擁壁用基礎ブロック
【課題】擁壁の基礎部分をプレキャスト化にすることにより短い工期で擁壁を構築可能とし、当該基礎部分と現場打ちの基礎コンクリートとを強固に一体化させて擁壁の転倒防止を図る擁壁用基礎ブロックを提供する。
【解決手段】上面に立壁30が構築される上方突出部1と、底版40が連接される側方突出部2とを有する、断面略L字形状のプレキャストコンクリート製の擁壁用基礎ブロックであって、前記上方突出部1及び側方突出部2の端面1a,2aには、鉄筋Cを挿入可能な孔部3を設けたものである。
【解決手段】上面に立壁30が構築される上方突出部1と、底版40が連接される側方突出部2とを有する、断面略L字形状のプレキャストコンクリート製の擁壁用基礎ブロックであって、前記上方突出部1及び側方突出部2の端面1a,2aには、鉄筋Cを挿入可能な孔部3を設けたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は擁壁の基礎部分をなすブロックに関し、特に、現場打ちコンクリートと高い一体性を発揮して、擁壁の転倒防止を図る擁壁用基礎ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
法面や土手に擁壁を構築するための工法は従来より種々提案されている。この点、特許文献1に記載された技術の如く、擁壁の立壁部(102)のみならず基礎部(103)をもプレキャスト化することにより、該基礎部(103)が完全に硬化するまでの養生期間が不要となる。そのため、当該基礎部(103)を構成する基礎ブロック(11)の設置後、直ぐさま立壁部(102)を構成するためのブロック(1)を該基礎ブロック(11)上に積み上げることができるため、短い工期で擁壁(101)を構築することが可能となり、極めて有効な技術といえる。
【0003】
しかし乍ら、上記特許文献1に記載の技術にあっては、基礎ブロック(11)と底版部(104)とは何ら一体化されていないため、立壁部(102)の背面から大きな土圧が及んだ場合には、該立壁部(102)と共に転倒してしまう虞がある。
【0004】
上記問題を解決し得る技術として、特許文献2に記載の技術が挙げられる。この特許文献2に記載の技術というのは、断面略L字形状をなす擁壁用ブロックであって、下方突出部の先端に段部を有するものである。かかるブロックを用いて擁壁を構築した場合には、下方突出部の先端に形成した段部が「場所打ちコンクリート底版」と一体化させることができるため、上記特許文献1に記載の技術に比して有利といえる。
【0005】
しかし乍ら、上記特許文献2に記載の技術にあっても、擁壁の背面から大きな土圧が及んだ場合には、該擁壁の下方突出部の先端に形成した段部が、「場所打ちコンクリート底版」との接合部を破壊しながら転倒してしまう。即ち、当該特許文献2に記載の技術であっても、依然として、擁壁が転倒してしまう不安を払拭することができない。
【0006】
ここで、高さ1mを超える擁壁を構築する場合には、一定間隔毎に当該擁壁の背面側に対し一体的に補強壁を構築することが、都市計画法や宅地造成等規制法によって求められている。尚、高さ1m以下の擁壁であっても安全性について配慮する必要から、当該擁壁の背面に補強壁を設けた方が好適である。
【0007】
この点、上記特許文献1及び特許文献2に記載の技術にあっては、何れもその背面が傾斜しているため、上記の如き「補強壁」構築することが困難であった。
【特許文献1】特開2005-97948号公報(明細書・第0026段落、図5、図6)
【特許文献2】意匠登録第1193271号公報(使用状態を示す参考断面図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決課題は、擁壁の基礎部分をプレキャスト化にすることにより短い工期で擁壁を構築可能とし、当該基礎部分と現場打ちの基礎コンクリートとを強固に一体化させて擁壁の転倒防止を図る擁壁用基礎ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明が採った手段は以下の通りである。
まず、請求項1に係る発明は、上面に立壁30が構築される上方突出部1と、底版40が連接される側方突出部2とを有する、断面略L字形状のプレキャストコンクリート製の擁壁用基礎ブロックであって、前記上方突出部1及び側方突出部2の端面1a,2aには、鉄筋Cを挿入可能な孔部3を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
次に、請求項2に係る発明は、請求項1に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、側方突出部2の端面2aは、底版40を構成する打設コンクリートとの一体性を高める段部2bを形成したことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、上方突出部1の端面1aには、その長手方向へ溝1bを形成したことを特徴とするものである。
【0012】
さらに、請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、上方突出部1に設けた孔部3は、当該孔部3を中心とした略半球状又は略円錐状の窪み3aを有することを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、上方突出部1と側方突出部2との間にわたり、補強壁50を構築するための土台部4を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
そして、請求項6に係る発明の擁壁100の構築方法は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載した擁壁用基礎ブロックを均しコンクリートB上に設置し、当該擁壁用基礎ブロックの側方突出部2に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、底版40コンクリートを打設して、当該底版40コンクリートが硬化した後、前記擁壁用基礎ブロックの上方突出部1に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、当該上方突出部1上面にコンクリートブロックDを積み上げることによって、又は、当該上方突出部1に仮設した型枠E内にコンクリートを打設することによって、前記擁壁用基礎ブロック上に立壁30を構成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
上記解決手段が奏する効果は以下の通りである。
まず、請求項1に係る発明によれば、擁壁100の基礎部分をプレキャスト化することとなるため、該基礎部分が完全に硬化するまでの養生期間が不要となる。従って、当該基礎部分を構成する本基礎ブロックの設置後、直ぐさま立壁30を構成するためのコンクリートブロックDを積み上げることができるため、短い工期で擁壁100を構築することが可能となる。
【0016】
また、本請求項に係る発明においては、断面略L字形状を構成する上方突出部1及び側方突出部2の端面1a,2aには、それぞれ鉄筋Cを挿入可能な「孔部3」を有している。従って、前記側方突出部2の孔部3に鉄筋Cを挿入して底版40を構築した後には、当該底版40と本基礎ブロックとを強固に一体化させることができ、前記上方突出部1の孔部3に鉄筋Cを挿入して立壁30を構築した後には、当該立壁30と本基礎ブロックとを強固に一体化させることができる。即ち、前記底版40と立壁30とが本基礎ブロックを介して強固に一体化するため、大きな土圧が及んだとしても確実に擁壁100の転倒防止を図ることができる。
【0017】
次に、請求項2に係る発明においては、側方突出部2の端面2aに設けた「段部2b」が、底版40を構成する打設コンクリートと一体化するため、更に一層確実に、擁壁100の転倒防止を図ることができるのである。
【0018】
また、請求項3に係る発明において、上方突出部1の端面1aには、長手方向に向けて形成した「溝1b」を有するため、当該端面1aの表面積が増えることとなる。それに伴い当該端面1aと、立壁30を形成する「打設コンクリート」又は立壁30を構成するコンクリートブロックを接着する「モルタルG」との密着面積を増やすことができる。そのため、本基礎ブロックにおける端面1aに対し立壁30が強固に固着するので、擁壁100自体の強度を一層向上させることができるのである。
【0019】
さらに、請求項4に係る発明において、上方突出部1の端面1aに設けた孔部3は、当該孔部3を中心とした略半球状又は略円錐状の「窪み3a」を有するため、其処へ鉄筋Cをスムースに挿入させることができる。即ち、本基礎ブロックに対する鉄筋Cの挿入作業が容易となるため、結果として工期の短縮にも資することとなるのである。
【0020】
請求項5に係る発明においては、本基礎ブロックの上方突出部1と側方突出部2との間にわたり補強壁50を構築するための「土台部4」を有するため、擁壁100の背面側に対し容易に補強壁50を構築することが可能となる。
【0021】
そして、請求項6に係る発明の方法によれば、上記請求項1乃至請求項5の何れかに記載したプレキャストコンクリート製の擁壁用基礎ブロックを用いたため、短い工期で擁壁100を構築することが可能となる。また、上記請求項1乃至請求項4の何れかに記載した孔部3を有する擁壁用基礎ブロックを用いたため、底版40と立壁30とが該基礎ブロックを介して強固に一体化するため、大きな土圧が及んだとしても確実に転倒を防止しうる擁壁100を構築することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を、好適な実施例を用いて説明する。
【0023】
図1は本発明に係る擁壁用基礎ブロック10の全体を上方から示すものであり、図2は当該擁壁用基礎ブロック10の側面を示すものであり、図3は当該擁壁用基礎ブロック10の全体を下方から示すものであり、そして、図4は他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック20の全体を上方から示すものである。一方、図6乃至図9は、前記図1乃至図4に対応する他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック11,21を示すものである。
【0024】
本発明に係る擁壁用基礎ブロック10は、図1乃至図3に示すように、上方突出部1と側方突出部2とを有する断面略L字形状をなすプレキャストコンクリート製のブロックであって、前記上方突出部1と側方突出部2の端面2aに孔部3を有するものである。
【0025】
まず「上方突出部1」は、その上面に立壁30が構築されるものである。この上方突出部1の端面1aには、鉄筋Cを挿入可能な「孔部3」が設けられている。この孔部3に挿入された鉄筋Cが、当該上方突出部1の上面に構築された立壁30の骨格となるため、本発明に係る基礎ブロックと立壁30とを強固に一体化させることができるのである。
【0026】
なお、前記上方突出部1の端面1aに、長手方向へ「溝1b」を形成した場合には、立壁30を形成する「打設コンクリート」又は立壁30を構成するコンクリートブロックを接着する「モルタルG」との密着面積が増加して、本基礎ブロックと立壁30とが強固に固着するため、擁壁100自体の強度を一層向上させることができる。尚、当該溝1bの形状は、端面1aの表面積を増やすことができ、尚かつ、当該端面1a上に立壁30を安定的に構築できるのであれば、その形状は特段限定されるものではないが、断面略逆台形状に形成した場合には、端面1aの表面積が増加し、尚かつ型抜きも容易となるので好適である。尚、当該「溝1b」に関し、添付図面では端面1aの長手方向の全長にわたり連続する形態のものを示しているが、特段この形態に限定されるものではなく、途中で分断された形態のものを採用してもよい。
【0027】
また、図6乃至図9に示すブロック11,21の如く、当該上方突出部1に設けた孔部3に、当該孔部3を中心とした略半球状又は略円錐状の「窪み3a」を形成した場合には、該孔部3に対して鉄筋Cをスムースに挿入させることができる。勿論、当該「窪み3a」は、上方突出部1に設けた孔部3のみならず、下方突出部2に設けた孔部3に形成した場合であっても、鉄筋Cのスムースな挿入が実現できる点、付言する。
【0028】
次に「側方突出部2」は、底版40が連接して構築されるものである。この上方突出部1の端面1aにも、鉄筋Cを挿入可能な「孔部3」が設けられている。この孔部3に挿入された鉄筋Cが、当該側方突出部2に連接して構築された底版40の骨格となるため、本発明に係る基礎ブロックと底版40とを強固に一体化させることができるのである。また、当該側方突出部2の端面2aに「段部2b」を設けた場合には、前記鉄筋Cと相俟って、底版40を構成する打設コンクリートと更に一層強固に一体化させることができるのである。
【0029】
また、本発明に係る擁壁用基礎ブロック20は、図4に示すように、本基礎ブロックの上方突出部と側方突出部との間にわたり(擁壁の背面側に)、補強壁50を構築するための「土台部4」を設けてもよい。この土台部4により、擁壁100の背面側(法面側,土手側)へ容易に補強壁50を構築することが可能となる。そして、図5に示すように、前記土台部4を備えた基礎ブロックと土台部4を備えない基礎ブロックとを並べて配置することにより、一定間隔毎に擁壁100の背面側に対し一体的に補強壁50を構築することが可能となるのである。尚、当該「土台部4」に関し、添付図面では本基礎ブロック20,21と一体に設けたものを示しているが、特段この形態に限定されるものではなく、施工現場において、基礎ブロック10,11に対し別部材のブロックを接合させ土台部4を構成してもよい。
【0030】
続いて、図11乃至図21を参照して、本発明に係る10,20を用いた「擁壁100の構築方法」について説明する。
【0031】
最初に、コンクリートブロックDを用いて立壁30を構築する方法につき説明する。まず、図11に示すように擁壁100の設置予定地を整地する。次に、図12に示すように整地された地面上に砕石Aを敷設する。また、図13又は図14に示すように、前記砕石A上に均しコンクリートBを打設して硬化した後、該均しコンクリートBに上記擁壁用基礎ブロック10,20を設置する。更に、図15に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10,20の側方突出部2に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、型枠Eを仮設して、底版40を形成するためのコンクリートを打設する。
【0032】
この打設コンクリートが硬化して底版40が形成された後、図15に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10,20の上方突出部1に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、図16に示すように、当該上方突出部1上面にコンクリートブロックDを積み上げる。これによって、図17に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10,20上にコンクリートブロックDからなる立壁30を構築するのである。
【0033】
続いて、打設コンクリートを用いて立壁30を構築する方法につき説明する。まず、図11に示すように擁壁100の設置予定地を整地する。次に、図12に示すように整地された地面上に砕石Aを敷設する。また、図13又は図14に示すように、前記砕石A上に均しコンクリートBを打設して硬化した後、該均しコンクリートBに上記擁壁用基礎ブロック10を設置する。更に、図19に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10の側方突出部2に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、図20に示すように、型枠Eを仮設して、底版40を形成するためのコンクリートを打設する。
【0034】
この打設コンクリートが硬化して底版40が形成された後、図19に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10の上方突出部1に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、図20に示すように当該上方突出部1に仮設した型枠E内にコンクリートを打設する。これによって、図21に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10上に打設コンクリートからなる立壁30を構築するのである。尚、本実施例においては説明の便宜上、擁壁用基礎ブロック20の記載を省略したが、勿論、当該擁壁用基礎ブロック20の土台部4上に型枠Eを仮設すると共にコンクリートを打設して、補強壁50を構成してもよい。
【0035】
上記の方法によって擁壁100を構築した後には、図18に示すように、当該擁壁100の背面側に埋戻土Hを投入して地面を構成する。尚、本発明に係る擁壁用基礎ブロック10,20を用いて構築された擁壁100は、底版40と立壁30とが本基礎ブロックを介して強固に一体化するため、大きな土圧が及んだとしても該擁壁100が転倒することはない。即ち、当該擁壁100は大きな土圧にも耐えられるため、該擁壁100の背面側に強固な地盤を形成することができるのである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る擁壁用基礎ブロック10,20は、特段、擁壁構築用に限られることなく、一般住宅用のブロック塀(目隠し塀)を構築する際に用いることもできる。特に、交通量の多い交差点に面した地点に構築されたブロック塀は自動車が衝突する危険性があり、事実、衝突事故が多く発生する地点にあるブロック塀は頻繁に崩壊している。従って、度々にわたりブロック塀を構築しなければならず極めて不経済である。この点、当該ブロック塀の基礎部分に本発明に係る擁壁用基礎ブロック10,20を採用することにより、ブロック塀の下部の重量と強度を増加させることができる。そのため、当該ブロック塀は高い耐衝撃性を備えることとなり、該ブロック塀の崩壊防止に資するのである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る擁壁用基礎ブロック10の全体を上方から示す図である。
【図2】図1に示す擁壁用基礎ブロック10の側面を示す図である。
【図3】図1に示す擁壁用基礎ブロック10の全体を下方から示す図である。
【図4】他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック20の全体を上方から示す図である。
【図5】図1に示す擁壁用基礎ブロック10と、図4に示す擁壁用基礎ブロック20とを並べて配置した状態を上方から示す図である。
【図6】図1に対応する、他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック11を示す図である。
【図7】図2に対応する、他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック11を示す図である。
【図8】図3に対応する、他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック11を示す図である。
【図9】図4に対応する、他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック21を示す図である。
【図10】図5に対応する、他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック11,21を示す図である。
【図11】擁壁の設置予定地を整地した状態を示す図である。
【図12】整地された地面上に砕石Aを敷設した状態を示す図である。
【図13】図12に示す地面上に均しコンクリートBを打設して、其処へ図5に示す擁壁用基礎ブロック10,20を配置した状態を上方から示す図である。
【図14】図13に示す擁壁用基礎ブロック10を手前側方から示す図である。
【図15】図13に示す擁壁用基礎ブロック10,20の側方突出部2に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入して型枠Eを仮設すると共に、当該擁壁用基礎ブロック10,20の上方突出部1に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入した状態を示す図である。
【図16】図15に示す擁壁用基礎ブロック10,20の上方突出部1上面に対するコンクリートブロックDの積み上げ途中を示す図である。
【図17】図16に示す擁壁用基礎ブロック10,20の上方突出部1上面にコンクリートブロックDを積み上げてなる擁壁100を背面側から示す図である。
【図18】図17に示す擁壁100の背面側に埋戻土Hを投入して地面を構成した状態を示す図である。
【図19】図13に示す擁壁用基礎ブロック10(擁壁用基礎ブロック20は図示しない)の側方突出部2に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、当該擁壁用基礎ブロック10の上方突出部1に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入した状態を示す図である。
【図20】図19に示す擁壁用基礎ブロック10の側方突出部2及び上方突出部1に型枠Eを仮設した状態を示す図である。
【図21】図20に示す擁壁用基礎ブロック10の上方突出部1上面に打設コンクリートからなる擁壁100を背面側から示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 上方突出部
1a 端面
1b 溝
2 側方突出部
2a 端面
2b 段部
3 孔部
3a 窪み
4 土台部
10 擁壁用基礎ブロック
11 擁壁用基礎ブロック
20 擁壁用基礎ブロック
21 擁壁用基礎ブロック
30 立壁
40 底版
50 補強壁
100 擁壁
A 砕石
B 均しコンクリート
C 鉄筋
D コンクリートブロック
E 型枠
F フェンス
G モルタル
H 埋戻土
【技術分野】
【0001】
本発明は擁壁の基礎部分をなすブロックに関し、特に、現場打ちコンクリートと高い一体性を発揮して、擁壁の転倒防止を図る擁壁用基礎ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
法面や土手に擁壁を構築するための工法は従来より種々提案されている。この点、特許文献1に記載された技術の如く、擁壁の立壁部(102)のみならず基礎部(103)をもプレキャスト化することにより、該基礎部(103)が完全に硬化するまでの養生期間が不要となる。そのため、当該基礎部(103)を構成する基礎ブロック(11)の設置後、直ぐさま立壁部(102)を構成するためのブロック(1)を該基礎ブロック(11)上に積み上げることができるため、短い工期で擁壁(101)を構築することが可能となり、極めて有効な技術といえる。
【0003】
しかし乍ら、上記特許文献1に記載の技術にあっては、基礎ブロック(11)と底版部(104)とは何ら一体化されていないため、立壁部(102)の背面から大きな土圧が及んだ場合には、該立壁部(102)と共に転倒してしまう虞がある。
【0004】
上記問題を解決し得る技術として、特許文献2に記載の技術が挙げられる。この特許文献2に記載の技術というのは、断面略L字形状をなす擁壁用ブロックであって、下方突出部の先端に段部を有するものである。かかるブロックを用いて擁壁を構築した場合には、下方突出部の先端に形成した段部が「場所打ちコンクリート底版」と一体化させることができるため、上記特許文献1に記載の技術に比して有利といえる。
【0005】
しかし乍ら、上記特許文献2に記載の技術にあっても、擁壁の背面から大きな土圧が及んだ場合には、該擁壁の下方突出部の先端に形成した段部が、「場所打ちコンクリート底版」との接合部を破壊しながら転倒してしまう。即ち、当該特許文献2に記載の技術であっても、依然として、擁壁が転倒してしまう不安を払拭することができない。
【0006】
ここで、高さ1mを超える擁壁を構築する場合には、一定間隔毎に当該擁壁の背面側に対し一体的に補強壁を構築することが、都市計画法や宅地造成等規制法によって求められている。尚、高さ1m以下の擁壁であっても安全性について配慮する必要から、当該擁壁の背面に補強壁を設けた方が好適である。
【0007】
この点、上記特許文献1及び特許文献2に記載の技術にあっては、何れもその背面が傾斜しているため、上記の如き「補強壁」構築することが困難であった。
【特許文献1】特開2005-97948号公報(明細書・第0026段落、図5、図6)
【特許文献2】意匠登録第1193271号公報(使用状態を示す参考断面図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決課題は、擁壁の基礎部分をプレキャスト化にすることにより短い工期で擁壁を構築可能とし、当該基礎部分と現場打ちの基礎コンクリートとを強固に一体化させて擁壁の転倒防止を図る擁壁用基礎ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明が採った手段は以下の通りである。
まず、請求項1に係る発明は、上面に立壁30が構築される上方突出部1と、底版40が連接される側方突出部2とを有する、断面略L字形状のプレキャストコンクリート製の擁壁用基礎ブロックであって、前記上方突出部1及び側方突出部2の端面1a,2aには、鉄筋Cを挿入可能な孔部3を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
次に、請求項2に係る発明は、請求項1に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、側方突出部2の端面2aは、底版40を構成する打設コンクリートとの一体性を高める段部2bを形成したことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、上方突出部1の端面1aには、その長手方向へ溝1bを形成したことを特徴とするものである。
【0012】
さらに、請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、上方突出部1に設けた孔部3は、当該孔部3を中心とした略半球状又は略円錐状の窪み3aを有することを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、上方突出部1と側方突出部2との間にわたり、補強壁50を構築するための土台部4を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
そして、請求項6に係る発明の擁壁100の構築方法は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載した擁壁用基礎ブロックを均しコンクリートB上に設置し、当該擁壁用基礎ブロックの側方突出部2に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、底版40コンクリートを打設して、当該底版40コンクリートが硬化した後、前記擁壁用基礎ブロックの上方突出部1に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、当該上方突出部1上面にコンクリートブロックDを積み上げることによって、又は、当該上方突出部1に仮設した型枠E内にコンクリートを打設することによって、前記擁壁用基礎ブロック上に立壁30を構成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
上記解決手段が奏する効果は以下の通りである。
まず、請求項1に係る発明によれば、擁壁100の基礎部分をプレキャスト化することとなるため、該基礎部分が完全に硬化するまでの養生期間が不要となる。従って、当該基礎部分を構成する本基礎ブロックの設置後、直ぐさま立壁30を構成するためのコンクリートブロックDを積み上げることができるため、短い工期で擁壁100を構築することが可能となる。
【0016】
また、本請求項に係る発明においては、断面略L字形状を構成する上方突出部1及び側方突出部2の端面1a,2aには、それぞれ鉄筋Cを挿入可能な「孔部3」を有している。従って、前記側方突出部2の孔部3に鉄筋Cを挿入して底版40を構築した後には、当該底版40と本基礎ブロックとを強固に一体化させることができ、前記上方突出部1の孔部3に鉄筋Cを挿入して立壁30を構築した後には、当該立壁30と本基礎ブロックとを強固に一体化させることができる。即ち、前記底版40と立壁30とが本基礎ブロックを介して強固に一体化するため、大きな土圧が及んだとしても確実に擁壁100の転倒防止を図ることができる。
【0017】
次に、請求項2に係る発明においては、側方突出部2の端面2aに設けた「段部2b」が、底版40を構成する打設コンクリートと一体化するため、更に一層確実に、擁壁100の転倒防止を図ることができるのである。
【0018】
また、請求項3に係る発明において、上方突出部1の端面1aには、長手方向に向けて形成した「溝1b」を有するため、当該端面1aの表面積が増えることとなる。それに伴い当該端面1aと、立壁30を形成する「打設コンクリート」又は立壁30を構成するコンクリートブロックを接着する「モルタルG」との密着面積を増やすことができる。そのため、本基礎ブロックにおける端面1aに対し立壁30が強固に固着するので、擁壁100自体の強度を一層向上させることができるのである。
【0019】
さらに、請求項4に係る発明において、上方突出部1の端面1aに設けた孔部3は、当該孔部3を中心とした略半球状又は略円錐状の「窪み3a」を有するため、其処へ鉄筋Cをスムースに挿入させることができる。即ち、本基礎ブロックに対する鉄筋Cの挿入作業が容易となるため、結果として工期の短縮にも資することとなるのである。
【0020】
請求項5に係る発明においては、本基礎ブロックの上方突出部1と側方突出部2との間にわたり補強壁50を構築するための「土台部4」を有するため、擁壁100の背面側に対し容易に補強壁50を構築することが可能となる。
【0021】
そして、請求項6に係る発明の方法によれば、上記請求項1乃至請求項5の何れかに記載したプレキャストコンクリート製の擁壁用基礎ブロックを用いたため、短い工期で擁壁100を構築することが可能となる。また、上記請求項1乃至請求項4の何れかに記載した孔部3を有する擁壁用基礎ブロックを用いたため、底版40と立壁30とが該基礎ブロックを介して強固に一体化するため、大きな土圧が及んだとしても確実に転倒を防止しうる擁壁100を構築することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を、好適な実施例を用いて説明する。
【0023】
図1は本発明に係る擁壁用基礎ブロック10の全体を上方から示すものであり、図2は当該擁壁用基礎ブロック10の側面を示すものであり、図3は当該擁壁用基礎ブロック10の全体を下方から示すものであり、そして、図4は他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック20の全体を上方から示すものである。一方、図6乃至図9は、前記図1乃至図4に対応する他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック11,21を示すものである。
【0024】
本発明に係る擁壁用基礎ブロック10は、図1乃至図3に示すように、上方突出部1と側方突出部2とを有する断面略L字形状をなすプレキャストコンクリート製のブロックであって、前記上方突出部1と側方突出部2の端面2aに孔部3を有するものである。
【0025】
まず「上方突出部1」は、その上面に立壁30が構築されるものである。この上方突出部1の端面1aには、鉄筋Cを挿入可能な「孔部3」が設けられている。この孔部3に挿入された鉄筋Cが、当該上方突出部1の上面に構築された立壁30の骨格となるため、本発明に係る基礎ブロックと立壁30とを強固に一体化させることができるのである。
【0026】
なお、前記上方突出部1の端面1aに、長手方向へ「溝1b」を形成した場合には、立壁30を形成する「打設コンクリート」又は立壁30を構成するコンクリートブロックを接着する「モルタルG」との密着面積が増加して、本基礎ブロックと立壁30とが強固に固着するため、擁壁100自体の強度を一層向上させることができる。尚、当該溝1bの形状は、端面1aの表面積を増やすことができ、尚かつ、当該端面1a上に立壁30を安定的に構築できるのであれば、その形状は特段限定されるものではないが、断面略逆台形状に形成した場合には、端面1aの表面積が増加し、尚かつ型抜きも容易となるので好適である。尚、当該「溝1b」に関し、添付図面では端面1aの長手方向の全長にわたり連続する形態のものを示しているが、特段この形態に限定されるものではなく、途中で分断された形態のものを採用してもよい。
【0027】
また、図6乃至図9に示すブロック11,21の如く、当該上方突出部1に設けた孔部3に、当該孔部3を中心とした略半球状又は略円錐状の「窪み3a」を形成した場合には、該孔部3に対して鉄筋Cをスムースに挿入させることができる。勿論、当該「窪み3a」は、上方突出部1に設けた孔部3のみならず、下方突出部2に設けた孔部3に形成した場合であっても、鉄筋Cのスムースな挿入が実現できる点、付言する。
【0028】
次に「側方突出部2」は、底版40が連接して構築されるものである。この上方突出部1の端面1aにも、鉄筋Cを挿入可能な「孔部3」が設けられている。この孔部3に挿入された鉄筋Cが、当該側方突出部2に連接して構築された底版40の骨格となるため、本発明に係る基礎ブロックと底版40とを強固に一体化させることができるのである。また、当該側方突出部2の端面2aに「段部2b」を設けた場合には、前記鉄筋Cと相俟って、底版40を構成する打設コンクリートと更に一層強固に一体化させることができるのである。
【0029】
また、本発明に係る擁壁用基礎ブロック20は、図4に示すように、本基礎ブロックの上方突出部と側方突出部との間にわたり(擁壁の背面側に)、補強壁50を構築するための「土台部4」を設けてもよい。この土台部4により、擁壁100の背面側(法面側,土手側)へ容易に補強壁50を構築することが可能となる。そして、図5に示すように、前記土台部4を備えた基礎ブロックと土台部4を備えない基礎ブロックとを並べて配置することにより、一定間隔毎に擁壁100の背面側に対し一体的に補強壁50を構築することが可能となるのである。尚、当該「土台部4」に関し、添付図面では本基礎ブロック20,21と一体に設けたものを示しているが、特段この形態に限定されるものではなく、施工現場において、基礎ブロック10,11に対し別部材のブロックを接合させ土台部4を構成してもよい。
【0030】
続いて、図11乃至図21を参照して、本発明に係る10,20を用いた「擁壁100の構築方法」について説明する。
【0031】
最初に、コンクリートブロックDを用いて立壁30を構築する方法につき説明する。まず、図11に示すように擁壁100の設置予定地を整地する。次に、図12に示すように整地された地面上に砕石Aを敷設する。また、図13又は図14に示すように、前記砕石A上に均しコンクリートBを打設して硬化した後、該均しコンクリートBに上記擁壁用基礎ブロック10,20を設置する。更に、図15に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10,20の側方突出部2に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、型枠Eを仮設して、底版40を形成するためのコンクリートを打設する。
【0032】
この打設コンクリートが硬化して底版40が形成された後、図15に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10,20の上方突出部1に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、図16に示すように、当該上方突出部1上面にコンクリートブロックDを積み上げる。これによって、図17に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10,20上にコンクリートブロックDからなる立壁30を構築するのである。
【0033】
続いて、打設コンクリートを用いて立壁30を構築する方法につき説明する。まず、図11に示すように擁壁100の設置予定地を整地する。次に、図12に示すように整地された地面上に砕石Aを敷設する。また、図13又は図14に示すように、前記砕石A上に均しコンクリートBを打設して硬化した後、該均しコンクリートBに上記擁壁用基礎ブロック10を設置する。更に、図19に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10の側方突出部2に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、図20に示すように、型枠Eを仮設して、底版40を形成するためのコンクリートを打設する。
【0034】
この打設コンクリートが硬化して底版40が形成された後、図19に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10の上方突出部1に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、図20に示すように当該上方突出部1に仮設した型枠E内にコンクリートを打設する。これによって、図21に示すように、当該擁壁用基礎ブロック10上に打設コンクリートからなる立壁30を構築するのである。尚、本実施例においては説明の便宜上、擁壁用基礎ブロック20の記載を省略したが、勿論、当該擁壁用基礎ブロック20の土台部4上に型枠Eを仮設すると共にコンクリートを打設して、補強壁50を構成してもよい。
【0035】
上記の方法によって擁壁100を構築した後には、図18に示すように、当該擁壁100の背面側に埋戻土Hを投入して地面を構成する。尚、本発明に係る擁壁用基礎ブロック10,20を用いて構築された擁壁100は、底版40と立壁30とが本基礎ブロックを介して強固に一体化するため、大きな土圧が及んだとしても該擁壁100が転倒することはない。即ち、当該擁壁100は大きな土圧にも耐えられるため、該擁壁100の背面側に強固な地盤を形成することができるのである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る擁壁用基礎ブロック10,20は、特段、擁壁構築用に限られることなく、一般住宅用のブロック塀(目隠し塀)を構築する際に用いることもできる。特に、交通量の多い交差点に面した地点に構築されたブロック塀は自動車が衝突する危険性があり、事実、衝突事故が多く発生する地点にあるブロック塀は頻繁に崩壊している。従って、度々にわたりブロック塀を構築しなければならず極めて不経済である。この点、当該ブロック塀の基礎部分に本発明に係る擁壁用基礎ブロック10,20を採用することにより、ブロック塀の下部の重量と強度を増加させることができる。そのため、当該ブロック塀は高い耐衝撃性を備えることとなり、該ブロック塀の崩壊防止に資するのである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る擁壁用基礎ブロック10の全体を上方から示す図である。
【図2】図1に示す擁壁用基礎ブロック10の側面を示す図である。
【図3】図1に示す擁壁用基礎ブロック10の全体を下方から示す図である。
【図4】他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック20の全体を上方から示す図である。
【図5】図1に示す擁壁用基礎ブロック10と、図4に示す擁壁用基礎ブロック20とを並べて配置した状態を上方から示す図である。
【図6】図1に対応する、他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック11を示す図である。
【図7】図2に対応する、他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック11を示す図である。
【図8】図3に対応する、他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック11を示す図である。
【図9】図4に対応する、他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック21を示す図である。
【図10】図5に対応する、他の実施形態に係る擁壁用基礎ブロック11,21を示す図である。
【図11】擁壁の設置予定地を整地した状態を示す図である。
【図12】整地された地面上に砕石Aを敷設した状態を示す図である。
【図13】図12に示す地面上に均しコンクリートBを打設して、其処へ図5に示す擁壁用基礎ブロック10,20を配置した状態を上方から示す図である。
【図14】図13に示す擁壁用基礎ブロック10を手前側方から示す図である。
【図15】図13に示す擁壁用基礎ブロック10,20の側方突出部2に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入して型枠Eを仮設すると共に、当該擁壁用基礎ブロック10,20の上方突出部1に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入した状態を示す図である。
【図16】図15に示す擁壁用基礎ブロック10,20の上方突出部1上面に対するコンクリートブロックDの積み上げ途中を示す図である。
【図17】図16に示す擁壁用基礎ブロック10,20の上方突出部1上面にコンクリートブロックDを積み上げてなる擁壁100を背面側から示す図である。
【図18】図17に示す擁壁100の背面側に埋戻土Hを投入して地面を構成した状態を示す図である。
【図19】図13に示す擁壁用基礎ブロック10(擁壁用基礎ブロック20は図示しない)の側方突出部2に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入すると共に、当該擁壁用基礎ブロック10の上方突出部1に穿設された孔部3に鉄筋Cを挿入した状態を示す図である。
【図20】図19に示す擁壁用基礎ブロック10の側方突出部2及び上方突出部1に型枠Eを仮設した状態を示す図である。
【図21】図20に示す擁壁用基礎ブロック10の上方突出部1上面に打設コンクリートからなる擁壁100を背面側から示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 上方突出部
1a 端面
1b 溝
2 側方突出部
2a 端面
2b 段部
3 孔部
3a 窪み
4 土台部
10 擁壁用基礎ブロック
11 擁壁用基礎ブロック
20 擁壁用基礎ブロック
21 擁壁用基礎ブロック
30 立壁
40 底版
50 補強壁
100 擁壁
A 砕石
B 均しコンクリート
C 鉄筋
D コンクリートブロック
E 型枠
F フェンス
G モルタル
H 埋戻土
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に立壁が構築される上方突出部と、底版が連接される側方突出部とを有する、断面略L字形状のプレキャストコンクリート製の擁壁用基礎ブロックであって、
前記上方突出部及び側方突出部の端面には、鉄筋を挿入可能な孔部を設けたことを特徴とする擁壁用基礎ブロック。
【請求項2】
請求項1に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、
側方突出部の端面は、底版を構成する打設コンクリートとの一体性を高める段部を形成したことを特徴とする擁壁用基礎ブロック。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、
上方突出部の端面には、その長手方向へ溝を形成したことを特徴とする擁壁用基礎ブロック。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、
上方突出部に設けた孔部は、当該孔部を中心とした略半球状又は略円錐状の窪みを有することを特徴とする擁壁用基礎ブロック。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、
上方突出部と側方突出部との間にわたり、補強壁を構築するための土台部を設けたことを特徴とする擁壁用基礎ブロック。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載した擁壁用基礎ブロックを均しコンクリート上に設置し、
当該擁壁用基礎ブロックの側方突出部に穿設された孔部に鉄筋を挿入すると共に、底版コンクリートを打設し、
当該底版コンクリートが硬化した後、前記擁壁用基礎ブロックの上方突出部に穿設された孔部に鉄筋を挿入すると共に、
当該上方突出部上面にコンクリートブロックを積み上げることによって、又は、
当該上方突出部に仮設した型枠内にコンクリートを打設することによって、
前記擁壁用基礎ブロック上に立壁を構成することを特徴とする擁壁の構築方法。
【請求項1】
上面に立壁が構築される上方突出部と、底版が連接される側方突出部とを有する、断面略L字形状のプレキャストコンクリート製の擁壁用基礎ブロックであって、
前記上方突出部及び側方突出部の端面には、鉄筋を挿入可能な孔部を設けたことを特徴とする擁壁用基礎ブロック。
【請求項2】
請求項1に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、
側方突出部の端面は、底版を構成する打設コンクリートとの一体性を高める段部を形成したことを特徴とする擁壁用基礎ブロック。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、
上方突出部の端面には、その長手方向へ溝を形成したことを特徴とする擁壁用基礎ブロック。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、
上方突出部に設けた孔部は、当該孔部を中心とした略半球状又は略円錐状の窪みを有することを特徴とする擁壁用基礎ブロック。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載した擁壁用基礎ブロックにおいて、
上方突出部と側方突出部との間にわたり、補強壁を構築するための土台部を設けたことを特徴とする擁壁用基礎ブロック。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載した擁壁用基礎ブロックを均しコンクリート上に設置し、
当該擁壁用基礎ブロックの側方突出部に穿設された孔部に鉄筋を挿入すると共に、底版コンクリートを打設し、
当該底版コンクリートが硬化した後、前記擁壁用基礎ブロックの上方突出部に穿設された孔部に鉄筋を挿入すると共に、
当該上方突出部上面にコンクリートブロックを積み上げることによって、又は、
当該上方突出部に仮設した型枠内にコンクリートを打設することによって、
前記擁壁用基礎ブロック上に立壁を構成することを特徴とする擁壁の構築方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図9】
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【図11】
【図12】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−190178(P2008−190178A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−24471(P2007−24471)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(000246343)揖斐川コンクリート工業株式会社 (31)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(000246343)揖斐川コンクリート工業株式会社 (31)
【Fターム(参考)】
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