放射線ベースの医学イメージング用のコード化されたアパーチャマスク
本発明は、診断核医学イメージングにおいて使用するためのコード化されたアパーチャマスクに関する。コード化されたアパーチャマスクは、診断核医学イメージングにおいて使用される放射線の型に対して高い減衰係数を有する材料におけるアパーチャまたはピンホールのパターンからなる。該マスク材料の厚さは75%未満の減衰パーセンテージ、好ましい形態において、約29%に等しい減衰パーセンテージを有する。コード化されたアパーチャマスクは、好ましい形態において、鉛減衰管も有し、検出器の単一画素と同じ領域を占める最小ホールの照射を有する。本発明は、放射線検出器として16ビットガンマカメラを使用する診断核医学イメージングシステムまで拡がる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線ベースの医学イメージングにおいて使用するための、より詳細には、診断核医学イメージングにおいて使用するための、コード化されたアパーチャマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
コード化されたアパーチャマスクは、診断核医学イメージングにおいて使用される放射線の型に対して高い減衰係数を有する材料におけるアパーチャまたはピンホールのパターンからなる。例えばガンマ線の場合、アパーチャの配列は、タングステンのような材料で配列され、それは典型的には1-2mmの厚さである。マスクは、タングステンシート上に所定の様式で配列した約88000のアパーチャによって形成され、タングステンシートを通って延在する。
【0003】
コード化されたアパーチャマスクは、種々の型のコリメータ、特にガンマ線イメージングにおける鉛コリメータ、の代替物として使用することができ、かつ、使用されている。鉛コリメータは、実質的に鉛でできた格子状のスクリーンである。格子のアパーチャは、検出器、または典型的にはガンマカメラであるイメージング手段への、ガンマ放射線源によって生成された平行またはほぼ平行のガンマ線の伝送を許すように構成される。鉛および他のコリメータは、一般的に、低い解像度に苦しみ、解像度を増大する試みは効率の低下を生じる。試みがコード化されたアパーチャマスクを用いて鉛コリメータを取り替えるようになされていることがその理由である。
【0004】
また、コード化されたアパーチャマスクは、イメージングシステムの信号対雑音比(SNR)を上昇させる可能性を有しており[1]、したがって、理論的には、核医学における診断イメージングに有利に適用し得る。増大したSNRを操作して、画像解像度を改善し、イメージング時間を短縮し、または、患者の放射能線量を減少することができる。これらの長所は、それ自体明白である。
【0005】
コード化されたアパーチャマスクは天体物理学で広く使用されており、そこでは、遠視野イメージング条件があてはまる。かかる条件は、二次元(2D)のノイズがないデータについては完全に近い画像の獲得を許容する[2]。残念なことに、近距離アーティファクトによる画像の悪影響が一般的な問題である核医学の近距離条件には同じことがあてはまらない。
【0006】
以前の研究により、核医学の目的に最適であるアパーチャの特徴の徴候が提供されている[3]。近距離アーティファクトの減少は、回転したアパーチャを用いて第2の画像を得、ついで、得られた2セットのデータを合計することによって達成し得る[4]。制限された視野のコード化されたアパーチャの配列の使用は、近距離アーティファクトをかなり減少する可能性を有することも示されている[5]。
【0007】
コード化されたアパーチャ・イメージングは、源の各々の点について、アパーチャパターンが検出器上に投影されなければならないことを必要とする。このことは、パターンを投影した特定の点源の位置および強度に従って各々がシフトおよび加重された、重複するアパーチャパターンを生じる[6]。理論的には、この獲得プロセスは、アパーチャパターンで源を巻き込むことによってモデル化される。画像は、エンコード化されたデータと元のコード化されたアパーチャパターンとを関連させることによって再構築される[6]。このパターンは、ユニークな再構築が存在するように設計される。
【0008】
巻き込みは、点線源がコード化されたアパーチャの各々のピンホールによって、強度の変化なしに、かつ、ピンホールの下方に直接的に落ちる点線源の画像を有して、等しく像を造らなければならないことを意味する。デコード化手順はこれらの条件下で正確に機能するが、実際には、巻き込みモデルは保たれない。核医学の近距離条件は、アーティファクトを画像に導入する。さらに、大きな入射角を有するガンマ線を平行にすることによって、コード化されたアパーチャの厚さが近距離アーティファクトに寄与する。
【0009】
画像解像度に関しては、画素サイズが典型的にはコード化されたアパーチャにおける最小のピンホールの投影サイズに関係する。最小ホールのサイズは、典型的には、ガンマカメラの解像度に関連して設計されている。このことは、10Xの解像度の存在するガンマカメラを有するガンマカメラが、例えば、理論的には、10Xの改善に一致するコード化されたアパーチャを有し得ることを意味する。しかしながら、視準アーティファクトに起因して、ホールの最小サイズは、アパーチャ材料の厚さによって制限される。同様に、コード化されたアパーチャの厚さは、使用し得る製造技術も束縛する。典型的に、レーザー穿孔においては、1mmの厚さは、例えば、一般的にはエッチングまたは沈澱のいずれかに不適当であるが、ホールの寸法は材料の厚さよりも大きくなければならない。
【0010】
より重要なことに、得られる画像の解像度は、とりわけ、ホールの寸法によって束縛され、それは転じてその材料の減衰特性に関連するアパーチャ材料の厚みによって束縛される。ガンマ線が、関心のあるエネルギーの所定のエレメントに特異的な減衰係数μおよび有効厚さγmを有する密度ρの不透明なアパーチャ材料を通過する場合、アパーチャ材料の透過率tは:
t=e−ρμγm (1)
によって与えられる。
【0011】
その場合、ガンマ線を遮断するアパーチャ材料の能力は減衰α:
α=1−t (2)
によって与えられる。
【0012】
放射能の所定の源については、関連するエネルギーとともに、コード化されたアパーチャ材料の厚さは、典型的に、90%よりも大きい、場合によっては99%の減衰を与えるように選択する。
【0013】
上記に加えて、そして、画像解像度に関して、無限に小さいピンホールを通して完全な検出器上に投影される線源を考慮する必要がある。投影が検出器の単一の画素によって記録される場合、表示は正確であろう。投影が近隣の画素の間の境界に落ちる場合は、放射能のカウントはそれらの画素の間に等しく分配されるであろう。カウントの総数は不変のままであるが、測定したピークはもはや現実の表示ではない。
【0014】
この問題は「部分容積効果」[10]として知られており、アナログ信号のデジタル化に関係する。解決法は、点源の投影が検出器の少なくとも2×2画素に相当する領域を照らすように、ピンホールの半径を増大することである[6]。このようにすれば、1画素は常に完全に照らされ、測定したピークは正確であろう。
【0015】
画像解像度に関して、画素サイズは、典型的には、コード化されたアパーチャの最小ホールの投影のサイズに関係する。最小ホールの投影のサイズは、典型的に、部分容積効果に対処するために、典型的に少なくとも2×2配列の検出器画素と同じ地域を占める投影を有する、ガンマカメラの解像度に関連して設計される。
【0016】
本発明は、核医学イメージングが造影する対象の身体に典型的に導入する放射性トレーサーを使用するイメージングを示すことに関すると当該技術分野においては理解されるが、本出願人は、本発明が、線が医学イメージングにおける他の形態の放射、例えば、イメージングすべき身体の外側のX線管で生成されるX線、または身体をイメージングするためのガンマ線を生成する身体の外側の放射線源、を含み得る放射線ベースの医学イメージングにも適用されることが強調されることを望む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、少なくとも部分的に、先行技術マスクで遭遇していた視準アーティファクトを減少し、その結果として、同時に画像解像度を改善し得る、診断核医学イメージングに使用するためのコード化されたアパーチャマスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、それを通して延在する一連のアパーチャを有する放射線不透明なマスク材料のシートを含む、放射線ベースの医学イメージングに使用するためのコード化されたアパーチャマスクが提供され、ここに該マスク材料の厚さは75%未満の減衰パーセンテージを有する。
【0019】
50%未満、好ましくは30%未満の減衰パーセンテージを有するマスク材料も提供する。
【0020】
さらに、例えば、タングステン、金、鉛および白金よりなる群から選択される金属のシートであるべき放射線マスク材料のシートに対して、ガンマ線をイメージングするのに使用すべきコード化されたアパーチャマスクを提供し、金属がタングステンである場合、それはテクネシウム−99m(140keVのエネルギーを有する)をイメージングするためには100μmの厚さ(非常に透明である)を有すべきであり、金属が金である場合、それはテクネシウム−99m(140keVのエネルギーを有する)をイメージングするためには90μmの厚さ(非常に透明である)を有すべきであり、金属が鉛である場合、それはテクネシウム−99m(140keVのエネルギーを有する)をイメージングするためには130μm(非常に透明である)の厚さを有すべきであり、金属が白金である場合、テクネシウム−99m(140keVのエネルギーを有する)をイメージングするためには80μm(非常に透明である)の厚さを有すべきである。
【0021】
また、中のアパーチャの軸の方向で各コード化されたアパーチャマスクの周りに延在する放射線減衰管も提供する。
【0022】
また、検出器の単一の画素と同じ領域を占める最小のホールの放射を有するコード化されたアパーチャを提供する。
【0023】
その中のアパーチャの軸の方向に各々のコード化されたアパーチャマスクの周りに伸びる放射線減衰チューブも提供する。
【0024】
発明のさらなる特徴は、それぞれのマスクのいずれかの側から延在する各チューブを提供し;平行の側面を有する各チューブを提供し;および、1枚のシート材料上に運ばれるマスクを提供する。
【0025】
発明のなおさらなる特徴は、3×3から5×5の配列である配列に配置された複数のコード化されたアパーチャを提供し;ガンマ線、好ましくは140KeVのエネルギーを有するガンマ線用に構成されたコード化されたアパーチャマスクを提供し;タングステンからできたコード化されたアパーチャマスク、および鉛からできた管を提供し;100μmの厚さを有するタングステンを提供し;1ないし2mmの厚さを有する鉛を提供し;配列のいずれかの側で50cmまで、好ましくは10μmまで延びる各管を提供する。
【0026】
本発明は、放射線源、前記したコード化されたアパーチャマスク、および放射線検出器を含む放射能ベースの医学イメージングシステムまで延在する。
【0027】
さらに、放射線源がガンマ線放射線源であり、および、放射線検出器がガンマカメラ、好ましくは16ビットのガンマカメラであることについて提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の形態を添付する図面に参照して以下に説明し、それは:
【図1】図1はハイコントラスト・デジタルシェップ-ローガン(Shepp-Logan)ファントムである。
【図2】図2はローコントラスト・デジタルシェップ-ローガンファントムである。
【図3】図3は2Dアナログ信号の例である。
【図4】図4は垂直軸上の5ビット解像度でデジタル化した図3の信号の図である。
【図5】図5は8ビット(256値)ガンマカメラについての、デジタルシェップ-ローガンファントムの97%減衰アパーチャ画像のシミュレーションである。
【図6】図6は8ビット(256値)ガンマカメラについての、デジタルシェップ-ローガンファントムの29%減衰アパーチャ画像のシミュレーションである。
【図7】図7は16ビット(65536値)ガンマカメラについての、デジタルシェップ-ローガンファントムの97%減衰アパーチャ画像のシミュレーションである。
【図8】図8は16ビット(65536値)ガンマカメラについての、デジタルシェップ-ローガンファントムの29%減衰アパーチャ画像のシミュレーションである。
【図9】図9は検出器の特定の画素によって測定した、増幅においてすべて等価である、インパルスの投影された配列の図である。
【図10】図10は変化する照射領域用の、検出器上に投影された理想化された完全に配列したアパーチャパターンの図であり、ここに点線は検出器画素境界を表す。
【図11】図11は有限の源と一緒に、配列および誤配列の両方の、画像対角上に位置した分離した点源のシミュレーション結果を示す。
【図12】図12は理想デジタル化2Dシェップ-ローガンファントムの表示である。
【図13】図13は完全な検出器PSF(無限に小さい投影領域)、16%のRMSEについての、図12のシェップ-ローガンファントムのシミュレーションである。
【図14】図14は完全な検出器PSF(1×1の投影領域)、23%のRMSEについての、図12のシェップ-ローガンファントムのシミュレーションである。
【図15】図15は完全な検出器PSF(2×2の投影領域)、28%のRMSEについての、図12のシェップ-ローガンファントムのシミュレーションである。
【図16】図16はσ=1.27検出器PSF(1×1の投影領域)、25%のRMSEについての、図12のシェップ-ローガンファントムのシミュレーションである。
【図17】図17はσ=1.27検出器PSF(2×2の投影領域)、34%のRMSEについての、図12のシェップ-ローガンファントムのシミュレーションである。
【図18】図18は、作成した理論仮説を証明する実験研究に使用した97%の減衰に相当する、厚さ1mmのタングステンから製作した不透明アパーチャの写真である。
【図19】図19は作成した理論仮説を証明する実験研究に使用した29%の減衰に相当する、厚さ100μmのタングステンから製作した非常に透明なアパーチャの写真である。
【図20】図20は記載した実験研究のために設計した特殊化したアルミニウム・ガンマカメラフレームの写真である。
【図21a−c】図21a−cは獲得ビット深度以外のすべてのシミュレーション因子を一定に保持した場合の実験データとの比較を許容するために開発したデジタルファントムの29%減衰マスクを通したシミュレーションした一連の画像である。
【図22】図22は実験において参照の点として使用した低エネルギー高解像度(LEHR)コリメータ画像である。
【図23】図23は幾分かのノイズを示す、286の最大画素カウント、45秒での不透明(97%減衰)コード化されたアパーチャ画像である。
【図24】図24は3270の最大画素カウント、10分での不透明(97%減衰)コード化されたアパーチャ画像である。
【図25】図25は285の最大画素カウント、30秒での透明(29%減衰)コード化されたアパーチャ画像である。
【図26】図26は8248の最大画素カウント、15分での透明(29%減衰)コード化されたアパーチャ画像である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
核医学イメージングとパーセンテージ減衰に関する現在の考えは、光線を視準するが光線の減衰の低いパーセンテージで正しく機能するのを中止するコリメータの使用に由来し、これは、大部分は、光線の減衰の低いパーセンテージを有するコード化されたアパーチャマスクの使用を妨げている。このラインの考え方は、コード化されたアパーチャを用いるイメージングを超えて運ばれ、これに対して2つのありそうな理由が存在する:
【0030】
1. コード化されたアパーチャ・イメージングにおいては、源の各点は、コード化されたアパーチャパターンを検出器に投影する。コード化されたアパーチャの影は、減衰が100%である場合に最大のコントラストでもって投影される。減衰のパーセンテージを減少すると、ガンマ線によるコード化されたアパーチャの侵入を増加させ、小さなコントラストのより明るい影を生じる。エンコード化された画像はより見えにくくなる。このことは、図1および2に図示するシェップ-ローガンファントムを比較すると分かる;および、
【0031】
2. ガンマ検出器は測定において連続的(アナログ)でなく、むしろ、測定し得る特定の数の値を有する(分離している)。検出した画像におけるコントラストを減少すると、測定し得る値の数の減少およびそれに関連して精度の損失を生じる。このことは、図3および図4の2Dプロットに図示されている。
【0032】
本発明の中心は、前記に概説した現在のラインの考え方は全く正確ではないという理論である。この理由は以下のとおりである:
【0033】
1. 投影された画像(エンコード化されている)のコントラストは、ほとんど重要でない。これは、相関によって得られたデコード化された画像が、予想されるパターンの検索から生じるからである。パターンは認識し得るが、デコード化された画像にコントラストの損失は存在しないであろう。
2. 測定された値の量子化は、エンコード化された画像の品質を低下する。このことは、パターンが認識可能である確率を低下し、それは、デコード化された画像にノイズを生じる。これは、測定し得る値の数(ビットの数に関係する)に厳密に依存する。入手可能な(または十分に分離したレベルの)十分な数の値が存在すれば、デコード化された画像の品質の損失は存在しないにちがいない。
【0034】
この考えを試験するため、光線トレーシング技術、および核医学の分野におけるイメージ獲得の予測能力に基づくコンピュータシミュレーターを開発した。デジタルシェップ-ローガンファントムについてのコンピュータシミュレーション結果[7]を示す。
【0035】
ハイコントラスト・デジタルシェップ-ローガンファントムが、明らかに見える(図1)。コントラストを低下すると、画像内で特徴を識別する観者の能力と同様に、画像の可視性が減じられる(図2)。
【0036】
量子化について、2D信号を例として示す(図3)。垂直軸が利用できる5ビットの解像度しか有していない場合、信号は同程度の正確さでもはや表示できない(図4)。
【0037】
あとに続く結果では、唯一の変分は、コード化されたアパーチャの透明度、およびガンマカメラのビット数である。それは、アパーチャ材料、アパーチャの型、ホールの寸法、近距離外形であり、デコード手順は変化しないままである。結果は単なる例であって、テクネシウム-99mのエネルギー(140keV)およびタングステン・コード化アパーチャに基づく。
【0038】
8ビット 97%減衰:97%の数字は、1mmの材料の厚さに相当する。エンコード化された画像においてコントラストまたは画像品質のいずれかに損失は存在しない。得られたデコード化された画像(図5)は近距離アーティファクトによって影響され、画像品質はコード化されたアパーチャの型に関係する。8ビットガンマカメラは最大256の測定可能な値を有する。
【0039】
8ビット 29%減衰:29%の数字は、100μmの材料の厚さに相当する。低コントラストのエンコード化された画像は、正確さの損失を生じる。投影されたコード化されたアパーチャパターンは十分に認識できるものではなく、デコード化された画像はノイズに影響される(図6)。
【0040】
16ビット 97%減衰:8ビットガンマカメラと比較して、16ビットカメラは、256×測定可能な値の数を有する。コード化されたアパーチャ材料の減衰はコントラストの損失を防ぐのに十分であり、さらなる測定可能な値はデコード化された画像の品質にほとんど影響を及ぼさない(図7)。
【0041】
16ビット 29%減衰:エンコード化された画像は、コントラストの損失および正確さの損失の両方に苦しむ。しかしながら、16ビットガンマカメラであれば、投影されたコード化されたアパーチャパターンが認識可能のままである十分な数の測定可能な値が存在する。その結果、デコード化された画像はノイズによって影響されない(図8)。視準アーティファクトも同時に減少する。この画像は、本発明に記載した原理を取り込むことによって獲得される。
【0042】
上記のシミュレーション結果は、ガンマカメラが十分でない数の測定可能な値を有する場合、非常に透明なコード化されたアパーチャがノイズを画像に加えることを示すことを示唆している。2×ビットの数を有するガンマカメラは、先行技術のコード化アパーチャでイメージングする場合に、画像品質にほとんど改善を生じないようである。同一の条件下で画像を獲得することは、16-ビットガンマカメラと一緒に、非常に透明なコード化されたアパーチャ(本発明に記載するような)を使用するが、画像にノイズを加えず、同時に視準アーティファクトを減少する。
【0043】
これらの結果は、ガンマカメラが十分な数の測定可能な値を有する場合は、画像品質を損失しないで非常に透明なコード化されたアパーチャを使用し得ることを示している。この時、ガンマカメラは典型的に(ガンマカメラの初期の世代の8-ビットと対照的に)16-ビットを特徴とする。
【0044】
10×より細いアパーチャは、製造のいくつかの(以前に問題であった)方法を可能にする。10×より細いアパーチャは画像解像度の10×の改善を許容するため、画像解像度はより重要である。この場合、ガンマカメラは制限因子になるであろうが、ガンマカメラが先例[8]に従い得るという幾つかの徴候がすでに存在する。
【0045】
16-ビットガンマ線カメラ試験シナリオの間の唯一の変化は、高減衰のコード化されたアパーチャが非常に透明なコード化されたアパーチャと入れ替わるということであった。実用的な展望から、そのような変化は容易に行うことができる。これが核医学の分野におけるコード化されたアパーチャ・イメージングの実際性を高めることが予想される。
【0046】
μm範囲の厚さを有するコード化されたアパーチャが低放射能エネルギーでのイメージングのために開発されていることは留意すべきである[8、9]。これらのエネルギーでは、先行技術によれば、コード化されたアパーチャの厚さは、減衰の高いパーセンテージをなお与えるようなものである。
【0047】
上記したことに加えて、コード化されたアパーチャの複数の透明エレメントの各々が作用する場合、それは、各々が検出器に源の投影をキャストする独立したホールと考えられる。そのように、部分容積効果は、記録したコード化されたアパーチャ画像に適用できる[6]。
【0048】
重なる投影をデコードするためには、検出器にコード化されたアパーチャパターンを投影する源の各点のような他の光学からの状況を考慮する必要がある[6]。パターンが特定の特性を有するならば、エンコード化されたデータを独特にデコード化することが可能である。
【0049】
コード化されたアパーチャパターンは、分離したバイナリ配列である[1]。デコード化する手順は、したがって、連続のドメインにおいてではなく、むしろサンプリングした測定データで作動する。このことは、点源については、図9に示すように、振幅においてすべて等しい、インパルスまたはデルタ関数の単一の配列として、投影されたコード化アパーチャパターンをサンプリングする場合に完全な再構築が達成されることを意味している。
【0050】
一連のインパルスを投影する最も近い近似は、無限に小さいピンホールを有する、理想化された無限に細いが完全に不透明なコード化されたアパーチャを使用することであろう。
【0051】
源、コード化されたアパーチャおよび検出器を表す3つの平行面を考える。源の分離した点、コード化されたアパーチャのピンホールおよび検出器の画素を表す格子がすべて完全に配列する場合、完全な検出器はコード化されたアパーチャのパターンで望ましいセットのインパルスを測定する。
【0052】
これらの3つの格子が完全に配列しない場合、シフトは各々の画素の中心から外れるインパルスを引き起こす。得られる補間は、重なっているインパルスパターンの測定に等しい。個々のパターンのインパルスは同一の振幅を理想的に有するが、この振幅は部分容積効果の結果として減少する。
【0053】
無限に小さなピンホールが、各エレメントが検出器の1×1の画素領域を照らすように透明なコード化されたアパーチャエレメントと入れ替わる場合、にじみは増えるが、システムは部分容積効果により影響を受けにくくなる。
【0054】
3つの格子の配列に関わりなく、部分容積効果は検出器の2×2の画素領域を照らす先行技術を適用することによって完全に除去される[6]。しかしながら、投影の増加した領域は、近隣のインパルスパターンの測定を生じ、したがって、再構築した画像のさらなるにじみを生じる。
【0055】
ガンマカメラの画素サイズは、画像解像度に対して第1の制限を明らかに設定し−これはサンプルを得ることができる最も近い間隔である。その解決には検出器の2×2画素に対応する領域の照明を必要とするため、部分容積効果は第2の制限を設定する。検出器の点像分布関数(PSF)は、これらの制限にさらに寄与する。
【0056】
透明なコード化されたアパーチャエレメントは、特定のガンマカメラの画素サイズに関して設計する。このことはコード化されたアパーチャの所定のファミリーについては一定のままであるため、準最適なパターンは開放画分に影響を及ぼすことなく治癒し得る。透明エレメントの寸法はより高い解像システムのために減少することができ、配列中のエレメントの数は、視野および材料の開放画分の両方を維持するように増加し得る。
【0057】
照らされる領域は単一の検出器画素のものよりも下方にならなければ、解像度とイメージング効率との間に交換条件は存在しない。このサンプリング閾値においては、配列中のエレメントの数をもはや増加することはできない。概念を図10に図示する。部分容積効果と離れて、検出器の1×1の画素領域を照らすように設計されたコード化されたアパーチャは効率を妥協することなく最適である解像度を提供する。
【0058】
他の全ての点で理想的な性質を維持しているシステムで、有限空間範囲を有する源のシナリオを考える。有限源は、核医学でイメージ化する効果的に連続した対象の場合のように、照らされた地域を増加し、部分容積効果に対抗することを援助する。分離した点源を表す格子はコンピュータ目的に有用になり得るが、変化するシフトの複数の格子が連続性を表すために必要であろう。
【0059】
本発明に関連する本発明者の理論は、最適なコード化されたアパーチャとカップリングした現実の源が、部分容積効果を制限するのみならず、システム解像度の向上も許容するということである。
【0060】
この考えを、光線−トレーシング・コンピュータシミュレーターによって試験した。現実のアパーチャの使用により導入されるアーティファクトを削除する目的で、コード化されたアパーチャを無限に細い完全に不透明であるものとして採用した。特段指摘しない限り、完全な検出器PSFを用いた。
【0061】
分布した対象のシミュレーションと一緒に、検出器の変化する投影領域について、完全に配列したおよび誤配列した両方の分離した点源を調べた。検出器PSFは、増加したにじみの存在下で方法を試験することを許容するように、エンコード化された分布した画像にも適用した。
【0062】
結果は近距離イメージング条件に基づく。近距離アーティファクトを減少するためのアッコルシ法[4]を全ての画像に適用した。
【0063】
2つの点源を画像対角線に位置した。源格子をシステムの残部に関して完全に配列した。1×1の領域投影(図11(a))は2×2の領域投影よりもよりシャープな画像を与えた(図11(d)).ピーク強度を両方の場合において正確に測定した。
【0064】
最悪の場合の部分容積効果は、両方の軸に沿って画素の半分だけ上方源をシフトすることによって得られる。効果は1×1の領域投影について明らかに見える(図11(b))。シフトした源のピークは2×2の領域投影について影響されないままであるが、静止源のピークは比較によってより低い。有限源は第1の点源格子上に第2の点源格子を重ねることによって表し;両方の軸に沿って画素の1/4シフトした。部分容積効果は、図11(b)に対して、1×1の領域投影についてはあまり良好でなかった(図11(c))。2×2の領域投影(図11(f))に関しては、図11(e)に対して静止源のピークは増加したが、にじみは残った。
【0065】
デジタルシェップ-ローガンファントムの二次元スライス[7]を、分布した対象のシミュレーションに使用した(図12)。ファントムは、最悪の場合の配列について両方の軸に沿って画素の半分シフトした、点源の格子として計算上表示した。結果は標準誤差(RMSE)によって定量化し、それを全体画像上で計算し、画素がファントムの画素から異なるパーセンテージに基づく[11]。
【0066】
あとに続く結果では、唯一の変化は、コード化されたアパーチャホールの寸法である。すなわち、アパーチャ材料、アパーチャの型、アパーチャの厚さ、近距離外形であり、デコード化手順は不変のままである。結果は、例だけとする。
【0067】
無限に小さなピンホールを用いた理論アパーチャは効率性の観点から実際的でないが、完全に近い再構築を与える(図13)。
【0068】
無限に小さなホールに関して、1×1の領域投影はにじんでいる(図14)が、2×2の領域投影よりもよりシャープな画像およびより低いRMSEを与える(図15)。
【0069】
ついで、デコーディングの前に、σ=1.27画素を有するにじんでいる検出器PSFをエンコード化された画像に適用した。にじみは視覚的に識別することが困難な解像度の改善を生じているが、1×1の領域投影(図16)は2×2の領域投影(図17)よりも低いRMSEを与えている。
【0070】
上記したシミュレーションの結果は、無限に小さいピンホールを有する理想化コード化されたアパーチャが、完全なPSFを有するガンマカメラと結合して用いた場合に完全な画像を与えないことを示している。示唆された理由は2つの部分である。最初に、システム格子の最悪の場合の配列を用いた。2番目に、近距離イメージング構成が、単一の点源については、投影したインパルス配列が等しい振幅のインパルスをもはや有しないことを意味している[5]。このことは近距離アーティファクトの1つの原因である。
【0071】
エレメントが単一の検出器画素の領域の下でない領域を照らすならば、有限の透明エレメントを有するコード化されたアパーチャはシステム効率に影響を及ぼすことなく画像解像度を調節することを可能にする。これは、2×2の領域投影(先行技術のコード化されたアパーチャ)が1×1の領域投影(本発明に記載するような)と入れ替わること−両方とも解像度を高め、RMSE測定を減少する方法−ことを許容する。
【0072】
顕著なにじみは、解像度の改善を最小限化する。それにも関わらず、RMSEは1×1の領域投影が好ましいままであることを示している。
【0073】
シミュレーション結果は、検出器の1×1の画像領域を照らすことによって解像度を高め得ることを示している。これは、標準誤差測定によって定量化される。さらに、部分容積効果は有限寸法の源にあまり影響を及ぼさず、結果は、核医学診断においてイメージングされるもののような分布した源に重大な影響を及ぼさないことを示している。
【0074】
試験シナリオ間の唯一の変化は、2×2の画素領域の投影コード化されたアパーチャが、1×1の画素領域の投影コード化されたアパーチャで置き替わったことであった。実際的な光学から、かかる変化は容易に作成することができる。これは核医学の分野におけるコード化されたアパーチャ・イメージングの実用性を高めることが予想される。
【0075】
小さなホールを有するコード化されたアパーチャが高解像度のイメージング用に開発されていることは留意すべきである[8]。選択したイメージング外形では、先行技術によれば、ホールのサイズは最小限の2×2の画素領域の投影をいまだ与えるようなものである。
【0076】
上記の理論的な調査は、フィリップス・アキシス(Philips Axis)に関して設計したコード化されたアパーチャマスクを用いて実験的に試験した−99mTc(140KeVのエネルギーを有するテクネシウム-99m)についてはデュアルヘッド可変角ガンマカメラ。コード化されたアパーチャのno-two-holes-touching(NTHT)修飾した均一の重複配列(MURA)からの自己支持パターンを用いた。パターンは12.5%の開放画分を有し、61×61のモザイクに基づき、それは中央にあるパターンであって反対称である。これは、アパーチャの回転によって近距離アーティファクトの減少を許容する[4]。
【0077】
技術的および実際的な試行は、コード化アパーチャの構築と関連する。高減衰特徴を有する材料には、ウラン、白金、金、タングステンおよび鉛が含まれる。アパーチャパターンは、垂直な壁を有する四角のホールを必要とする。
【0078】
不透明なアパーチャは1mmの厚さのタングステンから構成され、これは97%の減衰に相当する。このアパーチャの写真を図18に示す。パターンは、タングステンシートをレーザー穿孔することによって得た。非常に透明なアパーチャについては(図19)、厚さ100μmのタングステンホイルを使用し、これは29%の減衰に相当する。パターンは各ホールの端部の薄いフレームをレーザー除去することによって得た。機械的強度は、アルミニウム裏張りプレートによって提供した。
【0079】
コード化されたアパーチャのマウントおよびアライメントを容易にするために、特殊なアルミニウムガンマカメラフレームを設計した(図20)。該フレームはガンマカメラのマウント機構に合致し、他の運び台の取り付けを許容する。各運び台は90°を通して回転可能であり、コード化されたアパーチャおよび鉛シールド管を支持している。運び台はコード化されたアパーチャが回転軸に対して中心になることを許容し、ガンマカメラの結晶に対して平行に設定されることを許容した。
【0080】
前記した実験の設定により、以下の結果が得られた:
A.シミュレーション
近距離アーティファクトを減少する回転技術を、すべてのコード化されたアパーチャ画像に適用し、以下に記載する図において、最大画素値および獲得時間は回転する前のエンコード化された画像を示す。
【0081】
シミュレーションのために、ポアソン分布に従ってエンコード化された画像の所定の画素によって獲得したカウントの数を変化することによってカウント統計を行った。これは、あまり認識可能でなく、我々の以前の仕事の非常に透明なコード化されたアパーチャの品質を落とすことが予想し得る投影アパーチャパターンを生じる[12]。
【0082】
実験データを用いた比較を許容するために、水平に対して45°に設定した線をデジタルファントムとして使用した。全てのシミュレーション因子は、獲得ビット−深度から離して一定に保持した(図21a、b、c)。カウント統計は、SNRが悪く影響されないために大きなビット深度を必要とする。それにも関わらず、シミュレーション結果は、非常に透明なコード化されたアパーチャの概念が適用可能なままであることを示している。
【0083】
B. 実験
すべての測定について、99mTc 1mlのシリンジ源をフィリップスアキシス結晶から20cmの距離に設置した。ガンマカメラおよび非常に透明なコード化アパーチャを含むシステムの感度を、源活性の関数としての1秒当たりのカウント(cps)で測定したカウント速度により調べた。結果を以下の表1に示し、最適な感度よりも大きな関心がある最適カウント速度の領域の表示を提供する。
【0084】
【表1】
表1.29%減衰アパーチャについてのガンマカメラ感度
【0085】
カウント速度データに基づき、24.4MBq(660μCi)源を調製した。低エネルギー高解像度(LEHR)コリメータ画像は参照の点を提供する(図22)。
【0086】
不透明なコード化アパーチャは286の最大画素カウントで幾分かのノイズを生じる。このことは、3270の最大画素カウントでノイズが減少する(図24)が、近距離アーティファクトが明らかなままであるとはいえ図23において明らかである。シリンジが画像の上部右側で次第に減少している場合に特に明らかなように、コード化されたアパーチャ解像度はLEHRコリメータのものよりも優れている。コリメータおよびコード化されたアパーチャ画像の両方が同じ外形で獲得されているが、源が結晶に近づくに従ってLEHR解像度が改善されると予想されることを特記する。
【0087】
非常に透明なコード化されたアパーチャは285の最大画素カウントで顕著なノイズを生じる(図25)。ノイズは8248の最大が素カウントで明らかに減少し(図26)、シミュレーションによって予想した改善に匹敵している。
【0088】
C.実験結果の議論
実験結果は、高透明コード化されたアパーチャの概念を支持している。非常に透明なコード化アパーチャを有する画像を得るのみならず、ビット深度に純粋に基づく、換言すれば獲得のカウント統計のものに近づく品質の画像を獲得することも可能である。
【0089】
非常に透明なコード化アパーチャの実用性は、源活性および画像獲得時間の観点から見なければならない。フィリップスアキシス・ガンマカメラおよび29%減衰コード化アパーチャについての最適カウント速度は、結晶からの20cmの距離の源について、22.2MBq(600μCi)で起こった。ガンマカメラによって制限されないい場合、222MBq(6mCi)範囲の源は、例えば、現実の16ビット画像獲得時間を許容するが、これは臨床的には実感し得ない。
【0090】
より高い感度のガンマカメラを用いれば、SNRにおける減少なしに、非常に透明なコード化されたアパーチャを使用し得る。コード化されたアパーチャの製造は大きく単純化され、厚さのアーティファクトは減少する。それとは別に、不透明のコード化アパーチャは低源活性の画像の迅速な獲得を許容するが、厚さのアーティファクトは残る。
【0091】
結論として、Philips Axis結晶から20cmの距離に設置した24.4MBq(660μCi)シリンジ源についての平面ファントム実験結果は、29%減衰を有するコード化アさらにパーチャが画像が得られることを許容すること、および、獲得のビット深度が増加するに従い画像が不透明なコード化されたアパーチャのそれに近づくことを示している。結果は、シミュレーションによって予想されたものに匹敵するのみならず、診断核医学における非常に透明なコード化されたアパーチャの新規な概念を支持するようにも作用している。
【0092】
さらに、検出器の単一画素と同じ領域を占める最小のホールの照射を有するコード化されたアパーチャは、50%以下のような技術水準に対して低い減衰パーセンテージを有するコード化されたアパーチャにも適用し得る。事実、2つの発明を組合せると、核医学イメージングにおけるコード化されたアパーチャの適用に最適な結果を与えることができる。
【0093】
参考文献
[1] Accorsi, R., Gasparini, F.およびLanza, R. A coded aperture for high-resolution nuclear medicine planar imaging with a conventional Anger camera: experimental results. IEEE Transactions on Nuclear Science, 48(6):2411-2417, December 2001.
[2] In't Zand, J. Coded aperture imaging in high-energy astronomy. Laboratory for High Energy Astrophysics (LHEA), http://lheawww.gsfc.nasa.gov/docs/cai/coded_intr.html, 1996. Last date of access:30-03-2004.
[3] Accorsi, R., Gasparini, F.およびLanza, R. Optimal coded aperture patterns for improved SNR in nuclear medicine imaging. Nuclear Instruments and Methods in Physics Research, A474:273-284, 2001.
[4] Accorsi, R.およびLanza, R. Near-field artifact reduction in planar coded aperture imaging. Journal of Applied Optics, 40(26):4697-4705, 2001.
[5] Starfield, D. M., Rubin, D. M.およびMarwala, T. Near-field artifact reduction using realistic limited-field-of-view coded apertures in planar nuclear medicine imaging. IFMBE Proceedings of the World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering, 1558-1561, Seoul, August 2006.
[6] Accorsi, R. Design of near-field coded aperture cameras for high-resolution medical and industrial gamma-ray imaging. PhD Thesis, Massachusetts Institute of Technology, June 2001.
[7] Shepp, L. A.およびLogan, B. F. The Fourier reconstruction of a head section. IEEE Transactions on Nuclear Science, NS-21(3):21-43, June 1974.
[8] Accorsi, R., Autiero, M., Celentano, L., Laccetti, P., Lanza, R. C., Marotta, M., Mettivier, G., Montesi, M. C., Riccio, P., Roberti, G., Russo, P. Toward a Medipix2 coded aperture gamma microscope. IEEE Nuclear Science Symposium Conference Record, 4:2461-2464, October 2004.
[9] Accorsi, R. A 15-μm resolution imager for soft X-ray emitters. IEEE Nuclear Science Symposium Conference Record, 5:2975-2979, October 2004.
[10] Cherry, S. R., Sorenson, J. A., Phelps, M. E. Physics in Nuclear Medicine - 3rd ed. Saunders, Philadelphia, 2003.
[11] Choi, Y., Koo, J.-Y.およびLee, N.-Y. Image reconstruction using the wavelet transform for positron emission tomography. IEEE Transactions on Medical Imaging, 20(11):1188-1193, 2001.
[12] Starfield, D. M., Rubin, D. M.およびMarwala, T. High transparency coded apertures in planar nuclear medicine imaging. In Proceedings of the 29th Annual International Conference of the IEEE EMBS, 4468-4471, Lyon, August 2007.
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線ベースの医学イメージングにおいて使用するための、より詳細には、診断核医学イメージングにおいて使用するための、コード化されたアパーチャマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
コード化されたアパーチャマスクは、診断核医学イメージングにおいて使用される放射線の型に対して高い減衰係数を有する材料におけるアパーチャまたはピンホールのパターンからなる。例えばガンマ線の場合、アパーチャの配列は、タングステンのような材料で配列され、それは典型的には1-2mmの厚さである。マスクは、タングステンシート上に所定の様式で配列した約88000のアパーチャによって形成され、タングステンシートを通って延在する。
【0003】
コード化されたアパーチャマスクは、種々の型のコリメータ、特にガンマ線イメージングにおける鉛コリメータ、の代替物として使用することができ、かつ、使用されている。鉛コリメータは、実質的に鉛でできた格子状のスクリーンである。格子のアパーチャは、検出器、または典型的にはガンマカメラであるイメージング手段への、ガンマ放射線源によって生成された平行またはほぼ平行のガンマ線の伝送を許すように構成される。鉛および他のコリメータは、一般的に、低い解像度に苦しみ、解像度を増大する試みは効率の低下を生じる。試みがコード化されたアパーチャマスクを用いて鉛コリメータを取り替えるようになされていることがその理由である。
【0004】
また、コード化されたアパーチャマスクは、イメージングシステムの信号対雑音比(SNR)を上昇させる可能性を有しており[1]、したがって、理論的には、核医学における診断イメージングに有利に適用し得る。増大したSNRを操作して、画像解像度を改善し、イメージング時間を短縮し、または、患者の放射能線量を減少することができる。これらの長所は、それ自体明白である。
【0005】
コード化されたアパーチャマスクは天体物理学で広く使用されており、そこでは、遠視野イメージング条件があてはまる。かかる条件は、二次元(2D)のノイズがないデータについては完全に近い画像の獲得を許容する[2]。残念なことに、近距離アーティファクトによる画像の悪影響が一般的な問題である核医学の近距離条件には同じことがあてはまらない。
【0006】
以前の研究により、核医学の目的に最適であるアパーチャの特徴の徴候が提供されている[3]。近距離アーティファクトの減少は、回転したアパーチャを用いて第2の画像を得、ついで、得られた2セットのデータを合計することによって達成し得る[4]。制限された視野のコード化されたアパーチャの配列の使用は、近距離アーティファクトをかなり減少する可能性を有することも示されている[5]。
【0007】
コード化されたアパーチャ・イメージングは、源の各々の点について、アパーチャパターンが検出器上に投影されなければならないことを必要とする。このことは、パターンを投影した特定の点源の位置および強度に従って各々がシフトおよび加重された、重複するアパーチャパターンを生じる[6]。理論的には、この獲得プロセスは、アパーチャパターンで源を巻き込むことによってモデル化される。画像は、エンコード化されたデータと元のコード化されたアパーチャパターンとを関連させることによって再構築される[6]。このパターンは、ユニークな再構築が存在するように設計される。
【0008】
巻き込みは、点線源がコード化されたアパーチャの各々のピンホールによって、強度の変化なしに、かつ、ピンホールの下方に直接的に落ちる点線源の画像を有して、等しく像を造らなければならないことを意味する。デコード化手順はこれらの条件下で正確に機能するが、実際には、巻き込みモデルは保たれない。核医学の近距離条件は、アーティファクトを画像に導入する。さらに、大きな入射角を有するガンマ線を平行にすることによって、コード化されたアパーチャの厚さが近距離アーティファクトに寄与する。
【0009】
画像解像度に関しては、画素サイズが典型的にはコード化されたアパーチャにおける最小のピンホールの投影サイズに関係する。最小ホールのサイズは、典型的には、ガンマカメラの解像度に関連して設計されている。このことは、10Xの解像度の存在するガンマカメラを有するガンマカメラが、例えば、理論的には、10Xの改善に一致するコード化されたアパーチャを有し得ることを意味する。しかしながら、視準アーティファクトに起因して、ホールの最小サイズは、アパーチャ材料の厚さによって制限される。同様に、コード化されたアパーチャの厚さは、使用し得る製造技術も束縛する。典型的に、レーザー穿孔においては、1mmの厚さは、例えば、一般的にはエッチングまたは沈澱のいずれかに不適当であるが、ホールの寸法は材料の厚さよりも大きくなければならない。
【0010】
より重要なことに、得られる画像の解像度は、とりわけ、ホールの寸法によって束縛され、それは転じてその材料の減衰特性に関連するアパーチャ材料の厚みによって束縛される。ガンマ線が、関心のあるエネルギーの所定のエレメントに特異的な減衰係数μおよび有効厚さγmを有する密度ρの不透明なアパーチャ材料を通過する場合、アパーチャ材料の透過率tは:
t=e−ρμγm (1)
によって与えられる。
【0011】
その場合、ガンマ線を遮断するアパーチャ材料の能力は減衰α:
α=1−t (2)
によって与えられる。
【0012】
放射能の所定の源については、関連するエネルギーとともに、コード化されたアパーチャ材料の厚さは、典型的に、90%よりも大きい、場合によっては99%の減衰を与えるように選択する。
【0013】
上記に加えて、そして、画像解像度に関して、無限に小さいピンホールを通して完全な検出器上に投影される線源を考慮する必要がある。投影が検出器の単一の画素によって記録される場合、表示は正確であろう。投影が近隣の画素の間の境界に落ちる場合は、放射能のカウントはそれらの画素の間に等しく分配されるであろう。カウントの総数は不変のままであるが、測定したピークはもはや現実の表示ではない。
【0014】
この問題は「部分容積効果」[10]として知られており、アナログ信号のデジタル化に関係する。解決法は、点源の投影が検出器の少なくとも2×2画素に相当する領域を照らすように、ピンホールの半径を増大することである[6]。このようにすれば、1画素は常に完全に照らされ、測定したピークは正確であろう。
【0015】
画像解像度に関して、画素サイズは、典型的には、コード化されたアパーチャの最小ホールの投影のサイズに関係する。最小ホールの投影のサイズは、典型的に、部分容積効果に対処するために、典型的に少なくとも2×2配列の検出器画素と同じ地域を占める投影を有する、ガンマカメラの解像度に関連して設計される。
【0016】
本発明は、核医学イメージングが造影する対象の身体に典型的に導入する放射性トレーサーを使用するイメージングを示すことに関すると当該技術分野においては理解されるが、本出願人は、本発明が、線が医学イメージングにおける他の形態の放射、例えば、イメージングすべき身体の外側のX線管で生成されるX線、または身体をイメージングするためのガンマ線を生成する身体の外側の放射線源、を含み得る放射線ベースの医学イメージングにも適用されることが強調されることを望む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、少なくとも部分的に、先行技術マスクで遭遇していた視準アーティファクトを減少し、その結果として、同時に画像解像度を改善し得る、診断核医学イメージングに使用するためのコード化されたアパーチャマスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、それを通して延在する一連のアパーチャを有する放射線不透明なマスク材料のシートを含む、放射線ベースの医学イメージングに使用するためのコード化されたアパーチャマスクが提供され、ここに該マスク材料の厚さは75%未満の減衰パーセンテージを有する。
【0019】
50%未満、好ましくは30%未満の減衰パーセンテージを有するマスク材料も提供する。
【0020】
さらに、例えば、タングステン、金、鉛および白金よりなる群から選択される金属のシートであるべき放射線マスク材料のシートに対して、ガンマ線をイメージングするのに使用すべきコード化されたアパーチャマスクを提供し、金属がタングステンである場合、それはテクネシウム−99m(140keVのエネルギーを有する)をイメージングするためには100μmの厚さ(非常に透明である)を有すべきであり、金属が金である場合、それはテクネシウム−99m(140keVのエネルギーを有する)をイメージングするためには90μmの厚さ(非常に透明である)を有すべきであり、金属が鉛である場合、それはテクネシウム−99m(140keVのエネルギーを有する)をイメージングするためには130μm(非常に透明である)の厚さを有すべきであり、金属が白金である場合、テクネシウム−99m(140keVのエネルギーを有する)をイメージングするためには80μm(非常に透明である)の厚さを有すべきである。
【0021】
また、中のアパーチャの軸の方向で各コード化されたアパーチャマスクの周りに延在する放射線減衰管も提供する。
【0022】
また、検出器の単一の画素と同じ領域を占める最小のホールの放射を有するコード化されたアパーチャを提供する。
【0023】
その中のアパーチャの軸の方向に各々のコード化されたアパーチャマスクの周りに伸びる放射線減衰チューブも提供する。
【0024】
発明のさらなる特徴は、それぞれのマスクのいずれかの側から延在する各チューブを提供し;平行の側面を有する各チューブを提供し;および、1枚のシート材料上に運ばれるマスクを提供する。
【0025】
発明のなおさらなる特徴は、3×3から5×5の配列である配列に配置された複数のコード化されたアパーチャを提供し;ガンマ線、好ましくは140KeVのエネルギーを有するガンマ線用に構成されたコード化されたアパーチャマスクを提供し;タングステンからできたコード化されたアパーチャマスク、および鉛からできた管を提供し;100μmの厚さを有するタングステンを提供し;1ないし2mmの厚さを有する鉛を提供し;配列のいずれかの側で50cmまで、好ましくは10μmまで延びる各管を提供する。
【0026】
本発明は、放射線源、前記したコード化されたアパーチャマスク、および放射線検出器を含む放射能ベースの医学イメージングシステムまで延在する。
【0027】
さらに、放射線源がガンマ線放射線源であり、および、放射線検出器がガンマカメラ、好ましくは16ビットのガンマカメラであることについて提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の形態を添付する図面に参照して以下に説明し、それは:
【図1】図1はハイコントラスト・デジタルシェップ-ローガン(Shepp-Logan)ファントムである。
【図2】図2はローコントラスト・デジタルシェップ-ローガンファントムである。
【図3】図3は2Dアナログ信号の例である。
【図4】図4は垂直軸上の5ビット解像度でデジタル化した図3の信号の図である。
【図5】図5は8ビット(256値)ガンマカメラについての、デジタルシェップ-ローガンファントムの97%減衰アパーチャ画像のシミュレーションである。
【図6】図6は8ビット(256値)ガンマカメラについての、デジタルシェップ-ローガンファントムの29%減衰アパーチャ画像のシミュレーションである。
【図7】図7は16ビット(65536値)ガンマカメラについての、デジタルシェップ-ローガンファントムの97%減衰アパーチャ画像のシミュレーションである。
【図8】図8は16ビット(65536値)ガンマカメラについての、デジタルシェップ-ローガンファントムの29%減衰アパーチャ画像のシミュレーションである。
【図9】図9は検出器の特定の画素によって測定した、増幅においてすべて等価である、インパルスの投影された配列の図である。
【図10】図10は変化する照射領域用の、検出器上に投影された理想化された完全に配列したアパーチャパターンの図であり、ここに点線は検出器画素境界を表す。
【図11】図11は有限の源と一緒に、配列および誤配列の両方の、画像対角上に位置した分離した点源のシミュレーション結果を示す。
【図12】図12は理想デジタル化2Dシェップ-ローガンファントムの表示である。
【図13】図13は完全な検出器PSF(無限に小さい投影領域)、16%のRMSEについての、図12のシェップ-ローガンファントムのシミュレーションである。
【図14】図14は完全な検出器PSF(1×1の投影領域)、23%のRMSEについての、図12のシェップ-ローガンファントムのシミュレーションである。
【図15】図15は完全な検出器PSF(2×2の投影領域)、28%のRMSEについての、図12のシェップ-ローガンファントムのシミュレーションである。
【図16】図16はσ=1.27検出器PSF(1×1の投影領域)、25%のRMSEについての、図12のシェップ-ローガンファントムのシミュレーションである。
【図17】図17はσ=1.27検出器PSF(2×2の投影領域)、34%のRMSEについての、図12のシェップ-ローガンファントムのシミュレーションである。
【図18】図18は、作成した理論仮説を証明する実験研究に使用した97%の減衰に相当する、厚さ1mmのタングステンから製作した不透明アパーチャの写真である。
【図19】図19は作成した理論仮説を証明する実験研究に使用した29%の減衰に相当する、厚さ100μmのタングステンから製作した非常に透明なアパーチャの写真である。
【図20】図20は記載した実験研究のために設計した特殊化したアルミニウム・ガンマカメラフレームの写真である。
【図21a−c】図21a−cは獲得ビット深度以外のすべてのシミュレーション因子を一定に保持した場合の実験データとの比較を許容するために開発したデジタルファントムの29%減衰マスクを通したシミュレーションした一連の画像である。
【図22】図22は実験において参照の点として使用した低エネルギー高解像度(LEHR)コリメータ画像である。
【図23】図23は幾分かのノイズを示す、286の最大画素カウント、45秒での不透明(97%減衰)コード化されたアパーチャ画像である。
【図24】図24は3270の最大画素カウント、10分での不透明(97%減衰)コード化されたアパーチャ画像である。
【図25】図25は285の最大画素カウント、30秒での透明(29%減衰)コード化されたアパーチャ画像である。
【図26】図26は8248の最大画素カウント、15分での透明(29%減衰)コード化されたアパーチャ画像である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
核医学イメージングとパーセンテージ減衰に関する現在の考えは、光線を視準するが光線の減衰の低いパーセンテージで正しく機能するのを中止するコリメータの使用に由来し、これは、大部分は、光線の減衰の低いパーセンテージを有するコード化されたアパーチャマスクの使用を妨げている。このラインの考え方は、コード化されたアパーチャを用いるイメージングを超えて運ばれ、これに対して2つのありそうな理由が存在する:
【0030】
1. コード化されたアパーチャ・イメージングにおいては、源の各点は、コード化されたアパーチャパターンを検出器に投影する。コード化されたアパーチャの影は、減衰が100%である場合に最大のコントラストでもって投影される。減衰のパーセンテージを減少すると、ガンマ線によるコード化されたアパーチャの侵入を増加させ、小さなコントラストのより明るい影を生じる。エンコード化された画像はより見えにくくなる。このことは、図1および2に図示するシェップ-ローガンファントムを比較すると分かる;および、
【0031】
2. ガンマ検出器は測定において連続的(アナログ)でなく、むしろ、測定し得る特定の数の値を有する(分離している)。検出した画像におけるコントラストを減少すると、測定し得る値の数の減少およびそれに関連して精度の損失を生じる。このことは、図3および図4の2Dプロットに図示されている。
【0032】
本発明の中心は、前記に概説した現在のラインの考え方は全く正確ではないという理論である。この理由は以下のとおりである:
【0033】
1. 投影された画像(エンコード化されている)のコントラストは、ほとんど重要でない。これは、相関によって得られたデコード化された画像が、予想されるパターンの検索から生じるからである。パターンは認識し得るが、デコード化された画像にコントラストの損失は存在しないであろう。
2. 測定された値の量子化は、エンコード化された画像の品質を低下する。このことは、パターンが認識可能である確率を低下し、それは、デコード化された画像にノイズを生じる。これは、測定し得る値の数(ビットの数に関係する)に厳密に依存する。入手可能な(または十分に分離したレベルの)十分な数の値が存在すれば、デコード化された画像の品質の損失は存在しないにちがいない。
【0034】
この考えを試験するため、光線トレーシング技術、および核医学の分野におけるイメージ獲得の予測能力に基づくコンピュータシミュレーターを開発した。デジタルシェップ-ローガンファントムについてのコンピュータシミュレーション結果[7]を示す。
【0035】
ハイコントラスト・デジタルシェップ-ローガンファントムが、明らかに見える(図1)。コントラストを低下すると、画像内で特徴を識別する観者の能力と同様に、画像の可視性が減じられる(図2)。
【0036】
量子化について、2D信号を例として示す(図3)。垂直軸が利用できる5ビットの解像度しか有していない場合、信号は同程度の正確さでもはや表示できない(図4)。
【0037】
あとに続く結果では、唯一の変分は、コード化されたアパーチャの透明度、およびガンマカメラのビット数である。それは、アパーチャ材料、アパーチャの型、ホールの寸法、近距離外形であり、デコード手順は変化しないままである。結果は単なる例であって、テクネシウム-99mのエネルギー(140keV)およびタングステン・コード化アパーチャに基づく。
【0038】
8ビット 97%減衰:97%の数字は、1mmの材料の厚さに相当する。エンコード化された画像においてコントラストまたは画像品質のいずれかに損失は存在しない。得られたデコード化された画像(図5)は近距離アーティファクトによって影響され、画像品質はコード化されたアパーチャの型に関係する。8ビットガンマカメラは最大256の測定可能な値を有する。
【0039】
8ビット 29%減衰:29%の数字は、100μmの材料の厚さに相当する。低コントラストのエンコード化された画像は、正確さの損失を生じる。投影されたコード化されたアパーチャパターンは十分に認識できるものではなく、デコード化された画像はノイズに影響される(図6)。
【0040】
16ビット 97%減衰:8ビットガンマカメラと比較して、16ビットカメラは、256×測定可能な値の数を有する。コード化されたアパーチャ材料の減衰はコントラストの損失を防ぐのに十分であり、さらなる測定可能な値はデコード化された画像の品質にほとんど影響を及ぼさない(図7)。
【0041】
16ビット 29%減衰:エンコード化された画像は、コントラストの損失および正確さの損失の両方に苦しむ。しかしながら、16ビットガンマカメラであれば、投影されたコード化されたアパーチャパターンが認識可能のままである十分な数の測定可能な値が存在する。その結果、デコード化された画像はノイズによって影響されない(図8)。視準アーティファクトも同時に減少する。この画像は、本発明に記載した原理を取り込むことによって獲得される。
【0042】
上記のシミュレーション結果は、ガンマカメラが十分でない数の測定可能な値を有する場合、非常に透明なコード化されたアパーチャがノイズを画像に加えることを示すことを示唆している。2×ビットの数を有するガンマカメラは、先行技術のコード化アパーチャでイメージングする場合に、画像品質にほとんど改善を生じないようである。同一の条件下で画像を獲得することは、16-ビットガンマカメラと一緒に、非常に透明なコード化されたアパーチャ(本発明に記載するような)を使用するが、画像にノイズを加えず、同時に視準アーティファクトを減少する。
【0043】
これらの結果は、ガンマカメラが十分な数の測定可能な値を有する場合は、画像品質を損失しないで非常に透明なコード化されたアパーチャを使用し得ることを示している。この時、ガンマカメラは典型的に(ガンマカメラの初期の世代の8-ビットと対照的に)16-ビットを特徴とする。
【0044】
10×より細いアパーチャは、製造のいくつかの(以前に問題であった)方法を可能にする。10×より細いアパーチャは画像解像度の10×の改善を許容するため、画像解像度はより重要である。この場合、ガンマカメラは制限因子になるであろうが、ガンマカメラが先例[8]に従い得るという幾つかの徴候がすでに存在する。
【0045】
16-ビットガンマ線カメラ試験シナリオの間の唯一の変化は、高減衰のコード化されたアパーチャが非常に透明なコード化されたアパーチャと入れ替わるということであった。実用的な展望から、そのような変化は容易に行うことができる。これが核医学の分野におけるコード化されたアパーチャ・イメージングの実際性を高めることが予想される。
【0046】
μm範囲の厚さを有するコード化されたアパーチャが低放射能エネルギーでのイメージングのために開発されていることは留意すべきである[8、9]。これらのエネルギーでは、先行技術によれば、コード化されたアパーチャの厚さは、減衰の高いパーセンテージをなお与えるようなものである。
【0047】
上記したことに加えて、コード化されたアパーチャの複数の透明エレメントの各々が作用する場合、それは、各々が検出器に源の投影をキャストする独立したホールと考えられる。そのように、部分容積効果は、記録したコード化されたアパーチャ画像に適用できる[6]。
【0048】
重なる投影をデコードするためには、検出器にコード化されたアパーチャパターンを投影する源の各点のような他の光学からの状況を考慮する必要がある[6]。パターンが特定の特性を有するならば、エンコード化されたデータを独特にデコード化することが可能である。
【0049】
コード化されたアパーチャパターンは、分離したバイナリ配列である[1]。デコード化する手順は、したがって、連続のドメインにおいてではなく、むしろサンプリングした測定データで作動する。このことは、点源については、図9に示すように、振幅においてすべて等しい、インパルスまたはデルタ関数の単一の配列として、投影されたコード化アパーチャパターンをサンプリングする場合に完全な再構築が達成されることを意味している。
【0050】
一連のインパルスを投影する最も近い近似は、無限に小さいピンホールを有する、理想化された無限に細いが完全に不透明なコード化されたアパーチャを使用することであろう。
【0051】
源、コード化されたアパーチャおよび検出器を表す3つの平行面を考える。源の分離した点、コード化されたアパーチャのピンホールおよび検出器の画素を表す格子がすべて完全に配列する場合、完全な検出器はコード化されたアパーチャのパターンで望ましいセットのインパルスを測定する。
【0052】
これらの3つの格子が完全に配列しない場合、シフトは各々の画素の中心から外れるインパルスを引き起こす。得られる補間は、重なっているインパルスパターンの測定に等しい。個々のパターンのインパルスは同一の振幅を理想的に有するが、この振幅は部分容積効果の結果として減少する。
【0053】
無限に小さなピンホールが、各エレメントが検出器の1×1の画素領域を照らすように透明なコード化されたアパーチャエレメントと入れ替わる場合、にじみは増えるが、システムは部分容積効果により影響を受けにくくなる。
【0054】
3つの格子の配列に関わりなく、部分容積効果は検出器の2×2の画素領域を照らす先行技術を適用することによって完全に除去される[6]。しかしながら、投影の増加した領域は、近隣のインパルスパターンの測定を生じ、したがって、再構築した画像のさらなるにじみを生じる。
【0055】
ガンマカメラの画素サイズは、画像解像度に対して第1の制限を明らかに設定し−これはサンプルを得ることができる最も近い間隔である。その解決には検出器の2×2画素に対応する領域の照明を必要とするため、部分容積効果は第2の制限を設定する。検出器の点像分布関数(PSF)は、これらの制限にさらに寄与する。
【0056】
透明なコード化されたアパーチャエレメントは、特定のガンマカメラの画素サイズに関して設計する。このことはコード化されたアパーチャの所定のファミリーについては一定のままであるため、準最適なパターンは開放画分に影響を及ぼすことなく治癒し得る。透明エレメントの寸法はより高い解像システムのために減少することができ、配列中のエレメントの数は、視野および材料の開放画分の両方を維持するように増加し得る。
【0057】
照らされる領域は単一の検出器画素のものよりも下方にならなければ、解像度とイメージング効率との間に交換条件は存在しない。このサンプリング閾値においては、配列中のエレメントの数をもはや増加することはできない。概念を図10に図示する。部分容積効果と離れて、検出器の1×1の画素領域を照らすように設計されたコード化されたアパーチャは効率を妥協することなく最適である解像度を提供する。
【0058】
他の全ての点で理想的な性質を維持しているシステムで、有限空間範囲を有する源のシナリオを考える。有限源は、核医学でイメージ化する効果的に連続した対象の場合のように、照らされた地域を増加し、部分容積効果に対抗することを援助する。分離した点源を表す格子はコンピュータ目的に有用になり得るが、変化するシフトの複数の格子が連続性を表すために必要であろう。
【0059】
本発明に関連する本発明者の理論は、最適なコード化されたアパーチャとカップリングした現実の源が、部分容積効果を制限するのみならず、システム解像度の向上も許容するということである。
【0060】
この考えを、光線−トレーシング・コンピュータシミュレーターによって試験した。現実のアパーチャの使用により導入されるアーティファクトを削除する目的で、コード化されたアパーチャを無限に細い完全に不透明であるものとして採用した。特段指摘しない限り、完全な検出器PSFを用いた。
【0061】
分布した対象のシミュレーションと一緒に、検出器の変化する投影領域について、完全に配列したおよび誤配列した両方の分離した点源を調べた。検出器PSFは、増加したにじみの存在下で方法を試験することを許容するように、エンコード化された分布した画像にも適用した。
【0062】
結果は近距離イメージング条件に基づく。近距離アーティファクトを減少するためのアッコルシ法[4]を全ての画像に適用した。
【0063】
2つの点源を画像対角線に位置した。源格子をシステムの残部に関して完全に配列した。1×1の領域投影(図11(a))は2×2の領域投影よりもよりシャープな画像を与えた(図11(d)).ピーク強度を両方の場合において正確に測定した。
【0064】
最悪の場合の部分容積効果は、両方の軸に沿って画素の半分だけ上方源をシフトすることによって得られる。効果は1×1の領域投影について明らかに見える(図11(b))。シフトした源のピークは2×2の領域投影について影響されないままであるが、静止源のピークは比較によってより低い。有限源は第1の点源格子上に第2の点源格子を重ねることによって表し;両方の軸に沿って画素の1/4シフトした。部分容積効果は、図11(b)に対して、1×1の領域投影についてはあまり良好でなかった(図11(c))。2×2の領域投影(図11(f))に関しては、図11(e)に対して静止源のピークは増加したが、にじみは残った。
【0065】
デジタルシェップ-ローガンファントムの二次元スライス[7]を、分布した対象のシミュレーションに使用した(図12)。ファントムは、最悪の場合の配列について両方の軸に沿って画素の半分シフトした、点源の格子として計算上表示した。結果は標準誤差(RMSE)によって定量化し、それを全体画像上で計算し、画素がファントムの画素から異なるパーセンテージに基づく[11]。
【0066】
あとに続く結果では、唯一の変化は、コード化されたアパーチャホールの寸法である。すなわち、アパーチャ材料、アパーチャの型、アパーチャの厚さ、近距離外形であり、デコード化手順は不変のままである。結果は、例だけとする。
【0067】
無限に小さなピンホールを用いた理論アパーチャは効率性の観点から実際的でないが、完全に近い再構築を与える(図13)。
【0068】
無限に小さなホールに関して、1×1の領域投影はにじんでいる(図14)が、2×2の領域投影よりもよりシャープな画像およびより低いRMSEを与える(図15)。
【0069】
ついで、デコーディングの前に、σ=1.27画素を有するにじんでいる検出器PSFをエンコード化された画像に適用した。にじみは視覚的に識別することが困難な解像度の改善を生じているが、1×1の領域投影(図16)は2×2の領域投影(図17)よりも低いRMSEを与えている。
【0070】
上記したシミュレーションの結果は、無限に小さいピンホールを有する理想化コード化されたアパーチャが、完全なPSFを有するガンマカメラと結合して用いた場合に完全な画像を与えないことを示している。示唆された理由は2つの部分である。最初に、システム格子の最悪の場合の配列を用いた。2番目に、近距離イメージング構成が、単一の点源については、投影したインパルス配列が等しい振幅のインパルスをもはや有しないことを意味している[5]。このことは近距離アーティファクトの1つの原因である。
【0071】
エレメントが単一の検出器画素の領域の下でない領域を照らすならば、有限の透明エレメントを有するコード化されたアパーチャはシステム効率に影響を及ぼすことなく画像解像度を調節することを可能にする。これは、2×2の領域投影(先行技術のコード化されたアパーチャ)が1×1の領域投影(本発明に記載するような)と入れ替わること−両方とも解像度を高め、RMSE測定を減少する方法−ことを許容する。
【0072】
顕著なにじみは、解像度の改善を最小限化する。それにも関わらず、RMSEは1×1の領域投影が好ましいままであることを示している。
【0073】
シミュレーション結果は、検出器の1×1の画像領域を照らすことによって解像度を高め得ることを示している。これは、標準誤差測定によって定量化される。さらに、部分容積効果は有限寸法の源にあまり影響を及ぼさず、結果は、核医学診断においてイメージングされるもののような分布した源に重大な影響を及ぼさないことを示している。
【0074】
試験シナリオ間の唯一の変化は、2×2の画素領域の投影コード化されたアパーチャが、1×1の画素領域の投影コード化されたアパーチャで置き替わったことであった。実際的な光学から、かかる変化は容易に作成することができる。これは核医学の分野におけるコード化されたアパーチャ・イメージングの実用性を高めることが予想される。
【0075】
小さなホールを有するコード化されたアパーチャが高解像度のイメージング用に開発されていることは留意すべきである[8]。選択したイメージング外形では、先行技術によれば、ホールのサイズは最小限の2×2の画素領域の投影をいまだ与えるようなものである。
【0076】
上記の理論的な調査は、フィリップス・アキシス(Philips Axis)に関して設計したコード化されたアパーチャマスクを用いて実験的に試験した−99mTc(140KeVのエネルギーを有するテクネシウム-99m)についてはデュアルヘッド可変角ガンマカメラ。コード化されたアパーチャのno-two-holes-touching(NTHT)修飾した均一の重複配列(MURA)からの自己支持パターンを用いた。パターンは12.5%の開放画分を有し、61×61のモザイクに基づき、それは中央にあるパターンであって反対称である。これは、アパーチャの回転によって近距離アーティファクトの減少を許容する[4]。
【0077】
技術的および実際的な試行は、コード化アパーチャの構築と関連する。高減衰特徴を有する材料には、ウラン、白金、金、タングステンおよび鉛が含まれる。アパーチャパターンは、垂直な壁を有する四角のホールを必要とする。
【0078】
不透明なアパーチャは1mmの厚さのタングステンから構成され、これは97%の減衰に相当する。このアパーチャの写真を図18に示す。パターンは、タングステンシートをレーザー穿孔することによって得た。非常に透明なアパーチャについては(図19)、厚さ100μmのタングステンホイルを使用し、これは29%の減衰に相当する。パターンは各ホールの端部の薄いフレームをレーザー除去することによって得た。機械的強度は、アルミニウム裏張りプレートによって提供した。
【0079】
コード化されたアパーチャのマウントおよびアライメントを容易にするために、特殊なアルミニウムガンマカメラフレームを設計した(図20)。該フレームはガンマカメラのマウント機構に合致し、他の運び台の取り付けを許容する。各運び台は90°を通して回転可能であり、コード化されたアパーチャおよび鉛シールド管を支持している。運び台はコード化されたアパーチャが回転軸に対して中心になることを許容し、ガンマカメラの結晶に対して平行に設定されることを許容した。
【0080】
前記した実験の設定により、以下の結果が得られた:
A.シミュレーション
近距離アーティファクトを減少する回転技術を、すべてのコード化されたアパーチャ画像に適用し、以下に記載する図において、最大画素値および獲得時間は回転する前のエンコード化された画像を示す。
【0081】
シミュレーションのために、ポアソン分布に従ってエンコード化された画像の所定の画素によって獲得したカウントの数を変化することによってカウント統計を行った。これは、あまり認識可能でなく、我々の以前の仕事の非常に透明なコード化されたアパーチャの品質を落とすことが予想し得る投影アパーチャパターンを生じる[12]。
【0082】
実験データを用いた比較を許容するために、水平に対して45°に設定した線をデジタルファントムとして使用した。全てのシミュレーション因子は、獲得ビット−深度から離して一定に保持した(図21a、b、c)。カウント統計は、SNRが悪く影響されないために大きなビット深度を必要とする。それにも関わらず、シミュレーション結果は、非常に透明なコード化されたアパーチャの概念が適用可能なままであることを示している。
【0083】
B. 実験
すべての測定について、99mTc 1mlのシリンジ源をフィリップスアキシス結晶から20cmの距離に設置した。ガンマカメラおよび非常に透明なコード化アパーチャを含むシステムの感度を、源活性の関数としての1秒当たりのカウント(cps)で測定したカウント速度により調べた。結果を以下の表1に示し、最適な感度よりも大きな関心がある最適カウント速度の領域の表示を提供する。
【0084】
【表1】
表1.29%減衰アパーチャについてのガンマカメラ感度
【0085】
カウント速度データに基づき、24.4MBq(660μCi)源を調製した。低エネルギー高解像度(LEHR)コリメータ画像は参照の点を提供する(図22)。
【0086】
不透明なコード化アパーチャは286の最大画素カウントで幾分かのノイズを生じる。このことは、3270の最大画素カウントでノイズが減少する(図24)が、近距離アーティファクトが明らかなままであるとはいえ図23において明らかである。シリンジが画像の上部右側で次第に減少している場合に特に明らかなように、コード化されたアパーチャ解像度はLEHRコリメータのものよりも優れている。コリメータおよびコード化されたアパーチャ画像の両方が同じ外形で獲得されているが、源が結晶に近づくに従ってLEHR解像度が改善されると予想されることを特記する。
【0087】
非常に透明なコード化されたアパーチャは285の最大画素カウントで顕著なノイズを生じる(図25)。ノイズは8248の最大が素カウントで明らかに減少し(図26)、シミュレーションによって予想した改善に匹敵している。
【0088】
C.実験結果の議論
実験結果は、高透明コード化されたアパーチャの概念を支持している。非常に透明なコード化アパーチャを有する画像を得るのみならず、ビット深度に純粋に基づく、換言すれば獲得のカウント統計のものに近づく品質の画像を獲得することも可能である。
【0089】
非常に透明なコード化アパーチャの実用性は、源活性および画像獲得時間の観点から見なければならない。フィリップスアキシス・ガンマカメラおよび29%減衰コード化アパーチャについての最適カウント速度は、結晶からの20cmの距離の源について、22.2MBq(600μCi)で起こった。ガンマカメラによって制限されないい場合、222MBq(6mCi)範囲の源は、例えば、現実の16ビット画像獲得時間を許容するが、これは臨床的には実感し得ない。
【0090】
より高い感度のガンマカメラを用いれば、SNRにおける減少なしに、非常に透明なコード化されたアパーチャを使用し得る。コード化されたアパーチャの製造は大きく単純化され、厚さのアーティファクトは減少する。それとは別に、不透明のコード化アパーチャは低源活性の画像の迅速な獲得を許容するが、厚さのアーティファクトは残る。
【0091】
結論として、Philips Axis結晶から20cmの距離に設置した24.4MBq(660μCi)シリンジ源についての平面ファントム実験結果は、29%減衰を有するコード化アさらにパーチャが画像が得られることを許容すること、および、獲得のビット深度が増加するに従い画像が不透明なコード化されたアパーチャのそれに近づくことを示している。結果は、シミュレーションによって予想されたものに匹敵するのみならず、診断核医学における非常に透明なコード化されたアパーチャの新規な概念を支持するようにも作用している。
【0092】
さらに、検出器の単一画素と同じ領域を占める最小のホールの照射を有するコード化されたアパーチャは、50%以下のような技術水準に対して低い減衰パーセンテージを有するコード化されたアパーチャにも適用し得る。事実、2つの発明を組合せると、核医学イメージングにおけるコード化されたアパーチャの適用に最適な結果を与えることができる。
【0093】
参考文献
[1] Accorsi, R., Gasparini, F.およびLanza, R. A coded aperture for high-resolution nuclear medicine planar imaging with a conventional Anger camera: experimental results. IEEE Transactions on Nuclear Science, 48(6):2411-2417, December 2001.
[2] In't Zand, J. Coded aperture imaging in high-energy astronomy. Laboratory for High Energy Astrophysics (LHEA), http://lheawww.gsfc.nasa.gov/docs/cai/coded_intr.html, 1996. Last date of access:30-03-2004.
[3] Accorsi, R., Gasparini, F.およびLanza, R. Optimal coded aperture patterns for improved SNR in nuclear medicine imaging. Nuclear Instruments and Methods in Physics Research, A474:273-284, 2001.
[4] Accorsi, R.およびLanza, R. Near-field artifact reduction in planar coded aperture imaging. Journal of Applied Optics, 40(26):4697-4705, 2001.
[5] Starfield, D. M., Rubin, D. M.およびMarwala, T. Near-field artifact reduction using realistic limited-field-of-view coded apertures in planar nuclear medicine imaging. IFMBE Proceedings of the World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering, 1558-1561, Seoul, August 2006.
[6] Accorsi, R. Design of near-field coded aperture cameras for high-resolution medical and industrial gamma-ray imaging. PhD Thesis, Massachusetts Institute of Technology, June 2001.
[7] Shepp, L. A.およびLogan, B. F. The Fourier reconstruction of a head section. IEEE Transactions on Nuclear Science, NS-21(3):21-43, June 1974.
[8] Accorsi, R., Autiero, M., Celentano, L., Laccetti, P., Lanza, R. C., Marotta, M., Mettivier, G., Montesi, M. C., Riccio, P., Roberti, G., Russo, P. Toward a Medipix2 coded aperture gamma microscope. IEEE Nuclear Science Symposium Conference Record, 4:2461-2464, October 2004.
[9] Accorsi, R. A 15-μm resolution imager for soft X-ray emitters. IEEE Nuclear Science Symposium Conference Record, 5:2975-2979, October 2004.
[10] Cherry, S. R., Sorenson, J. A., Phelps, M. E. Physics in Nuclear Medicine - 3rd ed. Saunders, Philadelphia, 2003.
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[12] Starfield, D. M., Rubin, D. M.およびMarwala, T. High transparency coded apertures in planar nuclear medicine imaging. In Proceedings of the 29th Annual International Conference of the IEEE EMBS, 4468-4471, Lyon, August 2007.
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを通して延在する一連のアパーチャを有する放射線不透明なマスク材料のシートを含み、該マスク材料の厚さが75%未満の減衰パーセンテージを有することを特徴とする、放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項2】
該マスク材料が50%未満の減衰パーセンテージを有する請求項1記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項3】
該マスク材料が30%未満の減衰パーセンテージを有する請求項2記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項4】
該コード化されたアパーチャマスクをガンマ線イメージング用に使用する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項5】
該放射線不透明なマスク材料のシートが、タングステン、金、鉛および白金よりなる群から選択される金属のシートである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項6】
該金属がタングステンである場合にテクネシウム-99m(140KeVのエネルギーを有する)イメージングについて100μmの厚さ(非常に透明である)を有する、請求項5記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項7】
該金属が金である場合にテクネシウム-99m(140KeVのエネルギーを有する)イメージングについて90μmの厚さ(非常に透明である)を有する、請求項5記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項8】
該金属が鉛である場合にテクネシウム-99m(140KeVのエネルギーを有する)イメージングについて130μmの厚さ(非常に透明である)を有する、請求項5記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項9】
該金属が白金である場合にテクネシウム-99m(140KeVのエネルギーを有する)イメージングについて80μmの厚さ(非常に透明である)を有する、請求項5記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項10】
該コード化されたアパーチャが検出器の単一画素と同じ領域を示す最小のホールの投影を有する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項11】
放射線減衰管が、アパーチャマスク中のアパーチャの軸の方向に各コード化されたアパーチャマスクの周りに延在する請求項1ないし10のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項12】
各管がそれぞれのマスクのいずれかの側面から延在する請求項11記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項13】
各管が平行側面を有する請求項12記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項14】
該マスクが1つの材料のシート上に運搬されている請求項11ないし13のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項15】
複数のコード化されたアパーチャが3×3ないし5×5の配列である配列で配置されている請求項1ないし14のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項16】
該マスクがガンマ線用に構成されている請求項1ないし15のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項17】
該ガンマ線が140KeVのエネルギーを有する請求項16記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項18】
該コード化されたアパーチャマスクがタングステン製であって該放射線減衰管が鉛製である請求項11ないし17のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項19】
タングステンが100μmの厚さを有する請求項18記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項20】
該鉛が1ないし2mmの厚さを有する請求項18または19に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項21】
各管が配列のいずれかの側面上で50cmまで延在する請求項20記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項22】
各管が配列のいずれかの側面上で少なくとも10cmまで延在する請求項20記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項23】
放射線源、請求項1ないし22のいずれか1項に記載のコード化されたアパーチャマスク、および放射線検出器を含む放射線ベースの医学イメージングシステム。
【請求項24】
該放射線源がガンマ線放射線源である請求項23記載の放射線ベースの医学イメージングシステム。
【請求項25】
該放射線源検出器がガンマカメラである請求項23または24記載の放射線ベースの医学イメージングシステム。
【請求項26】
該ガンマカメラが16ビットガンマカメラである請求項25記載の放射線ベースの医学イメージングシステム。
【請求項1】
それを通して延在する一連のアパーチャを有する放射線不透明なマスク材料のシートを含み、該マスク材料の厚さが75%未満の減衰パーセンテージを有することを特徴とする、放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項2】
該マスク材料が50%未満の減衰パーセンテージを有する請求項1記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項3】
該マスク材料が30%未満の減衰パーセンテージを有する請求項2記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項4】
該コード化されたアパーチャマスクをガンマ線イメージング用に使用する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項5】
該放射線不透明なマスク材料のシートが、タングステン、金、鉛および白金よりなる群から選択される金属のシートである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項6】
該金属がタングステンである場合にテクネシウム-99m(140KeVのエネルギーを有する)イメージングについて100μmの厚さ(非常に透明である)を有する、請求項5記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項7】
該金属が金である場合にテクネシウム-99m(140KeVのエネルギーを有する)イメージングについて90μmの厚さ(非常に透明である)を有する、請求項5記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項8】
該金属が鉛である場合にテクネシウム-99m(140KeVのエネルギーを有する)イメージングについて130μmの厚さ(非常に透明である)を有する、請求項5記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項9】
該金属が白金である場合にテクネシウム-99m(140KeVのエネルギーを有する)イメージングについて80μmの厚さ(非常に透明である)を有する、請求項5記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項10】
該コード化されたアパーチャが検出器の単一画素と同じ領域を示す最小のホールの投影を有する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項11】
放射線減衰管が、アパーチャマスク中のアパーチャの軸の方向に各コード化されたアパーチャマスクの周りに延在する請求項1ないし10のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項12】
各管がそれぞれのマスクのいずれかの側面から延在する請求項11記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項13】
各管が平行側面を有する請求項12記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項14】
該マスクが1つの材料のシート上に運搬されている請求項11ないし13のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項15】
複数のコード化されたアパーチャが3×3ないし5×5の配列である配列で配置されている請求項1ないし14のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項16】
該マスクがガンマ線用に構成されている請求項1ないし15のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項17】
該ガンマ線が140KeVのエネルギーを有する請求項16記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項18】
該コード化されたアパーチャマスクがタングステン製であって該放射線減衰管が鉛製である請求項11ないし17のいずれか1項に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項19】
タングステンが100μmの厚さを有する請求項18記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項20】
該鉛が1ないし2mmの厚さを有する請求項18または19に記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項21】
各管が配列のいずれかの側面上で50cmまで延在する請求項20記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項22】
各管が配列のいずれかの側面上で少なくとも10cmまで延在する請求項20記載の放射線ベースの医学イメージングに使用するコード化されたアパーチャマスク。
【請求項23】
放射線源、請求項1ないし22のいずれか1項に記載のコード化されたアパーチャマスク、および放射線検出器を含む放射線ベースの医学イメージングシステム。
【請求項24】
該放射線源がガンマ線放射線源である請求項23記載の放射線ベースの医学イメージングシステム。
【請求項25】
該放射線源検出器がガンマカメラである請求項23または24記載の放射線ベースの医学イメージングシステム。
【請求項26】
該ガンマカメラが16ビットガンマカメラである請求項25記載の放射線ベースの医学イメージングシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21a−c】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21a−c】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2011−517336(P2011−517336A)
【公表日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508922(P2010−508922)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001278
【国際公開番号】WO2008/142543
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(507198875)ユニバーシティ・オブ・ジ・ウィトウォーターズランド・ヨハネスブルク (7)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF THE WITWATERSRAND, JOHANNESBURG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001278
【国際公開番号】WO2008/142543
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(507198875)ユニバーシティ・オブ・ジ・ウィトウォーターズランド・ヨハネスブルク (7)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF THE WITWATERSRAND, JOHANNESBURG
【Fターム(参考)】
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