説明

操作装置及び電子機器

【課題】 構造の簡素化を確保した上で動作の信頼性の向上を図る。
【解決手段】 電子機器の筐体に形成されたキー配置孔に一部が挿入されて配置され操作
時に初期位置を基準として所定の方向へ移動可能とされたキートップと、キートップに取
り付けられた可動側マグネットと、可動側マグネットに対向した状態で固定され可動側マ
グネットとの間で発生する吸着力によってキートップに対して初期位置に移動させる方向
への力を付与する磁性体と、可動側マグネットによって発生する磁界によりキートップの
移動状態を検出するホール素子と、ホール素子が搭載された回路基板とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は操作装置及び電子機器についての技術分野に関する。詳しくは、可動側マグネットが取り付けられたキートップとキートップに所定の方向へ移動させる力を付与する磁性体とキートップの移動状態を検出するホール素子とを設けて構造の簡素化を確保した上で動作の信頼性の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
記録再生装置、音声記録再生装置、音響装置、撮像装置、ネットワーク通信装置、パーソナルコンピューターやPDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置、リモートコントロール装置等の各種の電子機器には、所定の操作を行うための操作装置が設けられている。
【0003】
操作装置には、例えば、キートップ(操作体)とキートップに取り付けられたマグネットとを有し、キートップが操作されたときにセンサーによってキートップの移動状態が検出されて操作に応じた処理が実行されるように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された操作装置においては、キートップに円環状の部分(鍔状部)が設けられ、この鍔状部の外周側に両端部が連結されてリング状に形成されたコイルバネが配置されている。キートップは操作前においては初期位置にあり、操作されて鍔状部の放射方向へ移動されると、コイルバネが弾性変形されコイルバネからキートップに対して初期位置へ移動させる方向への付勢力が付与される。
【0005】
従って、キートップに対する操作が終了すると、キートップがコイルバネの付勢力によって移動されて初期位置に戻る。
【0006】
このようにキートップが初期位置を基準として操作されて移動されるため、センサーの検出が初期位置を基準として行われ、検出動作の信頼性が向上し、キートップの操作に応じた適正な処理が実行される。
【0007】
【特許文献1】特開2010−153199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1に記載された操作装置にあっては、キートップを初期位置に戻すための手段としてコイルバネが用いられているため、経年変化等によって付勢力が低減すると、キートップを初期位置に確実に戻すことができなくなり、動作の信頼性を低下させるおそれがある。
【0009】
また、コイルバネは両端部が連結されてリング状に形成されているため、キートップが移動されてコイルバネが変形されたときや外部からの振動等によって連結状態が解除されるおそれもあり、このような場合には操作装置の動作不良が生じてしまう。
【0010】
一方、操作装置においては、コストの低減や小型化を図るために、構造の簡素化が図られることが望ましい。
【0011】
そこで、本技術操作装置及び電子機器は、上記した問題点を克服し、構造の簡素化を確保した上で動作の信頼性の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
操作装置は、上記した課題を解決するために、第1に、電子機器の筐体に形成されたキー配置孔に一部が挿入されて配置され操作時に初期位置を基準として所定の方向へ移動可能とされたキートップと、前記キートップに取り付けられた可動側マグネットと、前記可動側マグネットに対向した状態で固定され前記可動側マグネットとの間で発生する吸着力によって前記キートップに対して前記初期位置に移動させる方向への力を付与する磁性体と、前記可動側マグネットによって発生する磁界により前記キートップの移動状態を検出するホール素子と、前記ホール素子が搭載された回路基板とを備えたものである。
【0013】
従って、操作装置にあっては、キートップが操作されたときにホール素子によってキートップの移動状態が検出されキートップに対する操作が終了されたときに磁性体から付与される力によりキートップが初期位置に移動される。
【0014】
上記した操作装置においては、第2に、前記磁性体に前記ホール素子が接続される回路パターンが形成され、前記磁性体が前記回路基板として設けられることが望ましい。
【0015】
磁性体にホール素子が接続される回路パターンが形成され、磁性体が回路基板として設けられることにより、磁性体にホール素子が搭載される。
【0016】
上記した操作装置においては、第3に、前記キー配置孔の軸方向に直交する面内において離隔して位置され前記キートップと前記磁性体の間で転動可能な複数の球体が配置され、前記キートップが前記複数の球体に押し付けられた状態で前記所定の方向へ移動され、前記複数の球体が前記キートップの移動に伴って転動されることが望ましい。
【0017】
キー配置孔の軸方向に直交する面内において離隔して位置されキートップと磁性体の間で転動可能な複数の球体が配置され、キートップが複数の球体に押し付けられた状態で所定の方向へ移動され、複数の球体がキートップの移動に伴って転動されることにより、球体との間の摩擦力が小さい状態でキートップが移動される。
【0018】
上記した操作装置においては、第4に、前記キートップ側に開口され前記複数の球体がそれぞれ配置される配置用凹部が形成されることが望ましい。
【0019】
キートップ側に開口され複数の球体がそれぞれ配置される配置用凹部が形成されることにより、球体の移動が配置用凹部によって規制される。
【0020】
上記した操作装置においては、第5に、前記球体が磁性材料によって形成され、前記球体を前記配置用凹部に位置決めする位置決め用マグネットが設けられることが望ましい。
【0021】
球体が磁性材料によって形成され、球体を配置用凹部に位置決めする位置決め用マグネットが設けられることにより、球体が位置決め用マグネットに吸引された状態で転動される。
【0022】
上記した操作装置においては、第6に、前記複数の球体及び前記位置決め用マグネットが前記直交する面内において前記可動側マグネット及び前記磁性体の外側又は内側に配置されることが望ましい。
【0023】
複数の球体及び位置決め用マグネットが直交する面内において可動側マグネット及び磁性体の外側又は内側に配置されることにより、可動側マグネットと磁性体の間に発生する磁界に対して位置決め用マグネットによって発生する磁界の影響が小さい。
【0024】
上記した操作装置においては、第7に、前記磁性体が前記回路基板に取り付けられ、前記磁性体に素子配置孔が形成され、前記素子配置孔に前記ホール素子が配置されることが望ましい。
【0025】
磁性体が回路基板に取り付けられ、磁性体に素子配置孔が形成され、素子配置孔にホール素子が配置されることにより、ホール素子と磁性体が干渉しない。
【0026】
上記した操作装置においては、第8に、前記キートップに前記球体側に開口された挿入用凹部が形成され、前記配置用凹部に前記球体の少なくとも一部が挿入されることが望ましい。
【0027】
キートップに球体側に開口された挿入用凹部が形成され、配置用凹部に球体の少なくとも一部が挿入されることにより、挿入用凹部の深さ分だけキートップが回路基板に近付いて位置される。
【0028】
上記した操作装置においては、第9に、前記回路基板の一部が、前記球体が配置される球体用配置部として形成され、前記球体用配置部に同心円状のパターンが形成されることが望ましい。
【0029】
回路基板の一部が、球体が配置される球体用配置部として形成され、球体用配置部に同心円状のパターンが形成されることにより、球体が球体用配置部において転動されたときに、操作者に球体及びキートップを介して操作感が伝達される。
【0030】
上記した操作装置においては、第10に、前記キートップが前記キー配置孔の軸方向に直交する方向へ移動可能とされた被操作体と前記被操作体に前記キー配置孔の軸方向へ移動可能に支持された被押圧操作部とによって構成され、前記被押圧操作部は操作が行われないときの非操作位置と操作されて所定の処理が実行されるときの操作位置との間で移動され、前記被押圧操作部が押圧されて前記操作位置に移動されたときに前記被操作体が操作されたときに実行される処理と異なる処理が実行されることが望ましい。
【0031】
被押圧操作部が非操作位置と操作位置の間で移動され、被押圧操作部が押圧されて操作位置に移動されたときに被操作体が操作されたときに実行される処理と異なる処理が実行されることにより、キートップの異なる部分に対する操作に応じて異なる処理が実行される。
【0032】
上記した操作装置においては、第11に、前記回路基板上に複数の接続端子が形成され、前記回路基板上に導電性を有する板バネが配置され、前記被押圧操作部が操作されたときに前記板バネが弾性変形されて前記複数の接続端子に接触され前記板バネを介して前記複数の接続端子同士の接続が行われ、前記被押圧操作部に対する操作が解除されたときに前記板バネが弾性復帰されて前記複数の接続端子同士の接続が解除されると共に前記板バネによって前記被押圧操作部が前記非操作位置に移動されることが望ましい。
【0033】
板バネが弾性変形されて複数の接続端子に接触され板バネを介して複数の接続端子同士の接続が行われ、板バネが弾性復帰されて被押圧操作部が非操作位置に移動されることにより、板バネによって複数の接続端子の接続と被押圧操作部の非操作位置への移動が行われる。
【0034】
上記した操作装置においては、第12に、前記磁性体が前記回路基板に取り付けられ、前記磁性体にバネ配置孔が形成され、前記バネ配置孔に前記板バネが配置されることが望ましい。
【0035】
磁性体が回路基板に取り付けられ、磁性体にバネ配置孔が形成され、バネ配置孔に板バネが配置されることにより、板バネと磁性体が干渉しない。
【0036】
上記した操作装置においては、第13に、前記磁性体に前記可動側マグネット側へ突出された凸部が設けられ、前記可動側マグネットのN極とS極が前記可動側マグネットと前記磁性体が並ぶ方向と同じ方向に着磁されることが望ましい。
【0037】
磁性体に可動側マグネット側へ突出された凸部が設けられ、可動側マグネットのN極とS極が可動マグネットと磁性体が並ぶ方向と同じ方向に着磁されることにより、可動側マグネットの中心部が凸部に最も接近する方向への力が可動側マグネットに付与される。
【0038】
上記した操作装置においては、第14に、前記可動側マグネットと前記磁性体を円環状に形成することが望ましい。
【0039】
可動側マグネットと磁性体を円環状に形成することにより、可動側マグネットと磁性体の内側に配置スペースが確保される。
【0040】
上記した操作装置においては、第15に、前記可動側マグネットは異なる極が周方向において交互に着磁され、前記磁性体として異なる極が周方向において交互に着磁されたマグネットを用いることが望ましい。
【0041】
可動側マグネットは異なる極が周方向において交互に着磁され、磁性体として異なる極が周方向において交互に着磁されたマグネットを用いることにより、可動側マグネットと磁性体の間の吸着性が高くなる。
【0042】
本技術電子機器は、キー配置孔が形成された筐体と、前記キー配置孔に一部が挿入されて配置され操作時に初期位置を基準として所定の方向へ移動可能とされたキートップと、前記キートップに取り付けられた可動側マグネットと、前記可動側マグネットに対向した状態で固定され前記可動側マグネットとの間で発生する吸着力によって前記キートップに対して前記初期位置に移動させる方向への力を付与する磁性体と、前記可動側マグネットによって発生する磁界により前記キートップの移動状態を検出するホール素子と、前記ホール素子が搭載された回路基板とを備えている。
【0043】
従って、電子機器にあっては、キートップが操作されたときにホール素子によってキートップの移動状態が検出されキートップに対する操作が終了されたときに磁性体から付与される力によりキートップが初期位置に移動される。
【発明の効果】
【0044】
本技術操作装置は、電子機器の筐体に形成されたキー配置孔に一部が挿入されて配置され操作時に初期位置を基準として所定の方向へ移動可能とされたキートップと、前記キートップに取り付けられた可動側マグネットと、前記可動側マグネットに対向した状態で固定され前記可動側マグネットとの間で発生する吸着力によって前記キートップに対して前記初期位置に移動させる方向への力を付与する磁性体と、前記可動側マグネットによって発生する磁界により前記キートップの移動状態を検出するホール素子と、前記ホール素子が搭載された回路基板とを備えている。
【0045】
従って、キートップに対する操作が終了したときにキートップを初期位置に確実に戻すことができ、構造の簡素化を確保した上で動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0046】
請求項2に記載した技術にあっては、前記磁性体に前記ホール素子が接続される回路パターンが形成され、前記磁性体が前記回路基板として設けられている。
【0047】
従って、部品点数が少なく、小型化及び構造の簡素化を図ることができる。
【0048】
請求項3に記載した技術にあっては、前記キー配置孔の軸方向に直交する面内において離隔して位置され前記キートップと前記磁性体の間で転動可能な複数の球体が配置され、前記キートップが前記複数の球体に押し付けられた状態で前記所定の方向へ移動され、前記複数の球体が前記キートップの移動に伴って転動されるようにしている。
【0049】
従って、キートップに対する操作が行われたときにキートップが円滑に移動され、操作性の向上を図ることができる。
【0050】
請求項4に記載した技術にあっては、前記キートップ側に開口され前記複数の球体がそれぞれ配置される配置用凹部が形成されている。
【0051】
従って、球体が配置用凹部によって必要以上の移動が規制されるため、球体のキートップとの接触状態が解除されることがなく、キートップの良好な操作性を常に確保することができる。
【0052】
請求項5に記載した技術にあっては、前記球体が磁性材料によって形成され、前記球体を前記配置用凹部に位置決めする位置決め用マグネットが設けられている。
【0053】
従って、球体がキートップに対する操作とは無関係に転動されることがなく、キートップの操作時に常に一定の操作感が確保され操作性の向上を図ることができる。
【0054】
請求項6に記載した技術にあっては、前記複数の球体及び前記位置決め用マグネットが前記直交する面内において前記可動側マグネット及び前記磁性体の外側又は内側に配置されている。
【0055】
従って、可動側マグネットと磁性体の間に発生する磁界に対して位置決め用マグネットによって発生する磁界の影響が小さく、位置決め用マグネットが磁性体に対する可動側マグネットに対する吸着力に及ぼす影響が小さいため、磁性体の可動側マグネットに対する吸着動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0056】
請求項7に記載した技術にあっては、前記磁性体が前記回路基板に取り付けられ、前記磁性体に素子配置孔が形成され、前記素子配置孔に前記ホール素子が配置されている。
【0057】
従って、操作装置の構造の簡素化及び薄型化を図ることができる。
【0058】
請求項8に記載した技術にあっては、前記キートップに前記球体側に開口された挿入用凹部が形成され、前記配置用凹部に前記球体の少なくとも一部が挿入されている。
【0059】
従って、挿入用凹部の深さ分だけキートップを回路基板に近付けることが可能になり、操作装置の一層の薄型化を図ることができる。
【0060】
請求項9に記載した技術にあっては、前記回路基板の一部が、前記球体が配置される球体用配置部として形成され、前記球体用配置部に同心円状のパターンが形成されている。
【0061】
従って、操作者に球体及びキートップを介して操作感が伝達され、操作者において良好な操作感覚を得ることができる。
【0062】
請求項10に記載した技術にあっては、前記キートップが前記キー配置孔の軸方向に直交する方向へ移動可能とされた被操作体と前記被操作体に前記キー配置孔の軸方向へ移動可能に支持された被押圧操作部とによって構成され、前記被押圧操作部は操作が行われないときの非操作位置と操作されて所定の処理が実行されるときの操作位置との間で移動され、前記被押圧操作部が押圧されて前記操作位置に移動されたときに前記被操作体が操作されたときに実行される処理と異なる処理が実行されるようにしている。
【0063】
従って、キートップにおける被操作体による操作と被押圧操作部による操作に応じた異なる処理が実行されるため、操作装置の小型化を図った上で操作性の向上を図ることができる。
【0064】
請求項11に記載した技術にあっては、前記回路基板上に複数の接続端子が形成され、前記回路基板上に導電性を有する板バネが配置され、前記被押圧操作部が操作されたときに前記板バネが弾性変形されて前記複数の接続端子に接触され前記板バネを介して前記複数の接続端子同士の接続が行われ、前記被押圧操作部に対する操作が解除されたときに前記板バネが弾性復帰されて前記複数の接続端子同士の接続が解除されると共に前記板バネによって前記被押圧操作部が前記非操作位置に移動されるようにしている。
【0065】
従って、板バネが複数の接続端子の接続機能と被押圧操作部を非操作位置に移動させる
機能の二つの機能を有しているため、部品点数の削減を図った上で簡素な機構により被押
圧操作部の良好な操作状態を確保することができる。
【0066】
請求項12に記載した技術にあっては、前記磁性体が前記回路基板に取り付けられ、前
記磁性体にバネ配置孔が形成され、前記バネ配置孔に前記板バネが配置されている。
【0067】
従って、操作装置の構造の簡素化及び薄型化を図ることができる。
【0068】
請求項13に記載した技術にあっては、前記磁性体に前記可動側マグネット側へ突出された凸部が設けられ、前記可動側マグネットのN極とS極が前記可動側マグネットと前記磁性体が並ぶ方向と同じ方向に着磁されている。
【0069】
従って、キートップに対する操作を解除したときにキートップを操作前の元の位置に確実に戻すことができる。
【0070】
請求項14に記載した技術にあっては、前記可動側マグネットと前記磁性体を円環状に
形成している。
【0071】
従って、可動側マグネットと磁性体の間の良好な吸着性を確保した上で操作装置の小型
化及び構造の簡素化を図ることができる。
【0072】
請求項15に記載した技術にあっては、前記可動側マグネットは異なる極が周方向にお
いて交互に着磁され、前記磁性体として異なる極が周方向において交互に着磁されたマグ
ネットを用いている。
【0073】
従って、可動側マグネットと磁性体を簡素な構造にして小型化を図った上で初期位置へ
の安定した移動状態を確保して操作装置の動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0074】
本技術電子機器は、キー配置孔が形成された筐体と、前記キー配置孔に一部が挿入され
て配置され操作時に初期位置を基準として所定の方向へ移動可能とされたキートップと、
前記キートップに取り付けられた可動側マグネットと、前記可動側マグネットに対向した
状態で固定され前記可動側マグネットとの間で発生する吸着力によって前記キートップに
対して前記初期位置に移動させる方向への力を付与する磁性体と、前記可動側マグネット
によって発生する磁界により前記キートップの移動状態を検出するホール素子と、前記ホ
ール素子が搭載された回路基板とを備えている。
【0075】
従って、キートップに対する操作が終了したときにキートップを初期位置に確実に戻す
ことができ、構造の簡素化を確保した上で動作の信頼性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0076】
以下に、本技術操作装置及び電子機器を実施するための最良の形態を添付図面に従って
説明する。
【0077】
以下に示した最良の形態は、本技術電子機器をリモートコントロール装置に適用し、本
技術操作装置をこのリモートコントロール装置に設けられた操作装置に適用したものであ
る。
【0078】
但し、本技術の適用範囲はリモートコントロール装置及びこれに設けられた操作装置に
限られることはない。本技術電子機器は、ディスク記録再生装置等の記録媒体を用いる記
録再生装置、音声の記録や再生を行う音声記録再生装置、画像や映像を撮影する撮像装置
、一方向又は双方向の送受信を行うネットワーク通信装置、パーソナルコンピューターや
PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置等の他の各種の電子機器に広く
適用することができる。また、本技術操作装置は、これらの各種の電子機器に設けられた
操作装置に広く適用することができる。
【0079】
以下の説明にあっては、リモートコントロール装置の操作面が向く方向を上方とし、リ
モートコントロール装置によって操作する方向を前方として前後上下左右の方向を示すも
のとする。尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実
施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0080】
[電子機器の概略構成]
電子機器(リモートコントロール装置)1は前後に長い扁平な筐体2に所要の各部が配
置されて成る(図1参照)。電子機器1は、例えば、テレビジョン受像器に対する赤外光
を用いた遠隔操作を行うために用いられる。
【0081】
筐体2の上面は各種の操作部3、3、・・・が配置された操作面2aとして形成されて
いる。操作部3、3、・・・としては、例えば、チャンネル選定釦、音量調節摘子、画面
モード変更釦、機能選択釦等が設けられている。
【0082】
筐体2の操作面2aには上下に貫通されたキー配置孔2bが形成されている。操作面2
aにはキー配置孔2bの周囲に操作キー4が配置されている。操作キー4は、例えば、前
後左右の4方向への操作が可能とされ、例えば、テレビジョン受像器の表示面において再
生される画像の早送り、巻き戻しやサムネイル間の移動等を行う機能を有している。
【0083】
尚、テレビジョン受像器は、例えば、インターネット接続を介して番組の視聴が可能な
所謂インターネットテレビであり、表示画面上にアイコンや矢印(カーソル)が表示され
、表示画面上で矢印をアイコン上に移動させてクリックすることによりクリックされたア
イコンが有する機能を実行することが可能とされている。
【0084】
[操作装置の構成]
操作装置50は回路基板10の上面10aと下面10bの両面側に所要の各部が配置さ
れて構成され、筐体2のキー配置孔2aに一部が挿入されて配置されている(図2乃至図
4参照)。
【0085】
回路基板10は筐体2の内部に配置され、回路基板10には図示しない回路パターンが
形成されている。回路基板10の上面10aには図示しない複数の接続端子が形成されて
いる。
【0086】
操作装置50はハウジング11とキートップ12と磁性体13を有している。
【0087】
ハウジング11は略円環状に形成され、回路基板10の上面10aに取り付けられてい
る。ハウジング11の中心孔はバネ配置孔11aとして形成されている。ハウジング11
が回路基板10の上面10aに取り付けられた状態において、バネ配置孔11aの外周部
に回路基板10の上面10aに形成された複数の接続端子が位置される。
【0088】
ハウジング11の外周部には上方に開口された配置用凹部11b、11b、11bが形
成され、配置用凹部11b、11b、11bは周方向に等間隔に離隔して位置されている
。ハウジング11の内周部には上下に貫通された素子配置孔11c、11c、11cが形
成され、素子配置孔11c、11c、11cは周方向に等間隔に離隔して位置されている

【0089】
配置用凹部11b、11b、11bと素子配置孔11c、11c、11cは周方向にお
いてずれた位置に形成され、配置用凹部11b、11b、11bと素子配置孔11c、1
1c、11cは周方向において交互に等間隔に位置されている(図4参照)。
【0090】
ハウジング11の外周部には配置用凹部11b、11b、11bの真下の位置にそれぞ
れ取付凹部11d、11d、11dが形成され、取付凹部11d、11d、11dは下方
及び外方に開口されている(図2乃至図4参照)。
【0091】
ハウジング11のバネ配置孔11aには板バネ14が配置されている。板バネ14は導
電性を有する材料によって形成され、外周部以外の部分が上方に凸の略半球面上に形成さ
れた弾性変形部14aとして設けられ、外周部が略リング状に形成された接続部14bと
して設けられている。
【0092】
板バネ14の弾性変形部14aが弾性変形されない状態においては接続部14bが回路
基板10に形成された接続端子に接触されておらず、弾性変形部14aが弾性変形される
と接続部14bが複数の接続端子に接触されて各接続端子同士が板バネ14によって接続
される。
【0093】
ハウジング11の配置用凹部11b、11b、11bにはそれぞれ磁性材料によって形
成された球体15、15、15が転動可能な状態で配置されている。球体15は配置用凹
部11bにおいて転動されて任意の方向へ移動可能とされており、一部が配置用凹部11
bから上方へ突出されている(図3参照)。
【0094】
ハウジング11の素子配置孔11c、11c、11cにはそれぞれホール素子16、1
6、16が配置されている(図2乃至図4参照)。ホール素子16は回路基板10に形成
された回路パターン上に搭載され、ホール素子16には回路基板10を介して図示しない
電源回路から駆動電流が供給される。
【0095】
ハウジング11の取付凹部11d、11d、11dにはそれぞれ位置決め用マグネット
17、17、17が取り付けられている。位置決め用マグネット17は板状に形成され、
球体15を吸引する機能を有している。従って、球体15は位置決め用マグネット17に
よって配置用凹部11bからの脱落が防止されると共に配置用凹部11bの中央部に引き
寄せられる。
【0096】
キートップ12は被操作体18と被操作体18に上下方向へ移動自在に支持された被押
圧操作部19とから成る。
【0097】
被操作体18は上側に位置する円柱状に形成された被操作部20と被操作部20の下側
に連続して設けられた円板状のマグネット取付部21とから成り、被操作部20とマグネ
ット取付部21が同軸上に位置されている。被操作体18の中心部には上下に貫通された
支持孔18aが形成されている。被操作部20の径は筐体2に形成されたキー配置孔2b
の径より一回り小さくされている。
【0098】
マグネット取付部21にはヨーク22と可動側マグネット23が上下に結合された状態
で取り付けられている。ヨーク22と可動側マグネット23はそれぞれ円環状に形成され
、マグネット取付部21に埋め込まれた状態で取り付けられ、マグネット取付部21の下
面21aと可動側マグネット23の下面とが同一平面上に位置されている。
【0099】
可動側マグネット23は、例えば、上下方向においてN極とS極に着磁され、周方向に
おいて6極が着磁されている(図5参照)。可動側マグネット23の周方向において極性
が変化する境界は中立線23a、23a、・・・とされている。
【0100】
被押圧操作部19は被操作軸部19aと被操作軸部19aの下端部から外方へ張り出さ
れた被規制部19bとから成る(図2及び図3参照)。被押圧操作部19は被操作体18
の支持孔18aに下方から挿入され、被操作体18に対して上下方向へ移動可能とされる
(図3参照)。被押圧操作部19は操作される前の位置である非操作位置(上方の移動端
)と操作された位置である操作位置(下方の移動端)との間で被操作体18に対して移動
可能とされている。
【0101】
被押圧操作部19は被規制部19bによって被操作体18に対する上方への移動が規制
されている。被押圧操作部19は被操作体18に支持された状態において、上端部が被操
作体18から上方へ突出されている。
【0102】
キートップ12は被操作部20が筐体2に形成されたキー配置孔2bに挿入されて配置
され、マグネット取付部21が筐体2の内部に位置される。キートップ12は被操作体1
8の下面21aが球体15、15、15に上方から接した状態とされる。また、被押圧操
作部19は下面が板バネ14に接した状態とされる。
【0103】
磁性体13は回路基板10の下面10bに取り付けられている。磁性体13としてはマ
グネット又は鉄等の磁性材料が用いられている。磁性体13は円環状に形成され、磁性体
13の下面に円環状のヨーク部材24が取り付けられている。
【0104】
磁性体13としてマグネットが用いられている場合には、磁性体13は、例えば、上下
方向においてN極とS極に着磁され、周方向において6極が着磁されている(図5参照)
。磁性体13の周方向において極性が変化する境界は中立線13a、13a、・・・とさ
れている。
【0105】
上記した可動側マグネット23と磁性体13は上下方向において対向した位置に存在し
、球体15、15、15の位置決めを行う位置決め用マグネット17、17、17は可動
側マグネット23と磁性体13の外周側に位置されている。尚、位置決め用マグネット1
7、17、17は可動側マグネット23と磁性体13の内周側に位置されていてもよい。
【0106】
上記したように、可動側マグネット23と磁性体13は上下方向において対向した位置
に存在するため、両者の間には吸着力が発生する。磁性体13は回路基板10に取り付け
られて固定されているため、キートップ12が操作されて移動されると吸着力によって可
動側マグネット23が磁性体13に引き寄せられる。従って、キートップ12は下面21
aが球体15、15、15に押し付けられ、球体15、15、15は配置用凹部11b、
11b、11bにおいてハウジング11に押し付けられた状態とされる。
【0107】
このように可動側マグネット23は磁性体13に引き寄せられるが、このとき可動側マ
グネット23は下側の極が磁性体13の上側の異なる極に吸着(吸引)されるように引き
寄せられる。従って、可動側マグネット23のN極とS極がそれぞれ磁性体13のS極と
N極に引き寄せられ、可動側マグネット23の中立線23a、23a、・・・が磁性体1
3の中立線13a、13a、・・・に上下で一致されるように可動側マグネット23が磁
性体13に引き寄せられる。
【0108】
上記したように、操作装置50においては、可動側マグネット23と磁性体13が上下
で対向した状態で位置され、可動側マグネット23が磁性体13に引き寄せられる構成と
されているが、位置決め用マグネット17、17、17が可動側マグネット23と磁性体
13の外周側又は内周側に位置されている。
【0109】
従って、可動側マグネット23と磁性体13の間に発生する磁界に対して位置決め用マ
グネット17、17、17によって発生する磁界の影響が小さく、位置決め用マグネット
17、17、17が磁性体13に対する可動側マグネット23に対する吸着力に及ぼす影
響が小さいため、磁性体13の可動側マグネット23に対する吸着動作の信頼性の向上を
図ることができる。
【0110】
磁性体13が鉄等の磁性材料によって形成されている場合には、例えば、磁性体13に
周方向に等間隔に離隔して孔13b、13b、・・・が形成される(図6参照)。磁性体
13は孔13b、13b、・・・が形成された部分が他の部分より可動側マグネット23
に対する吸着力が小さくなり、中立線23a、23a、・・・が孔13b、13b、・・
・に上下で一致されるように可動側マグネット23が磁性体13に引き寄せられる。
【0111】
尚、磁性体13が鉄等の磁性材料によって形成されている場合に、部分的に可動側マグ
ネット23に対する吸着力を小さくするために、磁性体13に凹部を形成してもよい。
【0112】
また、磁性体13が鉄等の磁性材料によって形成されている場合には、例えば、磁性体
13に周方向に等間隔に離隔して外方又は内方へ突出された突部13c、13c、・・・
が設けられていてもよい(図7参照)。磁性体13は突部13c、13c、・・・が設け
られた部分が他の部分より可動側マグネット23に対する吸着力が大きくなり、中立線2
3a、23a、・・・が突部13c、13c、・・・間の中央に上下で一致されるように
可動側マグネット23が磁性体13に引き寄せられる。
【0113】
尚、可動側マグネット23と磁性体13の関係においては、可動側マグネット23の中
心と磁性体13の中心(中央)とが一致される形状であれば両者は円環状に限られること
はなく、多角形状等であってもよく、また、両者の大きさも同一でなくてもよい。
【0114】
但し、上記したように、可動側マグネット23と磁性体13を何れも円環状に形成する
ことにより、可動側マグネット23と磁性体13の内側に他の部材を配置するための配置
スペースが確保され、両者の間の良好な吸着性を確保した上で操作装置50の小型化及び
構造の簡素化を図ることができる。
【0115】
また、マグネット又は磁性材料が用いられた磁性体13は一つの部材によって構成され
ていなくてもよく、例えば、図8に示すように、周方向において分離された複数の部材1
3d、13d、・・・によって構成されていてもよい。
【0116】
さらに、図9に示すように、マグネット又は磁性材料が用いられた磁性体13が一つの
部材によって構成され、可動側マグネット23が周方向において分離された複数の部材2
3b、23b、・・・によって構成されていてもよい。
【0117】
また、図10に示すように、磁性体13と可動側マグネット23がそれぞれ周方向にお
いて分離された複数の部材13d、13d、・・・と複数の部材23b、23b、・・・
によって構成されていてもよい。
【0118】
さらに、上記には、可動側マグネット23と磁性体13の例として周方向において6極
に着磁された例を示したが、可動側マグネット23と磁性体13は6極に着磁されている
構成に限られることはなく、複数の極に着磁されていればよい。
【0119】
[操作装置の動作]
以下に、操作装置50が操作されたときの動作について説明する(図3、図11、図1
2及び図13参照)。
【0120】
先ず、操作装置50が操作される前の状態について説明する(図3参照)。
【0121】
操作装置50が操作される前の状態においては、被操作体18及び被押圧操作部19が
操作されておらず、キートップ12は初期位置にあり、被押圧操作部19は上方の移動端
である非操作位置にある。
【0122】
初期位置は、可動側マグネット23のN極とS極がそれぞれ磁性体13のS極とN極に
引き寄せられ、可動側マグネット23の中立線23a、23a、・・・が磁性体13の中
立線13a、13a、・・・に上下で一致されるようにされた位置であり、可動側マグネ
ット23の中心軸と磁性体13の中心軸とが一致されている。このときホール素子16、
16、16はそれぞれ上下で一致された中立線23a、23a、23aと中立線13a、
13a、13aの間に位置されている(図11参照)。
【0123】
非操作位置にある被押圧操作部19は下端が板バネ14の中央に接した状態とされ、被
規制部19bが被操作体18の下面に接触されている。
【0124】
被操作体18が手動により指100によって操作されると、キートップ12は放射方向
、即ち、初期位置を基準として被押圧操作部19の軸方向に直交する方向へ移動される(
図12参照)。被操作体18が移動されるときにはキートップ12の下面21a及びハウ
ジング11との間の摩擦力によって球体15、15、15がそれぞれハウジング11の配
置用凹部11b、11b、11bにおいて転動又は摺動される。
【0125】
従って、被操作体18に対する操作が行われたときにキートップ12が円滑に移動され
、操作性の向上を図ることができる。
【0126】
また、球体15、15、15は配置用凹部11b、11b、11bによって必要以上の
移動が規制されているため、球体15、15、15のキートップ12との接触状態が解除
されることがなく、キートップ12の良好な操作性を常に確保することができる。
【0127】
上記のように被操作体18が操作されたときには、可動側マグネット23がキートップ
12と一体になって移動されるため、可動側マグネット23と磁性体13の間に形成され
る磁界が変化され、この磁界の変化に応じてホール素子16、16、16の出力が変化さ
れる。従って、ホール素子16、16、16の出力の変化により図示しない演算部(マイ
コン)において演算処理が行われ、被操作体18の操作位置、被操作体18の操作方向、
被操作体18の移動速度等が検出される。
【0128】
このように被操作体18が操作されたときには、上記した被操作体18の操作位置や被
操作体の操作方向等の検出により、例えば、テレビジョン受像器の表示画面上に表示され
る矢印(カーソル)がキートップ12の移動方向に応じた方向へ移動される。
【0129】
被操作体18に対する操作が終了されて指100が被操作体18から離れると、可動側
マグネット23と磁性体13の間に発生している吸着力によって可動側マグネット23が
磁性体13に引き寄せられる。従って、キートップ12は可動側マグネット23の中立線
23a、23a、・・・が磁性体13の中立線13a、13a、・・・に上下で一致され
る初期位置に戻る(図3参照)。
【0130】
このときキートップ12の移動に伴って球体15、15、15がそれぞれハウジング1
1の配置用凹部11b、11b、11bにおいて転動又は摺動される。球体15、15、
15はそれぞれ位置決め用マグネット17、17、17によって配置用凹部11b、11
b、11bの中央部に引き寄せられる。
【0131】
このように操作装置50にあっては、球体15、15、15を配置用凹部11b、11
b、11bに位置決めする位置決め用マグネット17、17、17が設けられているため
、球体15、15、15が被操作体18に対する操作とは無関係に転動されることがなく
、キートップ12の操作時に常に一定の操作感が確保され操作性の向上を図ることができ
る。
【0132】
また、操作装置50にあっては、可動側マグネット23と磁性体13は異なる極が周方
向において交互に着磁された構成にされている。
【0133】
従って、可動側マグネット23と磁性体13を簡素な構造にして小型化を図った上で初
期位置への安定した移動状態を確保して操作装置50の動作の信頼性の向上を図ることが
できる。
【0134】
続いて、被押圧操作部19が手動により指100によって押圧操作されると、被押圧操
作部19は下方へ移動される(図13参照)。被押圧操作部19が下方へ移動されると、
被押圧操作部19によって板バネ14の弾性変形部14aが押圧され、弾性変形部14a
が弾性変形されて接続部14bが回路基板10に形成された複数の接続端子に接触されて
各接続端子同士が板バネ14によって接続される。このとき被押圧操作部19は操作位置
まで移動される。
【0135】
被押圧操作部19の操作は、例えば、テレビジョン受像器の表示画面上に表示されたア
イコンに対するクリック操作であり、被押圧操作部19が操作されることにより、テレビ
ジョン受像器の表示画面上で矢印が移動されたアイコンが有する機能が実行される。
【0136】
被押圧操作部19に対する操作が終了されて指100が被押圧操作部19から離れると
、板バネ14の弾性変形部14aが弾性復帰して被押圧操作部19が上方へ移動されて操
作される前の元の位置である非操作位置に戻る(図3参照)。
【0137】
上記したように、操作装置50のキートップ12には操作位置に移動されたときに被操
作体18の操作による処理と異なる処理が実行される被押圧操作部19が被操作体18に
移動自在に支持されている。
【0138】
従って、キートップ12における被操作体18による操作とキートップ12における被
押圧操作部19による操作に応じた異なる処理が実行されるため、操作装置50の小型化
を図った上で操作性の向上を図ることができる。
【0139】
また、被押圧操作部19が操作されたときに板バネ14が弾性変形されて複数の接続端
子同士が接続され、被押圧操作部19に対する操作が解除されたときに板バネ14が弾性
復帰されて被押圧操作部19が非操作位置に移動される。
【0140】
従って、板バネ14が複数の接続端子の接続機能と被押圧操作部19を非操作位置に移
動させる機能の二つの機能を有しているため、部品点数の削減を図った上で簡素な機構に
より被押圧操作部19の良好な操作状態を確保することができる。
【0141】
[操作方向等が異なる例]
上記には、キートップ12(被操作体18)が操作時に放射方向へ移動される例を示し
たが、操作装置50においては、以下のように放射方向とは異なる方向へキートップ12
が移動されるように構成することも可能である(図14乃至図20参照)。
【0142】
例えば、キートップ12が筐体2に形成されたキー配置孔2bの形状(円形状)に沿っ
て周方向へ移動されるように構成することが可能である(図14参照)。このように構成
された場合には、キートップ12の周方向における位置や移動方向等がホール素子16、
16、16によって検出されてキートップ12の操作に応じた所定の処理が実行され、例
えば、操作装置50がエンコーダーとして機能する。
【0143】
また、キートップ12が初期位置において回転されるように構成することが可能である
(図15参照)。このように構成された場合には、キートップ12の回転方向や回転角度
等がホール素子16、16、16によって検出されてキートップ12の操作に応じた所定
の処理が実行され、例えば、操作装置50がエンコーダーとして機能する。
【0144】
さらに、キー配置孔2bが円形以外の他の形状、例えば、三角形(図16参照)や四角
形(図17参照)に形成された場合において、キートップ12が水平方向において任意の
方向へ移動されるように構成することが可能である。このように構成された場合には、キートップ12の移動位置や移動方向等がホール素子16、16、16によって検出されてキートップ12の操作に応じた所定の処理が実行される。
【0145】
この場合にキートップ12をキー配置孔2bに応じて三角形や四角形に形成することにより、キートップ12がキー配置孔2bの角部に移動されたときにキートップ12をキー配置孔2bにおいて位置決めすることが可能である(図16及び図17に示す実線で示すキートップ参照)。このようにキートップ12が位置決めされることにより、操作性が向上すると共にキートップ12が確実に必要な位置に移動されて動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0146】
さらにまた、ハウジング11の上面とキートップ12の下面とをそれぞれ球面状に形成することにより、キートップ12が球面に沿う方向へ移動されるように構成することが可能である(図18参照)。このように構成された場合には、キートップ12の移動位置や移動方向等がホール素子16、16、16によって検出されてキートップ12の操作に応じた所定の処理が実行される。
【0147】
また、キー配置孔2bが、例えば、所定の方向へ延びる直線状に形成された場合において、キートップ12が初期位置を基準としてキー配置孔2bの延びる2方向へ移動されるように構成することが可能である(図19及び図20参照)。尚、図19及び図20に示した操作装置50の例は、可動側マグネット23のN極とS極が左右方向に着磁されている。また、ハウジング11の中心孔は素子配置孔11cとして形成され、素子配置孔11cにホール素子16が配置されている。
【0148】
このような構成において、例えば、被押圧操作部19を設けない場合には、ホール素子16をハウジング11の中央部に一つのみ設け、キートップ12の移動方向においてホール素子16を挟んで反対側に二つの球体15、15を配置すればよい。従って、簡素な構造の操作装置50を構成することができる。
【0149】
このように構成された場合には、キートップ12の移動位置や移動方向等がホール素子16、16によって検出されてキートップ12の操作に応じた所定の処理が実行される。キートップ12はキー配置孔2bの両端部において位置決めされるため、操作性が向上すると共にキートップ12が確実に必要な位置に移動されて動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0150】
また、上記のようなキートップ12が2方向へ移動される構成とすることにより、キー配置孔2bの長手方向に延びる開口縁2c、2cをそれぞれキートップ12の倒れを防止する案内部として形成することができる。
【0151】
[操作装置の変形例]
以下に、操作装置の第1の変形例、第2の変形例、第3の変形例及び第4の変形例について説明する(図21乃至図27参照)。
【0152】
尚、以下に示す各変形例については、磁性体に結合されたヨーク部材が設けられていてもよいが、以下には、ヨーク部材が設けられていない構成で示す。
【0153】
先ず、第1の変形例について説明する(図21参照)。
【0154】
以下に示す第1の変形例に係る操作装置は、上記した操作装置50と比較して、一部の部材の配置位置が異なることのみが相違するため、操作装置50と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については操作装置50における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0155】
第1の変形例に係る操作装置50Aは回路基板10の上面10a側に配置された各部によって構成され、ハウジング11Aとキートップ12と磁性体13Aを有している。
【0156】
ハウジング11Aは略円環状に形成され、回路基板10の上面10a側に配置されている。ハウジング11Aの中心孔は挿通孔11aとして形成されている。ハウジング11Aの外周部には上方に開口された配置用凹部11b、11b、11bが形成され、配置用凹部11b、11b、11bは周方向に等間隔に離隔して位置されている。
【0157】
ハウジング11Aの配置用凹部11b、11b、11bにはそれぞれ磁性材料によって形成された球体15、15、15が転動可能な状態で配置されている。球体15は配置用凹部11bにおいて転動され任意の方向へ移動可能とされており、一部が配置用凹部11bから上方へ突出されている。
【0158】
磁性体13Aは回路基板10の上面10aに取り付けられ、磁性体13Aの上面にハウジング11Aが取り付けられている。磁性体13Aとしてはマグネット又は鉄等の磁性材料が用いられている。磁性体13Aは円環状に形成されている。
【0159】
磁性体13Aの中心孔はバネ配置孔13eとして形成されている。磁性体13Aには周方向に離隔して素子配置孔13f、13f、13fとマグネット配置孔13g、13g、13gが交互に形成されている。素子配置孔13f、13f、13fにはそれぞれホール素子16、16、16が配置され、マグネット配置孔13g、13g、13gにはそれぞれ位置決め用マグネット17、17、17が配置されている。位置決め用マグネット17、17、17はそれぞれハウジング11Aの配置用凹部11b、11b、11bの真下に位置されている。
【0160】
磁性体13Aはバネ配置孔13eの中心軸が挿通孔11aの中心軸に一致された状態でハウジング11Aの下側に配置されている。
【0161】
上記したように、操作装置50Aにあっては、回路基板10の上面10a側に各部が配置されて構成されているため、回路基板10の下面10b側のスペースを電子機器1の他の部品の配置スペースとして有効に活用することができる。
【0162】
次に、第2の変形例について説明する(図22参照)。
【0163】
以下に示す第2の変形例に係る操作装置は、上記した操作装置50と比較して、ハウジングが設けられていないこと及び一部の部材の配置位置が異なることのみが相違するため、操作装置50と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については操作装置50における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0164】
第2の変形例に係る操作装置50Bは回路基板10の上面10a側に配置された各部によって構成され、キートップ12と磁性体13Bを有している。操作装置50Bにはハウジングが設けられていない。
【0165】
磁性体13Bは略円環状に形成され、回路基板10の上面10aに取り付けられている。磁性体13Bとしてはマグネット又は鉄等の磁性材料が用いられている。磁性体13Bの中心孔はバネ配置孔13hとして形成されている。磁性体13Bの外周部には上方に開口された配置用凹部13i、13i、13iが形成され、配置用凹部13i、13i、13iは周方向に等間隔に離隔して位置されている。
【0166】
磁性体13Bの配置用凹部13i、13i、13iにはそれぞれ磁性材料によって形成された球体15、15、15が転動可能な状態で配置されている。球体15は配置用凹部13iにおいて転動され任意の方向へ移動可能とされており、一部が配置用凹部13iから上方へ突出されている。
【0167】
磁性体13Bの内周部には上下に貫通された素子配置孔13j、13j、13jが形成され、素子配置孔13j、13j、13jは周方向に等間隔に離隔して位置されている。配置用凹部13i、13i、13iと素子配置孔13j、13j、13jは周方向において交互に等間隔に位置されている。素子配置孔13j、13j、13jにはそれぞれホール素子16、16、16が配置されている。
【0168】
磁性体13Bの外周部には配置用凹部13i、13i、13iの真下の位置にそれぞれ取付凹部13k、13k、13kが形成され、取付凹部13k、13k、13kは下方及び外方に開口されている。取付凹部13k、13k、13kにはそれぞれ位置決め用マグネット17、17、17が取り付けられている。
【0169】
上記したように、操作装置50Bにあっては、回路基板10の上面10a側に各部が配置されて構成されているため、回路基板10の下面10b側のスペースを電子機器1の他の部品の配置スペースとして有効に活用することができる。
【0170】
また、操作装置50Bにあっては、磁性体13Bが回路基板10に取り付けられ、磁性体13Bにホール素子16、16、16がそれぞれ配置される素子配置孔13j、13j、13jが形成されているため、ハウジングが不要になり、操作装置50Bの部品点数の削減による構造の簡素化及び薄型化を図ることができる。
【0171】
さらに、操作装置50Bにあっては、磁性体13Bが回路基板10に取り付けられ、磁性体13Bに板バネ14が配置されるバネ配置孔13hが形成されているため、ハウジングが不要になり、操作装置50Bの部品点数の削減による構造の簡素化及び薄型化を図ることができる。
【0172】
尚、操作装置50Bにおいて、図23に示すように、キートップ12の被操作体18の下端部に下方に開口された挿入用凹部18b、18b、18bを周方向に離隔して形成し、挿入用凹部18b、18b、18bにそれぞれ球体15、15、15の一部を挿入して配置することもが可能である。
【0173】
このような球体15、15、15の一部が挿入される挿入用凹部18b、18b、18bをキートップ12に形成することにより、挿入用凹部18b、18b、18bの深さ分だけキートップ12を回路基板10に近付けることが可能になり、操作装置50Bの一層の薄型化を図ることができる。
【0174】
尚、上記のような挿入用凹部18b、18b、18bは、上記した操作装置50、50Aにおいても形成することができる。操作装置50、50Aに挿入用凹部18b、18b、18bを形成した場合には、操作装置50、50Aの薄型化が図られる。
【0175】
次に、第3の変形例について説明する(図24及び図25参照)。
【0176】
以下に示す第3の変形例に係る操作装置は、上記した操作装置50と比較して、ハウジングが設けられていないこと、一部の部材の配置位置及び構成が異なることのみが相違するため、操作装置50と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については操作装置50における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0177】
第3の変形例に係る操作装置50Cは回路基板10の上面10a側と下面側5bにそれぞれ配置された各部によって構成され、キートップ12と磁性体13Cを有している。操作装置50Cにはハウジングが設けられていない。
【0178】
磁性体13Cは略円環状に形成され、回路基板10の上面10aに取り付けられている。磁性体13Cとしてはマグネット又は鉄等の磁性材料が用いられている。磁性体13Cの中心孔は図示しないバネ配置孔として形成されている。磁性体13Cの外周部には上下に貫通された配置孔13l、13l、13lが形成され、配置孔13l、13l、13lは周方向に等間隔に離隔して位置されている。
【0179】
磁性体13Cの配置孔13l、13l、13lにはそれぞれ磁性材料によって形成された球体15、15、15が回路基板10Cの上面10a上において転動可能な状態で配置されている。球体15は配置孔13lにおいて転動され任意の方向へ移動可能とされており、一部が配置孔13lから上方へ突出されている。
【0180】
回路基板10Cは配置孔13l、13l、13lが存在する部分がそれぞれ球体用配置部10c、10c、10cとして形成され、球体用配置部10c、10c、10cにそれぞれ同心円状のパターン10d、10d、・・・が形成されている。パターン10d、10d、・・・は電気的な接続パターンとしては形成されておらず、球体15、15、15の転動時に球体15、15、15及びキートップ12を微少に上下動させるために機能する部分として形成されている。
【0181】
磁性体13Cの内周部には上下に貫通された図示しない複数の素子配置孔が形成され、素子配置孔は周方向に等間隔に離隔して位置されている。配置孔13l、13l、13lと複数の素子配置孔は周方向において交互に等間隔に位置されている。素子配置孔にはそれぞれホール素子16、16、16が配置されている。
【0182】
回路基板10Cの下面10bには配置孔13l、13l、13lの真下の位置にそれぞれ位置決め用マグネット17、17、17が取り付けられている。
【0183】
操作装置50Cにおいてキートップ12の被操作体18が操作されて球体15が転動されると、球体15のパターン10dに乗り上げられる動作(図24参照)とパターン10d、10d間に落とし込まれる動作(図25参照)とが繰り返し交互に行われる。従って、キートップ12が微少に上下動され、この上下動が操作者の指100に操作感(クリック感)として伝達される。
【0184】
このように操作装置50Cにあっては、回路基板10Cに同心円状のパターン10d、10d、・・・が形成されることにより、操作者の指100に球体15、15、15及びキートップ12を介して操作感が伝達され、操作者において良好な操作感覚を得ることができる。
【0185】
次に、第4の変形例について説明する(図26参照)。
【0186】
以下に示す第4の変形例に係る操作装置は、上記した操作装置50と比較して、回路基板が磁性体としても設けられ回路基板の下面側に磁性体が配置されていないことのみが相違するため、操作装置50と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については操作装置50における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0187】
第4の変形例に係る操作装置50Dは回路基板10の上面10a側に配置された各部によって構成され、ハウジング11とキートップ12と磁性体13Dを有している。
【0188】
操作装置50Dにあっては、磁性体13Dが回路基板10Dのベース部分として設けられている。即ち、回路基板10Dは回路パターンが形成される土台として用いられるベース部分が磁性材料によって形成されて磁性体13Dとして設けられ、磁性体13D上に非導電性のレジストが塗布され、このレジスト上に回路パターンが形成されている。
【0189】
従って、操作装置50Dにあっては、回路基板10Dが磁性体13Dとしても機能する構成にされている。
【0190】
このように操作装置50Dにあっては、磁性体13Dが回路基板13Dとしても設けられているため、部品点数が少なく、小型化及び構造の簡素化を図ることができる。
【0191】
次に、第5の変形例について説明する(図27参照)。
【0192】
以下に示す第5の変形例に係る操作装置は、上記した操作装置50と比較して、一部の構成や配置位置が異なることのみが相違するため、操作装置50と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については操作装置50における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0193】
第5の変形例に係る操作装置50Eは回路基板10Eの上面10aと下面10bの両面側に所要の各部が配置されて構成されている。
【0194】
回路基板10Eには凸部配置孔10eが形成されている。
【0195】
操作装置50Eはハウジング11とキートップ12Eと磁性体13Eを有している。尚、操作装置50Eには板バネ14は配置されていない。
【0196】
ハウジング11は略円環状に形成され、中心孔が素子配置孔11cとして形成されている。ハウジング11の素子配置孔11cにはホール素子16が配置され、ホール素子16は回路基板10Eの凸部配置孔10eの真上に位置されている。
【0197】
キートップ12Eは被操作体18Eによって構成され、被操作体18Eは被操作部20とマグネット取付部21から成る。
【0198】
マグネット取付部21にはヨーク22と可動側マグネット23Eが上下に結合された状態で取り付けられている。可動側マグネット23EはN極とS極が上下方向、即ち、可動側マグネット23Eと磁性体13Eが並ぶ方向と同じ方向に着磁されている。尚、可動マグネット23Eには被押圧操作部19が設けられていない。
【0199】
キートップ12Eは被操作部20が筐体2に形成されたキー配置孔2bに挿入されて配置され、被操作体18Eの下面21aが球体15、15、15に上方から接した状態とされている。
【0200】
磁性体13Eは回路基板10Eの下面10bに取り付けられている。磁性体13Eとしてはマグネット又は鉄等の磁性材料が用いられている。磁性体13Eは上下方向を向く板状のベース部13aとベース部13aの中央部から上方へ突出された凸部13bとから成り、凸部13bが凸部配置孔10eに下方から挿入された状態で回路基板10Eに取り付けられている。
【0201】
磁性体13Eとしてマグネットが用いられている場合には、磁性体13Eは、例えば、上下方向においてN極とS極に着磁され、上側の極が可動側マグネット23Eの下側の極と異なる極に着磁されている。
【0202】
可動側マグネット23Eと磁性体13Eは上下方向において対向した位置に存在し、両者の間には吸着力が発生する。
【0203】
磁性体13Eは可動側マグネット23E側へ突出された凸部13bを有しているため、可動側マグネット23Eによって発生し凸部13bを横切る磁束の密度が高く、凸部13bにおいて可動側マグネット23Eを引き寄せる力が最も大きくされている。
【0204】
操作装置50Eが操作される前の状態においては、キートップ12Eは可動側マグネット23Eの中心部が磁性体13Eの凸部13bの真上に存在する初期位置にある。
【0205】
キートップ12Eが操作されて移動されると吸着力によって可動側マグネット23Eが磁性体13Eに引き寄せられる。このとき磁性体13Eには凸部13bが設けられているため、キートップ12Eに対する操作が終了すると、可動側マグネット23Eを引き寄せる力が最も大きくされた凸部13bに可動側マグネット23Eの中心部が最も接近するようにキートップ12Eが移動される。
【0206】
従って、キートップ12Eは可動側マグネット23Eの中心部が磁性体13Eの凸部13bの真上に位置されて再び初期位置に戻る。
【0207】
上記したように、操作装置50Eにおいては、キートップ12Eに対する操作を解除したときにキートップ12Eを操作前の位置に確実に戻すことができる。
【0208】
また、操作装置50Eにおいては、ホール素子16が可動側マグネット23Eと磁性体13Eの間において磁性体13Eの凸部13bの真上に位置されている。
【0209】
従って、可動側マグネット23Eによって発生する密度の高い磁束がホール素子16を横切るため、ホール素子16の検出感度が向上し、ホール素子16によるキートップ12Eの周方向における位置や移動方向等の検出精度の向上を図ることができる。
【0210】
[その他]
上記には、キートップ12が球体15、15、15に接した状態で被操作体18が操作される例を示したが、例えば、図28に示すように、球体15、15、15を設けることなく、キートップ12をハウジング11又は磁性体13A、13B、13C、13Dに摺動させて操作されるように構成することも可能である。
【0211】
このような球体15、15、15を設けない構成においては、キートップ12とハウジング11又は磁性体13A、13B、13C、13Dとの隙間が不要になり、その分、操作装置50、50A、50B、50C、50Dの薄型化を図ることができる。
【0212】
また、上記した操作装置50、50A、50B、50C、50Dにおいて示した球体15及びホール素子16の数は一例であり、両者の数はそれぞれ任意である。
【0213】
[まとめ]
以上に記載した通り、操作装置50、50A、50B、50C、50Dにあっては、可動側マグネット23との間で発生する吸着力によってキートップ12に対して初期位置に移動させる方向への力を付与する磁性体13、13A、13B、13C、13Dと、回路基板10、10C、10Dに搭載され可動側マグネット23において発生する磁界によりキートップ12の移動状態を検出するホール素子16とが設けられている。
【0214】
従って、キートップ12の被操作体18に対する操作が終了したときにキートップ12を初期位置に確実に戻すことができ、構造の簡素化を確保した上で動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0215】
[本技術]
本技術は、以下のような構成とすることができる。
【0216】
(1)電子機器の筐体に形成されたキー配置孔に一部が挿入されて配置され操作時に初期位置を基準として所定の方向へ移動可能とされたキートップと、前記キートップに取り付けられた可動側マグネットと、前記可動側マグネットに対向した状態で固定され前記可動側マグネットとの間で発生する吸着力によって前記キートップに対して前記初期位置に移動させる方向への力を付与する磁性体と、前記可動側マグネットによって発生する磁界により前記キートップの移動状態を検出するホール素子と、前記ホール素子が搭載された回路基板とを備えた操作装置。
【0217】
(2)前記磁性体に前記ホール素子が接続される回路パターンが形成され、前記磁性体が前記回路基板として設けられた前記(1)に記載の操作装置。
【0218】
(3)前記キー配置孔の軸方向に直交する面内において離隔して位置され前記キートップと前記磁性体の間で転動可能な複数の球体が配置され、前記キートップが前記複数の球体に押し付けられた状態で前記所定の方向へ移動され、前記複数の球体が前記キートップの移動に伴って転動されるようにした前記(1)又は前記(2)に記載の操作装置。
【0219】
(4)前記キートップ側に開口され前記複数の球体がそれぞれ配置される配置用凹部が形成された前記(3)に記載の操作装置。
【0220】
(5)前記球体が磁性材料によって形成され、前記球体を前記配置用凹部に位置決めする位置決め用マグネットが設けられた前記(4)に記載の操作装置。
【0221】
(6)前記複数の球体及び前記位置決め用マグネットが前記直交する面内において前記可動側マグネット及び前記磁性体の外側又は内側に配置された前記(5)に記載の操作装置。
【0222】
(7)前記磁性体が前記回路基板に取り付けられ、前記磁性体に素子配置孔が形成され、前記素子配置孔に前記ホール素子が配置された前記(1)から前記(6)の何れかに記載の操作装置。
【0223】
(8)前記キートップに前記球体側に開口された挿入用凹部が形成され、前記配置用凹部に前記球体の少なくとも一部が挿入された前記(3)から前記(7)の何れかに記載の操作装置。
【0224】
(9)前記回路基板の一部が、前記球体が配置される球体用配置部として形成され、前記球体用配置部に同心円状のパターンが形成された前記(3)から前記(8)の何れかに記載の操作装置。
【0225】
(10)前記キートップが前記キー配置孔の軸方向に直交する方向へ移動可能とされた被操作体と前記被操作体に前記キー配置孔の軸方向へ移動可能に支持された被押圧操作部とによって構成され、前記被押圧操作部は操作が行われないときの非操作位置と操作されて所定の処理が実行されるときの操作位置との間で移動され、前記被押圧操作部が押圧されて前記操作位置に移動されたときに前記被操作体が操作されたときに実行される処理と異なる処理が実行されるようにした前記(1)から前記(9)の何れかに記載の操作装置。
【0226】
(11)前記回路基板上に複数の接続端子が形成され、前記回路基板上に導電性を有する板バネが配置され、前記被押圧操作部が操作されたときに前記板バネが弾性変形されて前記複数の接続端子に接触され前記板バネを介して前記複数の接続端子同士の接続が行われ、前記被押圧操作部に対する操作が解除されたときに前記板バネが弾性復帰されて前記複数の接続端子同士の接続が解除されると共に前記板バネによって前記被押圧操作部が前記非操作位置に移動されるようにした前記(10)に記載の操作装置。
【0227】
(12)前記磁性体が前記回路基板に取り付けられ、前記磁性体にバネ配置孔が形成され、前記バネ配置孔に前記板バネが配置された前記(11)に記載の操作装置。
【0228】
(13)前記磁性体に前記可動側マグネット側へ突出された凸部が設けられ、前記可動側マグネットのN極とS極が前記可動側マグネットと前記磁性体が並ぶ方向と同じ方向に着磁された前記(1)から前記(12)に記載の操作装置。
【0229】
(14)前記可動側マグネットと前記磁性体を円環状に形成した前記(1)から前記(12)の何れかに記載の操作装置。
【0230】
(15)前記可動側マグネットは異なる極が周方向において交互に着磁され、前記磁性体として異なる極が周方向において交互に着磁されたマグネットを用いた前記(1)から前記(14)の何れかに記載の操作装置。
【0231】
(16)キー配置孔が形成された筐体と、前記キー配置孔に一部が挿入されて配置され操作時に初期位置を基準として所定の方向へ移動可能とされたキートップと、前記キートップに取り付けられた可動側マグネットと、前記可動側マグネットに対向した状態で固定され前記可動側マグネットとの間で発生する吸着力によって前記キートップに対して前記初期位置に移動させる方向への力を付与する磁性体と、前記可動側マグネットによって発生する磁界により前記キートップの移動状態を検出するホール素子と、前記ホール素子が搭載された回路基板とを備えた電子機器。
【0232】
上記した技術の最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本技術を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0233】
【図1】図2乃至図28共とに本技術操作装置及び電子機器を示すものであり、本図は、電子機器の平面図である。
【図2】操作装置の分解斜視図である。
【図3】操作装置の拡大断面図である。
【図4】操作装置の拡大平面図である。
【図5】可動側マグネットと磁性体を示す拡大斜視図である。
【図6】可動側マグネットと孔が形成された磁性体の例を示す拡大斜視図である。
【図7】可動側マグネットと突部が設けられた磁性体の例を示す拡大斜視図である。
【図8】可動側マグネットと複数の部材から成る磁性体の例を示す拡大斜視図である。
【図9】複数の部材から成る可動側マグネットと磁性体の例を示す拡大斜視図である。
【図10】複数の部材から成る可動側マグネットと複数の部材から成る磁性体の例を示す拡大斜視図である。
【図11】初期位置における各部の位置を示す概略平面図である。
【図12】キートップの被操作体が操作されたときの状態を示す拡大断面図である。
【図13】キートップの被押圧操作部が操作されたときの状態を示す拡大断面図である。
【図14】キートップがキー配置孔の形状に沿って周方向へ移動されるように構成された例を示す拡大平面図である。
【図15】キートップが初期位置において回転されるように構成された例を示す拡大平面図である。
【図16】キートップとキー配置孔が三角形状に形成された例を示す拡大平面図である。
【図17】キートップとキー配置孔が四角形状に形成された例を示す拡大平面図である。
【図18】キートップが球面に沿う方向へ移動されるように構成された例を示す拡大断面図である。
【図19】キートップが2方向に移動されるように構成された例を示す拡大平面図である。
【図20】キートップが2方向に移動されるように構成された例を示す拡大断面図である。
【図21】各部が回路基板の一方の面側に配置された第1の変形例に係る操作装置を示す拡大断面図である。
【図22】ハウジングが設けられていない第2の変形例に係る操作装置を示す拡大断面図である。
【図23】第2の変形例に係る操作装置においてキートップに挿入用凹部が形成された例を示す拡大断面図である。
【図24】図25と共に回路基板に球体が接触されるパターンが形成された第3の変形例に係る操作装置を示すものであり、本図は、球体がパターンに乗り上げられた状態を示す拡大断面図である。
【図25】球体がパターンとパターンの間に落とし込まれた状態を示す拡大断面図である。
【図26】回路基板が磁性体として設けられた第4の変形例に係る操作装置を示す拡大断面図である。
【図27】凸部が設けられた磁性体を有する第5の変形例に係る操作装置を示す拡大断面図である。
【図28】キートップがハウジングに摺動されて操作される操作装置を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0234】
1…電子機器、2…筐体、2b…キー配置孔、50…操作装置、10…回路基板、11b…配置用凹部、12…キートップ、13…磁性体、14…板バネ、15…球体、16…ホール素子、17…位置決め用マグネット、18…被操作体、19…被押圧操作部、23…可動側マグネット、50A…操作装置、13A…磁性体、13a…凸部、50B…操作装置、13B…磁性体、13h…バネ配置孔、13j…素子配置孔、18b…挿入用凹部、10C…回路基板、10c…球体用配置部、10d…パターン、50C…操作装置、13C…磁性体、10D…回路基板、13D…磁性体、50D…操作装置、10E…回路基板、12E…キートップ、13E…磁性体、13b…凸部、18E…被操作体、23E…可動側マグネット、50E…操作装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の筐体に形成されたキー配置孔に一部が挿入されて配置され操作時に初期位置を
基準として所定の方向へ移動可能とされたキートップと、
前記キートップに取り付けられた可動側マグネットと、
前記可動側マグネットに対向した状態で固定され前記可動側マグネットとの間で発生す
る吸着力によって前記キートップに対して前記初期位置に移動させる方向への力を付与す
る磁性体と、
前記可動側マグネットによって発生する磁界により前記キートップの移動状態を検出す
るホール素子と、
前記ホール素子が搭載された回路基板とを備えた
操作装置。
【請求項2】
前記磁性体に前記ホール素子が接続される回路パターンが形成され、
前記磁性体が前記回路基板として設けられた
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記キー配置孔の軸方向に直交する面内において離隔して位置され前記キートップと前記
磁性体の間で転動可能な複数の球体が配置され、
前記キートップが前記複数の球体に押し付けられた状態で前記所定の方向へ移動され、
前記複数の球体が前記キートップの移動に伴って転動されるようにした
請求項1に記載の操作装置。
【請求項4】
前記キートップ側に開口され前記複数の球体がそれぞれ配置される配置用凹部が形成され

請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記球体が磁性材料によって形成され、
前記球体を前記配置用凹部に位置決めする位置決め用マグネットが設けられた
請求項4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記複数の球体及び前記位置決め用マグネットが前記直交する面内において前記可動側マ
グネット及び前記磁性体の外側又は内側に配置された
請求項5に記載の操作装置。
【請求項7】
前記磁性体が前記回路基板に取り付けられ、
前記磁性体に素子配置孔が形成され、
前記素子配置孔に前記ホール素子が配置された
請求項1に記載の操作装置。
【請求項8】
前記キートップに前記球体側に開口された挿入用凹部が形成され、
前記配置用凹部に前記球体の少なくとも一部が挿入された
請求項3に記載の操作装置。
【請求項9】
前記回路基板の一部が、前記球体が配置される球体用配置部として形成され、
前記球体用配置部に同心円状のパターンが形成された
請求項3に記載の操作装置。
【請求項10】
前記キートップが前記キー配置孔の軸方向に直交する方向へ移動可能とされた被操作体と
前記被操作体に前記キー配置孔の軸方向へ移動可能に支持された被押圧操作部とによって
構成され、
前記被押圧操作部は操作が行われないときの非操作位置と操作されて所定の処理が実行
されるときの操作位置との間で移動され、
前記被押圧操作部が押圧されて前記操作位置に移動されたときに前記被操作体が操作さ
れたときに実行される処理と異なる処理が実行されるようにした
請求項1に記載の操作装置。
【請求項11】
前記回路基板上に複数の接続端子が形成され、
前記回路基板上に導電性を有する板バネが配置され、
前記被押圧操作部が操作されたときに前記板バネが弾性変形されて前記複数の接続端子
に接触され前記板バネを介して前記複数の接続端子同士の接続が行われ、
前記被押圧操作部に対する操作が解除されたときに前記板バネが弾性復帰されて前記複
数の接続端子同士の接続が解除されると共に前記板バネによって前記被押圧操作部が前記
非操作位置に移動されるようにした
請求項10に記載の操作装置。
【請求項12】
前記磁性体が前記回路基板に取り付けられ、
前記磁性体にバネ配置孔が形成され、
前記バネ配置孔に前記板バネが配置された
請求項11に記載の操作装置。
【請求項13】
前記磁性体に前記可動側マグネット側へ突出された凸部が設けられ、
前記可動側マグネットのN極とS極が前記可動側マグネットと前記磁性体が並ぶ方向と同じ方向に着磁された
請求項1に記載の操作装置。
【請求項14】
前記可動側マグネットと前記磁性体を円環状に形成した
請求項1に記載の操作装置。
【請求項15】
前記可動側マグネットは異なる極が周方向において交互に着磁され、
前記磁性体として異なる極が周方向において交互に着磁されたマグネットを用いた
請求項1に記載の操作装置。
【請求項16】
キー配置孔が形成された筐体と、
前記キー配置孔に一部が挿入されて配置され操作時に初期位置を基準として所定の方向
へ移動可能とされたキートップと、
前記キートップに取り付けられた可動側マグネットと、
前記可動側マグネットに対向した状態で固定され前記可動側マグネットとの間で発生す
る吸着力によって前記キートップに対して前記初期位置に移動させる方向への力を付与す
る磁性体と、
前記可動側マグネットによって発生する磁界により前記キートップの移動状態を検出す
るホール素子と、
前記ホール素子が搭載された回路基板とを備えた
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−33705(P2013−33705A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−7497(P2012−7497)
【出願日】平成24年1月17日(2012.1.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】