支持本体、同支持本体用の保持装置、このような本体を備えたウェブを処理するための装置、同装置に延在ニップを形成する方法、及びニップでの負荷を制御する方法
延在ニップ(N)を持つ装置用の支持本体(7)であって、延在ニップは、支持本体の接触表面(13)及び対向する表面(4)により画成され、互いから反対方向に向いており且つ接触表面に連結された二つの側面(69、70)及び接触表面とは反対方向に面する底面(71)を有し、ニップに接触表面を介して負荷を加えるため、負荷システムにより対向する表面に向かう方向に移動されるように構成されている、支持本体である。本発明によれば、支持本体は弾性変形可能で、その接触表面を対向する表面にこの表面との相互作用にて適合できる。本発明は更に、このような支持本体及び装置、例えば繊維ウェブの処理を行うためのプレス用の保持装置に関する。前記装置はこのような支持本体を有する。更に本発明は、負荷システムにより支持本体に負荷を加えることにより前記装置に延在ニップを形成する方法並びに弾性が異なる少なくとも二つの層を含む支持本体を対応する負荷プロファイルを提供するように設計して延在ニップの負荷を制御する方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延在ニップを持つ装置用の支持本体であって、延在ニップは、支持本体の接触表面及び対向する表面によって画成され、前記支持本体は、
− 互いから反対方向に向いており且つ前記接触表面に連結された二つの側面、及び接触表面とは反対方向に面する底面を有し、及び
− ニップに前記接触表面を介して負荷を加えるため、負荷システムによって対向する表面に向かう方向に移動されるように構成されている、支持本体に関する。
【0002】
本発明は、更に、このような支持装置用の保持装置に関する。
【0003】
本発明は、更に、抄紙機又は板紙抄紙機で製造した繊維ウェブの処理を行うための装置/プレスであって、第1構造エレメント、及び移動自在に構成されており且つ延在ニップを形成する際に前記第1構造エレメントと相互作用するための対向する表面を持つ第2構造エレメントを含み、前記第1構造エレメントは、移動自在のクロスを有し、支持装置/プレスは、前記対向する表面とともに前記ニップを画成する接触表面/プレス表面を持つ支持本体を含み、前記接触表面/プレス表面は、
− 互いに反対方向に面しており且つ前記接触表面/プレス表面に連結された二つの側面、及び前記接触表面/プレス表面とは反対方向に向いた底面を有し、
− 前記接触表面/プレス表面を介して前記ニップに負荷を加えるため、負荷システムによって前記対向する表面に向かう方向で移動されるように構成されている、装置/プレスに関する。
【0004】
本発明は、更に、前記支持本体を含む装置に延在ニップを形成する方法に関する。
【0005】
本発明は、更に、前記支持本体を含む装置の延在ニップの負荷を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0006】
延長プレスニップを持つ従来既知のプレスは、アルミニウムや鋼等の金属材料でできたいわゆるプレスシューを有する。このプレスシューは、通常は凹状のプレス表面を持つように設計されている。プレス表面は対向するカウンタ圧力表面と非常に正確に適合する。このようなプレスシューは、製造が非常に複雑であり、及び従って、非常に費用がかかる。金属で形成されているため、比較的剛性であり且つ非可撓性である。このようなプレスシューのカウンタロールとして作用するプレスロールは、シリンダ壁が比較的厚く、プレスシューからの力に耐える。カウンタロールの別の例によれば、比較的薄いシリンダ壁を有し、この薄く及びかくして変形可能なシリンダ壁又はシェルを、所望の負荷を得るためにプレスシューがカウンタロールに加えなければならない力に応じて調節自在にクラウニング(crowning)するためのカウンタ圧力システムを内部に備えている。更に、プレスシューが、カウンタロールのクラウンに従ったクラウンを備えているのがよく、その場合、このカウンタロールとの組み合わせのみで使用できる。別の態様では、液圧シリンダによって金属製プレスシューを傾けることができる。
【0007】
ヤンキーシリンダは、比較的薄いシリンダ壁又はシェルを有し、ヤンキーシリンダをカウンタロールとして使用した場合、プレスシューの窪みにより容易に変形する。シェルの変形は、軸線方向で、中央領域から端壁に向かう方向で変化する。端壁では、窪みは中央領域内よりもかなり小さい。従って、プレスシューは、端壁で又はその近くで高い圧力で作用し、その結果、プレスフェルトの縁部の磨耗が増大し、プレスシューに沿った負荷プロファイルが不規則になり、紙の性質が機械方向に対して横方向で変化する場合がある。内部カウンタ圧力システムによってヤンキーシリンダのシェルにクラウンを施すこと、又はプレスシューに作用を及ぼし、変形した表面と形態を一致するため、プレスシューの下側に二列又はそれ以上の液圧シリンダを配置することが提案されてきた。これらは両方とも、負荷プロファイルを更に均等にするためである。しかしながら、これらの提案は、両方とも複雑であり、実施するのに費用がかかる。
【0008】
以下の文献は、延長プレスニップを持つプレスの例である。
【0009】
ドイツ国特許第DE 44 05 587号及びWO 02/44467には、プレスシュー3又は同じ設計のダブルプレスシュー3a、3bを含む液圧式支承体を持つプレスが記載されている。プレスベルト6がプレスシュー3の潤滑流体床の上で非常に小さい摩擦で転動する。金属製のプレスシューは、好ましくは水である液圧流体が入った圧力チャンバ10を有する。適当な固体材料、好ましくはステンレス鋼製の矩形の圧力等化膜20がプレスシューのプレスニップ側に固定されている。圧力等化膜20は、外縁部26、内縁部22、及び内縁部22が画成する開口部27を有する。かくしてフレームのように見える圧力等化膜20は可撓性であり、そのため、その二つの側部の間で圧力差が発生したとき、液圧流体と直接接触した状態を保持した縁部ゾーン21が撓むことができる。これらの圧力差は、紙ウェブ及び/又はカウンタロールの包絡面の凹凸により液圧流体がプレスニップを通って漏出したときに発生する。かくして、可撓性圧力等化膜20は、液漏れがないか或いはほんの僅かな自動調節ニップ2を形成する。かくして、圧力チャンバ10内の圧力流体は、圧力等化膜20の開口部27を通って移動自在のベルトと直接接触した状態を保持する。前記WO刊行物を前記DE刊行物と比較して行われた補足的追加は、ベルトの潤滑を行うために圧力チャンバ10からベルト6に液圧流体を導くため、可撓性膜の自由縁部ゾーン21に「ピンホール25」を設けることである。
【0010】
米国特許第5,980,693号には、チューブ状の少なくとも一つの膨張可能な負荷エレメントを持つが、負荷エレメントとベルトの内側との間に金属シューがないプレスが記載されている。更に、シューのこの部分は、ニップ出口の圧力をゆっくりと減少するために構成されている。通常は、圧力がいきなり低下するのが望ましい。
【0011】
米国特許第3,839,147号には、二つの対向するシューを持つシュープレスが記載されている。各シューは、ベルトの内側に対してシールする金属製底部及び下台を有する。ベルトに面するシューの側部は有孔膜であり、これにより圧力チャンバ内の液圧流体の圧力でベルトの内側を直接押圧する。シューは、比較的複雑な構造であり、様々な孔及び強化体を含む。
【0012】
米国特許第5,951,824号には、通常の液圧負荷エレメントを持つ通常のシューが記載されている。シューは、プレスニップを通過する紙の塊(paper wads)がシューやベルトを損傷しないようにするため、ポリマー又はゴムでできた柔らかく且つ丈夫な層でコーティングしてある。
【0013】
欧州特許第EP 0 575 353号には、金属製カバーの内側にベローズが配置され、ベルトが前記金属製カバーの周囲を摺動するシューを持つプレスが記載されている。
【0014】
米国特許第6,334,933号には、金属プレート及びホースによってシールされた複数の圧力ポケットが設けられた金属製カウンタパートを持つプレスが記載されている。このプレスもまた、プレスニップの対向する部分に負荷を加えるのに役立つ。
【0015】
米国特許第6,387,216号には、上側をベルトが走行し、プレスニップに負荷を加える開放流体チャンバを持つプレスが記載されている。チャンバは、ベルトに圧力を加えることによってシールされ、そのため、チャンバの縁部上に締め付けられる。
【0016】
欧州特許第EP 1 319 744号には、プレスニップの計測穴の上方の基準点での液圧静圧を計測し、連続的に適合することによって、プレスシューのニップ圧力をウェブに対して横方向に及びウェブに沿って計測し、調節するための方法が記載されている。
【0017】
ドイツ国特許第DE30 30 233号には、金属製スタンドに取り付けられた弾性スライドシューが記載されている。スライドシューは、スライド本体、即ち圧力媒体で充填できるホースの形態の中空本体を含む。ホースは、金属製スタンドに取り付けられた弾性ベルトによって取り囲まれている。中空本体は、様々な圧力に加圧できるチャンバに分割できる。しかしながら、一つ又はそれ以上のチャンバ内の圧力が変化してもニップでの負荷を変化させることはない。これは、中空本体がこのような圧力上昇の度毎に横方向に膨張できるためである。
【0018】
米国特許第4,576,682号には、各々がニップに液圧で負荷を加えることができる二つのシュー部品でできたシューを持つプレスが記載されている。
【0019】
米国特許第4,568,423号には、静水圧チャンバの形態のシュー部品及び流体力学的プレス機能を持つ二つの別のシュー部品を備えたシューを含むプレスが記載されている。これらの別のシュー部品は、更に、静水圧シュー部品をシールする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、既知の支持本体に関して、特別な機械加工や、作用を及ぼす対向表面の形状に対する主要な配慮なしに更に簡単に製造でき、負荷システムで加えることができる圧力に応じて、走行するベルトによって閉鎖される一つ又はそれ以上の圧力ポケット列を持つ従来の金属製支持本体で可能であるのと同様に、又はそれよりも良好な方法で所定の負荷プロファイルを提供できる、弾性支持本体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明による支持本体は、支持本体が弾性変形可能であり、その接触表面を、対向する表面にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする。
【0022】
本発明による保持装置は、支持本体が弾性変形可能であり、その接触表面を、対向する表面にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする。
【0023】
本発明による装置/プレスは、支持本体が弾性変形可能であり、その接触表面を、対向する表面にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする。
【0024】
本発明に従って延在ニップを形成する方法は、
− 保持装置に支持本体を取り付ける工程、
− 負荷システムによって支持本体に負荷を加える工程、及び
− 接触表面を弾性変形し、対向する表面に適合するため、支持本体の接触表面を負荷の作用で対向する表面に向かう方向で変位する工程を含む、ことを特徴とする。
【0025】
本発明に従って延在ニップの負荷を制御する方法は、
− 弾性が異なる少なくとも二つの弾性材料層でできた支持本体を設計する工程、
− 支持本体を前記保持装置に取り付ける工程、
− 負荷システムによって支持本体に負荷を加える工程、及び
− 層の、異なる弾性に応じた負荷プロファイルを持つ延在ニップを得るため、接触表面を弾性変形し、対向する表面に適合するため、支持本体の接触表面を負荷の作用で対向する表面に向かう方向で変位する工程を含む、ことを特徴とする。
【0026】
「ニップ」という表現は、ワイヤ及び支持本体によって画成されたニップを含むように、その最も広い意味で解釈されるべきである。
【0027】
下文において、本発明を添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明を繊維ウェブを脱水するためのプレスと関連して説明する。当然のことながら、本発明は、プレスセクションの他に、繊維ウェブを処理するための任意の適当な装置、例えば抄紙機又は板紙抄紙機の乾燥セクション又は形成セクションの装置、及び繊維ウェブの表面処理を行うためのカレンダーの装置に適用できる。
【0029】
図1は、形成された湿潤状態の繊維ウェブから水を絞り出すために抄紙機又は板紙抄紙機のプレスセクションに配置されたプレスの部分を概略に示す。有利には、本発明は、ティッシュ抄紙機型の抄紙機で使用できる。プレスは、第1プレスエレメント1及び第2プレスエレメント2を含む。これらのプレスエレメント1、2は、延長プレスニップNを形成するため、互いに相互作用する。
【0030】
第2プレスエレメント2は、プレスニップNで作用するカウンタ圧力部材を含み、この部材は、移動自在の無端表面3を有する。この無端表面は、湾曲していてもよいし直線状であってもよい、対向する表面即ちカウンタ圧力表面4をプレスニップN内に形成する。プレスの図示の実施形態では、第2プレスエレメント2は、プレスロールの形態のカウンタロールを含む。このカウンタロールは、更に、従来の乾燥セクションの乾燥シリンダ即ちヤンキーシリンダとして設計されたティッシュ抄紙機の乾燥シリンダであってもよい。この場合、カウンタ圧力部材は、カウンタロール2のシリンダ壁5を含み、その包絡面が前記移動自在の無端表面3を形成する。これは、延長プレスニップN内で前記カウンタ圧力表面4を形成する。これは、室温であってもよいし加熱によって温度を上げてもよい。シリンダ壁5が厚く且つ十分に安定している場合には、カウンタ圧力部材を構成する。シリンダ壁5が薄く変形可能である場合には、カウンタ圧力部材は、必要なカウンタ力を提供する内部支持システム(図示せず)を更に含む。
【0031】
第1プレスエレメント1は、可撓性材料でできた移動自在の無端ベルト6、プレス本体の形態の支持本体7、プレス本体7を取り付けるための保持装置8、この保持装置8を取り付けるための支持本体、プレス本体7を作動するための負荷手段を含む。移動自在のベルト6は閉ループを描き、その内側にプレス本体7及び支持本体が配置される。移動自在のベルト6は、延長プレスニップNを通過するときに脱水されるべき湿潤状態の繊維ウェブWを搬送するプレスフェルト9とプレスニップNの前で出会うように配置されている。負荷手段は、プレス本体7がベルト6、プレスフェルト9、及びウェブWを介してカウンタロール2に及ぼす圧力を得るため、プレスの作動中にプレス本体7に影響を及ぼすため、作動されるように配置されている。プレス本体7は、機械方向で見たときの延長プレスニップNの長さを決定するように構成されている。プレス本体7は、プレスの作動中に回転ベルト6が摺動接触する自由摺動表面10を有する(図3参照)。これによって、摺動表面10は、接触表面即ちプレス表面13の全体又は一部を形成する。これは、前記カウンタ圧力表面4ともにプレスニップNを画成する。プレス本体7は、摺動表面10/プレス表面13に加え、互いに平行であり且つ摺動表面10/プレス表面13に連結された互いに対向する二つの垂直方向側面69、70(図6参照)、及び摺動表面10/プレス表面13と向き合っており且つ側面69、70に直角に連結された底面71を有する。回転ベルト6とプレス本体7との間の摩擦を減少する薄膜を形成するためにベルトの内側に潤滑剤を供給するため、スプレー装置(図示せず)がプレス本体7の上流に取り付けられている。
【0032】
プレスの図示の実施形態では、第1プレスエレメント1はプレスロールを含み、そのシェルが移動自在のベルト6を形成する。このベルトは、かくして、実質的に円形のループを描く。プレスの変形例(図示せず)では、可撓性の移動自在のベルトが非円形ループをなして、例えば実質的に楕円形のループをなして、又は実質的に三角形のループをなして、プレス本体及び一つ又は幾つかのガイドロールの周囲を走行するように構成されている。図示の実施形態では、プレスロール1は二つの円形の回転自在に取り付けられた端壁(図示せず)を有し、これによって、シェル6は、これらの壁とともに回転するため、端壁の周囲にしっかりと取り付けられている。シェル6及び端壁は閉鎖空間を画成し、この空間に支持本体が配置される。この支持本体は、端壁間をこれらと接触せずに軸線方向に延びる定置の支持ビーム12を含む。プレス本体7及びその保持装置8もまた、端壁間をこれらと接触せずに軸線方向に延びる。別の態様では、第2プレスエレメントは、上文中に説明した第1プレスエレメント1と同じ又は実質的に同じ設計であってもよい。これによって、プレスニップは、かくして、本発明による二つのプレス本体によって形成される。
【0033】
本発明によれば、プレス本体7は弾性変形可能であり、そのプレス表面13を、カウンタ圧力表面4にこの表面との相互作用にて適合できる。この適合は、前記負荷システムが生成し、プレス本体7にカウンタ圧力表面4に向かう方向で作用する負荷の作用で行われ、これによってプレスニップN全体に負荷を加える。プレス本体7が弾性変形可能であるということの定義は、必ずしもプレス本体全体が弾性材料で形成されているということを意味するものではなく、本発明では広い意味で理解されるべきであり、即ちプレス本体は、弾性材料でできた少なくとも一つの機能部分を持つと理解されるべきであり、これにより定義が満たされる。実際上の及び生産技術的理由により、及び最も好ましい実施形態によれば、プレス本体はその全体が弾性材料で一部品で形成されているか或いは弾性材料の幾つかの部品で形成されている。この場合、これらの部品は弾性が異なる。プレス本体は、機械方向で見てプレスニップの全長を形成する。
【0034】
プレス本体7及びその保持装置8は、図1によるプレスの部分であり、図2及び図3に更に詳細に示してあるが、これらの二つの構造エレメントは、図5及び図6及び図4に夫々別々に示してある。図4で明らかなように、保持装置8は細長いビーム形状ホルダ22を含む。このホルダは形態が安定しており、二つの側支持部分17、18及びこれらの側支持部分を連結する下支持部分19によって画成されたU形状又は矩形の断面を持つ軸線方向貫通チャンネル16が設けられている。前記三つの部分17、18、19は、互いに面しており且つ互いに平行な二つの内側面66、67(図6参照)及びこれらの側面66、67に対して直角を形成する内底面68を形成する。かくして、これらの三つの側面66、67、68が前記チャンネル16を形成する。更に、保持装置は、ホルダ22の平行な両端面に取り外し自在に取り付けるための二つの端プレート23並びに側支持部分17、12の頂部に取り外し自在に取り付ける二つのクランププレート24を含むということが図3から明らかである。図2及び図3から明らかなように、プレスニップNの入口に配置されるようになった側支持部分17には、プレス本体7を露呈するため、クランププレート24間を延びる凹所25が設けられている。図5及び図6は、ホルダ22のチャンネル16に取り付けられるようになったプレス本体7を示す。このプレス本体は、対向する横面67、69;68、70間に遊びが生じないように、及びプレス本体7の下面71がチャンネル16の下面68に載止するように、チャンネル16の断面と適合する断面を有する。プレス本体7は前記摺動表面10を含む上部分31を有し、少なくともプレス本体全体がチャンネル16を満たしたとき、添付図面に示すように保持装置8の外側に配置されるように構成されている。横方向への望ましからぬ変形を回避するため、上部分31は保持装置の外側で限定された寸法を持つが、この寸法は、プレスニップに負荷が加わったときに保持装置8がベルト6と接触しないようにするのに十分である。カウンタロール2に面し、作動中に回転ベルト6が摺動接触する前記自由摺動表面10は、断面図でわかるように、所定半径の初期湾曲表面部分32を形成するため、所定の円弧形状を持つように設計されている。表面部分33は湾曲表面部分32に対して接線をなし、尖った隅部34まで上方に延びている。摺動表面10は隅部のところに機械方向で固定された側壁70を形成する。湾曲した表面部分32の目的は、ベルト6と摺動表面10との間で薄膜を形成するときにベルト6の内側に潤滑剤を付けることができるようにするため、回転ベルト6と湾曲表面部分32との間に楔形を形成することである。前記隅部34はプレスニップNの出口を形成し、湾曲表面部分32のところのプレスニップNの入口は、負荷システムによって提供される圧力に応じて浮動する。プレス本体7は、凹所をなした端部分35を有し、これによりホルダ22に前記クランププレート24で簡単に取り外し自在に取り付けることができる。
【0035】
上述のように、プレス本体7は、カウンタロールのカウンタ圧力表面4に従ってプレス表面13を形成するため、弾性変形可能である。図6から明らかなように、プレス本体7は弾性材料で一部品に形成されている。弾性変形は、カウンタ圧力表面4の形状に従って機械方向MD及び機械方向に対して横方向CDの両方向で生じ、即ちプレス表面13はカウンタ圧力表面4の輪郭と同じ形態をとり且つこの形状に適合し、プレスニップを画成する摺動表面10の部分、即ちこの場合に前記プレスゾーン15と対応するプレス表面13が、カウンタロール2の対向するカウンタ圧力表面4に従ってその形態を変える。
【0036】
図1乃至図6による実施形態で使用した、一部品で設計されたプレス本体7は、図7に示す負荷プロファイル即ち圧力曲線を示す。
【0037】
図8乃至図14は、プレス本体7、保持装置8、及び負荷システムの組み合わせの様々な実施形態を概略に示す。
【0038】
図8による実施形態では、負荷システムは、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、ジャッキ、又は同様の装置の形態の動力伝達装置50を含む。これらの装置は、ホルダ22と支持ビーム12との間に2列で取り付けられている。プレス表面13は側面69、70に関して傾斜している。動力伝達装置50の作用によりプレス本体7はカウンタ圧力表面4に押し付けられ、カウンタ圧力表面4の輪郭と同一形態になり、カウンタ圧力表面の輪郭をとるように弾性的に変形する。
【0039】
図9による実施形態では、負荷システムは、圧力チャンバ57を含む動力伝達装置50を含む。圧力チャンバ57は、動力即ち圧力チャンバ57内の圧力を調整するための適当な制御部材(図示せず)を通して圧力媒体源(液圧又は空気圧)と流体連通している。この場合、ホルダは支持ビーム12にしっかりと取り付けられている。圧力チャンバ57は、プレス本体7が密封態様で受け入れられるチャンネル16の内部分によって画成される。プレス本体7は、かくして、カウンタロール2に関して摺動し、圧力チャンバ57内の圧力に応じてこのロールに当たって変形するピストンとして機能する。プレス本体7は、弾性材料でできているため、ホルダ22の側壁66、67に対してシールを形成する。別の態様では、所望であれば、プレス本体7の両側面69、70に対してシールするため、特別のシール(図示せず)を前記側壁66、67に取り付けてもよい。
【0040】
図10による実施形態では、負荷システムは、図8及び図9による実施形態の組み合わせを含む。即ち上述の種類の第1動力伝達装置50及び上述の種類の第2動力伝達装置52の組み合わせを含む。このような構成では、プレス本体7は、そのプレス面13を対向するカウンタ圧力表面4と接触しない距離に置いた第1開始位置に取り付けることができる。この場合、保持装置8及びプレス本体7は、第1動力伝達装置50によってカウンタ圧力表面4に向かう方向で、プレス本体7のプレス表面13が(ベルト6を介して)カウンタ圧力表面4と接触する又はほぼ接触する第2開始位置まで一緒に移動されるように構成される。次いで、圧力チャンバ57内の圧力を上昇し、プレス本体7を保持装置の外に小さな距離だけ摺動し、カウンタ圧力表面に押し付ける。この際、所望の負荷プロファイルでニップ形成作動位置を形成するために弾性変形する。第1動力伝達装置50は、カウンタステイとしての第1の機能を果たす。
【0041】
上文中に説明した実施形態では、プレス本体7は弾性材料で一部品で形成されている。図11による実施形態では、プレス本体7は、弾性率が異なる三つの長さ方向垂直ピース53でできている。これらのピース53は層を形成し、チャンネル16の垂直側面66、67と平行である。このような多層プレス本体7は、図12に示す階段状負荷プロファイル、即ちプレス曲線を発生する。
【0042】
図13及び図14には、多層プレス本体7の別の実施形態が示してある。これらの実施形態では、互いに接触した層72及び73の夫々の表面は傾斜している。即ちこれらの表面は、プレス本体7の下流の垂直側面70に関して鋭角を画成する。これらの層は、異なる層の圧縮又は変形に従って進み方が異なる負荷プロファイルを得るため、異なるハッチングで示すように、弾性又は剛さの値が異なる。
【0043】
図10による実施形態を除き、プレス本体7は、プレス本体7の下流側の面71に関して45°以下、即ち42°乃至44.9°の鋭角を画成するように傾斜したプレス表面13を持つように設計されている。これによって、プレス本体をカウンタ圧力表面4に向かって移動したときにニップの出口部分で負荷を開始する。他方、図10による実施形態では、プレス表面13は平らであり、そのためプレス本体7の上流側の面70に対して直角を画成する。
【0044】
プレス本体の変形例(図示せず)では、前記弾性層の少なくとも一つが、少なくとも二つの異なる弾性の弾性材料でできた、機械方向に対して横方向に分配された少なくとも三つのセクションで形成されている。これは、プレス本体の各断面で、これらのセクションの組成に応じて異なる曲線を描く負荷プロファイルを得るためである。
【0045】
上述の実施形態では、プレス本体は均等であり、即ち閉鎖キャビティがない。しかしながら、所望であれば、プレス本体は、周囲と全く連通していない閉鎖キャビティ又は閉鎖隔室を備えて形成されていてもよい。一つ又は幾つかのこのような包囲キャビティ即ち包囲隔室は、摺動面と関連した、及びカウンタロールと関連したプレス本体の延性を高める。
【0046】
本発明によるプレス本体は、以下に列挙する多くの重要な利点を有する。
【0047】
− プレス本体それ自体の形態がカウンタ圧力表面の輪郭と一致する。
【0048】
− カウンタ圧力表面の変形と形態が一致し、これに従う。
【0049】
− プレスフェルトの縁部の異常磨耗が起こらないようにする。
【0050】
− 紙の塊(paper wads)等がプレスニップを通過することを許容する。
【0051】
− 非常に少ないコストで製造できる。
【0052】
− プレスニップ全体内の負荷を制御するように、又はプレスニップの連続したセクション内の負荷を互いに独立して制御するように設計できる。
【0053】
上文中に説明し且つ添付図面に示す支持本体は指定されたプレス本体である。これは、これらのプレス本体がプレス装置で使用されるためである。当然のことながら、抄紙機又は板紙抄紙機で繊維ウェブの処理を行うための他の装置又はカレンダーでプレス本体の同じ実施形態を使用してもよい。本発明を例えばワイヤセクションに適用した場合、図1の第1プレスエレメント1のベルト6を例えばワイヤ等のクロスに代えてもよい。
【0054】
ニップでの負荷は0kN/m乃至3000kN/mで変化できる。
【0055】
支持本体の機械方向での寸法は、代表的には50mm乃至500mmである。
【0056】
支持本体の所望の弾性は、支持本体を弾性的に圧縮できるように、鋼やアルミニウム等の金属よりもかなり低い所定の弾性率を持つ材料によって達成される。弾性材料の代表的な剛さの値は、ショアーA硬度で50乃至95である。弾性材料は、磨耗に耐えるため、支持本体に十分な強度/剛さを与えなければならないが、これと同時に、本発明による所望の機能を得るため、支持本体を十分に弾性変形しなければならない。弾性材料として、例えばガラス繊維、カーボン繊維、又はテキスタイルで強化できるポリマーや複合材料等のプラスチックやゴム材料を使用できる。現在、ポリウレタンが好ましいポリマーである。所望であれば、支持本体の接触面を交換可能な薄い耐磨耗保護体(図示せず)で覆ってもよい。この保護体の一方の側縁部分は、ホルダの上流側にしっかりと取り付けられるのに対し、他方の側縁部分は支持本体の移動及び変形に従うように自由になっている。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1実施形態によるプレス本体及び保持装置を備えた本発明によるプレスを示す図である。
【図2】図1によるプレス本体及び保持装置の斜視図である。
【図3】図2によるプレス本体及び保持装置の断面図である。
【図4】図2による保持装置のプレス本体なしの斜視図である。
【図5】図2によるプレス本体自体の斜視図である。
【図6】図5によるプレス本体の断面図である。
【図7】第1実施形態によるプレス本体で得られる圧力曲線を示すグラフである。
【図8】本発明によるプレス本体及び保持装置及び様々な種類の負荷システムの一つの概略図である。
【図9】本発明によるプレス本体及び保持装置及び様々な種類の負荷システムの一つの概略図である。
【図10】本発明によるプレス本体及び保持装置及び様々な種類の負荷システムの一つの概略図である。
【図11】異なる弾性を持つ弾性材料の三つの垂直層を含むプレス本体の概略図である。
【図12】図11によるプレス本体で得ることができる圧力曲線を示すグラフである。
【図13】異なる弾性を持つ弾性材料の二つの傾斜した層を含むプレス本体の概略図である。
【図14】異なる弾性を持つ弾性材料の三つの傾斜した層を含むプレス本体の概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、延在ニップを持つ装置用の支持本体であって、延在ニップは、支持本体の接触表面及び対向する表面によって画成され、前記支持本体は、
− 互いから反対方向に向いており且つ前記接触表面に連結された二つの側面、及び接触表面とは反対方向に面する底面を有し、及び
− ニップに前記接触表面を介して負荷を加えるため、負荷システムによって対向する表面に向かう方向に移動されるように構成されている、支持本体に関する。
【0002】
本発明は、更に、このような支持装置用の保持装置に関する。
【0003】
本発明は、更に、抄紙機又は板紙抄紙機で製造した繊維ウェブの処理を行うための装置/プレスであって、第1構造エレメント、及び移動自在に構成されており且つ延在ニップを形成する際に前記第1構造エレメントと相互作用するための対向する表面を持つ第2構造エレメントを含み、前記第1構造エレメントは、移動自在のクロスを有し、支持装置/プレスは、前記対向する表面とともに前記ニップを画成する接触表面/プレス表面を持つ支持本体を含み、前記接触表面/プレス表面は、
− 互いに反対方向に面しており且つ前記接触表面/プレス表面に連結された二つの側面、及び前記接触表面/プレス表面とは反対方向に向いた底面を有し、
− 前記接触表面/プレス表面を介して前記ニップに負荷を加えるため、負荷システムによって前記対向する表面に向かう方向で移動されるように構成されている、装置/プレスに関する。
【0004】
本発明は、更に、前記支持本体を含む装置に延在ニップを形成する方法に関する。
【0005】
本発明は、更に、前記支持本体を含む装置の延在ニップの負荷を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0006】
延長プレスニップを持つ従来既知のプレスは、アルミニウムや鋼等の金属材料でできたいわゆるプレスシューを有する。このプレスシューは、通常は凹状のプレス表面を持つように設計されている。プレス表面は対向するカウンタ圧力表面と非常に正確に適合する。このようなプレスシューは、製造が非常に複雑であり、及び従って、非常に費用がかかる。金属で形成されているため、比較的剛性であり且つ非可撓性である。このようなプレスシューのカウンタロールとして作用するプレスロールは、シリンダ壁が比較的厚く、プレスシューからの力に耐える。カウンタロールの別の例によれば、比較的薄いシリンダ壁を有し、この薄く及びかくして変形可能なシリンダ壁又はシェルを、所望の負荷を得るためにプレスシューがカウンタロールに加えなければならない力に応じて調節自在にクラウニング(crowning)するためのカウンタ圧力システムを内部に備えている。更に、プレスシューが、カウンタロールのクラウンに従ったクラウンを備えているのがよく、その場合、このカウンタロールとの組み合わせのみで使用できる。別の態様では、液圧シリンダによって金属製プレスシューを傾けることができる。
【0007】
ヤンキーシリンダは、比較的薄いシリンダ壁又はシェルを有し、ヤンキーシリンダをカウンタロールとして使用した場合、プレスシューの窪みにより容易に変形する。シェルの変形は、軸線方向で、中央領域から端壁に向かう方向で変化する。端壁では、窪みは中央領域内よりもかなり小さい。従って、プレスシューは、端壁で又はその近くで高い圧力で作用し、その結果、プレスフェルトの縁部の磨耗が増大し、プレスシューに沿った負荷プロファイルが不規則になり、紙の性質が機械方向に対して横方向で変化する場合がある。内部カウンタ圧力システムによってヤンキーシリンダのシェルにクラウンを施すこと、又はプレスシューに作用を及ぼし、変形した表面と形態を一致するため、プレスシューの下側に二列又はそれ以上の液圧シリンダを配置することが提案されてきた。これらは両方とも、負荷プロファイルを更に均等にするためである。しかしながら、これらの提案は、両方とも複雑であり、実施するのに費用がかかる。
【0008】
以下の文献は、延長プレスニップを持つプレスの例である。
【0009】
ドイツ国特許第DE 44 05 587号及びWO 02/44467には、プレスシュー3又は同じ設計のダブルプレスシュー3a、3bを含む液圧式支承体を持つプレスが記載されている。プレスベルト6がプレスシュー3の潤滑流体床の上で非常に小さい摩擦で転動する。金属製のプレスシューは、好ましくは水である液圧流体が入った圧力チャンバ10を有する。適当な固体材料、好ましくはステンレス鋼製の矩形の圧力等化膜20がプレスシューのプレスニップ側に固定されている。圧力等化膜20は、外縁部26、内縁部22、及び内縁部22が画成する開口部27を有する。かくしてフレームのように見える圧力等化膜20は可撓性であり、そのため、その二つの側部の間で圧力差が発生したとき、液圧流体と直接接触した状態を保持した縁部ゾーン21が撓むことができる。これらの圧力差は、紙ウェブ及び/又はカウンタロールの包絡面の凹凸により液圧流体がプレスニップを通って漏出したときに発生する。かくして、可撓性圧力等化膜20は、液漏れがないか或いはほんの僅かな自動調節ニップ2を形成する。かくして、圧力チャンバ10内の圧力流体は、圧力等化膜20の開口部27を通って移動自在のベルトと直接接触した状態を保持する。前記WO刊行物を前記DE刊行物と比較して行われた補足的追加は、ベルトの潤滑を行うために圧力チャンバ10からベルト6に液圧流体を導くため、可撓性膜の自由縁部ゾーン21に「ピンホール25」を設けることである。
【0010】
米国特許第5,980,693号には、チューブ状の少なくとも一つの膨張可能な負荷エレメントを持つが、負荷エレメントとベルトの内側との間に金属シューがないプレスが記載されている。更に、シューのこの部分は、ニップ出口の圧力をゆっくりと減少するために構成されている。通常は、圧力がいきなり低下するのが望ましい。
【0011】
米国特許第3,839,147号には、二つの対向するシューを持つシュープレスが記載されている。各シューは、ベルトの内側に対してシールする金属製底部及び下台を有する。ベルトに面するシューの側部は有孔膜であり、これにより圧力チャンバ内の液圧流体の圧力でベルトの内側を直接押圧する。シューは、比較的複雑な構造であり、様々な孔及び強化体を含む。
【0012】
米国特許第5,951,824号には、通常の液圧負荷エレメントを持つ通常のシューが記載されている。シューは、プレスニップを通過する紙の塊(paper wads)がシューやベルトを損傷しないようにするため、ポリマー又はゴムでできた柔らかく且つ丈夫な層でコーティングしてある。
【0013】
欧州特許第EP 0 575 353号には、金属製カバーの内側にベローズが配置され、ベルトが前記金属製カバーの周囲を摺動するシューを持つプレスが記載されている。
【0014】
米国特許第6,334,933号には、金属プレート及びホースによってシールされた複数の圧力ポケットが設けられた金属製カウンタパートを持つプレスが記載されている。このプレスもまた、プレスニップの対向する部分に負荷を加えるのに役立つ。
【0015】
米国特許第6,387,216号には、上側をベルトが走行し、プレスニップに負荷を加える開放流体チャンバを持つプレスが記載されている。チャンバは、ベルトに圧力を加えることによってシールされ、そのため、チャンバの縁部上に締め付けられる。
【0016】
欧州特許第EP 1 319 744号には、プレスニップの計測穴の上方の基準点での液圧静圧を計測し、連続的に適合することによって、プレスシューのニップ圧力をウェブに対して横方向に及びウェブに沿って計測し、調節するための方法が記載されている。
【0017】
ドイツ国特許第DE30 30 233号には、金属製スタンドに取り付けられた弾性スライドシューが記載されている。スライドシューは、スライド本体、即ち圧力媒体で充填できるホースの形態の中空本体を含む。ホースは、金属製スタンドに取り付けられた弾性ベルトによって取り囲まれている。中空本体は、様々な圧力に加圧できるチャンバに分割できる。しかしながら、一つ又はそれ以上のチャンバ内の圧力が変化してもニップでの負荷を変化させることはない。これは、中空本体がこのような圧力上昇の度毎に横方向に膨張できるためである。
【0018】
米国特許第4,576,682号には、各々がニップに液圧で負荷を加えることができる二つのシュー部品でできたシューを持つプレスが記載されている。
【0019】
米国特許第4,568,423号には、静水圧チャンバの形態のシュー部品及び流体力学的プレス機能を持つ二つの別のシュー部品を備えたシューを含むプレスが記載されている。これらの別のシュー部品は、更に、静水圧シュー部品をシールする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、既知の支持本体に関して、特別な機械加工や、作用を及ぼす対向表面の形状に対する主要な配慮なしに更に簡単に製造でき、負荷システムで加えることができる圧力に応じて、走行するベルトによって閉鎖される一つ又はそれ以上の圧力ポケット列を持つ従来の金属製支持本体で可能であるのと同様に、又はそれよりも良好な方法で所定の負荷プロファイルを提供できる、弾性支持本体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明による支持本体は、支持本体が弾性変形可能であり、その接触表面を、対向する表面にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする。
【0022】
本発明による保持装置は、支持本体が弾性変形可能であり、その接触表面を、対向する表面にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする。
【0023】
本発明による装置/プレスは、支持本体が弾性変形可能であり、その接触表面を、対向する表面にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする。
【0024】
本発明に従って延在ニップを形成する方法は、
− 保持装置に支持本体を取り付ける工程、
− 負荷システムによって支持本体に負荷を加える工程、及び
− 接触表面を弾性変形し、対向する表面に適合するため、支持本体の接触表面を負荷の作用で対向する表面に向かう方向で変位する工程を含む、ことを特徴とする。
【0025】
本発明に従って延在ニップの負荷を制御する方法は、
− 弾性が異なる少なくとも二つの弾性材料層でできた支持本体を設計する工程、
− 支持本体を前記保持装置に取り付ける工程、
− 負荷システムによって支持本体に負荷を加える工程、及び
− 層の、異なる弾性に応じた負荷プロファイルを持つ延在ニップを得るため、接触表面を弾性変形し、対向する表面に適合するため、支持本体の接触表面を負荷の作用で対向する表面に向かう方向で変位する工程を含む、ことを特徴とする。
【0026】
「ニップ」という表現は、ワイヤ及び支持本体によって画成されたニップを含むように、その最も広い意味で解釈されるべきである。
【0027】
下文において、本発明を添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明を繊維ウェブを脱水するためのプレスと関連して説明する。当然のことながら、本発明は、プレスセクションの他に、繊維ウェブを処理するための任意の適当な装置、例えば抄紙機又は板紙抄紙機の乾燥セクション又は形成セクションの装置、及び繊維ウェブの表面処理を行うためのカレンダーの装置に適用できる。
【0029】
図1は、形成された湿潤状態の繊維ウェブから水を絞り出すために抄紙機又は板紙抄紙機のプレスセクションに配置されたプレスの部分を概略に示す。有利には、本発明は、ティッシュ抄紙機型の抄紙機で使用できる。プレスは、第1プレスエレメント1及び第2プレスエレメント2を含む。これらのプレスエレメント1、2は、延長プレスニップNを形成するため、互いに相互作用する。
【0030】
第2プレスエレメント2は、プレスニップNで作用するカウンタ圧力部材を含み、この部材は、移動自在の無端表面3を有する。この無端表面は、湾曲していてもよいし直線状であってもよい、対向する表面即ちカウンタ圧力表面4をプレスニップN内に形成する。プレスの図示の実施形態では、第2プレスエレメント2は、プレスロールの形態のカウンタロールを含む。このカウンタロールは、更に、従来の乾燥セクションの乾燥シリンダ即ちヤンキーシリンダとして設計されたティッシュ抄紙機の乾燥シリンダであってもよい。この場合、カウンタ圧力部材は、カウンタロール2のシリンダ壁5を含み、その包絡面が前記移動自在の無端表面3を形成する。これは、延長プレスニップN内で前記カウンタ圧力表面4を形成する。これは、室温であってもよいし加熱によって温度を上げてもよい。シリンダ壁5が厚く且つ十分に安定している場合には、カウンタ圧力部材を構成する。シリンダ壁5が薄く変形可能である場合には、カウンタ圧力部材は、必要なカウンタ力を提供する内部支持システム(図示せず)を更に含む。
【0031】
第1プレスエレメント1は、可撓性材料でできた移動自在の無端ベルト6、プレス本体の形態の支持本体7、プレス本体7を取り付けるための保持装置8、この保持装置8を取り付けるための支持本体、プレス本体7を作動するための負荷手段を含む。移動自在のベルト6は閉ループを描き、その内側にプレス本体7及び支持本体が配置される。移動自在のベルト6は、延長プレスニップNを通過するときに脱水されるべき湿潤状態の繊維ウェブWを搬送するプレスフェルト9とプレスニップNの前で出会うように配置されている。負荷手段は、プレス本体7がベルト6、プレスフェルト9、及びウェブWを介してカウンタロール2に及ぼす圧力を得るため、プレスの作動中にプレス本体7に影響を及ぼすため、作動されるように配置されている。プレス本体7は、機械方向で見たときの延長プレスニップNの長さを決定するように構成されている。プレス本体7は、プレスの作動中に回転ベルト6が摺動接触する自由摺動表面10を有する(図3参照)。これによって、摺動表面10は、接触表面即ちプレス表面13の全体又は一部を形成する。これは、前記カウンタ圧力表面4ともにプレスニップNを画成する。プレス本体7は、摺動表面10/プレス表面13に加え、互いに平行であり且つ摺動表面10/プレス表面13に連結された互いに対向する二つの垂直方向側面69、70(図6参照)、及び摺動表面10/プレス表面13と向き合っており且つ側面69、70に直角に連結された底面71を有する。回転ベルト6とプレス本体7との間の摩擦を減少する薄膜を形成するためにベルトの内側に潤滑剤を供給するため、スプレー装置(図示せず)がプレス本体7の上流に取り付けられている。
【0032】
プレスの図示の実施形態では、第1プレスエレメント1はプレスロールを含み、そのシェルが移動自在のベルト6を形成する。このベルトは、かくして、実質的に円形のループを描く。プレスの変形例(図示せず)では、可撓性の移動自在のベルトが非円形ループをなして、例えば実質的に楕円形のループをなして、又は実質的に三角形のループをなして、プレス本体及び一つ又は幾つかのガイドロールの周囲を走行するように構成されている。図示の実施形態では、プレスロール1は二つの円形の回転自在に取り付けられた端壁(図示せず)を有し、これによって、シェル6は、これらの壁とともに回転するため、端壁の周囲にしっかりと取り付けられている。シェル6及び端壁は閉鎖空間を画成し、この空間に支持本体が配置される。この支持本体は、端壁間をこれらと接触せずに軸線方向に延びる定置の支持ビーム12を含む。プレス本体7及びその保持装置8もまた、端壁間をこれらと接触せずに軸線方向に延びる。別の態様では、第2プレスエレメントは、上文中に説明した第1プレスエレメント1と同じ又は実質的に同じ設計であってもよい。これによって、プレスニップは、かくして、本発明による二つのプレス本体によって形成される。
【0033】
本発明によれば、プレス本体7は弾性変形可能であり、そのプレス表面13を、カウンタ圧力表面4にこの表面との相互作用にて適合できる。この適合は、前記負荷システムが生成し、プレス本体7にカウンタ圧力表面4に向かう方向で作用する負荷の作用で行われ、これによってプレスニップN全体に負荷を加える。プレス本体7が弾性変形可能であるということの定義は、必ずしもプレス本体全体が弾性材料で形成されているということを意味するものではなく、本発明では広い意味で理解されるべきであり、即ちプレス本体は、弾性材料でできた少なくとも一つの機能部分を持つと理解されるべきであり、これにより定義が満たされる。実際上の及び生産技術的理由により、及び最も好ましい実施形態によれば、プレス本体はその全体が弾性材料で一部品で形成されているか或いは弾性材料の幾つかの部品で形成されている。この場合、これらの部品は弾性が異なる。プレス本体は、機械方向で見てプレスニップの全長を形成する。
【0034】
プレス本体7及びその保持装置8は、図1によるプレスの部分であり、図2及び図3に更に詳細に示してあるが、これらの二つの構造エレメントは、図5及び図6及び図4に夫々別々に示してある。図4で明らかなように、保持装置8は細長いビーム形状ホルダ22を含む。このホルダは形態が安定しており、二つの側支持部分17、18及びこれらの側支持部分を連結する下支持部分19によって画成されたU形状又は矩形の断面を持つ軸線方向貫通チャンネル16が設けられている。前記三つの部分17、18、19は、互いに面しており且つ互いに平行な二つの内側面66、67(図6参照)及びこれらの側面66、67に対して直角を形成する内底面68を形成する。かくして、これらの三つの側面66、67、68が前記チャンネル16を形成する。更に、保持装置は、ホルダ22の平行な両端面に取り外し自在に取り付けるための二つの端プレート23並びに側支持部分17、12の頂部に取り外し自在に取り付ける二つのクランププレート24を含むということが図3から明らかである。図2及び図3から明らかなように、プレスニップNの入口に配置されるようになった側支持部分17には、プレス本体7を露呈するため、クランププレート24間を延びる凹所25が設けられている。図5及び図6は、ホルダ22のチャンネル16に取り付けられるようになったプレス本体7を示す。このプレス本体は、対向する横面67、69;68、70間に遊びが生じないように、及びプレス本体7の下面71がチャンネル16の下面68に載止するように、チャンネル16の断面と適合する断面を有する。プレス本体7は前記摺動表面10を含む上部分31を有し、少なくともプレス本体全体がチャンネル16を満たしたとき、添付図面に示すように保持装置8の外側に配置されるように構成されている。横方向への望ましからぬ変形を回避するため、上部分31は保持装置の外側で限定された寸法を持つが、この寸法は、プレスニップに負荷が加わったときに保持装置8がベルト6と接触しないようにするのに十分である。カウンタロール2に面し、作動中に回転ベルト6が摺動接触する前記自由摺動表面10は、断面図でわかるように、所定半径の初期湾曲表面部分32を形成するため、所定の円弧形状を持つように設計されている。表面部分33は湾曲表面部分32に対して接線をなし、尖った隅部34まで上方に延びている。摺動表面10は隅部のところに機械方向で固定された側壁70を形成する。湾曲した表面部分32の目的は、ベルト6と摺動表面10との間で薄膜を形成するときにベルト6の内側に潤滑剤を付けることができるようにするため、回転ベルト6と湾曲表面部分32との間に楔形を形成することである。前記隅部34はプレスニップNの出口を形成し、湾曲表面部分32のところのプレスニップNの入口は、負荷システムによって提供される圧力に応じて浮動する。プレス本体7は、凹所をなした端部分35を有し、これによりホルダ22に前記クランププレート24で簡単に取り外し自在に取り付けることができる。
【0035】
上述のように、プレス本体7は、カウンタロールのカウンタ圧力表面4に従ってプレス表面13を形成するため、弾性変形可能である。図6から明らかなように、プレス本体7は弾性材料で一部品に形成されている。弾性変形は、カウンタ圧力表面4の形状に従って機械方向MD及び機械方向に対して横方向CDの両方向で生じ、即ちプレス表面13はカウンタ圧力表面4の輪郭と同じ形態をとり且つこの形状に適合し、プレスニップを画成する摺動表面10の部分、即ちこの場合に前記プレスゾーン15と対応するプレス表面13が、カウンタロール2の対向するカウンタ圧力表面4に従ってその形態を変える。
【0036】
図1乃至図6による実施形態で使用した、一部品で設計されたプレス本体7は、図7に示す負荷プロファイル即ち圧力曲線を示す。
【0037】
図8乃至図14は、プレス本体7、保持装置8、及び負荷システムの組み合わせの様々な実施形態を概略に示す。
【0038】
図8による実施形態では、負荷システムは、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、ジャッキ、又は同様の装置の形態の動力伝達装置50を含む。これらの装置は、ホルダ22と支持ビーム12との間に2列で取り付けられている。プレス表面13は側面69、70に関して傾斜している。動力伝達装置50の作用によりプレス本体7はカウンタ圧力表面4に押し付けられ、カウンタ圧力表面4の輪郭と同一形態になり、カウンタ圧力表面の輪郭をとるように弾性的に変形する。
【0039】
図9による実施形態では、負荷システムは、圧力チャンバ57を含む動力伝達装置50を含む。圧力チャンバ57は、動力即ち圧力チャンバ57内の圧力を調整するための適当な制御部材(図示せず)を通して圧力媒体源(液圧又は空気圧)と流体連通している。この場合、ホルダは支持ビーム12にしっかりと取り付けられている。圧力チャンバ57は、プレス本体7が密封態様で受け入れられるチャンネル16の内部分によって画成される。プレス本体7は、かくして、カウンタロール2に関して摺動し、圧力チャンバ57内の圧力に応じてこのロールに当たって変形するピストンとして機能する。プレス本体7は、弾性材料でできているため、ホルダ22の側壁66、67に対してシールを形成する。別の態様では、所望であれば、プレス本体7の両側面69、70に対してシールするため、特別のシール(図示せず)を前記側壁66、67に取り付けてもよい。
【0040】
図10による実施形態では、負荷システムは、図8及び図9による実施形態の組み合わせを含む。即ち上述の種類の第1動力伝達装置50及び上述の種類の第2動力伝達装置52の組み合わせを含む。このような構成では、プレス本体7は、そのプレス面13を対向するカウンタ圧力表面4と接触しない距離に置いた第1開始位置に取り付けることができる。この場合、保持装置8及びプレス本体7は、第1動力伝達装置50によってカウンタ圧力表面4に向かう方向で、プレス本体7のプレス表面13が(ベルト6を介して)カウンタ圧力表面4と接触する又はほぼ接触する第2開始位置まで一緒に移動されるように構成される。次いで、圧力チャンバ57内の圧力を上昇し、プレス本体7を保持装置の外に小さな距離だけ摺動し、カウンタ圧力表面に押し付ける。この際、所望の負荷プロファイルでニップ形成作動位置を形成するために弾性変形する。第1動力伝達装置50は、カウンタステイとしての第1の機能を果たす。
【0041】
上文中に説明した実施形態では、プレス本体7は弾性材料で一部品で形成されている。図11による実施形態では、プレス本体7は、弾性率が異なる三つの長さ方向垂直ピース53でできている。これらのピース53は層を形成し、チャンネル16の垂直側面66、67と平行である。このような多層プレス本体7は、図12に示す階段状負荷プロファイル、即ちプレス曲線を発生する。
【0042】
図13及び図14には、多層プレス本体7の別の実施形態が示してある。これらの実施形態では、互いに接触した層72及び73の夫々の表面は傾斜している。即ちこれらの表面は、プレス本体7の下流の垂直側面70に関して鋭角を画成する。これらの層は、異なる層の圧縮又は変形に従って進み方が異なる負荷プロファイルを得るため、異なるハッチングで示すように、弾性又は剛さの値が異なる。
【0043】
図10による実施形態を除き、プレス本体7は、プレス本体7の下流側の面71に関して45°以下、即ち42°乃至44.9°の鋭角を画成するように傾斜したプレス表面13を持つように設計されている。これによって、プレス本体をカウンタ圧力表面4に向かって移動したときにニップの出口部分で負荷を開始する。他方、図10による実施形態では、プレス表面13は平らであり、そのためプレス本体7の上流側の面70に対して直角を画成する。
【0044】
プレス本体の変形例(図示せず)では、前記弾性層の少なくとも一つが、少なくとも二つの異なる弾性の弾性材料でできた、機械方向に対して横方向に分配された少なくとも三つのセクションで形成されている。これは、プレス本体の各断面で、これらのセクションの組成に応じて異なる曲線を描く負荷プロファイルを得るためである。
【0045】
上述の実施形態では、プレス本体は均等であり、即ち閉鎖キャビティがない。しかしながら、所望であれば、プレス本体は、周囲と全く連通していない閉鎖キャビティ又は閉鎖隔室を備えて形成されていてもよい。一つ又は幾つかのこのような包囲キャビティ即ち包囲隔室は、摺動面と関連した、及びカウンタロールと関連したプレス本体の延性を高める。
【0046】
本発明によるプレス本体は、以下に列挙する多くの重要な利点を有する。
【0047】
− プレス本体それ自体の形態がカウンタ圧力表面の輪郭と一致する。
【0048】
− カウンタ圧力表面の変形と形態が一致し、これに従う。
【0049】
− プレスフェルトの縁部の異常磨耗が起こらないようにする。
【0050】
− 紙の塊(paper wads)等がプレスニップを通過することを許容する。
【0051】
− 非常に少ないコストで製造できる。
【0052】
− プレスニップ全体内の負荷を制御するように、又はプレスニップの連続したセクション内の負荷を互いに独立して制御するように設計できる。
【0053】
上文中に説明し且つ添付図面に示す支持本体は指定されたプレス本体である。これは、これらのプレス本体がプレス装置で使用されるためである。当然のことながら、抄紙機又は板紙抄紙機で繊維ウェブの処理を行うための他の装置又はカレンダーでプレス本体の同じ実施形態を使用してもよい。本発明を例えばワイヤセクションに適用した場合、図1の第1プレスエレメント1のベルト6を例えばワイヤ等のクロスに代えてもよい。
【0054】
ニップでの負荷は0kN/m乃至3000kN/mで変化できる。
【0055】
支持本体の機械方向での寸法は、代表的には50mm乃至500mmである。
【0056】
支持本体の所望の弾性は、支持本体を弾性的に圧縮できるように、鋼やアルミニウム等の金属よりもかなり低い所定の弾性率を持つ材料によって達成される。弾性材料の代表的な剛さの値は、ショアーA硬度で50乃至95である。弾性材料は、磨耗に耐えるため、支持本体に十分な強度/剛さを与えなければならないが、これと同時に、本発明による所望の機能を得るため、支持本体を十分に弾性変形しなければならない。弾性材料として、例えばガラス繊維、カーボン繊維、又はテキスタイルで強化できるポリマーや複合材料等のプラスチックやゴム材料を使用できる。現在、ポリウレタンが好ましいポリマーである。所望であれば、支持本体の接触面を交換可能な薄い耐磨耗保護体(図示せず)で覆ってもよい。この保護体の一方の側縁部分は、ホルダの上流側にしっかりと取り付けられるのに対し、他方の側縁部分は支持本体の移動及び変形に従うように自由になっている。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1実施形態によるプレス本体及び保持装置を備えた本発明によるプレスを示す図である。
【図2】図1によるプレス本体及び保持装置の斜視図である。
【図3】図2によるプレス本体及び保持装置の断面図である。
【図4】図2による保持装置のプレス本体なしの斜視図である。
【図5】図2によるプレス本体自体の斜視図である。
【図6】図5によるプレス本体の断面図である。
【図7】第1実施形態によるプレス本体で得られる圧力曲線を示すグラフである。
【図8】本発明によるプレス本体及び保持装置及び様々な種類の負荷システムの一つの概略図である。
【図9】本発明によるプレス本体及び保持装置及び様々な種類の負荷システムの一つの概略図である。
【図10】本発明によるプレス本体及び保持装置及び様々な種類の負荷システムの一つの概略図である。
【図11】異なる弾性を持つ弾性材料の三つの垂直層を含むプレス本体の概略図である。
【図12】図11によるプレス本体で得ることができる圧力曲線を示すグラフである。
【図13】異なる弾性を持つ弾性材料の二つの傾斜した層を含むプレス本体の概略図である。
【図14】異なる弾性を持つ弾性材料の三つの傾斜した層を含むプレス本体の概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
延在ニップ(N)を持つ装置のための支持本体(7)であって、前記延在ニップは、前記支持本体(7)の接触表面(13)及び対向する表面(4)によって画成され、前記支持本体(7)は、
− 互いから反対方向に向いており且つ前記接触表面(13)に連結された二つの側面(69、70)、及び前記接触表面(13)とは反対方向に面する底面(71)を有し、及び
− 前記ニップ(N)に前記接触表面(13)を介して負荷を加えるために、負荷システムによって前記対向する表面(4)に向かう方向に移動されるように構成されている、支持本体(7)において、
前記支持本体(7)は弾性変形可能であり、その接触表面(13)を前記対向する表面(4)にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項2】
請求項1に記載の支持本体(7)において、前記支持本体(7)には、前記支持本体(7)の前記二つの側面(69、70)用のカウンタステイを形成し且つ前記支持本体(7)の前記底面(71)用のカウンタステイを直接的に又は間接的に形成するように構成された保持装置(8)が設けられており、前記支持本体(7)は、前記接触表面(13)を持つ頂部分(31)を有し、この頂部分(31)は、前記支持本体の前記ニップ形成作動位置で前記保持装置から突出するように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項3】
請求項2に記載の支持本体において、前記保持装置(8)は支持本体(7)を受け入れるための空間(16)を有し、この空間(16)は、支持本体(7)の両側面(69及び70の夫々)と相互作用するための二つの側面(66、67)、及び前記支持本体(7)の底面(71)に面する底面(68)を有する、ことを特徴とする支持装置。
【請求項4】
請求項3に記載の支持本体において、前記頂部分(31)は、前記保持装置(8)から突出するように構成されており、前記支持本体(7)及び前記保持装置(8)の両底面(71、68)は互いに直接的に接触しており、前記負荷システムは、前記ニップ(N)に負荷を加えるために、前記保持装置(8)を前記支持本体(7)とともに移動するように構成された動力伝達装置(50)を含む、ことを特徴とする支持装置。
【請求項5】
請求項4に記載の支持本体において、前記動力伝達装置(50)は、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、ジャッキ等を含む、ことを特徴とする支持装置。
【請求項6】
請求項3に記載の支持本体において、前記支持本体(7)の前記底面(71)は、前記保持装置(8)の前記底面(68)から所定距離のところに配置されてその間に閉鎖チャンバ(57)を画成し、前記負荷システムは、前記閉鎖チャンバ(57)によって形成された圧力チャンバを含む動力伝達装置を有し、前記動力伝達装置は、前記支持本体が弾性変形するときに前記ニップ(N)に負荷を加えるために、前記支持本体(7)を前記保持装置(8)に関して移動するために加圧されるように構成されている、ことを特徴とする支持装置。
【請求項7】
請求項3に記載の支持本体において、前記支持本体(7)の前記底面(71)は、前記保持装置(8)の前記底面(68)から所定距離のところに配置され、その間に閉鎖チャンバ(57)を画成し、前記負荷システムは、前記保持装置(8)を、前記支持本体(7)とともに、前記支持本体(7)の前記接触面(13)が前記対向する表面(4)から所定のところにある第1開始位置から、前記支持本体(7)の前記接触面(13)が前記対向する表面(4)と隣接して又は近付けて配置された第2開始位置まで移動するように構成された第1動力伝達装置(50)と、前記閉鎖チャンバ(57)によって形成された圧力チャンバを含み、前記支持本体(7)を前記保持装置(8)に関して移動し、前記支持本体が弾性変形してニップ形成作動位置を形成するときに前記ニップ(N)に負荷を加えるために、増大された圧力で加圧されるように構成された第2動力伝達装置(52)とを含む、ことを特徴とする支持装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、弾性材料にて一部品で形成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項9】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、少なくとも二つの弾性材料層(53)でできており、これらの層は接合されてユニットを形成し、前記接触表面(13)の各々の接触ゾーンを形成し、異なる弾性を有する、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の支持本体(7)において、良好な弾性及び良好な強度を持つゴム又はポリマーで形成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項11】
請求項10に記載の支持本体(7)において、前記ポリマーはポリウレタンである、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記ニップでの負荷は0kN/m乃至3000kN/mで変化する、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記支持本体(7)の機械方向での寸法は50mm乃至500mmである、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項14】
支持本体(7)の接触表面(13)及び対向する表面(4)によって画成された延在ニップ(N)を持つ装置のための支持本体(7)用の保持装置(8)であって、前記支持本体(7)は、
− 互いに反対方向に向いており且つ前記接触表面(13)に連結された二つの側面(69、70)、及び前記接触表面(13)とは反対方向に面する底面(71)を有し、
− 前記接触表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために、負荷システムによって前記対向する表面(4)に向かう方向で移動されるように構成されている、保持装置において、
前記支持本体(7)は弾性変形可能であり、その接触表面(13)を前記対向する表面(4)にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項14に記載の、支持本体(7)用の保持装置(8)において、前記保持装置(8)は、前記支持本体(7)の前記二つの側面(69、70)用のカウンタステイを形成し且つ前記支持本体(7)の前記底面(71)用のカウンタステイを直接的に又は間接的に形成するように構成されており、前記支持本体(7)は、前記接触表面(13)を持ち且つ少なくとも前記支持本体の前記ニップ形成作動位置で前記保持装置から突出するように構成された頂部分(31)を有する、ことを特徴とする保持装置(8)。
【請求項16】
請求項14に記載の保持装置において、前記支持本体(7)を受け入れるための空間(16)を有し、この空間(16)は、前記支持本体(7)の両側面(69及び70の夫々)と相互作用する二つの側面(66、67)、及び前記支持本体(7)の前記底面(71)に面する底面(68)を有する、ことを特徴とする保持装置。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の保持装置において、前記頂部分(31)は前記保持装置(8)から突出するように構成されており、前記支持本体(7)及び前記保持装置(8)の両底面(71、68)は互いに直接的に接触しており、前記負荷システムは、前記ニップ(N)に負荷を加えるために、前記保持装置(8)を前記支持本体(7)とともに移動するように構成された動力伝達装置(50)を含む、ことを特徴とする保持装置。
【請求項18】
請求項17に記載の保持装置において、前記動力伝達装置は、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、ジャッキ等を含む、ことを特徴とする保持装置。
【請求項19】
請求項16、17、又は18に記載の保持装置において、前記支持本体(7)の前記底面(71)は、前記保持装置(8)の前記底面(68)から所定距離のところに配置され、その間に閉鎖チャンバ(57)を画成し、前記負荷システムは、前記閉鎖チャンバ(57)によって形成された圧力チャンバを含む動力伝達装置を含み、この動力伝達装置は、前記支持本体が弾性変形しているときに前記ニップ(N)に負荷を加えるために前記支持本体(7)を前記保持装置に関して移動するために加圧されるように構成されている、ことを特徴とする保持装置。
【請求項20】
請求項16乃至19のうちのいずれか一項に記載の保持装置において、前記支持本体(7)の前記底面(71)は、前記保持装置の前記底面(68)から所定距離のところに配置され、その間に閉鎖チャンバ(57)を画成し、前記負荷システムは、前記保持装置(8)を、前記支持本体(7)とともに、前記支持本体(7)の前記接触面(13)が前記対向する表面(4)から所定のところにある第1開始位置から、前記支持本体(7)の前記接触面(13)が前記対向する表面(4)と隣接して又は近付けて配置された第2開始位置まで移動するように構成された第1動力伝達装置(50)と、前記閉鎖チャンバ(57)によって形成された圧力チャンバを含み、前記支持本体(7)を前記保持装置(8)に関して移動し、前記支持本体が弾性変形してニップ形成作動位置を形成するときに前記ニップ(N)に負荷を加えるために、増大された圧力で加圧されるように構成された第2動力伝達装置(52)とを含む、ことを特徴とする支持装置。
【請求項21】
抄紙機又は板紙抄紙機で製造した繊維ウェブ(W)の処理を行うための装置であって、第1構造エレメント(1)、及び移動自在に構成されており且つ延在ニップ(N)を形成する際に前記第1構造エレメント(1)と相互作用するための対向する表面(4)を持つ第2構造エレメント(2)を含み、前記第1構造エレメント(1)は、移動自在のクロス(6)と、前記対向する表面(4)とともに前記ニップ(N)を画成する接触表面(13)を持つ支持本体(7)とを含み、前記支持本体(7)は、
− 互いに反対方向に面しており且つ前記接触表面(13)に連結された二つの側面(69、70)、及び前記接触表面(13)とは反対方向に向いた底面(71)を有し、
− 前記接触表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために、負荷システムによって前記対向する表面(4)に向かう方向で移動されるように構成されている、支持本体(7)において、
前記支持本体(7)は弾性変形可能であり、その接触表面(13)を前記対向する表面(4)にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、前記支持本体(7)には、前記支持本体(7)の前記二つの側面(69、70)用のカウンタステイを形成し且つ前記支持本体(7)の前記底面(71)用のカウンタステイを直接的に又は間接的に形成するように構成された保持装置(8)が設けられており、前記支持本体(7)は前記接触表面(13)を持ち、少なくとも前記支持本体(7)の前記ニップ形成作動位置で前記保持装置から突出するように構成された頂部分(31)を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項21又は22に記載の装置において、前記支持本体(7)は、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項21、22、又は23のうちのいずれか一項に記載の装置において、前記第2構造エレメント(2)は、前記対向する表面(4)を形成する接触表面を持つ支持本体を有し、両支持本体は、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とする装置。
【請求項25】
抄紙機又は板紙抄紙機で製造した繊維ウェブ(W)の処理を行うためのプレスであって、第1プレスエレメント(1)、及び移動自在に構成されており且つ延長プレスニップ(N)を形成する際に前記第1プレスエレメント(1)と相互作用するための対向する表面(4)を持つ第2プレスエレメント(2)を含み、前記第1プレスエレメント(1)は、移動自在のベルト(6)と、前記対向する表面(4)とともに前記ニップ(N)を画成するプレス本体(7)とを含み、前記プレス本体(7)は、
− 互いに反対方向に面しており且つ前記プレス表面(13)に連結された二つの側面(69、70)、及び前記プレス表面(13)とは反対方向に向いた底面(71)を有し、
− 前記プレス表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために、負荷システムによって前記対向する表面(4)に向かう方向で移動されるように構成されている、プレスにおいて、
前記プレス本体(7)は弾性変形可能であり、そのプレス表面(13)を前記対向する表面(4)にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とするプレス。
【請求項26】
請求項25に記載のプレスにおいて、前記プレス本体(7)には、このプレス本体(7)の前記二つの側面(69、70)用のカウンタステイを形成し且つ前記プレス本体(7)の前記底面(71)用のカウンタステイを直接的に又は間接的に形成するように構成された保持装置(8)が設けられ、前記プレス本体(7)は、前記プレス表面(13)を持つ頂部分(31)を有し、前記頂部分は、少なくとも前記プレス本体のニップ形成作動位置で前記保持装置から突出するように構成されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項27】
請求項25又は26に記載のプレスにおいて、前記対向する表面(4)及び/又は前記プレス表面(13)は、加熱されるように構成されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項28】
請求項25乃至28のうちのいずれか一項に記載のプレスにおいて、前記プレス本体(7)は、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項29】
請求項25乃至28のうちのいずれか一項に記載のプレスにおいて、前記第2プレスエレメント(2)は、前記対向する表面(4)を形成するプレス表面を持つプレス本体を有し、両プレス本体は、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項30】
請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計された支持本体(7)を含む装置で延在ニップ(N)を形成する方法において、
− 請求項14乃至20のうちのいずれか一項に従って設計された保持装置(8)に支持本体(7)を取り付ける工程、
− 前記負荷システムによって前記支持本体(7)に負荷を加える工程、及び
− 前記接触表面(13)を弾性変形し、前記対向する表面(4)に適合するために、前記支持本体(7)の前記接触表面(13)を前記負荷の作用で前記対向する表面(4)に向かう方向で変位する工程を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計された支持本体(7)を含む装置で延在ニップ(N)の負荷を制御する方法において、
− 弾性が異なる少なくとも二つの弾性材料層でできた前記支持本体(7)を設計する工程、
− 前記支持本体(7)を請求項13乃至18のうちのいずれか一項に従って設計された保持装置(8)に取り付ける工程、
− 前記負荷システムによって前記支持本体(7)に負荷を加える工程、及び
− 前記少なくとも二つの弾性材料層の異なる弾性に応じた負荷プロファイルを持つ延在ニップ(N)を得るために、前記接触表面(13)を弾性変形し、前記対向する表面(4)に適合するため、前記支持本体(7)の前記接触表面(13)を前記負荷の作用で前記対向する表面(4)に向かう方向で変位する工程を含む、方法。
【請求項32】
抄紙機又は板紙抄紙機のプレス装置のプレス本体(7)としての、請求項1乃至13のうちのいずれか一項による支持本体(7)の使用。
【請求項33】
抄紙機又は板紙抄紙機の搬送搬送用の支持ホイルとしての、請求項1乃至13のうちのいずれか一項による支持本体(7)の使用。
【請求項34】
抄紙機又は板紙抄紙機のリールアップでの巻き支持体としての、請求項1乃至13のうちのいずれか一項による支持本体(7)の使用。
【請求項1】
延在ニップ(N)を持つ装置のための支持本体(7)であって、前記延在ニップは、前記支持本体(7)の接触表面(13)及び対向する表面(4)によって画成され、前記支持本体(7)は、
− 互いから反対方向に向いており且つ前記接触表面(13)に連結された二つの側面(69、70)、及び前記接触表面(13)とは反対方向に面する底面(71)を有し、及び
− 前記ニップ(N)に前記接触表面(13)を介して負荷を加えるために、負荷システムによって前記対向する表面(4)に向かう方向に移動されるように構成されている、支持本体(7)において、
前記支持本体(7)は弾性変形可能であり、その接触表面(13)を前記対向する表面(4)にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項2】
請求項1に記載の支持本体(7)において、前記支持本体(7)には、前記支持本体(7)の前記二つの側面(69、70)用のカウンタステイを形成し且つ前記支持本体(7)の前記底面(71)用のカウンタステイを直接的に又は間接的に形成するように構成された保持装置(8)が設けられており、前記支持本体(7)は、前記接触表面(13)を持つ頂部分(31)を有し、この頂部分(31)は、前記支持本体の前記ニップ形成作動位置で前記保持装置から突出するように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項3】
請求項2に記載の支持本体において、前記保持装置(8)は支持本体(7)を受け入れるための空間(16)を有し、この空間(16)は、支持本体(7)の両側面(69及び70の夫々)と相互作用するための二つの側面(66、67)、及び前記支持本体(7)の底面(71)に面する底面(68)を有する、ことを特徴とする支持装置。
【請求項4】
請求項3に記載の支持本体において、前記頂部分(31)は、前記保持装置(8)から突出するように構成されており、前記支持本体(7)及び前記保持装置(8)の両底面(71、68)は互いに直接的に接触しており、前記負荷システムは、前記ニップ(N)に負荷を加えるために、前記保持装置(8)を前記支持本体(7)とともに移動するように構成された動力伝達装置(50)を含む、ことを特徴とする支持装置。
【請求項5】
請求項4に記載の支持本体において、前記動力伝達装置(50)は、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、ジャッキ等を含む、ことを特徴とする支持装置。
【請求項6】
請求項3に記載の支持本体において、前記支持本体(7)の前記底面(71)は、前記保持装置(8)の前記底面(68)から所定距離のところに配置されてその間に閉鎖チャンバ(57)を画成し、前記負荷システムは、前記閉鎖チャンバ(57)によって形成された圧力チャンバを含む動力伝達装置を有し、前記動力伝達装置は、前記支持本体が弾性変形するときに前記ニップ(N)に負荷を加えるために、前記支持本体(7)を前記保持装置(8)に関して移動するために加圧されるように構成されている、ことを特徴とする支持装置。
【請求項7】
請求項3に記載の支持本体において、前記支持本体(7)の前記底面(71)は、前記保持装置(8)の前記底面(68)から所定距離のところに配置され、その間に閉鎖チャンバ(57)を画成し、前記負荷システムは、前記保持装置(8)を、前記支持本体(7)とともに、前記支持本体(7)の前記接触面(13)が前記対向する表面(4)から所定のところにある第1開始位置から、前記支持本体(7)の前記接触面(13)が前記対向する表面(4)と隣接して又は近付けて配置された第2開始位置まで移動するように構成された第1動力伝達装置(50)と、前記閉鎖チャンバ(57)によって形成された圧力チャンバを含み、前記支持本体(7)を前記保持装置(8)に関して移動し、前記支持本体が弾性変形してニップ形成作動位置を形成するときに前記ニップ(N)に負荷を加えるために、増大された圧力で加圧されるように構成された第2動力伝達装置(52)とを含む、ことを特徴とする支持装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、弾性材料にて一部品で形成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項9】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、少なくとも二つの弾性材料層(53)でできており、これらの層は接合されてユニットを形成し、前記接触表面(13)の各々の接触ゾーンを形成し、異なる弾性を有する、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の支持本体(7)において、良好な弾性及び良好な強度を持つゴム又はポリマーで形成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項11】
請求項10に記載の支持本体(7)において、前記ポリマーはポリウレタンである、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記ニップでの負荷は0kN/m乃至3000kN/mで変化する、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記支持本体(7)の機械方向での寸法は50mm乃至500mmである、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項14】
支持本体(7)の接触表面(13)及び対向する表面(4)によって画成された延在ニップ(N)を持つ装置のための支持本体(7)用の保持装置(8)であって、前記支持本体(7)は、
− 互いに反対方向に向いており且つ前記接触表面(13)に連結された二つの側面(69、70)、及び前記接触表面(13)とは反対方向に面する底面(71)を有し、
− 前記接触表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために、負荷システムによって前記対向する表面(4)に向かう方向で移動されるように構成されている、保持装置において、
前記支持本体(7)は弾性変形可能であり、その接触表面(13)を前記対向する表面(4)にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項14に記載の、支持本体(7)用の保持装置(8)において、前記保持装置(8)は、前記支持本体(7)の前記二つの側面(69、70)用のカウンタステイを形成し且つ前記支持本体(7)の前記底面(71)用のカウンタステイを直接的に又は間接的に形成するように構成されており、前記支持本体(7)は、前記接触表面(13)を持ち且つ少なくとも前記支持本体の前記ニップ形成作動位置で前記保持装置から突出するように構成された頂部分(31)を有する、ことを特徴とする保持装置(8)。
【請求項16】
請求項14に記載の保持装置において、前記支持本体(7)を受け入れるための空間(16)を有し、この空間(16)は、前記支持本体(7)の両側面(69及び70の夫々)と相互作用する二つの側面(66、67)、及び前記支持本体(7)の前記底面(71)に面する底面(68)を有する、ことを特徴とする保持装置。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の保持装置において、前記頂部分(31)は前記保持装置(8)から突出するように構成されており、前記支持本体(7)及び前記保持装置(8)の両底面(71、68)は互いに直接的に接触しており、前記負荷システムは、前記ニップ(N)に負荷を加えるために、前記保持装置(8)を前記支持本体(7)とともに移動するように構成された動力伝達装置(50)を含む、ことを特徴とする保持装置。
【請求項18】
請求項17に記載の保持装置において、前記動力伝達装置は、液圧シリンダ、空気圧シリンダ、ジャッキ等を含む、ことを特徴とする保持装置。
【請求項19】
請求項16、17、又は18に記載の保持装置において、前記支持本体(7)の前記底面(71)は、前記保持装置(8)の前記底面(68)から所定距離のところに配置され、その間に閉鎖チャンバ(57)を画成し、前記負荷システムは、前記閉鎖チャンバ(57)によって形成された圧力チャンバを含む動力伝達装置を含み、この動力伝達装置は、前記支持本体が弾性変形しているときに前記ニップ(N)に負荷を加えるために前記支持本体(7)を前記保持装置に関して移動するために加圧されるように構成されている、ことを特徴とする保持装置。
【請求項20】
請求項16乃至19のうちのいずれか一項に記載の保持装置において、前記支持本体(7)の前記底面(71)は、前記保持装置の前記底面(68)から所定距離のところに配置され、その間に閉鎖チャンバ(57)を画成し、前記負荷システムは、前記保持装置(8)を、前記支持本体(7)とともに、前記支持本体(7)の前記接触面(13)が前記対向する表面(4)から所定のところにある第1開始位置から、前記支持本体(7)の前記接触面(13)が前記対向する表面(4)と隣接して又は近付けて配置された第2開始位置まで移動するように構成された第1動力伝達装置(50)と、前記閉鎖チャンバ(57)によって形成された圧力チャンバを含み、前記支持本体(7)を前記保持装置(8)に関して移動し、前記支持本体が弾性変形してニップ形成作動位置を形成するときに前記ニップ(N)に負荷を加えるために、増大された圧力で加圧されるように構成された第2動力伝達装置(52)とを含む、ことを特徴とする支持装置。
【請求項21】
抄紙機又は板紙抄紙機で製造した繊維ウェブ(W)の処理を行うための装置であって、第1構造エレメント(1)、及び移動自在に構成されており且つ延在ニップ(N)を形成する際に前記第1構造エレメント(1)と相互作用するための対向する表面(4)を持つ第2構造エレメント(2)を含み、前記第1構造エレメント(1)は、移動自在のクロス(6)と、前記対向する表面(4)とともに前記ニップ(N)を画成する接触表面(13)を持つ支持本体(7)とを含み、前記支持本体(7)は、
− 互いに反対方向に面しており且つ前記接触表面(13)に連結された二つの側面(69、70)、及び前記接触表面(13)とは反対方向に向いた底面(71)を有し、
− 前記接触表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために、負荷システムによって前記対向する表面(4)に向かう方向で移動されるように構成されている、支持本体(7)において、
前記支持本体(7)は弾性変形可能であり、その接触表面(13)を前記対向する表面(4)にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、前記支持本体(7)には、前記支持本体(7)の前記二つの側面(69、70)用のカウンタステイを形成し且つ前記支持本体(7)の前記底面(71)用のカウンタステイを直接的に又は間接的に形成するように構成された保持装置(8)が設けられており、前記支持本体(7)は前記接触表面(13)を持ち、少なくとも前記支持本体(7)の前記ニップ形成作動位置で前記保持装置から突出するように構成された頂部分(31)を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項21又は22に記載の装置において、前記支持本体(7)は、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項21、22、又は23のうちのいずれか一項に記載の装置において、前記第2構造エレメント(2)は、前記対向する表面(4)を形成する接触表面を持つ支持本体を有し、両支持本体は、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とする装置。
【請求項25】
抄紙機又は板紙抄紙機で製造した繊維ウェブ(W)の処理を行うためのプレスであって、第1プレスエレメント(1)、及び移動自在に構成されており且つ延長プレスニップ(N)を形成する際に前記第1プレスエレメント(1)と相互作用するための対向する表面(4)を持つ第2プレスエレメント(2)を含み、前記第1プレスエレメント(1)は、移動自在のベルト(6)と、前記対向する表面(4)とともに前記ニップ(N)を画成するプレス本体(7)とを含み、前記プレス本体(7)は、
− 互いに反対方向に面しており且つ前記プレス表面(13)に連結された二つの側面(69、70)、及び前記プレス表面(13)とは反対方向に向いた底面(71)を有し、
− 前記プレス表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために、負荷システムによって前記対向する表面(4)に向かう方向で移動されるように構成されている、プレスにおいて、
前記プレス本体(7)は弾性変形可能であり、そのプレス表面(13)を前記対向する表面(4)にこの表面との相互作用にて適合できる、ことを特徴とするプレス。
【請求項26】
請求項25に記載のプレスにおいて、前記プレス本体(7)には、このプレス本体(7)の前記二つの側面(69、70)用のカウンタステイを形成し且つ前記プレス本体(7)の前記底面(71)用のカウンタステイを直接的に又は間接的に形成するように構成された保持装置(8)が設けられ、前記プレス本体(7)は、前記プレス表面(13)を持つ頂部分(31)を有し、前記頂部分は、少なくとも前記プレス本体のニップ形成作動位置で前記保持装置から突出するように構成されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項27】
請求項25又は26に記載のプレスにおいて、前記対向する表面(4)及び/又は前記プレス表面(13)は、加熱されるように構成されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項28】
請求項25乃至28のうちのいずれか一項に記載のプレスにおいて、前記プレス本体(7)は、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項29】
請求項25乃至28のうちのいずれか一項に記載のプレスにおいて、前記第2プレスエレメント(2)は、前記対向する表面(4)を形成するプレス表面を持つプレス本体を有し、両プレス本体は、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項30】
請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計された支持本体(7)を含む装置で延在ニップ(N)を形成する方法において、
− 請求項14乃至20のうちのいずれか一項に従って設計された保持装置(8)に支持本体(7)を取り付ける工程、
− 前記負荷システムによって前記支持本体(7)に負荷を加える工程、及び
− 前記接触表面(13)を弾性変形し、前記対向する表面(4)に適合するために、前記支持本体(7)の前記接触表面(13)を前記負荷の作用で前記対向する表面(4)に向かう方向で変位する工程を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項1乃至13のうちのいずれか一項に従って設計された支持本体(7)を含む装置で延在ニップ(N)の負荷を制御する方法において、
− 弾性が異なる少なくとも二つの弾性材料層でできた前記支持本体(7)を設計する工程、
− 前記支持本体(7)を請求項13乃至18のうちのいずれか一項に従って設計された保持装置(8)に取り付ける工程、
− 前記負荷システムによって前記支持本体(7)に負荷を加える工程、及び
− 前記少なくとも二つの弾性材料層の異なる弾性に応じた負荷プロファイルを持つ延在ニップ(N)を得るために、前記接触表面(13)を弾性変形し、前記対向する表面(4)に適合するため、前記支持本体(7)の前記接触表面(13)を前記負荷の作用で前記対向する表面(4)に向かう方向で変位する工程を含む、方法。
【請求項32】
抄紙機又は板紙抄紙機のプレス装置のプレス本体(7)としての、請求項1乃至13のうちのいずれか一項による支持本体(7)の使用。
【請求項33】
抄紙機又は板紙抄紙機の搬送搬送用の支持ホイルとしての、請求項1乃至13のうちのいずれか一項による支持本体(7)の使用。
【請求項34】
抄紙機又は板紙抄紙機のリールアップでの巻き支持体としての、請求項1乃至13のうちのいずれか一項による支持本体(7)の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2007−509252(P2007−509252A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536478(P2006−536478)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001486
【国際公開番号】WO2005/038130
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(501337362)メッツォ ペーパー カルルスタッド アクチボラグ (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001486
【国際公開番号】WO2005/038130
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(501337362)メッツォ ペーパー カルルスタッド アクチボラグ (8)
【Fターム(参考)】
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