説明

改善されたポリマー膜、その製造方法及びその使用

本発明は、改善されたポリマー膜、その製造方法及びその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、改善されたポリマー膜、その製造方法及びその電気化学反応器、例えば、燃料電池に用いる使用に関する。
【0002】
ポリマー膜及び該膜を燃料電池に用いる使用は既に知られている。ポリアゾール膜、例えば、ポリベンゾイミダゾール(PBI)をベースとした膜電極接合体(MEA)において、要求されるプロトン伝導性は、リン酸を用いてポリマーをドープすることによって達成される。リン酸を用いてドープすることによって、より低いポリマーの機械的安定性がもたらされる。同時に、高い酸素含有率はイオン伝導性に対して有利である。特にゾルゲル法で製造される膜は、高い割合のリン酸と低い割合のPBIポリマーで構成されている。これにより膜は圧力と温度の作用の下で流動する。燃料電池では、規定の厚さまでの圧縮を保証する硬いガスケットを用いて流動が防がれている。ガスケットは事実上の膜ではなく、むしろ、例えば、FEP被覆ポリイミド(カプトン(登録商標))で構成された所謂サブガスケットであり、これはガス拡散層への接合部を膜によりガス気密封止する。WO92/22096A2号は、例えば、事実上の膜ポリマーから構成されていないガスケット材料の使用を記載している。WO2008/014964A2号は、強化要素を有する膜を記載している。膜のサブガスケットへの接合は、MEAの製造の過程で欠陥が生じ、且つ電池操作において漏れが生じ得る弱点である。
【0003】
WO2004/066428A2号は、リン酸ドープPBI膜を有する燃料電池を記載しており、その際、PBI膜は無酸性の形で使用され、活性領域は、酸含浸電極を介して接合の過程でリン酸でドープされ、ガスケット領域はドープされないままである。DE102004028141A1号は、ガスケット領域で低度にドーピングされた又はドーピングされていないPBI膜並びに活性領域でリン酸により高度にドーピングされたPBI膜を記載している。
【0004】
サブガスケットを含む系の欠点は、それらの製造の過程で欠陥が生じ易く、且つその長期安定性が不十分なことである。なぜならガスケット材料が、操作時間にわたり膜から引き離されるか、又は脆化するからである。MEA製造の過程でも、膜が、サブガスケットと重なる領域で圧搾されるので、剪断の結果として膜に早期損傷が存在し得る。しばしば、製造工程が複雑化し且つ自動化が困難になり得るだけである。更なる欠点は、その後のPBI膜のドープが、ゾルゲル法で製造される膜と比較して少量の酸をもたらすことである。これは導電性と長期安定性に悪影響を及ぼす(小さい酸リザーバー)。
【0005】
本発明の課題は、フレームへの導入時にガスケット領域において増大した補強を可能にする改善された膜を提供することであった。
【0006】
本発明は、層Sを有するポリマーPMをベースとしたイオン伝導膜に関するものであり、層Sは像様にそこに適用されて、その上に付着し且つポリマーPPの粉末をベースとする。
【0007】
前記層Sは膜と併せてガスケットエッジ(gasket edge)として特にMEAに適しており且つ機械的な補強をもたらす。膜は特に電気化学反応器、とりわけ燃料電池での使用に適している。
【0008】
前記層Sは、ガスケット本体と一緒にMEAにおけるガスケットエッジとして特に適している。補強とは、補強領域内のポリマー量が、非強化領域と比較して増加していることを意味する。従って、膜は、ガスケットエッジとして使用される強化領域内の圧力と温度の作用下で流動しない。
【0009】
膜及び粉末のポリマーPM及びPPは、同じであるか又は異なってよい。
【0010】
粉末PPは好ましくはペーストの形である。「像様」とは、適用が膜の全領域ではなく、制御方式において特定領域のみであることを意味するものと理解される。
【0011】
好ましい実施態様では、膜は、特にリン酸で酸ドープされている。特に好ましいポリマー膜は、ポリベンゾイミダゾール(PBI)をベースとしている。
【0012】
好ましい実施態様では、ポリマー膜と粉末の両方が、ポリベンゾイミダゾール、特にリン酸がドープされたポリマー膜を含むか又はそれからなる。
【0013】
層Sを製造するために使用される粉末は、好ましくは、必須成分として、
a)ポリマーPP、特にポリベンゾイミダゾール(PBI)、
b)可撓性成分B)、特にポリテトラフルオロエチレン粉末(PTFE)、及び
c)分散剤C)、特にスルホン化ポリテトラフルオロエチレン、例えば、水性分散液の形のNafion(登録商標)ポリマー
を含む。
【0014】
「可撓性」とは、更に特に、こうして製造されたガスケットエッジが90°半径で曲がる時に破損せず、且つポリマー粒子が引き離されないことを意味するものと理解される。
【0015】
好ましい可撓性成分B)は、原則的に全てのフルオロポリマー、特にFEP(フッ化ポリエチレンプロピレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオリド)及びPFA(パーフルオロアルコキシ化合物)である。
【0016】
分散剤Cは、粉末の成分の混合を最適化し且つ安定化する添加剤である。好ましい分散剤は、例えば、
アルコールアルコキシレート、例えば、Degressal(登録商標)SD23、
ナフタレンスルホン酸縮合物、特にそのナトリウム塩、例えば、Tamol(登録商標)NN890、
ゲルベアルコールエトキシレート、例えば、Lutensol(登録商標)XP50、
アセチレングリコールベースの製品、例えば、Dynol(登録商標)604、
アセチレンジオールベースの、非イオン性双性界面活性剤、例えば、Surfynol(登録商標)104、
顔料親和基を有する高分子量ブロックコポリマー、例えば、Byk(登録商標)190−193、
顔料親和基を有する有機変性ポリマー、例えば、Tego(登録商標)750W/760W、
シロキサン含有双性界面活性剤、例えば、Tego(登録商標)Twin4000、
シリカ含有、シリコンフリーの有機ポリマー、例えば、Tego(登録商標)Foamex830及び
任意にアルコールとブレンドされたフルオロ界面活性剤、例えば、イソプロピルアルコール及び水、例えば、Zonyl(登録商標)FSAである。
【0017】
層Sに使用される粉末は、好ましくは20℃の温度で測定して、1〜10000mPas、特に10〜1000mPasの範囲内の粘度で、好ましくは分散剤の形で又は易流動性のペーストの形で使用される。
【0018】
本発明に従って使用される粉末の分散液中に存在する固体は、好ましくは以下のものである:
a)30〜50質量部のポリマーPP
b)30〜50質量部の可撓性成分B)
c)5〜15質量部の分散剤C。
【0019】
更に、好ましくは、
d)10〜20質量部の、好ましくはアルコールの、特にn−プロパノールの湿潤性改良剤が含有されている。
【0020】
更に、好ましくは20〜60質量部、特に35〜45質量部の水が存在する。
【0021】
かかる粉末は、好ましくは
1.ポリマーPPを好ましくは60μm未満の粒子径まで微粉砕する工程
2.工程1で得られた粉末を可撓性成分B及び分散剤Cと共に液相、好ましくは水相又はアルコール相中に分散させて、任意にこれを所望の粘度に調整する工程
によって製造される。
【0022】
本発明は更に、ポリマーPPの粉末を基材(例えば、キャリアフィルム)に適用し、次いでこれを酸ドープ膜と共に圧縮することを含む、本発明の膜の製造方法に関する。好ましい実施態様では、粉末の膜への適用は、積層転写プロセス、特に連続プロセスの形態である。かかる積層転写プロセスは、例えば、Electrochimica Acta, 第40巻、第3号、第355-363頁、1995年及びJ. Appl. Electrochemistry 22 (1992) 1に記載されている。積層転写プロセスも「転写マーク」プロセスとして公知である。粉末を圧縮した結果、粉末の少なくとも1部が膜内に浸透し、それによって膜を強化する。
【0023】
本発明のポリマー膜は、多くの電気化学反応器、特に燃料電池用途に適している。従って本発明は、少なくとも、
I.ガスケットエッジSを有する本発明のポリマー膜、
II.ガスケット本体
を含み、その際、
III.膜が層Sの周囲でガスケット本体に埋込まれ且つ圧縮される、
燃料電池用の膜電極接合体(MEA)も提供する。
【0024】
好ましい実施態様では、ガスケット本体は、本質的にDE102004028141A1号によるエラストマーからなる。更に好ましい実施態様では、非弾性のスペーサは、エラストマーから構成されたガスケット本体に埋込まれて、ガスケット本体の過剰な圧縮を弱めるが、その弾性特性を損なうことはない。例えば、エラストマーと比べて遥かに硬い金属、プラスチック又はカーボンで作られた部品又はシムを使用することが可能である。
【0025】
本発明は更に、少なくとも1つの本発明の膜を含む、電気化学反応器、特に燃料電池に関する。
【0026】
本発明によれば、ポリマー粉末PP、特に粉状のポリベンゾイミダゾール(粒径、好ましくは60μm未満)を、ガスケット領域の膜の両面に適用し、次いでこれを圧力及び温度の作用(例えば、140℃、3000N/cmで3分間)の下で、特に50〜200℃、好ましくは70〜160℃の温度範囲で、0.5〜10分間、特に1〜5分間にわたり、一般に500〜6000N/cm、好ましくは1000〜4000N/cm、特に2500〜3500N/cmの圧力下で圧縮することによって膜の強化を達成することが可能である。適用されたPBI粉末が膜から幾らか酸を吸収し、膜に浸透してそれらと結合することが必須である。これは膜中のポリマー含有率を好ましくは5〜10質量%から50〜90質量%まで増大させる。こうして強化された膜は、もはや高圧且つ高温下でも易流動性ではない。しかしながら、十分に可撓性のままである。異なる材料のサブガスケットの使用と比較して更なる利点は、活性な、例えば、リン酸ドープの膜表面から強化されたガスケット領域への転写が同じ材料に限られること、即ち、膜がそこで途切れるのではなく、ガスケット領域でも強化された形で存続することである。
【0027】
均質な厚さの層Sは、粉末の適用によって、好ましくはスクリーン印刷プロセスによって達成される。好ましくは0.9:1.1〜1.1:0.9の分散添加剤対PBIの質量比で、分散添加剤として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末、PBI粉末及びスルホン化テトラフルオロエチレンポリマーの混合物を用いて安定で且つ印字可能なペーストを製造することが可能であることが判明した。これらのペーストは、リン酸で酸化され、表面乾燥され、その後、熱圧縮された膜の上に直接印刷される。これは膜の強化を達成する。利点は、PTFEがPBI粒子の間に導入されることである。熱圧縮後、強化層は均質な厚さで、平坦で且つ気密性である。
【0028】
好ましい適用プロセスでは、上記のペースト、特にPBI、PTFE及びスルホン化テトラフルオロエチレン粉末で構成されたペーストは、ガスケットの形で、例えば、スクリーン印刷によってポリエーテルスルホン(PES)フィルムで構成されたキャリア基材に塗布される。ペーストは部分的に乾燥される。その後、リン酸で酸性化されたPBI膜は、これらの2つの被覆された基材(ガスケットフレームで互いに被覆する)の間で圧縮される。この結果、キャリアフィルムからPBI膜への積層転写がもたらされる。圧縮は有利には80℃で且つ3000N/cmの圧力で1分間行われる。
【0029】
その後、エッジ強化PBI膜はガス拡散電極と一緒に接合されてMEAを与える。これは電極が強化膜エッジと約1〜2mmだけ重なるように行われる。これにより圧縮応力が電極の端で強化材上にあるという効果が達成される。
【0030】
ポリマー電極膜の製造のために、本発明の目的に適したポリマーPM及びPPは、それ自体公知である。全てのプロトン伝導性材料が好適である。酸を含む膜を使用することが好ましく、その際、酸はポリマーに共有結合されてよい。更に、好適な膜を形成するために平坦な材料を酸でドープしてよい。更に、ゲル、特にポリマーゲルを、膜として使用することも可能であり、その場合、本発明の目的のために、特に適したポリマー膜が例えば、DE10246461号に記載されている。
【0031】
これらの膜は、とりわけ、平坦な材料、例えば、ポリマーフィルムを、酸含有化合物を含む液体で、膨潤させることによって得られるか、又はポリマー及び酸含有化合物の混合物を調製し、次いで平坦な対象物を成形して膜を生成し、その後、固化して膜を形成することによって得られる。
【0032】
この目的に適したポリマーとしては、ポリオレフィン、例えば、ポリ(クロロプレン)、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリ(p−キシリレン)、ポリアリールメチレン、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタート、ポリビニルエーテル、ポリビニルアミン、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリヘキサフルオロプロピレン、PTFEと、ヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、ペルフルオロプロピルビニルエーテルとのコポリマー、トリフルオロニトロソメタンとのコポリマー、カルバルコキシペルフルオロアルコキシビニルエーテルとのコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルフルオリド、ポリビニリデンフルオリド、ポリアクロレイン、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリシアノアクリレート、ポリメタクリルイミド、シクロオレフィン酸コポリマー、特にノルボルネンから形成されたコポリマー;
主鎖にC−O結合を有するポリマー、例えば、ポリアセタール、ポリオキシメチレン、ポリエーテル、ポリプロピレンオキシド、ポリエピクロロヒドリン、ポリテトラヒドロフラン、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエステル、特にポリヒドロキシ酢酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、ポリヒドロキシプロピオン酸、ポリピバロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリマロン酸、ポリカーボネート;主鎖にC−S結合を有するポリマー、例えば、ポリスルフィドエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン;
主鎖にC−N結合を有するポリマー、例えば、ポリイミン、ポリイソシアニド、ポリエーテルイミン、ポリエーテルイミド、ポリアニリン、ポリアラミド、ポリアミド、ポリヒドラジド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアゾール、ポリアゾールエーテルケトン、ポリアジン;
液晶ポリマー、特に熱可塑性樹脂、液晶ポリエステル、例えば、Vectra(商標)、及び
無機ポリマー、例えば、ポリシラン、ポリカルボシラン、ポリシロキサン、ポリケイ酸、ポリシリケート、シリコン、ポリホスファゼン及びポリチアジルが挙げられる。
【0033】
ここでベーシックポリマーが好ましく、これはとりわけ酸を含むか又は酸でドープされた膜に当てはまる。この種の有用な塩基性高分子膜としては、プロトンが輸送され得るほぼ全ての公知の高分子膜が挙げられる。ここでは、例えば、いわゆるプロトンジャンプ機構(Grotthuss mechanism)によって、追加の水を用いずにプロトンを運べる酸が好ましい。
【0034】
本発明の文脈において用いられる塩基性高分子とは、好ましくは窒素、酸素又は硫黄原子、好ましくは少なくとも1つの窒素原子を、繰り返し単位に有する塩基性高分子のことである。少なくとも1つのヘテロアリール基を含む塩基性高分子が更に好ましい。
【0035】
好ましい実施態様において、塩基性高分子内の繰り返し単位は、少なくとも1つの窒素原子を有する芳香環を含む。芳香環は好ましくは1〜3個の窒素原子を有する5員環又は6員環であり、これは別の環、特に別の芳香環に縮合され得る。
【0036】
本発明の特定の態様では、1つの繰り返し単位又は異なる繰り返し単位に少なくとも1つの窒素、酸素及び/又は硫黄原子を含む、高い熱安定性のポリマーが使用される。
【0037】
本発明の文脈における高い熱安定性のポリマーとは、120℃よりも高い温度で、燃料電池内でポリマー電解質として長期間にわたって作用し得るものである。「長期間」とは、本発明の膜が、WO01/18894A2号に記載された方法によって測定できる性能が、起動性能に対して50%を超えて低下することなく、少なくとも80℃、好ましくは少なくとも120℃、更に好ましくは少なくとも160℃で、少なくとも100時間、好ましくは少なくとも500時間にわたり作用し得ることを意味する。
【0038】
本発明の文脈において、全ての前述のポリマーを個々に又は混合物(ブレンド)として使用することが可能である。ここでは特にポリアゾール及び/又はポリスルホンを含むブレンドが好ましい。好ましいブレンド成分は、独国特許出願DE10052242号及びDE10246461号に記載されるような、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン及びスルホン酸基で変性されたポリマーである。
【0039】
更に、本発明の目的のために特に有用なポリマーブレンドが、好ましくは1:99〜99:1の質量比で、少なくとも1種の塩基性ポリマーと少なくとも1種の酸性ポリマーを含むもの(いわゆる酸−塩基ポリマーブレンド)であることも見出された。この文脈において特に適した酸性ポリマーは、スルホン酸基及び/又はホスホン酸基を有するポリマーを含む。本発明に応じて特に適した酸ベースのポリマーブレンドは、例えば、公報EP1073690A1号に詳細に記載されている。
【0040】
特に好ましい塩基性ポリマーの基は、ポリアゾールの基である。ポリアゾールをベースとした塩基性ポリマーは、以下の一般式(I)及び/又は(II)及び/又は(III)及び/又は(IV)及び/又は(V)及び/又は(VI)及び/又は(VII)及び/又は(VIII)及び/又は(IX)及び/又は(X)及び/又は(XI)及び/又は(XII)及び/又は(XIII)及び/又は(XIV)及び/又は(XV)及び/又は(XVI)及び/又は(XVII)及び/又は(XVIII)及び/又は(XIX)及び/又は(XX)及び/又は(XXI)及び/又は(XXII)
【化1】

【化2】

【化3】

(式中、
Arは同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい四価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Arは同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい二価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Arは同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい二価又は三価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Arは同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい三価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Arは同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい三価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Arは同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい四価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Arは同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい二価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Arは同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい二価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Arは同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい三価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Arは同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい二価又は三価又は四価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Ar10は同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい二価又は三価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Ar11は同じ又は異なり且つそれぞれ単環式又は多環式であってよい二価の芳香族基又は芳香族複素環基であり、
Xは同じ又は異なり且つ酸素、硫黄、又は水素原子を有するアミノ基、炭素数1〜20の基、好ましくは分枝鎖状又は非分枝鎖状のアルキル基又はアルコキシ基、又は更なるラジカルとしてアリール基であり、
Rは同じ又は異なり且つ水素、アルキル基又は芳香族基であり、且つ式(XX)中のアルキル基又は芳香族基であるが、但し、式(XX)中のRは水素ではないことを条件とし、そしてn、mはそれぞれ10以上、好ましくは100以上の整数である)
の繰り返しアゾール単位を含む。
【0041】
好ましい芳香族基又は芳香族複素環基は、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルメタン、ジフェニルジメチルメタン、ビスフェノン、ジフェニルスルホン、キノリン、ピリジン、ビピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ベンゾオキサジントリアジン、テトラジン、ピロール、ピラゾール、アントラセン、ベンゾピロール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾピリジン、ベンゾピラジン、ベンゾピラジジン、ベンゾピリミジン、ベンゾピラジン、ベンゾトリアジン、インドリジン、キノリジン、ピリドピリジン、イミダゾピリミジン、ピラジノピリミジン、カルバゾール、アシリジン、フェナジン、ベンゾキノリン、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジジン、ベンゾプテリジン、フェナントロリン及びフェナントレンから誘導され、これらは任意に置換されてもよい。
【0042】
Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10、Ar11の置換パターンが望ましい時;フェニレンの場合、例えば、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10、Ar11はオルト、メタ及びパラフェニレンであってよい。特に好ましい基はベンゼン及びビフェニレンから誘導され、これは任意に置換されてもよい。
【0043】
好ましいアルキル基は、炭素数1〜4の短鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−又はi−プロピル及びt−ブチル基である。
【0044】
好ましい芳香族基はフェニル又はナフチル基である。アルキル基及び芳香族基は置換されてよい。
【0045】
好ましい置換基はハロゲン原子、例えば、フッ素、アミノ基、ヒドロキシ基又は短鎖アルキル基、例えば、メチル又はエチル基である。
【0046】
Xラジカルが1つの繰り返し単位内で同じである式(I)の繰り返し単位を有するポリアゾールが好ましい。
【0047】
ポリアゾールは原則的に、例えば、Xラジカルが異なる別の繰り返し単位を有してもよい。しかしながら、好ましくは1つの繰り返し単位内に全く同一のXラジカルを有する。
【0048】
更に好ましいポリアゾールポリマーは、ポリイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリキノキサリン、ポリチアジアゾール、ポリ(ピリジン)、ポリ(ピリミジン)、ポリ(テトラアザピレン)及びポリベンゾオキサジンである。
【0049】
本発明の更なる実施態様では、繰り返しアゾール単位を含むポリマーは、互いに異なる式(I)〜(XXII)の少なくとも2つの単位を含むコポリマー又はブレンドである。ポリマーはブロックコポリマー(ジブロック、トリブロック)、ランダムコポリマー、周期コポリマー及び/又は交互ポリマーの形であってよい。
【0050】
本発明の特に好ましい実施態様では、繰り返しアゾール単位を含むポリマーは、式(I)及び/又は(II)の単位のみを含むポリアゾールである。
【0051】
ポリマー内の繰り返しアゾール単位の数は、好ましくは10以上の整数である。特に好ましいポリマーは少なくとも100個の繰り返しアゾール単位を含む。
【0052】
本発明の文脈において、繰り返しベンゾイミダゾール単位を含むポリマーが好ましい。繰り返しベンゾイミダゾール単位を含む高度に適したポリマーの幾つかの例は以下の式:
【化4】

【化5】

【化6】

(式中、n及びmはそれぞれ10以上の整数、好ましくは100以上の整数である)
によって表される。
【0053】
使用されるポリアゾール、特にポリベンゾイミダゾールは、高分子量の場合に注目される。固有粘度として測定した時、これは少なくとも0.2dl/g、好ましくは0.8〜10dl/g、特に1〜10dl/gである。
【0054】
好ましいポリベンゾイミダゾールはCelazole(登録商標)の商品名で市販されている。
【0055】
好ましいポリマーとしては、ポリスルホン、特に主鎖に芳香族基及び/又は芳香族複素環基を有するポリスルホンが更に挙げられる。本発明の特定の態様では、好ましいポリスルホン及びポリエーテルスルホンは、ISO1133によって測定して、40cm/10分以下、特に30cm/10分以下、更に好ましくは20cm/10分以下の溶融容積速度MVR300/21.6を有する。ここでは180℃〜230℃のビカー軟化温度VST/A/50を有するポリスルホンが好ましい。本発明の別の好ましい実施態様では、ポリスルホンの数平均分子量は30000g/モルよりも高い。
【0056】
ポリスルホンをベースとしたポリマーとしては、特に、一般式A、B、C、D、E、F及び/又はG:
【化7】

(式中、Rラジカルは同じ又は異なり且つそれぞれ独立して芳香族基又は芳香族複素環基であり、その際、これらのラジカルは上で詳細に明確にされている)
に対応するスルホン基を結合させる繰り返し単位を有するポリマーが挙げられる。これらのポリマーとしては特に1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、4,4’−ビフェニル、ピリジン、キノリン、ナフタレン、フェナントレンが挙げられる。
【0057】
本発明の文脈において好ましいポリスルホンとしては、ホモポリマー及びコポリマー、例えば、ランダムコポリマーが挙げられる。特に好ましいポリスルホンは、式H〜N:
【化8】

の繰り返し単位を含む。
【0058】
上記のポリスルホンは、以下の商品名で商業的に入手できる:
(登録商標)Victrex 200 P、(登録商標)Victrex 720 P、(登録商標)Ultrason E、(登録商標)Ultrason S、(登録商標)Mindel、(登録商標)Radel A、(登録商標)Radel R、(登録商標)Victrex HTA、(登録商標)Astrel及び(登録商標)Udel。
【0059】
更に、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン及びポリアリールケトンが特に好ましい。これらの高性能のポリマーはそれ自体公知であり且つ以下の商品名で商業的に入手可能である:Victrex(登録商標)PEEK(商標)、(登録商標)Hostatec、(登録商標)Kadel。
【0060】
ポリマーフィルムを製造するために、ポリマー、好ましくはポリアゾールを、更なる工程で極性の非プロトン性溶媒、例えば、ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、フィルムは従来のプロセスによって得られる。溶媒残留物を除去するために、こうして得られたフィルムは、独国特許出願DE10109829号の通りに洗浄液で処理することができる。該独国特許出願に記載された、ポリアゾールフィルムからの溶媒残留物の洗浄は、驚くことにフィルムの機械的特性を改善する。これらの特性は、特にフィルムの弾性率、破断点伸び及び破壊靱性を含む。
【0061】
更に、ポリマーフィルムは、独国特許出願DE10110752号又はWO00/44816号に記載された通り、例えば、架橋によって更に改変されてよい。好ましい実施態様では、使用されるポリマーフィルムは、独国特許出願DE10140147号に記載される通り、塩基性ポリマーと少なくとも1つのブレンド成分からなり、追加的に架橋剤を含む。
【0062】
ポリアゾールフィルムの厚さは広範囲であってよい。酸でドープする前のポリアゾールフィルムの厚さは、制限を課すことを意図せずに、好ましくは5μm〜2000μmの範囲、更に好ましくは10μm〜1000μmの範囲、特に好ましくは20μm〜1000μmの範囲である。
【0063】
プロトン伝導性を達成するために、これらのフィルムを酸でドープする。この文脈における酸は、全ての公知のルイス酸及びブレンステッド酸、好ましくは無機のルイス酸及びブレンステッド酸を含む。
【0064】
更に、多価酸、特にイソポリ酸及びヘテロポリ酸、さらには異なる酸の混合物の使用も可能である。本発明の文脈において、ヘテロポリ酸とは、少なくとも2つの異なる中心原子を有する無機ポリ酸を意味し、これは多塩基酸素酸由来の部分混合無水物として、それぞれ金属(好ましくはCr、Mo、V、M)の、及び非金属(好ましくはAs、I、P、Se、Si、Te)の弱酸を形成する。これらの酸として、12−モリブデンリン酸及び12−タングステンリン酸が挙げられる。
【0065】
ある程度のドーピングを用いてポリアゾールフィルムの伝導性に影響を与えることができる。伝導性は、ドーパントの濃度が最大値に達するまで上昇するにつれて向上する。
【0066】
本発明によれば、ドーピングの程度は、ポリマーの繰り返し単位のモル当りの酸のモル数として報告されている。本発明の文脈において、好ましい程度のドーピングは、3〜80の間、適切には5〜60の間、特に12〜60の間である。
【0067】
特に好ましいドーパントは、硫酸及びリン酸、又は例えば、加水分解でこれらの酸を放出する化合物である。極めて特に好ましいドーパントはリン酸(HPO)である。この文脈では、一般に高濃度の酸が使用される。本発明の特定の態様では、リン酸の濃度はドーパントの質量を基準として、少なくとも50質量%、特に少なくとも80質量%である。
【0068】
好ましい実施態様では、本発明の膜は、WO2008/014964A2号、第17頁、第39行〜第21頁、第33行に記載される通り、繊維強化されている。
【0069】
本発明の膜はWO2008/014964A2号の第21頁以降に記載される通り、それ自体公知の方法で製造できる。
【0070】
本発明の膜電極接合体は、本発明のガスケットエッジSを有する少なくとも1つの本発明の膜、及び膜によって隔てられている少なくとも2つの電気化学的に活性な電極(アノード及びカソード)を含む。電極は、それ自体公知であり、且つ水素及び/又は少なくとも1種のリフォーメートの酸化及び酸素の還元を触媒することができる。この特性は、電極を白金又は白金合金で被覆することによって得られる。用語「電極」とは、材料が導電性であることを意味する。かかる電極は公知であり且つ、例えば、米国特許第4,191,618号、米国特許第4,212,714号及び米国特許第4,333,805号に記載されている。
【0071】
触媒層は一般に自己担持であるが、通常、ガス拡散層及び/又は膜に適用される。この場合、触媒層の一部が、例えば、遷移層を形成する、ガス拡散層及び/又は膜に浸透し得る。この結果は、触媒層がガス拡散層の一部として解釈され得ることであってもよい。
【0072】
本発明によれば、ポリマー電極膜の表面は、第1の電極がポリマー電極膜の前面を被覆し且つ第2の電極がポリマー電極膜の背面を、それぞれの場合に部分的に又は完全に、好ましくは部分的のみ被覆するように電極に接触している。この文脈では、ポリマー電極膜の前面及び背面は、それぞれ観察者の方に向いた及び観察者の方から外側に向いたポリマー電極膜の側面を指し、その際、観察は、第1の電極(前面)、好ましくはカソードから、第2の電極(背面)、好ましくはアノードの方向に進む。
【0073】
本発明の膜電極接合体を製造するために、異なる構成要素の膜電極接合体は、別の上面に配置されたものであり且つ圧力及び温度によって互いに結合され、その際、積層は、通常、10℃〜300℃、特に20℃〜200℃の範囲の温度で、1〜1000バール、特に3〜300バールの範囲の圧力である。
【0074】
単一の燃料電池の性能は、多くの用途にとって低すぎることが多いので、本発明の文脈では、燃料電池(燃料電池スタック)を形成するために単一の燃料電池をセパレータ板によって複数組み合わせることが好ましい。この場合、任意に更なるガスケット材料と相互作用するセパレータ板は、カソードの及びアノードのガススペースを外側から、及びカソードの及びアノードのガススペースの間を封止しなければならない。このため、セパレータ板は、好ましくは膜電極接合体上にシーリングしながら配置される。シーリングの作用は、セパレータ板と膜電極接合体からなる複合材を圧縮することによって更に強化され得る。
【0075】
セパレータ板は好ましくはそれぞれ反応ガスのために少なくとも1つのガスチャンネルを有し、これは好ましくは電極に向かう側に配置されている。ガスチャンネルは反応物の液体の分布を可能にする。
【0076】
特に驚くことに、本発明の膜電極接合体は、機械的安定性及び強度の顕著な改善に関して注目されるべきであり、従って、特定の安定な性能を有する燃料電池スタックの製造のために使用できることが見出された。同時に、得られた燃料電池スタックでは、もはや現時点で通例の性能のバリエーションは見られず、現時点で知られていない品質、信頼性及び再現性が達成される。
【0077】
以下のことが示された:
− 電気化学的性能は、エッジ強化による影響を受けない、
− 強化エッジは、促進された実験施設内の貯蔵試験において未強化膜よりも安定である、
− 強化膜はガスケット圧縮の条件下で流動しない、
− 電池は(技術的な目的のために)気密である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は160℃で水素、空気が供給される条件下での電流/電圧特性を示す。
【0079】
実施例
本発明のエッジ強化MEAは以下のように製造された:
実施例
1.印刷ペーストの製造
最初に10gのスルホン化テトラフルオロエチレンポリマー(Nafion(登録商標))の10%水溶液を、ビーカーに装入する。室温で、2gのn−プロパノールを磁気撹拌機で撹拌しながら添加し、この混合物を更に5分間撹拌した。5gの篩い分けされたPBI粉末(250メッシュ)を量り入れて、混合物を更に5分間撹拌した。この後、5gのテフロン粉末(平均粒径1μm)を添加した。混合物を室温で更に30分間撹拌した。その後、ペーストは約1000mPasの粘度を有していた。
【0080】
2.ペーストのキャリアフィルム上へのスクリーン印刷
その後、ペーストをガスケットエッジの形でUltrasonS(登録商標)(BASF)フィルム上に印刷した。使用されるスクリーンサイズは32×120WPWであった。このペーストを室温で空気の下で乾燥させた。乾燥した印刷層の高さは約65μmであった。
【0081】
3.エッジ強化膜を製造するための積層転写
印刷ペーストで被覆された2つのフィルムを、CeltecP膜の上面及び下面を覆うように工具を用いて配置した。ホットプレスを用いて、膜への積層転写を80℃及び3000N/cmで1分間かけて行った。印刷ペーストは部分的に膜に浸透し、PBI粉末は酸を吸収し、そして膜のエッジ領域はこうして強化された。積層転写は、工具で圧力を加えた時のみ行った。従って、事実上の強化領域を工具の形状によって固定することが可能であった。こうして製造された膜は、強化されたガスケット領域において150μmの厚さを有していた。未強化の活性領域は400μmの厚さを有していた。
【0082】
4.エッジ強化膜からのMEAの製造
2つのガス拡散電極(アノード及びカソード)を、位置合わせ及び加圧の工具を用いて膜を覆うように配置した。ガス拡散電極は、強化エッジと約1〜2mm重なった。強化膜エッジの外部領域は覆われないままであった。圧縮されていない状態のMEA厚さは1100μmであった。圧縮は、スペーサ(シム)によって規定された規定の厚さまで140℃で30秒間行った。この圧力は、MEAがシムの高さ(500μm)まで完全に圧縮されるように選択された。これは柔軟に且つ弾力的にMEAを変形させた。この弾性要素は、圧力が除かれた後に再びMEAに厚さを獲得させた。この厚さは約900μmであった。強化膜エッジの厚さは125μmであった。
【0083】
5.燃料電池試験
こうして製造されたMEAをオーブン内にて160℃で1時間半焼成し、次いで燃料電池内に組み込んだ。電流/電圧特性は、標準MEAと比較して性能において全く相違がなかった。図1は対応する特性を示し、これは次の条件の下で記録した:
T:160℃
供給されたガス:水素、空気
【0084】
指定の特性1)は標準のMEAで記録され、指定の特性2)は本発明のMEAで記録された。
【0085】
本発明の膜は、連続製造プロセスでさえも高い安定性及び良好なガスケット特性を有することが判明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
層Sを有するポリマーPMをベースとしたイオン伝導膜であって、前記層SはポリマーPPの粉末をベースとし且つ像様に該膜に適用されてその上に付着した、イオン伝導膜。
【請求項2】
前記層Sが膜と併せてガスケットエッジとして適しており且つ機械的な補強をもたらす、請求項1に記載の膜。
【請求項3】
膜及び層Sから構成されたガスケットエッジ内のポリマー含有率がガスケットエッジの外部よりも高い、請求項2に記載のイオン伝導膜。
【請求項4】
膜のベースとして使用されるポリマーPMが粉末のポリマーPPと同一である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の膜。
【請求項5】
粉末が少なくとも部分的に膜表面に存在するだけではなく膜自体にも存在する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の膜。
【請求項6】
ポリマーPP及び/又はPMがポリベンゾイミダゾール(PBI)をベースとする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の膜。
【請求項7】
本質的に
a)ポリマーPP、特にポリベンゾイミダゾール、特に粉末を基準として30〜50質量部の程度までのポリベンゾイミダゾール、
b)可撓性成分、特にポリテトラフルオロエチレン粉末、及び
c)分散剤、特にスルホン化ポリテトラフルオロエチレン
を含む、請求項1に記載の膜に使用される粉末。
【請求項8】
ポリマーPPの粉末を膜フィルムに適用し且つこれを圧縮することを含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の膜の製造方法。
【請求項9】
膜フィルムを酸ドープした、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
粉末を分散液又はペーストの形で適用する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
粉末のペースト又は分散液が1〜1000mPasの粘度を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも、
I.請求項1から6までのいずれか1項に記載のポリマー膜、
II.ガスケット本体
を含み、その際、
III.膜が層Sの周囲でガスケット本体に埋込まれ且つ圧縮された、
燃料電池用の膜電極接合体(MEA)。
【請求項13】
請求項12に記載の少なくとも1つの膜電極接合体を含む電気化学反応器。

【図1】
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【公表番号】特表2013−521628(P2013−521628A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556625(P2012−556625)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050922
【国際公開番号】WO2011/107967
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】