説明

改良型測定回路内蔵検体測定装置

【課題】液体試料中の検体、即ち指標、例えば血液,尿,血漿または間質液等の体液中のグルコース濃度を測定すること。
【解決手段】本発明は、電圧基準回路320と、少なくとも一つの測定線305と、結果線330と、電圧基準回路320と測定線305との間のバッファ回路とを含む体液試料内の検体である指標を測定するための測定回路324を備え、前記バッファ回路は、その出力部が結果線330に接続される少なくとも一つの演算増幅器を備える。測定回路324は、例えば、血液,血漿,間質液または尿といった体液中のグルコース濃度を送るグルコース濃度測定回路であっても良い。測定回路324は、体液中のグルコース濃度を測定する測定装置の一部を形成するものであっても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体試料中の検体、即ち指標、例えば血液,尿,血漿または間質液等の体液中のグルコース濃度の測定に用いられる、改良型測定回路内蔵検体測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体、例えば、血液,血漿,間質液(ISF)または尿といった体液中の検体、即ち指標、例えば、グルコース,HbAIc(ヘモグロビンAIc),乳酸塩,コレステロールを測定するための測定装置として、使い捨てのテストセンサを用いる。
【0003】
テストセンサは、注目の検体、即ち指標専用であって、計測装置またはシステム内のコネクタ内部に挿入することもできるし、計測装置内部から検査区域へ送ることもできる。テストセンサは、物理的および電気的に測定回路に接続される。
【0004】
通常、試料、例えば、血液,血漿,間質液(ISF)または尿には、多数の水溶性もしくは可溶性成分が含まれ、それらのうちの一つが注目の検体、即ち指標となる。このような計測装置またはシステムを利用することによって恩恵を受ける模範的なユーザ群は、糖尿病に冒された人々や彼らの健康管理者である。
【0005】
図1は、プリント回路基板(PCB)11と、マイクロコントローラ12と、特定用途向け集積回路(ASIC)14と、サーミスタ16と、片ポート18と、ボタン20と、ディスプレイ22と、シリアルポート(データジャック)24を備える、従来技術の計測器10を示す。
【0006】
図1は、ASIC14およびサーミスタ16を備える、一実施例の計測器10を示す。片ポート18は、テストセンサ、例えば検査片を受け入れるように設計されている。ASIC14は、片ポート18およびサーミスタ16を介して片(図2に示すアイテム110)から受け取るアナログ信号をデジタル信号に変換する。サーミスタ16は市販の電子部品であって、その電気抵抗は周辺温度によって変化する。ディスプレイ22は、カスタム・セグメント・ディスプレイである。マイクロコントローラ12は、ASIC14から送られるデジタル信号を検体測定結果に変換し、サーミスタ16から送られる信号に基づいて、その結果を温度補正するように設計されているソフトウェアを備える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、液体試料中の検体、即ち指標、例えば血液,尿,血漿または間質液等の体液中のグルコース濃度の測定に用いられる、改良型測定回路内蔵検体測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の多くの態様は、以下のパラグラフとその一部を以下に示す詳細な説明から明らかである。
【0009】
一実施例において、本発明は、電圧基準回路と、少なくとも一つの測定線と、結果線と、前記電圧基準回路と前記測定線との間のバッファ回路とを含む体液試料内の検体である指標を測定するための測定回路を備え、前記バッファ回路は、その出力部が前記該結果線に接続される少なくとも一つの演算増幅器を備える。
【0010】
前記測定回路は、例えば、血液,血漿,間質液または尿といった体液中のグルコース濃度を送るグルコース濃度測定回路であっても良い。
【0011】
さらに、前記測定回路は、体液中のグルコース濃度を測定する測定装置の一部を形成するものであっても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、血液,血漿,間質液または尿といった体液中のグルコース濃度を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
単なる一例として、本発明の原理を利用した具体的な実施形態を示す以下の詳細な説明と、添付の図面を参照することによって、本発明の特徴と利点をさらに理解することができる。
【0014】
図2は、筐体102と、ボタン104と、シリアルポート106と、ディスプレイ108と、テストセンサ、例えば試薬片110と、片反応帯112と、試料滴,例えば間質液,血漿,血液,あるいは検査溶液114と、パーソナル/ネットワークコンピュータ116を備える計測器100を示す。
【0015】
試薬片110付き計測器100は、健康管理の専門家、もしくは血糖を自己監視している在宅の素人によって、検体、例えば毛細管血などの体液中のグルコースなどの定量に用いられる。結果は、ディスプレイ108にmg/dl、もしくはmmol/lで表わされる。
【0016】
ここで、このシステムは、少なくとも一つの使い捨て試薬片110と、手持ち式の計測器100の筐体102、およびオプションとしてパーソナル/ネットワークコンピュータ116を備える。
【0017】
ユーザは、試薬片110の一端を計測器100の筐体102に挿入し、他端に少量(およそ1μl)の検査溶液(血液試料)114を付ける。上記検査溶液(血液試料)114にわずかな電圧を印加し、結果として生じる電流対時間を測定することによって、計測器100はグルコース濃度を判定することができる。その結果は、計測器100の液晶のディスプレイ108に表示される。
【0018】
計測器100は、通常、日時スタンプとともに各グルコース測定値をメモリ(不図示)に記録する。ユーザは、適切な内部もしくは外部のソフトウェアを用いて、これらの測定値を取り消すことができる。そして、ユーザは、ディスプレイ108でグルコース測定値を見たり、グルコース測定値をPC、即ちパーソナル/ネットワークコンピュータ116にダウンロードしてさらに解析したりすることができる。
【0019】
図3は、プリント回路基板(PCB)201と、マイクロコントローラ202と、ボタン204と、シリアルポート(データジャック)206と、片ポート208と、LCDディスプレイ210を備える、本発明に係る計測器200の一実施形態を示す。
【0020】
以下に説明するように、本実施形態のマイクロコントローラ202は、最新デジタル信号処理機能を有し、ASIC14およびオプションとして、サーミスタ16(いずれも図1に示す)が先に行った作業を行うことができる。
【0021】
図4は、検体測定モジュール300、ユニット式筐体301、個別アプリケーションモジュール302、基本検体測定回路304、オプションとして入出力測定線305、マイクロコントローラ306、あらかじめ搭載されたソフトウェア307(例:ファームウェア)、クロック308、第一の検体測定アルゴリズム309、双方向通信回線310、追加のハードウェア312、ユーザインターフェース314、追加のソフトウェア316、および追加の通信回線318を示す。
【0022】
検体測定モジュール300は、有線接続、無線接続の少なくとも一方を含む双方向通信回線310を介して外部の個別アプリケーションモジュール302に接続される。
【0023】
検体測定モジュール300は、血糖濃度を測定する、もしくは例えば、尿,血液,血漿,間質液といった体液中のグルコースやその他の検体、例えばHbAIC(ヘモグロビンAIC)やコレステロール等と関連するパラメータを測定するように設計された構成要素(ソフトウェアおよびハードウェア)を備えていても良い。
【0024】
以下に説明するように、検体測定モジュール300は、入出力測定線305を介して試料液体中の検体、即ち指標の検査を行うように構成された基本検体測定回路304を備える。
【0025】
例えば、アメリカ合衆国カリフォルニア州ミルピタスの、ライフスキャン社から入手可能なOne Touch Ultra検査片等、血糖濃度を検査するための試薬(検査)片(図2のアイテム110)を用いて検査を行っても良い。
【0026】
基本検体測定回路304は、マイクロコントローラ306内のソフトウェア307に接続され、ソフトウェア307に制御される。マイクロコントローラ306は、特定の体液中の特定の検体、即ち指標を検査するためにあらかじめ搭載されたソフトウェア307を含む。
【0027】
例えば、マイクロコントローラ306は、血液中のグルコース濃度を判定するための血糖濃度アルゴリズム309を含んでもいても良い。そのようなアルゴリズムの一例がOne Touch血糖監視システム内で既に利用されている(One Touchシステムはアメリカ合衆国カリフォルニア州ミルピタスの、ライフスキャン社から入手可能である)。
【0028】
また、検体測定モジュール300は、マイクロコントローラ306への入力として、ソフトウェアの実行を促進するために、クロック308、例えば水晶発振子を備えていても良い。オプションのクロック308もしくは追加のリアルタイムクロック(不図示)は、マイクロコントローラ306への入力として機能する。これにより、基本検体測定回路304の動作、もしくは相互作用(例えば、測定中のカウントダウン)を促進することができる。
【0029】
追加のソフトウェア316は、第二のあるいは更に別の検体測定アルゴリズムやデータ操作機能、例えば7、14、21日間にわたるデータ平均化やトレンド解析等を含んでいても良い。
【0030】
追加のハードウェア312は、一つ以上のPCB,ユニット式筐体301、バッテリ機能,データベース,追加のメモリ,ディスプレイを含んでいても良い。
【0031】
追加の通信回線318は、無線機能もしくは有線機能であっても良いし、無線機能もしくは有線機能を含んでいても良い。
【0032】
図5は、ユニット式筐体301内に示される検体測定モジュール300および個別アプリケーションモジュール302をより詳細に示す。特に、図5は、基本検体測定回路304と、測定線(オプションとして、入出力測定線)305と、マイクロコントローラ306と、クロック308、例えば水晶発振子とを含む検体測定モジュール300を示す。
【0033】
さらに、図5は、第一の双方向通信回線(オプションとして無線)310、個別アプリケーションモジュール302、追加のハードウェア312、ユーザインターフェース314、追加のソフトウェア316、追加の通信回線318、電圧基準回路320、測定回路324、例えば、電流−電圧変換器、測定制御/結果線330、オプションの片ポートコネクタ332、オプションの不揮発性メモリ334、例えばEEPROM、オプションの第二の双方向通信回線336、オプションの静電放電保護回路338、オプションのシリアルポート340(データジャック)、オプションの第三の通信回線342、およびオプションのクロック通信回線346を含む。図5に点線で示した項目のうちの一つ以上はオプションである。
【0034】
当業者であれば、オプションの入出力測定線305と双方向通信回線310のうちのいずれか一方、もしくは両方および/または追加の通信回線318は、有線および/または無線接続、例えばシリアルケーブルもしくはパラレルケーブル、ファイアウェアケーブル(高速シリアルケーブル)、USB、赤外線、RF、RFID、ブルートゥース、WIFI(例えば、802.1IX)、ZIGBEE、その他の通信媒体、プロトコル、データ線、もしくはそれらの組み合わせであっても良いし、それらを含んでいても良いことは理解できる。
【0035】
入出力測定線305は、片ポートコネクタ332を測定回路324に接続する。測定回路324は、電流−電圧変換器の形態であっても良い。測定回路324は、電圧基準入力を必要としても良い。
【0036】
これは、一定基準電圧を利用可能な電圧基準回路320から得ることができる。また、電圧基準回路320は、マイクロコントローラ306内のアナログ−デジタル変換器によって用いられる一定基準電圧をマイクロコントローラ306に対して提供することができる。測定回路324は、測定制御/結果線330を介してマイクロコントローラ306に接続される。
【0037】
不揮発性メモリ334は、双方向通信回線336を介してマイクロコントローラ306と通信する。従って、最新結果や最新n個の結果(ここで、nは例えば、50、100、200、300、400、500)、テストセンサの特定のバッチに関する測定コード情報等を保存することができる。
【0038】
従って、マイクロコントローラ306の電源を切るときは、これらの情報を不揮発性メモリ334内に保持することができる。当業者であれば、検体測定モジュール300内の不揮発性メモリ334を有することは可能であるが、そうする必要はないことは理解されるであろう。
【0039】
これは、不揮発性メモリ334内に保存された情報をアプリケーションモジュール302内のその他の記憶装置から双方向通信回線310を介してアップロードすることができるからである。
【0040】
実際に、マイクロコントローラ306内のメモリを図4の血糖モジュール内の代替物として用いることができる。
【0041】
低蓄電池電圧でも効果的に計測器を動作させるためにメモリが必要となる場合は、この後者のオプションは、適当ではない。この場合は、図5の個別不揮発性メモリが好適である。
【0042】
アプリケーションモジュール302内の追加のハードウェア312は、オプションとしてリアルタイムクロックを備えているので、特に、日時スタンプを各々の結果とともに保存する場合は、アプリケーションモジュール内に一つ以上の検体測定結果を保存することもオプションである。
【0043】
オプションとして、検体測定装置またはシステム内で検体測定モジュール300およびアプリケーションモジュール302を一体化することができることは、当業者には明らかである。
【0044】
ESD(静電放電)に対して脆弱であると考えられる構成要素や線に対して、オプションの静電放電(ESD)保護回路338によって静電放電が保護される。
【0045】
シリアルポート340によって、アナログ入出力信号がオプションの第三の双方向通信回線342を介して、マイクロコントローラ306へ、そしてマイクロコントローラ306から供給される。クロック308は、クロック通信回線346によってマイクロコントローラ306に接続される。
【0046】
図6、および8A〜8Dは、それぞれ、例えば、検査片の形態で使い捨てテストセンサを用いて血糖濃度を検査する計測器350のブロック図および詳細な回路図を示す。
【0047】
計測器350は、マイクロコントローラ306、オプションの測定入出力線である入出力測定線305、クロック308、第一の双方向通信回線310、電圧基準回路320、バッテリ回路321、例えば、電流−電圧変換器等の測定回路324、第一の電圧基準線326、第二の電圧基準線328、測定制御/結果線330、片ポートコネクタ332、不揮発性メモリ334、第二の双方向通信回線336、静電放電保護回路338、シリアルポート(入出力ポートもしくはデータジャック)340、ボタンモジュール352、LCDディスプレイ回路354、およびバックライト回路356を含む。
【0048】
図7A〜7Dは、本発明の模範的な一実施形態に係る、血糖モジュールの詳細な回路図を示す。図7A〜7Dに示す検体測定モジュール300は、マイクロプロセッサ306と、クロック回路308と、第一の発振器回路358と、第二の発振器回路360と、電圧基準回路320と、バッテリ回路321と、プログラマブルノード362と、ESD保護回路338と、測定回路324と、片ポートコネクタ回路332と、構成要素333を搭載したPCBと、第一の電圧基準線326と、第二の電圧基準線328と、リセット回路「BGMリセット」とを含む。
【0049】
図7A〜7Dを簡単に参照すると、一例として、血糖モジュール300、オプションの測定入出力線である入出力測定線305、マイクロコントローラ306、クロック308、電圧基準回路320(二ヶ所)、バッテリ回路321、測定回路324、電圧基準線326,328、測定制御/結果線330、片ポートコネクタ接続点332、個別PCBに実装される構成要素333、ESD保護回路338(図7A〜7DのU3)、第一の発振器回路358、第二の発振器回路360、プログラマブルノード362、対応するウェークアップ線Aux Wake up B、C、D、Eと線もしくはESD保護回路338(図7A〜7DのU3)上の一連のプルアップ抵抗R16、R25、R7、R42、R43、R44、およびダイオードD6、D7、D11、D8、D9、D10が示されている。
【0050】
図6、8A〜8Dから、片ポートコネクタ332が測定回路324に接続されることがわかる。One Touch Ultra片の場合、電圧基準回路320は、例えば400mVの電圧基準を測定回路324に供給する。電圧基準回路320は、電圧基準集積回路、例えばナショナルセミコンダクタ社から入手可能なLM41201M5−1.8を用いる。これは非常に正確な電圧基準回路であって、非常に良好な温度係数(50ppm/℃)を有する。
【0051】
測定回路324は、片ポートコネクタ332のピン1、2に対して、例えば二本の個別線上の400mVの電圧基準を供給する。測定回路324は、二つの演算増幅器U2BおよびU2A、例えば、テキサスインスツルメンツ社から入手可能なTLV2762CD等の1.8Vのマイクロパワー・レイル・トゥ・レイルのデュアルアンプを用いる。
【0052】
片ポートコネクタ332は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ミルピタスの、ライフスキャン社から入手可能なOne Touch Ultra計測器内で用いられているものと同じものであって良い。
【0053】
通常、片ポートコネクタ332内に挿入される片は、検査片上の一つの参照電極を参照する第一の作用電極と第二の作用電極によって二つの電気化学回路を形成することができる。
【0054】
通常の検査片は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ミルピタスの、ライフスキャン社から入手可能なOne Touch Ultra検査片である。
【0055】
例えば、不揮発性メモリ334は、ATMELセミコンダクタ社から入手可能な24256である。
【0056】
LCDディスプレイ回路354と不揮発性メモリ334はICインタフェースを用いるため、両方を同一ポートもしくはマイクロコントローラ306に接続し、マイクロコントローラ306によって個別にアドレスを割り付けることができる。
【0057】
マイクロコントローラ306は、テキサス州ダラスのテキサスインスツルメンツ社から入手可能なマイクロプロセッサMSP430x13x、MSP430x14x、MSP430x14x1ファミリ、例えば、MSP430F133、MSP430F135、MSP430F147、MSP430F1471、MSP430F148、MSP430F1481、MSP430F149、MSP430F1491から形成することができる。
【0058】
これらのマイクロコントローラは、8KB+256Bフラッシュメモリと256BのRAMから60KB+256Bフラッシュメモリと2KBのRAMの範囲のメモリを有する。
【0059】
また、オプションとしてマイクロコントローラ306上のシリコン温度ダイオードの形態で、個別サーミスタの代わりにオンチップ温度センサがオプションとして用いられる。
【0060】
マイクロコントローラ306上の温度センサは、検体測定装置の通常動作範囲0−50℃を十分上回るマイクロコントローラの動作範囲を超える温度変化(3.55mV/℃±3%)に対する線型応答を有し、温度を判定するために用いることができる。
【0061】
そして、検体測定アルゴリズム、もしくはマイクロコントローラ306内のアルゴリズムの一部としての用途のいずれかの検体測定結果に温度補正要素を適用することができる。
【0062】
従って、マイクロコントローラ306は、シリコン温度センサを用いて内部の周辺温度を測定する機能を有する。
【0063】
この種の温度センサは、通常のサーミスタと比較してその精度と線状性が向上している。
【0064】
クロック308は、二つの発振器回路、例えば5.8MHzの高速の発振器回路358と例えば32.76kHzの低速の発振器回路360で構成されている。
【0065】
32.76kHzの発振器回路は常にオンであって、リアルタイムクロックの特徴長を提供するために用いられる。これにより、日時スタンプ情報を結果、例えばグルコース濃度測定結果に追加することができる。発振器回路358は、マイクロコントローラ306上のソフトウェアを適切な速度で実行するために用いられる。
【0066】
図8A〜8Dの計測器350の回路を以下により詳細に述べる。
【0067】
片ポートコネクタ332のピン1は、抵抗R1を介して測定回路324内の演算増幅器U2Bの負入力に接続される。また、片ポートコネクタ、即ち回路332のピン1は、静電放電集積回路338のピン2に接続される。
【0068】
さらに、片ポートコネクタ332のピン2は、抵抗R2を介して測定回路324内の別の演算増幅器U2Aの負入力と静電放電集積回路338のピン1に接続される。片ポートコネクタ332のピン3は、アナロググランドに接続され、片ポートコネクタ332のピン4は、デジタルグランドに接続される。また、片ポートコネクタ332のピン5は、抵抗R25を介して電圧供給レイルに接続される。
【0069】
電圧基準回路320内の集積回路は、いずれもピン5からの二つの出力を有する。第一の出力は、抵抗R5、R17、R18、R23、およびR24を介して測定回路324の第一および第二の演算増幅器U4A,U2Bの正入力に接続される。
【0070】
抵抗R5、R17、およびR18は、400mVの合成基準電圧の分圧器となる。さらに、電圧基準回路320は、1800mVの電圧基準をマイクロコントローラ306のピン10に供給する。
【0071】
測定回路324の第一および第二の演算増幅器U4A,U2Bからの出力は、測定制御/結果線330によってマイクロコントローラ52のピン59、60にそれぞれ接続される。
【0072】
また、測定回路324の演算増幅器U2A,U2Bからの出力は、反転フィードバック構成の測定回路324の演算増幅器の負入力に接続される。
【0073】
コンデンサC24,C27は、反転フィードバックループ内のノイズを削減するためのフィルタとなる。
【0074】
電圧基準回路320のピン3は、切り替え可能電源電圧と、測定回路324内の演算増幅器のうちの一つもしくは両方に接続される(より低い演算増幅器U4Aのピン8参照)。電圧基準回路320のピン2は、アナロググランドに接続される。
【0075】
静電放電回路338は、例えばアメリカ合衆国カリフォルニア州、マキシム社から入手可能な入力ESD保護アレイMax3204やMax3206等の集積回路を備える。
【0076】
静電放電回路338は、線344、342によってマイクロコントローラ306に接続される(図6参照)。また、シリアルポート340は、通信回線342によってマイクロコントローラ306と静電放電保護回路338に接続される。
【0077】
さらに、片ポートコネクタ332、シリアルポート340、およびボタンモジュール352を各々マイクロコントローラ306に接続する線上の静電放電(ESD)保護回路338によってオプションのESD保護が提供される。
【0078】
これらの三アイテムは、しばしばユーザによって接触させられるか、もしくは近づけられる。そのため、静電気によるダメージを受けやすい。従って、これらの線上で静電放電(ESD)保護回路338を用いる。
【0079】
四つの発光ダイオードD2,D3,D4,D5は、バックライト回路356内の関連抵抗R27,R28,R29,R30と並列接続される。これらの発光ダイオードD2,D3,D4,D5は、フィリップスエレクトロニクス社から入手可能な電界効果トランジスタBSH103によって制御され、同時係属出願「計測器内バックライト提供機構」(同じ出願人による添付のDDI5068)で述べられているように、個別のバッテリによって電源が供給される。電界効果トランジスタは、マイクロコントローラ306上のピン31によって制御される。
【0080】
ボタンモジュール352内のスイッチは、「プルアップ」抵抗を介してマイクロコントローラ306のピン13、14、16に接続される。
【0081】
不揮発性メモリ回路334(ATMELセミコンダクタ社から入手可能なIC24256)は、マイクロコントローラ306内のピン26、27に接続される。
【0082】
クロック回路358、360内の水晶発振子X1,X2は、マイクロコントローラ306のピン8とピン9との間、およびピン52とピン53との間に接続する。
【0083】
図6、8A〜8Dからわかるように、基本検体測定回路(測定モジュール)304は電圧基準回路320と測定回路324を含む。測定回路324は、例えば通常400mVの電源レイル326とともに提供される。
【0084】
測定回路324は、上述したように、少なくとも二つの演算増幅器U2A、U2Bを備える。測定回路324内の演算増幅器U2A、U2Bは、その正入力で、電圧基準回路320から電圧基準(400mV)を受け取る。
【0085】
演算増幅器U2A、U2Bは、この電圧をバッファする。これにより電圧基準回路320をロードせずに、400mVを片ポートコネクタ332に送ることができる。
【0086】
また、演算増幅器U2A、U2Bの正入力および負入力間の有意差がなくなるまで、400mVの出力が調整されるように、少なくとも一つ、通常は両方の演算増幅器は負フィードバックモードである。
【0087】
一つの演算増幅器U2Bは、作用電極1(片ポートコネクタ回路332上のピン1)から引き出された電流を測定制御/結果線330に沿って図7に示すマイクロプロセッサ306に送られる電圧に変換する電流−電圧変換器として用いられる。
【0088】
これは、片ポートコネクタ(SPC)332のピン1を(オプションとして抵抗Kを介して)演算増幅器U2Bからの出力(Vo/p)とともに、演算増幅器U2Bの負入力(V−in)に接続することによって行われる。
【0089】
その基準電圧は、演算増幅器U2Bの正入力(V+in)に印加される。
【0090】
従って、演算増幅器U2Bは、引き出される電流を補償するために出力電圧を引き上げることによって、その入力間の最小電圧差を保持するように動作する。
【0091】
従って、出力電圧は、基準電圧+出力・負入力間の抵抗を乗じた電流と等しい(Vin≒V+in、つまりVo/p=Vref+I×R)。ここで、Iは片ポートコネクタ(SPC)332(つまり検査片)によって引き出される電流を表わす。
【0092】
同様に、他の演算増幅器U2Aは、作用電極2(片ポートコネクタ回路332のピン2)から引き出された電流を測定制御/結果線330に沿って図8A〜8Dに示すマイクロコントローラ306に送られる電圧に変換する電流−電圧変換器として用いられる。
【0093】
測定回路324は、400mVの電圧を検査片上の第一、および第二の作用電極それぞれに印加する。そして、これらの作用電極と(片ポートコネクタ332のピン3に接続される)片上の参照電極間で引き出される電流を測定する。
【0094】
検査片上の一つもしくは二つの作用電極から引き出される電流は、一つもしくは二つのアナログ電圧として、測定制御/結果線330によってマイクロコントローラ306に送られる。マイクロコントローラ306内のアナログ−デジタル変換器は、これらのアナログ電圧をデジタル信号に変換する。
【0095】
マイクロコントローラ306は、オプションとして16ビット以上のマイクロコントローラであり、オプションとして、アナログ信号、およびデジタル信号の両方を受信して、処理することができる混合信号マイクロプロセッサである。
【0096】
マイクロコントローラ306内にあらかじめ搭載されたソフトウェアは、オプションとして、血糖アルゴリズムおよび温度補正アルゴリズムを含む。
【0097】
血糖アルゴリズムは、一つの作用電極で測定された電流、もしくは、経過時間とともに二つの作用電極で測定された平均電流をグルコース濃度に変換するために用いられる。
【0098】
次に、マイクロコントローラ306内の組み込み温度ダイオードによって、温度を測定し、その結果に対して温度補正アルゴリズムを適用することができる。
【0099】
通常、測定回路324は、電流ではなく、測定回路から引き出された電流を表わす電圧をマイクロコントローラ306に送る。
【0100】
そして、マイクロコントローラ306は、この電圧を電流に似た値に変換し、時間に関して、電流過渡応答を提供する。
【0101】
5秒後に発生した電流は、既知の数式および測定コード情報を用いてグルコース濃度に変換される。その数式は、Y=MX+Cである。ここで、Xは時間、Yは5秒間の電流、MとCは通常、不揮発性メモリ334から検索された測定定数である。
【0102】
ボタンモジュール352は、ユーザインターフェース314の動作を制御する。
【0103】
LCDディスプレイ回路354は、マイクロコントローラ306から得られた結果を表示する。
【0104】
ボタンモジュール352とマイクロコントローラ306を介して、バックライト回路356を作動させることによって、LCDディスプレイ回路354上の表示を向上させることができる。
【0105】
そのすべての内容が援用文献として本願に組み込まれている同時係属出願「血糖監視ユーザインターフェース」(同じ出願人による添付のDDI5061)で述べられているように、ボタンモジュール352を用いることによって、ユーザインターフェースを操作することができる。
【0106】
一実施形態のボタンモジュール352は、3つのボタン(「OK」、「UP」、「DOWN」)を含む。
【0107】
オプションとして、以下で説明するようにバッテリ交換中にVSO回路(電圧供給回路)内のコンデンサを放電するために用いられるほか、OKボタンを数秒間押下することによって計測器をオンしたり、強調表示されたアイテムをLCDディスプレイ回路354上のカーソルによって選択したり、OKボタンを数秒間押下することによってバックライトのON/OFFをトグル(toggle)することができる。同様に、オプションとして、「UP」「DOWN」ボタンも複数通りに用いることができる。
【0108】
各ボタンは、図8Cのプルアップ抵抗R7、R16、R15によって電圧供給に接続され、ポートP1を介して、特にピンP1.4、P1.2、P1.1によってマイクロプロセッサに接続される。
【0109】
従って、計測器からバッテリを外した後の数秒間、これらのボタンのいずれかを数秒間押下することによって、電圧供給回路VSOのコンデンサC4,C22の放電を助けることができる。
【0110】
C4は、10μFのコンデンサで、二つのコンデンサの内のより大きい方であり、100nFのC22よりも追加の放電を必要とする。
【0111】
通常、より低い値に設定することも可能であるが、プルアップ抵抗は約100kΩである。10kΩに設定することによって、電圧供給時、例えばバッテリ交換中に、コンデンサ放電をより速くすることができる。
【0112】
このように、コンデンサの放電により、コンデンサの放電を可能にするには不十分な期間に、ユーザが迅速なスイッチオン動作後に引き続きスイッチオフ動作を行う可能性が低減される。
【0113】
十分な時間、もしくはその他の放電動作がなくても、コンデンサは、ピン64およびピン1の電圧供給入力を介してマイクロコントローラ306に、電圧を印加し続けることができる。このとき、潜在的な結果として、コンデンサからの擬似入力電圧により、マイクロコントローラ306がハング(hang)アップする。
【0114】
一つ以上のボタンを用いて迅速な放電を促進することによって、これに対する解決法を提供することができる。
【0115】
本願で説明した本発明の実施形態の様々な代替物を採用して本発明を実施することができることは明らかである。添付の請求項が本発明の範囲を定義し、それにより、これらの請求項およびその等価物の範囲内の方法および構成をカバーすることを目的としている。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】従来技術に係る計測器を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、例えば計測器と片を含む装置を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る計測器を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る、検体検査モジュール(例えば、血糖モジュール)、および検体検査モジュールに接続し、さらに追加の構成要素もしくは機能を備える個別アプリケーションモジュールを備える計測装置を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る、検体測定モジュール(例えば、血糖モジュール)および個別アプリケーションモジュールを備える計測装置のより詳細を示すブロック図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係る、血糖モジュールおよび統合アプリケーションモジュールを備える血糖計測装置を示す回路ブロック図である。
【図7a】本発明の模範的な一実施形態に係る、血糖モジュールの詳細を示す回路図である。
【図7b】本発明の模範的な一実施形態に係る、血糖モジュールの詳細を示す回路図である。
【図7c】本発明の模範的な一実施形態に係る、血糖モジュールの詳細を示す回路図である。
【図7d】本発明の模範的な一実施形態に係る、血糖モジュールの詳細を示す回路図である。
【図8a】図7に示した血糖計測器のより詳細を示す回路図である。
【図8b】図7に示した血糖計測器のより詳細を示す回路図である。
【図8c】図7に示した血糖計測器のより詳細を示す回路図である。
【図8d】図7に示した血糖計測器のより詳細を示す回路図である。
【符号の説明】
【0117】
100 計測器
102 筐体
104 ボタン
106 シリアルポート
108 ディスプレイ
110 試験片
114 検査溶液
116 パーソナル/ネットワークコンピュータ
200 計測器
202 マイクロコントローラ
204 ボタン
206 シリアルポート
208 片ポート
210 ディスプレイ
300 検体測定モジュール
301 ユニット式筐体
302 個別アプリケーションモジュール
304 基本検体測定回路
305 入出力測定線
306 マイクロコントローラ
307 ソフトウェア
308 クロック
309 第一の検体測定アルゴリズム
310 双方向通信回線
312 追加のハードウェア
314 ユーザインターフェース
316 追加のソフトウェア
318 追加の通信回線
320 電圧基準回路
324 測定回路
330 測定制御/結果線
332 片ポートコネクタ
334 不揮発性メモリ
336 第二の双方向通信回線
338 静電放電保護回路
340 シリアルポート
342 第三の通信回線
346 クロック通信回線
350 計測器
352 ボタンモジュール
354 LCDディスプレイ回路
356 バックライト回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧基準回路と、少なくとも一つの測定線と、結果線と、前記電圧基準回路と前記測定線との間のバッファ回路とを含む体液試料内の検体である指標を測定するための測定回路を備え、
前記バッファ回路は、その出力部が前記結果線に接続される少なくとも一つの演算増幅器を備える、ことを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記測定回路は、例えば血液,血漿,間質液または尿といった体液中のグルコース濃度測定回路である、ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記測定回路は、体液中のグルコース濃度を測定する測定装置の一部を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【公表番号】特表2008−525813(P2008−525813A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548901(P2007−548901)
【出願日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【国際出願番号】PCT/GB2005/005106
【国際公開番号】WO2006/070200
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(502328710)ライフスキャン・スコットランド・リミテッド (70)
【住所又は居所原語表記】Beechwood Park North,Inverness IV2 3ED
【Fターム(参考)】