説明

支援プログラム、支援方法および支援装置

【課題】データの貼り付け操作による利便性を向上させること。
【解決手段】支援装置100は、データの複写を検知した場合に、複写元アプリケーション名および複写元アプリケーションパス等と履歴情報132とを比較して、複写先の候補となる、複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパスを含んだ予測情報を生成する。そして、支援装置100は、予測情報を基にして、貼り付け先の候補となる画面を表示部120に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援プログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
あるアプリケーションによって実行されるファイルのデータを複写し、他のファイルに貼り付けることが行われている。利用者が複写したデータを他のファイルに貼り付ける場合には、他のファイルを呼び出す操作が必要となる。例えば、利用者は、他のファイルを開くために、アプリケーションを選択して起動させ、貼り付けたい画面を表示する操作を行うこととなる。
【0003】
ここで、複写操作において、利用者が複写先のアプリケーションを立ち上げるための負荷を軽減することを目的とする技術がある。例えば、あるアプリケーション上で、データの複写が実行された場合に、複写されたデータの属性毎に、予め指定されたアプリケーションを起動する技術がある。また、利用者の操作履歴を学習し、あるアプリケーションの次に起動される可能性が高いアプリケーションを過去の起動順序から推測して起動し、利用者が利用しやすい態様で画面表示する技術も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−241879号公報
【特許文献2】特開2005−327069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、データの貼り付け操作による利便性を必ずしも向上させることができないという問題があった。
【0006】
例えば、利用者はアプリケーションAで複写したデータを、アプリケーションBを起動した後に、アプリケーションCを起動して貼り付けを行う場合がある。従来技術では、単純にアプリケーションの起動順序を学習して、複写先のアプリケーションを起動させる。このため、上記のように、アプリケーションの起動順序によって、複写先のアプリケーションが決まらない場合には、利用者自身が複写先のアプリケーションを起動させることとなり、利用者の利便性を向上させることができない。
【0007】
また、アプリケーションが複数の画面を表示させる場合には、次に起動されるアプリケーションを予測して起動させたとしても、利用者自身が、複数の画面から複写先の画面を選択することとなり不便である。例えば、アプリケーションAの画面Aでデータを複写して、アプリケーションBの画面Bに複写したデータを貼り付ける場合を考える。このような場合には、従来技術によって複写先のアプリケーションBを起動させたとしても、利用者自身の操作により、画面Bに辿りつかなければならない。
【0008】
また、通常よく貼り付ける画面がアプリケーションBの画面Bだとしても、場合によってはアプリケーションBの画面Cに貼り付ける場合もある。つまり、その時々の場合に応じて、特定の画面に遷移し易くすることで、利用者の利便性を向上させることも求められる。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、データの貼り付け操作による利便性を向上させることができる支援プログラム、支援方法および支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する支援プログラムは、コンピュータに、データの複写を検知し、複写が行われた画面を識別する第一の識別情報を取得し、記憶部から、第一の識別情報が第二の識別情報と一致する場合の第三の識別情報を取得する処理を実行させる。また、開示の支援プログラムは、コンピュータに、第三の識別情報に基づいて、第三の画面の格納場所を示すリンク情報を含んだ予測情報を生成し、予測情報を出力する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本願の開示する支援プログラムの一つの態様によれば、データの貼り付け操作による利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本実施例にかかる支援装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】図3は、制御部の処理を説明するための図(1)である。
【図4】図4は、制御部の処理を説明するための図(2)である。
【図5】図5は、本実施例にかかる支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、画面表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、履歴情報更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例にかかる支援装置を構成するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する支援プログラム、支援方法および支援装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0014】
本実施例にかかる支援装置の構成について説明する。図1は、本実施例にかかる支援装置の構成を示す図である。図1に示すように、支援装置100は、入力部110、表示部120、記憶部130、制御部140を有する。
【0015】
入力部110は、利用者が各種の情報を入力する入力装置である。例えば、入力部110は、キーボード、マウス、タッチパネル等に対応する。利用者は、入力部110を操作して、データの入力、項目の選択、データの複写、貼り付け等を行う。
【0016】
表示部120は、制御部140の出力結果を表示する表示装置である。例えば、表示部120は、ディスプレイ、モニタ、タッチパネル等に対応する。
【0017】
記憶部130は、各種アプリケーション情報131、履歴情報132、メモリ空間133を有する記憶部である。記憶部130は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、またはハードディスク、光ディスクなどの記憶装置に対応する。
【0018】
各種アプリケーション情報131は、各種のアプリケーションの実行ファイルや、アプリケーションで利用される各画面の実行ファイルを有する。例えば、制御部140は、各種アプリケーション情報131の実行ファイルを読み出して実行することで、アプリケーションを起動する。
【0019】
複数の画面を有するアプリケーションは、例えば、医療カルテの情報を取り扱うアプリケーションが該当する。また、流通業や生産業で製品の製造元、発注先など管理するためのアプリケーションも、複数の画面を有している。本実施例で利用するアプリケーションは、このような複数の画面を取り扱うものを想定しているが、単一の画面を利用するアプリケーションにも同様に適用可能である。
【0020】
履歴情報132は、複写元となるアプリケーションの画面と、複写先となったアプリケーションの画面との組み合わせ等を有する。図2は、履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。図2に示すように、履歴情報132は、組み合わせID、複写データ属性、複写元アプリケーション名、複写元アプリケーションパス、複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパス、複写回数を対応づけて保持する。
【0021】
組み合わせIDは、履歴情報132の各レコードを識別する識別情報である。複写データ属性は、複写対象となるデータの属性を示すものである。データの属性は、例えば、テキスト、画像、音声、動画等に対応する。
【0022】
複写元アプリケーション名は、複写元となるアプリケーションの名前に対応する。アプリケーションが複数の画面を有している場合には、複写元となるアプリケーションの画面を識別するものが、複写元アプリケーション名に登録される。
【0023】
複写元アプリケーションパスは、複写元のアプリケーションの実行ファイルの位置またはアプリケーションの画面の実行ファイルの位置を示す情報である。実行ファイルの実体は、各種アプリケーション情報131に格納されている。
【0024】
複写先アプリケーション名は、複写先となるアプリケーションの名前に対応する。アプリケーションが複数の画面を有している場合には、複写先となるアプリケーションの画面を識別するものが、複写先アプリケーション名に登録される。
【0025】
複写先アプリケーションパスは、複写先のアプリケーションの実行ファイルの位置またはアプリケーションの画面の実行ファイルの位置を示す情報である。実行ファイルの実体は、各種アプリケーション情報131に格納されている。
【0026】
複写回数は、複写元のアプリケーションの画面と、複写先のアプリケーションの画面との組によって行われた複写の回数を示す。例えば、図2の1段目では、複写回数が「100」となっている。これは、複写元アプリケーションの画面「アプリA−画面1」において複写されたテキストが、複写先アプリケーションの画面「アプリB−画面1」に貼り付けられた回数が通算「100」回であることを示している。
【0027】
図2の1段目では、組み合わせID「1」、複写データ属性「テキスト」、複写元アプリケーション名「アプリA−画面1」、複写元アプリケーションパス「c:\...\アプリA−画面1.exe」が登録されている。また、図2の1段目では、複写先アプリケーション名「アプリB−画面1」、複写先アプリケーションパス「c:\...\アプリB−画面1.exe」、複写回数「100」が登録されている。図2の2段目以降においても、組み合わせID、複写データ属性、複写元アプリケーション名、複写元アプリケーションパス、複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパス、複写回数を対応づけて登録している。
【0028】
メモリ空間133は、制御部140が各種の情報を一時的に記憶する記憶領域である。
【0029】
制御部140は、あるアプリケーションでデータの複写を検知した場合に、履歴情報132に基づいて、複写先となるアプリケーションの画面を予測して、表示部120に表示し、複写元のデータを貼り付ける処理部である。制御部140は、画面表示処理部141、イベント検知部142、予測情報生成部143、履歴情報更新部144を有する。制御部140は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。また、制御部140は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路に対応する。
【0030】
画面表示処理部141は、入力部110からアプリケーションの起動要求を受けた場合に、該当するアプリケーションの実行ファイルを各種アプリケーション情報131から読み出して、アプリケーションを実行する処理部である。画面表示処理部141がアプリケーションを実行することで、アプリケーションの画面が表示部120に表示される。画面表示処理部141は、出力部の一例である。
【0031】
また、画面表示処理部141は、予測情報生成部143から予測情報を取得する。この予測情報は、データの複写先の候補となるアプリケーション画面のリンク情報を含む。例えば、このリンク情報は、複写先の候補となるアプリケーション画面毎に、組み合わせID、複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパス、複写回数を含む。
【0032】
ここで、画面表示処理部141が、予測情報を取得した場合の処理について説明する。画面表示処理部141は、複写回数の多い順番で複写先アプリケーション名を並べた選択項目を、表示部120に表示する。
【0033】
画面表示処理部141は、選択項目中の複写先アプリケーション名が選択された場合には、複写先アプリケーション名に対応する複写先アプリケーションパスをキーにして、アプリケーションの画面を起動し、表示部120に表示する。画面表示処理部141は、起動したアプリケーションの画面に、複写元のデータを貼り付ける。例えば、画像表示処理部141は、クリップボード等に複写されたデータを保持しておき、このクリップボードから複写元のデータを取り出して、データを貼り付ける。
【0034】
画面表示処理部141は、選択項目中で選択された複写先アプリケーション名に対応する組み合わせIDを、履歴情報更新部144に通知する。
【0035】
イベント検知部142は、入力部110から入力される情報または画面表示処理部141の処理を監視し、複写イベントまたは貼り付けイベントを検知する処理部である。イベント検知部142は、検知部の一例である。複写イベントは、データの複写が行われたことを示すイベントである。貼り付けイベントは、複写されたデータが貼り付けられたことを示すイベントである。
【0036】
イベント検知部142が、複写イベントを検知した場合の処理について説明する。イベント検知部142は、複写されたデータの複写データ属性、複写元アプリケーション名、複写元アプリケーションパスを収集する。イベント検知部142は、メモリ空間133を初期化した後に、収集した情報を、メモリ空間133に格納する。また、イベント検知部142は、複写イベントを検知した旨を予測情報生成部143に通知する。
【0037】
イベント検知部142が、貼り付けイベントを検知した場合の処理について説明する。イベント検知部142は、複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパスを収集する。イベント検知部142は、メモリ空間133を参照し、メモリ空間133に、複写データ属性、複写元アプリケーション名、複写元アプリケーションパスが登録されている場合には、複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパスを追加登録する。そして、イベント検知部142は、貼り付けイベントを検知した旨を履歴情報更新部144に通知する。
【0038】
これに対して、イベント検知部142は、メモリ空間133に、複写データ属性、複写元アプリケーション名、複写元アプリケーションパスが登録されてない場合には、収集した情報を破棄する。
【0039】
予測情報生成部143は、複写イベントが発生した旨を受けた場合に、予測情報を生成する処理部である。予測情報生成部143は、予測情報を画面表示処理部141に通知する。予測情報生成部143は、識別情報取得部と予測情報生成部とを組み合わせたものの一例である。
【0040】
予測情報生成部143が、予測情報を生成する処理について説明する。予測情報生成部143は、メモリ空間133に登録された複写データ属性と、複写元アプリケーション名と、複写元アプリケーションパスとの組を含む、レコードの組み合わせIDを、履歴情報132から検出する。そして、予測情報生成部143は、検出した組み合わせIDに対応する複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパス、複写回数を、履歴情報132から抽出し、抽出した各情報を予測情報として生成する。
【0041】
例えば、メモリ空間133に格納された情報が、複写データ属性「テキスト」、複写元アプリケーション名「アプリA−画面1」、複写先アプリケーションパス「c:\...\アプリA−画面1.exe」の場合を例に説明する。図2において、該当する組み合わせIDは、組み合わせID「1、2、3」となる。このため、予測情報生成部143は、組み合わせID「1」に対応する複写先アプリケーション名「アプリB−画面1」、複写先アプリケーションパス「c:\...\アプリB−画面1.exe」、複写回数「100」を対応づけて、予測情報に含める。また、予測情報生成部143は、組み合わせID「2」に対応する複写先アプリケーション名「アプリB−画面2」、複写先アプリケーションパス「c:\...\アプリB−画面2.exe」、複写回数「80」を対応づけて、予測情報に含める。また、予測情報生成部143は、組み合わせID「3」に対応する複写先アプリケーション名「アプリB−画面3」、複写先アプリケーションパス「c:\...\アプリB−画面3.exe」、複写回数「90」を対応づけて、予測情報に含める。
【0042】
なお、予測情報生成部143は、予測情報に含まれる各複写回数を比較して、複写回数の多い順番に、予測情報に含まれる情報を並び替えても良い。または、予測情報生成部143は、予測情報に含まれる各複写回数を比較して、複写回数の少ない順番に、予測情報に含まれる情報を並び替えても良い。
【0043】
履歴情報更新部144は、履歴情報132を更新する処理部である。まず、履歴情報更新部144が、イベント検知部142から、貼り付けイベントを検知した旨の情報を取得した場合の処理について説明する。履歴情報更新部144は、メモリ空間133から、複写データ属性、複写元アプリケーション名、複写元アプリケーションパス、複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパスの組を取得し、取得した情報を履歴情報132に新規登録する。また、履歴情報更新部144は、履歴情報133に新規登録する場合には、複写回数を「1」に設定し、組み合わせIDを未割り当てのIDに設定する。
【0044】
履歴情報更新部144が、画面表示処理部141から組み合わせIDを取得した場合の処理について説明する。履歴情報更新部144は、履歴情報132を参照し、取得した組み合わせIDと一致する組み合わせIDを有するレコードの複写回数に1を加算する。
【0045】
次に、制御部140の全体の処理の一例を図3、図4を用いて説明する。図3および図4は、制御部の処理を説明するための図である。図3に示すように、制御部140は、表示部120に、アプリAによる画面1および画面2を表示させており、利用者は、入力部110を操作して、画面1のテキスト1を複写する(ステップS10)。
【0046】
制御部140は、ステップS10に示した複写イベントが発生すると、複写データ属性、複写元アプリケーション名、複写元アプリケーションパスに基づいて、該当するレコードを履歴情報132から検出する。複写データ属性「テキスト」、複写元アプリケーション名「アプリA−画面1」、複写先アプリケーションパス「c:\...\アプリA−画面1.exe」の場合を例に説明する。この場合には、図4の1段目に示すように、制御部140は、組み合わせID「1、2、3」のレコードを選択する。
【0047】
制御部140は、組み合わせID「1、2、3」に対応する複写先アプリケーション名を、表示部120の選択項目1a中に表示する。図3に示すように、制御部140は、複写先アプリケーション名を複写回数の多い順番に表示する(ステップS11)。
【0048】
制御部140は、選択項目1a中の複写先アプリケーション名が選択された場合には、該当する複写先アプリケーションパスの実行ファイルを実行することで、複写先のアプリケーション画面を表示し、複写されたテキストを貼り付ける。図3に示す例では、選択項目1aの「アプリB−画面2」が選択される(ステップS12)。そして、制御部140は、アプリBの画面2を起動し、テキスト1を貼り付けている(ステップS13)。
【0049】
図3のステップS12の処理が行われることで、制御部140は、図4の組み合わせID「2」に対応する複写回数に1を加算し、「81」とする。
【0050】
次に、本実施例にかかる支援装置100の処理手順について説明する。図5は、本実施例にかかる支援装置の処理手順を示すフローチャートである。図5に示す処理は、複写イベント、貼り付けイベント、終了イベント等のイベントが発生したことを契機として実行される。図5に示すように、支援装置100は、イベントが発生したか否かを判定する(ステップS101)。支援装置100は、イベントが発生していない場合には(ステップS101,No)、ステップS101に移行する。
【0051】
支援装置100は、イベントが発生した場合には(ステップS101,Yes)、イベントが終了イベントか否かを判定する(ステップS102)。支援装置100は、イベントが終了イベントの場合には(ステップS102,Yes)、処理を終了する。
【0052】
一方、支援装置100は、イベントが終了イベントではない場合には(ステップS102,No)、発生したイベントが複写イベントか否かを判定する(ステップS103)。支援装置100は、複写イベントの場合には(ステップS103,Yes)、画面表示処理を実行し(ステップS104)、履歴情報更新処理を実行し(ステップS105)、ステップ101に移行する。
【0053】
一方、支援装置100は、イベントが貼り付けイベントの場合には(ステップS103,No)、履歴情報更新処理を実行し(ステップS106)、ステップS101に移行する。
【0054】
次に、図5のステップS104に示した画面表示処理の処理手順について説明する。図6は、画面表示処理の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、支援装置100は、メモリ空間133を初期化する(ステップS201)。支援装置100は、複写データ属性、複写元アプリケーション名、複写元アプリケーションパスを取得し、メモリ空間133に保持する(ステップS202)。
【0055】
支援装置100は、履歴情報132から組み合わせが一致するレコードを検索し(ステップS203)、組み合わせが存在しない場合には(ステップS204,No)、処理を終了する。
【0056】
一方、支援装置100は、組み合わせが存在する場合には(ステップS204,Yes)、組み合わせに対応する複写先アプリケーション名の選択項目を表示する(ステップS205)。ステップS205において、支援装置100は、複写先アプリケーション名を、複写回数が多い順に並べる。
【0057】
支援装置100は、選択項目の複写先アプリケーション名が選択されなかった場合には(ステップS206,No)、ステップS209に移行する。支援装置100は、選択項目の複写先アプリケーション名が選択された場合には(ステップS206,Yes)、選択された複写先アプリケーション名の複写先アプリケーションパスから、複写先アプリケーションを起動する(ステップS207)。
【0058】
支援装置100は、クリップボードに複写されたデータを、起動した複写先アプリケーションのキャレットの位置に貼り付ける(ステップS208)。支援装置100は、メモリ空間133を初期し(ステップS209)、画面表示処理を終了する。
【0059】
次に、図5のステップS105またはS106に示した履歴情報更新処理について説明する。図7は、履歴情報更新処理の処理手順を示すフローチャートである。図7に示すように、支援装置100は、メモリ空間133に、複写データ属性、複写元アプリケーション名、複写元アプリケーションパスが保持されているか否かを判定する(ステップS301)。
【0060】
支援装置100は、メモリ空間133に各情報が保持されている場合には(ステップS302,Yes)、複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパスを取得し、メモリ空間133に保持する(ステップS303)。
【0061】
支援装置100は、メモリ空間133から、複写データ属性、複写元アプリケーション名、複写元アプリケーションパス、複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパスを取得し、履歴情報に新規にレコードを追加する(ステップS304)。支援装置100は、メモリ空間133を初期化し(ステップS305)、履歴情報更新処理を終了する。ステップS304において、支援装置100は、履歴情報132の組み合わせIDの最大値に1を加算した値を、新たなレコードの組み合わせIDとする。また、支援装置100は、新たなレコードの複写回数を1に設定する。
【0062】
ステップS302において、メモリ空間133に各情報が保持されていない場合には(ステップS302,No)、支援装置100は、実際に複写された複写先アプルケーション名と複写元アプリケーションとの組み合わせIDを特定する(ステップS306)。支援装置100は、組み合わせIDが一致するレコードの、複写回数に1を加算し(ステップS307)、履歴情報更新処理を終了する。
【0063】
次に、本実施例にかかる支援装置100の効果について説明する。支援装置100は、データの複写を検知した場合に、複写元アプリケーション名および複写元アプリケーションパス等と履歴情報132とを比較して、複写先の候補となる、複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパスを含んだ予測情報を生成する。この予測情報を利用することで、支援装置100は、利用者に煩雑な操作をさせることなく、貼り付けを行う画面を表示することができる。したがって、支援装置100によれば、データの貼り付け操作による利便性を向上させることができる。
【0064】
また、支援装置100は、予測情報を生成する場合に、複写先アプリケーション名および複写先アプリケーションパスに、複写回数を対応づける。このため、支援装置100は、この複写回数に応じて、複写先アプリケーション名の表示順を変更することができる。例えば、支援装置100は、複写回数の多い順番で、複写先アプリケーション名を表示し、利用者に選択させることができる。なお、支援装置100は、複写回数の少ない順に、複写先アプリケーション名を表示してもよい。
【0065】
また、支援装置100は、予測情報に基づいて、複数の画面から、貼り付け先となる画面を表示する。このため、アプリケーションが複数の画面を有している場合でも、貼り付け作業における利用者の利便性を向上させることができる。
【0066】
また、支援装置100は、予測情報に基づいて、貼り付け先の候補となる、画面名を表示して、利用者に選択させ、選択された画面を表示する。このため、利用者の貼り付ける順番が異なる場合にでも、臨機応変に対応することができる。すなわち、支援装置100は、その時々の場合に応じて、特定の画面に遷移し易くし、利用者の利便性を向上させることができる。
【0067】
ところで、図1に示した画面表示処理部141は、予測情報生成部143から、予測情報を取得した場合に、予測情報を基に、選択項目を画面に表示させ、利用者に貼り付け先となる画面を選択させていたがこれに限定されることはない。例えば、画面表示処理部141は、複写回数が最も多い複写先アプリケーションパスの実行ファイルを自動で実行してもよい。
【0068】
また、予測情報生成部143を、識別情報取得部と予測情報生成部に分割しても良い。例えば、識別情報取得部は、メモリ空間133に登録された複写データ属性と、複写元アプリケーション名と、複写元アプリケーションパスとの組を含む、レコードの組み合わせIDを、履歴情報から検出する。予測情報生成部は、検出された組み合わせIDに対応する複写先アプリケーション名、複写先アプリケーションパス、複写回数を、履歴情報132から抽出し、抽出した各情報を予測情報として生成する。
【0069】
支援装置100は、既知のPC(Personal Computer)またはPDA(Personal Digital Assistants)などの情報処理装置に、支援装置100の各機能を搭載することによって実現することもできる。図8は、実施例にかかる支援装置を構成するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【0070】
図8に示すように、このコンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、モニタ203とを有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読み取り装置204と、外部の装置と接続するインターフェース装置205とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207とを有する。各装置201〜207は、バス208に接続される。
【0071】
ハードディスク装置207は、画面表示処理プログラム207a、イベント通知プログラム207b、予測情報生成プログラム207c、履歴情報更新プログラム207d、履歴情報207e、各種アプリケーション情報207fを記憶する。
【0072】
CPU201は、ハードディスク装置207に記憶された各プログラム207a〜207dを読み出して、RAM206に展開する。これにより、画面表示処理プログラム207aは、画面表示処理プロセス206aとして機能する。イベント通知プログラム207bは、イベント通知プロセス206bとして機能する。予測情報生成プログラム207cは、予測情報生成プロセス206cとして機能する。履歴情報更新プログラム207dは、履歴情報更新プロセス206dとして機能する。また、CPU201は、履歴情報206e、各種アプリケーション情報206fを、RAM206に読み出す。
【0073】
画面表示処理プロセス206aは、図1の画面表示処理部141に対応する。イベント通知プロセス206bは、図1のイベント検知部142に対応する。予測情報生成プロセス206cは、図2の予測情報生成部143に対応する。履歴情報更新プロセス206dは、図1の履歴情報更新部144に対応する。履歴情報207eは、図1の履歴情報132に対応する。各種アプリケーション情報207fは、図1の各種アプリケーション131に対応する。各プロセス206a〜206d、各データ206e、206fにより、CPU201は、複写イベントが発生した場合に、貼り付け先となる画面をモニタ203に表示させる。
【0074】
なお、上記のプログラム207a〜207dは、必ずしもハードディスク装置207に格納されている必要はない。例えば、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されたプログラム207a〜407dを、コンピュータ200が読み出して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等に接続された記憶装置に、各プログラム207a〜207dを記憶させておいてもよい。この場合、コンピュータ200がこれらから各プログラム207a〜207dを読み出して実行するようにしてもよい。
【0075】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0076】
(付記1)コンピュータに、
データの複写を検知し、
前記複写が行われた画面を識別する第一の識別情報を取得し、
前記複写よりも前に検知した他の複写における複写元である第二の画面の第二の識別情報と、該データの貼り付けが行われた複写先である第三の画面の第三の識別情報とを対応づけて記憶する記憶部から、前記第一の識別情報が該第二の識別情報と一致する場合の該第三の識別情報を取得し、
前記第三の識別情報に基づいて、前記第三の画面の格納場所を示すリンク情報を含んだ予測情報を生成し、
前記予測情報を出力する処理を実行させることを特徴とする支援プログラム。
【0077】
(付記2)前記記憶部は、前記第二の画面に対する複写先として前記第三の画面が選択された回数を更に記憶し、前記回数と前記第三の画面とを対応づけたリンク情報を有する予測情報を生成することを特徴とする付記1に記載の支援プログラム。
【0078】
(付記3)前記記憶部は、前記第三の識別情報と前記第三の画面とを対応づけて更に記憶し、前記予測情報に基づいて、前記第三の画面を呼び出すことを特徴とする付記1または2に記載の支援プログラム。
【0079】
(付記4)前記予測情報に基づいて、前記第三の画面に対応する複数のリンク情報を表示し、何れかのリンク情報が選択された場合には、選択されたリンク情報に対応する第三の画面を呼び出すことを特徴とする付記1または2に記載の支援プログラム。
【0080】
(付記5)前記記憶部は、さらに、前記第二の画面に対する複写先として、前記第三の画面を表示するソフトウェアにより表示される第四の画面が選択された他の回数とを記憶し、
前記回数と前記他の回数との比較結果を含む前記予測情報を生成することを特徴とする付記2〜4のいずれか一つに記載の支援プログラム。
【0081】
(付記6)コンピュータが実行する支援方法であって、
データの複写を検知し、
前記複写が行われた画面を識別する第一の識別情報を取得し、
前記複写よりも前に検知した他の複写における複写元である第二の画面の第二の識別情報と、該データの貼り付けが行われた複写先である第三の画面の第三の識別情報とを対応づけて記憶する記憶部から、前記第一の識別情報が該第二の識別情報と一致する場合の該第三の識別情報を取得し、
前記第三の識別情報に基づいて、前記第三の画面の格納場所を示すリンク情報を含んだ予測情報を生成し、
前記予測情報を出力することを特徴とする支援方法。
【0082】
(付記7)前記記憶部は、前記第二の画面に対する複写先として前記第三の画面が選択された回数を更に記憶し、前記回数と前記第三の画面とを対応づけたリンク情報を有する予測情報を生成することを特徴とする付記6に記載の支援方法。
【0083】
(付記8)前記記憶部は、前記第三の識別情報と前記第三の画面とを対応づけて更に記憶し、前記予測情報に基づいて、前記第三の画面を呼び出すことを特徴とする付記6または7に記載の支援方法。
【0084】
(付記9)前記予測情報に基づいて、前記第三の画面に対応する複数のリンク情報を表示し、何れかのリンク情報が選択された場合には、選択されたリンク情報に対応する第三の画面を呼び出すことを特徴とする付記6または7に記載の支援方法。
【0085】
(付記10)前記記憶部は、さらに、前記第二の画面に対する複写先として、前記第三の画面を表示するソフトウェアにより表示される第四の画面が選択された他の回数とを記憶し、
前記回数と前記他の回数との比較結果を含む前記予測情報を生成することを特徴とする付記7〜9のいずれか一つに記載の支援方法。
【0086】
(付記11)データの複写を検知し、前記複写が行われた画面を識別する第一の識別情報を取得する検知部と、
前記複写よりも前に検知した他の複写における複写元である第二の画面の第二の識別情報と、該データの貼り付けが行われた複写先である第三の画面の第三の識別情報とを対応づけて記憶する記憶部から、前記第一の識別情報が該第二の識別情報と一致する場合の該第三の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記第三の識別情報に基づいて、前記第三の画面の格納場所を示すリンク情報を含んだ予測情報を生成する予測情報生成部と、
前記予測情報を出力する出力部と
を備えたことを特徴とする支援装置。
【0087】
(付記12)前記記憶部は、前記第二の画面に対する複写先として前記第三の画面が選択された回数を更に記憶し、前記予測情報生成部は、前記回数と前記第三の画面とを対応づけたリンク情報を有する予測情報を生成することを特徴とする付記11に記載の支援装置。
【0088】
(付記13)前記記憶部は、前記第三の識別情報と前記第三の画面とを対応づけて更に記憶し、前記出力部は、前記予測情報に基づいて、前記第三の画面を呼び出すことを特徴とする付記11または12に記載の支援装置。
【0089】
(付記14)前記出力部は、前記予測情報に基づいて、前記第三の画面に対応する複数のリンク情報を表示し、何れかのリンク情報が選択された場合には、選択されたリンク情報に対応する第三の画面を呼び出すことを特徴とする付記11または12に記載の支援装置。
【0090】
(付記15)前記記憶部は、さらに、前記第二の画面に対する複写先として、前記第三の画面を表示する表示部により表示される第四の画面が選択された他の回数とを記憶し、
前記予測情報生成部は、前記回数と前記他の回数との比較結果を含む前記予測情報を生成することを特徴とする付記12〜14のいずれか一つに記載の支援装置。
【符号の説明】
【0091】
100 支援装置
110 入力部
120 表示部
130 記憶部
140 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
データの複写を検知し、
前記複写が行われた画面を識別する第一の識別情報を取得し、
前記複写よりも前に検知した他の複写における複写元である第二の画面の第二の識別情報と、該データの貼り付けが行われた複写先である第三の画面の第三の識別情報とを対応づけて記憶する記憶部から、前記第一の識別情報が該第二の識別情報と一致する場合の該第三の識別情報を取得し、
前記第三の識別情報に基づいて、前記第三の画面の格納場所を示すリンク情報を含んだ予測情報を生成し、
前記予測情報を出力する処理を実行させることを特徴とする支援プログラム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記第二の画面に対する複写先として前記第三の画面が選択された回数を更に記憶し、前記回数と前記第三の画面とを対応づけたリンク情報を有する予測情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の支援プログラム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記第三の識別情報と前記第三の画面とを対応づけて更に記憶し、前記予測情報に基づいて、前記第三の画面を呼び出すことを特徴とする請求項1または2に記載の支援プログラム。
【請求項4】
前記記憶部は、さらに、前記第二の画面に対する複写先として、前記第三の画面を表示するソフトウェアにより表示される第四の画面が選択された他の回数とを記憶し、
前記回数と前記他の回数との比較結果を含む前記予測情報を生成することを特徴とする請求項2または3に記載の支援プログラム。
【請求項5】
コンピュータが実行する支援方法であって、
データの複写を検知し、
前記複写が行われた画面を識別する第一の識別情報を取得し、
前記複写よりも前に検知した他の複写における複写元である第二の画面の第二の識別情報と、該データの貼り付けが行われた複写先である第三の画面の第三の識別情報とを対応づけて記憶する記憶部から、前記第一の識別情報が該第二の識別情報と一致する場合の該第三の識別情報を取得し、
前記第三の識別情報に基づいて、前記第三の画面の格納場所を示すリンク情報を含んだ予測情報を生成し、
前記予測情報を出力することを特徴とする支援方法。
【請求項6】
データの複写を検知し、前記複写が行われた画面を識別する第一の識別情報を取得する検知部と、
前記複写よりも前に検知した他の複写における複写元である第二の画面の第二の識別情報と、該データの貼り付けが行われた複写先である第三の画面の第三の識別情報とを対応づけて記憶する記憶部から、前記第一の識別情報が該第二の識別情報と一致する場合の該第三の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記第三の識別情報に基づいて、前記第三の画面の格納場所を示すリンク情報を含んだ予測情報を生成する予測情報生成部と、
前記予測情報を出力する出力部と
を備えたことを特徴とする支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−133594(P2012−133594A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285160(P2010−285160)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】