説明

改良された遺伝子発現

【課題】5’側の伸長されたメチル化されていないCpGアイランドおよび3’側の選択マーカーエレメントに隣接した発現可能な核酸を含むポリヌクレオチドおよびベクターを提供すること。
【解決手段】このようなポリヌクレオチドおよびベクターは、隣接した発現可能な核酸の高レベルな発現を取得するための手段を提供する。好ましい実施形態は、5’側の伸長されたメチル化されていないCpGアイランドおよび3’側の抗生物質耐性遺伝子の組合せを含む。単離されたポリヌクレオチドであって、以下:a.伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、b.ポリアデニル化シグナルによって終結される発現可能な核酸、c.プロモーターに作動可能に連結された選択マーカーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、選択マーカーエレメントとともに遍在性クロマチン開放エレメント(Ubiquitous Chromatin Opening Element)(UCOE)を含むポリヌクレオチドに関する。隣接した発現可能な核酸配列に作動可能に連結された場合、エレメントの組合せは、高レベルかつ再現性のあるレベルの遺伝子発現を提供する。本発明はまた、ポリヌクレオチド配列を含むベクター、このベクターを含む宿主細胞、および、治療においてか、または細胞培養におけるタンパク質発現に関する適用のための、このポリヌクレオチド、ベクターもしくは宿主細胞の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
高等真核生物におけるクロマチン構造の現在のモデルは、遺伝子が「ドメイン」中に組織化されることを仮定する(Dillon,N.およびGrosveld F.Chromatin domains as potential units of eukaryotic gene function.Curr.Opin.Genet.Dev.4,260−264(1994);Higgs,D.R.Do LCRs open chromatin domains? Cell 95,299−302(1998))。クロマチンドメインは、凝縮され、「閉ざされた」転写的に静的な状態か、または、脱縮され、「開放された」転写的に能力のある構造のいずれかで存在することと認識される。増大したDNaseI感受性、DNA低メチル化およびヒストン過剰アセチル化によって特徴付けられる開放クロマチン構造の確立は、遺伝子発現の開始に予め不可欠であると考えられる。
【0003】
クロマチン領域の開放された性質および閉ざされた性質は、無作為に宿主細胞ゲノムに組み込まれる導入遺伝子の挙動に反映される。同一の構築物は、マウスゲノム中の異なる位置で組み込まれた場合、異なるパターンの組織特異的発現および発達段階特異的発現のを与える(Palmiter,R.D. & Brinster,R.L.Ann.Ref.Genet.20,465−499(1986);Allen,N.D.ら、Nature 333,852−855(1988);Bonnerot,C.,Grimber,G.,Briand,P. & Nicolas,J.F.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6331−6335(1990))。
【0004】
所定のトランスジェニックマウス組織内での変化に富んだ発現パターン(位置効果斑入り様(position effect variegation)(PEV)として知られる)はまた、頻繁に観察される(Kioussis,D. & Festenstein,R.Curr.Opin.Genet.Dev.7,614−619(1997))。外因性遺伝子が、インビトロでの哺乳動物細胞培養物の染色体中に組み込まれる場合、組込み事象の多くが、導入遺伝子の迅速なサイレンシングを生じ、そして残りの物が、発現レベルに大きな変動を与える(Pikaart,,M.J.,Recillas−Targa,F. & Felsenfield,G.Genes Dev.12,2852−2862(1998);Fussenegger,M.,Bailey,J.E.,Hauser,H. & Mueller,P.P Trends Biotech.17,35−42(1999))。これらの位置効果は、潜在的に、基礎研究およびバイオテクノロジー適用の両方にとって非効率な導入遺伝子発現を与える。
【0005】
遺伝子組織化のクロマチンドメインモデルは、転写的にコンピテントな開放クロマチン構造を確立し、そして維持し得る遺伝的制御エレメントが、ゲノムの活性領域に連結されるべきであることを示唆する。
【0006】
遺伝子座制御領域(Locus Control Region)(LCR)は、長期のクロマチンリモデリング能力を有する転写調節エレメントのクラスである。LCRは、cisに連結された遺伝子(特に、単一コピー導入遺伝子)に、組込み部位非依存的で導入遺伝子コピー数依存的な、生理学的な発現レベルを与える能力によって、トランスジェニックマウス中で機能的に定義される(Fraser,P. & Grosveld,F.Curr.Opin.Cell Biol.10,361−365(1998);Li,Q.,Harju,S. & Peterson,K.R.Trends Genet.15:403−408(1999))。決定的に、このような発現は、組織特異的である。LCRは、ヘテロクロマチンの広がりを妨げ、PEVを防ぎ(Kioussis,D. & Festenstein,R.Curr.Opin.Genet.Dev.7,614−619(1997))、そして、このLCRが調節する遺伝子の5’かまたは3’のいずれかに位置し得る、一連のDNase I高感受性(HS)部位からなる(Li,Q.,Harju,S. & Peterson,K.R.Trends Genet.15:403−408(1999))。
【0007】
LCRは、独立した構成要件である必要はないが、2つの別個の構成要件から構成されることが明らかである。1つ目は、「開放クロマチンドメイン(open chromatin domain)」の確立であり、そして2つ目は、発現に依存する導入遺伝子コピー数を供する優性転写活性能である(Fraser,P.&Grosveld,F.Curr.Opin.Cell Biol.10,361〜365(1998))。LCRがその機能を及ぼす分子機構は、論点を残したままである(Higgs,D.R.Cell 95,299〜302(1998);Bulger,M.& Groudine,M.Genes Dev.13,2465〜2477(1999);Grosveld,F.Curr.Opin.Genet.Dev.9 152〜157(1999);Bender,M.A.,Bulger,M.,Close,J.&Groudine,M.,Mol.Cell 5,387〜393(2000))。
【0008】
高レベルの治療タンパク質生成物を生成する培養された哺乳動物細胞株の作製は、主に発達している産業である。クロマチン位置効果は、プロセスを困難で、時間がかかり、そして高価なプロセスにする。このような哺乳動物「細胞工場(cell factory)」を生成するために最も一般に使用されるアプローチは、薬剤耐性遺伝子(例えば、DHFR、グルタミンシンテターゼ(Kaufman RJ.Methods Enzymol 185,537〜566(1990))とストリンジェントな選択圧維持との組み合わせによって誘導される遺伝子増幅に依存する。適切な組織に由来する細胞を用いて、高度に発現した遺伝子ドメイン由来のLCRを含むベクターを使用することは、一般に手順を単純化し、安定した高レベルの発現を示すクローンの細胞株の大きな割合を与える(Needham M,Gooding C,Hudson K,Antoniou M,Grosfeld FおよびHollis M.Nucleic Acids Res 20,997〜1003(1992);Needham M,Egerton M,Millest A,Evans S,Popplewell M,Cerilo G,McPheat J,Monk A,Jack A,Johnstone DおよびHollis M.Protein Expr Purif 6,124〜131(1995))。
【0009】
しかし、いくつかの状況において有用であるにも関わらず、LCRの組織特異性はまた、多くの適用(例えば、発現が要求される組織についていかなるLCRも知られていない場合、または多くの組織もしくは全ての組織において発現が要求される場合)に関する主な制限である。
【0010】
本明細書中で参考として援用される、本研究者らの同時係属中の特許出願PCT/GB99/02357(WO 00/05393)、US 09/358082、GB 0022995.5およびUS 60/252,048は、単独の遍在して発現されるハウスキーピング遺伝子からなる遺伝子座に渡る開放クロマチン構造を確立することについて、その天然の染色体の脈絡における原因となるエレメントを記載する。これらのエレメントは、LCRに由来せず、そして伸長されたメチル化されていない(methylation−free)CpGアイランド(island)を含む。本発明者らは、このようなエレメントを説明するために用語、遍在性クロマチン開放エレメント(UCOE)を使用している。
【0011】
哺乳動物DNAにおいて、ジヌクレオチドCpGは、シトシンを5−メチルシトシンにメチル化するDNAメチルトランスフェラーゼ酵素によって認識される。しかし、5−メチルシトシンは、不安定であり、チミンに転化される。結果として、CpGジヌクレオチドは、偶然に予測されるよりも遥かに少ない頻度で存在する。ゲノムDNAのいくつかの区分は、予測されるのに近い頻度のCpGを有するにも関わらず、これらの配列は「CpGアイランド」として公知である。本明細書中で使用される場合、「CpGアイランド」は、少なくとも50%のGC含量、および観察される/予測される少なくとも0.6のCpG含量比(すなわち、偶然に予測される少なくとも60%のCpGジヌクレオチド含量)を有する、少なくとも200bpのDNAの配列として規定される(Gardiner−Green MおよびFrommer M.J Mol Biol 196,261〜282(1987);Rice P,Longden IおよびBleasby A Trends Genet 16,276〜277(2000))。
【0012】
メチル化されていないCpGアイランドは、当該分野において周知であり(Birdら(1985)Cell 40:91〜99,TaziおよびBird(1990)Cell 60:909〜920)そして実質的な割合のシトシン残基がメチル化されず、そして通常、2つの近い間隔(0.1〜3kb)の多岐に転写される遺伝子の5’末端に渡って伸長するCpGアイランドと規定され得る。DNAのこれらの領域は、発達を通じて全ての組織で低メチル化されたままであると報告されている(WiseおよびPravtcheva(1999)Genomics 60:258〜271)。これらは、しばしば遍在して発現される遺伝子、および組織制限発現プロフィールを示す推定40%の遺伝子の5’末端と関連し(Antequera,F.&Bird,A.Proc.Natl.Acad.Sci.USA90,1195〜11999(1993);Cross,S.H.&Bird,A.P.Curr.Opin,Genet.Dev.5,309〜314(1995))、そして活性クロマチンの領域に配置されることが公知である(Tazi,J.&Bird,A.Cell 60,909〜920(1990))。
【0013】
「伸長された」メチル化されていないCpGアイランドは、1つよりも多い転写開始部位を包含する領域に渡って伸長し、そして/または300bp、好ましくは500bpよりも長く伸長する、メチル化されていないCpGアイランドである。伸長されたメチル化されていないCpGアイランドの境界は、その認識配列でDNAを消化(切断)する能力が、存在する任意のCpG残基のメチル化状態に感受性である、制限エンドヌクレアーゼ酵素と組み合わせた領域に渡るPCRの使用を通じて機能的に規定される。1つのこのような酵素は、HpaIIであり、これは、中央のCG残基がメチル化されない場合に限り、通常CpGアイランド内に見出される部位CCGGを認識して消化する。故に、HpaII消化DNAを導き、そしてHpaII部位を含む領域に渡るPCRは、DNAがメチル化されていない場合、HpaII消化に起因する増幅産物を提供しない。PCRは、DNAがメチル化される場合にのみ増幅産物を提供する。故に、メチル化されていない領域に及ばないHpaIIは、DNAを消化せず、PCR増幅産物が観察され、これによって「伸長されたメチル化されていないCpGアイランド」の境界を規定する。
【0014】
本発明者らは、ヒトTATA結合タンパク質(TBP)/プロテオソーム成分B1(PSMBI)、および異種核リボ核タンパク質A2/B1(hnRNPA2)/ヘテロクロマチンタンパク質1Hsγ(HP1Hsγ)遺伝子座由来の二重の多岐に転写されるプロモーターを包むメチル化されていないCpGアイランドを架橋する領域が、再現性のある、生理学的レベルの遺伝子発現を提供すること、ならびにこれらが、変化を付けられた発現パターン、および動原体性ヘテロクロマチン内に組み込まれた導入遺伝子で通常生じるサイレンシングを妨げ得ることを実証している(WO 00/05393)。
【0015】
本明細書中で使用される場合、用語「再現性のある発現」は、本発明のポリヌクレオチドは、そのクロマチン環境に関わり無く、そして好ましくは、本発明のポリヌクレオチドがあり得る細胞型または組織型に関わり無く、実質的に同じレベルで発現可能な遺伝子の発現を指向することを意味する。当業者は、作動可能に連結された発現可能な遺伝子の実質的に同じレベルの発現が、特許請求されたポリヌクレオチドのクロマチン環境に関わり無く、そして好ましくは、細胞が活性な遺伝子発現を可能にすると想定する細胞型と関わり無く達成される。
【0016】
本発明者らは、活性に転写をするプロモーターと関連するメチル化されていないCpGアイランドがクロマチンを再造形する能力を保有し、従ってハウスキーピング遺伝子座でのオープンドメインの確立および維持における主用な決定因子であると考えられることを、示している(WO 00/05393)。
【0017】
UCOEは、導入遺伝子発現のレベルおよび安定性に関する改良を伴った生産的遺伝子送達事象の割合を増加させる。これは、トランスジェニック動物および培養細胞における組換えタンパク質生成物の生成を含む、重要な研究および生物工学的適用を有する。本発明者らは、CMV−EGFPレポーター構築物の発現におけるUCOEの有益な効果、および分泌を伴う薬学的に価値のあるタンパク質エリトロポイエチンを示している(WO 00/05393)。UCOEの性質はまた、遺伝子治療における利用性、低い頻度の生産的遺伝子送達事象によってしばしば制限される効果、ならびに不適切なレベルの発現および発現の持続を示唆する(Verma,I.M.&Somia,N.Nature 389:239〜242(1997))。
【0018】
これらの有意な関連および広範な適用を提供して、導入遺伝子発現レベルをさらに最適化することが所望される。UCOE単独での使用、特にインビボ遺伝子治療の分野および組換えタンパク質のインビトロ生成における使用によって入手可能な発現のレベルをさらに増加する必要がある。
【0019】
5’UCOEに作動可能に連結された核酸の発現は、驚いたことに、発現可能な核酸配列が、5’UCOEおよび3’選択マーカーに隣接されるような、発現された核酸の3’の選択エレメントの存在によって、さらに増加され得る。
【0020】
ベクターにおける機能(例えば、選択マーカーを提供すること、および作動可能に連結された遺伝子の発現を増加すること)の1つよりも多くを実行する選択エレメントは、より小型かつ効果的な発現ベクターの構築を可能にする。
【0021】
Mei,KotharyおよびWall(Mei,Q,Kothary RおよびWall L.Exp Cell Research 260,304〜312(2000))は、LCRおよびpgk/プロマイシン耐性エレメントに作動可能に連結された発現可能な遺伝子(β−グロビン)を含む構築物を開示する。しかし、この研究は、ネガティブコントロールとして使用されるpgk/プロマイシン耐性エレメントを用いた遺伝子発現における位置効果を課すことにおいて重要なのが、発現可能な遺伝子、ならびにLCRおよびtk/ネオマイシン耐性エレメントの組み合わせであることを教示する。この論文は、pgk/プロマイシン耐性エレメントの使用から得られる任意の有利な効果を教示する。この論文は、伸長されたメチル化されていないCpGアイランド(またはUCOE)、発現可能な遺伝子およびpgk/プロマイシン耐性エレメントを含む構築物を開示しない。なぜならば、この構築物は、LCRを含むからである。同様に、この論文は、発現可能な遺伝子が天然には連結していないプロモーターに作動可能に連結している遺伝子、またはpgk/プロマイシン耐性エレメントに作動可能に連結している遺伝子を開示しない。なぜならば、それぞれの場合において、β−グロビン遺伝子は、その内因性プロモーターの制御下で発現されるからである。
【0022】
Arteltらは、真核生物発現ベクターにおけるcis連結遺伝子上のネオマイシン耐性遺伝子およびプロマイシン耐性遺伝子の影響を比較する(Artelt P,Grannemann R,Stocking C,Friel J,Bartsch JおよびHauser H Gene 99,249〜254(1991))。彼らは、ネオマイシン耐性遺伝子は、連結された遺伝子においてサイレンシング効果を有し得るが、「Streptomyces alboniger由来のプロマイシンに対する耐性を供する遺伝子は、隣接するプロモーターに影響しない」ことを結論付ける。従って、この論文中には、特許出願に開示されるような耐性遺伝子の使用の配置または間隔の重要性を開示または示唆するものはない。
【0023】
本発明者らの係属中の特許出願PCT/GB99/02357(WO 00/05393)、US 09/358082、GB 0022995.5およびUS 60/252,048は、伸長された、抗生物質耐性遺伝子を有する発現可能な核酸に作動可能に連結されたメチル化されていないCpGアイランドを含むポリヌクレオチドおよびベクターを開示する。しかし、開示される実施例において、抗生物質遺伝子は、発現可能な核酸に隣接せず、そして3’にもない。このような隣接する選択マーカーの驚くべき構築物は、開示または暗示されないようである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0024】
(発明の記載)
本発明は、作動可能に連結された核酸配列のアップレギュレート発現について伸長されたメチル化されていないCpGアイランド(UCOE)の影響が、選択エレメントの存在によってさらに増加され得る(但し、上記の選択マーカーは、発現可能な核酸配列3’に置かれるか、あるいはそれに隣接する)ことを開示する。そして、本発明は、以下をも提供する。
(1)単離されたポリヌクレオチドであって、以下:
a.伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、
b.ポリアデニル化シグナルによって終結される発現可能な核酸、
c.プロモーターに作動可能に連結された選択マーカー
を含み、ここで、該CpGアイランドおよび該選択マーカーの両方が、該発現可能な核酸に作動可能に連結され、これらの成分は、該発現可能な核酸のセンス鎖に関して5’〜3’の方向で、以下の順序:該伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、該発現可能な核酸、該選択マーカー、で位置付けられ、そして、該発現可能な核酸の3’末端の該ポリアデニル化シグナルは、該選択マーカーの近位末端の2000bp以内である、単離されたポリヌクレオチド。
(2) 単離されたポリヌクレオチドであって、以下:
a.伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、
b.ポリアデニル化シグナルによって終結される発現可能な核酸、
c.プロモーターに作動可能に連結された選択マーカー
を含み、ここで、該CpGアイランドおよび該選択マーカーの両方が、該発現可能な核酸に作動可能に連結され、これらの成分は、該発現可能な核酸のセンス鎖に関して5’〜3’の方向で、以下の順序:該伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、該発現可能な核酸、該選択マーカー、で位置付けられ、そして、該発現可能な核酸の3’末端の該ポリアデニル化シグナルは、該選択マーカーの近位末端の1500bp以内である、単離されたポリヌクレオチド。
(3) 単離されたポリヌクレオチドであって、以下:
a.伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、
b.ポリアデニル化シグナルによって終結される発現可能な核酸、
c.プロモーターに作動可能に連結された選択マーカー
を含み、ここで、該CpGアイランドおよび該選択マーカーの両方が、該発現可能な核酸に作動可能に連結され、これらの成分は、該発現可能な核酸のセンス鎖に関して5’〜3’の方向で、以下の順序:該伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、該発現可能な核酸、該選択マーカー、で位置付けられ、そして、該発現可能な核酸の3’末端の該ポリアデニル化シグナルは、該選択マーカーの近位末端の1000bp以内である、単離されたポリヌクレオチド。
(4) 単離されたポリヌクレオチドであって、以下:
a.伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、
b.ポリアデニル化シグナルによって終結される発現可能な核酸、
c.プロモーターに作動可能に連結された選択マーカー
を含み、ここで、該CpGアイランドおよび該選択マーカーの両方が、該発現可能な核酸に作動可能に連結され、これらの成分は、該発現可能な核酸のセンス鎖に関して5’〜3’の方向で、以下の順序:該伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、該発現可能な核酸、該選択マーカー、で位置付けられ、そして、該発現可能な核酸の3’末端の該ポリアデニル化シグナルは、該選択マーカーの近位末端の500bp以内である、単離されたポリヌクレオチド。
(5) 前記選択マーカーが、抗生物質耐性遺伝子である、項目1〜4のいずれか1項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(6) 前記抗生物質耐性遺伝子が、Streptomyces種から得られる、項目5に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(7) 前記抗生物質耐性遺伝子が、プロマイシン耐性遺伝子である、項目6のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチド。
(8) 前記プロマイシン耐性遺伝子が、Streptomyces alboniger由来のプロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子である、項目7に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(9) 前記プロマイシン耐性遺伝子が、Streptomyces alboniger由来の改変プロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子である、項目8に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(10) 図14に記載の配列を含む、項目9に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(11) 前記抗生物質耐性遺伝子が、ネオマイシン耐性遺伝子である、項目6に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(12) 前記ネオマイシン耐性遺伝子が、Streptomyces fradiae由来のアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子である、項目11に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(13) 前記抗生物質耐性遺伝子が、ハイグロマイシン耐性遺伝子である、項目6に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(14) 前記抗生物質耐性遺伝子が、Streptomyces hygroscopicus由来のハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子である、項目13に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(15) 前記抗生物質耐性遺伝子が、ブレオマイシン耐性遺伝子である、項目6に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(16) 前記ブレオマイシン耐性遺伝子が、Streptomyces verticillus由来のブレオマイシン結合タンパク質である、項目15に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(17) 前記ブレオマイシン耐性遺伝子が、Streptomyces verticillus由来のブレオマイシンN−アセチルトランスフェラーゼである、項目15に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(18) 前記抗生物質耐性遺伝子が、ブラスチシジン耐性遺伝子である、項目6に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(19) 前記ブラスチシジン耐性遺伝子が、Streptomyces verticillum由来のブラスチシジンS−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子である、項目18に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(20) 前記抗生物質耐性遺伝子が、Escherichia coli由来のアミノシクリトールホスホトランスフェラーゼである、項目5に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(21) 前記抗生物質耐性遺伝子が、トランスポゾンTn5由来のネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子である、項目5に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(22) 前記伸長されたメチル化されていないCpGアイランドが、ヒトhnRNP A2遺伝子にわたる8kbのDNAフラグメントを含む、項目1〜21のいずれか1項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(23) 前記伸長されたメチル化されていないCpGアイランドが、マウスhnRNP A2遺伝子にわたる8kbのDNAフラグメントを含む、項目1〜21のいずれか1項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(24) 前記伸長されたメチル化されていないCpGアイランドが、図19の配列のヌクレオチド1〜7898を含む、項目23に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(25) 前記伸長されたメチル化されていないCpGアイランドが、ヒトβ−アクチンCpGアイランド/プロモーター領域にわたる2.0kbのDNAフラグメント、およびヒトPDCD2 CpGアイランド/プロモーター領域にわたる1.8kbのDNAフラグメントを含む、項目1〜21のいずれか1項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
(26) 項目1〜25のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
(27) 直鎖化され、そして、染色体に組込まれた場合、項目1〜25のいずれか1項にポリヌクレオチドを送達するように構築されたベクター。
(28) 前記ベクターが、エピソームベクターである、項目26に記載のベクター。
(29) 前記ベクターが、組込みベクターである、項目26に記載のベクター。
(30) 前記ベクターがプラスミドである、項目26に記載のベクター。
(31) 前記発現可能な核酸が、治療的核酸配列である、項目26〜30のいずれか1項に記載のベクター。
(32) 前記発現可能な核酸が、インビトロ細胞培養系での発現のための組換えタンパク質をコードする、項目26〜30のいずれか1項に記載のベクター。
(33) ベクターであって、
a.伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、
b.マルチクローニングサイト、
c.Streptomyces種から得られた抗生物質耐性遺伝子
を含み、ここで、該CpGおよび該選択マーカーの両方が、該発現可能な核酸に作動可能に連結され、そして、これらの成分は、該発現可能な核酸のセンス鎖に関して5’〜3’の方向で、以下の順序:該伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、マルチクローニングサイト、該選択マーカー、で位置付けられ、そして、該マルチクローニングサイトは、該選択マーカーの近位末端の2000bp以内である、ベクター。
(34) 前記マルチクローニングサイトが、プロモーターにさらに作動可能に連結される、請求項33に記載のベクター。
(35) 前記プロモーターが、サイトメガロウイルス最初期/初期プロモーターである、項目34に記載のベクター。
(36) 図10の配列のヌクレオチド1〜10551を含む、項目26〜31のいずれか1項に記載のベクター。
(37) ベクターCET 710。
(38) 図12の配列のヌクレオチド1〜13545を含む、項目26〜31のいずれか1項に記載のベクター。
(39) ベクターCET 720。
(40) ベクターCET 740。
(41) ベクターCET 760。
(42) ベクターCET 780。
(43) ベクターCET 820。
(44) ベクターCET 823。
(45) 図21の配列のヌクレオチド1〜12039配列を含むベクター。
(46) ベクターCET 1010。
(47) 図23の配列のヌクレオチド1〜11646を含むベクター。
(48) ベクターCET 1020。
(49) 図25の配列のヌクレオチド1〜9027を含むベクター。
(50) ベクターCET 1030。
(51) 図27の配列のヌクレオチド1〜12221を含むベクター。
(52) ベクターCET 1110。
(53) 図29の配列のヌクレオチド1〜11828を含むベクター。
(54) ベクターCET 1120。
(55) 図31の配列のヌクレオチド1〜9209を含むベクター。
(56) ベクターCET 1130。
(57) 項目26〜56のいずれか1項に記載のベクターでトランスフェクトされた宿主細胞。
(58) 発現可能な核酸の発現を得るための、項目1〜25のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、項目26〜56に記載のベクター、または項目57に記載の宿主細胞の使用。
(59) 所望の遺伝子産物の発現を得るための、細胞培養系における項目1〜25のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、項目26〜56に記載のベクター、または項目57に記載の宿主細胞の使用。
(60) 治療のための、項目1〜25のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、項目26〜56に記載のベクター、または項目57に記載の宿主細胞の使用。
(61) 遺伝子治療での使用のための組成物を製造するための、項目1〜25のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、項目26〜56に記載のベクター、または項目57に記載の宿主細胞の使用。
(62) 薬学的に有効な量の、項目1〜25のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、請求項26〜56に記載のベクター、または項目57に記載の宿主細胞を、このような処置を必要とする患者に投与する工程を包含する、処置方法。
(63) 薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて、項目1〜25のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、項目26〜56に記載のベクター、または項目57に記載の宿主を含む、薬学的組成物。
(64) 人工的に導入された伸長されたメチル化されていないCpGアイランドエレメント、および人工的に導入された選択マーカーを含む非ヒトトランスジェニック動物であって、ここで、該CpGアイランドおよび該選択マーカーの両方は、発現可能な核酸に作動可能に連結され、そして、これらの成分は、該発現可能な核酸のセンス鎖に関して5’〜3’の方向で、以下の順序:該伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、該発現可能な核酸、該選択マーカー、で位置付けられ、そして、該発現可能な核酸の3’末端の該ポリアデニル化シグナルは、該選択マーカーの近位末端の2000bp以内である、非トランスジェニック動物。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、「空の」ベクターCET200.1、CET210、CET710およびCET720のマップを示す。増強された緑色蛍光タンパク質(EGFP)遺伝子のマルチクローニングサイトへの挿入によって、それぞれCET230、CET711およびCET721を得る。全てのベクターは、挿入された遺伝子が発現されるCMVプロモーターを含む。しかし、CET210(およびそのEGFP発現誘導体であるCET230)の場合、そのような挿入された遺伝子には、プラスミド中でUCOEおよびpgk/プロマイシン耐性要素が隣接するが、後者は、すぐ隣ではない。より重要なことには、ベクターは、トランスフェクションの前にプラスミドを線形化するために使用されるPvuI部位によって切り離される。宿主細胞染色体への組込み後、UCOEおよびpgk/プロマイシン耐性要素の両方が遺伝子の同じ側に組込まれるので、このことによって、もはやどの遺伝子も隣接しなくなる。CET710(およびそのEGFP発現誘導体であるCET711)およびCET720(およびそのEGFP発現誘導体、CET721)の場合、PvuI線形化によって、片側でUCOEに密接に隣接した遺伝子の組込みを生じ、もう片側でpgk/プロマイシン耐性要素に密接に隣接した遺伝子の組込みを生じる。CET210(およびCET230)およびCET720(およびCET721)が、hnRNP誘導性UCOEを保持するのに対して、CET710(およびCET711)は、「人工的な」βアクチン/PDCD2誘導性UCOEを保持する。
【図2】図2は、トランスフェクション後、示された日に測定したFACS分析の蛍光の中央値によって測定された、CHO−K1細胞にトランスフェクトされた種々のベクターからのEGFPの発現を示す。「EGFP」は、コントロール(pEGFP)非UCOE含有プラスミドでトランスフェクトした細胞を示す。CET220は、EGFP発現ユニットがhnRNP誘導性UCOEに作動可能に結合されるが、pgk/プロマイシン耐性要素には結合されないプラスミドでトランスフェクトした細胞を示す。そのかわりに、SV40/ネオマイシン耐性要素を使用する。残存する細胞を、図1において示される構造物であるCET230、CET711またはCET721でトランスフェクトする。
【図3】図3は、トランスフェクション後、示された日の発現がポジティブであると判断された、図2に示された細胞集団の割合を示す。
【図4】図4は、FACScanの検出能力を超えずに比較を可能にするように補正された蛍光の中央値によって測定された、ベクターCET220、CET230、CET721およびCET711でトランスフェクトされたCHO−K1細胞におけるEGFPの発現を示す。このことは、選択マーカー(puro)を、発現可能な導入遺伝子(EGFP)の5’(CET230)または3’(CET721)のいずれかに配置することに匹敵する効果を明らかに示す。
【図5】図5は、FACScanの検出能力を超えずに比較を可能にするように補正された蛍光の中央値によって測定された、ベクターCET701、ベクターCET721、ベクターCET704、ベクターCET741、ベクターCET705、ベクターCET751、ベクターCET706、ベクターCET761、ベクターCET708およびベクターCET781でトランスフェクトしたCHO−K1細胞におけるEGFPの発現を示す。
【図6】図6は、5’側のヒトhnRNA UCOEおよびマウスhnRNA UCOEを3’側のプロマイシン耐性遺伝子と比較した、ベクターでトランスフェクトしたCHO−K1細胞におけるEGFPの発現レベルを示す。
【図7】図7は、Streptomycesネオマイシン耐性遺伝子の位置のEGFP発現に対する効果を示す。CET741は、導入遺伝子の3’側に選択マーカーを有し、CET745は、導入遺伝子およびUCOEの5’側にこのマーカーを有する。このUCOEは、両方の場合においてヒトRNP UCOEである。
【図8】図8は、プラスミドCET700のマップを示す。
【図9】図9は、プラスミドCET710のマップを示す。
【図10−1】図10は、CET710のヌクレオチド配列を示す。
【図10−2】図10の続き。
【図10−3】図10の続き。
【図10−4】図10の続き。
【図10−5】図10の続き。
【図10−6】図10の続き。
【図10−7】図10の続き。
【図10−8】図10の続き。
【図11】図11は、プラスミドCET720のマップを示す。
【図12−1】図12は、CET720のヌクレオチド配列を示す。
【図12−2】図12の続き。
【図12−3】図12の続き。
【図12−4】図12の続き。
【図12−5】図12の続き。
【図12−6】図12の続き。
【図12−7】図12の続き。
【図12−8】図12の続き。
【図12−9】図12の続き。
【図12−10】図12の続き。
【図13】図13は、野生型S.albonigerプロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列を示す。
【図14】図14は、改変されたS.albonigerプロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列を示す。
【図15】図15は、S.fradiaeアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列を示す。
【図16】図16は、S.hygroscopicusハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列を示す。
【図17】図17は、E.coliアミノシクリトールホスホトランスフェラーゼ(hygro)遺伝子のヌクレオチド配列を示す。
【図18】図18は、トランスポゾンTn5(Klebsiella pneumoniae)ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列を示す。
【図19−1】図19は、マウスhnRNP A2 HindIIIフラグメントのヌクレオチド配列を示す。
【図19−2】図19の続き。
【図19−3】図19の続き。
【図19−4】図19の続き。
【図19−5】図19の続き。
【図19−6】図19の続き。
【図20】図20は、プラスミドCET1010のマップを示す。
【図21−1】図21は、CET1010のヌクレオチド配列を示す。
【図21−2】図21の続き。
【図21−3】図21の続き。
【図21−4】図21の続き。
【図21−5】図21の続き。
【図21−6】図21の続き。
【図21−7】図21の続き。
【図21−8】図21の続き。
【図21−9】図21の続き。
【図22】図22は、プラスミドCET1020のマップを示す。
【図23−1】図23は、CET1020のヌクレオチド配列を示す。
【図23−2】図23の続き。
【図23−3】図23の続き。
【図23−4】図23の続き。
【図23−5】図23の続き。
【図23−6】図23の続き。
【図23−7】図23の続き。
【図23−8】図23の続き。
【図23−9】図23の続き。
【図24】図24は、プラスミドCET1030のマップを示す。
【図25−1】図25は、CET1030のヌクレオチド配列を示す。
【図25−2】図25の続き。
【図25−3】図25の続き。
【図25−4】図25の続き。
【図25−5】図25の続き。
【図25−6】図25の続き。
【図25−7】図25の続き。
【図26】図26は、プラスミドCET1110のマップを示す。
【図27−1】図27は、CET1110のヌクレオチド配列を示す。
【図27−2】図27の続き。
【図27−3】図27の続き。
【図27−4】図27の続き。
【図27−5】図27の続き。
【図27−6】図27の続き。
【図27−7】図27の続き。
【図27−8】図27の続き。
【図27−9】図27の続き。
【図28】図28は、プラスミドCET1120のマップを示す。
【図29−1】図29は、CET1120のヌクレオチド配列を示す。
【図29−2】図29の続き。
【図29−3】図29の続き。
【図29−4】図29の続き。
【図29−5】図29の続き。
【図29−6】図29の続き。
【図29−7】図29の続き。
【図29−8】図29の続き。
【図29−9】図29の続き。
【図30】図30は、プラスミドCET1130のマップを示す。
【図31−1】図31は、CET1130のヌクレオチド配列を示す。
【図31−2】図31の続き。
【図31−3】図31の続き。
【図31−4】図31の続き。
【図31−5】図31の続き。
【図31−6】図31の続き。
【図31−7】図31の続き。
【発明を実施するための形態】
【0026】
用語5’および3’は、本明細書中で発現可能な核酸配列のセンス鎖に関連して使用される。故に、上記の配列の5’末端は、3’方向に進む転写の開始に対応する。
【0027】
本明細書中で使用される場合、用語「作動可能に連結された」は、本発明のポリヌクレオチド中のエレメント間の作動可能性の関係をいう。「作動可能に連結された」は、当業者に周知の用語であって、これはシス作用DNA配列間の機能的関係を説明する。正確な構造関係は、直接的に関連していても、関連していなくともよく、異なる型のエレメントに対して相違する。プロモーターについて、用語「作動可能に連結された」は、プロモーターが駆動するオープンリーディングフレームに本質的に隣接する(通常100bpよりも少ない)5’部位を示す。伸長されたメチル化されていないCpGアイランドの場合、クロマチン構造における局部効果が、遺伝子発現のレベルおよび定常性の増加を担うことを示す。例として、伸長されたメチル化されていないCpGアイランドを含むエレメントは、発現可能な遺伝子の5’の直ぐ側に配置される。しかし「作動可能に連結された」は、明らかな機能の効果が実証され得る限り、いずれかに配置される可能性を包含する。
【0028】
特に、5’末端でのUCOE、およびその他での選択マーカーと発現可能な遺伝子とが隣接することは、約2倍発現を増加させる。いくつかの場合において、この増加は、単一のUCOEのみで得られる発現の5倍よりも多い。
【0029】
本発明に従って、作動可能に連結されたUCOEまたは伸長されたメチル化されていないCpGアイランドを単独で用いて入手可能な発現レベルと比較して、得られるべき作動可能に連結された遺伝子の発現のレベルを増加可能にする単離されたポリヌクレオチドが提供される。
【0030】
この単離されたポリヌクレオチドは以下を含む:伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、ポリアデニル化シグナルによって終結される発現可能な核酸およびプロモーターに作動可能に連結された選択マーカー(ここで、CpGアイランドおよび選択マーカーの両方が、発現可能な核酸に作動可能に連結され、そしてその成分は順序に従って配置される):発現可能な核酸のセンス鎖に関する5’から3’の方向における、伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、発現可能な核酸、選択マーカー、そして発現可能な核酸の3’末端でのポリアデニル化シグナルは、選択マーカーの近位末端の2000bp以内である。
【0031】
本明細書中で使用される場合、「近位末端」は、そのポリアデニル化シグナルによってマークされる、発現可能な核酸の3’末端に最も近い選択マーカー遺伝子(そのプロモーターを含む)の末端を意味する。発現可能な核酸に関する近位末端が、選択マーカーの5’プロモーター末端または選択マーカーのセンス鎖に従う5’および3’を取る転写末端の3’終点のいずれかであり得るように、選択マーカーはいずれかの方向であり得ることが想定される。
【0032】
好ましくは、選択マーカーの転写開始は、後者のそのポリアデニル化シグナルによってマークされるような発現可能な核酸配列の3’末端の1500bp以内である。より好ましくは、これは、1000bp以内である。最も好ましくは、これは、500bp以内である。
【0033】
本発明の1つの局面において、選択エレメントは、抗生物質耐性遺伝子である。好ましくは、Streptomyces種から得られる抗生物質耐性遺伝子である。より好ましくは、上記の抗生物質耐性遺伝子は、ホスホグリセレートキナーゼ(pgk)遺伝子のプロモーターに作動可能に連結される。最も好ましくは、これは、マウスpgk遺伝子のプロモーターである(Adra,CN,Boer PHおよびMcBurney,MW.Gene 60,65〜74(1987))。あるいは、これは、別の哺乳動物pgkプロモーターであり得る。
【0034】
好ましい実施形態において、抗生物質耐性遺伝子は、Streptomyces種由来のプロマイシン耐性遺伝子である。最も好ましくは、これは、Streptomyces alboniger由来のプロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子である(Vara JA、Portela A,Ortin J,Jimenez A.Nucleic Acids Res 14,4617〜4624(1986))。
【0035】
あるいは、抗生物質耐性遺伝子は、Streptomyces alboniger由来の改変された形態のプロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子である。好ましくは、この遺伝子は、細菌遺伝子を哺乳動物宿主細胞における発現に適応させるために通常行われる様式で、そのコドン使用頻度を操作することによって改変されている。このようなコドン改変は、発現された酵素が、野生型プロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼから変化されていないという結果と共に、コードされたアミノ酸配列を変化されないままにする。最も好ましくは、改変された遺伝子は、図15に示される配列を有する。
【0036】
あるいは、抗生物質耐性遺伝子は、Streptomyces種由来のネオマイシン耐性遺伝子である。好ましくは、これは、Streptomyces fradiae由来のアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子である(Thompson CJおよびGray GS.Proc Natl Acad Sci USA 80,5190〜5194(1983))。
【0037】
代替の実施形態において、抗生物質耐性遺伝子は、ハイグロマイシン耐性遺伝子である。好ましくは、これは、Streptomyces hygroscopicus由来のハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子である。
【0038】
さらなる代替の実施形態において、抗生物質耐性遺伝子は、ブレオマイシン耐性遺伝子である。好ましくは、これは、Streptomyces verticillus由来のブレオマイシン結合タンパク質である。あるいは、これはStreptomyces verticillus由来のブレオマイシンN−アセチルトランスフェラーゼである。
【0039】
別の実施形態において、抗生物質耐性遺伝子は、ブラスチシジン耐性遺伝子である。好ましくは、これは、Streptomyces verticillum由来のブラスチシジンS−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子である。
【0040】
本発明の別の局面において、抗生物質耐性遺伝子は、Streptomyces種から得られたものではない。1つの好ましい実施形態において、これは、Escherichia coli由来のアミノシクリトールホスホトランスフェラーゼをコードするハイグロマイシン耐性遺伝子である。
【0041】
別の好ましい実施形態において、これは、本来、Klebsiella pneumoniaeに由来する、トランスポゾンTn5由来のネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子である。
【0042】
本発明の代替の局面において、選択マーカーは、抗生物質耐性遺伝子ではない。代替の選択機構は、チミジン化シンターゼ、チミジンキナーゼまたはジヒドロ葉酸還元酵素をコードする遺伝子の使用を含む。このような選択機構は、当業者に周知である。メチオニン欠乏培地において、グルタミンシンテターゼをコードする遺伝子は、内因性グルタミンシンテターゼを欠損する細胞か、またはインヒビター(例えば、メチオニンスルホキサミン)の使用がそれを不活性にする場合のいずれかで、選択の手段として使用され得る(Kaufman RJ.Selection and coamplification of heterologous genes in mammalian cells.Methods Enzymol 185,537〜566(1990))。
【0043】
さらなる局面において、スクリーニング可能なマーカーが使用され得る。例えば、蛍光タンパク質(例えば、Aequoria victoria緑色蛍光タンパク質(GFP)、またはその増強された改変体(EGFP))をコードする遺伝子は、選択マーカーとして使用され得る。本発明によるポリヌクレオチドを含むトランスフェクト体(ここで、選択マーカーは、GFPをコードする)は、当該分野において周知のプロセスによってFACS上の蛍光の明るさにより分類され得る。本発明のポリヌクレオチドを用いて、発現可能な構築物をUCOEの5’か、または導入遺伝子(発現可能な核酸)から離れた3’のいずれかに配置される選択マーカーと比較することによって、より高いレベルの導入遺伝子の発現が、比較可能なレベルの明るさについて見出される。故に、最も明るい細胞の選択は、最も高いレベルの導入遺伝子発現を有する細胞の選択を可能にする。
【0044】
本発明の1つの局面において、伸長されたメチル化されていないCpGアイランドは、5kb 5’に隣接する配列および1.5kb 3’に隣接する配列を有するヒトhnRNP A2遺伝子にわたる16kbのDNAフラグメントを含む。好ましくは、伸長されたメチル化されていないCpGアイランドは、ヒトhnRNP A2遺伝子(WO 00/05393)にわたる8kbのDNAフラグメントを含む。
【0045】
あるいは、開示されたポリヌクレオチドの伸長されたメチル化されていないCpGアイランドは、本発明者らの係属中の出願GB 0022995.5およびUS 60/252,048に開示される「人工UCOE」(ヒトβ−アクチンCpGアイランド/プロモーター領域またはそのフラグメントを含む)である。好ましくは、このフラグメントは、100bp〜3.0kbの範囲のサイズであり、そしてヒトβ−アクチンCpGアイランド/プロモーター領域またはそのフラグメントにわたる。好ましくは、人工UCOEはまた、ヒトPDCD2 CpGアイランド/プロモーター領域またはそのフラグメントを含む。より好ましくは、ヒトPDCD2 CpGアイランド/プロモーター領域は、100bp〜3.0kbの範囲のサイズ内のフラグメントを含む。さらに好ましくは、伸長されたメチル化されていないCpGアイランドは、ヒトβ−アクチンCpGアイランド/プロモーター領域にわたる100bp〜3.0kbの範囲のサイズ内のDNAフラグメント、およびヒトPDCD2 CpGアイランド/プロモーター領域にわたる100bp〜3.0kbの範囲のサイズ内のDNAフラグメントを含む。
【0046】
最も好ましくは、本発明のこの実施形態の特許請求されるポリヌクレオチドは、ヒトβアクチンCpGアイランド/プロモーター領域にわたる2.0kbのDNAフラグメント、およびヒトPDCD2 CpGアイランド/プロモーター領域にわたる1.8kbDNAフラグメントを含む、人工的なUCOEを含む。
【0047】
また、先の実施形態のうちの任意の1つのポリヌクレオチドを含むベクターも提供される。このベクターは、代替的に、エピソームベクターまたは組み込みベクターのいずれかである。意図される使用に依存して、エピソームベクターは、組み込みを必要せずに自己複製および自己存続するので、望ましくあり得る。このタイプのエピソームベクターは、WO98/07876に記載される。また、非複製の非組み込みベクターも好ましい。
【0048】
また、直鎖化されてそして染色体に組み込まれる場合、伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、ポリアデニル化シグナルによって終結される発現可能な核酸、およびプロモーターと作動可能に連結された選択マーカーを含む、ポリヌクレオチドを送達するよう構築されたベクターも提供され、ここで、CpGアイランドおよび選択マーカーの両方は、発現可能な核酸と作動可能に連結され、そしてこれらの成分は、発現可能な核酸のセンス鎖について5’から3’の方向で、伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、発現可能な核酸、選択マーカー、の順番に配置され、そして発現可能な核酸の3’末端のポリアデニル化シグナルは、選択マーカーの近位末端から2000bp以内にある。
【0049】
好ましくは、このベクターはプラスミドである。あるいは、このベクターは、ウイルス(例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、レンチウイルスまたは他のレトロウイルス)であり得る。
【0050】
好ましくは前述のベクターは、真核生物の遺伝子発現に適応される発現ベクターである。代表的に、前述の適応とは、例として、細胞/組織特異的な発現を媒介する、発現制御配列(プロモーター配列)の供給が挙げられるが、それに限定されない。プロモーターおよびエンハンサーは、当該分野で周知の用語であり、そして単なる例として提供される以下の特徴を含むが、それに限定されない。プロモーターは、転写の開始に直接的に関連する5’シス作用調節配列である。プロモーターエレメントは、いわゆる、転写開始部位を選択するよう機能する、TATAボックスおよびRNAポリメラーゼ開始選択(RIS)配列を含む。これらの配列はまた、とりわけ、RNAポリメラーゼによる転写開始の選択を促進するよう機能するポリペプチドを結合する。
【0051】
エンハンサーエレメントは、遺伝子の転写開始部位の5’側にしばしば見出される、シス作用性核酸配列である(エンハンサーはまた遺伝子配列の3’側にも見出され得るか、またはイントロン配列中にすら位置され得、従ってエンハンサーは位置非依存性である)。エンハンサーは、エンハンサーが連結される遺伝子の転写率を増大させるよう機能する。エンハンサー活性は、エンハンサーエレメントに特異的に結合することが示されているトランス作用転写因子(ポリペプチド)に応答性である。転写因子の結合/活性は、中間代謝物(例えば、グルコース)、環境的エフェクター(例えは、熱)(例示のためであってこれらに限定されない)を含む、多くの環境的原因に応答性である。(Eukaryotic Transcription Factors,David S Latchmanによる、Academic Press Ltd,San Diego)
適応はまた、選択マーカーおよび自律複製配列の供給を含み、これらは共に、真核生物細胞宿主または原核生物細胞宿主のいずれかにおいて、前述のベクターの維持を促進する。真核生物細胞中で自律的に維持されるベクターは、エピソームベクターと称される。ベクターにコードされる遺伝子の発現を促進させる他の適応は、転写終結/ポリアデニル化の供給を含む。このことはまた、2シストロン性発現カセットまたは多シストロン性発現カセットに配置されるベクターにコードされる遺伝子発現を最大化するように機能する内部リボソームエントリー部位(IRES)の供給を含む。これらの適応は、当該分野で周知である。一般的に、発現ベクター構築および組み換えDNA技術に関する公開された文献が多量に存在する。Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory,Cold Spring Harbour,NYおよびその参考文献;Marston,F(1987)DNA Cloning Techniques:A Practical Approach Vol.III IRL Press,Oxford UK;DNA Cloning:F M Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.(1994)を参照のこと。
【0052】
本発明の好ましい方法において、前述のベクターは分泌シグナルをコードして(従って前述のポリペプチドはこれと共に提供される)、前述のポリペプチドの精製を容易にする。
【0053】
あるいは、他の好ましい実施形態は、発現される組み換えタンパク質の精製を容易にするよう、さらなる改良点(例えば、アフィニティータグもしくはエピトープ、または酵素切断部位)を含み得る。
【0054】
好ましくは、発現可能な核酸は、治療的核酸である。
【0055】
あるいは、発現可能な核酸は、インビトロの細胞培養系における発現のための組み換えタンパク質をコードする。
【0056】
あるいは、発現可能な遺伝子は、非ポリペプチド産物(例えば、RNA)をコードする。このようなRNAは、転写後レベルで特定の遺伝子の発現を阻害し得るアンチセンスRNAであり得るか、または酵素(リボザイム)もしくは他の機能(例えば、リボソームRNA)を有し得る。
【0057】
1つの好ましい実施形態は、伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、ポリアデニル化シグナルによって終結される発現可能な核酸、およびプロモーターに作動可能に連結された選択マーカーを含むベクターであり、ここで、CpGアイランドおよび選択マーカーの両方は、発現可能な核酸に作動可能に連結され、そしてその成分は、発現可能な核酸のセンス鎖に関して5’から3’の向きで、伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、発現可能な核酸、選択マーカー、の順番で配置され、そして発現可能な核酸の3’末端のポリアデニル化シグナルは、選択マーカーの近位末端から2000bp以内にある。好ましくは、発現可能な核酸の3’末端のポリアデニル化シグナルは、選択マーカーの近位末端から1500bp以内にある。さらに好ましくは、それは1000bp以内にあり、最も好ましくは、500bp以内である。
【0058】
好ましい実施形態は、伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、マルチクローニングサイト、Streptomyces種から取得される抗生物質耐性遺伝子を含むベクターであり、ここで、CpGアイランドおよび選択マーカーの両方は、マルチクローニングサイトと作動可能に連結され、そしてその成分は、発現可能な核酸のセンス鎖に関して5’から3’の向きで、伸長されたメチル化されていないCpGアイランド、マルチクローニングサイト、選択マーカー、の順番で配置され、そしてマルチクローニングサイトは、選択マーカーの近位末端から2000bp以内にある。
【0059】
より好ましくは、このマルチクローニングサイトはさらに、プロモーターと作動可能に連結される。さらに好ましくは、このプロモーターはCMV、EF−1α、RSV LTRもしくはHIV2 LTRまたはこれらに由来する配列の組み合わせから選択される。より好ましくは、このプロモーターは、CMV最初期/初期プロモーターである。最も好ましくは、マウスCMV最初期/初期プロモーターである。好ましい実施形態において、ベクターは、CMVプロモーター、マルチクローニングサイト、ポリアデニル化配列および適切な制御エレメントの下に選択マーカーをコードする遺伝子を含む。
【0060】
このベクターの好ましい実施形態は、図9の配列のヌクレオチド1〜10551を含む。最も好ましい実施形態は、ベクターCET710である。
【0061】
あるいは、このベクターは図10の配列のヌクレオチド1〜13545を含み、そして好ましくはベクターCET720である。
【0062】
さらなるベクターの好ましい実施形態は以下の通りである。
【0063】
CET740;CET720のプロマイシン耐性遺伝子が、Streptomyces fradiae由来のアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子(図15に列挙される)で置換されている。また、CET741のような、CET740のマルチクローニングサイトに挿入された発現可能な核酸配列を有するベクターも好ましい。
【0064】
CET760;CET720のプロマイシン耐性遺伝子が、Escherichia coli由来のアミノシクリトールホスホトランスフェラーゼ遺伝子(図17に列挙される)で置換されている。また、CET761のような、CET760のマルチクローニングサイトに挿入された発現可能な核酸配列を有するベクターも好ましい。
【0065】
CET780;CET720のプロマイシン耐性遺伝子が、Streptomyces alboniger由来のプロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子(図14に列挙される)の改変形態で置換されている。また、CET781のような、CET780のマルチクローニングサイトに挿入された発現可能な核酸配列を有するベクターも好ましい。
【0066】
CET820;マルチクローニングサイトに挿入された発現可能な核酸配列の発現を駆動するようにマルチクローニングサイトに作動可能に連結されるヒトIE CMVプロモーターが、マウスIE CMVプロモーターで置換されている。また、CET821のような、CET820のマルチクローニングサイトに挿入された発現可能な核酸配列を有するベクターも好ましい。
【0067】
CET823;ヒトhnRNP A2遺伝子にわたる8kbpのDNAフラグメントを含む、伸長されたメチル化されていないCpGアイランドが、マウスhnRNP A2遺伝子にわたる8kbpのフラグメントを含む、伸長されたメチル化されていないCpGアイランド(図19の配列に示される)で置換される。また、CET824のような、CET823のマルチクローニングサイトに挿入された発現可能な核酸配列を有するベクターも好ましい。
【0068】
また、開示されたベクターの任意の実施形態でトランスフェクトされた宿主細胞も提供される。
【0069】
あるいは、前述のポリヌクレオチド、ベクターまたは宿主細胞は、所望の遺伝子産物の発現を獲得するために、細胞培養系において使用され得る。適切な細胞培養系は当該分野で周知であり、そして当業者に公知の文献に完全に記載される。本発明に従った、ポリペプチドの生産のために提供される方法は、以下の工程を包含する:
i)本発明に従う、核酸分子で形質転換/トランスフェクトされた細胞を提供する工程;
ii)前述のポリペプチドの生産を導く条件において、その細胞を増殖させる工程;および
iii)その細胞から、またはその増殖環境から、前述のポリペプチドを精製する工程。
【0070】
本発明の好ましい実施形態において、前述の核酸分子は本発明に従うベクターである。
【0071】
本発明はまた、治療における使用のための、ポリヌクレオチド、ベクターまたは宿主細胞を提供する。
【0072】
本発明はまた、遺伝子治療における使用のための組成物の生産における、ポリヌクレオチド、ベクターまたは宿主細胞の使用を提供する。
【0073】
本発明はまた、処置方法を提供し、この方法は、本発明の薬学的有効量のポリヌクレオチド、ベクターまたは宿主細胞を、その処置を必要とする患者に対して投与する工程を包含する。好ましくは、その患者は遺伝子治療によって処置可能な疾患に罹患している。
【0074】
本発明はまた、薬学的組成物を提供し、その組成物は、疾患の処置のためか、または有利なタンパク質または機能を有する特定の組織の細胞を提供するために、必要に応じて薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤との混合において、ポリヌクレオチドおよび/またはベクターおよび/または宿主細胞を含む。
【0075】
本発明のポリヌクレオチド、ベクターもしくは宿主細胞、または薬学的に受容可能な組成物は、全身的な筋肉内注入、静脈内注入、エアロゾル注入、経口(固体形態または液体形態)注入、局所的注入、眼内注入、直腸注入、腹腔内注入および/または髄腔内注入ならびに局所的な直接注入を含む経路を介して投与され得る。
【0076】
正確な投薬量レジメンは、無論、個々の患者について個々の臨床医によって決定される必要があり、次いで、このレジメンは、目的の遺伝子および処置のために標的化されている組織型によって発現されるタンパク質の正確な性質によって制御される。
【0077】
投薬量はまた、疾患の指標および投薬経路に依存する。投薬数は、疾患、および臨床試験からの有効性データに依存する。
【0078】
本発明に従う効果的な遺伝子治療のために送達されるポリヌクレオチドまたはベクターDNAの量は、好ましくは、体重1kg当たり50ng〜1000μgの間の範囲のベクターDNAであり;そしてより好ましくは、体重1kg当たり約1〜100μgの間の範囲のベクターDNAである。
【0079】
本発明に従って、インビボの細胞取り込みのために哺乳動物にポリヌクレオチド、ベクターまたは宿主細胞を投与することは好ましいが、エクソビボのアプローチを利用して、これによって細胞を動物から取り出し得、ポリヌクレオチドまたはベクターを形質導入し得、次いで動物に再移植し得る。例えば、肝臓は、動物から肝細胞を取り出し、インビトロでその肝細胞に形質導入し、そしてその形質導入された肝細胞を動物に再移植することによるエクソビボのアプローチによって、利用され得る(例えば、ウサギについては、Chowdhuryら、Science、254:1802−1805,1991によって、またはヒトにおいては、Wilson、Hum.Gene Ther.3:179−222,1992によって記載される通り)。このような方法はまた、循環系またはリンパ系における種々の細胞集団(例えば、赤血球、T細胞、B細胞または血球幹細胞)への送達に効果的であり得る。
【0080】
本発明の別の局面は、天然で作動可能に連結されていない、発現可能な遺伝子に作動可能に連結される第一のプロモーター、ならびにpgkプロモーターおよびプロマイシン耐性遺伝子を含む選択エレメント(これもまた作動可能に連結され、そして発現遺伝子の3’側である)を含む単離されたポリヌクレオチド、を提供する。少なくとも2つの組織型または細胞型において、前述の発現可能な遺伝子の再現性のある発現を獲得するようなポリヌクレオチドの使用もまた、提供される。
【0081】
本発明の別の実施形態において、人工的に導入された伸長されたメチル化されていないCpGアイランドエレメント、および人工的に導入された選択マーカーエレメントを含む非ヒトのトランスジェニック動物を提供し、ここで、両方のエレメントがそれらの間に位置する発現可能な遺伝子に作動可能に連結され、そしてここで、前述の発現可能な遺伝子の再現性のある発現が少なくとも2つの組織型または細胞型において起こる。トランスジェニックマウス作製方法(Gordonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:7380(1980);Harbersら、Nature293:540(1981);Wagnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:5016(1981);およびWagnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:6376(1981)、トランスジェニックヒツジ作製方法、トランスジェニックブタ作製方法、トランスジェニックニワトリ作製方法(Hammerら、Nature 315:680(1985)を参照のこと)などは、当該分野で周知であり、そして本発明に従った使用が企図される。
【0082】
本発明のポリヌクレオチドを含むこのようなトランスジェニック動物はまた、目的のタンパク質の長期生産のために使用され得る。
【0083】
また、本発明のポリヌクレオチド、ベクターまたは宿主細胞を使用する遺伝子治療の有効性を決定するための哺乳動物モデルが提供される。この哺乳動物モデルは、細胞が本発明のベクターを含むトランスジェニック動物を含む。これらのような動物は、ヒトにおける臨床試験前の試験を可能とする。
【0084】
本発明はまた、トランスジェニック植物の作製における本発明のポリヌクレオチドの使用を提供する。
【0085】
増加した生産性または疾患、害虫、乾燥または塩類に対する増加した耐性を有するトランスジェニック植物の作製は、当業者に周知である。本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含む細胞を含むトランスジェニック植物を提供する。人工のUCOEを含む細胞のいくつかまたはその全ては、植物からの起源であり得る。
【0086】
本発明はまた、機能性ゲノム科学適用における本発明のポリヌクレオチドの使用に関する。機能性ゲノム科学は根本的に、特定の細胞型または疾患状態において特異的に発現される遺伝子の同定に関し、そしてここでは薬物発見または遺伝子治療の目的のための、数千の潜在的な目的の新規遺伝子配列を提供する。新規治療法開発のために本情報を使用することにおける主要な問題は、これら遺伝子の機能を決定する方法に在る。本発明のポリペプチドは、多くの機能性ゲノム科学適用において使用されて、遺伝子配列の機能を決定し得る。本発明の機能性ゲノム科学適用とは、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
(1)本発明のポリヌクレオチドを使用して、遺伝子配列のアンチセンス種またはリボザイムノックダウンライブラリーの持続性発現を達成し、それによって細胞の表現系に対するその遺伝子の不活性化効果を決定する。
(2)本発明のポリヌクレオチドを使用して、遺伝子配列発現ライブラリーを調製し、そして細胞内への送達がその遺伝子配列の信頼性ある、再現性のある、持続性の発現を生じる。その遺伝子配列を発現する生じた細胞を、機能決定および薬物発見への種々のアプローチにおいて使用し得る。例えば、遺伝子産物に対する中和抗体の惹起;構造研究、機能研究もしくは薬物スクリーニング研究における使用のための、遺伝子自体からのタンパク質産物の迅速な精製;または細胞ベースの薬物スクリーニングにおいて、である。
(3)マウス胚性幹(ES)細胞およびトランスジェニックマウスに関するアプローチにおいて本発明のポリヌクレオチドを使用する。最も強力な機能性ゲノム科学アプローチのうちの1つは、発現される遺伝子中への挿入に引き続いて薬物選択を単に可能とする構築物のマウスES細胞において、遺伝子中へのランダムな挿入に関連し、そしてこれは配列決定のために容易にレスキューされ得る(G.Hicksら、Nature Genetics、16、338−334)。次いで、新規配列を有する遺伝子中にノックアウト変異を有するトランスジェニックマウスは、遺伝子機能を探るために容易に作製され得る。
現在では、本技術は、マウスES細胞においてうまく発現するマウス遺伝子の10%に対して上手く作用する。本発明のポリヌクレオチドの組み込み構築物中への包含は、本技術がマウスにおいて発現される全ての遺伝子を同定するよう拡張されることを可能とする。
【0087】
(発明の詳細な説明)
本発明は、例のみの目的でここに記載され、そして本明細書に添付される図面を参照して記載される。
【実施例】
【0088】
(実施例)
(実施例1)
(UCOEおよび選択エレメントと隣接する発現可能遺伝子)
(材料および方法)
(PGK−Puro CET発現ベクターの構築)
(CET700)
CMV−MCS−SV40pAカセットを、AseI/AflIフラグメントとしてCET31(A CMV MCS pA SV40Neoベースのプラスミド)から取り出し、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端化し、そしてEcoRVで消化したpPGK−Puro(pBluescript中の、mPGKプロモーター、プロマイシン耐性遺伝子、bGHpA)に連結させた。
【0089】
(CET720)
CET20(pBluescript中の8.3kb hnRNPA2フラグメント)を、HindIIIで消化し、8kbのRNP UCOEを得、次いで、HindIIIで切断したCET700中に連結させた。
【0090】
(CET710)
人工的なUCOEを、XbaI/ClaIフラグメントとしてCET21(pBluescript中の人工的なUCOE)から取り出し、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端化し、HindIIIで消化したCET700中に連結させ、そして再度、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端化した。
【0091】
(CET230)
約160bpを取り出すために、pUC19をNarIおよびEcoRIで消化し、その後、平滑末端化および再連結することによってこのベクターを構築した。これによって、ベクター骨格中の2つのPvuI部位およびPvuII部位の1つを除去した。(MCSが除去された)CMV−EGFP−SV40pAカセットを、AseI/AflII消化物としてpEGFPN−1(Clontech)から切り取り、その後平滑末端化し、次いで、NdeIおよびEco109Iで消化しそして再度平滑末端化したpUC19ベクター骨格中に挿入した。
【0092】
次いで、PGK−Puro−bGpAカセットを、pPGK−PuroからEcoRI/XhoI平滑末端化フラグメントとして取り出し、上記ベクターの単一のPvuII部位に挿入した。最後に、8.3kb hnRNPA2フラグメントを、CET20由来のHindIIIフラグメントとして、このベクターの単一のHindIII部位に挿入した。
【0093】
明確さのために:
CET230は、「空の」ベクターCET210のEGFP発現バージョンであり、CET711は、「空の」ベクターCET710のEGFP発現バージョンであり、CET721は、「空の」ベクターCET720のEGFP発現バージョンである。
【0094】
異なる抗生物質耐性遺伝子および代替的プロモーターまたはUCOEを有するCET720に基づくベクターは、以下の様式で構築され得る。PGKプロモーター(bp11384〜11894)およびbghpA(bp12567〜12893)を、制限酵素消化によってCET720から取り出した。これらのエレメントは、pBluescript骨格に挿入され得、その結果、制限酵素部位は、その遺伝子を発現可能な様式で、PGKプロモーターおよびbghpAの間の(PCRまたは制限酵素消化に由来する)任意の耐性遺伝子配列の挿入に関して利用可能である。CMV−MCS−SV40pA発現カセットをまた、CET720から取り出し(bp10533〜11380)、そして上記ベクターのPGKプロモーターに対して5’側に挿入し得;あるいは、mCMV−MCS−SV40pA発現カセットを、同じ位置(CET801−EGFP発現バージョン、CET821−EGFP発現バージョン、CET824−EGFP発現バージョン)に配置し得る。hnRNPA2 UCOEを、制限酵素消化によってCET720から取り出し(bp2240〜10525)、そして上記ベクターのCMV発現カセットに対して5’側に挿入し得るか、あるいは他のUCOE(例えば、マウスhnRNPA2)を同じ位置に挿入し得る(CET824−EGFP発現バージョン)。
【0095】
明確さのために:
CET741は、「空の」ベクターCET740のEGFP発現バージョンであり、5’側にヒトRNP UCOEおよび3’側にS fradiae neo遺伝子を含む。
【0096】
CET761は、「空の」ベクターCET760のEGFP発現バージョンであり、5’側にヒトRNP UCOEおよび3’側にE.coliアミノシクリトールホスホトランスフェラーゼ(hygro)遺伝子を含む。
【0097】
CET781は、「空の」ベクターCET780のEGFP発現バージョンであり、5’側にヒトRNP UCOEおよび3’側に改変されたS.albonigerプロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子を含む。
【0098】
CET821は、「空の」ベクターCET820のEGFP発現バージョンであり、5’側にヒトRNP UCOEおよび3’側に野生型S.albonigerプロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子を含む。EGFP導入遺伝子の発現は、(ヒトよりむしろ)マウスCMV IEプロモーターによて駆動される。
【0099】
CET824は、「空の」ベクターCET823のEGFP発現バージョンであり、5’側に(ヒトよりむしろ)マウスRNP UCOEおよび3’側に野生型S.albonigerプロマイシンN−アセチルトランスフェラーゼ遺伝子を含む。
【0100】
(pCIAベクター)
これは、染色体に組込まれた場合、最終的に最適な配置(UCOE−発現カセット−耐性カセット)でのUCOE発現ベクターの構築を容易にする一連のベクターである。
【0101】
CET900は、MCSに隣接する希少な制限酵素部位の対をその中に有する空のクローニングベクターである。CET901およびCET902は、それぞれhCMVプロモーターおよびmCMVプロモーターである、MCSおよびSV40pAを含む。この希少な制限部位の同じ対はまた、これらのカセットに隣接する。
【0102】
ベクターのCET1000シリーズは、UCOEおよび耐性発現カセットの種々の組合せを含む。これらはまた、CET900シリーズと同じ希少な制限部位を、UCOEの3’位および耐性カセットの5’位に含む。このベクターはまた、UCOEの5’側および耐性カセットの3’側に、線形化部位を含む。
【0103】
従って、任意の導入遺伝子についての発現カセットを、CET900シリーズに構築し、次いで、CET1000シリーズ中に容易に移し得、その結果、染色体に組込まれた場合、最終的な配置は、所望のUCOE−発現カセット−耐性カセットである。
【0104】
上記に記載されるように、抗生物質遺伝子は、制限消化またはPCRによってCET1000シリーズ内で交換可能であり得る。
【0105】
(トランスフェクション)
CHO K1細胞を、トランスフェクトし、そして標準的方法に従って、そして、参考として援用される同時係属中の出願に記載されるように、選択した。
【0106】
(結果)
図2を特に参照すると、CET721およびCET230でトランスフェクトされた細胞の比較は、CET721によって得られる、一貫して高いレベルの発現を示す。これら2つのベクターは、両者がEGFP遺伝子に駆動されるCMVプロモーターに作動可能に連結された8kbのhnRNP由来UCOEを有し、そして両者がpgk/プロマイシン耐性遺伝子エレメントを有するという点で類似する。しかし、PvuIによる線形化に続いて、宿主細胞染色体へのCET230の組込みによって、エレメントがpgk/Puro、hnRNP UCOE、EGFP遺伝子の順で配置されるエレメントを生じる。CET721を用いた同じプロセスによって、EGFP遺伝子がUCOEおよびpgk/Puroによって隣接されるようになる。CET230を用いて得られる発現レベルは、pgk/Puroエレメントを有さないが、同じUCOEおよびEGFP発現を駆動するプロモーターを有するベクターである、CET220を用いて得られた発現レベルよりも、有意に高くはない。全てのUCOE保持ベクターは、基準のEGFP発現プラスミドと比較して増加した発現を示す。
【0107】
図3は、蛍光の中央値によって示された増加した発現は、トランスフェクション後の全ての時点において、発現に関してポジティブであると判断されるトランスフェクトされた集団内の増加した細胞集団にもまた反映されることを示す。これは、位置の効果の欠如の尺度である。なぜなら、この構築物のランダムな組み込みは、トランスフェクトされた細胞の(クローン化されない)集団内の発現レベルの範囲の結果を通常生じるからである。このことは、5’側のUCOEおよび3’側の選択エレメントの組合せによって、克服され、同質で高度に発現する集団を生じる。
【0108】
図2のいくつかの細胞プールにおける発現レベルは、非常に高いので、生成された蛍光は、検出器の能力を超過した。
【0109】
図4において、測定は、検出器の応答の直線領域に補正し、構築物間の比較を可能にする。これは、CET721に使用されるUCOEおよび3’側に隣接する選択エレメントの組合せが、UCOE単独(CET220)で得られるEGFPの発現レベルまたはUCOEの5’側に配置された選択エレメント(puro)で得られるEGFPの発現レベルに比べて約7倍に増加した発現レベルを生成することを示す。UCOEおよび選択マーカーに隣接する発現された導入遺伝子が、発現のブーストを得るために必要とされることは明らかである。
【0110】
この効果は、特定の選択マーカーに限定されない。図7は、ヒトRNP UCOEの5’側に作動可能に連結されたEGFPの発現と、5’側(CET745)または3’側(CET741)のいずれかに配置されたS.fradiaeネオマイシン耐性遺伝子の発現とを比較する。既に高い発現レベルのほぼ2倍を生じる。
【0111】
(実施例2 他の3’側に隣接する選択マーカーの効果)
(結果)
図5は、5’側にヒトRNP UCOEおよび3’側に隣接する種々の抗原物質耐性遺伝子にEGFP導入遺伝子を隣接する効果を示す。CET701は、UCOEを含まないが、野生型S.alboniger puroを有するコントロールである。CET721は、5’側にUCOEおよび3’側にpuroの両方を有する。CET704は、S fradiae neoを含むが、UCOEを含まず、CET741は、両方を含む。CET705は、S hygroscopicus hygroを含むが、UCOEを含まず、CET751は、両方を含む。CET706は、E.coli hygroを有するが、UCOEを有さず、CET761は、両方を有する。CET708は、コドン改変puroを有するが、UCOEを有さず、CET781は、両方を有する。全ての場合において、3’側に隣接する耐性遺伝子のブースト効果は、明白である。
【0112】
(実施例3 他のUCOEおよびPuro選択エレメントの組合せ)
(結果)
図2および図3に示されるように、人口的に構築したUCOE(CET711)を有する匹敵するプラスミドからの発現は、蛍光の中央値およびポジティブ細胞の集団の両方について、RNP UCOEで得られた発現に匹敵する。このことは、隣接する第2のCpGリッチエレメントによるUCOEの効果の増幅の現象がRNP UCOEおよびpgk/Puroエレメントの特定の組合せに制限されず、一般的な現象であることを実証する。図4におけるCET711発現およびCET721発現の比較は、わずかに低いレベルの発現がCET711で得られたが、この発現は、UCOE単独で得られた発現よりもなお少なくとも6倍高かったことを示す。
【0113】
図6は、発現を駆動するためにマウスCMVプロモーターを使用したヒトhnRNA UCOE(CET821)およびマウスの等価物(CET824)のいずれかで得られた匹敵する効果を示す。CET721は、ヒトhnRNP UCOEを含み、ヒトCMVプロモーターを使用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図10−3】
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【図10−4】
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【図10−5】
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【図10−6】
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【図10−7】
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【図10−8】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図12−3】
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【図12−4】
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【図12−5】
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【図12−6】
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【図12−7】
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【図12−8】
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【図12−9】
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【図12−10】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19−1】
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【図19−2】
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【図19−3】
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【図19−4】
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【図19−5】
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【図19−6】
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【図20】
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【図21−1】
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【図21−2】
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【図21−3】
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【図21−4】
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【図21−5】
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【図21−6】
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【図21−7】
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【図21−8】
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【図21−9】
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【図22】
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【図23−1】
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【図23−2】
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【図23−3】
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【図23−4】
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【図23−5】
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【図23−6】
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【図23−7】
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【図23−8】
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【図23−9】
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【図24】
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【図25−1】
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【図25−2】
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【図25−3】
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【図25−4】
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【図25−5】
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【図25−6】
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【図25−7】
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【図26】
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【図27−1】
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【図27−2】
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【図27−3】
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【図27−4】
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【図27−5】
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【図27−6】
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【図27−7】
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【図27−8】
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【図27−9】
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【図28】
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【図29−1】
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【図29−2】
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【図29−3】
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【図29−4】
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【図29−5】
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【図29−6】
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【図29−7】
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【図29−8】
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【図29−9】
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【図30】
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【図31−1】
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【図31−2】
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【図31−3】
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【図31−4】
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【図31−5】
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【図31−6】
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【図31−7】
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【公開番号】特開2011−193881(P2011−193881A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142362(P2011−142362)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【分割の表示】特願2010−148212(P2010−148212)の分割
【原出願日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【出願人】(390019585)ミリポア・コーポレイション (212)
【氏名又は名称原語表記】MILLIPORE CORPORATION
【Fターム(参考)】