説明

操作装置

【課題】画像表示部に複数の小さな操作画像を近接して表示する場合であっても、操作性が悪化することのないタッチパネル式の操作装置を提供する。
【解決手段】操作受け付けのためのボタン又はアイコン等の複数の操作画像21を表示パネル20に表示し、操作装置はユーザによる操作画像21への接触操作をタッチパネルにて検知する。また、操作装置は、タッチパネルへの接触操作位置からユーザの接触操作に係る操作対象の一の操作画像21を特定し、特定した一の操作画像21を他の操作画像より拡大して表示する。操作装置は、一の操作画像21を徐々に大きくなるように拡大表示してもよく、操作画像21として球体の画像を表示してもよく、また、拡大した一の操作画像21が他の操作画像21に重なる場合には操作対象の一の操作画像21を優先して表示してもよい。操作装置は、直径18mmの円より大きくなるように操作画像21を拡大表示することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示部にメニュー又はアイコン等の操作画像を表示し、タッチパネルにより操作画像に対する接触操作を検知することによって、ユーザの操作を受け付けるタッチパネル式の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像表示部の表示面にタッチパネルを設けることによって、ユーザの操作を受け付けるタッチパネル式の操作装置が広く普及している。タッチパネル式の操作装置はその他のボタン又はスイッチ等を備える必要がないため、操作装置の小型化が容易であり、また、画像表示部に表示する画像を変更するのみで多種多様な操作の受け付けを行うことができるという利点がある。特にタッチパネル式の操作装置は、車輌内などの限られたスペースに配設される操作装置に適している。
【0003】
特許文献1においては、液晶表示ユニットの上部に配設された透明なタッチパネルに対して行われた押下操作を検出し、押下操作を検知した場合に振動ユニットを駆動して指先に振動を伝える構成のタッチパネル式入力装置が提案されている。このタッチパネル式入力装置は、振動によりキータッチ確認ができるため操作性を向上でき、また、タッチパネルを有する携帯用ゲーム機において表示画面及び音以外のユーザインタフェースを提供することができる。
【0004】
特許文献2においては、表示装置本体に対してタッチパネルを容易に位置決め固定することができるタッチパネル保持フレーム及びスペーサ部材と、これらを用いた表示装置とが提案されている。この表示装置では、タッチパネル保持フレームの第1位置決囲部が、表示装置本体のうち表示画面側の外周部を囲うように外嵌めされ、第2位置決囲部がタッチパネルの外周部を囲うようにして外嵌めされている。第2位置決囲部の内面側に形成された保持爪部がタッチパネルの外周部を抜止め係止する。また、第1位置決囲部及び第2位置決囲部の間に表示画面及びタッチパネルを一定間隔に保つスペーサ部を突設する。
【特許文献1】特開2000−137576号公報
【特許文献2】特開2004−264938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11は、従来のタッチパネル式の操作装置の構成を示す模式的断面図である。図において101は表示パネルである。表示パネル101の表示面上には、スペーサ部材103により所定の間隔を隔てて、タッチパネル102が配設してある。また、タッチパネル102の表面の周縁部分は、操作装置の筺体の一部である枠部材104に覆われている。操作装置は、表示パネル101に操作のためのボタン又はアイコン等の操作画像101a、101bを表示し、タッチパネル102にて操作画像101a、101bに対するユーザの接触操作を検知する。
【0006】
車輌に搭載されるタッチパネル式の操作装置は、車輌内前部のインストルメントパネルにおいて運転席及び助手席の間に配設される場合が多く、運転席又は助手席に座ったユーザが表示パネル101の表示面に対して斜め方向から接触操作を行う場合が多い。タッチパネル式の操作装置では、スペーサ103による表示パネル101及びタッチパネル102の間の距離と、タッチパネル102の厚さとの影響による視差を考慮して、表示パネル101に表示する操作画像101a、101bに対してタッチパネル102の検知エリア102a、102bを大きくする必要がある。
【0007】
例えば、図示のように表示パネル101及びタッチパネル102の距離をd1とし、タッチパネル102の厚さをd2とし、ユーザが斜めθ°から接触操作を行うとした場合、以下の(式1)にて算出される幅hの距離だけ検知エリア102a、102bは左右に操作画像101a、101bより大きくなければならない。
h = (d1+d2)tanθ …(式1)
【0008】
表示パネル101に表示する操作画像101a、101bよりタッチパネル102の検知エリア102a、102bを大きくするためには、表示パネル101に表示する複数の操作画像101a、101bの間の距離を十分に広くする必要がある。このため、表示パネル101に表示する操作画像101a、101bの数が制限され、より多くの操作画像101a、101bを表示するためには各101a、101bを小さくしなければならず、操作装置の操作性が悪化するという問題がある。表示パネル101及びタッチパネル102の距離d1、並びにタッチパネル102の厚さd2が大きい操作装置ほど、この問題が生じる可能性が高い。
【0009】
また、タッチパネル式の操作装置では、操作の際にユーザは画像表示部に指などを接触させる必要があり、指などを接触させることにより画像表示部の一部が隠れるため、画像表示部の視認性が悪いという問題がある。特に、画像表示部に複数の小さな操作画像が並べて表示されている場合、一の操作画像に対する接触操作によって、複数の操作画像がユーザの指などで隠され、ユーザはいずれの操作画像に対する接触操作が操作装置によって受け付けられたかを認識し難いため、操作装置の操作性が悪化する。これらの問題は、特許文献1に記載のタッチパネル式入力装置及び特許文献2に記載の表示装置が解決し得るものではない。
【0010】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、例えば画像表示部に複数の小さな操作画像を近接して表示する場合であっても、操作性が悪化することのないタッチパネル式の操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る操作装置は、画像表示部と、該画像表示部に操作受け付けのための複数の操作画像を表示する処理を行う表示処理手段と、前記画像表示部の表示面を覆って設けられ、接触操作を検知するタッチパネルと、該タッチパネルの検知結果を基に、前記画像表示部に表示された複数の操作画像から操作対象の一の操作画像を特定する特定手段とを備え、前記表示処理手段は、前記特定手段が特定した一の操作画像を、他の操作画像より拡大表示するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、操作を受け付けるためのボタン又はアイコン等の複数の操作画像を画像表示部に表示し、画像表示部に表示された操作画像への接触操作をタッチパネルにて検知する。画像表示部に多くの操作画像を表示し、且つ、視差の影響を考慮してタッチパネルの検知エリアを広く確保するためには、操作画像の表示サイズを小さくしなければならない。このような場合であっても、本発明の操作装置は、表示した複数の操作画像のうち、いずれの操作画像に対する接触操作であるかをタッチパネルの検知結果を基に調べて、操作対象の一の操作画像を特定し、更に特定した一の操作画像を、他の操作画像より拡大表示する。これにより、操作対象の操作画像の視認性を高めることができ、ユーザはいずれの操作画像に対する接触操作が操作装置により受け付けられたかを容易に認識することができる。
【0013】
また、本発明に係る操作装置は、前記表示処理手段が、前記一の操作画像が徐々に大きくなるように拡大表示を行うようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、操作対象として特定した一の操作画像を拡大表示する場合に、操作装置は一の操作画像が徐々に大きくなるように拡大表示を行う。即ち、操作装置は、アニメーション表示により一の操作画像を拡大表示する。これにより、操作対象の操作画像がいずれであるかをユーザがより確実に認識することができる。
【0015】
また、本発明に係る操作装置は、前記表示処理手段が、前記操作画像として球体の画像を表示し、前記特定手段が特定した一の操作画像として凹んだ球体の画像を表示するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る操作装置は、前記表示処理手段が、前記操作画像として中央部分が明るい円の画像を表示し、前記特定手段が特定した一の操作画像として中央部分が暗い円の画像を表示するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、操作画像として球体の画像を画像表示部に表示する。ユーザによる接触操作がなされた場合には、操作対象の一の操作画像として凹んだ球体の画像を拡大表示する。これにより、画像表示部に表示された球体を接触操作によって押し潰すイメージをユーザに与えることができ、操作装置の操作性を向上することができる。
また、操作画像として中央部分が明るい円の画像を表示し、操作対象の一の操作画像として中央部分が暗い円の画像を表示することによって、球体及び凹んだ球体の画像を表示する場合と同様の効果を得ることができる。
【0018】
また、本発明に係る操作装置は、前記表示処理手段が、前記一の操作画像を拡大表示したときに、前記一の操作画像と他の操作画像とが重なる場合には、前記一の操作画像を優先して表示するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、画像表示部に複数の操作画像を並べて表示する場合、操作対象の一の操作画像を拡大表示すると、拡大した一の操作画像とその周囲の他の画像とが重なる虞がある。このような場合には、操作対象である一の操作画像を優先して拡大表示する、即ち他の操作画像の上に一の操作画像を重ねて拡大表示することによって、操作画像が重なってもユーザは操作対象の操作画像がいずれであるかを確実に認識することができる。
【0020】
また、本発明に係る操作装置は、前記表示処理手段が、直径18mmの円より大きくなるように、前記一の操作画像を拡大表示するようにしてあることを特徴とする。
【0021】
本発明においては、拡大後の一の操作画像が直径18mmの円より大きくなるように、操作装置は一の操作画像の拡大表示を行う。これは、成人男性の人差し指の太さが17mm〜18mm程度であることから、一の操作画像を直径18mmの円より大きく拡大表示することによって、ユーザの人差し指が画像表示部に接触した状態であっても、拡大された操作画像が人差し指に全て覆い隠されることがないためである。
【0022】
また、本発明に係る操作装置は、前記表示処理手段が、前記タッチパネルへの接触操作位置を中心に外側へ向けて徐々に色又は明るさが変化する操作画像を拡大表示するようにしてあることを特徴とする。
【0023】
本発明においては、画像表示部への接触操作をタッチパネルが検知した際に、画像表示部への接触操作位置を取得する。この接触操作に係る一の操作画像を拡大表示する場合には、取得した接触操作位置を中心に外側へ向けて色又は明るさが徐々に変化する操作画像を拡大表示する。例えば液晶の画像表示部においては、ユーザの指などが画像表示部の表示面に接触することによって、画像表示部の接触部分及びその周囲が歪んで表示色が変化し、画像表示部の視認性が低下する場合がある。そこで、画像表示部への接触操作位置を中心に予め表示色を変化させた操作画像を拡大表示することによって、接触による表示色の変化に伴う視認性の低下を抑制することができる。
【0024】
また、本発明に係る操作装置は、前記タッチパネルが接触操作を検知した場合に、前記画像表示部に振動を与える振動発生手段を更に備えることを特徴とする。
【0025】
本発明においては、画像表示部への接触操作をタッチパネルが検知した場合に、操作装置は画像表示部に振動を与える。これによりユーザは、操作装置により接触操作が受け付けられたことを容易且つ確実に認識することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明による場合は、画像表示部に表示した複数の操作画像のうち、タッチパネルの検知結果から操作対象の一の操作画像を特定し、特定した一の操作画像を他の操作画像より大きく表示する構成とすることにより、ユーザはいずれの操作画像に対する接触操作が受け付けられたかを拡大された操作画像を視認することによって容易に認識することができる。よって、操作性を悪化させることなく、画像表示部に複数の小さな操作画像を近接して表示することができるタッチパネル式の操作装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る操作装置の構成を示すブロック図である。図において1は操作装置であり、車輌(図示は省略する)に搭載されたカーナビゲーション装置5、オーディオ装置6及びエアーコンディショナー(以下、エアコンという)装置7等の機器に対するユーザの操作を受け付ける装置である。操作装置1は、車輌内の前部に設けられたインストルメントパネルに配設された表示パネル20と、この表示パネル20の表示面に配設されて、ユーザによる接触操作を検知するタッチパネル30とを備える所謂タッチパネル式の操作装置である。
【0028】
表示パネル20は、液晶パネル又はPDP(Plasma Display Panel)等であり、カーナビゲーション装置5、オーディオ装置6及びエアコン装置7等の機器をユーザが操作するための種々の画像(操作画像)を表示する。表示パネル20に表示される操作画像は、例えば操作対象の選択、動作の開始/停止又は動作に係る設定値の変更等を行うためのメニュー又はアイコン等である。ユーザは表示パネル20に表示された操作画像に触れることでこれらの機器を操作することができる。
【0029】
タッチパネル30は、透明な抵抗膜が設けられた2枚のフィルムなどを対向配置して押圧力によるフィルム同士の接触を検知する抵抗膜方式のタッチパネル、又は、ユーザの指が触れることによって生じる電界の変化を容量の変化として検出する静電容量結合方式のタッチパネル等、種々の技術によるタッチパネルを利用することができる。
【0030】
また操作装置1は、表示パネル20に種々の画像を表示するための処理を行う描画部14、タッチパネル30の出力を基に接触操作の位置を取得する位置取得部15、各種のデータが記憶された記憶部12及び車輌中の他の機器との間でデータの送受信を行う通信部13と、これら各部の動作を制御する制御部11とを備えている。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)又は不揮発性のメモリ素子等で構成され、種々のプログラム及びデータが予め記憶してある。記憶部12には、表示パネル20に表示する画像に係るデータが記憶されている。
【0031】
通信部13は、車輌中に配されたネットワークケーブルなどに接続され、CAN(Controller Area Network)などの予め定められたプロトコルに従ってデータの送受信を行う。操作装置1が受け付けたユーザによる操作の内容は通信部13から各機器へ通知される。また、各機器の動作状態などの情報を通信部13は受信して制御部11へ与え、これにより制御部11は各機器の動作状態などを表示パネル20に表示することができる。
【0032】
描画部14は、制御部11の制御に従って、表示パネル20に表示する画像を生成し、生成した画像を表示パネル20へ画像信号として出力することによって、表示パネル20への描画を行う。描画部14は、例えば操作に係る画像表示を行う場合には、記憶部12から必要な画像を読み出して表示することができ、また例えば道路案内用の地図表示を行う場合には、通信部13を介してカーナビゲーション装置5から送信される画像又は情報を取得して地図画像を生成して表示することができる。
【0033】
位置取得部15は、タッチパネル30の出力を基に、ユーザによるタッチパネル30への(又は表示パネル20の表示面への)接触操作の位置を取得する。例えばタッチパネル30が抵抗膜方式の場合、接触操作がなされた際にタッチパネル30は接触操作位置に応じた電圧を出力するため、位置取得部15はタッチパネル30の出力電圧を調べることによって接触操作位置を取得することができる。位置取得部15は、取得した位置に係る情報を制御部11へ通知する。
【0034】
制御部11は、位置取得部15から与えられる情報を基に、表示パネル20に表示された操作画像のいずれに対して接触操作がなされたかを判断する、即ち、表示パネル20に表示された複数の操作画像から操作対象の一の操作画像を特定する。これにより制御部11は、ユーザが行った操作内容を判断することができ、操作内容に応じて表示パネル20の表示を更新するように描画部14を制御すると共に、通信部13を介して操作内容を対象となる機器へ送信する。
【0035】
本発明に係る操作装置1は、タッチパネル30にてユーザの操作を検知し、位置取得部15からの情報を与えられた制御部11が、操作対象の一の操作画像を特定し、この一の操作画像を拡大して表示することによって、操作を行ったユーザに接触操作を受け付けた旨を知らせる機能を備えている。図2は、本発明に係る操作装置1による表示パネル20の一表示例を示す模式図である。図3は、本発明に係る操作装置1による操作画像の拡大表示を説明するための模式図である。また、図4は、操作画像の拡大サイズを説明するための情報をまとめた表である。
【0036】
操作装置1は、例えば表示パネル20に略正方形の3つのアイコン(操作画像)21を、一定の間隔を隔てて横一列に並べて表示する(図2(a)参照)。本例では、初期状態(ユーザによる接触操作がなされていない状態)において、3つの操作画像21は同じ大きさであるものとするが、一例であってこれに限るものではない。ユーザによる接触操作がなされた場合、操作装置1はタッチパネル30の接触位置から操作対象の一の操作画像21を特定し、この一の操作画像21を他の操作画像21より拡大して表示する(図2(b)参照)。これにより、ユーザは接触操作を行った操作画像21が拡大表示されたことを視認して、操作装置1に接触操作が正しく受け付けられたことを確認することができる。なお、操作画像21の拡大表示は、ユーザによる接触操作を検知した後、約50ms程度の時間内に行うことが好ましい。
【0037】
また例えば、初期状態での操作画像21の表示サイズが10mm×10mmの正方形であったとする。このとき、本発明に係る操作装置1は、接触操作の対象となる一の操作画像21が少なくとも直径18mmの円(図3に破線で示す)より大きい表示サイズとなるように、操作画像21の拡大表示を行うようにしてある。
【0038】
成人女性の人差し指の太さ(第2指遠位関節幅)の平均値は約15mm〜17mmであり、成人男性の人差し指の太さの平均値は約17mm〜18mmである(図4参照、参考文献:”日本人の人体計測データ”、社団法人 人間生活工学研究センター発行)。ユーザがタッチパネル30に対して指を接触させた状態では、ユーザの指が表示パネル20の一部を覆い隠すため、操作対象となる一の操作画像21をユーザが視認することができなくなる。そこで、一の操作画像を少なくとも直径18mmの円より大きく拡大表示することによって、成人男性のユーザが接触操作を行った場合であっても、少なくとも操作画像21の一部分はユーザの指に覆い隠されることがなく、ユーザは拡大表示された操作画像21を視認することができる。
【0039】
図5は、本発明に係る操作装置1が行う操作受付処理の手順を示すフローチャートであり、操作装置1の制御部11にて行われる処理である。まず制御部11は、位置取得部15からの通知の有無により、ユーザによる接触操作がタッチパネル30により検知されたか否かを調べ(ステップS1)、接触操作が検知されていない場合には(S1:NO)、接触操作が検知されるまで待機する。接触操作が検知された場合(S1:YES)、制御部11は、位置取得部15による接触操作位置の取得を行って(ステップS2)、表示パネル20に表示した複数の操作画像21から操作対象の一の操作画像21を特定する(ステップS3)。
【0040】
次いで、制御部11は、特定した一の操作画像21を描画部14により表示パネル20に拡大して表示すると共に(ステップS4)、ユーザの操作内容をカーナビゲーション装置5、オーディオ装置6及びエアコン装置7等の他の機器へ通信部13を介して通知し(ステップS5)、処理を終了する。
【0041】
以上の構成の操作装置1においては、表示パネル20に表示した複数の操作画像21のうち、タッチパネル30への接触操作位置を基に操作対象の一の操作画像21を特定し、特定した一の操作画像21が他の操作画像21より大きくなるように拡大表示を行う構成とすることにより、ユーザはいずれの操作画像21に対する接触操作が操作装置1によって受け付けられたかを拡大表示された操作画像21を視認することによって容易に認識することができる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、操作画像21を拡大表示する場合に、直径18mmの円より大きくなるように操作画像21を拡大する構成としたが、これに限るものではない。初期状態において18mm以上のサイズで操作画像21を表示する場合には、操作対象の一の操作画像21を更に大きく表示する必要がある。このような場合には、初期状態の操作画像21の表示サイズに対して少なくとも1.2倍〜1.5倍程度に操作画像21を拡大して表示することが好ましい。また、タッチパネル30に対するユーザの指の接触面積を操作装置1が取得することができる構成であれば、例えば取得した接触面積の2倍以上に操作画像21を拡大するなどの構成としてもよい。
【0043】
また、本実施の形態に係る操作装置1は、車輌に搭載されるものとしたが、これに限るものではなく、車載以外の操作装置に本発明の構成を適用してもよい。操作装置1は、カーナビゲーション装置5、オーディオ装置6及びエアコン装置7等の機器に対する操作を受け付ける構成としたが、操作対象の機器は一例であってこれに限るものではない。また、図2及び図3に示した操作画像21の配置及び形状等は、一例であってこれに限るものではない。
【0044】
また、操作装置1による表示パネル20への操作画像21の表示及び拡大表示は、以下の変形例に示すように、その他の種々の方法で行うことができる。
(変形例1)
図6は、変形例1に係る操作装置1による操作画像21の拡大表示を説明するための模式図である。変形例1に係る操作装置1は、ユーザの接触操作に係る操作対象の操作画像21が徐々に大きくなるように拡大表示を行う。これは例えば、サイズが異なる複数の操作画像21を、サイズが小さいものから大きなものへ順に表示することによって実現でき、ユーザにはアニメーション表示により一の操作画像が徐々に拡大される視覚効果を与えることができるため、操作対象の一の操作画像21をユーザがより視認し易くすることができる。
【0045】
(変形例2)
図7は、変形例2に係る操作装置1が表示する操作画像21の一例を示す模式図である。変形例2に係る操作装置1は、ユーザの接触操作がなされない初期状態での操作画像21として、球体の画像(又は、中央部分が明るい円の画像)を表示パネル20に表示すると共に、接触操作の操作対象として特定した一の操作画像21として、中央が凹んだ球体の画像(又は、中央部が暗い円の画像)を表示する。これにより、球体形のボタンが指で押しつぶされて中央部が凹み、且つ、外側へ押し広げられる視覚効果をユーザに対して与えることができ、接触操作の操作対象として受け付けられた一の操作画像21をユーザがより認識し易くすることができる。
【0046】
(変形例3)
図8は、変形例3に係る操作装置1による表示パネル20の一表示例を示す模式図である。変形例3に係る操作装置1は、表示パネル20により多くの操作画像21を表示するために、複数の操作画像21を近接させて一列に並べて表示する(図8(a)参照)。操作画像21を近接させて表示する場合、操作対象の一の操作画像21を拡大表示すると、拡大した一の操作画像21及び隣接する他の操作画像21の一部又は全部が重なる。このような場合、操作装置1は、操作対象の一の操作画像21を他の操作画像21より優先して拡大表示する(図8(b)参照)。即ち、操作装置1は、他の操作画像21の上に位置の操作画像を重ねて拡大表示する。これにより、操作画像21が重なる場合であっても、ユーザは操作対象の一の操作画像21を容易に視認することができ、操作対象として受け付けられた一の操作画像21をユーザがより認識し易くすることができる。
【0047】
(変形例4)
図9は、変形例4に係る操作装置1による操作画像21の拡大表示を説明するための模式図である。例えば表示パネル20が液晶パネルなどである場合、ユーザの接触操作により表示パネル20の表示面が押圧され、指の接触部分及びその周囲の部分について表示パネル20が歪んで表示色が変化する可能性がある。そこで、変形例4に係る操作装置1は、位置取得部15によるタッチパネル30への接触操作位置(図9中において”×”で示してある)を中心に、同心円状に外側へ向けて徐々に色又は明るさが変化する操作画像21を拡大表示する。色又は明るさを予め変化させた操作画像21を拡大表示することによって、接触操作による表示パネル20の歪みにより生じる表示色の変化に伴う操作画像21の視認性の低下を抑制することができる。
【0048】
(変形例5)
図10は、変形例5に係る操作装置1の構成を示すブロック図である。変形例5に係る操作装置1は、表示パネル20の背面(表示面の反対側の面)に、表示パネル20に振動を与える振動発生部40を備えている。振動発生部40は、例えばモータと、このモータの回転軸に固定された非対称な形状の錘とを有し、モータにより錘を回転させ、周期的に錘を表示パネル20の背面に衝突させることによって振動を発生する構成とすることができる。振動発生部40は制御部11により動作が制御されており、制御部11はタッチパネル30に対するユーザの接触操作を検知した場合に振動発生部40を動作させて表示パネル20を振動させるようにしてある。これにより、接触操作を行ったユーザの指に振動を感じさせることができるため、ユーザは接触操作が操作装置1により受け付けられたことを容易且つ確実に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る操作装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る操作装置による表示パネルの一表示例を示す模式図である。
【図3】本発明に係る操作装置による操作画像の拡大表示を説明するための模式図である。
【図4】操作画像の拡大サイズを説明するための情報をまとめた表である。
【図5】本発明に係る操作装置が行う操作受付処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】変形例1に係る操作装置による操作画像の拡大表示を説明するための模式図である。
【図7】変形例2に係る操作装置が表示する操作画像の一例を示す模式図である。
【図8】変形例3に係る操作装置による表示パネルの一表示例を示す模式図である。
【図9】変形例4に係る操作装置による操作画像の拡大表示を説明するための模式図である。
【図10】変形例5に係る操作装置の構成を示すブロック図である。
【図11】従来のタッチパネル式の操作装置の構成を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 操作装置
5 カーナビゲーション装置
6 オーディオ装置
7 エアコン装置
11 制御部(表示処理手段、特定手段)
12 記憶部
13 通信部
14 描画部
15 位置取得部
20 表示パネル(画像表示部)
21 操作画像
30 タッチパネル
40 振動発生部(振動発生手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部と、
該画像表示部に操作受け付けのための複数の操作画像を表示する処理を行う表示処理手段と、
前記画像表示部の表示面を覆って設けられ、接触操作を検知するタッチパネルと、
該タッチパネルの検知結果を基に、前記画像表示部に表示された複数の操作画像から操作対象の一の操作画像を特定する特定手段と
を備え、
前記表示処理手段は、前記特定手段が特定した一の操作画像を、他の操作画像より拡大表示するようにしてあること
を特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記表示処理手段は、前記一の操作画像が徐々に大きくなるように拡大表示を行うようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記表示処理手段は、前記操作画像として球体の画像を表示し、前記特定手段が特定した一の操作画像として凹んだ球体の画像を表示するようにしてあること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記表示処理手段は、前記操作画像として中央部分が明るい円の画像を表示し、前記特定手段が特定した一の操作画像として中央部分が暗い円の画像を表示するようにしてあること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の操作装置。
【請求項5】
前記表示処理手段は、前記一の操作画像を拡大表示したときに、前記一の操作画像と他の操作画像とが重なる場合には、前記一の操作画像を優先して表示するようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項6】
前記表示処理手段は、直径18mmの円より大きくなるように、前記一の操作画像を拡大表示するようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項7】
前記表示処理手段は、前記タッチパネルへの接触操作位置を中心に外側へ向けて徐々に色又は明るさが変化する操作画像を拡大表示するようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項8】
前記タッチパネルが接触操作を検知した場合に、前記画像表示部に振動を与える振動発生手段を更に備えること
を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の操作装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−265768(P2009−265768A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111735(P2008−111735)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】