操作コマと、操作コマを使ったサッカー遊戯具、スラローム遊戯具、喧嘩ゴマ遊戯具、およびジャンプ遊戯具
【課題】コマを机上の任意の位置に誘導操作することが可能であり、複数個のコマどうしを衝突させる喧嘩ゴマのだけでなく、スラロームやサッカーゲームなどの種々の遊び方を実現することができる、従来には無い新規なコマ(操作コマ)を提供する。
【解決手段】本発明に係る操作コマは、コマ本体2と、コマ本体2の上方より非接触状態でコマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなり、これらコマ本体2と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することが可能である。コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備え、回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられている。
【解決手段】本発明に係る操作コマは、コマ本体2と、コマ本体2の上方より非接触状態でコマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなり、これらコマ本体2と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することが可能である。コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備え、回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊戯者の思い通りの位置にコマを誘導操作することができる、操作コマと、該操作コマを使ったサッカー遊戯具、スラローム遊戯具、喧嘩ゴマ遊戯具、およびジャンプ遊戯具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に係る操作コマは磁石を備えるものであるが、このようにコマに磁石を組み付けること自体は、例えば特許文献1、2に開示されており公知である。
特許文献1のコマは、凹面状の遊戯盤内で複数個のコマを衝突させて、いずれのコマが最後まで回転するかを競う、所謂「喧嘩ゴマ」であり、コマの重錘を磁石で形成したことを特長とする。このようにコマの重錘が磁石により形成されていると、両コマに作用する磁力の反発力或いは吸引力により、コマどうしの衝突具合を変化させて、コマの自立回転時間に変化を付けることができる。
特許文献2は、回転する磁石の磁力の影響を学習するための磁石セットに関するものであり、コマの本体を兼用する円形容器に形状の異なる複数の磁石が収納されており、円形容器の一方の面から突出する短軸が磁石で形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3089777号公報(図2、図3、図4参照)
【特許文献2】登録実用新案第3114608号公報(図4、図7参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者の岡本凌氏は、大阪府岸和田市在住の小学五年生であり、コマを机上の任意の位置に誘導操作することができれば、喧嘩ゴマとしての興趣性が格段に向上するほか、障害物の間をぬってコマを走らせたり、コマの回転力を利用してボールを飛ばす、サッカーゲームが可能となることを思い付いた。
【0005】
しかし、特許文献1は喧嘩ゴマ専用のコマであり、軸や錘等を選択するセッティング動作、或いは重錘の表裏面をいずれの方向とするか(重錘の表裏いずれの面をS極、N極とするかの選択)のセッティング動作に、戦略的な思考や、経験に基づいた論理的な思考が必要で、その点に高い興趣性を見出すことができるものの、コマを遊戯盤内に落とした後は、コマの衝突動作を眺めるしかなく、本発明者が目指す操作コマとは程遠い。
【0006】
特許文献2に開示されているコマは、磁力の影響を学習するための磁石セットにすぎず、回転しているコマの短軸に磁石や磁性体を近付けたときのそれらの動きを見て、回転している磁石の磁力の作用を学習するためのものであり、机上でコマを任意の位置に誘導操作するという技術思想は全く無い。
【0007】
本発明は、コマを机上の任意の位置に誘導操作することが可能であり、複数個のコマどうしを衝突させる喧嘩ゴマのだけでなく、スラロームやサッカーゲームなどの種々の遊び方を実現することができる、従来には無い新規なコマ(操作コマ)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コマ本体2と、該コマ本体2の上方より非接触状態で該コマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなり、これらコマ本体2と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することができる操作コマである。コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、該回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備える。回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられている。操作体3および被操作片20の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されている。そして、コマ本体2の被操作片20に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けたとき、被操作片20と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっていることを特徴とする。
【0009】
上記「回転体11の回転中心部に、・・・被操作片20が設けられ」とは、回転体11の回転中心軸P上に被操作片20が設けられている形態(図1、図5および図6参照)のほか、回転体11の回転中心軸Pを囲むように被操作片20が設けられている形態(図7および図8参照)を含む概念である。また、図9に示すように、回転体11が円リング磁石で形成されており、当該円リング磁石の中心部の近傍から出た磁力線が操作体3と作用して、吸引力或いは反発力を得る形態であってもよい。
上記「机面4」とは、床面なども含む概念であり、「机上」も床等も含む概念である。
上記各概念は、他の請求項においても同様である。
【0010】
本発明は、図10に示すように、回転体11が、中央開口を有する円リング状に形成された磁石であり、回転体11の中心部近傍から発せられる磁力線L1と、操作体3との間に発生する磁力に由来する吸引力或いは反発力により、任意の位置に誘導操作することができるようになっており、しかるに、円リング状の磁石で形成された回転体11の中心部近傍が被操作片20となる形態を採ることができる。
【0011】
本発明は、図1および図5に示すように、回転軸10の上下方向の中央部に、回転体11が装着されており、回転軸10の上端に、被操作片20が設けられている形態を採ることができる。
【0012】
図1に示すように、回転体11が、中央開口を有する円リング状に形成された磁石11a・11bであり、回転軸10が、回転体11の中央開口内に挿通されて、上下方向から回転体11を挟持保持する上下のブロック14・15と、上ブロック14の上方に着脱自在に装着されるヘッド16と、下ブロック15の下方に着脱自在に装着されるボトム17とを含み、ヘッド16に、被操作片20が組み付けられている形態を採ることができる。
【0013】
本発明は、図11に示すように、コマ本体2と、該コマ本体2の上方より非接触状態で該コマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなる操作コマ1と、コマ本体2により弾き飛ばされるボール30とを含む、操作コマ1を使ったサッカー遊戯具である。コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、該回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備え、回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられており、操作体3および被操作片20の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、コマ本体2の被操作片20に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けると、被操作片20と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっている。そして、コマ本体2の回転体11を机上に置かれたボール30に衝突させることで、ボール30を任意の方向に弾き飛ばすことができるようになっていることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、図12に示すように、コマ本体2と、該コマ本体2の上方より非接触状態で該コマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなる操作コマ1と、机上の置かれた障害物33とを含む、スラローム遊戯具である。コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、該回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備え、回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられており、操作体3および被操作片20の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、コマ本体2の被操作片20に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けると、被操作片20と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっている。そして、コマ本体2を障害物33を避けながらスタート位置からゴール位置まで誘導操作させることで、コマ本体2のゴール位置に到達するまでの所要時間を競うことができるようになっていることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、図13に示すように、二つ以上のコマ本体2・2と、両コマ本体2・2を上方より非接触状態で誘導操作するための一又は二以上の操作体3・3とからなる操作コマ1・1を含む、操作コマ1を使った喧嘩ゴマ遊戯具である。コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、該回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備え、回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられており、操作体3および被操作片20の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、コマ本体2の被操作片20に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けると、被操作片20と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっている。そして、操作体3で誘導操作しながら両コマ本体2・2を衝突させて、いずれのコマ本体2が最後まで回転しているかを競うことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、図14に示すように、コマ本体2と、該コマ本体2の上方より非接触状態で該コマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなる操作コマ1と、傾斜面35aを有するジャンプ台35とを含む、ジャンプ遊戯具である。コマ本体2は、回転軸10と、該回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備え、回転体11の回転中心部に、操作体との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられており、操作体3および被操作片20の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、コマ本体2の被操作片20に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けると、被操作片20と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を任意の位置に誘導操作することができるようになっている。傾斜面35aの下端の踏み切り位置35bには、ジャンプ用の磁石21が埋設されており、回転軸10の下端には、ジャンプ用の磁石21と逆向きの極の磁石36が装着されている。そして、ジャンプ台35の上方より、操作体3を使ってコマ本体2を傾斜面35aを誘導滑走させて、コマ本体2が踏み切り位置35bに至ると、ジャンプ用の磁石36と回転軸10の下端の磁石との反発力により、コマ本体2がジャンプ台35から斜め上方に飛び出すように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る操作コマは、コマ本体2と、該コマ本体2の上方より非接触状態で該コマ本体2を誘導操作するための操作体3とで構成した。また、コマ本体2の回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20を設けた。この操作コマにおいては、机上で回転するコマ本体2に対して、コマ本体2と接触しないようにしながら、上方より操作体3を近付けることで、操作体3と被操作片20との間で作用する磁力(吸引力或いは反発力)により、コマ本体2の自立回転状態を維持しながら、コマ本体2を机上等の任意の位置に誘導操作することができる。したがって、遊戯者が操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作するという、従来のコマでは全く想定されていない、興趣性に富んだ遊戯を実現することができる。
【0018】
そのうえで、コマ本体2の回転体11の回転中心部に被操作片20が設けられていると、回転体11の回転中心部に対して磁力を作用させながら操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作することが可能となり、誘導操作時にコマ本体2の回転の中心軸が不用意に傾くことを抑えることができる。
すなわち、例えば回転体11の縁部に被操作片20が設けられている形態では、コマ本体2に対して操作体3を上方より近付けると、回転体11の縁部が操作体3に近付くように上方に持ち上げられ、或いは縁部が操作体3から離れるように下方に沈むため、コマ本体2の自立回転のための遠心力を発揮する回転体11が波打つような斜め姿勢となることが避けられず、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不利がある。つまり、回転体11の縁部に被操作片20が設けられている形態において、操作体3と被操作片20との間に吸引力が作用する場合には、吸引力を回転体11の縁部の全周に対して一定の磁力を働かせることは至難であり、操作体3と被操作片20との間隔距離の変化に応じて、回転体11の縁部の全周に作用する吸引力にばらつきが生じて、回転体11の周縁の一部のみが大きく持ち上げられて、回転体11が波打つことが避けられない。操作体3と被操作片20との間に反発力が作用する場合も同様であり、操作体3と被操作片20との間隔距離の変化に応じて、回転体11の縁部の全周に作用する反発力にばらつきが生じて、回転体11の周縁の一部のみが大きく沈みこんで、回転体11が波打つことが避けられない。
これに対して、本発明のように、コマ本体2の回転体11の回転中心部に設けられた被操作片20を操作体3で吸引或いは反発させて、コマ本体2を誘導操作するようにしていると、回転体11の縁部が部分的に上方に持ち上げられたり、下方に沈み込んだりすることはなく、回転体11が波打って、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不利は生じず、回転体11の適正な回転状態を維持しながら、コマ本体2を誘導操作することができる。したがって、本発明に係る操作コマによれば、より長時間にわたってコマ本体2を自立回転させた状態で誘導操作することが可能であり、後述するサッカー遊戯具やスラローム遊戯具など、種々の興趣性に富んだ種々の遊戯具への適用が容易である。
【0019】
回転体11が中央開口を有する円リング状に形成された磁石であり、回転体11の中心部近傍から発せられる磁力線L1と、操作体3との間に発生する磁力に由来する吸引力或いは反発力により誘導操作する形態を採ることができる。このように、回転体11の中心部近傍から発せられる磁力線L1を使って誘導操作するようにしてあると、回転体11の縁部から発せられる磁力線を使う形態では問題となる、回転体11が波打つように傾く不具合の発生を確実に防止することができるので、コマ本体2の自立回転時間を可及的に大きくすることができる。また、円リング状の磁石で形成された回転体11の中心部近傍を被操作片20として利用するので、別途被操作片20を設ける必要がなく、より安価に操作コマを作製することができる。
【0020】
回転軸10の上下方向の中央部に回転体11が装着され、回転軸10の上端に被操作片20が設けられている形態を採ることが好ましい。このように、回転軸10の上端に被操作片20が設けられていると、被操作片20に対して、上方より近付けられた操作体3との間の吸引力或いは反発力をダイレクトに作用させて、コマ本体2を誘導操作することができる。このことは、回転体11の縁部に作用する吸引力や反発力を最小限化することができることを意味し、コマ本体2の自立回転時間を可及的に長くすることができる。
【0021】
図1、図5および図9に示すように、回転体11は中央開口を有する円リング状に形成された磁石とすることが好ましい。これによれば、市販の円リング状の磁石を利用して操作コマを作製することができるので、より低コストに操作コマを提供できる利点がある。また、回転軸10を、上下のブロック14・15と、これらブロック14・15に着脱自在に装着されるヘッド16とボトム17とで構成してあると、図3および図5に示すような円錐状の下軸部やドーム状の下軸部など、異なる形状を有するボトム17を支持体装着することで、コマ本体2の機動性や自立回転時間を大小に調整することが可能となる。被操作片20が組み付けられているヘッド16が着脱可能に構成されていると、磁極の異なる被操作片20を備えるヘッド16を交換することで、簡単に操作体3を使った吸引、或いは反発操作を選択することができる。
【0022】
本発明に係る操作コマ1はサッカー遊戯具に適用することができる。このサッカー遊戯具では、操作体3によりコマ本体2をボール30に向かって誘導操作し、コマ本体2をボール30に衝突させて、これ(ボール30)を任意の方向に弾き飛ばす。このとき、コマ本体2の回転方向やコマ本体2のボール30への接近方向や接近速度によってボール30の飛ぶ方向は変化する。したがって、ボール30を遊戯者が所望の方向(例えばゴール31の方向)へ飛ばすためには、これらコマ本体2の回転方向だけでなく、ボール30への接近方向や接近速度などを勘案しながら、操作体3を使ってコマ本体2を誘導する必要がある。また、ボール30の飛距離はコマ本体2の回転速度に左右されるため、当該回転速度を勘案する必要もある。以上のように、本発明のサッカー遊戯具は、ボール30を所望の方向へ弾き飛ばすためには、コマ本体2の回転方向等、種々の要素を勘案しながら、操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作する必要があり、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を提供することができる。
【0023】
また、本発明に係る操作コマは、該操作コマ1と机上に置かれた障害物33とを含むスラローム遊戯具に適用することができる。このスラローム遊戯具では、障害物33との衝突を避けながらコマ本体2を移動させるためには、コマ本体2の回転方向に応じて操作体3の接近方向などや接近速度等を勘案する必要がある。スタート位置からゴール位置までコマ本体2を確実に移動させるためには、コマ本体2の自立回転時間を勘案する必要もある。以上のように、本発明のスラローム遊戯具では、障害物33に衝突させることなく、コマ本体2をゴール位置まで移動させるためには、操作体3を使ったコマ本体2に対する微妙な誘導操作が必要であり、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を実現できる。
【0024】
また、本発明に係る操作コマは、二以上のコマ本体2・2を衝突させて、いずれのコマ本体2・2が最後まで回転しているかを競う喧嘩ゴマ遊戯具に適用することができる。この喧嘩ゴマ遊戯具では、操作体3を使って、コマ本体2を自在に誘導操作することができるので、例えば攻撃能力や機動能力の高いコマ本体2を操作する遊戯者は、積極的に該コマ本体2を相手側に衝突させ、逆に持久力の強いコマ本体2を操作する遊戯者は、衝突が最小限に留まるように、コマ本体2を逃がすなどの戦略的な遊戯が可能となる。したがって、遊戯盤内にコマを落とした後は、コマの衝突動作を眺めるしかなかった従来の喧嘩ゴマに比べて、格段に興趣性に富んだ遊戯具を得ることができる。また、従来の喧嘩ゴマのように、お盆状に凹んだ遊戯面を有する遊戯盤を用意する必要が無く、平坦な机面上で遊戯できる点でも優れている。
【0025】
また、本発明の操作コマは、該操作コマと、傾斜面35aを有するジャンプ台35とを含む、ジャンプ遊戯具に適用することができる。このジャンプ遊戯具においては、ジャンプ台35の上方より、操作体3を使ってコマ本体2をジャンプ台35の傾斜面35aを誘導滑走させる。コマ本体2がジャンプ台35の踏み切り位置35bに至ると、ジャンプ用の磁石36と回転軸10の下端の磁石21との反発力により、コマ本体2がジャンプ台35から斜め上方に飛び出すようになっている。したがって、コマ本体2を遠くまでジャンプさせるためには、遊戯者は踏み切り位置35bへのコマ本体2の進入速度や侵入角度などを、操作体3を使って最適化する必要がある。ジャンプ後に操作体3を使って、コマ本体2をさらに斜め上方に誘導することで、コマ本体2のジャンプ距離を伸ばすことができ、ジャンプ後の操作3の誘導操作にも工夫が求められる。以上のように、本発明のジャンプ遊戯具によれば、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る操作コマを使った遊戯方法を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図7】本発明の第4実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図8】本発明の第5実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図9】本発明の第6実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図10】本発明の第6実施例に係る操作コマを使った遊技方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第7実施例に係る操作コマを使用したサッカー遊戯具を示す図である。
【図12】本発明の第8実施例に係る操作コマを使用したスラローム遊戯具を示す図である。
【図13】本発明の第9実施例に係る操作コマを使用した喧嘩ゴマを示す図である。
【図14】本発明の第10実施例に係る操作コマを使用したジャンプ遊戯具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施例) 図1ないし図4に本発明に係る操作コマの第1実施例を示す。図1および図4に示すように、操作コマ1は、コマ本体2と、コマ本体2の上方よりコマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなる。そして、自立回転状態にあるコマ本体2に対して操作体3を近付け、これらコマ本体2と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机面4の任意の位置に誘導操作することができるようになっている。
【0028】
操作体3は、一端にS極を有し、他端にN極を有する棒状の磁石であり、これらいずれかの磁極をコマ本体2に近付けることにより、コマ本体2に対して磁気吸引力、或いは磁気反発力を作用させて、コマ本体2を誘導操作することができるようになっている。尤も操作体3は棒状の磁石に限られず、要は、コマ本体2との間で磁力に由来する誘導操作力が得られるものであればよい。
【0029】
コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、該回転軸10よりも大径に形成さされて、回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備える。図2に示すように、回転体11は、中央開口12を有して、上下面が異なる磁極面を有する上下一対の円リング状の磁石11a・11bからなり、対向する上下の異なる磁極面どうしを磁気吸着することで一体化してなる。回転軸10は、回転体11の中央開口に挿通される円筒状の軸受筒13と、軸受筒13の軸受孔13aに上下方向から挿入されて、回転体11を挟持保持する上下一対のブロック14・15と、上ブロック14に装着されるヘッド16と、下ブロック15に装着されるボトム17とで構成される。
【0030】
軸受筒13は、回転体11を構成する磁石11a・11bの中央開口12の内径寸法と略同寸の外径寸法を有する上下縦長の筒本体13bと、筒本体13bの上下端から外方向に張り出し形成されたフランジ13c・13cとを有し、これらを一体に成形してなるゴム成形品であり、上下一方のフランジ13cを変形させながら、磁石11a・11bの中央開口12に筒本体13bを押し込むことで、軸受筒13を回転体11に組み付けることができる。かかる組み付け状態においては、上下のフランジ13c・13cが、回転体11の上下面を挟持している。
【0031】
下ブロック15は、軸受筒13内に挿入される小径部15aと、小径部15aの下方に設けられた大径部15bとを一体に成形してなる樹脂成形品である。上ブロック14は、軸受筒13内に挿入される小径部14aと、小径部14aの上方に設けられた大径部14bと、小径部14aの下面から突出形成された雄ねじ部14cとを一体に成形してなる樹脂成形品である。下ブロック15の小径部15aの上面に形成された凹部の内面には雌ねじ部15cが形成されている。軸受筒13内に両ブロック14・15を上下方向から挿入したうえで、上ブロック14の雄ねじ部14cを下ブロック15の雌ねじ部15cに捩じ込み、両ブロック14・15を螺合接合させることで、両者14・15を一体化することができる。両ブロック14・15を螺合接合させたとき、上下のフランジ13c・13cを介して、両ブロック14・15の大径部14b・15bは回転体11の上下面を挟持保持する。上下のブロック14・15の小径部14a・15aの外径寸法は、軸受筒13の軸受孔13aの内径寸法と略同寸法に設定されている。
【0032】
ヘッド16は、上面に被操作片20を備えるベース16aと、ベース16aの下面から下方向に突設された雄ねじ部16bとを一体に成形してなる樹脂成形品である。上ブロック14の大径部14bの上面には、雌ねじ部14dを有する穴が形成されており、この雌ねじ部14dにヘッド16の雄ねじ部16bを捩じ込むことで、ヘッド16は上ブロック14に対して着脱可能に装着されている。符号18はヘッド16の雄ねじ部16bに外嵌装着される、回り止め用の円リング状のパッキンを示す。上ブロック14の雌ねじ部14dを有する穴のまわりには、該パッキン18を受け入れるための円形の凹部14eが形成されている。ベース16aの上面中央には、円形の凹部16cが陥没形成されており、該凹部16cから上端が突出するような姿勢で被操作片20である磁石、或いは磁性金属が嵌め込まれている。
【0033】
ボトム17は、下面に机面4に接する接地片21を有するベース17aと、ベース17aの上面から上方向に突設された雄ねじ部17bとを一体に成形してなる樹脂成形品である。下ブロック15の大径部15bの下面には、雌ねじ部15dを有する穴を形成し、この雌ねじ部15dにボトム17の雄ねじ部17bを捩じ込むことで、ボトム17は下ブロック15に対して着脱可能に装着されている。符号19はボトム17の雄ねじ部17bに外嵌装着される、回り止め用の円リング状のパッキンを示す。下ブロック15の雌ねじ部15dを有する穴のまわりには、該パッキン19を受け入れるための円形の凹部15eが形成されている。ベース17aの上面中央には、円形の凹部17cが陥没形成されており、凹部17cから上端が突出するような姿勢で接地片21が嵌め込まれている。かかる接地片21も磁石、或いは磁性金属などで構成することができる。なお、以下において符号21は、接地片、或いは接地片を構成する磁石を示す。
【0034】
このように、ボトム17を下ブロック15に対して着脱自在な構成とされていると、図3に示すように、異なる形状の接地片21を有するボトム17を下ブロック15に付け替えることで、コマ本体10の攻撃力や持久力などを適宜に変更することができる。因みにドーム形の接地片を有するボトム17(図3の左端のボトム)を装着した場合には、コマ本体2を安定的に長時間にわたって自立回転状態を維持できる持久タイプのコマとすることができる。下面に平坦面を有する接地片21や、陥没凹部を有する接地片21を備えたボトム17(図3の右端のボトム)を選択した場合には、コマ本体を動きが大きな攻撃タイプのコマとすることができる。接地片21の素材としては、金属、樹脂のほかゴムなどであってもよい。最も、本実施例1に係るコマ本体2は、これを天地逆姿勢に反転させても回転操作が可能であり、したがって、接地片21が被操作片20として機能するように、該接地片21を磁性金属や磁石で形成してもよい。
【0035】
以上のような構成を有する操作コマ1では、まず、コマ本体2を机面上で自立回転させる。具体的には、上ブロック14を指先で摘んでひねることで、コマ本体2を机面4上で自立回転させることができる。次に、操作体3を自立回転状態にあるコマ本体2の被操作片20に近付けることで、操作体3と被操作片20との間に作用する磁気吸引力或いは磁気反発力により、コマ本体2を机上の所望位置に移動させることができる。
具体的には、コマ本体2に近付ける操作体3の下端の磁極と、被操作片20の磁極とが異なる場合、或いは被操作片20が磁性金属で構成されている場合には、コマ本体2に磁気吸引力を作用させて、コマ本体2を操作体3に近付く方向に誘導操作することができる。逆に、操作体3の下端の磁極と、被操作片20の磁極とが一致する場合には、コマ本体2に磁気反発力を作用させて、コマ本体2を操作体3から離れる方向に誘導操作することができる。
【0036】
以上のように、本実施例に係る操作コマ1によれば、机面4上で自立回転するコマ本体2を遊戯者の所望する机上の位置に誘導操作することができるという、従来の特許文献1、2等に記載のコマでは全く想定されていない、興趣性に富んだ新規な遊戯を実現することができる。
【0037】
そのうえで、コマ本体2の回転軸10の回転中心軸P上に被操作片が設けられていると、コマ本体2の回転中心に対してダイレクトに磁力を作用させながら、操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作することができるので、誘導操作時に回転体11が波打つように傾くことを防ぐことができる。すなわち、この操作コマ1では、回転体11に被操作片20が設けられていて、回転体11に対して磁力を作用させる形態では不可避であった、操作体3と被操作片20との間に作用する磁力によって回転体11が波打って、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不都合は生じず、より長時間にわたって、コマ本体2の自立回転状態を維持することができる。
なお、本実施例においては、基本的に円リング状の磁石である回転体11に磁気吸引力或いは磁気反発力の磁力を作用させて、コマ本体2を操作することは予定していない。換言すれば、回転体11を被操作片20として使用することは予定していない。これは、上記のように、回転体11の縁部に対して磁力を作用させると、回転体11が波打って、コマ本体2の自立回転時間が短くなるおそれがあることに拠る。
かかる円リング状の磁石である回転体11は、後述する第9実施例の喧嘩ゴマ遊戯具において興趣性の向上を図るうえで有用なものである。具体的には、回転体11を構成する磁石11a・11aの磁極に由来して、コマ本体2・2に磁力(磁気反発力、或いは磁気吸引力)が作用し、該磁力によって、コマ本体2・2どうしの衝突具合を変化させて、喧嘩ゴマ遊戯具の興趣性の向上を図るうえで有用である。
【0038】
(第2実施例) 図5に本発明に係る操作コマの第2実施例を示す。本実施例のコマ本体2では、下ブロック15とボトム17との間にスペーサ22を介在させたことと、回転体11を構成する磁石の個数を一つとした点などが、先の第1実施形態と相違する。スペーサ22は、下ブロック15の大径部15bと同径の外径寸法を有するスペーサ本体22aを基体として、該スペーサ本体22aの上端面に、下ブロック15の雌ねじ部15dに螺合接合する雄ねじ部22bが突設され、スペーサ本体22aの下端面に、ボトム17の雄ねじ部17bと螺合接合する雌ねじ部22cを有する穴が凹み形成されている。雌ねじ部22cを有する穴のまわりには、パッキン19を受け入れるための凹部22dが形成されている。符号23は、スペーサ22と下ブロック15との間に介在される円リング状のスペーサを示す。本実施例に係る回転体11は、一個の円リング状の磁石11aと、該磁石11aよりも外径寸法の小さな円筒状の重錘24とで構成される。
これら以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0039】
この第2実施例に係るコマ本体2においても、コマ本体2の回転中心軸P上に被操作片20を装着したため、自立回転状態にあるコマ本体2に対して操作体3を使って誘導操作したときにも、回転体11が波打つように傾くことはなく、したがって、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不都合は生じず、より長時間にわたってコマ本体2の自立回転状態を維持することができる。また、スペーサ22を装着することで、回転体11の机面4からの高さ位置を変更することができるため、コマ本体2の動きに変化を付けることができる。
【0040】
(第3実施例) 図6に本発明の第3実施例を示す。この第3実施例に係るコマ本体2では、回転体11を下窄まりテーパー状の円錐形の樹脂成形品とした点、回転体11の中心に、雌ねじ部を有する貫通孔11cを形成して、該貫通孔11cに被操作片20を内蔵する円柱状のヘッド16を螺合装着した点、貫通孔の下方より接地片21を備えるボトム17を螺合装着した点などが、先の第1実施例と相違する。ヘッド16を回転体11に装着した状態において、ヘッド16の上方の円柱端面と回転体11の上端面とは面一状となるようになっている。つまり、被操作片20は回転体11の内部に埋設状に装着されている。それ以外の点は、先の第1実施例と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0041】
この第3実施例に係るコマ本体2においても、コマ本体2の回転中心軸P上に被操作片20を装着したため、自立回転状態にあるコマ本体2に対して操作体3を使って誘導操作したときにも、回転体11が波打つように傾くことはなく、したがって、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不都合は生じず、より長時間にわたってコマ本体2の自立回転状態を維持することができる。
【0042】
(第4実施例) 図7に本発明の第4実施例を示す。この第4実施例に係るコマ本体2では、回転体11を、上下面の外周部に傾斜面11d・11dを有して、水平外方向に行くに従って漸次厚み寸法が小さくなる円盤状に形成した点、ヘッド16の上方に被操作片20を装着した点などが先の第3実施形態と相違する。ヘッド16は、円柱状のベース16aと、ベース16aの上下中央部から水平外方向に張り出し形成されたフランジ16dとで構成される。ベース16aの下端の外周面には、回転体11の貫通孔11cの雌ねじ部に螺合装着される雄ねじ部16bが形成されており、ベース16aの上端部に円リング状の磁石である被操作片20が外嵌状に装着されている。それ以外の点は、先の第3実施例と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0043】
この第4実施例に係るコマ本体2においても、コマ本体2の回転中心軸Pの近傍位置に被操作片20を装着したため、自立回転状態にあるコマ本体2に対して操作体3を使って誘導操作したときにも、回転体11が波打つように傾くことはなく、したがって、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不都合は生じず、より長時間にわたってコマ本体2の自立回転状態を維持することができる。
【0044】
(第5実施例) 図8に本発明の第5実施例を示す。この第5実施例に係るコマ本体では、回転体11を扁平な円柱状とし、非磁性体で形成した点、回転体11の内部に円筒状の被操作片20となる磁石が埋設されている点、回転体11の中央に開設された貫通孔11cに、ゴム製の軸受筒13が装着され、この軸受筒13の軸受孔13aに上方より上ブロック14が挿入され、下方よりボトム17が挿入されている点などが、先の第4実施例と大きく相違する。上ブロック14に設けられた雌ねじ部14dに、ボトム17の雄ねじ部17bが螺合結合されることで、両者14・17が一体化されている。回転体11の内部には、円筒状の磁石或いは磁性金属からなる被操作片20が埋設されている。被操作片20の筒壁内面は、回転体11の貫通孔11cの内面の一部を構成しており、換言すれば、回転体11の最内周部に被操作片20は埋設されている。
【0045】
この第5実施例に係るコマ本体2においても、コマ本体2の回転中心軸Pの近傍位置に被操作片20を装着したため、自立回転状態にあるコマ本体2に対して操作体3を使って誘導操作したときにも、回転体11が波打つように傾くことはなく、したがって、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不都合は生じず、より長時間にわたってコマ本体2の自立回転状態を維持することができる。
【0046】
(第6実施例) 図9および図10に本発明に係る操作コマの第6実施例を示す。本実施例のコマ本体2では、ヘッド16の上端に装着されていた被操作片20を廃して、回転体11を構成する磁石11a・11bに被操作片20としての機能を持たせた点が、第1実施形態と相違する。すなわち、この第6実施例に係るコマ本体2では、図10に示すように、回転体11を構成する円リング状の磁石11a・11bの中心部(回転中心部)近傍から発せられる磁力を使って、操作体3によりコマ本体2を誘導操作することができるようにしている。図10において、符号L1は磁石11a・11bから発せられる磁力線のうち、特に回転中心部の近傍から発せられる磁力線を、符号L2は、操作体3から発せられる磁力線を示す。それ以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0047】
以上のように、本実施例に係る操作コマでは、回転体11を構成する円リング状の磁石11a・11bから発せられる磁力線のうち、回転中心部の近傍、すなわち回転中心軸Pの近傍から発せられる磁力線L1と、操作体3から発せられる磁力線L2の両磁力線L1・L2に由来して、コマ本体2と操作体3との間に作用する磁気吸引力或いは磁気反発力を利用して、コマ本体2を机面4で任意の位置に誘導操作することができるようにした。これにて、実施例1に係る操作コマと同様に、コマ本体2の回転軸10の回転中心に対してダイレクトに磁力を作用させながら、操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作することができるので、誘導操作時に回転体11が波打つように傾くことを防ぐことができる。従って、より長時間にわたって、コマ本体2の自立回転状態を維持することができる。なお、本実施例では操作体3は棒状の磁石を使用したが、その必要はなく、磁性金属等の磁石に吸着する物性を備えたものであってもよい。
【0048】
(第7実施例) 図11に、本発明に係る操作コマ1を、サッカー遊戯具に適用した第6実施例を示す。このサッカー遊戯具は、第1実施例に係る操作コマ1と、該操作コマ1を構成するコマ本体2により弾き飛ばされるボール30と、サッカーゴールを模して形成されたミニチュアのゴール31とで構成される。ボール30は、針金を球殻状に編んだものである。
【0049】
このサッカー遊戯具では、机上で自立回転状態にあるコマ本体2に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けて、コマ本体2を机上に載置されたボール30に向かって誘導操作する。そして、コマ本体2の回転体11をボール30に衝突させることで、ボール30を所望の方向、例えばゴール31の方向に弾き飛ばす。このとき、ボール30を所望の方向へ飛ばすためには、コマ本体2の回転方向だけでなく、ボール30への接近方向や接近速度などを勘案しながら、コマ本体2を操作体3を使って誘導操作する必要がある。また、ボール30の飛距離はコマ本体2の回転速度で決定されるため、該回転速度を勘案する必要もある。
【0050】
以上のように、本発明のサッカー遊戯具は、ボール30を所望の方向へ弾き飛ばすためには、コマ本体2の回転方向等、種々の要素を勘案しながら、操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作する必要があり、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を提供することができる。また、ボール30が球殻状に編んだ針金で形成されているため、コマ本体2の衝突具合によって、ボール30の動きがトリッキーとなる点でも高い興趣性が得られる。
【0051】
(第8実施例) 図12に、本発明に係る操作コマ1を、スラローム遊戯具に適用した第7実施例を示す。このスラローム遊戯具は、第1実施例に係る操作コマ1と、机上に載置されてスタート位置とゴール位置が記載された遊戯シート32と、遊戯シート32上に載置された複数個の障害物33とを含む。
【0052】
このスラローム遊戯具では、机上で自立回転状態にあるコマ本体2に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けて、コマ本体2を遊戯シート32のスタート位置からゴール位置まで、障害物33を避けながら誘導操作する。このように、障害物33との衝突を避けながらコマ本体2を誘導操作するためには、コマ本体2の回転方向に応じて操作体3の接近方向などや接近速度等を勘案する必要がある。スタート位置からゴール位置までコマ本体2を確実に移動させるためには、コマ本体2の自立回転時間を勘案する必要もある。以上のように、本実施例のスラローム遊戯具では、障害物33に衝突させることなく、コマ本体2をゴール位置まで移動させるためには、操作体3を使ったコマ本体2に対する微妙な誘導操作が必要であり、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を実現できる。
【0053】
(第9実施例) 図13に、本発明に係る操作コマ1を、喧嘩ゴマ遊戯具に適用した第8実施例を示す。この喧嘩ゴマ遊戯具は、第1実施例に係る二つ以上のコマ本体2・2と、各コマ本体2・2を上方より非接触状態で誘導操作するための操作体3・3とからなる。そして、二人の遊戯者が、自身が所有のコマ本体2・2を誘導操作して、両コマ本体2・2を衝突させて、いずれのコマ本体2・2が最後まで回転しているかを競うものである。
【0054】
この喧嘩ゴマ遊戯具では、操作体3を使って、コマ本体2を自在に誘導操作することができるので、例えば攻撃能力の強いコマ本体2を操作する遊戯者は、積極的に該コマ本体2を相手側に衝突させ、逆に持久力の強いコマ本体2を操作する遊戯者は、衝突が最小限に留まるように、コマ本体2を逃がすなどの戦略的な遊戯が可能となる。したがって、従前の遊戯盤内にコマを落とした後は、コマの衝突動作を眺めるしかなかった喧嘩ゴマに比べて、格段に興趣性に富んだ遊戯具を得ることができる。なお、前述のように、コマ本体2の攻撃力や持久力などは、コマ本体2の接地片21の形状により変化するものであり、また、該接地片21を有するボトム17ごと付け替えることで、コマ本体2の持久力等を変更することが可能である。また、回転体11を構成する磁石11a・11aの磁極に由来して、コマ本体2・2に磁力(磁気反発力、或いは磁気吸引力)が作用し、該磁力によって、コマ本体2・2どうしの衝突具合が変化する点でも興趣性の向上が期待できる。
【0055】
(第10実施例) 図14に、本発明に係る操作コマ1を、ジャンプ遊戯具に適用した第9実施例を示す。このジャンプ遊戯具は、操作コマ1と傾斜面35aを有するジャンプ台35とを含む。ジャンプ台35の傾斜面35aの下端の踏み切り位置35bには、ジャンプ用の磁石36が埋設されている。また、コマ本体2の回転軸の下端には、ジャンプ用の磁石36と逆向きの極を有する磁石からなる接地片21が装着されている。傾斜面35aには、踏み切り位置35bに向かってコマ本体2をガイドするためのガイド溝37が設けられている。傾斜面35aの踏み切り位置35bは、水平面或いは僅かに斜め上方傾斜する面に形成されており、コマ本体2には、水平方向或いは斜め上方への慣性力が作用するようになっている。
【0056】
このジャンプ遊戯具においては、ジャンプ台35の上方より、操作体3を使ってコマ本体2をジャンプ台35の傾斜面35aを誘導滑走させて、コマ本体2がジャンプ台35の踏み切り位置35bまで誘導操作する。そして、コマ本体2が踏み切り位置35bに至ると、ジャンプ用の磁石36と接地片21の磁石との間に作用する磁気反発力と、コマ本体2の水平方向或いは斜め方向の慣性力とが相俟って、コマ本体2をジャンプ台35から斜め上方に飛び出させることができる。したがって、コマ本体2を遠くまでジャンプさせるためには、遊戯者は踏み切り位置35bへのコマ本体2の進入速度や侵入角度などを、操作体3を使って最適化する必要があり、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を提供することができる。
【0057】
本発明に係る操作コマ1を構成するコマ本体2は、第1〜第5実施例に示したものに限られない。第6〜第9実施例の遊戯具で用いられる操作コマ1のコマ本体2は、実施例1に示されたものに限られない。コマ本体2は手動で自立回転させるもののほか、電動や手動の専用の回転操作具を使ってコマ本体2を自立回転させるものであってもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 操作コマ
2 コマ本体
3 操作体
4 机面
10 回転軸
11 回転体
14 上ブロック
15 下ブロック
16 ヘッド
17 ボトム
20 被操作片
30 ボール
31 ゴール
33 障害物
35 ジャンプ台
35a 傾斜面
35b 踏み切り位置
36 磁石
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊戯者の思い通りの位置にコマを誘導操作することができる、操作コマと、該操作コマを使ったサッカー遊戯具、スラローム遊戯具、喧嘩ゴマ遊戯具、およびジャンプ遊戯具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に係る操作コマは磁石を備えるものであるが、このようにコマに磁石を組み付けること自体は、例えば特許文献1、2に開示されており公知である。
特許文献1のコマは、凹面状の遊戯盤内で複数個のコマを衝突させて、いずれのコマが最後まで回転するかを競う、所謂「喧嘩ゴマ」であり、コマの重錘を磁石で形成したことを特長とする。このようにコマの重錘が磁石により形成されていると、両コマに作用する磁力の反発力或いは吸引力により、コマどうしの衝突具合を変化させて、コマの自立回転時間に変化を付けることができる。
特許文献2は、回転する磁石の磁力の影響を学習するための磁石セットに関するものであり、コマの本体を兼用する円形容器に形状の異なる複数の磁石が収納されており、円形容器の一方の面から突出する短軸が磁石で形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3089777号公報(図2、図3、図4参照)
【特許文献2】登録実用新案第3114608号公報(図4、図7参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者の岡本凌氏は、大阪府岸和田市在住の小学五年生であり、コマを机上の任意の位置に誘導操作することができれば、喧嘩ゴマとしての興趣性が格段に向上するほか、障害物の間をぬってコマを走らせたり、コマの回転力を利用してボールを飛ばす、サッカーゲームが可能となることを思い付いた。
【0005】
しかし、特許文献1は喧嘩ゴマ専用のコマであり、軸や錘等を選択するセッティング動作、或いは重錘の表裏面をいずれの方向とするか(重錘の表裏いずれの面をS極、N極とするかの選択)のセッティング動作に、戦略的な思考や、経験に基づいた論理的な思考が必要で、その点に高い興趣性を見出すことができるものの、コマを遊戯盤内に落とした後は、コマの衝突動作を眺めるしかなく、本発明者が目指す操作コマとは程遠い。
【0006】
特許文献2に開示されているコマは、磁力の影響を学習するための磁石セットにすぎず、回転しているコマの短軸に磁石や磁性体を近付けたときのそれらの動きを見て、回転している磁石の磁力の作用を学習するためのものであり、机上でコマを任意の位置に誘導操作するという技術思想は全く無い。
【0007】
本発明は、コマを机上の任意の位置に誘導操作することが可能であり、複数個のコマどうしを衝突させる喧嘩ゴマのだけでなく、スラロームやサッカーゲームなどの種々の遊び方を実現することができる、従来には無い新規なコマ(操作コマ)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コマ本体2と、該コマ本体2の上方より非接触状態で該コマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなり、これらコマ本体2と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することができる操作コマである。コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、該回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備える。回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられている。操作体3および被操作片20の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されている。そして、コマ本体2の被操作片20に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けたとき、被操作片20と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっていることを特徴とする。
【0009】
上記「回転体11の回転中心部に、・・・被操作片20が設けられ」とは、回転体11の回転中心軸P上に被操作片20が設けられている形態(図1、図5および図6参照)のほか、回転体11の回転中心軸Pを囲むように被操作片20が設けられている形態(図7および図8参照)を含む概念である。また、図9に示すように、回転体11が円リング磁石で形成されており、当該円リング磁石の中心部の近傍から出た磁力線が操作体3と作用して、吸引力或いは反発力を得る形態であってもよい。
上記「机面4」とは、床面なども含む概念であり、「机上」も床等も含む概念である。
上記各概念は、他の請求項においても同様である。
【0010】
本発明は、図10に示すように、回転体11が、中央開口を有する円リング状に形成された磁石であり、回転体11の中心部近傍から発せられる磁力線L1と、操作体3との間に発生する磁力に由来する吸引力或いは反発力により、任意の位置に誘導操作することができるようになっており、しかるに、円リング状の磁石で形成された回転体11の中心部近傍が被操作片20となる形態を採ることができる。
【0011】
本発明は、図1および図5に示すように、回転軸10の上下方向の中央部に、回転体11が装着されており、回転軸10の上端に、被操作片20が設けられている形態を採ることができる。
【0012】
図1に示すように、回転体11が、中央開口を有する円リング状に形成された磁石11a・11bであり、回転軸10が、回転体11の中央開口内に挿通されて、上下方向から回転体11を挟持保持する上下のブロック14・15と、上ブロック14の上方に着脱自在に装着されるヘッド16と、下ブロック15の下方に着脱自在に装着されるボトム17とを含み、ヘッド16に、被操作片20が組み付けられている形態を採ることができる。
【0013】
本発明は、図11に示すように、コマ本体2と、該コマ本体2の上方より非接触状態で該コマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなる操作コマ1と、コマ本体2により弾き飛ばされるボール30とを含む、操作コマ1を使ったサッカー遊戯具である。コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、該回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備え、回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられており、操作体3および被操作片20の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、コマ本体2の被操作片20に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けると、被操作片20と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっている。そして、コマ本体2の回転体11を机上に置かれたボール30に衝突させることで、ボール30を任意の方向に弾き飛ばすことができるようになっていることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、図12に示すように、コマ本体2と、該コマ本体2の上方より非接触状態で該コマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなる操作コマ1と、机上の置かれた障害物33とを含む、スラローム遊戯具である。コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、該回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備え、回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられており、操作体3および被操作片20の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、コマ本体2の被操作片20に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けると、被操作片20と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっている。そして、コマ本体2を障害物33を避けながらスタート位置からゴール位置まで誘導操作させることで、コマ本体2のゴール位置に到達するまでの所要時間を競うことができるようになっていることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、図13に示すように、二つ以上のコマ本体2・2と、両コマ本体2・2を上方より非接触状態で誘導操作するための一又は二以上の操作体3・3とからなる操作コマ1・1を含む、操作コマ1を使った喧嘩ゴマ遊戯具である。コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、該回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備え、回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられており、操作体3および被操作片20の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、コマ本体2の被操作片20に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けると、被操作片20と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっている。そして、操作体3で誘導操作しながら両コマ本体2・2を衝突させて、いずれのコマ本体2が最後まで回転しているかを競うことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、図14に示すように、コマ本体2と、該コマ本体2の上方より非接触状態で該コマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなる操作コマ1と、傾斜面35aを有するジャンプ台35とを含む、ジャンプ遊戯具である。コマ本体2は、回転軸10と、該回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備え、回転体11の回転中心部に、操作体との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20が設けられており、操作体3および被操作片20の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、コマ本体2の被操作片20に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けると、被操作片20と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を任意の位置に誘導操作することができるようになっている。傾斜面35aの下端の踏み切り位置35bには、ジャンプ用の磁石21が埋設されており、回転軸10の下端には、ジャンプ用の磁石21と逆向きの極の磁石36が装着されている。そして、ジャンプ台35の上方より、操作体3を使ってコマ本体2を傾斜面35aを誘導滑走させて、コマ本体2が踏み切り位置35bに至ると、ジャンプ用の磁石36と回転軸10の下端の磁石との反発力により、コマ本体2がジャンプ台35から斜め上方に飛び出すように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る操作コマは、コマ本体2と、該コマ本体2の上方より非接触状態で該コマ本体2を誘導操作するための操作体3とで構成した。また、コマ本体2の回転体11の回転中心部に、操作体3との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片20を設けた。この操作コマにおいては、机上で回転するコマ本体2に対して、コマ本体2と接触しないようにしながら、上方より操作体3を近付けることで、操作体3と被操作片20との間で作用する磁力(吸引力或いは反発力)により、コマ本体2の自立回転状態を維持しながら、コマ本体2を机上等の任意の位置に誘導操作することができる。したがって、遊戯者が操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作するという、従来のコマでは全く想定されていない、興趣性に富んだ遊戯を実現することができる。
【0018】
そのうえで、コマ本体2の回転体11の回転中心部に被操作片20が設けられていると、回転体11の回転中心部に対して磁力を作用させながら操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作することが可能となり、誘導操作時にコマ本体2の回転の中心軸が不用意に傾くことを抑えることができる。
すなわち、例えば回転体11の縁部に被操作片20が設けられている形態では、コマ本体2に対して操作体3を上方より近付けると、回転体11の縁部が操作体3に近付くように上方に持ち上げられ、或いは縁部が操作体3から離れるように下方に沈むため、コマ本体2の自立回転のための遠心力を発揮する回転体11が波打つような斜め姿勢となることが避けられず、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不利がある。つまり、回転体11の縁部に被操作片20が設けられている形態において、操作体3と被操作片20との間に吸引力が作用する場合には、吸引力を回転体11の縁部の全周に対して一定の磁力を働かせることは至難であり、操作体3と被操作片20との間隔距離の変化に応じて、回転体11の縁部の全周に作用する吸引力にばらつきが生じて、回転体11の周縁の一部のみが大きく持ち上げられて、回転体11が波打つことが避けられない。操作体3と被操作片20との間に反発力が作用する場合も同様であり、操作体3と被操作片20との間隔距離の変化に応じて、回転体11の縁部の全周に作用する反発力にばらつきが生じて、回転体11の周縁の一部のみが大きく沈みこんで、回転体11が波打つことが避けられない。
これに対して、本発明のように、コマ本体2の回転体11の回転中心部に設けられた被操作片20を操作体3で吸引或いは反発させて、コマ本体2を誘導操作するようにしていると、回転体11の縁部が部分的に上方に持ち上げられたり、下方に沈み込んだりすることはなく、回転体11が波打って、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不利は生じず、回転体11の適正な回転状態を維持しながら、コマ本体2を誘導操作することができる。したがって、本発明に係る操作コマによれば、より長時間にわたってコマ本体2を自立回転させた状態で誘導操作することが可能であり、後述するサッカー遊戯具やスラローム遊戯具など、種々の興趣性に富んだ種々の遊戯具への適用が容易である。
【0019】
回転体11が中央開口を有する円リング状に形成された磁石であり、回転体11の中心部近傍から発せられる磁力線L1と、操作体3との間に発生する磁力に由来する吸引力或いは反発力により誘導操作する形態を採ることができる。このように、回転体11の中心部近傍から発せられる磁力線L1を使って誘導操作するようにしてあると、回転体11の縁部から発せられる磁力線を使う形態では問題となる、回転体11が波打つように傾く不具合の発生を確実に防止することができるので、コマ本体2の自立回転時間を可及的に大きくすることができる。また、円リング状の磁石で形成された回転体11の中心部近傍を被操作片20として利用するので、別途被操作片20を設ける必要がなく、より安価に操作コマを作製することができる。
【0020】
回転軸10の上下方向の中央部に回転体11が装着され、回転軸10の上端に被操作片20が設けられている形態を採ることが好ましい。このように、回転軸10の上端に被操作片20が設けられていると、被操作片20に対して、上方より近付けられた操作体3との間の吸引力或いは反発力をダイレクトに作用させて、コマ本体2を誘導操作することができる。このことは、回転体11の縁部に作用する吸引力や反発力を最小限化することができることを意味し、コマ本体2の自立回転時間を可及的に長くすることができる。
【0021】
図1、図5および図9に示すように、回転体11は中央開口を有する円リング状に形成された磁石とすることが好ましい。これによれば、市販の円リング状の磁石を利用して操作コマを作製することができるので、より低コストに操作コマを提供できる利点がある。また、回転軸10を、上下のブロック14・15と、これらブロック14・15に着脱自在に装着されるヘッド16とボトム17とで構成してあると、図3および図5に示すような円錐状の下軸部やドーム状の下軸部など、異なる形状を有するボトム17を支持体装着することで、コマ本体2の機動性や自立回転時間を大小に調整することが可能となる。被操作片20が組み付けられているヘッド16が着脱可能に構成されていると、磁極の異なる被操作片20を備えるヘッド16を交換することで、簡単に操作体3を使った吸引、或いは反発操作を選択することができる。
【0022】
本発明に係る操作コマ1はサッカー遊戯具に適用することができる。このサッカー遊戯具では、操作体3によりコマ本体2をボール30に向かって誘導操作し、コマ本体2をボール30に衝突させて、これ(ボール30)を任意の方向に弾き飛ばす。このとき、コマ本体2の回転方向やコマ本体2のボール30への接近方向や接近速度によってボール30の飛ぶ方向は変化する。したがって、ボール30を遊戯者が所望の方向(例えばゴール31の方向)へ飛ばすためには、これらコマ本体2の回転方向だけでなく、ボール30への接近方向や接近速度などを勘案しながら、操作体3を使ってコマ本体2を誘導する必要がある。また、ボール30の飛距離はコマ本体2の回転速度に左右されるため、当該回転速度を勘案する必要もある。以上のように、本発明のサッカー遊戯具は、ボール30を所望の方向へ弾き飛ばすためには、コマ本体2の回転方向等、種々の要素を勘案しながら、操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作する必要があり、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を提供することができる。
【0023】
また、本発明に係る操作コマは、該操作コマ1と机上に置かれた障害物33とを含むスラローム遊戯具に適用することができる。このスラローム遊戯具では、障害物33との衝突を避けながらコマ本体2を移動させるためには、コマ本体2の回転方向に応じて操作体3の接近方向などや接近速度等を勘案する必要がある。スタート位置からゴール位置までコマ本体2を確実に移動させるためには、コマ本体2の自立回転時間を勘案する必要もある。以上のように、本発明のスラローム遊戯具では、障害物33に衝突させることなく、コマ本体2をゴール位置まで移動させるためには、操作体3を使ったコマ本体2に対する微妙な誘導操作が必要であり、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を実現できる。
【0024】
また、本発明に係る操作コマは、二以上のコマ本体2・2を衝突させて、いずれのコマ本体2・2が最後まで回転しているかを競う喧嘩ゴマ遊戯具に適用することができる。この喧嘩ゴマ遊戯具では、操作体3を使って、コマ本体2を自在に誘導操作することができるので、例えば攻撃能力や機動能力の高いコマ本体2を操作する遊戯者は、積極的に該コマ本体2を相手側に衝突させ、逆に持久力の強いコマ本体2を操作する遊戯者は、衝突が最小限に留まるように、コマ本体2を逃がすなどの戦略的な遊戯が可能となる。したがって、遊戯盤内にコマを落とした後は、コマの衝突動作を眺めるしかなかった従来の喧嘩ゴマに比べて、格段に興趣性に富んだ遊戯具を得ることができる。また、従来の喧嘩ゴマのように、お盆状に凹んだ遊戯面を有する遊戯盤を用意する必要が無く、平坦な机面上で遊戯できる点でも優れている。
【0025】
また、本発明の操作コマは、該操作コマと、傾斜面35aを有するジャンプ台35とを含む、ジャンプ遊戯具に適用することができる。このジャンプ遊戯具においては、ジャンプ台35の上方より、操作体3を使ってコマ本体2をジャンプ台35の傾斜面35aを誘導滑走させる。コマ本体2がジャンプ台35の踏み切り位置35bに至ると、ジャンプ用の磁石36と回転軸10の下端の磁石21との反発力により、コマ本体2がジャンプ台35から斜め上方に飛び出すようになっている。したがって、コマ本体2を遠くまでジャンプさせるためには、遊戯者は踏み切り位置35bへのコマ本体2の進入速度や侵入角度などを、操作体3を使って最適化する必要がある。ジャンプ後に操作体3を使って、コマ本体2をさらに斜め上方に誘導することで、コマ本体2のジャンプ距離を伸ばすことができ、ジャンプ後の操作3の誘導操作にも工夫が求められる。以上のように、本発明のジャンプ遊戯具によれば、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る操作コマを使った遊戯方法を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図7】本発明の第4実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図8】本発明の第5実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図9】本発明の第6実施例に係る操作コマを構成するコマ本体の縦断正面図である。
【図10】本発明の第6実施例に係る操作コマを使った遊技方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第7実施例に係る操作コマを使用したサッカー遊戯具を示す図である。
【図12】本発明の第8実施例に係る操作コマを使用したスラローム遊戯具を示す図である。
【図13】本発明の第9実施例に係る操作コマを使用した喧嘩ゴマを示す図である。
【図14】本発明の第10実施例に係る操作コマを使用したジャンプ遊戯具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施例) 図1ないし図4に本発明に係る操作コマの第1実施例を示す。図1および図4に示すように、操作コマ1は、コマ本体2と、コマ本体2の上方よりコマ本体2を誘導操作するための操作体3とからなる。そして、自立回転状態にあるコマ本体2に対して操作体3を近付け、これらコマ本体2と操作体3との間に作用する磁力により、コマ本体2を机面4の任意の位置に誘導操作することができるようになっている。
【0028】
操作体3は、一端にS極を有し、他端にN極を有する棒状の磁石であり、これらいずれかの磁極をコマ本体2に近付けることにより、コマ本体2に対して磁気吸引力、或いは磁気反発力を作用させて、コマ本体2を誘導操作することができるようになっている。尤も操作体3は棒状の磁石に限られず、要は、コマ本体2との間で磁力に由来する誘導操作力が得られるものであればよい。
【0029】
コマ本体2は、下端が机面4に接する回転軸10と、該回転軸10よりも大径に形成さされて、回転軸10を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体11とを備える。図2に示すように、回転体11は、中央開口12を有して、上下面が異なる磁極面を有する上下一対の円リング状の磁石11a・11bからなり、対向する上下の異なる磁極面どうしを磁気吸着することで一体化してなる。回転軸10は、回転体11の中央開口に挿通される円筒状の軸受筒13と、軸受筒13の軸受孔13aに上下方向から挿入されて、回転体11を挟持保持する上下一対のブロック14・15と、上ブロック14に装着されるヘッド16と、下ブロック15に装着されるボトム17とで構成される。
【0030】
軸受筒13は、回転体11を構成する磁石11a・11bの中央開口12の内径寸法と略同寸の外径寸法を有する上下縦長の筒本体13bと、筒本体13bの上下端から外方向に張り出し形成されたフランジ13c・13cとを有し、これらを一体に成形してなるゴム成形品であり、上下一方のフランジ13cを変形させながら、磁石11a・11bの中央開口12に筒本体13bを押し込むことで、軸受筒13を回転体11に組み付けることができる。かかる組み付け状態においては、上下のフランジ13c・13cが、回転体11の上下面を挟持している。
【0031】
下ブロック15は、軸受筒13内に挿入される小径部15aと、小径部15aの下方に設けられた大径部15bとを一体に成形してなる樹脂成形品である。上ブロック14は、軸受筒13内に挿入される小径部14aと、小径部14aの上方に設けられた大径部14bと、小径部14aの下面から突出形成された雄ねじ部14cとを一体に成形してなる樹脂成形品である。下ブロック15の小径部15aの上面に形成された凹部の内面には雌ねじ部15cが形成されている。軸受筒13内に両ブロック14・15を上下方向から挿入したうえで、上ブロック14の雄ねじ部14cを下ブロック15の雌ねじ部15cに捩じ込み、両ブロック14・15を螺合接合させることで、両者14・15を一体化することができる。両ブロック14・15を螺合接合させたとき、上下のフランジ13c・13cを介して、両ブロック14・15の大径部14b・15bは回転体11の上下面を挟持保持する。上下のブロック14・15の小径部14a・15aの外径寸法は、軸受筒13の軸受孔13aの内径寸法と略同寸法に設定されている。
【0032】
ヘッド16は、上面に被操作片20を備えるベース16aと、ベース16aの下面から下方向に突設された雄ねじ部16bとを一体に成形してなる樹脂成形品である。上ブロック14の大径部14bの上面には、雌ねじ部14dを有する穴が形成されており、この雌ねじ部14dにヘッド16の雄ねじ部16bを捩じ込むことで、ヘッド16は上ブロック14に対して着脱可能に装着されている。符号18はヘッド16の雄ねじ部16bに外嵌装着される、回り止め用の円リング状のパッキンを示す。上ブロック14の雌ねじ部14dを有する穴のまわりには、該パッキン18を受け入れるための円形の凹部14eが形成されている。ベース16aの上面中央には、円形の凹部16cが陥没形成されており、該凹部16cから上端が突出するような姿勢で被操作片20である磁石、或いは磁性金属が嵌め込まれている。
【0033】
ボトム17は、下面に机面4に接する接地片21を有するベース17aと、ベース17aの上面から上方向に突設された雄ねじ部17bとを一体に成形してなる樹脂成形品である。下ブロック15の大径部15bの下面には、雌ねじ部15dを有する穴を形成し、この雌ねじ部15dにボトム17の雄ねじ部17bを捩じ込むことで、ボトム17は下ブロック15に対して着脱可能に装着されている。符号19はボトム17の雄ねじ部17bに外嵌装着される、回り止め用の円リング状のパッキンを示す。下ブロック15の雌ねじ部15dを有する穴のまわりには、該パッキン19を受け入れるための円形の凹部15eが形成されている。ベース17aの上面中央には、円形の凹部17cが陥没形成されており、凹部17cから上端が突出するような姿勢で接地片21が嵌め込まれている。かかる接地片21も磁石、或いは磁性金属などで構成することができる。なお、以下において符号21は、接地片、或いは接地片を構成する磁石を示す。
【0034】
このように、ボトム17を下ブロック15に対して着脱自在な構成とされていると、図3に示すように、異なる形状の接地片21を有するボトム17を下ブロック15に付け替えることで、コマ本体10の攻撃力や持久力などを適宜に変更することができる。因みにドーム形の接地片を有するボトム17(図3の左端のボトム)を装着した場合には、コマ本体2を安定的に長時間にわたって自立回転状態を維持できる持久タイプのコマとすることができる。下面に平坦面を有する接地片21や、陥没凹部を有する接地片21を備えたボトム17(図3の右端のボトム)を選択した場合には、コマ本体を動きが大きな攻撃タイプのコマとすることができる。接地片21の素材としては、金属、樹脂のほかゴムなどであってもよい。最も、本実施例1に係るコマ本体2は、これを天地逆姿勢に反転させても回転操作が可能であり、したがって、接地片21が被操作片20として機能するように、該接地片21を磁性金属や磁石で形成してもよい。
【0035】
以上のような構成を有する操作コマ1では、まず、コマ本体2を机面上で自立回転させる。具体的には、上ブロック14を指先で摘んでひねることで、コマ本体2を机面4上で自立回転させることができる。次に、操作体3を自立回転状態にあるコマ本体2の被操作片20に近付けることで、操作体3と被操作片20との間に作用する磁気吸引力或いは磁気反発力により、コマ本体2を机上の所望位置に移動させることができる。
具体的には、コマ本体2に近付ける操作体3の下端の磁極と、被操作片20の磁極とが異なる場合、或いは被操作片20が磁性金属で構成されている場合には、コマ本体2に磁気吸引力を作用させて、コマ本体2を操作体3に近付く方向に誘導操作することができる。逆に、操作体3の下端の磁極と、被操作片20の磁極とが一致する場合には、コマ本体2に磁気反発力を作用させて、コマ本体2を操作体3から離れる方向に誘導操作することができる。
【0036】
以上のように、本実施例に係る操作コマ1によれば、机面4上で自立回転するコマ本体2を遊戯者の所望する机上の位置に誘導操作することができるという、従来の特許文献1、2等に記載のコマでは全く想定されていない、興趣性に富んだ新規な遊戯を実現することができる。
【0037】
そのうえで、コマ本体2の回転軸10の回転中心軸P上に被操作片が設けられていると、コマ本体2の回転中心に対してダイレクトに磁力を作用させながら、操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作することができるので、誘導操作時に回転体11が波打つように傾くことを防ぐことができる。すなわち、この操作コマ1では、回転体11に被操作片20が設けられていて、回転体11に対して磁力を作用させる形態では不可避であった、操作体3と被操作片20との間に作用する磁力によって回転体11が波打って、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不都合は生じず、より長時間にわたって、コマ本体2の自立回転状態を維持することができる。
なお、本実施例においては、基本的に円リング状の磁石である回転体11に磁気吸引力或いは磁気反発力の磁力を作用させて、コマ本体2を操作することは予定していない。換言すれば、回転体11を被操作片20として使用することは予定していない。これは、上記のように、回転体11の縁部に対して磁力を作用させると、回転体11が波打って、コマ本体2の自立回転時間が短くなるおそれがあることに拠る。
かかる円リング状の磁石である回転体11は、後述する第9実施例の喧嘩ゴマ遊戯具において興趣性の向上を図るうえで有用なものである。具体的には、回転体11を構成する磁石11a・11aの磁極に由来して、コマ本体2・2に磁力(磁気反発力、或いは磁気吸引力)が作用し、該磁力によって、コマ本体2・2どうしの衝突具合を変化させて、喧嘩ゴマ遊戯具の興趣性の向上を図るうえで有用である。
【0038】
(第2実施例) 図5に本発明に係る操作コマの第2実施例を示す。本実施例のコマ本体2では、下ブロック15とボトム17との間にスペーサ22を介在させたことと、回転体11を構成する磁石の個数を一つとした点などが、先の第1実施形態と相違する。スペーサ22は、下ブロック15の大径部15bと同径の外径寸法を有するスペーサ本体22aを基体として、該スペーサ本体22aの上端面に、下ブロック15の雌ねじ部15dに螺合接合する雄ねじ部22bが突設され、スペーサ本体22aの下端面に、ボトム17の雄ねじ部17bと螺合接合する雌ねじ部22cを有する穴が凹み形成されている。雌ねじ部22cを有する穴のまわりには、パッキン19を受け入れるための凹部22dが形成されている。符号23は、スペーサ22と下ブロック15との間に介在される円リング状のスペーサを示す。本実施例に係る回転体11は、一個の円リング状の磁石11aと、該磁石11aよりも外径寸法の小さな円筒状の重錘24とで構成される。
これら以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0039】
この第2実施例に係るコマ本体2においても、コマ本体2の回転中心軸P上に被操作片20を装着したため、自立回転状態にあるコマ本体2に対して操作体3を使って誘導操作したときにも、回転体11が波打つように傾くことはなく、したがって、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不都合は生じず、より長時間にわたってコマ本体2の自立回転状態を維持することができる。また、スペーサ22を装着することで、回転体11の机面4からの高さ位置を変更することができるため、コマ本体2の動きに変化を付けることができる。
【0040】
(第3実施例) 図6に本発明の第3実施例を示す。この第3実施例に係るコマ本体2では、回転体11を下窄まりテーパー状の円錐形の樹脂成形品とした点、回転体11の中心に、雌ねじ部を有する貫通孔11cを形成して、該貫通孔11cに被操作片20を内蔵する円柱状のヘッド16を螺合装着した点、貫通孔の下方より接地片21を備えるボトム17を螺合装着した点などが、先の第1実施例と相違する。ヘッド16を回転体11に装着した状態において、ヘッド16の上方の円柱端面と回転体11の上端面とは面一状となるようになっている。つまり、被操作片20は回転体11の内部に埋設状に装着されている。それ以外の点は、先の第1実施例と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0041】
この第3実施例に係るコマ本体2においても、コマ本体2の回転中心軸P上に被操作片20を装着したため、自立回転状態にあるコマ本体2に対して操作体3を使って誘導操作したときにも、回転体11が波打つように傾くことはなく、したがって、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不都合は生じず、より長時間にわたってコマ本体2の自立回転状態を維持することができる。
【0042】
(第4実施例) 図7に本発明の第4実施例を示す。この第4実施例に係るコマ本体2では、回転体11を、上下面の外周部に傾斜面11d・11dを有して、水平外方向に行くに従って漸次厚み寸法が小さくなる円盤状に形成した点、ヘッド16の上方に被操作片20を装着した点などが先の第3実施形態と相違する。ヘッド16は、円柱状のベース16aと、ベース16aの上下中央部から水平外方向に張り出し形成されたフランジ16dとで構成される。ベース16aの下端の外周面には、回転体11の貫通孔11cの雌ねじ部に螺合装着される雄ねじ部16bが形成されており、ベース16aの上端部に円リング状の磁石である被操作片20が外嵌状に装着されている。それ以外の点は、先の第3実施例と同様であるので、同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0043】
この第4実施例に係るコマ本体2においても、コマ本体2の回転中心軸Pの近傍位置に被操作片20を装着したため、自立回転状態にあるコマ本体2に対して操作体3を使って誘導操作したときにも、回転体11が波打つように傾くことはなく、したがって、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不都合は生じず、より長時間にわたってコマ本体2の自立回転状態を維持することができる。
【0044】
(第5実施例) 図8に本発明の第5実施例を示す。この第5実施例に係るコマ本体では、回転体11を扁平な円柱状とし、非磁性体で形成した点、回転体11の内部に円筒状の被操作片20となる磁石が埋設されている点、回転体11の中央に開設された貫通孔11cに、ゴム製の軸受筒13が装着され、この軸受筒13の軸受孔13aに上方より上ブロック14が挿入され、下方よりボトム17が挿入されている点などが、先の第4実施例と大きく相違する。上ブロック14に設けられた雌ねじ部14dに、ボトム17の雄ねじ部17bが螺合結合されることで、両者14・17が一体化されている。回転体11の内部には、円筒状の磁石或いは磁性金属からなる被操作片20が埋設されている。被操作片20の筒壁内面は、回転体11の貫通孔11cの内面の一部を構成しており、換言すれば、回転体11の最内周部に被操作片20は埋設されている。
【0045】
この第5実施例に係るコマ本体2においても、コマ本体2の回転中心軸Pの近傍位置に被操作片20を装着したため、自立回転状態にあるコマ本体2に対して操作体3を使って誘導操作したときにも、回転体11が波打つように傾くことはなく、したがって、コマ本体2の自立回転時間が短くなる不都合は生じず、より長時間にわたってコマ本体2の自立回転状態を維持することができる。
【0046】
(第6実施例) 図9および図10に本発明に係る操作コマの第6実施例を示す。本実施例のコマ本体2では、ヘッド16の上端に装着されていた被操作片20を廃して、回転体11を構成する磁石11a・11bに被操作片20としての機能を持たせた点が、第1実施形態と相違する。すなわち、この第6実施例に係るコマ本体2では、図10に示すように、回転体11を構成する円リング状の磁石11a・11bの中心部(回転中心部)近傍から発せられる磁力を使って、操作体3によりコマ本体2を誘導操作することができるようにしている。図10において、符号L1は磁石11a・11bから発せられる磁力線のうち、特に回転中心部の近傍から発せられる磁力線を、符号L2は、操作体3から発せられる磁力線を示す。それ以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0047】
以上のように、本実施例に係る操作コマでは、回転体11を構成する円リング状の磁石11a・11bから発せられる磁力線のうち、回転中心部の近傍、すなわち回転中心軸Pの近傍から発せられる磁力線L1と、操作体3から発せられる磁力線L2の両磁力線L1・L2に由来して、コマ本体2と操作体3との間に作用する磁気吸引力或いは磁気反発力を利用して、コマ本体2を机面4で任意の位置に誘導操作することができるようにした。これにて、実施例1に係る操作コマと同様に、コマ本体2の回転軸10の回転中心に対してダイレクトに磁力を作用させながら、操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作することができるので、誘導操作時に回転体11が波打つように傾くことを防ぐことができる。従って、より長時間にわたって、コマ本体2の自立回転状態を維持することができる。なお、本実施例では操作体3は棒状の磁石を使用したが、その必要はなく、磁性金属等の磁石に吸着する物性を備えたものであってもよい。
【0048】
(第7実施例) 図11に、本発明に係る操作コマ1を、サッカー遊戯具に適用した第6実施例を示す。このサッカー遊戯具は、第1実施例に係る操作コマ1と、該操作コマ1を構成するコマ本体2により弾き飛ばされるボール30と、サッカーゴールを模して形成されたミニチュアのゴール31とで構成される。ボール30は、針金を球殻状に編んだものである。
【0049】
このサッカー遊戯具では、机上で自立回転状態にあるコマ本体2に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けて、コマ本体2を机上に載置されたボール30に向かって誘導操作する。そして、コマ本体2の回転体11をボール30に衝突させることで、ボール30を所望の方向、例えばゴール31の方向に弾き飛ばす。このとき、ボール30を所望の方向へ飛ばすためには、コマ本体2の回転方向だけでなく、ボール30への接近方向や接近速度などを勘案しながら、コマ本体2を操作体3を使って誘導操作する必要がある。また、ボール30の飛距離はコマ本体2の回転速度で決定されるため、該回転速度を勘案する必要もある。
【0050】
以上のように、本発明のサッカー遊戯具は、ボール30を所望の方向へ弾き飛ばすためには、コマ本体2の回転方向等、種々の要素を勘案しながら、操作体3を使ってコマ本体2を誘導操作する必要があり、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を提供することができる。また、ボール30が球殻状に編んだ針金で形成されているため、コマ本体2の衝突具合によって、ボール30の動きがトリッキーとなる点でも高い興趣性が得られる。
【0051】
(第8実施例) 図12に、本発明に係る操作コマ1を、スラローム遊戯具に適用した第7実施例を示す。このスラローム遊戯具は、第1実施例に係る操作コマ1と、机上に載置されてスタート位置とゴール位置が記載された遊戯シート32と、遊戯シート32上に載置された複数個の障害物33とを含む。
【0052】
このスラローム遊戯具では、机上で自立回転状態にあるコマ本体2に対して、該コマ本体2に接触しないように上方より操作体3を近付けて、コマ本体2を遊戯シート32のスタート位置からゴール位置まで、障害物33を避けながら誘導操作する。このように、障害物33との衝突を避けながらコマ本体2を誘導操作するためには、コマ本体2の回転方向に応じて操作体3の接近方向などや接近速度等を勘案する必要がある。スタート位置からゴール位置までコマ本体2を確実に移動させるためには、コマ本体2の自立回転時間を勘案する必要もある。以上のように、本実施例のスラローム遊戯具では、障害物33に衝突させることなく、コマ本体2をゴール位置まで移動させるためには、操作体3を使ったコマ本体2に対する微妙な誘導操作が必要であり、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を実現できる。
【0053】
(第9実施例) 図13に、本発明に係る操作コマ1を、喧嘩ゴマ遊戯具に適用した第8実施例を示す。この喧嘩ゴマ遊戯具は、第1実施例に係る二つ以上のコマ本体2・2と、各コマ本体2・2を上方より非接触状態で誘導操作するための操作体3・3とからなる。そして、二人の遊戯者が、自身が所有のコマ本体2・2を誘導操作して、両コマ本体2・2を衝突させて、いずれのコマ本体2・2が最後まで回転しているかを競うものである。
【0054】
この喧嘩ゴマ遊戯具では、操作体3を使って、コマ本体2を自在に誘導操作することができるので、例えば攻撃能力の強いコマ本体2を操作する遊戯者は、積極的に該コマ本体2を相手側に衝突させ、逆に持久力の強いコマ本体2を操作する遊戯者は、衝突が最小限に留まるように、コマ本体2を逃がすなどの戦略的な遊戯が可能となる。したがって、従前の遊戯盤内にコマを落とした後は、コマの衝突動作を眺めるしかなかった喧嘩ゴマに比べて、格段に興趣性に富んだ遊戯具を得ることができる。なお、前述のように、コマ本体2の攻撃力や持久力などは、コマ本体2の接地片21の形状により変化するものであり、また、該接地片21を有するボトム17ごと付け替えることで、コマ本体2の持久力等を変更することが可能である。また、回転体11を構成する磁石11a・11aの磁極に由来して、コマ本体2・2に磁力(磁気反発力、或いは磁気吸引力)が作用し、該磁力によって、コマ本体2・2どうしの衝突具合が変化する点でも興趣性の向上が期待できる。
【0055】
(第10実施例) 図14に、本発明に係る操作コマ1を、ジャンプ遊戯具に適用した第9実施例を示す。このジャンプ遊戯具は、操作コマ1と傾斜面35aを有するジャンプ台35とを含む。ジャンプ台35の傾斜面35aの下端の踏み切り位置35bには、ジャンプ用の磁石36が埋設されている。また、コマ本体2の回転軸の下端には、ジャンプ用の磁石36と逆向きの極を有する磁石からなる接地片21が装着されている。傾斜面35aには、踏み切り位置35bに向かってコマ本体2をガイドするためのガイド溝37が設けられている。傾斜面35aの踏み切り位置35bは、水平面或いは僅かに斜め上方傾斜する面に形成されており、コマ本体2には、水平方向或いは斜め上方への慣性力が作用するようになっている。
【0056】
このジャンプ遊戯具においては、ジャンプ台35の上方より、操作体3を使ってコマ本体2をジャンプ台35の傾斜面35aを誘導滑走させて、コマ本体2がジャンプ台35の踏み切り位置35bまで誘導操作する。そして、コマ本体2が踏み切り位置35bに至ると、ジャンプ用の磁石36と接地片21の磁石との間に作用する磁気反発力と、コマ本体2の水平方向或いは斜め方向の慣性力とが相俟って、コマ本体2をジャンプ台35から斜め上方に飛び出させることができる。したがって、コマ本体2を遠くまでジャンプさせるためには、遊戯者は踏み切り位置35bへのコマ本体2の進入速度や侵入角度などを、操作体3を使って最適化する必要があり、従来の単に回すだけであったコマに比べて、高い興趣性を備えた遊戯具を提供することができる。
【0057】
本発明に係る操作コマ1を構成するコマ本体2は、第1〜第5実施例に示したものに限られない。第6〜第9実施例の遊戯具で用いられる操作コマ1のコマ本体2は、実施例1に示されたものに限られない。コマ本体2は手動で自立回転させるもののほか、電動や手動の専用の回転操作具を使ってコマ本体2を自立回転させるものであってもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 操作コマ
2 コマ本体
3 操作体
4 机面
10 回転軸
11 回転体
14 上ブロック
15 下ブロック
16 ヘッド
17 ボトム
20 被操作片
30 ボール
31 ゴール
33 障害物
35 ジャンプ台
35a 傾斜面
35b 踏み切り位置
36 磁石
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コマ本体(2)と、該コマ本体(2)の上方より非接触状態で該コマ本体(2)を誘導操作するための操作体(3)とからなり、これらコマ本体(2)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を机上の任意の位置に誘導操作することができる操作コマであって、
コマ本体(2)は、下端が机面(4)に接する回転軸(10)と、該回転軸(10)を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体(11)とを備え、
回転体(11)の回転中心部に、操作体(3)との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片(20)が設けられており、
操作体(3)および被操作片(20)の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、
コマ本体(2)の被操作片(20)に対して、該コマ本体(2)に接触しないように上方より操作体(3)を近付けたとき、被操作片(20)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっていることを特徴とする操作コマ。
【請求項2】
回転体(11)は、中央開口を有する円リング状に形成された磁石であり、
回転体(11)の中心部近傍から発せられる磁力線(L1)と、操作体(3)との間に発生する磁力に由来する吸引力或いは反発力により、任意の位置に誘導操作することができるようになっており、
円リング状の磁石で形成された回転体(11)の中心部近傍が被操作片(20)となっている、請求項1記載の操作コマ。
【請求項3】
回転軸(10)の上下方向の中央部に、回転体(11)が装着されており、
回転軸(10)の上端に、被操作片(20)が設けられている、請求項1記載の操作コマ。
【請求項4】
回転体(11)が、中央開口を有する円リング状に形成された磁石(11a・11b)であり、
回転軸(10)が、回転体(11)の中央開口内に挿通されて、上下方向から回転体(11)を挟持保持する上下のブロック(14・15)と、上ブロック(14)の上方に着脱自在に装着されるヘッド(16)と、下ブロック(15)の下方に着脱自在に装着されるボトム(17)とを含み、
ヘッド(16)に、被操作片(20)が組み付けられている、請求項3記載の操作コマ。
【請求項5】
コマ本体(2)と、該コマ本体(2)の上方より非接触状態で該コマ本体(2)を誘導操作するための操作体(3)とからなる操作コマ(1)と、コマ本体(2)により弾き飛ばされるボール(30)とを含む、操作コマ(1)を使ったサッカー遊戯具であって、
コマ本体(2)は、下端が机面(4)に接する回転軸(10)と、該回転軸(10)を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体(11)とを備え、
回転体(11)の回転中心部に、操作体(3)との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片(20)が設けられており、
操作体(3)および被操作片(20)の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、
コマ本体(2)の被操作片(20)に対して、該コマ本体(2)に接触しないように上方より操作体(3)を近付けると、被操作片(20)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっており、
コマ本体(2)の回転体(11)を机上に3+置かれたボール(30)に衝突させることで、ボール(30)を任意の方向に弾き飛ばすことができるようになっていることを特徴とする操作コマを使ったサッカー遊戯具。
【請求項6】
コマ本体(2)と、該コマ本体(2)の上方より非接触状態で該コマ本体(2)を誘導操作するための操作体(3)とからなる操作コマ(1)と、机上の置かれた障害物(33)とを含む、スラローム遊戯具であって、
コマ本体(2)は、下端が机面(4)に接する回転軸(10)と、該回転軸(10)を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体(11)とを備え、
回転体(11)の回転中心部に、操作体(3)との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片(20)が設けられており、
操作体(3)および被操作片(20)の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、
コマ本体(2)の被操作片(20)に対して、該コマ本体(2)に接触しないように上方より操作体(3)を近付けると、被操作片(20)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっており、
コマ本体(2)を障害物(33)を避けながらスタート位置からゴール位置まで誘導操作させることで、コマ本体(2)のゴール位置に到達するまでの所要時間を競うことができるようになっていることを特徴とする、操作コマを使ったスラローム遊戯具。
【請求項7】
二つ以上のコマ本体(2・2)と、両コマ本体(2・2)を上方より非接触状態で誘導操作するための一又は二以上の操作体(3・3)とからなる操作コマ(1・1)を含み、
コマ本体(2)は、下端が机面(4)に接する回転軸(10)と、該回転軸(10)を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体(11)とを備え、
回転体(11)の回転中心部に、操作体(3)との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片(20)が設けられており、
操作体(3)および被操作片(20)の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、
コマ本体(2)の被操作片(20)に対して、該コマ本体(2)に接触しないように上方より操作体(3)を近付けると、被操作片(20)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっており、
操作体(3)で誘導操作しながら両コマ本体(2・2)を衝突させて、いずれのコマ本体(2)が最後まで回転しているかを競うことを特徴とする、操作コマを使った喧嘩コマ遊戯具。
【請求項8】
コマ本体(2)と、該コマ本体(2)の上方より非接触状態で該コマ本体(2)を誘導操作するための操作体(3)とからなる操作コマ(1)と、傾斜面(35a)を有するジャンプ台(35)とを含む、ジャンプ遊戯具であって、
コマ本体(2)は、回転軸(10)と、該回転軸(10)を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体(11)とを備え、
回転体(11)の回転中心部に、操作体との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片(20)が設けられており、
操作体(3)および被操作片(20)の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、
コマ本体(2)の被操作片(20)に対して、該コマ本体(2)に接触しないように上方より操作体(3)を近付けると、被操作片(20)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を任意の位置に誘導操作することができるようになっており、
傾斜面(35a)の下端の踏み切り位置(35b)には、ジャンプ用の磁石(36)が埋設されており、
回転軸(10)の下端には、ジャンプ用の磁石(36)と逆向きの極の磁石(21)が装着されており、
ジャンプ台(35)の上方より、操作体(3)を使ってコマ本体(2)を傾斜面(35a)を誘導滑走させて、コマ本体(2)が踏み切り位置(35b)に至ると、ジャンプ用の磁石(36)と回転軸(10)の下端の磁石(21)との反発力により、コマ本体(2)がジャンプ台(35)から斜め上方に飛び出すように構成されていることを特徴とする、操作コマを使ったジャンプ遊戯具。
【請求項1】
コマ本体(2)と、該コマ本体(2)の上方より非接触状態で該コマ本体(2)を誘導操作するための操作体(3)とからなり、これらコマ本体(2)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を机上の任意の位置に誘導操作することができる操作コマであって、
コマ本体(2)は、下端が机面(4)に接する回転軸(10)と、該回転軸(10)を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体(11)とを備え、
回転体(11)の回転中心部に、操作体(3)との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片(20)が設けられており、
操作体(3)および被操作片(20)の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、
コマ本体(2)の被操作片(20)に対して、該コマ本体(2)に接触しないように上方より操作体(3)を近付けたとき、被操作片(20)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっていることを特徴とする操作コマ。
【請求項2】
回転体(11)は、中央開口を有する円リング状に形成された磁石であり、
回転体(11)の中心部近傍から発せられる磁力線(L1)と、操作体(3)との間に発生する磁力に由来する吸引力或いは反発力により、任意の位置に誘導操作することができるようになっており、
円リング状の磁石で形成された回転体(11)の中心部近傍が被操作片(20)となっている、請求項1記載の操作コマ。
【請求項3】
回転軸(10)の上下方向の中央部に、回転体(11)が装着されており、
回転軸(10)の上端に、被操作片(20)が設けられている、請求項1記載の操作コマ。
【請求項4】
回転体(11)が、中央開口を有する円リング状に形成された磁石(11a・11b)であり、
回転軸(10)が、回転体(11)の中央開口内に挿通されて、上下方向から回転体(11)を挟持保持する上下のブロック(14・15)と、上ブロック(14)の上方に着脱自在に装着されるヘッド(16)と、下ブロック(15)の下方に着脱自在に装着されるボトム(17)とを含み、
ヘッド(16)に、被操作片(20)が組み付けられている、請求項3記載の操作コマ。
【請求項5】
コマ本体(2)と、該コマ本体(2)の上方より非接触状態で該コマ本体(2)を誘導操作するための操作体(3)とからなる操作コマ(1)と、コマ本体(2)により弾き飛ばされるボール(30)とを含む、操作コマ(1)を使ったサッカー遊戯具であって、
コマ本体(2)は、下端が机面(4)に接する回転軸(10)と、該回転軸(10)を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体(11)とを備え、
回転体(11)の回転中心部に、操作体(3)との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片(20)が設けられており、
操作体(3)および被操作片(20)の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、
コマ本体(2)の被操作片(20)に対して、該コマ本体(2)に接触しないように上方より操作体(3)を近付けると、被操作片(20)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっており、
コマ本体(2)の回転体(11)を机上に3+置かれたボール(30)に衝突させることで、ボール(30)を任意の方向に弾き飛ばすことができるようになっていることを特徴とする操作コマを使ったサッカー遊戯具。
【請求項6】
コマ本体(2)と、該コマ本体(2)の上方より非接触状態で該コマ本体(2)を誘導操作するための操作体(3)とからなる操作コマ(1)と、机上の置かれた障害物(33)とを含む、スラローム遊戯具であって、
コマ本体(2)は、下端が机面(4)に接する回転軸(10)と、該回転軸(10)を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体(11)とを備え、
回転体(11)の回転中心部に、操作体(3)との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片(20)が設けられており、
操作体(3)および被操作片(20)の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、
コマ本体(2)の被操作片(20)に対して、該コマ本体(2)に接触しないように上方より操作体(3)を近付けると、被操作片(20)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっており、
コマ本体(2)を障害物(33)を避けながらスタート位置からゴール位置まで誘導操作させることで、コマ本体(2)のゴール位置に到達するまでの所要時間を競うことができるようになっていることを特徴とする、操作コマを使ったスラローム遊戯具。
【請求項7】
二つ以上のコマ本体(2・2)と、両コマ本体(2・2)を上方より非接触状態で誘導操作するための一又は二以上の操作体(3・3)とからなる操作コマ(1・1)を含み、
コマ本体(2)は、下端が机面(4)に接する回転軸(10)と、該回転軸(10)を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体(11)とを備え、
回転体(11)の回転中心部に、操作体(3)との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片(20)が設けられており、
操作体(3)および被操作片(20)の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、
コマ本体(2)の被操作片(20)に対して、該コマ本体(2)に接触しないように上方より操作体(3)を近付けると、被操作片(20)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を机上の任意の位置に誘導操作することができるようになっており、
操作体(3)で誘導操作しながら両コマ本体(2・2)を衝突させて、いずれのコマ本体(2)が最後まで回転しているかを競うことを特徴とする、操作コマを使った喧嘩コマ遊戯具。
【請求項8】
コマ本体(2)と、該コマ本体(2)の上方より非接触状態で該コマ本体(2)を誘導操作するための操作体(3)とからなる操作コマ(1)と、傾斜面(35a)を有するジャンプ台(35)とを含む、ジャンプ遊戯具であって、
コマ本体(2)は、回転軸(10)と、該回転軸(10)を起立・回転させるための遠心力を発揮する回転体(11)とを備え、
回転体(11)の回転中心部に、操作体との間で磁力に由来する吸引力或いは反発力を得るための被操作片(20)が設けられており、
操作体(3)および被操作片(20)の少なくともいずれか一方が磁石で形成され、他方が磁石又は磁性金属で形成されており、
コマ本体(2)の被操作片(20)に対して、該コマ本体(2)に接触しないように上方より操作体(3)を近付けると、被操作片(20)と操作体(3)との間に作用する磁力により、コマ本体(2)を任意の位置に誘導操作することができるようになっており、
傾斜面(35a)の下端の踏み切り位置(35b)には、ジャンプ用の磁石(36)が埋設されており、
回転軸(10)の下端には、ジャンプ用の磁石(36)と逆向きの極の磁石(21)が装着されており、
ジャンプ台(35)の上方より、操作体(3)を使ってコマ本体(2)を傾斜面(35a)を誘導滑走させて、コマ本体(2)が踏み切り位置(35b)に至ると、ジャンプ用の磁石(36)と回転軸(10)の下端の磁石(21)との反発力により、コマ本体(2)がジャンプ台(35)から斜め上方に飛び出すように構成されていることを特徴とする、操作コマを使ったジャンプ遊戯具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−206509(P2011−206509A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125647(P2010−125647)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(510070175)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(510070175)
【Fターム(参考)】
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