放射性廃棄場所あるいは有害廃棄場所下における封じ込めヴォールトのその場所への建造
【課題】廃棄物の掘削及び除去を行うことなく、地下に埋められた有害廃棄物質に対する地下封じ込め障壁を建造する。
【解決手段】最初に、指向性ドリル孔どうしの間をワイヤソー75が密度の高い流体と共に切断し、埋設溝の下に水平切断部を形成する。二番目に、垂直な周辺溝76が掘削される。次に、周辺溝76が密度の高いグラウト77で満たされる。そこで、土壌のブロック78は浮き上がり、より高い土壌の縁を外側に配置した状態で、その最終位置まで上向きに移動する。最後に気密キャップ構造81が下の土のバリアに結合される。
【解決手段】最初に、指向性ドリル孔どうしの間をワイヤソー75が密度の高い流体と共に切断し、埋設溝の下に水平切断部を形成する。二番目に、垂直な周辺溝76が掘削される。次に、周辺溝76が密度の高いグラウト77で満たされる。そこで、土壌のブロック78は浮き上がり、より高い土壌の縁を外側に配置した状態で、その最終位置まで上向きに移動する。最後に気密キャップ構造81が下の土のバリアに結合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に地下に埋められた有害廃棄物質を含む地下封じ込め障壁の本来の場所への建設のための装置および方法、より詳細には汚染物が空気中あるいは取り囲む層あるいは下にある層に放たれないようにこのような有害物質をカプセル化するヴォールトを建造する方法に関するものである。本発明は、さらに数年にわたるヴォールトの連続完全性を監視する手段および長期間にわたって生じ得るいかなる割れ目も修理する手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子力時代の初期の時代には、汚染廃物および立証されていない低レベル放射性廃物は浅い溝に埋められた。他の廃棄物質は地下貯蔵タンクに置かれた。これらの埋設区域は、現在環境に対して許容できない危険を有するものと考えられる。これらの廃棄物の掘削および除去は、潜在的に危険であり、非常に高くつく。問題は、このような場所の掘削が、人々および近くの居住者にかなりの危害を与えるであろう空気で運ばれる放射性汚染物質を放つ可能性があるということである。これらの場所を収容するために提案された多数の解決策があった。これらの解決策のいくつかは、傾斜噴射口グラウチング(slant drilled jet grouting)、土壌凍結、土壌脱水、トンネル掘り、化学グラウト浸透(chemical grout permeation)を含む。他のものは、底部障壁を形成する手段として垂直ドリルおよびハイドロフラクチャリングを教示していた。
【0003】
Cleary他の米国特許第4,230,368号および米国特許第4,491,369号は、汚染物質を含む土壌ブロックを移す概念を開示している。これは、土壌の外辺部の周りに狭い垂直溝を形成し、圧力下での流体の注入によりその場所の下に水平割れ目を形成することによって行われる。水平割れ目は、垂直周辺溝を横切る。水平割れ目への加圧流体の連続注入によって周辺内の土壌のブロックが上方に持ち上げられので、シールは、垂直周辺溝の表面区域に沿って形成される。
【0004】
注入流体は、地下室のようなブロックを囲む障壁を生じる密封材になることも有り得る。Cleary他の米国特許第4,230,368号は、流体の密度がブロックを移すのに必要な圧力を減少させる要因であるが、粘土スラリーの局部掘削土壌材で達成できる流体密度よりも大きい流体密度の使用を意図していないことを開示している。これは、明らかに土壌程は密度が高くない。流体のゲル強度は外辺部開口を密封する主要な手段として述べられている。このような方法は、ブロックの底部への水圧を増加することによって初期の破断および上方移動の両方を生じる。
【0005】
このアプローチに関する問題は、水圧によって破断は最小圧力平面に沿って広がることである。放射性廃棄場所におけるこのような破断の最終位置および範囲を検証することはできない。このような破断の厚さおよび連続性は検証できない。汚染物質の中のおよび汚染物質を越えた制御できない破断の可能性があるために、この方法は放射性廃棄場所の任意の種類の封じ込め構造を造るために使用できなかった。
【0006】
参照してここに組み込まれる発明者の以前の発明、米国特許第5,542,782号は、グラウトスラリーの高圧噴射で垂直および水平の障壁を切削する手段を開示し、表土の密度に等しいかあるいはそれよりも大きい密度のグラウト材からこのような障壁を造ることの長所を教示している。この引例には、これを行う方法あるいは装置の詳細がほとんど記載されていないが、水平グラウト障壁の厚さが、地面を上方に上げる正味の上方への力を生じるように十分密度の高いグラウトスラリーの導入によって増加できることも教示している。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、浮揚性ブロック移動により厚い水平障壁を建造する改良された方法および装置に向けられる。本発明は、ケーブルソーで土壌を切削する新しい手段を提供し、ブロック移動流体を多エーカーの広い場所の下の複数の切断部に導入する実用装置を詳述する。本発明は、化学グラウトの適用により実用的である薄い水平障壁を切削する改良手段にも高圧噴射装置を提供し、前述の切断部に隣接する切断部を結合し、装置の破壊から回復させる改良された手段を有する。
【0008】
本発明は、溝を掘る方法、水平方向ドリル方法、ダイヤモンドワイヤ石切りソー法の組み合わせあるいは高圧噴射口を使用し、汚染物質を含む土壌のブロックの下および周りの薄い間隙を切削する。この「切断部」が形成されると、この間隙は高密度の低粘度流体グラウトで充填される。この密度の高い流体のこの薄い通路は、延びて表面に戻るので、静水圧ヘッドが土壌に加えられる。この専用流体は、比重が大きいので、土壌および岩石は事実上流体の薄い層の上に浮く。これは、切断部を開けたままにしておき、土壌ブロックの重量が流体を切断部の下から押し出すことを防止する。ブロックが土から完全に切られて自由になった後、追加の密度の高い流体がポンプで送り込まれ、切断部に注ぎ込まれる。この追加の流体は、このブロックに浮力を加え、地面から離れて浮かび上がらせる。この密度の高い流体は、不浸透障壁を形成するために数週間の期間にわたってゆっくりと硬化するように設計されている。ブロックを支えるために流体に加圧しようとする代わりに密度の高いグラウト流体のヘッドを使用することは微妙であるが重要な革新である。これによって垂直周辺溝を密封する困難性を除去し、廃棄物埋設区域の中へのグラウトの制御できない破断も防止される。どんなグラウト流体も有効な廃棄物区域の割れ目に達する場合、グラウト流体は割れ目を充填することだけを行う。それは表面まで吹き出すことができず、汚染液体の噴水を形成できる。万一、圧力下にあるならばこのようなことが起こるであろう。ブロックの下のグラウトが液体である間、HDPE(高密度ポリエチレン押し出し加工品)のような不浸透障壁シートは浮動ブロックの下に張られる場合もある。
【0009】
土壌ブロックの周りの「掘りのような」障壁が硬化された後、重力で固定されている気密キャップ構造体は土壌ブロックの上に形成される。ブロック下のHDPEライナは、非常に高度の封じ込め完全性を達成するためにキャップのHDPEライナに融着されてもよい。キャップの下の受動性の土壌ガス圧センサおよびキャップの外側の地中の同様なセンサは、天気による通常の大気圧変化の関数として構造体内部の空気圧変化を監視する。このデータによって、水平障壁だけでなく全封じ込め構造体の完全性を受動監視することができる。湿度、音響、および化学的トレーサのレベルは、漏出インジケータおよび漏出位置インジケータとして受動的に監視されてもよい。被害の修理は構造体を液体グラウトで充満させることによっても可能である。
【0010】
ワイヤソーは、スチールケーブルの厚さを薄い障壁に雑に形成するために溶融したパラフィングラウトとも併用されてもよい。この方法は、溶融パラフィンの循環供給を引き出しパイプに保持し、溶融パラフィンは切削された区域に隣接してパイプの穴を通って排出される。スチールケーブルは、この溶融パラフィンを切断部に伝達し、表面に戻す。このパラフィンは、それを固い土壌に浸透させ、切削よりも著しく厚い障壁を形成する添加剤で改良される。切削が進行する場合のグラウトの急速冷却は過剰沈下を防止する。無限の数の交換噴射チューブあるいはワイヤソーケーブルは、元の方向にドリルであけられた穴の中にあるスチールケーブルあるいは加熱「引き抜きパイプ」によって切削位置に引っ張られてもよい。これらは以前の切削による通路を再び溶かし得る。
【0011】
長い弧状導管からの高圧噴射によって障壁を形成する発明者の前述の開示された方法の改良も開示されている。新しい方法は、チューブそのものが一方向にドリルであけられた穴を通して進行中の切削まで往復運動されている間に高圧および高速で懸垂線状の弧状チューブを通って循環される溶融パラフィンあるいは溶融低密度ポリエチレンのような化学的グラウトを使用する非常に薄い切削を形成する。チューブの前方に面する表面の穴あるいは硬化ポートは、土壌を腐食させ、実質的に溶融パラフィンと交換される高運動エネルギーで加熱液体を土壌の中に放出する。このチューブは研磨切削を実行することもできる。無限数の交換噴射チューブあるいはワイヤソーケーブルは、元の方向にドリルされた穴の中にある加熱「引き出しパイプ」によって切削位置に引っ張られてもよい。
【0012】
従来技術の他の改良は、従来の噴射口グラウティング装置で注がれた前述の溶融パラフィンの使用である。好ましい溶融パラフィンは、120°〜180°Fの融点を有し、溶融パラフィンが水で濡れている、すなわち湿気がある土壌ならびに非常に低い水透過度を有する乾燥土壌に染み込むことができる界面活性剤の添加によって改良される。このパラフィンも、低密度ポリエチレンホモポリマーと交換されてもよいし、低密度ポリエチレンホモポリマーと混合されてもよい。
【0013】
前述の発明は、不浸透キャップ、垂直障壁および水平障壁を形成することを扱っているが、本発明は、連続的にかつ受動的に確かめることができる方法で環境からの廃棄場所の全隔離を生じる全統合解決策を提供する。その上部の地面レベルおよびブロックを囲み、ブロックの下にあり、周辺で地面レベルに上方に持ち上げるボックス状あるいはたらい状の3次元の数学上の「面」で構成されている底部によって規定されている地表下の「ブロック」あるいは大量の土は、ブロックの周りにその場で形成された気密の、防水防蒸気ヴォールトの中に大量の土を完全に閉囲する完全な連続する水盤および上部を形成する。
【0014】
モータオイルに匹敵する粘度を有するが、地下“ブロック”よりも大きい密度であり、ブロックがその後不浸透障壁材に硬化する液体グラウト中に浮くような液体グラウトの硬化は、静水圧を効果的に伝達し続ける間、6〜60日の長期にわたる期間の間遅延される。このグラウトの凝固遅延の長さおよび密度ならびに不浸透度は、従来の技術の性能よりも著しく優れている。
【0015】
おおよそ平行な通路においてブロックの下部表面を横切り、地面レベルまで上昇し、各端部で水平姿勢近くまで一様にする一方向にドリルであけられた穴。このような穴は、管状スチール部材あるいは「パイプ」および1つあるいはそれ以上の非交差スチールケーブルあるいはブロックの一端の地面レベルからブロックの対向する端の地面レベルまで延びる穴の各々における2つのパイプおよび少なくとも2つの非交差ケーブルを残すように形成されている。スチールケーブルあるいはチェーンのような削磨引張部材の可撓性の長さを有する機械的土壌切削手段。切削手段の正味の前進と同期して間隔をおいて移動され、そのものが縦につないで結合され、切削手段への応力を切削の面に対して保持する動力駆動装置によって2つの隣接穴間の連続するほぼ水平のループの中で往復運動あるいは循環される隣接パイプの1つあるいはそれ以上のポートからのグラウトの流れによって冷却され、洗浄され、潤滑される鎖状断面。従来技術は、指向的にドリルであけられた穴を湾曲する際に削磨ケーブルソーを利用せず、切削で穴を通って進む冷却材の列を予期しない。
【0016】
初期の切削手段および周期的交換切削手段は、引き出しパイプに最初に取り付けられるケーブルによって穴の中に引っ張られる。1つあるいはそれ以上の穴があるケーブルソー切削の弧に加圧グラウトを運ぶために使用されるパイプが形成される。このような放出点の移動は、パイプを地面を通って移動させるかあるいは切削の弧に最も近い1つあるいはそれ以上の穴の上に置かれた振り分けパッカー間に放出する、より小さい内部パイプを移動させることによって行われる。
【0017】
密度の高いグラウトで充填された周辺掘削溝は、グラウトが、重力によって穴の中へ引き出しパイプと穴との間の環状の部分の中へ切削手段によって形成された穴の間の任意の狭い切削の中へ流れ得るように指向的にドリルであけられた穴の中の各開口をカバーする。グラウトは流れ出て、圧力を解放することもできる。環状の部分を通って切削区域への溝に充填されたグラウトからの流れは溝のグラウトの高さの差によって刺激されてもよいしあるいはグラウトは穴を横切り、穴の長さに沿って任意の所望の位置でグラウトを放出する加圧グラウトパイプから流れてもよい。過剰のグラウトは環状の部分の上方へ流れ溝に至るかあるいは障壁の厚さを増加することの一因になる。
【0018】
ブロックの下部表面に沿って土壌を通る切断部は、表土重量がグラウトの浮力で支えられるように、および切断部の厚さが追加グラウトを掘削に加えることによって増加することができるようにグラウトの層で充填される。ブロックの高さの増加は、溝のグラウトの高さあるいはグラウト密度を増加させることによって制御されてもよい。スチールケーブルあるいはチェーンのような抑制手段は、ブロック上の固定部とそれからブロックが持ち上げられる掘削の中心でブロックを浮動したままにして、ブロックの任意の所与の断面の高さの増加を制限するように作動する周辺溝の外側の固定部との間に取り付けられる。
【0019】
ブロックが密度の高いグラウトの層上に自由に浮動している間、当該技術分野で公知であるような一緒に熱溶融つぎ合わされた高密度ポリエチレン押し出し(HDPE)のような不浸透シートは、シートが全ての側のグラウト充填周辺溝の外へ延びるまで、不浸透シートが対向する端からパイプを引き出すことによって浮動ブロックの下の液体グラウトの層を通って引き出すことができるようにチェーンあるいは他の曲げやすいリンク装置によって2つあるいはそれ以上の引き出しパイプに取り付けられる。このシートは、周辺溝の全ブロックおよび周辺溝の外側の小段の下にあるのに十分な幅広く、長いように熱溶融つぎ合わされることが好ましい。シートの最も外側の部分は、ブロックの下の通路の長さの差を補償するために波状にうねっているひだを取り得る。一体で移動することができない程に非常に大きい場所は、ストリップ間にかなりの重なりを有する未密封ストリップとしてグラウトの中に置かれてもよい。この材料の別個のストリップには、1つのシートが所定の場所に引っ張られ、その近くのものに対して密封することができる隣接シートにスライドできるように取り付けることができるようにテキサス州のヒューストン市のGSEによって製造されるGSEガンドウォール(登録商標)インターロック、あるいはカーテンウォール(登録商標)のような垂直シートに対して当該技術分野で公知であるようなスライド可能な機械インターロックが装備されてもよい。密封コンパウンドは、端からこの継ぎ目の中に後で注入されてもよい。
【0020】
地上の気密キャップは、その時に建造され、不浸透性シートの周辺溝の硬化面および不浸透性シートに対しても密封される。これは、ブロックの上、ブロックの下およびブロックの周りの気密封じ込めヴォールトを仕上げる。上部キャップは、2つのシート間に気密シールを形成するように周辺溝から生じる底部ライナに熱溶融シーム接着される不浸透HDPEシートの層を有してもよい。このキャップには、差分測定が構造体内部の環境と外部環境との間の分離度を評価するために連続して実行し、記録することができるようにキャップの下の土壌およびその外部表面上の土壌の両方に取り付けられた気圧センサ、湿度センサ、サウンドセンサおよび化学センサが装備されている。標準データ自動記録器は、内部状態対外部状態間の関係を時間、温度および雨量の状態の関数としてグラフで表示するコンピュータに周期的にダウンロードされてもよいセンサからのデータを記録する。
【0021】
ケーブルソーと同様であるがトラックホーのような標準建造装置で実行される往復運動ストロークによって作動する懸垂線状の切削手段は、指向的にドリルされた穴の間に切り通しを形成するためにも使用されてもよい。この装置は、流体噴射がこの装置の通路の中の土壌を浸食し、濡らすのに役立ち、流体が土壌のほぼ全てを移動できるように、それを通って高圧流体が連続ループで循環され、それからこの流体の少なくとも一部が1つあるいはそれ以上の穴あるいは「噴射口」を通るチューブの前方面を出る鎖状の弧の中で結合された指向的にドリルされた穴を通って下方に表面から延びるほぼ均一の直径の可撓性中空チューブからなる。このような流体噴射口の配置は、チューブの両端を各引き出しストロークの等しい増分往復運動回転させることによるかあるいはチューブの通路の中の全ての土壌が1つあるいはそれ以上の固定噴射口によって影響を及ぼすことができるようにほぼ調和する他の手段により切削の厚さおよび均一性を増加させるように周期的に変更される。懸垂線状のチューブの表面は削磨性であり、その通路の中の土壌を機械的に切削し、土壌を流体噴射で浸食する。追加削磨ケーブルは、引き出しパイプ上のカラーコードの非交差ケーブルによって切り通しの中に引っ張られてもよい。このケーブルは、チューブをバイパスし、削磨掘削ジョブを実行し、その後いずれかの端部から引き出すことができる。全切削チューブは、地面の外へも循環し、削磨ケーブルあるいはチェーンと一時的に取り替えることもできる。チューブが傷つけられる場合、チューブは同様に取り替えることもできる。これは、噴射切削方法が固い対象に出くわす場合あるいは噴射口を塞ぐ場合頼みの綱が全くない噴射口切削方法の主要な改良である。噴射チューブがその長さに沿ってあるいはスラリー放出点でかなりの拡大部を有する場合、チューブは、問題が発生した場合穴の外へ循環できない。構造上の欠陥、噴射口プラグ、あるいは困難な障害から回復するこの能力はこの方法の工業的用途に重要である。
【0022】
グラウト材料は、表土を浮かんでいるように支えることができる低速凝結高密度材料であってもよく、あるいは大きな未支持スパンが存在する前に設定する高速凝結材料あるいは熱可塑性凝結材料であってもよい。酸化鉄添加物および長期凝結抑制剤を有する低含水の低級セメント質ラテックスポリマー変性グラウトは浮かんでいる障壁のために好ましい。湿った土壌あるいは濡れた土壌と混合し、水不浸透土壌へさらに浸透できるパラフィンロウあるいはポリエチレンホモポリマーおよび界面活性剤添加物から製造された溶融グラウティング材は非浮揚性処理のために好ましい。引き出しパイプおよび懸垂線状チューブを通る溶融グラウトの循環は、作業遅れ中あるいは一晩中でも材料を固くさせないでおくことができる。比較的熱く、比較的低温であるが溶融されたパラフィンからのパラフィン供給ラインは、変化する基底状態を有する材料の温度を急速に調整するバルブによって混合されてもよい。パラフィンおよびポリエチレンの混合も使用されてもよい。同様のポリエチレンあるいはパラフィン混合物で作られているキャップライナは、同様の材料の完全気密シールを作成するために上部キャップで使用されてもよいし、底部障壁に熱溶融接着されてもよい。このキャップ材料は、液体材料としてキャップの表面上にスプレーされ、所定の位置に硬化されてもよいし、あるいは前以て作成されたシートであってもよい。
【0023】
上述のグラウトは、埋設された低レベル放射性廃棄物のブロックカプセル化に対する望ましい特性を有する。溶融ワックスおよび界面活性剤の混合物は、非均質廃物への優れた浸透ならびに有機汚泥の十分なボンディングおよびカプセル化を与える。この混合物は、望ましい固着料を提供し、廃棄物が地中にある間に廃棄物を固定し、将来の回収中空気で運ばれるほこりの放出も防止する。この混合物は完全に可燃物であるので、ガラス化溶融物処理の最終廃棄物に容積を全く加えない。
【0024】
本発明の持つ他の特性及び利点については、以下の詳細な説明を読むことにより、また、下記の図面を参照することにより明らかになるだろう。
【0025】
[発明の詳細な説明]
図1を参照すると、先ず浅い周辺溝7が、隔離しようとするブロックの全周面にわたって掘られる。地表下の「ブロック」または大量の土は、その上端の土地のレベルと、ブロックを包囲しブロック下に潜行して前記周辺で地上まで上昇することによって、完全で連続的な水盤を形成して、土の体積を完全に閉じ込める、箱状または水盤状の三次元の数学的「面」からなる底部とによって決められる。
【0026】
次に、指向性ドリル装置1がサイトの下に案内孔を列状に穿孔して、水盤の細長い形状を決める。非交差型ケーブルを2本かそれ以上結び付けた牽引パイプが、ドリルパイプに連結され、案内孔内を牽引される。この操作の後では、各パイロット孔は1本の牽引パイプと、2本かそれ以上の色分けされた鋼製ケーブルとを収納している。次に、ダイヤモンドワイヤソー装置2が、隣接ケーブルを繋いで形成された研磨材ケーブル3を案内孔を介して駆動して、隣接する案内孔の間に経路を切り通す。研磨材ケーブル3は土壌を切断し、土壌粒子を表面まで運ぶグラウトの流れを補助する。牽引パイプ3,5,及び8は、経路が切られた後、案内孔の中に残る。
【0027】
グラウトプラント4は、隣接する一対の牽引パイプの一方または双方を介して、グラウトを切断された円弧まで圧送し、溝7もまた高密度流体グラウトで満たす。ブルドーザ10等の牽引手段がワイヤソー2を前進させるに従って、グラウトパネル9が形成される。溝7内のグラウトのレベル及びその密度によって、ブロックの底部に静水圧力が加えられる。
【0028】
図2に示される牽引パイプ11は、定位置にあって水盤を形成している。各牽引パイプ11は、切断用端部で繋がっており他端でワイヤソー装置13に結び付けられた鋼製ケーブルを一本または複数本、随伴している。ワイヤソー装置13はブルドーザ12によって牽引される。グラウトプラント15は、加圧されたグラウトを表面の周辺溝16に、又、フレキシブルホース14を介して一本または複数本の牽引パイプ11に供給する。グラウトはポート18を通って牽引パイプ11から出る。グラウトはケーブルソー19を潤滑および冷却し、切り屑を表面の周辺溝16まで運んで回収する。切断部17は、密度の高い液状グラウトで満たされ、これが表土の土壌の重量を支える。
【0029】
図3を参照すると、グラウトプラント21が周辺溝を外縁部24の高さの下の高さ22まで満たし続けると、ブロックが地面から上がるので、切断部の厚さが浮力によって増大する。ブロック内部に存在する亀裂および裂け目はグラウトで満たされるが、ブロックに働く静水圧力どうしは均衡するので、脆弱面にまでは延びない。ブロックの外側の土の中の裂け目もまたグラウトで満たされる筈である。
【0030】
図4は、ドリルパイプを地中に設置することでヴォールトの下面形成中の指向性ドリル装置28を示す。長い“牽引パイプ”にはその長手方向と平行に走る数本の鋼製ケーブルが備えられ、鋼製バンド等の仮留めによって両端でパイプに、また中間部でマスキングテープによって固定されている。各ケーブルの端部は色分けされており、互いに交差していない。これらの牽引パイプは孔内のドリルパイプに取り付けられており、元のドリルパイプを牽引するブルドーザ29によって、定位置31まで牽引される。各隣接パイプ32のケーブルから取り出されたそれぞれ1本のケーブルは一緒にされて、ワイヤソー装置35に結び付けられる。これらのケーブルは、より特殊化されたダイヤモンドワイヤソーのケーブル33を切断部で引っ張るために用いられても良い。このケーブルの循環およびワイヤソー装置によって加えられる張力は、冷却、潤滑および切り屑の搬出のために、供給されたグラウトが牽引パイプから圧送されて切断部近傍の排出ポート34を出るに従って、地中に懸垂線状の切断部を切り開く。グラウトは浮力によって切断部の厚さを増大するので、得られたバリアが連続していることを検証するために、チェーンその他の機械的な検定器具を、今や浮き上がっているブロックの下で、切断部の一つまたは複数の区画を通して牽引しても良い。パイプが常に定位置に残るように、ブロックの下を牽引する際にはパイプの端部に追加分の長さのパイプが加えられる。ロール状の合成不浸透性シート、例えば高密度ポリエチレン押し出しシート27が液体グラウトを通して、浮き上がっているブロックの下に牽引される。これは後述するように、別々に牽引されるインターロック式シートでも、或いは無数のリンクルを備えた一枚の大きな連続シートでも良い。
【0031】
図5Bは、必ずしも密度が均一でなくその寸法のためにいくらか弾性的に挙動するブロック38がグラウト層の上に浮いている様を示す。ブロックが完全に上がった時に、ブロックの全体的な上向きの動きを制限すると同時にセンタリング効果41を与えるために、ブロック内およびブロックを包囲するアンカー杭に鋼製ケーブルまたはチェーン36および37を取り付けても良い。プラント42からのグラウトは、ブロックの一端では溝40を満たしても、粘性と摩擦のために、当初は他端39にて溝を満たさず、そのために、ブロックの一端が先に上がることもあり得る。しかし、ある時間が経過すると、流体のレベルは等しくなり、ブロックは水平になる。
【0032】
図6に示されるような気密ヴォールトを作るために、硬化したグラウトの壁43に弾性材料44(エラストマーまたはワックス)でキャップ構造がシールされる。これに加えて、不浸透性のポリエチレンシート53が、キャップ構造中の類似の不浸透性のポリエチレンシート45に融着される。この上端のシートには、当業者に良く知られている、砂、コンクリート46、粘土47、及び表土からなる層が被覆される。粘土と砂には、そこに植物、動物及び虫が住み着くのを阻止するための苦味添加剤が配合されている。ヴォールトの内側ならびにヴォールトの外側の清浄な周辺部に、気圧、湿度、温度、音および化学の各センサ48,49,50,及び51が埋め込まれる。これらのセンサによってヴォールトの完全性を受動的に長期間計測することが可能になる。また閉鎖構造内にトレーサ用ガスを導入するためのポートを設けても良い。
【0033】
別の実施形態では、図1及び2に示された装置は変形されて、図7に示すように溶融パラフィンのグラウトの循環ループが含まれている。溶融パラフィンのグラウト55は、ポンプ56によって、牽引パイプ57の一つに、連結パイプ63またはホースに循環され、他の牽引パイプおよびホースを通ってタンク車に戻る。牽引パイプ中の孔または噴出口59は、切断部を冷却および潤滑し、牽引パイプの外側の環状部に沿って切り屑を表面まで回収するために、切断領域にグラウトを噴射する。切断ケーブル60はワイヤソー61によって切断部内を牽引される。ワイヤソーと牽引パイプは、全てブルドーザによって前方に周期的に牽引される橇(そり)に取り付けられている。パラフィングラウトは、土壌に置き換わって、表土が沈下可能なだけ充分な長さを切断部が備えている間に、ワイヤソーの切断部の数メートル後方で硬化する。パラフィングラウトは、硬化する前に土壌中に数インチ浸透できるので、最終的なバリアの厚さは数インチとなる。比較的に高温のラインと比較的に低温のラインから供給された溶融パラフィンは、材料の温度を変化する地中の条件に迅速に合わせるために簡単なバルブによって混合される。
【0034】
パネルが一旦完成したら、周辺溝を公知の手段で掘削して溶融グラウトで満たしても良い。もしもブロックに浮力を与えるための酸化鉄粉末の添加によってパラフィングラウトが充分高密度にできていれば、図3に示されるように、周辺溝には溶融グラウトが保持されて厚いバリアが形成される。牽引パイプ66およびケーブルアセンブリは、端部を未だ露出させたままで、ブロックの下を一度完全に通過することを許す充分な長さ65を備える。
【0035】
本発明の他の実施形態では、図8に示されるように、指向性ドリル装置67は、タンクの下の汚染された土壌サイトの周辺を取り囲んでいる土の下にパイプを配置し、また表面に戻る。図7に示されたものと類似の切断手段を用いて、グラウトプラント70からの高密度流体グラウトの層がタンク71の下の面72内に配置される。次に周辺溝が一部の高さまでタンクの回りに掘削され68、高密度流体グラウトで満たされる。残りの深さはクラムシェルまたはトラックホー69で掘削され、グラウトがタンクの下の面内に流れ込むと、タンクを含む土のブロックが、解放されて上に浮き上がる。
【0036】
図9A−Fは、下方が切断されて、本発明の方法によって持ち上げられた長く狭い埋設サイト73の断面の様子を示し、ここでは一対の案内孔74が用いられている。図9Aに示されるように、最初に、指向性ドリル孔どうしの間をワイヤソー75が密度の高い流体と共に切断し、埋設溝の下に水平切断部を形成する。二番目に、図9Bに示されるように、垂直な周辺溝76が掘削される。次に、図9Cに示されるように、周辺溝76が密度の高いグラウト77で満たされる。そこで、図9Dおよび9Eに示されるように、土壌のブロック78は浮き上がり、より高い土壌の縁を外側に配置した状態で、その最終位置まで上向きに移動する。図9Fに示されるように、最後に気密キャップ構造81が下の土のバリアに結合される。
【0037】
図10では、図9に示されたものと類似の長い廃棄物サイトが下方切断され、持ち上げられている。掘削機83が周辺溝を充分な深さまで掘る。溝の一端を横切るように一対の孔が掘削されて被覆され、ワイヤソーのケーブルがブロックの全体をループ状に包囲する。これは他の溝にも適用できるが、より多量のグラウトが必要になる。次に溝は高密度のグラウトで満たされる。ワイヤソー装置82が切断部84を形成し、これを溝からのグラウトが満たして、ブロックの重量を浮力で支える。切断部が進行すると、ブロックは完全な浮上位置まで浮力で持ち上がる。
【0038】
図11では、小型のテストブロックが直接牽引ケーブル法で下方切断されている。ブルドーザ89が土壌中でケーブル88を牽引し、一方、溝87はグラウトプラント90によって供給される密度の高い流体グラウトで満たされる。
【0039】
図12A−Cは、ブロックを合成の不浸透性の層でシールする工程を示している。図12Aに示されるように、土壌のブロックが密度の高いグラウトの層の上に自由に浮いている間に、ブルドーザ93が牽引パイプ92を牽引し、今度はこの牽引パイプ92が不浸透性のライナ用シート91をブロックの下に完全に引き込む。図12Bに示されるように、不浸透性のライナ用シート94は、周辺部の縁の上まで延びるまで、ブロックに下に引き込まれる。図12Cに示されるように、不透過性の上端シート95が、ブロックの全周で底部シートに融着96され、気密状の汚染物ヴォールトを作る。
【0040】
一つの実施形態では、図13に示されるように、一つの大型シート99が自由に浮上しているブロックの下に一つまたは複数のブルドーザ98によって牽引される。この実施形態では、牽引パイプ100は、シートに一定間隔で弾性的に取り付けられている103である。シートの縁部は長さの違いが相殺されるように襞(ひだ)状にしても良い。
【0041】
別の実施形態では、図14に示されるように、不透過性のライナ材105の多数のインターロック式シートが、牽引パイプ108によって、自由に浮いているブロックの下に牽引される。インターロック106は、シートが液体グラウト104中を牽引される際の相対移動を許しながら、シートどうしを連結する。
【0042】
図15A−Bは、基本的な方法の別の代わりの実施形態を示す。この実施形態は、均一な筒状研磨部材110と、2台の掘削用トラックホーの動きによって筒状部材が切断部の円弧の周囲で往復する際に切断部に向けられる循環加圧流体55とを用いた、懸垂線状切断法を示す。図15Bに示されるように、単一の固定された噴射が円弧の少なくとも45°をカバーすることによって、筒状部材の経路中の略全ての土壌に当たるように、筒状部材の両端部は回転される。この実施形態では、筒状部材は、地表から案内孔を下って懸垂状円弧と連結する略均一な径の可撓性の高圧チューブである。高圧液体は連続ループで循環し、液体の少なくとも一部は一つまたは複数の孔または噴射口から筒の前面に出るため、噴射される液体は、装置の通路内の土壌を浸食し湿潤させるのを助け、液体が略全ての土壌に置き換わるのを許す。切断部の厚さと均一性を高めるために、一つまたは複数の固定された噴射口が筒の通路の全ての土壌に当てられるように、各牽引ストロークの度に筒の両端を同量だけ往復回転させることによって、または、他の手段によってこれらの液体噴射口の向きは略一斉に周期的に変更される。
【0043】
最終的なキャップが配置されて完成した封入構造が図16に示されている。
【0044】
本発明の更なる詳細が以下に記載される。
【0045】
テキサス州ヒューストンのEastman Cherrington社で用いられているような指向性のドリル装置1、或いは、Charles Machine Worksが製造しているような直接押し出し型の装置が、一連の概して平行な(平面視)案内孔8をサイトの下に穿孔するために用いられる。案内孔どうしは通常20から100フィート離して設けられ、平行または等間隔である必要はない。案内孔は、形成されるバリアの幾何形状を決定しさえすれば良い。孔は通常は溝内から或る角度をなして地中に進入し、所望の深さまで下がり、横這いになって略水平に進み、次に上がってブロックの反対側で溝に戻る。この種の孔の操向と位置検定は当業者に良く知られている。このような案内孔がいくつか間隔を開けてサイトの幅にわたって種々の深さで穿孔され、汚染された岩石または土壌の層の略真下でありながら、両サイドと各端部では地表近くまで上がって周辺溝と交差するような長い水盤状の面をなぞる。この周辺溝は、従来の方法に基づいてバックホーで掘削しても良い。
【0046】
これらの案内孔の穿孔中は、孔が非汚染土壌中に位置することを確認するために、地表に戻って来る穿孔液体を用いても良い。もし汚染が発見されたら、孔を閉塞し、もっと深い孔が設けられる。非汚染土壌中の孔の一部は薄いプラスチック製スリーブ5内に収納しても良い。
【0047】
穿孔が完成したら、穿孔パイプ8が引き抜かれた後で、一対のソーケーブル6(または噴射チューブ110)および“牽引パイプ”7を各案内孔内に導入しても良い。これら2本のケーブル(またはチューブ)は、鋼製パイプの両端に取り付けられている。この構成によって、ケーブル同士が互いに交差することが防止され、置き換えケーブルの設置手段またはグラウト射出手段が提供される。パイプは、溝から土壌縁部を超えて各端部の水平位置まで延びる。鋼製パイプは、当業者に良く知られるような、ネジ連結部を備えた2〜3/8インチの油井配管が好ましい。鋼製パイプには、一つまたは複数の小孔が間隔を開けて穿孔されていても良い。このパイプは任意に、密度の高い流体または超高密度グラウトを案内孔に沿った地点まで搬送するのに用いても良い。ストラドル・パッカーを備えた小径のパイプを牽引パイプ内で動かして、液体の流れをパイプに沿った任意の所望の地点に向かわせても良い。好ましくは、孔が所望の位置に来るように地中でパイプを動かすことによって、流体を任意の地点に向けても良い。もしもケーブルが使用中に破損したら、このパイプは追加されるワイヤソーケーブルを所定位置に引き込むことに用いても良い。これらのパイプは、当初の切断がなされた後で、より大径のまたはより高能力のワイヤソーケーブルまたは切断装置または検証用バーを切断部内に引き込むことに用いても良い。
【0048】
指向的に穿孔された案内孔の一端には、御影石ブロックを切り出すために作られたイタリア国ベローナのPellegrini社のTDD100G等のダイヤモンドワイヤソー型の石切ソーが設置される。これらの装置は多年にわたって用いられている。ダイヤモンドワイヤーソーは、本質的には鋼製ケーブルに間隔を開けて研磨材が結合されたものである。ワイヤソー装置は大出力で駆動されて、ケーブルに張力を維持し、ケーブルの連続したループを帯鋸のように切断部に沿って引くケーブル滑車である。第1の孔からのダイヤモンドソーの鋼製ケーブルは、第2の孔を介してループ状に戻ってワイヤソー装置に連結されて、連続した一本のケーブル状になる。鋼製ケーブルどうしを連結する方法は、業界で公知の再編み合わせ工程を含む。ケーブル装置によってケーブルは2つの孔内で連続ループ状に動かされ、ケーブルに張力を持たせて、最初の2つの孔の間に通路を切断する。ケーブルのダイヤモンド研磨材部は、岩石および土壌を切断できる。岩石が予想されない適用例では、土壌を迅速に切断するためにケーブル研磨材を最適化しても良い。柔軟土壌を切断するには、標準的な航空機グレードの鋼製ケーブルを研磨材無しで用いることも出来る。この明細書では、ケーブルソー、ケーブル、ダイヤモンドワイヤソー、ダイヤモンドワイヤソー型の石切ソー、およびワイヤソーなどの言葉が前記の機械的な切断手段を指すために互換的に用いられている。粘土がケーブルに付着しないように、切断液は場合によってリグノスルホン酸ソーダまたは塩などの粘土分散剤を含んでいても良い。地中から出てくるケーブルを連続的に洗浄するために、高圧液体の噴射または機械的なブラシを設けても良い。
【0049】
案内孔の各端部の浅い周辺溝は、廃棄物サイトの土壌の平均密度よりも大きな密度と低粘性を持つ、特殊な切断液体またはグラウトで満たされる。切り屑を除去し、ケーブルを潤滑及び冷却するために、切断液体は循環される。表土を支え、切り屑が沈殿するのを防止し、顕著な正味の浮力を与えるために切断液体は充分に緻密であることが好ましい。この液体は、密度を高めるために鉄酸化物粉末を含むゲル化水で形成されていても良く、或いは、鉄酸化物で修正され硬化遅延剤を含んだ緻密なセメントグラウトでも良い。この流体を、案内孔内の牽引パイプを下方に切断領域まで圧送しても良い。この箇所で流体は牽引パイプを小孔から出て、切断領域に静水圧ヘッドを加えながら流れて地表に戻る。ワイヤソーケーブルが動くと、このケーブルは流体を切断部の入口側から出口側に循環させ、地表の溝に戻る。ワイヤソーケーブルは、この流体を切断部にも搬送し、そこで切り屑を拾って戻るケーブルと共に地表の溝に回収する。使用された流体は、溝の出口領域から収集して、再調整の後に溝に戻しても良い。流体の密度と、地表の溝からの静水ヘッドとが均衡力を与えて、ワイヤソーが形成した切断部内に表土が崩れ落ちることが防止される。流体は、透過性の土壌と岩石に非常に限定された程度に流入し、しかも、静水圧力が作用して表土をさせるフィルターケーキを形成するように設計されている。この原理は固形化されていないサンドを介して穿孔される深い水平油井のものと類似している。
【0050】
土壌と岩石が非常に研削性の高いものなら、一回の切断の間にケーブルを数回交換する場合もある。破損したケーブルは、孔に残されている鋼製牽引パイプで新しいケーブルのセットを前記一対の孔から牽引して置き換える。最初のワイヤソー切断が完了したら、次の切断を開始しても良い。各々の切断は固有のケーブルを備えているので、多数のワイヤソー装置が使用できれば、多数の切断が一度に完了する。ケーブルは殆どの岩石と土壌中の残骸によって切断され易いものと思われる。柔軟な土壌中の硬い岩石は、ケーブルによって押し上げ又は押し下げられる。いずれの場合にも、密度の高い流体は、形成されたあらゆるギャップをも満たす筈である。大規模の適用では、より長く広い切断部を作るために、大径のケーブルを用いることができる。
【0051】
与えられた領域に最初の切断が形成されたら、溝に追加のグラウトが加えられ、パイプを介して射出される。溝内でのグラウト流体の高さは次第に増大し、これによってより多くのグラウト流体が切断部に流れて、切断部の厚さがゆっくりと均一に増えるに従って、表土の土壌を浮力で持ち上げる。この概念は、乾ドックから船を浮き上がらせるのに似ている。土壌ブロックが約3フィート上がるまでグラウトの追加は継続される。図2Aを参照。この位置ではバリアの厚さもまた約3フィートである。案内孔内の通路にある鋼製パイプを、チェーン型の検定バーまたは高密度ポリエチレン押し出し(HDPE)のライナを浮いたブロックの下に引き込むことに用いることができる。図5を参照。HDPEの大型シートは、電解融合法によって作製でき、サイトの全体に一度に引き込むことができる。セメントをベースとしたグラウトの強度を増大するために、この方法で複合体繊維製の補強網を設置しても良い。ポストテンション用ケーブルまたは非破壊検査装置もまたこの方法で設置できる。
【0052】
ブロックの押し上げ力を高める目的でグラウトのレベルを高められるように、或いは、地上構造物または重い物のあるサイトを持ち上げられるように、土壌の縁を溝の外周の回りに築いても良い。ブロックを液体周辺の幾何学的な中心に維持するための力を提供するために、アンカーされたケーブルを用いても良い。図6を参照。
【0053】
グラウトの特性と組成
専売のグラウトは数週間の間流動性を維持した後、セラミック製タイルに類似の物理的および化学的特性を持つ岩石状に硬化する。この流体の特性は、サイトに合わせて、且つ十分に「フィルターケーキ形成型」に仕立てられているので、流体は土壌または岩石内に過剰に漏れ出すことはない。好適なグラウトの透過率は約10−8cm/secであることが判った。6カ月後の圧縮強度は5000psiより大きい。このグラウトの硬化時の収縮率は略ゼロで、高い不浸透性を有する。湿潤および乾燥の両方の条件に適する。液体としてのグラウトのマーシュファンネル粘度は、120秒より小さく通常は70秒より小さい。このグラウトは無機性で、硝酸塩のマイグレーションに対して耐性がある。ワイヤソー操作工程で切断用流体として用いるための非硬化型のグラウトも入手できる。硬化型のグラウトと混合されると、この密度の高い切断用流体もまた硬化する筈である。
【0054】
特殊超高密度グラウトは、潜在的な応力亀裂を最小化するために、タイプKその他の無膨張セメントで構成され、初期密度が12から20ポンド/ガロンとなるように水と混合するのが好ましい。最終的な密度を20から30ポンド/ガロンに増大させるためにバライト、真鍮または銅の粉末、ウラン鉱石、またはスチール小球等の高密度添加剤が、但し好ましくは、油井をセメント結合させる或いは穿孔する流体として当業者に公知の、鉄酸化物粉末(ヘマタイト)が添加される。濃縮ポリナフタレンスルホン酸等の粘度低下予混合剤、但し好ましくはテキサス州ヒューストンのHalliburton Servicesから入手可能なHalliburton CFR−3等といった塩寛容性の高レンジ減水剤が、0.5から2%の濃度で添加される。当業者に公知のリグノスルホン酸塩、ホウ酸塩、またはグルコン酸などをベースにした硬化遅延予混合剤、但し好ましくは、Monsanto Chemcalがスケール防止剤として製造しているアミノトリメチレンフォスフォン酸などの有機フォスフォン酸。他の好適な添加剤には、フューム状シリカ、エポキシ樹脂、およびブタジエンスチレンのラテックスエマルジョンがある。正しい割合で作られた上記のグラウト配合は、数週間にわたって液状を保ち、バターミルクに匹敵する粘度を持つ非沈殿性のスラリーを形成する。数週間の後にスラリーは硬化する。数カ月の養生の後に高い圧縮強度を得る。
【0055】
そのようなスラリーの例を以下に挙げる。90から110部の水(重量で)、150部のタイプKセメント、300から400部の粉末ヘマタイト(鉄酸化物)、20から40部のフューム状シリカ、25から35部のラテックスエマルジョン、30から60部のCFR−3、および0.2から0.8部の有機フォスフォン酸。このグラウトの水分含有量は非常に低く、非常に乾燥した環境に耐える最終製品が得られる。
【0056】
もしもサイト特性が可撓性のバリア材料を要求する場合には、代替スラリーを用いれば良い。このスラリーは上記のスラリーと類似しているが、セメント含有量はセメント50部に減らされ、水は、他の硬化遅延剤の代わりに1パーセントのリグノスルホン酸塩で調整され予め水和された6から8パーセントのベントナイトスラリーに置き換えられる。この配合は、国内産の粘土に類似の可塑性を備えた緻密で粘土状のグラウトを形成する。
【0057】
エポキシ樹脂グラウトに、粉末状ヘマタイト、またはヘマタイトを含んだセメントグラウトのスラリーを加えて、他の代替グラウトを作製しても良い。好適なエポキシは、テキサス州シュガーランドのCarter Technologies社が販売しているCARBRAY100である。このエポキシは非常に低粘度であり、水またはベントナイトのスラリーで希釈できる。この材料は養生されると、種々の湿潤環境で安定なゴム状の製品となる。このエポキシには乾燥ベントナイト及び粉末状ヘマタイトを混合して、低コストでしかも可撓性の製品を形成しても良い。
【0058】
他の有益なグラウト材料は、溶融パラフィンまたは溶融低密度ポリエチレンである。これらの材料は、水の沸点よりも低い温度で溶融するので、フィールドでの操作に用いても清掃が比較的に簡単である。これらは双方とも、土壌が既に濡れている場合でも、土壌を濡らし易いように表面活性剤で改質可能である。
【0059】
全ての方法のための気密質の気圧キャップ
いずれかの方法でバリアヴォールトの下方の地中部分が完成した後は、上方の地上キャップが構築され、後に土壌で被覆される。このキャップは従来型のコンクリート、粘土、およびHDPEの構造であるが、気密状に設計されており、内と外の面には受動型の気圧センサが設けられている。これらのセンサでは、ヴォールトと周辺との温度差を監視し、記録することができる。乾燥した土壌は、気圧に対して比較的透過性が良い。ヴォールト内の裂け目は外気圧が緩慢にヴォールト内に等しくなるのを許す。このキャップには、外の大気圧、外部土壌ガス圧、及びキャップの下の内部土壌ガス圧を監視する圧力センサが備えられている。これらの圧力を常に比較することによってバリアの完全性を確認することができる。手動で操作される通気パイプは、収納物から発生するガスによって構造内に蓄積される全ての圧力を周期的に解放することができる。亀裂の検出、位置特定および補修を助けるために追跡用ガスを導入することができる。図7を参照。封入構造内にフレオンまたは他の適切な追跡用ガスを少量導入すれば、周辺に配置した土壌ガスのプローブによって如何なる表面化の亀裂も検出できる。臭いを発生する化学物質を注入すれば、訓練された犬によって定期的に監視できる。漏れの発生源を掘るように犬を訓練することもできる。
【0060】
バリアの内側対外側での湿度のレベルおよび音のレベルもまた漏れを監視するのに用いられる。外側でのレベルが変化する時も、バリアの内側の湿度レベルは変わらない筈である。構造の内側で乾燥空気を循環させることによって、内側での湿度レベルは下がる可能性がある。封入構造内の受動的音センサは、岩石状のバリア材料の応力亀裂が発生したらこれを検出できる。構造の外側に埋設され、周波数が一秒間に20から60,000まで交互に掃引される4個のアコースティックトランスデューサーは、亀裂の位置と強度を示す情報を構造の内側と外側のいくつかのアコースティックセンサが収集するのを可能にする。異なる周波数の減衰が亀裂の大きさを示す。
【0061】
好適な構築方法は、その大きさと環境条件によって大きく変わる。アイダホ州の300フィート×300フィートのキャップのための構造の例を以下に示す。周辺溝の硬化した表面は円滑にされ、その表面にCarbray 100エポキシ、またはシリコン質コーク材のような弾性ゴム状材料が層状に載せられる。周辺溝の境界内には、縁部で1フィートの深さで中心では3フィートの深さの傾斜ができるように、通気性サンドの層が配置される。溶融結合法で作製されたジオテキスタイル(geo−textile)高密度ポリエチレンの上部ライナ用シートが、シール材料の上方まで延びるようにサイトの上に配置され、周辺溝の外まで延びた底部のライナ材に溶融接合されている。上にポストテンションと補強が設置された状態で、上部のHDPEライナの上にジオテキスタイルが設置される。虫、植物、及びゲッ歯類が更に忌避するように、胡椒、アルミニウム、及びホウ酸等の苦い味の添加物がライナの上に広げられ、その上端に低通気性コンクリートが鋳込まれる。フロストラインよりずっと下のコンクリートキャップを埋設するために、コンクリート製キャップこれらと同じ添加剤を用いて、粘土と土壌のキャップが上部に構築される。
【0062】
裂け目の場合には、ヴォールトの全体の中に拡散するような、通常のR−12フレオンまたはR−134または類似の過フッ化炭化水素などの追跡用ガスの少量を射出するために、完成ヴォールト内のポートを使用できる。このガスが壁を通して微量漏れた場合でさえ、高価でないポータブルな検出器によって、周辺の表面とヴォールトの上端において検出できるので、漏れの一般領域が示される。臭いを発生する化学物質をヴォールト内に導入しても良い。そうすれば訓練された犬を用いてキャップおよび周辺領域を定期的に検査できる。犬は臭気物質の濃度をより確実に検出でき、現在入手可能な装置よりも低い濃度を検出できることが判っている。隔離性を確かめるために湿度レベルも使用できる。ヴォールトの壁内の無線周波数、電気抵抗、またはアコースティック・ロギングを実施して、たとえ漏れを生じない亀裂でも亀裂の位置を特定するために、ヴォールトの壁と床の内部に配置された中空パイプを用いても良い。ヴォールトの外側に埋設された数個のアコースティックトランスデューサが掃引する一秒間に20から60,000サイクルを、構造の内側に埋設されたセンサで収集することも、亀裂の位置特定に使える。応力亀裂は発生する時に音を出し、これを受動的に検出することができる。好適なグラウト材は、封入構造の内側と外側の間のロギング抵抗を許すような低い電気抵抗を有する。
【0063】
ヴォールトのキャップへの著しい損傷は、エポキシ亀裂インジェクションを含む従来の手段によって補修できる。側壁への損傷は、壁に沿って狭い溝を掘削し、新しいコンクリートを鋳込むことによって補修できる。従来からの化学的グラウト法も使用できる。ヴォールトの床への損傷は、珪酸ソーダ、ポリアクリルアミド、またはエポキシ等の水で希釈した化学グラウトをヴォールト内に潅水することによって補修できる。既存のバリアの下に全く新しい封入バリアを構築することも可能である。
【0064】
この方法の変形例
ボトムファースト埋設溝法
ほぼ20フィートの幅×15フィートの深さ×500〜1700フィートの長さである多数の埋設溝がアイダホ州にある。これらの溝は、一般的には平行であり、約30フィート離れている。これらは、手当たり次第に投棄された立証されていない低レベル廃棄物を含む。この溝は、玄武岩岩石層まで下方にブルブルドーザで切削された。この玄武岩岩石層は、約500フィートの厚さであるが、スネークリバー帯水層の上にある。この岩石は、砕かれ、長期封層であるとみなされない。
【0065】
一方向にドリルであけられた穴は、所望の深さで溝の中心線を外れた底部に沿って配置されている。これは玄武岩岩石層への縦穴であることもある。これらの案内穴は、埋設溝の各端上の表面まで後方に湾曲させる。パイプ、好ましくは2〜3/8インチの油井鋼管の両端に取り付けられたダイヤモンドワイヤ石切りソーケーブルは、ドリルパイプが取り除かれるとき各穴の中に引っ張られる。
【0066】
一方の穴から他方の穴へのケーブルは、この表面で結合され、連続する長さになり、ワイヤソー機を通って縫うように通される。2つの別個の土盛りで覆われた高くした穴「A」および「B」は、埋設溝のワイヤソー機端上の案内穴の周りに建造される。埋設溝の真向かいの端の案内穴の両方を接続する単一溝「C」が建造される。「A」穴にポンプで注入される密度の高いドリル流体は、番号1の案内穴を通って「C」溝に流れ、番号2の案内穴を通って穴「B」まで逆流する。穴「B」に到達する流体は、再処理され、戻され「A」に入れられる。グラウトは前述のようにパイプを通してポンプで注がれることもできる。
【0067】
この連続的流れが確定された後、ワイヤソー機は、番号2の案内穴からのケーブルを引っ張っている間番号1の案内穴の中にケーブルを供給する。切削は、「C」溝で始まり、この機械がそのトラックに沿って後方へ移動するとき、ワイヤソー機の方へ進む。周期的に新しいワイヤソーケーブルは結合され、システムになる。スチールパイプは、ケーブルの使用を中断する場合、追加のケーブルを所定の位置に引っ張るためにあるいは切削流体の流れを特定の区域に供給するために使用することができる。切削が進むにつれて、全埋設溝は、下部を削り落とされ、密度の高い切削流体の半インチの厚さの層上に支えられる。
【0068】
この流体の特性および安定性は、もちろんこの処理に重要である。流体は、土壌および土壌の上の岩石よりも大きい密度を有し、半インチの厚さの切削を通して効率的に流れ、水圧を伝達するのに十分な流体でなければならない。その流体損失特性も、半インチの厚さの切削を塞ぐことなしに浸透性岩石の小さい亀裂を塞ぐように適合されねばならない。大きな垂直な割れ目および亀裂はアイダホ州の玄武岩岩石の共通の特徴である。ワイヤソーが、充填できない割れ目に当たる場合、1つあるいはそれ以上の引き出しパイプは、珪酸ナトリウム溶液を切断部の中に注入するために使用される。この材料によって、グラウトは非常に急速に粘着性になり、大きな開口を塞ぐ。
【0069】
底部切削の完了後、側壁溝は、低粘度の密度の高いグラウトのスラリーの下をバックホーのような従来の手段によって掘られる。これらの溝は、一端で始まり、同時に両側を下方に進み、全周辺の周りに溝を建造する。側壁溝が底部切り通しと交差する場合、密度の高いグラウトは、底部切断部の中に流れ、約1〜5ポンド/フィート2の正味の正のリフティング力を与える(土壌および岩石を剪断するのに十分でないが、一旦土壌および岩石がもはや抑制されないと、それを持ち上げるのに十分である)。側壁切削が埋設溝の長さを下方に進むと、土壌および岩石の弾性によって、ブロックは自由端の地面の外へ持ち上げることができる。一旦ブロックの全長が自由に浮動すると、追加のグラウトは、グラウト層の厚さを増加させるように加えることができる。非常に長い溝の中では、土壌ブロックは、掘削機が用地の遠端に達する前に全目的の高さまで持ち上げることができる。図10を参照。
【0070】
サイドファースト埋設溝方法
他の建造方法は、より迅速に切削することができる土壌あるいは岩石で使用されてもよい。この方法は、溝が支持なしの開いた状態にある固い土壌で役立つことが期待され、大きな割れ目あるいは穴を有する可能性がほとんどない。この方法では、垂直周辺溝は、最初に全深さまで掘らされる。したがって、ワイヤ切断装置は、水平面上のブロックのベースをばらばらに切断するために溝の中に置かれている。これは、溝の中にケーブルプーリーを入れるかあるいはケーブルソーが通されている一方向にドリルされた穴を有する溝の一端のベースに入れることによって行われてもよい。この溝は、土壌ブロックよりも密度が高く、作業の持続期間中流体を残すように設計されている極度に密度の高いグラウトで充填される。切削が開始すると、極度に密度の高いグラウトは、溝を充填し、間隙切り通しにワイヤソーによって入り、ブロックに対する固形物除去、冷却および浮力を与える。この作業に対するケーブルソーは、岩石ではダイヤモンド研摩材を必要とする場合もあるが、土壌ではスチールケーブルあるいはスチールチェーン切削要素を使用してもよい。この方法では、グラウトは、穴を切削するときケーブルの後ろの穴を充填する。
【0071】
ワイヤソーがブロックの下を切り落とすと、極度に密度の高いグラウトの浮力によって、グラウトが水平切断部に流れ込むとき、下を切り落とされたブロックの端部はわずかに持ち上がる。追加グラウトは、ブロックの自由端で小さいが測定できる上昇を生じるのに十分なレベルを保持するように溝に加えられる。下を切り落とす処理が完了された後、追加グラウトは、溝に加えられ、全ブロックを所望の高さまで上昇させる。(18〜36インチの典型的な)小段はより大きいリフトの高さを可能にするように溝の外周の周りに建造されてもよい。
【0072】
この方法では、極度に密度の高いグラウトの凝固特性は、切削が完了されるまで、遅延されねばならない。この方法は、深い従来の周辺溝の掘削が可能である位置で指向的な穴あけを必要としない場合もある。この方法は、緩やかに湾曲された水盤構造の代わりに矩形のブロックを形成する。各端上の追加の傾斜した掘削は、プラスチックライナ材の導入を容易にするために追加することができる。
【0073】
直接引っ張りケーブル法
この方法の特別の変更例は、非常に軟らかい土壌あるいは小さい試験場所で可能である。溝は、表面まで戻るU字形のテーパリングの端を有するU字状および廃棄物区域が囲まれるような全深さ部分の交差溝に乾燥掘削される。スチールケーブルは、U字の底部から延び、大きなブルドーザのような引き出し手段に接続する端を有する溝の底部に敷設されている。溝のテーパリング部分は、ケーブルを所定の場所に保持するように埋め戻される。残りの溝は、土壌よりも密度が高いがいまだ流体であるグラウトで充填される。ブルドーザは、チーズスライサと同様に軟らかい土壌を通るケーブルを引っ張り、直ちにグラウトで充填される切断部を形成する。この動作は、グラウトがブロックを上方に移動するときに厚くする土壌ブロックの下にグラウトの連続層を形成する。アンカーケーブルは、土壌ブロックを掘削の中心に置いたままにする。グラウトが硬化する場合、グラウトはシームレス基盤構造体を形成する。
【0074】
垂直円筒状ブロック法
他の代替法は、廃棄物区域周辺の外側の地面に入り、深い所まで降り、表面を平らにし、分離される区域の周辺の周りに進み、(完全にこの区域を取り囲み)、それから入口点近くの表面に戻る指向的にドリルであけられた穴を形成することを必要とする。ワイヤソーケーブルは、ドリルが引っ込められるときこの円形通路を通って引っ張られる。ワイヤソーが締め付けられると、ワイヤソーは分離される区域の下を掘削する。大きな円形切断部は用地の下に形成される。図8を参照。切断部は、好ましい方法で行われるように、掘削されると密度の高い流体で充填される。この密度の高い流体は、切断部および指向的にドリルであけられた穴を表面まで充填し、土壌ブロックに対して水圧支持を与える。この密度の高い流体は、次の計画のフェーズ前数カ月後所定の位置のままであり得る非硬化材料であってもよい。流体は、グラウトよりもわずかに重いかあるいは軽いように設計され、小さい漏れ通路あるいは浸透構造を密封する能力がある。
【0075】
底部水平切断部が形成された後、周辺溝は、水平円形切断部の境界内および境界を通って従来のように掘削される。この溝は、矩形であってもよいしあるいは掘削装置の機能により湾曲されてもよい。この溝は、「乾燥」切削されてもよいし、あるいは極度に密度の高いグラウトスラリーの下を掘削されてもよい。乾燥掘削される場合、密度の高い流体は、水平切断部を流れ出て、切断部が溝の近くに接近できる。これは、水平切断部が交差されたことの目に見える証拠も与える。溝が極度に密度の高いグラウトスラリーの下を掘削される場合、スラリーは、水平切断部の密度の高い流体の水圧を平衡にするかあるいは抑え、水平切断部に流れ込む。任意には、両方の方法は、ブロックの反対側で同時に使用されるべきである。スラリー充填周辺溝が水平切断部を通って切削すると、その極度に密度の高いグラウトは、水平切断部に入り、ブロックを持ち上げさせる。乾燥溝を有する全深さのあるパーセンテージまで切削し、それから極度に密度の高いグラウトで充填された溝との交差を完了することも望ましいことであり得る。
【0076】
溶融パラフィンでの障壁の形成
ワイヤソー切削も、密度の高いグラウトと同様に引き出しパイプを通って切り通しの中にポンプで注入される溶融パラフィンを使用して行われてもよい。引き出しパイプは、パラフィンがパイプの周りに硬化させないように循環ループを含んでもよい。この方法では、パラフィンは切削ケーブルの後方2、3フィートだけ硬化する。液体区域は、一般的には1〜3インチの厚さの案内穴間の薄い弓形である。これは、障壁が減少されないように土壌への表土応力を制限する。これらのグラウトは、浮力リフト障壁を容易にするためにグラウトを土壌よりも密度を高くする粉末酸化鉄で修飾することもできる。しかしながら、沈下を防止するために急速な硬化による薄い障壁を建造するためにパラフィンのような熱可塑性材を使用することもできる。沈下力は、土壌表土の構造上の強度が沈下を防止するのに十分であるような十分狭い切断部の1つの水平の寸法を保持することによって制御される。2つの成分の化学的グラウトは、第2の成分を供給する同心内部パイプおよび両方の成分の流れを受け取り、この成分を一緒に混合するように製造されているノズルを含む引き出しパイプに対して同様に加えることもできる。これは、一緒に結合されるかあるいはより大きなパイプ内部の2つの別個のパイプで行うこともできる。グラウトは、ケーブルが内部に移動する切断部側に注入されることだけが必要である。地面を通るケーブルの移動は、グラウトの大部分に切断部の懸垂線状の弓形の周りで、かつ後方に表面溝までケーブルを移動させることを追跡させるポンピング動作を形成する。
【0077】
懸垂線状の弧状チューブそのものが指向的にドリルであけられた穴を通って進行切断部まで往復運動されている間、溶融パラフィンは、高圧および高速度で懸垂線状の弧状チューブを通って循環される。典型的な圧力は、再循環ラインの圧力を自動的に制限する再循環ラインのスプリングピンチバルブによって制御される2000psi〜10,000psiである。循環速度は、粒子が外へ沈殿することを防止し、温度を均一に保持するのに十分である。チューブの前方に面する表面の穴あるいは硬化ポートは、土壌を浸食させ、実質的に溶融パラフィンと交換させる高運動エネルギーで土壌に加熱液体を注入する。これによってチューブは前方横方向に進むことができる。これらのポート、すなわち“噴射口”は、チューブの表面と同一平面を成す炭化タングステンノズルを鑞付けすることによって製造されてもよい。チューブの表面部分は、エポキシーコーティングに埋め込まれた炭化タングステンのような削磨粗粒子あるいは溶接付着表面硬化によって被覆されてもよい。各引き出しストローク後にチューブの両端をわずかに回転させることは単一噴射口がチューブよりも幅広い通路を掘削することを可能にする。このような回転シーケンスの例は、0°、+5°、0°、−5°、0°、+5°である。チューブをわずかな増加量回転させることによって、固定位置噴射口を有するチューブの前に全土壌区域を押し流すことができる。土壌噴射装置の以前のテストにおいて、発明者は、単一噴射によって形成される切断部の幅が土壌種類および噴射係数で著しく変わることに注目した。噴射口が少なくともチューブの直径と同様の厚さの切断部を形成しない場合、この装置は機械削磨によることを除いて進歩できない。パイプの端部は、油井ダウンホール工具の技術で一般に知られているような機械的「Jスロット」機構によって自動的に回転されてもよい。この機構は、チューブが応力状態に置かれ、解放される度に1つの増分回転する。
【0078】
チューブが地面を通って横方向に通過するとき、パラフィンは、土壌に浸透し、固体状態まで冷却するの両方である。障壁から離れて砕けるパラフィンは、急速冷却を行い、硬化し、密封する。注入温度および冷却速度は、切断部の十分大きい液体区域が存在し、表土の沈下が障壁を挟む前にパラフィンが硬化し得るようなものである。新しい溶融パラフィンは常にチューブを通って循環し、切断部の隣接した区域は、たとえ往復運動が停止するとしても、常に溶融のままである。パイプが破断するかあるいは動かなくなっているならば、新しいチューブは前の切断部を通る通路を溶かすことによって所定の位置に引き込まれ得る。無制限の数の交換噴射チューブあるいはワイヤソーケーブルは、元の方向にドリルであけられた穴の中にある加熱“引き出しパイプ”によって切削位置に引き込まれ得る。削磨ワイヤソーケーブルあるいはチェーンも、固い物体を通って切削するために2、3フィートだけ噴射口チューブよりも前にあり、チューブの応力を減少させ得る。
【0079】
従来技術の他の改良は、従来のグラウティング装置で応用された前述の溶融パラフィンの使用である。好ましい溶融パラフィンは、120°〜180°Fの融点を有し、溶融パラフィンが既に水で濡れるかあるいは湿っている土壌ならびに水に対して非常に低い浸透度を有する乾燥した土壌にしみ込むことができる界面活性剤の添加によって修飾される。このような界面活性剤の例は、ミネソタ州のセントポール市の3M社によって製造されたFlourad(登録商標)FC‐430のようなフッ素脂肪族化合物重合体エステルを含んでいる。他の有用な界面活性剤混合物は、重量で9の割合のオレイン酸、6の割合のアルカノールアミン、ノニルフェノールエトキシラートのような6の割合のノニオン界面活性剤の混合物から形成される。任意のオイル可溶染料とともに界面活性剤は、直接噴射口グラウティング装置に供給する溶融パラフィンのタンカートラックに追加することができる。任意には、不完全なティスティング物質あるいは不完全なスメリング物質は、齧歯類動物および昆虫の損害に対する抵抗力を増加させるために追加されてもよい。土壌と噴射口グラウティング処理によって混合される場合、この噴射口グラウティング処理は水不浸透生成物を生じる。熱水は、パラフィンよりも前にシステムを通してポンプで吸い上げられ、パイピングを加熱し、さらにその後システムを清掃する。181.4°F で溶融するMarcus4040のような溶融低密度ポリエチレンホモポリマーは、化学的抵抗特性を増加させるためにパラフィンと同様に利用されてもよい。ホモポリマーも、界面活性剤混合物の添加によって湿った土壌でその性能を高めるために変性されてもよい。非イオン混合物の例は、エトキシ基レートアルコールが重量で7の割合、56の割合の水酸化カリウム、21の割合の重亜硫酸ソーダである。イオン混合物は、重量が等しい割合のオレイン酸とアミンとで作ることができる。ポリエチレンが主グラウトとして使用されるならば、HDPEトップライナは、底部障壁に直接融着接着され得る。この材料は、パラフィンをHDPEトップライナに接着するために熱溶融接着剤としても使用されてもよい。低密度ポリエチレンホモポリマーは、その湿潤特性、不浸透性、および化学抵抗力を改善するために2〜10%重量百分率の濃度でパラフィンワックスと混合されてもよい。
【0080】
溶融パラフィンは、アイダホ州に存在する玄武岩岩石層のような大きな亀裂あるいは裂け目を有する岩石に障壁ヴォールトを建造するのに特に役に立つこともある。溶融ワックスが亀裂に入り、障壁が形成されるべきである区域から漏れ始めるので、溶融ワックスは、熱が失われ、すぐに凝固させる。これは亀裂を密封するのに役立つ。この方式は水飽和帯およびベイドス帯の両方で機能する。
【0081】
本開示の利点を現在有している当業者は、本発明が多数の形態および実施例をとってもよいことを理解している。いくつかの実施例は、本発明の理解を示すために開示されている。これらの実施例が例示的であるべきであり、本発明を限定していないことが意図されている。むしろ、本発明が、添付クレームによって規定されるような本発明の精神および範囲内にある全ての修正例、同等物および代替例をカバーすることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、毒性廃棄物を収納した埋設型タンク場の斜視図であり、指向的に穿孔された孔、及び隣接する孔の間を切断する石切用ワイヤソー装置を示す。
【図2】図2は、図1に示されたタンク場の下に不透過性の汚染物バリアを形成する様子を示す。
【図3】図3は、図1に示されたタンク場の下の完成した汚染物バリアを示す。
【図4】図4Aおよび4Bは、廃棄物サイトの下に不透過性の封入バリアを形成する際に実施されるいくつかの工程を示す。
【図5】図5Aおよび5Bは、廃棄物を含む浮きブロックを縦孔の中心に維持するためのケーブルの使用を示す。
【図6】図6は、完成した封入ヴォールトの側面図であり、封入物の完全性を監視するシステムを示す。
【図7】図7Aおよび7Bは、地中を切断する研磨材ケーブルソーを用い、牽引パイプによって溶融グラウトが切断領域に供給されてバリアパネルが形成される様子を示す。
【図8】図8は、埋設されたタンクの下に封入バリアを形成する別の方法を示す。
【図9】図9A−Fは、廃棄物サイトの周囲に封入ヴォールトを構築する工程を示す。
【図10】図10は、下方切断されて持ち上げられた図9A−Fに示される廃棄物サイトの斜視図である。
【図11】図11は、牽引ケーブルで下方切断される小型のテストブロックの斜視図である。
【図12】図12A−Cは、廃棄物を含む土壌のブロックの下のグラウトバリア内に不浸透性ライナシートを配置する工程を示す。
【図13】図13は、封入サイトの斜視図であり、不浸透性材料の一枚物の大型シートを、緻密グラウト流体中に自由に浮いている、廃棄物を含む土壌のブロックの下に牽引する工程を示す。
【図14】図14は、封入サイトの斜視図であり、隣接する不浸透性ライナシートをインターロックする工程を示す。
【図15】図15AおよびBは、それぞれ平面図および断面図であり、切断して不浸透性の封入バリアを形成するために本発明の一実施形態で用いられる懸垂線状切断工程を示す。
【図16】図16は、シールされたキャップを備え完成した封入ヴォールトの斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に地下に埋められた有害廃棄物質を含む地下封じ込め障壁の本来の場所への建設のための装置および方法、より詳細には汚染物が空気中あるいは取り囲む層あるいは下にある層に放たれないようにこのような有害物質をカプセル化するヴォールトを建造する方法に関するものである。本発明は、さらに数年にわたるヴォールトの連続完全性を監視する手段および長期間にわたって生じ得るいかなる割れ目も修理する手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子力時代の初期の時代には、汚染廃物および立証されていない低レベル放射性廃物は浅い溝に埋められた。他の廃棄物質は地下貯蔵タンクに置かれた。これらの埋設区域は、現在環境に対して許容できない危険を有するものと考えられる。これらの廃棄物の掘削および除去は、潜在的に危険であり、非常に高くつく。問題は、このような場所の掘削が、人々および近くの居住者にかなりの危害を与えるであろう空気で運ばれる放射性汚染物質を放つ可能性があるということである。これらの場所を収容するために提案された多数の解決策があった。これらの解決策のいくつかは、傾斜噴射口グラウチング(slant drilled jet grouting)、土壌凍結、土壌脱水、トンネル掘り、化学グラウト浸透(chemical grout permeation)を含む。他のものは、底部障壁を形成する手段として垂直ドリルおよびハイドロフラクチャリングを教示していた。
【0003】
Cleary他の米国特許第4,230,368号および米国特許第4,491,369号は、汚染物質を含む土壌ブロックを移す概念を開示している。これは、土壌の外辺部の周りに狭い垂直溝を形成し、圧力下での流体の注入によりその場所の下に水平割れ目を形成することによって行われる。水平割れ目は、垂直周辺溝を横切る。水平割れ目への加圧流体の連続注入によって周辺内の土壌のブロックが上方に持ち上げられので、シールは、垂直周辺溝の表面区域に沿って形成される。
【0004】
注入流体は、地下室のようなブロックを囲む障壁を生じる密封材になることも有り得る。Cleary他の米国特許第4,230,368号は、流体の密度がブロックを移すのに必要な圧力を減少させる要因であるが、粘土スラリーの局部掘削土壌材で達成できる流体密度よりも大きい流体密度の使用を意図していないことを開示している。これは、明らかに土壌程は密度が高くない。流体のゲル強度は外辺部開口を密封する主要な手段として述べられている。このような方法は、ブロックの底部への水圧を増加することによって初期の破断および上方移動の両方を生じる。
【0005】
このアプローチに関する問題は、水圧によって破断は最小圧力平面に沿って広がることである。放射性廃棄場所におけるこのような破断の最終位置および範囲を検証することはできない。このような破断の厚さおよび連続性は検証できない。汚染物質の中のおよび汚染物質を越えた制御できない破断の可能性があるために、この方法は放射性廃棄場所の任意の種類の封じ込め構造を造るために使用できなかった。
【0006】
参照してここに組み込まれる発明者の以前の発明、米国特許第5,542,782号は、グラウトスラリーの高圧噴射で垂直および水平の障壁を切削する手段を開示し、表土の密度に等しいかあるいはそれよりも大きい密度のグラウト材からこのような障壁を造ることの長所を教示している。この引例には、これを行う方法あるいは装置の詳細がほとんど記載されていないが、水平グラウト障壁の厚さが、地面を上方に上げる正味の上方への力を生じるように十分密度の高いグラウトスラリーの導入によって増加できることも教示している。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、浮揚性ブロック移動により厚い水平障壁を建造する改良された方法および装置に向けられる。本発明は、ケーブルソーで土壌を切削する新しい手段を提供し、ブロック移動流体を多エーカーの広い場所の下の複数の切断部に導入する実用装置を詳述する。本発明は、化学グラウトの適用により実用的である薄い水平障壁を切削する改良手段にも高圧噴射装置を提供し、前述の切断部に隣接する切断部を結合し、装置の破壊から回復させる改良された手段を有する。
【0008】
本発明は、溝を掘る方法、水平方向ドリル方法、ダイヤモンドワイヤ石切りソー法の組み合わせあるいは高圧噴射口を使用し、汚染物質を含む土壌のブロックの下および周りの薄い間隙を切削する。この「切断部」が形成されると、この間隙は高密度の低粘度流体グラウトで充填される。この密度の高い流体のこの薄い通路は、延びて表面に戻るので、静水圧ヘッドが土壌に加えられる。この専用流体は、比重が大きいので、土壌および岩石は事実上流体の薄い層の上に浮く。これは、切断部を開けたままにしておき、土壌ブロックの重量が流体を切断部の下から押し出すことを防止する。ブロックが土から完全に切られて自由になった後、追加の密度の高い流体がポンプで送り込まれ、切断部に注ぎ込まれる。この追加の流体は、このブロックに浮力を加え、地面から離れて浮かび上がらせる。この密度の高い流体は、不浸透障壁を形成するために数週間の期間にわたってゆっくりと硬化するように設計されている。ブロックを支えるために流体に加圧しようとする代わりに密度の高いグラウト流体のヘッドを使用することは微妙であるが重要な革新である。これによって垂直周辺溝を密封する困難性を除去し、廃棄物埋設区域の中へのグラウトの制御できない破断も防止される。どんなグラウト流体も有効な廃棄物区域の割れ目に達する場合、グラウト流体は割れ目を充填することだけを行う。それは表面まで吹き出すことができず、汚染液体の噴水を形成できる。万一、圧力下にあるならばこのようなことが起こるであろう。ブロックの下のグラウトが液体である間、HDPE(高密度ポリエチレン押し出し加工品)のような不浸透障壁シートは浮動ブロックの下に張られる場合もある。
【0009】
土壌ブロックの周りの「掘りのような」障壁が硬化された後、重力で固定されている気密キャップ構造体は土壌ブロックの上に形成される。ブロック下のHDPEライナは、非常に高度の封じ込め完全性を達成するためにキャップのHDPEライナに融着されてもよい。キャップの下の受動性の土壌ガス圧センサおよびキャップの外側の地中の同様なセンサは、天気による通常の大気圧変化の関数として構造体内部の空気圧変化を監視する。このデータによって、水平障壁だけでなく全封じ込め構造体の完全性を受動監視することができる。湿度、音響、および化学的トレーサのレベルは、漏出インジケータおよび漏出位置インジケータとして受動的に監視されてもよい。被害の修理は構造体を液体グラウトで充満させることによっても可能である。
【0010】
ワイヤソーは、スチールケーブルの厚さを薄い障壁に雑に形成するために溶融したパラフィングラウトとも併用されてもよい。この方法は、溶融パラフィンの循環供給を引き出しパイプに保持し、溶融パラフィンは切削された区域に隣接してパイプの穴を通って排出される。スチールケーブルは、この溶融パラフィンを切断部に伝達し、表面に戻す。このパラフィンは、それを固い土壌に浸透させ、切削よりも著しく厚い障壁を形成する添加剤で改良される。切削が進行する場合のグラウトの急速冷却は過剰沈下を防止する。無限の数の交換噴射チューブあるいはワイヤソーケーブルは、元の方向にドリルであけられた穴の中にあるスチールケーブルあるいは加熱「引き抜きパイプ」によって切削位置に引っ張られてもよい。これらは以前の切削による通路を再び溶かし得る。
【0011】
長い弧状導管からの高圧噴射によって障壁を形成する発明者の前述の開示された方法の改良も開示されている。新しい方法は、チューブそのものが一方向にドリルであけられた穴を通して進行中の切削まで往復運動されている間に高圧および高速で懸垂線状の弧状チューブを通って循環される溶融パラフィンあるいは溶融低密度ポリエチレンのような化学的グラウトを使用する非常に薄い切削を形成する。チューブの前方に面する表面の穴あるいは硬化ポートは、土壌を腐食させ、実質的に溶融パラフィンと交換される高運動エネルギーで加熱液体を土壌の中に放出する。このチューブは研磨切削を実行することもできる。無限数の交換噴射チューブあるいはワイヤソーケーブルは、元の方向にドリルされた穴の中にある加熱「引き出しパイプ」によって切削位置に引っ張られてもよい。
【0012】
従来技術の他の改良は、従来の噴射口グラウティング装置で注がれた前述の溶融パラフィンの使用である。好ましい溶融パラフィンは、120°〜180°Fの融点を有し、溶融パラフィンが水で濡れている、すなわち湿気がある土壌ならびに非常に低い水透過度を有する乾燥土壌に染み込むことができる界面活性剤の添加によって改良される。このパラフィンも、低密度ポリエチレンホモポリマーと交換されてもよいし、低密度ポリエチレンホモポリマーと混合されてもよい。
【0013】
前述の発明は、不浸透キャップ、垂直障壁および水平障壁を形成することを扱っているが、本発明は、連続的にかつ受動的に確かめることができる方法で環境からの廃棄場所の全隔離を生じる全統合解決策を提供する。その上部の地面レベルおよびブロックを囲み、ブロックの下にあり、周辺で地面レベルに上方に持ち上げるボックス状あるいはたらい状の3次元の数学上の「面」で構成されている底部によって規定されている地表下の「ブロック」あるいは大量の土は、ブロックの周りにその場で形成された気密の、防水防蒸気ヴォールトの中に大量の土を完全に閉囲する完全な連続する水盤および上部を形成する。
【0014】
モータオイルに匹敵する粘度を有するが、地下“ブロック”よりも大きい密度であり、ブロックがその後不浸透障壁材に硬化する液体グラウト中に浮くような液体グラウトの硬化は、静水圧を効果的に伝達し続ける間、6〜60日の長期にわたる期間の間遅延される。このグラウトの凝固遅延の長さおよび密度ならびに不浸透度は、従来の技術の性能よりも著しく優れている。
【0015】
おおよそ平行な通路においてブロックの下部表面を横切り、地面レベルまで上昇し、各端部で水平姿勢近くまで一様にする一方向にドリルであけられた穴。このような穴は、管状スチール部材あるいは「パイプ」および1つあるいはそれ以上の非交差スチールケーブルあるいはブロックの一端の地面レベルからブロックの対向する端の地面レベルまで延びる穴の各々における2つのパイプおよび少なくとも2つの非交差ケーブルを残すように形成されている。スチールケーブルあるいはチェーンのような削磨引張部材の可撓性の長さを有する機械的土壌切削手段。切削手段の正味の前進と同期して間隔をおいて移動され、そのものが縦につないで結合され、切削手段への応力を切削の面に対して保持する動力駆動装置によって2つの隣接穴間の連続するほぼ水平のループの中で往復運動あるいは循環される隣接パイプの1つあるいはそれ以上のポートからのグラウトの流れによって冷却され、洗浄され、潤滑される鎖状断面。従来技術は、指向的にドリルであけられた穴を湾曲する際に削磨ケーブルソーを利用せず、切削で穴を通って進む冷却材の列を予期しない。
【0016】
初期の切削手段および周期的交換切削手段は、引き出しパイプに最初に取り付けられるケーブルによって穴の中に引っ張られる。1つあるいはそれ以上の穴があるケーブルソー切削の弧に加圧グラウトを運ぶために使用されるパイプが形成される。このような放出点の移動は、パイプを地面を通って移動させるかあるいは切削の弧に最も近い1つあるいはそれ以上の穴の上に置かれた振り分けパッカー間に放出する、より小さい内部パイプを移動させることによって行われる。
【0017】
密度の高いグラウトで充填された周辺掘削溝は、グラウトが、重力によって穴の中へ引き出しパイプと穴との間の環状の部分の中へ切削手段によって形成された穴の間の任意の狭い切削の中へ流れ得るように指向的にドリルであけられた穴の中の各開口をカバーする。グラウトは流れ出て、圧力を解放することもできる。環状の部分を通って切削区域への溝に充填されたグラウトからの流れは溝のグラウトの高さの差によって刺激されてもよいしあるいはグラウトは穴を横切り、穴の長さに沿って任意の所望の位置でグラウトを放出する加圧グラウトパイプから流れてもよい。過剰のグラウトは環状の部分の上方へ流れ溝に至るかあるいは障壁の厚さを増加することの一因になる。
【0018】
ブロックの下部表面に沿って土壌を通る切断部は、表土重量がグラウトの浮力で支えられるように、および切断部の厚さが追加グラウトを掘削に加えることによって増加することができるようにグラウトの層で充填される。ブロックの高さの増加は、溝のグラウトの高さあるいはグラウト密度を増加させることによって制御されてもよい。スチールケーブルあるいはチェーンのような抑制手段は、ブロック上の固定部とそれからブロックが持ち上げられる掘削の中心でブロックを浮動したままにして、ブロックの任意の所与の断面の高さの増加を制限するように作動する周辺溝の外側の固定部との間に取り付けられる。
【0019】
ブロックが密度の高いグラウトの層上に自由に浮動している間、当該技術分野で公知であるような一緒に熱溶融つぎ合わされた高密度ポリエチレン押し出し(HDPE)のような不浸透シートは、シートが全ての側のグラウト充填周辺溝の外へ延びるまで、不浸透シートが対向する端からパイプを引き出すことによって浮動ブロックの下の液体グラウトの層を通って引き出すことができるようにチェーンあるいは他の曲げやすいリンク装置によって2つあるいはそれ以上の引き出しパイプに取り付けられる。このシートは、周辺溝の全ブロックおよび周辺溝の外側の小段の下にあるのに十分な幅広く、長いように熱溶融つぎ合わされることが好ましい。シートの最も外側の部分は、ブロックの下の通路の長さの差を補償するために波状にうねっているひだを取り得る。一体で移動することができない程に非常に大きい場所は、ストリップ間にかなりの重なりを有する未密封ストリップとしてグラウトの中に置かれてもよい。この材料の別個のストリップには、1つのシートが所定の場所に引っ張られ、その近くのものに対して密封することができる隣接シートにスライドできるように取り付けることができるようにテキサス州のヒューストン市のGSEによって製造されるGSEガンドウォール(登録商標)インターロック、あるいはカーテンウォール(登録商標)のような垂直シートに対して当該技術分野で公知であるようなスライド可能な機械インターロックが装備されてもよい。密封コンパウンドは、端からこの継ぎ目の中に後で注入されてもよい。
【0020】
地上の気密キャップは、その時に建造され、不浸透性シートの周辺溝の硬化面および不浸透性シートに対しても密封される。これは、ブロックの上、ブロックの下およびブロックの周りの気密封じ込めヴォールトを仕上げる。上部キャップは、2つのシート間に気密シールを形成するように周辺溝から生じる底部ライナに熱溶融シーム接着される不浸透HDPEシートの層を有してもよい。このキャップには、差分測定が構造体内部の環境と外部環境との間の分離度を評価するために連続して実行し、記録することができるようにキャップの下の土壌およびその外部表面上の土壌の両方に取り付けられた気圧センサ、湿度センサ、サウンドセンサおよび化学センサが装備されている。標準データ自動記録器は、内部状態対外部状態間の関係を時間、温度および雨量の状態の関数としてグラフで表示するコンピュータに周期的にダウンロードされてもよいセンサからのデータを記録する。
【0021】
ケーブルソーと同様であるがトラックホーのような標準建造装置で実行される往復運動ストロークによって作動する懸垂線状の切削手段は、指向的にドリルされた穴の間に切り通しを形成するためにも使用されてもよい。この装置は、流体噴射がこの装置の通路の中の土壌を浸食し、濡らすのに役立ち、流体が土壌のほぼ全てを移動できるように、それを通って高圧流体が連続ループで循環され、それからこの流体の少なくとも一部が1つあるいはそれ以上の穴あるいは「噴射口」を通るチューブの前方面を出る鎖状の弧の中で結合された指向的にドリルされた穴を通って下方に表面から延びるほぼ均一の直径の可撓性中空チューブからなる。このような流体噴射口の配置は、チューブの両端を各引き出しストロークの等しい増分往復運動回転させることによるかあるいはチューブの通路の中の全ての土壌が1つあるいはそれ以上の固定噴射口によって影響を及ぼすことができるようにほぼ調和する他の手段により切削の厚さおよび均一性を増加させるように周期的に変更される。懸垂線状のチューブの表面は削磨性であり、その通路の中の土壌を機械的に切削し、土壌を流体噴射で浸食する。追加削磨ケーブルは、引き出しパイプ上のカラーコードの非交差ケーブルによって切り通しの中に引っ張られてもよい。このケーブルは、チューブをバイパスし、削磨掘削ジョブを実行し、その後いずれかの端部から引き出すことができる。全切削チューブは、地面の外へも循環し、削磨ケーブルあるいはチェーンと一時的に取り替えることもできる。チューブが傷つけられる場合、チューブは同様に取り替えることもできる。これは、噴射切削方法が固い対象に出くわす場合あるいは噴射口を塞ぐ場合頼みの綱が全くない噴射口切削方法の主要な改良である。噴射チューブがその長さに沿ってあるいはスラリー放出点でかなりの拡大部を有する場合、チューブは、問題が発生した場合穴の外へ循環できない。構造上の欠陥、噴射口プラグ、あるいは困難な障害から回復するこの能力はこの方法の工業的用途に重要である。
【0022】
グラウト材料は、表土を浮かんでいるように支えることができる低速凝結高密度材料であってもよく、あるいは大きな未支持スパンが存在する前に設定する高速凝結材料あるいは熱可塑性凝結材料であってもよい。酸化鉄添加物および長期凝結抑制剤を有する低含水の低級セメント質ラテックスポリマー変性グラウトは浮かんでいる障壁のために好ましい。湿った土壌あるいは濡れた土壌と混合し、水不浸透土壌へさらに浸透できるパラフィンロウあるいはポリエチレンホモポリマーおよび界面活性剤添加物から製造された溶融グラウティング材は非浮揚性処理のために好ましい。引き出しパイプおよび懸垂線状チューブを通る溶融グラウトの循環は、作業遅れ中あるいは一晩中でも材料を固くさせないでおくことができる。比較的熱く、比較的低温であるが溶融されたパラフィンからのパラフィン供給ラインは、変化する基底状態を有する材料の温度を急速に調整するバルブによって混合されてもよい。パラフィンおよびポリエチレンの混合も使用されてもよい。同様のポリエチレンあるいはパラフィン混合物で作られているキャップライナは、同様の材料の完全気密シールを作成するために上部キャップで使用されてもよいし、底部障壁に熱溶融接着されてもよい。このキャップ材料は、液体材料としてキャップの表面上にスプレーされ、所定の位置に硬化されてもよいし、あるいは前以て作成されたシートであってもよい。
【0023】
上述のグラウトは、埋設された低レベル放射性廃棄物のブロックカプセル化に対する望ましい特性を有する。溶融ワックスおよび界面活性剤の混合物は、非均質廃物への優れた浸透ならびに有機汚泥の十分なボンディングおよびカプセル化を与える。この混合物は、望ましい固着料を提供し、廃棄物が地中にある間に廃棄物を固定し、将来の回収中空気で運ばれるほこりの放出も防止する。この混合物は完全に可燃物であるので、ガラス化溶融物処理の最終廃棄物に容積を全く加えない。
【0024】
本発明の持つ他の特性及び利点については、以下の詳細な説明を読むことにより、また、下記の図面を参照することにより明らかになるだろう。
【0025】
[発明の詳細な説明]
図1を参照すると、先ず浅い周辺溝7が、隔離しようとするブロックの全周面にわたって掘られる。地表下の「ブロック」または大量の土は、その上端の土地のレベルと、ブロックを包囲しブロック下に潜行して前記周辺で地上まで上昇することによって、完全で連続的な水盤を形成して、土の体積を完全に閉じ込める、箱状または水盤状の三次元の数学的「面」からなる底部とによって決められる。
【0026】
次に、指向性ドリル装置1がサイトの下に案内孔を列状に穿孔して、水盤の細長い形状を決める。非交差型ケーブルを2本かそれ以上結び付けた牽引パイプが、ドリルパイプに連結され、案内孔内を牽引される。この操作の後では、各パイロット孔は1本の牽引パイプと、2本かそれ以上の色分けされた鋼製ケーブルとを収納している。次に、ダイヤモンドワイヤソー装置2が、隣接ケーブルを繋いで形成された研磨材ケーブル3を案内孔を介して駆動して、隣接する案内孔の間に経路を切り通す。研磨材ケーブル3は土壌を切断し、土壌粒子を表面まで運ぶグラウトの流れを補助する。牽引パイプ3,5,及び8は、経路が切られた後、案内孔の中に残る。
【0027】
グラウトプラント4は、隣接する一対の牽引パイプの一方または双方を介して、グラウトを切断された円弧まで圧送し、溝7もまた高密度流体グラウトで満たす。ブルドーザ10等の牽引手段がワイヤソー2を前進させるに従って、グラウトパネル9が形成される。溝7内のグラウトのレベル及びその密度によって、ブロックの底部に静水圧力が加えられる。
【0028】
図2に示される牽引パイプ11は、定位置にあって水盤を形成している。各牽引パイプ11は、切断用端部で繋がっており他端でワイヤソー装置13に結び付けられた鋼製ケーブルを一本または複数本、随伴している。ワイヤソー装置13はブルドーザ12によって牽引される。グラウトプラント15は、加圧されたグラウトを表面の周辺溝16に、又、フレキシブルホース14を介して一本または複数本の牽引パイプ11に供給する。グラウトはポート18を通って牽引パイプ11から出る。グラウトはケーブルソー19を潤滑および冷却し、切り屑を表面の周辺溝16まで運んで回収する。切断部17は、密度の高い液状グラウトで満たされ、これが表土の土壌の重量を支える。
【0029】
図3を参照すると、グラウトプラント21が周辺溝を外縁部24の高さの下の高さ22まで満たし続けると、ブロックが地面から上がるので、切断部の厚さが浮力によって増大する。ブロック内部に存在する亀裂および裂け目はグラウトで満たされるが、ブロックに働く静水圧力どうしは均衡するので、脆弱面にまでは延びない。ブロックの外側の土の中の裂け目もまたグラウトで満たされる筈である。
【0030】
図4は、ドリルパイプを地中に設置することでヴォールトの下面形成中の指向性ドリル装置28を示す。長い“牽引パイプ”にはその長手方向と平行に走る数本の鋼製ケーブルが備えられ、鋼製バンド等の仮留めによって両端でパイプに、また中間部でマスキングテープによって固定されている。各ケーブルの端部は色分けされており、互いに交差していない。これらの牽引パイプは孔内のドリルパイプに取り付けられており、元のドリルパイプを牽引するブルドーザ29によって、定位置31まで牽引される。各隣接パイプ32のケーブルから取り出されたそれぞれ1本のケーブルは一緒にされて、ワイヤソー装置35に結び付けられる。これらのケーブルは、より特殊化されたダイヤモンドワイヤソーのケーブル33を切断部で引っ張るために用いられても良い。このケーブルの循環およびワイヤソー装置によって加えられる張力は、冷却、潤滑および切り屑の搬出のために、供給されたグラウトが牽引パイプから圧送されて切断部近傍の排出ポート34を出るに従って、地中に懸垂線状の切断部を切り開く。グラウトは浮力によって切断部の厚さを増大するので、得られたバリアが連続していることを検証するために、チェーンその他の機械的な検定器具を、今や浮き上がっているブロックの下で、切断部の一つまたは複数の区画を通して牽引しても良い。パイプが常に定位置に残るように、ブロックの下を牽引する際にはパイプの端部に追加分の長さのパイプが加えられる。ロール状の合成不浸透性シート、例えば高密度ポリエチレン押し出しシート27が液体グラウトを通して、浮き上がっているブロックの下に牽引される。これは後述するように、別々に牽引されるインターロック式シートでも、或いは無数のリンクルを備えた一枚の大きな連続シートでも良い。
【0031】
図5Bは、必ずしも密度が均一でなくその寸法のためにいくらか弾性的に挙動するブロック38がグラウト層の上に浮いている様を示す。ブロックが完全に上がった時に、ブロックの全体的な上向きの動きを制限すると同時にセンタリング効果41を与えるために、ブロック内およびブロックを包囲するアンカー杭に鋼製ケーブルまたはチェーン36および37を取り付けても良い。プラント42からのグラウトは、ブロックの一端では溝40を満たしても、粘性と摩擦のために、当初は他端39にて溝を満たさず、そのために、ブロックの一端が先に上がることもあり得る。しかし、ある時間が経過すると、流体のレベルは等しくなり、ブロックは水平になる。
【0032】
図6に示されるような気密ヴォールトを作るために、硬化したグラウトの壁43に弾性材料44(エラストマーまたはワックス)でキャップ構造がシールされる。これに加えて、不浸透性のポリエチレンシート53が、キャップ構造中の類似の不浸透性のポリエチレンシート45に融着される。この上端のシートには、当業者に良く知られている、砂、コンクリート46、粘土47、及び表土からなる層が被覆される。粘土と砂には、そこに植物、動物及び虫が住み着くのを阻止するための苦味添加剤が配合されている。ヴォールトの内側ならびにヴォールトの外側の清浄な周辺部に、気圧、湿度、温度、音および化学の各センサ48,49,50,及び51が埋め込まれる。これらのセンサによってヴォールトの完全性を受動的に長期間計測することが可能になる。また閉鎖構造内にトレーサ用ガスを導入するためのポートを設けても良い。
【0033】
別の実施形態では、図1及び2に示された装置は変形されて、図7に示すように溶融パラフィンのグラウトの循環ループが含まれている。溶融パラフィンのグラウト55は、ポンプ56によって、牽引パイプ57の一つに、連結パイプ63またはホースに循環され、他の牽引パイプおよびホースを通ってタンク車に戻る。牽引パイプ中の孔または噴出口59は、切断部を冷却および潤滑し、牽引パイプの外側の環状部に沿って切り屑を表面まで回収するために、切断領域にグラウトを噴射する。切断ケーブル60はワイヤソー61によって切断部内を牽引される。ワイヤソーと牽引パイプは、全てブルドーザによって前方に周期的に牽引される橇(そり)に取り付けられている。パラフィングラウトは、土壌に置き換わって、表土が沈下可能なだけ充分な長さを切断部が備えている間に、ワイヤソーの切断部の数メートル後方で硬化する。パラフィングラウトは、硬化する前に土壌中に数インチ浸透できるので、最終的なバリアの厚さは数インチとなる。比較的に高温のラインと比較的に低温のラインから供給された溶融パラフィンは、材料の温度を変化する地中の条件に迅速に合わせるために簡単なバルブによって混合される。
【0034】
パネルが一旦完成したら、周辺溝を公知の手段で掘削して溶融グラウトで満たしても良い。もしもブロックに浮力を与えるための酸化鉄粉末の添加によってパラフィングラウトが充分高密度にできていれば、図3に示されるように、周辺溝には溶融グラウトが保持されて厚いバリアが形成される。牽引パイプ66およびケーブルアセンブリは、端部を未だ露出させたままで、ブロックの下を一度完全に通過することを許す充分な長さ65を備える。
【0035】
本発明の他の実施形態では、図8に示されるように、指向性ドリル装置67は、タンクの下の汚染された土壌サイトの周辺を取り囲んでいる土の下にパイプを配置し、また表面に戻る。図7に示されたものと類似の切断手段を用いて、グラウトプラント70からの高密度流体グラウトの層がタンク71の下の面72内に配置される。次に周辺溝が一部の高さまでタンクの回りに掘削され68、高密度流体グラウトで満たされる。残りの深さはクラムシェルまたはトラックホー69で掘削され、グラウトがタンクの下の面内に流れ込むと、タンクを含む土のブロックが、解放されて上に浮き上がる。
【0036】
図9A−Fは、下方が切断されて、本発明の方法によって持ち上げられた長く狭い埋設サイト73の断面の様子を示し、ここでは一対の案内孔74が用いられている。図9Aに示されるように、最初に、指向性ドリル孔どうしの間をワイヤソー75が密度の高い流体と共に切断し、埋設溝の下に水平切断部を形成する。二番目に、図9Bに示されるように、垂直な周辺溝76が掘削される。次に、図9Cに示されるように、周辺溝76が密度の高いグラウト77で満たされる。そこで、図9Dおよび9Eに示されるように、土壌のブロック78は浮き上がり、より高い土壌の縁を外側に配置した状態で、その最終位置まで上向きに移動する。図9Fに示されるように、最後に気密キャップ構造81が下の土のバリアに結合される。
【0037】
図10では、図9に示されたものと類似の長い廃棄物サイトが下方切断され、持ち上げられている。掘削機83が周辺溝を充分な深さまで掘る。溝の一端を横切るように一対の孔が掘削されて被覆され、ワイヤソーのケーブルがブロックの全体をループ状に包囲する。これは他の溝にも適用できるが、より多量のグラウトが必要になる。次に溝は高密度のグラウトで満たされる。ワイヤソー装置82が切断部84を形成し、これを溝からのグラウトが満たして、ブロックの重量を浮力で支える。切断部が進行すると、ブロックは完全な浮上位置まで浮力で持ち上がる。
【0038】
図11では、小型のテストブロックが直接牽引ケーブル法で下方切断されている。ブルドーザ89が土壌中でケーブル88を牽引し、一方、溝87はグラウトプラント90によって供給される密度の高い流体グラウトで満たされる。
【0039】
図12A−Cは、ブロックを合成の不浸透性の層でシールする工程を示している。図12Aに示されるように、土壌のブロックが密度の高いグラウトの層の上に自由に浮いている間に、ブルドーザ93が牽引パイプ92を牽引し、今度はこの牽引パイプ92が不浸透性のライナ用シート91をブロックの下に完全に引き込む。図12Bに示されるように、不浸透性のライナ用シート94は、周辺部の縁の上まで延びるまで、ブロックに下に引き込まれる。図12Cに示されるように、不透過性の上端シート95が、ブロックの全周で底部シートに融着96され、気密状の汚染物ヴォールトを作る。
【0040】
一つの実施形態では、図13に示されるように、一つの大型シート99が自由に浮上しているブロックの下に一つまたは複数のブルドーザ98によって牽引される。この実施形態では、牽引パイプ100は、シートに一定間隔で弾性的に取り付けられている103である。シートの縁部は長さの違いが相殺されるように襞(ひだ)状にしても良い。
【0041】
別の実施形態では、図14に示されるように、不透過性のライナ材105の多数のインターロック式シートが、牽引パイプ108によって、自由に浮いているブロックの下に牽引される。インターロック106は、シートが液体グラウト104中を牽引される際の相対移動を許しながら、シートどうしを連結する。
【0042】
図15A−Bは、基本的な方法の別の代わりの実施形態を示す。この実施形態は、均一な筒状研磨部材110と、2台の掘削用トラックホーの動きによって筒状部材が切断部の円弧の周囲で往復する際に切断部に向けられる循環加圧流体55とを用いた、懸垂線状切断法を示す。図15Bに示されるように、単一の固定された噴射が円弧の少なくとも45°をカバーすることによって、筒状部材の経路中の略全ての土壌に当たるように、筒状部材の両端部は回転される。この実施形態では、筒状部材は、地表から案内孔を下って懸垂状円弧と連結する略均一な径の可撓性の高圧チューブである。高圧液体は連続ループで循環し、液体の少なくとも一部は一つまたは複数の孔または噴射口から筒の前面に出るため、噴射される液体は、装置の通路内の土壌を浸食し湿潤させるのを助け、液体が略全ての土壌に置き換わるのを許す。切断部の厚さと均一性を高めるために、一つまたは複数の固定された噴射口が筒の通路の全ての土壌に当てられるように、各牽引ストロークの度に筒の両端を同量だけ往復回転させることによって、または、他の手段によってこれらの液体噴射口の向きは略一斉に周期的に変更される。
【0043】
最終的なキャップが配置されて完成した封入構造が図16に示されている。
【0044】
本発明の更なる詳細が以下に記載される。
【0045】
テキサス州ヒューストンのEastman Cherrington社で用いられているような指向性のドリル装置1、或いは、Charles Machine Worksが製造しているような直接押し出し型の装置が、一連の概して平行な(平面視)案内孔8をサイトの下に穿孔するために用いられる。案内孔どうしは通常20から100フィート離して設けられ、平行または等間隔である必要はない。案内孔は、形成されるバリアの幾何形状を決定しさえすれば良い。孔は通常は溝内から或る角度をなして地中に進入し、所望の深さまで下がり、横這いになって略水平に進み、次に上がってブロックの反対側で溝に戻る。この種の孔の操向と位置検定は当業者に良く知られている。このような案内孔がいくつか間隔を開けてサイトの幅にわたって種々の深さで穿孔され、汚染された岩石または土壌の層の略真下でありながら、両サイドと各端部では地表近くまで上がって周辺溝と交差するような長い水盤状の面をなぞる。この周辺溝は、従来の方法に基づいてバックホーで掘削しても良い。
【0046】
これらの案内孔の穿孔中は、孔が非汚染土壌中に位置することを確認するために、地表に戻って来る穿孔液体を用いても良い。もし汚染が発見されたら、孔を閉塞し、もっと深い孔が設けられる。非汚染土壌中の孔の一部は薄いプラスチック製スリーブ5内に収納しても良い。
【0047】
穿孔が完成したら、穿孔パイプ8が引き抜かれた後で、一対のソーケーブル6(または噴射チューブ110)および“牽引パイプ”7を各案内孔内に導入しても良い。これら2本のケーブル(またはチューブ)は、鋼製パイプの両端に取り付けられている。この構成によって、ケーブル同士が互いに交差することが防止され、置き換えケーブルの設置手段またはグラウト射出手段が提供される。パイプは、溝から土壌縁部を超えて各端部の水平位置まで延びる。鋼製パイプは、当業者に良く知られるような、ネジ連結部を備えた2〜3/8インチの油井配管が好ましい。鋼製パイプには、一つまたは複数の小孔が間隔を開けて穿孔されていても良い。このパイプは任意に、密度の高い流体または超高密度グラウトを案内孔に沿った地点まで搬送するのに用いても良い。ストラドル・パッカーを備えた小径のパイプを牽引パイプ内で動かして、液体の流れをパイプに沿った任意の所望の地点に向かわせても良い。好ましくは、孔が所望の位置に来るように地中でパイプを動かすことによって、流体を任意の地点に向けても良い。もしもケーブルが使用中に破損したら、このパイプは追加されるワイヤソーケーブルを所定位置に引き込むことに用いても良い。これらのパイプは、当初の切断がなされた後で、より大径のまたはより高能力のワイヤソーケーブルまたは切断装置または検証用バーを切断部内に引き込むことに用いても良い。
【0048】
指向的に穿孔された案内孔の一端には、御影石ブロックを切り出すために作られたイタリア国ベローナのPellegrini社のTDD100G等のダイヤモンドワイヤソー型の石切ソーが設置される。これらの装置は多年にわたって用いられている。ダイヤモンドワイヤーソーは、本質的には鋼製ケーブルに間隔を開けて研磨材が結合されたものである。ワイヤソー装置は大出力で駆動されて、ケーブルに張力を維持し、ケーブルの連続したループを帯鋸のように切断部に沿って引くケーブル滑車である。第1の孔からのダイヤモンドソーの鋼製ケーブルは、第2の孔を介してループ状に戻ってワイヤソー装置に連結されて、連続した一本のケーブル状になる。鋼製ケーブルどうしを連結する方法は、業界で公知の再編み合わせ工程を含む。ケーブル装置によってケーブルは2つの孔内で連続ループ状に動かされ、ケーブルに張力を持たせて、最初の2つの孔の間に通路を切断する。ケーブルのダイヤモンド研磨材部は、岩石および土壌を切断できる。岩石が予想されない適用例では、土壌を迅速に切断するためにケーブル研磨材を最適化しても良い。柔軟土壌を切断するには、標準的な航空機グレードの鋼製ケーブルを研磨材無しで用いることも出来る。この明細書では、ケーブルソー、ケーブル、ダイヤモンドワイヤソー、ダイヤモンドワイヤソー型の石切ソー、およびワイヤソーなどの言葉が前記の機械的な切断手段を指すために互換的に用いられている。粘土がケーブルに付着しないように、切断液は場合によってリグノスルホン酸ソーダまたは塩などの粘土分散剤を含んでいても良い。地中から出てくるケーブルを連続的に洗浄するために、高圧液体の噴射または機械的なブラシを設けても良い。
【0049】
案内孔の各端部の浅い周辺溝は、廃棄物サイトの土壌の平均密度よりも大きな密度と低粘性を持つ、特殊な切断液体またはグラウトで満たされる。切り屑を除去し、ケーブルを潤滑及び冷却するために、切断液体は循環される。表土を支え、切り屑が沈殿するのを防止し、顕著な正味の浮力を与えるために切断液体は充分に緻密であることが好ましい。この液体は、密度を高めるために鉄酸化物粉末を含むゲル化水で形成されていても良く、或いは、鉄酸化物で修正され硬化遅延剤を含んだ緻密なセメントグラウトでも良い。この流体を、案内孔内の牽引パイプを下方に切断領域まで圧送しても良い。この箇所で流体は牽引パイプを小孔から出て、切断領域に静水圧ヘッドを加えながら流れて地表に戻る。ワイヤソーケーブルが動くと、このケーブルは流体を切断部の入口側から出口側に循環させ、地表の溝に戻る。ワイヤソーケーブルは、この流体を切断部にも搬送し、そこで切り屑を拾って戻るケーブルと共に地表の溝に回収する。使用された流体は、溝の出口領域から収集して、再調整の後に溝に戻しても良い。流体の密度と、地表の溝からの静水ヘッドとが均衡力を与えて、ワイヤソーが形成した切断部内に表土が崩れ落ちることが防止される。流体は、透過性の土壌と岩石に非常に限定された程度に流入し、しかも、静水圧力が作用して表土をさせるフィルターケーキを形成するように設計されている。この原理は固形化されていないサンドを介して穿孔される深い水平油井のものと類似している。
【0050】
土壌と岩石が非常に研削性の高いものなら、一回の切断の間にケーブルを数回交換する場合もある。破損したケーブルは、孔に残されている鋼製牽引パイプで新しいケーブルのセットを前記一対の孔から牽引して置き換える。最初のワイヤソー切断が完了したら、次の切断を開始しても良い。各々の切断は固有のケーブルを備えているので、多数のワイヤソー装置が使用できれば、多数の切断が一度に完了する。ケーブルは殆どの岩石と土壌中の残骸によって切断され易いものと思われる。柔軟な土壌中の硬い岩石は、ケーブルによって押し上げ又は押し下げられる。いずれの場合にも、密度の高い流体は、形成されたあらゆるギャップをも満たす筈である。大規模の適用では、より長く広い切断部を作るために、大径のケーブルを用いることができる。
【0051】
与えられた領域に最初の切断が形成されたら、溝に追加のグラウトが加えられ、パイプを介して射出される。溝内でのグラウト流体の高さは次第に増大し、これによってより多くのグラウト流体が切断部に流れて、切断部の厚さがゆっくりと均一に増えるに従って、表土の土壌を浮力で持ち上げる。この概念は、乾ドックから船を浮き上がらせるのに似ている。土壌ブロックが約3フィート上がるまでグラウトの追加は継続される。図2Aを参照。この位置ではバリアの厚さもまた約3フィートである。案内孔内の通路にある鋼製パイプを、チェーン型の検定バーまたは高密度ポリエチレン押し出し(HDPE)のライナを浮いたブロックの下に引き込むことに用いることができる。図5を参照。HDPEの大型シートは、電解融合法によって作製でき、サイトの全体に一度に引き込むことができる。セメントをベースとしたグラウトの強度を増大するために、この方法で複合体繊維製の補強網を設置しても良い。ポストテンション用ケーブルまたは非破壊検査装置もまたこの方法で設置できる。
【0052】
ブロックの押し上げ力を高める目的でグラウトのレベルを高められるように、或いは、地上構造物または重い物のあるサイトを持ち上げられるように、土壌の縁を溝の外周の回りに築いても良い。ブロックを液体周辺の幾何学的な中心に維持するための力を提供するために、アンカーされたケーブルを用いても良い。図6を参照。
【0053】
グラウトの特性と組成
専売のグラウトは数週間の間流動性を維持した後、セラミック製タイルに類似の物理的および化学的特性を持つ岩石状に硬化する。この流体の特性は、サイトに合わせて、且つ十分に「フィルターケーキ形成型」に仕立てられているので、流体は土壌または岩石内に過剰に漏れ出すことはない。好適なグラウトの透過率は約10−8cm/secであることが判った。6カ月後の圧縮強度は5000psiより大きい。このグラウトの硬化時の収縮率は略ゼロで、高い不浸透性を有する。湿潤および乾燥の両方の条件に適する。液体としてのグラウトのマーシュファンネル粘度は、120秒より小さく通常は70秒より小さい。このグラウトは無機性で、硝酸塩のマイグレーションに対して耐性がある。ワイヤソー操作工程で切断用流体として用いるための非硬化型のグラウトも入手できる。硬化型のグラウトと混合されると、この密度の高い切断用流体もまた硬化する筈である。
【0054】
特殊超高密度グラウトは、潜在的な応力亀裂を最小化するために、タイプKその他の無膨張セメントで構成され、初期密度が12から20ポンド/ガロンとなるように水と混合するのが好ましい。最終的な密度を20から30ポンド/ガロンに増大させるためにバライト、真鍮または銅の粉末、ウラン鉱石、またはスチール小球等の高密度添加剤が、但し好ましくは、油井をセメント結合させる或いは穿孔する流体として当業者に公知の、鉄酸化物粉末(ヘマタイト)が添加される。濃縮ポリナフタレンスルホン酸等の粘度低下予混合剤、但し好ましくはテキサス州ヒューストンのHalliburton Servicesから入手可能なHalliburton CFR−3等といった塩寛容性の高レンジ減水剤が、0.5から2%の濃度で添加される。当業者に公知のリグノスルホン酸塩、ホウ酸塩、またはグルコン酸などをベースにした硬化遅延予混合剤、但し好ましくは、Monsanto Chemcalがスケール防止剤として製造しているアミノトリメチレンフォスフォン酸などの有機フォスフォン酸。他の好適な添加剤には、フューム状シリカ、エポキシ樹脂、およびブタジエンスチレンのラテックスエマルジョンがある。正しい割合で作られた上記のグラウト配合は、数週間にわたって液状を保ち、バターミルクに匹敵する粘度を持つ非沈殿性のスラリーを形成する。数週間の後にスラリーは硬化する。数カ月の養生の後に高い圧縮強度を得る。
【0055】
そのようなスラリーの例を以下に挙げる。90から110部の水(重量で)、150部のタイプKセメント、300から400部の粉末ヘマタイト(鉄酸化物)、20から40部のフューム状シリカ、25から35部のラテックスエマルジョン、30から60部のCFR−3、および0.2から0.8部の有機フォスフォン酸。このグラウトの水分含有量は非常に低く、非常に乾燥した環境に耐える最終製品が得られる。
【0056】
もしもサイト特性が可撓性のバリア材料を要求する場合には、代替スラリーを用いれば良い。このスラリーは上記のスラリーと類似しているが、セメント含有量はセメント50部に減らされ、水は、他の硬化遅延剤の代わりに1パーセントのリグノスルホン酸塩で調整され予め水和された6から8パーセントのベントナイトスラリーに置き換えられる。この配合は、国内産の粘土に類似の可塑性を備えた緻密で粘土状のグラウトを形成する。
【0057】
エポキシ樹脂グラウトに、粉末状ヘマタイト、またはヘマタイトを含んだセメントグラウトのスラリーを加えて、他の代替グラウトを作製しても良い。好適なエポキシは、テキサス州シュガーランドのCarter Technologies社が販売しているCARBRAY100である。このエポキシは非常に低粘度であり、水またはベントナイトのスラリーで希釈できる。この材料は養生されると、種々の湿潤環境で安定なゴム状の製品となる。このエポキシには乾燥ベントナイト及び粉末状ヘマタイトを混合して、低コストでしかも可撓性の製品を形成しても良い。
【0058】
他の有益なグラウト材料は、溶融パラフィンまたは溶融低密度ポリエチレンである。これらの材料は、水の沸点よりも低い温度で溶融するので、フィールドでの操作に用いても清掃が比較的に簡単である。これらは双方とも、土壌が既に濡れている場合でも、土壌を濡らし易いように表面活性剤で改質可能である。
【0059】
全ての方法のための気密質の気圧キャップ
いずれかの方法でバリアヴォールトの下方の地中部分が完成した後は、上方の地上キャップが構築され、後に土壌で被覆される。このキャップは従来型のコンクリート、粘土、およびHDPEの構造であるが、気密状に設計されており、内と外の面には受動型の気圧センサが設けられている。これらのセンサでは、ヴォールトと周辺との温度差を監視し、記録することができる。乾燥した土壌は、気圧に対して比較的透過性が良い。ヴォールト内の裂け目は外気圧が緩慢にヴォールト内に等しくなるのを許す。このキャップには、外の大気圧、外部土壌ガス圧、及びキャップの下の内部土壌ガス圧を監視する圧力センサが備えられている。これらの圧力を常に比較することによってバリアの完全性を確認することができる。手動で操作される通気パイプは、収納物から発生するガスによって構造内に蓄積される全ての圧力を周期的に解放することができる。亀裂の検出、位置特定および補修を助けるために追跡用ガスを導入することができる。図7を参照。封入構造内にフレオンまたは他の適切な追跡用ガスを少量導入すれば、周辺に配置した土壌ガスのプローブによって如何なる表面化の亀裂も検出できる。臭いを発生する化学物質を注入すれば、訓練された犬によって定期的に監視できる。漏れの発生源を掘るように犬を訓練することもできる。
【0060】
バリアの内側対外側での湿度のレベルおよび音のレベルもまた漏れを監視するのに用いられる。外側でのレベルが変化する時も、バリアの内側の湿度レベルは変わらない筈である。構造の内側で乾燥空気を循環させることによって、内側での湿度レベルは下がる可能性がある。封入構造内の受動的音センサは、岩石状のバリア材料の応力亀裂が発生したらこれを検出できる。構造の外側に埋設され、周波数が一秒間に20から60,000まで交互に掃引される4個のアコースティックトランスデューサーは、亀裂の位置と強度を示す情報を構造の内側と外側のいくつかのアコースティックセンサが収集するのを可能にする。異なる周波数の減衰が亀裂の大きさを示す。
【0061】
好適な構築方法は、その大きさと環境条件によって大きく変わる。アイダホ州の300フィート×300フィートのキャップのための構造の例を以下に示す。周辺溝の硬化した表面は円滑にされ、その表面にCarbray 100エポキシ、またはシリコン質コーク材のような弾性ゴム状材料が層状に載せられる。周辺溝の境界内には、縁部で1フィートの深さで中心では3フィートの深さの傾斜ができるように、通気性サンドの層が配置される。溶融結合法で作製されたジオテキスタイル(geo−textile)高密度ポリエチレンの上部ライナ用シートが、シール材料の上方まで延びるようにサイトの上に配置され、周辺溝の外まで延びた底部のライナ材に溶融接合されている。上にポストテンションと補強が設置された状態で、上部のHDPEライナの上にジオテキスタイルが設置される。虫、植物、及びゲッ歯類が更に忌避するように、胡椒、アルミニウム、及びホウ酸等の苦い味の添加物がライナの上に広げられ、その上端に低通気性コンクリートが鋳込まれる。フロストラインよりずっと下のコンクリートキャップを埋設するために、コンクリート製キャップこれらと同じ添加剤を用いて、粘土と土壌のキャップが上部に構築される。
【0062】
裂け目の場合には、ヴォールトの全体の中に拡散するような、通常のR−12フレオンまたはR−134または類似の過フッ化炭化水素などの追跡用ガスの少量を射出するために、完成ヴォールト内のポートを使用できる。このガスが壁を通して微量漏れた場合でさえ、高価でないポータブルな検出器によって、周辺の表面とヴォールトの上端において検出できるので、漏れの一般領域が示される。臭いを発生する化学物質をヴォールト内に導入しても良い。そうすれば訓練された犬を用いてキャップおよび周辺領域を定期的に検査できる。犬は臭気物質の濃度をより確実に検出でき、現在入手可能な装置よりも低い濃度を検出できることが判っている。隔離性を確かめるために湿度レベルも使用できる。ヴォールトの壁内の無線周波数、電気抵抗、またはアコースティック・ロギングを実施して、たとえ漏れを生じない亀裂でも亀裂の位置を特定するために、ヴォールトの壁と床の内部に配置された中空パイプを用いても良い。ヴォールトの外側に埋設された数個のアコースティックトランスデューサが掃引する一秒間に20から60,000サイクルを、構造の内側に埋設されたセンサで収集することも、亀裂の位置特定に使える。応力亀裂は発生する時に音を出し、これを受動的に検出することができる。好適なグラウト材は、封入構造の内側と外側の間のロギング抵抗を許すような低い電気抵抗を有する。
【0063】
ヴォールトのキャップへの著しい損傷は、エポキシ亀裂インジェクションを含む従来の手段によって補修できる。側壁への損傷は、壁に沿って狭い溝を掘削し、新しいコンクリートを鋳込むことによって補修できる。従来からの化学的グラウト法も使用できる。ヴォールトの床への損傷は、珪酸ソーダ、ポリアクリルアミド、またはエポキシ等の水で希釈した化学グラウトをヴォールト内に潅水することによって補修できる。既存のバリアの下に全く新しい封入バリアを構築することも可能である。
【0064】
この方法の変形例
ボトムファースト埋設溝法
ほぼ20フィートの幅×15フィートの深さ×500〜1700フィートの長さである多数の埋設溝がアイダホ州にある。これらの溝は、一般的には平行であり、約30フィート離れている。これらは、手当たり次第に投棄された立証されていない低レベル廃棄物を含む。この溝は、玄武岩岩石層まで下方にブルブルドーザで切削された。この玄武岩岩石層は、約500フィートの厚さであるが、スネークリバー帯水層の上にある。この岩石は、砕かれ、長期封層であるとみなされない。
【0065】
一方向にドリルであけられた穴は、所望の深さで溝の中心線を外れた底部に沿って配置されている。これは玄武岩岩石層への縦穴であることもある。これらの案内穴は、埋設溝の各端上の表面まで後方に湾曲させる。パイプ、好ましくは2〜3/8インチの油井鋼管の両端に取り付けられたダイヤモンドワイヤ石切りソーケーブルは、ドリルパイプが取り除かれるとき各穴の中に引っ張られる。
【0066】
一方の穴から他方の穴へのケーブルは、この表面で結合され、連続する長さになり、ワイヤソー機を通って縫うように通される。2つの別個の土盛りで覆われた高くした穴「A」および「B」は、埋設溝のワイヤソー機端上の案内穴の周りに建造される。埋設溝の真向かいの端の案内穴の両方を接続する単一溝「C」が建造される。「A」穴にポンプで注入される密度の高いドリル流体は、番号1の案内穴を通って「C」溝に流れ、番号2の案内穴を通って穴「B」まで逆流する。穴「B」に到達する流体は、再処理され、戻され「A」に入れられる。グラウトは前述のようにパイプを通してポンプで注がれることもできる。
【0067】
この連続的流れが確定された後、ワイヤソー機は、番号2の案内穴からのケーブルを引っ張っている間番号1の案内穴の中にケーブルを供給する。切削は、「C」溝で始まり、この機械がそのトラックに沿って後方へ移動するとき、ワイヤソー機の方へ進む。周期的に新しいワイヤソーケーブルは結合され、システムになる。スチールパイプは、ケーブルの使用を中断する場合、追加のケーブルを所定の位置に引っ張るためにあるいは切削流体の流れを特定の区域に供給するために使用することができる。切削が進むにつれて、全埋設溝は、下部を削り落とされ、密度の高い切削流体の半インチの厚さの層上に支えられる。
【0068】
この流体の特性および安定性は、もちろんこの処理に重要である。流体は、土壌および土壌の上の岩石よりも大きい密度を有し、半インチの厚さの切削を通して効率的に流れ、水圧を伝達するのに十分な流体でなければならない。その流体損失特性も、半インチの厚さの切削を塞ぐことなしに浸透性岩石の小さい亀裂を塞ぐように適合されねばならない。大きな垂直な割れ目および亀裂はアイダホ州の玄武岩岩石の共通の特徴である。ワイヤソーが、充填できない割れ目に当たる場合、1つあるいはそれ以上の引き出しパイプは、珪酸ナトリウム溶液を切断部の中に注入するために使用される。この材料によって、グラウトは非常に急速に粘着性になり、大きな開口を塞ぐ。
【0069】
底部切削の完了後、側壁溝は、低粘度の密度の高いグラウトのスラリーの下をバックホーのような従来の手段によって掘られる。これらの溝は、一端で始まり、同時に両側を下方に進み、全周辺の周りに溝を建造する。側壁溝が底部切り通しと交差する場合、密度の高いグラウトは、底部切断部の中に流れ、約1〜5ポンド/フィート2の正味の正のリフティング力を与える(土壌および岩石を剪断するのに十分でないが、一旦土壌および岩石がもはや抑制されないと、それを持ち上げるのに十分である)。側壁切削が埋設溝の長さを下方に進むと、土壌および岩石の弾性によって、ブロックは自由端の地面の外へ持ち上げることができる。一旦ブロックの全長が自由に浮動すると、追加のグラウトは、グラウト層の厚さを増加させるように加えることができる。非常に長い溝の中では、土壌ブロックは、掘削機が用地の遠端に達する前に全目的の高さまで持ち上げることができる。図10を参照。
【0070】
サイドファースト埋設溝方法
他の建造方法は、より迅速に切削することができる土壌あるいは岩石で使用されてもよい。この方法は、溝が支持なしの開いた状態にある固い土壌で役立つことが期待され、大きな割れ目あるいは穴を有する可能性がほとんどない。この方法では、垂直周辺溝は、最初に全深さまで掘らされる。したがって、ワイヤ切断装置は、水平面上のブロックのベースをばらばらに切断するために溝の中に置かれている。これは、溝の中にケーブルプーリーを入れるかあるいはケーブルソーが通されている一方向にドリルされた穴を有する溝の一端のベースに入れることによって行われてもよい。この溝は、土壌ブロックよりも密度が高く、作業の持続期間中流体を残すように設計されている極度に密度の高いグラウトで充填される。切削が開始すると、極度に密度の高いグラウトは、溝を充填し、間隙切り通しにワイヤソーによって入り、ブロックに対する固形物除去、冷却および浮力を与える。この作業に対するケーブルソーは、岩石ではダイヤモンド研摩材を必要とする場合もあるが、土壌ではスチールケーブルあるいはスチールチェーン切削要素を使用してもよい。この方法では、グラウトは、穴を切削するときケーブルの後ろの穴を充填する。
【0071】
ワイヤソーがブロックの下を切り落とすと、極度に密度の高いグラウトの浮力によって、グラウトが水平切断部に流れ込むとき、下を切り落とされたブロックの端部はわずかに持ち上がる。追加グラウトは、ブロックの自由端で小さいが測定できる上昇を生じるのに十分なレベルを保持するように溝に加えられる。下を切り落とす処理が完了された後、追加グラウトは、溝に加えられ、全ブロックを所望の高さまで上昇させる。(18〜36インチの典型的な)小段はより大きいリフトの高さを可能にするように溝の外周の周りに建造されてもよい。
【0072】
この方法では、極度に密度の高いグラウトの凝固特性は、切削が完了されるまで、遅延されねばならない。この方法は、深い従来の周辺溝の掘削が可能である位置で指向的な穴あけを必要としない場合もある。この方法は、緩やかに湾曲された水盤構造の代わりに矩形のブロックを形成する。各端上の追加の傾斜した掘削は、プラスチックライナ材の導入を容易にするために追加することができる。
【0073】
直接引っ張りケーブル法
この方法の特別の変更例は、非常に軟らかい土壌あるいは小さい試験場所で可能である。溝は、表面まで戻るU字形のテーパリングの端を有するU字状および廃棄物区域が囲まれるような全深さ部分の交差溝に乾燥掘削される。スチールケーブルは、U字の底部から延び、大きなブルドーザのような引き出し手段に接続する端を有する溝の底部に敷設されている。溝のテーパリング部分は、ケーブルを所定の場所に保持するように埋め戻される。残りの溝は、土壌よりも密度が高いがいまだ流体であるグラウトで充填される。ブルドーザは、チーズスライサと同様に軟らかい土壌を通るケーブルを引っ張り、直ちにグラウトで充填される切断部を形成する。この動作は、グラウトがブロックを上方に移動するときに厚くする土壌ブロックの下にグラウトの連続層を形成する。アンカーケーブルは、土壌ブロックを掘削の中心に置いたままにする。グラウトが硬化する場合、グラウトはシームレス基盤構造体を形成する。
【0074】
垂直円筒状ブロック法
他の代替法は、廃棄物区域周辺の外側の地面に入り、深い所まで降り、表面を平らにし、分離される区域の周辺の周りに進み、(完全にこの区域を取り囲み)、それから入口点近くの表面に戻る指向的にドリルであけられた穴を形成することを必要とする。ワイヤソーケーブルは、ドリルが引っ込められるときこの円形通路を通って引っ張られる。ワイヤソーが締め付けられると、ワイヤソーは分離される区域の下を掘削する。大きな円形切断部は用地の下に形成される。図8を参照。切断部は、好ましい方法で行われるように、掘削されると密度の高い流体で充填される。この密度の高い流体は、切断部および指向的にドリルであけられた穴を表面まで充填し、土壌ブロックに対して水圧支持を与える。この密度の高い流体は、次の計画のフェーズ前数カ月後所定の位置のままであり得る非硬化材料であってもよい。流体は、グラウトよりもわずかに重いかあるいは軽いように設計され、小さい漏れ通路あるいは浸透構造を密封する能力がある。
【0075】
底部水平切断部が形成された後、周辺溝は、水平円形切断部の境界内および境界を通って従来のように掘削される。この溝は、矩形であってもよいしあるいは掘削装置の機能により湾曲されてもよい。この溝は、「乾燥」切削されてもよいし、あるいは極度に密度の高いグラウトスラリーの下を掘削されてもよい。乾燥掘削される場合、密度の高い流体は、水平切断部を流れ出て、切断部が溝の近くに接近できる。これは、水平切断部が交差されたことの目に見える証拠も与える。溝が極度に密度の高いグラウトスラリーの下を掘削される場合、スラリーは、水平切断部の密度の高い流体の水圧を平衡にするかあるいは抑え、水平切断部に流れ込む。任意には、両方の方法は、ブロックの反対側で同時に使用されるべきである。スラリー充填周辺溝が水平切断部を通って切削すると、その極度に密度の高いグラウトは、水平切断部に入り、ブロックを持ち上げさせる。乾燥溝を有する全深さのあるパーセンテージまで切削し、それから極度に密度の高いグラウトで充填された溝との交差を完了することも望ましいことであり得る。
【0076】
溶融パラフィンでの障壁の形成
ワイヤソー切削も、密度の高いグラウトと同様に引き出しパイプを通って切り通しの中にポンプで注入される溶融パラフィンを使用して行われてもよい。引き出しパイプは、パラフィンがパイプの周りに硬化させないように循環ループを含んでもよい。この方法では、パラフィンは切削ケーブルの後方2、3フィートだけ硬化する。液体区域は、一般的には1〜3インチの厚さの案内穴間の薄い弓形である。これは、障壁が減少されないように土壌への表土応力を制限する。これらのグラウトは、浮力リフト障壁を容易にするためにグラウトを土壌よりも密度を高くする粉末酸化鉄で修飾することもできる。しかしながら、沈下を防止するために急速な硬化による薄い障壁を建造するためにパラフィンのような熱可塑性材を使用することもできる。沈下力は、土壌表土の構造上の強度が沈下を防止するのに十分であるような十分狭い切断部の1つの水平の寸法を保持することによって制御される。2つの成分の化学的グラウトは、第2の成分を供給する同心内部パイプおよび両方の成分の流れを受け取り、この成分を一緒に混合するように製造されているノズルを含む引き出しパイプに対して同様に加えることもできる。これは、一緒に結合されるかあるいはより大きなパイプ内部の2つの別個のパイプで行うこともできる。グラウトは、ケーブルが内部に移動する切断部側に注入されることだけが必要である。地面を通るケーブルの移動は、グラウトの大部分に切断部の懸垂線状の弓形の周りで、かつ後方に表面溝までケーブルを移動させることを追跡させるポンピング動作を形成する。
【0077】
懸垂線状の弧状チューブそのものが指向的にドリルであけられた穴を通って進行切断部まで往復運動されている間、溶融パラフィンは、高圧および高速度で懸垂線状の弧状チューブを通って循環される。典型的な圧力は、再循環ラインの圧力を自動的に制限する再循環ラインのスプリングピンチバルブによって制御される2000psi〜10,000psiである。循環速度は、粒子が外へ沈殿することを防止し、温度を均一に保持するのに十分である。チューブの前方に面する表面の穴あるいは硬化ポートは、土壌を浸食させ、実質的に溶融パラフィンと交換させる高運動エネルギーで土壌に加熱液体を注入する。これによってチューブは前方横方向に進むことができる。これらのポート、すなわち“噴射口”は、チューブの表面と同一平面を成す炭化タングステンノズルを鑞付けすることによって製造されてもよい。チューブの表面部分は、エポキシーコーティングに埋め込まれた炭化タングステンのような削磨粗粒子あるいは溶接付着表面硬化によって被覆されてもよい。各引き出しストローク後にチューブの両端をわずかに回転させることは単一噴射口がチューブよりも幅広い通路を掘削することを可能にする。このような回転シーケンスの例は、0°、+5°、0°、−5°、0°、+5°である。チューブをわずかな増加量回転させることによって、固定位置噴射口を有するチューブの前に全土壌区域を押し流すことができる。土壌噴射装置の以前のテストにおいて、発明者は、単一噴射によって形成される切断部の幅が土壌種類および噴射係数で著しく変わることに注目した。噴射口が少なくともチューブの直径と同様の厚さの切断部を形成しない場合、この装置は機械削磨によることを除いて進歩できない。パイプの端部は、油井ダウンホール工具の技術で一般に知られているような機械的「Jスロット」機構によって自動的に回転されてもよい。この機構は、チューブが応力状態に置かれ、解放される度に1つの増分回転する。
【0078】
チューブが地面を通って横方向に通過するとき、パラフィンは、土壌に浸透し、固体状態まで冷却するの両方である。障壁から離れて砕けるパラフィンは、急速冷却を行い、硬化し、密封する。注入温度および冷却速度は、切断部の十分大きい液体区域が存在し、表土の沈下が障壁を挟む前にパラフィンが硬化し得るようなものである。新しい溶融パラフィンは常にチューブを通って循環し、切断部の隣接した区域は、たとえ往復運動が停止するとしても、常に溶融のままである。パイプが破断するかあるいは動かなくなっているならば、新しいチューブは前の切断部を通る通路を溶かすことによって所定の位置に引き込まれ得る。無制限の数の交換噴射チューブあるいはワイヤソーケーブルは、元の方向にドリルであけられた穴の中にある加熱“引き出しパイプ”によって切削位置に引き込まれ得る。削磨ワイヤソーケーブルあるいはチェーンも、固い物体を通って切削するために2、3フィートだけ噴射口チューブよりも前にあり、チューブの応力を減少させ得る。
【0079】
従来技術の他の改良は、従来のグラウティング装置で応用された前述の溶融パラフィンの使用である。好ましい溶融パラフィンは、120°〜180°Fの融点を有し、溶融パラフィンが既に水で濡れるかあるいは湿っている土壌ならびに水に対して非常に低い浸透度を有する乾燥した土壌にしみ込むことができる界面活性剤の添加によって修飾される。このような界面活性剤の例は、ミネソタ州のセントポール市の3M社によって製造されたFlourad(登録商標)FC‐430のようなフッ素脂肪族化合物重合体エステルを含んでいる。他の有用な界面活性剤混合物は、重量で9の割合のオレイン酸、6の割合のアルカノールアミン、ノニルフェノールエトキシラートのような6の割合のノニオン界面活性剤の混合物から形成される。任意のオイル可溶染料とともに界面活性剤は、直接噴射口グラウティング装置に供給する溶融パラフィンのタンカートラックに追加することができる。任意には、不完全なティスティング物質あるいは不完全なスメリング物質は、齧歯類動物および昆虫の損害に対する抵抗力を増加させるために追加されてもよい。土壌と噴射口グラウティング処理によって混合される場合、この噴射口グラウティング処理は水不浸透生成物を生じる。熱水は、パラフィンよりも前にシステムを通してポンプで吸い上げられ、パイピングを加熱し、さらにその後システムを清掃する。181.4°F で溶融するMarcus4040のような溶融低密度ポリエチレンホモポリマーは、化学的抵抗特性を増加させるためにパラフィンと同様に利用されてもよい。ホモポリマーも、界面活性剤混合物の添加によって湿った土壌でその性能を高めるために変性されてもよい。非イオン混合物の例は、エトキシ基レートアルコールが重量で7の割合、56の割合の水酸化カリウム、21の割合の重亜硫酸ソーダである。イオン混合物は、重量が等しい割合のオレイン酸とアミンとで作ることができる。ポリエチレンが主グラウトとして使用されるならば、HDPEトップライナは、底部障壁に直接融着接着され得る。この材料は、パラフィンをHDPEトップライナに接着するために熱溶融接着剤としても使用されてもよい。低密度ポリエチレンホモポリマーは、その湿潤特性、不浸透性、および化学抵抗力を改善するために2〜10%重量百分率の濃度でパラフィンワックスと混合されてもよい。
【0080】
溶融パラフィンは、アイダホ州に存在する玄武岩岩石層のような大きな亀裂あるいは裂け目を有する岩石に障壁ヴォールトを建造するのに特に役に立つこともある。溶融ワックスが亀裂に入り、障壁が形成されるべきである区域から漏れ始めるので、溶融ワックスは、熱が失われ、すぐに凝固させる。これは亀裂を密封するのに役立つ。この方式は水飽和帯およびベイドス帯の両方で機能する。
【0081】
本開示の利点を現在有している当業者は、本発明が多数の形態および実施例をとってもよいことを理解している。いくつかの実施例は、本発明の理解を示すために開示されている。これらの実施例が例示的であるべきであり、本発明を限定していないことが意図されている。むしろ、本発明が、添付クレームによって規定されるような本発明の精神および範囲内にある全ての修正例、同等物および代替例をカバーすることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、毒性廃棄物を収納した埋設型タンク場の斜視図であり、指向的に穿孔された孔、及び隣接する孔の間を切断する石切用ワイヤソー装置を示す。
【図2】図2は、図1に示されたタンク場の下に不透過性の汚染物バリアを形成する様子を示す。
【図3】図3は、図1に示されたタンク場の下の完成した汚染物バリアを示す。
【図4】図4Aおよび4Bは、廃棄物サイトの下に不透過性の封入バリアを形成する際に実施されるいくつかの工程を示す。
【図5】図5Aおよび5Bは、廃棄物を含む浮きブロックを縦孔の中心に維持するためのケーブルの使用を示す。
【図6】図6は、完成した封入ヴォールトの側面図であり、封入物の完全性を監視するシステムを示す。
【図7】図7Aおよび7Bは、地中を切断する研磨材ケーブルソーを用い、牽引パイプによって溶融グラウトが切断領域に供給されてバリアパネルが形成される様子を示す。
【図8】図8は、埋設されたタンクの下に封入バリアを形成する別の方法を示す。
【図9】図9A−Fは、廃棄物サイトの周囲に封入ヴォールトを構築する工程を示す。
【図10】図10は、下方切断されて持ち上げられた図9A−Fに示される廃棄物サイトの斜視図である。
【図11】図11は、牽引ケーブルで下方切断される小型のテストブロックの斜視図である。
【図12】図12A−Cは、廃棄物を含む土壌のブロックの下のグラウトバリア内に不浸透性ライナシートを配置する工程を示す。
【図13】図13は、封入サイトの斜視図であり、不浸透性材料の一枚物の大型シートを、緻密グラウト流体中に自由に浮いている、廃棄物を含む土壌のブロックの下に牽引する工程を示す。
【図14】図14は、封入サイトの斜視図であり、隣接する不浸透性ライナシートをインターロックする工程を示す。
【図15】図15AおよびBは、それぞれ平面図および断面図であり、切断して不浸透性の封入バリアを形成するために本発明の一実施形態で用いられる懸垂線状切断工程を示す。
【図16】図16は、シールされたキャップを備え完成した封入ヴォールトの斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの断面を有する地下通路に沿って本来の場所に地下構造を建造する方法であって、
(a)少なくともエッジ断面の一部に沿って少なくとも1つの穴を指向的にドリルであけるステップと、
(b)前記少なくとも1つの穴の中に近接して少なくとも2つの細長い部材を設置するステップと、
(c)切削手段として前記細長い部材の中の少なくとも1つを使用して前記地下通路を切削するステップ、
を含むことを特徴とする地下構造を建造する方法。
【請求項2】
少なくとも1つの穴が、前記通路が単一穴から切削できるように前記地下通路を少なくとも部分的に包囲するようにループを形成することを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項3】
前記地下通路が、前記少なくとも1つの穴と地面の表面との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項4】
前記切削通路が、地下水が前記構造体を通過するときにその少なくとも一部が汚物を捕まえるかあるいは中和するために前記地下水の汚物と相互に作用する浸透性材料で充填されることを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項5】
前記地下通路にある物質を入れるステップをさらに含み、前記地下通路に入れられた前記物質が不浸透障壁を形成することを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項6】
前記地下通路にある物質を入れるステップをさらに含み、前記地下通路に入れられた前記物質が、前記地下通路の上に配置された土を流体によって浮いているように支えるのに十分な密度を有する流体であることを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項7】
少なくとも1つの断面が、前記少なくとも1つの穴と前記地下構造を形成するのに適している凝固流体物質で充填された溝との間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項8】
本来の場所に地下最下部構造体を建造する方法であって、
(a)前記構造体の底部周辺の所望の深さまで前記最下部の周辺の少なくとも一部に沿って溝を掘るステップと、
(b)少なくとも1つの細長い切削部材を前記溝の中に設置するステップと、
(c)前記地下最下部構造体の壁を形成するために凝固できる流体で前記溝を少なくとも部分的に充填するステップと、
(d)前記地下最下部構造体の床部を形成するために地下通路を通る前記少なくとも1つの細長い部材を操作することによってほぼ前記溝の底部の高さで前記地下通路を切削するステップ、
を含むことを特徴とする地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項9】
前記溝の前記流体が、前記切削通路に流れ込み、前記地下最下部構造体の床部を形成することを特徴とする請求項8に記載の地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項10】
前記凝固流体が、前記土壌組成物が前記凝固流体の中に浮かぶことになるような密度を有することを特徴とする請求項8に記載の地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項11】
前記地下最下部構造体の性能を高めるために合成材料の1つあるいはそれ以上のシートを前記地下通路に入れるステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項12】
前記凝固流体が、冷却する際に凝固する溶融材料であることを特徴とする請求項8に記載の地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項13】
ある場所の下のその場所で不浸透地下最下部構造体を建造する方法であって、
(a)前記場所の周辺の少なくとも一部に沿って溝を掘るステップと、
(b)不浸透材料を形成するために凝固する流体で前記溝を少なくとも部分的に充填するステップと、
(c)前記場所の下の地下通路を切削する切削手段を前記溝の中に配置するステップと、
(d)前記地下通路を不浸透グラウト材で充填するステップとを含むことを特徴とする不浸透地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項14】
前記溝の前記流体が重力の作用によって前記地下通路に流れ込み、かつ充填することを特徴とする請求項13に記載の不浸透地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項15】
前記溝の前記流体が前記地下通路の上に配置された前記材料を浮かんでいるように支えるのに十分な高密度であることを特徴とする請求項13に記載の不浸透地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項16】
前記溝の前記流体が溶融材料であることを特徴とする請求項13に記載の不浸透地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項17】
前記溝の前記流体が、前記切断部に隣接する前記地下構成物を少なくとも部分的に浸透し、かつ不浸透性にすることを特徴とする請求項13に記載の不浸透地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項18】
封じ込め構造体を建造する方法であって、
(a)収容されるべき場所のその本来の場所で不浸透水盤の封じ込め構造体を形成し、
(b)前記場所の周りにほぼ気密なボールトを形成するように不浸透封じ込めキャップを前記不浸透水盤封じ込め構造体に密封することを特徴とする封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項19】
封じ込め構造体の内部の水および揮発性有機化合物のレベルを低下させるステップを更に含む請求項18に記載の封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項20】
(c)封じ込め構造体が損なわれていないことを示す状態を測定するためのセンサーを設置すること、および
(d)センサーの表示度数における変動を評価し、ボールトが損なわれていないことを確認すること、を更に含む請求項18に記載の封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項21】
封じ込め構造体の内部および外部に少なくとも1つのセンサーを設置し、測定する状態が土壌ガス圧、土壌ガス湿度、音響、拡散物質の濃度およびそれらの組合わせから選択される、請求項20に記載の封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項22】
地下封じ込め構造体を建造する方法であって、
(a)収容されるべき地下場所の中でそれに形成される少なくとも1つのポートを有するパイプを配置するステップと、
(b)前記パイプの基部の地下物質が前記溶融ワックスによって影響を及ぼされるように前記パイプが移動され、かつ回転される間、収容されるべき前記地下場所に配置された前記パイプに前記少なくとも1つのポートを通して圧力下の溶融ワックスをポンプで注入するステップと、
(c)前記地下場所に隣接する領域に前記パイプを再配置するステップと、
(d)収容されるべき前記地下場所が前記溶融ワックスで飽和状態にされるまでステップ(a)から(c)を繰り返すステップとを含むことを特徴とする地下封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項23】
前記溶融ワックスが、水を混和しやすくし、かつ表面を濡らし、濡れた表面に付着でき、さらに水不浸透性材料中に浸透できるように変性された溶融熱可塑性材料であることを特徴とする請求項22に記載の地下封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項24】
流体グラウト中で分断された土壌ブロックが浮揚性であるような十分な密度を有する、分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウトであって、セメント粉末および水のスラリー、粘度低減添加剤および20から30ポンド/ガロンの密度に達するのに十分な量の高密度添加剤並びに硬化を少なくとも6日間延長させるのに十分な量の凝固遅延剤を含む前記流体グラウト。
【請求項25】
さらに粘土を含む請求項24に記載の分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウト。
【請求項26】
粘土がベントナイトを含む請求項25に記載の分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウト。
【請求項27】
高密度添加剤が金属および金属酸化物から成る群より選択される請求項24に記載の分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウト。
【請求項28】
高密度添加剤が酸化鉄、バライト、ブラス、銅、ウラニウムおよびスチールショットから成る群より選択される請求項24に記載の分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウト。
【請求項29】
溶融ワックスおよび高密度添加剤を含み、流体グラウト中で分断されたブロックが浮揚性であるように十分な密度を有する、分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウト。
【請求項30】
高密度添加剤が、鉄、鉄鉱、酸化鉄、バライト、ブラス、銅、ウラニウム鉱およびスチールから成る群より選択される1以上の成分を含む請求項29に記載の流体グラウト。
【請求項31】
流体グラウト中で分断された土壌ブロックが浮揚性であるような十分な密度を有する、分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウトであって、硬化後にグラウトが可塑性を維持するように、予め水和されたベントナイトスラリーおよび20から30ポンド/ガロンの密度に達するのに十分な量の高密度添加剤を含む前記流体グラウト。
【請求項32】
高密度添加剤が、鉄、鉄鉱、酸化鉄、バライト、ブラス、銅、ウラニウム鉱およびスチールから成る群より選択される少なくとも1種類の成分を含む請求項31に記載の流体グラウト。
【請求項1】
少なくとも1つの断面を有する地下通路に沿って本来の場所に地下構造を建造する方法であって、
(a)少なくともエッジ断面の一部に沿って少なくとも1つの穴を指向的にドリルであけるステップと、
(b)前記少なくとも1つの穴の中に近接して少なくとも2つの細長い部材を設置するステップと、
(c)切削手段として前記細長い部材の中の少なくとも1つを使用して前記地下通路を切削するステップ、
を含むことを特徴とする地下構造を建造する方法。
【請求項2】
少なくとも1つの穴が、前記通路が単一穴から切削できるように前記地下通路を少なくとも部分的に包囲するようにループを形成することを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項3】
前記地下通路が、前記少なくとも1つの穴と地面の表面との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項4】
前記切削通路が、地下水が前記構造体を通過するときにその少なくとも一部が汚物を捕まえるかあるいは中和するために前記地下水の汚物と相互に作用する浸透性材料で充填されることを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項5】
前記地下通路にある物質を入れるステップをさらに含み、前記地下通路に入れられた前記物質が不浸透障壁を形成することを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項6】
前記地下通路にある物質を入れるステップをさらに含み、前記地下通路に入れられた前記物質が、前記地下通路の上に配置された土を流体によって浮いているように支えるのに十分な密度を有する流体であることを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項7】
少なくとも1つの断面が、前記少なくとも1つの穴と前記地下構造を形成するのに適している凝固流体物質で充填された溝との間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の地下構造を建造する方法。
【請求項8】
本来の場所に地下最下部構造体を建造する方法であって、
(a)前記構造体の底部周辺の所望の深さまで前記最下部の周辺の少なくとも一部に沿って溝を掘るステップと、
(b)少なくとも1つの細長い切削部材を前記溝の中に設置するステップと、
(c)前記地下最下部構造体の壁を形成するために凝固できる流体で前記溝を少なくとも部分的に充填するステップと、
(d)前記地下最下部構造体の床部を形成するために地下通路を通る前記少なくとも1つの細長い部材を操作することによってほぼ前記溝の底部の高さで前記地下通路を切削するステップ、
を含むことを特徴とする地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項9】
前記溝の前記流体が、前記切削通路に流れ込み、前記地下最下部構造体の床部を形成することを特徴とする請求項8に記載の地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項10】
前記凝固流体が、前記土壌組成物が前記凝固流体の中に浮かぶことになるような密度を有することを特徴とする請求項8に記載の地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項11】
前記地下最下部構造体の性能を高めるために合成材料の1つあるいはそれ以上のシートを前記地下通路に入れるステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項12】
前記凝固流体が、冷却する際に凝固する溶融材料であることを特徴とする請求項8に記載の地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項13】
ある場所の下のその場所で不浸透地下最下部構造体を建造する方法であって、
(a)前記場所の周辺の少なくとも一部に沿って溝を掘るステップと、
(b)不浸透材料を形成するために凝固する流体で前記溝を少なくとも部分的に充填するステップと、
(c)前記場所の下の地下通路を切削する切削手段を前記溝の中に配置するステップと、
(d)前記地下通路を不浸透グラウト材で充填するステップとを含むことを特徴とする不浸透地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項14】
前記溝の前記流体が重力の作用によって前記地下通路に流れ込み、かつ充填することを特徴とする請求項13に記載の不浸透地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項15】
前記溝の前記流体が前記地下通路の上に配置された前記材料を浮かんでいるように支えるのに十分な高密度であることを特徴とする請求項13に記載の不浸透地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項16】
前記溝の前記流体が溶融材料であることを特徴とする請求項13に記載の不浸透地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項17】
前記溝の前記流体が、前記切断部に隣接する前記地下構成物を少なくとも部分的に浸透し、かつ不浸透性にすることを特徴とする請求項13に記載の不浸透地下最下部構造体を建造する方法。
【請求項18】
封じ込め構造体を建造する方法であって、
(a)収容されるべき場所のその本来の場所で不浸透水盤の封じ込め構造体を形成し、
(b)前記場所の周りにほぼ気密なボールトを形成するように不浸透封じ込めキャップを前記不浸透水盤封じ込め構造体に密封することを特徴とする封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項19】
封じ込め構造体の内部の水および揮発性有機化合物のレベルを低下させるステップを更に含む請求項18に記載の封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項20】
(c)封じ込め構造体が損なわれていないことを示す状態を測定するためのセンサーを設置すること、および
(d)センサーの表示度数における変動を評価し、ボールトが損なわれていないことを確認すること、を更に含む請求項18に記載の封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項21】
封じ込め構造体の内部および外部に少なくとも1つのセンサーを設置し、測定する状態が土壌ガス圧、土壌ガス湿度、音響、拡散物質の濃度およびそれらの組合わせから選択される、請求項20に記載の封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項22】
地下封じ込め構造体を建造する方法であって、
(a)収容されるべき地下場所の中でそれに形成される少なくとも1つのポートを有するパイプを配置するステップと、
(b)前記パイプの基部の地下物質が前記溶融ワックスによって影響を及ぼされるように前記パイプが移動され、かつ回転される間、収容されるべき前記地下場所に配置された前記パイプに前記少なくとも1つのポートを通して圧力下の溶融ワックスをポンプで注入するステップと、
(c)前記地下場所に隣接する領域に前記パイプを再配置するステップと、
(d)収容されるべき前記地下場所が前記溶融ワックスで飽和状態にされるまでステップ(a)から(c)を繰り返すステップとを含むことを特徴とする地下封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項23】
前記溶融ワックスが、水を混和しやすくし、かつ表面を濡らし、濡れた表面に付着でき、さらに水不浸透性材料中に浸透できるように変性された溶融熱可塑性材料であることを特徴とする請求項22に記載の地下封じ込め構造体を建造する方法。
【請求項24】
流体グラウト中で分断された土壌ブロックが浮揚性であるような十分な密度を有する、分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウトであって、セメント粉末および水のスラリー、粘度低減添加剤および20から30ポンド/ガロンの密度に達するのに十分な量の高密度添加剤並びに硬化を少なくとも6日間延長させるのに十分な量の凝固遅延剤を含む前記流体グラウト。
【請求項25】
さらに粘土を含む請求項24に記載の分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウト。
【請求項26】
粘土がベントナイトを含む請求項25に記載の分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウト。
【請求項27】
高密度添加剤が金属および金属酸化物から成る群より選択される請求項24に記載の分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウト。
【請求項28】
高密度添加剤が酸化鉄、バライト、ブラス、銅、ウラニウムおよびスチールショットから成る群より選択される請求項24に記載の分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウト。
【請求項29】
溶融ワックスおよび高密度添加剤を含み、流体グラウト中で分断されたブロックが浮揚性であるように十分な密度を有する、分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウト。
【請求項30】
高密度添加剤が、鉄、鉄鉱、酸化鉄、バライト、ブラス、銅、ウラニウム鉱およびスチールから成る群より選択される1以上の成分を含む請求項29に記載の流体グラウト。
【請求項31】
流体グラウト中で分断された土壌ブロックが浮揚性であるような十分な密度を有する、分断された土壌ブロックの下で地下障壁を建造するための流体グラウトであって、硬化後にグラウトが可塑性を維持するように、予め水和されたベントナイトスラリーおよび20から30ポンド/ガロンの密度に達するのに十分な量の高密度添加剤を含む前記流体グラウト。
【請求項32】
高密度添加剤が、鉄、鉄鉱、酸化鉄、バライト、ブラス、銅、ウラニウム鉱およびスチールから成る群より選択される少なくとも1種類の成分を含む請求項31に記載の流体グラウト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−291639(P2008−291639A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136301(P2008−136301)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【分割の表示】特願平10−525790の分割
【原出願日】平成9年12月5日(1997.12.5)
【出願人】(508156409)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【分割の表示】特願平10−525790の分割
【原出願日】平成9年12月5日(1997.12.5)
【出願人】(508156409)
【Fターム(参考)】
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