説明

支柱支持装置

【課題】1人の作業人で多数本の支柱を立設して支柱間を横繋ぎできるようにした支柱支持装置を提供する。
【解決手段】3本の脚体1と、各脚体1の上端に取り付けられ支柱2の上下方向中間部を外側から掴む上部支持プレート3と、各脚体1の上下方向中間部に取り付けられ前記上部支持プレート3の真下で上部支持プレート3とほぼ平行に位置するように支柱2の下端近傍部を外側から掴む下部支持プレート6とを備え、前記3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6はそれぞれ並んだ状態において中央に位置する支持プレート3,6とその両側に位置する支持プレート3,6が回転自在に結合されており、3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6を環状とした状態において3本の脚体1は3脚状に開かれ、両側に位置する上部支持プレート3の隣接部および両側に位置する下部支持プレート6の隣接部を連結ピン10で止めるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支保工などにおいて立設される支柱を支持するための支柱支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種工事のために支柱を立設するために通常少なくとも3人が必要で、その内2人がそれぞれ支柱を起立状態で保持し、残りの1人で支柱間を横繋ぎ棒で繋ぎ、その作業を繰り返し行なっているのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来のように支保工などにおいて支柱を立設する場合、通常少なくとも3人が必要で、その内2人がそれぞれ支柱を起立状態で保持し、残りの1人で支柱間を横繋ぎ棒で繋ぎ、その作業を繰り返し行なっているのが現状であり、作業する人を3人以上用意しなければならないという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、このような課題を解決するものであり、1人の作業人で多数本の支柱を立設して支柱間を横繋ぎできるようにした支柱支持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の支柱支持装置は、3本の脚体と、各脚体の上端に取り付けられ支柱の上下方向中間部を外側から掴む上部支持プレートと、各脚体の上下方向中間部に取り付けられ前記上部支持プレートの真下で上部支持プレートとほぼ平行に位置するように支柱の下端近傍部を外側から掴む下部支持プレートと、上部支持プレートとその真下に位置する下部支持プレートを繋ぐ連結棒とを備え、前記3枚の上部支持プレートおよび3枚の下部支持プレートはそれぞれ並んだ状態において中央に位置する支持プレートとその両側に位置する支持プレートが回転自在に結合されており、3枚の上部支持プレートおよび3枚の下部支持プレートを環状とした状態において3本の脚体は3脚状に開かれた状態となり、両側に位置する上部支持プレートの隣接部および両側に位置する下部支持プレートの隣接部を連結ピンで止めるようにしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の支柱支持装置は、各上部支持プレートおよび各下部支持プレートにアダプターをセットし、3枚の上部支持プレートおよび3枚の下部支持プレートで作られる空間を縮めるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明の支柱支持装置は、支柱支持装置による支柱の立設作業および立設された支柱間の横繋ぎ作業を1人の作業人で行なえるようになり、作業効率の向上を図ることができる。また、支柱支持装置は折り畳み状態において上から見て3枚の上部支持プレートおよび3枚の下部支持プレートが並んだ状態となり、また3本の脚体も並んだ状態となるので、持ち運びが容易に行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。
先ず、図1〜図10に示す第1の実施の形態について説明すると、1は支柱支持装置の要部である3本の脚体で、各脚体1の上端には支柱2の上下方向中間部を外側から掴む上部支持プレート3が溶接などで取り付けられている。支柱支持装置が折り畳まれて上から見て3枚の上部支持プレート3が並んだ状態において中央に位置する上部支持プレート3とその両側に位置する上部支持プレート3がボルト4、ナット5により回転自在に結合されており、また各脚体1の上下方向中間部には前記上部支持プレート3の真下で上部支持プレート3とほぼ平行に位置するように支柱2の下端近傍部を外側から掴む下部支持プレート6が溶接などで取り付けられている。そして、この下部支持プレート6についても支柱支持装置が折り畳まれて上から見て3枚の下部支持プレート6が並んだ状態において中央に位置する下部支持プレート6とその両側に位置する下部支持プレート6がボルト7、ナット8により回転自在に結合されている。9は上部支持プレート3とその下側に位置する下部支持プレート6を繋ぐ連結棒で、この連結棒9の上端は上部支持プレート3に、下端は下部支持プレート6に溶接などで取り付けられており、この連結棒9は上部支持プレート3と下部支持プレート6との間の間隔を保持するとともに下部支持プレート6を支えるために設けられている。
【0009】
前記上部支持プレート3および下部支持プレート6は前記ボルト4、ナット5およびボルト7、ナット8による結合部の位置で折り畳まれて上から見て横に並んだ状態と、3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6を前記ボルト4、ナット5およびボルト7、ナット8による結合部の位置で回転させて環状となった状態とに変位可能となっており、3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6を環状とした状態において前記3本の脚体1は3脚状に開かれた状態となり、支柱支持装置は起立可能となる。なお、3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6を環状としただけでは前記中央に位置する上部支持プレート3の両側に位置する上部支持プレート3,3間は簡単に開いてしまうので、両側に位置する上部支持プレート3,3の隣接部を連結ピン10で止めるようにする。この連結ピン10は互いに隣接する一方の上部支持プレート3に形成された孔3aに予めセットしておき、この連結ピン10の先端を他方の上部支持プレート3に形成された孔3aに差し込むようになっており、これにより3枚の上部支持プレート3は環状となった状態を保持される。3枚の下部支持プレート6も同様に両側に位置する下部支持プレート6,6の隣接部を連結ピン10で止めるようにする。この連結ピン10は互いに隣接する一方の下部支持プレート6に形成された孔6aに予めセットしておき、この連結ピン10の先端を他方の下部支持プレート6に形成された孔6aに差し込むようになっており、これにより3枚の下部支持プレート6は環状となった状態を保持される。前記互いに隣接する一方の上部支持プレート3および一方の下部支持プレート6に形成された孔3aおよび6aに予めセットされる連結ピン10の基部には連結ピン10を押し下げるばね11が嵌合されてあり、連結ピン10の先端を他方の上部支持プレート3および他方の下部支持プレート6に形成された孔3aおよび6aに差し込むと連結ピン10はばね11の力で浮き上がりが防止されるようになっている。
【0010】
上記のように支柱支持装置は3脚状に開かれた状態に組み立てられ自立するものであるが、3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6を環状となるように組み立てる途中で支柱2を3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6に位置合わせし、支柱2が3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6で作られる空間内に収まるように3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6を環状となるように閉じていく。このとき3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6で作られる空間の外周に支柱2の外面が接触するように予め寸法が合うように作られている。そして、最終的に前記連結ピン10で上部支持プレート3および下部支持プレート6が環状となった状態を保持する。
【0011】
以上のような要領で上から見て横方向および縦方向に適当間隔おきに多数本の支柱2をそれぞれ支柱支持装置により支持し、上から見て横方向および縦方向に並ぶ支柱2同士を横繋ぎ棒で繋ぐことにより支保工などにおける前作業が完了する。
【0012】
ところで、前記支柱支持装置は折り畳み状態において上から見て3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6が並んだ状態となり、また3本の脚体1も並んだ状態となるので、持ち運びが容易に行なえる。
【0013】
以上、第1の実施の形態について述べたが、前記支柱2よりも外径が小さい支柱を支持する場合は、図11および図13に示すように上部支持プレート3および下部支持プレート6にセットされるアダプター12を用いて、3枚の上部支持プレート3および3枚の下部支持プレート6で作られる空間を縮めて支柱13の径に合わせるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態における支柱支持装置の折り畳み状態を示す斜視図である。
【図2】同支柱支持装置の折り畳み状態を示す平面図である。
【図3】同支柱支持装置を組み立てる途中の状態を示す斜視図である。
【図4】同支柱支持装置を組み立てる途中の状態を示す平面図である。
【図5】同支柱支持装置を組み立てて支柱を支持した状態を示す斜視図である。
【図6】同支柱支持装置を組み立てて支柱を支持した状態を示す平面図である。
【図7】同上部支持プレートに対し連結ピンをセットした状態を示す要部拡大側面図である。
【図8】同上部支持プレートに対し連結ピンをセットした状態を示す要部拡大平面図である。
【図9】同下部支持プレートに対し連結ピンをセットした状態を示す要部拡大側面図である。
【図10】同下部支持プレートに対し連結ピンをセットした状態を示す要部拡大平面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における支柱支持装置に使用されるアダプターの斜視図である。
【図12】同上部支持プレートに対しアダプターをセットする状態を示す斜視図である。
【図13】同上部支持プレートおよび下部支持プレートに対しアダプターをセットした状態を示す支柱支持装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0015】
1 脚体
2 支柱
3 上部支持プレート
3a 孔
4 ボルト
5 ナット
6 下部支持プレート
6a 孔
7 ボルト
8 ナット
9 連結棒
10 連結ピン
11 ばね
12 アダプター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3本の脚体と、各脚体の上端に取り付けられ支柱の上下方向中間部を外側から掴む上部支持プレートと、各脚体の上下方向中間部に取り付けられ前記上部支持プレートの真下で上部支持プレートとほぼ平行に位置するように支柱の下端近傍部を外側から掴む下部支持プレートと、上部支持プレートとその真下に位置する下部支持プレートを繋ぐ連結棒とを備え、前記3枚の上部支持プレートおよび3枚の下部支持プレートはそれぞれ並んだ状態において中央に位置する支持プレートとその両側に位置する支持プレートが回転自在に結合されており、3枚の上部支持プレートおよび3枚の下部支持プレートを環状とした状態において3本の脚体は3脚状に開かれた状態となり、両側に位置する上部支持プレートの隣接部および両側に位置する下部支持プレートの隣接部を連結ピンで止めるようにしたことを特徴とする支柱支持装置。
【請求項2】
各上部支持プレートおよび各下部支持プレートにアダプターをセットし、3枚の上部支持プレートおよび3枚の下部支持プレートで作られる空間を縮めるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の支柱支持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−180003(P2009−180003A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20003(P2008−20003)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(592163918)ヒロセ技研株式会社 (5)
【Fターム(参考)】