、上記のように第1傾斜面91a(突出部9a)は弾性変形しやすいので、係合部7bの第1係合面71bにより板ばね部材9の第1傾斜面91aが押圧されることによって、板ばね部材9の突出部9aと三脚取付部材7の係合部7bとの係合が解除されるまで板ばね部材9が弾性変形する。したがって、三脚10の雄ねじ部10aを第1の力以上の大きさの力で締め付けた場合には、三脚取付部材7の第1係合面71bと板ばね部材9の第1傾斜面91aとの係合状態が解除される。これにより、三脚取付部材7が三脚10と共にB方向に回転するので、三脚取付部材7の雌ねじ部7aに対する三脚10の雄ねじ部10aの締め付けが行われなくなる。
【0035】
次に、三脚10をビデオカメラ1から取り外す際には、図11に示すように、雄ねじ部10aをC方向に回転させる。このとき、三脚10の雄ねじ部10aを第1の力以上の大きさの力で緩めた場合には、係合部7bの第2係合面72bにより板ばね部材9の第2傾斜面92aが押圧されたとしても、上記のように第2傾斜面92a(突出部9a)は弾性変形しにくいので、板ばね部材9の突出部9aと三脚取付部材7の係合部7bとの係合が解除される程度までは板ばね部材9は弾性変形しない。したがって、三脚10の雄ねじ部10aを第1の力以上の大きさの力で緩めた場合にも、三脚取付部材7の第2係合面72bと板ばね部材9の第2傾斜面92aとの係合状態が保持される。これにより、三脚取付部材7が三脚10と共にC方向に回転することがないので、三脚取付部材7の雌ねじ部7aから三脚10の雄ねじ部10aが取り外される。
【0036】
本実施形態では、上記のように、ビデオカメラ1を支持する三脚10の雄ねじ部10aが螺合される雌ねじ部7aと係合部7bとを有する三脚取付部材7を、筐体2に回転可能に設けるとともに、突出部9aを有する板ばね部材9を設け、かつ、三脚10の雄ねじ部10aを三脚取付部材7の雌ねじ部7aにねじ込む際に、三脚取付部材7に対してB方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合に三脚取付部材7の係合部7bに板ばね部材9の突出部9aが押圧されて三脚取付部材7の係合部7bと板ばね部材9の突出部9aとの係合が解除されるように構成することによって、第1の力以上の大きさの力で三脚取付部材7の雌ねじ部7aに対する三脚10の雄ねじ部10aの締め付けが行われた場合に、板ばね部材9の突出部9aと三脚取付部材7の係合部7bとの係合が解除されて、三脚取付部材7(雌ねじ部7a)が三脚10(雄ねじ部10a)と共にB方向に回転される。これにより、ビデオカメラ1の三脚取付部材7(雌ねじ部7a)に三脚10(雄ねじ部10a)を螺合する際に、必要以上の力(第1の力以上の大きさの力)で締め付けが行われたとしても、三脚取付部材7(雌ねじ部7a)が破損するのを抑制することができる。なお、第1の力未満の大きさの力でビデオカメラ1の三脚取付部材7(雌ねじ部7a)に三脚10(雄ねじ部10a)を締め付ける場合には、板ばね部材9の突出部9aと三脚取付部材7の係合部7bとの係合状態が保持されるので、三脚取付部材7(雌ねじ部7a)が三脚10(雄ねじ部10a)と共にB方向に回転することがない。これにより、三脚取付部材7の雌ねじ部7aに三脚10の雄ねじ部10aを第1の力未満の大きさの力で締め付けることができる。
【0037】
また、本実施形態では、筐体2に取り付けられ、三脚取付部材7が回転可能に挿入される穴部8aを有するとともに、穴部8aに挿入された三脚取付部材7を回転可能に保持する保持部材8を筐体2に取り付けることによって、容易に、保持部材8により、三脚取付部材7を回転可能に保持することができる。
【0038】
また、本実施形態では、保持部材8を、保持部材8の穴部8aを横切るように設けられた柱状部8bを含み、三脚取付部材7を、三脚取付部材7の下面の外周に沿って設けられた段差部7cを含むように構成することによって、三脚取付部材7の上面が保持部材8の柱状部8bに当接するので、三脚取付部材7が保持部材8の穴部8aから筐体2の内側方向(矢印A方向)に抜け落ちることを防止することができるとともに、三脚取付部材7の段差部7cが筐体2の底面と当接するので、三脚取付部材7が保持部材8の穴部8aから筐体2の外側方向(矢印D方向)に抜け落ちることを防止することができる。その結果、三脚取付部材7を、保持部材8の穴部8aから抜け落ちることなくビデオカメラ1に支持することができる。
【0039】
また、本実施形態では、板ばね部材9の突出部9aを、第1傾斜面91aと、第1傾斜面91aに対して所定の角度傾斜した第2傾斜面92aとを含むように設け、かつ、三脚取付部材7の係合部7bを、板ばね部材9の第1傾斜面91aと係合する第1係合面71bと、板ばね部材9の第2傾斜面92aと係合する第2係合面72bとを含むように設け、三脚取付部材7に対してB方向とは反対のC方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合に、三脚取付部材7の第2係合面72bが板ばね部材9の第2傾斜面92aを押圧したとしても、第2係合面72bと第2傾斜面92aとの係合は解除されないように係合部7bの第1係合面71bおよび第2係合面72bと板ばね部材9の第1傾斜面91aおよぼ第2傾斜面92aとを構成することによって、三脚10(雄ねじ部10a)をB方向とは反対のC方向に回転させることによりビデオカメラ1の三脚取付部材7(雌ねじ部7a)から三脚10(雄ねじ部10a)を取り外す場合に、B方向への締め付け力(第1の力未満の大きさの力)よりも大きい力(第1の力以上の大きさの力)でC方向に力を加えたとしても、板ばね部材9の第2傾斜面92aと三脚取付部材7の第2係合面72bとの係合状態が保持されるので、三脚取付部材7(雌ねじ部7a)が三脚(雄ねじ部10a)と共にC方向に回転することがない。これにより、容易に、ビデオカメラ1の三脚取付部材7(雌ねじ部7a)から三脚10(雄ねじ部10a)を取り外すことができる。
【0040】
また、本実施形態では、係合部7bの第1係合面71bおよび第2係合面72bを、回転可能な三脚取付部材7の外周部に、三脚取付部材7の回転方向をB方向に制限するためのラチェット機構の歯車部を構成するように設けるとともに、板ばね部材9の第1傾斜面91aおよび第2傾斜面92aを、ラチェット機構の爪部を構成するように設けることによって、ラチェット機構を構成する三脚取付部材7の係合部7bおよび板ばね部材9により、容易に、三脚取付部材7の回転方向をB方向のみに制限することができるので、容易に、ビデオカメラ1の三脚取付部材7(雌ねじ部7a)から三脚10(雄ねじ部10a)を取り外すことができる。
【0041】
また、本実施形態では、板ばね部材9の第1傾斜面91aおよび第2傾斜面92aは、それぞれ、係合部7bの第1係合面71bおよび第2係合面72bに面接触可能に構成することによって、三脚取付部材7の係合部7bと板ばね部材9とが係合する際の係合部7bのがたつきを抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、板ばね部材9の第1傾斜面91aおよび第2傾斜面92aを、三脚取付部材7の係合部7bの半径方向の外側に弾性変形可能に構成することによって、板ばね部材9の突出部9aは、外側に弾性変形した後に、三脚取付部材7の係合部7bの中心(三脚取付部材7の回転中心O)に向かって形状を復元するので、容易に、三脚取付部材7の次の係合部7bと板ばね部材9の突出部9aとを係合させることができる。
【0043】
また、本実施形態では、板ばね部材9を、第1傾斜面91a側の取付部9bおよび第2傾斜面92a側の取付部9bの両方で、三脚取付部材7にねじ止めにより固定することによって、板ばね部材9aの第1傾斜面91aおよび第2傾斜面92aが弾性変形を繰り返す場合にも、板ばね部材9の位置がずれるのを抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態では、三脚取付部材7の係合部7bを、三脚取付部材7の回転方向に沿って12個等間隔で形成することによって、三脚取付部材7がB方向に回転したとしても、回転後の位置において三脚取付部材7の係合部7bと板ばね部材9の突出部9aとを係合させることができる。
【0045】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0046】
たとえば、上記実施形態では、撮影装置の一例としてビデオカメラを示したが、本発明はこれに限らず、三脚脚取付部材を有する撮影装置であれば、ビデオカメラ以外の他の撮影装置にも適用可能である。
【0047】
また、上記実施形態では、支持脚の一例として三脚を示したが、本発明はこれに限らず、ビデオカメラの三脚取付部材に取り付けることが可能であれば、三脚以外の他の支持脚にも適用可能である。
【0048】
また、上記実施形態では、ビデオカメラの筐体に保持部材を取り付けるとともに、その保持部材により三脚取付部材を回転可能に保持したが、本発明はこれに限らず、筐体の所定部分に、三脚取付部材を回転可能に保持する保持部を一体的に設けてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、雌ねじ部を有する三脚取付部材が設けられたビデオカメラに、雄ねじ部が設けられた三脚を取り付ける場合について説明したが、本発明はこれに限らず、雄ねじ部を有する三脚取付部材が設けられたビデオカメラに、雌ねじ部を有する三脚を取り付ける場合にも適用可能である。
【0050】
また、上記実施形態では、三脚取付部材の係合部を三脚取付部材の回転方向に沿って12個形成したが、本発明はこれに限らず、少なくとも1つの係合部が三脚取付部材に形成されていればよい。
【0051】
また、上記実施形態では、保持部材8の筐体2の内部側に、保持部材8の穴部8aを横切るように柱状部8bを形成することにより、保持部材8の穴部8aに挿入された三脚取付部材7が筐体2の内部側に抜け落ちないように構成したが、本発明はこれに限らず、図12に示すように構成してもよい。具体的には、図12に示すように、保持部材18は、穴部18aと、板ばねからなる押さえスプリング19とを備えている。そして、保持部材18の穴部18aに挿入された三脚取付部材7は、押さえスプリング19の付勢力により矢印F方向に押圧されるので、三脚取付部材7が筐体2の内部側(矢印G方向)に抜け落ちるのを抑制することができるように構成されている。なお、押さえスプリング19は、本発明の「押さえばね部材」の一例である。
【0052】
また、上記実施形態では、保持部材を筐体に対してねじ止めしたが、本発明はこれに限らず、保持部材を筐体に対してねじ止めするかわりに、保持部材に切欠部を設けるとともに、筐体の内部に保持部材の切欠部と係合する突出部を底面と対向するように設けることにより、保持部材の切欠部と筐体の突出部とを係合させ、かつ、保持部材を筐体の突出部と筐体の底面とにより挟み込むことによって、保持部材を筐体に対して固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオカメラが三脚に取り付けられた状態を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態によるビデオカメラの底面図である。
【図3】本発明の一実施形態による一方筐体に三脚取付部材を保持した状態で保持部材を取り付けた状態の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による一方筐体に三脚取付部材を保持した状態で保持部材を取り付けた状態の三脚取付部材周辺の拡大図である。
【図5】本発明の一実施形態による保持部材に三脚取付部材を配置した状態の斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による保持部材に三脚取付部材を配置した状態の斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による一方筐体に三脚取付部材を保持した状態で保持部材を取り付けた状態の三脚取付部材周辺の拡大図である。
【図8】図7の100−100の線に沿った断面図である。
【図9】本発明の一実施形態による三脚取付部材と板ばね部材との係合状態を示した拡大平面図である。
【図10】図1に示した一実施形態によるビデオカメラが三脚に取り付けられる前の状態を示した拡大図である。
【図11】図1に示した一実施形態によるビデオカメラが三脚に取り付けられた状態を示した拡大図である。
【図12】本発明の一実施形態の変形例による保持部材に三脚取付部材を配置した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ビデオカメラ(撮影装置)
2 筐体
7 三脚取付部材(支持脚取付部材)
7a 雌ねじ部(第2ねじ部)
7b 係合部
7c 段差部
8 保持部材
8a 穴部
8b 柱状部
9 板ばね部材
9a 突出部
10 三脚(支持脚)
10a 雄ねじ部(第1ねじ部)
71b 第1係合面
72b 第2係合面
91a 第1傾斜面
92a 第2傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置本体を構成する筐体と、
前記撮影装置本体を支持する支持脚の第1ねじ部が螺合される第2ねじ部と、係合部とを有するとともに、回転可能に前記筐体に設けられた支持脚取付部材とを備えた撮影装置において、
前記筐体に取り付けられ、前記支持脚取付部材が回転可能に挿入される穴部を有するとともに、前記穴部に挿入された前記支持脚取付部材を回転可能に保持する保持部材と、
前記保持部材に取り付けられ、第1傾斜面と、前記第1傾斜面に対して所定の角度傾斜した第2傾斜面とを含む突出部を有する板ばね部材とをさらに備え、
前記支持脚取付部材には、前記板ばね部材の第1傾斜面と係合する第1係合面と、前記板ばね部材の第2傾斜面と係合する第2係合面とを有する係合部が、前記支持脚取付部材の回転方向に沿って複数形成されており、
前記支持脚の第1ねじ部を前記支持脚取付部材の第2ねじ部に第1回転方向に締め付ける際に、前記支持脚取付部材に対して前記第1回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合には、前記支持脚取付部材の第1係合面が前記板ばね部材の第1傾斜面を押圧することにより、前記第1係合面と前記第1傾斜面との係合が解除される一方、前記支持脚取付部材に対して前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合には、前記支持脚取付部材の第2係合面が前記板ばね部材の第2傾斜面を押圧したとしても、前記第2係合面と前記第2傾斜面との係合は解除されないように、前記係合部の第1係合面および第2係合面と前記板ばね部材の第1傾斜面および第2傾斜面とが構成されている、撮影装置。
【請求項2】
撮影装置本体を構成する筐体と、
前記撮影装置本体を支持する支持脚の第1ねじ部が螺合される第2ねじ部と、係合部とを有するとともに、回転可能に前記筐体に設けられた支持脚取付部材と、
前記支持脚取付部材の係合部と係合する突出部を有する板ばね部材とを備え、
前記支持脚の第1ねじ部を前記支持脚取付部材の第2ねじ部に第1回転方向に締め付ける際に、前記支持脚取付部材に対して前記第1回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合に前記支持脚取付部材の係合部により前記板ばね部材の前記突出部が押圧されて前記支持脚取付部材と前記板ばね部材の突出部との係合が解除される、撮影装置。
【請求項3】
前記筐体に取り付けられ、前記支持脚取付部材が回転可能に挿入される穴部を有するとともに、前記穴部に挿入された前記支持脚取付部材を回転可能に保持する保持部材をさらに備える、請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記保持部材は、前記保持部材の穴部を横切るように設けられた柱状部を含み、
前記支持脚取付部材は、前記支持脚取付部材の下面の外周に沿って設けられた段差部を含み、
前記支持脚取付部材は、上面が前記柱状部と当接するとともに、前記段差部が前記筐体の底面と当接することにより、前記撮影装置に回転可能に支持される、請求項1または3に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記板ばね部材の突出部は、第1傾斜面と、前記第1傾斜面に対して所定の角度傾斜した第2傾斜面とを含むとともに、前記支持脚取付部材の係合部は、前記板ばね部材の第1傾斜面と係合する第1係合面と、前記板ばね部材の第2傾斜面と係合する第2係合面とを含み、
前記支持脚取付部材に対して前記第1回転方向に第1の力以上の大きさの力が加わった場合には、前記支持脚取付部材の第1係合面が前記板ばね部材の第1傾斜面を押圧することにより、前記第1係合面と前記第1傾斜面との係合が解除される一方、前記支持脚取付部材に対して前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に前記第1の力以上の大きさの力が加わった場合には、前記支持脚取付部材の第2係合面が前記板ばね部材の第2傾斜面を押圧したとしても、前記第2係合面と前記第2傾斜面との係合は解除されないように、前記係合部の第1係合面および第2係合面と前記板ばね部材の第1傾斜面および第2傾斜面とが構成されている、請求項2または3に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記係合部の第1係合面および第2係合面は、回転可能な前記支持脚取付部材の外周部に、前記支持脚取付部材の回転方向を前記第1回転方向に制限するためのラチェット機構の歯車部を構成するように設けられており、
前記板ばね部材の第1傾斜面および第2傾斜面は、前記ラチェット機構の爪部を構成するように設けられている、請求項1または5に記載の撮影装置。
【請求項7】
前記板ばね部材の第1傾斜面および第2傾斜面は、それぞれ、前記係合部の第1係合面および第2係合面に面接触可能に構成されている、請求項6に記載の撮影装置。
【請求項8】
少なくとも前記板ばね部材の第1傾斜面は、前記支持脚取付部材の係合部の半径方向の外側に弾性変形可能に構成されている、請求項7に記載の撮影装置。
【請求項9】
前記板ばね部材は、前記第1傾斜面側および前記第2傾斜面側の両方で前記支持脚取付部材に固定されている、請求項1または2に記載の撮影装置。
【請求項10】
前記支持脚取付部材の係合部は、前記支持脚取付部材の回転方向に沿って複数形成されている、請求項2、請求項3および5のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項11】
前記支持脚取付部材の係合部の上面を押圧する押さえばね部材をさらに備える、請求項1または2に記載の撮影装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−9309(P2008−9309A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−182091(P2006−182091)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】