改良型送達機器を備える地表下土壌への注入装置
土壌の中の所定点において、離散的所定量の材料を土壌の中に導入するための装置が提供される。本装置は、土壌の中に導入される材料を保持するための容器(50)と、その第1の端部で容器(50)と流体的に連続する配管(86、88)とを備える。配管(86、88)の第2の端部と流体的に連続する少なくとも1つの電気制御注入器(212)が設けられる。また、基部(201)と、基部の表面に取り付けられる注入器装着用部材(203)とを備える、少なくとも1つのシャンク(200)が設けられ、注入器装着用部材は、電気制御注入器を基部(201)に取り外し可能に装着するように構成される。さらに、電気制御注入器(212)を作動して、材料を土壌の中に導入するための制御器(213)が設けられる。従って、土壌の中への材料の注入に関する強化された制御が達成され、保守が容易に実行され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植裁用の土壌を準備するための、ヨードメタン、あるいは肥料、燻蒸剤、非燻蒸殺虫剤、生物学的製剤、およびその他の化学物質を含むがそれらに限定されない代替物質(以下「製品」)の送達を改善する、装置および独特な方法論に関する。より具体的には、本発明は、材料を地表下(subsurface)土壌に注入するための装置に関し、本装置は材料を土壌の中に注入するための改良型機器を有する。
【背景技術】
【0002】
ヨウ化メチルが土壌燻蒸剤として使用されることは、周知である。特許文献1および特許文献2に記載のように、ヨウ化メチル(以下「ヨードメタン」)は、菌類、細菌、ウィルスのような土壌伝染性植物病原菌、線虫、昆虫およびクモ形類(卵、幼虫、蛹、および成虫を含む)、ならびに雑草を効果的に管理するために使用されている。
【0003】
また、物質または化学物質を土壌に施すための機器およびシステムが存在する。このようなシステムの1つは、特許文献3に記載されており、本特許は、肥料、殺虫剤、および燻蒸剤のような化学物質の地表下施肥のための装置および方法に関する。
【0004】
特許文献4は、肥料施肥機について記載しており、ここで、施肥機はシャンクの後部に装着されており、液体肥料が調整圧力下でタンクからノズルに供給され、所望の圧力範囲内で、液体肥料の連続的な放出を提供する。
【0005】
また、特許文献5は、アンモニアを土壌に施すためのシステムについて記載しており、ここで、複数の分配管の各々の端部に定圧力流量制御器が配置されている。
【特許文献1】米国特許第5,753,183号明細書
【特許文献2】米国特許第5,518,692号明細書
【特許文献3】米国特許第6,029,590号明細書
【特許文献4】米国特許第3,863,842号明細書
【特許文献5】米国特許第5,967,066号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
化学物質を土壌に施すための公知の機器は、材料を噴霧することによって、またはその他のいくつかの持続的方式で材料を施すことによって、土壌を通過する1つのパスの間、土壌に材料の一定の流れを施す。従って、今日使用されている燻蒸機器は、対象面積の中に連続的な流れとして材料を散布する。それに伴って、対象面積に施される材料は大量となる。対象土壌面積に化学物質をより効果的かつ精密に散布することが、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従って、土壌の中の所定の間隔で、離散的(discrete)所定量の材料を土壌の中に導入するための装置が提供される。本装置は、土壌の中に導入される材料を保持するための容器と、1つの端部で容器と連結され、かつ材料を土壌の中に導入するための遠位端を有する配管とを含む。材料を土壌の中に導入中に、配管の遠位端を土壌の所定の深さに配置するための1つ以上のシャンクが設けられる。配管を通る材料の流れを制御するために、スイッチ(ソレノイドスイッチのような)が設けられる。スイッチは、土壌の中の所定点において離散的所定量の材料を土壌の中に導入するための開放状態と、土壌の中の所定点と所定点との間にシャンクが位置するときの閉鎖状態との間で、動作可能である。
【0008】
材料を土壌に施すための方法がまた、本発明に従って提供される。本方法は、土壌の中の直線経路に沿った所定の間隔または距離で、離散的所定量の材料を土壌の中に導入するステップを含む。材料は、各点から土壌の中に拡散し、その対象の有害生物(pest)および作物に応じて、土壌の中で重複し得る拡散パターン(例えば、樹木およびつる植物は重複パターンを有し得ない)を提供する。
【0009】
代替的な実施形態において、土壌の中の複数の所定点において、離散的所定量の材料を土壌の中に導入するための装置が提供され、本装置は、土壌の中に導入される材料を保持するための容器と、その第1の端部で容器と流体的に連続する配管と、を備える。少なくとも1つの電気制御注入器が、配管の第2の端部と流体的に連続して設けられる。基部と、基部の表面に取り付けられる注入器装着用部材とを備える、少なくとも1つのシャンクが設けられ、注入器装着用部材は、電気制御注入器を基部に取り外し可能に装着するように適合される。さらに、電気制御注入器を作動させるための制御器が設けられ、基部に装着された電気制御注入器が、土壌の中の所定点で離散的所定量の材料を土壌の中に導入する。
【0010】
さらに、シャンクが設けられ、シャンクは、板と、基部の表面に取り付けられる注入器装着用部材であって、電気制御注入器を取り外し可能に装着するように適合される注入器装着用部材と、注入器装着用部材に取り外し可能に装着される電気制御注入器を土壌から遮蔽するために、基部に取り付けられる遮蔽部と、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に従って、製品を施す新しい方法が提供され、本方法は、対象土壌面積に対してより効果的かつ精密に散布する改良された送達を達成し得る。本発明の方法による土壌処理は、本発明の改良型送達機構によって、現在使用されているものよりも流量を減らす。本発明に従って土壌に注入される化合物は、ヨードメタンを含むが、しかし本発明は、ヨードメタンまたは燻蒸剤の施肥だけに限定されない。肥料、生物学的製剤、および非燻蒸殺虫剤のようなその他の化合物を単独で、あるいはヨードメタンと組み合わせて施すこともまた、本発明の範囲内に含まれる。例えば、本発明の装置および方法は、カリフォルニア州、ロングビーチのNiklor Chemicals Mojave社より市販されている燻蒸剤クロロピクリン(トリクロロニトロメタン)、インディアナ州、インディアナポリスのDow AgroSciences社より市販されている燻蒸剤Telone−35(1,3−ジクロロプロペンおよび35%クロロピクリン)、ルイジアナ州、バトンルージュのAlbermarle Corporationより市販されている燻蒸剤臭化プロパルギル(3−ブロモプロピン)、イリノイ州、リバティービルのValent BioSciences社より市販されている液体生物学的殺線虫剤Ditera(タンパク質、糖類、および脂質を主に含む線菌綱クワ暗斑病菌種からの天然物)、ジョージア州、パウダースプリングスのAjay North America社より市販されている液体Plant Pro 45(3%のヨウ素ベースの成分)、カリフォルニア州、ブレアのProdica社より市販されている液体肥料CAN−17(硝酸カルシウムアルミニウム17%溶液)、とりわけ、カリフォルニア州、サリーナスのSoil Serve社より市販されている液体肥料UN−20(尿素窒素20%溶液)、およびカリフォルニア州、サクラメントのAgra Quest社より市販されている水溶液中に懸濁される液体枯草菌(Bacillus subtilus)の、化学材料および生物学的材料を土壌に導入するために使用され得る。本発明に従った土壌への注入に適したシュードモナス属特効薬のような他の化学材料および生物学的材料が、当業者には明らかである。本発明に従って土壌に導入される材料は、液体または気体のどちらでもあり得る。
【0012】
燻蒸剤のような、本発明の装置および方法に従って土壌に導入される揮発成分を含む材料は、有利にも注入場所から全方向に拡がる拡散パターンを形成する。揮発成分を含有しない肥料のような材料は、一般的には、植物の根域にまたは根域付近に置かれる。本発明の装置および方法に従って、これらの種類の材料は、この位置に正確に置かれ得る。従って、これらの種類の材料は、揮発成分を含まないが、根域内に正確に置かれ得、土壌の全方向ではないものの、所望の拡散パターンを形成し得る。従って、使用者は、本発明に従って材料を土壌の中に導入して、隣接する注入点において土壌の中の材料の拡散パターン、すなわち必要に応じて、接する、重複する、または断続する(すなわち、全く接触しない)パターンを形成し得る。
【0013】
本発明は、土壌燻蒸剤ヨードメタンに関連して本明細書において記述される。しかしながら、上述の通り、本発明は、この材料のみを土壌の中に導入することに限定されないことが理解されるべきである。
【0014】
ヨードメタンによる公知の施肥機を使用した効力試験が、土壌の中の製品分布に不規則性があることを示した。この点に関して、従来の流量計、管とオリフィスによる調節、およびレーダー搭載のデジタルシステムは、多種類のシャンク(フラット/ブロードキャストまたはベッドシャンク)によって施される土壌への、目標流量(ガロン/処理エーカー、ポンド/処理エーカー、またはリットル/処理ヘクタール)の正確かつ持続的送達という点において、信頼性がないことが示されている。ヨードメタンの施肥時における公知の送達システムにおけるばらつき(環境規制のために廃止されている別の燻蒸剤である臭化メチルの施肥とは対照的に)は、部分的には、ヨードメタンと臭化メチルとの間の物理的特性の違いによる結果であると考えられる。従来の機器は、単一の化学物質(例えば、臭化メチル)専用であり、他の材料の使用に対して十分なクロスオーバーが提供されない。例えば、ヨードメタンの密度は2.3g/Lであり、一方で、臭化メチルの密度は1.7g/Lである。いずれにしても、燻蒸剤の送達におけるばらつきは、施される化合物が多過ぎるかまたは少な過ぎること、および/または処理面積に散布される材料の不規則パターンを、もたらすこととなる。
【0015】
本発明に従って、従来のシステムを使用するヨードメタン施肥のばらつきに関する問題が回避される。本発明に従った単一の注入点は、施される1つまたは複数の化学物質について土壌の中の最大の分布または拡散パターン(「有効処理面積」)を有し、それは、必要に応じて、隣接の注入点からの拡散パターンと接触し、または重なる。
【0016】
本発明に従って、処理のために土壌に導入される材料の量が減少し得る。この点に関して、拡散パターンは、所与の土壌の種類における所与の燻蒸剤に対して決定され得、本発明に従った等間隔の単一の注入点は、例えば、気相状態で重なり、土壌断面または土柱を通って均一に移動する。従来の機器は、本発明のように、直線パターンの所定の間隔で材料を注入することができない。本発明に従った土壌燻蒸剤の送達の精度は、施肥流量の大幅な減少、施肥および取扱いの際の作業者への被ばくの減少と安全性の向上、栽培者に対するエーカー当たり費用の低下、および大気中への燻蒸剤の排出の大幅な減少をもたらす。
【0017】
本発明に従って、燻蒸流量は、燻蒸剤を施す従来のシステムと比較して、例えば、約40%減少し得、一部の場合には、土壌状態および他の要因に応じて、減少は約50%にもなり得る。例えば、従来の連続的な流れとは対照的に、本発明に従って1フィート間隔で注入が行なわれる場合には、従来のベッドシャンク処理から50%の施肥流量の減少が見込まれ得る。
【0018】
本発明に従って土壌に施される処理材料の量は、土壌に施される材料、土壌状態、などに応じて変化する。例えば、燻蒸剤ヨードメタンに対しては、好ましくは約3ガロン/処理エーカーから約12ガロン/処理エーカー、より好ましくは3ガロン/処理エーカーから約9ガロン/処理エーカー、最も好ましくは約3ガロン/処理エーカーから約6ガロン/処理エーカーの量で、燻蒸剤が施され得る。
【0019】
本発明の装置および方法における使用に好適な燻蒸剤であるヨードメタンは、20℃で無色の液体であり、周囲室内温度で注入機器および/または配管を通って流れる。水に対する溶解度は14.2g/Lであり、乳化剤を使用せずに水と混合可能である。さらに、光存在下においてヨードメタンは、オレンジ色−茶色に変わり、急速に光分解する。大気中における寿命は1.5〜4日間であり、そのためにオゾン層に到達しないことから、ヨードメタンは、非オゾン層破壊化合物として分類される(Koによる「Estimates of Atmospheric Lifetime, Global Warming Potential and Ozone Depletion Potential of Iodomethane (CH3I)」、Executive Summary III、Atmospheric and Environmental Research, Inc.(報告日2000年10月31日)によって報告されるところによると、ヨウ化メチルのオゾン破壊の可能性は0.0015である)。ヨードメタンの炭素鋼に対する腐食性が立証されており、また、一部の場合には、ヨードメタンは、ポリ塩化ビニル(PVC)管に対して腐食性を有する。従って、当業者が認識し、適切な方式で対処するように(後述のように、ヨードメタンを取り扱うための適切な材料が市販されている)、ヨードメタンを取り扱うためには、材料の適切な選択が必要である。ヨードメタンの揮発性は、臭化メチルの揮発性と類似している。ヨードメタンのヘンリー則定数は、臭化メチルの0.24に比べると0.22であり、これは、ヨードメタンが、臭化メチルと同様に、いったん土壌に注入されると液体から気体に変化することを意味する。ヨードメタンの分子量は141.9であり、密度は2.28g/mlである。ヨードメタンは、不燃性かつ非爆発性であり、医薬、有機合成、顕微鏡法、およびピリジン検査の分野で現在使用されている。
【0020】
理論によって縛られたくはないが、燻蒸剤としてのヨードメタンの作用形態は、対象生物の種々のアミノ酸およびペプチドにおける、NH2およびSHのような官能基との二分子求核置換(SN2)反応によるものである。
【0021】
本発明に従って、ヨードメタンは、単独の製品として、あるいは、その他の土壌燻蒸剤、例えばクロロピクリン、または生物学的製剤のような他の製品と組み合わせて、土壌に導入され得、また、それは土壌有害生物および土壌伝染病の管理のために土壌に注入される。
【0022】
図1〜図4を参照すると、本発明に従った土壌注入装置は、材料を土壌の中へ送達するためにトラクタのような車両に搭載されることが好ましい。当然ながら、その他の車両、例えば、ピックアップトラックが、装置を輸送するために使用され得る。
【0023】
図2に示されるように、トラクタ10が、シャンクまたはシャベル20を用いて、土壌12に1つのパスを作るために使用され得、所定の間隔(例えば、直線経路に沿って6インチ間隔)で点30における燻蒸剤の注入を可能にする。燻蒸剤ヨードメタンは、例えば、本発明に従って土壌の中の実質的に等距離点で土壌の中に注入され得、この等距離点は、好ましくは約3インチから約12インチまでの間隔、より好ましくは約5インチから約12インチまでの間隔、および最も好ましくは約8インチから約12インチまでの間隔である。
【0024】
シャンク20の形状は限定されず、本発明に従って土壌の中に材料を注入することが可能である限り、シャンク20は任意の適切な形状を有し得る。
【0025】
上述の通り、揮発性成分を含有する燻蒸剤の場合には、材料は、液体として土壌に入るが、しかし急速に気体に変化して、土壌孔隙を通って全方向に移動し、土壌構造への攪乱を最小限に抑えつつ土壌断面の個別層内で対象生物を管理する。これは、図1および図5において、拡散領域40として示される。
【0026】
当業者が理解するように、注入間隔の間の距離は、土壌に注入される材料の拡散パターンに依存する。これらのパターンは、土壌の種類、状態、および管理される対象生物によって影響を受ける。従って、上述のように、ヨードメタンに対しては、注入点は、最大で約12インチ間隔までの任意の点であり得るが、しかし、ヨードメタンの注入間の距離が12インチを超える場合であっても、その距離は、土壌状態などに応じて、本発明の範囲内である。さらに、以下のことから明白となるように、トラクタ10が動作中でかつ注入管が土壌の中にあるときにのみ、材料が土壌に注入され、故に、処理面積に対する燻蒸クローズドシステムが維持される。
【0027】
本発明に従った注入部分の深さは、土壌の種類と、燻蒸後に植えられる作物が浅根性または深根性であるか否かに応じて変化する。浅根性の作物の例は、イチゴおよびトマトであり、また、深根性の作物の例は樹木およびつる植物である。浅根性の作物では、本発明に従った注入の深さは、土壌表面よりも下方に、好ましくは約1インチから約12インチまで、より好ましくは約1インチから約8インチまで、および最も好ましくは約1インチから約6インチまでである。深根性の作物では、本発明に従った注入の深さは、土壌表面よりも下方に、好ましくは約18インチから約24インチまで、より好ましくは約20インチから約24インチまで、および最も好ましくは約22から約24インチまでである。
【0028】
図1および図3を参照すると、ヨードメタンは、例えばトラクタ10に取り付けられる工具棒14または他の類似構造に装着される、ステンレス鋼またはその他の適切な容器50に保存され得る。あるいは、上述のように、容器50は、ピックアップトラックのような、他の適切な方法で輸送され得る。タンク50に保存された材料は、配管60を通って貯蔵部70に流出する。容器50の出口にある一方向弁またはスイッチ80によって、後述のように、材料を貯蔵部70に充填することが可能であり、また、気体を貯蔵部に満たすことが可能である。窒素または類似の気体のような圧縮気体源が、容器82によって提供される。圧縮気体は、容器82から配管84を通って配管86および88に流出する。ソレノイドスイッチ92が、タンク50に連結されるライン102の圧縮気体の流れを制御するために設けられる。同様に、ソレノイドスイッチ94が配管88に設けられ、その配管からの圧縮気体の貯蔵部70への流れを制御する。
【0029】
本発明の装置に装着された全地球測位衛星(GPS)機器150、またはレーダー機器のような類似の機器が、装置の動き(速度および位置)を追跡し、この情報をコンピュータ160に入力する。また、材料の施肥量、ノズルの数、材料の重量/密度、注入の深さ、パルス間の距離、および目標対地速度を含むその他の情報が、使用者によってコンピュータ160に提供され、当業者によってコンピュータ160に先に入力されたプログラミングソフトウェアに従って、コンピュータ160は適切な信号を装置、つまりソレノイド92に提供する。
【0030】
ソレノイドスイッチ90が、貯蔵部70の出口に設けられ、材料が配管100を通ってシャンク20、22、24、などに流出可能になるように開放する。気体センサ110、112、114、などが、適宜、ソレノイドスイッチ90、92、および/または94を閉鎖するための電気信号を提供する。マニホールド130への種々の液体/気体材料の調整のためのオリフィス板120が設けられる。流量計140が、配管100からシャンク用配管ライン142、144、146、などを通ってシャンク20、22、24、などへの流量を追跡する。マニホールド130において、材料は等分割されて、シャンク用配管ライン142、144、146、などへ送達される。
【0031】
本発明に従った地表下土壌への注入の、単一の注入またはパルス単位は、次のように操作され得る。すなわち、単一のパルス単位が、貯蔵タンクからラインを通って土壌中の所定の深さおよび位置に配置されたシャンクに流出する肥料、生物学的製剤、またはヨードメタンのような化学物質の施肥または量である。
【0032】
初めに、コンピュータ160は、以下のデータ入力を有する。
【0033】
1.材料の施肥量
2.注入ノズルの数
3.材料の重量/密度
4.GPS座標による処理面積の位置
5.シャンクの注入の深さ
6.材料の物理的状態(気体または液体)
7.「パルス単位」の間の距離
8.対地速度(インチ/秒)
次に、GPSによって照合された処理面積および位置に、機器が移動する。
【0034】
機器が動作を開始し、コンピュータは入力を受信し、注入システムへの単一パルスを開始する。
【0035】
ソレノイドスイッチ92によって入力が受信され、加圧貯蔵タンク50から貯蔵部70にヨードメタンを放出する。タンク50は、窒素タンク82からの入力ライン102によって一定圧力に維持される。
【0036】
ソレノイドスイッチ92が閉鎖され、単一パルスに対する正確な量の材料が、貯蔵部70に保持される。
【0037】
ソレノイドスイッチ94が開放され、窒素または圧縮空気が貯蔵部70の材料を加圧することが可能になる。貯蔵部70の中が所望の圧力に到達すると、ソレノイドスイッチ90は開放されて、材料が貯蔵部70から放出され、配管100を通じてマニホールド130に押し出される。しかしながら、以下に詳しく説明されるように、電気制御注入器を備える代替の実施形態においては、配管ラインが貯蔵部として用いられ得る。
【0038】
マニホールド130において、材料は、土壌の中を通るシャンクの数に応じて等分割される。
【0039】
圧力が依然として、ソレノイドスイッチ90から材料を押し出し、材料を各シャンク用配管ライン142、144、146、などに分配し、各ノズルから流出させる。
【0040】
各シャンク用配管ライン142、144、146、などの端部のノズル付近に、気体センサ110、112、114、などが存在する。これらの気体センサは、材料の全量が配管から排出された時期を決定し、気体の流れを閉鎖および停止するための信号を、ソレノイドスイッチ94に送信する。気体センサは必要に応じて削除され得る。しかしながら、後述する代替の実施形態においては、気体センサ110、112、114、などは、電気制御注入器の詰まりを決定するために、各電気制御注入器のノズルの端部付近に設けられ得る。
【0041】
機器は、継続的に次の注入点に移動し、次の注入の準備を整える。
【0042】
注入装置全体は、本発明に従った燻蒸剤の混合、装填、および施肥に関わる種々の人員に対する安全性を確保するために、クローズドシステムであるべきである。上述の通り、土壌に施される材料は、圧縮窒素ガスまたは類似の非反応性気体によって容器から排出され得る。あるいは、当業者は、比較的正確なポンプによって、同一の結果が達成され得ることを認識する。従って、本発明に従った土壌への材料の注入は、容積型ポンプによって行なわれ得るが、当然ながら、ダイヤフラムポンプ、ローラーポンプ、インペラーポンプ、またはその他のポンプがまた、使用され得る。
【0043】
本発明に従って、単一注入に必要とされる量の材料が、タンクから引き出され得る。引き出される正確な量は、目標とする施肥量/エーカーによって、トラクタの対地速度を考慮して決定される。対地速度は、トラクタ10に搭載されるレーダー機器130(図1参照)によって、または従来の任意の方式によって決定され、コンピュータ160に伝送され得、コンピュータ160は、タンク50から配管ライン60への材料供給の増減を調節する。
【0044】
ヨードメタンは本発明に従って、シャンク用配管ライン142、144、146、などの遠位端でのノズルの開放により押し出され、土壌の中に注入されるので、ヨードメタンは扇状のまたは噴霧パターンを形成しない。その代わりに、材料の貯留部が、土壌の中の単一点に形成され、そこで、材料が土壌を通って分散し、必要に応じて、隣接する土壌注入の拡散パターンまたは領域と重複する。従って、本発明に従った適切な注入が達成される限り、特別なノズルの形状は必要でない。しかしながら、ノズルの開放は、必要に応じて、例えば圧力によって動作する遮断弁、または材料を土壌に注入するが泥がノズルに入ることを防ぐ任意の適切な一方向弁のような、弁(図示せず)を設けられ得る。さらに、材料を土壌に注入するための電気制御注入器を各シャンクに設ける、代替の実施形態が後述される。
【0045】
本発明に従って、シャンクまたはシャベル20、22、24、などに取り付けられたシャンク用配管ライン142、144、146、などの端部のノズルから、土壌の種類、量、注入の深さ、拡散パターン、および対象の有害生物によって決定される等間隔で、材料が放出される。シャンク20、22、24、などが全て同一平面内にある状態では、単一の注入の深さが決定され、各施肥に使用され得る。隣接する各シャンクの間の距離は、特に、処理領域の幅に依存することが理解される。本発明に従った燻蒸剤ヨードメタンの注入に関連するシャンク間の好適な間隔は、図4に示されるように、約12インチである。図4を参照すると、34インチ幅を有する土壌床に対して、約12インチ間隔で、土壌床の端部から約11インチ離れた2つのシャンクが適切であり得る。より一般的には、例えば本発明に従ったヨードメタンの施肥のためには、隣接するシャンクは、約6インチから約24インチまでの間隔、より好ましくは約8インチから約24インチまでの間隔、最も好ましくは約12インチから約24インチまでの間隔であり得る。当然ながら、必要に応じて、24インチを超えるシャンクの間隔は、本発明の範囲内である。例えば、深根性作物に対しては20インチの間隔が一般的であるが、間隔は60インチもの大きな間隔であり得る。さらに、システムから土壌に材料を移送するための配管60、100、142、144、146、などは、注入される材料に適合するべきである。この点において、本発明に従ってヨードメタンを土壌に注入するときには、当業者が認識するように、耐久性がありかつ腐食しない配管の材料が使用されるべきである。例えば、ヨードメタンを注入するときには、配管は、ステンレス鋼、あるいはそれぞれがKalrez(登録商標)またはViton(登録商標)のような、パーフロロエラストマーまたはフルオロエラストマーであり得、この両者は、デラウェア州、ウィルミントンのDu Pont Dow Elastomers,LLCより市販されている。
【0046】
代替の実施形態が、図3aおよび図6〜図10bに示され、ここで、シャンク200は、各シャンク板201(図6)に取り外し可能に装着される電気制御注入器212(図7、図10a、および図10b)を含む。図3aは、本発明の代替の実施形態に従ったシャンク200を使用して、本発明に従って土壌の中の複数の所定点において、離散的所定量の材料を土壌に導入するための装置を示す。しかしながら、本明細書に記載される本発明の代替の実施形態、つまりシャンク200は、土壌の中の複数の点において離散的所定量の材料を土壌に導入せずに、別の方法で動作する装置または方法と共に使用され得ることが、当業者によって理解される。
【0047】
コンピュータ160は、電気ケーブル220を介して電気制御注入器の各々に電気信号を提供するための制御器として機能する。電気ケーブル220は、各電気制御注入器への電線206を含む。かくして、コンピュータからの信号が受信されると、各注入器は、土壌の中の所定点で材料を注入するように動作する。
【0048】
一般的に、電気制御注入器212は、電気的に作動されるソレノイド弁であり、この弁は、電流に応答して材料の放出を制御する。動作において、適切な電気信号が受信されると、電気制御注入器212は、圧力下にある材料を土壌の中に放出するように開放する。例示的な一実施形態において、電気制御注入器212は、自動車用途に使用される種類と類似の、適切に修正された燃料注入器であり得る。自動車用燃料注入器が利用されるときには、注入器を流れる材料への露出による腐食効果を防ぐために、ステンレス鋼などの非腐食性材料を含むように内部構造を修正することが好ましく、また、燃料注入器の開放部に一般的に設けられる拡散方式で燃料を注入するための拡散板が、取り除かれる。
【0049】
シャンク200および関連要素の構造が、図6〜図9に示される。シャンク200は、好適にも板201である基部と、シャンク板201の表面に取り付けられる注入器装着用部材203とを含む。注入器装着用部材203の正確な位置は限定されない。図6に示されるように、注入器装着用部材203は、例えば、シャンク板201の下側後部領域202に装着され得る。注入器装着用部材203に挿入される電気制御注入器の詳細図が、図7に示される。かくして、板上に装着される電気制御注入器212は、材料が土壌の中に放出される際に、地表下の所望の深さに位置し得る。
【0050】
注入器装着用部材203は、電気制御注入器212の少なくとも一部を、例えば、摩擦嵌めによって受容するように構成される。さらに、注入器装着用部材203は、例えば、長い管のような中空の円筒状部材から形成され得、電気制御注入器212の一部を軸方向に受容するのに十分な直径を有する。注入器装着用部材203は、注入器212が図6の矢印の方向に注入器装着用部材203からスライドして外れる位置に、板201の領域202上に適切に装着される。これにより、保守などのために、注入器212の挿入および取り外しが容易になる。この点に関して、注入器装着用部材203の開口部203aは傾斜し得、注入器装着用部材203に対する注入器212の旋回運動によって、注入器212を注入器装着用部材203へ挿入し易くし、かつそこから取り外し易くする。注入器装着用部材203は、図6〜図9において管状要素として示されるが、しかし、任意の適切な形状であり得る。つまり、シャンク200のシャンク板201に電気制御注入器212を取り外し可能に保持するために、他の構造が採用され得る。
【0051】
例えば、図6を参照すると、各シャンク用配管ライン(図3aにおける142、144、および146)は、マニホールド130に連結するマニホールド用配管部分207、および注入器用配管部分209をさらに含む。注入器用配管部分209は、第1の端部でエルボコネクタ210に連結され、第2の端部で嵌合部品208に連結される。注入器用配管部分209の第1の端部において、エルボコネクタ210は、電気制御注入器212の流体入力ポート(図10aおよび図10b参照)に取り外し可能に連結される。第2の端部において、嵌合部品208は、注入器用配管部分209をマニホールド用配管部分207に連結するために設けられる。保守動作実行時には、必要に応じて、注入器用配管部分209は、嵌合部品208においてマニホールド用配管部分207から取り外され得る。さらに、遮断弁213が、シャンク200に近いマニホールド用配管部分207のある位置に設けられる。
【0052】
遮断弁213が閉鎖状態にあるときには、遮断弁213は、マニホールド用配管部分207からの流体の流れを停止するように動作する。反対に、遮断弁213は、材料を土壌へ施している間、開放状態にある。記載の遮断弁213を配置することによって、保守動作中の管内からの材料の放出は、遮断弁213の下流に存在し得るものに限定される。かくして、材料の不要な放出が最低限に抑えられ、保守動作実行時の操作者による材料への露出が減少する。
【0053】
また、電線用管205が、そこを通る電線206を受容するようにシャンク板201に取り付けられる。電線用管205は、シャンク200の領域が土壌の中にあるときに、電線を損傷および電気制御注入器との接続の切断から保護する。電線用管205は、シャンク板201の上部から下部の方向へ向かって長手方向に、シャンク板201に取り付けられ得る。電線206は、電線206の第1の端部において、電気制御注入器212の対応する電気コネクタに連結されるコネクタ211を含む。電線206の第2の端部は、図3aに示されるように、電気制御注入器212の動作を制御するための電気信号を提供するコンピュータ160に連結される。
【0054】
シャンク200の板201は、その上部領域に穴204を含み、トラクタまたはその他の車両(図示せず)の後に引かれる型のような、シャンク板を土壌中の所定の深さで引張る装置に、シャンク板を設置し易くしている。シャンク200は、任意の適切な型のシャンクであり得、必ずしも板201のような板である必要はないことが理解される。シャンク200は、任意の適切な形状をとり得る。さらに、板201の形状は、図6〜図9に示される形状に限定されず、シャンク200は、本発明の局面に従って所望の深さで材料を土壌の中に注入可能であれば、任意の適切な形状を含み得る。
【0055】
図8aに示されるように、遮蔽部214が、シャンク200の板201に取り付けられ得る。遮蔽部214は、注入器212が地表下にある動作状態中に、電気制御注入器212に対する損傷およびその詰まりを防止するために含まれる。
【0056】
図8bおよび図9を参照すると、遮蔽部214は、第1の遮蔽部材214aおよび第2の遮蔽部材214bを備える。第1の遮蔽部材214aは、板201の第1の側面に取り付けられ、第2の遮蔽部材214bは反対側に取り付けられ、その両者は、溶接またはその他の任意の適切な結合によって板201に取り付けられる。
【0057】
図10aおよび図10bを参照すると、注入器用配管部分209、電気制御注入器212、および注入器装着用部材203の接続および分解が示される。電気制御注入器212は、出力ノズル212c付近の第1の端部にOリング212aを含み、入力ポート212d付近の第2の端部にOリング212bを含む。上述のように、注入器用配管部分209は、エルボコネクタ210を含む。エルボコネクタ210は、電気制御注入器212の一部の上に挿入されて、シャンク用配管ライン209から材料を受容する。電気制御注入器212のOリング212bは、電気制御注入器212と、注入器用配管部分209のエルボコネクタ210との間の流体密封嵌合を提供する。電気制御注入器212は、注入器装着用部材203の中に軸方向に挿入される。電気制御注入器212がそこに挿入される際に、Oリング212aによって、注入器装着用部材203の一部内で、電気制御注入器212が保持される。
【0058】
電気制御注入器212は、この構成要素を引き離すことによって、注入器装着用部材203から容易に取り外され得る。同様に、電気制御注入器212は、電気制御注入器212をエルボコネクタ210から引き離すことによって、注入器用配管部分209のエルボコネクタ210から取り外され得る。上述のように、注入器用配管部分209、電気制御注入器212、および注入器装着用部材203の連結および分離を提供することによって、保守動作が迅速に実行され得、機器の休止時間が削減され得る。
【0059】
また、本発明に従ったシャンク200上に装着される電気制御注入器212の使用は、土壌に注入される材料の量に関する制御を強化する。
【0060】
さらに、マニホールド用配管部分207に設置される遮断弁213を設けることによって、保守動作中の材料の放出が最小限に抑えられる。
【0061】
本発明に従って、本装置は、単一の注入に必要な量の材料を装填され得る。従って、システム全体を満たす必要はなく、注入と注入との間には、材料は全てのラインに存在し得ない。本作用は、いったん対象部分が処理されると、ラインから排出される材料がほとんど存在しないことから、機器の洗浄を容易にする。次に、窒素または圧縮空気が、ラインの中のものを取り除き、従来の機器では一般的に関連する露出の可能性を最低限に抑えるために、使用され得る。
【0062】
付随する実施例を参照して、本発明はさらに良く理解され得るが、この実施例は、説明目的のみを意図しており、いかなる意味においても、添付の請求項において規定される本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0063】
土壌にイチゴを植えるための準備として、pH6〜8、有機物1〜3重量%、湿気50〜90%(密封保水容量)の特性を有する土壌に、本発明に従って以下の方法で、燻蒸剤としてヨードメタンを注入する。
【0064】
装置の容器にヨードメタンを装填し、処理面積の中のある位置に装置を配置する。ここで、2つのシャンクは、38インチ幅の土壌床の中の10インチ深さの同一平面に位置し、24インチの間隔で離れている。装置のコンピュータ制御に予め入力された情報に基づいて、全シャンクによる土壌注入用として、3mlの量のヨードメタンをタンクから引き出し、貯蔵部に入れる。貯蔵部のソレノイドスイッチの開放後、その量のヨードメタンが、圧縮気体によって配管を通ってマニホールドに流れる。マニホールドは、2つのシャンク用配管ラインにヨードメタンを等分し、このシャンク用配管ラインの各々は、各シャンクに関連付けられるノズルを有する。このようにして、1.5mlのヨードメタンが、各ノズルから土壌に注入され、ここで、ヨードメタンは、直ちに揮発してガスになり、約24インチの有効処理直径を有する球形または楕円形の拡散パターンを土壌内に形成する。シャンク用配管ラインのノズル付近に位置する気体センサが、シャンク用配管ラインから全ヨードメタンが排出した時期を決定し、貯蔵部を開放するソレノイドスイッチを閉鎖する。次に、装置は、直線経路を第2の位置にまで12インチ移動し、そこで、上述のような一連のヨードメタンの移送および弁開放によって、ヨードメタンの第2の注入を実行する。
【0065】
好適な実施形態および説明例を参照して、本発明が記載されてきたが、当業者は、前述の明細書を読んだ後に、種々の変更、均等物による置換、および本明細書に記載の方法に対する修正を加えることが可能であることが理解される。それゆえに、本発明の範囲は、説明例を参照することによって限定されず、添付の請求項を参照することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明に従ったトラクタ搭載型システムの側面図である。
【図2】図2は、本発明に従った燻蒸剤を注入するための装置のシャンク部分と、いくつかの注入点とを示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明に従った燻蒸剤を土壌の中に注入するための適切な装置を示す。
【図3a】図3aは、燻蒸剤を土壌の中に注入するための電気制御注入器がシャンクに装着される、装置の好適な実施形態を示す。
【図4】図4は、本発明に従った燻蒸剤を土壌の中に注入する2つのシャンクを示す。
【図5】図5は、矢印の方向に土壌中を移動しながら、本発明に従った燻蒸剤を一列の土壌に注入する2つのシャンクを示す、斜視図である。
【図6】図6は、本発明の好適な実施形態に従ったシャンクの側面図である。
【図7】図7は、図6のシャンクの一部分の側面図である。
【図8a】図8aは、遮蔽部が取り付けられたシャンクの側面図である。
【図8b】図8bは、遮蔽部が取り付けられたシャンクの斜視図である。
【図9】図9は、図8aに示された遮蔽部の一部を切り取ったシャンクの側面図であり、第1の遮蔽部材と第2の遮蔽部材との間に位置する電気制御注入器を示している。
【図10a】図10aは、注入器用配管部分、電気制御注入器、および注入器装着用部材の接続および分解を示す、分解側面図である。
【図10b】図10bは、図10aに示された分解図の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、植裁用の土壌を準備するための、ヨードメタン、あるいは肥料、燻蒸剤、非燻蒸殺虫剤、生物学的製剤、およびその他の化学物質を含むがそれらに限定されない代替物質(以下「製品」)の送達を改善する、装置および独特な方法論に関する。より具体的には、本発明は、材料を地表下(subsurface)土壌に注入するための装置に関し、本装置は材料を土壌の中に注入するための改良型機器を有する。
【背景技術】
【0002】
ヨウ化メチルが土壌燻蒸剤として使用されることは、周知である。特許文献1および特許文献2に記載のように、ヨウ化メチル(以下「ヨードメタン」)は、菌類、細菌、ウィルスのような土壌伝染性植物病原菌、線虫、昆虫およびクモ形類(卵、幼虫、蛹、および成虫を含む)、ならびに雑草を効果的に管理するために使用されている。
【0003】
また、物質または化学物質を土壌に施すための機器およびシステムが存在する。このようなシステムの1つは、特許文献3に記載されており、本特許は、肥料、殺虫剤、および燻蒸剤のような化学物質の地表下施肥のための装置および方法に関する。
【0004】
特許文献4は、肥料施肥機について記載しており、ここで、施肥機はシャンクの後部に装着されており、液体肥料が調整圧力下でタンクからノズルに供給され、所望の圧力範囲内で、液体肥料の連続的な放出を提供する。
【0005】
また、特許文献5は、アンモニアを土壌に施すためのシステムについて記載しており、ここで、複数の分配管の各々の端部に定圧力流量制御器が配置されている。
【特許文献1】米国特許第5,753,183号明細書
【特許文献2】米国特許第5,518,692号明細書
【特許文献3】米国特許第6,029,590号明細書
【特許文献4】米国特許第3,863,842号明細書
【特許文献5】米国特許第5,967,066号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
化学物質を土壌に施すための公知の機器は、材料を噴霧することによって、またはその他のいくつかの持続的方式で材料を施すことによって、土壌を通過する1つのパスの間、土壌に材料の一定の流れを施す。従って、今日使用されている燻蒸機器は、対象面積の中に連続的な流れとして材料を散布する。それに伴って、対象面積に施される材料は大量となる。対象土壌面積に化学物質をより効果的かつ精密に散布することが、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従って、土壌の中の所定の間隔で、離散的(discrete)所定量の材料を土壌の中に導入するための装置が提供される。本装置は、土壌の中に導入される材料を保持するための容器と、1つの端部で容器と連結され、かつ材料を土壌の中に導入するための遠位端を有する配管とを含む。材料を土壌の中に導入中に、配管の遠位端を土壌の所定の深さに配置するための1つ以上のシャンクが設けられる。配管を通る材料の流れを制御するために、スイッチ(ソレノイドスイッチのような)が設けられる。スイッチは、土壌の中の所定点において離散的所定量の材料を土壌の中に導入するための開放状態と、土壌の中の所定点と所定点との間にシャンクが位置するときの閉鎖状態との間で、動作可能である。
【0008】
材料を土壌に施すための方法がまた、本発明に従って提供される。本方法は、土壌の中の直線経路に沿った所定の間隔または距離で、離散的所定量の材料を土壌の中に導入するステップを含む。材料は、各点から土壌の中に拡散し、その対象の有害生物(pest)および作物に応じて、土壌の中で重複し得る拡散パターン(例えば、樹木およびつる植物は重複パターンを有し得ない)を提供する。
【0009】
代替的な実施形態において、土壌の中の複数の所定点において、離散的所定量の材料を土壌の中に導入するための装置が提供され、本装置は、土壌の中に導入される材料を保持するための容器と、その第1の端部で容器と流体的に連続する配管と、を備える。少なくとも1つの電気制御注入器が、配管の第2の端部と流体的に連続して設けられる。基部と、基部の表面に取り付けられる注入器装着用部材とを備える、少なくとも1つのシャンクが設けられ、注入器装着用部材は、電気制御注入器を基部に取り外し可能に装着するように適合される。さらに、電気制御注入器を作動させるための制御器が設けられ、基部に装着された電気制御注入器が、土壌の中の所定点で離散的所定量の材料を土壌の中に導入する。
【0010】
さらに、シャンクが設けられ、シャンクは、板と、基部の表面に取り付けられる注入器装着用部材であって、電気制御注入器を取り外し可能に装着するように適合される注入器装着用部材と、注入器装着用部材に取り外し可能に装着される電気制御注入器を土壌から遮蔽するために、基部に取り付けられる遮蔽部と、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に従って、製品を施す新しい方法が提供され、本方法は、対象土壌面積に対してより効果的かつ精密に散布する改良された送達を達成し得る。本発明の方法による土壌処理は、本発明の改良型送達機構によって、現在使用されているものよりも流量を減らす。本発明に従って土壌に注入される化合物は、ヨードメタンを含むが、しかし本発明は、ヨードメタンまたは燻蒸剤の施肥だけに限定されない。肥料、生物学的製剤、および非燻蒸殺虫剤のようなその他の化合物を単独で、あるいはヨードメタンと組み合わせて施すこともまた、本発明の範囲内に含まれる。例えば、本発明の装置および方法は、カリフォルニア州、ロングビーチのNiklor Chemicals Mojave社より市販されている燻蒸剤クロロピクリン(トリクロロニトロメタン)、インディアナ州、インディアナポリスのDow AgroSciences社より市販されている燻蒸剤Telone−35(1,3−ジクロロプロペンおよび35%クロロピクリン)、ルイジアナ州、バトンルージュのAlbermarle Corporationより市販されている燻蒸剤臭化プロパルギル(3−ブロモプロピン)、イリノイ州、リバティービルのValent BioSciences社より市販されている液体生物学的殺線虫剤Ditera(タンパク質、糖類、および脂質を主に含む線菌綱クワ暗斑病菌種からの天然物)、ジョージア州、パウダースプリングスのAjay North America社より市販されている液体Plant Pro 45(3%のヨウ素ベースの成分)、カリフォルニア州、ブレアのProdica社より市販されている液体肥料CAN−17(硝酸カルシウムアルミニウム17%溶液)、とりわけ、カリフォルニア州、サリーナスのSoil Serve社より市販されている液体肥料UN−20(尿素窒素20%溶液)、およびカリフォルニア州、サクラメントのAgra Quest社より市販されている水溶液中に懸濁される液体枯草菌(Bacillus subtilus)の、化学材料および生物学的材料を土壌に導入するために使用され得る。本発明に従った土壌への注入に適したシュードモナス属特効薬のような他の化学材料および生物学的材料が、当業者には明らかである。本発明に従って土壌に導入される材料は、液体または気体のどちらでもあり得る。
【0012】
燻蒸剤のような、本発明の装置および方法に従って土壌に導入される揮発成分を含む材料は、有利にも注入場所から全方向に拡がる拡散パターンを形成する。揮発成分を含有しない肥料のような材料は、一般的には、植物の根域にまたは根域付近に置かれる。本発明の装置および方法に従って、これらの種類の材料は、この位置に正確に置かれ得る。従って、これらの種類の材料は、揮発成分を含まないが、根域内に正確に置かれ得、土壌の全方向ではないものの、所望の拡散パターンを形成し得る。従って、使用者は、本発明に従って材料を土壌の中に導入して、隣接する注入点において土壌の中の材料の拡散パターン、すなわち必要に応じて、接する、重複する、または断続する(すなわち、全く接触しない)パターンを形成し得る。
【0013】
本発明は、土壌燻蒸剤ヨードメタンに関連して本明細書において記述される。しかしながら、上述の通り、本発明は、この材料のみを土壌の中に導入することに限定されないことが理解されるべきである。
【0014】
ヨードメタンによる公知の施肥機を使用した効力試験が、土壌の中の製品分布に不規則性があることを示した。この点に関して、従来の流量計、管とオリフィスによる調節、およびレーダー搭載のデジタルシステムは、多種類のシャンク(フラット/ブロードキャストまたはベッドシャンク)によって施される土壌への、目標流量(ガロン/処理エーカー、ポンド/処理エーカー、またはリットル/処理ヘクタール)の正確かつ持続的送達という点において、信頼性がないことが示されている。ヨードメタンの施肥時における公知の送達システムにおけるばらつき(環境規制のために廃止されている別の燻蒸剤である臭化メチルの施肥とは対照的に)は、部分的には、ヨードメタンと臭化メチルとの間の物理的特性の違いによる結果であると考えられる。従来の機器は、単一の化学物質(例えば、臭化メチル)専用であり、他の材料の使用に対して十分なクロスオーバーが提供されない。例えば、ヨードメタンの密度は2.3g/Lであり、一方で、臭化メチルの密度は1.7g/Lである。いずれにしても、燻蒸剤の送達におけるばらつきは、施される化合物が多過ぎるかまたは少な過ぎること、および/または処理面積に散布される材料の不規則パターンを、もたらすこととなる。
【0015】
本発明に従って、従来のシステムを使用するヨードメタン施肥のばらつきに関する問題が回避される。本発明に従った単一の注入点は、施される1つまたは複数の化学物質について土壌の中の最大の分布または拡散パターン(「有効処理面積」)を有し、それは、必要に応じて、隣接の注入点からの拡散パターンと接触し、または重なる。
【0016】
本発明に従って、処理のために土壌に導入される材料の量が減少し得る。この点に関して、拡散パターンは、所与の土壌の種類における所与の燻蒸剤に対して決定され得、本発明に従った等間隔の単一の注入点は、例えば、気相状態で重なり、土壌断面または土柱を通って均一に移動する。従来の機器は、本発明のように、直線パターンの所定の間隔で材料を注入することができない。本発明に従った土壌燻蒸剤の送達の精度は、施肥流量の大幅な減少、施肥および取扱いの際の作業者への被ばくの減少と安全性の向上、栽培者に対するエーカー当たり費用の低下、および大気中への燻蒸剤の排出の大幅な減少をもたらす。
【0017】
本発明に従って、燻蒸流量は、燻蒸剤を施す従来のシステムと比較して、例えば、約40%減少し得、一部の場合には、土壌状態および他の要因に応じて、減少は約50%にもなり得る。例えば、従来の連続的な流れとは対照的に、本発明に従って1フィート間隔で注入が行なわれる場合には、従来のベッドシャンク処理から50%の施肥流量の減少が見込まれ得る。
【0018】
本発明に従って土壌に施される処理材料の量は、土壌に施される材料、土壌状態、などに応じて変化する。例えば、燻蒸剤ヨードメタンに対しては、好ましくは約3ガロン/処理エーカーから約12ガロン/処理エーカー、より好ましくは3ガロン/処理エーカーから約9ガロン/処理エーカー、最も好ましくは約3ガロン/処理エーカーから約6ガロン/処理エーカーの量で、燻蒸剤が施され得る。
【0019】
本発明の装置および方法における使用に好適な燻蒸剤であるヨードメタンは、20℃で無色の液体であり、周囲室内温度で注入機器および/または配管を通って流れる。水に対する溶解度は14.2g/Lであり、乳化剤を使用せずに水と混合可能である。さらに、光存在下においてヨードメタンは、オレンジ色−茶色に変わり、急速に光分解する。大気中における寿命は1.5〜4日間であり、そのためにオゾン層に到達しないことから、ヨードメタンは、非オゾン層破壊化合物として分類される(Koによる「Estimates of Atmospheric Lifetime, Global Warming Potential and Ozone Depletion Potential of Iodomethane (CH3I)」、Executive Summary III、Atmospheric and Environmental Research, Inc.(報告日2000年10月31日)によって報告されるところによると、ヨウ化メチルのオゾン破壊の可能性は0.0015である)。ヨードメタンの炭素鋼に対する腐食性が立証されており、また、一部の場合には、ヨードメタンは、ポリ塩化ビニル(PVC)管に対して腐食性を有する。従って、当業者が認識し、適切な方式で対処するように(後述のように、ヨードメタンを取り扱うための適切な材料が市販されている)、ヨードメタンを取り扱うためには、材料の適切な選択が必要である。ヨードメタンの揮発性は、臭化メチルの揮発性と類似している。ヨードメタンのヘンリー則定数は、臭化メチルの0.24に比べると0.22であり、これは、ヨードメタンが、臭化メチルと同様に、いったん土壌に注入されると液体から気体に変化することを意味する。ヨードメタンの分子量は141.9であり、密度は2.28g/mlである。ヨードメタンは、不燃性かつ非爆発性であり、医薬、有機合成、顕微鏡法、およびピリジン検査の分野で現在使用されている。
【0020】
理論によって縛られたくはないが、燻蒸剤としてのヨードメタンの作用形態は、対象生物の種々のアミノ酸およびペプチドにおける、NH2およびSHのような官能基との二分子求核置換(SN2)反応によるものである。
【0021】
本発明に従って、ヨードメタンは、単独の製品として、あるいは、その他の土壌燻蒸剤、例えばクロロピクリン、または生物学的製剤のような他の製品と組み合わせて、土壌に導入され得、また、それは土壌有害生物および土壌伝染病の管理のために土壌に注入される。
【0022】
図1〜図4を参照すると、本発明に従った土壌注入装置は、材料を土壌の中へ送達するためにトラクタのような車両に搭載されることが好ましい。当然ながら、その他の車両、例えば、ピックアップトラックが、装置を輸送するために使用され得る。
【0023】
図2に示されるように、トラクタ10が、シャンクまたはシャベル20を用いて、土壌12に1つのパスを作るために使用され得、所定の間隔(例えば、直線経路に沿って6インチ間隔)で点30における燻蒸剤の注入を可能にする。燻蒸剤ヨードメタンは、例えば、本発明に従って土壌の中の実質的に等距離点で土壌の中に注入され得、この等距離点は、好ましくは約3インチから約12インチまでの間隔、より好ましくは約5インチから約12インチまでの間隔、および最も好ましくは約8インチから約12インチまでの間隔である。
【0024】
シャンク20の形状は限定されず、本発明に従って土壌の中に材料を注入することが可能である限り、シャンク20は任意の適切な形状を有し得る。
【0025】
上述の通り、揮発性成分を含有する燻蒸剤の場合には、材料は、液体として土壌に入るが、しかし急速に気体に変化して、土壌孔隙を通って全方向に移動し、土壌構造への攪乱を最小限に抑えつつ土壌断面の個別層内で対象生物を管理する。これは、図1および図5において、拡散領域40として示される。
【0026】
当業者が理解するように、注入間隔の間の距離は、土壌に注入される材料の拡散パターンに依存する。これらのパターンは、土壌の種類、状態、および管理される対象生物によって影響を受ける。従って、上述のように、ヨードメタンに対しては、注入点は、最大で約12インチ間隔までの任意の点であり得るが、しかし、ヨードメタンの注入間の距離が12インチを超える場合であっても、その距離は、土壌状態などに応じて、本発明の範囲内である。さらに、以下のことから明白となるように、トラクタ10が動作中でかつ注入管が土壌の中にあるときにのみ、材料が土壌に注入され、故に、処理面積に対する燻蒸クローズドシステムが維持される。
【0027】
本発明に従った注入部分の深さは、土壌の種類と、燻蒸後に植えられる作物が浅根性または深根性であるか否かに応じて変化する。浅根性の作物の例は、イチゴおよびトマトであり、また、深根性の作物の例は樹木およびつる植物である。浅根性の作物では、本発明に従った注入の深さは、土壌表面よりも下方に、好ましくは約1インチから約12インチまで、より好ましくは約1インチから約8インチまで、および最も好ましくは約1インチから約6インチまでである。深根性の作物では、本発明に従った注入の深さは、土壌表面よりも下方に、好ましくは約18インチから約24インチまで、より好ましくは約20インチから約24インチまで、および最も好ましくは約22から約24インチまでである。
【0028】
図1および図3を参照すると、ヨードメタンは、例えばトラクタ10に取り付けられる工具棒14または他の類似構造に装着される、ステンレス鋼またはその他の適切な容器50に保存され得る。あるいは、上述のように、容器50は、ピックアップトラックのような、他の適切な方法で輸送され得る。タンク50に保存された材料は、配管60を通って貯蔵部70に流出する。容器50の出口にある一方向弁またはスイッチ80によって、後述のように、材料を貯蔵部70に充填することが可能であり、また、気体を貯蔵部に満たすことが可能である。窒素または類似の気体のような圧縮気体源が、容器82によって提供される。圧縮気体は、容器82から配管84を通って配管86および88に流出する。ソレノイドスイッチ92が、タンク50に連結されるライン102の圧縮気体の流れを制御するために設けられる。同様に、ソレノイドスイッチ94が配管88に設けられ、その配管からの圧縮気体の貯蔵部70への流れを制御する。
【0029】
本発明の装置に装着された全地球測位衛星(GPS)機器150、またはレーダー機器のような類似の機器が、装置の動き(速度および位置)を追跡し、この情報をコンピュータ160に入力する。また、材料の施肥量、ノズルの数、材料の重量/密度、注入の深さ、パルス間の距離、および目標対地速度を含むその他の情報が、使用者によってコンピュータ160に提供され、当業者によってコンピュータ160に先に入力されたプログラミングソフトウェアに従って、コンピュータ160は適切な信号を装置、つまりソレノイド92に提供する。
【0030】
ソレノイドスイッチ90が、貯蔵部70の出口に設けられ、材料が配管100を通ってシャンク20、22、24、などに流出可能になるように開放する。気体センサ110、112、114、などが、適宜、ソレノイドスイッチ90、92、および/または94を閉鎖するための電気信号を提供する。マニホールド130への種々の液体/気体材料の調整のためのオリフィス板120が設けられる。流量計140が、配管100からシャンク用配管ライン142、144、146、などを通ってシャンク20、22、24、などへの流量を追跡する。マニホールド130において、材料は等分割されて、シャンク用配管ライン142、144、146、などへ送達される。
【0031】
本発明に従った地表下土壌への注入の、単一の注入またはパルス単位は、次のように操作され得る。すなわち、単一のパルス単位が、貯蔵タンクからラインを通って土壌中の所定の深さおよび位置に配置されたシャンクに流出する肥料、生物学的製剤、またはヨードメタンのような化学物質の施肥または量である。
【0032】
初めに、コンピュータ160は、以下のデータ入力を有する。
【0033】
1.材料の施肥量
2.注入ノズルの数
3.材料の重量/密度
4.GPS座標による処理面積の位置
5.シャンクの注入の深さ
6.材料の物理的状態(気体または液体)
7.「パルス単位」の間の距離
8.対地速度(インチ/秒)
次に、GPSによって照合された処理面積および位置に、機器が移動する。
【0034】
機器が動作を開始し、コンピュータは入力を受信し、注入システムへの単一パルスを開始する。
【0035】
ソレノイドスイッチ92によって入力が受信され、加圧貯蔵タンク50から貯蔵部70にヨードメタンを放出する。タンク50は、窒素タンク82からの入力ライン102によって一定圧力に維持される。
【0036】
ソレノイドスイッチ92が閉鎖され、単一パルスに対する正確な量の材料が、貯蔵部70に保持される。
【0037】
ソレノイドスイッチ94が開放され、窒素または圧縮空気が貯蔵部70の材料を加圧することが可能になる。貯蔵部70の中が所望の圧力に到達すると、ソレノイドスイッチ90は開放されて、材料が貯蔵部70から放出され、配管100を通じてマニホールド130に押し出される。しかしながら、以下に詳しく説明されるように、電気制御注入器を備える代替の実施形態においては、配管ラインが貯蔵部として用いられ得る。
【0038】
マニホールド130において、材料は、土壌の中を通るシャンクの数に応じて等分割される。
【0039】
圧力が依然として、ソレノイドスイッチ90から材料を押し出し、材料を各シャンク用配管ライン142、144、146、などに分配し、各ノズルから流出させる。
【0040】
各シャンク用配管ライン142、144、146、などの端部のノズル付近に、気体センサ110、112、114、などが存在する。これらの気体センサは、材料の全量が配管から排出された時期を決定し、気体の流れを閉鎖および停止するための信号を、ソレノイドスイッチ94に送信する。気体センサは必要に応じて削除され得る。しかしながら、後述する代替の実施形態においては、気体センサ110、112、114、などは、電気制御注入器の詰まりを決定するために、各電気制御注入器のノズルの端部付近に設けられ得る。
【0041】
機器は、継続的に次の注入点に移動し、次の注入の準備を整える。
【0042】
注入装置全体は、本発明に従った燻蒸剤の混合、装填、および施肥に関わる種々の人員に対する安全性を確保するために、クローズドシステムであるべきである。上述の通り、土壌に施される材料は、圧縮窒素ガスまたは類似の非反応性気体によって容器から排出され得る。あるいは、当業者は、比較的正確なポンプによって、同一の結果が達成され得ることを認識する。従って、本発明に従った土壌への材料の注入は、容積型ポンプによって行なわれ得るが、当然ながら、ダイヤフラムポンプ、ローラーポンプ、インペラーポンプ、またはその他のポンプがまた、使用され得る。
【0043】
本発明に従って、単一注入に必要とされる量の材料が、タンクから引き出され得る。引き出される正確な量は、目標とする施肥量/エーカーによって、トラクタの対地速度を考慮して決定される。対地速度は、トラクタ10に搭載されるレーダー機器130(図1参照)によって、または従来の任意の方式によって決定され、コンピュータ160に伝送され得、コンピュータ160は、タンク50から配管ライン60への材料供給の増減を調節する。
【0044】
ヨードメタンは本発明に従って、シャンク用配管ライン142、144、146、などの遠位端でのノズルの開放により押し出され、土壌の中に注入されるので、ヨードメタンは扇状のまたは噴霧パターンを形成しない。その代わりに、材料の貯留部が、土壌の中の単一点に形成され、そこで、材料が土壌を通って分散し、必要に応じて、隣接する土壌注入の拡散パターンまたは領域と重複する。従って、本発明に従った適切な注入が達成される限り、特別なノズルの形状は必要でない。しかしながら、ノズルの開放は、必要に応じて、例えば圧力によって動作する遮断弁、または材料を土壌に注入するが泥がノズルに入ることを防ぐ任意の適切な一方向弁のような、弁(図示せず)を設けられ得る。さらに、材料を土壌に注入するための電気制御注入器を各シャンクに設ける、代替の実施形態が後述される。
【0045】
本発明に従って、シャンクまたはシャベル20、22、24、などに取り付けられたシャンク用配管ライン142、144、146、などの端部のノズルから、土壌の種類、量、注入の深さ、拡散パターン、および対象の有害生物によって決定される等間隔で、材料が放出される。シャンク20、22、24、などが全て同一平面内にある状態では、単一の注入の深さが決定され、各施肥に使用され得る。隣接する各シャンクの間の距離は、特に、処理領域の幅に依存することが理解される。本発明に従った燻蒸剤ヨードメタンの注入に関連するシャンク間の好適な間隔は、図4に示されるように、約12インチである。図4を参照すると、34インチ幅を有する土壌床に対して、約12インチ間隔で、土壌床の端部から約11インチ離れた2つのシャンクが適切であり得る。より一般的には、例えば本発明に従ったヨードメタンの施肥のためには、隣接するシャンクは、約6インチから約24インチまでの間隔、より好ましくは約8インチから約24インチまでの間隔、最も好ましくは約12インチから約24インチまでの間隔であり得る。当然ながら、必要に応じて、24インチを超えるシャンクの間隔は、本発明の範囲内である。例えば、深根性作物に対しては20インチの間隔が一般的であるが、間隔は60インチもの大きな間隔であり得る。さらに、システムから土壌に材料を移送するための配管60、100、142、144、146、などは、注入される材料に適合するべきである。この点において、本発明に従ってヨードメタンを土壌に注入するときには、当業者が認識するように、耐久性がありかつ腐食しない配管の材料が使用されるべきである。例えば、ヨードメタンを注入するときには、配管は、ステンレス鋼、あるいはそれぞれがKalrez(登録商標)またはViton(登録商標)のような、パーフロロエラストマーまたはフルオロエラストマーであり得、この両者は、デラウェア州、ウィルミントンのDu Pont Dow Elastomers,LLCより市販されている。
【0046】
代替の実施形態が、図3aおよび図6〜図10bに示され、ここで、シャンク200は、各シャンク板201(図6)に取り外し可能に装着される電気制御注入器212(図7、図10a、および図10b)を含む。図3aは、本発明の代替の実施形態に従ったシャンク200を使用して、本発明に従って土壌の中の複数の所定点において、離散的所定量の材料を土壌に導入するための装置を示す。しかしながら、本明細書に記載される本発明の代替の実施形態、つまりシャンク200は、土壌の中の複数の点において離散的所定量の材料を土壌に導入せずに、別の方法で動作する装置または方法と共に使用され得ることが、当業者によって理解される。
【0047】
コンピュータ160は、電気ケーブル220を介して電気制御注入器の各々に電気信号を提供するための制御器として機能する。電気ケーブル220は、各電気制御注入器への電線206を含む。かくして、コンピュータからの信号が受信されると、各注入器は、土壌の中の所定点で材料を注入するように動作する。
【0048】
一般的に、電気制御注入器212は、電気的に作動されるソレノイド弁であり、この弁は、電流に応答して材料の放出を制御する。動作において、適切な電気信号が受信されると、電気制御注入器212は、圧力下にある材料を土壌の中に放出するように開放する。例示的な一実施形態において、電気制御注入器212は、自動車用途に使用される種類と類似の、適切に修正された燃料注入器であり得る。自動車用燃料注入器が利用されるときには、注入器を流れる材料への露出による腐食効果を防ぐために、ステンレス鋼などの非腐食性材料を含むように内部構造を修正することが好ましく、また、燃料注入器の開放部に一般的に設けられる拡散方式で燃料を注入するための拡散板が、取り除かれる。
【0049】
シャンク200および関連要素の構造が、図6〜図9に示される。シャンク200は、好適にも板201である基部と、シャンク板201の表面に取り付けられる注入器装着用部材203とを含む。注入器装着用部材203の正確な位置は限定されない。図6に示されるように、注入器装着用部材203は、例えば、シャンク板201の下側後部領域202に装着され得る。注入器装着用部材203に挿入される電気制御注入器の詳細図が、図7に示される。かくして、板上に装着される電気制御注入器212は、材料が土壌の中に放出される際に、地表下の所望の深さに位置し得る。
【0050】
注入器装着用部材203は、電気制御注入器212の少なくとも一部を、例えば、摩擦嵌めによって受容するように構成される。さらに、注入器装着用部材203は、例えば、長い管のような中空の円筒状部材から形成され得、電気制御注入器212の一部を軸方向に受容するのに十分な直径を有する。注入器装着用部材203は、注入器212が図6の矢印の方向に注入器装着用部材203からスライドして外れる位置に、板201の領域202上に適切に装着される。これにより、保守などのために、注入器212の挿入および取り外しが容易になる。この点に関して、注入器装着用部材203の開口部203aは傾斜し得、注入器装着用部材203に対する注入器212の旋回運動によって、注入器212を注入器装着用部材203へ挿入し易くし、かつそこから取り外し易くする。注入器装着用部材203は、図6〜図9において管状要素として示されるが、しかし、任意の適切な形状であり得る。つまり、シャンク200のシャンク板201に電気制御注入器212を取り外し可能に保持するために、他の構造が採用され得る。
【0051】
例えば、図6を参照すると、各シャンク用配管ライン(図3aにおける142、144、および146)は、マニホールド130に連結するマニホールド用配管部分207、および注入器用配管部分209をさらに含む。注入器用配管部分209は、第1の端部でエルボコネクタ210に連結され、第2の端部で嵌合部品208に連結される。注入器用配管部分209の第1の端部において、エルボコネクタ210は、電気制御注入器212の流体入力ポート(図10aおよび図10b参照)に取り外し可能に連結される。第2の端部において、嵌合部品208は、注入器用配管部分209をマニホールド用配管部分207に連結するために設けられる。保守動作実行時には、必要に応じて、注入器用配管部分209は、嵌合部品208においてマニホールド用配管部分207から取り外され得る。さらに、遮断弁213が、シャンク200に近いマニホールド用配管部分207のある位置に設けられる。
【0052】
遮断弁213が閉鎖状態にあるときには、遮断弁213は、マニホールド用配管部分207からの流体の流れを停止するように動作する。反対に、遮断弁213は、材料を土壌へ施している間、開放状態にある。記載の遮断弁213を配置することによって、保守動作中の管内からの材料の放出は、遮断弁213の下流に存在し得るものに限定される。かくして、材料の不要な放出が最低限に抑えられ、保守動作実行時の操作者による材料への露出が減少する。
【0053】
また、電線用管205が、そこを通る電線206を受容するようにシャンク板201に取り付けられる。電線用管205は、シャンク200の領域が土壌の中にあるときに、電線を損傷および電気制御注入器との接続の切断から保護する。電線用管205は、シャンク板201の上部から下部の方向へ向かって長手方向に、シャンク板201に取り付けられ得る。電線206は、電線206の第1の端部において、電気制御注入器212の対応する電気コネクタに連結されるコネクタ211を含む。電線206の第2の端部は、図3aに示されるように、電気制御注入器212の動作を制御するための電気信号を提供するコンピュータ160に連結される。
【0054】
シャンク200の板201は、その上部領域に穴204を含み、トラクタまたはその他の車両(図示せず)の後に引かれる型のような、シャンク板を土壌中の所定の深さで引張る装置に、シャンク板を設置し易くしている。シャンク200は、任意の適切な型のシャンクであり得、必ずしも板201のような板である必要はないことが理解される。シャンク200は、任意の適切な形状をとり得る。さらに、板201の形状は、図6〜図9に示される形状に限定されず、シャンク200は、本発明の局面に従って所望の深さで材料を土壌の中に注入可能であれば、任意の適切な形状を含み得る。
【0055】
図8aに示されるように、遮蔽部214が、シャンク200の板201に取り付けられ得る。遮蔽部214は、注入器212が地表下にある動作状態中に、電気制御注入器212に対する損傷およびその詰まりを防止するために含まれる。
【0056】
図8bおよび図9を参照すると、遮蔽部214は、第1の遮蔽部材214aおよび第2の遮蔽部材214bを備える。第1の遮蔽部材214aは、板201の第1の側面に取り付けられ、第2の遮蔽部材214bは反対側に取り付けられ、その両者は、溶接またはその他の任意の適切な結合によって板201に取り付けられる。
【0057】
図10aおよび図10bを参照すると、注入器用配管部分209、電気制御注入器212、および注入器装着用部材203の接続および分解が示される。電気制御注入器212は、出力ノズル212c付近の第1の端部にOリング212aを含み、入力ポート212d付近の第2の端部にOリング212bを含む。上述のように、注入器用配管部分209は、エルボコネクタ210を含む。エルボコネクタ210は、電気制御注入器212の一部の上に挿入されて、シャンク用配管ライン209から材料を受容する。電気制御注入器212のOリング212bは、電気制御注入器212と、注入器用配管部分209のエルボコネクタ210との間の流体密封嵌合を提供する。電気制御注入器212は、注入器装着用部材203の中に軸方向に挿入される。電気制御注入器212がそこに挿入される際に、Oリング212aによって、注入器装着用部材203の一部内で、電気制御注入器212が保持される。
【0058】
電気制御注入器212は、この構成要素を引き離すことによって、注入器装着用部材203から容易に取り外され得る。同様に、電気制御注入器212は、電気制御注入器212をエルボコネクタ210から引き離すことによって、注入器用配管部分209のエルボコネクタ210から取り外され得る。上述のように、注入器用配管部分209、電気制御注入器212、および注入器装着用部材203の連結および分離を提供することによって、保守動作が迅速に実行され得、機器の休止時間が削減され得る。
【0059】
また、本発明に従ったシャンク200上に装着される電気制御注入器212の使用は、土壌に注入される材料の量に関する制御を強化する。
【0060】
さらに、マニホールド用配管部分207に設置される遮断弁213を設けることによって、保守動作中の材料の放出が最小限に抑えられる。
【0061】
本発明に従って、本装置は、単一の注入に必要な量の材料を装填され得る。従って、システム全体を満たす必要はなく、注入と注入との間には、材料は全てのラインに存在し得ない。本作用は、いったん対象部分が処理されると、ラインから排出される材料がほとんど存在しないことから、機器の洗浄を容易にする。次に、窒素または圧縮空気が、ラインの中のものを取り除き、従来の機器では一般的に関連する露出の可能性を最低限に抑えるために、使用され得る。
【0062】
付随する実施例を参照して、本発明はさらに良く理解され得るが、この実施例は、説明目的のみを意図しており、いかなる意味においても、添付の請求項において規定される本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0063】
土壌にイチゴを植えるための準備として、pH6〜8、有機物1〜3重量%、湿気50〜90%(密封保水容量)の特性を有する土壌に、本発明に従って以下の方法で、燻蒸剤としてヨードメタンを注入する。
【0064】
装置の容器にヨードメタンを装填し、処理面積の中のある位置に装置を配置する。ここで、2つのシャンクは、38インチ幅の土壌床の中の10インチ深さの同一平面に位置し、24インチの間隔で離れている。装置のコンピュータ制御に予め入力された情報に基づいて、全シャンクによる土壌注入用として、3mlの量のヨードメタンをタンクから引き出し、貯蔵部に入れる。貯蔵部のソレノイドスイッチの開放後、その量のヨードメタンが、圧縮気体によって配管を通ってマニホールドに流れる。マニホールドは、2つのシャンク用配管ラインにヨードメタンを等分し、このシャンク用配管ラインの各々は、各シャンクに関連付けられるノズルを有する。このようにして、1.5mlのヨードメタンが、各ノズルから土壌に注入され、ここで、ヨードメタンは、直ちに揮発してガスになり、約24インチの有効処理直径を有する球形または楕円形の拡散パターンを土壌内に形成する。シャンク用配管ラインのノズル付近に位置する気体センサが、シャンク用配管ラインから全ヨードメタンが排出した時期を決定し、貯蔵部を開放するソレノイドスイッチを閉鎖する。次に、装置は、直線経路を第2の位置にまで12インチ移動し、そこで、上述のような一連のヨードメタンの移送および弁開放によって、ヨードメタンの第2の注入を実行する。
【0065】
好適な実施形態および説明例を参照して、本発明が記載されてきたが、当業者は、前述の明細書を読んだ後に、種々の変更、均等物による置換、および本明細書に記載の方法に対する修正を加えることが可能であることが理解される。それゆえに、本発明の範囲は、説明例を参照することによって限定されず、添付の請求項を参照することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明に従ったトラクタ搭載型システムの側面図である。
【図2】図2は、本発明に従った燻蒸剤を注入するための装置のシャンク部分と、いくつかの注入点とを示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明に従った燻蒸剤を土壌の中に注入するための適切な装置を示す。
【図3a】図3aは、燻蒸剤を土壌の中に注入するための電気制御注入器がシャンクに装着される、装置の好適な実施形態を示す。
【図4】図4は、本発明に従った燻蒸剤を土壌の中に注入する2つのシャンクを示す。
【図5】図5は、矢印の方向に土壌中を移動しながら、本発明に従った燻蒸剤を一列の土壌に注入する2つのシャンクを示す、斜視図である。
【図6】図6は、本発明の好適な実施形態に従ったシャンクの側面図である。
【図7】図7は、図6のシャンクの一部分の側面図である。
【図8a】図8aは、遮蔽部が取り付けられたシャンクの側面図である。
【図8b】図8bは、遮蔽部が取り付けられたシャンクの斜視図である。
【図9】図9は、図8aに示された遮蔽部の一部を切り取ったシャンクの側面図であり、第1の遮蔽部材と第2の遮蔽部材との間に位置する電気制御注入器を示している。
【図10a】図10aは、注入器用配管部分、電気制御注入器、および注入器装着用部材の接続および分解を示す、分解側面図である。
【図10b】図10bは、図10aに示された分解図の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌の中の複数の所定点において、離散的所定量の材料を該土壌の中に導入するための装置であって、
該土壌の中に導入される該材料を保持するための容器と、
その第1の端部で該容器と流体的に連続する配管と、
少なくとも1つの電気制御注入器であって、該配管の第2の端部と流体的に連続する、電気制御注入器と、
少なくとも1つのシャンクであって、該シャンクは、基部と、該基部に取り付けられる注入器装着用部材とを備え、該注入器装着用部材は、該電気制御注入器を該基部上に取り外し可能に装着するように構成される、シャンクと、
該電気制御注入器を作動させるための制御器であって、それによって、板の上に装着される該電気制御注入器は、該離散的所定量の材料を該土壌の中の所定点で該土壌の中に導入する、制御器と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記基部は板である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電気制御注入器が作動するときに、前記離散的所定量の材料を前記配管を経由して前記土壌の中に押し出すための、圧縮気体源をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記電気制御注入器を前記土壌から遮蔽するための、前記基部に取り付けられる遮蔽部をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記遮蔽部は、前記基部の第1の側面に取り付けられる第1の遮蔽部材と、該基部の反対側面に取り付けられる第2の遮蔽部材とを備え、該第1の遮蔽部材および第2の遮蔽部材は一緒に、前記電気制御注入器を部分的に汚物から包囲および遮蔽して、前記土壌の中の前記所定点において、該電気制御注入器が前記離散的所定量の材料を該土壌の中に導入できるようにする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記電気制御注入器を前記制御器に連結するための電線を受容するための、前記基部の表面に取り付けられる電線用管をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記注入器装着用部材は、その中に挿入される前記電気制御注入器の少なくとも一部を受容するように構成される中空部材を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記注入器装着用部材は、中空の円筒状部材を備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記電気制御注入器は、前記中空部材に少なくとも部分的に軸方向に挿入される、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
マニホールドをさらに備える、請求項1に記載の装置であって、該マニホールドは、その端部において前記配管と流体的に連続し、かつその第2の端部において複数のシャンク用配管ラインと流体的に連続し、各シャンク用配管ラインは、対応するシャンクと関連付けられ、かつ該シャンクの各々に取り外し可能に装着された前記電気制御注入器に、前記所定量の材料を供給する遠位端を有する、装置。
【請求項11】
各シャンク用配管ラインは、前記シャンクに近接して設置される遮断弁を備え、該遮断弁は、それが閉鎖状態にあるときには、該シャンク用配管ラインを通る前記材料の流れを停止する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
各シャンク用配管ラインは、前記マニホールドに連結されるマニホールド用配管部分と、前記電気制御注入器に取り外し可能に連結される注入器用配管部分とを備え、該マニホールド用配管部分は、嵌合部品によって該注入器用配管部分に取り外し可能に連結される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記注入器用配管部分は、その第1の端部において、前記電気制御注入器の入力ポートに取り外し可能に連結されるエルボコネクタを備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記離散的所定量の材料および前記圧縮気体の流れの調整のために、前記マニホールドに連結されるオリフィス板をさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
材料を土壌の中に導入するためのシャンクであって、
基部と、
該基部の表面に取り付けられる注入器装着用部材であって、電気制御注入器を取り外し可能に装着するように構成される、注入器装着用部材と、
該電気制御注入器を土壌から遮蔽して、該電気制御注入器が該材料を該土壌の中に導入できるようにするための、該基部に取り付けられる遮蔽部と、
を備える、シャンク。
【請求項16】
前記基部は板を備える、請求項15に記載のシャンク。
【請求項17】
前記電気制御注入器に連結するための電線を受容するための、前記基部の表面に取り付けられる電線用管をさらに備える、請求項15に記載のシャンク。
【請求項18】
前記遮蔽部は、前記基部の第1の側面に取り付けられる第1の遮蔽部材と、該基部の反対側面に取り付けられる第2の遮蔽部材とを備え、該第1の遮蔽部材および第2の遮蔽部材は一緒に、前記電気制御注入器を部分的に汚物から包囲および遮蔽して、該電気制御注入器が前記材料を前記土壌の中に導入できるようにする、請求項17に記載のシャンク。
【請求項19】
前記注入器装着用部材は、その中に挿入される前記電気制御注入器の少なくとも一部を受容するように構成される中空部材を備える、請求項15に記載のシャンク。
【請求項20】
前記注入器装着用部材は、中空の円筒状部材を備える、請求項19に記載のシャンク。
【請求項1】
土壌の中の複数の所定点において、離散的所定量の材料を該土壌の中に導入するための装置であって、
該土壌の中に導入される該材料を保持するための容器と、
その第1の端部で該容器と流体的に連続する配管と、
少なくとも1つの電気制御注入器であって、該配管の第2の端部と流体的に連続する、電気制御注入器と、
少なくとも1つのシャンクであって、該シャンクは、基部と、該基部に取り付けられる注入器装着用部材とを備え、該注入器装着用部材は、該電気制御注入器を該基部上に取り外し可能に装着するように構成される、シャンクと、
該電気制御注入器を作動させるための制御器であって、それによって、板の上に装着される該電気制御注入器は、該離散的所定量の材料を該土壌の中の所定点で該土壌の中に導入する、制御器と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記基部は板である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電気制御注入器が作動するときに、前記離散的所定量の材料を前記配管を経由して前記土壌の中に押し出すための、圧縮気体源をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記電気制御注入器を前記土壌から遮蔽するための、前記基部に取り付けられる遮蔽部をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記遮蔽部は、前記基部の第1の側面に取り付けられる第1の遮蔽部材と、該基部の反対側面に取り付けられる第2の遮蔽部材とを備え、該第1の遮蔽部材および第2の遮蔽部材は一緒に、前記電気制御注入器を部分的に汚物から包囲および遮蔽して、前記土壌の中の前記所定点において、該電気制御注入器が前記離散的所定量の材料を該土壌の中に導入できるようにする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記電気制御注入器を前記制御器に連結するための電線を受容するための、前記基部の表面に取り付けられる電線用管をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記注入器装着用部材は、その中に挿入される前記電気制御注入器の少なくとも一部を受容するように構成される中空部材を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記注入器装着用部材は、中空の円筒状部材を備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記電気制御注入器は、前記中空部材に少なくとも部分的に軸方向に挿入される、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
マニホールドをさらに備える、請求項1に記載の装置であって、該マニホールドは、その端部において前記配管と流体的に連続し、かつその第2の端部において複数のシャンク用配管ラインと流体的に連続し、各シャンク用配管ラインは、対応するシャンクと関連付けられ、かつ該シャンクの各々に取り外し可能に装着された前記電気制御注入器に、前記所定量の材料を供給する遠位端を有する、装置。
【請求項11】
各シャンク用配管ラインは、前記シャンクに近接して設置される遮断弁を備え、該遮断弁は、それが閉鎖状態にあるときには、該シャンク用配管ラインを通る前記材料の流れを停止する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
各シャンク用配管ラインは、前記マニホールドに連結されるマニホールド用配管部分と、前記電気制御注入器に取り外し可能に連結される注入器用配管部分とを備え、該マニホールド用配管部分は、嵌合部品によって該注入器用配管部分に取り外し可能に連結される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記注入器用配管部分は、その第1の端部において、前記電気制御注入器の入力ポートに取り外し可能に連結されるエルボコネクタを備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記離散的所定量の材料および前記圧縮気体の流れの調整のために、前記マニホールドに連結されるオリフィス板をさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
材料を土壌の中に導入するためのシャンクであって、
基部と、
該基部の表面に取り付けられる注入器装着用部材であって、電気制御注入器を取り外し可能に装着するように構成される、注入器装着用部材と、
該電気制御注入器を土壌から遮蔽して、該電気制御注入器が該材料を該土壌の中に導入できるようにするための、該基部に取り付けられる遮蔽部と、
を備える、シャンク。
【請求項16】
前記基部は板を備える、請求項15に記載のシャンク。
【請求項17】
前記電気制御注入器に連結するための電線を受容するための、前記基部の表面に取り付けられる電線用管をさらに備える、請求項15に記載のシャンク。
【請求項18】
前記遮蔽部は、前記基部の第1の側面に取り付けられる第1の遮蔽部材と、該基部の反対側面に取り付けられる第2の遮蔽部材とを備え、該第1の遮蔽部材および第2の遮蔽部材は一緒に、前記電気制御注入器を部分的に汚物から包囲および遮蔽して、該電気制御注入器が前記材料を前記土壌の中に導入できるようにする、請求項17に記載のシャンク。
【請求項19】
前記注入器装着用部材は、その中に挿入される前記電気制御注入器の少なくとも一部を受容するように構成される中空部材を備える、請求項15に記載のシャンク。
【請求項20】
前記注入器装着用部材は、中空の円筒状部材を備える、請求項19に記載のシャンク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3a】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図2】
【図3】
【図3a】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【公表番号】特表2009−531069(P2009−531069A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503131(P2009−503131)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/063839
【国際公開番号】WO2007/117833
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(501457372)アリスタ ライフサイエンス ノース アメリカ, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/063839
【国際公開番号】WO2007/117833
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(501457372)アリスタ ライフサイエンス ノース アメリカ, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]