説明

支持部材の開口部領域を被覆するための構造体

【課題】 本発明は、開口部1へ挿入される閉止部材3と閉止部材3および閉止部材3の周りに置かれた支持部材2の少なくとも一の領域を覆うカバーシート8を有する、支持部材2の開口部1領域を被覆するための構造体であって、非常に高い密着性を有する構造体を提供すること。
【解決手段】 閉止部材3はポリフェニレンエーテルをベースにしたプラスティック材から、カバーシート8は塩化ポリビニールをベースとするプラスティック材から製造されることにより、カバーシート8は閉止部材3に化学的に付着し、開口部1の良好な密着が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持部材の開口部領域を被覆するための構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属製の支持部材の開口部領域を被覆するための従来の構造体は、金属製で錫ニッケルの積層により、あるいは電気泳動(Kataphorese)による表面加工(処理)による閉止(栓)部材および塩化ポリビニールをベースとする材料から成るカバーシートで構成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、非常に良好な密着性を有しながら、容易に取り付けられ、容易に廉価に製造される冒頭で述べた種の構造体を提供することを、その課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明により特許請求項1に記載された特徴事項を有する冒頭で述べた種の構造によって解決される。即ち、本発明の被覆構造体は、開口部へ挿入可能な閉止部材と閉止部材および閉止部材の周りに置かれた支持部材の少なくとも一の領域を覆うカバーシートを有し、閉止部材はポリフェニレンエーテルをベースにしたプラスティック材から、カバーシートは塩化ポリビニールをベースとするプラスティック材から製造されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
ポリフェニレンエーテルをベースにした材料から製造される閉止(栓)部材には、塩化ポリビニールをベースに製造されるカバーシートが化学的付着によって非常に良好に固着するので、非常に良好な密着性を有しながら、容易に取り付けられ、閉止(栓)部材の表面加工の必要性がないために容易にかつ廉価に製造されることができる。
【0006】
更なる本発明の目的に沿った構成は従属請求項の対象として示される。
【0007】
本発明の好ましい実施態様を、図を参照として以下に詳述するが、そこからさらに目的に沿った別の構成及び利点が明確となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、例えば金属板から製造される支持部材2の開口部1の領域での本発明による構造体の断面図を示す。構造体(ないし装置)は、開口部1へ挿入され外寸法でこれに応じた差込部4を備える閉止部材(栓部材)3を有する。差込部4には、差込部4が開口部1へ挿入されたとき、ある特定位置で支持部材2と噛合い(係合し)、栓部材を開口部1に固定する鉤止ロック構造5が形成される。
【0009】
さらには、ここに提示の実施態様で、栓部材3には、栓部材3が開口部1に固定されたあとで支持部材2の外側面に対し僅かに持ち上がった差込部4の相互対峙する側部の間に伸延する平坦なカバー部6が構成される。カバー部6の外側には、開口部1の縁の横側に伸延し、栓部材3が開口部1に特定して配置されたとき支持部材2へ僅かな付勢力をもって据置かれる縁傘部(スカート状円錐部)7が形成される。
【0010】
栓部材3はポリフェニレンエーテル(一般に「PPE」と称される)をベースにしたプラスティック材より製造される。この種のプラスティック材は、例えばデグッサ株式会社ハイパーフォーマンスポリマース、マール(Degussa AG High Performance Polymers, Marl)、ドイツの商標名フェストラン(VESTORAN)として販売されている。PPE材から栓部材3を製造した後、さらなる加工は必要ではない。
【0011】
ここに提示の実施態様による構造体はさらには、本発明による構造体を順次に形成する際、直接支持部材2上に、そしてカバー部6および縁傘部7の外側を覆って形成される栓部材3の外側表面上に据置かれるカバーシート(カバー被覆)8を有する。カバーシート8は塩化ポリビニール(一般に「PVC」と称される)をベースにしたプラスティック材から製造され、最も平坦な組付け時に開口部の非常に良好な密着性が達成されるよう、栓部材3のPPE材および支持部材2の材料と化学的付着(ないし接着 Adhaesion)でもって結合される。
【0012】
カバーシート8は支持部材3の電気泳動前加工(ないし前処理)の後で開口部1へ挿入された栓部材3に取付けられる。最後に、好ましくは電気泳動前加工の際と同様な温度で加熱される。栓部材3とカバーシート8の材料が双方の境界領域で化学的親和性ないし相溶性(Vertraeglichkeit)により一体の中間層へと混合し、カバーシート8は支持部材2の自由に置かれた領域で留まり、それにより密着した結合が形成される。
【0013】
別の構造体では、支持部材2は同様に、PVC材製のカバーシート8が、開口部1の密着した被覆が達成できるよう良好に保持されるプラスティック材から製造される。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材の開口部領域を被覆するための構造体において、
開口部(1)へ挿入可能な閉止部材(3)と閉止部材(3)および閉止部材(3)の周りに置かれた支持部材(2)の少なくとも一の領域を覆うカバーシート(8)を有し、閉止部材(3)はポリフェニレンエーテルをベースにしたプラスティック材から、カバーシート(8)は塩化ポリビニールをベースとするプラスティック材から製造されていることを特徴とする構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の構造体であって、閉止部材(3)は平坦なカバー部(6)を備えることを特徴とする構造体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の構造体であって、閉止部材(3)は、開口部(1)へ挿入される差込部(4)を超えて周りに突出する縁傘部(7)を備えることを特徴とする構造体。
【請求項4】
請求項1、2及び3のいずれかに記載の構造体であって、閉止部材(3)は、支持部材(2)と形状結合(ありつぎ結合)により係合する鉤止ロック構造(5)を備えることを特徴とする構造体。

【公表番号】特表2008−520920(P2008−520920A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541725(P2007−541725)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011507
【国際公開番号】WO2006/056289
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(507046288)アー ライモント エ カンパニュイ (71)
【Fターム(参考)】