説明

操作装置

【課題】必要スペース及び部品点数の増大を伴うことなく2つの回転操作ノブを相互独立して回転操作可能な操作装置を提供する。
【解決手段】回転軸Lを中心に回転する第1回転操作ノブ120および第2回転操作ノブ140と、これら回転操作ノブ120,140を独立して回転可能に保持する回転操作ノブ保持部64を含む保持部材60とを設け、回転操作ノブ保持部64に回転軸Lを中心とする略円筒状の第1支持面64aと第2支持面64bとを設け、第1回転操作ノブ120に、第1スイッチ素子12に信号を出力させる第1スイッチ操作部38と第1支持面64a上を摺動可能な略円筒状の第1摺動面32bを設け、第2回転操作ノブ140に、第2スイッチ素子14に信号を出力させる第2スイッチ操作部58と第2支持面64b上を摺動可能な略円筒状の第2摺動面52bを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作される回転操作ノブを有する操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のインストゥルメントパネル等には、回転操作される回転操作ノブを備え、この回転操作ノブを回すことによってエアコンの温度や風量等の操作対象が操作されるようにした操作装置が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、パネルに、左右に2つの回転操作ノブが並んで配置されている操作装置が開示されている。具体的に、この操作装置は、パネルの裏側に配置される回路基板と、この回路基板上の左右の位置にそれぞれ設けられる2つの回転操作ノブと、各回転操作ノブをこれらの回転操作ノブが互いに平行な回転軸回りに回転可能となるようにそれぞれ保持する2つの保持部材と、前記各回転操作ノブの回転をそれぞれ検出するためのスイッチ素子とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−309954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の操作装置では、2つの回転操作ノブが互いに離間する位置に並べて配置されるので、その設置スペースの著しい増大及び回路基板の必要面積の増大が避けられない。さらに、各回転操作ノブがそれぞれ個別に保持部材によって保持されることから、操作装置全体の部品点数が多くなり、重量が大きくなるとともに取り付け手間がかかるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、必要スペース及び部品点数の大幅な増大を伴うことなく2つの回転操作ノブを相互独立して回転操作することが可能な操作装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、前後方向に延びる回転軸を中心に回転するように回転操作される第1回転操作ノブと、前記第1回転操作ノブの回転径方向の外側に配置されて、前記第1回転操作ノブの回転軸と共通の回転軸を中心に回転するように回転操作される第2回転操作ノブと、前記第1回転操作ノブと第2回転操作ノブとの間に介在してこれら第1回転操作ノブ及び第2回転操作ノブを両者が互いに独立して回転可能となるように保持する筒状の回転操作ノブ保持部を含む保持部材と、前記第1回転操作ノブの回転量に応じた信号を出力する第1スイッチ素子と、前記第2回転操作ノブの回転量に応じた信号を出力する第2スイッチ素子とを備え、前記回転操作ノブ保持部は、前記回転軸を中心とする略円筒状の第1支持面を含む内周面と、前記第1支持面よりも大径でかつ前記回転軸を中心とする略円筒状の第2支持面を含む外周面とを有し、前記第1回転操作ノブは、その回転周方向に並ぶ複数の位置に設けられて、前記第1スイッチ素子と対向する位置を通過するたびに当該第1スイッチ素子に第1検出信号を出力させる第1スイッチ操作部と、前記第1支持面上を前記回転周方向に摺動可能な略円筒状の第1摺動面を含む外周面とを有し、前記第2回転操作ノブは、その回転周方向に並ぶ複数の位置に設けられ、前記第2スイッチ素子と対向する位置を通過するたびに当該第2スイッチ素子に第2検出信号を出力させる第2スイッチ操作部と、前記第2支持面上を前記回転周方向に摺動可能な略円筒状の第2摺動面を含む内周面とを有することを特徴とする操作装置を提供する。
【0008】
この操作装置によれば、必要スペース及び部品点数の大幅な増大を伴うことなく2つの回転操作ノブを相互独立して回転操作することができる。
【0009】
すなわち、この操作装置では、前記第1スイッチ素子に第1検出信号を出力させる第1スイッチ操作部を有する第1回転操作ノブと、前記第2スイッチ素子に第2検出信号を出力させる第2スイッチ操作部を有する第2回転操作ノブとが、前記保持部材により共通の回転軸を中心として相互独立して回転可能に保持されているので、2つの回転操作ノブひいては2つのスイッチ素子が相互独立して操作可能とされつつ、これら回転操作ノブが個別の保持部材により個別の回転軸周りに保持される場合に比べて、保持部材の個数が低減するとともに、回転軸と垂直な方向の必要スペースが小さく抑えられる。
【0010】
しかも、この操作装置では、前記第1回転操作ノブの回転軸と第2回転操作ノブの回転軸の回転径方向の位置ずれが小さく抑えられて、操作装置の意匠性が高められる。
【0011】
すなわち、この操作装置では、前記回転操作ノブ保持部が、前記第1回転操作ノブと第2回転操作ノブとを、その外周面に含まれる第1支持面に沿って前記第1回転操作ノブの第1摺動面が摺動するように、かつ、その内周面に含まれる第2支持面に沿って前記第2回転操作ノブの第2摺動面が摺動するように保持して、前記第1回転操作ノブに加えて第2回転操作ノブの回転径方向の位置を決定しているので、これら回転操作ノブ間の回転径方向の位置ずれひいてはこれら回転操作ノブ間の回転軸の位置ずれが小さく抑えられる。
【0012】
本発明において、前記第1回転操作ノブ及び第2回転操作ノブの後方に配置される回路基板をさらに備え、前記回路基板に前記保持部材が固定されるとともに、当該回路基板のうち前記回転操作ノブ保持部の第1支持面よりも内側の部分に前記第1スイッチ素子が実装され、当該回路基板のうち前記回転操作ノブ保持部の第2支持面よりも外側の部分に前記第2スイッチ素子が実装されるのが好ましい(請求項2)。
【0013】
この構成によれば、前記第1回転操作ノブと第2回転操作ノブとを共通の前記回転操作ノブ保持部によりこの回転操作ノブ保持部の内外にそれぞれ保持しながら、これら回転操作ノブの回転量を、共通の回路基板において前記回転操作ノブの内外の位置に実装された前記第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とによって、それぞれ検出することができる。また、この構成では、前記第1スイッチ素子よび第2スイッチ素子が実装される回路基板に、前記第1回転操作ノブおよび第2回転操作ノブを保持する保持部材が固定されているので、各スイッチ素子に対する各回転操作ノブの位置ずれが小さく抑えられる。
【0014】
この場合において、前記第1スイッチ素子としては、前記第1スイッチ操作部の後方に配置されて前記第1回転操作ノブの回転に伴い前記各第1スイッチ操作部が通過するたびにこの第1スイッチ操作部によって前記第1回転操作ノブの回転周方向に操作される第1検出子と、この第1検出子が操作されるたびに前記第1検出信号を出力する第1スイッチ素子本体とを有するものが挙げられ、前記第2スイッチ素子としては、前記第2スイッチ操作部の後方に配置されて前記第2回転操作ノブの回転に伴い前記各第2スイッチ操作部が通過するたびにこの第2スイッチ操作部によって前記第2回転操作ノブの回転周方向に操作される第2検出子と、この第2検出子が操作されるたびに前記第2検出信号を出力する第2スイッチ素子本体とを有するものが挙げられる(請求項3)。
【0015】
また、本発明において、前記回転軸と平行な方向に沿って前記回路基板に近づく向きに変位するようにこの回路基板に近づく向きに押圧操作を受ける押圧操作ノブと、前記回路基板に実装され、押圧操作を受けて変位した前記押圧操作ノブからの押圧を受けて押圧検出信号を出力する押圧スイッチ素子とをさらに備え、前記第1回転操作ノブはその回転軸を囲む内側面をもつ中空状をなし、前記押圧操作ノブは、前記第1回転操作ノブの内側面で囲まれた空間内に配置された状態で前記保持部材により保持されるのが好ましい(請求項4)。
【0016】
この構成では、前記保持部材により、前記第1回転操作ノブおよび第2回転操作ノブに加えて前記押圧操作ノブが保持されており、この押圧操作ノブを保持するための保持部材を別途設ける場合に比べて、部品点数を少なく抑えつつ、前記第1回転操作ノブと第2回転操作ノブすなわち前記第1スイッチ素子と第2スイッチ素子に加えて押圧操作ノブすなわち押圧スイッチ素子の操作が可能となる。特に、前記押圧操作ノブは、前記第1回転操作ノブの内側面で囲まれた空間内に配置されており、押圧操作ノブが設けられつつ装置全体の大型化が抑制される。
【0017】
この場合において、前記保持部材は、前記回転操作ノブ保持部に加え、この回転操作ノブ保持部の内側に位置して前記押圧操作ノブをその押圧操作方向にスライド可能に保持する押圧操作ノブ保持部を有するのが好ましい(請求項5)。
【0018】
このようにすれば、前記押圧スイッチ素子に前記押圧操作ノブからの押圧力がより安定して伝達され、操作性が向上する。
【0019】
また、本発明において、前記第1回転操作ノブは、前記回転操作のために把持されることが可能な第1ダイアル部を含み、前記第2回転操作ノブは、前記第1ダイアル部よりも外側に位置して前記回転操作のために把持されることが可能な略円筒状の第2ダイアル部を含み、前記第1ダイアル部は前記第2ダイアル部よりも前記回転軸に沿った方向の前側に配置されるのが好ましい(請求項6)。
【0020】
この構成では、前記第1ダイアル部と第2ダイアル部の回転軸方向に沿った位置が異なるため、これら第1ダイアル部と第2ダイアル部とが間違って把持されるのが抑制される。このことは、操作装置の操作性を高める。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、必要スペース及び部品点数の大幅な増大を伴うことなく2つの回転操作ノブの相互独立した回転操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る操作装置がパネル部材に取り付けられた状態における概略斜視図である。
【図2】図1に示す操作装置の正面図である。
【図3】図1に示す操作装置の概略分解斜視図である。
【図4】図2のIV―IV線断面図である。
【図5】図2のV―V線断面図である。
【図6】図2のVI―VI線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、操作装置1がフロントカバー2に取付けられた状態の概略斜視図である。前記フロントカバー2は、自動車のインストゥルメントパネル等に固定される。図2は、図1の正面図である。図3は、操作装置1の概略分解斜視図である。図4は、図2のIV−IV線断面図である。図5は、図2のV−V線断面図である。図6のVI−VI線断面図である。
【0025】
前記操作装置1は、回路基板3と、内側回転操作ノブ(第1回転操作ノブ)120と、外側回転操作ノブ(第2回転操作ノブ)140と、保持部材60と、押圧操作ノブ70と、2つのスプリング82,82と各スプリング82,82の先端に固定される2つのプランジャ84,84とを有している。回路基板3には、内側スイッチ素子(第1スイッチ素子)12と、外側スイッチ素子(第2スイッチ素子)14と、タクトスイッチ素子(押圧スイッチ素子)16と、LED6とが実装されている。前記内側回転操作ノブ120は、内側ダイアル部(第1ダイアル部)20と、内側ホルダー30とを有している。また、前記外側回転操作ノブ140は、外側ダイアル部(第2ダイアル部)40と、外側ホルダー50とを有している。
【0026】
この操作装置1では、前記保持部材60により、前記内側回転操作ノブ120と前記外側回転操作ノブ140とが前後方向に延びる共通の回転軸Lを中心として回転するように保持されているとともに、前記押圧操作ノブ70が前記回転軸Lと平行な方向に沿ってスライド変位するように保持されている。そして、前記内側回転操作ノブ120が回転操作を受けて回転することでこの内側回転操作ノブ120により前記内側スイッチ素子12が操作され、前記外側回転操作ノブ140が回転操作を受けて回転することでこの外側回転操作ノブ140により前記外側スイッチ素子14が操作され、前記押圧操作ノブ70が押圧操作されて後方にスライド変位することでこの押圧操作ノブ70により前記タクトスイッチ素子16が操作される。本実施形態では、前記回転軸Lは、前記回路基板3と直交して延びている。
【0027】
各スイッチ素子の構造について説明する。
【0028】
前記内側スイッチ素子12は、内側スイッチ素子本体(第1スイッチ素子本体)12aと、内側検出子(第1検出子)12bとを有している。前記内側スイッチ素子本体12aは、回路基板3に、この回路基板3の表側方向すなわち前方に突出した状態で固定されている。前記内側検出子12bは、この内側スイッチ素子本体12aからさらに前方に突出している。この内側検出子12bは、回路基板3と平行な方向に力を受けると、前方に突出した起立状態から回路基板3と平行な方向に倒伏し、前記力が除去されると前記起立状態に復帰する。前記内側スイッチ素子本体12aは、前記内側検出子12bが倒伏するたびに所定の信号(第1検出信号)を出力する。
【0029】
前記外側スイッチ素子14は、前記内側スイッチ素子12と同様の構造を有している。この外側スイッチ素子14は、外側スイッチ素子本体(第2スイッチ素子本体)14aと外側検出子(第2検出子)14bとを有しており、これら外側スイッチ素子14および外側スイッチ素子本体14aとが回路基板3の表側方向に突出した状態で回路基板3に固定されている。この外側スイッチ素子14では、前記外側検出子14bが回路基板3と平行な方向に力を受けて倒伏するたびに、外側スイッチ素子本体14aが所定の信号(第2検出信号)を出力する。
【0030】
前記タクトスイッチ素子16は、タクトスイッチ素子本体16aとタクトスイッチ検出子16bとを有している。前記タクトスイッチ素子本体16aは、回路基板3に、前方に突出した状態で固定されている。前記タクトスイッチ検出子16bは、このタクトスイッチ素子本体16aからさらに前方に突出している。このタクトスイッチ検出子16bは、その前端面に回路基板3に向かう方向の力を受けると回路基板3から所定距離離間した位置から回路基板3に近づく方向に変位し、前記力が除去されると回路基板3から所定距離離間した位置に復帰する。前記タクトスイッチ素子本体16aは、前記タクトスイッチ検出子16bが回路基板3に近づく方向に変位するたびに所定の信号(押圧検出信号)を出力する。
【0031】
前記内側ダイアル部20および内側ホルダー30の構造について説明する。
【0032】
前記内側ダイアル部20と内側ホルダー30とは、前述のように、回転操作を受けることで前記回転軸Lを中心に回転して前記内側スイッチ素子12を操作する内側回転操作ノブ120を構成するものである。
【0033】
前記内側ダイアル部20は、前記回転軸Lを中心としてこの回転軸L方向に延びる略円筒状であって、回転軸Lを囲む内側面をもつ中空状を有している。この内側ダイアル部20の前側部分は、本操作装置1がフロントカバー2に取付けられた状態において、前記フロントカバー2よりも前方に突出して外部に露出しており、使用者により把持および回転操作される。この内側ダイアル部20の後端部には、前記内側ホルダー30に係止される被係止部20aが設けられている。
【0034】
前記内側ホルダー30は、前記回転軸Lを中心としてこの回転軸L方向に延びる略円筒状を有している。この内側ホルダー30は、内側摺動部32と、内側鍔部34と、内側操作感付与部36と、複数の内側スイッチ操作突起(第1スイッチ操作部)38とを有している。
【0035】
前記内側摺動部32は、前記回転軸Lを中心としてこの回転軸L方向に延びる略円筒状を有している。この内側摺動部32の外周面32aには、そのほぼ全体にわたる部分に、滑らかな面で構成された内側摺動面(第1摺動面)32bが形成されている。この内側摺動面32bは、前記回転軸Lを中心とする円柱面状すなわち円筒状であって、前記保持部材60の後述するダイアル保持部64の円柱面状すなわち円筒状の内側支持面(第1支持面)64aに沿って摺動可能な形状を有している。前記内側摺動部32の内周面には、前記内側ダイアル部20の被係止部20aと係合する係止部32cが形成されている。これら被係止部20aと係止部32cとの係合により、前記内側ホルダー30は、前記内側摺動部32の内側に前記内側ダイアル部20の後側部分が挿入された状態で、この内側ダイアル部20と一体に回転可能に連結されている。
【0036】
前記内側鍔部34は、前記内側摺動部32の後端部から内側すなわち前記回転軸L側に向かって突出している部分である。
【0037】
前記内側操作感付与部36は、前記スプリング82とプランジャ84とともに、使用者に良好な操作感を与えるための操作感付与機構を構成するものである。この内側操作感付与部36は、前記回転軸Lを中心とする略円筒状を有しており、前記内側鍔部34の後端面から後方に延びている。この内側操作感付与部36の内周面36aには、内側に突出する凸部が周方向に等間隔で形成されている。
【0038】
前記スプリング82は、前記保持部材60の後述する内側スプリング保持部68により、この内側スプリング保持部68と前記内側操作感付与部36の内周面36aとの間で回路基板3と平行な方向に圧縮された状態で固定されている。このスプリング82の固定端と反対側の端部に固定された前記プランジャ84は、このスプリング82の弾性反力により前記内側操作感付与部36の内周面36aに押し付けられている。前記内側ダイアル部20が回転操作されるに伴い前記内側ホルダー30が回転して、前記プランジャ84が押し付けられる箇所が前記凸部とこの凸部間の部分とで変化すると、前記スプリング82は回路基板3と平行な方向に伸縮する。このスプリング82の伸縮に伴いスプリング82から前記内側ホルダー30および内側ダイアル部20に加えられる力が変化することで、使用者に良好なクリック感が与えられる。
【0039】
前記内側スイッチ操作突起38は、前記内側スイッチ素子12と対向する位置を通過するたびにこの内側スイッチ素子12に第1検出信号を出力させる部分である。これら内側スイッチ操作突起38は、前記内側鍔部34の後端面から後方に突出している。これら内側スイッチ操作突起38は、前記回転軸Lを中心とする回転周方向に並ぶ複数の位置に等間隔に設けられている。前記内側スイッチ素子12は、これら内側スイッチ操作突起38が並ぶ円周上に、その内側検出子12bがこれら内側スイッチ操作突起38の回転周方向に沿って倒伏するように配置されている。これら内側スイッチ操作突起38は、前記内側スイッチ素子12を通過するたびに、この内側スイッチ素子12の前記内側検出子12bに側方から当接してこの内側検出子12bを倒伏させる。このようにして、前記内側スイッチ素子12は、この内側スイッチ操作突起38の通過量すなわち前記内側ホルダー30ひいては内側回転操作ノブ120の回転量に応じた信号を出力する。
【0040】
なお、前記内側スイッチ素子12は、前記内側検出子12bの倒伏方向すなわち前記内側回転操作ノブ120の回転方向に応じて異なる信号を出力するものであってもよいし、周方向の一方向に倒伏した場合すなわち前記内側回転操作ノブ120が正回転方向あるいは逆回転方向のいずれか一方向に回転操作された場合にのみ信号を出力するものであってもよい。
【0041】
前記外側ダイアル部40および外側ホルダー50の構造について説明する。
【0042】
前記外側ダイアル部40および外側ホルダー50は、前述のように、回転操作を受けることで前記回転軸Lを中心に回転して前記外側スイッチ素子14を操作する外側回転操作ノブ140を構成するものである。
【0043】
前記外側ダイアル部40は、前記回転軸Lを軸中心としてこの回転軸L方向に延びる略円筒状を有している。この外側ダイアル部40の前側部分は、本操作装置1がフロントカバー2に取付けられた状態において、前記フロントカバー2よりも前方に突出して外部に露出しており、使用者により把持および、回転操作される。この外側ダイアル部40は、前記内側ダイアル部20よりも大径であって、その内側に前記内側ダイアル部20を収容可能な内径を有している。この外側ダイアル部40の後端部には、前記外側ホルダー50に係止される被係止部40aが設けられている。
【0044】
前記外側ホルダー50は、前記回転軸Lを軸中心としてこの回転軸L方向に延びる略円筒状を有している。この外側ホルダー50は、外側摺動部52と、外側鍔部54と、外側操作感付与部56と、複数の外側スイッチ操作突起(第2スイッチ操作部)58とを有している。
【0045】
前記外側摺動部52は、前記回転軸Lを軸中心としてこの回転軸L方向に延びる略円筒状を有している。この外側摺動部52の内周面52aには、そのほぼ全体にわたる部分に、滑らかな面で構成された外側摺動面(第2摺動面)52bが形成されている。この外側摺動面52bは、前記回転軸Lを中心とする円柱面状すなわち円筒状であって、前記保持部材60の後述するダイアル保持部64の円柱面状すなわち円筒状の外側支持面(第2支持面)64bに沿って摺動可能な形状を有している。この外側摺動部52の外周面には、前記外側ダイアル部40の被係止部40aと係合する係止部52cが形成されている。これら被係止部40aと係止部52cとの係合により、前記外側ホルダー50は、前記外側ダイアル部40の後側部分の内側に前記外側摺動部52が挿入された状態で、この外側ダイアル部40と一体に回転可能に連結されている。
【0046】
前記外側鍔部54は、前記外側摺動部52の後端部から径方向外側に突出している部分である。
【0047】
前記外側操作感付与部56は、前記内側操作感付与部36と同様に、前記スプリング82とプランジャ84とともに、使用者に良好な操作感を与えるための操作感付与機構を構成するものである。この外側操作感付与部56は、前記回転軸Lを中心とする略円筒状を有しており、前記外側鍔部54の後端面から後方に延びている。この外側操作感付与部56の外周面56aには、外側に突出する凸部が周方向に等間隔で形成されている。
【0048】
前記スプリング82は、前記保持部材60の後述する外側スプリング保持部69により、この外側スプリング保持部69と前記外側操作感付与部56の外周面56aとの間で回路基板3と平行な方向に圧縮された状態で固定されている。このスプリング82の固定端と反対側の端部に固定された前記プランジャ84は、このスプリング82の弾性反力により前記外側操作感付与部56の外周面56aに押し付けられている。前記外側ダイアル部40が回転操作されて前記外側ホルダー50が回転して、前記プランジャ84が押し付けられる箇所が前記凸部とこの凸部間の部分とで変化すると、前記スプリング82は回路基板3と平行な方向に伸縮する。このスプリング82の伸縮に伴いスプリング82から前記外側ホルダー50および外側ダイアル部40に加えられる力が変化することで、使用者は良好なクリック感を得る。
【0049】
前記外側スイッチ操作突起58は、前記外側スイッチ素子14と対向する位置を通過するたびにこの外側スイッチ素子14に第2検出信号を出力させる部分である。これら外側スイッチ操作突起58は、前記外側鍔部54の後端面から後方に突出している。これら外側スイッチ操作突起58は、前記回転軸Lを中心とする回転周方向に並ぶ複数の位置に等間隔に設けられている。前記外側スイッチ素子14は、これら外側スイッチ操作突起58が並ぶ円周上に、その外側検出子14bがこれら外側スイッチ操作突起58の回転周方向に沿って倒伏するように配置されている。これら外側スイッチ操作突起58は、前記外側スイッチ素子14を通過するたびに、この外側スイッチ素子14の前記外側検出子14bに側方から当接してこの外側検出子14bを倒伏させる。このようにして、前記外側スイッチ素子14は、この外側スイッチ操作突起58の通過量すなわち前記内側ホルダー50ひいては外側回転操作ノブ140の回転量に応じた信号を出力する。
【0050】
なお、前記外側スイッチ素子14は、前記内側スイッチ素子12と同様に、前記外側検出子14bの倒伏方向すなわち前記外側回転操作ノブ140の回転方向に応じて異なる信号を出力するものであってもよいし、周方向の一方向に倒伏した場合すなわち前記外側回転操作ノブ140が正回転方向あるいは逆回転方向のいずれか一方向に回転操作された場合にのみ信号を出力するものであってもよい。
【0051】
前記押圧操作ノブ70の具体的構成について説明する。
【0052】
前記押圧操作ノブ70は、前述のように、押圧操作を受けて後方にスライド変位して前記タクトスイッチ16を操作するものである。
【0053】
前記押圧操作ノブ70は、前記回転軸Lを中心とする円板状のボタン部72と、このボタン部72の後面から後方に延びる略円筒状を有するボタン支持部74とを有している。この押圧操作ノブ70は、その外径が前記内側ダイアル部20の内径よりも小さく設定されており、この内側ダイアル部20の内側面で囲まれた空間内に前記ボタン支持部74の中心軸が前記回転軸Lと一致する位置に配置される。
【0054】
前記ボタン部72は、使用者により押圧操作を受ける部分である。このボタン部72は、前記内側ダイアル部20の内側面の前端で囲まれた空間を覆う位置に配置されており、前方に露出している。
【0055】
前記ボタン支持部74の外周面には、径方向外側に突出して前記回転軸L方向に延びるスライド部74aが設けられている。このスライド部74aは、前記保持部材60の後述する押圧操作ノブ保持部66の案内溝66b内に、この案内溝66bに沿って前後方向にスライド可能に配置される。前記押圧操作ノブ70は、前記スライド部74aが前記案内溝66bに沿って移動することで、前後方向すなわち前記回路基板3と接離する方向にスライド変位する。
【0056】
前記ボタン支持部74の後端の一部には、このボタン支持部74の後端から後方に延びて前記タクトスイッチ16を押圧操作するタクトスイッチ操作部74bが設けられている。このタクトスイッチ操作部74bは、使用者により前記ボタン部72に加えられた押圧力を前記タクトスイッチ16に伝達する。前記タクトスイッチ16は、このタクトスイッチ操作部74bの後方に、このタクトスイッチ操作部74bの後端面と前記タクトスイッチ検出子16bの前端面とが当接する位置に配置されている。このタクトスイッチ操作部74bは、前記ボタン部72が押圧されてこのボタン部72とともに前記ボタン支持部74が後方にスライド移動するのに伴い後方に移動し、前記タクトスイッチ検出子16bを後方に押圧する。
【0057】
前記ボタン支持部74の後端には、内側に向かって突出する被係止突起74cが設けられている。
【0058】
前記保持部材60の具体的構成について説明する。
【0059】
前記保持部材60は、前記回路基板3に固定されるベース部62と、ダイアル保持部(回転操作ノブ保持部)64と、押圧操作ノブ保持部66と、内側スプリング保持部68と、外側スプリング保持部69とを有している。
【0060】
前記ベース部62は、その略中央に貫通孔62aが形成された略円筒状を有している。このベース部62は、前記貫通孔62aの略中心を前記回転軸Lが通る位置で前記回路基板3に固定されている。
【0061】
前記ダイアル保持部64は、前記内側ホルダー30と前記外側ホルダー50との間に介在してこれらを保持するためのものである。このダイアル保持部64は、前記ベース部62の外周端よりも内側の位置において、このベース部62の前端面から前方に突出している。このダイアル保持部64は、前記回転軸Lを中心とする円筒状を有している。このダイアル保持部64の内周面64aは、前記回転軸Lを中心とする円筒状の内側支持面64aを構成している。このダイアル保持部64の外周面64bは、前記内側支持面64aよりも大径であって前記回転軸Lを中心とする円筒状の外側支持面64bを構成している。
【0062】
前記ダイアル保持部64の内側には、前記内側ホルダー30が、その前記内側摺動面32bが前記ダイアル保持部64の内側支持面64aと接触して、前記内側ホルダー30の回転に伴い前記内側摺動面32bが前記内側支持面64aに沿って摺動する状態で収容されている。この内側摺動面32bと内側支持面64aとの接触により、前記内側ホルダー30はその径方向の移動が規制されている。ここで、前述のように、前記ダイアル保持部64の内側支持面64aは、前記回転軸Lを中心とする円筒状を有している。従って、前記内側ホルダー30は、前記内側摺動面32bと内側支持面64aとが接触した状態で前記ダイアル保持部64の内側に収容されることで、このダイアル保持部64により、前記内側支持面64aと接触する前記内側摺動面32bひいては内側ホルダー30および内側ダイアル部20の中心軸が前記回転軸Lとなる位置に保持される。
【0063】
前記ダイアル保持部64の外側には、前記外側ホルダー50が、その内側に前記ダイアル保持部64と前記内側ホルダー30とを収容するとともに、その外側摺動面52bが前記ダイアル保持部64の外側支持面64bと接触して、前記外側ホルダー50の回転に伴い前記外側摺動面52bが前記外側支持面64bに沿って摺動する状態で、配置されている。前記外側摺動面52bと外側支持面64bとの接触により、前記外側ホルダー50はその径方向の移動が規制されている。ここで、前述のように、前記ダイアル保持部64の外側支持面64bは、前記回転軸Lを中心とする円筒状を有している。従って、前記外側ホルダー50は、前記外側摺動面52bと外側支持面64bとが接触する状態で前記ダイアル保持部64の内側に配置されることで、このダイアル保持部64により、前記外側支持面64bと接触する前記外側摺動面52bひいては外側ホルダー50および外側ダイアル部40の中心軸が前記回転軸Lとなる位置に保持される。
【0064】
前記外側ホルダー50および内側ホルダー30が前記ダイアル保持部64に保持されて、この外側ホルダー50と内側ホルダー30とがそれぞれ前記外側ダイアル部40と内側ダイアル部20とに連結された状態において、前記内側ダイアル部20は前記外側ダイアル部40の内側に位置しているとともに、この内側ダイアル部20は外側ダイアル部40よりも前方に突出している。すなわち、前記外側ダイアル部40および外側ホルダー50の前後方向の長さは、前記保持部材60に保持された状態において、その前端が、前記保持部材60に保持された状態の前記内側ダイアル部20の前端よりも前方に位置するように設定されている。このように、本操作装置1では、外側ダイアル部40と内側ダイアル部20の径方向および前後方向の位置が異なっており、使用者がこれらダイアル部20,40を誤って操作するのが抑制されている。
【0065】
前記ベース部62のうち前記ダイアル保持部64よりも内側の位置には、ベース部62の前端面から前方に突出する内側係止部62bが設けられている。本実施形態では、周方向の互いに離間した複数の位置にそれぞれ内側係止部62bが設けられている。この内側係止部62bには、前記ベース部62の前端面よりも前方に離間した位置において、径方向外側に向けて突出して回路基板3と平行に延びる係止面62cが形成されている。この内側係止部62bは、その係止面62cが前記内側ホルダー30の内側鍔部34の前端面に前方から当接することで、前記内側ホルダー30の前方への抜けを規制している。
【0066】
前記ベース部62の外周端すなわち前記ダイアル保持部64よりも径方向外側の位置には、ベース部62の前端面から前方に突出する外側係止部62dが設けられている。本実施形態では、周方向の互いに離間した複数の位置にそれぞれ外側係止部62dが設けられている。この外側係止部62dには、前記ベース部62の前端面よりも前方に離間した位置において、径方向内側に向けて突出して回路基板3と平行に延びる係止面62eが形成されている。この外側係止部62dは、その係止面62eが前記外側ホルダー30の外側鍔部54の前端面に前方から当接することで、前記外側ホルダー50の前方への抜けを規制している。
【0067】
前記ベース部62のうち前記ダイアル保持部64の内側支持面64aよりも内側であって、前記内側ホルダー30の前記内側スイッチ操作突起38が通過する位置には、このベース部62を前後方向に貫通する内側スイッチ素子貫通孔62fが形成されている。前記内側スイッチ素子12は、この内側スイッチ素子貫通孔62f内に、その前記内側検出子12bが前記ベース部62の前端面さらにはこの前端面の前方を通過する前記内側スイッチ操作突起38の後端よりも前方に突出してこの内側スイッチ操作突起38と接触可能な状態で、配置されている。また、内側スイッチ素子12は、この内側スイッチ素子貫通孔62f内に、前述のように、その内側検出子12bが前記回転軸Lを中心とする周方向に沿って倒伏する向きで配置されている。
【0068】
前記ベース部62のうち前記ダイアル保持部64の外側支持面64bよりも外側であって、前記外側ホルダー50の前記外側スイッチ操作突起58が通過する位置には、このベース部62を前後方向に貫通する外側スイッチ素子貫通孔62gが形成されている。前記外側スイッチ素子14は、この外側スイッチ素子貫通孔62g内に、その前記外側検出子14bが前記ベース部62の前端面さらにはこの前端面の前方を通過する前記外側スイッチ操作突起58の後端よりも前方に突出してこの外側スイッチ操作突起58と接触可能な状態で、配置されている。また、外側スイッチ素子14は、前述のように、その外側検出子14bが前記回転軸Lを中心とする周方向に沿って倒伏する向きで配置されている。
【0069】
本実施形態では、前記内側スイッチ素子貫通孔62gと前記外側スイッチ素子貫通孔62fとは、径方向に並んで形成されており、前記内側スイッチ素子12と前記外側スイッチ素子14とは径方向に並んで配置されている。
【0070】
前記押圧操作ノブ保持部66は、前記押圧操作ノブ70を保持するためのものである。この押圧操作ノブ保持部66は、前記ベース部62の内周端から前方に突出して前記回転軸Lを囲む筒状を有しており、前記ダイアル保持部64よりも内側に配置されている。この押圧操作ノブ保持部66の外周面には、前記回転軸Lと平行な方向に延びる案内溝66bが形成されている。前述のように、この案内溝66bは、前記ボタン支持部74のスライド部74aひいては前記押圧操作ノブ70を前後方向に案内する。また、この押圧操作ノブ保持部66の外周面には、前記押圧操作ノブ70の被係止突起74cと係合する係止部66cが設けられている。前記押圧操作ノブ70は、前記押圧操作ノブ70の被係止突起74cとこの係止部66cとが係合することで、その前記ボタン支持部74の内側にこの押圧操作ノブ保持部66の前側部分が挿入された状態で、この押圧操作ノブ保持部66に前後方向にスライド変位可能に保持されている。具体的には、押圧操作ノブ保持部66は、前記係止部66cが前記押圧操作ノブ70の被係止突起74cに前方から当接することで、この押圧操作ノブ70の前方への抜けを規制している。
【0071】
前記ベース部62のうち前記押圧操作ノブ保持部66よりも径方向外側であって、この押圧操作ノブ保持部66により保持された前記押圧操作ノブ70の前記タクトスイッチ操作部74bと対向する位置には、このベース部62を前後方向に貫通するタクトスイッチ貫通孔62hが形成されている。前記タクトスイッチ素子16は、このタクトスイッチ貫通孔62h内に、その前端面が前方に露出して前記タクトスイッチ操作部74bの後端面と当接する状態で配置されている。
【0072】
前記LED6は、前記押圧操作ノブ保持部66の内側面で囲まれた領域内であって前記回転軸L近傍の位置に配置されている。このLED6から発せられた光は、前記押圧操作ノブ保持部66の内側面で囲まれた空間を通り、前記押圧操作ノブ70のボタン部72を照明する。
【0073】
前記内側スプリング保持部68および外側スプリング保持部69は、それぞれ、前記各プランジャ82および各スプリング82を保持するためのものである。
【0074】
前記内側スプリング保持部68は、前記ノブ保持部66の内側面から回路基板3と平行に突出している。この内側スプリング保持部68は、前記ダイアル保持部64よりも内側の位置において、前記スプリング82の先端に固定された前記プランジャ84が前記ダイアル保持部64側を向き、かつ、このスプリング82が回路基板3と平行な方向に弾性変形する状態で、このスプリング82の他端を保持している。
【0075】
前記外側スプリング保持部69は、前記ベース部66よりも外側に配置されて回路基板3から前方に突出している。この外側スプリング保持部69は、前記ダイアル保持部64よりも外側の位置において、前記スプリング82の先端に固定された前記プランジャ84が前記ダイアル保持部64側を向き、かつ、このスプリング82が回路基板3と平行な方向に弾性変形する状態で、このスプリング82の他端を保持している。
【0076】
以上のように、本操作装置1では、前記保持部材60が、そのダイアル保持部64により、前記内側スイッチ素子12を操作する内側ホルダー30ひいては内側回転操作ノブ120と、前記外側スイッチ素子14を操作する外側ホルダー50ひいては外側回転操作ノブ140とを、それぞれ相互独立して共通の回転軸L周りに回転可能に保持しており、これら回転操作ノブ120,140を個別の保持部材が異なる回転軸周りに保持する場合に比べて、保持部材の個数を低減するとともに操作装置の必要スペースを小さく抑えることができる。
【0077】
しかも、前記内側ホルダー30と外側ホルダー50とは、前記ダイアル保持部64の外周面で構成された前記内側支持面64aと前記ダイアル保持部64の内周面で構成された前記外側支持面64bとに沿って摺動するように配置されて、共通のダイアル保持部64によってその径方向の位置が決定されており、これら内側ホルダー30と外側ホルダー50ひいては前記内側ダイアル部20と外側ダイアル部40との径方向の位置ずれを小さく抑えて、意匠性を高めることができる。
【0078】
ここで、前記内側スイッチ素子12と外側スイッチ素子14は、これらと対向する位置を前記内側スイッチ操作突起38および外側スイッチ操作突起58が通過するたびに信号を出力するものであればよく、その具体的構成は前記に限らない。例えば、非接触タイプのスイッチ素子であってもよい。
【0079】
また、各スイッチ素子12,14として、その検出子12b,14bが所定の方向に倒伏することで信号を出力するタイプのものを用いる場合においても、これらスイッチ素子12,14の配置は前記に限らない。例えば、各スイッチ素子12,14が、前記各スイッチ操作突起38,58の径方向内側あるいは外側に配置されており、各検出子12b,14bが前記回転軸Lと垂直な方向に突出していてもよい。ただし、前記実施形態のように、各スイッチ素子12,14を各スイッチ操作突起38,58の後方に、各検出子12b,14bがこれらスイッチ操作突起38,58の回転周方向に倒伏するように配置すれば、回転軸Lと直交する面において、これらスイッチ素子12,14を配置するための必要スペースを小さく抑えることができる。
【0080】
また、前記タクトスイッチ素子16およびこのタクトスイッチ素子16を押圧操作可能な前記押圧操作ノブ70は省略可能である。ただし、前記保持部材60に押圧操作ノブ保持部66を設け、この押圧操作ノブ保持部66が前記押圧操作ノブ70を前記内側ダイアル部20の内側面で囲まれた空間内に配置した状態で保持すれば、操作装置1の必要スペースを大幅に増大させることなく、前記内側回転操作ノブ120および外側回転操作ノブ140に加えてこの押圧操作ノブ70を操作することができる。
【0081】
また、前記押圧操作ノブ70のスライド部74aおよび前記押圧操作ノブ保持部66の案内溝66bは省略可能である。ただし、これらを設けて、前記押圧操作ノブ保持部66が前記押圧操作ノブ70を前後方向にスライド可能に保持すれば、押圧操作ノブ70からの押圧力が安定して前記タクトスイッチ素子16に伝達され、操作性が向上する。
【符号の説明】
【0082】
1 操作装置
3 回路基板
12 内側スイッチ素子(第1スイッチ素子)
12a 内側スイッチ素子本体(第1スイッチ素子本体)
12b 内側検出子(第1検出子)
14 外側スイッチ素子(第2スイッチ素子)
14a 外側スイッチ素子本体(第1スイッチ素子本体)
14b 外側検出子(第1検出子)
16 タクトスイッチ(押圧スイッチ素子)
20 内側ダイアル部(第1ダイアル部)
30 内側ホルダー
32b 内側摺動面(第1摺動面)
38 内側スイッチ操作突起(第1スイッチ操作部)
40 外側ダイアル部(第2ダイアル部)
50 外側ホルダー
52b 外側摺動面(第2摺動面)
58 外側スイッチ操作突起(第2スイッチ操作部)
60 保持部材
64 ダイアル保持部(回転操作ノブ保持部)
64a 内側支持面(第1支持面)
64b 外側支持面(第2支持面)
66 押圧操作ノブ保持部
120 内側回転操作ノブ(第1回転操作ノブ)
140 外側回転操作ノブ(第2回転操作ノブ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びる回転軸を中心に回転するように回転操作される第1回転操作ノブと、
前記第1回転操作ノブの回転径方向の外側に配置されて、前記第1回転操作ノブの回転軸と共通の回転軸を中心に回転するように回転操作される第2回転操作ノブと、
前記第1回転操作ノブと第2回転操作ノブとの間に介在してこれら第1回転操作ノブ及び第2回転操作ノブを両者が互いに独立して回転可能となるように保持する筒状の回転操作ノブ保持部を含む保持部材と、
前記第1回転操作ノブの回転量に応じた信号を出力する第1スイッチ素子と、
前記第2回転操作ノブの回転量に応じた信号を出力する第2スイッチ素子とを備え、
前記回転操作ノブ保持部は、前記回転軸を中心とする略円筒状の第1支持面を含む内周面と、前記第1支持面よりも大径でかつ前記回転軸を中心とする略円筒状の第2支持面を含む外周面とを有し、
前記第1回転操作ノブは、その回転周方向に並ぶ複数の位置に設けられて、前記第1スイッチ素子と対向する位置を通過するたびに当該第1スイッチ素子に第1検出信号を出力させる第1スイッチ操作部と、前記第1支持面上を前記回転周方向に摺動可能な略円筒状の第1摺動面を含む外周面とを有し、
前記第2回転操作ノブは、その回転周方向に並ぶ複数の位置に設けられ、前記第2スイッチ素子と対向する位置を通過するたびに当該第2スイッチ素子に第2検出信号を出力させる第2スイッチ操作部と、前記第2支持面上を前記回転周方向に摺動可能な略円筒状の第2摺動面を含む内周面とを有することを特徴とする操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置であって、
前記第1回転操作ノブ及び第2回転操作ノブの後方に配置される回路基板をさらに備え、
前記回路基板に前記保持部材が固定されるとともに、当該回路基板のうち前記回転操作ノブ保持部の第1支持面よりも内側の部分に前記第1スイッチ素子が実装され、当該回路基板のうち前記回転操作ノブ保持部の第2支持面よりも外側の部分に前記第2スイッチ素子が実装されることを特徴とする操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の操作装置であって、
前記第1スイッチ素子は、前記第1スイッチ操作部の後方に配置されて前記第1回転操作ノブの回転に伴い前記各第1スイッチ操作部が通過するたびにこの第1スイッチ操作部によって前記第1回転操作ノブの回転周方向に操作される第1検出子と、この第1検出子が操作されるたびに前記第1検出信号を出力する第1スイッチ素子本体とを有し、
前記第2スイッチ素子は、前記第2スイッチ操作部の後方に配置されて前記第2回転操作ノブの回転に伴い前記各第2スイッチ操作部が通過するたびにこの第2スイッチ操作部によって前記第2回転操作ノブの回転周方向に操作される第2検出子と、この第2検出子が操作されるたびに前記第2検出信号を出力する第2スイッチ素子本体とを有することを特徴とする操作装置。
【請求項4】
請求項2または3記載の操作装置であって、
前記回転軸と平行な方向に沿って前記回路基板に近づく向きに変位するようにこの回路基板に近づく向きに押圧操作を受ける押圧操作ノブと、前記回路基板に実装され、押圧操作を受けて変位した前記押圧操作ノブからの押圧を受けて押圧検出信号を出力する押圧スイッチ素子とをさらに備え、
前記第1回転操作ノブはその回転軸を囲む内側面をもつ中空状をなし、
前記押圧操作ノブは、前記第1回転操作ノブの内側面で囲まれた空間内に配置された状態で前記保持部材により保持されることを特徴とする操作装置。
【請求項5】
請求項4記載の操作装置であって、
前記保持部材は、前記回転操作ノブ保持部に加え、この回転操作ノブ保持部の内側に位置して前記押圧操作ノブをその押圧操作方向にスライド可能に保持する押圧操作ノブ保持部を有することを特徴とする操作装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の操作装置であって、
前記第1回転操作ノブは、前記回転操作のために把持されることが可能な第1ダイアル部を含み、
前記第2回転操作ノブは、前記第1ダイアル部よりも外側に位置して前記回転操作のために把持されることが可能な略円筒状の第2ダイアル部を含み、
前記第1ダイアル部は前記第2ダイアル部よりも前記回転軸に沿った方向の前側に配置されることを特徴とする操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−243493(P2011−243493A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116384(P2010−116384)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】