説明

改善した活性を有する組み合わせモチーフ免疫刺激オリゴヌクレオチド

【課題】改善した活性を有する組み合わせモチーフ免疫刺激オリゴヌクレオチドを提供すること。
【解決手段】式:5’XDCGHX3’を含み、そしてXのすぐ5’側またはXのすぐ3’側に位置するPおよびNからなる群より選択される核酸配列をさらに含む、長さ14ヌクレオチド〜100ヌクレオチドの免疫刺激核酸であって、
およびXは、独立して0ヌクレオチド長〜10ヌクレオチド長の任意の配列であり、DはC以外のヌクレオチドであり、Cはシトシンであり、Gはグアニンであり、HはG以外のヌクレオチドであり、そして
NはB細胞中和配列であり、Nは、CGGトリヌクレオチドで始まりかつ少なくとも10ヌクレオチド長であり、そしてPは、GCリッチなパリンドロームを含む少なくとも10ヌクレオチド長の配列である、
核酸。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般的に、免疫刺激核酸、その組成物、およびその免疫刺激核酸を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
種々の免疫刺激活性プロフィールを有する主要な2つの種類の免疫刺激配列が、当該分野で公知である。非特許文献1。これらは、いわゆるクラスB CpGオリゴヌクレオチド(ODN)(これは、B細胞の強力なアクチベーターである)、およびクラスA CpG ODN(これは、ナチュラルキラー(NK)細胞の強力なアクチベーターである)である。これらの免疫刺激配列に加えて、少なくとも2つの種類の中和配列が公知であり、この種類としては、CGの前にCがあるかまたはCGの後にGがあるCpG配列(非特許文献2)、およびCGがメチル化されているDNA配列が、挙げられる。中和モチーフは、他の非刺激モチーフ中に存在する場合には特定の程度の免疫刺激能力を有するが、他の免疫刺激モチーフの状況に存在する場合にはその他のモチーフの免疫刺激能力を減少するように働く、モチーフである。
【非特許文献1】Krieg AM(2001)Trends Microbiol 9:249−52
【非特許文献2】Krieg AMら(1998),Proc Natl Acad Sci USA 95:12631−12636
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の要旨)
新規な種類の免疫刺激核酸が、本明細書中で提供される。いくつかの場合、これらの核酸は、CGリッチなパリンドロームモチーフまたはCGリッチな中和モチーフを有する。本出願人は、配列CGの反復からなる中和モチーフ(例えば、CGCGCG)または前にCが存在するCGジヌクレオチドからなる中和モチーフ(すなわち、CCG)および/もしくは後ろにGが存在するCGジヌクレオチドからなる中和モチーフ(すなわち、CGG、CCGG)を含む、オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)を以前に認識して記載した。これらの中和モチーフは、複数の読出し情報(例えば、IL−6の分泌、IL−12の分泌、IFN−γの分泌、TNF−αの分泌、および抗原特異的免疫応答の誘導)に対する、CpG含有ODNの刺激効果をいくらか減少させると考えられた。Krieg AMら(1998)Proc Natl Acad Sci USA 95:12631−6。
【0004】
本発明は、刺激モチーフと中和モチーフとの組み合わせを含む特定のODNが非常に免疫刺激性であるという、本出願による驚くべき発見に一部基づく。本発明はまた、特定のCGリッチなパリンドローム配列(中和モチーフを含むパリンドローム配列を含む)を有するODNが非常に免疫刺激性であるという、本出願による驚くべき発見にも基づく。従って、その中和モチーフは、パリンドローム配列が非常に免疫刺激性である状況において、存在し得るが、必ずしも存在する必要はない。
【0005】
さらに、本発明の免疫刺激ODNは、異なる2つの種類のCpG ODN(B細胞を特徴的に活性化するCpG ODN(クラス B CpG ODN)、およびNK細胞を特徴的に活性化してインターフェロン(IFN)−αの産生を誘導するCpG ODN(クラスA CpG ODN))の両方と以前に関係付けられた、免疫刺激効果を有する。従って、本発明の新規な免疫刺激ODNは、クラスA CpG ODNまたはクラス B CpG ODNのいずれとも異なるスペクトルの免疫刺激効果を有する。本発明の新規な種類の免疫刺激ODNは、C型 CpG ODNと呼ばれる。以下により詳細に記載されるように、特定の実施形態において、本発明のODNは、モチーフの組み合わせを含み、その組み合わせにおいて、1つのモチーフは、CGリッチなパリンドロームであるかもしく中和モチーフであり、そして別のモチーフは、刺激モチーフ(例えば、CpGモチーフ)であるかもしくは配列TCGTCGである。
【0006】
いくつかの局面において、長さが14ヌクレオチド〜100ヌクレオチドの免疫刺激核酸が、提供される。この核酸は、式5’XDCGHX3’を有する。XおよびXは、独立して0ヌクレオチド長〜10ヌクレオチド長の任意の配列である。Dは、C以外のヌクレオチドである。Cは、シトシンである。Gは、グアニンである。Hは、G以外のヌクレオチドである。この核酸配列はまた、Xのすぐ5’側またはXのすぐ3’側に位置する、PおよびNからなる群より選択される核酸配列をさらに含む。Nは、B細胞中和配列である。Nは、CGGトリヌクレオチドで始まりかつ少なくとも10ヌクレオチド長である。Pは、GCリッチなパリンドロームを含む少なくとも10ヌクレオチド長の配列である。
【0007】
いくつかの実施形態において、その免疫刺激核酸は、5’NXDCGHX3’、5’XDCGHXN3’、5’PXDCGHX3’、5’XDCGHXP3’、5’XDCGHXPX3’、5’XDCGHPX3’、5’DCGHXPX3’、5’TCGHXPX3’、または5’DCGHPX3’である。Xは、0ヌクレオチド長〜10ヌクレオチド長の任意の配列である。他の実施形態において、その免疫刺激核酸は、5’DCGHP3’である。
【0008】
必要に応じて、Dおよび/またはHは、チミン(T)である。
【0009】
他の実施形態において、HはTであり、そしてXは、CG、CGT、CGTT、CGTTT、またはCGTTTTである。
【0010】
他の実施形態によると、HはTであり、そしてXは、CGまたはCGTTTTである。
【0011】
他の実施形態によると、Cは、メチル化されていない。
【0012】
いくつかの実施形態において、Nは、少なくとも4つのCGジヌクレオチド、および2つ以下のCCGトリヌクレオチドを含む。
【0013】
必要に応じて、Pは、少なくとも1つのイノシンを含む。
【0014】
この核酸はまた、5’末端または3’末端にポリT配列を含み得る。
【0015】
長さが13ヌクレオチド〜100ヌクレオチドの免疫刺激核酸が、本発明の他の局面に従って提供される。この核酸は、式5’NPyGNP3’を有する。Gは、グアニンである。
【0016】
は、1ヌクレオチド長〜6ヌクレオチド長の任意の配列である。いくつかの実施形態において、Nは、少なくとも50%ピリミジンであり、好ましくは、少なくとも50%Tである。他の実施形態において、Nは、少なくとも1つのCGモチーフ、少なくとも1つのTCGモチーフ、少なくとも1つのCIモチーフ、少なくとも1つのTCIモチーフ、少なくとも1つのIGモチーフ、または少なくとも1つのTIGモチーフを含む。他の実施形態において、Nは、TCGGまたはTCGHである。Hは、G以外のヌクレオチドである。
【0017】
Pyは、ピリミジンである。いくつかの実施形態において、Pyは、非メチル化Cである。
【0018】
は、0ヌクレオチド長〜30ヌクレオチド長の任意の配列である。いくつかの実施形態において、Nは、少なくとも50%がピリミジンであるか、または少なくとも50%がTである。他の実施形態において、Nは、いかなるポリGモチーフもポリAモチーフも含まない。
【0019】
Pは、少なくとも10ヌクレオチド長の配列を含む、GCリッチなパリンドロームである。いくつかの実施形態において、Pは、完全にパリンドロームである。他の実施形態において、Pは、1個と3個との間の個数連続する介在ヌクレオチドを有するパリンドロームである。必要に応じて、その介在ヌクレオチドは、TGであり得る。他の実施形態において、Pは、少なくとも3つのCヌクレオチド、少なくとも4つのCヌクレオチド、もしくは少なくとも5つのCヌクレオチド、および少なくとも3つのGヌクレオチド、少なくとも4つのGヌクレオチド、もしくは少なくとも5つのGヌクレオチドを含む。他の実施形態によると、Pは、少なくとも1つのイノシンを含む。
【0020】
1実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、少なくとも3分の2がGおよびCである塩基含量を有する。別の実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、少なくとも81%がGおよびCである塩基含量を有する。いくつかの実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、少なくとも12ヌクレオチド長である。このGCリッチなパリンドロームは、CおよびGのみから構成され得る。いくつかの実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、CでもGでもない少なくとも1つのヌクレオチドを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、少なくとも1つのCGGトリマー、少なくとも1つのCCGトリマー、または少なくとも1つのCGCGテトラマーを含む。いくつかの実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、少なくとも4つのCGジヌクレオチドを含む。特定の好ましい実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、中心にあるCGジヌクレオチドを有する。
【0022】
特定の実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、CGGCGCGCGCCG(配列番号23)、CGGCGGCCGCCG(配列番号28)、CGACGATCGTCG(配列番号68)またはCGACGTACGTCG(配列番号69)である。
【0023】
特定の実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、CGCGCGCGCGCG(配列番号29)でも、GCGCGCGCGCGC(配列番号30)でも、CCCCCCGGGGGG(配列番号31)でも、GGGGGGCCCCCC(配列番号32)でも、CCCCCGGGGG(配列番号33)でも、GGGGGCCCCC(配列番号34)でもない。
【0024】
いくつかの実施形態において、NPyGNは、TTTTTCG、TCG、TTCG、TTTCG、TTTTCG、TCGT、TTCGT、TTTCGT、およびTCGTCGTからなる群より選択される、配列である。
【0025】
長さが13ヌクレオチド〜100ヌクレオチドの免疫刺激核酸が、本発明の他の局面に従って提供される。この核酸は、式:5’NPyG/INP3’を有する。G/Iは、GまたはIのいずれかである単一のヌクレオチドを指す。Gはグアニンであり、Iはイノシンである。
【0026】
は、1ヌクレオチド長〜6ヌクレオチド長の任意の配列である。Pyは、ピリミジンである。Nは、0ヌクレオチド長〜30ヌクレオチド長の任意の配列である。
【0027】
Pは、パリンドロームを含む少なくとも10ヌクレオチド長の配列である。いくつかの実施形態において、Pは、GCリッチなパリンドロームである。他の実施形態において、Pは、ICリッチなパリンドロームである。
【0028】
いくつかの実施形態において、NPyINは、TCITCITTTT(配列番号47)である。
【0029】
本明細書中に記載される核酸分子は、任意の型の骨格組成を有し得る。いくつかの実施形態において、この免疫刺激核酸は、完全にヌクレアーゼ耐性である骨格を有する。このヌクレアーゼ耐性骨格は、ホスホロチオエート結合から構成され得る。他の実施形態において、この免疫刺激核酸は、完全にホスホジエステル骨格を有する。なお他の実施形態において、この免疫刺激核酸は、キメラ骨格を有する。1実施形態において、この免疫刺激核酸は、CGモチーフ間、CIモチーフ間、またはIGモチーフ間に少なくとも1つのホスホジエステル結合を有する。あるいは、本発明のODNは、微粒子、エマルジョン、または他の手段を用いて、インビボでの迅速な消化を回避するように処方される。
【0030】
本明細書中に記載される免疫刺激核酸は、種々の長さを有する。いくつかの実施形態において、この免疫刺激核酸は、長さが13ヌクレオチド〜100ヌクレオチド、13ヌクレオチド〜40ヌクレオチド、13ヌクレオチド〜30ヌクレオチド、14ヌクレオチド〜100ヌクレオチド、14ヌクレオチド〜40ヌクレオチド、または14ヌクレオチド〜30ヌクレオチドであるか、またはこれらの間の任意の整数個のヌクレオチドである。
【0031】
以下の配列のうちの1つを有する免疫刺激核酸もまた、提供される:TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCG(配列番号1)、TCGTCGTTTTCGGCGGCCGCCG(配列番号4)、TCGTCGTTTTCGGCGCGCCGCG(配列番号5)、TCGTCGTTTTCGGCGCCGGCCG(配列番号6)、TCGTCGTTTTCGGCCCGCGCGG(配列番号7)、TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCGTTTTT(配列番号12)、TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCG(配列番号13)、TZGTZGTTTTZGGZGZGZGZZG(配列番号14)(Zは、5−メチルシトシンである)、TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCC(配列番号19)、TCGGCGCGCGCCGTCGTCGTTT(配列番号11)、TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCC(ODN 2136、配列番号19)、TCGTCGTTTTCGGCGGCCGACG(ODN 5513、配列番号64)、TCGTCGTTTTCGTCGGCCGCCG(ODN 5514、配列番号65)、TCGTCGTTTTCGACGGCCGCCG(ODN 5515、配列番号66)、およびTCGTCGTTTTCGGCGGCCGTCG(ODN 5516、配列番号67)。
【0032】
さらに本発明の他の実施形態に従って、この免疫刺激核酸は、以下の配列のうちの1つである:TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCG(ODN 2395)、TCGTCGTTTTCGGCGGCCGCCG(ODN 2429)、TCGTCGTTTTCGGCGCGCCGCG(ODN 2430)、TCGTCGTTTTCGGCGCCGGCCG(ODN 2431)、TCGTCGTTTTCGGCCCGCGCGG(ODN 2432)、TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCGTTTTT(ODN 2452)、TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCG(ODN 5315)、TZGTZGTTTTZGGZGZGZGZZG(ODN 5327、Zは、5−メチルシトシンである)、TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCC(ODN 2136)、TCGTCGTTTTCGGCGGCCGACG(ODN 5513)、TCGTCGTTTTCGTCGGCCGCCG(ODN 5514)、TCGTCGTTTTCGACGGCCGCCG(ODN 5515)、TCGTCGTTTTCGGCGGCCGTCG(ODN 5516)、TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCG(ODN 2395)、TCGTCGTTTTCGGCGGCCGCCG(ODN 2429)、TCGTCGTTTTCGGCGCGCCGCG(ODN 2430)、TCGTCGTTTTCGGCGCCGGCCG(ODN 2431)、TCGTCGTTTTCGGCCCGCGCGG(ODN 2432)、TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCGTTTTT(ODN 2452)、TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCG(ODN 5315)、TZGTZGTTTTZGGZGZGZGZZG(ODN 5327、Zは、5−メチルシトシンである)、TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCC(ODN 2136)、TCGTCGTTTTCGGCGGCCGACG(ODN 5513)、TCGTCGTTTTCGTCGGCCGCCG(ODN 5514)、TCGTCGTTTTCGACGGCCGCCG(ODN 5515)、TCGTCGTTTTCGGCGGCCGTCG(ODN 5516)、TCGGCGCGCGCCGTCGTCGTTT(ODN 2451)、TCGTCGTTTCGACGGCCGTCG(ODN 20173、配列番号71)、TCGTCGTTTCGACGATCGTCG(ODN 20176、配列番号72)、TCGTCGTTTCGACGTACGTCG(ODN 20177、配列番号73)、TCGTCGCGACGGCCGTCG(ODN 20178、配列番号74)、TCGTCGCGACGATCGTCG(ODN 20179、配列番号75)、TCGTCGCGACGTACGTCG(ODN 20180、配列番号76)、TCGTTTTTTTCGACGGCCGTCG(ODN 20184、配列番号77)、TCGTTTTTTTCGACGATCGTCG(ODN 20185、配列番号78)、およびTCGTTTTTTTCGACGTACGTCG(ODN 20186、配列番号79)。
【0033】
特定の実施形態によると、この免疫刺激核酸は、配列TCGGCGCGCGCCGTCGTCGTTT(ODN 2451,配列番号11)を含む。特定の実施形態において、この免疫刺激核酸は、配列TCGGCGCGCGCCGTCGTCGTTT(ODN 2451)である。
【0034】
本明細書中に記載される免疫刺激核酸と薬学的受容可能なキャリアとを含む、薬学的組成物が、本発明の他の局面に従って提供される。
【0035】
本発明の他の局面において、1型インターフェロン(IFN)の発現を誘導するための方法が、提供される。この方法は、1型IFNを発現可能な細胞を、1型IFNの発現を誘導するに有効な量の本明細書中に記載の免疫刺激核酸と接触させる工程を包含する。
【0036】
本発明は、他の局面において、ナチュラルキラー(NK)細胞を活性化するための方法である。この方法は、NK細胞を、そのNK細胞を活性化するに有効な量の本明細書中に記載の免疫刺激核酸と接触させる工程を包含する。
【0037】
なお他の局面において、本発明は、感染症を処置するための方法であり、この方法は、感染症を有する被験体または感染症を発症するリスクを有する被験体に、その感染症を処置または予防するに有効な量の本明細書中に記載の免疫刺激核酸を投与する工程による。いくつかの実施形態において、その被験体は、ウイルス感染、細菌感染、真菌感染、および寄生生物感染からなる群より選択される感染症を有するか、またはその感染症を発症す
るリスクを有する。
【0038】
特定の実施形態において、この方法は、本発明の免疫刺激核酸単独を、上記感染症を処置または予防するために投与する工程を包含する。特定の実施形態において、本発明のこの局面による方法は、その被験体に抗生物質を投与する工程をさらに包含し、この抗生物質は、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、または抗寄生生物剤であり得る。
【0039】
他の局面において、本発明は、アレルギー状態を処置するための方法であり、この方法は、アレルギー状態を有する被験体またはアレルギー状態を発症するリスクを有する被験体に、そのアレルギー状態を処置または予防するに有効な量の本明細書中に記載の免疫刺激核酸を投与する工程による。いくつかの実施形態において、そのアレルギー状態は、アレルギー性喘息である。1実施形態において、そのアレルギー状態は、喘息である。特定の実施形態において、この方法は、本発明の免疫刺激核酸単独を、上記アレルギー状態を処置または予防するために投与する工程を包含する。特定の実施形態において、本発明のこの局面による方法は、喘息治療薬/アレルギー治療薬(例えば、ステロイド、抗ヒスタミン剤、およびプロスタグランジン誘導剤)を、上記非検体に投与する工程をさらに包含する。
【0040】
癌を処置するための方法が、本発明の他の局面によって提供される。この方法は、癌を有する被験体または癌を発症するリスクを有する被験体に、その癌を処置または予防するに有効な量の本明細書中に記載の免疫刺激核酸を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、その癌は、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨の癌、脳および中枢神経系の癌、乳癌、子宮頸部癌、絨毛癌、結腸および直腸の癌、結合組織の癌、消化器系の癌、子宮内膜癌、食道癌、眼の癌、頭部および頸部の癌、胃癌、上皮内癌、腎臓癌、喉頭癌、白血病、肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌および非小細胞肺癌)、リンパ腫(ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫を包含する)、黒色腫、骨髄腫、神経芽細胞腫、口腔癌(例えば、口唇の癌、舌の癌、口の癌、および咽喉癌)、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、直腸癌、腎臓癌、呼吸器系の癌、肉腫、皮膚癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌、泌尿器系癌、ならびに他の癌腫および他の肉腫からなる群より選択される。
【0041】
特定の実施形態において、この方法は、本発明の免疫刺激核酸単独を、上記癌を処置または予防するために投与する工程を包含する。特定の実施形態において、本発明のこの局面による方法は、抗癌剤または抗癌処置(例えば、化学療法剤、放射線)を上記被験体に投与する工程をさらに包含する。
・本発明はさらに、以下を提供し得る:
・(項目1)
式:
5’XDCGHX3’
を含み、そしてXのすぐ5’側またはXのすぐ3’側に位置するPおよびNからなる群より選択される核酸配列をさらに含む、長さ14ヌクレオチド〜100ヌクレオチドの免疫刺激核酸であって、
およびXは、独立して0ヌクレオチド長〜10ヌクレオチド長の任意の配列であり、DはC以外のヌクレオチドであり、Cはシトシンであり、Gはグアニンであり、HはG以外のヌクレオチドであり、そして
NはB細胞中和配列であり、Nは、CGGトリヌクレオチドで始まりかつ少なくとも10ヌクレオチド長であり、そしてPは、GCリッチなパリンドロームを含む少なくとも10ヌクレオチド長の配列である、
核酸。
・(項目2)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、5’NXDCGHX3’を含む、核酸。
・(項目3)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、5’XDCGHXN3’を含む、核酸。
・(項目4)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、5’PXDCGHX3’を含む、核酸。
・(項目5)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、5’XDCGHXP3’を含む、核酸。
・(項目6)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、5’XDCGHXPX3’を含み、Xは、0ヌクレオチド長〜10ヌクレオチド長の任意の配列である、核酸。
・(項目7)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、5’XDCGHPX3’を含み、Xは、0ヌクレオチド長〜10ヌクレオチド長の任意の配列である、核酸。
・(項目8)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、5’DCGHXPX3’を含み、Xは、0ヌクレオチド長〜10ヌクレオチド長の任意の配列である、核酸。
・(項目9)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、5’TCGHXPX3’を含み、Xは、0ヌクレオチド長〜10ヌクレオチド長の任意の配列である、核酸。
・(項目10)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、5’DCGHPX3’を含み、Xは、0ヌクレオチド長〜10ヌクレオチド長の任意の配列である、核酸。
・(項目11)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、5’DCGHP3’を含む、核酸。
・(項目12)
項目1に記載の核酸であって、Dがチミン(T)である、核酸。
・(項目13)
項目1に記載の核酸であって、HがTである、核酸。
・(項目14)
項目1に記載の核酸であって、HがTであり、そしてXが、CG、CGT、CGT
T、CGTTT、およびCGTTTTからなる群より選択される、核酸。
・(項目15)
項目1に記載の核酸であって、HがTであり、そしてXがCGである、核酸。
・(項目16)
項目1に記載の核酸であって、HがTであり、そしてXがCGTTTTである、核酸。
・(項目17)
項目1に記載の核酸であって、Cがメチル化されていない、核酸。
・(項目18)
項目1に記載の核酸であって、Nが、少なくとも4つのCGジヌクレオチド、および2つ以下のCCGトリヌクレオチドを含む、核酸。
・(項目19)
項目1に記載の核酸であって、Pが少なくとも1つのイノシンを含む、核酸。
・(項目20)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、ヌクレアーゼ耐性骨格を有する、核酸。
・(項目21)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、ホスホロチオエート骨格を有する、核酸。
・(項目22)
項目1に記載の核酸であって、5’末端にポリT配列をさらに含む、核酸。
・(項目23)
項目1に記載の核酸であって、3’末端にポリT配列をさらに含む、核酸。
・(項目24)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、長さが14ヌクレオチド〜40ヌクレオチドである、核酸。
・(項目25)
項目1に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、長さが14ヌクレオチド〜30ヌクレオチドである、核酸。
・(項目26)
式:
5’NPyGNP3’
を含む、長さ13ヌクレオチド〜100ヌクレオチドの免疫刺激核酸であって、
は1ヌクレオチド長〜6ヌクレオチド長の任意の配列であり、Pyはピリミジンであり、Gはグアニンであり、Nは0ヌクレオチド長〜30ヌクレオチド長の任意の配列であり、そしてPは、GCリッチなパリンドロームを含む少なくとも10ヌクレオチド長の配列である、
核酸。
・(項目27)
項目26に記載の核酸であって、Nが少なくとも50%ピリミジンである、核酸。
・(項目28)
項目26に記載の核酸であって、Nが少なくとも50%Tである、核酸。
・(項目29)
項目26に記載の核酸であって、Nが少なくとも1つのCGモチーフを含む、核酸。
・(項目30)
項目26に記載の核酸であって、Nが少なくとも1つのTCGモチーフを含む、核酸。
・(項目31)
項目26に記載の核酸であって、Nが少なくとも1つのCIモチーフを含む、核酸。
・(項目32)
項目26に記載の核酸であって、Nが少なくとも1つのTCIモチーフを含む、核酸。
・(項目33)
項目26に記載の核酸であって、Nが少なくとも1つのIGモチーフを含む、核酸。
・(項目34)
項目26に記載の核酸であって、Nが少なくとも1つのTIGモチーフを含む、核酸。
・(項目35)
項目26に記載の核酸であって、NがTCGGである、核酸。
・(項目36)
項目26に記載の核酸であって、NがTCGHであり、HがG以外のヌクレオチドである、核酸。
・(項目37)
項目26に記載の核酸であって、Pyが非メチル化Cである、核酸。
・(項目38)
項目26に記載の核酸であって、Nが少なくとも50%ピリミジンである、核酸。
・(項目39)
項目26に記載の核酸であって、Nが少なくとも50%Tである、核酸。
・(項目40)
項目26に記載の核酸であって、NがいかなるポリGモチーフもポリAモチーフも含まない、核酸。
・(項目41)
項目26に記載の核酸であって、NPyGNが、TTTTTCG、TCG、TTCG、TTTCG、TTTTCG、TCGT、TTCGT、TTTCGT、およびTCGTCGTからなる群より選択される配列である、核酸。
・(項目42)
項目26に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、完全にヌクレアーゼ耐性である骨格を有する、核酸。
・(項目43)
項目26に記載の核酸であって、上記ヌクレアーゼ耐性骨格がホスホロチオエート結合から構成される、核酸。
・(項目44)
項目26に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、完全にホスホジエステルの骨格を有する、核酸。
・(項目45)
項目26に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、キメラ骨格を有する、核酸。
・(項目46)
項目45に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、CGモチーフ間、CIモチーフ間、またはIGモチーフ間に少なくとも1つのホスホジエステル結合を有する、核酸。
・(項目47)
項目26に記載の核酸であって、Pが完全にパリンドロームである、核酸。
・(項目48)
項目26に記載の核酸であって、Pが、1個と3個との間の個数連続する介在ヌクレオチドを有するパリンドロームである、核酸。
・(項目49)
項目48に記載の核酸であって、上記介在ヌクレオチドがTGである、核酸。
・(項目50)
項目26に記載の核酸であって、Pが、少なくとも3つのCヌクレオチドおよび少なくとも3つのGヌクレオチドを含む、核酸。
・(項目51)
項目26に記載の核酸であって、Pが、少なくとも4つのCヌクレオチドおよび少なくとも4つのGヌクレオチドを含む、核酸。
・(項目52)
項目26に記載の核酸であって、Pが、少なくとも5つのCヌクレオチドおよび少なくとも5つのGヌクレオチドを含む、核酸。
・(項目53)
項目26に記載の核酸であって、Pが、少なくとも1つのイノシンを含む、核酸。
・(項目54)
項目26に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、長さが13ヌクレオチド〜40ヌクレオチドである、核酸。
・(項目55)
項目26に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、長さが13ヌクレオチド〜30ヌクレオチドである、核酸。
・(項目56)
式:
5’NPyG/INP3’
を含む、長さ13ヌクレオチド〜100ヌクレオチドの免疫刺激核酸であって、
は1ヌクレオチド長〜6ヌクレオチド長の任意の配列であり、Pyはピリミジンであり、G/Iは、GまたはIのいずれかである単一のヌクレオチドを指し、Gはグアニンであり、そしてIはイノシンであり、Nは0ヌクレオチド長〜30ヌクレオチド長の任意の配列であり、そしてPは、パリンドロームを含む少なくとも10ヌクレオチド長の配列である、
核酸。
・(項目57)
項目56に記載の核酸であって、NPyINが、TCITCITTTT(配列番号47)である、核酸。
・(項目58)
項目56に記載の核酸であって、Pが、GCリッチなパリンドロームである、核酸。
・(項目59)
項目56に記載の核酸であって、Pが、ICリッチなパリンドロームである、核酸。
・(項目60)
項目56に記載の核酸であって、G/IがGである、核酸。
・(項目61)
項目56に記載の核酸であって、G/IがIである、核酸。
・(項目62)
項目56に記載の核酸であって、当該免疫刺激核酸は、長さが13ヌクレオチド〜30ヌクレオチドである、核酸。
・(項目63)
項目1〜62のうちのいずれか1項に記載の免疫刺激核酸と、薬学的に受容可能なキャリアとを含む、薬学的組成物。
・(項目64)
1型インターフェロン(IFN)の発現を誘導するための方法であって、当該方法は、
1型IFNを発現可能な細胞を、1型IFNの発現を誘導するに有効な量の項目1〜62のうちのいずれか1項に記載の免疫刺激核酸と接触させる工程、
を包含する、方法。
・(項目65)
ナチュラルキラー(NK)細胞を活性化するための方法であって、当該方法は、
NK細胞を、当該NK細胞を活性化するに有効な量の項目1〜62のうちのいずれか1項に記載の免疫刺激核酸と接触させる工程、
を包含する、方法。
・(項目66)
感染症を処置するための方法であって、当該方法は、
感染症を有する被験体または感染症を発症するリスクを有する被験体に、当該感染症を処置または予防するに有効な量の項目1〜62のうちのいずれか1項に記載の免疫刺激核酸を投与する工程、
を包含する、方法。
・(項目67)
項目66に記載の方法であって、上記被験体が、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、および寄生生物感染症からなる群より選択される感染症を有するか、または当該感染症を発症するリスクを有する、方法。
・(項目68)
アレルギー状態を処置するための方法であって、当該方法は、
アレルギー状態を有する被験体またはアレルギー状態を発症するリスクを有する被験体に、当該アレルギー状態を処置または予防するに有効な量の項目1〜62のうちのいずれか1項に記載の免疫刺激核酸を投与する工程、
を包含する、方法。
・(項目69)
項目68に記載の方法であって、上記アレルギー状態が、アレルギー性喘息である、方法。
・(項目70)
癌を処置するための方法であって、当該方法は、
癌を有する被験体または癌を発症するリスクを有する被験体に、当該癌を処置または予防するに有効な量の項目1〜62のうちのいずれか1項に記載の免疫刺激核酸を投与する工程、
を包含する、方法。
・(項目71)
項目70に記載の方法であって、上記癌が、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨の癌、脳および中枢神経系の癌、乳癌、子宮頸部癌、絨毛癌、結腸および直腸の癌、結合組織の癌、消化器系の癌、子宮内膜癌、食道癌、眼の癌、頭部および頸部の癌、胃癌、上皮内癌、腎臓癌、喉頭癌、白血病、肝臓癌、肺癌、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫を包含するリンパ腫、黒色腫、骨髄腫、神経芽細胞腫、口腔癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、直腸癌、腎臓癌、呼吸器系の癌、肉腫、皮膚癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌、泌尿器系癌、ならびに他の癌腫および他の肉腫からなる群より選択される、方法。
・(項目72)
免疫刺激核酸であって、
TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCG(配列番号1)、
TCGTCGTTTTCGGCGGCCGCCG(配列番号4)、
TCGTCGTTTTCGGCGCGCCGCG(配列番号5)、
TCGTCGTTTTCGGCGCCGGCCG(配列番号6)、
TCGTCGTTTTCGGCCCGCGCGG(配列番号7)、
TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCGTTTTT(配列番号12)、
TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCG(配列番号13)、
TZGTZGTTTTZGGZGZGZGZZG(配列番号14)、
TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCC(配列番号19)、および
TCGGCGCGCGCCGTCGTCGTTT(配列番号11)、
からなる群より選択される配列を含み、
Zは、5−メチルシトシンである、核酸。
【0042】
本発明の限定は各々、本発明の種々の実施形態を包含し得る。従って、他の任意の要素または要素の組み合わせを包含する本発明の制限の各々が、本発明の各局面に包含され得ることが、認識される。
【0043】
(発明の詳細な説明)
特定のオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)(これは、少なくとも2つの別個のモチーフを含む)が、免疫系の細胞に対して、独特で望ましい刺激効果を有することが、発見された。これらのODNのうちのいくつかは、従来の「刺激」CpG配列および「GCリッチな」モチーフまたは「B細胞中和」モチーフの両方を有する。これらの組み合わせモチーフ核酸は、従来の「クラスB」CpG ODN(これは、B細胞活性化および樹状細胞(DC)活性化の強力な誘導物質である)に関係する効果と、より最近記載された種類の免疫刺激核酸(「クラスA」CpG ODN(これは、IFN−αおよびナチュラルキラー(NK)細胞活性化の強力な誘導物質であるが、B細胞活性化およびDC活性化の比較的弱い誘導物質である)に関係する効果との間のどこかに入る、免疫刺激効果を有する
。Krieg AMら(1995)Nature 374:546−9;Ballas ZKら(1996)J lmmunol 157:1840−5;Yamamoto Sら(1992)J Immunol 148:4072−6。好ましいクラスB CpG
ODNは、しばしばホスホロチオエート骨格を有し、好ましいクラスA CpG ODNは、混合骨格もしくはキメラ骨格を有するが、この新規な種類の組み合わせモチーフ免疫刺激核酸は、いずれかの安定化された骨格(例えば、ホスホロチオエート骨格、キメラ骨格、またはホスホジエステル骨格)を有し得る。
【0044】
1局面において、本発明は、この新規な組み合わせモチーフ免疫刺激核酸のクラスに属する、免疫刺激核酸を提供する。そのB細胞刺激ドメインは、式:5’XDCGHX3’により規定される。DはC以外のヌクレオチドである。Cは、シトシンである。Gは、グアニンである。Hは、G以外のヌクレオチドである。
【0045】
およびXは、0ヌクレオチド長〜10ヌクレオチド長の任意の配列である。Xは、CGを含み得、この場合、好ましくは、このCGの直前にあるTが存在する。いくつかの実施形態において、DCGは、TCGである。Xは、好ましくは、長さが0ヌクレオチド〜6ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、Xは、いかなるポリGモチーフもポリAモチーフも含まない。他の実施形態において、この免疫刺激核酸は、5’末端または3’末端にポリT配列を有する。本明細書中で使用される場合、「ポリA」または「ポリT」とは、それぞれ、4個以上連続して延びるAまたは4個以上連続して延びるT(例えば、5’AAAA3’または5’TTTT3’)を指す。
【0046】
本明細書中で使用される場合、「ポリG末端」とは、核酸の5’末端または3’末端から始まって4個以上連続して延びるG(例えば、5’GGGG3’)を指す。本明細書中で使用される場合、「ポリG核酸」とは、式5’XGGGX3’を有する核酸を指し、この式において、X、X、X、およびXは、ヌクレオチドであり、好ましくは、XおよびXのうちの少なくとも1つが、Gである。
【0047】
この式の下でB細胞刺激ドメインのために好ましいいくつかの設計は、TTTTTCG、TCG、TTCG、TTTCG、TTTTCG、TCGT、TTCGT、TTTCGT、TCGTCGTを含む。
【0048】
この核酸の第2モチーフは、PまたはNのいずれかと呼ばれ、Xのすぐ5’側またはXのすぐ3’側に位置する。
【0049】
Nは、B細胞中和配列であり、このNは、CGGトリヌクレオチドで始まりかつ少なくとも10ヌクレオチド長である。B細胞中和モチーフは、CGの前にCがあるかまたはCGの後にGがある、少なくとも1つのCpG配列(Krieg AMら(1998)Proc Natl Acad Sci USA 95:12631−12636)およびCGのうちのCがメチル化されているCG含有DNA配列が、挙げられる。本明細書中で使用される場合、「CpG」とは、後に3’グアニン(G)が続きかつリン酸結合により連結している、5’シトシン(C)を指す。その5’CG3’の少なくともCは、非メチル化状態でなければならない。中和モチーフとは、他の非刺激モチーフ中に存在する場合には特定の程度の免疫刺激能力を有するが、他の免疫刺激モチーフの状況に存在する場合にはその他のモチーフの免疫刺激能力を減少するように働く、モチーフである。
【0050】
Pは、GCリッチなパリンドロームを含む少なくとも10ヌクレオチド長の配列である。本明細書中で使用される場合、「パリンドローム」および等価には「パリンドローム配列」とは、逆方向反復(すなわち、ABCDEE’D’C’B’A’(AとA’と、BとB’と、などは、通常のワトソン−クリック塩基対を形成可能な塩基である)のような配列)を指す。
【0051】
本明細書中で使用される場合、「GCリッチなパリンドローム」とは、少なくとも3分の2がGおよびCの塩基組成を有する、パリンドロームを指す。いくつかの実施形態において、このGCリッチなドメインは、好ましくは、「B細胞刺激ドメイン」の3’側にある。従って、10塩基長のGCリッチなパリンドロームの場合、このパリンドロームは、少なくとも8個のGおよびCを含む。12塩基長のGCリッチなパリンドロームの場合、このパリンドロームはまた、少なくとも8個のGおよびCを含む。14マーのGCリッチなパリンドロームにおいて、このパリンドロームのうちの少なくとも10塩基が、GおよびCである。いくつかの実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、GおよびCのみから構成される。
【0052】
いくつかの実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、少なくとも81パーセントがGおよびCの塩基組成を有する。従って、そのような10塩基長のGCリッチなパリンドロームの場合、このパリンドロームは、GおよびCのみから構成される。そのような12塩基長のGCリッチなパリンドロームの場合、このパリンドロームのうちの少なくとも10塩基(83パーセント)がGおよびCであることが、好ましい。いくつかの好ましい実施形態において、12塩基長のGCリッチなパリンドロームが、GおよびCのみから構成される。14マーのGCリッチなパリンドロームの場合、このパリンドロームのうちの少なくとも12塩基(86パーセント)が、GおよびCである。いくつかの好ましい実施形態において、14塩基長のGCリッチなパリンドロームが、GおよびCのみから構成される。GCリッチなパリンドロームのCは、メチル化されていない状態であり得るか、またはそれらのCは、メチル化状態であり得る。
【0053】
一般に、このドメインは、少なくとも3つのCおよびGを有し、より好ましくは各々4つを有し、最も好ましくは各々5つ以上を有する。このドメイン中のCおよびGの数は、同一である必要はない。これらのCおよびGは、それらのCおよびGが自己相補的二重鎖を形成可能である(すなわち、パリンドロームである)ように整列されること(例えば、CCGCGCGG)が、好ましい。これは、AまたはTによって中断され得るが、自己相補性が、例えば、モチーフCGACGTTCGTCG(配列番号80)またはCGGCGCCGTGCCG(配列番号81)中のように少なくとも部分的に保存されていることが、好ましい。相補性が保存されない場合、非相補的塩基対はTGであることが、好ましい。好ましい実施形態において、このパリンドローム一部ではない3個以下(好ましくは2個以下、最も好ましくは1個だけ)連続する塩基が存在する。いくつかの実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、少なくとも1つのCGGトリマー、少なくとも1つのCCGトリマー、または少なくとも1つのCGCGテトラマーを含む。他の実施形態において、このGCリッチなパリンドロームは、CCCCCCGGGGGG(配列番号31)でも、GGGGGGCCCCCC(配列番号32)でも、CCCCCGGGGG(配列番号33)でも、GGGGGCCCCC(配列番号34)でもない。
【0054】
このGCリッチな領域のGのうちの少なくとも1つは、イノシン(I)で置換され得る。いくつかの実施形態において、Pは、1個より多くのIを含む。
【0055】
特定の実施形態において、この免疫刺激核酸は、以下の式のうちの1つを有する:5’NXDCGHX3’、5’XDCGHXN3’、5’PXDCGHX3’、5’XDCGHXP3’、5’XDCGHXPX3’、5’XDCGHPX3’、5’DCGHXPX3’、5’TCGHXPX3’、5’DCGHPX3’または5’DCGHP3’。
【0056】
他の局面において、本発明は、式5’NPyGN3’により規定される免疫刺激核酸を提供する。Nは、1ヌクレオチド長〜6ヌクレオチド長の任意の配列である。Pyは、ピリミジンである。Gは、グアニンである。Nは、0ヌクレオチド長〜30ヌクレオチド長の任意の配列である。Pは、GCリッチなパリンドロームを含む少なくとも10ヌクレオチド長の配列である。
【0057】
およびNは、50%より多くのピリミジンを含み得、より好ましくは、50%より多いTを含み得る。Nは、CGを含み得、この場合、好ましくは、このCGの直前にあるTが存在する。いくつかの実施形態において、NPyGは、TCGであり(例えば、ODN 5376(これは、5’TCGGを有する))、最も好ましくはTCGN(NはGではない)である。
【0058】
PyGNPは、1つ以上のイノシン(I)ヌクレオチドを含み得る。N中のCまたはGのいずれかが、イノシンによって置換され得るが、CpIは、IpGであることが好ましい。イノシン置換(例えば、IpG)のために、その最適な活性は、「セミソフトな(semi−soft)」骨格またはキメラ骨格の使用によって達成され得、この骨格において、そのIG間またはCI間の結合は、ホスホジエステル結合である。Nは、少なくとも1つのCIモチーフ、TCIモチーフ、IGモチーフまたはTIGモチーフを含み得る。
【0059】
特定の実施形態において、NPyGNは、TTTTTCG、TCG、TTCG、TTTCG、TTTTCG、TCGT、TTCGT、TTTCGT、およびTCGTCGTからなる群より選択される、配列である。
【0060】
他の局面において、本発明は、式5’NPyG/INP3’により規定される免疫刺激核酸を提供する。Nは、1ヌクレオチド長〜6ヌクレオチド長の任意の配列である。Pyは、ピリミジンである。G/Iは、GまたはIのいずれかである単一のヌクレオチドを指す。Gはグアニンであり、Iはイノシンである。Nは、0ヌクレオチド長〜30ヌクレオチド長の任意の配列である。Pは、少なくとも10ヌクレオチド長の配列を含む、GCリッチなパリンドロームであるかまたはICリッチなパリンドロームである。いくつかの実施形態において、NPyINは、TCITCITTTT(配列番号47)である。
【0061】
組み合わせモチーフ免疫刺激核酸(これは、上記の式によって記載される)の非限定的ないくつかの例としては、以下が挙げられる:TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCG(ODN 2395)、TCGTCGTTTTCGGCGGCCGCCG(ODN 2429)、TCGTCGTTTTCGGCGCGCCGCG(ODN 2430)、TCGTCGTTTTCGGCGCCGGCCG(ODN 2431)、TCGTCGTTTTCGGCCCGCGCGG(ODN 2432)、TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCGTTTTT(ODN 2452)、TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCG(ODN 5315)、TZGTZGTTTTZGGZGZGZGZZG(ODN 5327、Zは、5−メチルシトシンである)、TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCC(ODN 2136)、TCGTCGTTTTCGGCGGCCGACG(ODN 5513)、TCGTCGTTTTCGTCGGCCGCCG(ODN 5514)、TCGTCGTTTTCGACGGCCGCCG(ODN 5515)、TCGTCGTTTTCGGCGGCCGTCG(ODN 5516)、TCGGCGCGCGCCGTCGTCGTTT(ODN 2451)、TCGTCGTTTCGACGGCCGTCG(ODN 20173),TCGTCGTTTCGACGATCGTCG(ODN 20176)、TCGTCGTTTCGACGTACGTCG(ODN 20177)、TCGTCGCGACGGCCGTCG(ODN 20178),TCGTCGCGACGATCGTCG(ODN 20179)、TCGTCGCGACGTACGTCG(ODN 20180),TCGTTTTTTTCGACGGCCGTCG(ODN 20184)、TCGTTTTTTTCGACGATCGTCG(ODN 20185)、TCGTTTTTTTCGACGTACGTCG(ODN 20186),TIGTIGTTTTCGGCGGCCGCCG(ODN 5569、配列番号63)およびTCITCITTTTCGGCGGCCGCCG(ODN 5570、配列番号70)。
【0062】
本明細書中で使用される場合、「核酸」および「オリゴヌクレオチド」は、互換可能に使用される。そして「核酸」および「オリゴヌクレオチド」は、複数のヌクレオチド(すなわち、リン酸基に結合しかつ交換可能な有機塩基(これは、置換ピリミジン(例えば、シトシン(C)、チミン(T)、もしくはウラシル(U))または置換プリン(例えば、アデニン(A)もしくはグアニン(G))のいずれかである)に結合した、糖(例えば、リボースもしくはデオキシリボース)を含む分子)を意味することを指す。本明細書中で使用される場合、これらの用語は、オリゴデオキシヌクレオチドならびにオリゴデオキシリボヌクレオチド(ODN)を指す。これらの用語はまた、ポリヌクレオシド(すなわち、ポリヌクレオチド−リン酸基)および他の任意の有機塩基含有ポリマーも包含する。核酸分子は、既存の核酸供給源(例えば、ゲノム核酸またはcDNA)から得られ得るが、好ましくは合成分子である(たとえば、核酸合成によって生成される)。
【0063】
用語核酸および用語オリゴヌクレオチドはまた、例えば塩基および/または糖において置換もしくは改変を含む、核酸またはオリゴヌクレオチドも包含する。例えば、これらの用語は、3’位置でヒドロキシル基以外の低分子量有機基に共有結合し、かつ5’位置でリン酸基以外の低分子量有機基に共有結合している、骨格糖を有する核酸を包含する。そのように改変された核酸としては、2’−O−アルキル化リボース基が挙げられ得る。さらに、改変核酸は、リボースの代わりにアラビノースのような糖を含み得る。そのように改変された核酸は、骨格組成が不均質であり得、それにより、ともに連結したポリマー単位の可能なすべての組み合わせ(例えば、ペプチド核酸(これは、核酸塩基を含むアミノ酸骨格を有する)を含み得る。いくつかの実施形態において。この核酸は、骨格組成が均質である。核酸はまた、置換プリンおよび置換ピリミジン(例えば、C−5プロピン改変塩基)を包含する。Wagner RWら(1996)Nat Biotechnol 14:840−4。プリンおよびピリミジンとしては、アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、5−メチルシトシン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチン、ならびに天然に存在する他の核酸塩基(nucleobase)および天然に存在しない他の核酸塩基、置換芳香族部分および非置換芳香族部分が挙げられるが、これらに限定されない。他のこのような改変は、当業者に周知である。
【0064】
本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドは、天然のRNAおよびDNA(これらは、ヌクレオシド間ホスホジエステル結合、β−D−リボース単位および/または天然のヌクレオシド塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル)を含む)と比較して種々の化学的改変および置換を包含し得る。化学的改変の例は、当業者に公知であり、そして例えば、Uhlmann Eら(1990)Cliem Rev 90:543;「Protocols for Oligonucleotides and Analogs」,Synthesis and Properties & Synthesis and Analytical Techniques,S.Agrawal編,Humana Press,Totowa,USA 1993;Crooke STら(1996)Annu Rev Pharmacol Toxicol 36:107−129;およびHunziker Jら(1995)Mod Synth Methods 7:331−417に記載される。本発明によるオリゴヌクレオチドは、1つ以上の改変を含み得、各改変は、天然のDNAまたはRNAから構成される同じ配列のオリゴヌクレオチドと比較して、特定のヌクレオシド間ホスホジエステル結合および/または特定のβ−D−
リボース単位および/または特定の天然ヌクレオシド塩基位置に位置する。
【0065】
例えば、本発明は、1つ以上の改変を含み得かつ各改変が、
a)その糖リン酸骨格からの糖リン酸単位を別の単位によって置換すること、
b)β−D−リボース単位を改変糖単位により置換すること、および
c)天然ヌクレオシド塩基を改変ヌクレオシド塩基により置換すること、
から独立して選択される、オリゴヌクレオチドに関する。
【0066】
そのオリゴヌクレオチドの化学的改変のより詳細な例は、以下の通りである。
【0067】
糖リン酸骨格からの糖リン酸単位(すなわち、一緒になって糖リン酸単位を形成するβ−D−リボースおよびヌクレオシド間ホスホジエステル架橋)(すなわち、糖リン酸骨格は糖リン酸単位から構成されている)は、別の単位によって置換され得、ここで、他の単位は、例えば、「ホルホリノ誘導体」オリゴマー(例えば、Stirchak EPら(1989)Nucleic Acids Res 17:6129−41に記載される)を構成するのに適切である(すなわち、例えば、ホルホリノ誘導体単位による置換)か、またはポリアミド核酸(「PNA」、Nielsen PEら(1994)Bioconijug Chem 5:3−7に記載される)を構成するのに適切である(すなわち、PNA骨格単位(例えば、2−アミノエチルグリシン)による置換)。
【0068】
β−リボース単位またはβ−D−2’−デオキシリボース単位は、改変糖単位によって置換され得、この改変糖単位は、例えば、β−D−リボース、α−D−2’−デオキシリボース、L−2’−デオキシリボース、2’−F−2’−デオキシリボース、2’−O−(C〜C)アルキル−リボース(好ましくは、2’−O−(C〜C)アルキルリボースは、2’−O−メチルリボースである)、2’−O−(C〜C)アルケニル−リボース、2’−[O−(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキル]−リボース、2’−NH−2’−デオキシリボース、β−D−キシロ−フラノース、α−アラビノフラノース、2,4−ジデオキシ−β−D−エリスロ−ヘキソ−ピラノース、および炭素環式糖アナログ(例えば、Froehler J(1992)Am Chem Soc 114:8320に記載される)および/または鎖状糖アナログ(例えば、Vandendriesscheら(1993)Tetrahedron 49:7223に記載される)および/またはビシクロ糖アナログ(例えば、Tarkov Mら(1993)Helv Chim Acta 76:481に記載される)から選択される。
【0069】
天然ヌクレオシドは、改変ヌクレオシド塩基によって置換され得、その改変ヌクレオシド塩基は、例えば、ヒポキサンチン、ウラシル、ジヒドロウラシル、プソイドウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−アミノウラシル、5−(C〜C)−アルキルウラシル、5−(C〜C)−アルケニルウラシル、5−(C〜C)−アルキニルウラシル、5−(ヒドロキシメチル)ウラシル、5−クロロウラシル、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−ヒドロキシシトシン、5−(C〜C)−アルキルシトシン、5−(C〜C)−アルケニルシトシン、5−(C〜C)−アルキルシトシン、5−クロロシトシン、5−フルオロシトシン、5−ブロモシトシン、N−ジメチルグアノシン、2,4−ジアミノ−プリン、8−アザプリン、置換7−デアザプリン(好ましくは、7−デアザ−7置換プリンおよび/もしくは7−デアザ−8置換プリン)、または天然ヌクレオシド塩基の他の改変から選択される。このリストは、例示であるようになっており、限定するものと解釈されるべきではない。
【0070】
本明細書中で使用される場合、「免疫刺激核酸(immune stimulatory nucleic acid)」および等価には「免疫刺激核酸(immunostimulatory nucleic acid)」は、免疫系の細胞の機能的局面を誘導する能力によって特徴付けられる、リボヌクレオ核酸またはデオキシリボ核酸、それらの誘導体もしくはアナログを指す。免疫系の細胞のそのような機能的局面としては、例えば、サイトカインもしくはケモカインの加工(elaboration)、細胞表面マーカーの発現、抗体の分泌、または抗原もしくは抗原保有膜結合標的に応答した他の活性もしくは抗原もしくは抗原保有膜結合標的に対する他の活性が挙げられる。
【0071】
本発明における使用のために、本発明の核酸は、当該分野で周知の多数の手順のいずれか、例えば、β−シアノエチルホスホロアミダイト法(Beaucage SLおよびCaruthers MH(1981)Tetrahedron Lett 22:1859);およびヌクレオシドH−ホスホネート法(Gareggら(1986)Tetrahedron Lett 27:4051−4;Froehlerら(1986)Nucl Acid Res 14:5399−407;Gareggら(1986)Tetrahedron Lett 27:4055−8;Gaffneyら(1988)Tetrahedron Lett 29:2619−22)を使用して、新規に合成され得る。これらの化学物質は、市場において入手可能な種々の自動核酸合成機によって実施され得る。これらの核酸は、合成核酸と呼ばれる。あるいは、本発明の核酸は、プラスミド中にて大規模に生成され得(Sambrook Tら,「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York,1989を参照のこと)、そしてより小さい片へと分離され得るか、または全体として投与され得る。核酸は、公知技術(例えば、制限酵素、エキソヌクレアーゼ、またはエンドヌクレアーゼを使用する技術)を使用して、既存の核酸配列(例えば、ゲノム配列またはcDNA配列)から調製され得る。このようにして調製された核酸は、単離された核酸と呼ばれる。単離された核酸とは、一般的には、天然で通常関連している成分から分離された、核酸を指す。例として、単離された核酸は、細胞から分離された核酸、核から分離された核酸、ミトコンドリアから分離された核酸、またはクロマチンから分離された核酸であり得る。本発明の組み合わせモチーフ核酸は、合成した組み合わせモチーフ核酸および単離された組み合わせモチーフ核酸の両方を包含する。
【0072】
インビボ用途のために、この組み合わせモチーフ免疫刺激核酸は、必要に応じて、分解に対して比較的耐性であり得る(例えば、安定化されている)。「安定化された核酸分子」とは、インビボでの分解(例えば、エキソヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼ)に対して比較的耐性である、核酸分子を意味する。核酸安定化は、リン酸骨格改変を介して達成され得る。本発明の好ましい安定化された核酸は、改変された骨格を有する。この核酸骨格の改変は、インビボで投与された場合のこの組み合わせモチーフ免疫刺激核酸の活性の増加を提供する。いくつかの場合、ホスホロチオエート結合を有する組み合わせモチーフ免疫刺激核酸は、最大の活性を提供し、そして細胞内エキソヌクレアーゼおよび細胞内エンドヌクレアーゼによる分解からその核酸を保護する。他の改変された核酸としては、改変されたホスホジエステル核酸、ホスホジエステル核酸とホスホロチオエート核酸の組み合わせ(すなわち、キメラ)、メチルホスホネート、メチルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、p−エトキシ、およびそれらの組み合わせが、挙げられる。
【0073】
改変された骨格(例えば、ホスホロチオエート)は、ホスホロアミデート化学またはH−ホスホネート化学のいずれかを使用する自動技術を使用して、合成され得る。アリール−ホスホネートおよびアルキル−ホスホネートは、例えば、米国特許第米国特許4,469,863号に記載されるようにして、生成され得る;そしてアルキルホスホトリエステル(米国特許第5,023,243号および欧州特許第092,574号に記載されるように、荷電した酸素部分が、アルキル化されている)は、市販の試薬を使用して、自動固相合成によって調製され得る。他のDNA骨格の改変および置換を行うための方法は、記載されている。Uhlmann E and Peyman A(1990)Chem Rev 90:544;Goodchild J(1990)Bioconjugate Chem 1:165。
【0074】
他の安定化された核酸としては、非イオン性DNAアナログ(例えば、アルキル−ホスフェートおよびアリール−ホスフェート(荷電した酸素が、アルキル基またはアリール基により置換されている)、ホスホジエステルおよびアルキルホスホジエステル(荷電した酸素部分が、アルキル化されている)が、挙げられる。いずれかの末端または両方の末端にジオール(例えば、テトラエチレングリコールまたはヘキサエチレングリコール)を含む核酸もまた、ヌクレアーゼ分解に対して実質的に抵抗性であることが示されている。
【0075】
他の実施形態において、この免疫刺激核酸は、ホスホジエステル骨格またはキメラ(例えば、ソフト(soft)またはセミソフト(semi−soft)な)骨格を有し得る。キメラ骨格としては、ホスホジエステル骨格結合と改変された骨格結合との組み合わせが挙げられる。例えば、キメラオリゴヌクレオチドは、ソフトなオリゴヌクレオチドであっても、またはセミソフトなオリゴヌクレオチドであってもよい。
【0076】
ソフトなオリゴヌクレオチドは、部分的に安定化された骨格を有する免疫刺激オリゴヌクレオチドであり、その骨格において、ヌクレオシド間ホスホジエステル結合またはヌクレオシド間ホスホジエステル様結合が、少なくとも1つの内部ピリミジンヌクレオシド−グアノシン(YG)ジヌクレオチドの内部およびそのすぐ隣接した位置のみにしか存在しない。その少なくとも1つの内部YGジヌクレオチド自体は、ヌクレオシド間ホスホジエステル結合またはヌクレオシド間ホスホジエステル様結合を有する。少なくとも1つの内部YGジヌクレオチドにすぐ隣接して存在するヌクレオシド間ホスホジエステル結合またはヌクレオシド間ホスホジエステル様結合は、その少なくとも1つの内部YGジヌクレオチドの5’側、3’側、または5’側および3’側の両方にあり得る。好ましくは、その少なくとも1つの内部YGジヌクレオチドにすぐ隣接して存在するヌクレオシド間ホスホジエステル結合またはヌクレオシド間ホスホジエステル様結合自体が、内部ヌクレオシド結合である。従って、配列NYGN(NおよびNは各々、互いに対して独立している、任意の単一ヌクレオチドである)について、このYGジヌクレオチドは、ホスホジエステル結合またはホスホジエステル様結合を有し、そしてさらに、(a)Nが内部ヌクレオチドである場合に、NおよびYが、ホスホジエステル結合またはホスホジエステル様結合によって結合しているか、(b)Nが内部ヌクレオチドである場合に、GおよびNが、ホスホジエステル結合またはホスホジエステル様結合によって結合しているか、あるいは(c)Nが内部ヌクレオチドである場合に、NおよびYが、ホスホジエステル結合またはホスホジエステル様結合によって結合しており、かつNが内部ヌクレオチドである場合に、GおよびNが、ホスホジエステル結合またはホスホジエステル様結合によって結合している。
【0077】
セミソフトなオリゴヌクレオチドとは、部分的に安定化された骨格を有する免疫刺激オリゴヌクレオチドであり、その骨格において、ヌクレオシド間ホスホジエステル結合またはヌクレオシド間ホスホジエステル様結合が、少なくとも1つの内部ピリミジンヌクレオシド−グアノシン(YG)ジヌクレオチドの内部のみにしか存在しない。セミソフトなオリゴヌクレオチドは、完全に安定化された骨格を有する免疫刺激オリゴヌクレオチドを上回る多数の利点を有し得る。例えば、セミソフトなオリゴヌクレオチドは、対応する完全に安定化された免疫刺激オリゴヌクレオチドと比較して増加した免疫刺激能力を有し得る。
【0078】
この免疫刺激核酸は、免疫応答を誘導するため、または免疫関連疾患(例えば、感染症、癌、およびアレルギー障害)を処置するために、被験体を処理するために使用され得る。本明細書中で使用される場合、「被験体」とは、ヒトまたは脊椎動物(イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、サル、ウサギ、ラット、マウスなどが挙げられるが、これらに限定されない)を指す。
【0079】
本明細書中で使用される場合、用語「処置する」、「処置」、および「処置された」とは、疾患の発症に対する被験体の抵抗性を増加させる予防処置、または換言すると、その被験体が疾患を発症する可能性を減少させるかもしくはその疾患の発症を遅延させる予防処置、ならびにその被験体がその疾患を発症した後にその疾患と闘病するため(例えば、その疾患を減少させるかもしくはその疾患を全く排除するか、またはその疾患が悪化するのを防ぐため)の処置を指す。例えば、感染症の処置に関して使用される場合、この用語は、微生物に対する被験体の抵抗性を増加させる予防処置、または換言すると、その被験体がその微生物に対する感染症を発症する可能性を減少させる予防処置、ならびにその被験体が感染した後にその感染症と闘病するため(例えば、その感染症を減少させるかもしくはその感染症を全く排除するか、またはその感染症が悪化するのを防ぐため)の処置を指す。癌のような疾患に関して使用される場合、この用語は、癌の発症の予防または癌の発症の遅延、癌の症状の低減、および/あるいは確立された癌の増殖を阻害または遅延させることを指す。
【0080】
従って、この核酸は、感染性生物による感染症を発症するリスクがある被験体またはアレルギー障害もしくは癌を発症するリスクがある被験体の免疫を誘導するための予防薬として有用である。本明細書中で使用される「リスクがある被験体」とは、感染症を引き起こす感染性病原体に対する曝露、アレルゲンに対する曝露、または癌の発症についての何らかのリスクを有する被験体である。例えば、リスクがある被験体は、特定の型の感染因子またはアレルゲンが見出されている領域に旅行しようと計画している被験体であり得る。またはリスクがある被験体は、生活様式または医療手順を会して、感染生物を含み得る体液に曝露されている被験体であり得る。またはリスクが被験体は、感染生物もしくはアレルゲンが同定されている領域に生活しておりそして感染因子もしくはアレルゲンに直接曝露されるすべての被験体でさえあり得る。リスクがある被験体はまた、軍人のような細菌戦のリスクがある被験体またはテロリストによる攻撃の危険がある領域に住んでいる被験体でもあり得る。感染症を発症するリスクがある被験チアはまた、特定の感染生物抗原によるワクチン接種を医療機関が推奨する一般的集団を包含する。その抗原がアレルゲンでありその被験体がその特定の抗原に対してアレルギー性応答を発生し、そしてその被験体がその抗原に対して曝露される場合(すなわち、花粉の季節の間)、その被験体は、その抗原に対する曝露のリスクがある。癌を発症するリスクがある被験体は、癌についての遺伝的素因を有するかまたは以前に癌について処置された被験体、ならびに発癌物質(例えば、タバスコ、アスベスト、および他の化学的毒素もしくは過剰な日光および他の型の放射線)に対して曝露される被験体を包含する。この核酸はまたは、感染症、癌、およびアレルギー障害の処置における治療剤として有用である。
【0081】
「感染症を有する被験体」とは、感染性病原体に曝露されておりかつ身体において急性もしくは慢性の検出可能なレベルのその病原体を有する、被験体である。この核酸は、単独でか、または他の治療剤(例えば、抗原もしくは抗微生物医薬)とともに、その感染性病原体のレベルを減少可能であるかもしくはその感染性病原体を根絶可能である、免疫応答を惹起するために使用され得る。この方法は、感染症を有する被験体もしくは感染症を発症するリスクがある被験体に、その感染症を処置するに有効な量の本発明の組み合わせモチーフ免疫刺激核酸を、投与する工程を包含する。この方法は、ヒト被験体および非ヒト脊椎動物被験体において、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、および寄生生物感染症を処置するために使用され得る。
【0082】
本明細書中で使用される場合、「感染症」および等価には「感染性疾患」とは、被験体の身体において外来微生物の存在から生じる疾患を指す。外来微生物とは、ウイルスでも、細菌でも、真菌でも、寄生生物でもあり得る。
【0083】
感染性ウイルスの例としては、レトロウイルス科(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(例えば、HIV−1(TLV−III、LAVもしくはHTLV−III/LAV、もしくはHIV−IIIとも呼ばれる);および他の単離株(例えば、HIV−LP));ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス;エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、リノウイルス、エコーウイルス);カルシウイルス科(例えば、胃腸炎を引き起こす株);トガウイルス科(例えば、ウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス);フラビウイルス(例えば、デング熱ウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス);コロナウイルス科(例えば、コロナウイルス);ラブドウイルス科(例えば、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス);フィロウイルス科(例えば、エボラウイルス);パラミクソウイルス科(例えば、パラインフルエンザウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、RSウイルス);オルソミクソウイルス科(例えば、インフルエンザウイルス);ブンヤウイルス科(例えば、ハンターンウイルス、ブンガウイルス、フレボウイルスおよびナイロウイルス);アレナウイルス科(出血熱ウイルス);レオウイルス科(例えば、レオウイルス、オルビウイルスおよびロタウイルス);ビルナウイルス科のメンバー;ヘパドナウイルス科のメンバー(B型肝炎ウイルス);パルボウイルス科(パルボウイルス);パポバウイルス科(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス);アデノウイルス科(ほとんどのアデノウイルス);ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルス(HSV)1および単純ヘルペスウイルス2、水痘−帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスウイルス);ポックスウイルス科(痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス);およびイリドウイルス科(例えば、アフリカ豚コレラウイルス);ならびに未分類のウイルス(例えば、海綿状脳障害の病因因子、デルタ型肝炎の病因因子(B型肝炎ウイルスの欠損サテライトであると考えられる)、非A型非B型肝炎の病因因子(クラス1=内部感染型;クラス2=非経口感染型(すなわち、C型肝炎ウイルス);ノーウォークウイルスおよび関連ウイルス、ならびにアストロウイルス)が挙げられる。
【0084】
感染性細菌の例としては、Actinomyces israelii、Bacillus anthracis、Bacteroides spp.、Borrelia burgdorferi、Chlamydia trachomatis、Clostridium perfringens、Clostridium tetani、Corynebacterium diphtheriae、Corynebacterium spp.、Enterobacter aerogenes、Enterococcus sp.、Erysipelothrix rhusiopathiae、Fzsobacterium nucleatum、Haemophilus influenzae、Helicobacter pyloris、Klebsiella pneumoniae、Legionella pneumophilia、Leptospira、Listeria monocytogenes、Mycobacteria spp.(例えば、M.tuberculosis、M.avium、M.intracellulare、M.kansasii、M.gordonae)、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Pasturella multocida、病原性Campylobacter sp.、Staphylococcus aureus、Streptobacillus moniliformis、Streptococcus(anaerobic spp.)、Streptococcus(viridans型)、Streptococcus agalactiae(B群連鎖球菌)、Streptococcus bovis、Streptococcus faecalis、Streptococcus pneulmoniae、Streptococcus pyogenes(A群連鎖球菌)、Treponema pallidiumおよびTreponema pertenueが挙げられる。
【0085】
感染性真菌の例としては、Candida albicans、Cryptococcus neoformans、Histoplasma capsulatum、Coccidioides inmmitis、およびBlastomyces dermatitidisが挙げられる。
【0086】
他の感染性生物(すなわち、原生生物)としては、Plasmodium spp.(例えば、Plasmodium falciparum、Plasmodium malariae、Plasmodium ovale、およびPlasmodium vivax)、ならびにToxoplasma gondiiが挙げられる。血液媒介(Blood−borne)寄生生物および/または組織寄生生物としては、Plasmodium spp.、Babesia microti、Babesia divergens、Leishmania tropica、Leishmania spp.、Leishmania braziliensis、Leishmania donovani、Trypanosoma gambienseおよびTrypanosoma rhodesiense(アフリカ睡眠病)、Trypanosoma cruzi(シャーガス病)およびToxoplasma gondiiが挙げられる。
【0087】
ウイルス、細菌、真菌、および他の感染性生物ついての上記のリストは、例示であって限定ではないことが理解される。他の医学的関連する微生物が、文献に広範に記載されている。例えば、C.G.A Thomas、Medical Microbiology,Bailliere Tindall,Great Britain 1983(その内容全体が、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0088】
上記の微生物の多くはヒト障害に関連するが、本発明は、非ヒト脊椎動物を処置するためにも有用である。非ヒト脊椎動物はまた、本明細書中に開示される免疫核酸を用いて予防または処置され得る感染症を発症可能である。例えば、感染性ヒト疾患の処置に加えて、本発明の方法は、動物の感染症を処置するために有用である。
【0089】
ヒトおよび非ヒト脊椎動物の感染性ウイルスとしては、レトロウイルス、RNAウイルスおよびDNAウイルスが挙げられる。この群のレトロウイルスとしては、単純レトロウイルスおよび複合レトロウイルスの両方が挙げられる。単純レトロウイルスとしては、B型レトロウイルス亜群、C型レトロウイルス亜群、およびD型レトロウイルス亜群が挙げられる。B型レトロウイルスの例は、マウス乳腺癌ウイルス(MMTV)である。C型レトロウイルスの例としては、C型A群亜群(ラウス肉腫ウイルス(RSV)、鳥類白血病ウイルス(ALV)および鳥類骨髄芽球症ウイルス(AMV)を含む)、ならびにC型B群亜群(ネコ白血病ウイルス(FeLV)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)、ヒツジ壊死ウイルス(SNV)、細網内皮症ウイルス(RV)およびサル肉腫ウイルス(SSV)を含む)が挙げられる。D型レトロウイルスとしては、マソン−ファイザーウイルス(MPMV)およびサルレトロウイルス1型(SRV−1)が挙げられる。複合レトロウイルスとしては、レンチウイルス亜群、T細胞白血病ウイルス亜群、および泡沫状ウイルス亜群が挙げられる。レンチウイルスとしては、HIV−1が挙げられ、またHIV−2、SIV、ビスナウイルス、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、およびウマ感染性貧血ウイルス(EIAV)も挙げられる。T細胞白血病ウイルスとしては、HTLV−1、HTLV−II、サルT細胞白血病ウイルス(STLV)、およびウシ白血病ウイルス(BLV)が挙げられる。泡沫状ウイルスとしては、ヒト泡沫状ウイルス(HFV)、サル泡沫状ウイルス(SFV)およびウシ泡沫状ウイルス(BFV)が挙げられる。
【0090】
脊椎動物における感染性因子である他のRNAウイルスの例としては、レオウイルス科のメンバー(オルトレオウイルス属(哺乳動物レトロウイルスおよび鳥類レトロウイルスの両方の複数の血清型)、オルビウイルス属(ブルータングウイルス、ユージナンジー(Eugenangee)ウイルス、ケメロボ(Kemerovo)ウイルス、アフリカウマ病ウイルスおよびコロラドダニ熱ウイルス)、ロタウイルス属(ヒトロタウイルス、ネブラスカ子ウシ下痢ウイルス、サルロタウイルス、ウシロタウイルスもしくはヒツジロタウイルス、鳥類ロタウイルス)を含む);ピコルナウイルス科のメンバー(エンテロウイルス属(ポリオウイルス、コクサッキーウイルスAおよびコクサッキーウイルスB、エコー(enteric cytopathic human orphan)(ECHO)ウイルス、A型肝炎ウイルス、サルエンテロウイルス、マウス脳脊髄炎(ME)ウイルス、Poliovirus muris、ウシエンテロウイルス、ブタエンテロウイルス、カーディオウイルス属(脳心筋炎ウイルス(EMC)、メンゴウイルス)、リノウイルス属(ヒトリノウイルス属(少なくとも113個の亜型を含む;他のリノウイルス)、アフトウイルス(口蹄疫ウイルス(FMDV))を含む);カルシウイルス科のメンバー(ブタ小水疱性発疹ウイルス、サンミグエルアザラシウイルス、ネコピコルナウイルスおよびノーウォークウイルスを含む);トガウイルス科のメンバー(アルファウイルス属(東部ウマ脳脊髄炎ウイルス、セムリキ森林ウイルス、シンドビスウイルス、チクングニヤウイルス、オニョンニョン熱ウイルス、ロス川ウイルス、ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス、西部ウマ脳脊髄炎ウイルス)、フラビウイルス属(蚊媒介性黄熱病ウイルス、デング熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、マリーバレー脳炎ウイルス、西ナイルウイルス、クンジンウイルス、中部ヨーロッパダニ媒介性脳炎ウイルス、極東ダニ媒介性脳炎ウイルス、キャサヌール森林病ウイルス、跳躍病ウイルス、ポーワッサンウイルス、オムスク出血熱ウイルス)、ルビウイルス属(風疹ウイルス)、ペスチウイルス属(粘膜病ウイルス、豚コレラウイルス、ボーダーウイルス)を含む);ブンヤウイルス科のメンバー(ブンヤウイルス属(ブンヤムウェラ熱ウイルスおよび関連ウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス群)、フレボウイルス属(サシチョウバエ熱シチリア(Sandfly fever Sicilian)ウイルス、リフトバレー熱ウイルス)、ナイロウイルス属(クリミア−コンゴ出血熱ウイルス、ナイロビヒツジ病ウイルス)、およびウウクウイルス(Uukuvirus)属(ウウクウイルス(Uukuniemi)ウイルスおよび関連ウイルス)を含む);オルトミクソウイルス科のメンバー(インフルエンザウイルス属(インフルエンザウイルスA型、多くのヒト亜型);ブタインフルエンザウイルス、および鳥類インフルエンザウイルスおよびウマインフルエンザウイルス;インフルエンザウイルスB型(多くのヒト亜型)、およびインフルエンザウイルスC型(可能な別の属)を含む);パラミクソウイルス科のメンバー(パラミクソウイルス属(パラミクソウイルス1型、センダイウイルス、血球吸着性ウイルス(Hemadsorption virus)、パラインフルエンザウイルス2型〜5型、ニューカッスル病ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス)、麻疹ウイルス属(麻疹ウイルス、亜急性硬化性汎脳炎ウイルス、ジステンパーウイルス、牛疫ウイルス)、肺炎ウイルス属(RSウイルス(RSV)、ウシの呼吸器性シンシチアルウイルスおよび肺炎ウイルス)を含む);ラブドウイルス科のメンバー(ベシクロウイルス属(VSV)、チャンディプラ(Chandipura)、フランダース−ハートパーク(Flanders−Hart Park)ウイルス)、リッサウイルス属(狂犬病ウイルス)、魚類ララブドウイルス、および2種の有望なラブドウイルス(マルブルクウイルスおよびエボラウイルス)を含む);アレナウイルス科のメンバー(リンパ球脈絡髄膜炎ウイルス(LCM)、タカリベウイルス複合体(complex)、およびラッサ熱ウイルスを含む);コロナウイルス科のメンバー(伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、肝炎ウイルス、ヒト腸管コロナウイルス(Human enteric corona virus)、およびネコ伝染性腹膜炎ウイルス(ネココロナウイルスを含む)が、挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
脊椎動物における感染性因子である例示的DNAウイルスとしては、ポックスウイルス科(オルトポックスウイルス属(大痘瘡ウイルス、小痘瘡ウイルス、サル痘ワクシニアウイルス、牛痘ウイルス、水牛痘ウイルス、家兎痘ウイルス、エクトロメリアウイルス)、レポリポックスウイルス属(粘液腫症ウイルス、線維腫ウイルス)、アヴィポックスウイルス属(鶏痘ウイルス、他の鳥類ポックスウイルス)、カプリポックスウイルス属(羊痘ウイルス、ヤギ痘ウイルス)、スイポックスウイルス属(豚痘ウイルス)、パラポックスウイルス属(感染性膿疱性皮膚炎ウイルス、偽牛痘ウイルス、ウシ丘疹性口内炎ウイルス)を含む);イリドウイルス科(アフリカ豚コレラウイルス、カエルウイルス2型およびカエルウイルス3型、魚類リンパ嚢腫病ウイルス);ヘルペスウイルス科、アルファ−ヘルペスウイルス(単純疱疹ウイルス1型および2型、水痘−帯状疱疹ウイルス、ウマ流産ウイルス、ウマヘルペスウイルス2型および3型、仮性狂犬病ウイルス、ウシ伝染性角膜炎ウイルス、ウシ伝染性鼻気管炎ウイルス、ネコ鼻気管炎ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス)、ベータ−ヘルペスウイルス(ヒトサイトメガロウイルス、ブタサイトメガロウイルスおよびサルサイトメガロウイルス);ガンマ−ヘルペスウイルス(エプスタイン−バーウイルス(EBV)、マレク病ウイルス、Herpes saimiri、Herpesvirus ateles、Helpesvirus sylvilagus、モルモットヘルペスウイルス、リュッケ癌ウイルス)を含む);アデノウイルス科(マストアデノウイルス属(ヒト亜群A、B、C、D、Eおよび未分類型;サルアデノウイルス(少なくとも23個の血清型)、イヌ伝染性肝炎ウイルス、およびウシアデノウイルス、ブタアデノウイルス、ヒツジアデノウイルス、カエルアデノウイルス、および他の多くの種のアデノウイルス)、アヴィアデノウイルス属(鳥類アデノウイルス);および培養不可能な(non−cultivatable)アデノウイルスを含む);パポバウイルス科(乳頭腫ウイルス属(ヒト乳頭腫ウイルス、ウシ乳頭腫ウイルス、ショープウサギ乳頭腫ウイルス、および他の種の種々の病原体乳頭腫ウイルス)、ポリオーマウイルス属(ポリオーマウイルス、サル空胞形成ウイルスNo.40(SV−40)、ウサギ空胞形成ウイルス(RKV)、Kウイルス、BKウイルス、JCウイルス、および他の霊長類ポリオーマウイルス(リンパ腫(Lymphotrophic)乳頭腫ウイルス)を含む);パルボウイルス科(アデノ随伴ウイルス属、パルボウイルス属(ネコ白血病(panleukopenia)ウイルス、ウシパルボウイルス、イヌパルボウイルス、アリューシャンミンク病ウイルスなど)を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。最後に、DNAウイルスとしては、上記の科に適合しないウイルス(例えば、クールーウイルスおよびクロイツフェルト−ヤーコプ病ウイルス、ならびに慢性感染性神経障害因子(chronic infectious neuropathic agent)(CHINAウイルス))であり得る。
【0092】
この核酸は、抗微生物剤とともに被験体に投与され得る。本明細書中で使用される場合、抗微生物剤とは、感染性微生物を死滅可能または阻害可能である、天然に存在する化合物、合成化合物、もしくは半合成化合物をさす。本発明に従って有用な抗微生物剤の型は、その被験体が感染しているかまたは感染するリスクがある、微生物の型に依存する。抗微生物剤としては、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、および抗寄生生物剤が挙げられるが、これらに限定されない。「抗感染性因子」、「抗細菌剤」、「抗ウイルス剤」、「抗真菌剤」、「抗寄生生物剤」および「殺寄生生物薬」のような句は、当業者にとって十分に確立された意味を有し、そしてこれらの句は、標準的な医学の教科書にて規定されている。簡単に述べると、抗細菌剤は、細菌を死滅または阻害する。抗細菌剤としては、抗生物質、ならびに類似する機能を有する他の合成化合物もしくは天然化合物が挙げられる。抗生物質とは、細胞(例えば、微生物)による二次代謝物として生成される低分子量分子である。一般的には、抗生物質は、その微生物に特異的でありかつ宿主細胞中には存在しない、1つ以上の細菌機能もしくは細菌構造を妨害する。抗ウイルス剤は、天然供給源から単離され得るかまたは合成され得る。抗ウイルス剤は、ウイルスを死滅または阻害するために有用である。抗真菌剤は、表面真菌感染症ならびに日和見真菌感染症および現発性全身真菌感染症を処置するために使用される。抗寄生生物剤は、寄生生物を死滅または阻害する。
【0093】
抗細菌剤は、細菌を死滅させるか、または細菌の増殖もしくは機能を阻害する。抗細菌剤の大きな種類は、抗生物質である。広範な細菌を死滅または阻害するのに有効である抗生物質は、広域抗生物質と呼ばれる。他の型の抗生物質は、グラム陽性である種類の細菌またはグラム陰性である種類の細菌に対して主に有効である。これらの型の抗生物質は、狭域抗生物質と呼ばれる。単一の生物または疾患に対して有効であり他の型の細菌に対しては有効ではない他の抗生物質は、限定域抗生物質と呼ばれる。抗細菌剤は、時に、その主要作用様式に基づいて分類される。一般的に、抗細菌剤は、細胞壁合成インヒビター、細胞膜インヒビター、タンパク質合成インヒビター、核酸合成インヒビターもしくは核酸機能インヒビター、および競合インヒビターである。
【0094】
抗ウイルス剤は、ウイルスによる細胞関連を防ぐかまたは細胞内でのウイルス複製を防ぐ、化合物である。抗細菌剤よりはかなり少ない抗ウイルス剤が存在する。なぜなら、ウイルス複製プロセスは、宿主におけるDNA複製と非常に関連しており、非特異的抗ウイルス剤は、その宿主にとってしばしば毒性であるからである。抗ウイルス剤によって遮断または阻害され得るいくつかの段階が、ウイルス感染プロセス中に存在する。これらの段階としては、宿主細胞へのウイルスの付着(免疫グロブリンまたは結合ペプチドによって遮断または阻害され得る)、ウイルスの脱被膜(例えば、アマンタジンによって遮断または阻害され得る)、ウイルスmRNAの合成もしくは翻訳(例えば、インターフェロンによって遮断または阻害され得る)、ウイルスRNAもしくはDNAの複製(例えば、ヌクレオシドアナログによって遮断または阻害され得る)、新規なウイルスタンパク質の成熟(例えば、プロテアーゼインヒビターによって遮断または阻害され得る)、ならびにウイルスの出芽および放出が、挙げられる。
【0095】
ヌクレオチドアナログは、ヌクレオチドと類似するが、不完全であるかもしくは異常なデオキシリボース基もしくはリボース基を有する、合成化合物である。一旦そのヌクレオチドアナログが細胞中に存在すると、そのヌクレオチドアナログは、リン酸化され、清浄なヌクレオチドがウイルスDNAもしくはウイルスRNA中に取り込まれるのと競合する、トリホスフェート形態を生成する。一旦そのヌクレオチドアナログのトリホスフェート形態が、伸長中の核酸鎖に取り込まれると、そのヌクレオチドアナログのトリホスフェート形態は、ウイルスポリメラーゼとの不可逆的会合を引き起こし、そのようにして鎖終結を引き起こす。ヌクレオチドアナログとしては、アシクロビル(単純疱疹ウイルスおよび水痘−帯状疱疹ウイルスの処置のために使用される)、ガンシクロビル(サイトメガロウイルスの処置のために有用である)、イドクスウリジン、リバビリン(RSウイルスの処置のために有用である)、ジデオキシイノシン、ジデオキシシチジン、およびジドブジン(アジドチミジン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
抗真菌剤は、感染性真菌の処置および予防のために有用である。抗真菌剤は、時には、その作用機構によって分類される。いくつかの抗真菌剤は、グルコースシンターゼを阻害することによって細胞壁インヒビターとして機能する。これらとしては、バシウンジン(basiungin)/ECBが挙げられるが、これらに限定されない。他の抗真菌剤は、膜完全性を破壊することによって機能する。これらとしては、イミダゾール類(例えば、クロトリマゾール、セルタコンゾール(sertaconzole)、フルコナゾール(fluconazole)、イトラコナゾール(itraconazole)、ケトコナゾール、ミコナゾールおよびボリコナコール(voriconacole)ならびにFK463、アンホテリシンB、BAY38−9502、MK991、プラジミシン(pradimicin)、UK 292、ブテナフィン(butenafine)およびテルビナフィン(terbinafine)が挙げられるが、これらに限定されない。他の抗真菌剤は、キチンを破壊することによって機能する(例えば、キチナーゼ)か、または免疫抑制によって機能する(501クリーム)。
【0097】
この免疫刺激核酸は、単独でか、または抗癌療法と組み合わせて、癌の処置のために使用され得る。この方法は、癌を有する被験体または癌を発症するリスクがある被験体に、癌を処置するに有効な量の本発明の組み合わせ免疫刺激核酸を投与する工程を包含する。
【0098】
「癌を有する被験体」とは、検出可能な癌性細胞を有する被験体である。この癌は、悪性癌であっても、非悪性癌であってもよい。癌または腫瘍としては、胆管癌、脳の癌、乳癌、子宮頸部癌(cervical cancer)、絨毛癌、結腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、上皮内新生物、リンパ腫、肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌および非小細胞肺癌)、黒色腫、神経芽細胞腫、口腔癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、肉腫、皮膚癌、精巣癌、甲状腺癌、および腎臓癌、ならびに他の癌腫および肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。1実施形態において、この癌は、ヘアリーセル白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚T細胞白血病、多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫、悪性骨髄腫、扁平上皮癌、腎臓細胞癌腫、前立腺癌腫、膀胱細胞癌腫、または結腸癌腫である。
【0099】
癌は、コンパニオンアニマル(companion animal)(すなわち、ネコおよびイヌ)における主要な死亡原因のうちの1つである。イヌおよびネコにおいて一般的に診断される悪性障害としては、リンパ肉腫、骨肉腫、乳腺癌、肥満細胞腫、脳腫瘍、黒色腫、腺扁平上皮癌、肺カルチノイド、気管支腺腫、細気管支癌、線維腫、粘液軟骨腫、肺肉腫、神経肉腫、骨腫、乳頭腫、網膜芽細胞腫、ユーイング肉腫、ウィルムス腫瘍、バーキットリンパ腫、神経膠細胞腫、神経芽細胞腫、骨巨細胞腫、口腔新形成、線維肉腫、骨肉腫および横紋筋肉腫があげられるが、これらに限定さらない。イヌにおける他の新生物としては、生殖器扁平上皮癌、伝染性性病腫瘍、精巣腫瘍、セミノーマ、セルトーリ細胞腫、血管周囲細胞腫、組織球腫、緑色腫(顆粒球性肉腫)、角膜乳頭腫、角膜扁平上皮癌、血管肉腫、胸膜中皮腫、基底細胞腫瘍、胸腺腫、胃腫瘍、副腎癌腫、口腔乳頭腫症、血管内皮腫および嚢胞腺腫があげられる。ネコにおけるさらなる悪性腫瘍としては、濾胞性リンパ腫、腸リンパ肉腫、線維肉腫および肺扁平上皮癌が挙げられる。常に人気のある屋内ペットであるフェレットは、インスリノーマ、リンパ腫、肉腫、神経腫、ランゲルハンス島細胞腫瘍、胃MALTリンパ腫および胃腺癌を発症することが公知である。
【0100】
この免疫刺激核酸はまた、抗癌療法と組み合わせて投与され得る。抗癌療法としては、癌治療薬、放射線、および外科手術が挙げられる。本明細書中で使用される場合、「癌治療薬」とは、癌を処置するために被験体に投与される薬剤を指す。癌の処置のための種々の型の医薬が、本明細書中に記載される。本明細書の目的のためには、癌治療薬は、化学療法剤、免疫治療剤、癌ワクチン、ホルモン療法、および生物学的応答改変剤として分類される。
【0101】
免疫療法剤(例えば、モノクローナル抗体)と組み合わせた免疫刺激核酸の使用は、多数の機構(抗体依存性細胞傷害(ADCC)の有意な増強、NK細胞の活性化、およびIFN−αレベルの増加が挙げられる)を介して長期生存を増加可能である。ADCCは、細胞標的(例えば、癌細胞)に特異的な抗体と組み合わせて免疫抑制拡散を使用することによって、実施される。この免疫刺激核酸がその抗体と組み合わせて被験体に投与される場合、その被験体の免疫系は、その腫瘍細胞を死滅するように誘導される。このADCC手順において有用な抗体としては、身体中の細胞と相互作用する抗体が挙げられる。細胞標的に特異的な多くのそのような抗体が、当該分野において記載されており、そして多くが市販されている。モノクローナル抗体と組み合わせて使用された場合にこの核酸は、生物学的結果を達成するために必要なその抗体の量を減少するために役立つ。
【0102】
本発明に従って使用され得る他の型の化学療法剤としては、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロラムブシル、塩酸シタラビン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エトポシド(VP16−213)、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5−FU)、フルタミド、ヒドロキシ尿素(ヒドロキシカルバミド)、イフォスファミド(Ifosfamide)、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、酢酸ロイプロリド(LHRH放出因子アナログ)、ロムスチン(CCNU)、塩酸メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メンサ(Mesna)、ミトーテン(o.p’−DDD)、塩酸ミトザントロン、オクトレオチド(Octreotide)、プリカマイシン(Plicamycin)、塩酸プロカルバジン、ストレプトゾシン、クエン酸タモキシフェン、チオグアニン、チオテパ、硫酸ビンブラスチン、アムサクリン(Amsacrine)(m−AMSA)、アザシチジン(Azacitidine)、エリトロポイエチン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、インターロイキン2、ミトグアゾン(Mitoguazone)(メチル−GAG;メチルグリオキサルビス−グアニルヒドラゾン;MGBG)、ペントスタチ(2’デオキシコホルマイシン)、セムスチン(メチル−CCNU)、テニポシド(Teniposide)(VM−26)および硫酸ビンデシンが挙げられる。
【0103】
癌ワクチンは、癌細胞に対する内因性免疫応答を刺激することが意図される医薬である。現在生産されているワクチンは、体液性免疫応答(すなわち、抗体依存性免疫応答)を活性化する。現在開発中の他のワクチンは、細胞媒介性免疫系(腫瘍細胞を死滅させることが可能である細胞傷害性Tリンパ球を含む)を活性化することに焦点を当てている。癌ワクチンは、一般的に、抗原提示細胞(例えば、マクロファージおよび樹状細胞)および/または他の免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、およびNK細胞)の療法に対する癌抗原の提示を増強する。いくつかの場合において、癌ワクチンは、アジュバント(例えば、上記のアジュバント)とともに使用され得る。
【0104】
いくつかの癌細胞は、抗原性であり、従って、免疫系により標的とされ得る。1局面において、免疫刺激核酸と癌治療薬(特に、癌免疫療法剤として分類される癌治療薬)との併用投与は、癌抗原に対して特異的免疫応答を刺激するために有用である。本明細書中で使用される場合、用語「癌抗原」および「腫瘍抗原」は、癌細胞により差次的に発現されそれにより癌細胞を標的とするために利用され得る、抗原を指すために互換可能に使用される。癌抗原は、明白に腫瘍特異的な免疫応答を強力に刺激し得る、抗原である。これらの抗原のうちのいくつかは、正常細胞によりコードされるが、必ずしも発現はされない。これらの抗原は、正常細胞において通常はサイレントである(すなわち、発現されない)抗原として、特定の分化段階においてのみ発現される抗原、そして一時的に発現される抗原(例えば、胚性抗原および胎児性抗原)として分類され得る。他の癌抗原は、変異体細胞遺伝子(例えば、オンコジーン(例えば、活性化rasオンコジーン)、サプレッサー遺伝子(例えば、変異体p53)、内部欠失もしくは染色体転移から生じる融合タンパク質)によってコードされる。なお他の癌抗原は、ウイルス遺伝子(例えば、RNA腫瘍ウイルスおよびDNA腫瘍ウイルス上に保有される遺伝子)によってコードされ得る。「腫瘍関連」抗原は、腫瘍細胞および正常細胞の両方において存在するが、腫瘍細胞において異なる量または異なる形態で存在する。そのような抗原の例は、腫瘍胎児抗原(例えば、癌胎児抗原)、分化抗原(例えば、T抗原およびTn抗原)、ならびにオンコジーン生成物(例えば、HER/neu)である。
【0105】
癌抗原(例えば、癌ワクチン中に存在する癌高原または癌免疫療法剤を調製するために使用される癌抗原)は、Cohen PAら(1994)Cancer Res 54:1055−8に記載されるように、粗細胞抽出物から調製され得るか、または組換え技術を使用してその抗原を部分精製することにより調製され得るか、または既知の抗原の新規合成によって調製され得る。癌抗原は、特定の抗原の免疫原性部分の形態で使用され得るか、またはいくつかの場合は、細胞全体もしくは腫瘍塊が、癌抗原として使用され得る。そのような抗原は、単離され得るか、組換え調製され得るか、または当該分野で公知の他
の任意の手段により調製され得る。
【0106】
他のワクチンは、インビトロで癌抗原に曝露され、その抗原をプロセシングし、そして他の免疫系細胞に対して有効な抗原提示のためにMHC分子の状況で細胞表面に癌抗原を発現可能な、樹状細胞の形態を採る。樹状細胞は、抗原を提示しその局所環境におけるLPSのような微生物分子を検出するパターン認識レセプターの発現を介して、先天免疫系と後天免疫系との間に関連を形成する。
【0107】
この組み合わせモチーフ免疫刺激核酸は、アレルギー(喘息を含む)の処置のために有用である。この組み合わせモチーフ免疫刺激核酸は、単独でか、またはアレルギー治療薬/喘息治療薬と組み合わせるかのいずれかで、アレルギーを処置するために使用され得る。この方法は、アレルギー状態もしくは喘息状態を有する被験体またはアレルギー状態もしくは喘息状態のリスクを有する被験体に、そのアレルギー状態もしくは喘息状態を処置するに有効な量の本発明の組み合わせモチーフ免疫刺激核酸を投与する工程を包含する。
【0108】
本明細書中で使用される場合、「アレルギー」とは、物質(アレルゲン)に対する後天的過敏症を指す。アレルギー状態としては、湿疹、アレルギー性鼻炎もしくはコリーザ、枯草熱、気管支喘息、じんま疹(urticaria)(じんま疹(hives))および食物アレルギー、ならびに他のアトピー性状態が挙げられる。「アレルギーを有する被験体」とは、アレルゲンに応答したアレルギー反応を有する被験体またはアレルゲンに応答したアレルギー反応を発症するリスクがある被験体を指す。「アレルゲン」とは、感受性被験体におけるアレルギー応答または喘息応答を誘導し得る物質を指す。アレルゲンのリストは、膨大である。アレルゲンのリストとしては、花粉、昆虫の毒物、動物のふけ、塵埃、真菌の胞子、および薬物(例えば、ペニシリン)が挙げられる。
【0109】
天然の動物抗原および植物抗原の例としては、以下の属に特異的なタンパク質が挙げられる:イヌ(Canis familiaris);Dermatophagoides(例えば、Dermatophagoides farinae);ネコ(Felis domesticus);Ambrosia(Ambrosia artemiisfolia;Lolium(例えば、Lolium perenneまたはLolium multiflorum);Cryptomeria(Cryptomeria japonica);アルテルナリア属(Alternaria alternata);ハンノキ;ハンノキ属(Alnus gultinosa);カバノキ属(Betula verrucosa);Quercus(Quercus alba);Olea(Olea europa);Artemisia(Artemisia vulgaris);Plantago(例えば、Plantago lanceolata);Parietaria(例えば、Parietaria officinalisまたはParietaria judaica);Blattella(例えば、Blattella germanica);ミツバチ属(例えば、Apis multiflorum);Cupressus(例えば、Cupressus sempervirens、Cupressus arizonicaおよびCupressus macrocarpa);Juniperus(例えば、Juniperus sabinoides、Juniperus virginiana、Juniperus communisおよびJuniperus ashei);Thuya(例えば、Thuya orientalis);Chamaecyparis(例えば、Chamaecyparis obtusa);Periplaneta(例えば、Periplaneta americana);Agropyron(例えば、Agropyron repens);Secale(例えば、Secale cereale);Triticum(例えば、Triticum aestivum);Dactylis(例えば、Dactylis glomerata);Festuca(例えば、Festuca elatior);Poa(例えば、Poa pratensisまたはPoa compressa); カラスムギ属(例えば、Avena sativa);Holcus(例えば、Holcus lanatus);Anthoxanthum(例えば、Anthoxanthum odoratum);Arrhenatherum(例えば、Arrhenatherum elatius);Agrostis(例えば、Agrostis alba);Phleum(例えば、Phleum pratense);Phalaris(例えば、Phalaris arundinacea);Paspalum(例えば、Paspalum notatum);Sorghum(例えば、Sorghum halepensis);ならびにBromus(例えば、Bromus inermis)が挙げられる。
【0110】
本明細書中で使用される場合、「喘息」とは、炎症、気道の狭窄、および吸入された因子に対する気道の反応性の増加によって特徴付けられる、呼吸器系の障害を指す。喘息は、頻繁には、アトピー性症状もしくは喘息症状と関連するが、それらのみと関連するわけではない。
【0111】
「喘息治療薬/アレルギー治療薬」は、本明細書中で使用される場合、その症状を減少させるか、喘息反応またはアレルギー反応を阻害するか、あるいは喘息反応またはアレルギー反応を予防する、組成物である。喘息およびアレルギーの処置のための種々の型の医薬が、the Guidelines For The Diagnosis and Management of Asthma,Expert Panel Report
2,NIH Publication No. 97/4051,July 19,1997(その内容全体が本明細書中に参考として援用される)に記載される。このNIHの刊行物に記載される医薬の要約は、下記に提示される。
【0112】
ほとんどの実施形態において、この喘息治療薬/アレルギー治療薬は、喘息およびアレルギーの両方を処置するためにある程度有用である。いくつかの喘息治療薬/アレルギー治療薬は、好ましくは、喘息を治療するためにこの免疫刺激核酸と組み合わせて使用される。これらは、喘息治療薬と呼ばれる。喘息治療薬としては、PDE−4インヒビター、気管支拡張薬/β−2アゴニスト、K+チャンネル開口薬、VLA−4アンタゴニスト、ニューロキン(neurokin)アンタゴニスト、TXA2合成インヒビター、キサンタニン(xanthanines),アラキドン酸アンタゴニスト、5−リポキシゲナーゼインヒビター、トロンボキシン(thromboxin)A2レセプターアンタゴニスト、トロンボキサン(thromboxane)A2アンタゴニスト、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質インヒビター、ならびにプロテアーゼインヒビターが、あげられる。
【0113】
他の喘息治療薬/アレルギー治療薬は、好ましくは、アレルギーを処置するためにこの免疫刺激核酸と組み合わせて使用される。これらは、アレルギー治療薬と呼ばれる。アレルギー治療薬としては、抗ヒスタミン剤、ステロイド類、免疫調節剤、およびプロスタグランジン誘導物質が挙げられるが、これらに限定されない。抗ヒスタミン剤は、肥胖細胞または好塩基球により放出されるヒスタミンを相殺する、化合物である。これらの化合物は、当該分野で周知であり、そしてアレルギーの処置のために一般的に使用される。抗ヒスタミン剤としては、ロラチジン(loratidine)、セルチナジン(cetirizine)、ブクリジン、セルチナジン(ceterizine)アナログ、フェキソフェナジン(fexofenadine)、テルフェナジン、デスロラタジン(desloratadine)、ノルアステミゾール(norastemizole)、エピナスチン(epinastine)、エバスチン(ebastine)、エバスチン(ebastine)、アステミゾール、レボカバスチン(levocabastine)、アゼラスチン(azelastine)、トラニラスト(tranilast)、テルフェナジン、ミゾラスチン(mizolastine)、ベタタスチン(betatastin
e)、CS560、およびHSR609が挙げられるが、これらに限定されない。プロスタグランジン誘導物質は、プロスタグランジン活性を誘導する化合物である。プロスタグランジン誘導物質としては、S−5751が挙げられるが、これに限定されない。
【0114】
ステロイド類としては、ベクロメタゾン、フルチカゾン(fluticasone)、トラシノロン(tramcinolone)、ブデソニド(budesonide)、コルチコステロイドおよびブデソニド(budesonide)が挙げられるが、これらに限定されない。免疫刺激核酸とステロイド類との組み合わせは、若齢の被験体(例えば、小児)の処置に特に良好に適合する。今日まで、小児におけるステロイド類の使用は、いくつかのステロイド処置が成長の遅延に関連すると報告された知見によって、制限されている。従って、本発明に従って、この免疫刺激核酸が、成長遅延ステロイド類と組み合わせて使用され得、それにより、「ステロイド節約効果」を提供し得る。これら2つの薬剤の組み合わせは、より少量のステロイド類必要量をもたらし得る。
【0115】
免疫調節剤としては、抗炎症剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、IL−4ムテイン、可溶性IL−4レセプター、免疫抑制剤(例えば、寛容化(tolerizing)ペプチドワクチン)、抗IL−4抗体、IL−4アンタゴニスト、抗IL−5抗体、可溶性IL−13レセプター−Fc融合タンパク質、抗IL−9抗体、CCR3アンタゴニスト、CCR5アンタゴニスト、VLA−4インヒビター、およびIgE下流調節剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
本発明の免疫刺激核酸は、1型IFN(すなわち、IFN−αおよびIFN−β)を誘導するために使用され得る。この方法は、1型IFNを発現可能な細胞を、その細胞による1型IFN発現を誘導するに有効な量の本発明の組み合わせモチーフ免疫刺激核酸と接触させる工程を包含する。ヒトにおける主要なIFN−αプロデューサー細胞型は、プラスマ細胞様樹状細胞(pDC)であることが、最近認識された。この細胞型は、PBMC中に非常に低頻度(0.2〜0.4%)で存在し、そしてこの細胞型は、直系ネガティブ(すなわち、CD3についても、CD14についても、CD19についても、CD56についても染色しない)およびCD11cネガティブである一方でCD4、CD123(IL−3Rα)およびクラスII主要組織適合遺伝子複合体(MHCクラスII)についてポジティブである、表現型によって特徴付けられる。Grouard Gら(1997)J Exp Med 185:1101−11;Rissoan M−Cら(1999)Science 283:1183−6;Siegal FPら(1999)Science 284:1835−7;Cella Mら(1999)Nat Med 5:919−23。1型IFNを測定する方法は、当業者に周知であり、そしてそのような方法としては、例えば、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、バイオアッセイ、および蛍光細胞分析(FACS)が挙げられる。この種のアッセイは、容易に入手可能な市販の試薬およびキットを使用して、実施され得る。
【0117】
本発明の免疫刺激核酸は、NK細胞を活性化するために使用され得る。この方法は、NK細胞を、そのNK細胞を活性化するに有効な量の本発明の組み合わせモチーフ免疫刺激核酸と接触させる工程を包含する。このNK細胞の活性化は、直接的活性化であっても、間接的活性化であってもよい。間接的活性化とは、後にそのNK細胞の活性化を引き起こすサイトカインまたは他の因子の誘導を指す。NK細胞の活性化は、種々の方法(細胞溶解活性の測定、活性化マーカー(例えば、CD69)の誘導の測定、および特定のサイトカインの誘導の測定が挙げられる)によって、評価され得る。自発的に特定の腫瘍標的を死滅させる特徴的能力に加えて、NK細胞は、ADCCに関与し、かつIFN−γ、TNF−α、GM−CSF、およびIL−3の主要なプロデューサーである。
【0118】
マウスNK細胞についての原型のNK感受性細胞標的は、酵母人工染色体(YAC)−1、モロニーウイルス感染A系統間得る由来の胸腺腫である。ヒトNK細胞について、標準的標的は、K562(赤白血病系統由来の細胞株)である。マイクロタイタープレートにおいて、一定数の放射性標識標的(例えば、51−Cr標識K562)が、単独でか(自発的)、界面活性剤とともに(最大)か、または種々の数のエフェクター細胞とともに(実験的)、のいずれかでインキュベートされる。このエフェクター細胞対標的細胞比は、E:T比と呼ばれる。富化された活性化NK細胞は、代表的には、E:T比10:1未満で有効であるが、未分画PBMCまたは脾細胞は、E:T比100:1以上を必要とする。
【0119】
この免疫刺激核酸はまた、全身免疫応答および/または粘膜性免疫応答を誘導するためのアジュバントとして有用である。本発明の組み合わせモチーフ免疫刺激核酸は、抗原に対する免疫応答の増強を誘導するように、抗原に曝露された被験体に送達され得る。従って、例えば、組み合わせモチーフ免疫刺激核酸は、ワクチンアジュバントとして有用である。
【0120】
この免疫刺激核酸は、非核酸アジュバントと組み合わせて投与され得る。非核酸アジュバントとは、体液性免疫応答および/または細胞性免疫応答を刺激し得る、本明細書中に記載される免疫刺激核酸以外の任意の分子または化合物である。非核酸アジュバントとしては、例えば、デポー(depot)効果を生じるアジュバント、免疫刺激アジュバント、およびデポー効果を生じかつ免疫系を刺激するアジュバントが、挙げられる。非核酸粘膜アジュバントは、本明細書中で使用される場合、抗原とともに粘膜表面に投与された場合に被験体において粘膜性免疫応答を誘導可能である、免疫刺激核酸以外のアジュバントである。
【0121】
本発明の免疫刺激核酸は、薬学的に受容可能なキャリア中て薬学的組成物として処方され得る。この免疫刺激核酸は、被験体に直接投与され得るか、または核酸送達複合体と組み合わせて投与され得る。核酸送達複合体とは、標的化手段(例えば、標的細胞(例えば、B細胞表面)へのより高親和性の結合および/または標的細胞による細胞取り込みの増加を生じる分子)と会合(例えば、イオン性結合もしくは共有結合、またはその手段にカプセル化)された、核酸分子を意味する。核酸送達複合体の例としては、ステロール(例えば、コレステロール)と会合した核酸、脂質(例えば、カチオン性脂質、ビロゾーム、またはリポソーム)と会合した核酸、または標的細胞特異的結合因子(例えば、標的細胞特異的レセプターにより認識されるリガンド)と会合した核酸が、挙げられる。好ましい複合体は、その標的細胞によるインターナリゼーションの前の有意な脱カップリングを防ぐために十分にインビボで安定であり得る。しかし、その複合体は、その核酸が機能的形態で放出されるように、その細胞中で適切な条件下で切断可能である。
【0122】
この免疫刺激核酸および/または抗原および/または他の治療剤は、単独で(例えば、生理食塩水もしくは緩衝液中)で投与され得るか、または当該分野で公知の任意の送達ビヒクルを使用して投与され得る。例えば、以下の送達ビヒクルが、コキリエート(Cochleates)(Gould−Fogeriteら,1994,1996);エマルソーム(Emulsomes)(Vancottら,1998,Lowellら,1997);ISCOM(Mowatら,1993,Carlssonら,1991,Huら,1998,Moreinら,1999);リポソーム(Childersら,1999,Michalekら,1989,1992,de Haan 1995a,1995b);ミクロスフェア(Guptaら,1998,Jonesら,1996,Maloyら,1994,Mooreら,1995,O’Haganら,1994,Eldridgeら,1989);ポリマー(例えば、カルボキシメチルセルロース、キトサン)(Hamajimaら,1998,Jabbal−Gillら,1998);ポリマー環(Wyattら,1998);プロテオソーム(Vancottら,1998,Lowellら,1988,1996,1997);ビロゾーム(Virosome)(Gluckら,1992,Mengiardiら,1995,Cryzら,1998);ウイルス様粒子(Jiangら,1999,Leiblら,1998)に記載されている。他の送達ビヒクルが、当該分野で公知である。
【0123】
粘膜送達もしくは局所送達のための本明細書中に記載される化合物の被験体用量は、代表的には、約0.1μg/投与〜10mg/投与の範囲であり、これは、その適用が毎日、毎週、または毎月投与、およびその間の他の任意の時間にされ得るかに依存する。より代表的には、粘膜用量または局所用量は、約10μg/投与〜5mg/投与の範囲であり、最も代表的には、約100μg/投与〜1mg/投与であり、2回の投与〜4回の投与が、数日間または数週間の間隔を空けられる。より代表的には、免疫刺激用量は、約1μg/投与〜10mg/投与の範囲であり、最も代表的には、約10μg/投与〜1mg/投与の範囲であり、毎日または毎週投与される。抗原特異的免疫応答を誘導するために非経口送達のための本明細書中に記載の化合物の被験体用量(この化合物は、抗原とともに送達されるが、別の治療剤とは送達されない)は、代表的には、ワクチンアジュバントまたは免疫刺激適用のための有効粘膜用量の5倍〜10,000倍多く、より代表的には10倍〜1,000倍多く、最も代表的には20倍〜100倍多い。この免疫刺激核酸が他の治療剤と組み合わせでかもしくは特殊な送達ビヒクル中で投与される場合に、先天免疫応答を誘導するためまたはADCCを増加するためまたは抗原特異的免疫応答を誘導するための、非経口送達のための本明細書中に記載される化合物の用量は、代表的には、約0.1μg/投与〜10mg/投与の範囲であり、これは、その適用が毎日、毎週、または毎月投与、およびその間の他の任意の時間にされ得るかに依存する。より代表的には、これらの目的のための非経口用量は、約10μg/投与〜5mg/投与の範囲であり、最も代表的には、約100μg/投与〜1mg/投与であり、2回の投与〜4回の投与が、数日間または数週間の間隔を空けられる。しかし、いくつかの実施形態において、これらの目的のための非経口用量は、上記の代表的用量よりも5倍〜10,000倍多い範囲で使用され得る。
【0124】
本明細書中で使用される場合、「有効(な)量」とは、所望される生物学的効果を実現するために必要であるかまたは十分である、量を指す。例えば、感染症を処置するために有効な量の免疫核酸は、その感染症を処置するのに必要な量である。本明細書中に提供される教示と組み合わせると、種々の活性化合物および重み付け因子(例えば、効力、相対的バイオアベイラビリティー、患者の体重、有害な副作用の重篤度、および好ましい投与様式)を選択することによって、実質的な毒性を引き起こさないが特定の被験体を処置するに完全に有効である、有効な予防処置レジメンもしくは有効な治療処置レジメンが計画され得る。任意の特定の適用のための有効量は、処置される疾患もしくは状態、投与される特定の免疫刺激核酸、抗原、被験体の大きさ、またはその疾患もしくは状態の重篤度のような要因に依存して、変化し得る。当業者は、特定の免疫刺激核酸および/または抗原および/または他の治療剤の有効量を、過度の実験を必要とすることなく経験的に決定し得る。
【0125】
本明細書中に記載される任意の化合物について、その治療上有効な量は、動物モデルからまず決定され得る。治療上有効な用量はまた、ヒトにおいて試験された(ヒト臨床試験が開始された)CpGオリゴヌクレオチドについてのヒトデータから、および同様の薬理学的活性を示すことが公知である化合物(例えば、他の粘膜アジュバント(例えば、LTおよびワクチン接種用の他の抗原))について粘膜投与もしくは局所投与についてのデータから、決定され得る。より高用量が、非経口投与のために必要である。適用される用量は、投与される化合物の相対的バイオアベイラビリティーおよび効力に基づいて、調整され得る。その用量を、上記の方法および他の方法に基づいて最大効力を達成するように調整することは、当該分野で周知であり、当業者の能力の範囲内に十分に存在する。
【0126】
本発明の処方物は、薬学的に受容可能な溶液中で投与され、この溶液は、慣用的には、薬学的に受容可能な濃度の塩、緩衝化剤、保存剤、適合性キャリア、アジュバント、および必要に応じて他の治療成分を含み得る。
【0127】
治療における使用のために、有効量のこの免疫刺激核酸が、所望される表面(例えば、粘膜表面、全身表面)にその核酸を送達する任意の様式によって、被験体に投与され得る。本発明の薬学的組成物を投与することは、当業者に公知の任意の手段によって達成され得る。好ましい投与経路としては、経口経路、非経口経路、筋肉内経路、鼻内経路、気管内経路、吸入経路、眼内経路、舌下経路、膣内経路、および直腸経路が挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
経口投与のために、この化合物(すなわち、免疫刺激核酸、抗原、および他の治療剤)は、その活性化合物を、当該分野で周知の薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせることによって、容易に処方され得る。そのようなキャリアは、本発明の化合物が、標的とされる被験体による経口摂取のための錠剤、ピル、糖剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして処方されるのを可能にする。経口用途のための薬学的調製物は、必要に応じて、望まれる場合は適切な助剤を添加した後に、生じた混合物を粉砕し、その顆粒混合物を処理して錠剤コアまたは糖剤コアを得ることによって、固体賦形剤として入手され得る。適切な賦形剤は、特に、充填剤(例えば、糖(ラクトース、スクロース、マンニトール、もしくはソルビトールが挙げられる);セルロース調製物(例えば、トウモロコシスターチ、コムギスターチ、イネスターチ、ジャガイモスターチ、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、および/またはポリビニルピロリドン(PVP))である。望まれる場合、崩壊剤(例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム))が、添加され得る。必要に応じて、その経口処方物はまた、内部酸性状態を中和するための生理食塩水もしくは緩衝液中で処方され得るか、またはいかなるキャリアも含まずに投与され得る。
【0129】
糖剤コアは、適切なコーティングを備える。この目的のために、濃縮糖溶液が、使用され得、これは、必要に応じて、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物を含み得る。染料または色素が、異なる活性化合物用量の組み合わせを同定または特徴付けるために、錠剤または糖剤コーティングに添加され得る。
【0130】
経口的に使用され得る薬学的調製物としては、ゼラチンから作製された押込みばめカプセル、およびゼラチンと可塑剤(例えば、グリセロールまたはソルビトール)とから作製された軟らかい密封カプセルが、挙げられる。この押込みばめカプセルは、充填剤(例えば、ラクトース)、結合剤(例えば、スターチ)、および/または滑沢剤(例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウム)、および必要に応じて安定化剤と混合して、活性成分を含み得る。この軟らかいカプセルにおいて、活性化合物は、適切な液体(例えば、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコール)中に溶解または懸濁され得る。さらに、安定化剤が添加され得る。経口投与のために処方されたミクロスフェアもまた、使用され得る。このようなミクロスフェアは、当該分野で十分に規定されている。経口投与のためのすべての処方物は、このような投与に適切な投与量である。
【0131】
経頬投与のために、この組成物は、従来の様式で処方された、錠剤またはロゼンジの形態を採り得る。
【0132】
吸入による投与のために、本発明に従う使用のための化合物は、加圧パックまたは噴霧器からエアロゾル噴霧提示の形態で、適切な推進剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切な気体)を使用して、従来のように送達され得る。加圧エアロゾルの場合、その投与単位は、計量した量を送達するための弁を提供することによって、決定され得る。吸入器または注入器において使用するための例えば、ゼラチンのカプセルおよびカートリッジが、その化合物と適切な粉末基剤(例えば、ラクトースまたはスターチ)との粉末混合物を含んで、処方され得る。
【0133】
この化合物は、全身送達することが望ましい場合に、注入(例えば、ボーラス注入または連続注入)による非経口投与のために処方され得る。注入のための処方物は、単位投与形態で(例えば、アンプル中にかまたは多用量容器にて)、添加された保存剤とともに提示され得る。その組成物は、油状ビヒクルもしくは水性ビヒクル中の懸濁物、溶液、またはエマルジョンのような形態を採り得、そして処方剤(例えば、懸濁剤、安定化剤、および/もしくは分散剤)を含み得る。
【0134】
非経口投与のための薬学的処方物としては、水溶性形態のその活性化合物の水性溶液が挙げられる。さらに、その活性化合物の懸濁物が、適切な油状注入懸濁物として調製され得る。適切な親油性溶媒または親油性ビヒクルとしては、脂肪油(例えば、ゴマ油)または合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチルもしくはトリグリセリド)、またはリポソームが挙げられる。水性注入懸濁物は、その懸濁物の粘度を増加する物質(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストラン)を含み得る。必要に応じて、その懸濁物はまた、非常に濃縮された溶液の調製を可能にするために、適切な安定化剤またはその化合物の溶解度を増加する薬剤を含み得る。
【0135】
あるいは、その活性化合物は、適切なビヒクル(例えば、発熱物質を含まない滅菌した水)を用いて使用前に構成するための、散剤形態であり得る。
【0136】
この化合物はまた、直腸組成物または膣内組成物(例えば、(例えば、従来の坐剤基剤(例えば、ココアバターまたは他のグリセリド)を含む)坐剤または貯留浣腸)の状態で処方され得る。
【0137】
上記の処方物に加えて、この化合物はまた、デポー(depot)調製物として処方され得る。そのような長期作用処方物は、適切なポリマー物質もしくは疎水性物質を用いて(例えば、受容可能な油中のエマルジョンとして)か、またはイオン交換樹脂を用いてか、または溶解性が乏しい誘導体(例えば、溶解性が乏しい塩)として、処方され得る。
【0138】
この薬学的組成物はまた、適切な固相もしくはゲル相の、キャリアもしくは賦形剤を含み得る。そのようなキャリアまたは賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、スターチ、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
適切な液体薬学的調製物形態または固体薬学的調製物形態は、例えば、マイクロカプセル化されるか、キレート化されるか、微視的金粒子上にコーティングされるか、リポソーム中に含まれるか、噴霧されるエアロゾル中に含まれるか、皮膚への移植用のペレット中に含まれるか、または皮膚中を引っ掻く鋭い物体上に乾燥された、吸入用の水性溶液もしくは生理食塩水溶液である。この薬学的組成物はまた、活性化合物を長期放出する、顆粒、散剤、錠剤、コーティングした錠剤、(マイクロ)カプセル剤、坐剤、シロップ剤、エマルジョン、懸濁剤、クリーム、ドロップ、または調製物を含み、その調製物において、賦形剤および添加剤および/もしくは補助剤(例えば、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、甘味剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、甘味料、または可溶化剤が、上記のように慣用的に使用される。この薬学的組成物は、種々の薬物送達系における使用のために適切である。薬物送達のための方法の簡単な概説について、Langer(1990)Science 249:1527−33(これは、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0140】
この免疫刺激核酸および必要に応じて他の治療剤および/または抗原は、それ自体が(そのまま)投与され得るか、または薬学的に受容可能な塩の形態で投与され得る。薬物中で使用される場合、その塩は、薬学的に受容可能であるべきであるが、薬学的に受容可能ではない塩が、その薬学的に受容可能な塩を調製するために簡便に使用され得る。そのような塩としては、以下の酸から調製された塩が挙げられるが、それらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン−2−スルホン酸、およびベンゼンスルホン酸。また、そのような塩は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩(例えば、カルボン酸基のナトリウム塩、カリウム塩、もしくはカルシウム塩)として調製され得る。
【0141】
適切な緩衝化剤としては、酢酸および塩(1〜2%w/v);クエン酸および塩(1〜3%w/v);ホウ酸および塩(0.5〜2.5%w/v);およびリン酸および塩(0.8〜2%w/v)が挙げられる。適切な保存剤としては、塩化ベンザルコニウム(0.003〜0.03%w/v);クロロブタノール(0.3〜0.9%w/v);パラベン類(0.01〜0.25%w/v)、およびチメロサール(0.004〜0.02%w/v)が挙げられる。
【0142】
本発明の薬学的組成物は、有効量の免疫刺激核酸、そして必要に応じて抗原および/または他の薬剤を、必要に応じて薬学的に受容可能なキャリア中に含んで、含む。用語「薬学的に受容可能なキャリア」とは、ヒトまたは他の脊椎動物への投与に適切な、1つ以上の適合性の、固体もしくは液体の、充填剤、希釈剤、もしくはカプセル化剤を意味する。用語「キャリア」とは、活性成分がその適用を容易にするために合わせられる、天然もしくは合成の、有機成分もしくは無機成分を示す。その薬学的組成物の成分はまた、相互作用が存在しない様式で、本発明の化合物と、および互いと、混合可能である。
【0143】
被験体の処置のために、その化合物の活性、投与様式、その免疫の目的(すなわち、予防免疫または治療免疫)、その障害の性質および重篤度、患者の年齢および体重に依存して、異なる用量が必要であり得る。所定の用量の投与は、個々の投与単位での単回投与によってかまたはより少量のいくつかの投与単位で他のようにの両方で、実行され得る。特定の数週間間隔または数ヶ月間隔での複数回投与は、この抗原特異的応答をブーストするために有用である。
【0144】
他の送達系としては、時間放出(time−release)系、遅延放出(delayed release)系、または徐放(sustained release)系が挙げられ得る。そのような系は、その化合物の反復投与を回避し得、被験体および医師に対する簡便性を増加し得る。多くの型の放出送達系が、利用可能であり、そして等業者にとって公知である。それらとしては、ポリマーベースの系(例えば、ポリ(ラクチド−グリコリド)、コポリオキサレート、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸、およびポリ無水物が挙げられる。薬物を含む上記ポリマーのマイクロカプセルが、例えば、米国特許第5,075,109号に記載される。送達系としてはまた、非ポリマー系も挙げられ、これは、脂質(ステロール(例えば、コレステロール、コレステロールエステル)、および脂肪酸もしくは天然脂肪(例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド)が挙げられる);ヒドロゲル放出系;シラスティック(silastic)系;ペプチドベースの系;ロウコーティング;従
来の結合剤および賦形剤を使用する圧縮錠剤;部分融合した移植物などである。特定の例としては、(a)本発明の薬剤がマトリックス中にある形態で含まれる、侵食系(米国特許第4,452,775号、同第4,675,189号および同第5,736,152号に記載される系);ならびに(b)ポリマーから制御された速度で活性成分が浸透する、拡散系(米国特許第3,854,480号、同第5,133,974号および同第5,407,686号に記載される)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、ポンプベースのハードウェア送達系が使用され得、そのうちのいくつかは、移植のために適合される。
【0145】
本発明は、本発明は、以下の実施例によってさらに例証される。以下の実施例は、いかようにも、さらなる限定として解釈されるべきではない。本明細書全体を通して引用された参考文献(文献参照物、発行された特許、公開された特許出願、および同時係属中の特許出願)のすべての内容全体が、本明細書中に参考として明示的に援用される。
【実施例】
【0146】
(実施例1.ODN2395は、NK細胞およびIFN−α産生の顕著に強力なアクチベータである)
本発明者らは、配列CGの反復からなる(例えば、CGCGCG)かまたはCがCGに先行するかそして/もしくはGがCGの後に続く中和モチーフを含む、オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)を以前に認識および記載した。これらの中和モチーフは、複数の読出し(例えば、IL−6、IL−12、IFN−γ、TNF−αの分泌)および抗原特異的免疫応答の誘導に対するODNの刺激効果を低減すると考えられた。Krieg AMら、(1998)Proc Natl Acad Sci USA 95:12631−6。
【0147】
多くの場合、刺激モチーフとのオリゴデオキシヌクレオチド中の中和モチーフとの共存は、免疫活性化を予防すると考えられた。刺激モチーフおよび中和モチーフの両方を含む1つのこのようなODNは、ODN2136であり、これは、配列TCCTGACGTTCGGCGCGCGCCC(配列番号19)を有する。このODNの3’末端は、かなり代表的な中和モチーフCGGCGCGCGCCC(配列番号37)を含み、これは、阻害的ODN2010(GCGGCGGGCGGCGCGCGCCC,配列番号38)の3’末端に由来する。驚くべきことに、ODN2136は、NK細胞溶解活性(溶解単位、L.U.)の誘導について強力な活性を有した。表1に示されるように、3μg/mlの濃度のODN2136は、本発明者らの標準的B細胞およびNK細胞刺激ホスホチオエートODN2006(TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT,配列番号39)よりも、L.U.の誘導について実質的に強力であった。より著しく、ODN2006は、2,396pg/mlのIFN−αの産生のみを誘導したが、ODN2136は、14,278pg/mlの産生を誘導した(図1)。このことは、驚くべきことに、この中和配列の存在が、必ずしも回避されなくてよいことを示した。
【0148】
(表1.種々のODNと共に一晩培養されたヒトPBL)
【0149】
【表1−1】

【0150】
【表1−2】

しかし、この観察を理解するための試みにおいて、さらに強力なNKアクチベータおよびIFN−α誘導物質を、ODN2136の3’末端をODN2006の5’末端と合わせることによって、作製した。得られたODN2395(TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCG,配列番号1)は、思いがけず、3’末端の最後の塩基のCからGへの変化を取り込んだ。この単一塩基変化は、完全な12塩基長のパリンドロームをODN2395の3’末端に作製する効果を有するが、ODN2136においては、このパリンドロームはたった10塩基長である。
【0151】
表2は、ODN2395が、ほとんどの他の全てのホスホロチオエート骨格ODNと比較して、NK細胞のL.U.を誘導する際に顕著に強力であるデータの、別の例を示す。このアッセイにおいて、ODN2395は、ポジティブコントロールのODN1585(これは、キメラホスホロチオエート/ホスホジエステル(SOS)骨格を有する)よりも弱い。ODN1585(ggGGTCAACGTTGAgggggG、配列番号35)は、公開されたPCT出願WO 01/22990に記載されている。この実験において試験した0.6μg/mlの低濃度で、ODN2136は、非ODNコントロール中の0.03のバックグラウンドを超えるL.U.を誘導しなかった。図2および図3は、表2中のNK細胞培養物からの上清中の、単球走化性タンパク質(MCP)−1およびIFN誘導性タンパク質(IP)10のレベルをそれぞれ示す。MCP−1は、CCR2のリガンドであるケモカインであり、そしてTh1型およびTh2型の免疫応答の両方に関連する。IP−10は、CXCR3のリガンドであるCXCケモカインであり、そしてTh1応答に関連する。Loetscher Pら(2001)J Biol Chem 276:2986−91。これらのデータは、ODN2395が、IP−10産生の比較的強力な誘導物質であるが、平均レベルのMCP−1しか誘導しないことを示す。
【0152】
(表2.種々のODNと共に一晩培養したヒトPBL)
【0153】
【表2−1】

【0154】
【表2−2】

これらおよび他のデータに基づいて、本発明者らは、ODN2395配列が、NK細胞およびIFN−α産生の顕著に強力なアクチベータであると結論付けた。
【0155】
(実施例2.ODN2395に関連するODNもまた、NK細胞およびIFN−α産生の強力なアクチベータである)
さらなるODN2427〜2433(配列番号2〜8)を、ODN2395の3’末端のパリンドロームが、その免疫刺激活性において重要であり得るという可能性を試験するために、設計および合成した。表3は、これらの異なるODNがNKのL.U.を活性化する能力を比較した。これらのデータから明らかなように、1μg/mlの濃度で最も強力なODNは、ODN2429(TCGTCGTTTTCGGCGGCCGCCG,配列番号4)であり、これは、NK活性の2.85L.U.を誘導した。ODN2006は、この実験において非常に弱く、そしてCGを有さないコントロールODN2118(GGGGTCAAGCTTGAGGGGGG,配列番号36)を除いて、試験した他の全てのオリゴで、2006よりも強力なものは存在しなかった。ODN2429は、これだけが12塩基のパリンドロームを維持したので、注目に値するが、これは、2395中に存在したパリンドロームとは異なるパリンドロームである。ODN2430(TCGTCGTTTTCGGCGCGCCGCG,配列番号5)(これは、1μg/mlの濃度で二番目に強力なODNである)は、類似であるが、このパリンドロームは、10塩基長まで僅かに短縮されていた。残りのODNは、パリンドローム配列を有さないかまたはより短いパリンドロームを有し、そしてNK活性をあまり誘導しない。
【0156】
(表3.種々のODNと共に一晩培養したヒトPBL)
【0157】
【表3−1】

【0158】
【表3−2】

図4は、これらのオリゴが、ポジティブコントロールSOS ODN2216(GGGGGACGATCGTCGGGGG,配列番号55)、ODN2334(GGGGTCGACGTCGACGTCGAGGGGGGG,配列番号56)およびODN2336(GGGGACGACGTCGTGGGGGGG,配列番号57)と比較した、IFN−α産生を誘導する能力を示す。2395関連ODNの全てが、ODN2006よりも高いレベルのIFN−α産生を誘導するが、そのレベルは、キメラSOS ODNによって誘導されるレベルよりも低い。IFN−α発現の誘導のランキング順序は、NK L.U.の順序とほぼ類似し、最も強力な効果は、ODN2395および2429によって観察された。
【0159】
(実施例3.NK細胞およびIFN−α産生に対する強力な刺激効果は、B細胞効果に対応しない)
図5Aに示されるように、ODN2395およびその関連物質は、48時間でのCD86のB細胞産生を誘導するそれらの能力に関して、ODN2006またはその関連物質2397よりも、0.25μg/mlの濃度で有意に弱かった。本発明者らが以前に注目したように、より高いODN濃度(例えば、1μg/ml)では、種々のODN間にあまり差異は見られなかった(図5B)。同じ実験において、本発明者らはまた、増殖アッセイによってB細胞の活性化を測定した(Hチミジン取り込み;図6)。再び、0.25μg/mlの濃度のODN2006およびODN2397(配列番号44)は、群を抜いて最も強力であった(図6A)。しかし、より高い濃度では、2395関連ODNは、その効力において類似であった(図6B)。
【0160】
(実施例4.ODN2395および関連ODNは、IL−10の弱い誘導物質である)
本発明者らの以前の研究は、CpGによって誘導されるIL−10産生のほとんどが、B細胞由来であることを示唆した。図7に示されるように、IL−10発現は、B細胞増殖によく相関した。再び、ODN2006およびその関連のODN2397は、0.25μg/mlの低濃度で最も強力であった。ODN2395およびその関連物質は、この濃度でIL−10産生をあまり誘導しなかった。
【0161】
(実施例5.免疫刺激効果の濃度依存性)
このクラスのオリゴヌクレオチドおよびその誘導体に対するさらなる研究は、ODN番号2427〜2433(配列番号2〜8)を含んだ。これらのODNについてのデータは、図8に示される。これは、ODN2006が、1μg/mlまたは6μg/mlのいずれの濃度でも、IFN−α産生の誘導において非常に弱かったことを再び実証する。しかし、ODN 2395は、特に1μg/mlのより低い濃度で、かなりの量のIFN−αを誘導した。本発明者らは、より低い濃度(例えば、1μg/ml)で見られる効果と比較して、より高い濃度(例えば、6μg/ml)で刺激活性が低減した、ODNを時折観察した。図8に示される実験において、ODN2395は、より高い濃度よりも、より低い濃度においてより強力であったが、ODN2429は、より高い濃度でより強力であった。この実験におけるホスホロチオエートODNの一般的な逆用量応答曲線とは対照的に、キメラODN(例えば、ODN2336)は、代表的に、より高い濃度での免疫刺激効果の増加を示した。図8に示されるこの実験におけるODN2432の刺激効果は、このODNが良好なパリンドロームを有さないことを考慮すると、興味深い。比較的弱いB細胞刺激活性を有するこの系は、図5および図6に示される。
【0162】
(実施例6.B細胞刺激とNK細胞刺激およびIFN−α分泌との間の相互関係)
図9は、別の実験を示し、ここで、0.4μg/mlの低濃度でのODN2395は、CD86のB細胞発現の誘導において、ODN2006よりも有意に弱かった。2395の他の関連物質は、B細胞刺激のあまり顕著ではない喪失を示す。興味深いことに、NK刺激の獲得について以前に観察されたB細胞刺激の喪失についての、同じランキング順序の示唆が存在する(ODN2429、その次にODN2430が、2395関連物質間で、最も弱いB細胞刺激物質である)。このことは、2395様ODNによるB細胞刺激の喪失が、NK刺激およびIFN−α分泌の獲得に密接に関連するという可能性を生じる。図10および図11は、IFN−α分泌が、ODN2395およびODN2429、次にODN2430によって見られたことを示す。別個の実験からの表4および図12もまた、ODN2395およびODN2429が、2つの異なるヒトドナー(D141およびD142)においてIFN−α分泌を誘導する強力な能力を示す。
【0163】
(表4.種々のODN2395によるIFN−α分泌)
【0164】
【表4】

平均±標準偏差として、pg/mlの単位で示されたデータ。
表4についてのODN配列
【0165】
【化1】

(実施例7.GCリッチドメインの特徴)
驚くべきことに、ODN5293〜5297はいずれも、強力な免疫刺激応答を実証しなかった。ODN5293は、10塩基のパリンドロームを含むが、このパリンドロームは、中心CGがGCに逆転している2395のパリンドロームとは異なるパリンドロームである。しかし、ODN2429もまた、このような逆転を有するので、この変化自体は、活性の喪失を説明できないと考えられる。むしろ、パリンドローム中に中心CGが存在しない限り、より高いレベルの活性が、12塩基のパリンドロームで生じ得る。しかし、ODN2430はまた、中心のGCジヌクレオチドを有する10塩基のパリンドロームのみを有する。ODN2430の免疫刺激活性は、3’末端に5つのCpGジヌクレオチドを含むという事実によって増強され得るが、一方でODN5293は、3つしか含まない。
【0166】
ODN5294は、6塩基のパリンドロームのみを含み、これはおそらく、その低い活性に関連し得る。ODN5295も同様に、良好なパリンドロームを有さない。ODN5296の低い活性は、CCGの単純な反復では、ODN2395の免疫刺激効果を付与するには不十分であることを示唆する。ODN2397は、その3’末端に完全な12塩基のパリンドロームを有するが、その5’末端にCpGモチーフを有さない。ODN5297中の12塩基のパリンドロームは、ODN2429中のパリンドロームと同じであるので、ODN2429の5’TCGTCGモチーフは、その免疫刺激活性に重要であることが結論付けられ得る。すなわち、オリゴヌクレオチドの一端におけるODN2429の中和パリンドロームの存在は、他方の末端における少なくとも1つの刺激モチーフの非存在下で免疫刺激活性を提供するには不十分であると考えられる。
【0167】
(実施例8.IFN−γ産生に対する効果)
いくつかのさらなる型のアッセイが、この新規クラスの免疫刺激核酸の免疫刺激効果の範囲をよりよく理解するために実施された。図13は、ヒトPBMCの上清からのIFN−γ産生に対するこれらのODNの効果のいくつかを示す。これらの細胞は、表3に示される実験において使用された細胞と同じであったが、それらの培養物由来の上清を、そのIFN−γレベルについてアッセイした。図13のパネルCは、SOS CpG ODN(例えば、ODN1585)が、いくらかのIFN−γ産生を誘導するが、CpGモチーフを有さないODN(例えば、コントロールODN2118)は誘導しないことを示す。図13のパネルAおよびBは、ODN2006が、IFN−γ産生の誘導において比較的弱く、一方でODN2395およびその類縁物質(cousin)がいくらかより強力であることを示す。
【0168】
別のセットの研究を、樹状細胞に対するこれらの異なるODNの効果を試験するために実施した。形質細胞様DC(pDC)は、ODN2395およびその関連物質に応答して産生されるIFN−αの供給源である。骨髄様DC(mDC)に対する種々のODNの効果は、全てのODNが、部分的に精製されたmDCを、CD4T細胞を活性化してIFN−γを産生するように誘導する点において、比較的類似である(図14および図15)。骨髄様DCを、バフィーコートから単離し、そしてGM−CSF(4.4ng/ml)および種々のODNと共に2日間インキュベートした。次いで、CD4+ナイーブT細胞を、異なるドナーから単離し、そして選択されたエフェクター対標的(E:T)比でDCと混合し、そしてさらに6日間インキュベートした。次いで、細胞を染色し、そして蛍光活性化細胞分類(FACS)によって分析した。結果を、IFN−γについて染色されたCD3+細胞の割合に関して測定した。図14は、IFN−γについてポジティブに染色されたT細胞の割合を示し、そして図15は、これらのT細胞中のIFN−γ染色の平均蛍光強度(MFI)を示す。
【0169】
(実施例9.全てのGCリッチパリンドロームが有効であるわけではない)
いくつかのさらなるODNを、この新規クラスのODNについての構造的要件をよりよく理解するために合成した。本発明者らは、強力な免疫刺激的ODNがGCリッチパリンドロームを含んでいることに注目したので、ODN2449(TCGTCGTTTTCGGGGGGCCCCC、配列番号9)およびODN2450(TCGTCGTTTTCCCCCCGGGGGG、配列番号10)を、単純な連続的Gとそれに続くC、または連続的Cとそれに続く連続的GであるGCリッチなパリンドロームを有するように、合成した。図16に示されるように、これらのODNのいずれも、IFN−α産生を誘導しなかった。
【0170】
(実施例10.免疫刺激配列および中和モチーフの配向の影響)
ODN2451(TCGGCGCGCGCCGTCGTCGTTT、配列番号11)を、「刺激」TCGTCGモチーフおよび「中和」CGGCGCGCGCCG(配列番号23)パリンドロームの5’および3’配向が、免疫刺激活性を喪失せずに逆転され得るという可能性を試験するために合成した。実際、ODN2451は、高度に刺激性であった(図16)。ODN2452(TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCGTTTTT,配列番号12)を、さらなる配列が、免疫刺激活性を低減せずにCGGCGCGCGCCG(配列番号23)パリンドロームの3’末端に付加され得るかどうかを決定するために合成した。但し、この刺激TCGTCGモチーフは、5’末端に存在した。実際、このODNもまた、高度に免疫刺激性であった(図16)。
【0171】
(実施例11.種々のODN2395およびそれらのIFN−α誘導)
この新規クラスのODNがIFN−α分泌を誘導するための構造的要件をより詳細に研究するために、種々のODN 2395を合成し、そしてそれらの免疫刺激活性について試験した。表5は、IFN−α産生に関するデータを要約する。
【0172】
(表5.種々のODN2395およびそれらのIFN−α誘導1、2
【0173】
【表5】

下線は、2395とは異なるヌクレオチドであり;パリンドローム配列はイタリック体である。
ODN2336(これは、キメラ骨格ODN(大文字は、ホスホジエステル結合を示し、小文字は、ホスホロチオエート結合を示す)を示す)以外全ては、完全にホスホロチオエートODNである。
【0174】
ホスホロチオエートODNである2395および2427〜2433を使用する実験の第一セットから、ODNの3’末端のパリンドローム配列が、樹状細胞(これは、IFN−αの主要なプロデューサーである)によるIFN−α分泌の誘導について重要な役割を有するが(2395および2429を参照のこと)、3’末端にこのようなパリンドロームを有さないいくつかのODN(例えば、ODN2430およびODN2432)もまた、いくらか低い量でIFN−αを誘導した(図17Aの実施例)ことが明らかとなった。ODN2395およびODN2429は、最も高い量のIFN−αを誘導したが、一方で2006(クラスBのODN)は、全くない〜最少量を誘導し、そしてODN2336(クラスAのODN)は、大量のこのサイトカインを誘導した。ほとんどの実験は、ODN2429が、さらに高い量のこのサイトカインを誘導したことを実証した(図17B)。さらなるTCGモチーフの導入(例えば、ODN2427およびODN2428)は、IFN−α分泌に対してネガティブな効果を有するようであった。ODN2186のこれらおよび他の研究からのデータに基づき、3’末端のgccは、観察された効果において可能性のある役割を果たすようであった。
【0175】
従って、本発明者らは、別のセットのODN(全てその3’末端にGCC配列を有する)を試験した。これらのODNのいずれも、IFN−αを誘導しないことが観察された。従って、パリンドローム中のGCC自体だけでは、観察された効果について不十分であるようである。
【0176】
さらに、その5’末端にTGCを有するODN5297は、パリンドローム3’配列を保有するにもかかわらず、IFN−αを全く誘導しなかった。このことから、3’パリンドローム配列のみならず5’TCGモチーフもまた、これらのODNの活性に重要であるという結論が導かれた。
【0177】
このことを、ODN5328(5’TGCモチーフを有する2395)を用いて確認した。クラスAのODNのメチル化とは対照的に、少なくとも5’モチーフのメチル化は減少したが、IFN−α分泌は抑制しなかった。この知見は、クラスBのODNを用いて得られた結果と一致する。それにもかかわらず、3’パリンドロームの部分を有するが、5’末端での1つだけのCpGジヌクレオチドで異なる配列を有するODN(ODN2136)もまた、IFN−αを誘導した。このODNおよび完全な3’パリンドロームを有するODN(ODN5315)を用いた予備的結果において、ODN5315は、ODN2136よりも良好であったが、ODN2395ほどには良好でなかった。
【0178】
ODN5329が、その3’末端に完全なCGパリンドロームを有するにもかかわらず、全くない〜非常に低い量だけのIFN−αを誘導するようであるという事実は、特定のパリンドローム配列がIFN−α活性のために好ましいことを示す。
【0179】
(実施例12.B細胞活性化とIFN−α誘導との間の相互関係)
さらなるB細胞活性化実験を、実施例11のODNのうちのいくつかのパネルを用いて実施した(図18)。これらの結果は、ODNがIFN−αの誘導について良好になるほど、それがB細胞に対して活性でなくなることを示した(特に、ODN2006、ODN2336、ODN2995およびODN2429を比較のこと)。それにもかかわらず、このことは、これらODNの全てがB細胞刺激においてODN2336(クラスAのODN)よりも優れることもまた示した。
【0180】
(実施例13.IFN−γ分泌に対する効果)
本発明者らはまた、異なる時点で、異なる濃度のODNとの、PBMCのインキュベーションに対するIFN−γの分泌を決定した(図19A〜C)。試験したODNは、ランク順序2336>2395、2429>2006でIFN−γ分泌を誘導した。それにもかかわらず、ODNの間の差異は、読み出し(リードアウト)としてIFN−αを使用することによる差異ほどは明らかではなかった。
【0181】
(実施例14.MLRにおけるIFN−γに対する効果)
本発明者らはまた、混合リンパ球反応物(MLR)において、IFN−γの誘導に対するこれらODNの効果を決定した。この設定において、あるドナーのリンパ球は、別のドナーの細胞上に発現される抗原に対して応答する。これらの結果は、ODN2006、ODN2336およびODN2395が、このような抗原特異的応答の間のIFN−γ分泌を増強し得ることを実証した(図20)。このことは、全てのこれらODNが特定の抗原に対する反応性を増強し得ることを示した。
【0182】
(実施例15.ODN2395は、ODN2006ほどIL−10を誘導しない)
さらなる実験設定は、炎症誘発性サイトカインIL−10の誘導に着目した。再度、IFN−γについての前出のように、PBMCを異なる時間にわたり、そして異なる濃度のODNと共にインキュベートした(図21A〜C)。これらの結果は、前に示すように、ODN2006が、最少量〜少量のみのIL−10を誘導するODN2336とは対照的に、比較的高い量のIL−10を誘導することを実証する。対照的に、ODN2395およびODN2429は、ODN2336より多いがODN2006ほどではないIL−10を誘導する。このことは再度、この新規クラスの免疫刺激性ODNのうちのODNが、クラスAのODNについて記載された刺激活性と、クラスBのODNについて記載された刺激活性との間にODNを位置づける刺激活性を有することを確実にする。
【0183】
(実施例16.ODN2395はODN2006ほどではないがODN8954より多くのTNF−αを誘導する)
ヒトPBMCを、1.6μg/mlのODN2006、ODN8954、ODN2395、ODN2429またはLPSと共に6時間培養し、次いで上清を収集し、そして特異的なELISAによってTNF−αを測定した。結果を表6に示す。
【0184】
(表6.異なるクラスの代表的なODNによるTNF−αの誘導)
【0185】
【表6】

さらなる実験により、サイトカインのIL−5およびIL−15がこれらODNとのPBMCのインキュベーションに対する本発明者らの実験設定において検出され得ないことが、示された。
【0186】
(実施例17.IP−10の誘導)
ヒトPBMCを、単独、IL−2の存在下、10μg/mlのコントロールODN1585もしくはコントロールODN2118の存在下、または0.6μg/mlもしくは3.0μg/mlの様々なODNの存在下のいずれかで、培養した。24時間後に上清を収集し、そして特異的な酵素連結免疫固定化アッセイ(ELISA)によってIP−10を測定した。結果を図22に示す。3.0μg/mlのODN2395、ODN2429、ODN2430、ODN2432およびODN2451、ならびに0.6μg/mlのODN2452は、全て多量のIP−10を誘導した。
【0187】
(実施例18.IFN−αの誘導)
ヒトPBMCを、単独、IL−2の存在下、10μg/mlのコントロールODN1585もしくはコントロールODN2118の存在下、または0.6μg/mlもしくは3.0μg/mlの様々なODNの存在下のいずれかで、培養した。24時間後に上清を収集し、そして特異的なELISAによってIFN−αを測定した。結果を図23A(0.6μg/mlのODN)および図23B(3.0μg/mlのODN)に示す。3.0μg/mlのODN2395、ODN2427、ODN2429、ODN2430、ODN2431、ODN2432およびODN2451、ならびに0.6μg/mlのODN2452は、全て多量のIFN−αを誘導した。
【0188】
(実施例19.IFN−γの誘導)
ヒトPBMCを、単独、IL−2の存在下、10μg/mlのコントロールODN1585もしくはコントロールODN2118の存在下、または0.6μg/mlもしくは3.0μg/mlの様々なODNの存在下のいずれかで、培養した。24時間後に上清を収集し、そして特異的なELISAによってIFN−γを測定した。結果を図24に示す。3.0μg/mlのODN2395、ODN2427、ODN2429、ODN2430、ODN2431、ODN2432、ODN2451およびODN2452、ならびに0.6μg/mlのODN2352は、全て多量のIFN−γを誘導した。
【0189】
(実施例20.IL−6の誘導)
ヒトPBMCを、単独、IL−2の存在下、10μg/mlのコントロールODN1585もしくはコントロールODN2118の存在下、または0.6μg/mlもしくは3.0μg/mlの様々なODNの存在下のいずれかで、培養した。24時間後に上清を収集し、そして特異的なELISAによってIL−6を測定した。結果を図25に示す。0.6μg/mlのODN2395、ODN2430、ODN2431、ODN2432、ODN2433、ODN2136、ODN2449、ODN2450、ODN2451およびODN2452、ならびに3.0μg/mlのODN2449およびODN2451は、全て多量のIL−6を誘導した。
【0190】
(実施例21.IFN−αの誘導)
ヒトPBMCを、単独、または3.0μg/mlもしくは6.0μg/mlの様々なODNの存在下のいずれかで、培養した。ODNは、ODN2006、ODN8954、ODN2395、ODN2449、ODN2450、ODN2451、ODN2452、ODN5373(CGGCGCGCGCCG、配列番号23)、ODN5374(CGGCGCGCGCCGCGGCGCGCGCCG、配列番号24)、ODN5375(CGGCGCGCGCCGTCGTCGTTT、配列番号25)、ODN5376(TCGGCGCGCGCCGTGCTGCTTT、配列番号26)、およびODN5377(CCGCCGTTTTCGGCGCGCGCCG、配列番号27)を含んだ。24時間後に上清を収集し、そして特異的なELISAによってIFN−αを測定した。結果を図26に示す。ODN2395、ODN2451、ODN2452ならびにODN5376は全てIFN−αを誘導した。
【0191】
(実施例22.ODN5515およびODN5516によるIFN−αの誘導)
2人のドナーより獲得したヒトPBMC(D346およびD240)を、単独、または0.8μg/ml、2.4μg/mlもしくは6.0μg/mlのODN2006、ODN5515もしくはODN5516の存在下のいずれかで、培養した。24時間後に上清を収集し、そして特異的なELISAによってIFN−αを測定した。結果を表7に示す。特にODN濃度2.4μg/mlおよび6.0μg/mlで、ODN5515およびODN5516は、ODN2006よりも効果的にIFN−αを誘導した。
【0192】
(実施例23.ODN20184、ODN20185およびODN20186によるIFN−αの誘導)
3人のドナーより獲得したヒトPBMC(D445、D446およびD448)を、単独、または0.05μg/ml、0.1μg/ml、0.2μg/ml、0.5μg/mlもしくは1.0μg/mlのODN2006、ODN20184、ODN20185もしくはODN20186の存在下のいずれかで、培養した。24時間後に上清を収集し、そして特異的なELISAによってIFN−αを測定した。結果を表8に示す。特に0.2〜0.5μg/mlで、ODN20184、ODN20185およびODN20186は、ODN2006よりも効果的にIFN−αを誘導した。
【0193】
(表7.ODN5515およびODN5516によるIFN−αの誘導(pg/ml))
【0194】
【表7】

(表8.ODN20184、ODN20185およびODN20186によるIFN−αの誘導(pg/ml))
【0195】
【表8】

(実施例24.ODN8954、ODN5569およびODN5570によるによるIFN−αの誘導)
3人のドナーより獲得したヒトPBMC(D521、D525およびD526)を、単独、または0.03μg/ml、0.06μg/ml、0.125μg/ml、0.25μg/mlもしくは1.0μg/mlのODN2006(配列番号39)、ODN8954、ODN5569(TIGTIGTTTTCGGCGGCCGCCG、配列番号63)もしくはODN5570(TCITCITTTTCGGCGGCCGCCG、配列番号70)の存在下のいずれかで、培養した。24時間後に上清を収集し、そして特異的なELISAによってIFN−αおよびIL−10を測定した。結果を表9および表10に示す。
【0196】
(表9.ODN8954、ODN5569およびODN5570によるによるIFN−α(pg/ml)の誘導)
【0197】
【表9】

(表10.ODN8954、ODN10101−2、ODN5569およびODN5570によるによるIL−10の誘導)
【0198】
【表10】

上記の明細書は、当業者に本発明の実施を可能とするのに十分であるとみなされる。本発明は、提供された実施例により範囲を限定されるべきではない。なぜなら、これら実施例は、本発明の1局面の単なる例示として意図され、そして他の機能的に等価な実施形態が本発明の範囲内であるからである。本明細書中に示されそして記載されたものに加えて、本発明の種々の改変が、上記説明より当業者に明らかとなり、そしてそれらは添付の特許請求の範囲の範囲内にある。本発明の利点および目的は、必ずしも本発明の各実施形態によって包含されるわけではない。
【0199】
本出願において引用される全ての参考文献、特許および特許刊行物は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【0200】
以下の図面は、例示目的のためにのみ提供されており、本発明を理解または実施するためには必要とされない。
【図1】図1は、単独でか、IL−2とともにか、または示される濃度の示されるODNの存在下での24時間の培養後に、ヒトPBMCにおいて誘導されたIFN−αの量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図2】図2は、単独でか、IL−2とともにか、または示される濃度の示されるODNの存在下での24時間の培養後に、ヒトPBMCにおいて誘導されたMCP−1の量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図3】図3は、単独でか、IL−2とともにか、または示される濃度の示されるODNの存在下での24時間の培養後に、ヒトPBMCにおいて誘導されたIP−10の量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図4】図4は、単独で(N/A)か、または1.0μg/mlの示されるODNの存在下での48時間の培養後に、ヒトPBMCにおいて誘導されたIFN−αの量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図5】図5は、単独で(N/A)か、または0.25μg/ml(パネルA)もしくは1.0μg/ml(パネルB)の示されるODNの存在下での48時間の培養後の、CD86についてのB細胞における表面染色(MFI)を示す一対の棒グラフである。
【図6】図6は、単独で(N/A)か、または0.25μg/ml(パネルA)もしくは1.0μg/ml(パネルB)の示されるODNの存在下での、72時間のB細胞増殖アッセイの結果(cpm H−チミジン取込み)を示す一対の棒グラフである。
【図7】図7は、単独で(N/A)か、または0.25μg/ml(パネルA)もしくは1.0μg/ml(パネルB)の示されるODNの存在下のいずれかでの24時間の培養後に、ヒトPBMCにおいて誘導されたIL−10の量(pg/ml)を示す一対の棒グラフである。
【図8】図8は、単独で(w/o)か、または示される濃度(1μg/mlまたは6μg/ml)の示されるODNの存在下で24時間の培養後に、2人のドナー(D127(黒い棒)およびD124(白い棒))由来のPBMCにおいて誘導されたIFN−αの量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図9】図9は、単独で(w/o)か、または示される濃度(0.4μg/ml、1.0μg/mlまたは10.0μg/ml)の示されるODNの存在下で24時間培養されたヒトPBMCにおけるCD86陽性細胞のパーセントによって測定される、B細胞活性化を示す棒グラフである。
【図10】図10は、単独で(w/o)か、または示される濃度(1μg/mlまたは6μg/ml)の示されるODNの存在下で24時間の培養後に、2人のドナー(D141(白い棒)およびD142(黒い棒))由来のPBMCにより分泌されたIFN−αの量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図11】図11は、単独で(w/o)か、または示される濃度(1μg/mlまたは6μg/ml)の示されるODNの存在下で48時間の培養後に、2人のドナー(D141(白い棒)およびD142(黒い棒))由来のPBMCにより分泌されたIFN−αの量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図12】図12は、単独で(w/o)か、または6μg/mlの示されるODNの存在下で24時間の培養後に、2人のドナー(D141(影を付けた棒)およびD142(白い棒))由来のPBMCにより分泌されたIFN−αの量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図13】図13は、単独で(n/a)か、または示される濃度(パネルA、パネルB、およびパネルCにおいて、それぞれ、1μg/ml、3μg/mlまたは10μg/ml)の示されるODNの存在下で24時間の培養後に、PBMCにより分泌されたIFN−γの量(pg/ml)を示す一連の3つの棒グラフである。
【図14】図14は、単独で(NA)か、または示されるODNの存在下で48時間の培養後に、IFN−γについて陽性であるCD3+細胞染色のパーセンテージを示す棒グラフである。
【図15】図15は、単独で(NA)か、または示されるODNの存在下で48時間の培養後に、T細胞におけるIFN−γ染色の平均蛍光強度(MFI)を示す棒グラフである。
【図16】図16は、単独で(N/A)か、または1.0μg/mlの示されるODNの存在下で24時間の培養後に、ヒトPBMCにより分泌されたIFN−αの量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図17A】図17は、単独で(w/o)か、または示される濃度(1μg/mlもしくは6μg/ml)の示されるODNの存在下で24時間もしくは48時間の培養後に、ヒトPBMCにより分泌されたIFN−αの量(pg/ml)を示す一対の棒グラフである。パネルAは、2人のドナーからプールされたPBMCについての結果を示す。パネルBは、2人のドナー(D141およびD142)から得られたPBMCについての結果を示す。
【図17B】図17は、単独で(w/o)か、または示される濃度(1μg/mlもしくは6μg/ml)の示されるODNの存在下で24時間もしくは48時間の培養後に、ヒトPBMCにより分泌されたIFN−αの量(pg/ml)を示す一対の棒グラフである。パネルAは、2人のドナーからプールされたPBMCについての結果を示す。パネルBは、2人のドナー(D141およびD142)から得られたPBMCについての結果を示す。
【図18】図18は、単独で(w/o)か、または示される濃度(0.4μg/mlおよび1.0μg/ml)の示されるODNの存在下で24時間の培養後の、CD86陽性B細胞のパーセントを示す棒グラフである。
【図19A】図19は、単独で(w/o)か、LPSとともにか、または示される濃度(0.2μg/ml〜1.0μg/ml)の示されるODNとともに、6時間(パネルA)、24時間(パネルB)、もしくは48時間(パネルC)インキュベーションした後の、ヒトPBMCの培養上清中のIFN−γの濃度(pg/ml)を示す一連の3つの棒グラフである。
【図19B】図19は、単独で(w/o)か、LPSとともにか、または示される濃度(0.2μg/ml〜1.0μg/ml)の示されるODNとともに、6時間(パネルA)、24時間(パネルB)、もしくは48時間(パネルC)インキュベーションした後の、ヒトPBMCの培養上清中のIFN−γの濃度(pg/ml)を示す一連の3つの棒グラフである。
【図19C】図19は、単独で(w/o)か、LPSとともにか、または示される濃度(0.2μg/ml〜1.0μg/ml)の示されるODNとともに、6時間(パネルA)、24時間(パネルB)、もしくは48時間(パネルC)インキュベーションした後の、ヒトPBMCの培養上清中のIFN−γの濃度(pg/ml)を示す一連の3つの棒グラフである。
【図20】図20は、2人のドナーから得たリンパ球を、単独で(w/o)か、または6μg/mlの示されるODNの存在下で24時間培養しその後混合した、2様式混合リンパ球反応(MLR)において生成したIFN−γの量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図21A】図21は、単独で(w/o)か、LPSとともにか、または示される濃度(0.2μg/ml〜1.0μg/ml)の示されるODNとの、6時間(パネルA)、24時間(パネルB)、もしくは48時間(パネルC)のインキュベーションの後の、ヒトPBMCの培養上清中のIL−10の濃度(pg/ml)を示す一連の3つの棒グラフである。
【図21B】図21は、単独で(w/o)か、LPSとともにか、または示される濃度(0.2μg/ml〜1.0μg/ml)の示されるODNとの、6時間(パネルA)、24時間(パネルB)、もしくは48時間(パネルC)のインキュベーションの後の、ヒトPBMCの培養上清中のIL−10の濃度(pg/ml)を示す一連の3つの棒グラフである。
【図21C】図21は、単独で(w/o)か、LPSとともにか、または示される濃度(0.2μg/ml〜1.0μg/ml)の示されるODNとの、6時間(パネルA)、24時間(パネルB)、もしくは48時間(パネルC)のインキュベーションの後の、ヒトPBMCの培養上清中のIL−10の濃度(pg/ml)を示す一連の3つの棒グラフである。
【図22】図22は、単独で(n/a)か、またはコントロール(IL−2、ODN 1585(GGGGTCAACGTTGAGGGGGG、配列番号35)およびODN 2118(GGGGTCAAGCTTGAGGGGGG、配列番号36))または0.6μg/ml(白い棒)もしくは3.0μg/ml(黒い棒)のいずれかの種々の示されるODNの存在下での24時間のインキュベーションの後の、PBMC上清中のIP−10の量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図23】図23は、単独で(n/a)か、またはコントロール(IL−2、ODN 1585およびODN 2118)または0.6μg/ml(パネルA)もしくは3.0μg/ml(パネルB)のいずれかの種々の示されるODNの存在下での24時間のインキュベーションの後の、PBMC上清中のIFN−αの量(pg/ml)を示す一対の棒グラフである。
【図24】図24は、単独で(n/a)か、またはコントロール(IL−2、ODN 1585およびODN 2118)または0.6μg/ml(白い棒)もしくは3.0μg/ml(黒い棒)のいずれかの種々の示されるODNの存在下での24時間のインキュベーションの後の、PBMC上清中のIFN−γの量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図25】図25は、単独で(n/a)か、またはコントロール(IL−2、ODN 1585およびODN 2118)または0.6μg/ml(白い棒)もしくは3.0μg/ml(黒い棒)のいずれかの種々の示されるODNの存在下での24時間のインキュベーションの後の、PBMC上清中のIL−6の量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【図26】図26は、単独で(w/o)か、または示される濃度(3.0μg/mlおよび6.0μg/ml)の示されるODNの存在下での24時間の培養後の、PBMCによるIFN−α分泌の量(pg/ml)を示す棒グラフである。
【0201】
(配列表)
【数1】

【数2】

【数3】

【数4】

【数5】

【数6】

【数7】

【数8】

【数9】

【数10】

【数11】

【数12】

【数13】

【数14】

【数15】

【数16】

【数17】

【数18】

【数19】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書および図面に記載されるような、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17A】
image rotate

【図17B】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19A】
image rotate

【図19B】
image rotate

【図19C】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21A】
image rotate

【図21B】
image rotate

【図21C】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2009−28051(P2009−28051A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259120(P2008−259120)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【分割の表示】特願2003−520672(P2003−520672)の分割
【原出願日】平成14年8月19日(2002.8.19)
【出願人】(502102051)コーリー ファーマシューティカル ゲーエムベーハー (21)
【出願人】(304051252)ユニバーシティー オブ アイオワ リサーチ ファウンデーション (11)
【Fターム(参考)】