説明

改竄表示光セキュリティデバイス

1つまたはそれ以上の合成画像を生成するように動作する改竄表示セキュリティデバイス、基礎をなす母材からこのデバイスを分離しようとすれば(たとえば無理やり除去しようとすれば)、セキュリティデバイスの1つまたはそれ以上の層が分離または離層し、デバイスは、部分的にまたは全体的に動作不可能になる。本発明のデバイスは、とりわけ、通貨または紙幣、社債券、小切手、トラベラーズチェック、IDカード、宝くじ券、パスポート、郵便切手、および、株券などの保管文書、ならびに、文房具品目およびラベルなどの非保管文書との使用に向けて企図されている。本発明のデバイスは、消費者物品ならびに消費者物品と共に使用される袋または包装との使用に向けても企図されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2003年11月21日出願の米国特許仮出願第60/524,281号、2004年1月22日出願の米国特許仮出願第60/538,392号、および2004年11月12日出願の米国特許仮出願第60/627,234号の優先権を主張する、2004年11月22日出願の米国特許出願第10/995,859号(現在の米国特許第7,333,268号(1))の優先権を両方が主張する、2007年6月29日出願の米国特許出願第11/771,623号および2007年10月31日出願の米国特許出願第11/932,468号の一部継続出願であり、これらの特許の全ては、引用により本明細書に全体が組み入れられ、本出願は、2009年8月12日出願の米国特許仮出願第61/233,264号の利益および優先権を主張するものであり、この特許は、全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、一般に、1つまたはそれ以上の合成画像を生成するように動作する改竄表示セキュリティデバイスに関するものであり、基礎をなす母材からこのデバイスを分離する試みがあれば、デバイスは、完全にまたは部分的に動作不可能となる。
【背景技術】
【0003】
合成画像を投影する微小光学フィルム材料は、一般的に、(a)光透過高分子基板、(b)高分子基板上にまたはその中に位置する超小型画像アイコンの構成、および、(c)集光素子(たとえば、マイクロレンズ)の構成を備える。画像アイコン構成および集光素子構成は、画像アイコンの構成が集光素子の構成を介して表示されるとき、1つまたはそれ以上の合成画像が投影されるように構成されている。これらの投影された画像は、いくつかの異なる光学効果を示す場合がある。このような効果を提示することができる材料構造は、Steenblik他に付与された米国特許第7,333,268号明細書、Steenblik他に付与された米国特許第7,468,842号明細書、Steenblik他に付与された米国特許第7,738,175号明細書、Commander他の米国特許出願公開第2009/0034082号明細書、Kaule他の米国特許出願公開第2009/0008923号明細書、Kaule他の米国特許出願公開第2010/0177094号明細書、Kaule他の米国特許出願公開第2010/0182221号明細書、Kaule他の欧州特許出願第08784548.3号明細書、および、Kauleの欧州特許出願第08759342.2号明細書において説明されている。
【0004】
これらのフィルム材料は、紙幣、保管文書および製品の認証に向けてセキュリティデバイスとして使用される場合がある。紙幣および保管文書については、これらの材料は、一般的にストリップまたは細い線の形で使用されて紙幣または文書内の部分的に埋め込まれているか、または、その表面に塗布されている。パスポートまたは他の身分証明(ID)書類については、これらの材料は、完全な積層体として使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなデバイスはこれまで使用されているが、たとえば、「剥いで壊す」改竄表示特性は有していなかった。改竄するとは、目的が偽造であれ、捏造であれ、差替えであれ、デバイスとの認可されていない干渉(すなわち、オブジェクトからデバイスを除去しようとする試み)を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、1つまたはそれ以上の合成画像を生成するように動作する改竄表示セキュリティデバイスを提供するものであり、デバイスは、母材(たとえば、パスポート紙)に接着または接合され、デバイスは、母材からデバイスを分離させようとしたとき分離または離層し、デバイスは完全にまたは部分的に動作不可能になる。「完全にまたは部分的に動作不可能な」という語句は、本明細書で使用するとき、本発明のデバイスは、(a)もはや1つまたはそれ以上の合成画像を生成することができない(完全に動作不可能な)かまたは
(b)低減された数の合成画像を生成することができるのみ(部分的に動作可能な)であるということを意味することが意図されている。
【0007】
本発明の改竄表示セキュリティデバイスは、オブジェクトからデバイスの除去が試みられたとき不可逆的に変えられる。デバイスは、したがって、置き換えの検出がなされないと、除去して、偽造オブジェクトなど、別のオブジェクトに接着し直すことができない。
【0008】
本発明のデバイスは、接着剤の使用の有無を問わず基礎をなす母材に接着または接合してもよい。一例として、接合は、直に母材へのデバイスの超音波圧接、振動溶接およびレーザ核融合を使用して達成してもよい。
【0009】
本発明の改竄表示セキュリティデバイスは、集光素子(たとえば、レンズ)を含む少なくとも1つの層で構成される光学フィルム材料と、画像要素(たとえば、アイコン)を含む少なくとも1つの層と、集光素子層と画像要素層との間に位置決めされた少なくとも1つの光学スペーサまたはスペーサ層とを備え、集光素子は、少なくとも画像要素の一部の1つまたはそれ以上の合成画像を形成する。光学フィルム材料は、接合弱化層、プライマ層または接着剤層およびその組み合わせの群から選択された1つまたはそれ以上の層を随意的に更に備えてもよい。更に、集光素子層は、以下で更に詳細に説明するように、部分または完全埋設層を随意的に構成してもよい。
【0010】
本発明のセキュリティデバイスは、デバイスの片側または両側に塗布された1つまたはそれ以上の層を随意的に更に備えてもよく、それらの層には、印刷層(たとえば、裏面印刷層)、金属被覆および/または金属被覆部分除去層(partially demetalized layers)、プライマ層または接着剤層、シール層または被覆層、強化層(stiffening layers)およびその組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
【0011】
本発明のデバイスが母材に接着または接合されていて、母材からデバイスを分離させようとしたとき、デバイスは失敗するように設計されており、故障は、通常、集光素子層および画像要素層内および/またはこれらの層の間で内部的に発生する。
【0012】
分離させようとする行為は、デバイスを母材から引き離そうとすることから、フィルム材料と母材の間にかみそりの刃など、鋭利なオブジェクトを滑り込ませようとすること、すなわち、化学的衝撃、熱的衝撃、極低音衝撃または機械的衝撃に及ぶ可能性がある。
【0013】
1つの企図された実施形態においては、光学フィルム材料は、光学スペーサまたはスペーサ層を更に備える。更に詳しくは、この企図された実施形態の改竄表示セキュリティデバイスは、
(a)集光素子を含む少なくとも1つの層と、画像要素を含む少なくとも1つの層と、少なくとも1つの集光素子層と少なくとも1つの画像要素層との間に位置決めされて接着された光学スペーサまたはスペーサ層とを備える光学フィルム材料を備え、集光素子は、少なくとも画像要素の一部の1つまたはそれ以上の合成画像を形成し、
この改竄表示セキュリティデバイスは、更に
(b)随意的に、印刷層、金属被覆された層、部分的に金属被覆除去された層、プライマ層または接着剤層、シール層または被覆層、強化層(stiffening layers)およびその組み合わせの群から選択された1つまたはそれ以上の層を備える。
【0014】
この企図された実施形態の改竄表示セキュリティデバイスは、任意の層での層内故障、または、集光素子層と光学スペーサの間などの集光素子層と画像要素層の間、または、光学フィルム材料の光学スペーサと画像要素層の間の任意の境界面での層間故障に向けて設計してもよい。特に、デバイスが母材に接着されていて、母材からデバイスを分離させようとしたとき、このような試みで固有の応力が、1組のこれらの列挙した層の境界面にて集中する。
【0015】
別の企図された実施形態においては、2つの光学スペーサまたはスペーサ層およびプライマ層または接着剤層は、光学フィルム材料において使用される。更に詳しくは、この企図された実施形態の改竄表示セキュリティデバイスは、
(a)集光素子を含む少なくとも1つの層と、画像要素を含む少なくとも1つの層と、プライマ層または接着剤層により共に接着された2つの光学スペーサまたはスペーサ層とを備える光学フィルム材料を備え、2つの光学スペーサまたはスペーサ層は、少なくとも1つの集光素子層と少なくとも1つの画像要素層との間に位置決めされて接着され、集光素子は、少なくとも画像要素の一部の1つまたはそれ以上の合成画像を形成し、この改竄表示セキュリティデバイスは、更に
(b)随意的に、印刷層、金属被覆された層、部分的に金属被覆除去された層、プライマ層または接着剤層、シール層または被覆層、強化層(stiffening layers)およびその組み合わせの群から選択された1つまたはそれ以上の層を備える。
【0016】
この企図された実施形態の改竄表示セキュリティデバイスは、光学フィルム材料の光学スペーサまたはスペーサ層の一方とプライマ層または接着剤層の間の層間故障に向けて設計してもよい。
【0017】
更に別の企図された実施形態においては、接合弱化層が、光学フィルム材料内に導入され、故障は、この層内でおよび/またはこの層と1つまたはそれ以上の隣接層または近接層の間で発生するように設計される。
【0018】
尚も更に企図された実施形態においては、集光素子は、反射集光素子または集光反射体であり、層間故障は、たとえば、集光反射体の表面に塗布された反射(たとえば、金属)層と集光反射体の間で、または、光学スペーサと集光反射体の間で発生するように設計してもよい。
【0019】
説明する層内故障および/または層間故障を達成するために、本発明のセキュリティデバイスは、
(a)セキュリティデバイス内のターゲット層の皮膜引張強さは、セキュリティデバイス内の他の層の皮膜引張強さを下回り、および/または
(b)セキュリティデバイス内の2つの層間のターゲット境界面の接合強度は、セキュリティデバイス内の他の層の間およびセキュリティデバイスと母材の間の境界面の接合強度を下回るように設計される。
【0020】
以下で更に詳細に説明するように、本発明のセキュリティデバイスは、
(1)セキュリティデバイスの残りの層または境界面に対して1つまたはそれ以上のターゲット層または境界面の剛性(ヤング率または縦弾性係数)、接合強度または架橋結合密度を増減し、
(2)応力誘起(たとえば、容積変更)成分をセキュリティデバイスの1つまたはそれ以上のターゲット層に組み込み、および/または、
(3)セキュリティデバイスの2つの層間のターゲット境界面にて接合弱化層を導入することにより、これらの相対的な皮膜引張強さおよび/または接合強度を組み込むように設計してもよく、これらの相対的な皮膜引張強さおよび接合強度は、ターゲット層でまたは集光素子層と画像要素層間のターゲット境界面での層内故障および/または層間故障または離層の一因となるものである。
【0021】
本発明の他の特長および利点は、以下の詳細な説明および添付図面から当業者に明らかとなろう。別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての専門用語および科学用語は、本明細書が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で言及する全ての出版物、特許出願、特許および他の参考文献は、引用により本明細書に全体が組み込まれる。食い違いがある場合には、定義を含め本明細書が優先されることとする。更に、材料、方法および例は、例示的であるにすぎず、制限的であることを意図したものではない。
【0022】
本開示は、以下の図面を参照してより深く理解されるであろう。適合している参照番号は、図面を通して対応する部品を指し、図面中の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに、本開示の諸原理を明らかに示す際に誇張されている。例示的な実施形態を図面に関連して開示するが、本明細書で開示する実施形態または種々の実施形態に本開示を制限する意図はない。それどころか、全ての代案、改変および均等物を対象とすることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】図1Aは、本発明の改竄表示セキュリティデバイスの一実施形態の横断面側面図であり、光学フィルム材料は、1つの集光素子層と、1つのアイコン層と、これらの層の間に位置決めされて接着された光学スペーサとを備え、フィルム材料は、接着剤を使用することになく母材に直に接着または接合される。
【図1B】母材からデバイスを分離させようとしたときの、図1Aに示す改竄表示セキュリティデバイスの光学スペーサとアイコン層の間の層間故障を示す図である。
【図2A】集光素子層が凸レンズの埋設層であることを除き図1Aと類似の図である。
【図2B】図2Aの改竄表示セキュリティデバイスの集光素子層と光学スペーサの間の層間故障を示す図である。
【図2C】光学スペーサとアイコン層の間の層間故障を示す図である。
【図3A】集光素子層が凹レンズの埋設層であることを除き図1Aと類似の図である。
【図3B】図3Aの改竄表示セキュリティデバイスの集光素子層と光学スペーサの間の層間故障を示す図である。
【図3C】光学スペーサとアイコン層の間で層間故障を示す図である。
【図4A】集光素子層が凸面勾配率(GRIN)レンズの埋設層であることを除き、図1Aと類似の図である。
【図4B】図4Aの改竄表示セキュリティデバイスの集光素子層と光学スペーサの間の層間故障を示す図である。
【図4C】光学スペーサとアイコン層の間の層間故障を示す図である。
【図5A】本発明の改竄表示セキュリティデバイスの更に別の実施形態の横断面側面図であり、光学フィルム材料は、1つの集光素子層と、1つのアイコン層と、プライマ層または接着剤層により共に接着された2つの光学スペーサとを備え、2つの光学スペーサは、集光素子層とアイコン層の間に位置決めされて接着され、フィルム材料は、接着剤を使用することになく母材に直に接着または接合される。
【図5B】図5Aに示す改竄表示セキュリティデバイスの1つの光学スペーサとプライマ層または接着剤層の間の層間故障を示す図である。
【図6A】集光素子層が凸レンズの埋設層であることを除き図5Aと類似の図である。
【図6B】図6Aに示す改竄表示セキュリティデバイスの1つの光学スペーサとプライマ層または接着剤層の間の層間故障を示す図である。
【図7】図7は、本発明の改竄表示セキュリティデバイスの更に別の実施形態の横断面側面図であり、光学フィルム材料は、1つの集光素子層と、1つのアイコン層と、集光素子層とアイコン層の間に位置決めされて接着された光学スペーサと、光学スペーサとアイコン層の間の故障を促進するためにアイコン層の下側に塗布された硬化層(stiffening layer)と、接着剤層と、を備え、接着剤層は、母材にフィルム材料を接着または接合する役目する。
【図8】本発明の改竄表示セキュリティデバイスの別の実施形態の横断面側面図であり、光学フィルム材料は、金属被覆集光反射体(屈折レンズの代わりに)の層と、アイコン層と、集光反射体層とアイコン層の間に位置する光学スペーサまたはスペーサ層と、集光反射体層を埋設して、上述したように、母材にフィルム材料を接着または接合する役目をする接着剤層とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0024】
開示する本発明の特定の特長部は、添付図面を参照して示す。
【0025】
本件発明者らは、「剥いで壊す」特長の有用性を認識して、基礎をなす母材からデバイスを分離させようとしたときの層内故障および/または層間故障向けに設計された改竄表示セキュリティデバイスを開発した。
【0026】
たとえば、セキュリティストリップ、細い線、パッチ、インレーまたはオーバレイの形を取ることができる本発明のデバイスは、とりわけ、通貨または紙幣、社債券、小切手、トラベラーズチェック、IDカード、宝くじ券、パスポート、郵便切手および株券などの保管文書、ならびに文房具品目およびラベルなどの非保管文書との使用に向けて企図されている。本発明のデバイスは、消費者物品ならびに消費者物品と共に使用される袋または包装との使用に向けても企図されている。
【0027】
図面の図1Aをここで参照すると、本発明の改竄表示光学セキュリティデバイスの例示的な実施形態は、10にて全体的に示されている。デバイス10は、基本的に、集光素子14と、アイコン16を含む層と、集光素子層14とアイコン層16の間に位置決めされて接着された光学スペーサ18とを含む層から構成される光学フィルム材料12を備え、集光元素は、少なくともアイコンの一部の少なくとも1つの合成画像20を形成する。2つの異なる合成画像が集光素子により形成されるとき、一方の合成画像は、米国特許第7,738,175号明細書で説明するように、別の合成画像の出現の範囲を調整または制御するように動作してもよく、この特許は、全体が引用により本明細書に組み入れられる。図1Aに示す例示的な実施形態においては、本発明の改竄表示光学セキュリティデバイス10は、たとえば、感圧型接着剤材料を使用するかまたは連動微細構造を形成して共に材料を封止するかまたは融合させるために熱を使用することにより直に母材22に接着されると示されている。
【0028】
図2A、図3A、図4Aは、集光素子層14は、図2A内の凸レンズ24の埋設層であり、参照番号26は、埋封材料を指定するために使用され、集光素子層14は、図3A内の凹状レンズ28の埋設層であり、集光素子層14は図4A内の凸面勾配率(GRIN)レンズ30の埋設層である点を除き、図1Aに示す実施形態と類似の実施形態を示す。
【0029】
図5A、図6Aは、本発明の改竄表示セキュリティデバイス10の実施形態を示し、光学フィルム材料12は、1つの集光素子層14(図6Aに示す埋設集光素子層)と、
1つのアイコン層16と、プライマ層または接着剤層32により共に接着された2つの光学スペーサ18a、18bとを備え、2つの光学スペーサ18a、18bは、集光素子層14とアイコン層16の間に位置決めされて接着され、フィルム材料は、接着剤を使用することになく母材22に直に接着または接合される。
【0030】
集光素子層14の集光素子は、屈折集光素子、反射集光素子または複合型屈折/反射集光素子とすることができる。一実施形態においては、図面に示すように、集光素子は、屈折マイクロレンズのアレイとすることができる。適当な集光素子の例は、Steenblik他に付与された米国特許第7,333,268号明細書、Steenblik他に付与された米国特許第7,468,842号明細書、および、Steenblik他に付与された米国特許第7,738,175号明細書において開示されており、これらの特許の全ては、先述したように、完全に本明細書で定めるがごとく、引用により完全に組み込まれる。
【0031】
上述したように、集光素子層14は、部分的にまたは全体的に埋設してもよく、この層の部分的または全体的な埋設は、外部効果の光学的劣化に対する本発明のセキュリティデバイスの抵抗を向上させる役目をする。このような実施形態においては、本発明のデバイスの外面から屈折境界面への屈折率は第1および第2の屈折率の間で変更され、第1の屈折率は、実質的にまたは測定可能に第2の屈折率と異なる。「実質的にまたは測定可能に異なる」という語句は、本明細書で使用するとき、集光素子の焦点距離を少なくとも約0.1ミクロン変化させる屈折率の差を意味する。
【0032】
屈折率の変動は、(i)集光素子(以下「第1の材料」という)を形成するために使用される材料、との異なった境界面を形成して、少なくとも集光素子の一部間の隙間の空間を埋めるおよび/またはこれらの集光素子を覆うか、または(ii)第1の材料に拡散し、それによって、第1の材料との傾斜境界面を形成する材料(以下「第2の材料」という)を使用して達成してもよい。第2の材料は、集光素子層を部分的にまたは全体的に埋設してもよいか、または、本発明のデバイスを封入してもよい。更に好ましくは、第2の材料は、集光素子層の外部境界を形成する(集光素子層の全体的な埋設)か、または、集光素子およびアイコン層両方の外部境界を形成する(改竄表示セキュリティデバイスの全体的な封入)。
【0033】
第2の材料は、透明、半透明、薄色、または色素性であってもよく、かつ、光学効果、導電率または静電容量、磁場検出に頼る自動通貨認証、確認、追跡、計数および検出システムの支援を含む保安および認証の目的に向けて更なる機能性を実現してもよい。適当な材料としては、接着剤、ゲル、接着剤、ラッカー、液体、成型ポリマおよびポリマまたは有機的または金属的散乱を含む他の材料を挙げることができる。
【0034】
アイコン層16のアイコンは、正または負アイコン素子とすることができる。更に、アイコン素子は、いくつかの異なる技法を使用して形成することができる。たとえば、アイコン素子は、熱成形、鋳造、圧縮成形、射出成形、エンボス加工、模様放射線露光および成長、レーザ露光および成長、インクジェット印刷、電子印刷、印刷、型彫、電気鋳造、写真、ホログラフィック、よく知られた硬化およびエッチングまたは膨潤プロセスと組み合わせた感光乳剤のレーザ露光、マスキングおよび蒸着工程、マスキングおよび化学エッチング、マスキングおよび反応性イオンエッチング、マスキングおよびイオンビームミリング、微細加工、レーザ加工およびレーザ爆蝕、フォトポリマ露光および成長、および、他の適当な手段、および、その組み合わせにより形成することができる。一実施形態においては、アイコン素子は、高分子基板内の空隙または凹部、または、染料、着色剤、顔料、粉末材料、インク、粉末状鉱物、金属材料および粒子、磁性材料および粒子、磁化材料および粒子、磁気反応性材料および粒子、蛍光体、液晶、液晶重合体、カーボンブラックまたは他の吸光材料、二酸化チタンまたは他の光散乱材料、フォトニック結晶、非線形結晶、ナノ粒子、ナノチューブ、バッキーボール(buckeyballs)、バッキーチューブ(buckeytubes)、有機物、真珠光沢材料(pearlescent materials)、真珠粉末(powdered pearls)、多層干渉材料、乳白色材料(opalescent materials)、虹彩材料(iridescent materials)、低屈折率材料または粉体、高屈折率材料または粉体、ダイヤモンド粉末、構造色材料、偏光材料、偏光回転材料、蛍光物質、燐光物質、熱変色材、ピエゾクロミック材料、調光材料、摩擦ルミネンス材料(tribolumenscent materials)、電場発光物質、電気着色材料、磁気クロム材料および粒子、放射性物質、放射化可能材料(radioactivatable materials)、エレクトレット電荷分離材料、および、その組み合わせなど、造影物質(contrasting substance)が随意的に充填された異形柱(shaped posts)を取り囲む空隙(または凹部)または領域を有する反転異形柱(shaped posts)の形である微細構造である。適当なアイコン素子の例は、Steenblik他に付与された米国特許第7,333,268号明細書、Steenblik他に付与された米国特許第7,468,842号明細書、および、Steenblik他に付与された米国特許第7,738,175号明細書において開示されており、これらの特許の全ては、先述したように、完全に本明細書で定めるがごとく、引用により完全に組み込まれる。
【0035】
光学スペーサまたはスペーサ層18は、集光素子層14とアイコン層16の間に含まれている。1つの当該の実施形態においては、光学スペーサまたはスペーサ層18は、集光素子層14またはアイコン層16に接合されるかまたはその一部として形成される。別の実施形態においては、集光素子層14の厚さは、集光素子が独立型であることを可能にするように増大される。更に別の実施形態においては、光学スペーサまたはスペーサ層18aは、別の光学スペーサまたはスペーサ層18bに接合されている。これらの実施形態においては、層間故障は、たとえば、光学スペーサまたはスペーサ層18とアイコン層16の間で、集光素子層14と光学スペーサまたはスペーサ層18の間で、光学スペーサまたはスペーサ層18a、18bの間で、または、片側に集光素子を含む光学スペーサまたはスペーサ層18と反対側に光学スペーサまたはアイコン素子を含むスペーサ層の間で発生するように設計することができる。
【0036】
光学スペーサまたはスペーサ層18は、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデンなどを含むがこれらに限定されない1つまたはそれ以上の本質的に透明または半透明のポリマを使用して形成してもよい。例示的な実施形態においては、光学スペーサまたはスペーサ層18は、ポリエステルまたはポリエチレンテレフタレートを使用して形成される。
【0037】
本発明の改竄表示セキュリティデバイス10は、Steenblik他に付与された米国特許第7,333,268号明細書、Steenblik他に付与された米国特許第7,468,842号明細書、および、Steenblik他に付与された米国特許第7,738,175号明細書において説明されたものなど、更なる特長部を更に備えてもよく、これらの特許の全ては、先述したように、完全に本明細書で定めるがごとく、引用により完全に組み込まれる。たとえばおよび上述したように、セキュリティデバイス10は、印刷層、金属被覆されたかまたは部分的に金属被覆された層、プライマ層または接着剤層、シール層または被覆層、および、強化層(stiffening layers)など1つまたはそれ以上の層を随意的に更に備えてもよい。1つの当該の実施形態においては、セキュリティデバイス10は、この層を保護するアイコン層の側に塗布されたシール層または被覆層を更に備える。シール層または被覆層は、透明、半透明の、薄色、色素性、不透明、金属質、磁気性、光学的に可変であるか、または、光学効果、導電率または静電容量、磁場検出に頼る自動通貨認証、確認、追跡、計数および検出システムの支援を含む保安および認証目的に向けて望ましい光学効果および/または更なる機能性を実現するこれらの任意の組み合わせでもよい。適当なシール層または塗布層材料は、以下で記載される放射線硬化性樹脂、加えて、印刷業界および製紙業界およびフィルム変換業界で使用される多くの異なる市販のペンキ、インク、オーバーコート、ニス、ラッカーおよびクリヤコートのいずれかを含むことができる。
【0038】
一実施形態においては、セキュリティデバイス10は、実質的にSteenblik他に付与された米国特許第7,333,268号明細書、Steenblik他に付与された米国特許第7,468,842号明細書、Steenblik他に付与された米国特許第7,738,175号明細書において説明されているプロセスまたはプロセスにより調製される。たとえば、セキュリティデバイス10は、(a)光学スペーサまたはスペーサ層18上下面に実質的に透明または透明放射線硬化性樹脂を塗布し、(b)上面上にマイクロレンズアレイを、光学スペーサ18の下面上に、微細構造の形であるアイコンアレイ、たとえば、凹部および/または異形柱(shaped posts)を形成し、(c)放射線源を使用して実質的に透明または透明樹脂を硬化させ、(d)色素性樹脂またはインクで異形柱(shaped posts)を取り囲むアイコンアレイ凹部および/または区域を充填し、かつ、(e)光学スペーサ18の下面から余分な樹脂またはインクを除去することにより調製してもよい。
【0039】
適当な放射線硬化性樹脂には、アクリル、エポキシ、ポリエステル、アクリル化ポリエステル、ポリプロピレン、ウレタン、アクリル化ウレタンなどが含まれるがこれらに限定されない。アレイは、Lord Chemicals社から販売されているアクリル化ウレタンを使用して形成することが好ましい。
【0040】
上述したように、セキュリティデバイス10は、通貨または紙幣、保管文書(たとえば、身分証明(ID)カード)および消費者物品の認証に使用してもよい。概して、セキュリティデバイス10は、プラスチック、ポリマフィルム(たとえば、アクリル、セロハン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニール、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン)、レザー、金属、ガラス、木、紙または紙状材料、布などの材料を含むがこれらに限定されない、セキュリティデバイスを必要とする任意の母材に接着してもよい。
【0041】
1つの企図された実施形態においては、セキュリティデバイス10は、パスポート紙に接着または接合される。
【0042】
先述したように、セキュリティデバイス10は、接着剤の使用の有無を問わず基礎をなす母材22に接着または接合してもよい。接着剤を使用しない接合は、たとえば、超音波圧接、振動溶接およびレーザ核融合などの熱溶接技術を使用して達成してもよい。母材22にデバイス10を接着する接着剤は、ホットメルト接着剤、熱活性化性接着剤、感圧型接着剤および高分子貼合せ用フィルムの1つであってよい。これらの接着剤は、紫外線(UV)硬化アクリルまたはエポキシなど性質が架橋性であることが好ましく、架橋は、接着剤が溶融段階中にまたは冷えると達成される。
【0043】
母材22からデバイス10を分離させようとしたときの光学スペーサまたはスペーサ層18と光学フィルム材料12のアイコン層16の間の層間故障を図1B、2C、3Cおよび4Cに示す。これらの図面に示す求められている層間故障または離層は、
(1)アイコン層16の剛性(ヤング率または縦弾性係数)、接合強度または架橋結合密度を増減し、
(2)応力誘起(たとえば、容積変更)成分をアイコン層16の側に塗布されたアイコン層調製状態(formulation)またはシール層または塗布層調製状態(formulation)に組み込み、および/または、
(3)光学スペーサまたはスペーサ層18とアイコン層16の間の境界面にて接合弱化または犠牲層を導入することにより達成してもよい。
【0044】
図2B、3Bおよび4Bでは、集光素子層14と光学スペーサ18間の層間故障を示す。このような層間故障つまり離層は、集光素子層14の剛性、接合強度または架橋結合密度を増減して、応力誘起成分をこの層に組み込み、および/または、層14と光学スペーサ18の間の境界面にて接合弱化層を導入することにより達成してもよい。当業者に難なく明らかとなるように、図1Bの層間故障は、集光素子層14と光学スペーサ18の間で発生するように設計することもできる。
【0045】
図5Bおよび6Bでは、1つの光学スペーサ18aとプライマ層または接着剤層32間の層間故障を示す。このような層間故障または離層は、印加または誘起された応力は、たとえば、その剛性または架橋結合密度を減少させることにより、または、この層を調製するために使用される応力誘起成分を調製状態(formulation)に組み込むことによりこの平面に沿って伝搬されるように層間接合強度を低減するようにプライマまたは接着剤層32を調製することにより達成してもよい。
【0046】
上述したように、層間故障つまり離層は、アイコン層16の剛性、接合強度または架橋結合密度を増減することにより達成してもよい。アイコン層16の剛性および架橋結合密度を増大させることは、たとえば、(1)製造中に放射線(たとえば、UVまたは電子ビーム放射線)に対する全てのセキュリティデバイス10またはアイコン層16のみの露光を増大させるか、または、(2)デバイス10が母材22上で所定の位置にくると放射線に対する全てのセキュリティデバイス10またはアイコン層16のみの露光を増大させることにより達成してもよい。
【0047】
1つのこのような企図された実施形態においては、層間故障は、全てのフィルム材料12またはデバイス10が放射線に露光される時間を増大させることにより達成される。集光素子およびアイコン層14、16は、通常、架橋性熱硬化性層であり、一方、光学スペーサ18は、熱可塑性層である。放射線露光時間の増大は、ある程度までこれらの層内の架橋のレベルおよびしたがって剛性またはヤング率(ASTM D747―10、D882―10またはD2240―05(2010年))および皮膜引張強さのレベルを増大させる役目をすることになる。層間故障は、光学スペーサまたはスペーサ層18と相対的に剛性のアイコン層16の間で発生するが、その理由としては、アイコン層は、集光素子層14が応力印加または誘起(たとえば、圧力、屈曲、収縮)中に光学スペーサと共に屈曲することができる間に屈曲することに抗するからである。特に、フィルム材料12に印加/内に誘起された応力は、応力除去区域を形成する集光素子間の隙間の空隙のため、集光素子間で伝搬しない。通常連続またはほぼ連続層であるアイコン層16は、確かに隣接アイコン区域に応力を伝搬し、その結果、この層と近接層間の分離および接合破壊の傾向が増大する。放射線露光時間の増大は、光学スペーサの剛性を変更する役目をしないので、アイコン層に対して柔軟性を保持し、層間の分離の傾向が増大する。
【0048】
層間故障は、アイコン層16のみについて放射線露光時間を増大させることにより達成されることが好ましい。当業者に明らかとなるように、放射線に対するアイコン層16の露光を選択的に増大させると、有利なことに、集光素子層14の劣化または変更が防止され、その結果、この層の良好な耐摩耗性が維持される。この好適な実施形態においては、アイコン層16の剛性またはヤング率は、集光素子層14の剛性またはヤング率より大きい。
【0049】
上述した理由で、集光素子層14の剛性および架橋結合密度を増大させることは、他の層の劣化を回避しながら集光素子層14のみについて放射線時間を増大させることにより達成されることが好ましい。
【0050】
図7で最もよく示すように、アイコン層16の剛性を増大させることは、この層に相対的に硬い裏張りつまり強化層(stiffening layers)34を塗布することによっても達成してもよい。ここで、セキュリティデバイスは、接着剤36を使用して母材22に接着または接合される。適当な強化層(stiffening layers)は、ポリエステルテトラアクリレート(引張強度:6000psi)、ビスフェノールAエポキシジアクリレート(引張強度:13,900psi)およびLLC、502Thomas Jones Way Exton、PA19341所在のSartomer、アメリカ合衆国から販売されているジプロピレングリコールジアクリレート(引張強度:9,100psi)など多機能性アクリレート単量体およびオリゴマを含むがこれらに限定されない多機能性単量体およびオリゴマから調製してもよく、相対的な剛度は、層34内の架橋結合密度の程度により制御される。この実施形態においては、層間故障は光学フィルム材料12の光学スペーサ18とアイコン層16の間で発生する。
【0051】
層間故障は、応力誘起(たとえば、容積変更)成分をターゲット層(たとえば、アイコン層16の側に塗布されたアイコン層16またはシール層または塗布層調製状態(formulation)を調製するために使用される調製状態(formulation)に組み込むことにより達成してもよい。応力誘起成分には、硬化すると収縮するかまたはガスを放出する成分(たとえば、膨張ポリウレタン発泡体)、特定の液体またはガスに晒されたときに膨張する構成部品、温度の変化で相変化または相分離する成分(たとえば、多結晶質または結晶質になるために相変化する非晶質ポリマ)が含まれるがこれらに限定されない。たとえば、アイコン層16を調製するために使用される調製状態(formulation)に組み込まれるとき、応力誘起成分は、層内に固有の応力を引き起こし、その結果、アイコン層16と近接層の接合が弱まる。シール層または塗布層調製状態(formulation)を調製するために使用される調製状態(formulation)に組み込まれるとき、本質的に応力が掛かるシール層または塗布層は、アイコン層16に力を掛けることになり、これは、同様に、アイコン層16と近接層の接合を弱める役目をする。
【0052】
説明する層内故障は、集光素子層14とアイコン層16の間の境界面にて均一または模様接合弱化または犠牲層(たとえばラッカーまたは蒸気蒸着金属またはスパッタ金属を含む金属などの相対的に低い皮膜引張強さを有する他の材料または誘電材料)を導入することによっても達成してもよい。適当な接合弱化または犠牲層は、相対的に低い皮膜引張強さを有する材料(すなわち、引張破壊(塑性変形なしで)を引き起こす応力が相対的に低い材料)を使用して調製され、適当な接合弱化または犠牲層には、ラッカー、金属層(たとえば蒸気蒸着層またはスパッタ金属層)および誘導体被覆が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
集光反射体を採用する非屈折実施形態については、層間故障は、図8で最もよく示すように、集光反射体面40に均一または模様金属層38を塗布することにより達成してもよい。ここでは、金属層38は、基礎をなす母材22からデバイス10を分離させようとしたときに層間故障を可能にしながら集光効率を向上させる役目をする。この実施形態においては、接着剤42は、集光反射体を隙間の空間を満たして覆う。本開示から難なく明らかになるように、図8に示すデバイスの層間故障は、アイコン層16と光学スペーサ18の間で、または、光学スペーサ18と集光反射体40の層の間で発生するように設計してもよい。
【0054】
上述したように、説明した層間故障は、システムの他の層の間で発生するように設計することもできる。たとえば、1つまたはそれ以上の更なる集光素子層を含めることができ、ならびに、1つまたはそれ以上の更なるアイコン層を含めることができる。1つまたはそれ以上の更なる集光素子層および/またはアイコン層が含まれる場合、1つまたはそれ以上の更なる合成画像を形成することができる。2つの異なる合成画像が形成されるとき、本明細書で説明する層間故障は、2つの合成画像の一方(他方ではなく)の形成が中断されるように層間で発生するように設計することができる。
【0055】
上記の説明から明らかであるように、たとえば本発明は、調製状態(formulation)および硬化線量の変更以外の生成ステップ上の大きな変更および/または製造システム上の大きな変更を必要とすることなくセキュリティ機能および改竄表示機能を果たす。更に、本発明のデバイスはセキュリティデバイスを必要とする任意の母材に接着してもよいが、本発明は、特に、たとえばパスポート書類などの身分証明書類と共に使用されるときに有利である。特に主要空港でのセキュリティは、重要な関心事になっている。高い信頼性および耐タンハー性で搭乗者を明確に識別するために、印刷可能な身分証明は現在使用されていない。本発明は、明確かつ紛れもない改竄表示特性を書類に与えることによりパスポート書類の信頼性のレベルを増大させる役目をする。
【0056】
本発明の様々な実施形態を先述したが、一例としてのみ提示したものであり、限定するものではないことを理解されたい。したがって、本発明の広さおよび範囲は、例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
母材に接着または接合される、1つまたはそれ以上の合成画像を生成するように動作する改竄表示セキュリティデバイスであって、
前記デバイスは、前記母材から前記デバイスを分離させようとしたとき分離するかまたは離層し、前記デバイスは、部分的にまたは全体的に動作不可能になる、改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項2】
前記母材から前記デバイスを分離させようとしたとき、前記デバイスは、もはや、1つまたはそれ以上の合成画像を生成するように動作しない、請求項1に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項3】
前記母材から前記デバイスを分離させようとしたとき、前記デバイスは、低減された数の合成画像を生成する、請求項1に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項4】
集光素子を含む少なくとも1つの層と、画像要素を含む少なくとも1つの層と、前記少なくとも1つの集光素子層と前記少なくとも1つの画像要素層との間に位置決めされた少なくとも1つの光学スペーサまたはスペーサ層とで構成される光学フィルム材料を備え、前記集光素子は、少なくとも前記画像要素の一部の1つまたはそれ以上の合成画像を形成し、前記セキュリティデバイスは、前記母材から前記デバイスを分離させようとしたとき、前記セキュリティデバイス内のターゲット層内のおよび/またはターゲット境界面にて分離するかまたは離層する、請求項1に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項5】
(a)前記セキュリティデバイス内の前記ターゲット層の前記皮膜引張強さは、前記セキュリティデバイス内の前記他の層の前記皮膜引張強さを下回り、および/または、(b)前記セキュリティデバイス内の前記ターゲット境界面の前記接合強度は、前記セキュリティデバイス内の前記他の層の間および前記セキュリティデバイスと前記母材の間の境界面の前記接合強度を下回る、請求項4に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項6】
(a)集光素子を含む少なくとも1つの層と、画像要素を含む少なくとも1つの層と、前記少なくとも1つの集光素子層と前記少なくとも1つの画像要素層との間に位置決めされた少なくとも1つの光学スペーサまたはスペーサ層とを備える光学フィルム材料と、随意的に、接合弱化層、プライマ層または接着剤層およびその組み合わせの前記群から選択された1つまたはそれ以上の層とを備え、前記少なくとも1つの集光素子層は、前記少なくとも1つの画像要素層から実質的に均一な距離に配置され、前記集光素子は、少なくとも前記画像要素の一部の1つまたはそれ以上の合成画像を形成し、
(b)随意的に、印刷層、部分的にまたは全体的に金属被覆された層、プライマ層または接着剤層、シール層または被覆層、強化層(stiffening layers)およびその組み合わせの前記群から選択された1つまたはそれ以上の層とを備える、請求項1に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項7】
集光素子を含む前記少なくとも1つの層は、部分または完全埋設層である、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項8】
前記光学フィルム材料の前記集光素子は、焦点距離を有する屈折集光素子であり、前記光学フィルム材料は、外面から屈折境界面まで第1および第2の屈折率の間で変更される屈折率を有し、前記第1の屈折率は、前記第2の屈折率と実質的にまたは測定可能に異なる、請求項7に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項9】
前記第1の屈折率と前記第2の屈折率間の前記差異は、前記集光素子の前記焦点距離において少なくとも約0.1ミクロンの変化を引き起こす、請求項8に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの集光素子層は、屈折率を有する第1の材料から形成され、前記光学フィルム材料は、前記集光素子を隙間の空間を満たしておよび/または覆う異なる屈折率を有する第2の材料を更に備え、異なった境界面は、前記第1および第2の材料との間に形成される、請求項7に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項11】
前記第2の材料は、全体的に前記少なくとも1つの集光素子層を埋設する、請求項10に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項12】
前記第2の材料は、前記少なくとも1つの画像要素層の外部境界または層を形成し、その結果、全体的にこの層も埋設される、請求項11に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの集光素子層は、屈折率を有する第1の材料および異なる屈折率を有する第2の材料から形成され、前記第2の材料は、前記第1の材料に拡散し、その結果、前記第1の材料との傾斜境界面が形成される、請求項7に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項14】
前記集光素子は、屈折集光素子、反射集光素子、複合型屈折/反射集光素子およびその組み合わせの前記群から選択される、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項15】
前記集光素子は、屈折集光素子である、請求項14に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項16】
前記集光素子は、反射集光素子または集光反射体である、請求項14に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項17】
前記集光反射体は、金属被覆集光反射体である、請求項16に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項18】
前記集光素子は、複合型屈折/反射集光素子である、請求項14に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項19】
前記画像要素は、高分子基板内の空隙または凹部の前記形である微細構造であり、前記空隙または凹部は、染料、着色剤、顔料、粉末材料、インク、粉末状鉱物、金属材料および粒子、磁性材料および粒子、磁化材料および粒子、磁気反応性材料および粒子、蛍光体、液晶、液晶重合体、カーボンブラックまたは他の吸光材料、二酸化チタンまたは他の光散乱材料、フォトニック結晶、非線形結晶、ナノ粒子、ナノチューブ、バッキーボール(buckeyballs)、バッキーチューブ(buckeytubes)、有機物、真珠光沢材料(pearlescent materials)、真珠粉末(powdered pearls)、多層干渉材料、乳白色材料(opalescent materials)、虹彩材料(iridescent materials)、低屈折率材料または粉体、高屈折率材料または粉体、ダイヤモンド粉末、構造色材料、偏光材料、偏光回転材料、蛍光物質、燐光物質、熱変色材、ピエゾクロミック材料、調光材料、摩擦ルミネンス材料(tribolumenscent materials)、電場発光物質、電気着色材料、磁気クロム材料および粒子、放射性物質、放射化可能材料(radioactivatable materials)、エレクトレット電荷分離材料、およびその組み合わせの前記群から選択された造影物質(contrasting substance)が随意的に充填される、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項20】
前記画像要素は、隆起した区域または異形柱(shaped posts)の形である微細構造であり、前記隆起した区域または異形柱(shaped posts)を取り囲む領域は、染料、着色剤、顔料、粉末材料、インク、粉末状鉱物、金属材料および粒子、磁性材料および粒子、磁化材料および粒子、磁気反応性材料および粒子、蛍光体、液晶、液晶重合体、カーボンブラックまたは他の吸光材料、二酸化チタンまたは他の光散乱材料、フォトニック結晶、非線形結晶、ナノ粒子、ナノチューブ、バッキーボール(buckeyballs)、バッキーチューブ(buckeytubes)、有機物、真珠光沢材料(pearlescent materials)、真珠粉末(powdered pearls)、多層干渉材料、乳白色材料(opalescent materials)、虹彩材料(iridescent materials)、低屈折率材料または粉体、高屈折率材料または粉体、ダイヤモンド粉末、構造色材料、偏光材料、偏光回転材料、蛍光物質、燐光物質、熱変色材、ピエゾクロミック材料、調光材料、摩擦ルミネンス材料(tribolumenscent materials)、電場発光物質、電気着色材料、磁気クロム材料および粒子、放射性物質、放射化可能材料(radioactivatable materials)、エレクトレット電荷分離材料、およびその組み合わせの前記群から選択された造影物質(contrasting substance)が随意的に充填される、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項21】
画像要素を含む前記少なくとも1つの層は、応力誘起成分を備える、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項22】
前記光学フィルム材料は、2つまたはそれ以上の合成画像を形成する2つまたはそれ以上の集光素子層を備え、前記母材から前記デバイスを分離させようとしたとき、前記デバイスは、低減された数の合成画像を生成する、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項23】
前記光学フィルム材料は、2つまたはそれ以上の画像要素層を備え、前記集光元素は、2つまたはそれ以上の合成画像を形成し、前記母材から前記デバイスを分離させようとしたとき、前記デバイスは、低減された数の合成画像を生成する、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項24】
前記光学フィルム材料は、前記少なくとも1つの集光素子層と前記少なくとも1つの画像要素層の間に位置して接着された1つの光学スペーサまたはスペーサ層を備える、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項25】
前記母材から前記デバイスを分離さようとしたとき、前記セキュリティデバイスの分離または離層は、前記光学フィルム材料の前記少なくとも1つの集光素子層と前記光学スペーサまたはスペーサ層の間で発生する、請求項24に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項26】
前記母材から前記デバイスを分離させようとしたとき、前記セキュリティデバイスの分離または離層は、前記光学フィルム材料の前記光学スペーサまたはスペーサ層と前記少なくとも1つの画像要素層の間で発生する、請求項24に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項27】
前記光学フィルム材料は、プライマ層および接着剤層により共に接着される2つの光学スペーサまたはスペーサ層を備え、前記2つの光学スペーサまたはスペーサ層は、前記少なくとも1つの集光素子層と前記少なくとも1つの画像要素層の間に位置して接着される、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項28】
前記母材から前記デバイスを分離させようとしたとき、前記セキュリティデバイスの分離または離層は、前記光学フィルム材料の1つの光学スペーサまたはスペーサ層と前記プライマ層および接着剤層の間で発生する、請求項27に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項29】
前記光学スペーサまたはスペーサ層は、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびポリ塩化ビニリデンの前記群から選択された1つまたはそれ以上の本質的に透明または半透明のポリマを使用して形成される、請求項24に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項30】
前記2つの光学スペーサまたはスペーサ層は、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびポリ塩化ビニリデンの前記群から選択された1つまたはそれ以上の本質的に透明または半透明のポリマを使用して形成される、請求項27に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項31】
前記プライマ層および接着剤層は、ホットメルト接着剤、熱活性化性接着剤、感圧型接着剤、および高分子貼合せ用フィルムの前記群から選択された1つまたはそれ以上の粘着剤を使用して形成される、請求項27に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項32】
前記プライマ層および接着剤層は、硬化アクリル樹脂材料を使用して形成される、請求項31に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項33】
前記プライマ層および接着剤層は、硬化エポキシ樹脂材料を使用して形成される、請求項31に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項34】
前記光学フィルム材料は、前記少なくとも1つの集光素子層および前記少なくとも1つの画像要素層の間に位置してそのうちの少なくとも1つに接着された1つまたはそれ以上の接合弱化層を更に備える、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項35】
前記1つまたはそれ以上の接合弱化層は、均一な接合弱化層である、請求項34に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項36】
前記1つまたはそれ以上の接合弱化層は、模様接合弱化層である、請求項34に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項37】
前記1つまたはそれ以上の接合弱化層は、金属層である、請求項34に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項38】
前記金属層は、蒸気蒸着金属層である、請求項37に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項39】
前記1つまたはそれ以上の接合弱化層は、誘電被覆である、請求項34に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項40】
層内故障は、前記1つまたはそれ以上の接合弱化層内に発生するように設計される、請求項34に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項41】
層間故障は、前記1つまたはそれ以上の接合弱化層と近接層の間で発生するように設計される、請求項34に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項42】
前記集光素子は、反射集光素子または集光反射体であり、前記セキュリティデバイスは、前記集光反射体上に位置する反射層を更に備える、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項43】
層間故障は、前記反射層と前記集光反射体の間で発生するように設計される、請求項42に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項44】
1つまたはそれ以上のシール層または被覆層を更に備える請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項45】
前記1つまたはそれ以上のシール層または被覆層は、前記少なくとも1つの集光素子層の反対側の前記光学フィルム材料の前記少なくとも1つの画像要素層に塗布され、前記1つまたはそれ以上のシール層または被覆層は、透明、半透明、薄色、色素性、不透明、金属質、磁気性または光学的に可変である部分を少なくとも有する、請求項44に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項46】
前記少なくとも1つのシール層または被覆層は、アクリル、エポキシ、ポリエステル、アクリル化ポリエステル、ポリプロピレン、ウレタン、アクリル化ウレタン、およびその組み合わせの前記群から選択された放射線硬化性樹脂を使用して調製される、請求項45に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項47】
前記1つまたはそれ以上のシール層または被覆層は、応力誘起成分を備える、請求項44に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項48】
1つまたはそれ以上のプライマ層または接着剤層は、前記光学フィルム材料の一部をなしておよび/または前記セキュリティデバイスの片側または両側に塗布される、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項49】
前記1つまたはそれ以上のプライマ層または接着剤層は、ホットメルト接着剤、熱活性化性接着剤、感圧型接着剤、および高分子貼合せ用フィルムの前記グループから選択された材料を使用して調製される、請求項48に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項50】
前記1つまたはそれ以上のプライマ層または接着剤層は、硬化アクリル樹脂材料を使用して形成される、請求項49に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項51】
前記1つまたはそれ以上のプライマ層または接着剤層は、硬化エポキシ樹脂材料を使用して形成される、請求項49に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項52】
前記光学フィルム材料の前記1つまたはそれ以上の画像要素層に塗布された1つまたはそれ以上の強化層(stiffening layers)を更に備える請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項53】
前記1つまたはそれ以上の強化層(stiffening layers)は、ポリエステルテトラアクリレート、ビスフェノールAエポキシジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、およびその組み合わせの前記グループから選択された多機能性アクリレート単量体またはオリゴマを使用して調製される、請求項52に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項54】
層間故障は、前記光学スペーサまたはスペーサ層と前記少なくとも1つの画像要素層の間で発生するように設計される、請求項52に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項55】
セキュリティストリップ、細い線、パッチ、インレーまたはオーバレイの前記形である請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項56】
前記母材は、通貨、紙幣、社債券、小切手、トラベラーズチェック、IDカード、宝くじ券、パスポート、郵便切手、株券、文房具品目、ラベル、消費者物品、および消費者物品と共に使用される袋または包装の前記群から選択される、請求項6に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項57】
前記母材は、紙幣である、請求項56に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項58】
前記母材は、パスポートである、請求項56に記載の改竄表示セキュリティデバイス。
【請求項59】
両面を有し、表面に取り付けられたか、または少なくとも部分的に埋設された請求項1に記載の少なくとも1つの改竄表示セキュリティデバイスを備えるシート材料。
【請求項60】
両面を有し、表面に取り付けられたか、または少なくとも部分的に埋設された請求項6に記載の少なくとも1つの改竄表示セキュリティデバイスを備えるシート材料。
【請求項61】
請求項59に記載の前記シート材料から作製された文書。
【請求項62】
請求項60に記載の前記シート材料から作製された文書。
【請求項63】
紙幣、パスポート、IDカード、クレジットカード、およびラベルの前記群から選択される請求項61に記載の文書。
【請求項64】
紙幣を備える請求項63に記載の文書。
【請求項65】
パスポートを備える請求項63に記載の文書。
【請求項66】
分離させようとしたときに母材に接着または接合されたセキュリティデバイスに関する改竄を暴露または表示する方法であって、前記セキュリティデバイスは、集光素子を含む少なくとも1つの層と、画像要素を含む少なくとも1つの層と、前記少なくとも1つの集光素子層と前記少なくとも1つの画像要素層との間に位置決めされた少なくとも1つの光学スペーサまたはスペーサ層とで構成される光学フィルム材料を備え、前記少なくとも1つの集光素子層は、前記少なくとも1つの画像要素層から実質的に均一な距離に配置され、前記集光素子は、少なくとも前記画像要素の一部の1つまたはそれ以上の合成画像を形成し、前記母材から前記セキュリティデバイスを分離させようとしたときに、前記1つまたはそれ以上の層が分離または離層し、前記セキュリティデバイスを部分的または全体的に動作不可能し、その結果、改竄が発生した表示するように印加または誘起された応力に集中する前記光学フィルム材料内の1つまたはそれ以上の層の前記能力を増大させるステップを備える、方法。
【請求項67】
母材に接着または接合されるセキュリティデバイスに、前記母材から前記デバイスを分離させようとしたときに分離または離層させる方法であって、前記セキュリティデバイスは、集光素子を含む少なくとも1つの層と、画像要素を含む少なくとも1つの層と、前記少なくとも1つの集光素子層と前記少なくとも1つの画像要素層との間に位置決めされた少なくとも1つの光学スペーサまたはスペーサ層とで構成される光学フィルム材料を備え、前記少なくとも1つの集光素子層は、前記少なくとも1つの画像要素層から実質的に均一な距離に配置され、前記集光素子は、少なくとも前記画像要素の一部の1つまたはそれ以上の合成画像を形成し、
(a)前記セキュリティデバイスの残りの層または境界面に対して前記セキュリティデバイスの1つまたはそれ以上の層または境界面の前記剛性、接合強度または架橋結合密度を増減するステップと、
(b)応力誘起成分を前記セキュリティデバイスの1つまたはそれ以上の層に組み込むステップと、
(c)前記セキュリティデバイスの2つの層間の境界面にて接合弱化層を導入するステップとの1つまたはそれ以上を備える、方法。
【請求項68】
前記セキュリティデバイスの1つまたはそれ以上の層の前記剛性および架橋結合密度は、(a)製造中に放射線への前記セキュリティデバイスまたは前記セキュリティデバイスの1つまたはそれ以上の層の露光を増大させるか、または、(b)前記デバイスが母材上で所定の位置になると前記セキュリティデバイスまたは放射線への前記セキュリティデバイスの1つまたはそれ以上の層の露光を増大させることにより増大する、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
応力誘起成分は、前記セキュリティデバイスの前記1つまたはそれ以上の層に組み込まれ、前記応力誘起成分は、硬化すると収縮するかまたはガスを放出する成分、特定の液体またはガスに晒されたときに膨張する成分、および、温度の変化で相変化または相分離する成分の前記群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記応力誘起成分は、硬化すると収縮するかまたはガスを放出する成分である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
硬化すると収縮するかまたはガスを放出する前記成分は、膨張ポリウレタン発泡体である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記応力誘起成分は、特定の液体またはガスに晒されたときに膨張する成分である、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
前記応力誘起成分は、温度の変化で相変化または相分離する成分である、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
温度の変化で相変化または相分離する前記成分は、多結晶質または結晶質になるために相変化する非晶質ポリマである、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
応力誘起成分は、前記少なくとも1つの画像要素層に組み込まれる、請求項69に記載の方法。
【請求項76】
前記セキュリティデバイスは、1つまたはそれ以上のシール層または被覆層を更に備え、応力誘起成分は、前記1つまたはそれ以上のシール層または被覆層に組み込まれる、請求項69に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−501661(P2013−501661A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524869(P2012−524869)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/045318
【国際公開番号】WO2011/019912
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(509004480)ビジュアル フィジクス エルエルシー (4)
【Fターム(参考)】