説明

改質冷却保冷グラスシステム

【課題】従来只単に酒類を充填して口へ運ばせる為だけの目的で使用されてきた飲酒容器(グラス等)において、注がれた酒類の性質を簡便かつ短時間に改質させると伴に冷却保冷作用にも働きかける等、飲酒時の醍醐味とされるその風味と飲みごろ感(温度)との異なる2点の調整を同時に行わせる事を可能とする高機能飲酒グラスの提供を図る。
【解決手段】飲酒時のグラス等に施される香り立て回転を利用した改質保冷グラス容器システム110であって、飲酒容器(グラス等)の内部底面上に設定される円錐台形状の突起部と、外面部に外部雰囲気を隔てる高断熱部を備え内面部に一定冷熱を蓄える高機能蓄冷部と高熱伝導部とを備えたグラス容器底部装着型冷却保冷ICEアダプタ−との組み合わせにより、香り立て回転中の酒類に対して、接触抵抗と高効率冷熱負荷とを同時に加え、その風味と飲みごろ感(温度)のW調整に働きかける構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0007】
本発明は、飲酒時のグラスに施される風味立て回転を利用した低酸化改質と、グラス内適温調整との2点に働きかけるよう構成されたグラスとそのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くのグラスは、酒類を飲む又は香りを楽しむ、の2点の用途を満たす為だけの設計がなされており、そこには風味改質及び適温調整等への配慮は乏しく、あくまで別のカテゴリ−として様々な製品が開発され飲酒に供されているのが現状であり、そして、その傾向として、風味改質では空気混入の促進調整(酸化の促進)を意図としたデザインがなされ、また、適温調整では卓上簡易型による、一次冷却から取り出された後の飲用場所における二次的調整保冷が試みられる等、益々複雑かつ重装備化の様相を呈している。
【0003】
かかる見地に基づき、近年、下記の特許文献に開示されているような、酸化の促進技術を応用した改質システム又は、ベルチェ素子の技術を応用した簡便かつコンパクトな卓上型適温調整システム等が提供されているが、一方で酸化は、疾病の発症や老化に関与するとも考えられ、生活習慣病予防等の点からも現在その防止は特に注目されている。
【背景技術文献】
【0004】
【特許文献】▲1▼特開2004−256138 ▲2▼特開2009−528223 ▲3▼特開2011−224571 ▲4▼特開2004−69288 ▲5▼特開2007−113805
【非特許文献】▲1▼第160回農林交流センタ−ワ−クショップ(第72回食品総合研究所 食品技術講習会)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記、ベンチュリ−理論及びその他の応用による増強的酸化に働きかける改質システム(特許文献▲1▼〜▲3▼)においては、坑酸化を旨とする現代の健康志向(非特許文献▲1▼)に逆行するかたちになると伴に、その設定は、ボトル口へ直接又は、ボトル・グラス間に割り込ませる等の余分な操作を必要とさせ、本来のボトルとグラスのシンプルな関係を妨げ美的感覚を損ねてしまうという問題があり、前項共々課題となっている。
【0006】
また、上記ベルチェ素子その他の利用による小型化を図った冷却保冷システム(特許文献▲4▼〜▲5▼)においては、ワインセラ−又は冷蔵庫による一次的冷却から取り出された後の飲用場所における二次的補助(飲みごろ温維持保冷)に働きかけるが、更なる操作と更なるエネルギ−負担を余儀なくされ、その代償として手に入れる飲みごろ温も、グラスに注がれ、風味立て回転(図8)が加えられた後は一瞬にして解除(冷却温から5〜10℃程度上昇)してしまうという問題があり、課題となっている。
【0007】
そこで本発明は、上述した問題点の、低酸化改質とグラス内温保護との両立を果たすと伴にその2点を満たす為の数々の余剰装備を一掃させ、よりシンプルな形態において、殆どの酒器(グラス容器)への適応を可能とさせる、上述した改良方法と改良システムの提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、飲酒時、グラスに施される風味立て回転(図8)を起動源とする、酒類の酸化防止及び復温の抑制との両立を目的とする改質保冷グラス容器システムであって、図1の100状にグラス内部底面上に設定される円錐台形状の突起部(10)と、図1の110状にグラス外部上に設定されるグラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)との組み合わせにより、回転中の酒類に対して、接触抵抗と高効率冷熱負荷を同時に発生させる構成としたものである。
【0009】
上述した本発明の改質保冷グラス容器システム(110)は、従来の酸化法に頼らない独自の撹拌流での改質を可能とさせ、過度な酸化を防止すると伴に風味立て改質を最適に行わせ、また、撹拌によるグラス内温の上昇保護との両立を図ることが好ましい。
【0010】
また上述した前記円錐台形状突起部(10)が、グラスとの一体成形型(100)に捉われず単体での取り付けによる単独使用をも可能とさせ、容器を問わず取り付け可能な器の全てに行わせることが好ましい。
【0011】
上述した本発明の改質保冷グラス容器システム(110)は、前記高機能蓄冷剤(11d)が、酒類の最適温度帯(図9)に対し、より長時間での保冷維持を図らせることが好ましい。
【0012】
上述した本発明の改質保冷グラス容器システム(110)の、前記グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)が、グラス毎の底部の形状に沿って装着されることが好ましく、また、グラス内への冷熱伝導を容易とする為の工夫がなされていることが一層好ましい。
【0013】
また上述した前記グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)が、その蓄冷熱の状況確認が行なえる事が好ましく、また、それを外面から容易とする為の工夫がなされていることが一層好ましい。
【0014】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。
飲酒時、グラスが廻される事で行われる酒類の風味立て回転(図8)において、渦巻くように廻る酒類に対して円錐台形状突起部(10)が撹拌中の酒類に独自の接触抵抗を加えさせることから、その風味立て改質を最適に行わせると伴にその対象材料(ワイン・焼酎・日本酒・ブランデ−などの酒類)中の機能性成分(坑酸化力)の向上(図10)に働きかけるという相乗効果を発揮することができる。
尚、円錐台形状突起部(10)による作用は、吸盤型(10Q)での貼り付け固定方式による単体化とする事では、特定のグラスに捉われない単独使用も可能となる。
【0015】
上記第2の課題解決手段による作用は、グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)が、その外面から、高断熱部(11c)・高機能蓄冷部(11d)・高熱伝導部(11e)との三層構造を有し、容器底面部から側面にかけての立ち上がりを中心とする容器低層部を包み込むに適した形状とすることでは、装着状態において外部の雰囲気を隔てながら最小限質量の蓄冷剤において効果的な冷熱負荷を可能とさせ、また加えて飲酒時の必須手技である風味立て回転操作(図8)に対応させることでは蓄冷剤との熱境界層(図7)の破壊に寄与し、より高効率な冷熱負荷に働きかけるという効果を発揮することができる。
【0016】
また更に、上記第3の課題解決手段による作用は、前記高機能蓄冷部(11d)が、成分調整により低質量による高保冷維持(図6)を可能とさせ、軽量化による、最適温度帯(図9)の保護に働きかけるという効果を発揮することができる。
【0017】
また、上記第4の課題解決手段による作用は、グラス底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)の側面の一部にステム部(10e)に対して割り込ませる為の装着用スリット部(11a)を施す事で、グラス底部への装着を容易に行わせると言う効果を発揮することができる。
【0018】
上記第5の課題解決手段による作用は、グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)の上部縁沿いに○形状の温度検知部(11b)が設けられることでは、その冷却状態の確認を可逆的に目視にて簡単に行わせ、冷熱力の後退を知らせるという効果を発揮することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の改質保冷グラス容器システム(110)によれば、簡単なシンプル構造で風味改質による酒類の過度な酸化防止に働きかけることができ、手順が複雑になることがなく、また、電気的駆動源による二次的補助手段が無くても、以下のようなグラス内温保護効果を奏することができる。
【0020】
本発明の改質保冷グラス容器システム(110)は、飲酒時、グラスに施される風味立て回転(図8)を起動源とした円錐台形状の突起部(10)による接触抵抗撹拌を行わせる事から、通常酸化の促進を必要とする酒類の風味立てに対し、その過度な酸化を防止すると伴に機能性成分(坑酸化力)の向上に働きかけ、また風味立てにおいても十分な改質効果を発揮するものである。
【0021】
上述した本発明の改質保冷グラス容器システム(110)は、グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)との組み合わせにおいて、風味立て回転(図8)を起動源とした高機能蓄冷剤との熱境界層(図7)の破壊に寄与し、より高効率な冷熱負荷に働きかける事から、風味調整と飲みごろ温保護とのW調整効果を発揮するものである。
【0022】
上述した本発明のグラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)は、グラス底部を密着して包み込むに適した形状に製作され、装着状態においてグラス底面部への直接的冷熱付加(一次的冷却)を装着即時からスタ−トさせ、加えて飲酒時の必須手技である風味立て回転操作(図8)に対応させることで蓄冷剤との熱境界層(図7)の破壊に寄与し、より効果的な冷却(二次的冷却)に働きかけるという相乗効果を発揮するものである。
【0023】
上述した本発明のグラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)は、ホルダ−上部縁沿いに温度反応を示す○形状の専用の温度検知部(11b)が設けられることでは、その冷却状態の適正温度確認を可逆的に目視にて簡単に行わせ、冷却不足の防止を図らせると伴に取り換え時期のタイミングチェックに働きかけるという効果を発揮するものである。
【0024】
また、本発明のグラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)は、蓄冷剤の繰り返し使用における冷凍庫での冷凍操作に際し、最小質量に止めることによるエコ化に働きかけるという効果を発揮することができる。
【0025】
また更に、本発明の改質保冷グラス容器システム(110)は、特に、近年の健康志向ブ−ムによる坑酸化への関心が高まりつつあることや、よりシンプルな構造に付き比較的容易に物作りができることと、そのベ−スとなる高機能蓄冷剤が既に長時間の精密温度管理を必要とされる分野の、血液検体及び機内食等の輸送に採用されており、食品添加物の作用を利用するので安全性の面でも問題がないと思われる等より、その実用化への期待は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態の組み合わせを示す、円錐台形状突起部(10)を含む一体成型グラス容器の斜視図(100)及びグラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)のワイングラスにおける装着具体例を示す斜視図(110)である。
【図2】図1の円錐台形状突起部(10)を含む一体成型グラス容器の構成を示す説明図である。
【図3】図1の円錐台形状突起部(10)の単体吸着タイプの構成図である。
【図4】グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)のワイングラスにおける装着具体例の説明図である。
【図5】図4のグラス底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)の構成を示す側面図と平面図である。
【図6】図5のグラス底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)に用いられる高機能蓄冷剤の冷却能(冷却力及び維持力)を従来型保冷剤との比較で示したグラフである。
【図7】缶ビ−ルの回転急冷の例による熱境界層を示す図である。
【図8】飲酒時の風味立てにおいて必須手技となる回転操作を示す説明図である。
【図9】飲酒時におけるワインの最適温度(飲みごろ温度)を示す説明図である。
【図10】ビタミンC当量によるワインの坑酸化力の測定比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以上のような効果を奏することができる改質保冷グラス容器システム(110)は、図1の組み合わせ図に示すように、グラス容器内部底面上に設定される円錐台形状突起部(10)又はグラス容器底部に装着されるグラス容器底部装着型冷却保冷ICEホホルダ−(11)との2系統の組み合わせによる構成を具えたものである。
【0028】
以下、本発明の実施の形態の改質保冷グラス容器システムにつき、図1〜図10を用いて詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の実施例を示す改質保冷グラス容器システムの全体構成図、図2〜図5はその詳細な構成を示す模式図である。
【0030】
これらの図1において、100は凸底改質グラス容器、110は100の底部装着型冷却保冷ICEホルダ−の装着状況、図はそれら2点の飲酒前スタンバイ時に行われる組み合わを示す。
【0031】
図2〜図3においては、その一方の凸底改質グラス容器(100)及び単独吸着例(10Q)の構成から、10は円錐台形状突起部を示し、10aはグラス内径最大巾部を、10bは円錐台形状突起部の底面巾を、10cは円錐台形状突起部の上面巾を、10dはステム(脚)を、10qは吸盤を示す。
【0032】
図4〜図5においては、その一方のグラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−の装着例(110)及び単独例(11)の構成から、11aは装着用スリット部を、11bは温度検知部を、11cはその外部高断熱部を、11dは高機能蓄冷部を、11eは高熱伝導部を示す。
【0033】
図8においては、本発明の改質及び冷却保冷の起動源となる飲酒前の必須手技、風味立て回転の操作を示す。
【0034】
このような機能を有する改質保冷グラス容器システムの使用方法について、図2〜10を参照して説明する。
【0035】
まず、事前の予備冷却において冷凍操作されたグラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)を冷凍庫から取り出し、凸底改質グラス容器(100)のステム(10d)に装着用スリット部(11a)を合わせてグラスに割り込ませた後に底部へセットして110状とし、温度検知部(11b)を確認してスタンバイとする。
【0036】
次に、冷蔵庫またはワインセラ−等の保冷設備による一次冷却から取り出したボトルを開栓し、ワインをグラスに適宜注いで速やかに風味立て回転操作(図8)を開始させる。
【0037】
かかる操作において温度反応用インジケ−タ−の採用は、各ポイントでの冷却状況の詳細な確認に働きかけ、最適温度帯(図9)への管理を図らせる。
尚、風味立て回転(図8)における操作回数においては通常行われる感覚等に準じる。
【0038】
事前の冷却処理を施したグラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)の冷却は、通常の家庭用冷蔵庫同等の冷凍能力にて24時間が適当とされる。
【0039】
なお、上記、図に説明の前記、円錐台形状突起部及び前記グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−に付いては、これらに限定することなく、目的に合わせて様々な形状及びサイズへの変更が図れる。
【0040】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形および付加が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【基礎実験例】
【0041】
以下に、本発明の冷却保冷システムの基盤となる接触抵抗改質・高機能蓄冷剤に関する基礎及び実験例につき、図6・図7・図10を用いて詳細に説明する。
【0042】
図6は、本発明に用いられる高機能蓄冷剤に付き、従来型保冷剤における冷却能の比較を示すグラフ図で、同質量の保冷剤においてより高い冷却能で冷やせているのが確認できる。(この熱量差を利用する事で低質量化が図れる)
【0043】
図7は、本発明に用いられる風味立て回転操作に対応する高冷却効果に付き、缶ビ−ルの回転急速冷却に見る熱境界層を説明する図で、温度差がある2つの物を接触させたり、混ぜたりすると2つの物は同じ温度になろうと働き、これを熱交換と言い、熱交換は温度差が大きいほど素早く交換され、温度差が小さいほど交換率は悪くなる。
(この温度差を小さくする様に働くのが熱の境界層です)
仮に缶ビ−ルは15℃、氷が−2℃なら温度差17℃、5℃の水なら温度差10℃となり、回転せずに氷と接しているだけでは缶ビ−ルの周りに境界層が出来てしまう。15℃の缶ビ−ルの周りに14℃の境界層ができた場合、15℃−14℃=1℃の温度差となって冷えにくい状態となり、また同様に、氷側でも−2℃の氷の周りに−1℃と温度差1℃の境界層ができる。この境界層を壊し、−2℃と15℃の熱を直接接触させることによって、より効率の良い熱交換に働きかけるのが回転運動となる。
【0044】
図10は、本発明に用いられる風味立て回転操作に対応する機能性成分(坑酸化力)の向上に付き、従来法との比較測定を示すグラフ図で、同量のワインにおいてより高い坑酸化力の向上が確認できる。
1)測定装置:テトラライトTK−LP400
2)測定環境
発光試薬 :ルミノ−ル+安定化酸化物
反応試薬 :HRP
基準物質 :Vitamin C
Blank試料:PBS
希釈条件 :サンプルをPBSにて希釈
3)測定方法
▲1▼テトラライトにBlank試料と基準物質濃度2種及び被験体をセットする。
▲2▼各測定セルに発光試薬及び反応試薬 を自動分注する。
▲3▼自動分注後に1秒間フォトンカウントを実施しルミノ−ルの発光量を計測する。
▲4▼その後5秒間隔でフォトンカウントし、各測定セルに対し5分間繰り返し実施。
▲5▼得られた発光量から、最小二乗法にて発光阻害能半減時間を算出する。
▲6▼VCの発光阻害能半減時間から近似直線を求め、被試験試料をその近似直線からVCに当てはめた坑酸化能(μg/mlVC当量)を止める。(VCとはVitamin C)
【符号の説明】
【0045】
100 凸底改質グラス容器
110 改質保冷グラス容器システム
10 円錐台形状突起部
10a グラス内径最大巾部
10b 円錐台形状突起部の底面巾
10c 円錐台形状突起部の上面巾
10d グラスのステム(脚)部
100 単独吸着型円錐台形状突起部
10q 吸盤部
11 グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−
11a 装着用スリット部
11b 温度検知部
11c 高断熱部
11d 高機能蓄冷部
11e 高熱伝導部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲酒時、風味立てを目的として酒器に施される回転操作(図8)を利用した、容器内充填酒類への風味又は機能性成分(坑酸化力)の向上及び適温保護を目的とする改質保冷グラス容器システム(110)であって、凸底改質グラス容器(100)の内部底面上に設定される円錐台形状の突起部(10)と、外面に外部雰囲気を隔てる高断熱部(11c)を備え内面部に一定冷熱を蓄える高機能蓄冷部(11d)と高熱伝導部(11e)とを具えたグラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)との組み合わせにより、風味立て回転中の酒類に対し、接触抵抗と冷熱負荷を同時に加える事を特徴とする、
改質保冷グラス容器システム。
【請求項2】
前記凸底改質グラス容器(100)の前記円錐台形状突起部(10)が、容器内最大径(10a)の50%〜70%の底面直径(10b)と、底面直径の30%〜50%の上面直径(10c)とを具え、高さ15mm〜30mm程度で形成される、円錐の錐状に尖った先端部を底面に平行な平面で切り、小円錐の部分を除いた立体形状の凸型突起部を有して容器底面の中心上に設定され、飲酒時、渦巻くように廻される回転中の酒類に対して接触抵抗による独自の撹拌流を発生させることを特徴とする、
請求項1に記載の改質保冷グラス容器システム。
【請求項3】
前記円錐台形状突起部(10)が、撹拌中の酒類に独自の接触抵抗を加えさせることから、その風味立て改質を最適に行わせると伴にその対象材料(ワイン・焼酎・日本酒・ブランデ−などの酒類)中の機能性成分(坑酸化力)の向上(図10)に働きかけることを特徴とする、
請求項2に記載の改質保冷グラス容器システム。
【請求項4】
また、前記円錐台形状突起部(10)が、容器との一体成型に捉われず、単体での吸盤式円錐台形状突起部(10Q)による既存容器への貼り付け応用を可能とさせることを特徴とする、
請求項1又は2〜3のいずれかに記載の改質保冷グラス容器システム。
【請求項5】
前記グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)の前記高機能蓄冷部(11d)が、成分調整によって、より長時間の冷却維持を可能とし、酒類毎の適正温度帯(飲みごろ温度帯)に対して最適温度帯の保護に働きかけると伴に、その温度状況の確認が温度インジケ−タ−(11b)にて簡単に行えることを特徴とする、
請求項1に記載の改質保冷グラス容器システム。
【請求項6】
前記グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)の形状が、グラスのステム部(10d)へ割り込む為の装着用スリット部(11a)を設け、容器底面部から側面にかけての立ち上がりを中心とする容器低層部を包み込むに適した形状を有することを特徴とする、
請求項1に記載の改質保冷グラス容器システム。
【請求項7】
前記グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)が、グラス底層部へハメ込み固定される事による容器自体への接触冷却(一次的冷却)に加之、風味立て回転操作により渦巻くように廻される酒類の回転運動が蓄冷剤との熱境界層の破壊に寄与し、効率の良い熱交換(二次的冷却)を行わせ、飲みごろ温への熱障害保護(グラス温及び室温との接触)に働きかけることを特徴とする、
請求項1・5〜6のいずれかに記載の改質冷却保冷グラスシステム。
【請求項8】
また、前記グラス容器底部装着型冷却保冷ICEホルダ−(11)が、円錐台形状突起部(10)との組み合わせに捉われず、冷却単独での多容器への応用を可能とさせることを特徴とする、
請求項1又は5〜7のいずれかに記載の改質冷却保冷グラスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−31657(P2013−31657A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−159981(P2012−159981)
【出願日】平成24年7月2日(2012.7.2)
【出願人】(511063675)
【Fターム(参考)】