説明

改良体造成方法

【課題】改良体の構造のバリエーションを増やすことができる改良体造成方法を提供する。
【解決手段】改良体造成方法は、ロッド110の周面に硬化剤液を径方向に噴射するノズル11を設け、ロッド110を地中に挿入し、ロッド110を一方の周方向に軸回転させるとともに一方の軸方向に移動させながらノズル11から硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、所定方向に傾斜した第1の板状改良体t11を造成したあと、ロッド110を同じ周方向に軸回転させるとともに逆の軸方向に移動させながらノズル11から硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、板状改良体t11と異なる方向に傾斜した板状改良体t12を造成することによって、板状改良体t11と板状改良体t12とからなる山型の改良体V11を造成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドを地中に挿入して、ロッドに設けられた噴射ノズルから硬化材液を噴射して改良体を造成する改良体造成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軟弱地盤の安定、地山支保、トンネル支保工、構築物の基礎、構築物の基礎補強、液状化防止、遮水用地中壁、地下水湧水防止などを目的とした地盤改良工法は従来より知られている。この地盤改良工法には、ロッドを地中に挿入して、ロッドに設けられた噴射ノズルから硬化材液を噴射して改良体を造成する改良体造成方法があり、例えば、下記特許文献1に開示されている。
【0003】
この特許文献1に開示される改良体の造成方法は、注入管(ロッド)の下端に噴射管を揺動自在に接続し、噴射管先端に噴射ノズルを設け、注入管を地盤に挿入し、噴射ノズルが噴射管と注入管の接続箇所より下方に位置する噴射管が下向き状態で噴射管を左右に揺動させて、噴射ノズル位置を移動または停止させながら硬化材を噴射ノズルから高圧で噴射させ、硬化材を地盤に混入させて、注入管を引抜きおよび/または回転を行い、壁状部と壁状部と直交する板状部を有する壁状改良体を造成している。また、この壁状改良体を複数連結造成することにより、平面方向、垂直方向ともに格子状とし、壁状改良体で囲む非硬化部分の地下水、砂などの流動性を遮断もしくは阻害する。
【0004】
つまり、注入管が移動する挿入または引き抜き方向に造成される壁状改良体と、噴射ノズルが噴射する左右方向に造成される壁状改良体とにより、格子状または多角形の筒状体群に改良体が構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3219372号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の改良体の造成方法においては、注入管の挿入または引き抜き方向および挿入または引き抜き方向と直交する方向に壁状改良体を造成することはできるが、それ以外の方向に改良体を造成することができず、改良体の構造のバリエーションが制限されていた。
【0007】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであって、改良体の構造のバリエーションを増やすことができる改良体造成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の改良体造成方法は、上記目的を達成するために、ロッドの周面に硬化剤液を高圧で径方向に噴射する噴射ノズルを設け、ロッドを地中に挿入し、ロッドを一方の周方向に軸回転させるとともに一方の軸方向に移動させながら噴射ノズルから硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、所定の方向に傾斜した第1の板状改良体を造成したあと、ロッドを同じ周方向に軸回転させるとともに逆の軸方向に移動させながら、噴射ノズルから硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、第1の板状改良体と異なる方向に傾斜した第2の板状改良体を造成することによって、第1の板状改良体と第2の板状改良体とからなる山型または谷型の改良体を造成することを特徴とする。
【0009】
これによれば、従来では造成できなかった斜め方向に傾斜した第1の板状改良体および第2の板状改良体からなる山型または谷型の改良体をロッドの周方向に造成するため、様々な改良体を複合的に造成することができ、改良体の構造のバリエーションを増やすことが可能となる。
【0010】
また、ロッドを一方の周方向に連続して回転させながら第1の板状改良体の造成と第2の板状改良体の造成を順次繰り返すことにより、第1の板状改良体と第2の板状改良体とからなる複数の山型または谷型の改良体を連続して造成することによって、ロッドの周方向に波型の改良体を造成するのが好ましい。これによれば、波型の改良体をロッドの周方向に造成するため、ロッドの周方向の地盤を改良することができる。
【0011】
また、ロッドの周方向に波型の改良体を造成したあと、ロッドを周方向に位相をずらして連続して軸回転させながら別の波型の改良体を造成することにより、ロッドの周方向に複数の波型の改良体を交差させながら造成してもよい。これによれば、複数の波型の改良体が互いに交差し合う改良体を造成することができ、改良体全体の強度を向上させることが可能となる。
【0012】
また、ロッドの周方向に波型の改良体を造成したあと、ロッドを軸方向の異なる高さ位置において周方向に連続して軸回転させながら別の波型の改良体を造成することにより、ロッドの軸方向に複数の波型の改良体を造成してもよい。これによれば、複数の波型の改良体をロッドの軸方向に造成するため、ロッドの軸方向の地盤を改良することができる。
【0013】
また、ロッドの周方向に波型の改良体を造成したあと、ロッドを軸方向の異なる高さ位置において周方向に逆位相で連続して軸回転させながら別の波型の改良体を造成することにより、ロッドの軸方向に隣り合う波型の改良体同士の頂点が接触した態様の網型の改良体を造成してもよい。これによれば、波型の改良体同士の頂点が接触した態様の網型の改良体を造成するため、改良体全体の強度を向上させることができる。
【0014】
また、ロッドの周方向に波型の改良体を造成したあと、ロッドの噴射ノズルを該波型の改良体の頂点付近の高さ位置に配置し、ロッドを周方向に軸回転させながら噴射ノズルから硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、波型の改良体の頂点と接触する平板状の改良体を造成してもよい。これによれば、波型の改良体の上部または下部に平板状の改良体を造成するため、改良体全体の強度を向上させることができるとともに、ロッドの軸方向における地盤の止水効果を向上させることができる。
【0015】
また、ロッドの周面における噴射ノズルの周方向側において、硬化材液を高圧で径方向に噴射する別の噴射ノズルを設け、各噴射ノズルから硬化材液を噴射させてもよい。これによれば、同一の高さ位置で位相の異なる波型の改良体を同時に造成することができる。
【0016】
ロッドの周面における噴射ノズルの軸方向側において、硬化材液を高圧で径方向に噴射する別の噴射ノズルを設け、各噴射ノズルから硬化材液を噴射してもよい。これによれば、異なる高さ位置で複数の波型の改良体を同時に造成することができる。
【0017】
ロッドの周面における噴射ノズルの軸方向側の近傍位置において、硬化材液を高圧で径方向に噴射する補助噴射ノズルを設け、噴射ノズルとともに補助噴射ノズルから硬化材液を噴射してもよい。これによれば、噴射ノズルとともに補助噴射ノズルによって厚みのある改良体を造成することができる。
【0018】
本発明の他の局面において、改良体造成方法は、ロッドの周面に硬化剤液を高圧で径方向に噴射する噴射ノズルを設け、ロッドを地中に挿入し、ロッドを一方の周方向に軸回転させるとともに一方の軸方向に移動させながら噴射ノズルから硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、所定の方向に傾斜した第1の板状改良体を造成したあと、ロッドを逆の周方向に軸回転させるとともに同じ軸方向に移動させながら、噴射ノズルから硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、第1の板状改良体と異なる方向に傾斜した第2の板状改良体を造成することによって、第1の板状改良体と第2の板状改良体とからなる山型または谷型の改良体を造成することを特徴とする。
【0019】
これによれば、従来では造成できなかった斜め方向に傾斜した第1の板状改良体および第2の板状改良体からなる山型または谷型の改良体をロッドの軸方向に造成するため、様々な形状の複合改良体を造成することができ、改良体の構造のバリエーションを増やすことが可能となる。
【0020】
また、ロッドを一方の軸方向に連続して移動させながら第1の板状改良体の造成と第2の板状改良体の造成を順次繰り返すことにより、第1の板状改良体と第2の板状改良体とからなる複数の山型または谷型の改良体を連続して造成することによって、ロッドの軸方向に波型の改良体を造成するのが好ましい。これによれば、波型の改良体をロッドの軸方向に造成するため、ロッドの軸方向の地盤を改良することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、従来では造成できなかった斜め方向に傾斜した第1の板状改良体および第2の板状改良体からなる山型または谷型の改良体をロッドの周方向や軸方向に造成するため、様々な形状の改良体を複合的に造成することができ、改良体の構造のバリエーションを増やすことが可能となる。
【0022】
この複合改良体を一本の改良体として造成できれば、一本の改良体の垂直断面および水平断面に所定形状や所定体積の未改良部を意図的に設けることができ、改良率の調節を一本の改良体の個体において行うことができ、必要とされる設計強度への細かい対応や単位当たりの改良体積の細かい設定が可能となる。
【0023】
また、未改良部を意図的に設けることで対象地盤への負荷を減らすだけでなく使用材料と排泥量を減量するため環境にもやさしく、しかも上下方向の止水効果も有することができる。
【0024】
また、広範囲な改良域を所定の改良率に基づき所定割合の土量を改良する場合でも、前記複合改良体を隣接地盤に接続配置する方法と単独分散配置する方法の双方が可能となり、かつ改良率の調整が容易である。
【0025】
また、改良体同士を水平位置において所定方向に接合して造成することで全土量を改良することなく、上下左右方向の止水効果を得ることも容易である。
【0026】
また、造成されるこれら様々な構造を有する複合改良体は、形状や大きさや配置を所定のものに設定できるだけでなく、噴射ノズルの個数や配置の設定も自在に設定することができるので、複合改良体を構成する夫々の板状改良体の厚みや間隔も自在に設定することができる。
【0027】
また、止水目的や液状化対策や仮設土留壁などの地盤改良で広い用途に対応できる上に、環境への負荷も軽減しながら材料の減少や施工コスト低減や工期短縮という効果が期待できる。
【0028】
また、これら複合改良体の構造は建物に例えるなら壁や柱や床や屋根に相当するため、計画的に形状を決定して造成することで一本の改良体を地下構造物として効率的に垂直方向や周辺からの荷重に対する耐荷重構造物として利用することも考えられ、今後これまでにない用途への活用の可能性も有している。またさらに、本発明による複合改良体のバリエーションは、左右対称や上下対称の規則的形状に止まらず、コンピュータによる制御を行えば文字や記号などの形状を有する改良体を地中に自在に造成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】改良体造成方法を実行する装置の概略構成図である。
【図2】第1実施形態のロッドの概略斜視図である。
【図3】実施例1における造成の過程を示す図である。
【図4】実施例2において造成される改良体を示す図である。
【図5】実施例3において造成される改良体を示す図である。
【図6】実施例4において造成される改良体を示す図である。
【図7】実施例5において造成される改良体を示す図である。
【図8】第2実施形態のロッドの(a)概略斜視図と、(b)概略平面図である。
【図9】実施例6における造成の過程を示す図である。
【図10】第3実施形態のロッドの(a)概略斜視図と、(b)概略平面図である。
【図11】実施例7における造成の過程を示す図である。
【図12】実施例8における造成の過程を示す図である。
【図13】第4実施形態のロッドの(a)概略斜視図と、(b)実施例9における造成の過程を示す図である。
【図14】第5実施形態のロッドの(a)概略斜視図と、(b)実施例10における造成の過程を示す図である。
【図15】実施例11において造成される改良体を示す図である。
【図16】実施例12において造成される改良体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(1)第1実施形態
次に、本発明に係る改良体造成方法の第1の実施形態について説明する。本実施形態に係る改良体造成方法は、図1に示すように、ロッド110の周面に硬化剤液を噴射する噴射ノズル11が設けられており、ロッド110を地中に挿入して、施工マシン120により該ロッド110を周方向に軸回転および軸方向に移動させながら硬化材液を噴射ノズル11から噴射させて、硬化材液を地盤に混入させることにより、改良体を造成する。以下においては、その具体的な内容について説明する。
【0031】
前記ロッド110は、地中に挿入される側の先端部近傍の周面において、硬化材液を高圧で径方向に噴射する噴射ノズル11を備えている。このロッド110は、地上側端部にスイベルを備えており、地上のプラントから専用のホースによって送られてくる硬化材液が該スイベルを介してロッド110に供給される。従って、ロッド110は供給された硬化材液などを噴射ノズル11から噴射させることにより、ロッド110の周囲の所定領域内にある地盤に硬化材液を混入させて改良体を造成する。なお、「所定領域」とは、硬化材液の噴射によって改良体を造成することができる領域のことであり、以下の説明においては「円形領域地盤S」と称する。
【0032】
また、ロッド110は、図2に示すように、後述の施工マシン120によって周方向に軸回転あるいは軸方向に移動する際、その回転および移動の程度を管理可能にさせる造成管理用目印12を備えている。該造成管理用目印12は、ロッド110の軸回転における回転量を目視あるいは電子計測機によって確認させる角度管理用目印12aと、ロッド110の軸方向への移動における距離を目視あるいは電子計測機によって確認させる軸方向管理用目印12bとを備えている。これにより、ロッド110の周方向における軸回転および軸方向における移動を正確に管理することができる。
【0033】
なお、本実施形態のロッド110は、断面形状が円形であるが、特にこれに限られるものではない。また、ロッド110内部においては、硬化材液、圧縮空気および水が供給される通路をそれぞれ必要数備えられており、二重管、三重管または四重管などあるいは多孔管の構造であってもよく、さらにロッド110内部にはその他に排泥用通路や通信用通路を適宜設けられてもよい。
【0034】
前記施工マシン120は、図1に示すように、地中に挿入されたロッド110を保持するとともに、該ロッド110を所定の回転速度で周方向に軸回転あるいは所定の移動速度で軸方向に移動させる。この施工マシン120は、ロッド110の周方向における回転および軸方向における移動を個別にまたは同時にさせることが可能であり、ロッド110を周方向に軸回転させることにより、該軸回転に伴って噴射ノズル11が噴射する方向(以下「噴射方向」という)を周方向に変化させることができる。また、ロッド110を軸方向に移動させることにより、該移動に伴って噴射ノズル11が噴射する軸方向における位置(以下「噴射高さ」という)を変化させることができる。なお、施工マシン120がロッド110を軸回転あるいは軸方向への移動をさせるための設定は、操作者により事前にあるいはリアルタイムで行うことが可能である。また、施工マシン120の動作を制御する管理装置に接続されて、該管理装置におけるプログラムによって施工マシン120の動作が制御されるようにしてもよい。
【0035】
また、施工マシン120は、ロッド110における軸方向の移動を逆方向に方向転換させる設定をすることができ、これにより、ロッド110を軸方向に往復移動させることが可能になる。この方向転換の設定は、ロッド110を周方向に軸回転させる回転量(回転角度)、ロッド110を周方向に軸回転させる時間、ロッド110を軸方向に移動させる距離、あるいはロッド110を軸方向に移動させる時間など、各種の物理量により設定することが可能であるが、以下の説明においては、ロッド110の周方向における回転量によってロッド110の軸方向の移動における方向転換を行うものとする。具体的に、施工マシン120は、ロッド110の周方向における軸回転の回転量が30°の角度に達した際にロッド110における軸方向の移動を方向転換させる設定がなされている。従って、施工マシン120は、ロッド110を30°の角度だけ周方向に軸回転させる毎にロッド110の軸方向における移動を逆側に方向転換する。なお、以下の説明においては、特別に言及する場合を除き、施工マシン120は、ロッド110を周方向に30°の角度(以下「所定角度」という)だけ軸回転させる毎にロッド110の軸方向における移動を軸方向から逆軸方向に方向転換する設定されているものとする。
【0036】
(実施例1)
次に、本改良体造成方法によって改良体を造成する第1の実施例について、図3を参照しつつ説明する。本実施例では、山型の改良体を造成する場合について説明する。なお、以下では既にロッド110が地中に挿入されているものとする。
【0037】
図3(a)に示すように、ロッド110を所定の回転速度で一方の周方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で一方の軸方向に移動させながら硬化剤液を噴射させる。
【0038】
具体的には、ロッド110を、平面視時計方向に0.5r/min(Rotation Per Minute)で軸回転させるとともに、3.0m/min(Meter Per Minute)で軸方向上方に移動させながら噴射ノズル11から硬化材液を噴射させ、硬化材液をロッド110の周囲における地盤に混入させる。これにより、該ロッド110の動きに伴って噴射ノズル11の噴射方向および噴射高さが変化して、硬化材液がロッド110を中心とした円形領域地盤Sにおいて傾斜した第1の板状改良体t11を造成する。
【0039】
なお、ここにおける板状改良体t11および以下で説明する改良体などは、一般的に所定の時間が経過することにより硬化して剛性の改良体となるが、説明の便宜上、硬化材液が地盤に混入された直後の硬化前の状態のものも改良体として説明する。
【0040】
次に、図3(b)に示すように、ロッド110の回転量が所定角度に達したあと、ロッド110を所定の回転速度で上記と同じ周方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で逆の軸方向に移動させながら硬化剤液を噴射させる。具体的には、ロッド110を、平面視時計方向に0.5r/minで軸回転させるとともに、3.0m/minで軸方向下方に移動させながら噴射ノズル11から硬化材液を噴射させ、硬化材液をロッド110の周囲における地盤に混入させる。これにより、該ロッド110の動きに伴って噴射ノズル11の噴射方向および噴射高さが変化して、硬化材液がロッド110を円形領域地盤Sにおいて傾斜した第2の板状改良体t12を造成する。
【0041】
上記した第1の板状改良体t11および第2の板状改良体t12においては、各々造成される際のロッド110における軸回転の方向が同一であって、軸方向の移動する方向が逆であることより、第1の板状改良体t11および第2の板状改良体t12の傾斜している方向は相互に異なる。
【0042】
以上のようにロッド110を動作させることにより、従来では造成できなかった方向に傾斜した第1の板状改良体t11および第2の板状改良体t12からなる山型の改良体V11をロッド110の周方向に造成するため、様々な複合改良体を造成することができ、改良体の構造のバリエーションを増やすことが可能となる。
【0043】
なお、上述においては、ロッド110を軸方向上方に移動させた後に方向転換して軸方向下方に移動させる場合について説明したが、軸方向下方に移動させた後に方向転換して軸方向上方に移動させるようにすれば、谷型の改良体を造成することができる。
【0044】
また、ロッド110の軸回転の回転速度が0.5r/min、軸方向への移動速度が3.0m/minである場合について説明したが、任意で設定可能であるため、適宜設定することにより所望の改良体(大きさ、形状、角度、長さ等)を造成することができる。
【0045】
(実施例2)
次に、本改良体造成方法によって改良体を造成する第2の実施例について、図4を参照しつつ説明する。本実施例では、実施例1で説明した山型の改良体V11の造成を利用して波型の改良体を造成する場合について説明する。なお、上述において説明した内容については適宜省略して説明する。
【0046】
図4に示すように、ロッド110を同一の周方向に連続して軸回転させながら、実施例1で説明した第1の板状改良体t11と第2の板状改良体t12の造成を順次繰り返す。ここにおいて、施工マシン120は、ロッド110の回転量が所定角度に達することにより、ロッド110の軸方向における移動を方向転換する。従って、ロッド110が第1の板状改良体t11を造成し始めてからロッド110の回転量が所定角度に達すると、施工マシン120はロッド110の軸方向における移動を方向転換するため、ロッド110が第2の板状改良体t12を造成する。そして、ロッド110の回転量が所定角度に達すると、施工マシン120はロッド110の軸方向における移動を方向転換することにより、ロッド110が第1の板状改良体t11を造成する。この動作が順次繰り返される。
【0047】
以上のようにロッド110を動作させることにより、第1の板状改良体t11と第2の板状改良体t12とからなる山型の改良体V11を連続して造成することとなるため、図4に示すように、ロッド110の周方向に波型の改良体W1を造成することができる。このことにより、波型の改良体W1をロッド110の周方向に造成するため、ロッド110の周方向における円形領域地盤Sを改良することができ、またロッド110の軸方向における止水効果も発揮することができる。
【0048】
なお、上述においては、ロッド110に第1の板状改良体t11を造成した後に第2の板状改良体t12を造成してなる山型の改良体V11を連続して造成することにより波型の改良体W1を造成する場合について説明したが、ロッド110に第2の板状改良体t12を造成した後に第1の板状改良体t11を造成してなる谷型の改良体を連続して造成することにより波型の改良体を造成するようにしてもよい。
【0049】
(実施例3)
次に、本改良体造成方法によって改良体を造成する第3の実施例について、図5を参照しつつ説明する。本実施例では、実施例2で説明した波型の改良体の造成を利用して交差型の改良体を造成する場合について説明する。なお、上述において説明した内容については適宜省略して説明する。
【0050】
図5(a)に示すように、ロッド110を同一の周方向に連続して軸回転させながら、山型の改良体V11の造成を順次繰り返すことにより、波型の改良体W11を造成する。
【0051】
次に、ロッド110を周方向に位相をずらす。具体的には、硬化材液が噴射される開始位置が、波型の改良体W11を造成した際に最後に噴射していた位置A1から波型の改良体W11の振幅分だけ軸方向上方に移動させた位置A2となるように、ロッド110を軸方向上方に移動させて、噴射ノズル11の噴射高さを波型の改良体W11の振幅分だけ軸方向上方に位置させる。
【0052】
次に、位置A2を硬化材液が噴射される開始位置として、ロッド110を同一の方向に連続して軸回転させながら、谷型の改良体V12の造成を順次繰り返すことにより、波型の改良体W11と同一の円形領域地盤Sにおいて波型の改良体W12を造成させる。なお、波型の改良体W12は、第2の板状改良体t12を造成した後に第1の板状改良体t11を造成することによって造成されるため、波型の改良体W11を逆位相にしたものと同一形状である。
【0053】
以上のようにロッド110を動作させることにより、ロッド110の周方向に複数の波型の改良体W11、W12を交差させながら造成することができる。このことにより、複数の波型の改良体W11、W12が互いに交差し合う改良体T1を造成することができるため、改良体T1全体の強度を向上させることが可能となる。
【0054】
なお、上述においては、波型の改良体W12を造成する際、ロッド110を軸方向上方に移動させることにより波型の改良体W11に対して位相をずらす場合について説明したが、ロッド110を周方向に軸回転させて、噴射ノズル11の噴射方向を変更することにより、波型の改良体W11に対して位相をずらすようにしてもよい。
【0055】
あるいは、ロッド110を周方向に軸回転させるとともに軸方向に移動させることにより、波型の改良体W11に対して位相をずらすようにしてもよい。
【0056】
ここで、上述の変形例について図5(b)を参照しつつ説明する。この変形例においては、波型の改良体W11を造成した後、ロッド110を周方向に軸回転および軸方向に移動させることなく、ロッド110の周方向に複数の波型の改良体W21、W22を交差させながら造成する場合について説明する。
【0057】
まず、施工マシン120が、ロッド110を24°の角度だけ軸回転させる毎にロッド110の軸方向における移動を方向転換するように設定する。
【0058】
次に、図5(b)に示すように、位置B1を硬化材液が噴射される開始位置として、ロッド110に実施例2で説明したように波型の改良体W21を造成させる。ロッド110が周方向に1周(360°の回転量)した段階において、1周目の波型の改良体W21を造成した際に最後に噴射していた位置B2は、噴射を開始した位置B1の軸方向上方に位置している。そして、継続してロッド110を同一の周方向に連続して軸回転させながら波型の改良体W22を造成させることにより、硬化剤液が噴射される位置は、ロッド110が周方向に2周(720°の回転量)した段階においてロッド110が最初に噴射を開始した元の位置B1に戻ってくる。
【0059】
以上のように施工マシン120がロッド110を24°の角度だけ軸回転させる毎にロッド110の軸方向における移動を方向転換するように設定してロッド110を動作させることにより、ロッド110の周方向に擬似的に複数となされた波型の改良体W21、W22を交差させながら改良体T2を造成することができる。
【0060】
なお、上述において、ロッド110が24°の角度だけ回転した段階でロッド110の軸方向の移動を方向転換させる場合について説明したが、その他の角度で設定されてもよい。
【0061】
(実施例4)
次に、本改良体造成方法によって改良体を造成する第4の実施例について、図6を参照しつつ説明する。本実施例では、実施例2で説明した波型の改良体の造成を利用して積層型の改良体を造成する場合について説明する。なお、上述において説明した内容については適宜省略して説明する。
【0062】
図6(a)に示すように、ロッド110を同一の周方向に連続して軸回転させながら、山型の改良体V11の造成を順次繰り返すことにより、波型の改良体W31を造成する。
【0063】
次に、ロッド110を軸方向の異なる高さ位置に移動させる。具体的に、硬化材液が噴射される開始位置が、波型の改良体W31を造成した際に最後に噴射していた位置C1から波型の改良体W31の振幅分だけ軸方向上方に移動させた位置C2となるように、ロッド110を軸方向上方に移動させて、噴射ノズル11の噴射高さを波型の改良体W31の振幅分だけ軸方向上方に位置させる。
【0064】
次に、波型の改良体W31を造成したときと同様、ロッド110を同一の周方向に連続して軸回転させながら、山型の改良体V11の造成を順次繰り返すことにより、波型の改良体W32を造成する。
【0065】
従って、上述したようにロッド110を動作させることにより、ロッド110の軸方向に複数の波型の改良体W31、32を造成することができる。このことにより、各波型の改良体W31、32が間に介在する地盤gと積層構造をなすため、地盤gの流動性を低下させることができる。また、各波型の改良体W31、32とともに間に介在する地盤gを改良体T3の一部として作用させることもできる。
【0066】
なお、上述においては、波型の改良体W32を造成する際、ロッド110を軸方向上方に移動させる場合について説明したが、ロッド110を軸方向下方に移動させてもよい。
【0067】
また、波型の改良体W31の振幅分だけロッド110を軸方向上方に移動させる場合について説明したが、振幅分でなくてもよい。
【0068】
ここで、上述の変形例について図6(b)を参照しつつ説明する。この変形例においては、複数の逆位相の波型の改良体41、42を利用して網型の改良体T4を造成する場合について説明する。
【0069】
図6(b)に示すように、ロッド110を同一の周方向に連続して軸回転させながら、山型の改良体V11の造成を順次繰り返すことにより波型の改良体W41を造成する。
【0070】
次に、ロッド110を軸方向の異なる高さ位置に移動させる。具体的に、硬化材液が噴射される開始位置が、波型の改良体W41を造成した際に最後に噴射していた位置D1から波型の改良体W41の振幅の2倍分だけ軸方向上方に移動させた位置D2となるように、ロッド110を軸方向上方に移動させて、噴射ノズル11の噴射高さを波型の改良体W41の振幅の2倍分だけ軸方向上方に位置させる。
【0071】
次に、ロッド110を同一の周方向に連続して軸回転させながら、谷型の改良体V12の造成を順次繰り返すことにより、波型の改良体W41の円形領域地盤Sの軸方向上方に隣接する円形領域地盤Sにおいて波型の改良体W42を造成する。なお、波型の改良体W42は、第2の板状改良体t12を造成した後に第1の板状改良体t11を造成することによって造成されるため、波型の改良体W41を逆位相にしたものと同一形状である。従って、両波型の改良体W41、W42は各頂点同士が接触し合い、径方向から見ると網型の改良体T4となる。
【0072】
以上のようにロッド110を動作させることにより、ロッド110の軸方向に隣り合う波型の改良体W41、W42同士の頂点が接触した態様の網型の改良体T4を造成することができる。このことにより、各波型の改良体W41、W42を軸方向に連続的に造成する場合において接触する箇所を多くすることができるため、改良体T4全体としてより強度の高い改良体を造成することができる。また、改良体T4の径方向に隣接して別の改良体T4を複数配置することも可能であるため、改良率を管理することが可能になるとともに、上下左右方向の止水効果を広範囲で発揮することができる。
【0073】
なお、上述においては、波型の改良体W42を造成する際、ロッド110を波型の改良体W41の振幅の2倍分だけ軸方向上方に移動させる場合について説明したが、ロッド110を波型の改良体W41の振幅分だけ軸方向上方に移動させた後、ロッド110を波型の改良体W41の半波長分だけ周方向に軸回転させて、山型の改良体V11を順次繰り返して造成するなどしてもよい。
【0074】
あるいはロッド110を軸方向に移動させずに、位置D1からロッド110に谷型の改良体V12の造成を順次繰り返させて、波型の改良体W41における軸方向下方に他の波型の改良体を造成するようにしてもよい。
【0075】
(実施例5)
次に、本改良体造成方法によって改良体を造成する第5の実施例について図7を参照しつつ説明する。本実施例では、実施例2で説明した波型の改良体の造成と平板状の改良体を利用して改良体を造成する場合について説明する。なお、上述において説明した内容については適宜省略して説明する。
【0076】
図7(a)に示すように、ロッド110を同一の周方向に連続して軸回転させながら、山型の改良体V11の造成を順次繰り返すことにより、波型の改良体W51を造成する。
【0077】
次に、ロッド110の噴射ノズル11を波型の改良体W51の頂点付近の高さ位置に配置する。具体的には、硬化材液が噴射される開始位置が、波型の改良体W51を造成した際に最後に噴射していた位置E1から波型の改良体W51の振幅分だけ軸方向上方に移動させた位置E2となるように、ロッド110を軸方向上方に移動させて、噴射ノズル11の噴射高さを波型の改良体W51の振幅分だけ軸方向上方に位置させる。
【0078】
次に、ロッド110を周方向に連続して軸回転させながら噴射ノズル11から硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させる。このことにより、波型の改良体W51の頂点と接触する平板状の改良体W52を造成することができる。
【0079】
以上のようにロッド110を動作させることにより、波型の改良体W51の上部に平板状の改良体W52を造成するため、トラス構造のような改良体Tを造成することができ、改良体T5全体の強度を向上させることができるとともに、ロッド110の軸方向における止水効果を向上させることができる。
【0080】
なお、上述において、平板状の改良体W52を造成する際、ロッド110を軸方向上方に移動させることによって波型の改良体W51の上方の頂点付近の高さ位置に噴射ノズル11を配置させる場合について説明したが、ロッド110を軸方向に移動させることなく、位置E1を噴射の開始位置としてロッド110を周方向に軸回転させながら噴射ノズル11から硬化材液を噴射させて、硬化材液を地盤に混入させることにより波型の改良体W51の下部の頂点と接触する平板状の改良体を造成するようにしてもよい。
【0081】
また、平板状の改良体W52が円形状である場合について説明したが、扇状であってもよく、ロッド110の軸回転を調整することによって形状を適宜設定するようにしてもよい。
【0082】
また、改良体T5を1つ造成する場合について説明したが、図7(b)に示すように、改良体T5を造成した後、ロッド110を軸方向に移動させて別の改良体T5を造成することを繰り返すようにしてもよい。
【0083】
(2)第2実施形態
次に、本発明に係る改良体造成方法の第2の実施形態について、図8および図9を参照しつつ説明する。本実施形態は、上述したロッド110と異なるロッド210が採用されている。以下においては、その具体的な内容について説明する。なお、以下の説明においては、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明することとし、第1実施形態と同一の構成については説明を省略して同一の符号を付すこととする。
【0084】
前記ロッド210は、図8(a)に示すように、地中に挿入される側の先端部近傍の周面に、硬化材液を高圧で径方向に噴射する第1の噴射ノズル21と、硬化材液を高圧で径方向に噴射する第2の噴射ノズル22とが設けられている。これら第1の噴射ノズル21と第2の噴射ノズル22は、ロッド210の周方向に沿って同一高さであって、図8(b)に示すように、各々からロッド210の中心P1を結んでなされる挟角が30°となるように互いに配置され、同時に硬化材液を噴射するようになっている。このとき、両噴射ノズル21、22は、広角(30°)配置であるため、各々から噴射される硬化材液は同時に噴射されても衝突しない。
【0085】
(実施例6)
次に、本改良体造成方法によって改良体を造成する第6の実施例について、図9を参照しつつ説明する。本実施例では、複数の波型の改良体を同時に造成する場合について説明する。
【0086】
図9(a)に示すように、第1実施形態の実施例2に示した波型の改良体の造成に倣ってロッド210を動作させる。すなわち、ロッド210を所定の回転速度で一方の周方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で一方の軸方向に移動させながら硬化剤液を噴射させることにより、硬化材液をロッド210の周囲における地盤に混入させる。これにより、第1の噴射ノズル21によって板状改良体t11が造成されるとともに、第2の噴射ノズル22によって板状改良体t11’が造成され、そしてロッド210の回転量が所定角度(30°)に達する。このとき、第1の噴射ノズル21および第2の噴射ノズル22は、挟角が30°となるように互いに配置されているため、第2の噴射ノズル22によって板状改良体t11’を造成した際に最後に噴射していた第2の噴射ノズル22の位置F2は、第1の噴射ノズル21が噴射を開始した位置F1の軸方向上方に位置している。
【0087】
次に、図9(b)に示すように、ロッド210を所定の回転速度で上記と同じ周方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で逆の軸方向に移動させながら硬化剤液を噴射させることにより、硬化材液をロッド210の周囲における地盤に混入させる。これにより、第1の噴射ノズル21によって板状改良体t12が造成されるとともに、第2の噴射ノズル22によって板状改良体t12’が造成される。このとき、第2の噴射ノズル22によって造成された板状改良体t12’は、噴射ノズル21によって造成される板状改良体t11と交差する。
【0088】
このように、ロッド210を同一の周方向に連続して軸回転させながら、第1の噴射ノズル21による板状改良体t11、t12からなる山型の改良体V11と、第2の噴射ノズル22によるt11’、t12’からなる山型の改良体V11’との造成をロッド210に順次繰り返させる。このことにより、図9(c)に示すように、同一の高さ位置において位相が異なる、山型の改良体V11からなる波型の改良体W61と、山型の改良体V11’からなる波型の改良体W62とを同時に造成することができるため、波型の改良体W61、W62が互いに交差し合う改良体T6を短い時間で造成することが可能となる。
【0089】
なお、上述において、噴射ノズルが第1の噴射ノズル21および第2の噴射ノズル22の2つである場合について説明したが、3つ以上でもよい。
【0090】
(3)第3実施形態
次に、本発明に係る改良体造成方法の第3の実施形態について、図10〜図12を参照しつつ説明する。本実施形態は、上述したロッド110およびロッド210と異なるロッド310が採用されている。なお、以下の説明においては、第1および第2実施形態と異なる構成についてのみ説明することとし、第1および第2実施形態と同一の構成については説明を省略して同一の符号を付すこととする。
【0091】
前記ロッド310は、図10(a)に示すように、地中に挿入される側の先端部近傍の周面に硬化材液を高圧で径方向に噴射する第1の噴射ノズル31と、該第1の噴射ノズル31の軸方向下方でありかつ周方向における反時計方向側において、硬化材液を高圧で径方向に噴射する第2の噴射ノズル32とが設けられている。これら第1の噴射ノズル31と第2の噴射ノズル噴射ノズル32は、図10(b)に示すように、各々からロッド310の中心P2を結んでなされる挟角が30°となるように互いに配置され、硬化材液を同時に噴射するようになっている。このとき、両噴射ノズル31、32は、広角(30°)配置であり且つ高さ位置が異なるため、各々から噴射される硬化材液は同時に噴射されても衝突しない。
【0092】
(実施例7)
次に、本改良体造成方法によって改良体を造成する第7の実施例について、図11を参照しつつ説明する。本実施例では、ロッド310の軸方向に沿って複数の波型の改良体を同時に造成する場合について説明する。
【0093】
図11(a)に示すように、第1実施形態の実施例2に示した波型の改良体の造成に倣ってロッド310を動作させる。すなわち、ロッド310を所定の回転速度で一方の周方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で一方の軸方向に移動させながら硬化剤液を噴射させることにより、硬化材液をロッド310の周囲における地盤に混入させる。これにより、第1の噴射ノズル31によって第1の板状改良体t11が造成されるとともに、第2の噴射ノズル32によって第1の板状改良体t11’が造成され、そしてロッド310の回転量が所定角度(30°)に達する。このとき、施工マシン120は、第1の噴射ノズル31が硬化材液の噴射を開始した位置G1に向かって第2の噴射ノズル32が板状改良体t11’を造成するように、ロッド310の周方向における回転速度および軸方向における移動速度に設定されている。
【0094】
次に、図11(b)に示すように、ロッド310を所定の回転速度で上記と同じ周方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で逆の軸方向に移動させながら硬化剤液を噴射させることにより、硬化材液をロッド310の周囲における地盤に混入させる。これにより、第1の噴射ノズル31によって第2の板状改良体t12が造成されるとともに、第2の噴射ノズル32によって第2の板状改良体t12’が造成される。
【0095】
このように、ロッド310を同一の周方向に連続して軸回転させながら、第1の噴射ノズル31による板状改良体t11、t12からなる山型の改良体V11と、第2の噴射ノズル32によるt11’、t12’からなる山型の改良体V11’との造成をロッド310に順次繰り返させる。このことにより、図11(c)に示すように、軸方向の異なる高さ位置において隣り合う、山型の改良体V11からなる波型の改良体W71と、山型の改良体V11’からなる波型の改良体W72とを同時に造成することができるため、波型の改良体W71、W72同士が接触した態様の編み型の改良体T7を短い時間で造成することができる。
【0096】
なお、上述において、ロッド310の軸方向に1つの複合改良体T7を造成する場合について説明したが、ロッド310の軸方向に複数の改良体T7を造成してもよい。
【0097】
また、第1の噴射ノズル31が硬化材液の噴射を開始した位置G1に向かって第2の噴射ノズル32が板状改良体t11’を造成するように、ロッド310の周方向における回転速度および軸方向における移動速度に設定されている場合について説明したが、ロッド310の周方向における回転速度および軸方向における移動速度は適宜設定されてもよく、例えば第1の噴射ノズル31の造成する改良体と第2の噴射ノズル32の造成する改良体とにより、軸方向に複数の波型の改良体が並列した改良体や複数の波型の改良体が交差した改良体を造成するようにしてもよい。
【0098】
(実施例8)
次に、本改良体造成方法によって改良体を造成する第8の実施例について、図12を参照しつつ説明する。本実施例では、複数の波型の改良体が交差した改良体を同時に造成する場合について説明する。
【0099】
図12に示すように、本実施例に係るロッド310は、第2の噴射ノズル32がロッド310の径方向であってかつ軸方向上方側に所定分だけ傾斜した方向に硬化材液を噴射する。ここにおける「所定分だけ傾斜した方向」とは、図12(a)に示すように、第2の噴射ノズル32が第1の噴射ノズル31における噴射の開始位置より軸方向上方側の方向である。
【0100】
従って、図12(a)に示すように、ロッド310を所定の回転速度で一方の周方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で軸方向に交互に移動させながら第1の噴射ノズル31および第2の噴射ノズル32から硬化剤液を噴射させていくと、第1の噴射ノズル31と第2の噴射ノズル32から噴射される硬化材液は衝突しないが、図12(b)に示すように、第1の噴射ノズル31が造成した板状改良体t11、t12よりなる山型の改良体V11と、第2の噴射ノズル32が造成した板状改良体t11’、t12’よりなる山型の改良体V11’とが互いに交差することとなる。そして、継続してロッド310を所定の回転速度で上記と同一の周方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で軸方向に交互に移動させながら第1の噴射ノズル31および第2の噴射ノズル32から硬化剤液を噴射させることにより、第1の噴射ノズル31がロッド310の周方向に波型の改良体を造成し、第2の噴射ノズル32が第1の噴射ノズル31によって造成された波型の改良体に対して所定分だけ傾斜して交差する波型の改良体を造成することができる。
【0101】
このように、第2の噴射ノズル32が第1の噴射ノズル31における噴射の開始位置より軸方向上方側の方向に硬化材液を噴射することより、第1の噴射ノズル31が造成した波型の改良体と交差する波型の改良体を第2の噴射ノズル32が造成することができるため、各波型の改良体が交差した改良体を短い時間で造成することが可能となる。
【0102】
なお、第2の噴射ノズル32の傾斜する方向は上記のように軸方向上方側に限らず、軸方向下方側でもよいし、径方向に噴射する第1の噴射ノズル31との組み合わせに限られず、軸方向上方側に噴射する噴射ノズルと軸方向下方側に噴射する噴射ノズルとの組み合わせでもよい。また、上述において、噴射ノズルが2つである場合について説明したが、3つ以上でもよい。
【0103】
また、第1の噴射ノズル31と第2の噴射ノズル32の配置関係およびロッド310の軸方向への移動距離を適宜調整などすることにより、各波型の改良体を所望の位置で互いに交差させた交差型の改良体を造成することができる。
【0104】
(4)第4実施形態
次に、本発明に係る改良体造成方法の第4の実施形態について、図13を参照しつつ説明する。本実施形態は、上述した各ロッド110、210および310と異なるロッド410が採用されている。なお、以下の説明においては、第1〜第3実施形態と異なる構成についてのみ説明することとし、第1〜第3実施形態と同一の構成については説明を省略して同一の符号を付すこととする。
【0105】
前記ロッド410は、図13(a)に示すように、地中に挿入される側の先端部近傍の周面に硬化材液を高圧で径方向に噴射する第1の噴射ノズル41と、第1の噴射ノズル41の軸方向下方に設けられ、硬化材液を高圧で径方向に噴射する第2の噴射ノズル42と、第2の噴射ノズル42の軸方向下方に設けられ、硬化材液を高圧で径方向に噴射する第3の噴射ノズル43とを備える。
【0106】
これら第1〜第3の噴射ノズル41〜43は、ロッド410の軸方向に沿って所定の間隔だけ軸方向に離された状態で設けられ、硬化材液を同時に噴射するようになっている。ここにおける「所定の間隔」とは、各噴射ノズル41〜43から噴射された硬化材液が地盤に混入した際に一体的に混入されない程度の間隔である。
【0107】
(実施例9)
次に、本改良体造成方法によって改良体を造成する第9の実施例について、図13(b)を参照しつつ説明する。本実施例では、近距離で並列する複数の波型の改良体を同時に造成する場合について説明する。
【0108】
図13(b)に示すように、ロッド410を所定の回転速度で一方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で軸方向上方に移動させながら硬化剤液を各噴射ノズル41〜43から噴射させると、各噴射ノズル41〜43から噴射された各硬化材液が所定の間隔を空けて地盤に混入するため、並列した状態で各々第1の板状改良体t111、t112、t113を造成することができる。
【0109】
次に、ロッド410を所定の回転速度で上記と同じ周方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で逆の軸方向に移動させながら硬化剤液を噴射させると、各噴射ノズル41〜43から噴射された各硬化材液が所定の間隔を空けて地盤に混入するため、並列した状態で各々第2の板状改良体t121、t122、t123を造成することができる。
【0110】
このように、ロッド410を同一の周方向に連続して軸回転させながら、ロッド410に第1の噴射ノズル41による板状改良体t111、t121からなる山型の改良体V101と、第2の噴射ノズル42によるt112、t122からなる山型の改良体V102と、第3の噴射ノズル43によるt113、t123からなる山型の改良体V103との造成を順次繰り返させることにより、ロッド410の周方向において、近距離で並列する複数の波型の改良体を同時に造成することができるため、積層型の改良体を短い時間で造成することができる。
【0111】
なお、噴射ノズルが3つの場合について説明したが、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
【0112】
(5)第5実施形態
次に、本発明に係る改良体造成方法の第5の実施形態について、図14を参照しつつ説明する。本実施形態は、上述した各ロッド110、210、310および410と異なるロッド510が採用されている。なお、以下の説明においては、第1〜第4実施形態と異なる構成についてのみ説明することとし、第1〜第4実施形態と同一の構成については説明を省略して同一の符号を付すこととする。
【0113】
前記ロッド510は、図14(a)に示すように、地中に挿入される側の先端部近傍の周面に硬化材液を高圧で径方向に噴射する第1の噴射ノズル51と、第1の噴射ノズル51の軸方向下方近傍に設けられた第1の補助噴射ノズル51aと、第2の補助噴射ノズル51aの軸方向下方近傍に設けられた第2の補助噴射ノズル51bとを備えている。
【0114】
なお、ここにおける「軸方向下方近傍」とは、第1の補助噴射ノズル51aおよび第2の補助噴射ノズル51bが噴射した硬化材液が地盤に混入した際に、第1の噴射ノズル51が噴射した硬化材液と各補助噴射ノズル51a、51bが噴射した硬化材液とが一体的に混入される程度の距離である。
【0115】
(実施例10)
図14(b)に示すように、ロッド510を所定の回転速度で一方の周方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で一方の軸方向に移動させながら硬化剤液を噴射させることにより、硬化材液をロッド510の周囲における地盤に混入させる。これにより、第1の噴射ノズル51が噴射した硬化材液とともに、第1の補助噴射ノズル51aおよび第2の補助噴射ノズル51bが噴射した硬化材液が地盤において一体化して混入されるため、軸方向に厚みを有する第1の板状改良体t114を造成することができる。
【0116】
また、ロッド510を所定の回転速度で上記と同一の周方向に軸回転させるとともに、所定の移動速度で逆の軸方向に移動させながら硬化剤液を噴射させることにより、硬化材液をロッド510の周囲における地盤に混入させる。これにより、第1の噴射ノズル51が噴射した硬化材液とともに、第1の補助噴射ノズル51aおよび第2の補助噴射ノズル51bが噴射した硬化材液が地盤において一体化して混入されるため、軸方向に厚みを有する第2の板状改良体t124を造成することができる。
【0117】
そして、ロッド510を同一の周方向に連続して軸回転させながら、ロッド510に第1の板状改良体t114および第2の板状改良体t124の造成を繰り返させることにより、第1の板状改良体t114および第2の板状改良体t124よりなる山型の改良体V104を造成することができる。また、この山型の改良体V104の造成をロッド510に順次繰り返させることにより、ロッド510の周方向に厚みを有する強度の高い波型の改良体を短い時間で造成することができる。
【0118】
なお、上述においては、各補助噴射ノズル51a、51bが第1の噴射ノズル51と同一径を有するものであっても、あるいは第1の噴射ノズル51と異なる径を有するものであってもよい。また、1つの噴射ノズルに対して補助噴射ノズルを2つ備える場合について説明したが、1つでもよいし、3つ以上備えてもよい。これにより、所望の厚みを有する板状改良体を造成することができるため、所望の強度を有する改良体を造成することができる。
【0119】
また、上記各実施形態において、先に波型の改良体を造成する際、山型の改良体の造成を繰り返すことによって波型の改良体を造成する場合について説明したが、谷型の改良体の造成を繰り返すことによって波型の改良体を造成するようにしてもよい。なお、この場合、各ロッドの動作を全て逆にする。
【0120】
また、上記各実施形態の各実施例において改良体T1、T2、T4、T6、T7を軸方向に1つ造成する場合について説明したが、各々軸方向に複数造成するようにしてもよい。
【0121】
また、ロッドの周方向に山型または谷型の改良体を造成する場合について説明したが、ロッドの軸方向に山型または谷型の改良体を造成してもよい。この場合における例(実施例11)について図15を参照しつつ具体的に説明すると、例えば第1実施形態のロッド110を用いた場合、施工マシン120によりロッド110を周方向の時計方向に軸回転させるとともに軸方向上方に移動させながら噴射ノズル11から硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、所定の方向に傾斜した第1の板状改良体t11を造成し、そのあとロッド110を周方向の反時計方向に軸回転させるとともに同じ軸方向上方に移動させながら、噴射ノズル11から硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、第1の板状改良体t11と異なる方向に傾斜した第2の板状改良体t12を造成することによって、第1の板状改良体t11と第2の板状改良体t12とからなる周方向に頂点を有する山型の改良体V13を造成する。また、この後、ロッド110を同じ軸方向上方に連続して移動させながら第1の板状改良体t11の造成と第2の板状改良体t12の造成とを順次繰り返すことにより、第1の板状改良体t11と第2の板状改良体t12とからなる複数の山型の改良体V13を連続して造成することによって、ロッド110の軸方向に波型の改良体W81を造成するようにしてもよい。
【0122】
また、実施例11において、第1の板状改良体t11を造成したのちに第2の板状改良体t12を造成してなる山型の改良体V13の造成と、当該山型の改良体V13を連続して造成することによりなる波型の改良体W81の造成について説明したが、第2の板状改良体t12を造成したのちに第1の板状改良体t11を造成してなる谷型の改良体を造成するようにしてもよく、さらに当該谷型の改良体を連続して造成することによって、ロッド110の軸方向に波型の改良体を造成するようにしてもよい。
【0123】
また、さらに上述の実施例11の変形例(実施例12)として、ロッドの噴射ノズルが複数であってもよい。この場合、図16に示すように、例えば第4実施形態のロッド410を用いると、各噴射ノズル41〜43によって第1の板状改良体t11および第2の板状改良体t12からなる山型の改良体V13の造成が軸方向に順次繰り返されるため、所定の間隔だけ軸方向にずれた波状の改良体W81〜W83を互いに交差させて造成することができる。さらに交差によるミキシング効果の向上も期待できる。
【0124】
また、山型または谷型の改良体や、それらからなる波型の改良体を、従来の格子状などの改良体と組み合わせることにより、種々の複合的な改良体を造成してもよい。
【0125】
また、上述の各噴射ノズルの径は大きければ大きいほど噴射する硬化材液の飛距離を大きくすることができるため、噴射ノズルの径を必要に応じて適宜変更するようにしてもよい。
【0126】
また、地盤に対してロッドを所望する方向に挿入することにより、垂直方向、水平方向あるいは斜め方向など任意の方向について改良体造成方法は利用することが可能である。
【0127】
また、硬化材液である場合について説明したが、繊維質を混入させた硬化材液やアスファルト液であってもよい。
【0128】
また、第2〜第5実施形態において、各ノズルから同一の硬化材液が噴射される場合について説明したが、各ノズル毎に任意の液材を噴射するようにしてもよい。
【0129】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0130】
110、210、310、410、510…ロッド
11…噴射ノズル
21、31、41、51…第1の噴射ノズル
22、32、42…第2の噴射ノズル
43…第3の噴射ノズル
51a…第1の補助噴射ノズル
51b…第2の補助噴射ノズル
12…造成管理用目印
12a…角度管理用目印
12b…軸方向管理用目印
120…施工マシン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドの周面に硬化剤液を高圧で径方向に噴射する噴射ノズルを設け、
前記ロッドを地中に挿入し、前記ロッドを一方の周方向に軸回転させるとともに一方の軸方向に移動させながら前記噴射ノズルから硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、所定の方向に傾斜した第1の板状改良体を造成したあと、
前記ロッドを同じ周方向に軸回転させるとともに逆の軸方向に移動させながら、前記噴射ノズルから硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、前記第1の板状改良体と異なる方向に傾斜した第2の板状改良体を造成することによって、
第1の板状改良体と第2の板状改良体とからなる山型または谷型の改良体を造成することを特徴とする改良体造成方法。
【請求項2】
前記ロッドを一方の周方向に連続して回転させながら前記第1の板状改良体の造成と前記第2の板状改良体の造成を順次繰り返すことにより、前記第1の板状改良体と前記第2の板状改良体とからなる複数の山型または谷型の改良体を連続して造成することによって、前記ロッドの周方向に波型の改良体を造成する請求項1に記載の改良体造成方法。
【請求項3】
前記ロッドの周方向に波型の改良体を造成したあと、前記ロッドを周方向に位相をずらして連続して軸回転させながら別の波型の改良体を造成することにより、前記ロッドの周方向に複数の波型の改良体を交差させながら造成する請求項2に記載の改良体造成方法。
【請求項4】
前記ロッドの周方向に波型の改良体を造成したあと、前記ロッドを軸方向の異なる高さ位置において周方向に連続して軸回転させながら別の波型の改良体を造成することにより、前記ロッドの軸方向に複数の波型の改良体を造成する請求項2または請求項3に記載の改良体造成方法。
【請求項5】
前記ロッドの周方向に波型の改良体を造成したあと、前記ロッドを軸方向の異なる高さ位置において周方向に逆位相で連続して軸回転させながら別の波型の改良体を造成することにより、前記ロッドの軸方向に隣り合う波形の改良体同士の頂点が接触した態様の網型の改良体を造成する請求項4に記載の改良体造成方法。
【請求項6】
前記ロッドの周方向に波形の改良体を造成したあと、前記ロッドの前記噴射ノズルを該波型の改良体の頂点付近の高さ位置に配置し、前記ロッドを周方向に軸回転させながら前記噴射ノズルから硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、前記波型の改良体の頂点と接触する平板状の改良体を造成する請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の改良体造成方法。
【請求項7】
前記ロッドの周面における前記噴射ノズルの周方向側において、硬化材液を高圧で径方向に噴射する別の噴射ノズルを設け、各噴射ノズルから硬化材液を噴射させる請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の改良体造成方法。
【請求項8】
前記ロッドの周面における前記噴射ノズルの軸方向側において、硬化材液を高圧で径方向に噴射する別の噴射ノズルを設け、各噴射ノズルから硬化材液を噴射する請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の改良体造成方法。
【請求項9】
前記ロッドの周面における前記噴射ノズルの軸方向側の近傍位置において、硬化材液を高圧で径方向に噴射する補助噴射ノズルを設け、前記噴射ノズルとともに前記補助噴射ノズルから硬化材液を噴射する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の改良体造成方法。
【請求項10】
ロッドの周面に硬化剤液を高圧で径方向に噴射する噴射ノズルを設け、
前記ロッドを地中に挿入し、前記ロッドを一方の周方向に軸回転させるとともに一方の軸方向に移動させながら前記噴射ノズルから硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、所定の方向に傾斜した第1の板状改良体を造成したあと、
前記ロッドを逆の周方向に軸回転させるとともに同じ軸方向に移動させながら、前記噴射ノズルから硬化材液を噴射させ、硬化材液を地盤に混入させることにより、前記第1の板状改良体と異なる方向に傾斜した第2の板状改良体を造成することによって、
第1の板状改良体と第2の板状改良体とからなる山型または谷型の改良体を造成することを特徴とする改良体造成方法。
【請求項11】
前記ロッドを一方の軸方向に連続して移動させながら前記第1の板状改良体の造成と前記第2の板状改良体の造成を順次繰り返すことにより、前記第1の板状改良体と第2の板状改良体とからなる複数の山型または谷型の改良体を連続して造成することによって、前記ロッドの軸方向に波形の改良体を造成する請求項10に記載の改良体造成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−132293(P2012−132293A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107004(P2011−107004)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【特許番号】特許第4785100号(P4785100)
【特許公報発行日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(594051161)
【出願人】(502275001)
【Fターム(参考)】