説明

改良された複合材料及び該複合材料の製造方法

プレフォームのチャネル内にセラミック粉末を挿入してセラミック粉末が充填されたプレフォームを形成することにより複合材料が形成される。セラミック粉末は、1種以上の反応性セラミック粉末を有する。プレフォームは、セラミック、セラミック金属複合材料、金属又はこれらの組合せであって、複数のチャネルを規定する壁を有しており、各チャネルは、該プレフォームの表面に開口を有する。セラミック粉末を充填したプレフォームに溶融金属を浸透させて、反応性セラミックと溶融浸透金属の反応生成物であるセラミック相を少なくとも1つ有するセラミック金属体を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年7月14日に出願した米国仮出願第60/831,038号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一体式(monolithic)セラミック、金属、セラミック金属複合材料又はこれらの組合せの内部におけるセラミック金属複合材料のマクロ複合材料の形成に関する。
【背景技術】
【0003】
過去数十年間に渡り、同一の材料においてセラミックの利点(例えば、剛性と耐熱性)と金属の利点(例えば、靭性及び成形性)を有しながら、同時に、それぞれの弱点を最小限にとどめた材料を作製するために数多くのセラミック金属複合材料が開発されてきた。例えば、種々の幾何学的形状(例えば、ホイスカー)のセラミック微粒子とセラミックファイバーで金属が補強されたセラミック金属複合材料が作製されている。典型的には、このようなセラミック金属複合材料は、金属とセラミックの粉末を共焼結し、溶融金属を多孔質セラミックプレフォーム内へ浸透させるか又はセラミック粒子を溶融金属内に導入して、次いでこれをキャスティングすることにより形成される。
【0004】
セラミックと金属箔の積層物も、コンデンサーの例では非常に良く用いられている。金属へセラミックをコーティングするか又は金属をセラミックで封入することにより酸化を防ぐ技術が開発されており、例えば、ホウロウ調理器具などが挙げられる。ブレーキローターの作製について、金属へのセラミック及びセラミック金属複合材料の単一層積層物又はコーティングが記載されている。同様に、多くの金属にタングステンカーバイド・コバルトを蝋付け又は溶接して、カーバイドチップ付きののこ刃やドリルビットといった切削工具が作製されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のいずれも金属又はセラミック一体式部品と組み合わされたセラミック微粒子系セラミック金属複合材料の特性を引き出したものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、セラミック金属体を製造する方法であって、次の工程a)およびb)を含む。
a)プレフォームのチャネル内にセラミック粉末を挿入してセラミック粉末が充填されたプレフォームを形成する工程。ただし、プレフォームは、(i)セラミック、セラミック金属複合材料、金属又はこれらの組み合わせであり、そして(ii)複数のチャネルを規定する壁を有し、各チャネルはプレフォームの表面に開口を有し、セラミック粉末は反応性のセラミック粉末から構成され、セラミック粉末の最大粒径がチャネルの最小チャネル径よりも小さい。
b)セラミック粉末が充填されたプレフォームに溶融金属を浸透させてセラミック金属体を形成する工程。
【0007】
このような方法を用いることにより、セラミック、金属、セラミック金属又はこれらの組み合わせであるマトリックスから構成されるセラミック金属体であって、マトリックスがマトリックス中のチャネルを規定する壁を有し、マトリックスの1つ以上のチャネル内にマトリックスの壁とは異なる微小構造、化学特性又はこれらの組合せを有するチャネルセラミック金属複合材料が存在し、そしてチャネルセラミック金属複合材料がチャネル金属とチャネルセラミック相で構成され、チャネルセラミック相は反応性セラミック並びにチャネル金属と反応性セラミックとのセラミック反応生成物から構成される、セラミック金属体の作製が可能になる。
【0008】
セラミック金属体は、金属、セラミック又はセラミック金属複合材料が使用されるあらゆる用途、例えば、以下に限定されないが、車両用構造部材、ブレーキ部材、サスペンション部材、エンジン部材、包装材料、スポーツ用品、車輪、ケーブル、ワイヤー、板、ギア、シール、シャフト、ツールなどに使用できる。セラミック金属体を異なる材質からなる別の構造体と連結させて、別の部材を作り出すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明のセラミック金属体の作製に有用であり、ハニカム形状を有するプレフォームのチャネルを上から見た図である。
【図2】図2は、図1に示すプレフォームの切断側面図である。
【図3】図3は、本発明のセラミック金属体の作製に有用な別のプレフォームのチャネルを上から見た図である。
【図4】図4は、図3に示すプレフォームの切断側面図である。
【図5】図5は、プレフォームのチャネル内にセラミック粉末を挿入した後の図1及び2に示すプレフォームの切断側面図である。
【図6】図6は、図5に示す粉末が充填されたチャネルの一部の拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明のセラミック金属体を作製するためにセラミック粉末が充填された別のプレフォームのチャネルであり、種々のセラミック粉末がチャネルに充填された様子の断面である。
【図8】図8は、本発明のセラミック金属体の切断図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
セラミック金属体の形成
図面を参照するに、プレフォーム10は、セラミック、金属、セラミック金属複合材料又はこれらの組合せであってもよい。例えば、外壁20が金属であってもよく、内壁30がセラミック若しくはセラミック金属複合材料であってもよく、又はこの反対であってもよい。加えて、内壁30のいくつかはセラミックであってもよく、残りの内壁30は、金属及び/若しくはセラミック金属複合材料、適切な組み合わせであってもよい。内壁30又は外壁20のいずれか1つ又はすべては、例えば積層構造にある金属、セラミック又はセラミック金属複合材料の組合せであってもよく、例えば、図6に例示する外壁20上のコーティング又はクラッド130のようなものであってもよい。このようなコーティング又はクラッド130が存在する場合、このコーティング又はクラッド130は、金属であることが好ましい。また、このようなコーティング又はクラッド130により、プレフォーム10の壁20及び30へのチャネル金属160の湿潤及び/又は結合が促進又は増強されることが更に好ましい。チャネル40は、チャネル40に挿入されたプラグ50又はプレフォーム10の末端に付着されたバリアー60によって一端が塞がれていてもよい。バリアーとプラグ50は、壁20及び30について記載したいずれかの物質であってもよい。
【0011】
壁20及び30は、多孔質又は本質的に密であってもよく、プレフォーム10においていずれの組合せであってもよい。これは壁20及び30であり又は壁20及び30の一部は、開放気孔110及び/又は密閉気孔120を有していてもよく、又は本質的に密であってもよい。本明細書では、本質的に密とは、理論値の少なくとも99%の密度を意味する。例示的には、前記壁は、通常の密度測定方法又はUnderwoodにより「Quantitative Stereology,Addison−Wesley,Reading,MA(1970)」に記載される切断法を用いた、複合素材の研磨断面の走査型電子顕微鏡写真の定量的立体解析などの金属組織学的手法のようなよく知られた顕微鏡技術を用いて測定された、85%の多孔度ないし検出されない程度の多孔度を有していてもよい。好ましくは、前記壁は、約75%未満、より好ましくは約70%未満、更により好ましくは約65%未満から本質的な密までの多孔度、好ましくは約1%以下、より好ましくは約5%以下、更により好ましくは約10%以下、そして最も好ましくは約20%以下の多孔度を有する。
【0012】
開放気孔110がプレフォーム10に存在する場合、用途にもよるが、この気孔が、挿入されたセラミック粉末90の少なくとも一部が前記開放気孔110に94(浸透した挿入セラミック粉末)を浸透させることが可能なような径と形状を有していることが望ましい。同様に、用途によるが、挿入されたセラミック粉末が、本質的に開放気孔110に浸透できないことが望ましい場合もある(この文章において、「本質的にできない」とは標準的な顕微鏡写真技術において、浸透が開放気孔110の容積の1%未満に認められることを意味する)。好ましい態様では、壁20及び30のいずれかの開放気孔110の容積の5%以上が、浸透した挿入セラミック粉末94によって占められる。好ましくは、開放気孔110の浸透される容積は、約10%以上、より好ましくは約20%以上、そして最も好ましくは約30%以上ないし望ましくは壁20及び/又は30により規定されるチャネル40に挿入されたセラミック粉末90が占める容積と本質的に同一の容積の範囲となる。
【0013】
繰り返しになるが、プレフォーム10は、セラミック、金属、セラミック金属又はこれらの組合せであってもよい。好ましい態様では、プレフォーム10は金属である。この金属とは、好ましくは、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、チタン、タンタル、タングステン、ケイ素、前記金属のいずれかの合金又はこれらの組合せである。好ましくは、前記金属は、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、ケイ素若しくはこれら金属の1種類を主成分として含む金属又はこれらの組合せである。より好ましくは、前記金属は、鉄系金属、ニッケル又はこれらの合金、又は銅若しくはその合金である。最も好ましくは、前記金属は、鉄、鉄合金(例えばスチール)、又はニッケル若しくはニッケル合金の単体又は任意の組合せである。
【0014】
別の好ましい態様では、プレフォーム10はセラミックである。セラミックは、当該技術分野において知られる適切なものであればよく、特殊なセラミックはその所望の用途に依存するであろう。前記セラミックは、ファイバー、プレートレット、針状結晶粒、等方結晶粒又はこれらの組合せを含むいずれの微小構造を有していてもよい。好ましいセラミックとしては、例えば、ホウ化物、窒化物、カーバイド、酸化物又はこれらの混合物(例えば、オキシカーバイド、炭窒化物等)又はこれらの組合せが挙げられる。プレフォーム10に有用なセラミックの具体例としては、ムライト、炭化ケイ素、炭化ホウ素、菫青石、窒化ケイ素、二ホウ化チタン、炭化タングステン、チタン酸アルミニウム、窒化アルミニウム、チタン酸ニオブ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、六ホウ化ケイ素及びこれらの組合せが挙げられる。
【0015】
壁20及び30は、セラミック金属体140の作製に有用ないずれの形状にあってもよい。例えば、図3及び4に示すように、壁20及び30は、例えば、詰め込まれて配置された各円柱間の接点が、チャネル40を規定するような円柱形状にあってもよい。この態様では、円柱内部壁30Aは、チューブ又はパイプ状にあってもよい外壁20内に配置されるファイバー、ワイヤー又はケーブルを用いて形成することができる。内壁30Bは、押し出し形成又はここに挿入した平坦なシート又はリボンを用いたチューブの組み立てにより形成できる。
【0016】
壁20及び/又は30は、セラミック粉末90が挿入されたチャネル40において、挿入されたセラミック粉末90の最大粒度よりも大きな最小チャネル径70を有するチャネル40を形成する。最小チャネル径70は、理論上最大の直径を有する球体をチャネル40の一端に置いた場合に、詰まることなくチャネル40の他端まで通過できることを意味する。例えば、図1に示す正方形のチャネル40の最小チャネル径70は、正方形の1辺の長さに等しく、この場合、チャネル40は、チャネル長80全体に沿って平行な状態で壁20と30を有するので、チャネル径70は、最小チャネル径に等しい。
【0017】
通常、セラミック粉末90が挿入されたチャネルの最小チャネル径は、挿入されたセラミック粉末90の最大粒度よりも2倍以上大きい。これにより、チャネル40を塞いで、それ以上チャネル40にセラミック粉末90を充填できなくなるような橋渡しが形成される恐れが確実に低下する。好ましくは、最小チャネル径は、チャネル40に挿入されるセラミック粉末90の最大粒度よりも、5倍以上、より好ましくは7倍以上、そして最も好ましくは10倍以上大きい。
【0018】
プレフォーム10の形成においては、適切なセラミック、セラミック金属複合材料又は金属の形成方法又は形成技術を用い、個々の部材を組み合わせて、これらに限定されないが、機械的結合(例えば、コンプレッションフィット)又は化学的結合(例えば、融合(fusing)、溶接、蝋付け又はこれらの組合せ)等の適切な結合により、組み合わせた部材を固定してもよい。プレフォーム10の形成方法の例としては、チャネルの穴を開ける方法、金型を通して押し出してチャネルを形成する方法、波状のシートを折りたたむ方法、部材を機械的又は化学的に結合させてプレフォーム10を形成する方法が挙げられる。
【0019】
好ましい態様では、プレフォーム10は、平坦な表面ではない末端(即ち、半球形及び中央部が隆起したもの)を含むいずれの外形を有していてもよいハニカム構造にある。チャネル40は、図2に示すいずれのチャネル長80を有していてもよい。典型的には、チャネル長80は、最小チャネル径の2倍以上になる。無論、チャネル長80は、最小チャネル径の数倍、10倍、20倍以上であってもよい。しかしながら、いくつかの点において、チャネル長80は、挿入されたセラミック粉末90を簡単に充填できない程度に長い又は細い状態にあってもよい。
【0020】
チャネル40に挿入されるセラミック粉末90は、通常、反応性セラミック粉末の約10体積%以上を構成する限りにおいては、当該技術分野において知られたセラミック金属複合材料の作製に有用なセラミック粉末であればいずれのものでもよい。セラミック粉末90は、ホウ化物、酸化物、カーバイド、窒化物、ケイ化物又はこれらの組合せであってもよい。組み合わせには、例えば、炭化ケイ素、窒化酸素、炭化酸素及び窒化炭素等が含まれる。好ましいセラミックとしては、SiC、BC、Si、Al、TiB、SiB、SiB、AlN、ZrC、ZrB又はこれらの組合せが挙げられる。セラミック粉末90は、反応性セラミックで構成される。反応性セラミックとは、浸透時又はこれに続く加熱処理時に浸透した溶融金属と反応して、該反応性セラミックと浸透金属(チャネル金属160)のセラミック反応生成物を形成するものを意味する。好ましくは、セラミック粉末は、その50体積%以上、60体積%以上、70体積%以上、80体積%以上、90体積%以上、95体積%以上が反応性セラミック粉末で構成され、割合が高い程より好ましい。最も好ましい態様では、セラミック粉末90は、反応性セラミック粉末のみであり、この反応性セラミック粉末は、複数種の反応性粉末の組合せであってもよい。
【0021】
挿入されたセラミック粉末90は、例えば、溶融金属の浸透を助けてチャネル40内でチャネルセラミック金属複合材料150を形成させることのできる金属粉末91と混合してもよい。金属粉末91は、溶融金属の浸透時に実質的に融解しないことが好ましい。実質的に融解しないとは、本明細書では、金属粉末91の融解が、起こったとしても金属粉末91の表面の融解にとどまり、この融解も、溶融金属に含まれる成分による表面の合金化により起こり得ることを意味する。挿入されるセラミック粉末90と混合される金属粉末91の量は、一般的には、セラミック粉末90の約70体積%以下である。好ましくは、存在する場合には、金属粉末の量は、金属粉末91を含む挿入粉末90の総量の約50体積%以下、より好ましくは約30体積%以下、更により好ましくは約15体積%以下、そして最も好ましくは約10体積%以下である。
【0022】
セラミック粉末90は、あらゆる適切な方法によりチャネル40に挿入できる。セラミック粉末90は、乾燥状態又は水若しくはプラスチックと混合した状態で挿入できる。例えば、セラミック粉末90が乾燥状態にある場合は、チャネル40に注入でき、プレフォーム10を振とうさせるか又は振動を加えることにより、チャネルへの充填を促進できる。
【0023】
これに代わる場合、セラミック粉末90は、セラミック粉末90を液体と混合して、チャネル40内に簡単に注ぐか、注入するか又は噴出させることが可能な程度に粘性の低い懸濁液を調製して、これを挿入して液体媒体を除去することが可能であり、代表的な方法は、米国特許第4,200,604号明細書及び米国特許第6,803,015号明細書に記載されている。別の方法では、例えば、「Introduction to the Principles of Ceramic Processing, J. Reed, John Wiley and Sons, NY, 1988」の第21章に記載されるように、有機添加剤(例えば、分散剤、潤滑剤及び結合剤)を添加することによってセラミックを押し出すための当該技術分野に知られる適切な方法でプラスチック塊を形成し、このペーストをチャネル内に注入することにより、セラミック粉末90を挿入できる。
【0024】
セラミック粉末90と低粘度の分散液の混合物を用いる場合、この混合物は、一般的に、例えば単に重力だけによって、プレフォーム10のチャネル40の一端に挿入され、チャネル40内を流れ、チャネル40の他端から回収できる程度の流動性を有する。従って、この混合物は、壁20及び/若しくは30上にセラミック粉末90の層を沈着させるか又は完全にチャネル40を満たすであろう。一般的に、この方法を用いる場合には、混合物の粘性は、約1000センチポアズ(cp)以下であり、より好ましくは、該混合物は、約200cp以下、更により好ましくは約100cp以下、そして最も好ましくは約20cp以下の粘度を有する。
【0025】
分散液は、例えば、水、有機溶液、例えば、アルコール、脂肪族、グリコール、ケトン、エーテル、アルデヒド、エステル、芳香族、アルケン、アルキン、カルボン酸、カルボン酸塩化物、アミド、アミン、ニトリル、ニトロ、硫化物、スルホキシド、スルホン、有機金属又はこれらの混合物であってもよい。好ましくは、分散液は、水、脂肪族、アルケン又はアルコールである。より好ましくは、分散液は、アルコール、水又はこれらの組合せである。アルコールを用いる場合、メタノール、プロパノール、エタノール又はこれらの組合せが好ましい。より好ましくは、前記アルコールはプロパノールである。
【0026】
前記混合物は、当該技術分野で知られるような、セラミック懸濁液又はペーストの作製に有用な他の成分を含んでいてもよい。有用な他の成分の例としては、例えば、「Introduction to the Principles of Ceramic Processing. J. Reed, John Wiley and Sons, NY, 1988」の第10章〜第12章に記載されるような、分散剤、解膠剤、凝集剤、可塑剤、消泡剤、潤滑剤及び保存剤が挙げられる。混合液に含まれる好ましい結合剤としては、水に可溶性のものではなく、分散液に可溶性のものが挙げられる。
【0027】
また、前記混合物は、結合剤を含んでいてもよい。結合剤の例としては、「Introduction to the Principles of Ceramic Processing. J. Reed, John Wiley and Sons, NY, NY, 1988」の第11章に記載されるようなセルロースエーテルが挙げられる。好ましくは、前記結合剤は、Dow Chemical社からMETHOCEL及びETHOCELの商標で販売されるようなメチルセルロース又はエチルセルロースである。好ましくは、前記結合剤は、前記分散液に溶解する。
【0028】
セラミック粉末90は、例えば、チャネル40内にセラミック粉末90を挿入した後に部分的に充填されたチャネル105及び充填されていないチャネル100が存在する場合があるように、チャネル40のいくつか又はすべてを満たす場合がある。チャネル40のすべてが実質的に満たされていることが好ましい。実質的に満たされるとは、セラミック粉末90の粒子間の隙間を除いて、セラミック粉末90が、チャネル40の容積の約95%以上を占めることを意味する。より好ましくは、前記粉末は、完全にチャネル40を満たす。
【0029】
別の態様では、セラミック粉末90は、壁20及び/又は30をある程度の厚さでコーティングし、チャネル40のチャネル長80に空間を残すように挿入される。この後に、第2の別のセラミック粉末90を残った容積に挿入することで、壁20及び/又は30からチャネル40の中心部にかけて勾配構造を有するチャネル40を作製することができる。図7には、セラミック粉末90が、3種類の異なる粉末で構成される、上記の可能な勾配の一例が示されている。この例では、セラミック粉末90Aは、セラミック粉末90Bと同一の粒径を有するが、化学的性質が異なっており、セラミック粉末90Cは、90Aと同一の化学的性質を有するが、粒径が異なる。同様に、壁20及び/又は30上にセラミック粉末90がコーティングされたプレフォーム10に金属(チャネル金属160)が浸透し、次いで、第1の金属が浸透した後に、残りのチャネル部分を、チャネル40に挿入される次のセラミック粉末でコーティングしてもよい。この第2の挿入セラミック粉末も浸透させてもよい。この一連の工程は、所望により何回繰り返してもよく、好ましくは、チャネル40が、完全に満たされて、チャネル径70に沿った勾配構造を有するようになるまで繰り返してもよい。
【0030】
同様に、チャネル40をセラミック粉末90で部分的に充填し、次に、異なる化学的性質、粒子充填率又は粒径を有する別のセラミック粉末90を充填して、チャネル40のチャネル長80の下の方まで勾配構造を作り出すこともできる。再度図7を参照するに、先の段落に記載するように、セラミック粉末90Aを最初にチャネル40に挿入し、次に他の粉末90A、B及びCを挿入して浸透させることでチャネル長80に沿って、チャネル径方向に沿って、そしてチャネル40の部分において勾配構造が作り出される。所望により、プレフォーム10のチャネル40の充填にはいずれの組合せを用いてもよい。組み合わせの可能性は限定されるものではないが、例としては、(1)少なくとも1つのチャネル40が、別のチャネル40に挿入されたセラミック粉末とは異なるセラミック粉末90を有し、(2)少なくとも1つのチャネル40に挿入されたセラミック粉末90が、そのチャネル40内で、そのチャネル40のチャネル長80に沿って、又はそのチャネル40のチャネル径70に渡って異なっているような場合が挙げられる。例えば、組成、化学的特性、充填率、粒径又はこれらの組合せといったセラミック粉末90の特性の1個以上が異なる場合には、セラミック粉末90は異なるといえる。ここでは、異なるとは、特性、例えば上記の特性の一つ等が、既知の標準的手法においてこのような特性を測定した場合に、統計的に異なっていることを意味する。また、異なるとは、例えば、金属・セラミック複合材料中のセラミックの結晶粒(grain)などの個々の微小構造の特徴に関するものではなく、一般的に、セラミック金属複合材料150において、セラミック結晶粒の平均結晶粒サイズよりも約10倍以上大きな容積を有する領域に関する。このような差異は、例えば、研磨断面でセラミック結晶粒の結晶粒サイズ、セラミック粒子の充填率、化学的特性等を測定するための既知の顕微鏡を用いた方法により測定できる。
【0031】
好ましい態様では、少なくとも1つのチャネル40内において、セラミック粉末90は、その組成、充填率及びこれらの組合せにおいて異なっている。
【0032】
液体媒体又はポリマー媒体を用いてセラミック粉末90を懸濁する場合、懸濁媒体は、あらゆる適切な方法によって除去できる。例えば、媒体が水やアルコール等の液体の場合、この液体は、風乾、加熱又は減圧による乾燥により除去可能であり、又はプレフォーム10の一端において、毛細管作用により分散液を除去する多孔質媒体でチャネル40の末端を塞ぐことによっても除去できる。このような多孔質媒体の例としては、スリップキャストセラミックに用いられるような焼石膏が挙げられる。蒸発乾固又は毛細管作用によっても除去されない有機溶液を除去するためには、セラミック粉末90が挿入されたプレフォーム10を適切な雰囲気下で加熱するなど良く知られた適切な処理方法に付してこれらの添加物を取り除くことができる。
【0033】
図8を参照するに、セラミック粉末90がプレフォーム10のチャネル40に挿入された後に、溶融金属がセラミック粉末90に浸透し、壁20及び/又は30に接着した状態でチャネル40内でチャネルセラミック金属複合素材150が形成される。溶融金属(チャネル金属160)の浸透は、当該技術分野で知られたいずれかの適切な方法で行うことができる。このような方法の例としては、米国特許第5,007,475号明細書、米国特許第5,020,584号明細書、米国特許第5,298,469号明細書、米国特許第5,521,016号明細書、米国特許第5,775,403号明細書に記載された方法が挙げられる。
【0034】
金属が浸透した後に、前記セラミック金属体140を更に加熱処理することで浸透した金属(チャネル金属160)を反応性セラミックと反応させることも可能である。浸透に続く加熱処理方法の例としては、米国特許第5,298,468号明細書及び米国特許第5,521,016号明細書に記載された方法が挙げられる。
【0035】
セラミック金属体
本発明の方法により、セラミック、金属、セラミック金属又はこれらの組み合わせであるマトリックスから構成されるセラミック金属体140であって、マトリックスはマトリックス中のチャネル40を規定する壁20および30を有し、マトリックスのチャネル40の少なくとも1つの内部にマトリックスの壁20及び30とは異なるチャネルセラミック金属複合材料150が存在し、チャネルセラミック金属複合材料150がチャネル金属160とチャネルセラミック相170で構成され、チャネルセラミック相170は、反応性セラミック並びにチャネル金属160と反応性セラミックとのセラミック反応生成物から構成されることを特徴とするセラミック金属体140を形成できる。反応性セラミックは、反応性セラミック粉末について上述したようなものである。
【0036】
一般的に、反応性セラミックの体積の約10%以上がチャネル金属160と反応してセラミック反応生成物を形成する。反応する反応性セラミックの体積は、好ましくは、少なくとも約15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%及び80%であり、後者ほどより好ましい。好ましい態様では、反応性セラミックの反応度は、少なくとも1つのチャネル40の内部において又はチャネル40の間で異なっている。例えば、反応性セラミック粉末の粒径や化学的特性(例えば、反応性粉末に金属や他のセラミックなどでコーティング処理を施してこの粉末の反応性を低下又は上昇させることができる)は、各チャネル40の内部において異なっていてもよく、その結果、反応性に差が生じることになる。同様に、チャネル40の内部において、反応に用いられた反応性粉末の体積は、チャネル40のチャネル長80又はチャネル径70の方向に沿って変化する場合がある。
【0037】
別の好ましい態様では、セラミック金属体140は、1つ以上のチャネル40のチャネル長80に沿って、チャネルセラミック金属複合材料150の性質、構造、化学的性質及びこれらの組合せが異なっている。好ましくは、チャネル40の少なくとも約15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%及び80%においてチャネルセラミック金属複合材料150が異なっており、後者ほどより好ましい。好ましい態様では、チャネル40の全体においてチャネルセラミック金属複合材料150が異なっている。同様にチャネルセラミック金属複合材料150は、チャネル又はチャネル40のチャネル径の方向にも変化する。
【0038】
好ましい態様では、チャネル金属160は、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、銅、ケイ素、マグネシウム、前記各種金属の合金又はこれらの混合物から選択される。同様に、反応セラミックが炭化ホウ素であり、チャネル金属160がアルミニウムから構成され、セラミック反応生成物が、以下から選択される1種類以上のセラミックから構成されることが好ましい。
(a)AlB
(b)AlBC、
(c)Al48
(d)AlB12、及び
(e)AlB24
好ましくは、セラミック反応生成物は、これらのセラミックの2種以上で構成される。また、これらの好ましい態様においては、すべてのチャネル40が、記載されたチャネル金属160及びチャネルセラミック170を有することが好ましい。
【0039】
本発明の更なる有用性の例示としては、セラミック金属体140の一部が、ブレーキローターの内部ハブ等の引張応力又はせん断応力に付され、そのチャネル40が、望ましくは靭性の高いチャネルセラミック金属複合材料150(例えば、セラミック粉末を金属粉末と混合することによりチャネルセラミック金属複合材料150の靭性は向上する)を有していてもよく、ブレーキローターがブレーキパッドと接触する部分のチャネル40が、望ましくは耐摩耗性の高いチャネルセラミック金属複合材料150(例えば、反応性セラミック粉末のみを用いて得られるような、殆ど全部がセラミックのもの等)を有していてもよい場合が挙げられる。同様に、本発明のセラミック金属体140の挿入物の使用は、金属製ブレーキローターと関連する場合がある。例として、このような挿入物は、例えば50%超の相当量で金属を含み、より靭性の高いチャネルセラミック金属複合材料150を有する場合があり、この複合材料は、例えば、上記のように耐摩耗性を向上させるために殆ど全部がセラミックでできたブレーキパッドと接触する反対端とメカニカルファスナーによって金属ブレーキローターに取り付けられる。
【実施例】
【0040】
実施例1
2インチ×2インチの面積で1インチの深さを有し、2×2mmのチャネル断面積と60%の壁多孔度を有するムライトハニカムに2種類のスラリーを別々のチャネルに各スラリーが入るように充填した。ムライトハニカムは、米国特許出願公開第2005/0115214号明細書に示す方法でDow Chemical社により作製された。第1のスラリーは、pH7の水に20体積%のESK 1500 BCパウダー(TETRABOR ESK 1500、ESK Ceramics GMBH & Co.、ケンプテン、ドイツ)を含んでいた。第2のスラリーは、90体積%のTiB(HCT 3OD、General Electric CompanyのGE Advanced Materials Unitから市販、ウィルトン、コネチカット州)及び10体積%のBC(ESK 1500)を含む混合液を15体積%含んでいた。BCの平均粒径は3〜5μmであり、TiBの平均粒径は14μmであった。細いプラスチック製チューブと点眼器を用いてムライトハニカム(チェッカー盤)の選択したチャネルにスラリーを注入した。チャネルが充填されたハニカムを80℃で24時間かけて乾燥させた。乾燥した充填ハニカムをスチール製金型に入れて、空気中で約400℃に加熱した。予熱した部分を圧力鋳造ユニット(THT Presses, Inc.、デイトン、オハイオ州)に移し、この部分に溶融アルミニウムを5〜10秒かけて注入した。液体金属はすべての開口部に容易に浸透して高密度な壁とチャネルが作製された。セラミック金属部分は2種類のセラミック金属チャネルから構成されており、これらはAl−ムライト複合材料の連続的な網目構造により分離されていた。第1のチャネルセットは、アルミニウム金属、炭化ホウ素及びセラミック反応層AlB及び固溶体層Al(3−4)BCを含むセラミック金属複合材料を有し、他方のチャネルセットは、Al、TiB、BC及びセラミック反応層AlBを含むセラミック金属複合材料を有していた。
【0041】
実施例2
異なるサイズの反応性BC粒子で底部から上部に渡って5層を構成するようにチャネルを充填した以外は、実施例1と同様の方法を行った。2種類のグレードのBCパウダー(TETRABOR F1200及びF180、ESK Ceramics GMBH & Co.、ケンプテン、ドイツ)を種々の比率で混合することによりサイズに差異を設けた。パウダーは乾燥状態でチャネルに挿入し、各層が導入された後にハニカム全体を軽く叩いて約10秒間ゆすることで粒子の充填率を高めた。各層の厚さは約2mmであった。一端から見ていくと、各層のパウダー組成は以下の通りであった:(I)100% F1200、(II)75% F1200:25% F180、(III)50% F1200:50% F180、(IV)25% F1200:75% F180及び(V)100% F180。浸透終了後、セラミック金属体を700℃で10時間熱処理した。セラミック金属体は、ビッカース硬度が一端から反対端にかけて約1100Kg.mmから約400kg/mmの範囲で変化する段階的構造を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)プレフォームのチャネル内にセラミック粉末を挿入してセラミック粉末が充填されたプレフォームを形成する工程、及び
b)セラミック粉末が充填されたプレフォームに溶融金属を浸透させてセラミック金属体を形成する工程、
を含む、セラミック金属体を製造する方法であって、
プレフォームは、(i)セラミック、セラミック金属複合材料、金属又はこれらの組み合わせであり、そして(ii)複数のチャネルを規定する壁を有し、各チャネルはプレフォームの表面に開口を有し、セラミック粉末は反応性のセラミック粉末から構成され、セラミック粉末の最大粒径がチャネルの最小チャネル径よりも小さいことを特徴とする方法。
【請求項2】
プレフォームがハニカム構造を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プレフォームがセラミック金属複合材料、金属又はこれらの組合せであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
プレフォームが本質的に開放気孔を有しないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
プレフォームが本質的に密であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
プレフォームが、開放気孔を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
開放気孔が、挿入されたセラミック粉末の少なくとも一部がプレフォームの壁の中に進入するのに十分な径を有することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
開放気孔が、チャネル内に挿入されたセラミック粉末が本質的にプレフォームの壁の中に進入できない径を有することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
プレフォームが金属であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項10】
セラミック粉末が少なくとも2種の反応性セラミック粉末で構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
セラミック粉末が更に金属粉末で構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
金属粉末が溶融金属の浸透時に実質的に融解しないことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
チャネルの少なくとも1つに挿入されたセラミック粉末が別のチャネルに挿入されたセラミック粉末とは異なることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つのチャネルに挿入されたセラミック粉末が、該チャネル内で、組成、充填量又はこれらの組合せにおいて異なることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
チャネルの少なくとも1つに挿入されたセラミック粉末が、別のチャネルに挿入されたセラミック粉末とは異なることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記壁が、その上部又は内部に結合剤を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
結合剤が粉末剤又はコーティング剤であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
結合剤がセラミック又は金属であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
セラミック粉末が反応性セラミック粉末のみからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
反応性セラミック粉末がカーバイド、ホウ化物又はその組み合わせであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
反応性セラミック粉末がホウ素を含有するカーバイドであることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
カーバイドが炭化ホウ素であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
金属が鉄類であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項24】
鉄類がスチールであることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項25】
溶融金属がアルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
セラミック、金属、セラミック金属又はこれらの組み合わせであるマトリックスから構成されるセラミック金属体であって、マトリックスはマトリックス中のチャネルを規定する壁を有し、マトリックスのチャネルの少なくとも1つの内部にマトリックスの壁とは異なる微小構造、化学特性又はこれらの組合せを有するチャネルセラミック金属複合材料が存在し、チャネルセラミック金属複合材料がチャネル金属とチャネルセラミック相で構成され、チャネルセラミック相は反応性セラミック並びにチャネル金属と反応性セラミックとのセラミック反応生成物から構成されることを特徴とするセラミック金属体。
【請求項27】
少なくとも1つのチャネルの縦方向に沿って、チャネルセラミック金属複合材料が、その性質、構造、化学特性又はこれらの組合せにおいて変化することを特徴とする請求項26に記載のセラミック金属体。
【請求項28】
チャネルセラミック金属複合材料が、セラミック金属体の別のチャネル内のチャネルセラミック金属複合材料と異なる構造、化学特性、性質又はこれらの組合せを有することを特徴とする請求項25に記載のセラミック金属体。
【請求項29】
少なくとも50%のチャネルの縦方向に沿って、チャネルセラミック金属複合材料が、その性質、構造、化学特性又はこれらの組合せにおいて変化することを特徴とする請求項28に記載のセラミック金属体。
【請求項30】
少なくとも1つのチャネルにおいて、チャネルセラミック金属複合材料が、チャネルの断面の寸法に沿って、その性質、構造、化学特性又はこれらの組合せにおいて変化することを特徴とする請求項26に記載のセラミック金属体。
【請求項31】
反応性セラミックが炭化ホウ素であり、セラミック反応生成物が、(a)AlB、(b)AlBC、(c)Al48、(d)AlB12、及び(e)AlB24から選択される少なくとも1種のセラミックから構成されることを特徴とする請求項26に記載のセラミック金属体。
【請求項32】
1つ以上のチャネルのチャネルセラミック金属複合材料が、(a)AlB、(b)AlBC、(c)Al48、(d)AlB12、及び(e)AlB24から選択される少なくとも2種のセラミックから構成されることを特徴とする請求項31に記載のセラミック金属体。
【請求項33】
すべてのチャネルのチャネルセラミック金属複合材料が、(a)AlB、(b)AlBC、(c)Al48、(d)AlB12、及び(e)AlB24から選択される少なくとも2種のセラミックから構成されることを特徴とする請求項32に記載のセラミック金属体。
【請求項34】
チャネル金属が、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、銅、ケイ素、マグネシウム、それらのそれぞれの合金及びそれらの混合物であることを特徴とする請求項26に記載のセラミック金属体。
【請求項35】
チャネルセラミック金属複合材料の公称最大セラミック結晶粒サイズが、チャネルの最小チャネル径よりも実質的に小さいことを特徴とする請求項26に記載のセラミック金属体。
【請求項36】
公称最大セラミック結晶粒サイズが、チャネルの最小チャネル径の約5分の1以下であることを特徴とする請求項35に記載のセラミック金属体。
【請求項37】
少なくとも1つのチャネルのチャネルセラミック金属複合材料が、セラミック金属複合材料の金属との反応性を示さないセラミックを含むことを特徴とする請求項31に記載のセラミック金属体。
【請求項38】
マトリックスが、セラミック、金属又はこれらの組合せであることを特徴とする請求項26に記載のセラミック金属体。
【請求項39】
マトリックスがセラミックであることを特徴とする請求項38に記載のセラミック金属体。
【請求項40】
マトリックスが金属であることを特徴とする請求項38に記載のセラミック金属体。
【請求項41】
マトリックスが多孔質であることを特徴とする請求項26に記載のセラミック金属体。
【請求項42】
マトリックスが密であることを特徴とする請求項26に記載のセラミック金属体。
【請求項43】
請求項26〜42のいずれか1項に記載のセラミック金属体から構成される構造部材。
【請求項44】
構造部材が車両用構造部材であることを特徴とする請求項43に記載の構造部材。
【請求項45】
車両用構造部材がブレーキ部材又はサスペンション部材であることを特徴とする請求項44に記載の構造部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−543947(P2009−543947A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519545(P2009−519545)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/016009
【国際公開番号】WO2008/008496
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】