説明

操作装置及び操作方法

【課題】同一の宛先を二回入力する際に、当該宛先の入力を簡単に行うことが出来るとともに、当該宛先の入力ミスを防止することが可能な操作部102を提供する。
【解決手段】一回目の宛先のファクシミリ番号が入力された場合に、当該一回目の宛先のファクシミリ番号を構成する数字の一部を所定の数字に変換した擬似宛先のファクシミリ番号を生成する擬似宛先生成手段402と、ユーザに、前記一回目の宛先のファクシミリ番号のキーと、前記擬似宛先のファクシミリ番号のキーとを押下可能に表示する擬似宛先表示手段404と、所定の宛先のファクシミリ番号のキーが押下されると、当該押下されたキーの宛先のファクシミリ番号を二回目の宛先のファクシミリ番号として、当該二回目の宛先のファクシミリ番号が、前記一回目の宛先のファクシミリ番号と同一であるか否かを判定する宛先判定手段405とを備える操作部102を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置及び操作方法に関し、詳しくは、同一の宛先を二回入力する際に、当該宛先の入力を簡単に行うことが出来るとともに、当該宛先の入力ミスを防止することが可能な操作装置及び操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のファクシミリ装置においては、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル又はテンキーダイヤルにより相手先へ発呼していた。
【0003】
例えば、ユーザが、ワンタッチダイヤル01の相手先へ発呼しようと思った場合、前記ワンタッチダイヤル01を押下すれば、当該ワンタッチダイヤル01に関連付けられたファクシミリ番号が自動的に入力され、所定の送信情報が当該ファクシミリ番号の相手先に送信されることになる。
【0004】
しかしながら、ここで、ユーザが間違って隣のワンタッチダイヤル(例えば、ワンタッチダイヤル02)を押下した場合、前記送信情報はワンタッチダイヤル02の相手先へ送られてしまい、誤った通信が行われる可能性があるという問題がある。
【0005】
このような問題を解決する技術として、特開平7−154563号公報(特許文献1)には、発呼する相手先を同一の方法または異なる方法で複数回入力する手段を有し、この入力された複数の相手先情報が相互に一致した時にのみ発呼動作を行い、この複数の相手先情報が一致していない時は、その旨を表示し、発呼動作を行わないファクシミリ装置が開示されている。これにより、誤った宛先入力操作によって誤った通信が行われるのを有効に防止することが出来るとしている。
【0006】
又、特開2001−77997号公報(特許文献2)には、相手先電話番号毎に相手先情報を保存する相手先情報保存手段と、手動ダイヤル時、ユーザにより入力された相手先電話番号、及び、該相手先電話番号に対応した前記相手先情報保存手段により保存された相手先情報を表示する相手先情報表示手段とを有するファクシミリ装置が開示されている。これにより、入力した電話番号が、ユーザが意図したものであるか否かを確認することが可能となり、電話番号の誤入力を防止することが可能となるとしている。
【0007】
又、特開2007−36478号公報(特許文献3)には、宛先情報をこの宛先情報よりも少ない語数の短縮情報とともに登録する登録ステップと、前記短縮情報とこれに対応する宛先情報を入力して送信指示を行う送信指示ステップとを備えるデータ送信方法が開示されている。前記データ送信方法は、更に、前記送信指示ステップで入力された前記短縮情報に対応して登録されている前記宛先情報と前記送信指示ステップで入力された前記宛先情報とが一致したとき、その一致した前記宛先情報によって特定される宛先に送信データを送信する送信ステップとを備える。これにより、ユーザに大きな負担とならずにデータの誤送信を防止することが出来るとしている。
【0008】
又、特開2008−263377号公報(特許文献4)には、ネットワーク経由で電子メールの送受信を行う送受信部、送信する電子メールのデータ作成及び受信した電子メールのデータ解析を行うメールデータ処理部、ユーザとの情報交換を可能とし、電子メールの送信要求の入力を受け付ける操作部、及び前記操作部を通じて行われる送信要求に応じ、前記送受信部、メールデータ処理部を動作させて、電子メールを送受信するシステム制御部を有する情報通信装置が開示されている。前記情報通信装置における前記システム制御部は、ネットワーク経由でwhoisサーバに対し、前記操作部を通じて行われる電子メールの送信要求に指示された送信先メールアドレスのドメインに関する管理情報の取得要求を行い、whoisサーバから送られてくる該管理情報を受け取る管理情報取得手段を備える。又、前記システム制御部は、前記管理情報取得手段によって取得した当該ドメインに関する管理情報を前記操作部によって通知する管理情報通知手段と、当該ドメインに関する管理情報の通知後に、前記操作部で受け付けた入力操作によって、送信先を確認する送信先確認手段を備える。これにより、ユーザが、前記管理情報に拠って、意図する送信先であるかを容易に確認することが出来て、誤送信を確実に防止することが出来るとしている。
【0009】
又、特開2008−288715号公報(特許文献5)には、通信装置と、当該通信装置及び相手先装置を仲介する公衆網とを中継する中継装置が開示されている。前記通信装置は、電話番号を入力する入力手段と、オフフック信号を送出して公衆網と接続し該公衆網から送出されるダイヤルトーンを受け、前記入力手段から入力される電話番号を送出し、該電話番号に該当する相手先装置と前記公衆網を介して接続し、画像・音声データの送信を行うことが可能である。又、前記通信装置は、相手先装置から前記公衆網を介して着呼し接続され、画像・音声データの受信を行うことが可能である。そして、前記中継装置は、着信の有無を判別する着信判定手段と、中継元からの発呼を受ける着呼手段と、中継先に発呼を行う発呼手段と、擬似ダイヤルトーン及び疑似ビジートーンを択一で送出する疑似トーン送出手段とを備える。又、前記中継手段は、受信した電話番号を中点にて分割し、分割された電話番号の数字の並びが相互に合致した場合、受信した電話番号は正当であると判別する電話番号判別手段と、装置の動作を制御する制御部と、装置の動作に関するデータを一時的に記憶するための記憶手段とを備える。更に、前記中継装置は、前記通信装置及び前記公衆網を中継し、前記通信装置を用いて相手先装置へ発呼する際に、前記通信装置から前記公衆網に送出されるオフフック信号を前記着呼手段にて受け、擬似トーン送出手段により疑似ダイヤルトーンを前記通信装置に送出する。又、前記中継装置は、続いて前記通信装置から送出される電話番号を前記着呼手段によって受信し、該電話番号を前記記憶手段によって記憶し、前記電話番号判別手段によって受信した電話番号の正当性を判別する。そして、前記中継装置は、電話番号が正当であるとされた場合、前記発呼手段は前記分割された電話番号の何れか一方を前記公衆網へ発呼し、前記通信装置と前記公衆網を接続させると共に前記公衆網からのリングバックトーンを前記通信装置へ中継し、誤っていると判別された場合は、前記公衆網への接続を行わない。これにより、通話装置で入力した電話番号が誤っている場合、中継装置は公衆網に発呼しないため、ユーザが誤った入力を行ったとしても、画像・音声データが誤った相手先に送られてしまうことを防止することが出来るとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−154563号公報
【特許文献2】特開2001−77997号公報
【特許文献3】特開2007−36478号公報
【特許文献4】特開2008−263377号公報
【特許文献5】特開2008−288715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、前記特許文献1−5に記載の発明の他に、宛先の入力ミスを防止する従来技術として、ユーザに、電話番号、ファクシミリ番号、電子メールアドレス、フォルダ、FTP(File Transfer Protocol)のパス名等の文字からなる宛先を二回、連続して入力させ、二回目に入力された宛先が一回目に入力された宛先と一致した場合にのみ、当該宛先に対応する処理を行う技術が存在する。
【0012】
当該技術では、二回入力する際に、ユーザに入力された宛先の適否を確認させる点では、有効であるものの、ユーザにとって、二回目の宛先の入力が煩わしく、手間が掛かるという問題がある。当該問題は、前記特許文献1−5に記載の技術では解決することが出来ない。
【0013】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、同一の宛先を二回入力する際に、当該宛先の入力を簡単に行うことが出来るとともに、当該宛先の入力ミスを防止することが可能な操作装置及び操作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る操作装置は、ユーザから、宛先の入力を二回連続して受け付け、二回目の宛先が一回目の宛先と同一である場合に、当該宛先の入力を確定する操作装置を前提とし、以下の構成を採用する。
【0015】
前記操作装置は、一回目の宛先が入力された場合に、当該一回目の宛先を構成する文字の一部を所定の文字に変換した擬似宛先を生成する擬似宛先生成手段と、ユーザに、前記一回目の宛先のキーと、前記擬似宛先のキーとを押下可能に表示する擬似宛先表示手段とを備える。又、前記操作装置は、所定の宛先のキーが押下されると、当該押下されたキーの宛先を二回目の宛先として、当該二回目の宛先が、前記一回目の宛先と同一であるか否かを判定する宛先判定手段を備える。
【0016】
これにより、ユーザは、二回目の宛先を入力することなく、擬似宛先のキーと一回目の宛先のキーとの中から、当該一回目の宛先のキーを探し出して、押下すればよいため、ユーザに、二回目の宛先の入力操作を省略させるとともに、一回目の宛先と擬似宛先とを十分に検討させて、一回目の宛先の正否を十分に確認させることが可能となる。その結果、宛先の入力ミスを防止することが可能となる。
【0017】
又、前記擬似宛先生成手段は、変換対象である前記一部を構成する文字を、無作為に生成された文字に変換して前記擬似宛先を生成するよう構成することが出来る。
【0018】
又、前記擬似宛先生成手段は、変換対象である前記一部を構成する文字を、当該一部と異なる前記一回目の宛先の文字又は当該一部の文字から無作為に選択された文字に変換して前記擬似宛先を生成するよう構成することが出来る。
【0019】
又、前記擬似宛先生成手段は、前記擬似宛先を生成する際に、変換対象である前記一部を構成する文字と、所定の文字とを比較し、両者が同一でない場合に、前記一部を構成する文字を、前記所定の文字に変換するよう構成することが出来る。
【0020】
又、変換対象である前記一部を構成する文字数は、前記一回目の宛先を構成する文字数の半分以下であるよう構成することが出来る。
【0021】
又、前記宛先判定手段は、前記二回目の宛先が、前記一回目の宛先と同一でない場合に、ユーザに、新たな一回目の宛先を再度入力させるよう構成することが出来る。
【0022】
又、前記操作装置は、画像形成装置に適用することが出来る。
【0023】
尚、本発明は、ユーザから、宛先の入力を二回連続して受け付け、二回目の宛先が一回目の宛先と同一である場合に、当該宛先の入力を確定する操作装置の操作方法として提供することが出来る。
【0024】
即ち、前記操作方法は、一回目の宛先が入力された場合に、当該一回目の宛先を構成する文字の一部を所定の文字に変換した擬似宛先を生成する擬似宛先生成ステップと、ユーザに、前記一回目の宛先のキーと、前記擬似宛先のキーとを押下可能に表示する擬似宛先表示ステップとを備える。又、前記操作方法は、所定の宛先のキーが押下されると、当該押下されたキーの宛先を二回目の宛先として、当該二回目の宛先が、前記一回目の宛先と同一であるか否かを判定する宛先判定ステップを備える。前記構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0025】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明の操作装置及び操作方法によれば、同一の宛先を二回入力する際に、当該宛先の入力を簡単に行うことが出来るとともに、当該宛先の入力ミスを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図3】本発明に係る複合機及び操作部の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における複合機及び操作部の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の実行手順を示すための第一のフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたファクシミリ送信画面の一例を示す図(図6(A))と、本発明の実施形態に係る擬似宛先のファクシミリ番号を生成する場合の一例を示す図(図6(B))である。
【図7】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された宛先選択画面の一例を示す図(図7(A))と、本発明の実施形態に係る擬似宛先の電子メールアドレス及びファイルのパス名を生成する場合の一例を示す図(図7(B))である。
【図8】本発明の実施形態に係る操作部の問い合わせ画面の一例を示す図(図8(A))と、本発明の実施形態に係る操作部のファイルボックス画面の一例を示す図(図8(B))である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、添付図面を参照して、本発明の操作装置を備えた画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0029】
<画像形成装置及び操作装置>
以下に、本発明の実施形態に係る操作装置を備えた画像形成装置について説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略模式図である。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。尚、本発明の画像形成装置は、例えば、プリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を備えた画像形成装置として機能する。以下に、例えば、コピー機能を利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
【0031】
先ず、ユーザが複合機100を利用する場合、原稿Pを複合機100の上面に備えられている原稿台101に載置し、コピー機能の設定を操作部102から入力する。当該操作部102には、複合機100が提供するコピー機能に関連する操作画面(初期画面など)が表示され、コピー機能に関連する複数の設定項目キーが選択可能に表示されている。又、前記操作画面には、各機能毎に機能項目キーがタブ形式で選択可能に表示される。ユーザは、前記操作画面を介して、コピー機能に関する設定条件の入力を行う。
【0032】
ユーザが、設定条件の入力を完了すると、操作部102に設けられたスタートキー205を押下して、複合機100にコピー機能の処理を開始させる。
【0033】
複合機100がコピー機能の処理を開始すると、画像読取部103において、光源104から照射された光が、前記原稿台101に置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は前記撮像素子108により光電変換されて、基本的な補正処理、画質処理、圧縮処理等を施され、前記原稿に対応する画像データが生成される。
【0034】
尚、前記生成された画像データは、前記操作部102からの指示に応じて、前記撮像素子108に接続された通信部20に送信される。前記通信部20は、前記操作部102から入力された宛先(例えば、ファクシミリ番号、電子メールアドレスなど)と前記画像データとを用い、ネットワーク30を介して前記宛先に前記画像データを送信する。
【0035】
さて、前記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部109である。前記画像形成部109には感光体ドラム110が備えられている。前記感光体ドラム110は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器111、露光ユニット112、現像器113、転写器114、クリーニングユニット115などが配置されている。
【0036】
前記帯電器111は、前記感光体ドラム110の表面を一様に帯電させる。前記露光ユニット112は、帯電された前記感光体ドラム110の表面に、前記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。前記現像器113は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、前記転写器114により、記録媒体(例えば、シート)に転写される。前記クリーニングユニット115は、前記感光体ドラム110の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、前記感光体ドラム110が回転することにより実行される。
【0037】
前記シートは、前記複合機100に備えられた複数の給紙カセット116から搬送される。搬送される時は、前記シートはピックアップローラ117により何れか1つの前記給紙カセット116から搬送路へ引き出される。前記各給紙カセット116には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、前記出力条件に関する設定に基づいてシートが給紙される。
【0038】
搬送路に引き出された前記シートは、搬送ローラ118やレジストローラ119により感光体ドラム110と転写器114の間に送り込まれる。送り込まれると、前記シートは前記転写器114により前記トナー像が転写され、定着装置120に搬送される。
【0039】
前記トナー像が転写されたシートが前記定着装置120に備えられた加熱ローラ121と加圧ローラ122の間を通過すると、前記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。前記加熱ローラ121の熱量は紙種に応じて最適に設定され、前記定着が適切に行われる。前記可視像がシートに定着されて画像形成が終了し、可視像が定着されたシートは、定着装置120を経て排紙トレイ123へ排紙され、積載、収容される。
【0040】
前記手順により、複合機100はコピー機能をユーザに提供する。
【0041】
尚、所定の宛先に所定の画像データを送信する機能、例えば、ファクシミリ送信機能や電子メール送信機能は、上述した通信部20によりユーザに提供される。
【0042】
図2は、本発明の実施形態に係る操作部の全体構成を示す概念図である。ユーザは、前記操作部102を用いて、上述のような画像形成についての設定条件を入力したり、入力された設定条件を確認したりする。前記設定条件が入力される場合、前記操作部102に備えられたタッチパネル201(操作パネル)、タッチペン202、操作キー203が用いられる。
【0043】
前記タッチパネル201には、設定条件を入力する機能と当該設定条件を表示する機能が兼ね備えられている。即ち、タッチパネル201上に表示された画面内の項目キーを押下することによって、押下された項目キーに対応する設定条件が入力される。
【0044】
タッチパネル201の背面には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部(図示せず)が設けられており、当該表示部が、例えば、前記初期画面等の操作画面を表示する。タッチパネル201の近傍には、タッチペン202が備えられており、ユーザがそのタッチペン202の先をタッチパネル201に接触させると、タッチパネル201下に設けられたセンサーが接触先を検知する。
【0045】
更に、タッチパネル201近傍には、所定数の操作キー203が設けられ、例えば、テンキー204、スタートキー205、クリアキー206、ストップキー207、リセットキー208、電源キー209が備えられている。
【0046】
次に、図3を用いて、複合機100及び操作部102の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、本発明に係る複合機100及び操作部102の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0047】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305、通信インターフェイス306を内部バス307によって接続している。前記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、前記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305と前記操作部102からのデータや指示を授受し、前記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記CPU301は、前記操作部102から入力された宛先のデータに基づいて、前記通信インターフェイス306を介してネットワーク30上の宛先の端末装置(例えば、PCや複合機等)を特定し、所定のデータ(画像データ等)を送信したりする。前記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU301がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。
【0048】
又、制御回路の内部バス307には、内部インターフェイス308も接続されており、当該内部インターフェイス308は、前記操作部102の制御回路等と複合機100の制御回路とを接続する。
【0049】
又、操作部102の制御回路には、CPU309、ROM310、RAM311、LCD312、操作キー313(203)、タッチパネル314(201)、内部インターフェイス315を内部バス316によって接続している。操作キー313やタッチパネル314をユーザが操作すると、CPU309は、内部インターフェイス315を介して、当該操作に基づく命令信号を複合機100の制御回路に送信する。又、CPU309、ROM310、RAM311の機能も上記と同様であり、後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU309がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。前記ROM310には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0050】
<本発明の実施形態>
次に、図4、図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図4は、本発明の複合機及び操作部の機能ブロック図である。図5は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
【0051】
まず、ユーザが、複合機100の原稿台101に所定の原稿を載置し、当該複合機100の電源を投入すると、当該複合機100及び操作部102が起動し、起動した操作部102の表示受付手段401が、所定の機能(例えば、コピー機能)の設定条件を入力するために予め設定された初期画面をタッチパネル201上に表示する。
【0052】
ユーザは、前記初期画面を見ながら、例えば、ファクシミリ送信機能を使用するために、前記初期画面に表示されているファクシミリ送信機能のタブキーを押下すると、前記表示受付手段401は、前記ファクシミリ送信機能のタブキーの押下を受け付けて、前記初期画面から、当該ファクシミリ送信機能に対応するファクシミリ送信画面に切り替え表示する(図5:S101)。
【0053】
前記ファクシミリ送信画面600には、図6(A)に示すように、前記宛先のファクシミリ番号の数字を入力するためのテンキー601と、当該宛先の入力を確定し、ファクシミリ送信機能の実行を開始させるためのスタートキー602と、他の機能のタブキー603とが押下可能に表示される。又、前記テンキー601により入力された数字は、前記宛先のファクシミリ番号として宛先入力欄604に表示される。
【0054】
ここで、ユーザは、前記テンキー601を用いて、所定の宛先のファクシミリ番号(例えば、「0123456789」)を前記宛先入力欄604に入力し、前記スタートキー602を押下すると(図5:S102)、前記表示受付手段401は、前記スタートキー602の押下を受け付けて、前記宛先のファクシミリ番号(「0123456789」)を所定のメモリに一時記憶させるとともに、その旨を擬似宛先生成手段402に通知する。当該通知を受けた擬似宛先生成手段402は、先ほど記憶された宛先のファクシミリ番号を、最初に受け付けた一回目の宛先のファクシミリ番号として受け付けて、当該一回目の宛先のファクシミリ番号を構成する数字の一部を所定の数字に変換した擬似宛先のファクシミリ番号を生成する(図5:S103)。
【0055】
具体的には、図6(B)に示すように、前記擬似宛先生成手段402は、一回目の宛先のファクシミリ番号を複製し、複製した一回目の宛先のファクシミリ番号605を構成する10数字のうち、下2桁の2数字606(例えば、「89」)を一部として決定する。次に、前記擬似宛先生成手段402は、予め備えられた乱数生成部403を用いて、前記一部を構成する2数字606(「89」)に対応して、無作為に2数字607(例えば、「90」)を生成させる。そして、前記擬似宛先生成手段402は、前記生成した2数字607(「90」)と、前記一部を構成する2数字606(「89」)とを各1数字毎に比較して、両者が同一であるか否かを判定する。
【0056】
前記判定の結果、両者が同一である場合、前記擬似宛先生成手段402は、先ほど生成した2数字607を消去し、前記乱数生成部403を用いて、再度、新たな2数字を生成し、前記一部を構成する2数字606と比較することになる。これにより、前記一回目の宛先のファクシミリ番号と同一である擬似宛先のファクシミリ番号の生成を回避することが可能となる。
【0057】
一方、前記判定の結果、両者が同一でない場合は、前記擬似宛先生成手段402は、先ほど複製した一回目の宛先のファクシミリ番号605のうち、前記一部を構成する2数字606(「89」)を、前記生成した2数字607(「90」)に変換(変更)する。当該変換後のファクシミリ番号608が、前記擬似宛先のファクシミリ番号として生成される。
【0058】
これにより、一見して、前記一回目の宛先のファクシミリ番号と同一でない擬似宛先のファクシミリ番号を生成することが可能となる。ここで、前記擬似宛先のファクシミリ番号は、前記一回目の宛先のファクシミリ番号の全体のうち、一部のみが異なり、他の部分は全て同一に構成された宛先のファクシミリ番号であるため、当該一回目の宛先のファクシミリ番号と近似(類似)していることになる。
【0059】
尚、前記宛先がファクシミリ番号(又は電話番号)の場合は、所定の地域に対応して最初の数字から所定数の数字まで(例えば、大阪府であれば、上2桁の数字は「06」)予め決定されている。そのため、前記擬似宛先生成手段402は、前記宛先がファクシミリ番号(又は電話番号)の場合には、最後の数字から所定数の数字までの数字(例えば、下2桁の数字)を、前記一回目の宛先のファクシミリ番号を構成する数字の一部として決定すると、生成される擬似宛先のファクシミリ番号は、前記一回目の宛先のファクシミリ番号と一層近似し、紛らわしくなる。
【0060】
又、前記擬似宛先生成手段402が、複数の擬似宛先のファクシミリ番号608を生成する場合は、一の擬似宛先のファクシミリ番号608を生成する毎に、先ほど生成した擬似宛先のファクシミリ番号608の変換対象である一部と、既に生成した擬似宛先のファクシミリ番号608の一部とを比較して、両者が同一である場合に、先ほど生成した擬似宛先のファクシミリ番号608を消去し、両者が同一でない場合に、先ほど生成した擬似宛先のファクシミリ番号608を保持する。これにより、前記擬似宛先のファクシミリ番号608を重複して生成されることを防止することが出来る。
【0061】
さて、前記擬似宛先生成手段402は、上述した方法を繰り返して、所定数(例えば、5つ)の擬似宛先のファクシミリ番号608を生成すると、その旨を擬似宛先表示手段404に通知する。当該通知を受けた擬似宛先表示手段404は、前記擬似宛先生成手段402から、前記一回目の宛先のファクシミリ番号と前記擬似宛先のファクシミリ番号とを取得するとともに、前記ファクシミリ送信画面600から、当該取得した一回目の宛先のファクシミリ番号のキー及び擬似宛先のファクシミリ番号のキーを押下可能に表示した宛先選択画面をタッチパネル201上に表示する(図5:S104)。
【0062】
前記宛先選択画面700には、図7(A)に示すように、前記一回目の宛先のファクシミリ番号(「0123456789」)のキー701と、所定数(5つ)の擬似宛先のファクシミリ番号(「0123456790」など)のキー702と、前記スタートキー703とが押下可能に表示される。
【0063】
これにより、ユーザは、前記キー701、702の中から、前記一回目の宛先のファクシミリ番号のキー701を探し出せば良いため、当該一回目の宛先のファクシミリ番号を再度入力する操作を省略することが可能となる。又、前記一回目の宛先のファクシミリ番号のキー701の他に、前記擬似宛先のファクシミリ番号のキー702も表示されるため、ユーザは、各キー701、702の宛先のファクシミリ番号を注意深く確認することになる。つまり、これを機に、ユーザは、前記一回目の宛先のファクシミリ番号が正しいか否かを十分に検討することになる。そのため、ユーザは、二回目の宛先のファクシミリ番号の入力操作の煩わしさから開放されるとともに、自己の入力した宛先のファクシミリ番号の正否を十分に検討することが可能となる。
【0064】
ここで、前記擬似宛先表示手段404が、前記キー701、702を押下可能に表示する場合には、どのような配置形態で表示しても構わないが、例えば、図7(A)に示すように、前記取得した一回目の宛先のファクシミリ番号のキー701と、前記擬似宛先のファクシミリ番号のキー702とを無作為に上下2列、左右3列に配置して表示する。このように構成すると、ユーザは、前記キー701、702の押下の際に、いずれのキー701、702が前記一回目の宛先のファクシミリ番号であるか十分に確認する必要が生じるため、入力ミスを可能な限り防止することが出来る。
【0065】
さて、ユーザが、前記宛先選択画面700を見ながら、前記一回目の宛先のファクシミリ番号と思われる所定の宛先のファクシミリ番号(例えば、「0123456790」)のキーを押下して、前記スタートキー703を押下すると(図5:S105YES)、前記擬似宛先生成手段402は、前記スタートキー703の押下を受け付けて、前記押下されたキーの宛先のファクシミリ番号を宛先判定手段405に通知する。当該通知を受けた宛先判定手段405は、前記押下されたキーの宛先のファクシミリ番号(「0123456790」)を二回目の宛先のファクシミリ番号として受け付けるとともに、前記表示受付手段401から前記一回目の宛先のファクシミリ番号(「0123456789」)を取得する。そして、前記宛先判定手段405は、前記二回目の宛先のファクシミリ番号と前記一回目の宛先のファクシミリ番号とを比較し(図5:S106)、当該二回目の宛先のファクシミリ番号(「0123456790」)が、当該一回目の宛先のファクシミリ番号(「0123456789」)と同一であるか否かを判定する(図5:S107)。
【0066】
具体的には、前記宛先判定手段405が、前記二回目の宛先のファクシミリ番号を構成する全ての数字と、前記一回目の宛先のファクシミリ番号を構成する全ての数字とを最初の1数字から最後の1数字まで各1数字毎に比較し、両者の全ての数字が同一であれば、両者は同一であると判定し、1数字でも同一で無ければ、両者は同一でないと判定する。
【0067】
前記判定の結果、前記二回目の宛先のファクシミリ番号が、前記一回目の宛先のファクシミリ番号と同一でない場合(図5:S107NO)、前記宛先判定手段405が、その旨を前記表示受付手段401に通知する。当該通知を受けた表示受付手段401は、前記メモリに一時記憶されていた一回目の宛先のファクシミリ番号(「0123456789」)を消去し、S101に戻って、前記宛先選択画面から前記ファクシミリ送信画面に切り替え表示することで(図5:S101)、ユーザに、新たな一回目の宛先のファクシミリ番号を再度入力させる。
【0068】
これにより、入力ミスされたファクシミリ番号の宛先に基づいて前記ファクシミリ送信機能が実行されるのを防止し、ユーザに、適切な宛先のファクシミリ番号を再入力させることが可能となる。
【0069】
尚、このような場合は、例えば、ユーザにより前記一回目の宛先のファクシミリ番号が誤って入力されており、当該ユーザが、前記二回目の宛先のファクシミリ番号のキーを適切に押下した場合などに対応する。
【0070】
一方、前記判定の結果、前記二回目の宛先のファクシミリ番号が、前記一回目の宛先のファクシミリ番号と同一である場合(図5:S107YES)、前記宛先判定手段405は、その旨を前記表示受付手段401に通知する。当該通知を受けた表示受付手段401は、前記メモリに一時記憶された一回目の宛先のファクシミリ番号の入力を確定する(図5:S108)。そして、前記表示受付手段401は、その旨を機能提供手段406に通知し、当該通知を受けた機能提供手段406は、前記確定した宛先のファクシミリ番号を用いてファクシミリ送信機能を実行する(図5:S109)。
【0071】
具体的には、前記機能提供手段406が、前記原稿台101に載置された原稿から画像データを取得し、当該取得した画像データを、前記確定したファクシミリ番号(「0123456789」)の宛先に送信する。
【0072】
これにより、ユーザに、前記宛先のファクシミリ番号を注意深く確認させた上で前記ファクシミリ送信機能を実行するため、誤って入力されたファクシミリ番号の宛先に所定の画像データ誤って送信されることを出来る限り回避することが可能となる。
【0073】
このように、本発明の操作部102は、一回目の宛先のファクシミリ番号が入力された場合に、当該一回目の宛先のファクシミリ番号を構成する数字の一部を所定の数字に変換した擬似宛先のファクシミリ番号を生成する擬似宛先生成手段402と、二回目の宛先のファクシミリ番号が入力される際に、ユーザに、前記一回目の宛先のファクシミリ番号のキーと、前記擬似宛先のファクシミリ番号のキーとを押下可能に表示する擬似宛先表示手段404とを備える。又、前記操作部102は、所定の宛先のファクシミリ番号のキーが押下されると、当該押下されたキーの宛先のファクシミリ番号を二回目の宛先のファクシミリ番号として、当該二回目の宛先のファクシミリ番号が、前記一回目の宛先のファクシミリ番号と同一であるか否かを判定する宛先判定手段405を備える。
【0074】
これにより、ユーザは、二回目の宛先のファクシミリ番号を入力することなく、擬似宛先のファクシミリ番号のキー702と一回目の宛先のファクシミリ番号のキー701との中から、当該一回目の宛先のファクシミリ番号のキー701を探し出して、押下すればよいため、ユーザに、二回目の宛先のファクシミリ番号の入力操作を省略させるとともに、一回目の宛先のファクシミリ番号と擬似宛先のファクシミリ番号とを十分に検討させて、一回目の宛先のファクシミリ番号の正否を十分に確認させることが可能となる。その結果、宛先のファクシミリ番号の入力ミスを防止することが可能となる。
【0075】
尚、本発明の実施形態では、数字から構成されるファクシミリ番号を宛先としたが、他の構成、例えば、英数字や英文字から構成される電子メールアドレスやファイルのパス名、FTPのパス名を宛先としても構わない。
【0076】
例えば、前記宛先が電子メールアドレスの場合には、図7(B)に示すように、前記擬似宛先生成手段402が、一回目の宛先の電子メールアドレス704を構成する英数字のうち、メールサーバを特定するドメイン名以外の一部、例えば、特定の文字(アットマーク「@」)よりも前の英数字である、最初の英数字から3つ目の英数字までの3つの英数字705(「abc」)を一部として決定し、無作為に英数字を生成する所定の英数字生成部を用い、当該一部705に対応して、無作為に3つの英数字706(「cd2」)を生成させる。尚、生成した3つの英数字と、前記一部を構成する3つの英数字とを比較したり判定したりする処理は、上述と同様である。このようにして、前記擬似宛先生成手段402は、擬似宛先の電子メールアドレス707を生成することが出来る。
【0077】
又、例えば、前記宛先(保存先に対応)がファイルのパス名の場合には、図7(B)に示すように、前記擬似宛先生成手段402が、一回目の宛先のファイルのパス名708を構成する英文字のうち、所定のファイル名に対応する一部、例えば、特定の文字(スラッシュ文字「/」又は「¥」)の間に含まれる、前記ファイルのパス名708の中央に位置する所定数の英文字709(例えば、「defg」)を一部として決定し、無作為に英文字を生成する所定の英文字生成部を用い、当該一部709に対応して、無作為に所定数の英文字710(「wxyz」)を生成させる。尚、生成した所定数の英文字と、前記一部を構成する所定数の英文字とを比較したり判定したりする処理は、上述と同様である。このようにして、前記擬似宛先生成手段402は、擬似宛先のファイルのパス名711を生成することが出来る。
【0078】
前記宛先が電子メールアドレスの場合には、例えば、図8(A)に示すように、PCに備えられた操作部(ユーザインターフェイス部)が、ディスクトップ上に所定の画面800(例えば、所定の問い合わせ画面)を表示して、ユーザから宛先の入力を受け付ける場合に採用される。この場合も、図8(A)に示すように、一回目の宛先の電子メールアドレス801が入力されると、前記擬似宛先生成手段402が、所定数の擬似宛先の電子メールアドレスを生成し、前記擬似宛先表示手段404が、前記一回目の宛先の電子メールアドレスのキー802と、前記擬似宛先の電子メールアドレスのキー803とを押下可能に表示することになる。尚、前記宛先が電子メールアドレスの場合は、前記PCの操作部に限られず、前記複合機100の操作部102であっても当然採用される。
【0079】
又、前記宛先がファイルのパス名の場合には、例えば、図8(B)に示すように、複合機100の操作部102が、タッチパネル201上に所定の画面804(例えば、ファイルボックス画面)を表示して、ユーザから宛先の入力を受け付ける場合に採用される。この場合も、図8(B)に示すように、一回目の宛先のファイルのパス名805が入力されると、前記擬似宛先生成手段402が、所定数の擬似宛先のファイルのパス名を生成し、前記擬似宛先表示手段404が、前記一回目の宛先のファイルのパス名のキー806と、前記擬似宛先のファイルのパス名のキー807とを押下可能に表示することになる。尚、前記宛先がファイルのパス名の場合は、前記複合機100の操作部102に限られず、前記PCの操作部であっても当然採用される。
【0080】
又、本発明の実施形態では、前記擬似宛先生成手段402が、変換対象である前記一部を構成する文字606(数字)を、無作為に生成された文字607(数字)に変換して前記擬似宛先608を生成したが、他の構成でも良い。例えば、前記擬似宛先生成手段402は、変換対象である前記一部を構成する文字を、当該一部と異なる前記一回目の宛先の文字又は当該一部の文字から無作為に選択された文字に変換して前記擬似宛先を生成するよう構成しても良い。具体的には、前記一回目の宛先のファクシミリ番号が「0123456789」で、前記一部が「89」である場合、当該一部と異なる前記一回目の宛先のファクシミリ番号の数字から無作為に選択された数字であれば、「01234567」のうち、無作為に選択された2つの数字(例えば、「01」など)となり、当該一部の文字から無作為に選択された数字であれば、「89」のうち、無作為に選択された2つの数字(例えば、「88」など)となる。当該構成とすると、生成される擬似宛先のファクシミリ番号は、前記一回目の宛先のファクシミリ番号と一層紛らわしくなり、ユーザに注意深く検討させることが可能となる。尚、他の宛先であっても同様である。
【0081】
又、本発明の実施形態では、前記擬似宛先生成手段402が、前記一回目の宛先のファクシミリ番号605を構成する10数字のうち、下2桁の2数字606を一部として決定するよう構成したが、他の構成でも良い。例えば、前記擬似宛先生成手段402が、前記一回目の宛先を構成する文字数のうち、当該一回目の宛先を構成する文字数の半分以下であれば、どのような構成でも構わない。例えば、前記宛先がファクシミリ番号であれば、下1桁の1つの数字でも、下3桁の3つの数字でもよい。又、前記宛先が電子メールアドレスであれば、特定の文字(アットマーク「@」)よりも前の英数字であれば、どの位置の英数字でもよく、例えば、最初の英数字から所定数(3から10までの範囲内の所定数など)の英数字を前記一部として決定しても構わない。又、前記宛先がファイルのパス名であれば、特定の文字(スラッシュ文字「/」又は「¥」)で区切られた英文字であれば、どの位置の英文字でもよく、例えば、前記ファイルのパス名が、「abc/defg/hijk/lmn/opqr」である場合、「abc」、「defg」、「hijk」、「lmn」、「opqr」のいずれの英文字を前記一部として決定しても構わない。尚、前記一部の決定については、適宜設計変更可能であり、前記FTPであっても同様である。
【0082】
又、本発明の実施形態では、前記文字に、数字、英数字、英文字の他に、漢字、ハングルなど異国の文字が含まれても構わない。
【0083】
又、本発明の実施形態では、前記宛先に、ファクシミリ番号、電話番号、電子メールアドレス、ファイルのパス名、FTPのパス名の他に、電子情報部材に関する宛先が含まれても構わない。
【0084】
又、本発明の実施形態に係る操作部102では、複合機100のファクシミリ送信機能の処理に関して採用したが、例えば、コピー機能、ファクシミリ受信機能、電子メール送受信機能、スキャン機能、ファイルボックス機能、プリント機能等に対しても採用できる。更に、本発明の実施形態では、操作部102を複合機100に適用した場合について説明したが、画面表示可能な操作部102(操作装置)を備えた各種画像形成装置、各種画像処理装置、各種画像加工装置、各種画像表示装置等に適用しても、前記操作部102をパーソナルコンピュータなどの端末装置のユーザインターフェイス部とみなして、当該端末装置に適用しても、同一の作用効果を奏する。
【0085】
又、本発明の実施形態では、操作部102が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを操作部102或いは複合機100に読み出させ、その操作部102或いは複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明に係る操作装置及び操作方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、同一の宛先を二回入力する際に、当該宛先の入力を簡単に行うことが出来るとともに、当該宛先の入力ミスを防止することが可能な操作装置及び操作方法として有効である。
【符号の説明】
【0087】
100 複合機
102 操作部
401 表示受付手段
402 擬似宛先生成手段
403 乱数生成部
404 擬似宛先表示手段
405 宛先判定手段
406 機能提供手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから、宛先の入力を二回連続して受け付け、二回目の宛先が一回目の宛先と同一である場合に、当該宛先の入力を確定する操作装置において、
一回目の宛先が入力された場合に、当該一回目の宛先を構成する文字の一部を所定の文字に変換した擬似宛先を生成する擬似宛先生成手段と、
ユーザに、前記一回目の宛先のキーと、前記擬似宛先のキーとを押下可能に表示する擬似宛先表示手段と、
所定の宛先のキーが押下されると、当該押下されたキーの宛先を二回目の宛先として、当該二回目の宛先が、前記一回目の宛先と同一であるか否かを判定する宛先判定手段と
を備えることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記擬似宛先生成手段は、変換対象である前記一部を構成する文字を、無作為に生成された文字に変換して前記擬似宛先を生成する
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記擬似宛先生成手段は、変換対象である前記一部を構成する文字を、当該一部と異なる前記一回目の宛先の文字又は当該一部の文字から無作為に選択された文字に変換して前記擬似宛先を生成する
請求項1に記載の操作装置。
【請求項4】
前記擬似宛先生成手段は、前記擬似宛先を生成する際に、変換対象である前記一部を構成する文字と、所定の文字とを比較し、両者が同一でない場合に、前記一部を構成する文字を、前記所定の文字に変換する
請求項1−3のいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項5】
変換対象である前記一部を構成する文字数は、前記一回目の宛先を構成する文字数の半分以下である
請求項1−4のいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項6】
前記宛先判定手段は、前記二回目の宛先が、前記一回目の宛先と同一でない場合に、ユーザに、新たな一回目の宛先を再度入力させる
請求項1−5のいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項7】
請求項1−6のいずれか一項に記載の操作装置を備えた画像形成装置。
【請求項8】
ユーザから、宛先の入力を二回連続して受け付け、二回目の宛先が一回目の宛先と同一である場合に、当該宛先の入力を確定する操作装置の操作方法において、
一回目の宛先が入力された場合に、当該一回目の宛先を構成する文字の一部を所定の文字に変換した擬似宛先を生成する擬似宛先生成ステップと、
ユーザに、前記一回目の宛先のキーと、前記擬似宛先のキーとを押下可能に表示する擬似宛先表示ステップと、
所定の宛先のキーが押下されると、当該押下されたキーの宛先を二回目の宛先として、当該二回目の宛先が、前記一回目の宛先と同一であるか否かを判定する宛先判定ステップと
を備えることを特徴とする操作方法。
【請求項9】
請求項8に記載の操作方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−98642(P2013−98642A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237686(P2011−237686)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】