説明

攪拌具

【課題】 従来のマヨネーズ製造具は、一般家庭のために比較的少量のマヨネーズを作ることを考慮していない。そこで、本発明はマヨネーズなどの食材が比較的少量であっても、それを効率良く十分に混ぜ合わすことができる攪拌具を提供しようとするものである。
【解決手段】 駆動力によって回転する回転軸5に攪拌羽根7が取り付けられ、回転する攪拌羽根7の周囲を覆う中空の羽根カバー8が備えられ、攪拌羽根7の縁の一部が羽根カバー8の内周面に沿うように延びて内周面対向縁部である長縁部10を構成し、羽根カバー8の端部及び周壁9には被攪拌材の食材流通用の開放部である孔11及び開口12が設けられており、回転羽根7の回転時に長縁部10は周壁9に設けられた孔11から覗く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭において主にマヨネーズやドレッシングなどの流動性又は半流動性を有する食品を調理するための攪拌具に関する。
【背景技術】
【0002】
量販店で販売されているマヨネーズやドレッシングは通常防腐剤が添加されているから消費期限が比較的長く、ある程度の期間使用することが可能であるから、比較的大きめの容器に入れて販売されている。しかし、一般家庭でマヨネーズやドレッシングなどを作るときは防腐剤を添加しないから、販売されているマヨネーズなどの容器の量よりも少なく作って早めに使い切るようにすることが望ましい。従来のマヨネーズ製造具は業務用は勿論のことであるが家庭用のものであっても比較的多めのマヨネーズを作るためのものであり、円筒形の容器の中に容器一杯の大きさを有する攪拌羽根を入れて食材を攪拌している。この場合、少量のマヨネーズを作るために食材を少なくして容器の2〜3分目ほど食材を入れると、攪拌中に食材は容器の内周面にこびり付くだけであり食材を攪拌できない。したがって、少なくとも食材は容器の7分目程度は入れる必要がある。比較的少量の食材を容器に入れて容器の7分目程度まで満たされるためには、容器の底面の面積を小さくする必要がある。すなわち細めの円筒形とする。しかし、容器を細めの円筒形として食材を容器の7分目ほど入れて攪拌羽根を回転させると、食材は攪拌羽根の回転力をもろに受けるから、遠心力によって食材は容器の内周面を伝って容器からこぼれるのである。こぼれるのを防ぐためには、攪拌羽根と容器の内周面との間の距離を大きくすれば良いが、このようにするとドレッシングを効率良く十分に混ぜ合わすことができない。また、一般家庭用に比較的少量の食材を攪拌するためのハンドミキサーが存在するが、主に豆や小魚やゴマなどの固体の食材を粉砕しながら攪拌することを目的としており、マヨネーズやドレッシングを作ることには不適当である。
【0003】
さらに、従来のマヨネーズやドレッシングの攪拌器具では、食材である油と卵黄あるいは油と水の粒子を細かく均一に保つことができず、味や食感を損なう原因のひとつになるばかりでなく、乳化の状態を保つ時間が短く、すぐに元の状態に分離してしまうなどの点が指摘されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭52−108281号公報
【特許文献2】特開2005−52512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のマヨネーズ製造具は、一般家庭のために比較的少量のマヨネーズを作ることを考慮していない。また、食材である油と卵黄あるいは油と水の粒子を細かく均一に保つことができない。そこで、本発明はマヨネーズなどの食材が比較的少量であっても、それを効率良く十分に且つ好ましくは食材の粒子を細かく均一に保つように混ぜ合わせることができる攪拌具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1は、駆動力によって回転する回転軸に攪拌羽根が取り付けられ、回転する攪拌羽根の周囲を覆う中空の羽根カバーが備えられ、攪拌羽根の縁の一部が羽根カバーの内周面に沿うように延びて内周面対向縁部を構成し、羽根カバーの端部及び周壁には被攪拌材の食材流通用の開放部が設けられており、回転羽根の回転時に前記内周面対向縁部の少なくとも一部は開放部から覗く構成である。
【0007】
請求項2は、羽根カバーの周壁に設けられた開放部が孔である要素が請求項1に付加された構成である。
【0008】
請求項3は、孔が軸方向に細長く形成されている要素が請求項2に付加された構成である。
【0009】
請求項4は、内周面対向縁部を軸に垂直な方向から投影した軸方向の長さは、孔の軸方向の長さ以上の長さを有し、且つこの内周面対向縁部を軸に垂直な方向から投影した軸方向の長さの部分は前記孔の軸方向の長さの全長に亘って延びている要素が請求項2又は請求項3のいずれか一項に付加された構成である。
【0010】
請求項5は、内周面対向縁部と羽根カバーの内周面との隙間が1.0mm以下である要素が請求項1乃至請求項4のいずれか一項に付加された構成である。
【0011】
請求項6は、攪拌羽根の数が羽根カバーの周壁に設けられた開放部の数よりも少ない要素が請求項1乃至請求項5のいずれか一項に付加された構成である。
【0012】
請求項7は、食品を調理するための攪拌具であって、駆動力によって回転する回転軸に攪拌羽根が取り付けられ、回転する攪拌羽根の周囲を覆う中空の羽根カバーが備えられ、羽根カバーの内周面で構成される面は円筒形をなしており、羽根カバーの端部及び周壁には食材流通用の開放部が設けられている構成である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1は、回転する攪拌羽根の周囲を覆う中空の羽根カバーが備えられ、攪拌羽根の縁の一部が羽根カバーの内周面に沿うように延びて内周面対向縁部を構成し、羽根カバーの端部及び周壁には被攪拌材の食材流通用の開放部が設けられており、回転羽根の回転時に前記内周面対向縁部の少なくとも一部は開放部から覗くように構成されている。したがって、マヨネーズやドレッシングなどを作るときに食材の混ぜ合わせは羽根カバーの中で行われ、攪拌羽根が回転して開放部から覗く位置に来たときに、食材の一部が開放部を通って羽根カバーの外側に流出するので、羽根カバーの外側の食材は回転力をもろに受けることがなく食材が容器からこぼれ出す虞がない。このため、例えば少量の食材を比較的小さめの細長い円筒形の容器に入れた場合であっても食材をこぼれ出さずに混ぜ合わせることができる。また、攪拌羽根の内周面対向縁部が羽根カバーの内周面に沿うように延びているので、食材を内周面対向縁部と羽根カバーの内周面との間の狭い隙間で混ぜ合わせることになるから、食材を効率良く十分に混ぜ合わすことができる。
【0014】
請求項2は、羽根カバーの周壁に設けられた開放部が孔である。したがって、食材は孔を通って一定に流れるので効率的に食材を混ぜ合わすことができる。仮に、開放部が孔でなく羽根カバーの周壁の端部から上方に向かう切欠状である場合は、この開放部と周壁の端部に設けられている開放部とが連通する。このために、双方の開放部が連通する部分で食材の流れが乱れるので攪拌の効率性がやや劣ることになる。
【0015】
請求項3は、孔が軸方向に細長く形成されている。孔が細長く形成されているので、食材の流通量が増加して効率的に食材を混ぜ合わせることができる。また、孔は軸方向に細長く周方向には長くないから複数の孔を設けることができる。孔の縁は食材を分断するのに有効であり、孔の数を増やすことによって効率的に攪拌することができる。さらに、孔の周方向の長さが短いのでその分だけ攪拌羽根の内周面対向縁部が羽根カバーの内周面に対向する時間が長くなり、内周面対向縁部と羽根カバーの内周面の狭い隙間で効率的に食材を混ぜ合わすことができる。
【0016】
請求項4は、内周面対向縁部を軸に垂直な方向から投影した軸方向の長さは、孔の軸方向の長さ以上の長さを有し、且つこの内周面対向縁部を軸に垂直な方向から投影した軸方向の長さの部分は前記孔の軸方向の長さの全長に亘って延びている。したがって、攪拌羽根は孔の軸方向の全長を使って食材を流通させるから、効率的に食材を混ぜ合わすことができる。
【0017】
請求項5は、内周面対向縁部と羽根カバーの内周面との隙間が1.0mm以下である。したがって、複数の食材がこのように狭い隙間の間で混ぜ合わされるので、食材同士がすぐになじんで効率的に混ぜ合わせることができる。そして食材である油と卵黄あるいは油と水の粒子を細かくして且つ均一に保つことができるので、味や食感を損なうことがなく、乳化の状態を保つ時間が長く、元の状態に戻りにくいという効果を奏する。また、油の粒子を細かくするので油の表面積が増え、少ない油量でも同じ味を得ることができる。さらに、油量が抑えられるのでベタつかず旨みが引き出せるなど、味を向上させることができる。
【0018】
請求項6は、攪拌羽根の数が羽根カバーの周壁に設けられた開放部の数よりも少ない。攪拌羽根は、回転軸から半径方向に延びる部分を1つと数える。したがって、回転軸を中心に直径方向の両側に延びる攪拌羽根は2つと数えるものとする。仮に、攪拌羽根の数が開放部の数よりも多いと、攪拌羽根で開放部から流出させるべき食材の中に流出されない食材がわずかな時間であるが滞留し、攪拌の効率が悪くなる。攪拌羽根の数の方が開放部の数よりも少ないと、食材は常に開放部から流出するように流れているから、食材を効率的に混ぜ合わせることができる。
【0019】
請求項7は、駆動力によって回転する回転軸に攪拌羽根が取り付けられ、回転する攪拌羽根の周囲を覆う中空の羽根カバーが備えられ、羽根カバーの内周面で構成される面は円筒形をなしており、羽根カバーの端部及び周壁には食材流通用の開放部が設けられている。したがって、マヨネーズやドレッシングなどを作るときに食材の混ぜ合わせは羽根カバーの中で行われ、羽根カバーの内周面で構成される面は円筒形をなしているので、羽根カバーの外側の食材は攪拌羽根の回転力をもろに受けることがなく食材が容器からこぼれ出す虞がない。このため、例えば比較的少量の食材を小さめで細長い円筒形の容器に入れた場合であっても食材をこぼれ出さずに混ぜ合わせることができる。また、羽根カバーの内周面は円筒形をなしているので、食材をむらなく攪拌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の正面図
【図2】本発明におけるアタッチメントの斜視図
【図3】本発明におけるアタッチメントの一部を切除した斜視図
【図4】本発明におけるアタッチメントの拡大底面図
【図5】本発明におけるアタッチメントの他の実施例を示す一部断面図
【図6】本発明をスタンドにセットした斜視図
【図7】スタンドカバーを外しスタンドの内部を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に本発明の実施態様について説明する。本実施態様の攪拌具1は、主にマヨネーズやドレッシングなどのように流動性又は半流動性を有する食品を調理するために用いられる。したがって、食材も流動性又は半流動性を有するものが中心となる。攪拌具1は電動式である。攪拌具1は本体2と取り外し可能なアタッチメント3とから成る。アタッチメント3は外筒部4を有し、外筒部4の中に回転軸5が挿入されている。回転軸5は本体2の中に取り付けられているモータ(図示せず。)に連結され、モータの駆動力によって回転する。モータの回転数は約10000rpm〜20000rpmである。
【0022】
図3に示すように、回転軸5の端部に羽根取付け部6が固着され、この羽根取付け部6に4枚の攪拌羽根7,7,7,7が取り付けられている。すなわち、攪拌羽根7は羽根取付け部6を介して回転軸5に取り付けられている。したがって、攪拌羽根7は回転軸5から一定の距離をおいて回転軸5に取り付けられている。攪拌羽根7の形状は板状の長方形であり、攪拌羽根7の長さ方向が回転軸5と平行になるように攪拌羽根7は取り付けられている。また、攪拌羽根7は回転軸5を中心として半径方向に延びるように取り付けられている。図4に示すように、攪拌羽根7,7,7,7は十字形をなすように取り付けられている。
【0023】
外筒部4の端部に円筒形の羽根カバー8が取り付けられている。羽根カバー8は円筒形の周壁9を有している。羽根カバー8の内周面で構成される面も円筒形をなしている。攪拌羽根7は周壁9の内側で回転する。攪拌羽根7は、羽根カバー8の内周面に沿うように延びる内周面対向縁部を有しており、その内周面対向縁部に該当する縁部は羽根カバー8の長さ方向に延びる直線状の長縁部10である。この長縁部10と羽根カバー8の内周面との間の隙間25の幅は1.0mm以下の非常に小さな距離であることが好ましく0.3mm〜0.7mmであることがさらに好ましい。しかし、本発明はこの数値に限定されるものではない。前述した羽根取付け部8は羽根カバー8の端部からやや引っ込んだ位置に設けられており、そのために羽根取付け部8と羽根カバー8の端部との間に空間部が生じている。この空間部によって効率良く攪拌することができる。
【0024】
羽根カバー8の周壁9には食材流通用の開放部である6つの孔11が周方向且つ等間隔に設けられている。孔11は長さ方向すなわち軸方向に細長い長孔である。孔11の長さは、攪拌羽根7の長縁部10を回転軸5に垂直な方向から投影した軸方向の長さよりも短い。ここで、長縁部10が回転軸5と平行であるから、長縁部10を回転軸5に垂直な方向から投影した軸方向の長さは長縁部10と同じ長さである。仮に、攪拌羽根7がねじられていて長縁部10がやや寝るように傾斜しているときは、長縁部10を回転軸5に垂直な方向から投影した軸方向の長さは長縁部10の実際の長さよりも短くなる。本実施態様において、攪拌羽根7の長縁部10の長さは孔11の長さよりも長く、且つその長縁部10は孔11の長さ方向の全長を越えて延びている。したがって、攪拌羽根7の回転中に、孔11の全長に亘って攪拌羽根7の長縁部10が孔11から覗くので、攪拌羽根7により孔11の全長に亘って食材が一気に流出し、効率的な攪拌を行うことができる。
【0025】
羽根カバー8の端部には、食材流通用の開放部である開口12が設けられている。開口12は、羽根カバー8の端部を全面的に開放して設けられている。開口12を設けることにより、食材を羽根カバー8の中に円滑に流入させることができる。攪拌羽根7の一方の端部は開口12に近接した位置まで届いているが、攪拌羽根7の他方の端部は羽根カバー8の天井面13付近までは届いておらず、攪拌羽根7の他方の端部と羽根カバー8の天井面13との間に空洞部26が生じている。この空洞部26を囲む周壁9に孔11と別の孔を設けてもよい。これにより、この別の孔からも食材を流入させることができ効率良く攪拌することができる。なお、羽根カバー8の外径は約19.5mmであり、攪拌羽根7の長縁部10の長さは約17mmであり、攪拌羽根7の厚みは約1mmである。また、孔11の長さは約13mmであり、孔11の周方向の幅は約4mmである。但し本発明はこの数値に限定されるものではない。攪拌羽根7及び羽根カバー8の材質は例えばステンレス鋼やチタンなどの錆びにくい材質が好ましく、合成樹脂や無垢のアルミニウムあるいはそれらの表面をメッキなどで被覆処理したものを用いても差し支えない。
【0026】
次に本発明の使用法についてマヨネーズを例にとって説明する。適当な容器にマヨネーズの食材である卵黄、サラダ油その他の食材を入れる。次いで、攪拌具1の本体2を手で持って、攪拌羽根7及び羽根カバー8を食材の中に漬け入れる。次いで、電源のスイッチを押してモータを回して攪拌羽根7を回転させる。食材は開口12から流入し、孔11から流出することによって効率良く攪拌される。特に、攪拌羽根7の長縁部10と羽根カバー8の内周面との間の隙間25の幅が非常に狭く、食材はその非常に狭い区域で混ぜ合わされることになるから、さらに食材を効率良く十分に混ぜ合わすことができる。また、前述したように、攪拌羽根7の一方の端部は開口12に近接した位置まで届いているが、攪拌羽根7の他方の端部は羽根カバー8の天井面13付近までは届いておらず、攪拌羽根7の他方の端部と羽根カバー8の天井面13との間に空洞部26が生じている。したがって、この空洞部26にも食材が存在し、攪拌羽根7の回転によって孔11の上部から流出した食材に代わって空洞部26内の食材が攪拌羽根7に供給されることになるので、効率的に攪拌することができる。すなわち、空洞部26の存在によって、開口12から流入した食材は空洞部26を通って孔11の上部から流出させることができるので食材の流通が活発化されるのである。
【0027】
さらに、前述したように、攪拌羽根7は羽根取付け部6を介して回転軸5に取り付けられている。したがって、攪拌羽根7は回転軸5から一定の距離をおいて回転軸5に取り付けられている。これにより、攪拌羽根7と回転軸5との間に隙間が生じ、食材はその隙間を通ることによっても攪拌されるので食材の流通がさらに活発化される。
【0028】
図5は、本願発明の羽根カバー及び攪拌羽根の他の実施例である。羽根カバー14は円錐台形に形成され、攪拌羽根15、15は羽根カバー14の内周面に沿うように下方に行くに従って外側に広がるように形成されている。2つの攪拌羽根15が回転軸16に直接的に取り付けられている。また、羽根カバー14に4つの孔17が設けられている。
【0029】
図6は、攪拌具1をスタンド18に掛けた状態を示している。スタンド18はスタンド本体19とカバー20とから成る。カバー20によりスタンド18全体の外観をすっきりさせることができる。また、スタンド18内への埃などの侵入を防止できる。カバー20を上方に引き上げることによりスタンド本体19から外すことができる。スタンド18の上面にコード挿通孔21が設けられており、攪拌具1のコード22をこのコード挿通孔21から挿入しスタンド18のコード巻き付け部27に巻き付けることにより収納することができる。また、図7はスタンド18からカバー20を外した状態を示している。スタンド18の内部に2つのアタッチメント3,23をそれぞれの掛け止め部24に掛けておくことができる。アタッチメント23は泡立て用のものである。符号28はスタンド18内に収納された回転調理羽根であって、アタッチメント(図示せず。)に取り付けて肉や野菜をつぶしたり刻んだりするなどの食材処理をすることができる。符号29はスタンド18内に収納された粉砕用容器であって、この中に豆や小魚やゴマなどを入れ、粉砕羽根を取り付けたアタッチメントの端部を粉砕用容器の蓋に係合すると共に粉砕羽根を容器の中に入れて粉砕することができる。
【0030】
なお、本発明は前述した構成に基づいて種々の態様をとることが可能である。例えば、羽根カバー8の周壁9に設けられた食材流通用の開放部は孔でなく、孔の一端が開口12まで届くU字形の切欠状開放部であってもよく、回転軸方向と平行でなく斜め方向に延びるものであってもよい。攪拌羽根7の数は、羽根カバー8の周壁9に設けられた孔の数と同じでもよく、それより多くてもよい。攪拌羽根7の長縁部10の長さは孔11の長さと同じでもよく、それより短くてもよい。攪拌羽根7の他方の端部が羽根カバー8の天井面13付近まで届き、その攪拌羽根7の他方の端部と羽根カバー8の天井面13との間に空洞が生じなくてもよい。攪拌具1はアタッチメント式でなく外筒部4や羽根カバー8が攪拌具1に恒久的に取り付けられたものであってもよい。攪拌羽根7の回転は手動であっても差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0031】
攪拌羽根の周囲を覆う羽根カバーを設け、羽根カバーの周壁に食材流通用の開放部を設けることにより、食材を効率良く十分に混ぜ合わすことができる攪拌具を提供できる。
【符号の説明】
【0032】
1 攪拌具
2 本体
3 アタッチメント
4 外筒部
5 回転軸
6 羽根取付け部
7 攪拌羽根
8 羽根カバー
9 周壁
10 長縁部
11 孔
12 開口
13 天井面
14 羽根カバー
15 攪拌羽根
16 回転軸
17 孔
18 スタンド
19 スタンド本体
20 カバー
21 コード挿入孔
22 コード
23 アタッチメント
24 掛け止め部
25 隙間
26 空洞部
27 コード巻き付け部
28 回転調理羽根
29 粉砕用容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を調理するための攪拌具であって、駆動力によって回転する回転軸に攪拌羽根が取り付けられ、回転する攪拌羽根の周囲を覆う中空の羽根カバーが備えられ、攪拌羽根の縁の一部が羽根カバーの内周面に沿うように延びて内周面対向縁部を構成し、羽根カバーの端部及び周壁には被攪拌材の食材流通用の開放部が設けられており、回転羽根の回転時に前記内周面対向縁部の少なくとも一部は開放部から覗くことを特徴とする攪拌具。
【請求項2】
羽根カバーの周壁に設けられた開放部は孔である請求項1記載の攪拌具。
【請求項3】
孔は、回転軸方向に細長く形成されている請求項2記載の攪拌具。
【請求項4】
前記内周面対向縁部を回転軸に垂直な方向から投影した軸方向の長さは、孔の軸方向の長さ以上の長さを有し、且つこの内周面対向縁部を軸に垂直な方向から投影した軸方向の長さの部分は前記孔の軸方向の長さの全長に亘って延びている請求項2又は請求項3のいずれか一項記載の攪拌具。
【請求項5】
内周面対向縁部と羽根カバーの内周面との隙間が1.0mm以下である請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の攪拌具。
【請求項6】
攪拌羽根の数は羽根カバーの周壁に設けられた開放部の数よりも少ない請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載の攪拌具。
【請求項7】
食品を調理するための攪拌具であって、駆動力によって回転する回転軸に攪拌羽根が取り付けられ、回転する攪拌羽根の周囲を覆う中空の羽根カバーが備えられ、羽根カバーの内周面で構成される面は円筒形をなしており、羽根カバーの端部及び周壁には食材流通用の開放部が設けられていることを特徴とする攪拌具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−273770(P2010−273770A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127589(P2009−127589)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 〔発行者名〕 貝印株式会社〔刊行物名〕 「Next 100/2009年度新製品発表会/KAI for 2009」と題されたパンフレット〔発行年月日〕 平成20年12月9日
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)
【Fターム(参考)】