説明

撹拌装置

【課題】攪拌動力を従来と同程度に抑えながら、従来よりも小型の攪拌装置で処理槽を効率よく攪拌し、さらに、製造コストを抑えながら、従来と同じく連続運転が可能で維持管理性の高い構造とする撹拌装置を提供する。
【解決手段】撹拌ユニット40は、保持ユニット20に保持された回転駆動部42と、回転駆動部42から処理槽TK内へ延びる回転駆動部42の駆動により回転する駆動軸44と、駆動軸の先端に取り付けられたドラフトチューブ30内に位置する軸流インペラ45と、駆動軸44が貫通された支持筒50を有している。ここで、支持筒50の基台41側および先端側にはそれぞれ駆動軸44を回転可能に保持する第1軸受け51および第2軸受け52が取り付けられており、このうち第2軸受け52は処理槽内において保持ユニット20により水平方向に対し保持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下廃水、し尿などの汚水や汚泥等の被処理液の浄化処理に使用する撹拌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
処理槽内に収容された汚水などの被処理液を撹拌する方式として、ポンプを用いて撹拌を行う方式とインペラを回転させて撹拌を行う機械による撹拌方式とが知られている。ここで、図17にはたとえば特許文献1−4に示す従来の機械式撹拌装置の一例を示す。図17において、機械式撹拌装置1は、保持ユニット1Aと、処理槽TK内において保持ユニット1Aに保持されている円筒状のハウジングであるドラフトチューブ10と、ドラフトチューブ10内の被処理液に下向流を形成する保持ユニット1Aに着脱可能に保持された撹拌ユニット1Bとを備えている。
【0003】
保持ユニット1Aは架台7、支柱8で構成されており、撹拌ユニット1Bは、モータ2と、モータ2により回転する駆動軸5と、駆動軸5の先端に取り付けられたドラフトチューブ10内に同軸上に配置される軸流インペラ6とを具備している。さらに、ドラフトチューブ10は軸流インペラ6の下に同軸上に配置された案内羽根11を備えている。そして、軸流インペラ6が回転することによりドラフトチューブ10内に下向流が形成されたとき、被処理液が表層から底部に移送し、処理槽TK内に大きな循環流を形成して槽内の被処理液全体を撹拌する。
【0004】
ここで、撹拌ユニット1Bの駆動軸5は架台7上の軸受け4のみで片持ち支持されている。このため、軸流インペラ6の回転に伴いドラフトチューブ10の呑み口部において乱流が発生し、軸流インペラ6が被処理液から受ける荷重変動が大きくなり、軸流インペラ6が半径方向に振動し易くなる。
【0005】
そこで、特許文献1においては、図18に示すように、軸流インペラ6の周りに環状の溝32が設け、軸流インペラ6が横方向に振動したときにドラフトチューブ10に接触するのを防止している。この環状の溝32の半径方向の奥行きは、通常0.05D程度(D:インペラ直径)に形成されている。さらに、環状の溝32は、軸反り偏心による軸流インペラ6の振れ回りや回転体軸流インペラ6と駆動軸の固有振動による横振れや、保持ユニット1Aの固有振動に伴う横揺れによる軸流インペラ6とドラフトチューブ10との接触を回避する役割も有している。また、上述の撹拌方式に用いられる軸流インペラ6には、特許文献2−4に開示されている汚水などを活性汚泥で好気的に処理する撹拌曝気装置の軸流インペラが用いられる。
【特許文献1】特公昭53−10281号
【特許文献2】特許第3239170号
【特許文献3】特許第3239171号
【特許文献4】特許第3239172号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した機械式による撹拌装置1において、製造コストの低減や振動・騒音を低減するために軸流インペラ6の小型化が求められている。適正な撹拌をするための送水量を維持しながら軸流インペラ6の小型化を図るためには、軸流インペラ6の回転数を高くして送水流速を大きくする必要がある。
【0007】
しかし、特許文献1−4に示すような駆動軸5を片持ち保持する撹拌装置の場合、軸反り偏心や回転中の遠心力による軸曲げに伴い、インペラ6の振れ回りやインペラ6−駆動軸の固有振動と支柱8−ドラフトチューブ10の固有振動との共振、吸込み流れの乱流に起因する振動を回避する必要がある。このため、特定の回転数以下で運転する必要があり、小型化に必要な回転数での運転が難しいという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、軸流インペラの振動を低減させ装置の小型化を図ることができる撹拌装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撹拌装置は、被処理液を収容した処理槽の上部に取り付けられた保持ユニットと、該保持ユニットに保持された処理槽内の被処理液を撹拌する撹拌ユニットと、被処理液内に位置するように保持ユニットに保持されたドラフトチューブとを備えた撹拌装置において、撹拌ユニットが、保持ユニットに保持される基台と、基台上に設けられた回転駆動部と、回転駆動部から処理槽内へ延びる回転駆動部の駆動により回転する駆動軸と、基台に固定され内部に駆動軸が貫通されている支持筒と、支持筒から突出した駆動軸の先端に取り付けられたドラフトチューブ内に位置する軸流インペラと、支持筒の基台側に取り付けられた駆動軸を回転可能に保持する第1軸受けと、支持筒の先端側に取り付けられた駆動軸を回転可能に保持する、処理槽内において保持ユニットにより水平方向に対し支持された第2軸受けとを有するものであることを特徴とするものである。
【0010】
なお、撹拌ユニットは、保持ユニットにより保持されるものであればよく、保持ユニットに対し固定されたものであってもよいが、着脱可能に取り付けられることが好ましい。
【0011】
また、保持ユニットは撹拌ユニットおよびドラフトチューブを保持するものであればその構成を問わず、たとえば処理槽の上部に取り付けられた、撹拌ユニットが挿入される開口部を有する架台と、架台から処理槽内へ向かって延びた先端においてドラフトチューブを支持する支持部材と、支持部材に固定された第2軸受けを水平方向に対し支持する軸受け支持部とを備えたものであってもよい。
【0012】
さらに、第2軸受けは保持ユニットにより水平方向に対し支持されたものであればその支持方法を問わず、たとえば第2軸受けが支持筒の先端に取り付けられた環状部材内に収容されたものであり、軸受け支持部が環状部材が嵌め込まれる環状枠体を有するものであってもよいし、第2軸受けが支持筒内に収容されている場合には支持筒を保持することにより第2軸受けを間接的に保持するものであってもよい。
【0013】
特に、環状部材が上部から下部へ向かい径が小さくなる円錐形状を有するものであり、軸受け支持部が環状枠体から環状枠体の中心に向かって突出した、環状部材の側面に当接する傾斜面が形成された突出部材を有するものであってもよい。
【0014】
また、支持部材は、水面付近に軸受け支持部が設けられた被処理液内において浸水しない上部支柱と、上部支柱に接続された被処理液内に浸水する下部支柱とを備えたものであってもよい。このとき、上部支柱は、棒状の支柱からなるものであってもよいし筒状に形成された支柱筒からなるものであってもよい。
【0015】
さらに、ドラフトチューブの処理槽内での配置高さは適宜設定されるものであるが、ドラフトチューブの上端と処理槽内における被処理液の最大水位位置との距離が軸流インペラの運転回転数が高いほど距離を大きくなるように、ドラフトチューブが被処理液内に配置されることが好ましい。なお、ドラフトチューブの位置に合わせて、駆動軸および支持筒の長さ・第2軸受けの位置が適宜設定されることになる。
【0016】
また、ドラフトチューブは、内部に軸流インペラを収容するものであればその構成を問わず、たとえば上端から下端に向かって径が小さくなる第1円錐部と、第1円錐部の下端に連通した軸流インペラを収容する略円筒状に形成された第1円筒部と、第1円筒部の下端に連通した上端から下端に向かって径が大きくなる第2円錐部と、第2円錐部の下端に連通した略円筒状に形成された第2円筒部とを有するものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の撹拌装置によれば、被処理液を収容した処理槽の上部に取り付けられた保持ユニットと、保持ユニットに保持された処理槽内の被処理液を撹拌する撹拌ユニットと、被処理液内に位置するように保持ユニットに保持されたドラフトチューブとを備えた撹拌装置において、撹拌ユニットが、保持ユニットに保持される基台と、基台上に設けられた回転駆動部と、回転駆動部から処理槽内へ延びる回転駆動部の駆動により回転する駆動軸と、基台に固定され内部に駆動軸が貫通されている支持筒と、支持筒から突出した駆動軸の先端に取り付けられたドラフトチューブ内に位置する軸流インペラと、支持筒の基台側に取り付けられた駆動軸を回転可能に保持する第1軸受けと、支持筒の先端側に取り付けられた駆動軸を回転可能に保持する、処理槽内において保持ユニットにより水平方向に対し支持された第2軸受けとを有することにより、軸流インペラの回転数を高めた場合であっても保持ユニットが第1軸受けおよび第2軸受けを介して駆動軸を保持し、第2軸受けが支持筒および保持ユニットにより鉛直方向および水平方向において支持されているため、回転する軸流インペラの横揺れを抑制することができ、従来よりも高い回転数での運転が可能となるため、撹拌装置および軸流インペラの小型化を図ることができる。
【0018】
なお、撹拌ユニットが保持ユニットに対し着脱可能に取り付けられるものであるとき、撹拌ユニットのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0019】
また、保持ユニットが、処理槽の上部に取り付けられた、撹拌ユニットが挿入される開口部を有する架台と、架台から処理槽内へ向かって延びた先端においてドラフトチューブを支持する支持部材と、支持部材に固定された第2軸受けの水平方向に対し支持する軸受け支持部とを備えたものであれば、保持ユニットが第2軸受けの水平方向の移動を規制し、軸流インペラの振動を確実に抑えることができる。
【0020】
さらに、第2軸受けが支持筒の先端に取り付けられた環状部材内に配置されたものであり、軸受け支持部が環状部材が嵌め込まれる環状枠体を有するものであり、特に、環状部材が上部から下部へ向かい径が小さくなる円錐形状を有するものであり、軸受け支持部が環状枠体から環状枠体の中心に向かって突出した、環状部材の側面に当接する傾斜面が形成された突出部材を有するものであるとき、撹拌ユニットが架台の開口部から挿入されたときに、環状部材と突出部材とをくさび作用により強固に固定することができる。
【0021】
また、支持部材が、水面付近に軸受け支持部が設けられた被処理液内において浸水しない上部支柱と、上部支柱に接続された被処理液内に浸水する下部支柱とを備えたものであれば、第2軸受けが被処理液内に浸水して腐食するのを防止することができる。
【0022】
特に、上部支柱が筒状に形成された支柱筒からなるものであるとき、保持ユニットの製作性を向上させることができる。
【0023】
さらに、ドラフトチューブの上端と処理槽内における被処理液の最大水位位置との距離が軸流インペラの運転回転数が高いほど距離を大きくなるように、ドラフトチューブが被処理液内に配置されるものであれば、ドラフトチューブの上端において渦の発生を最小限に抑え、効率的な撹拌を行うことができる。
【0024】
また、ドラフトチューブが、上端から下端に向かって径が小さくなる第1円錐部と、第1円錐部の下端に連通した軸流インペラを収容する略円筒状に形成された第1円筒部と、第1円筒部の下端に連通した上端から下端に向かって径が大きくなる第2円錐部と、第2円錐部の下端に連通した略円筒状に形成された第2円筒部とを有するとき、従来のように軸流インペラの振動による接触防止のための溝をドラフトチューブに設ける必要がなく溝による流体損失を防止することができる。
【0025】
さらに、駆動軸が、回転駆動部から第2軸受けまで延びる第1軸部材と、第1駆動軸に着脱可能に接続された先端に軸流インペラを有する第2軸部材とを有するものであるとき、第1軸受け、第2軸受けおよび軸流インペラの補修・交換が容易で、維持管理性を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は本発明の撹拌装置の好ましい実施形態を示す模式図である。図1の撹拌装置100は、いわゆる処理槽TK上に配置され処理槽TK内に収容された被処理液を撹拌するものであって、保持ユニット20、撹拌ユニット40、ドラフトチューブ30を有している。保持ユニット20は撹拌ユニット40およびドラフトチューブ30を保持しており、撹拌ユニット40が作動することによりドラフトチューブ30内の下向きの流れが形成され処理槽TK内の被処理液が循環する。
【0027】
図2は保持ユニット20の一例を示す模式図である。保持ユニット20は、架台21、支持部材22等を備えている。架台21は処理槽TK上に固定されており、図3に示すように撹拌ユニット40が挿入される開口部21aを有している。この架台21にはドラフトチューブ30を保持するための支持部材22が固定されている。支持部材22は、断面略正方形に配置された4本の支柱からなり、4本の支柱は断面略正方形になるように処理槽TK内に配置されている。
【0028】
また、支持部材22は、上部支柱22aと下部支柱22bとからなり、上部支柱22aと下部支柱22bとは被処理液の水位Wmaxよりも上方においてフランジ継ぎ手等を用いて接続されている。したがって、上部支柱22aは処理槽TKの大気中に位置し、下部支柱22bは被処理液内に位置することになる。また、各上部支柱22a間は筋かい等の補強材22Xにより接続されており、この補強材22Xにより支持部材22全体の剛性が高まり制振性能の向上を図ることができる。一方、下部支柱22bにはドラフトチューブ30上端の呑み口周辺の吸い込み流れを妨げないように筋かいによる補強は行わない。
【0029】
上部支柱22aには、後述するように第2軸受け53を支持するための軸受け支持部25が取り付けられている(図10参照)。また、下部支柱22bの側面にはドラフトチューブ30上端の呑み口周辺の吸い込み流れを整流するための整流板23が配置されている。整流板23は、鉛直方向(矢印Z方向)に延びているとともに、4本の支柱22の対角線上に向かって放射状に形成されている。整流板23は、ドラフトチューブ30が水平平面上に振動したときに流動抵抗体としても作用し、支柱部材22の振動を減衰させることができる。
【0030】
図4はドラフトチューブ30を上部から見た模式図、図5はドラフトチューブ30の呑み口周辺部位を示す模式図であり、図1から図5を参照してドラフトチューブ30について説明する。ドラフトチューブ30は被処理液に下向き(矢印Z1方向)の流れを形成するものであって、下部支柱22bに取り付けられている。なお、ドラフトチューブ30が処理槽TKの中央に配置されるように、上述した保持ユニット20が処理槽TKの中央に位置決めされる。
【0031】
ドラフトチューブ30は、第1円錐部30a、第1円筒部30b、第2円錐部30c、第2円筒部30dを有しており、このうち第1円筒部30b内に軸流インペラ45が位置する。そして、軸流インペラ45の回転により、被処理液は第1円錐部30aの上端からドラフトチューブ30内に流入し円筒部30bの下端から排出される。
【0032】
第1円錐部30aは上端から下端に向かってたとえば漸拡角度が約60°で径が小さくなるような略円錐形状を有している。これにより、第1円錐部30aの上部からドラフトチューブ30内に被処理液が流入する際、入口損失を小さくして吸い込み流れを効率良く軸流インペラ45に導くことができる。第1円筒部30bは略一定の直径を有するものであって、内部に軸流インペラ45が収容されている。なお、第1円筒部30bの側壁と軸流インペラ45の隙間は、片側0.0125D程度(D:インペラ直径)とし、ドラフトチューブ30側に接触防止の為の環状溝(図17、図18参照)は設けない。
【0033】
第2円錐部30cは第1円筒部30bに連通しており、たとえば上端から下端に向かってたとえば漸拡角度が約10°で径が大きくなるような略円錐形状を有している。この第2円錐部30cはディフューザ部として機能するものであり、下向流の流速エネルギーの一部を圧力エネルギーに変換して送水流速を大きくすることにより摩擦損失の増加を緩和し、流れの剥離を抑制して拡大損失を小さくすることができる。第2円筒部30dは、略一定の直径を有するものであって、ドラフトチューブ30内の被処理液を処理槽TKの底部に向けて排出する開口が形成されている。
【0034】
ここで、ドラフトチューブ30は、第1円錐部30aの上端から最大水位位置Wmaxまでの距離(水かぶりと呼ぶ)がたとえば1.0D〜1.5Dの範囲(D:インペラ直径)になるように、保持ユニット20により位置決めされる。なお、上記1.0D〜1.5Dの範囲に限られるものではなく、運転回転数が高いほど距離を大きくするようにしてもよい。これにより、ドラフトチューブ30の吸い込み部に発生する渦の発生を少なくすることができ、この距離はドラフトチューブ30の吸い込み部における渦の発生、動力の増加、表層水の吸い込みが弱くなること、運転回転数等を考慮して適宜設定される。また、ドラフトチューブ30は、処理槽TKの底部と円筒部30cの下端との距離が5D〜7D程度(D:インペラ直径)になるように配置されている。
【0035】
さらに、ドラフトチューブ30は、第1円筒部30b内において、駆動軸44の先端が挿入される挿入穴31と複数の案内羽根32とを有している。挿入穴31は、先端が砲弾状に形成されており、軸流インペラ45のボス径とほぼ同じ直径を有している。そして、軸流インペラ45のボスが挿入穴31に挿入される。
【0036】
複数の案内羽根32はドラフトチューブ30内に周方向約90°間隔で取り付けられている。この案内羽根32は、流れ方向(矢印Z方向)の長さが約0.4D(D:軸流インペラ45の直径)であって、上流側40%程度の長さの範囲が軸流インペラ45の傾きとは逆向き方向に円弧状に傾斜している。円弧は半径がたとえば0.25D程度(D:軸流インペラ45の直径)に形成されており、この円弧の半径はドラフトチューブ30の径方向に対し略一定になるように形成されている。なお、たとえば軸流インペラ45と案内羽根32との隙間は0.04D程度(D:インペラ直径)になるように、ドラフトチューブ30および撹拌ユニット40が位置決めされる。これらの隙間は小さいほど流体損失を小さくできるため、製作上また実用上可能な範囲で極力小さくすることが好ましい。
【0037】
図5は撹拌ユニット40の一例を示す模式図であり、図5を参照して撹拌ユニット40について説明する。撹拌ユニット40は、基台41、回転駆動部42、駆動軸44、軸流インペラ45を備えている。基台41は、架台21の開口部21aよりも大きい略矩形状の平坦面を有しており、この基台41により図7に示すように撹拌ユニット40が保持ユニット20に保持される。回転駆動部42は、基台41に固定されたモータ42aと減速機42bとを備えており、モータ42aおよび減速機42bにおいて回転の開始・停止および回転数が制御される。駆動軸44は、回転駆動部42から処理槽TK内へ向かって延びており回転駆動部42の駆動により回転する。
【0038】
軸流インペラ45は駆動軸44の先端に取り付けられており、ドラフトチューブ30内に配置される。軸流インペラ45は、駆動軸44と一体的に回転することによりドラフトチューブ30内の被処理液に対し下向き(矢印Z1方向)の流れを形成する。軸流インペラ45は複数の羽根を有しており、複数の羽根はたとえばピッチ比が1.4または1.2で形成されている。ここで、ピッチとは軸流インペラ45が幾何学的な羽根角度のまま延長した螺旋面が1回転360°した時に進む距離を意味し、ピッチ比とはピッチをインペラの直径Dで割ったものを意味する。この軸流インペラ45としてたとえば特許第3239170号、特許第3239171号、特許第3239172号に開示されたインペラやその他公知の軸流インペラを用いることができる。
【0039】
さらに、撹拌ユニット40は、支持筒50、第1軸受け51、第2軸受け52を備えている。支持筒50は一端側が基台41に固定されており、図8に示すように内部に駆動軸44が貫通しており支持筒50の先端から突出している。第1軸受け51は、駆動軸44の回転駆動部42側を回転可能に保持するものであって、支持筒50の内部であって基台41側に収容されている。第2軸受け52は支持筒50の先端に取り付けられており、駆動軸44の中間を回転可能に保持する。
【0040】
この第2軸受け52は、処理槽TK内において保持ユニット20により水平方向に対し支持されている。具体的には、図9に示すように、第2軸受け52は、支持筒50の先端外側に固定された環状部材53内に収容されている。この環状部材53は下方に向かって径が小さくなるような円錐形状を有するものであって、側面に傾斜面が形成されている(図6参照)。
【0041】
一方、図10に示す軸受け保持部25は、第2軸受け53を水平方向(矢印XY方向)に対し支持するものであって、上部支柱22aの下方に取り付けられている。軸受け保持部25は、環状枠体25aおよび突出部材25bを備えている。環状枠体25aは、軸流インペラ45がその内側を通過するために、直径を軸流インペラ45の直径よりも若干大きく形成されており、上部支柱22aの各支柱から張り出した部材22Yで支持している。突出部材25bは、環状枠体25aの内面にはリング中心に向かって3〜4枚取り付けられている。突出部材25bは鉛直下方(矢印Z1方向)に行くにしたがい、張り出し長が長くなるような環状部材53の側面に当接する傾斜が形成されている。
【0042】
ここで、図11Aは軸受け保持部に第2軸受けが支持された状態を示す上面図および断面図をそれぞれ示している。撹拌ユニット40が保持ユニット20に挿入された際、環状部材53が環状枠体25aに対しはめ込み固定される。このとき、環状部材53の側面と突出部材25bの傾斜とにおいてくさび作用が働き、第2軸受け52は軸受け保持部25に対し強固に固定される。
【0043】
ここで、上述した軸受け保持部25は、浸水しない上部支柱22a側に取り付けられているため、第2軸受け52も浸水しないことになる。したがって、第2軸受け52として潤滑も容易で市販の転がり標準軸受けを採用でき、複雑な機構を用いずに連続運転が可能となる。すなわち、軸流インペラ45近傍の被処理液内に軸受けを設け、駆動軸を両端支持する構造を採用することにより振動を抑制することも考えられる。しかし、軸受けを被処理液内に浸水させたときには軸受潤滑装置が必要になり構造が複雑となり製造コストが高くなる。さらに、撹拌ユニット40を保持ユニット20から着脱することができなくなり、容易に陸上へ引き上げることができず保守が不便となるなどの欠点がある。一方、上述した撹拌装置100においては、第2軸受け52は浸水しない上部支柱22a側に取り付けられているため、複雑な機構を用いずに連続運転が可能となる。
【0044】
なお、第2軸受け52はできるだけ下方に設置する方が振動の抑制効果は高いため、飛散した被処理液で濡れず、かつ最大水位位置Wmax付近の位置するように配置されており、たとえば液面より10cm程度上方になるように軸受け支持部25の高さおよび軸受け保持部25の高さを調節し設置される。
【0045】
図12は撹拌ユニット40が保持ユニット20へ設置される様子を示す模式図であり、図12を参照して撹拌ユニット40の設置方法について説明する。まず撹拌ユニット40が軸流インペラ45を下向きにして鉛直上方から架台21の開口部21aに挿入される。その後、撹拌ユニット40が鉛直下方(矢印Z1方向)に移動していき、図13に示すように、架台21の開口部21a周囲の座面と、撹拌ユニット40の架台21の底面とが接触する(図7参照)。同時に、撹拌ユニット40側の環状部材53が保持ユニット20側の環状枠体25aにはめ込まれる(図11参照)。そして、架台21と架台21とがボルト等の固定部材を用いて固定される。
【0046】
このように、駆動軸44が第1軸受け51とともに保持ユニット20により水平方向に対し第2軸受け53が保持されていることにより、軸流インペラ45の横揺れを効果的に抑制し、従来よりも高い回転数での運転を行うことができる。さらに、運転回転数を高めることにより送水流速を大きくでき,場合であっても従来と同程度の撹拌能力を従来と比べて小型の軸流インペラを用いて得ることができる。
【0047】
すなわち、図17、図18に示す従来例のように、軸流インペラ6の横揺れを抑制を抑えるのではなくドラフトチューブに溝32を設けることにより、軸流インペラ6とドラフトチューブとの接触を防止する場合、溝32における流体損失が大きくなり、効率的な撹拌を行うことができないとともに、横揺れが大きくなるのを防止するために回転速度を上げることもできないという問題がある。
【0048】
さらに、ドラフトチューブ10に溝32を設けた場合、溝32での流体損失は送水流速の2乗に比例して大きくなる。このため、装置を小型化して送水流速を大きくする場合には、流体損失を小さくするために溝32の軸方向幅とインペラ半径方向奥行きを小さくする必要がある。しかしながら、従来の溶接構造での製作では加工部位が小さくなるため製造が困難になる問題がある。
【0049】
またこの形式の撹拌装置を使用する処理槽は、駆動機を設置する上部からインペラを配置する液面までの距離が1.7mにも及ぶ場合がある。その際、駆動軸44の長さは2m以上となり非常に長いものとなる。装置を小型化した場合でも駆動軸44の必要長さはほぼ同じとなるが,流体損失を考慮して適正な駆動軸径を選択した場合,軸流インペラ45の小型化に伴って従来サイズの駆動軸径に比べて細い駆動軸となる.そのため駆動軸の剛性が低下して振動が発生しやすくなるといった問題がある。
【0050】
一方、駆動軸44が第1軸受け51とともに保持ユニット20により水平方向に対し第2軸受け53が保持されていることにより、軸流インペラ45の横揺れを効果的に抑制し、従来よりも高い回転数での運転を行うことができる。さらに、撹拌装置100全体を小型化することができるため、撹拌装置100を設置するため処理槽TKに設ける開口の寸法を小さくできるとともに、機器重量が軽量化するため処理槽TKの上壁への荷重負担も軽減することができる。
【0051】
図14は本発明の撹拌装置の第2の実施形態を示す模式図であり、図14を参照して撹拌ユニット240について説明する。なお、図14の撹拌ユニット240において図6の撹拌ユニット40と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図14の撹拌ユニット240が図6の撹拌ユニット40と異なる点は、駆動軸の構造である。
【0052】
図14においては、駆動軸244は、第1軸部材244aと第2軸部材244bとを備えており、第1軸部材244aと第2軸部材244bとは第2軸受け53の若干下方においてフランジ241により接続されている。これにより、保守・点検時には第2軸部材244bを第1軸部材244aから外すことにより、撹拌ユニット40の全長を短くすることができる。つまり、処理槽TKの上面から処理液面までの距離が大きい場合には、駆動軸44が非常に長くなり、撹拌ユニット40の全長が3mを超える場合も考えられる。処理槽TKが一般的な天井高の屋内にある場合、保守・点検時に撹拌ユニット40をクレーン等で鉛直方向(矢印Z方向)に引き上げることができない可能性がある。このとき、図14に示すように、第2軸部材244bが第1軸部材244aに対し着脱可能な構成を有するものであれば、第1軸部材244aの高さまで引き上げれば撹拌ユニット40のメンテナンスを行うことができるため、特殊な処理槽TKであっても保守・点検を効率的に行うことができる。
【0053】
図15および図16は本発明の撹拌装置の第2の実施形態を示す模式図であり、図15および図16を参照して撹拌装置300について説明する。なお、図15、図16の撹拌装置300において図1の撹拌装置100と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図15、図16の撹拌装置200が図1の撹拌装置100と異なる点は上部支柱の形状および構造である。
【0054】
図15および図16の上部支柱322aは円筒状の支柱筒からなっており、架台21に対しフランジ接合されている。上部支柱322aは、軸流インペラ45の直径よりもやや大きい直径の直管部322Xと、その下方に位置する、下向きに直径が漸次拡大する円錐部322Yとで構成されている。円錐部322Yの下端には下部支柱22bを固定するためのフランジが設けられている。また円錐部322Yの外面には補強用のリブ322Zが数カ所に取り付けられており、内面には軸受け保持部25が設けられている。
【0055】
このように、上部支柱322aを円筒形状にすることにより、保持ユニット20の部品点数を減らし組み立てを容易にすることができるとともに、製作性を向上させることができる。
【実施例】
【0056】
清水中での水槽試験において確認した撹拌処理の要求性能を満足する最小動力の例を実施例1および実施例2として示す。撹拌処理における要求性能とは、汚泥が沈降・腐敗しないために処理槽底部の時間平均流速を0.1m/s以上に維持することを意味する。なお、下記実施例1、2において比較のために従来型インペラ径φ800mmのデータも併せて示す。なお、撹拌動力投入密度は、撹拌特性を表す指標の1つで、所要動力を撹拌容積で除したものである。
【0057】
<実施例1>
7m×7m×6mの試験水槽(処理槽TK)を用い5.9mまで清水(被処理液)を満たし(撹拌容積:289m)、図1の撹拌装置100の軸流インペラ径D、回転数、送水流量を下記表1のように設定したときの撹拌結果(撹拌動力投入密度)を示す。なお、下記表1において実施例1ではピッチ比1.4、従来型ではピッチ比0.9の軸流インペラを使用しており、従来のものに比べてピッチ比を大きくし、同一回転数での発生差圧揚程が大きく、より大きな送水量において最高効率を得られるようにした。また、底部平均流速は槽底面から10cm上方の槽中心(撹拌装置の中心)から括弧内の距離離れた位置での値を示す。
【表1】

【0058】
表1において、実施例1は従来型に比べて軸流インペラ径を半分に小型化する一方、回転数を略3倍に高め、撹拌動力投入密度をほぼ同一の値にする。つまり、装置を小型化し回転数を高めた場合であっても駆動軸および軸流インペラの振動を従来例に対し抑え、ドラフトチューブに環状溝を形成する必要がなくなったため、被処理液の流量損失が低減したことを意味する。
【0059】
<実施例2>
8m×8m×10mの試験水槽(処理槽TK)に10mまで清水(被処理液)を満たし(撹拌容積:640m)、図1の撹拌装置100の軸流インペラ径D、回転数、送水流量を下記表2のように設定したときの撹拌結果(撹拌動力投入密度)を示す。なお、下記表2において実施例2ではピッチ比1.4であるのに対し従来型ではピッチ比0.9の軸流インペラを使用し、同一回転数での発生差圧揚程が大きく、より大きな送水量において最高効率を得られるようにした。底部平均流速は槽底面から10cm上方の槽中心(撹拌装置の中心)から括弧内の距離離れた位置での値を示す。
【表2】

【0060】
表2において、実施例2は従来型に比べて軸流インペラ径を半分の大きさに小型化するとともに回転数を略3倍に高めた場合であっても、撹拌動力投入密度はほぼ同一の値になる。これは、軸流インペラを小型化し回転数を高めた場合であっても駆動軸および軸流インペラの振動を抑えドラフトチューブに環状溝が不要になったことにより、被処理液の流量損失が低減したことを意味する。
【0061】
上記各実施の形態によれば、被処理液を収容した処理槽TKの上部に取り付けられた保持ユニット20と、保持ユニット20に保持された処理槽TK内の被処理液を撹拌する撹拌ユニット40と、被処理液内に位置するように保持ユニット20に保持されたドラフトチューブ30とを備えた撹拌装置100において、撹拌ユニット40が、保持ユニット20に保持される基台41と、基台41上に設けられた回転駆動部42と、回転駆動部42から処理槽TK内へ延びる回転駆動部42の駆動により回転する駆動軸44と、基台41に固定され内部に駆動軸44が貫通されている支持筒50と、支持筒50から突出した駆動軸44の先端に取り付けられたドラフトチューブ30内に位置する軸流インペラ45と、支持筒50の基台41側に取り付けられた駆動軸44を回転可能に保持する第1軸受け51と、支持筒50の先端側に取り付けられた駆動軸44を回転可能に保持する、処理槽TK内において保持ユニット20により水平方向に対し支持された第2軸受け52とを有することにより、軸流インペラ45の回転数を高めた場合であっても保持ユニット20が第1軸受け51および第2軸受け52を介して駆動軸を保持し、さらに第2軸受け52が支持筒50および保持ユニット20により鉛直方向および水平方向において支持されているため、回転する軸流インペラの横揺れを抑制することができ、従来よりも高い回転数での運転が可能となるため、撹拌装置および軸流インペラの小型化を図ることができる。
【0062】
なお、図12に示すように、撹拌ユニット40が保持ユニット20に対し着脱可能に取り付けられるものであるとき、撹拌ユニット40のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0063】
また、図2に示すように、保持ユニット20が、処理槽TKの上部に取り付けられた、撹拌ユニット40が挿入される開口部21aを有する架台12と、架台21から処理槽TK内へ向かって延びた先端においてドラフトチューブ30を支持する支持部材22と、支持部材22に固定された第2軸受け52の水平方向に対し支持する軸受け支持部25とを備えたものであれば、保持ユニット20が第2軸受け52の水平方向の移動を規制し、軸流インペラ45の振動を確実に抑えることができる。
【0064】
さらに、図11に示すように、第2軸受け52が支持筒50の先端に取り付けられた環状部材53内に配置されたものであり、軸受け支持部25が環状部材53が嵌め込まれる環状枠体25aを有するものであり、特に、環状部材53が上部から下部へ向かい径が小さくなる円錐形状を有するものであり、軸受け支持部25が環状枠体25aから環状枠体25aの中心に向かって突出した、環状部材53の側面に当接する傾斜面が形成された突出部材25bを有するものであるとき、撹拌ユニット40が架台21の開口部21aから挿入されたときに、環状部材53と突出部材25bとがくさび作用により強固に固定することができる。
【0065】
また、図2に示すように、支持部材22が、水面付近に軸受け支持部25が設けられた被処理液内において浸水しない上部支柱22aと、上部支柱22aに接続された被処理液内に浸水する下部支柱22bとを備えたものであれば、第2軸受け52が被処理液内に浸水して腐食するのを防止することができる。
【0066】
特に、図15、図16に示すように、上部支柱322aが筒状に形成された支柱筒からなるものであるとき、保持ユニット20の製作性を向上させることができる。
【0067】
さらに、ドラフトチューブ30の上端と処理槽内における被処理液の最大水位位置との距離が軸流インペラの運転回転数が高いほど距離を大きくなるように、ドラフトチューブが被処理液内に配置されるものであれば、ドラフトチューブ30の上端において渦の発生を最小限に抑え、効率的な撹拌を行うことができる。
【0068】
また、図4に示すように、ドラフトチューブ30が、上端から下端に向かって径が小さくなる第1円錐部30aと、第1円錐部30aの下端に連通した軸流インペラ45を収容する略円筒状に形成された第1円筒部30bと、第1円筒部30bの下端に連通した上端から下端に向かって径が大きくなる第2円錐部30cと、第2円錐部30cの下端に連通した略円筒状に形成された第2円筒部30dとを有するとき、従来のように軸流インペラの振動による接触防止のための溝をドラフトチューブ30に設ける必要がなく溝による流体損失を防止することができる。
【0069】
さらに、図14に示すように、駆動軸44が、回転駆動部から第2軸受けまで延びる第1軸部材244aと、第1軸部材244aに着脱可能に接続された先端に軸流インペラ45を有する第2軸部材244bとを有するものであるとき、第1軸受け51、第2軸受け52および軸流インペラ45の補修・交換が容易で、維持管理性を高くすることができる。
【0070】
なお、本発明の実施形態は上記実施の形態に限定されない。たとえば図1の保持ユニット20の支持部材として4本の支柱を用いた場合(図1参照)および支柱筒を用いた場合(図15参照)について例示しているが、2本以上の複数本の支柱を矢印Z方向に対し対称に配置するようにしてもよい。
【0071】
また、上記各実施の形態において、第2軸受け52が支持筒50の先端に取り付けられている場合について例示しているが、支持筒50内に先端付近において収容された構造を有するものであってもよい。このとき、保持ユニット20は支持筒50を保持することにより、第2軸受け53を間接的に保持し軸流インペラ45の横揺れを抑制することができる。このとき、支持筒50の側面に傾斜面を形成するようにすれば、上述したようなくさび作用を得ることができる。
【0072】
さらに、上記各実施形態において、ドラフトチューブ30は、第1円錐部30a、第1円筒部30b、第2円錐部30c、第2円筒部30dを有する場合について例示しているが、第2円錐部30cに代えて第1円筒部30bを下端まで延ばすような構成を有するものであってもよい。この場合であっても、従来のようにドラフトチューブ30に溝を設ける必要がなく(図5参照)、溝32による流量抵抗の増加を防止することができる。
【0073】
また、ドラフトチューブ30において、第1円錐部30aに代えてベルマウスの様な曲線形状を有するようにしてもよい。これにより、ドラフトチューブ30の上部から被処理液が流入する際の入口損失をさらに小さくすることができる。
【0074】
さらに、上記各実施形態において、第1軸受け51と第2軸受け53とにより駆動軸を回転保持している場合について例示しているが、支持筒50内において第1軸受け51と第2軸受け53の間にさらに軸受けを配置するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の撹拌装置の好ましい実施形態を示す縦断面図
【図2】図1の撹拌装置における保持ユニットの一例を示す模式図
【図3】図1の保持ユニットにおける架台の一例を示す上メンズ
【図4】図1のドラフトチューブの一例を示す模式図
【図5】図1のドラフトチューブの第1円錐部周辺を示す模式図
【図6】図1の撹拌装置における撹拌ユニットの一例を示す模式図
【図7】図6の撹拌ユニットの基台が架台に設置された様子を示す模式図
【図8】図6の撹拌ユニットの支持筒内に駆動軸が収容された様子を示す断面図
【図9】図6の撹拌ユニットにおける第2軸受けの構造を示す断面図
【図10】図2の保持ユニットにおける軸受け保持部の構造を示す模式図
【図11A】軸受け保持部に第2軸受けが支持される様子を示す模式図
【図11B】軸受け保持部に第2軸受けが支持される様子を示す断面図
【図12】撹拌ユニットが保持ユニットから着脱される様子を示す模式図
【図13】撹拌ユニットが保持ユニットに装着された様子を示す模式図
【図14】本発明の撹拌装置における撹拌ユニットの第2の実施形態を示す断面図
【図15】本発明の撹拌装置における保持ユニットの第3の実施形態を示す断面図
【図16】図15における上部支柱の一例を示す上面図
【図17】従来の撹拌装置の一例を示す縦断面図
【図18】図15の撹拌装置の軸流インペラとドラフトチューブの溝の一例を示す縦断面図
【符号の説明】
【0076】
20 保持ユニット
21 架台
21a 開口部
22 支持部材
22a、322a 上部支柱
22b 下部支柱
23 整流板
25 軸受け支持部
25a 環状枠体
25b 突出部材
30 ドラフトチューブ
30a 第1円錐部
30b 第1円筒部
30c 第2円錐部
30d 第2円筒部
32 案内羽根
40 撹拌ユニット
41 基台
42 回転駆動部
44、244 駆動軸
45 軸流インペラ
50 支持筒
53 環状部材
100、200、300 撹拌装置
244a 第1軸部材
244b 第2軸部材
TK 処理槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理液を収容した処理槽の上部に取り付けられた保持ユニットと、該保持ユニットに保持された前記処理槽内の前記被処理液を撹拌する撹拌ユニットと、前記被処理液内に位置するように前記保持ユニットに保持されたドラフトチューブとを備えた撹拌装置において、
前記撹拌ユニットが、
前記保持ユニットに保持される基台と、
該基台上に設けられた回転駆動部と、
該回転駆動部から前記処理槽内へ延びる該回転駆動部の駆動により回転する駆動軸と、
前記基台に固定され内部に前記駆動軸が貫通されている支持筒と、
該支持筒から突出した前記駆動軸の先端に取り付けられた前記ドラフトチューブ内に位置する軸流インペラと、
該支持筒の前記基台側に取り付けられた前記駆動軸を回転可能に保持する第1軸受けと、
前記支持筒の先端側に取り付けられた前記駆動軸を回転可能に保持する、前記処理槽内において前記保持ユニットにより水平方向に対し支持された第2軸受けと
を有するものであることを特徴とする撹拌装置。
【請求項2】
前記撹拌ユニットが前記保持ユニットに対し着脱可能に取り付けられるものであることを特徴とする請求項1記載の撹拌装置。
【請求項3】
前記保持ユニットが、前記処理槽の上部に取り付けられた、前記撹拌ユニットが挿入される開口部を有する架台と、該架台から前記処理槽内へ向かって延びた先端において前記ドラフトチューブを支持する支持部材と、該支持部材に固定された前記第2軸受けを水平方向に対し支持する軸受け支持部とを備えたものであることを特徴とする請求項1または2記載の撹拌装置。
【請求項4】
前記第2軸受けが前記支持筒の先端に取り付けられた環状部材内に収容されたものであり、前記軸受け支持部が前記環状部材を嵌め込むための環状枠体を有するものであることを特徴とする請求項3記載の撹拌装置。
【請求項5】
前記環状部材が上部から下部へ向かい径が小さくなる円錐形状を有するものであり、前記軸受け支持部が前記環状枠体から該環状枠体の中心に向かって突出した、前記環状部材の側面に当接する傾斜面が形成された突出部材を有するものであることを特徴とする請求項4記載の撹拌装置。
【請求項6】
前記支持部材が、水面付近に前記軸受け支持部が設けられた前記被処理液内において浸水しない上部支柱と、該上部支柱に接続された前記被処理液内に浸水する下部支柱とを備えたものであることを特徴とする請求項4または5記載の撹拌装置。
【請求項7】
前記上部支柱が筒状に形成された支柱筒からなるものであることを特徴とする請求項6記載の撹拌装置。
【請求項8】
前記ドラフトチューブの上端と前記処理槽内における前記被処理液の最大水位位置との距離が前記軸流インペラの運転回転数が高いほど距離を大きくなるように、前記ドラフトチューブが前記被処理液内に配置されるものであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の撹拌装置。
【請求項9】
前記ドラフトチューブが、上端から下端に向かって径が小さくなる第1円錐部と、該第1円錐部の下端に連通した前記軸流インペラを収容する略円筒状に形成された第1円筒部と、該第1円筒部の下端に連通した上端から下端に向かって径が大きくなる第2円錐部と、該第2円錐部の下端に連通した略円筒状に形成された第2円筒部とを有するものであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の撹拌装置。
【請求項10】
前記駆動軸が、前記回転駆動部から前記第2軸受けまで延びる第1軸部材と、該第1軸部材に着脱可能に接続された先端に前記軸流インペラを有する第2軸部材とを有するものであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の撹拌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−279529(P2009−279529A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135072(P2008−135072)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【特許番号】特許第4200183号(P4200183)
【特許公報発行日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000101374)アタカ大機株式会社 (55)
【復代理人】
【識別番号】100134245
【弁理士】
【氏名又は名称】本澤 大樹
【Fターム(参考)】