改善された燃料電池設計のためのシール支持用の拡散媒体
【課題】スタック中の燃料電池のシール領域を通して直線的なカソード及びアノードの流れチャンネルを備え、流れチャンネル内の水蓄積を減少させるようにした、燃料電池スタックを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック10は、スタック内の二極式プレートの間のシール領域を通して、直線的なカソード流れチャンネルと、直線的なアノード流れチャンネルとを備える。燃料電池スタックは、スタックヘッダーと活性領域12との間でスタックの活性領域の周りを延在するシール部を備える。カソード流れチャンネルがシール領域を通してカソード入口ヘッダー14及びカソード出口ヘッダー16まで延在する位置及びアノード流れチャンネルがシール領域を通してアノード入口ヘッダー18及びアノード出口ヘッダー20まで延在する位置において、膜の一方の側の拡散媒体層は、シール部の荷重を提供するため延在する。
【解決手段】燃料電池スタック10は、スタック内の二極式プレートの間のシール領域を通して、直線的なカソード流れチャンネルと、直線的なアノード流れチャンネルとを備える。燃料電池スタックは、スタックヘッダーと活性領域12との間でスタックの活性領域の周りを延在するシール部を備える。カソード流れチャンネルがシール領域を通してカソード入口ヘッダー14及びカソード出口ヘッダー16まで延在する位置及びアノード流れチャンネルがシール領域を通してアノード入口ヘッダー18及びアノード出口ヘッダー20まで延在する位置において、膜の一方の側の拡散媒体層は、シール部の荷重を提供するため延在する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、燃料電池スタックに係り、より詳しくは、スタック中の燃料電池のシール領域を通して直線的なカソード及びアノードの流れチャンネルを備え、流れチャンネル内の水蓄積を減少させるようにした、燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
水素は、クリーンで燃料電池内に電気を効率的に生成するため使用することができるため、非常に魅力的な燃料である。水素燃料電池は、アノード及びカソードを備え、それらの間に電解質を備える電気化学式装置である。アノードは、水素ガスを受け取り、カソードは、酸素又は空気を受け取る。水素ガスは、自由な水素陽子及び電子を発生するためアノード内で分解される。陽子は、電解質を通ってカソードへと至る。水素陽子は、カソードにおいて、酸素及び電子と反応し、水を発生する。アノードからの電子は、電解質を通過することができず、よって、負荷を通るように差し向けられ、カソードに送られる前に仕事を実施する。
【0003】
陽子交換膜燃料電池(PEMFC)は、車両のための人気のある燃料電池である。PEM燃料電池は、一般に、過フッ化スルホン酸等の固体ポリマー電解質陽子伝達膜を備えている。アノード及びカソードは、典型的には、通常ではプラチナ(Pt)等の細かく分割された触媒粒子を含んでおり、これらの粒子は、炭素粒子上に支持され、イオノマーと混合されている。触媒混合物は、膜の両側に配置されている。アノード触媒混合物、カソード触媒混合物及び膜の組み合わせは、膜電極アッセンブリ(MEA)を形成する。膜電極アッセンブリは、製造する上で比較的高価であり、効率的な作動のため幾つかの条件を必要としている。
【0004】
幾つかの燃料電池は、典型的には、所望の電力を発生させるため燃料電池内に結合されている。例えば、車両のための典型的な燃料電池スタックは、2百個以上も積み重ねられた燃料電池を持ち得る。燃料電池スタックは、カソード入力ガス、典型的には、コンプレッサによりスタックを通して流された空気の流れを受け取る。酸素の必ずしも全てが、スタックにより消費されるわけではなく、空気の中には、スタック副産物として水を含み得るカソード排気ガスとして出力されるものがある。燃料電池スタックは、アノード水素入力ガスを受け取り、該ガスは、スタックのアノード側部へと流れていく。
【0005】
燃料電池スタックは、スタック中の幾つかのMEAの間に配置された、一連の二極式プレートを備える。二極式プレート及び膜電極アッセンブリは2つの端部プレートの間に配置される。二極式プレートは、スタック内の隣接する燃料電池のためアノード側部及びカソード側部を備える。アノードガス流れチャンネルは、二極式プレートのアノード側部に設けられ、アノードガスが各々の膜電極アッセンブリへと流れることを可能にする。カソードガス流れチャンネルは、二極式プレートのカソード側部上に設けられ、カソードガスが各々の膜電極アッセンブリへと流れることを可能にする。一方の端部プレートはアノードガス流れチャンネルを備え、他方の端部プレートはカソードガス流れチャンネルを備えている。二極式プレート及び端部プレートは、例えばステンレス鋼又は導電性複合物等、導電性材料から作られている。端部プレートは、燃料電池により発生された電気をスタックから伝達する。二極式プレートは、流れチャンネルを更に備え、該流れチャンネルを通って、冷却流体が流れる。
【0006】
二極式プレートを製造するための様々な技術が、当該技術分野で知られている。一つの設計では、二極式プレートは、例えばグラファイト等の複合材料から作られ、該二極式プレートでは、2つのプレートの半部分は、アノード流れチャンネルがプレート半部分の一方の一面側に設けられ、カソード流れチャンネルが他方のプレート半部分の反対側に設けられ、冷却流体流れチャンネルがプレートの半部分の間に設けられるように、別々に鋳造され、次に一緒に接着される。別の設計では、2つのプレートの半部分は、アノード流れチャンネルがプレート半部分の一方の一面側に設けられ、カソード流れチャンネルが他方のプレート半部分の反対側に設けられ、冷却流体流れチャンネルがプレートの半部分の間に設けられるように、打ち抜き加工され、次に一緒に溶接される。
【0007】
当該技術分野で良く理解されているように、燃料電池内の膜は、膜に亘るイオン抵抗が陽子を効率的に伝導させるのに十分に低くなるように一定の相対湿度を有する必要がある。燃料電池の作動中には、膜電極アッセンブリからの湿気及び外部の湿気は、アノード及びカソードの流れチャンネルに入ることができる。低い電池パワー要求、典型的には0.2A/cm2では、水は流れチャンネル内に蓄積し得る。反応ガスの流速は、非常に低く、水をチャンネルから流れ出させることができないからである。水が蓄積するにつれて、該水は、プレート材料の相対的な疎水性特性の故に、膨張し続ける液滴を形成する。液滴は反応ガスの流れに実質的に垂直に流れチャンネル内に形成する。液滴のサイズが増大するにつれて、流れチャンネルは、閉塞され、反応ガスは他の流れチャンネルへと逸らされる。チャンネルは、共通の入口及び出口マニホルドの間で平行になっているからである。反応ガスが、水でせき止められたチャンネルを通って流れることができないので、反応ガスは、水をチャンネルの外部に押し出すことはできない。チャンネルがせき止められた結果として反応ガスを受け取らない膜のこれらの領域は、電気を発生せず、よって、非均等な電流分布を形成し、燃料電池全体の効率を減少させる。水によりせき止められる流れチャンネルが多くなればなるほど、燃料電池により生成される電気は減少し、200mVより低い電池電位は電池の故障とみなされる。燃料電池は一般に電気的に直列に連結されているので、燃料電池の一つが実行停止されるならば、燃料電池スタック全体が実行停止し得る。
【0008】
燃料電池スタックは、スタックからのガス漏れを防止するため、典型的には、スタックの活性領域の周りに、スタックヘッダーと各燃料電池のための活性領域との間に延在するシール部を備えている。従って、カソード流れを得るため、アノード流れ及び冷却流れは、各々の入口ヘッダーから燃料電池の活性領域へと流れており、流れチャンネルがシール部の完全性に影響を及ぼすことなくシール部の領域を通過することが必要となる。典型的には、シール部の周りで二極式プレートを貫通して孔が形成される。このことは、活性領域内の流れチャンネルと整列するように流れチャンネル内で曲がり部を必要とする。カソード及びアノードの流れチャンネル内でのこの曲がり部は、水を蓄積して捕捉され得る領域を形成していた。該領域は、流れチャンネルを閉じ、該流れチャンネルへの反応ガスの流れを減少させる傾向を持っていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記に鑑みて、燃料電池スタックのシール領域を横断するためのより良好な技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の教えによれば、スタック内の二極式プレートの間のシール領域を通して、直線的に形成されたカソード流れチャンネル及びアノード流れチャンネルを備える燃料電池スタックが開示される。燃料電池スタックは、スタック内の燃料電池の活性領域の周りに、スタックヘッダー及び活性領域の間で延在するシール部を備える。カソード流れチャンネルがシール領域を介してカソード入口ヘッダー及びカソード出口ヘッダーへと延在し、アノード流れチャンネルがシール領域を介してアノード入口ヘッダー及びアノード出口ヘッダーへと延在する位置において、膜の一方の側の拡散媒体層は、シール荷重を提供するように延在されている。
【0011】
本発明の追加の特徴は、添付図面と関連付けて、次の詳細な説明及び添付した請求の範囲から明らかとなろう。
【実施例】
【0012】
シール領域を通して直線的な反応ガス流れチャンネルを備える燃料電池スタックに関する本発明の実施例の次の説明は、その本質上単なる例示であり、本発明、その用途又は使用法を限定することを意図したものではない。
【0013】
図1は、燃料スタック10の燃料電池50を通した断面図であり、スタック10は活性領域12と複合二極式プレートとを備える。スタック10は、カソード反応ガスの流れを受け入れるカソード入口ヘッダー14と、カソード出口ガスの流れを受け入れるカソード出口ヘッダー16とを備え、カソードガスは、活性領域12の流れチャンネルを通って流れる。スタック10は、更に、アノード反応ガスの流れを受け入れるアノード入口ヘッダー18と、アノード排気ガスの流れを受け入れるアノード出口ヘッダー20とを備え、アノード流れチャンネルは活性領域12を通って流れる。スタック10は、冷却流体を受け入れる冷却流体入口ヘッダー22と、スタック10から冷却流体を出力する冷却流体出口ヘッダー24と、を更に備え、当該技術分野で良く理解されているように、冷却流体は、活性領域12を通した冷却流体チャンネルを通って流れる。
【0014】
反応ガス流れ及び冷却流体流れを備え、これらを分離するために、様々なシール部がスタック10内の二極式プレートの間で提供されている。特に、シール部30が燃料電池50の周辺部の周りで提供され、シール部32がカソード入口ヘッダー14と活性領域12との間で提供され、シール部34がカソード出口ヘッダー16と活性領域12との間で提供され、シール部36がアノード入口ヘッダー18と活性領域12との間で提供され、シール部38がアノード出口ヘッダー20と活性領域12との間で提供され、シールループ40が冷却流体入口ヘッダー22の周りに提供され、シールループ42が冷却流体出口ヘッダー24の周りに提供されている。これらのシール部は、任意の適切なエラストマー材料又は弾性材料から作られていてもよい。
【0015】
図2は、燃料電池50のライン2−2を通した断面図である。燃料電池50は、アノード側複合二極式プレート52と、カソード側複合二極式プレート54と、を備える。図面に示された二極式プレートは、隣接する燃料電池のための二極式プレートの半部分が示されていないという点で二極式プレートの半部分である。燃料電池50は、アノード側拡散媒体層56と、カソード側拡散媒体層58と、それらの間の膜60とを更に備えている。アノード側二極式プレート52はアノード流れチャンネル62を備え、カソード側二極式プレート54はカソード流れチャンネル64の一部を備え、冷却流体流れチャンネルの他方の半部分は、他のプレートの半部分によって提供される。
【0016】
シール部32は、アノード側二極式プレート52内のチャンネル66内に配置されている。複合二極式プレートを備える既知の燃料電池スタックでは、シール部は、より厚くなり、膜60は、シール部の周りの湾曲経路に従っている。本発明によれば、膜60は、シール領域を通して直線的に延在し、カソード側拡散媒体層58はカソード側二極式プレート54の外側エッジへと延在されている。延長された拡散媒体層58は、シール領域のカソード側でシールの完全さを提供する。この構成の結果として、カソード入口ヘッダー14から活性領域12へと延在するカソード流れチャンネル68は、直線的となる。カソード出口ヘッダー16と活性領域12との間のシール領域も、同様なものとなる。
【0017】
図3は、アノード入口ヘッダー18と燃料電池50の活性領域12との間のシール領域を示す燃料電池スタック10のライン3−3を通した断面図である。本発明によれば、シール部36は、幅が狭く、アノード側拡散媒体層56はアノード側二極式プレート52の外側エッジへと延在されている。延長された拡散媒体層56は、シール領域のアノード側部でシールの完全さを提供する。更には、ヘッダー18から活性領域12へと延在するアノード流れチャンネル62は、直線的となる。アノード出口ヘッダー20と活性領域12との間のシール領域も同様なものとなる。
【0018】
図4は、冷却流体入口ヘッダー22と活性領域12との間のシール領域を示す燃料電池スタック10のライン4−4を通した断面図である。この位置では、シール部36は、カソードシール半部分72及びアノードシール半部分74を備え、シール部40は、カソードシール半部分76及びアノードシール半部分78を備えている。直線流れ冷却流体チャンネル64は、冷却流体入口ヘッダー22からシール領域を通して活性領域12にまで設けられている。この位置における燃料電池50の断面図は、当該技術分野で知られているものの幾つかとほとんど同じである。冷却流体入口ヘッダー24と活性領域12との間のシール領域も同様なものとなる。
【0019】
図5は、カソード出口ヘッダー16と活性領域12との間の連結密封領域を示すライン5−5を通した断面図である。連結領域では、ギャップ70が拡散媒体層58とシール部30との間に形成されてもよく、拡散媒体層58は膜60の反対側でシール部を支持している。ギャップ70それ自身は、いずれにしても流れがこの領域を通過するときに密封上の問題とはならない。密封するため膜60の反対側でシール部のための連続表面を提供することが必要となり得る。かくして、充填材料を、シール部の支持を提供するためギャップ70内に設けてもよい。充填材料は、シール部30及び拡散媒体層58が配置された後に適所で硬化するエラストマーであってもよい。サブガスケット支持体を備えた膜が十分に硬い場合、該膜は密封機能を損なうことなくギャップ70を橋渡しすることができ、充填材料を必要としなくて済む。ギャップ70を取り扱うための代替の解答は、別個の連続的な周辺部のループ内の完全なループとしてヘッダーシール部を入れ子状にすることである。この位置では、拡散媒体層58が、上述されたように、延在された。
【0020】
図6は、活性領域12のエッジにおいて燃料電池スタック10のライン6−6を通した断面図である。この位置では、シール部30は、2つのシールの半部分72及び74を備えている。この位置における燃料電池50の断面図も、当該技術分野の燃料電池の断面の幾つかとほぼ同じとなる。
【0021】
図7は、カソード出口ヘッダー16の外側エッジにおいて燃料電池スタック10のライン7−7を通した断面図である。この位置では、シール部30は、2つのシールの半部分72及び74を備えている。この位置における燃料電池50の断面図も、当該技術分野の燃料電池の断面の幾つかとほぼ同じとなる。
【0022】
上記したように、拡散媒体層は、それらの反応ガスの入口領域及び出口領域内のチャンネルを横断してシール部の荷重を支持する。必要とあらば、シール支持領域内の拡散媒体層を、追加の剛性を提供するため充填することができる。これは、トンネルもポートも無い状態で活性領域12内への直接的なチャンネルを可能にし、プレート内への孔を製造することも追加のブリッジ挿入体も提供される必要はない。プレート内のポート及びトンネルを無くすことによって、水がこれらのプレート内で蓄積されるとき水管理が改善される。更には、プレート内で孔を無くすことによって、プレートの製造が簡単になる。トンネルが無い場合には、プレートの一方側にのみ、親水性コーティングを塗布することが必要となる。
【0023】
アノードシール部及びカソードシール部の両方が重なり合うこれらの位置では、反応ガスの両方が密封される。カソード反応ガスは、カソードシール部が存在しない場合に、アノードシール部を通って流れることができ、その結果、カソード入口ヘッダー14からカソード出口ヘッダー16への流れ経路が提供される。同様に、アノード反応ガス流れは、アノードシール部が存在しない場合、カソードシール部を通って流れることができ、その結果、アノード入口ヘッダー18からアノード出口ヘッダー20への流れ経路が提供される。固体複合プレート設計のために、冷却流体チャンネル64が反応ガス側の密封表面に影響を及ぼすこと無くシール部の間を通過することができるように、冷却流体流れ経路が、反応物の流れパターンから独立に画定されている。2つのプレートの半部分は、プレートの半部分の間から冷却流体が漏れることを防止するため一緒に連結される。固体プレートのために、2つの二極式プレートの半部分の間で低い電気接触抵抗を確実にするためプレートの半部分が典型的には全プレート間のインターフェース表面に亘って結合されるので、この結合は、示されていない。
【0024】
幾つかの燃料電池設計では、アノードヘッダー及びカソードヘッダーは、シール部の完全さを増大させるためヘッダーの周りを完全に延在するシールループを備えている。図8は、燃料電池82を通した燃料電池スタック80の断面図であり、燃料電池スタック10と同様の要素は、同じ参照番号によって同定されている。この燃料電池スタック設計では、カソード入口ヘッダー14におけるシール部32はシールループ84に置き換えられ、カソード出口ヘッダー16におけるシール部34はシールループ86に置き換えられ、アノード入口ヘッダー18におけるシール部36はシールループ88に置き換えられ、アノード出口ヘッダー20におけるシール部38はシールループ90に置き換えられる。
【0025】
拡散媒体層56及び58がシールの完全さを提供するため延在する燃料電池スタック80のための、カソードヘッダー14及び16と活性領域12との間の密封領域、アノードヘッダー18及び20と活性領域12との間の密封領域、並びに、冷却流体ヘッダーと活性領域12との間の密封領域は、燃料電池スタック10の対応する密封領域と同じである。しかし、余剰のシール部が存在するヘッダー14、16、18及び20の外側エッジにおけるシール領域が異なっている。これを示すため、図9は、本発明の実施例に係る、燃料電池スタック80のライン9−9を通した断面図である。燃料電池82は、アノード側二極式プレート92と、カソード側二極式プレート94と、それらの間の膜96とを備えている。カソード側拡散媒体層98は、ヘッダー16のエッジまで延在しているので、連続的なシール部の完全さを提供するためシールループ86によって提供されるシール領域を通して延在する拡散媒体層98が示されている。
【0026】
シール領域においてシール部と膜との間にシムを提供することが当該技術分野で知られている。しかし、トンネルを形成しシール部の荷重を支持するためチャンネルを横切ってシムを使用することは知られていなかった。本発明の別の実施例によれば、シール支持部のために拡散媒体を延在させる代わりに、この領域で別個のシムを使用することができる。適切なシール支持部を確実にするため、シール結合部を調整するためより大きい厚さ変化となるより厚いシム(約0.1mm)が要求されてもよい。これに取り組むため、シムは、シール部の周辺部の周りで連続的となり得る。シム及びシール部は、膜に結合されるのが好ましい。このアプローチは、両方の側部又は一つだけの側部でシムを使用することができる。より薄いサブガスケットを、所望の活性領域のエッジアーキテクチャーを提供するため必要に応じて1つ又は両方の側部で使用することができる。一つだけのシムが使用された場合、材料の要求によって膜及びシール部が直接接触することが可能とならないならば、サブガスケットは膜の反対側にあるのが望ましい。エラストマーシール部を備えたシムで支持される構成のために、スパン領域が提供されてもよい。このことは、シムはチャンネルスパンに亘って支持するため適切な剛性を提供しなければならないので、ガスケット押さえにより形成されたスパンが、典型的なチャンネルのスパン(0.5〜1.5mm)より小さくあるべきであることを単に意味している。シール部がシム及び膜に結合されている場合、シール部それ自体は、密封表面がプレートに対抗しているので、この構成では膜ではなく当該密封表面に追加の剛性を提供する。これらは、拡散媒体に支持されるシール部ではなく、シムで支持されたシール部であるので、この領域におけるチャンネルは、シムにおいてより深くなり得る。シムは、拡散媒体層ほど厚くないからである。チャンネルの底部は、チャンネルサイズを維持するためこの領域において上昇し得る。
【0027】
ほとんどの膜は、機械的強度のため周辺部の周りで両側に配置された薄い(25μm)サブガスケット(プラスチックフィルム)を有し、酸性イオノマー膜とプレート若しくはシール部との間の直接的な接触を回避している。本発明のためのシムの使用工程は、チャンネルに亘りシール部の荷重を支持するため、適切な剛性を提供するように、より厚いサブガスケットを使用する工程を備えていてもよい。
【0028】
図10乃至図15は、燃料電池スタック10に類似の燃料電池スタックの燃料電池110を通した断面図を示しており、様々なヘッダーが燃料電池スタックの同じ位置で提供され、同じ参照番号で同定されている。図10は、燃料電池110の位置202における断面図を表し、図11は、燃料電池110の位置3−3における断面図を表し、図12は、燃料電池110の位置4−4における断面図を表し、図13は、燃料電池110の位置5−5における断面図を表し、図14は、燃料電池110の位置6−6における断面図を表し、図15は、燃料電池110の位置7−7における断面図を表している。
【0029】
図10は、燃料電池110の活性領域12とカソード入口ヘッダー14との間のシール領域を示している。燃料電池110は、アノード側二極式プレート112と、カソード側二極式プレート114と、それらの間の膜116と、を備えている。アノード側拡散媒体層118は、二極式プレート112とアノード側の膜116との間に設けられ、カソード側拡散媒体層120は、膜116とカソード側の二極式プレート114との間に設けられている。アノード流れチャンネル132は、アノード側二極式プレート112に設けられ、冷却流体流れチャンネル134はカソード側二極式プレート114に設けられている。
【0030】
本実施例では、シム122は、密封領域において、膜116とアノードシール部124との間に設けられ、シム126は、膜116と、カソード側二極式プレート114の隆起部分128との間に設けられている。カソード流れチャンネル130は、隆起部分128を介して延在し、シール領域を通して燃料電池110の活性領域12に直線的な流れを提供する。シム126と隆起部分128との組み合わせは、この位置において、燃料電池110のカソード側のシール部の完全さを維持する。
【0031】
図11は、燃料電池110の活性領域12とアノード入口ヘッダー18との間のシール領域を示しており、アノード側二極式プレート112は隆起部分140を備えている。隆起部分140とシム122との組み合わせは、アノード流れチャンネル132がアノードヘッダー18のシール領域を介して燃料電池110の活性領域へと直線的な流れを有するように、この領域においてシール部の完全さを維持するための構造を提供する。カソード側二極式プレート114は、チャンネル114を備え、該チャンネル144では、シール部146が配置される。
【0032】
図12は、冷却流体入口ヘッダー22における、シール半部分148及び150と膜116との間のシム152及び154を示している。冷却流体流れチャンネル134はこの断面で示されている。
【0033】
図13は、冷却流体出口ヘッダー24とカソード出口ヘッダー14との間の連結領域における、膜116とシール部164及び166との間のシム160及び162を示している。
【0034】
図14は、燃料電池110の活性領域の外側エッジにおける、膜116とシール半部分174及び176との間のシム170及び172を示している。
図15は、カソード出口ヘッダー16における、シール半部分184及び186と膜116との間のシム180及び182を示している。
【0035】
図16は、スタック200の燃料電池202を通した燃料電池スタック200の断面図である。本実施例では、燃料電池スタック200は、打ち抜き二極式プレートを備える。燃料電池スタック200は、活性領域204と、カソード入口ヘッダー206と、カソード出口ヘッダー208と、アノード入口ヘッダー210と、アノード出口ヘッダー212と、冷却流体入口ヘッダー214と、冷却流体出口ヘッダー216と、を備えている。代替の実施例では、燃料電池スタック200は、当業者に良く理解されているように、シール部と交差する結合部を備えることができる。シール部220は、燃料電池22の外側周辺部の周りを延在している。更に、シール部222は、カソード入口ヘッダー206と活性領域204との間に設けられ、シール部224は、カソード出口ヘッダー208と活性領域204との間に設けられ、シール部226は、アノード入口ヘッダー210と活性領域204との間に設けられ、シール部228は、アノード出口ヘッダー212と活性領域204との間に設けられ、シール部230は、冷却流体入口ヘッダー214と活性領域204との間に設けられ、シール部232は、冷却流体出口ヘッダー216と活性領域204との間に設けられている。
【0036】
図17は、燃料電池200のライン17−17を通した断面図である。燃料電池200は、アノード側打ち抜き二極式プレート240と、カソード側打ち抜き二極式プレート242と、を備えている。図示の二極式プレートは、二極式プレートの半部分であり、隣接する燃料電池のための打ち抜き二極式プレートは示されていない。燃料電池200は、アノード側拡散媒体層244と、カソード側拡散媒体層246と、それらの間の膜248と、を備えている。アノード側二極式プレート240は、アノード流れチャンネル250と、冷却流体流れチャンネル252の一部とを備え、冷却流体流れチャンネルの他の半部分は、他のプレート半部分によって提供されている。プレートの結合部238は、二極式プレートを一緒に結合するために提供される。
【0037】
シール部222は、二極式プレート240のアノード側部の外側エッジに設けられている。本発明によれば、シール部222は、膜248がシール領域を通して直線的となるように、この位置に通常存在しているシール部よりも薄くなっている。更には、シール領域のカソード側部でシール部の完全さを提供するため、カソード側拡散媒体層246はカソード側二極式プレート242の外側エッジへと延在している。拡散媒体246をこの態様で延長することによって、カソード流れチャンネル254は、水が流れチャンネル254内で蓄積し得る領域を減少させるため、シール領域を通して活性領域204へと直線的となることができる。カソード出口ヘッダー208と活性領域204との間のシール領域も同様である。
【0038】
図18は、燃料電池スタック200のライン18−18を通した断面図であり、アノード入口ヘッダー210と燃料電池202の活性領域204との間のシール領域を示している。本発明によれば、シール部226は、膜248が活性領域204からシール領域を通して直線的に延在するように、この位置で通常提供されるシール部よりも厚さが減少されている。更には、上述された目的のため、アノード流れチャンネル250がシール領域を通して直線的に延在するようにアノード側拡散媒体層244がシール領域を通して延在されている。アノード出口ヘッダー212と活性領域204との間のシール領域も同様である。
【0039】
図19は、燃料電池スタック200のライン19−19を通した断面図であり、アノード入口ヘッダー210と燃料電池202の活性領域204との間のシール領域を示している。本発明によれば、膜248が冷却流体入口ヘッダー214から活性領域204へとシール領域を通して直線的に延在するように、シール部230及び22の厚さが減少されている。冷却流体出口ヘッダー216と活性領域204との間のシール領域も同様である。
【0040】
図20は、燃料電池スタック200のライン20−20を通した断面図であり、カソード出口ヘッダー208と活性領域204との間の連結密封領域を示している。本実施例では、アノード側拡散媒体層246は、図示のように、シール部220まで延長された。ギャップ264が拡散媒体層246とシール部220との間に形成されており、該ギャップを適切な充填材料で充填することができる。この構成では、膜248は、シール領域を通して直線的に延在する。
【0041】
図21は、燃料電池スタック202のエッジ区分における燃料電池スタック200のライン21−21を通した断面図である。本実施例では、シール部220は、2つのシール半部分270及び272を備え、膜248がシール領域を通って活性領域204へと直線的に延在することを可能にしている。
【0042】
図22は、カソード出口ヘッダー208の外側エッジ区分における燃料電池スタック200のライン22−22を通した断面図である。本実施例では、シール部220は、シール領域を通して直線的な膜248を提供するため、2つのシール半部分270及び272から作られている。
【0043】
打ち抜きプレートに関して、冷却流体の漏れを防止するためプレートの半部分が一緒に密封される必要がある結合部が示されている。これは、溶接結合又は接着結合を使用してなすことができる。エラストマーシール部を備える打ち抜きプレートに関しては、オプションは、結合ラインがシール部パッキン押さえを横断することである。打ち抜きプレートのため適切なシール部の支持を確実にするため、プレートの半部分は、シール部のいずれかの側で互いに接触する。冷却流体入口ヘッダー214では、冷却流体流れ経路は、破線によって示されたプレート半部分がこれを示すように提供されている。冷却流体は、当該経路がプレートによって塞がれていないので、当該経路を通って流れることができる。エラストマーシール部を備えた打ち抜きプレート構成に関しては、カソードシール部は、両方の端部でより中央寄りにあるように示されているが、流れ方向に関するシール部の順序は重要ではなく、他の要求事項に基づいて画定されてもよい。
【0044】
別の燃料電池設計では、アノードヘッダー、カソードヘッダー及び冷却流体ヘッダーは、シールループを備えていてもよく、該シールループは、シール部の完全さを増大させるため、ヘッダーの周りを完全に延在している。図23は、燃料電池282を通した燃料電池スタック280の断面図であり、燃料電池スタック200と同様の構成要素は、本発明の別の実施例に従って、同じ参照番号によって同定される。この燃料電池スタック設計では、カソード入口ヘッダー206におけるシール部222は、シールループ286に置き換えられ、カソード出口ヘッダー208におけるシール部224は、シールループ288に置き換えられ、アノード入口ヘッダー210におけるシール部226は、シールループ290に置き換えられ、アノード出口ヘッダー212におけるシール部228は、シールループ292に置き換えられ、冷却流体入口ヘッダー214におけるシール部230は、シールループ294及び296に置き換えられ、冷却流体出口ヘッダー216におけるシール部232は、シールループ298及び300に置き換えられる。ヘッダーループを形成した動機は、例えば、図20により示されるように、活性領域に隣接する反応物ヘッダーのコーナーのみで出現する連結を回避するためであるので、冷却剤ヘッダーは、図16に示されるように、ループ無しで維持することができる。
【0045】
拡散媒体層244及び246がシール部の完全さを提供するため延長されるところの、燃料電池スタック280のヘッダー及び活性領域の間のシール領域は、燃料電池スタック200における当該領域と同じである。しかし、余剰のシールが存在するところのヘッダーの外側エッジにおけるシール領域は異なっている。これを示すため、図24は、燃料電池スタック280のライン24−24を通した断面図である。燃料電池282は、アノード側二極式プレート302と、カソード側二極式プレート304と、それらの間の膜306とを備えている。アノード側拡散媒体層308がヘッダー208のエッジまで延在するので、連続的なシール部の完全さを提供するようにシールループ288によって提供されたシール領域を通して延在したカソード側拡散媒体層308が示されている。本実施例では、外側シールループ220は、この位置において2つのシール半部分310及び312から構成されている。
【0046】
上述されたように、シール部とシール領域の膜との間でシムを提供することが当該技術分野で知られているが、トンネルを形成しシール部の荷重を支持するためチャンネルを横断してシムを使用することは知られていない。図25乃至図30は、様々なヘッダーが燃料電池スタックの同じ位置で提供されているところの燃料電池スタック200と類似した燃料電池スタックの燃料電池320を通した断面図を示している。かくして、図25は、燃料電池320の位置17−17における断面図を表し、図26は、燃料電池320の位置18−18における断面図を表し、図27は、燃料電池320の位置19−19における断面図を表し、図28は、燃料電池320の位置20−20における断面図を表し、図29は、燃料電池320の位置21−21における断面図を表し、図30は、燃料電池320の位置22−22における断面図を表している。
【0047】
燃料電池320は、アノード側打ち抜き二極式プレート322と、カソード側打ち抜き二極式プレート324と、それらの間に配置された膜326と、を備えている。アノード側拡散媒体層326は、二極式プレート322と膜326との間で提供され、カソード側拡散媒体層330は、膜326と二極式プレート324との間で提供される。アノード側二極式プレート322は、アノード側流れチャンネル340と、冷却流体チャンネル342とを画定する。本実施例では、シム332は、シール領域において、膜326とシール部334との間に設けられ、シム336は、シール領域において、膜326とカソード側二極式プレート324の隆起部分338との間に設けられている。カソード流れチャンネル344は、隆起部分338の周囲に延在し、シール領域を通って燃料電池320の活性領域へと直線的な流れを提供する。シム336及び隆起部分338の組み合わせは、この位置で燃料電池320のカソード側部のシールの完全さを維持する。
【0048】
図26は、燃料電池320の活性領域とアノード入口ヘッダーとの間のシール領域を示し、アノード側二極式プレート322は隆起部分346を備えている。シム348は、隆起部分346と膜326との間に設けられ、シム350は、膜326とシール部352との間に設けられている。隆起部分346とシム348との組み合わせは、アノード流れチャンネル340が、アノード入口ヘッダーから燃料電池320の活性領域へとシール領域を通って直線の流れを有するように、この領域でシール部の完全さを維持するための構造を提供する。
【0049】
図27は、シール部220とアノード側二極式プレート322との間のシム354と、膜326とアノード側二極式プレート322との間のシム356と、膜326とシールb230との間のシム358とを示している。
【0050】
図28は、シール部224と膜326との間のシム360と、シール部220と膜326との間のシム362とを示している。
図29は、シール部270と膜326との間のシム364と、膜326とシール部272との間のシム366とを示している。
【0051】
図30は、シール半部分270と膜326との間のシム368と、膜326とシール半部分272との間のシム370とを示している。
図31は、燃料電池382を通した燃料電池スタック380の断面図である。本実施例では、燃料電池スタック380は、打ち抜き二極式プレートを備え、該プレートそれ自体がシール部を提供している。燃料電池スタック380は、活性領域384と、カソード入口ヘッダー386と、カソード出口ヘッダー388と、アノード入口ヘッダー390と、アノード出口ヘッダー392と、冷却流体入口ヘッダー394と、冷却流体出口ヘッダー396と、を備えている。シール部398は、燃料電池382の周囲回りに延在している。シール部400は、カソード入口ヘッダー386と活性領域384との間に設けられ、シール部402は、カソード出口ヘッダー388と活性領域384との間に設けられ、シール部404は、アノード入口ヘッダー390と活性領域384との間に設けられ、シール部406は、アノード出口ヘッダー392と活性領域384との間に設けられ、シール部408は、冷却流体入口ヘッダー394と活性領域384との間に設けられ、シール部410は、冷却流体出口ヘッダー396と活性領域384との間に設けられている。上述したように、この設計におけるシール部の全ては、二極式プレートの構成によって提供されている。
【0052】
図32は、燃料電池382のライン32−32を通した断面図である。燃料電池382は、アノード側打ち抜き二極式プレート420と、カソード側打ち抜き二極式プレート422と、を備えている。燃料電池382は、アノード側拡散媒体層424と、カソード側拡散媒体層426とを更に備え、膜428がそれらの間に配置されている。アノード側二極式プレート420は、アノード流れチャンネル430と、冷却流体流れチャンネル432の半部分とを備え、冷却流体流れチャンネルの他方の半部分は、他の打ち抜きプレートの半部分によって提供される。
【0053】
シール部400は、アノード側二極式プレート420の区分によって画定される。本発明によれば、カソード側拡散媒体層426は、膜428のこの側部においてシール部の完全さを提供するためシール部400と反対側のシール領域を通って延在する。かくして、カソード流れチャンネル434は、プレートの構成部品周りでくねって水を集めるべく作用しないようにカソード入口ヘッダー386から活性領域384へとシール領域を通って直線的に延在することができる。カソード出口ヘッダー388と活性領域384との間のシール領域も同様である。
【0054】
図33は、燃料電池382のライン33−33を通した断面図であり、アノード入口ヘッダー390と燃料電池スタック380の活性領域384との間のシール領域を示している。本発明によれば、アノード側拡散媒体層424は、二極式プレート422の構造的構成によって提供されるシール部404とは反対側の燃料電池382のアノード側部でシール部の完全さを提供するため、この位置で延長されている。アノード出口ヘッダー392と活性領域384との間のシール領域も同様である。
【0055】
図34は、燃料電池380のライン34−34を通した断面図であり、冷却流体入口ヘッダー394と活性領域384との間のシール領域を示している。燃料電池382のこの位置では、アノード側二極式プレート420とカソード側二極式プレート422は、シール部408及び398を提供する。冷却流体流れチャンネル432は、シール領域を通した活性領域384への直線的流れでプレートを通って延在する。本実施例ではプレート420及び422がシール部を提供するので、これは、燃料電池382における幾つかの位置で隣接する二極式プレートを電気的接触状態へともたらし、電気的短絡状態を形成することとなる。従って、電気的短絡を防止するため非伝導性セパレータ438がシール位置408に設けられている。冷却流体出口ヘッダー396と活性領域384との間のシール領域も同様である。
【0056】
図35は、カソード出口ヘッダー388と活性領域384との間の連結密封領域におけるライン35−35を通した断面図である。カソード側拡散媒体層426は、シール部402及び398を各々画定するアノード側二極式プレート420及びカソード側二極式プレート422のため、この位置で延在されている。拡散媒体層426とプレート422のシール部との間のギャップ440は、適切な材料で充填される必要があり得る。
【0057】
図36は、燃料電池382のエッジ区分における断面図であり、打ち抜きシール部を有する打ち抜き二極式プレートを備える既知の燃料電池スタックのエッジ区分と類似である。
【0058】
図37は、カソード出口ヘッダー388の外側エッジで燃料電池スタック380のライン37−37を通した断面図である。この位置では、シール部398は、アノード側二極式プレート420とカソード側二極式プレート422とによって提供されている。
【0059】
幾つかの燃料電池設計のために、上述されたように、アノードヘッダー、カソードヘッダー及び冷却流体ヘッダーは、シール部の完全さを増大させるためヘッダーの周りで完全に延在するシールループを備えている。図38は、燃料電池452を通した燃料電池スタック450の断面図であり、燃料電池スタック380と同様の構成要素は同じ参照番号によって同定されている。この燃料電池スタック設計では、カソード入口ヘッダー385におけるシール部400はシールループ454で置き換えられ、カソード出口ヘッダー388におけるシール部402はシールループ456で置き換えられ、アノード入口ヘッダー390におけるシール部404はシールループ458で置き換えられ、アノード出口ヘッダー392におけるシール部406はシールループ460で置き換えられ、冷却流体入口ヘッダー394におけるシール部408はシールループ462で置き換えられ、冷却流体出口ヘッダー396におけるシール部410はシールループ464で置き換えられる。ヘッダーループを構成する動機は、活性領域に隣接する反応物ヘッダーのコーナーにおいてのみ発生する例えば図35により示されたような連結を防止することであるので、冷却剤ヘッダーを、図31に示されるように、ループ無しで維持することができる。
【0060】
カソードヘッダー386及び388と活性領域384との間、アノードヘッダー390及び392と活性領域384との間、並びに、冷却流体ヘッダー394及び396と活性領域384との間のシール領域は、燃料電池スタック380内の対応するシール領域と同じである。しかし、余剰のシール部が存在する、ヘッダー386、388、390、392、394及び396の外側エッジにおけるシール領域は異なっている。これを示すため、図39は、図39は、本発明の別の実施例に係る燃料電池スタック450のライン39−39を通した断面図である。燃料電池452は、アノード側二極式プレート470と、カソード側二極式プレート472と、それらの間に配置された膜474とを備える。カソード側拡散媒体46はヘッダー388のエッジまで延びているので、拡散媒体層476は、連続的なシール部の完全さを提供するためシールループ456によって提供されたシール領域を通って延在するものとして示されている。
【0061】
上記したように、シール部と膜シール領域との間にシムを提供することが当該技術分野で知られている。図40乃至図45は、燃料電池382に類似する燃料電池500を通した断面図を示しており、様々なヘッダーが燃料電池スタック380の同じ位置に提供されている。図40は燃料電池500の位置32−32における断面図を表し、図41は燃料電池500の位置33−33における断面図を表し、図42は燃料電池500の位置34−34における断面図を表し、図43は燃料電池500の位置35−35における断面図を表し、図44は燃料電池500の位置36−36における断面図を表し、図45は燃料電池500の位置37−37における断面図を表している。
【0062】
図40は、燃料電池500の活性領域384とカソード入口ヘッダー386との間のシール領域を示している。燃料電池500は、アノード側二極式プレート502と、カソード側二極式プレート5040と、それらの間に配置された膜5060とを備えている。アノード側拡散媒体層508は、二極式プレート502と膜506との間に設けられ、カソード側拡散媒体層510は、膜506と二極式プレート504との間に設けられている。アノード側二極式プレート502は、アノード流れチャンネル522及び冷却流体流れチャンネル524を形成する。本実施例では、シム512は、膜506とプレート502のシール区分514との間に設けられ、シム516は、膜506とシール区分518との間に設けられている。カソード流れチャンネル520は、シール領域を通って延在し、燃料電池500の活性領域への直線的流れを提供する。
【0063】
図41は、燃料電池500の活性領域384とアノード入口ヘッダー390との間のシール領域を示している。シム530は、プレート502のシール区分532と膜506との間に設けられ、シム534は、プレート504のシール区分536と膜506との間に設けられている。
【0064】
図42は、燃料電池500の活性領域384と冷却流体入口ヘッダー394との間のシール領域を示している。シム540は、二極式プレート502のシール区分542とセパレータ538との間に設けられ、シム544は、カソード側二極式プレート504のシール区分546とセパレータ538との間に設けられている。同様に、シム550は、プレート502のシール区分552と膜506との間に設けられ、シム554は、シール区分556と膜506との間に設けられている。冷却流体流れチャンネル524は、シール領域を通した活性領域への直線的流れの形態でプレート502及び504を通って延在する。
【0065】
図43は、アノード側二極式プレート502のシール区分562と膜506との間のシム560と、カソード側二極式プレート504のシール区分566と膜506との間のシム564とを示している。
【0066】
図44は、アノード側二極式プレート502のシール区分572と膜506との間のシム570と、カソード側二極式プレート504のシール区分576と膜506との間のシム574とを示している。
【0067】
図45は、アノード側二極式プレート502のシール区分582と膜506との間のシム580と、カソード側二極式プレート504のシール区分586と膜506との間のシム584とを示している。
【0068】
前記した説明は、本発明の単なる一実施例のみを開示し、記載したに過ぎない。当業者は、請求の範囲に定義されたような本発明の精神及び範囲から逸脱すること無く様々な変更、改良及び変形をなすことができることを、上記のような説明並びに添付図面や請求の範囲から容易に理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る、複合二極式プレートを備える燃料電池スタックの断面図である。
【図2】図2は、図1に示された燃料電池スタックのライン2−2を通した断面図である。
【図3】図3は、図1に示された燃料電池スタックのライン3−3を通した断面図である。
【図4】図4は、図1に示された燃料電池スタックのライン4−4を通した断面図である。
【図5】図5は、図1に示された燃料電池スタックのライン5−5を通した断面図である。
【図6】図6は、図1に示された燃料電池スタックのライン6−6を通した断面図である。
【図7】図7は、図1に示された燃料電池スタックのライン7−7を通した断面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施例に係る、複合二極式プレート及びヘッダーシールループを備える燃料電池スタックの断面図である。
【図9】図9は、図8に示された燃料電池スタックのライン9−9を通した断面図である。
【図10】図10は、燃料電池スタックが複合二極式プレートとシムとを備えている場合の図1に示された燃料電池スタックのライン2−2を通した断面図である。
【図11】図11は、複合二極式プレートとシムとを備えている図1に示された燃料電池スタックのライン3−3を通した断面図である。
【図12】図12は、複合二極式プレートとシムとを備えている図1に示された燃料電池スタックのライン4−4を通した断面図である。
【図13】図13は、複合二極式プレートとシムとを備えている図1に示された燃料電池スタックのライン5−5を通した断面図である。
【図14】図14は、複合二極式プレートとシムとを備えている図1に示された燃料電池スタックのライン6−6を通した断面図である。
【図15】図15は、複合二極式プレートとシムとを備えている図1に示された燃料電池スタックのライン7−7を通した断面図である。
【図16】図16は、本発明の別の実施例に係る、打ち抜き二極式プレートを備える燃料電池スタックの断面図である。
【図17】図17は、図16に示された燃料電池スタックのライン17−17を通した断面図である。
【図18】図18は、図16に示された燃料電池スタックのライン18−18を通した断面図である。
【図19】図19は、図16に示された燃料電池スタックのライン19−19を通した断面図である。
【図20】図20は、図16に示された燃料電池スタックのライン20−20を通した断面図である。
【図21】図21は、図16に示された燃料電池スタックのライン21−21を通した断面図である。
【図22】図22は、図16に示された燃料電池スタックのライン22−22を通した断面図である。
【図23】図23は、本発明の別の実施例に係る、打ち抜き二極式プレート及びヘッダーシールループを備える燃料電池スタックの断面図である。
【図24】図24は、図23に示された燃料電池スタックのライン24−24を通した断面図である。
【図25】図25は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン17−17を通した断面図である。
【図26】図26は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン17−17を通した断面図である。
【図27】図27は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン18−18を通した断面図である。
【図28】図28は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン20−20を通した断面図である。
【図29】図29は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン21−21を通した断面図である。
【図30】図30は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン22−22を通した断面図である。
【図31】図31は、本発明の別の実施例に係る、打ち抜き二極式プレートを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する燃料電池スタックの断面図である。
【図32】図32は、図31に示された燃料電池スタックのライン32−32を通した断面図である。
【図33】図33は、図31に示された燃料電池スタックのライン33−33を通した断面図である。
【図34】図34は、図31に示された燃料電池スタックのライン34−34を通した断面図である。
【図35】図35は、図31に示された燃料電池スタックのライン35−35を通した断面図である。
【図36】図36は、図31に示された燃料電池スタックのライン36−36を通した断面図である。
【図37】図37は、図31に示された燃料電池スタックのライン37−37を通した断面図である。
【図38】図38は、本発明の別の実施例に係る、打ち抜き二極式プレート及びヘッダーシールループを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する燃料電池スタックの断面図である。
【図39】図39は、図38に示された燃料電池スタックのライン39−39を通した断面図である。
【図40】図40は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン32−32を通した断面図である。
【図41】図41は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン33−33を通した断面図である。
【図42】図42は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン34−34を通した断面図である。
【図43】図43は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン35−35を通した断面図である。
【図44】図44は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン36−36を通した断面図である。
【図45】図45は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン37−37を通した断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、燃料電池スタックに係り、より詳しくは、スタック中の燃料電池のシール領域を通して直線的なカソード及びアノードの流れチャンネルを備え、流れチャンネル内の水蓄積を減少させるようにした、燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
水素は、クリーンで燃料電池内に電気を効率的に生成するため使用することができるため、非常に魅力的な燃料である。水素燃料電池は、アノード及びカソードを備え、それらの間に電解質を備える電気化学式装置である。アノードは、水素ガスを受け取り、カソードは、酸素又は空気を受け取る。水素ガスは、自由な水素陽子及び電子を発生するためアノード内で分解される。陽子は、電解質を通ってカソードへと至る。水素陽子は、カソードにおいて、酸素及び電子と反応し、水を発生する。アノードからの電子は、電解質を通過することができず、よって、負荷を通るように差し向けられ、カソードに送られる前に仕事を実施する。
【0003】
陽子交換膜燃料電池(PEMFC)は、車両のための人気のある燃料電池である。PEM燃料電池は、一般に、過フッ化スルホン酸等の固体ポリマー電解質陽子伝達膜を備えている。アノード及びカソードは、典型的には、通常ではプラチナ(Pt)等の細かく分割された触媒粒子を含んでおり、これらの粒子は、炭素粒子上に支持され、イオノマーと混合されている。触媒混合物は、膜の両側に配置されている。アノード触媒混合物、カソード触媒混合物及び膜の組み合わせは、膜電極アッセンブリ(MEA)を形成する。膜電極アッセンブリは、製造する上で比較的高価であり、効率的な作動のため幾つかの条件を必要としている。
【0004】
幾つかの燃料電池は、典型的には、所望の電力を発生させるため燃料電池内に結合されている。例えば、車両のための典型的な燃料電池スタックは、2百個以上も積み重ねられた燃料電池を持ち得る。燃料電池スタックは、カソード入力ガス、典型的には、コンプレッサによりスタックを通して流された空気の流れを受け取る。酸素の必ずしも全てが、スタックにより消費されるわけではなく、空気の中には、スタック副産物として水を含み得るカソード排気ガスとして出力されるものがある。燃料電池スタックは、アノード水素入力ガスを受け取り、該ガスは、スタックのアノード側部へと流れていく。
【0005】
燃料電池スタックは、スタック中の幾つかのMEAの間に配置された、一連の二極式プレートを備える。二極式プレート及び膜電極アッセンブリは2つの端部プレートの間に配置される。二極式プレートは、スタック内の隣接する燃料電池のためアノード側部及びカソード側部を備える。アノードガス流れチャンネルは、二極式プレートのアノード側部に設けられ、アノードガスが各々の膜電極アッセンブリへと流れることを可能にする。カソードガス流れチャンネルは、二極式プレートのカソード側部上に設けられ、カソードガスが各々の膜電極アッセンブリへと流れることを可能にする。一方の端部プレートはアノードガス流れチャンネルを備え、他方の端部プレートはカソードガス流れチャンネルを備えている。二極式プレート及び端部プレートは、例えばステンレス鋼又は導電性複合物等、導電性材料から作られている。端部プレートは、燃料電池により発生された電気をスタックから伝達する。二極式プレートは、流れチャンネルを更に備え、該流れチャンネルを通って、冷却流体が流れる。
【0006】
二極式プレートを製造するための様々な技術が、当該技術分野で知られている。一つの設計では、二極式プレートは、例えばグラファイト等の複合材料から作られ、該二極式プレートでは、2つのプレートの半部分は、アノード流れチャンネルがプレート半部分の一方の一面側に設けられ、カソード流れチャンネルが他方のプレート半部分の反対側に設けられ、冷却流体流れチャンネルがプレートの半部分の間に設けられるように、別々に鋳造され、次に一緒に接着される。別の設計では、2つのプレートの半部分は、アノード流れチャンネルがプレート半部分の一方の一面側に設けられ、カソード流れチャンネルが他方のプレート半部分の反対側に設けられ、冷却流体流れチャンネルがプレートの半部分の間に設けられるように、打ち抜き加工され、次に一緒に溶接される。
【0007】
当該技術分野で良く理解されているように、燃料電池内の膜は、膜に亘るイオン抵抗が陽子を効率的に伝導させるのに十分に低くなるように一定の相対湿度を有する必要がある。燃料電池の作動中には、膜電極アッセンブリからの湿気及び外部の湿気は、アノード及びカソードの流れチャンネルに入ることができる。低い電池パワー要求、典型的には0.2A/cm2では、水は流れチャンネル内に蓄積し得る。反応ガスの流速は、非常に低く、水をチャンネルから流れ出させることができないからである。水が蓄積するにつれて、該水は、プレート材料の相対的な疎水性特性の故に、膨張し続ける液滴を形成する。液滴は反応ガスの流れに実質的に垂直に流れチャンネル内に形成する。液滴のサイズが増大するにつれて、流れチャンネルは、閉塞され、反応ガスは他の流れチャンネルへと逸らされる。チャンネルは、共通の入口及び出口マニホルドの間で平行になっているからである。反応ガスが、水でせき止められたチャンネルを通って流れることができないので、反応ガスは、水をチャンネルの外部に押し出すことはできない。チャンネルがせき止められた結果として反応ガスを受け取らない膜のこれらの領域は、電気を発生せず、よって、非均等な電流分布を形成し、燃料電池全体の効率を減少させる。水によりせき止められる流れチャンネルが多くなればなるほど、燃料電池により生成される電気は減少し、200mVより低い電池電位は電池の故障とみなされる。燃料電池は一般に電気的に直列に連結されているので、燃料電池の一つが実行停止されるならば、燃料電池スタック全体が実行停止し得る。
【0008】
燃料電池スタックは、スタックからのガス漏れを防止するため、典型的には、スタックの活性領域の周りに、スタックヘッダーと各燃料電池のための活性領域との間に延在するシール部を備えている。従って、カソード流れを得るため、アノード流れ及び冷却流れは、各々の入口ヘッダーから燃料電池の活性領域へと流れており、流れチャンネルがシール部の完全性に影響を及ぼすことなくシール部の領域を通過することが必要となる。典型的には、シール部の周りで二極式プレートを貫通して孔が形成される。このことは、活性領域内の流れチャンネルと整列するように流れチャンネル内で曲がり部を必要とする。カソード及びアノードの流れチャンネル内でのこの曲がり部は、水を蓄積して捕捉され得る領域を形成していた。該領域は、流れチャンネルを閉じ、該流れチャンネルへの反応ガスの流れを減少させる傾向を持っていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記に鑑みて、燃料電池スタックのシール領域を横断するためのより良好な技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の教えによれば、スタック内の二極式プレートの間のシール領域を通して、直線的に形成されたカソード流れチャンネル及びアノード流れチャンネルを備える燃料電池スタックが開示される。燃料電池スタックは、スタック内の燃料電池の活性領域の周りに、スタックヘッダー及び活性領域の間で延在するシール部を備える。カソード流れチャンネルがシール領域を介してカソード入口ヘッダー及びカソード出口ヘッダーへと延在し、アノード流れチャンネルがシール領域を介してアノード入口ヘッダー及びアノード出口ヘッダーへと延在する位置において、膜の一方の側の拡散媒体層は、シール荷重を提供するように延在されている。
【0011】
本発明の追加の特徴は、添付図面と関連付けて、次の詳細な説明及び添付した請求の範囲から明らかとなろう。
【実施例】
【0012】
シール領域を通して直線的な反応ガス流れチャンネルを備える燃料電池スタックに関する本発明の実施例の次の説明は、その本質上単なる例示であり、本発明、その用途又は使用法を限定することを意図したものではない。
【0013】
図1は、燃料スタック10の燃料電池50を通した断面図であり、スタック10は活性領域12と複合二極式プレートとを備える。スタック10は、カソード反応ガスの流れを受け入れるカソード入口ヘッダー14と、カソード出口ガスの流れを受け入れるカソード出口ヘッダー16とを備え、カソードガスは、活性領域12の流れチャンネルを通って流れる。スタック10は、更に、アノード反応ガスの流れを受け入れるアノード入口ヘッダー18と、アノード排気ガスの流れを受け入れるアノード出口ヘッダー20とを備え、アノード流れチャンネルは活性領域12を通って流れる。スタック10は、冷却流体を受け入れる冷却流体入口ヘッダー22と、スタック10から冷却流体を出力する冷却流体出口ヘッダー24と、を更に備え、当該技術分野で良く理解されているように、冷却流体は、活性領域12を通した冷却流体チャンネルを通って流れる。
【0014】
反応ガス流れ及び冷却流体流れを備え、これらを分離するために、様々なシール部がスタック10内の二極式プレートの間で提供されている。特に、シール部30が燃料電池50の周辺部の周りで提供され、シール部32がカソード入口ヘッダー14と活性領域12との間で提供され、シール部34がカソード出口ヘッダー16と活性領域12との間で提供され、シール部36がアノード入口ヘッダー18と活性領域12との間で提供され、シール部38がアノード出口ヘッダー20と活性領域12との間で提供され、シールループ40が冷却流体入口ヘッダー22の周りに提供され、シールループ42が冷却流体出口ヘッダー24の周りに提供されている。これらのシール部は、任意の適切なエラストマー材料又は弾性材料から作られていてもよい。
【0015】
図2は、燃料電池50のライン2−2を通した断面図である。燃料電池50は、アノード側複合二極式プレート52と、カソード側複合二極式プレート54と、を備える。図面に示された二極式プレートは、隣接する燃料電池のための二極式プレートの半部分が示されていないという点で二極式プレートの半部分である。燃料電池50は、アノード側拡散媒体層56と、カソード側拡散媒体層58と、それらの間の膜60とを更に備えている。アノード側二極式プレート52はアノード流れチャンネル62を備え、カソード側二極式プレート54はカソード流れチャンネル64の一部を備え、冷却流体流れチャンネルの他方の半部分は、他のプレートの半部分によって提供される。
【0016】
シール部32は、アノード側二極式プレート52内のチャンネル66内に配置されている。複合二極式プレートを備える既知の燃料電池スタックでは、シール部は、より厚くなり、膜60は、シール部の周りの湾曲経路に従っている。本発明によれば、膜60は、シール領域を通して直線的に延在し、カソード側拡散媒体層58はカソード側二極式プレート54の外側エッジへと延在されている。延長された拡散媒体層58は、シール領域のカソード側でシールの完全さを提供する。この構成の結果として、カソード入口ヘッダー14から活性領域12へと延在するカソード流れチャンネル68は、直線的となる。カソード出口ヘッダー16と活性領域12との間のシール領域も、同様なものとなる。
【0017】
図3は、アノード入口ヘッダー18と燃料電池50の活性領域12との間のシール領域を示す燃料電池スタック10のライン3−3を通した断面図である。本発明によれば、シール部36は、幅が狭く、アノード側拡散媒体層56はアノード側二極式プレート52の外側エッジへと延在されている。延長された拡散媒体層56は、シール領域のアノード側部でシールの完全さを提供する。更には、ヘッダー18から活性領域12へと延在するアノード流れチャンネル62は、直線的となる。アノード出口ヘッダー20と活性領域12との間のシール領域も同様なものとなる。
【0018】
図4は、冷却流体入口ヘッダー22と活性領域12との間のシール領域を示す燃料電池スタック10のライン4−4を通した断面図である。この位置では、シール部36は、カソードシール半部分72及びアノードシール半部分74を備え、シール部40は、カソードシール半部分76及びアノードシール半部分78を備えている。直線流れ冷却流体チャンネル64は、冷却流体入口ヘッダー22からシール領域を通して活性領域12にまで設けられている。この位置における燃料電池50の断面図は、当該技術分野で知られているものの幾つかとほとんど同じである。冷却流体入口ヘッダー24と活性領域12との間のシール領域も同様なものとなる。
【0019】
図5は、カソード出口ヘッダー16と活性領域12との間の連結密封領域を示すライン5−5を通した断面図である。連結領域では、ギャップ70が拡散媒体層58とシール部30との間に形成されてもよく、拡散媒体層58は膜60の反対側でシール部を支持している。ギャップ70それ自身は、いずれにしても流れがこの領域を通過するときに密封上の問題とはならない。密封するため膜60の反対側でシール部のための連続表面を提供することが必要となり得る。かくして、充填材料を、シール部の支持を提供するためギャップ70内に設けてもよい。充填材料は、シール部30及び拡散媒体層58が配置された後に適所で硬化するエラストマーであってもよい。サブガスケット支持体を備えた膜が十分に硬い場合、該膜は密封機能を損なうことなくギャップ70を橋渡しすることができ、充填材料を必要としなくて済む。ギャップ70を取り扱うための代替の解答は、別個の連続的な周辺部のループ内の完全なループとしてヘッダーシール部を入れ子状にすることである。この位置では、拡散媒体層58が、上述されたように、延在された。
【0020】
図6は、活性領域12のエッジにおいて燃料電池スタック10のライン6−6を通した断面図である。この位置では、シール部30は、2つのシールの半部分72及び74を備えている。この位置における燃料電池50の断面図も、当該技術分野の燃料電池の断面の幾つかとほぼ同じとなる。
【0021】
図7は、カソード出口ヘッダー16の外側エッジにおいて燃料電池スタック10のライン7−7を通した断面図である。この位置では、シール部30は、2つのシールの半部分72及び74を備えている。この位置における燃料電池50の断面図も、当該技術分野の燃料電池の断面の幾つかとほぼ同じとなる。
【0022】
上記したように、拡散媒体層は、それらの反応ガスの入口領域及び出口領域内のチャンネルを横断してシール部の荷重を支持する。必要とあらば、シール支持領域内の拡散媒体層を、追加の剛性を提供するため充填することができる。これは、トンネルもポートも無い状態で活性領域12内への直接的なチャンネルを可能にし、プレート内への孔を製造することも追加のブリッジ挿入体も提供される必要はない。プレート内のポート及びトンネルを無くすことによって、水がこれらのプレート内で蓄積されるとき水管理が改善される。更には、プレート内で孔を無くすことによって、プレートの製造が簡単になる。トンネルが無い場合には、プレートの一方側にのみ、親水性コーティングを塗布することが必要となる。
【0023】
アノードシール部及びカソードシール部の両方が重なり合うこれらの位置では、反応ガスの両方が密封される。カソード反応ガスは、カソードシール部が存在しない場合に、アノードシール部を通って流れることができ、その結果、カソード入口ヘッダー14からカソード出口ヘッダー16への流れ経路が提供される。同様に、アノード反応ガス流れは、アノードシール部が存在しない場合、カソードシール部を通って流れることができ、その結果、アノード入口ヘッダー18からアノード出口ヘッダー20への流れ経路が提供される。固体複合プレート設計のために、冷却流体チャンネル64が反応ガス側の密封表面に影響を及ぼすこと無くシール部の間を通過することができるように、冷却流体流れ経路が、反応物の流れパターンから独立に画定されている。2つのプレートの半部分は、プレートの半部分の間から冷却流体が漏れることを防止するため一緒に連結される。固体プレートのために、2つの二極式プレートの半部分の間で低い電気接触抵抗を確実にするためプレートの半部分が典型的には全プレート間のインターフェース表面に亘って結合されるので、この結合は、示されていない。
【0024】
幾つかの燃料電池設計では、アノードヘッダー及びカソードヘッダーは、シール部の完全さを増大させるためヘッダーの周りを完全に延在するシールループを備えている。図8は、燃料電池82を通した燃料電池スタック80の断面図であり、燃料電池スタック10と同様の要素は、同じ参照番号によって同定されている。この燃料電池スタック設計では、カソード入口ヘッダー14におけるシール部32はシールループ84に置き換えられ、カソード出口ヘッダー16におけるシール部34はシールループ86に置き換えられ、アノード入口ヘッダー18におけるシール部36はシールループ88に置き換えられ、アノード出口ヘッダー20におけるシール部38はシールループ90に置き換えられる。
【0025】
拡散媒体層56及び58がシールの完全さを提供するため延在する燃料電池スタック80のための、カソードヘッダー14及び16と活性領域12との間の密封領域、アノードヘッダー18及び20と活性領域12との間の密封領域、並びに、冷却流体ヘッダーと活性領域12との間の密封領域は、燃料電池スタック10の対応する密封領域と同じである。しかし、余剰のシール部が存在するヘッダー14、16、18及び20の外側エッジにおけるシール領域が異なっている。これを示すため、図9は、本発明の実施例に係る、燃料電池スタック80のライン9−9を通した断面図である。燃料電池82は、アノード側二極式プレート92と、カソード側二極式プレート94と、それらの間の膜96とを備えている。カソード側拡散媒体層98は、ヘッダー16のエッジまで延在しているので、連続的なシール部の完全さを提供するためシールループ86によって提供されるシール領域を通して延在する拡散媒体層98が示されている。
【0026】
シール領域においてシール部と膜との間にシムを提供することが当該技術分野で知られている。しかし、トンネルを形成しシール部の荷重を支持するためチャンネルを横切ってシムを使用することは知られていなかった。本発明の別の実施例によれば、シール支持部のために拡散媒体を延在させる代わりに、この領域で別個のシムを使用することができる。適切なシール支持部を確実にするため、シール結合部を調整するためより大きい厚さ変化となるより厚いシム(約0.1mm)が要求されてもよい。これに取り組むため、シムは、シール部の周辺部の周りで連続的となり得る。シム及びシール部は、膜に結合されるのが好ましい。このアプローチは、両方の側部又は一つだけの側部でシムを使用することができる。より薄いサブガスケットを、所望の活性領域のエッジアーキテクチャーを提供するため必要に応じて1つ又は両方の側部で使用することができる。一つだけのシムが使用された場合、材料の要求によって膜及びシール部が直接接触することが可能とならないならば、サブガスケットは膜の反対側にあるのが望ましい。エラストマーシール部を備えたシムで支持される構成のために、スパン領域が提供されてもよい。このことは、シムはチャンネルスパンに亘って支持するため適切な剛性を提供しなければならないので、ガスケット押さえにより形成されたスパンが、典型的なチャンネルのスパン(0.5〜1.5mm)より小さくあるべきであることを単に意味している。シール部がシム及び膜に結合されている場合、シール部それ自体は、密封表面がプレートに対抗しているので、この構成では膜ではなく当該密封表面に追加の剛性を提供する。これらは、拡散媒体に支持されるシール部ではなく、シムで支持されたシール部であるので、この領域におけるチャンネルは、シムにおいてより深くなり得る。シムは、拡散媒体層ほど厚くないからである。チャンネルの底部は、チャンネルサイズを維持するためこの領域において上昇し得る。
【0027】
ほとんどの膜は、機械的強度のため周辺部の周りで両側に配置された薄い(25μm)サブガスケット(プラスチックフィルム)を有し、酸性イオノマー膜とプレート若しくはシール部との間の直接的な接触を回避している。本発明のためのシムの使用工程は、チャンネルに亘りシール部の荷重を支持するため、適切な剛性を提供するように、より厚いサブガスケットを使用する工程を備えていてもよい。
【0028】
図10乃至図15は、燃料電池スタック10に類似の燃料電池スタックの燃料電池110を通した断面図を示しており、様々なヘッダーが燃料電池スタックの同じ位置で提供され、同じ参照番号で同定されている。図10は、燃料電池110の位置202における断面図を表し、図11は、燃料電池110の位置3−3における断面図を表し、図12は、燃料電池110の位置4−4における断面図を表し、図13は、燃料電池110の位置5−5における断面図を表し、図14は、燃料電池110の位置6−6における断面図を表し、図15は、燃料電池110の位置7−7における断面図を表している。
【0029】
図10は、燃料電池110の活性領域12とカソード入口ヘッダー14との間のシール領域を示している。燃料電池110は、アノード側二極式プレート112と、カソード側二極式プレート114と、それらの間の膜116と、を備えている。アノード側拡散媒体層118は、二極式プレート112とアノード側の膜116との間に設けられ、カソード側拡散媒体層120は、膜116とカソード側の二極式プレート114との間に設けられている。アノード流れチャンネル132は、アノード側二極式プレート112に設けられ、冷却流体流れチャンネル134はカソード側二極式プレート114に設けられている。
【0030】
本実施例では、シム122は、密封領域において、膜116とアノードシール部124との間に設けられ、シム126は、膜116と、カソード側二極式プレート114の隆起部分128との間に設けられている。カソード流れチャンネル130は、隆起部分128を介して延在し、シール領域を通して燃料電池110の活性領域12に直線的な流れを提供する。シム126と隆起部分128との組み合わせは、この位置において、燃料電池110のカソード側のシール部の完全さを維持する。
【0031】
図11は、燃料電池110の活性領域12とアノード入口ヘッダー18との間のシール領域を示しており、アノード側二極式プレート112は隆起部分140を備えている。隆起部分140とシム122との組み合わせは、アノード流れチャンネル132がアノードヘッダー18のシール領域を介して燃料電池110の活性領域へと直線的な流れを有するように、この領域においてシール部の完全さを維持するための構造を提供する。カソード側二極式プレート114は、チャンネル114を備え、該チャンネル144では、シール部146が配置される。
【0032】
図12は、冷却流体入口ヘッダー22における、シール半部分148及び150と膜116との間のシム152及び154を示している。冷却流体流れチャンネル134はこの断面で示されている。
【0033】
図13は、冷却流体出口ヘッダー24とカソード出口ヘッダー14との間の連結領域における、膜116とシール部164及び166との間のシム160及び162を示している。
【0034】
図14は、燃料電池110の活性領域の外側エッジにおける、膜116とシール半部分174及び176との間のシム170及び172を示している。
図15は、カソード出口ヘッダー16における、シール半部分184及び186と膜116との間のシム180及び182を示している。
【0035】
図16は、スタック200の燃料電池202を通した燃料電池スタック200の断面図である。本実施例では、燃料電池スタック200は、打ち抜き二極式プレートを備える。燃料電池スタック200は、活性領域204と、カソード入口ヘッダー206と、カソード出口ヘッダー208と、アノード入口ヘッダー210と、アノード出口ヘッダー212と、冷却流体入口ヘッダー214と、冷却流体出口ヘッダー216と、を備えている。代替の実施例では、燃料電池スタック200は、当業者に良く理解されているように、シール部と交差する結合部を備えることができる。シール部220は、燃料電池22の外側周辺部の周りを延在している。更に、シール部222は、カソード入口ヘッダー206と活性領域204との間に設けられ、シール部224は、カソード出口ヘッダー208と活性領域204との間に設けられ、シール部226は、アノード入口ヘッダー210と活性領域204との間に設けられ、シール部228は、アノード出口ヘッダー212と活性領域204との間に設けられ、シール部230は、冷却流体入口ヘッダー214と活性領域204との間に設けられ、シール部232は、冷却流体出口ヘッダー216と活性領域204との間に設けられている。
【0036】
図17は、燃料電池200のライン17−17を通した断面図である。燃料電池200は、アノード側打ち抜き二極式プレート240と、カソード側打ち抜き二極式プレート242と、を備えている。図示の二極式プレートは、二極式プレートの半部分であり、隣接する燃料電池のための打ち抜き二極式プレートは示されていない。燃料電池200は、アノード側拡散媒体層244と、カソード側拡散媒体層246と、それらの間の膜248と、を備えている。アノード側二極式プレート240は、アノード流れチャンネル250と、冷却流体流れチャンネル252の一部とを備え、冷却流体流れチャンネルの他の半部分は、他のプレート半部分によって提供されている。プレートの結合部238は、二極式プレートを一緒に結合するために提供される。
【0037】
シール部222は、二極式プレート240のアノード側部の外側エッジに設けられている。本発明によれば、シール部222は、膜248がシール領域を通して直線的となるように、この位置に通常存在しているシール部よりも薄くなっている。更には、シール領域のカソード側部でシール部の完全さを提供するため、カソード側拡散媒体層246はカソード側二極式プレート242の外側エッジへと延在している。拡散媒体246をこの態様で延長することによって、カソード流れチャンネル254は、水が流れチャンネル254内で蓄積し得る領域を減少させるため、シール領域を通して活性領域204へと直線的となることができる。カソード出口ヘッダー208と活性領域204との間のシール領域も同様である。
【0038】
図18は、燃料電池スタック200のライン18−18を通した断面図であり、アノード入口ヘッダー210と燃料電池202の活性領域204との間のシール領域を示している。本発明によれば、シール部226は、膜248が活性領域204からシール領域を通して直線的に延在するように、この位置で通常提供されるシール部よりも厚さが減少されている。更には、上述された目的のため、アノード流れチャンネル250がシール領域を通して直線的に延在するようにアノード側拡散媒体層244がシール領域を通して延在されている。アノード出口ヘッダー212と活性領域204との間のシール領域も同様である。
【0039】
図19は、燃料電池スタック200のライン19−19を通した断面図であり、アノード入口ヘッダー210と燃料電池202の活性領域204との間のシール領域を示している。本発明によれば、膜248が冷却流体入口ヘッダー214から活性領域204へとシール領域を通して直線的に延在するように、シール部230及び22の厚さが減少されている。冷却流体出口ヘッダー216と活性領域204との間のシール領域も同様である。
【0040】
図20は、燃料電池スタック200のライン20−20を通した断面図であり、カソード出口ヘッダー208と活性領域204との間の連結密封領域を示している。本実施例では、アノード側拡散媒体層246は、図示のように、シール部220まで延長された。ギャップ264が拡散媒体層246とシール部220との間に形成されており、該ギャップを適切な充填材料で充填することができる。この構成では、膜248は、シール領域を通して直線的に延在する。
【0041】
図21は、燃料電池スタック202のエッジ区分における燃料電池スタック200のライン21−21を通した断面図である。本実施例では、シール部220は、2つのシール半部分270及び272を備え、膜248がシール領域を通って活性領域204へと直線的に延在することを可能にしている。
【0042】
図22は、カソード出口ヘッダー208の外側エッジ区分における燃料電池スタック200のライン22−22を通した断面図である。本実施例では、シール部220は、シール領域を通して直線的な膜248を提供するため、2つのシール半部分270及び272から作られている。
【0043】
打ち抜きプレートに関して、冷却流体の漏れを防止するためプレートの半部分が一緒に密封される必要がある結合部が示されている。これは、溶接結合又は接着結合を使用してなすことができる。エラストマーシール部を備える打ち抜きプレートに関しては、オプションは、結合ラインがシール部パッキン押さえを横断することである。打ち抜きプレートのため適切なシール部の支持を確実にするため、プレートの半部分は、シール部のいずれかの側で互いに接触する。冷却流体入口ヘッダー214では、冷却流体流れ経路は、破線によって示されたプレート半部分がこれを示すように提供されている。冷却流体は、当該経路がプレートによって塞がれていないので、当該経路を通って流れることができる。エラストマーシール部を備えた打ち抜きプレート構成に関しては、カソードシール部は、両方の端部でより中央寄りにあるように示されているが、流れ方向に関するシール部の順序は重要ではなく、他の要求事項に基づいて画定されてもよい。
【0044】
別の燃料電池設計では、アノードヘッダー、カソードヘッダー及び冷却流体ヘッダーは、シールループを備えていてもよく、該シールループは、シール部の完全さを増大させるため、ヘッダーの周りを完全に延在している。図23は、燃料電池282を通した燃料電池スタック280の断面図であり、燃料電池スタック200と同様の構成要素は、本発明の別の実施例に従って、同じ参照番号によって同定される。この燃料電池スタック設計では、カソード入口ヘッダー206におけるシール部222は、シールループ286に置き換えられ、カソード出口ヘッダー208におけるシール部224は、シールループ288に置き換えられ、アノード入口ヘッダー210におけるシール部226は、シールループ290に置き換えられ、アノード出口ヘッダー212におけるシール部228は、シールループ292に置き換えられ、冷却流体入口ヘッダー214におけるシール部230は、シールループ294及び296に置き換えられ、冷却流体出口ヘッダー216におけるシール部232は、シールループ298及び300に置き換えられる。ヘッダーループを形成した動機は、例えば、図20により示されるように、活性領域に隣接する反応物ヘッダーのコーナーのみで出現する連結を回避するためであるので、冷却剤ヘッダーは、図16に示されるように、ループ無しで維持することができる。
【0045】
拡散媒体層244及び246がシール部の完全さを提供するため延長されるところの、燃料電池スタック280のヘッダー及び活性領域の間のシール領域は、燃料電池スタック200における当該領域と同じである。しかし、余剰のシールが存在するところのヘッダーの外側エッジにおけるシール領域は異なっている。これを示すため、図24は、燃料電池スタック280のライン24−24を通した断面図である。燃料電池282は、アノード側二極式プレート302と、カソード側二極式プレート304と、それらの間の膜306とを備えている。アノード側拡散媒体層308がヘッダー208のエッジまで延在するので、連続的なシール部の完全さを提供するようにシールループ288によって提供されたシール領域を通して延在したカソード側拡散媒体層308が示されている。本実施例では、外側シールループ220は、この位置において2つのシール半部分310及び312から構成されている。
【0046】
上述されたように、シール部とシール領域の膜との間でシムを提供することが当該技術分野で知られているが、トンネルを形成しシール部の荷重を支持するためチャンネルを横断してシムを使用することは知られていない。図25乃至図30は、様々なヘッダーが燃料電池スタックの同じ位置で提供されているところの燃料電池スタック200と類似した燃料電池スタックの燃料電池320を通した断面図を示している。かくして、図25は、燃料電池320の位置17−17における断面図を表し、図26は、燃料電池320の位置18−18における断面図を表し、図27は、燃料電池320の位置19−19における断面図を表し、図28は、燃料電池320の位置20−20における断面図を表し、図29は、燃料電池320の位置21−21における断面図を表し、図30は、燃料電池320の位置22−22における断面図を表している。
【0047】
燃料電池320は、アノード側打ち抜き二極式プレート322と、カソード側打ち抜き二極式プレート324と、それらの間に配置された膜326と、を備えている。アノード側拡散媒体層326は、二極式プレート322と膜326との間で提供され、カソード側拡散媒体層330は、膜326と二極式プレート324との間で提供される。アノード側二極式プレート322は、アノード側流れチャンネル340と、冷却流体チャンネル342とを画定する。本実施例では、シム332は、シール領域において、膜326とシール部334との間に設けられ、シム336は、シール領域において、膜326とカソード側二極式プレート324の隆起部分338との間に設けられている。カソード流れチャンネル344は、隆起部分338の周囲に延在し、シール領域を通って燃料電池320の活性領域へと直線的な流れを提供する。シム336及び隆起部分338の組み合わせは、この位置で燃料電池320のカソード側部のシールの完全さを維持する。
【0048】
図26は、燃料電池320の活性領域とアノード入口ヘッダーとの間のシール領域を示し、アノード側二極式プレート322は隆起部分346を備えている。シム348は、隆起部分346と膜326との間に設けられ、シム350は、膜326とシール部352との間に設けられている。隆起部分346とシム348との組み合わせは、アノード流れチャンネル340が、アノード入口ヘッダーから燃料電池320の活性領域へとシール領域を通って直線の流れを有するように、この領域でシール部の完全さを維持するための構造を提供する。
【0049】
図27は、シール部220とアノード側二極式プレート322との間のシム354と、膜326とアノード側二極式プレート322との間のシム356と、膜326とシールb230との間のシム358とを示している。
【0050】
図28は、シール部224と膜326との間のシム360と、シール部220と膜326との間のシム362とを示している。
図29は、シール部270と膜326との間のシム364と、膜326とシール部272との間のシム366とを示している。
【0051】
図30は、シール半部分270と膜326との間のシム368と、膜326とシール半部分272との間のシム370とを示している。
図31は、燃料電池382を通した燃料電池スタック380の断面図である。本実施例では、燃料電池スタック380は、打ち抜き二極式プレートを備え、該プレートそれ自体がシール部を提供している。燃料電池スタック380は、活性領域384と、カソード入口ヘッダー386と、カソード出口ヘッダー388と、アノード入口ヘッダー390と、アノード出口ヘッダー392と、冷却流体入口ヘッダー394と、冷却流体出口ヘッダー396と、を備えている。シール部398は、燃料電池382の周囲回りに延在している。シール部400は、カソード入口ヘッダー386と活性領域384との間に設けられ、シール部402は、カソード出口ヘッダー388と活性領域384との間に設けられ、シール部404は、アノード入口ヘッダー390と活性領域384との間に設けられ、シール部406は、アノード出口ヘッダー392と活性領域384との間に設けられ、シール部408は、冷却流体入口ヘッダー394と活性領域384との間に設けられ、シール部410は、冷却流体出口ヘッダー396と活性領域384との間に設けられている。上述したように、この設計におけるシール部の全ては、二極式プレートの構成によって提供されている。
【0052】
図32は、燃料電池382のライン32−32を通した断面図である。燃料電池382は、アノード側打ち抜き二極式プレート420と、カソード側打ち抜き二極式プレート422と、を備えている。燃料電池382は、アノード側拡散媒体層424と、カソード側拡散媒体層426とを更に備え、膜428がそれらの間に配置されている。アノード側二極式プレート420は、アノード流れチャンネル430と、冷却流体流れチャンネル432の半部分とを備え、冷却流体流れチャンネルの他方の半部分は、他の打ち抜きプレートの半部分によって提供される。
【0053】
シール部400は、アノード側二極式プレート420の区分によって画定される。本発明によれば、カソード側拡散媒体層426は、膜428のこの側部においてシール部の完全さを提供するためシール部400と反対側のシール領域を通って延在する。かくして、カソード流れチャンネル434は、プレートの構成部品周りでくねって水を集めるべく作用しないようにカソード入口ヘッダー386から活性領域384へとシール領域を通って直線的に延在することができる。カソード出口ヘッダー388と活性領域384との間のシール領域も同様である。
【0054】
図33は、燃料電池382のライン33−33を通した断面図であり、アノード入口ヘッダー390と燃料電池スタック380の活性領域384との間のシール領域を示している。本発明によれば、アノード側拡散媒体層424は、二極式プレート422の構造的構成によって提供されるシール部404とは反対側の燃料電池382のアノード側部でシール部の完全さを提供するため、この位置で延長されている。アノード出口ヘッダー392と活性領域384との間のシール領域も同様である。
【0055】
図34は、燃料電池380のライン34−34を通した断面図であり、冷却流体入口ヘッダー394と活性領域384との間のシール領域を示している。燃料電池382のこの位置では、アノード側二極式プレート420とカソード側二極式プレート422は、シール部408及び398を提供する。冷却流体流れチャンネル432は、シール領域を通した活性領域384への直線的流れでプレートを通って延在する。本実施例ではプレート420及び422がシール部を提供するので、これは、燃料電池382における幾つかの位置で隣接する二極式プレートを電気的接触状態へともたらし、電気的短絡状態を形成することとなる。従って、電気的短絡を防止するため非伝導性セパレータ438がシール位置408に設けられている。冷却流体出口ヘッダー396と活性領域384との間のシール領域も同様である。
【0056】
図35は、カソード出口ヘッダー388と活性領域384との間の連結密封領域におけるライン35−35を通した断面図である。カソード側拡散媒体層426は、シール部402及び398を各々画定するアノード側二極式プレート420及びカソード側二極式プレート422のため、この位置で延在されている。拡散媒体層426とプレート422のシール部との間のギャップ440は、適切な材料で充填される必要があり得る。
【0057】
図36は、燃料電池382のエッジ区分における断面図であり、打ち抜きシール部を有する打ち抜き二極式プレートを備える既知の燃料電池スタックのエッジ区分と類似である。
【0058】
図37は、カソード出口ヘッダー388の外側エッジで燃料電池スタック380のライン37−37を通した断面図である。この位置では、シール部398は、アノード側二極式プレート420とカソード側二極式プレート422とによって提供されている。
【0059】
幾つかの燃料電池設計のために、上述されたように、アノードヘッダー、カソードヘッダー及び冷却流体ヘッダーは、シール部の完全さを増大させるためヘッダーの周りで完全に延在するシールループを備えている。図38は、燃料電池452を通した燃料電池スタック450の断面図であり、燃料電池スタック380と同様の構成要素は同じ参照番号によって同定されている。この燃料電池スタック設計では、カソード入口ヘッダー385におけるシール部400はシールループ454で置き換えられ、カソード出口ヘッダー388におけるシール部402はシールループ456で置き換えられ、アノード入口ヘッダー390におけるシール部404はシールループ458で置き換えられ、アノード出口ヘッダー392におけるシール部406はシールループ460で置き換えられ、冷却流体入口ヘッダー394におけるシール部408はシールループ462で置き換えられ、冷却流体出口ヘッダー396におけるシール部410はシールループ464で置き換えられる。ヘッダーループを構成する動機は、活性領域に隣接する反応物ヘッダーのコーナーにおいてのみ発生する例えば図35により示されたような連結を防止することであるので、冷却剤ヘッダーを、図31に示されるように、ループ無しで維持することができる。
【0060】
カソードヘッダー386及び388と活性領域384との間、アノードヘッダー390及び392と活性領域384との間、並びに、冷却流体ヘッダー394及び396と活性領域384との間のシール領域は、燃料電池スタック380内の対応するシール領域と同じである。しかし、余剰のシール部が存在する、ヘッダー386、388、390、392、394及び396の外側エッジにおけるシール領域は異なっている。これを示すため、図39は、図39は、本発明の別の実施例に係る燃料電池スタック450のライン39−39を通した断面図である。燃料電池452は、アノード側二極式プレート470と、カソード側二極式プレート472と、それらの間に配置された膜474とを備える。カソード側拡散媒体46はヘッダー388のエッジまで延びているので、拡散媒体層476は、連続的なシール部の完全さを提供するためシールループ456によって提供されたシール領域を通って延在するものとして示されている。
【0061】
上記したように、シール部と膜シール領域との間にシムを提供することが当該技術分野で知られている。図40乃至図45は、燃料電池382に類似する燃料電池500を通した断面図を示しており、様々なヘッダーが燃料電池スタック380の同じ位置に提供されている。図40は燃料電池500の位置32−32における断面図を表し、図41は燃料電池500の位置33−33における断面図を表し、図42は燃料電池500の位置34−34における断面図を表し、図43は燃料電池500の位置35−35における断面図を表し、図44は燃料電池500の位置36−36における断面図を表し、図45は燃料電池500の位置37−37における断面図を表している。
【0062】
図40は、燃料電池500の活性領域384とカソード入口ヘッダー386との間のシール領域を示している。燃料電池500は、アノード側二極式プレート502と、カソード側二極式プレート5040と、それらの間に配置された膜5060とを備えている。アノード側拡散媒体層508は、二極式プレート502と膜506との間に設けられ、カソード側拡散媒体層510は、膜506と二極式プレート504との間に設けられている。アノード側二極式プレート502は、アノード流れチャンネル522及び冷却流体流れチャンネル524を形成する。本実施例では、シム512は、膜506とプレート502のシール区分514との間に設けられ、シム516は、膜506とシール区分518との間に設けられている。カソード流れチャンネル520は、シール領域を通って延在し、燃料電池500の活性領域への直線的流れを提供する。
【0063】
図41は、燃料電池500の活性領域384とアノード入口ヘッダー390との間のシール領域を示している。シム530は、プレート502のシール区分532と膜506との間に設けられ、シム534は、プレート504のシール区分536と膜506との間に設けられている。
【0064】
図42は、燃料電池500の活性領域384と冷却流体入口ヘッダー394との間のシール領域を示している。シム540は、二極式プレート502のシール区分542とセパレータ538との間に設けられ、シム544は、カソード側二極式プレート504のシール区分546とセパレータ538との間に設けられている。同様に、シム550は、プレート502のシール区分552と膜506との間に設けられ、シム554は、シール区分556と膜506との間に設けられている。冷却流体流れチャンネル524は、シール領域を通した活性領域への直線的流れの形態でプレート502及び504を通って延在する。
【0065】
図43は、アノード側二極式プレート502のシール区分562と膜506との間のシム560と、カソード側二極式プレート504のシール区分566と膜506との間のシム564とを示している。
【0066】
図44は、アノード側二極式プレート502のシール区分572と膜506との間のシム570と、カソード側二極式プレート504のシール区分576と膜506との間のシム574とを示している。
【0067】
図45は、アノード側二極式プレート502のシール区分582と膜506との間のシム580と、カソード側二極式プレート504のシール区分586と膜506との間のシム584とを示している。
【0068】
前記した説明は、本発明の単なる一実施例のみを開示し、記載したに過ぎない。当業者は、請求の範囲に定義されたような本発明の精神及び範囲から逸脱すること無く様々な変更、改良及び変形をなすことができることを、上記のような説明並びに添付図面や請求の範囲から容易に理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る、複合二極式プレートを備える燃料電池スタックの断面図である。
【図2】図2は、図1に示された燃料電池スタックのライン2−2を通した断面図である。
【図3】図3は、図1に示された燃料電池スタックのライン3−3を通した断面図である。
【図4】図4は、図1に示された燃料電池スタックのライン4−4を通した断面図である。
【図5】図5は、図1に示された燃料電池スタックのライン5−5を通した断面図である。
【図6】図6は、図1に示された燃料電池スタックのライン6−6を通した断面図である。
【図7】図7は、図1に示された燃料電池スタックのライン7−7を通した断面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施例に係る、複合二極式プレート及びヘッダーシールループを備える燃料電池スタックの断面図である。
【図9】図9は、図8に示された燃料電池スタックのライン9−9を通した断面図である。
【図10】図10は、燃料電池スタックが複合二極式プレートとシムとを備えている場合の図1に示された燃料電池スタックのライン2−2を通した断面図である。
【図11】図11は、複合二極式プレートとシムとを備えている図1に示された燃料電池スタックのライン3−3を通した断面図である。
【図12】図12は、複合二極式プレートとシムとを備えている図1に示された燃料電池スタックのライン4−4を通した断面図である。
【図13】図13は、複合二極式プレートとシムとを備えている図1に示された燃料電池スタックのライン5−5を通した断面図である。
【図14】図14は、複合二極式プレートとシムとを備えている図1に示された燃料電池スタックのライン6−6を通した断面図である。
【図15】図15は、複合二極式プレートとシムとを備えている図1に示された燃料電池スタックのライン7−7を通した断面図である。
【図16】図16は、本発明の別の実施例に係る、打ち抜き二極式プレートを備える燃料電池スタックの断面図である。
【図17】図17は、図16に示された燃料電池スタックのライン17−17を通した断面図である。
【図18】図18は、図16に示された燃料電池スタックのライン18−18を通した断面図である。
【図19】図19は、図16に示された燃料電池スタックのライン19−19を通した断面図である。
【図20】図20は、図16に示された燃料電池スタックのライン20−20を通した断面図である。
【図21】図21は、図16に示された燃料電池スタックのライン21−21を通した断面図である。
【図22】図22は、図16に示された燃料電池スタックのライン22−22を通した断面図である。
【図23】図23は、本発明の別の実施例に係る、打ち抜き二極式プレート及びヘッダーシールループを備える燃料電池スタックの断面図である。
【図24】図24は、図23に示された燃料電池スタックのライン24−24を通した断面図である。
【図25】図25は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン17−17を通した断面図である。
【図26】図26は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン17−17を通した断面図である。
【図27】図27は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン18−18を通した断面図である。
【図28】図28は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン20−20を通した断面図である。
【図29】図29は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン21−21を通した断面図である。
【図30】図30は、スタックが打ち抜き二極式プレートとシムとを備えている場合の図16に示された燃料電池スタックのライン22−22を通した断面図である。
【図31】図31は、本発明の別の実施例に係る、打ち抜き二極式プレートを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する燃料電池スタックの断面図である。
【図32】図32は、図31に示された燃料電池スタックのライン32−32を通した断面図である。
【図33】図33は、図31に示された燃料電池スタックのライン33−33を通した断面図である。
【図34】図34は、図31に示された燃料電池スタックのライン34−34を通した断面図である。
【図35】図35は、図31に示された燃料電池スタックのライン35−35を通した断面図である。
【図36】図36は、図31に示された燃料電池スタックのライン36−36を通した断面図である。
【図37】図37は、図31に示された燃料電池スタックのライン37−37を通した断面図である。
【図38】図38は、本発明の別の実施例に係る、打ち抜き二極式プレート及びヘッダーシールループを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する燃料電池スタックの断面図である。
【図39】図39は、図38に示された燃料電池スタックのライン39−39を通した断面図である。
【図40】図40は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン32−32を通した断面図である。
【図41】図41は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン33−33を通した断面図である。
【図42】図42は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン34−34を通した断面図である。
【図43】図43は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン35−35を通した断面図である。
【図44】図44は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン36−36を通した断面図である。
【図45】図45は、スタックが打ち抜き二極式プレート及びシムを備え、該二極式プレートがスタックのためのシール部を提供する、図31に示された燃料電池スタックのライン37−37を通した断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積み重ねられた燃料電池を備える燃料電池スタックであって、該燃料電池の各々は活性領域を備え、前記燃料電池スタックは、
複数の膜であって、前記スタック内の前記燃料電池の各々が膜を備える、前記複数の膜と、
複数の拡散媒体層であって、前記燃料電池の各々が、該燃料電池のアノード側部のアノード側拡散媒体層と、該燃料電池のカソード側部のカソード側拡散媒体層と、を備える、前記複数の拡散媒体層と、
前記拡散媒体層に隣接して前記スタック内の燃料電池の間に配置された複数の二極式プレートであって、該二極式プレートは前記燃料電池内で前記アノード側拡散媒体層に面したアノード流れチャンネルと、前記燃料電池内で前記カソード側拡散媒体層に面したカソード流れチャンネルと、冷却流体流れチャンネルとを備える、前記複数の二極式プレートと、
アノード反応ガスの流れを前記アノード流れチャンネルに差し向けるアノード入口ヘッダーと、
前記アノード流れチャンネルからの前記アノード反応ガスの流れを受け入れるアノード出口ヘッダーと、
カソード反応ガスの流れを前記カソード流れチャンネルに差し向けるカソード入口ヘッダーと、
前記カソード流れチャンネルからの前記カソード反応ガスの流れを受け入れるカソード出口ヘッダーと、
冷却流体を前記冷却流体流れチャンネルに差し向ける冷却流体入口ヘッダーと、
前記冷却流体流れチャンネルからの前記冷却流体を受け入れる冷却流体出口ヘッダーと、
前記スタック内で前記反応ガスの流れ及び前記冷却流体の流れを取り囲むためのシール構成部であって、該シール構成部は、前記カソード出口ヘッダーと各燃料電池の前記活性領域との間に設けられたカソードヘッダーシール部を備え、前記カソード流れチャンネルは、前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、前記シール構成部は、前記アノード出口ヘッダーと各燃料電池の前記活性領域との間に設けられたアノードヘッダーシール部を更に備え、前記アノード流れチャンネルは、前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルである、前記シール構成部と、
を備える、燃料電池スタック。
【請求項2】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々において、前記冷却流体入口ヘッダーと前記活性領域との間で2つの別個のシール部を備え、前記冷却流体流れチャンネルは、前記冷却流体入口ヘッダーと前記活性領域との間でシール領域を通して直線的な流れチャンネルである、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項3】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部を有する単一部品のシール部と、前記アノード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記アノード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントとを備える、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項4】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部と、各燃料電池において前記アノード入口ヘッダーの周りを延在する第1のシールループと、各燃料電池において前記アノード出口ヘッダーの周りを延在する第2のシールループと、各燃料電池において前記カソード入口ヘッダーの周りを延在する第3のシールループと、各燃料電池において前記カソード出口ヘッダーの周りを延在する第4のシールループと、を備える、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項5】
前記シール構成部は、各燃料電池において前記冷却流体入口ヘッダーの周りを延在する第5のシールループと、各燃料電池において前記冷却流体出口ヘッダーの周りを延在する第6のシールループとを更に備える、請求項4に記載の燃料電池スタック。
【請求項6】
前記複数の二極式プレートは、複合二極式プレートである、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項7】
前記複数の二極式プレートは、打ち抜き二極式プレートである、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項8】
前記打ち抜き二極式プレートの区分は、前記シール構成部を提供する、請求項7に記載の燃料電池スタック。
【請求項9】
前記燃料電池の各々における前記カソード側拡散媒体層は、前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記燃料電池の各々における前記アノード側拡散媒体層は、前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在する、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項10】
シール部の支持を提供するように、前記燃料電池のシール位置で前記シール部と前記膜との間に配置されたシムを更に備える、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項11】
前記シムは、燃料電池サブガスケットの一部である、請求項10に記載の燃料電池スタック。
【請求項12】
前記燃料電池の各々における前記シムは、単一部品のシムであるように結合される、請求項10に記載の燃料電池スタック。
【請求項13】
前記燃料電池の各々における前記膜は、前記シール構成部によって提供されたシール領域を通して直線的に延在する、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項14】
前記スタックは、車両に搭載された燃料電池システムの一部である、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項15】
複数の積み重ねられた燃料電池を備える燃料電池スタックであって、該燃料電池の各々は活性領域を備え、前記燃料電池スタックは、シール構成部を備え、該シール構成部は、カソード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード入口ヘッダーシール部を備え、カソード流れチャンネルは前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池におけるカソード側拡散媒体層は、前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、カソード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード出口ヘッダーシール部を更に備え、カソード流れチャンネルは前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池におけるカソード側拡散媒体層は、前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、アノード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード入口ヘッダーシール部を更に備え、アノード流れチャンネルは前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池におけるアノード側拡散媒体層は、前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、アノード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード出口ヘッダーシール部を更に備え、アノード流れチャンネルは前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池におけるアノード側拡散媒体層は、前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在している、燃料電池スタック。
【請求項16】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部を有する単一部品のシール部と、前記アノード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記アノード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントとを備える、請求項15に記載の燃料電池スタック。
【請求項17】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部と、各燃料電池において前記アノード入口ヘッダーの周りを延在する第1のシールループと、各燃料電池において前記アノード出口ヘッダーの周りを延在する第2のシールループと、各燃料電池において前記カソード入口ヘッダーの周りを延在する第3のシールループと、各燃料電池において前記カソード出口ヘッダーの周りを延在する第4のシールループと、を備える、請求項15に記載の燃料電池スタック。
【請求項18】
複数の積み重ねられた燃料電池を備える燃料電池スタックであって、該燃料電池の各々は活性領域を備え、前記燃料電池スタックは、
複数の膜であって、前記スタック内の前記燃料電池の各々が膜を備える、前記複数の膜と、
複数の拡散媒体層であって、前記燃料電池の各々が、該燃料電池のアノード側部のアノード側拡散媒体層と、該燃料電池のカソード側部のカソード側拡散媒体層と、を備える、前記複数の拡散媒体層と、
前記拡散媒体層に隣接して前記スタック内の燃料電池の間に配置された複数の二極式プレートであって、該二極式プレートは前記燃料電池内で前記アノード側拡散媒体層に面したアノード流れチャンネルと、前記燃料電池内で前記カソード側拡散媒体層に面したカソード流れチャンネルと、冷却流体流れチャンネルとを備える、前記複数の二極式プレートと、
アノード反応ガスの流れを前記アノード流れチャンネルに差し向けるアノード入口ヘッダーと、
前記アノード流れチャンネルからの前記アノード反応ガスの流れを受け入れるアノード出口ヘッダーと、
カソード反応ガスの流れを前記カソード流れチャンネルに差し向けるカソード入口ヘッダーと、
前記カソード流れチャンネルからの前記カソード反応ガスの流れを受け入れるカソード出口ヘッダーと、
冷却流体を前記冷却流体流れチャンネルに差し向ける冷却流体入口ヘッダーと、
前記冷却流体流れチャンネルからの前記冷却流体を受け入れる冷却流体出口ヘッダーと、
前記スタック内で前記反応ガスの流れ及び前記冷却流体の流れを取り囲むためのシール構成部であって、該シール構成部は、前記カソード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード入口ヘッダーシール部を備え、前記カソード流れチャンネルは前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池における前記カソード側拡散媒体層は、前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、前記カソード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード出口ヘッダーシール部を更に備え、前記カソード流れチャンネルは前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池におけるカソード側拡散媒体層は、前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、前記アノード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード入口ヘッダーシール部を更に備え、前記アノード流れチャンネルは前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池における前記アノード側拡散媒体層は、前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、前記アノード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード出口ヘッダーシール部を更に備え、前記アノード流れチャンネルは前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池における前記アノード側拡散媒体層は、前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在する、前記シール構成部と、
を備える燃料電池スタック。
【請求項19】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々において、前記冷却流体入口ヘッダーと前記活性領域との間で2つの別個のシール部を更に備え、前記冷却流体流れチャンネルは、前記冷却流体入口ヘッダーと前記活性領域との間でシール領域を通して直線的な流れチャンネルであり、前記シール構成部は、前記燃料電池の各々において、前記冷却流体出口ヘッダーと前記活性領域との間で2つの別個のシール部を更に備え、前記冷却流体流れチャンネルは、前記冷却流体出口ヘッダーと前記活性領域との間でシール領域を通して直線的な流れチャンネルである、請求項18に記載の燃料電池スタック。
【請求項20】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部を有する単一部品のシール部と、前記アノード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記アノード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントとを備える、請求項18に記載の燃料電池スタック。
【請求項21】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部と、各燃料電池において前記アノード入口ヘッダーの周りを延在する第1のシールループと、各燃料電池において前記アノード出口ヘッダーの周りを延在する第2のシールループと、各燃料電池において前記カソード入口ヘッダーの周りを延在する第3のシールループと、各燃料電池において前記カソード出口ヘッダーの周りを延在する第4のシールループと、各燃料電池において前記冷却流体入口ヘッダーの周りを延在する第5のシールループと、各燃料電池において前記冷却流体出口ヘッダーの周りを延在する第6のシールループと、を備える、請求項18に記載の燃料電池スタック。
【請求項22】
前記複数の二極式プレートは、複合二極式プレートである、請求項18に記載の燃料電池スタック。
【請求項23】
前記複数の二極式プレートは、打ち抜き二極式プレートである、請求項18に記載の燃料電池スタック。
【請求項24】
前記打ち抜き二極式プレートの区分は、前記シール構成部を提供する、請求項23に記載の燃料電池スタック。
【請求項25】
複数の積み重ねられた燃料電池を備える燃料電池スタックであって、該燃料電池の各々は活性領域を備え、前記燃料電池スタックは、シール構成部を備え、該シール構成部は、カソード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード入口ヘッダーシール部を備え、カソード流れチャンネルは前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、シムが前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域においてシール部の支持を提供し、前記シール構成部は、カソード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード出口ヘッダーシール部を更に備え、カソード流れチャンネルは前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、シムが前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域においてシール部の支持を提供し、各燃料電池におけるカソード側拡散媒体層は、前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、アノード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード入口ヘッダーシール部を更に備え、アノード流れチャンネルは前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、シムが前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域においてシール部の支持を提供し、前記シール構成部は、アノード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード出口ヘッダーシール部を更に備え、アノード流れチャンネルは前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、シムが前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域においてシール部の支持を提供する、燃料電池スタック。
【請求項26】
前記シムは、燃料電池サブガスケットの一部である、請求項25に記載の燃料電池スタック。
【請求項27】
前記燃料電池の各々における前記シムは、単一部品のシムであるように結合される、請求項25に記載の燃料電池スタック。
【請求項1】
複数の積み重ねられた燃料電池を備える燃料電池スタックであって、該燃料電池の各々は活性領域を備え、前記燃料電池スタックは、
複数の膜であって、前記スタック内の前記燃料電池の各々が膜を備える、前記複数の膜と、
複数の拡散媒体層であって、前記燃料電池の各々が、該燃料電池のアノード側部のアノード側拡散媒体層と、該燃料電池のカソード側部のカソード側拡散媒体層と、を備える、前記複数の拡散媒体層と、
前記拡散媒体層に隣接して前記スタック内の燃料電池の間に配置された複数の二極式プレートであって、該二極式プレートは前記燃料電池内で前記アノード側拡散媒体層に面したアノード流れチャンネルと、前記燃料電池内で前記カソード側拡散媒体層に面したカソード流れチャンネルと、冷却流体流れチャンネルとを備える、前記複数の二極式プレートと、
アノード反応ガスの流れを前記アノード流れチャンネルに差し向けるアノード入口ヘッダーと、
前記アノード流れチャンネルからの前記アノード反応ガスの流れを受け入れるアノード出口ヘッダーと、
カソード反応ガスの流れを前記カソード流れチャンネルに差し向けるカソード入口ヘッダーと、
前記カソード流れチャンネルからの前記カソード反応ガスの流れを受け入れるカソード出口ヘッダーと、
冷却流体を前記冷却流体流れチャンネルに差し向ける冷却流体入口ヘッダーと、
前記冷却流体流れチャンネルからの前記冷却流体を受け入れる冷却流体出口ヘッダーと、
前記スタック内で前記反応ガスの流れ及び前記冷却流体の流れを取り囲むためのシール構成部であって、該シール構成部は、前記カソード出口ヘッダーと各燃料電池の前記活性領域との間に設けられたカソードヘッダーシール部を備え、前記カソード流れチャンネルは、前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、前記シール構成部は、前記アノード出口ヘッダーと各燃料電池の前記活性領域との間に設けられたアノードヘッダーシール部を更に備え、前記アノード流れチャンネルは、前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルである、前記シール構成部と、
を備える、燃料電池スタック。
【請求項2】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々において、前記冷却流体入口ヘッダーと前記活性領域との間で2つの別個のシール部を備え、前記冷却流体流れチャンネルは、前記冷却流体入口ヘッダーと前記活性領域との間でシール領域を通して直線的な流れチャンネルである、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項3】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部を有する単一部品のシール部と、前記アノード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記アノード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントとを備える、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項4】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部と、各燃料電池において前記アノード入口ヘッダーの周りを延在する第1のシールループと、各燃料電池において前記アノード出口ヘッダーの周りを延在する第2のシールループと、各燃料電池において前記カソード入口ヘッダーの周りを延在する第3のシールループと、各燃料電池において前記カソード出口ヘッダーの周りを延在する第4のシールループと、を備える、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項5】
前記シール構成部は、各燃料電池において前記冷却流体入口ヘッダーの周りを延在する第5のシールループと、各燃料電池において前記冷却流体出口ヘッダーの周りを延在する第6のシールループとを更に備える、請求項4に記載の燃料電池スタック。
【請求項6】
前記複数の二極式プレートは、複合二極式プレートである、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項7】
前記複数の二極式プレートは、打ち抜き二極式プレートである、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項8】
前記打ち抜き二極式プレートの区分は、前記シール構成部を提供する、請求項7に記載の燃料電池スタック。
【請求項9】
前記燃料電池の各々における前記カソード側拡散媒体層は、前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記燃料電池の各々における前記アノード側拡散媒体層は、前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在する、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項10】
シール部の支持を提供するように、前記燃料電池のシール位置で前記シール部と前記膜との間に配置されたシムを更に備える、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項11】
前記シムは、燃料電池サブガスケットの一部である、請求項10に記載の燃料電池スタック。
【請求項12】
前記燃料電池の各々における前記シムは、単一部品のシムであるように結合される、請求項10に記載の燃料電池スタック。
【請求項13】
前記燃料電池の各々における前記膜は、前記シール構成部によって提供されたシール領域を通して直線的に延在する、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項14】
前記スタックは、車両に搭載された燃料電池システムの一部である、請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項15】
複数の積み重ねられた燃料電池を備える燃料電池スタックであって、該燃料電池の各々は活性領域を備え、前記燃料電池スタックは、シール構成部を備え、該シール構成部は、カソード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード入口ヘッダーシール部を備え、カソード流れチャンネルは前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池におけるカソード側拡散媒体層は、前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、カソード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード出口ヘッダーシール部を更に備え、カソード流れチャンネルは前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池におけるカソード側拡散媒体層は、前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、アノード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード入口ヘッダーシール部を更に備え、アノード流れチャンネルは前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池におけるアノード側拡散媒体層は、前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、アノード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード出口ヘッダーシール部を更に備え、アノード流れチャンネルは前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池におけるアノード側拡散媒体層は、前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在している、燃料電池スタック。
【請求項16】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部を有する単一部品のシール部と、前記アノード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記アノード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントとを備える、請求項15に記載の燃料電池スタック。
【請求項17】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部と、各燃料電池において前記アノード入口ヘッダーの周りを延在する第1のシールループと、各燃料電池において前記アノード出口ヘッダーの周りを延在する第2のシールループと、各燃料電池において前記カソード入口ヘッダーの周りを延在する第3のシールループと、各燃料電池において前記カソード出口ヘッダーの周りを延在する第4のシールループと、を備える、請求項15に記載の燃料電池スタック。
【請求項18】
複数の積み重ねられた燃料電池を備える燃料電池スタックであって、該燃料電池の各々は活性領域を備え、前記燃料電池スタックは、
複数の膜であって、前記スタック内の前記燃料電池の各々が膜を備える、前記複数の膜と、
複数の拡散媒体層であって、前記燃料電池の各々が、該燃料電池のアノード側部のアノード側拡散媒体層と、該燃料電池のカソード側部のカソード側拡散媒体層と、を備える、前記複数の拡散媒体層と、
前記拡散媒体層に隣接して前記スタック内の燃料電池の間に配置された複数の二極式プレートであって、該二極式プレートは前記燃料電池内で前記アノード側拡散媒体層に面したアノード流れチャンネルと、前記燃料電池内で前記カソード側拡散媒体層に面したカソード流れチャンネルと、冷却流体流れチャンネルとを備える、前記複数の二極式プレートと、
アノード反応ガスの流れを前記アノード流れチャンネルに差し向けるアノード入口ヘッダーと、
前記アノード流れチャンネルからの前記アノード反応ガスの流れを受け入れるアノード出口ヘッダーと、
カソード反応ガスの流れを前記カソード流れチャンネルに差し向けるカソード入口ヘッダーと、
前記カソード流れチャンネルからの前記カソード反応ガスの流れを受け入れるカソード出口ヘッダーと、
冷却流体を前記冷却流体流れチャンネルに差し向ける冷却流体入口ヘッダーと、
前記冷却流体流れチャンネルからの前記冷却流体を受け入れる冷却流体出口ヘッダーと、
前記スタック内で前記反応ガスの流れ及び前記冷却流体の流れを取り囲むためのシール構成部であって、該シール構成部は、前記カソード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード入口ヘッダーシール部を備え、前記カソード流れチャンネルは前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池における前記カソード側拡散媒体層は、前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、前記カソード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード出口ヘッダーシール部を更に備え、前記カソード流れチャンネルは前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池におけるカソード側拡散媒体層は、前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、前記アノード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード入口ヘッダーシール部を更に備え、前記アノード流れチャンネルは前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池における前記アノード側拡散媒体層は、前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、前記アノード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード出口ヘッダーシール部を更に備え、前記アノード流れチャンネルは前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、各燃料電池における前記アノード側拡散媒体層は、前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在する、前記シール構成部と、
を備える燃料電池スタック。
【請求項19】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々において、前記冷却流体入口ヘッダーと前記活性領域との間で2つの別個のシール部を更に備え、前記冷却流体流れチャンネルは、前記冷却流体入口ヘッダーと前記活性領域との間でシール領域を通して直線的な流れチャンネルであり、前記シール構成部は、前記燃料電池の各々において、前記冷却流体出口ヘッダーと前記活性領域との間で2つの別個のシール部を更に備え、前記冷却流体流れチャンネルは、前記冷却流体出口ヘッダーと前記活性領域との間でシール領域を通して直線的な流れチャンネルである、請求項18に記載の燃料電池スタック。
【請求項20】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部を有する単一部品のシール部と、前記アノード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記アノード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード入口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントと、前記カソード出口ヘッダー及び前記活性領域の間のシールセグメントとを備える、請求項18に記載の燃料電池スタック。
【請求項21】
前記シール構成部は、前記燃料電池の各々の周りに延在する周囲シール部と、各燃料電池において前記アノード入口ヘッダーの周りを延在する第1のシールループと、各燃料電池において前記アノード出口ヘッダーの周りを延在する第2のシールループと、各燃料電池において前記カソード入口ヘッダーの周りを延在する第3のシールループと、各燃料電池において前記カソード出口ヘッダーの周りを延在する第4のシールループと、各燃料電池において前記冷却流体入口ヘッダーの周りを延在する第5のシールループと、各燃料電池において前記冷却流体出口ヘッダーの周りを延在する第6のシールループと、を備える、請求項18に記載の燃料電池スタック。
【請求項22】
前記複数の二極式プレートは、複合二極式プレートである、請求項18に記載の燃料電池スタック。
【請求項23】
前記複数の二極式プレートは、打ち抜き二極式プレートである、請求項18に記載の燃料電池スタック。
【請求項24】
前記打ち抜き二極式プレートの区分は、前記シール構成部を提供する、請求項23に記載の燃料電池スタック。
【請求項25】
複数の積み重ねられた燃料電池を備える燃料電池スタックであって、該燃料電池の各々は活性領域を備え、前記燃料電池スタックは、シール構成部を備え、該シール構成部は、カソード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード入口ヘッダーシール部を備え、カソード流れチャンネルは前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、シムが前記カソード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域においてシール部の支持を提供し、前記シール構成部は、カソード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたカソード出口ヘッダーシール部を更に備え、カソード流れチャンネルは前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、シムが前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域においてシール部の支持を提供し、各燃料電池におけるカソード側拡散媒体層は、前記カソード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域を通って延在し、前記シール構成部は、アノード入口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード入口ヘッダーシール部を更に備え、アノード流れチャンネルは前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、シムが前記アノード入口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域においてシール部の支持を提供し、前記シール構成部は、アノード出口ヘッダーと各燃料電池の活性領域との間に設けられたアノード出口ヘッダーシール部を更に備え、アノード流れチャンネルは前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間の直線的な流れチャンネルであり、シムが前記アノード出口ヘッダーと前記活性領域との間のシール領域においてシール部の支持を提供する、燃料電池スタック。
【請求項26】
前記シムは、燃料電池サブガスケットの一部である、請求項25に記載の燃料電池スタック。
【請求項27】
前記燃料電池の各々における前記シムは、単一部品のシムであるように結合される、請求項25に記載の燃料電池スタック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図2】
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【図8】
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【図10】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【公開番号】特開2007−329125(P2007−329125A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−136530(P2007−136530)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(505212049)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・インコーポレーテッド (221)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136530(P2007−136530)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(505212049)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・インコーポレーテッド (221)
【Fターム(参考)】
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