撮影装置
【課題】撮影時におけるユーザの撮影意図を把握し易くすることが可能な撮影装置を提供する。
【解決手段】本発明の撮影装置は、複数の被写体を含む画像を撮影可能な撮像部と、撮像部により得られた画像に基づいてメイン画像を生成するメイン画像生成部と、撮像部により得られた画像に対し、複数の被写体の中から選択された所望の被写体をズームする処理を行うことによりサブ画像を生成するサブ画像生成部と、メイン画像生成部により生成されたメイン画像に対し、サブ画像生成部により生成されたサブ画像を重畳する処理を行うことにより重畳画像を生成する重畳処理部と、重畳画像のメイン画像に相当する領域の画質と、重畳画像のサブ画像に相当する領域の画質と、を個別に調整する画質調整部と、を有する。
【解決手段】本発明の撮影装置は、複数の被写体を含む画像を撮影可能な撮像部と、撮像部により得られた画像に基づいてメイン画像を生成するメイン画像生成部と、撮像部により得られた画像に対し、複数の被写体の中から選択された所望の被写体をズームする処理を行うことによりサブ画像を生成するサブ画像生成部と、メイン画像生成部により生成されたメイン画像に対し、サブ画像生成部により生成されたサブ画像を重畳する処理を行うことにより重畳画像を生成する重畳処理部と、重畳画像のメイン画像に相当する領域の画質と、重畳画像のサブ画像に相当する領域の画質と、を個別に調整する画質調整部と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置に関し、特に、複数の画像データを同時撮影することが可能な撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮影装置において、一度の撮影で視野の異なる複数の画像データを取得し、当該取得した複数の画像データを個別に記録可能な技術が従来知られている。
【0003】
具体的には、例えば、特許文献1には、撮影光学系からの被写体像を光電変換を用いて撮像する撮像素子における第1エリアに対応する画像データに基づいて、前記第1エリアの一部のエリアを第2エリアとして決定し、前記第1エリアに対応する画像データと前記第2エリアに対応する画像データとを前記撮像素子から交互に読み出し、前記第1エリアに対応する画像データと前記第2エリアに対応する画像データとを個別に(別個の画像ファイルとして)記録する、という構成を備えたデジタルカメラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国特開2004−187124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された構成によれば、例えば、前述の第1エリアに対応する画像データ及び第2エリアに対応する画像データとして個別に記録された2つの異なる視野の画像データのうち、一方の視野の画像データを再生して見ただけでは、撮影時におけるユーザの撮影意図を把握し辛い場合がある、という課題が生じている。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、撮影時におけるユーザの撮影意図を把握し易くすることが可能な撮影装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の撮影装置は、複数の被写体を含む画像を撮影可能な撮像部と、前記撮像部により得られた前記画像に基づいてメイン画像を生成するメイン画像生成部と、前記撮像部により得られた前記画像に対し、前記複数の被写体の中から選択された所望の被写体をズームする処理を行うことによりサブ画像を生成するサブ画像生成部と、前記メイン画像生成部により生成された前記メイン画像に対し、前記サブ画像生成部により生成された前記サブ画像を重畳する処理を行うことにより重畳画像を生成する重畳処理部と、前記重畳画像の前記メイン画像に相当する領域の画質と、前記重畳画像の前記サブ画像に相当する領域の画質と、を個別に調整する画質調整部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明における撮影装置によれば、撮影時におけるユーザの撮影意図を把握し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例に係る撮影装置の要部の構成を示すブロック図。
【図2】本実施例に係る撮影装置において行われる処理等の一例を示すフローチャート。
【図3】重畳領域の設定に係る処理を説明するための説明図。
【図4】重畳枠の表示態様の一例を示す図。
【図5】追尾枠の生成に係る処理を説明するための説明図。
【図6】追尾枠の表示態様の一例を示す図。
【図7】重畳画像データの生成に係る処理等の一例を示すフローチャート。
【図8】メイン画像データに適用されるゲインマップの一例を示す図。
【図9】サブ画像データに適用されるゲインマップの一例を示す図。
【図10】図7の処理等により生成される重畳画像データの一例を示す図。
【図11】重畳画像データの画質調整に用いられるGUIの表示態様の一例を示す図。
【図12】本実施例に係る撮影装置を用いて撮影を行った際に記録される重畳画像データの一例を示す図。
【図13】本実施例に係る撮影装置において行われる処理等の、図2とは異なる例を示すフローチャート。
【図14】重畳領域の再設定に係る処理を説明するための説明図。
【図15】再設定された重畳領域の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0011】
図1から図15は、本発明の実施例に係るものである。
【0012】
図1は、本発明の実施例に係る撮影装置の要部の構成を示すブロック図である。
【0013】
撮影装置1は、例えばデジタルカメラとして構成されており、撮像部11と、画像処理部12と、追尾部13と、重畳処理部14と、重畳領域設定部15と、タッチパネル部16と、記録部17と、表示部18と、を有している。
【0014】
撮像部11は、例えば、レンズ、絞り機構、シャッター機構、焦点調整機構、及び、撮像素子等からなる撮像系を具備して構成されている。また、撮像部11は、前述の撮像系におけるレンズの視野内に位置する1つ以上の被写体を撮影して画像データを得ることができるように構成されている。
【0015】
画像処理部12は、メイン画像生成部12aと、サブ画像生成部12bと、を有して構成されている。
【0016】
メイン画像生成部12aは、撮像部11により得られた画像データに対し、ホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理を施すことにより、メイン画像データを生成する。
【0017】
サブ画像生成部12bは、撮像部11により得られた画像データに対し、ホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理を施す。また、サブ画像生成部12bは、撮影装置1の動作モードが後述の重畳撮影モードに設定された際に、前述の画像処理を施した画像データの中から、追尾部13の追尾対象となっている被写体を含む追尾枠内の領域を抽出する。そして、サブ画像生成部12bは、前述のように抽出した追尾枠内の領域の画像データが重畳領域設定部15により設定された重畳領域に適合するようなズーム倍率を算出し、当該ズーム倍率で前述の画像処理を施した画像データをデジタルズームすることによりサブ画像データを生成する。
【0018】
追尾部13は、撮像部11により得られた画像データに含まれる所望の被写体を追尾可能な機能を具備して構成されている。また、追尾部13は、撮影装置1の動作モードが後述の重畳撮影モードに設定された際に、タッチパネル部16から出力される指示に基づき、表示部18に表示されている各被写体の中から当該指示に応じた1つの被写体を追尾対象の被写体として選択し、さらに、当該選択した追尾対象の被写体を示す追尾枠を生成する処理を行う。なお、このような追尾部13の処理の具体例については、後程説明する。
【0019】
重畳処理部14は、撮影装置1の動作モードが後述の重畳撮影モードに設定された際に、メイン画像生成部12aにより生成されたメイン画像データと、サブ画像生成部12bにより生成されたサブ画像データと、重畳領域設定部15により設定された重畳領域と、に基づいて後述の処理等を行うことにより重畳画像データを生成し、さらに、当該生成した重畳画像データの画質調整に係る処理を行う。なお、このような重畳処理部14の処理の具体例については、後程説明する。
【0020】
重畳領域設定部15は、撮影装置1の動作モードが後述の重畳撮影モードに設定された際に、タッチパネル部16から出力される指示に基づいて検出したタッチパネル部16の座標位置に対応する重畳領域を設定し、当該設定した重畳領域に応じた重畳枠を表示部18に表示させるような処理を行う。なお、このような重畳領域設定部15の処理の具体例については、後程説明する。
【0021】
タッチパネル部16は、ユーザが指等を接触させて操作を行うことにより、追尾部13及び重畳領域設定部15に対する指示を行うことができるように構成されている。
【0022】
記録部17は、例えば、撮影装置1に設けられた不揮発性メモリまたは撮影装置1に対して着脱可能なメモリカード等を具備し、重畳処理部14により生成された重畳画像データ等の様々な画像データを記録(保存)することができるように構成されている。
【0023】
表示部18は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)及びディスプレイ駆動回路等を具備し、重畳処理部14により生成された重畳画像データ等を表示することができるように構成されている。
【0024】
なお、本実施例の撮影装置1には、図1に示した各部の他に、例えば、撮影装置1の動作モードの設定の切替に係る指示を行うことが可能なモード切替スイッチ、撮影装置1の電源のオンオフに係る指示を行うことが可能な電源スイッチ、静止画像データの記録に係るレリーズ指示を行うことが可能なレリーズボタン、及び、撮影装置1の各部の基本的な動作に係る制御等を行うCPUというような、不図示の様々な装置が設けられているものとする。
【0025】
ここで、本実施例の撮影装置1において行われる処理等について、レリーズ指示がなされた際に取得される静止画像データを用いて重畳画像データが生成される場合を例に挙げて説明を行う。図2は、本実施例に係る撮影装置において行われる処理等の一例を示すフローチャートである。
【0026】
まず、撮影装置1の電源がオンされるに伴い、撮像部11による画像データの取得が開始され、さらに、当該画像データが表示部18にライブビュー表示される(図2のステップS1)。
【0027】
なお、図2のステップS1のライブビュー表示の際には、サブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳領域設定部15の各部における処理が行われず、さらに、重畳処理部14がメイン画像生成部12aにより生成されたメイン画像データをスルー出力するものとする。すなわち、図2のステップS1において表示部18にライブビュー表示される画像データは、撮像部11により取得された画像データに対し、メイン画像生成部12aによるホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理が施されたものに略一致する。
【0028】
一方、撮影装置1のCPUは、図2のステップS1によるライブビュー表示の最中に、モード切替スイッチの操作により撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されたか否かを判定する(図2のステップS2)。
【0029】
そして、図2のステップS2において、撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されなかった場合には、撮影装置1の動作モードが通常撮影モードに設定される。
【0030】
なお、前述の通常撮影モードは、例えば、図2のステップS1により表示部18にライブビュー表示されている画像データの撮影及び記録等を実施するための公知の処理等を利用して実現することが可能な動作モードである。そのため、以降においては、簡単のため、前述の通常撮影モードに関する説明を省略する。
【0031】
また、図2のステップS2において、撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されると、重畳領域設定部15は、重畳領域の設定及び重畳枠の表示に係る処理を行う(図2のステップS3)。
【0032】
図3は、重畳領域の設定に係る処理を説明するための説明図である。図4は、重畳枠の表示態様の一例を示す図である。
【0033】
具体的には、撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されると、重畳領域設定部15は、左上隅の座標位置を原点(0,0)としてXY座標系(X軸方向及びY軸方向)を規定したタッチパネル部16から出力される指示に基づき、タッチパネル部16におけるタッチ入力操作のタッチ開始位置に相当する座標位置A(Xa,Ya)と、タッチパネル部16におけるタッチ入力操作のタッチ終了位置に相当する座標位置B(Xb,Yb)と、を検出する(図3参照)。なお、本実施例においては、Xb>Xa及びYb>Yaの大小関係が成り立つものとして説明を行う。
【0034】
重畳領域設定部15は、タッチパネル部16における座標位置A(Xa,Ya)と座標位置B(Xb,Yb)とを結ぶ対角線を備えた矩形領域を重畳領域として設定する(図3参照)。
【0035】
重畳領域設定部15は、タッチパネル部16の座標位置を表示部18の位置に変換する処理等を行うことにより、前述のように設定した重畳領域に相当する領域を示す重畳枠と、ライブビュー表示されている画像データと、を併せて表示部18に表示させる(図4参照)。
【0036】
また、重畳領域設定部15は、図2のステップS3の処理により得られた重畳領域に係る情報を、サブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。具体的には、重畳領域設定部15は、例えば、座標位置A(Xa,Ya)と、座標位置B(Xb,Yb)と、タッチパネル部16における重畳領域の矩形の大きさ(面積)と、を含む情報をサブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。
【0037】
一方、追尾部13は、重畳領域設定部15から出力される重畳領域に係る情報に基づき、追尾対象の被写体の選択及び追尾枠の生成に係る処理を行う(図2のステップS4)。
【0038】
具体的には、追尾部13は、タッチパネル部16から出力される指示に基づき、当該指示により指定されたタッチパネル部16の座標位置に対応する表示部18の画面内の位置を検出し、さらに、当該検出した表示部18の位置に表示されている1つの被写体を追尾対象の被写体として選択する。
【0039】
さらに、追尾部13は、追尾対象の被写体として選択した1つの被写体を示すための矩形形状の追尾枠を生成する処理を行う。
【0040】
ここで、前述の追尾枠の生成に係る処理について、追尾対象の被写体が(1人の)人物である場合を例に挙げて説明する。なお、本実施例によれば、追尾対象が人物以外の他の被写体であってもよい。図5は、追尾枠の生成に係る処理を説明するための説明図である。図6は、追尾枠の表示態様の一例を示す図である。
【0041】
まず、追尾部13は、顔器官検出等の処理を行うことにより、追尾対象の被写体として選択した人物の目及び口の位置を検出する。
【0042】
次に、追尾部13は、追尾対象の被写体として選択した人物の目及び口の位置の検出結果に基づき、追尾枠の縦方向の辺の長さを、(目の位置から上の部分の長さ):(目の位置から口の位置までの部分の長さ):(口の位置から下の部分の長さ)=1:1:3の比率になるような長さLVとして設定する(図5参照)。
【0043】
さらに、追尾部13は、重畳領域設定部15から出力される重畳領域の座標位置A(Xa,Ya)及び座標位置B(Xb,Yb)の各座標値を以下の数式(1)に適用することにより、アスペクト比ARの値を算出する。
【0044】
AR=(Yb−Ya+1)/(Xb−Xa+1) …(1)
追尾部13は、上記の数式(1)を用いて算出したアスペクト比ARを、前述のように設定された縦方向の辺の長さLVに対して乗算することにより、追尾枠の横方向の辺の長さHVを算出する。
【0045】
なお、本実施例においては、前述した方法とは異なる他の方法により追尾枠の縦方向及び横方向の辺の長さを設定するようにしてもよい。
【0046】
その後、追尾部13は、以上のような手順により算出した縦方向の辺の長さLV及び横方向の辺の長さHVを具備する矩形形状の追尾枠を生成し、さらに、図3のようにXY座標系が規定されたタッチパネル部16における、矩形形状の追尾枠の左上隅の座標位置C(Xc,Yc)と右下隅の座標位置D(Xd,Yd)とを取得する(図5参照)。なお、本実施例においては、Xd>Xc及びYd>Ycの大小関係が成り立つものとして説明を行う。
【0047】
そして、追尾部13は、タッチパネル部16の座標位置を表示部18の位置に変換する処理等を行うことにより、前述の重畳枠及び追尾枠と、ライブビュー表示されている画像データと、を併せて表示部18の画面内に表示させる(図6参照)。
【0048】
また、追尾部13は、図2のステップS4の処理により生成した追尾枠に係る情報をサブ画像生成部12bへ出力する。具体的には、追尾部13は、例えば、座標位置C(Xc,Yc)と、座標位置D(Xd,Yd)と、タッチパネル部16における追尾枠の矩形の大きさ(面積)と、を含む情報をサブ画像生成部12bへ出力する。
【0049】
一方、撮影装置1のCPUは、重畳枠及び追尾枠の表示に係る処理を継続させながら、レリーズボタンの操作待ちの状態へ移行する(図2のステップS5)。
【0050】
その後、撮影装置1のCPUは、レリーズボタンの操作によりレリーズ指示が行われたことを検出すると(図2のステップS5)、当該レリーズ指示の検出タイミングに応じた静止画像データを撮影してメイン画像生成部12a及びサブ画像生成部12bへ出力させるための制御を行う。
【0051】
そして、メイン画像生成部12a、サブ画像生成部12b、及び、重畳処理部14は、レリーズ指示に応じて撮像部11から出力される静止画像データに対して種々の処理を施すことにより重畳画像データを生成する(図2のステップS6)。
【0052】
ここで、図2のステップS6において行われる処理等の具体例について、主に図7のフローチャートを参照しながら説明する。図7は、重畳画像データの生成に係る処理等の一例を示すフローチャートである。
【0053】
メイン画像生成部12aは、図2のステップS5のレリーズ指示に応じて撮像部11から出力される静止画像データに対してホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理を施すことによりメイン画像データを生成し、当該生成したメイン画像データを重畳処理部14へ出力する(図7のステップS21)。
【0054】
一方、サブ画像生成部12bは、図2のステップS5のレリーズ指示に応じて撮像部11から出力される静止画像データに対してホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理を施し、当該画像処理を施した画像データを用いてサブ画像データを生成し、当該生成したサブ画像データを重畳処理部14へ出力する(図7のステップS22)。
【0055】
ここで、図7のステップS22において行われる処理の具体例について説明する。
【0056】
サブ画像生成部12bは、追尾部13から出力される情報に基づき、ホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理を施した静止画像データの中から、追尾部13の追尾対象となっている被写体を含む追尾枠内の領域を抽出する。
【0057】
さらに、サブ画像生成部12bは、重畳領域設定部15から出力される座標位置A(Xa,Ya)及び座標位置B(Xb,Yb)の情報と、追尾部13から出力される座標位置C(Xc,Yc)及び座標位置D(Xd,Yd)の情報と、に基づいて以下の数式(2)を用いた演算を行うことにより、ズーム倍率ZRを算出する。
【0058】
ZR=(Yb−Ya+1)/(Yd−Yc+1) …(2)
そして、サブ画像生成部12bは、前述の画像処理を施した静止画像データを上記数式(2)の演算結果として得られたズーム倍率ZRでデジタルズームすることによりサブ画像データを生成し、当該生成したサブ画像データを重畳処理部14へ出力する。
【0059】
なお、サブ画像生成部12bは、前述のような処理を図7のステップS22において行うものに限らず、例えば、ズーム倍率ZRでデジタルズームした画像データに対し、当該ズーム倍率ZRに応じた画素補間処理を施したものをサブ画像データとして重畳処理部14へ出力してもよい。
【0060】
一方、重畳処理部14は、重畳領域設定部15から出力される情報に基づき、図7のステップS21により生成されたメイン画像データに対して適用するゲインマップと、図7のステップS22により生成されたサブ画像データに対して適用するゲインマップと、をそれぞれ生成する(図7のステップS23)。
【0061】
図8は、メイン画像データに適用されるゲインマップの一例を示す図である。図9は、サブ画像データに適用されるゲインマップの一例を示す図である。
【0062】
具体的には、重畳処理部14は、メイン画像データに適用するゲインマップとして、例えば図8に示すように、メイン画像データのフレームの垂直方向及び水平方向において、重畳領域以外の領域の画素のゲインを1倍とし、かつ、重畳領域の端部の画素から中心部の画素へ向かうにつれてゲインが1倍から0へ漸次変化してゆくようなゲインマップを生成する。
【0063】
また、重畳処理部14は、サブ画像データに適用するゲインマップとして、例えば図9に示すように、サブ画像データのフレームの垂直方向及び水平方向において、重畳領域以外の領域の画素のゲインを0とし、かつ、重畳領域の端部の画素から中心部の画素へ向かうにつれてゲインが0から1倍へ漸次変化してゆくようなゲインマップを生成する。
【0064】
なお、メイン画像データ及びサブ画像データに適用するゲインマップは、例えば、両方のゲインマップを加算した際に、フレーム全域の各画素のゲイン値が1となるように生成される限りにおいては、図8及び図9に示したものと異なっていてもよい。
【0065】
重畳処理部14は、図7のステップS23により生成したゲインマップをメイン画像データ及びサブ画像データにそれぞれ適用し、さらに、ゲインマップを適用したメイン画像データ及びサブ画像データを加算処理することにより、例えば図10に示すような、重畳枠を含む重畳画像データを生成する(図7のステップS24)。図10は、図7の処理等により生成される重畳画像データの一例を示す図である。
【0066】
そして、図7のステップS24の処理が完了するに伴い、図2のステップS7の処理が続けて行われる。
【0067】
画質調整部としての機能を具備する重畳処理部14は、図2のステップS6により生成された重畳画像データの画質調整に係る処理を行う(図2のステップS7)。図11は、重畳画像データの画質調整に用いられるGUIの表示態様の一例を示す図である。
【0068】
具体的には、重畳処理部14は、例えば図11に示すように、図2のステップS6の処理により生成された重畳画像データと、メイン画像データに相当する領域の画質の調整を実施可能なGUIとしての画質調整用スライダー101と、サブ画像データに相当する領域の画質の調整を実施可能なGUIとしての画質調整用スライダー102と、を併せて表示部18に表示させる。そして、重畳処理部14は、図2のステップS6の処理により生成された重畳画像データに対し、画質調整用スライダー101及び102の操作に応じた画質調整を個別に施す。
【0069】
画質調整用スライダー101は、例えば、彩度の高低、明度の高低、または、コントラストの強弱等のような、メイン画像データの画質調整に係る各パラメータの中から択一的に選択されたパラメータを変化させることが可能なGUIとして構成されている。また、画質調整用スライダー101は、タッチパネル部16の操作に応じて(例えば表示部18の上下方向に沿って)移動し、メイン画像データの画質調整に係る各パラメータの中から択一的に選択されたパラメータの増減に係る指示を行うことが可能なGUIとしてのつまみ部101aを具備して構成されている。そして、このような画質調整用スライダー101が表示部18に表示される構成によれば、重畳処理部14は、タッチパネル部16から出力される指示に基づき、つまみ部101aの現在位置に応じた色調またはコントラストを具備するように、重畳画像データにおけるメイン画像データに相当する領域の画質に係るパラメータを調整(変更)する。
【0070】
画質調整用スライダー102は、例えば、彩度の高低、明度の高低、または、コントラストの強弱等のような、サブ画像データの画質調整に係る各パラメータの中から択一的に選択されたパラメータを変化させることが可能なGUIとして構成されている。また、画質調整用スライダー102は、タッチパネル部16の操作に応じて(例えば表示部18の上下方向に沿って)移動し、メイン画像データの画質調整に係る各パラメータの中から択一的に選択されたパラメータの増減に係る指示を行うことが可能なGUIとしてのつまみ部102aを具備して構成されている。そして、このような画質調整用スライダー102が表示部18に表示される構成によれば、重畳処理部14は、タッチパネル部16から出力される指示に基づき、つまみ部102aの現在位置に応じた色調またはコントラストを具備するように、重畳画像データにおけるサブ画像データに相当する領域の画質に係るパラメータを調整(変更)する。
【0071】
一方、撮影装置1のCPUは、図2のステップS7による画質調整が完了したことを検出すると、図11に例示したような重畳画像データから、重畳枠と、画質調整用スライダー101と、画質調整用スライダー102と、がそれぞれ消去された、図12に示すような重畳画像データを表示部18にレックビュー表示させて記録部17に記録させるように制御を行う(図2のステップS8及びステップS9)。図12は、本実施例に係る撮影装置を用いて撮影を行った際に記録される重畳画像データの一例を示す図である。
【0072】
続いて、本実施例の撮影装置1において行われる処理等について、レリーズ指示がなされる前に取得される動画像データを用いて重畳画像データが生成される場合を例に挙げて説明を行う。図13は、本実施例に係る撮影装置において行われる処理等の、図2とは異なる例を示すフローチャートである。なお、以降においては、簡単のため、既に述べたものと同様の処理等を適用可能な部分を適宜省略しながら説明を行うものとする。
【0073】
まず、撮影装置1の電源がオンされるに伴い、撮像部11による画像データの取得が開始され、さらに、当該画像データが表示部18にライブビュー表示される(図13のステップS31)。
【0074】
なお、図13のステップS31のライブビュー表示の際には、サブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳領域設定部15の各部における処理が行われず、さらに、重畳処理部14がメイン画像生成部12aにより生成されたメイン画像データをスルー出力するものとする。すなわち、図13のステップS31において表示部18にライブビュー表示される画像データは、撮像部11により取得された画像データに対し、メイン画像生成部12aによるホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理が施されたものに略一致する。
【0075】
一方、撮影装置1のCPUは、図13のステップS31によるライブビュー表示の最中に、モード切替スイッチの操作により撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されたか否かを判定する(図13のステップS32)。
【0076】
そして、図13のステップS32において、撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されなかった場合には、撮影装置1の動作モードが通常撮影モードに設定される。
【0077】
また、図13のステップS32において、撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されると、重畳領域設定部15は、重畳領域の設定及び重畳枠の表示に係る処理として、図2のステップS3の説明において述べたものと同様の処理を行う(図13のステップS33)。そして、図13のステップS33の処理が重畳領域設定部15において行われることにより、重畳領域に相当する領域を示す重畳枠と、ライブビュー表示されている画像データと、が併せて表示部18に表示される(図4参照)。
【0078】
また、重畳領域設定部15は、図13のステップS33の処理により得られた重畳領域に係る情報を、サブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。具体的には、重畳領域設定部15は、例えば、座標位置A(Xa,Ya)と、座標位置B(Xb,Yb)と、タッチパネル部16における重畳領域の矩形の大きさ(面積)と、を含む情報をサブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。
【0079】
一方、追尾部13は、重畳領域設定部15から出力される重畳領域に係る情報に基づき、追尾対象の被写体の選択及び追尾枠の生成に係る処理として、図2のステップS4の説明において述べたものと同様の処理を行う(図13のステップS34)。そして、図13のステップS34の処理が追尾部13において行われることにより、前述の重畳枠及び追尾枠と、ライブビュー表示されている画像データと、が併せて表示部18の画面内に表示される(図6参照)。
【0080】
また、追尾部13は、図13のステップS34の処理により生成した追尾枠に係る情報をサブ画像生成部12bへ出力する。具体的には、追尾部13は、例えば、座標位置C(Xc,Yc)と、座標位置D(Xd,Yd)と、タッチパネル部16における追尾枠の矩形の大きさ(面積)と、を含む情報をサブ画像生成部12bへ出力する。
【0081】
そして、メイン画像生成部12a、サブ画像生成部12b、及び、重畳処理部14は、前述の図7の一連の処理(図2のステップS6の処理)と略同様の処理を行うことにより、図10に例示したような、重畳枠を含む重畳画像データを撮像部11から出力される動画像データの各フレーム毎に生成する(図13のステップS35)。
【0082】
さらに、重畳処理部14は、図13のステップS35により生成された重畳画像データの画質調整に係る処理として、図2のステップS7の説明において述べたものと同様の処理を行う(図13のステップS36)。
【0083】
すなわち、図13のステップS35及びステップS36の処理を経ることにより、図11に例示したような、重畳枠と、メイン画像データに相当する領域の画質の調整を実施可能なGUIとしての画質調整用スライダー101と、サブ画像データに相当する領域の画質の調整を実施可能なGUIとしての画質調整用スライダー102と、を含む重畳画像データが表示部18にライブビュー表示される。そして、このような重畳画像データが表示部18にライブビュー表示される構成によれば、重畳処理部14は、タッチパネル部16から出力される指示に基づき、つまみ部101aの現在位置に応じた色調またはコントラストを具備するように、メイン画像データに相当する領域の画質に係るパラメータを略リアルタイムに調整(変更)し、さらに、つまみ部102aの現在位置に応じた色調またはコントラストを具備するように、サブ画像データに相当する領域の画質に係るパラメータを略リアルタイムに調整(変更)する。
【0084】
一方、重畳領域設定部15は、図13のステップS36の処理を経た重畳画像データが表示部18にライブビュー表示されている際に、タッチパネル部16において重畳領域の調整に係る指示がなされたか否かを判定する(図13のステップS37)。
【0085】
具体的には、重畳領域設定部15は、図13のステップS36の処理を経た重畳画像データが表示部18にライブビュー表示されている際に、例えば、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する4つの辺のうちのいずれか1つを跨ぐようなタッチ入力操作がタッチパネル部16において行われたか否かに基づき、重畳領域の調整に係る指示がなされたか否かを判定する。
【0086】
そして、重畳領域設定部15は、図13のステップS37において、重畳領域の調整に係る指示がなされていないとの判定結果を得た場合には、後述の図13のステップS39の処理を続けて行う。
【0087】
また、重畳領域設定部15は、図13のステップS37において、重畳領域の調整に係る指示がなされたとの判定結果を得た場合には、重畳領域の再設定及び重畳枠の表示に係る処理を行う(図13のステップS38)。
【0088】
ここで、図13のステップS38において行われる処理について、前述の座標位置A(Xa,Ya)及び座標位置B(Xb,Yb)を結ぶ対角線を具備する、図14に示すような矩形の重畳領域が現在の重畳領域として設定されている場合を例に挙げて説明する。図14は、重畳領域の再設定に係る処理を説明するための説明図である。
【0089】
座標位置A(Xa,Ya)及び座標位置B(Xb,Yb)を結ぶ対角線を具備する矩形の重畳領域を構成する4つの辺のうちのいずれか1つを跨ぐようなタッチ入力操作が行われたことを検出すると、重畳領域設定部15は、左上隅の座標位置を原点(0,0)としてXY座標系(X軸方向及びY軸方向)を規定したタッチパネル部16から出力される指示に基づき、タッチパネル部16におけるタッチ入力操作のタッチ開始位置に相当する座標位置E(Xe,Ye)と、タッチパネル部16におけるタッチ入力操作のタッチ終了位置に相当する座標位置F(Xf,Yf)と、を検出する(図14参照)。なお、本実施例においては、Xf>Xe及びYe>Yfの大小関係が成り立つものとして説明を行う。
【0090】
その後、重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する4つの辺のうち、前述のタッチ開始位置に相当する座標位置E(Xe,Ye)に最も近い位置にある1つの辺を調整対象の辺として設定する。
【0091】
すなわち、図14に示すような座標位置E(Xe,Ye)が検出された場合においては、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する右辺が調整対象の辺として設定される。
【0092】
一方、重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する4つの辺のうち、右辺または左辺を調整対象の辺として設定した場合において、座標値Xfから座標値Xeを減じて得られる値を、当該調整対象の辺の移動量として設定する。
【0093】
また、重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する4つの辺のうち、上辺または下辺を調整対象の辺として設定した場合において、座標値Yeから座標値Yfを減じて得られる値を、当該調整対象の辺の移動量として設定する。
【0094】
そして、重畳領域設定部15は、座標位置A(Xa,Ya)及び座標位置B(Xb,Yb)に含まれる各座標値のうち、調整対象の辺に対応する1つの座標値に対して移動量の値を加えることにより、移動先の座標位置を取得する。
【0095】
具体的には、重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)の左辺を調整対象の辺として設定した場合においては、座標位置A(Xa,Ya)に対応する移動先の座標位置G(Xa+(Xf−Xe),Ya)を取得する。
【0096】
重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)の上辺を調整対象の辺として設定した場合においては、座標位置A(Xa,Ya)に対応する移動先の座標位置H(Xa,Ya+(Ye−Yf))を取得する。
【0097】
重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)の右辺を調整対象の辺として設定した場合においては、座標位置B(Xb,Yb)に対応する移動先の座標位置I(Xb+(Xf−Xe),Yb)を取得する。
【0098】
重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)の下辺を調整対象の辺として設定した場合においては、座標位置B(Xb,Yb)に対応する移動先の座標位置J(Xb,Yb+(Ye−Yf))を取得する。
【0099】
すなわち、図14に示すような座標位置E(Xe,Ye)が検出されることにより、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する右辺が調整対象の辺として設定された場合においては、座標位置B(Xb,Yb)に対応する移動先の座標位置I(Xb+(Xf−Xe),Yb)が取得される。
【0100】
そして、重畳領域設定部15は、図14のように現在設定されている重畳領域を、座標位置A(Xa,Ya)と座標位置I(Xb+(Xf−Xe),Yb)とを結ぶ対角線を備えた、図15に示すような矩形領域の重畳領域として再設定する。図15は、再設定された重畳領域の一例を示す図である。
【0101】
重畳領域設定部15は、タッチパネル部16の座標位置を表示部18の位置に変換する処理等を行うことにより、前述のように再設定した重畳領域に相当する領域を示す重畳枠と、ライブビュー表示されている画像データと、を併せて表示部18に表示させる。
【0102】
また、重畳領域設定部15は、以上に述べたような図13のステップS38の処理により再設定された重畳領域に係る情報を、サブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。具体的には、重畳領域設定部15は、例えば、座標位置A(Xa,Ya)と、座標位置I(Xb+(Xf−Xe),Yb)と、タッチパネル部16における重畳領域の矩形の大きさ(面積)と、を含む情報をサブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。
【0103】
そして、図13のステップS38の処理により再設定された重畳領域に係る情報に基づく処理が図13のステップS34及びステップS35において行われることにより、追尾枠及び重畳画像データがそれぞれ更新される。すなわち、図13のステップS38の処理により重畳領域が再設定されるに伴い、重畳枠及び追尾枠の矩形の大きさがそれぞれ変更され、当該変更された重畳枠及び追尾枠の大きさに応じた新たなズーム倍率ZRが算出され、当該算出された新たなズーム倍率ZRでデジタルズームされたサブ画像データが生成される。
【0104】
なお、本実施例においては、図13のステップS38の処理により重畳領域が再設定された際の処理として、前述の処理が行われるものに限らない。具体的には、例えば、図13のステップS38の処理により重畳領域が再設定されるに伴い、重畳枠及び追尾枠の矩形の大きさがそれぞれ変更され、さらに、重畳領域が再設定される以前のズーム倍率ZRを保持したまま、当該変更された重畳枠及び追尾枠の大きさに応じたサブ画像データが生成されるようにしてもよい。
【0105】
一方、撮影装置1のCPUは、レリーズボタンの操作によりレリーズ指示がなされたか否かを判定する(図13のステップS39)。
【0106】
そして、撮影装置1のCPUは、図13のステップS39において、レリーズ指示がなされていないとの判定結果を得た場合には、図13のステップS35の処理を再度行う。
【0107】
また、撮影装置1のCPUは、図13のステップS39において、レリーズ指示がなされたとの判定結果を得た場合には、当該レリーズ指示の検出タイミングに応じたフレームの重畳画像データとして、重畳枠と、画質調整用スライダー101と、画質調整用スライダー102と、がそれぞれ消去された重畳画像データを表示部18にレックビュー表示させて記録部17に記録させるように制御を行う(図13のステップS40及びステップS41)。
【0108】
以上に述べた本実施例によれば、ユーザの撮影対象となる主たる被写体と、当該主たる被写体に関連する被写体として当該ユーザにより選択された従たる被写体と、の関連性を強調するような重畳画像データを生成し、当該生成した重畳画像データを記録部17に記録可能な構成を具備している。すなわち、以上に述べた本実施例によれば、例えば、記録部17に記録された重畳画像データを再生して閲覧することにより、撮影時におけるユーザの撮影意図を容易に把握することができる。
【0109】
なお、以上に述べた本実施例によれば、重畳画像データの生成に用いられるメイン画像データ及びサブ画像データを、同じ撮影条件で撮影された1つの画像データに基づいて生成するものに限らず、相互に異なる撮影条件で撮影された2つの画像データに基づいて生成するものであってもよい。具体的には、例えば、露出補正、絞り、シャッタースピード及び感度等の種々のパラメータを組み合わせた2種類の撮影条件を予め設定しておくとともに、当該2種類の撮影条件のうちの一方で撮影された第1の画像データに基づいて生成したメイン画像データと、当該2種類の撮影条件のうちの他方で撮影された第2の画像データに基づいて生成したサブ画像データと、を重畳画像データの生成に用いてもよい。
【0110】
また、以上に述べた本実施例によれば、図7に示したような処理を経て重畳画像データを生成するものに限らず、例えば、重畳領域を半透明化する処理を施したメイン画像データを生成し、ズーム倍率ZRでデジタルズームした追尾枠内の領域のみを抜き出す(切り抜く)処理を施したサブ画像データを生成し、当該メイン画像データの重畳領域に当該サブ画像データを合成する(はめ込む)ことにより重畳画像データを生成してもよい。
【0111】
なお、本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0112】
1 撮影装置
11 撮像部
12 画像処理部
12a メイン画像生成部
12b サブ画像生成部
13 追尾部
14 重畳処理部
15 重畳領域設定部
16 タッチパネル部
17 記録部
18 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置に関し、特に、複数の画像データを同時撮影することが可能な撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮影装置において、一度の撮影で視野の異なる複数の画像データを取得し、当該取得した複数の画像データを個別に記録可能な技術が従来知られている。
【0003】
具体的には、例えば、特許文献1には、撮影光学系からの被写体像を光電変換を用いて撮像する撮像素子における第1エリアに対応する画像データに基づいて、前記第1エリアの一部のエリアを第2エリアとして決定し、前記第1エリアに対応する画像データと前記第2エリアに対応する画像データとを前記撮像素子から交互に読み出し、前記第1エリアに対応する画像データと前記第2エリアに対応する画像データとを個別に(別個の画像ファイルとして)記録する、という構成を備えたデジタルカメラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国特開2004−187124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された構成によれば、例えば、前述の第1エリアに対応する画像データ及び第2エリアに対応する画像データとして個別に記録された2つの異なる視野の画像データのうち、一方の視野の画像データを再生して見ただけでは、撮影時におけるユーザの撮影意図を把握し辛い場合がある、という課題が生じている。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、撮影時におけるユーザの撮影意図を把握し易くすることが可能な撮影装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の撮影装置は、複数の被写体を含む画像を撮影可能な撮像部と、前記撮像部により得られた前記画像に基づいてメイン画像を生成するメイン画像生成部と、前記撮像部により得られた前記画像に対し、前記複数の被写体の中から選択された所望の被写体をズームする処理を行うことによりサブ画像を生成するサブ画像生成部と、前記メイン画像生成部により生成された前記メイン画像に対し、前記サブ画像生成部により生成された前記サブ画像を重畳する処理を行うことにより重畳画像を生成する重畳処理部と、前記重畳画像の前記メイン画像に相当する領域の画質と、前記重畳画像の前記サブ画像に相当する領域の画質と、を個別に調整する画質調整部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明における撮影装置によれば、撮影時におけるユーザの撮影意図を把握し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例に係る撮影装置の要部の構成を示すブロック図。
【図2】本実施例に係る撮影装置において行われる処理等の一例を示すフローチャート。
【図3】重畳領域の設定に係る処理を説明するための説明図。
【図4】重畳枠の表示態様の一例を示す図。
【図5】追尾枠の生成に係る処理を説明するための説明図。
【図6】追尾枠の表示態様の一例を示す図。
【図7】重畳画像データの生成に係る処理等の一例を示すフローチャート。
【図8】メイン画像データに適用されるゲインマップの一例を示す図。
【図9】サブ画像データに適用されるゲインマップの一例を示す図。
【図10】図7の処理等により生成される重畳画像データの一例を示す図。
【図11】重畳画像データの画質調整に用いられるGUIの表示態様の一例を示す図。
【図12】本実施例に係る撮影装置を用いて撮影を行った際に記録される重畳画像データの一例を示す図。
【図13】本実施例に係る撮影装置において行われる処理等の、図2とは異なる例を示すフローチャート。
【図14】重畳領域の再設定に係る処理を説明するための説明図。
【図15】再設定された重畳領域の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0011】
図1から図15は、本発明の実施例に係るものである。
【0012】
図1は、本発明の実施例に係る撮影装置の要部の構成を示すブロック図である。
【0013】
撮影装置1は、例えばデジタルカメラとして構成されており、撮像部11と、画像処理部12と、追尾部13と、重畳処理部14と、重畳領域設定部15と、タッチパネル部16と、記録部17と、表示部18と、を有している。
【0014】
撮像部11は、例えば、レンズ、絞り機構、シャッター機構、焦点調整機構、及び、撮像素子等からなる撮像系を具備して構成されている。また、撮像部11は、前述の撮像系におけるレンズの視野内に位置する1つ以上の被写体を撮影して画像データを得ることができるように構成されている。
【0015】
画像処理部12は、メイン画像生成部12aと、サブ画像生成部12bと、を有して構成されている。
【0016】
メイン画像生成部12aは、撮像部11により得られた画像データに対し、ホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理を施すことにより、メイン画像データを生成する。
【0017】
サブ画像生成部12bは、撮像部11により得られた画像データに対し、ホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理を施す。また、サブ画像生成部12bは、撮影装置1の動作モードが後述の重畳撮影モードに設定された際に、前述の画像処理を施した画像データの中から、追尾部13の追尾対象となっている被写体を含む追尾枠内の領域を抽出する。そして、サブ画像生成部12bは、前述のように抽出した追尾枠内の領域の画像データが重畳領域設定部15により設定された重畳領域に適合するようなズーム倍率を算出し、当該ズーム倍率で前述の画像処理を施した画像データをデジタルズームすることによりサブ画像データを生成する。
【0018】
追尾部13は、撮像部11により得られた画像データに含まれる所望の被写体を追尾可能な機能を具備して構成されている。また、追尾部13は、撮影装置1の動作モードが後述の重畳撮影モードに設定された際に、タッチパネル部16から出力される指示に基づき、表示部18に表示されている各被写体の中から当該指示に応じた1つの被写体を追尾対象の被写体として選択し、さらに、当該選択した追尾対象の被写体を示す追尾枠を生成する処理を行う。なお、このような追尾部13の処理の具体例については、後程説明する。
【0019】
重畳処理部14は、撮影装置1の動作モードが後述の重畳撮影モードに設定された際に、メイン画像生成部12aにより生成されたメイン画像データと、サブ画像生成部12bにより生成されたサブ画像データと、重畳領域設定部15により設定された重畳領域と、に基づいて後述の処理等を行うことにより重畳画像データを生成し、さらに、当該生成した重畳画像データの画質調整に係る処理を行う。なお、このような重畳処理部14の処理の具体例については、後程説明する。
【0020】
重畳領域設定部15は、撮影装置1の動作モードが後述の重畳撮影モードに設定された際に、タッチパネル部16から出力される指示に基づいて検出したタッチパネル部16の座標位置に対応する重畳領域を設定し、当該設定した重畳領域に応じた重畳枠を表示部18に表示させるような処理を行う。なお、このような重畳領域設定部15の処理の具体例については、後程説明する。
【0021】
タッチパネル部16は、ユーザが指等を接触させて操作を行うことにより、追尾部13及び重畳領域設定部15に対する指示を行うことができるように構成されている。
【0022】
記録部17は、例えば、撮影装置1に設けられた不揮発性メモリまたは撮影装置1に対して着脱可能なメモリカード等を具備し、重畳処理部14により生成された重畳画像データ等の様々な画像データを記録(保存)することができるように構成されている。
【0023】
表示部18は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)及びディスプレイ駆動回路等を具備し、重畳処理部14により生成された重畳画像データ等を表示することができるように構成されている。
【0024】
なお、本実施例の撮影装置1には、図1に示した各部の他に、例えば、撮影装置1の動作モードの設定の切替に係る指示を行うことが可能なモード切替スイッチ、撮影装置1の電源のオンオフに係る指示を行うことが可能な電源スイッチ、静止画像データの記録に係るレリーズ指示を行うことが可能なレリーズボタン、及び、撮影装置1の各部の基本的な動作に係る制御等を行うCPUというような、不図示の様々な装置が設けられているものとする。
【0025】
ここで、本実施例の撮影装置1において行われる処理等について、レリーズ指示がなされた際に取得される静止画像データを用いて重畳画像データが生成される場合を例に挙げて説明を行う。図2は、本実施例に係る撮影装置において行われる処理等の一例を示すフローチャートである。
【0026】
まず、撮影装置1の電源がオンされるに伴い、撮像部11による画像データの取得が開始され、さらに、当該画像データが表示部18にライブビュー表示される(図2のステップS1)。
【0027】
なお、図2のステップS1のライブビュー表示の際には、サブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳領域設定部15の各部における処理が行われず、さらに、重畳処理部14がメイン画像生成部12aにより生成されたメイン画像データをスルー出力するものとする。すなわち、図2のステップS1において表示部18にライブビュー表示される画像データは、撮像部11により取得された画像データに対し、メイン画像生成部12aによるホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理が施されたものに略一致する。
【0028】
一方、撮影装置1のCPUは、図2のステップS1によるライブビュー表示の最中に、モード切替スイッチの操作により撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されたか否かを判定する(図2のステップS2)。
【0029】
そして、図2のステップS2において、撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されなかった場合には、撮影装置1の動作モードが通常撮影モードに設定される。
【0030】
なお、前述の通常撮影モードは、例えば、図2のステップS1により表示部18にライブビュー表示されている画像データの撮影及び記録等を実施するための公知の処理等を利用して実現することが可能な動作モードである。そのため、以降においては、簡単のため、前述の通常撮影モードに関する説明を省略する。
【0031】
また、図2のステップS2において、撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されると、重畳領域設定部15は、重畳領域の設定及び重畳枠の表示に係る処理を行う(図2のステップS3)。
【0032】
図3は、重畳領域の設定に係る処理を説明するための説明図である。図4は、重畳枠の表示態様の一例を示す図である。
【0033】
具体的には、撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されると、重畳領域設定部15は、左上隅の座標位置を原点(0,0)としてXY座標系(X軸方向及びY軸方向)を規定したタッチパネル部16から出力される指示に基づき、タッチパネル部16におけるタッチ入力操作のタッチ開始位置に相当する座標位置A(Xa,Ya)と、タッチパネル部16におけるタッチ入力操作のタッチ終了位置に相当する座標位置B(Xb,Yb)と、を検出する(図3参照)。なお、本実施例においては、Xb>Xa及びYb>Yaの大小関係が成り立つものとして説明を行う。
【0034】
重畳領域設定部15は、タッチパネル部16における座標位置A(Xa,Ya)と座標位置B(Xb,Yb)とを結ぶ対角線を備えた矩形領域を重畳領域として設定する(図3参照)。
【0035】
重畳領域設定部15は、タッチパネル部16の座標位置を表示部18の位置に変換する処理等を行うことにより、前述のように設定した重畳領域に相当する領域を示す重畳枠と、ライブビュー表示されている画像データと、を併せて表示部18に表示させる(図4参照)。
【0036】
また、重畳領域設定部15は、図2のステップS3の処理により得られた重畳領域に係る情報を、サブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。具体的には、重畳領域設定部15は、例えば、座標位置A(Xa,Ya)と、座標位置B(Xb,Yb)と、タッチパネル部16における重畳領域の矩形の大きさ(面積)と、を含む情報をサブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。
【0037】
一方、追尾部13は、重畳領域設定部15から出力される重畳領域に係る情報に基づき、追尾対象の被写体の選択及び追尾枠の生成に係る処理を行う(図2のステップS4)。
【0038】
具体的には、追尾部13は、タッチパネル部16から出力される指示に基づき、当該指示により指定されたタッチパネル部16の座標位置に対応する表示部18の画面内の位置を検出し、さらに、当該検出した表示部18の位置に表示されている1つの被写体を追尾対象の被写体として選択する。
【0039】
さらに、追尾部13は、追尾対象の被写体として選択した1つの被写体を示すための矩形形状の追尾枠を生成する処理を行う。
【0040】
ここで、前述の追尾枠の生成に係る処理について、追尾対象の被写体が(1人の)人物である場合を例に挙げて説明する。なお、本実施例によれば、追尾対象が人物以外の他の被写体であってもよい。図5は、追尾枠の生成に係る処理を説明するための説明図である。図6は、追尾枠の表示態様の一例を示す図である。
【0041】
まず、追尾部13は、顔器官検出等の処理を行うことにより、追尾対象の被写体として選択した人物の目及び口の位置を検出する。
【0042】
次に、追尾部13は、追尾対象の被写体として選択した人物の目及び口の位置の検出結果に基づき、追尾枠の縦方向の辺の長さを、(目の位置から上の部分の長さ):(目の位置から口の位置までの部分の長さ):(口の位置から下の部分の長さ)=1:1:3の比率になるような長さLVとして設定する(図5参照)。
【0043】
さらに、追尾部13は、重畳領域設定部15から出力される重畳領域の座標位置A(Xa,Ya)及び座標位置B(Xb,Yb)の各座標値を以下の数式(1)に適用することにより、アスペクト比ARの値を算出する。
【0044】
AR=(Yb−Ya+1)/(Xb−Xa+1) …(1)
追尾部13は、上記の数式(1)を用いて算出したアスペクト比ARを、前述のように設定された縦方向の辺の長さLVに対して乗算することにより、追尾枠の横方向の辺の長さHVを算出する。
【0045】
なお、本実施例においては、前述した方法とは異なる他の方法により追尾枠の縦方向及び横方向の辺の長さを設定するようにしてもよい。
【0046】
その後、追尾部13は、以上のような手順により算出した縦方向の辺の長さLV及び横方向の辺の長さHVを具備する矩形形状の追尾枠を生成し、さらに、図3のようにXY座標系が規定されたタッチパネル部16における、矩形形状の追尾枠の左上隅の座標位置C(Xc,Yc)と右下隅の座標位置D(Xd,Yd)とを取得する(図5参照)。なお、本実施例においては、Xd>Xc及びYd>Ycの大小関係が成り立つものとして説明を行う。
【0047】
そして、追尾部13は、タッチパネル部16の座標位置を表示部18の位置に変換する処理等を行うことにより、前述の重畳枠及び追尾枠と、ライブビュー表示されている画像データと、を併せて表示部18の画面内に表示させる(図6参照)。
【0048】
また、追尾部13は、図2のステップS4の処理により生成した追尾枠に係る情報をサブ画像生成部12bへ出力する。具体的には、追尾部13は、例えば、座標位置C(Xc,Yc)と、座標位置D(Xd,Yd)と、タッチパネル部16における追尾枠の矩形の大きさ(面積)と、を含む情報をサブ画像生成部12bへ出力する。
【0049】
一方、撮影装置1のCPUは、重畳枠及び追尾枠の表示に係る処理を継続させながら、レリーズボタンの操作待ちの状態へ移行する(図2のステップS5)。
【0050】
その後、撮影装置1のCPUは、レリーズボタンの操作によりレリーズ指示が行われたことを検出すると(図2のステップS5)、当該レリーズ指示の検出タイミングに応じた静止画像データを撮影してメイン画像生成部12a及びサブ画像生成部12bへ出力させるための制御を行う。
【0051】
そして、メイン画像生成部12a、サブ画像生成部12b、及び、重畳処理部14は、レリーズ指示に応じて撮像部11から出力される静止画像データに対して種々の処理を施すことにより重畳画像データを生成する(図2のステップS6)。
【0052】
ここで、図2のステップS6において行われる処理等の具体例について、主に図7のフローチャートを参照しながら説明する。図7は、重畳画像データの生成に係る処理等の一例を示すフローチャートである。
【0053】
メイン画像生成部12aは、図2のステップS5のレリーズ指示に応じて撮像部11から出力される静止画像データに対してホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理を施すことによりメイン画像データを生成し、当該生成したメイン画像データを重畳処理部14へ出力する(図7のステップS21)。
【0054】
一方、サブ画像生成部12bは、図2のステップS5のレリーズ指示に応じて撮像部11から出力される静止画像データに対してホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理を施し、当該画像処理を施した画像データを用いてサブ画像データを生成し、当該生成したサブ画像データを重畳処理部14へ出力する(図7のステップS22)。
【0055】
ここで、図7のステップS22において行われる処理の具体例について説明する。
【0056】
サブ画像生成部12bは、追尾部13から出力される情報に基づき、ホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理を施した静止画像データの中から、追尾部13の追尾対象となっている被写体を含む追尾枠内の領域を抽出する。
【0057】
さらに、サブ画像生成部12bは、重畳領域設定部15から出力される座標位置A(Xa,Ya)及び座標位置B(Xb,Yb)の情報と、追尾部13から出力される座標位置C(Xc,Yc)及び座標位置D(Xd,Yd)の情報と、に基づいて以下の数式(2)を用いた演算を行うことにより、ズーム倍率ZRを算出する。
【0058】
ZR=(Yb−Ya+1)/(Yd−Yc+1) …(2)
そして、サブ画像生成部12bは、前述の画像処理を施した静止画像データを上記数式(2)の演算結果として得られたズーム倍率ZRでデジタルズームすることによりサブ画像データを生成し、当該生成したサブ画像データを重畳処理部14へ出力する。
【0059】
なお、サブ画像生成部12bは、前述のような処理を図7のステップS22において行うものに限らず、例えば、ズーム倍率ZRでデジタルズームした画像データに対し、当該ズーム倍率ZRに応じた画素補間処理を施したものをサブ画像データとして重畳処理部14へ出力してもよい。
【0060】
一方、重畳処理部14は、重畳領域設定部15から出力される情報に基づき、図7のステップS21により生成されたメイン画像データに対して適用するゲインマップと、図7のステップS22により生成されたサブ画像データに対して適用するゲインマップと、をそれぞれ生成する(図7のステップS23)。
【0061】
図8は、メイン画像データに適用されるゲインマップの一例を示す図である。図9は、サブ画像データに適用されるゲインマップの一例を示す図である。
【0062】
具体的には、重畳処理部14は、メイン画像データに適用するゲインマップとして、例えば図8に示すように、メイン画像データのフレームの垂直方向及び水平方向において、重畳領域以外の領域の画素のゲインを1倍とし、かつ、重畳領域の端部の画素から中心部の画素へ向かうにつれてゲインが1倍から0へ漸次変化してゆくようなゲインマップを生成する。
【0063】
また、重畳処理部14は、サブ画像データに適用するゲインマップとして、例えば図9に示すように、サブ画像データのフレームの垂直方向及び水平方向において、重畳領域以外の領域の画素のゲインを0とし、かつ、重畳領域の端部の画素から中心部の画素へ向かうにつれてゲインが0から1倍へ漸次変化してゆくようなゲインマップを生成する。
【0064】
なお、メイン画像データ及びサブ画像データに適用するゲインマップは、例えば、両方のゲインマップを加算した際に、フレーム全域の各画素のゲイン値が1となるように生成される限りにおいては、図8及び図9に示したものと異なっていてもよい。
【0065】
重畳処理部14は、図7のステップS23により生成したゲインマップをメイン画像データ及びサブ画像データにそれぞれ適用し、さらに、ゲインマップを適用したメイン画像データ及びサブ画像データを加算処理することにより、例えば図10に示すような、重畳枠を含む重畳画像データを生成する(図7のステップS24)。図10は、図7の処理等により生成される重畳画像データの一例を示す図である。
【0066】
そして、図7のステップS24の処理が完了するに伴い、図2のステップS7の処理が続けて行われる。
【0067】
画質調整部としての機能を具備する重畳処理部14は、図2のステップS6により生成された重畳画像データの画質調整に係る処理を行う(図2のステップS7)。図11は、重畳画像データの画質調整に用いられるGUIの表示態様の一例を示す図である。
【0068】
具体的には、重畳処理部14は、例えば図11に示すように、図2のステップS6の処理により生成された重畳画像データと、メイン画像データに相当する領域の画質の調整を実施可能なGUIとしての画質調整用スライダー101と、サブ画像データに相当する領域の画質の調整を実施可能なGUIとしての画質調整用スライダー102と、を併せて表示部18に表示させる。そして、重畳処理部14は、図2のステップS6の処理により生成された重畳画像データに対し、画質調整用スライダー101及び102の操作に応じた画質調整を個別に施す。
【0069】
画質調整用スライダー101は、例えば、彩度の高低、明度の高低、または、コントラストの強弱等のような、メイン画像データの画質調整に係る各パラメータの中から択一的に選択されたパラメータを変化させることが可能なGUIとして構成されている。また、画質調整用スライダー101は、タッチパネル部16の操作に応じて(例えば表示部18の上下方向に沿って)移動し、メイン画像データの画質調整に係る各パラメータの中から択一的に選択されたパラメータの増減に係る指示を行うことが可能なGUIとしてのつまみ部101aを具備して構成されている。そして、このような画質調整用スライダー101が表示部18に表示される構成によれば、重畳処理部14は、タッチパネル部16から出力される指示に基づき、つまみ部101aの現在位置に応じた色調またはコントラストを具備するように、重畳画像データにおけるメイン画像データに相当する領域の画質に係るパラメータを調整(変更)する。
【0070】
画質調整用スライダー102は、例えば、彩度の高低、明度の高低、または、コントラストの強弱等のような、サブ画像データの画質調整に係る各パラメータの中から択一的に選択されたパラメータを変化させることが可能なGUIとして構成されている。また、画質調整用スライダー102は、タッチパネル部16の操作に応じて(例えば表示部18の上下方向に沿って)移動し、メイン画像データの画質調整に係る各パラメータの中から択一的に選択されたパラメータの増減に係る指示を行うことが可能なGUIとしてのつまみ部102aを具備して構成されている。そして、このような画質調整用スライダー102が表示部18に表示される構成によれば、重畳処理部14は、タッチパネル部16から出力される指示に基づき、つまみ部102aの現在位置に応じた色調またはコントラストを具備するように、重畳画像データにおけるサブ画像データに相当する領域の画質に係るパラメータを調整(変更)する。
【0071】
一方、撮影装置1のCPUは、図2のステップS7による画質調整が完了したことを検出すると、図11に例示したような重畳画像データから、重畳枠と、画質調整用スライダー101と、画質調整用スライダー102と、がそれぞれ消去された、図12に示すような重畳画像データを表示部18にレックビュー表示させて記録部17に記録させるように制御を行う(図2のステップS8及びステップS9)。図12は、本実施例に係る撮影装置を用いて撮影を行った際に記録される重畳画像データの一例を示す図である。
【0072】
続いて、本実施例の撮影装置1において行われる処理等について、レリーズ指示がなされる前に取得される動画像データを用いて重畳画像データが生成される場合を例に挙げて説明を行う。図13は、本実施例に係る撮影装置において行われる処理等の、図2とは異なる例を示すフローチャートである。なお、以降においては、簡単のため、既に述べたものと同様の処理等を適用可能な部分を適宜省略しながら説明を行うものとする。
【0073】
まず、撮影装置1の電源がオンされるに伴い、撮像部11による画像データの取得が開始され、さらに、当該画像データが表示部18にライブビュー表示される(図13のステップS31)。
【0074】
なお、図13のステップS31のライブビュー表示の際には、サブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳領域設定部15の各部における処理が行われず、さらに、重畳処理部14がメイン画像生成部12aにより生成されたメイン画像データをスルー出力するものとする。すなわち、図13のステップS31において表示部18にライブビュー表示される画像データは、撮像部11により取得された画像データに対し、メイン画像生成部12aによるホワイトバランス及びダイナミックレンジ調整等の画像処理が施されたものに略一致する。
【0075】
一方、撮影装置1のCPUは、図13のステップS31によるライブビュー表示の最中に、モード切替スイッチの操作により撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されたか否かを判定する(図13のステップS32)。
【0076】
そして、図13のステップS32において、撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されなかった場合には、撮影装置1の動作モードが通常撮影モードに設定される。
【0077】
また、図13のステップS32において、撮影装置1の動作モードが重畳撮影モードに設定されると、重畳領域設定部15は、重畳領域の設定及び重畳枠の表示に係る処理として、図2のステップS3の説明において述べたものと同様の処理を行う(図13のステップS33)。そして、図13のステップS33の処理が重畳領域設定部15において行われることにより、重畳領域に相当する領域を示す重畳枠と、ライブビュー表示されている画像データと、が併せて表示部18に表示される(図4参照)。
【0078】
また、重畳領域設定部15は、図13のステップS33の処理により得られた重畳領域に係る情報を、サブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。具体的には、重畳領域設定部15は、例えば、座標位置A(Xa,Ya)と、座標位置B(Xb,Yb)と、タッチパネル部16における重畳領域の矩形の大きさ(面積)と、を含む情報をサブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。
【0079】
一方、追尾部13は、重畳領域設定部15から出力される重畳領域に係る情報に基づき、追尾対象の被写体の選択及び追尾枠の生成に係る処理として、図2のステップS4の説明において述べたものと同様の処理を行う(図13のステップS34)。そして、図13のステップS34の処理が追尾部13において行われることにより、前述の重畳枠及び追尾枠と、ライブビュー表示されている画像データと、が併せて表示部18の画面内に表示される(図6参照)。
【0080】
また、追尾部13は、図13のステップS34の処理により生成した追尾枠に係る情報をサブ画像生成部12bへ出力する。具体的には、追尾部13は、例えば、座標位置C(Xc,Yc)と、座標位置D(Xd,Yd)と、タッチパネル部16における追尾枠の矩形の大きさ(面積)と、を含む情報をサブ画像生成部12bへ出力する。
【0081】
そして、メイン画像生成部12a、サブ画像生成部12b、及び、重畳処理部14は、前述の図7の一連の処理(図2のステップS6の処理)と略同様の処理を行うことにより、図10に例示したような、重畳枠を含む重畳画像データを撮像部11から出力される動画像データの各フレーム毎に生成する(図13のステップS35)。
【0082】
さらに、重畳処理部14は、図13のステップS35により生成された重畳画像データの画質調整に係る処理として、図2のステップS7の説明において述べたものと同様の処理を行う(図13のステップS36)。
【0083】
すなわち、図13のステップS35及びステップS36の処理を経ることにより、図11に例示したような、重畳枠と、メイン画像データに相当する領域の画質の調整を実施可能なGUIとしての画質調整用スライダー101と、サブ画像データに相当する領域の画質の調整を実施可能なGUIとしての画質調整用スライダー102と、を含む重畳画像データが表示部18にライブビュー表示される。そして、このような重畳画像データが表示部18にライブビュー表示される構成によれば、重畳処理部14は、タッチパネル部16から出力される指示に基づき、つまみ部101aの現在位置に応じた色調またはコントラストを具備するように、メイン画像データに相当する領域の画質に係るパラメータを略リアルタイムに調整(変更)し、さらに、つまみ部102aの現在位置に応じた色調またはコントラストを具備するように、サブ画像データに相当する領域の画質に係るパラメータを略リアルタイムに調整(変更)する。
【0084】
一方、重畳領域設定部15は、図13のステップS36の処理を経た重畳画像データが表示部18にライブビュー表示されている際に、タッチパネル部16において重畳領域の調整に係る指示がなされたか否かを判定する(図13のステップS37)。
【0085】
具体的には、重畳領域設定部15は、図13のステップS36の処理を経た重畳画像データが表示部18にライブビュー表示されている際に、例えば、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する4つの辺のうちのいずれか1つを跨ぐようなタッチ入力操作がタッチパネル部16において行われたか否かに基づき、重畳領域の調整に係る指示がなされたか否かを判定する。
【0086】
そして、重畳領域設定部15は、図13のステップS37において、重畳領域の調整に係る指示がなされていないとの判定結果を得た場合には、後述の図13のステップS39の処理を続けて行う。
【0087】
また、重畳領域設定部15は、図13のステップS37において、重畳領域の調整に係る指示がなされたとの判定結果を得た場合には、重畳領域の再設定及び重畳枠の表示に係る処理を行う(図13のステップS38)。
【0088】
ここで、図13のステップS38において行われる処理について、前述の座標位置A(Xa,Ya)及び座標位置B(Xb,Yb)を結ぶ対角線を具備する、図14に示すような矩形の重畳領域が現在の重畳領域として設定されている場合を例に挙げて説明する。図14は、重畳領域の再設定に係る処理を説明するための説明図である。
【0089】
座標位置A(Xa,Ya)及び座標位置B(Xb,Yb)を結ぶ対角線を具備する矩形の重畳領域を構成する4つの辺のうちのいずれか1つを跨ぐようなタッチ入力操作が行われたことを検出すると、重畳領域設定部15は、左上隅の座標位置を原点(0,0)としてXY座標系(X軸方向及びY軸方向)を規定したタッチパネル部16から出力される指示に基づき、タッチパネル部16におけるタッチ入力操作のタッチ開始位置に相当する座標位置E(Xe,Ye)と、タッチパネル部16におけるタッチ入力操作のタッチ終了位置に相当する座標位置F(Xf,Yf)と、を検出する(図14参照)。なお、本実施例においては、Xf>Xe及びYe>Yfの大小関係が成り立つものとして説明を行う。
【0090】
その後、重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する4つの辺のうち、前述のタッチ開始位置に相当する座標位置E(Xe,Ye)に最も近い位置にある1つの辺を調整対象の辺として設定する。
【0091】
すなわち、図14に示すような座標位置E(Xe,Ye)が検出された場合においては、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する右辺が調整対象の辺として設定される。
【0092】
一方、重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する4つの辺のうち、右辺または左辺を調整対象の辺として設定した場合において、座標値Xfから座標値Xeを減じて得られる値を、当該調整対象の辺の移動量として設定する。
【0093】
また、重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する4つの辺のうち、上辺または下辺を調整対象の辺として設定した場合において、座標値Yeから座標値Yfを減じて得られる値を、当該調整対象の辺の移動量として設定する。
【0094】
そして、重畳領域設定部15は、座標位置A(Xa,Ya)及び座標位置B(Xb,Yb)に含まれる各座標値のうち、調整対象の辺に対応する1つの座標値に対して移動量の値を加えることにより、移動先の座標位置を取得する。
【0095】
具体的には、重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)の左辺を調整対象の辺として設定した場合においては、座標位置A(Xa,Ya)に対応する移動先の座標位置G(Xa+(Xf−Xe),Ya)を取得する。
【0096】
重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)の上辺を調整対象の辺として設定した場合においては、座標位置A(Xa,Ya)に対応する移動先の座標位置H(Xa,Ya+(Ye−Yf))を取得する。
【0097】
重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)の右辺を調整対象の辺として設定した場合においては、座標位置B(Xb,Yb)に対応する移動先の座標位置I(Xb+(Xf−Xe),Yb)を取得する。
【0098】
重畳領域設定部15は、矩形の重畳領域(重畳枠)の下辺を調整対象の辺として設定した場合においては、座標位置B(Xb,Yb)に対応する移動先の座標位置J(Xb,Yb+(Ye−Yf))を取得する。
【0099】
すなわち、図14に示すような座標位置E(Xe,Ye)が検出されることにより、矩形の重畳領域(重畳枠)を構成する右辺が調整対象の辺として設定された場合においては、座標位置B(Xb,Yb)に対応する移動先の座標位置I(Xb+(Xf−Xe),Yb)が取得される。
【0100】
そして、重畳領域設定部15は、図14のように現在設定されている重畳領域を、座標位置A(Xa,Ya)と座標位置I(Xb+(Xf−Xe),Yb)とを結ぶ対角線を備えた、図15に示すような矩形領域の重畳領域として再設定する。図15は、再設定された重畳領域の一例を示す図である。
【0101】
重畳領域設定部15は、タッチパネル部16の座標位置を表示部18の位置に変換する処理等を行うことにより、前述のように再設定した重畳領域に相当する領域を示す重畳枠と、ライブビュー表示されている画像データと、を併せて表示部18に表示させる。
【0102】
また、重畳領域設定部15は、以上に述べたような図13のステップS38の処理により再設定された重畳領域に係る情報を、サブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。具体的には、重畳領域設定部15は、例えば、座標位置A(Xa,Ya)と、座標位置I(Xb+(Xf−Xe),Yb)と、タッチパネル部16における重畳領域の矩形の大きさ(面積)と、を含む情報をサブ画像生成部12b、追尾部13、及び、重畳処理部14へ出力する。
【0103】
そして、図13のステップS38の処理により再設定された重畳領域に係る情報に基づく処理が図13のステップS34及びステップS35において行われることにより、追尾枠及び重畳画像データがそれぞれ更新される。すなわち、図13のステップS38の処理により重畳領域が再設定されるに伴い、重畳枠及び追尾枠の矩形の大きさがそれぞれ変更され、当該変更された重畳枠及び追尾枠の大きさに応じた新たなズーム倍率ZRが算出され、当該算出された新たなズーム倍率ZRでデジタルズームされたサブ画像データが生成される。
【0104】
なお、本実施例においては、図13のステップS38の処理により重畳領域が再設定された際の処理として、前述の処理が行われるものに限らない。具体的には、例えば、図13のステップS38の処理により重畳領域が再設定されるに伴い、重畳枠及び追尾枠の矩形の大きさがそれぞれ変更され、さらに、重畳領域が再設定される以前のズーム倍率ZRを保持したまま、当該変更された重畳枠及び追尾枠の大きさに応じたサブ画像データが生成されるようにしてもよい。
【0105】
一方、撮影装置1のCPUは、レリーズボタンの操作によりレリーズ指示がなされたか否かを判定する(図13のステップS39)。
【0106】
そして、撮影装置1のCPUは、図13のステップS39において、レリーズ指示がなされていないとの判定結果を得た場合には、図13のステップS35の処理を再度行う。
【0107】
また、撮影装置1のCPUは、図13のステップS39において、レリーズ指示がなされたとの判定結果を得た場合には、当該レリーズ指示の検出タイミングに応じたフレームの重畳画像データとして、重畳枠と、画質調整用スライダー101と、画質調整用スライダー102と、がそれぞれ消去された重畳画像データを表示部18にレックビュー表示させて記録部17に記録させるように制御を行う(図13のステップS40及びステップS41)。
【0108】
以上に述べた本実施例によれば、ユーザの撮影対象となる主たる被写体と、当該主たる被写体に関連する被写体として当該ユーザにより選択された従たる被写体と、の関連性を強調するような重畳画像データを生成し、当該生成した重畳画像データを記録部17に記録可能な構成を具備している。すなわち、以上に述べた本実施例によれば、例えば、記録部17に記録された重畳画像データを再生して閲覧することにより、撮影時におけるユーザの撮影意図を容易に把握することができる。
【0109】
なお、以上に述べた本実施例によれば、重畳画像データの生成に用いられるメイン画像データ及びサブ画像データを、同じ撮影条件で撮影された1つの画像データに基づいて生成するものに限らず、相互に異なる撮影条件で撮影された2つの画像データに基づいて生成するものであってもよい。具体的には、例えば、露出補正、絞り、シャッタースピード及び感度等の種々のパラメータを組み合わせた2種類の撮影条件を予め設定しておくとともに、当該2種類の撮影条件のうちの一方で撮影された第1の画像データに基づいて生成したメイン画像データと、当該2種類の撮影条件のうちの他方で撮影された第2の画像データに基づいて生成したサブ画像データと、を重畳画像データの生成に用いてもよい。
【0110】
また、以上に述べた本実施例によれば、図7に示したような処理を経て重畳画像データを生成するものに限らず、例えば、重畳領域を半透明化する処理を施したメイン画像データを生成し、ズーム倍率ZRでデジタルズームした追尾枠内の領域のみを抜き出す(切り抜く)処理を施したサブ画像データを生成し、当該メイン画像データの重畳領域に当該サブ画像データを合成する(はめ込む)ことにより重畳画像データを生成してもよい。
【0111】
なお、本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0112】
1 撮影装置
11 撮像部
12 画像処理部
12a メイン画像生成部
12b サブ画像生成部
13 追尾部
14 重畳処理部
15 重畳領域設定部
16 タッチパネル部
17 記録部
18 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被写体を含む画像を撮影可能な撮像部と、
前記撮像部により得られた前記画像に基づいてメイン画像を生成するメイン画像生成部と、
前記撮像部により得られた前記画像に対し、前記複数の被写体の中から選択された所望の被写体をズームする処理を行うことによりサブ画像を生成するサブ画像生成部と、
前記メイン画像生成部により生成された前記メイン画像に対し、前記サブ画像生成部により生成された前記サブ画像を重畳する処理を行うことにより重畳画像を生成する重畳処理部と、
前記重畳画像の前記メイン画像に相当する領域の画質と、前記重畳画像の前記サブ画像に相当する領域の画質と、を個別に調整する画質調整部と、
を有することを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記サブ画像が重畳される重畳領域を前記メイン画像内の所望の領域に設定可能な重畳領域設定部をさらに有し、
前記サブ画像生成部は、前記重畳領域設定部により設定された前記重畳領域に応じたズーム倍率を算出し、当該算出したズーム倍率で前記所望の被写体をズームする処理を行うことにより前記サブ画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記重畳処理部は、前記所望の被写体が前記ズーム倍率でズームされた前記サブ画像を、前記メイン画像内に設定された前記重畳領域に重畳することにより、前記重畳画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記画質調整部による画質の調整が施された前記重畳画像を表示可能な表示部、及び、前記画質調整部による画質の調整が施された前記重畳画像を記録可能な記録部のうちの少なくとも一方をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮影装置。
【請求項1】
複数の被写体を含む画像を撮影可能な撮像部と、
前記撮像部により得られた前記画像に基づいてメイン画像を生成するメイン画像生成部と、
前記撮像部により得られた前記画像に対し、前記複数の被写体の中から選択された所望の被写体をズームする処理を行うことによりサブ画像を生成するサブ画像生成部と、
前記メイン画像生成部により生成された前記メイン画像に対し、前記サブ画像生成部により生成された前記サブ画像を重畳する処理を行うことにより重畳画像を生成する重畳処理部と、
前記重畳画像の前記メイン画像に相当する領域の画質と、前記重畳画像の前記サブ画像に相当する領域の画質と、を個別に調整する画質調整部と、
を有することを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記サブ画像が重畳される重畳領域を前記メイン画像内の所望の領域に設定可能な重畳領域設定部をさらに有し、
前記サブ画像生成部は、前記重畳領域設定部により設定された前記重畳領域に応じたズーム倍率を算出し、当該算出したズーム倍率で前記所望の被写体をズームする処理を行うことにより前記サブ画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記重畳処理部は、前記所望の被写体が前記ズーム倍率でズームされた前記サブ画像を、前記メイン画像内に設定された前記重畳領域に重畳することにより、前記重畳画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記画質調整部による画質の調整が施された前記重畳画像を表示可能な表示部、及び、前記画質調整部による画質の調整が施された前記重畳画像を記録可能な記録部のうちの少なくとも一方をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−90154(P2013−90154A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229122(P2011−229122)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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