説明

改ざん防止シート及び改ざん防止ラベル

【課題】ドライヤー等で加熱しても粘着剤層の接着力が大きく、ポリスチレンフィルムを剥がそうとすると破断して、確実に改ざん防止機能を発揮することができる改ざん防止シートを提供する。
【解決手段】厚さ寸法tが10μm以上40μm以下のポリスチレンフィルムAと、その一面2に積層されたJIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で15N/25mm以上の耐熱性粘着剤層Bと、から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改ざん防止シート及び改ざん防止ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、改ざん防止のため(偽造等に関するセキュリティーのため)に開封済みか否かを示す改ざん防止シートや改ざん防止ラベルが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、印刷インキ層が酸素の有無による化学反応に伴って色調に変化が生じることにより開封されたか否かを識別するものであり、特殊な印刷インキを用いるためコストが高くなるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−52013公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、製作が面倒で、さらに、長期間の内に色調変化を生じてしまう点にあり、また、コストが高くなる点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明に係る改ざん防止シートは、厚さ寸法が10μm以上40μm以下のポリスチレンフィルムと、その一面に積層されたJIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で15N/25mm以上の耐熱性粘着剤層と、から成るものである。また、本発明に係る改ざん防止ラベルは、厚さ寸法が10μm以上40μm以下のポリスチレンフィルムと、その一面に積層されたJIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で15N/25mm以上の耐熱性粘着剤層と、から成るものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の改ざん防止シートによれば、低コストで製造することができる。また、ドライヤー等で加熱しても粘着剤層の接着力が大きく、ポリスチレンフィルムを剥がそうとすると破断して、確実に改ざん防止機能を発揮することができる。
また、本発明の改ざん防止ラベルによれば、低コストで製造することができる。また、ドライヤー等で加熱しても粘着剤層の接着力が大きく、ポリスチレンフィルムを剥がそうとすると破断して、確実に改ざん防止機能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施の形態の改ざん防止シートを剥離紙に積層させた状態を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の拡大断面側面図である。
【図3】使用状態を示す拡大断面側面図である。
【図4】ポリスチレンフィルムの破断状態を示す説明用拡大断面側面図である
【図5】第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図6】第2の実施の形態の製造方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1・図2は、本発明の第1の実施の形態を示す。この改ざん防止シートは、通常、ラベルが打ち抜かれて、打ち抜いたラベルを例えばプリンターのカートリッジ等の対象物X(図3・図4参照)の開閉部分に貼付されて、開封状態(すなわち、未開封又は開封済みのいずれかであるか)を示すために用いられる。この改ざん防止シートは、粘着剤層B側に剥離紙1が積層されて保持されている。改ざん防止シートは、厚さ寸法tが10μm以上40μm以下のポリスチレンフィルムAと、ポリスチレンフィルムAの一面2に積層されたJIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で15N/25mm以上の耐熱性粘着剤層Bと、から成る。
【0010】
耐熱性粘着剤層Bは、好ましくは、JIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で18N/25mm以上が良い。耐熱性粘着剤層BのポリスチレンフィルムAの厚さ寸法tが10μm未満の場合、対象物Xに貼付するのが困難である。ポリスチレンフィルムAの厚さ寸法tが40μmを超える場合、破断しにくくなる。耐熱性粘着剤層BのJIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で15N/25mm未満の場合、例えば、ドライヤー等で加熱することにより、接着力を弱くさせて、ポリスチレンフィルムAを破断させずに剥離することができ、改ざんされる虞れがある。なお、粘着剤層Bの対象物X(例えば、ABS樹脂)やSUSに対する接着力は、ポリスチレンフィルムAに対する接着力よりも大きい。
【0011】
図3は、改ざん防止シートを対象物Xに貼付した使用状態を示す。すなわち、粘着剤層にて対象物Xに接着している。図3の矢印F方向にポリスチレンフィルムAを剥がそうとすると、図4に示すように、ポリスチレンフィルムAが破断Zする。すなわち、開封されたことが一目瞭然となる。
【0012】
図5は、第2の実施の形態を示す。改ざん防止ラベルは、例えばプリンターのカートリッジ等の対象物Xの開閉部分に貼付されて、開封状態(すなわち、未開封又は開封済みのいずれかであるか)を示すために用いられる。改ざん防止ラベルは、粘着剤層B側に剥離紙1が積層されて保持されている。改ざん防止ラベルは、厚さ寸法tが10μm以上40μm以下のポリスチレンフィルムAと、その一面2に積層されたJIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で15N/25mm以上の耐熱性粘着剤層Bと、から成る。耐熱性粘着剤層Bは、好ましくは、JIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で18N/25mm以上が良い。ポリスチレンフィルムAの厚さ寸法tが10μm未満の場合、対象物Xに貼付するのが困難である。ポリスチレンフィルムAの厚さ寸法tが40μmを超える場合、破断しにくくなる。
【0013】
図示省略するが、この改ざん防止ラベルを対象物Xに貼付した使用状態(すなわち、粘着剤層Bにて対象物Xに接着した状態)からポリスチレンフィルムAを剥がそうとすると、ポリスチレンフィルムAが破断する。すなわち、開封されたことが一目瞭然となる。
【0014】
図6は、改ざん防止ラベルの製造方法を示す。すなわち、第1の実施の形態の改ざん防止シートに剥離紙1を積層させたものから、剥離紙1と共に打ち抜き、又は、図示省略するが剥離紙1を残してポリスチレンフィルムAと粘着剤層をハーフカット状に打ち抜くことにより改ざん防止ラベルを製造することができる。例えば、図6では、1枚の改ざん防止シートから9枚の改ざん防止ラベルを打ち抜き製造している。
【0015】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、第1の実施の形態、第2の実施の形態に於て、ポリスチレンフィルムAの他面3に印刷等により文字・図形を表示するも良い。また、図5・図6に示した第2の実施の形態に於て、改ざん防止ラベルの形状は、角部にアール部を設けた矩形状としたが、円形、楕円形、三角形状等であっても良い。
【0016】
以上のように、本発明の改ざん防止シートは、厚さ寸法tが10μm以上40μm以下のポリスチレンフィルムAと、その一面2に積層されたJIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で15N/25mm以上の耐熱性粘着剤層Bと、から成るので、低コストで製造することができる。また、ドライヤー等で加熱しても粘着剤層Bの接着力が大きく、ポリスチレンフィルムAを剥がそうとすると破断して、確実に改ざん防止機能を発揮することができる。
【0017】
また、本発明の改ざん防止ラベルは、厚さ寸法tが10μm以上40μm以下のポリスチレンフィルムAと、その一面2に積層されたJIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で15N/25mm以上の耐熱性粘着剤層Bと、から成るので、低コストで製造することができる。ドライヤー等で加熱しても粘着剤層Bの接着力が大きく、ポリスチレンフィルムAを剥がそうとすると破断して、確実に改ざん防止機能を発揮することができる。
【符号の説明】
【0018】
2 一面
A ポリスチレンフィルム
B 粘着剤層
t 厚さ寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ寸法(t)が10μm以上40μm以下のポリスチレンフィルム(A)と、その一面(2)に積層されたJIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で15N/25mm以上の耐熱性粘着剤層(B)と、から成ることを特徴とする改ざん防止シート。
【請求項2】
厚さ寸法(t)が10μm以上40μm以下のポリスチレンフィルム(A)と、その一面(2)に積層されたJIS Z 0237に規定の接着強度が80℃で15N/25mm以上の耐熱性粘着剤層(B)と、から成ることを特徴とする改ざん防止ラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−281948(P2010−281948A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133962(P2009−133962)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000226091)日栄化工株式会社 (17)
【Fターム(参考)】