説明

放射線断層撮影装置

【課題】撮影条件の異なる2つの画像を比較できるようにすることで、診断に好適な放射線断層撮影装置を提供する。
【解決手段】本発明によれば、放射線の発生位置を3次元上にマッピングする位置特定部21と、位置特定部21が生成する3次元マップmを仮想的に変形させるマップ変形部23と、仮想的に変形された変形3次元マップnを用いて放射線の発生位置が2次元上にマッピングされた変形MIP画像P1を生成する変形MIP画像生成部24とを備えている。これにより、変形MIP画像P1は、被検体Mの乳房Bを変形させずして得られたものであるにもかかわらず、被検体Mの乳房Bを変形させた状態で撮影された画像と同程度に変形した被検体Mの乳房Bが写り込んでいる画像であり、診断に好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体から放射される消滅放射線対を検出して、被検体内の放射性薬剤分布をイメージングする放射線断層撮影装置に係り、特に乳房検診用の放射線断層撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関には、放射線薬剤の分布をイメージングする放射線断層撮影装置が配備されている。このような放射線断層撮影装置の具体的な構成について説明する。従来の放射線断層撮影装置は、放射線を検出する放射線検出器が円環状に並んで構成される検出器リングが備えられている。この検出器リングは、被検体内の放射性薬剤から互いに反対方向に発する一対の放射線(消滅放射線対)を検出する。この様な放射線断層撮影装置をPET(positron emission tomography)装置と呼ぶ(特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4参照)。
【0003】
この様な放射線断層撮影装置を用いて乳房検診を行う場合について説明する。乳がんを発見する乳房検診においては、まず、乳房のX線投影像をマンモグラフィーによって取得し、乳房の内部構造を知る。そして、更なる詳細な検査を行うべく、PET装置による断層画像の取得や、乳房の生検が行われる。このように、乳房検診においては、種々の検査に先立ってまずX線透視像を取得する方法が一般的である。X線透視像は、乳房の内部における構造的な異常を知ることができるからである。
【0004】
マンモグラフィーによる乳房のX線透視像の取得は、対向する2枚の板で乳房を挟んで、可撓性がなくなるまで乳房を押圧した状態で行われる。この様にすることで、形状が定まらない乳房を一時的に可撓性のない状態として撮影が行われることになる。このように、乳房を板で挟んで撮影を行う利点としては、X線透視像の取得時におけるX線の線量を抑制することができることにある。すなわち、2枚の板で挟まれた乳房は、板の対向する方向に扁平な形状に変形する。扁平な形状となっている乳房の厚さ方向にX線が通過するようにX線透視像を撮影するようにすれば、X線が乳房を透過する距離を短くできる。すると距離が短くなった分だけ僅かなX線の線量でも撮影が行えるので、乳房に入射するX線の線量を抑制できることになる。
【0005】
PET装置による乳房の断層画像の取得は、乳房をリング形状の検出器リングに挿入した状態で、乳房内部から生じる消滅放射線対を検出することで行われる。この検査で得られるデータは消滅放射線対の発生源が3次元的に配列されたものであり、PET装置はこれを基に任意のスライス面で乳房を切断したときの断面における消滅放射線対の発生源がマッピングされた断層像を得ることができるようになっている。
【0006】
このように、マンモグラフィーによる乳房のX線透視像は、乳房を2枚の板で押圧した状態で得られてものであり、PET装置における断層画像は、乳房を押圧しない状態で取得された断層像である。したがって、X線透視画像とPET装置による断層像とは、同じ乳房を撮影したものであるにも関わらず写り込んでいる乳房の状態が異なっている。すなわち、X線透視画像の場合は、扁平に変形させた乳房を平面上に投影した画像であり、断層画像ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−77780号公報
【特許文献2】特開2008−161283号公報
【特許文献3】国際公開第2007−119459号公報
【特許文献4】特開2007−271452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の放射線断層撮影装置には次のような問題点がある。すなわち、マンモグラフィーによってX線透視像を得た後、より詳細は検査をするべくPET装置による断層像を取得しても、X線透視画像と断層像とを比較検討することができないという問題点がある。
【0009】
上述のように、X線透視像とPET装置の断層像とは、撮影された乳房の状態が異なる。X線透視像は、2枚の板で押し挟まれた扁平の乳房が写り込んいる一方、PETの断層像は、押圧を受けないそのままの形状の乳房の断層像が写り込んでいる。この様に、両画像に写り込む乳房の形状は互いに異なる。また、X線透視像は、ある方向から乳房をX線で透視した投影像である一方、PETの断層像は、乳房を任意のスライス面で切断したときの断層像である。つまり、X線透視像は、X線が透過する方向の位置情報が失われた投影像であり、写し込んでいる像はPETで得られる断層像とは異なるものである。
【0010】
乳房検診を行うときには、X線透視像とPET装置で得られる画像とが比較できる様になっていることが望ましい。X線透視像において乳房内部に塊が写り込んでいるとして、この塊がPET装置の画像においてどのように写り込んでいるかを知ることができれば、診断に都合がよいからである。しかし、X線透視画像とPET装置の画像とは、異なる条件で撮影されたものであり、互いに比較できるような像ではない。従来の構成においては、この様な事情が診断の妨げとなっている。
【0011】
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、撮影条件の異なる2つの画像を比較できるようにすることで、診断に好適な放射線断層撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線断層撮影装置は、被検体内で発生した放射線を検出する検出器リングと、検出器リングから取得された検出データを基に放射線の発生位置を3次元上にマッピングする位置特定手段と、位置特定手段が生成する3次元マップに写り込んだ被検体の形状を認識し、これを仮想的に変形させることにより被検体の形状がどのように変形するかを位置情報として示す移動先情報を取得する移動先情報取得手段と、移動先情報に基づいて位置特定手段が生成する3次元マップを仮想的に変形させるマップ変形手段と、仮想的に変形された変形3次元マップを用いて放射線の発生位置が2次元上にマッピングされた変形画像を生成する変形画像生成手段とを備えることを特徴とするものである。
【0013】
[作用・効果]本発明によれば、消滅放射線対の発生位置を3次元上にマッピングする位置特定手段と、位置特定手段が生成する3次元マップを仮想的に変形させるマップ変形手段と、仮想的に変形された変形3次元マップを用いて消滅放射線対の発生位置が2次元上にマッピングされた変形画像を生成する変形画像生成手段とを備えている。これにより、3次元上にマッピングされた消滅放射線対の発生位置は、被検体が変形した状態に変更された後、変形画像が生成される。従って、変形画像は、被検体を変形させずして得られたものであるにもかかわらず、被検体を変形させた状態で撮影された画像と同程度に変形した被検体が写り込んでいる画像である。これにより、両画像を比較して診断を補助する情報を提供することが可能である放射線断層撮影装置が提供できる。
【0014】
また、上述の放射線断層撮影装置において、放射線を被検体の外部から照射する放射線源と、放射線源から照射された後、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、押圧によって変形する被検体を挟み込む一対の板と、板を移動させる移動手段と、移動手段を制御する移動制御手段と、押圧された被検体に放射線を照射し、そのときに放射線検出手段から出力された検出信号を基に被検体を変形させた状態で撮影された画像である放射線透視像を生成する透視画像生成手段とを更に備え、マップ変形手段は、放射線透視像に写り込む被検体の変形を示す移動先情報に基づいて動作すればより望ましい。
【0015】
[作用・効果]上述の構成は、被検体を変形させた状態で撮影された画像を取得する構成を本発明の構成に付加したものとなっている。すなわち、上述の構成は、押圧によって変形する被検体を挟み込む一対の板を備え、被検体は、変形した状態で放射線による撮影が行われる。そして、変形3次元マップの生成は、この板による被検体の変形を示す移動先情報を基に行われる。これにより、押圧した状態で変形している被検体の形状と、画像変換によって得られる変形3次元マップにおける被検体の形状とが一致し、両画像の比較が更に容易となる。
【0016】
また、上述の放射線断層撮影装置において、変形画像生成手段は、変形3次元マップを横切る直線上に位置する変形3次元マップの各値のうちで放射線の発生が最も多いことを示す最大値を選択して選択された最大値をある投影面に投影し、この動作を異なる直線について繰り返すことにより投影面上に各直線に係る最大値を示す画素を配置することにより変形画像を生成すればより望ましい。
【0017】
[作用・効果]上述の構成は、変形画像生成手段の具体的な構成を示している。すなわち、変形画像生成手段は、変形3次元マップをある投影面に投影した画像となっている。これにより、被検体を変形させた状態で透視撮影された画像に写り込む被検体像と等価の像が写り込んだ変形画像を生成することができる。
【0018】
また、上述の放射線断層撮影装置において、被検体を変形させた状態で撮影された画像と変形画像とを重ね合わせる重ね合わせ手段を更に備えればより望ましい。
【0019】
[作用・効果]上述の構成は、本発明のより具体的な構成を示したものとなっている。すなわち、上述の構成は両画像を重ね合わせる重ね合わせ手段を備えている。これにより両画像を用いた診断がより容易となる。
【0020】
また、上述の放射線断層撮影装置において、重ね合わせ手段は、被検体を変形させた状態で撮影された画像と変形画像とのうちの少なくとも一方を他方の画像に対して移動および回転させることで両画像の位置を一致させる位置合わせ手段を備えていればより望ましい。
【0021】
[作用・効果]上述の構成は、本発明のより具体的な構成を示したものとなっている。すなわち、両画像を重ね合わせる際に、両画像の重ね合わせる位置を変更できるようになっている。これにより両画像が確実に重ね合わせられ、診断がより容易となる。
【0022】
また、上述の放射線断層撮影装置において、変形画像生成手段は、移動制御手段が出力する一対の板の離間距離を示す距離データを基に参照する移動先情報を取得して動作すればより望ましい。
【0023】
[作用・効果]上述の構成は、本発明のより具体的な構成を示したものとなっている。すなわち、移動制御手段が出力する一対の板の離間距離を示す距離データを基に3次元マップを変形し、変形3次元マップを基に変形画像を生成するようにすれば、両画像に写り込む変形した被検体の形状がより正確に一致し、診断により有用な情報を提供できる。
【0024】
また、上述の放射線断層撮影装置において、変形する被検体は乳房であり、乳房検診用となっていればより望ましい。
【0025】
[作用・効果]上述の構成は、本発明のより具体的な構成を示したものとなっている。すなわち、本発明を乳房検診に応用すれば、変形した乳房の放射線撮影を行っても、診断を行いやすい放射線断層撮影装置が提供できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、消滅放射線対の発生位置を3次元上にマッピングする位置特定手段と、位置特定手段が生成する3次元マップを仮想的に変形させるマップ変形手段と、仮想的に変形された変形3次元マップを用いて消滅放射線対の発生位置が2次元上にマッピングされた変形画像を生成する変形画像生成手段とを備えている。これにより、変形画像は、被検体を変形させずして得られたものであるにもかかわらず、被検体を変形させた状態で撮影された画像と同程度に変形した被検体が写り込んでいる画像となっている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例1に係る放射線断層撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。
【図2】実施例1に係る放射線検出器の構成を説明する斜視図である。
【図3】実施例1に係る乳房の押圧について説明する模式図である。
【図4】実施例1に係る放射線断層撮影装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】実施例1に係る変形MIP画像の生成について説明する模式図である。
【図6】実施例2に係る放射線断層撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。
【実施例1】
【0028】
<放射線断層撮影装置の構成>
以下、本発明に係る放射線断層撮影装置の実施例を図面を参照しながら説明する。実施例1におけるγ線は本発明の放射線の一例である。なお、実施例1の構成は、乳房検診用のマンモグラフィー装置となっている。図1は、実施例1に係る放射線断層撮影装置の具体的構成を説明する機能ブロック図である。実施例1に係る放射線断層撮影装置9は、被検体Mの乳房Bをz方向から導入させるガントリ11と、ガントリ11の内部に設けられた被検体Mの乳房Bをz方向から導入させるリング状の検出器リング12とを備えている。検出器リング12に設けられた内穴は、z方向に伸びた円筒形(正確には、n角柱)となっている。したがって、検出器リング12自身もz方向に伸びている。なお、検出器リング12の内穴の領域が、放射線断層撮影装置9の断層画像が生成できる撮影視野となっている。z方向は、検出器リング12の中心軸の伸びる方向に沿っている。
【0029】
遮蔽プレート13は、タングステン等で構成される。放射性薬剤は、被検体Mの乳房B以外の部分にも存在するので、そこからも放射線が発生している。しかし、この様な関心部位以外から発生する放射線が検出器リング12に入射すると、断層画像撮影の邪魔となる。そこで、検出器リング12のz方向における被検体Mに近い側の一端を覆うようにリング状の遮蔽プレート13が設けられているのである。
【0030】
クロック19は、検出器リング12にシリアルナンバーとなっている時刻情報を送出する。検出器リング12から出力される検出データには、γ線をどの時点で検出したかという時刻情報が付与され、後述の同時計数部20に入力される。
【0031】
検出器リング12の構成について説明する。検出器リング12は、n個の放射線検出器1がz方向(中心軸方向)に垂直な平面上の仮想円に配列されることで、1つの単位リングが形成される。この単位リングがz方向に例えば3個配列されて検出器リング12が構成される。
【0032】
放射線検出器1の構成について簡単に説明する。図2は、実施例1に係る放射線検出器の構成を説明する斜視図である。放射線検出器1は、図2に示すように放射線を光に変換するシンチレータ2と、光を検出する光検出器3とを備えている。そして、シンチレータ2と光検出器3との介在する位置には、光を授受するライトガイド4が備えられている。
【0033】
シンチレータ2は、シンチレータ結晶が3次元的に配列されて構成されている。シンチレータ結晶は、Ceが拡散したLu2(1−X)2XSiO(以下、LYSOとよぶ)によって構成されている。そして、光検出器3は、どのシンチレータ結晶が光を発したかという光の発生位置を特定することができるようになっているとともに、光の強度や、光の発生した時刻をも特定することができる。また、実施例1の構成のシンチレータ2は、採用しうる態様の例示にすぎない。したがって、本発明の構成は、これに限られるものではない。
【0034】
同時計数部20(図1参照)には、検出器リング12から出力された検出データが送られてきている。そして検出器リング12にほぼ同時に入射した2つの放射線が、被検体内の放射性薬剤に起因する消滅γ線対であると判定する(同時計数)。同時計数部20は、同時計数した検出器リング12を構成するシンチレータ結晶の情報を位置特定部21に送出する。同時計数におけるシンチレータ結晶の位置関係は、消滅γ線対が検出器リング12に入射した位置と入射した方向を示すものであり、放射性薬剤のマッピングに必要な情報である。シンチレータ結晶の組合せ毎に記憶される消滅γ線対検出の回数および消滅γ線のエネルギー強度は、被検体内における消滅γ線対の発生のバラツキを示すものであり、放射性薬剤のマッピングに必要な情報である。なお、同時計数部20による検出データの同時性の判断は、クロック19によって検出データに付与された時刻情報が用いられる。位置特定部21は、本発明の位置特定手段に相当する。
【0035】
位置特定部21は、同時計数部20が出力する消滅γ線対の発生位置と放射線強度に関するデータを受け取って、消滅γ線の発生位置が3次元の空間上にマッピングされた3次元マップmを生成する。
【0036】
3次元マップmは、移動先情報取得部22,マップ変形部23,および断層画像生成部26に送られる。マップ変形部23は、記憶部37が記憶している移動先情報Tに基づいて3次元マップmを仮想的に変形させて変形3次元マップnを生成する。この移動先情報Tは、3次元マップmを基に移動先情報取得部22が生成したものである。断層画像生成部26は、3次元マップmに基づいて、乳房Bを所定のスライス面で切断したときの断面における消滅γ線対の発生源が2次元上にマッピングされた断層画像Dを取得する。このときの断層画像Dとしては、例えば、被検体Mの乳房Bを輪切りにするようなアキシャル画像となっている。移動先情報取得部22は、本発明の移動先情報取得手段に相当し、マップ変形部23は、本発明のマップ変形手段に相当する。
【0037】
移動先情報取得部22が取得する移動先情報Tについて説明する。移動先情報Tは、乳房Bがどのように変形するかを示す位置情報となっている。すなわち、移動先情報Tは、X線透視画像の撮影時に、一対の挟み板によって乳房Bがどのように変形するかを示すデータとなっている。具体的には、移動先情報Tは、変形前の3次元座標と、変形後の3次元座標とが関連した関連テーブルとなっている。
【0038】
移動先情報Tについてより具体的に説明する。例えば、図3(a)に示す乳房内の点a1の3次元座標が(x,y,z)となっていたとする。そして、乳房Bを押圧して変形させると、この点a1は、図3(b)に示す乳房内の点a2に移動するものとする。この点a2の3次元座標は(X,Y,Z)であるとする。移動先情報Tは、変形前の座標(x,y,z)と変形後の座標(X,Y,Z)とを関連させた関連テーブルとなっている。マップ変形部23は、移動先情報Tを参照して、3次元マップmにおける点a1に位置する消滅γ線対の発生強度データを点a2に移動させて変形3次元マップnを生成する。
【0039】
移動先情報Tの取得方法について説明する。移動先情報Tは、3次元マップm上の乳房Bを所定の条件で変形させるシミュレーションを行うことにより得られる。3次元マップmにおける乳房Bを変形させるに際し、移動先情報取得部22は、まず3次元マップにおける乳房Bの輪郭を抽出する。こうして、移動先情報取得部22は、半球状となっている乳房Bの形状を認識する。
【0040】
そして、移動先情報取得部22は、取得した乳房Bの形状をシミュレーションにより変形させる。このシミュレーションは、乳房Bの表面積が変化せず、変曲点が増加せず、かつ乳房Bの内部の密度が変化しないという条件下で行う。これにより、乳房Bをある方向に直交する平面により両側から圧迫したときに、乳房Bがどのように変形するかを知ることができる。シミュレーションに際し、上述のように乳房Bの物性を限定しているので、得られる結果は、現実の乳房Bの変形と近いものになる。このように、3次元マップmにおける乳房Bはシミュレーションにより押し広げられて扁平の形状となる。この扁平形状は、変形3次元マップnにおける乳房Bの形状を示し、X線透視画像における乳房Bの形状に一致している。
【0041】
移動先情報取得部22は、シミュレーションによって変形前の乳房Bの各位置が変形後においてどこに移動するかを追尾して、乳房Bにおける変形前の座標と変形後の座標とが関連した移動先情報Tを取得する。
【0042】
移動先情報取得部22による移動先情報Tの取得は、3次元マップmが取得される度に行われる。従って、移動先情報Tは、放射線断層撮影装置9による乳房Bのイメージングの度に行われることになる。
【0043】
変形3次元マップnは、変形MIP画像生成部24に送られる。変形MIP画像生成部24は、3次元的な空間に示された変形3次元マップnを基に消滅γ線対の発生位置が2次元上にマッピングされた変形MIP画像P1を生成する。変形MIP画像生成部24は、本発明の変形画像生成手段に相当する。変形MIP画像P1は、本発明の変形画像に相当する。
【0044】
表示部36は、変形MIP画像P1および断層画像Dを表示させるものであり、操作卓35は、術者が放射線断層撮影装置9に対して行う諸操作を入力させるものである。記憶部37は、検出器リング12が出力する検出データ、同時計数部20が生成する同時計数データ、断層画像等、各部の動作によって生じるデータ、マップ変形部23が参照する移動先情報Tおよび各部の動作に際して参照されるパラメータの一切を記憶するものである。
【0045】
なお、放射線断層撮影装置9は、各部を統括的に制御する主制御部41を備えている。この主制御部41は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することにより、各部19,20,21,22,23,24,25,26を実現している。なお、上述の各部はそれらを担当する制御装置に分割されて実現されてもよい。
【0046】
<放射線断層撮影装置の動作>
次に、実施例1に係る放射線断層撮影装置9の動作について説明する。乳房検診を行うには、図4に示すように、乳房Bが検出器リング12に挿入され(乳房挿入ステップS1),乳房Bから放射される放射線の検出が開始される(検出開始ステップS2)。そして、検出器リング12が出力した検出データより3次元マップmが生成され(3次元マップ生成ステップS3),この3次元マップmを基に変形3次元マップnが生成される(3次元変形マップ生成ステップS4)。そして、変形3次元マップnを基に変形MIP画像P1が生成され(変形画像生成ステップS5),この変形MIP画像P1が表示される(表示ステップS6)。以降、これらの各ステップについて順を追って説明する。
【0047】
なお、放射線撮影装置の動作説明に先立って、乳房BのX線透視画像が取得されているものとする。この乳房BのX線透視画像は、被検体Mの乳房Bを挟み板で押圧して扁平形状に変形させた状態で撮影されたものであり、図3(a)に示す変形前の乳房Bは、撮影時において図3(b)に示すように変形したものとなっている。X線透視画像は、扁平形状の乳房Bを画像に写り込む面積が最も広くなるように撮影したものであり、挟み板で乳房Bを押圧する方向から撮影されたものとなっている。従って、乳房Bは、図3(a)と図3(b)とを比較すれば分かるように、押圧されることで面積が広くなってX線透視画像に写り込むことになる。具体的にはX線透視画像には、乳房Bを押圧する平面に平行な平面に乳房Bの投影像が写り込んでいる。
【0048】
<乳房挿入ステップS1>
まず、被検体Mに放射性薬剤が注射される。この時点から所定の時間が経過した時点で、被検体Mの乳房Bが検出器リング12に挿入される。図1は、この動作が終了した状態を示している。
【0049】
<検出開始ステップS2>
術者が操作卓35を通じて、消滅γ線対の検出の指示を与えると、検出器リング12は、同時計数部20に検出データの送出を開始する。このとき送出された検出データは、γ線の検出器リング12における入射位置と、エネルギーと、入射時間とが関連したデータセットとなっている。
【0050】
<3次元マップ生成ステップS3>
同時計数部20は、検出データの同時計数を行い、この結果を位置特定部21に送出する。位置特定部21には、3次元マトリックスが用意されており、乳房内部の位置と、消滅γ線対の発生強度とが関連した3次元マップmを生成する。この3次元マップmは、図3(a)の状態の乳房Bについての検出データとなっている。
【0051】
<3次元変形マップ生成ステップS4>
3次元マップmは、マップ変形部23に送出される。このマップ変形部23の動作が本発明において最も特徴的なものとなっている。すなわち、マップ変形部23は、移動先情報取得部22が取得する移動先情報Tに基づいて、3次元マップmを基に新たな変形3次元マップnを生成する。このマップ変形部23の動作によって、図3(a)の乳房Bの状態で3次元マップm上に保持されている消滅γ線対の検出データの位置情報は、情報処理により、図3(b)の乳房Bの状態の位置情報に変換される。すなわち、マップ変形部23は、図3(b)で示す変形後の状態の乳房Bが写り込んでいるX線透視画像と同一の形状となるように3次元マップにおける乳房Bを仮想的に変形させるのである。
【0052】
<変形画像生成ステップS5>
変形3次元マップnは、変形MIP画像生成部24に送られる。変形MIP画像生成部24は、変形3次元マップnを用いて、変形MIP画像P1を生成する。この変形MIP画像P1について説明する。図5に示すように、変形3次元マップnには、押圧された被検体Mの乳房Bにおける消滅γ線対のイメージングデータが保持されている。そして、直線Lは、乳房Bを押圧する平面に直交する直線であるとする。変形MIP画像生成部24は、本発明の変形画像生成手段に相当する。
【0053】
変形MIP画像生成部24は、変形3次元マップnを横切る直線Lについて、最大の画素値を選択する。具体的には、変形MIP画像生成部24は、変形3次元マップnの有する画素のうち、図5において斜線で示す直線L上に存する各画素のうち、最大の輝度を有する画素Nを選択する。変形MIP画像生成部24は、この画素Nの画素値を変形MIP画像P1における乳房Bを押圧する平面に平行な平面Fの点pを示す位置に配置する。
【0054】
変形MIP画像生成部24は、平面F(投影面)の点pを移動させながら同様の動作を繰り返し、その度毎に直線Lを変更しながら最大輝度(最も消滅γ線対が多く発生したことを示す輝度)を有する画素を選択する。直線Lは、変更されながらも常に平面Fに直交している。選択された画素の画素値は生成中の変形MIP画像P1に次々と配置され、各直線Lについて最大値が配列された変形MIP画像P1が生成される。変形MIP画像P1は、押圧された被検体Mの乳房Bを平面Fに投影したような形状をしている。
【0055】
<表示ステップS6>
変形MIP画像P1は、位置合わせ部25に送出される。位置合わせ部25では、先に取得されたX線透視画像と変形MIP画像P1とを比較しやすいように変形MIP画像P1を回転させるとともに移動させることにより変形MIP画像P1を編集できるようになっている。この編集は操作卓35を通じて術者が指示を行うことにより行われる。変形MIP画像P1は、位置合わせ部25における編集の後、表示部36に表示される。表示部36においては、変形MIP画像P1の他、予め取得されたX線透視画像を表示するようにしても良い。このとき、X線透視画像には被検体Mの乳房Bが押圧されて扁平形状となって写り込んでいる。変形MIP画像P1は、3次元マップmに保持されている乳房Bを仮想的に押圧することにより得られた画像であることからすれば、変形MIP画像P1に写り込む乳房BもX線透視画像と同様、扁平形状となっている。したがって、両画像に写り込む乳房Bは比較しやすいものとなっている。
【0056】
また、X線透視画像は、透過X線の強度がマッピングされているのに対し、変形MIP画像P1は、放射線の最大発生強度(もしくは放射線薬剤の最大密度)がマッピングされている。その一方で、X線透視画像および変形MIP画像P1はいずれも乳房Bを押圧する平面に平行な平面に投影したときの画像となっている。このことからすれば、両画像において、マッピングされているデータの意味は異なるものの、乳房Bを写し込む方法としては一致していることになる。従って、両画像は比較が可能な乳房Bの内部情報を示す画像となっている。
【0057】
また、操作卓35を介して行われる術者の指示により、表示部36に断層画像生成部26が生成した断層画像Dを表示させることができる。この断層画像Dは、変形前の3次元マップmから生成される。
【0058】
以上のように、実施例1によれば、消滅γ線対の発生位置を3次元上にマッピングする位置特定部21と、位置特定部21が生成する3次元マップmを仮想的に変形させるマップ変形部23と、仮想的に変形された変形3次元マップnを用いて消滅γ線対の発生位置が2次元上にマッピングされた変形MIP画像P1を生成する変形MIP画像生成部24とを備えている。これにより、3次元上にマッピングされた消滅γ線対の発生位置は、被検体Mの乳房Bが変形した状態に変更された後、変形MIP画像P1が生成される。従って、変形MIP画像P1は、被検体Mの乳房Bを変形させずして得られたものであるにもかかわらず、被検体Mの乳房Bを変形させた状態で撮影された画像と同程度に変形した被検体Mの乳房Bが写り込んでいる画像である。これにより、両画像を比較して容易に診断することが可能である放射線断層撮影装置9が提供できる。
【0059】
また、変形MIP画像生成部24は、変形3次元マップnをある投影面に投影した画像となっている。これにより、被検体Mの乳房Bを変形させた状態で透視撮影された画像に写り込む被検体Mの乳房像と等価の像が写り込んだ変形MIP画像P1を生成することができる。
【0060】
このように、実施例1を乳房検診に応用すれば、変形した乳房BのX線撮影を行っても、診断を行いやすい放射線断層撮影装置9が提供できる。
【実施例2】
【0061】
次に実施例2に係る放射線断層撮影装置について説明する。実施例2の放射線断層撮影装置49は、実施例1の放射線断層撮影装置9にX線透視画像を取得する目的で設けられた各部が設けられた構成となっている。従って、実施例1の構成と共通する各部については、説明を省略する。また、FPDは、フラットパネル・ディテクタの略である。
【0062】
<放射線断層撮影装置49の全体構成>
まず、実施例2に係る放射線断層撮影装置49の構成について説明する。放射線断層撮影装置49は、図6に示すように被検体Mの乳房Bを押圧する一対の挟み板52a,52bと、挟み板52aに向けてX線を照射するX線管53と、挟み板52a,乳房B,挟み板52bをこの順に透過して挟み板52bから出射したX線を検出するFPD54とを備えている。X線管53は、本発明の放射線源に相当し、FPD54は、本発明の放射線検出手段に相当する。本発明においてFPD54と、放射線検出器1とは互いに別の概念である。
【0063】
挟み板移動機構57は、一対の挟み板52a,52bを接近・離反させる目的で設けられている。挟み板移動制御部58は、これを制御するものである。挟み板移動機構57により、平行に配置された一対の挟み板52a,52bは、板の広がる方向と直交する方向に移動可能となっている。挟み板移動制御部58は、本発明の移動制御手段に相当し、挟み板移動機構57は、本発明の移動手段に相当する。
【0064】
X線管制御部56は、所定の管電流、管電圧、パルス幅でX線管53を制御する目的で設けられている。FPD54は、X線管53から発せられ、被検体Mを透過したX線を検出して検出信号を生成する。この検出信号は、透視画像生成部61に送出され、そこで被検体Mの投影像が写り込んだX線透視画像P2が生成される。重ね合わせ部62は、X線透視画像P2と位置合わせ部25によって位置合わせされた変形MIP画像P1とを重ね合わせて合成画像P3を生成する。この合成画像P3の基となった両画像P1,P2に写り込む乳房Bの形状が一致しているので、両画像に写り込む乳房Bはズレることなく重なり合って合成画像P3上に写り込むことになる。X線透視画像P2は、本発明の放射線透視像に相当し、透視画像生成部61は、本発明の透視画像生成手段に相当する。また、重ね合わせ部62は、本発明の重ね合わせ手段に相当する。
【0065】
<放射線断層撮影装置の動作>
次に、放射線断層撮影装置49の動作について説明する。まず、術者が操作卓35に指示を与えると、被検体Mの乳房Bが一対の挟み板52a,52bに挟み込まれて押圧される。このとき、乳房Bは、図3(b)に示すように扁平形状となる。そして、術者が操作卓35にX線照射開始の指示を与えると、X線管53からX線が照射されX線透視画像P2が取得される。X線照射開始の指示を与えた直後、挟み板移動制御部58は、一対の挟み板52a,52bの離間距離を移動先情報取得部22に送出する。
【0066】
X線透視画像P2取得の後、被検体Mの乳房Bは、一対の挟み板52a,52bによる押圧を解除された後、一対の挟み板52a,52bの間から外され、今度は、ガントリ11の内部に挿入される。そして、実施例1で説明した、ステップS1〜S6の各動作が行われることになる。実施例2においては、3次元変形マップ生成ステップS4において、移動先情報取得部22は、乳房Bの形状をシミュレーションにより変形させる際に、挟み板移動制御部58が出力する挟み板52a,52bの離間距離を変形の条件の1つとして用いて変形3次元マップnを生成する。これにより、より正確なシミュレーションが可能となる。変形MIP画像生成部24は、挟み板移動制御部58が出力する一対の板の離間距離を示す距離データを基に参照する移動先情報Tを変更して動作することになる。挟み板52a,52bは、本発明の板に相当する。
【0067】
そして、重ね合わせ部62が生成した合成画像P3が表示部36に表示されて検査は終了となる。
【0068】
以上のように、上述の構成は、被検体Mの乳房Bを変形させた状態で撮影された画像を取得する構成を実施例1の構成に付加したものとなっている。すなわち、上述の構成は、押圧によって変形する被検体Mの乳房Bを挟み込む一対の挟み板52a,52bを備え、被検体Mの乳房Bは、変形した状態でX線による撮影が行われる。そして、変形3次元マップnの生成は、この挟み板52a,52bによる被検体Mの乳房Bの変形を示す移動先情報Tを基に行われる。これにより、押圧した状態で変形している被検体Mの乳房Bの形状と、画像変換によって得られる変形3次元マップnにおける被検体Mの乳房Bの形状とが一致し、両画像像の比較が更に容易となる。
【0069】
上述の構成は両画像を重ね合わせる重ね合わせ部62を備えている。これにより両画像を用いた診断がより容易となる。
【0070】
本発明は、上述の構成に限られず、下記のように変形実施することができる。
【0071】
(1)各実施例の構成によれば、位置合わせ部25が変形MIP画像P1をX線透視画像に対して移動・回転させる構成となっていたが、本発明はこの構成に限られず、X線透視画像を変形MIP画像P1に対して変形させるような構成としても良い。
【0072】
(2)各実施例の構成によれば、変形MIP画像P1を生成していたが、この画像に代えて、例えば、変形3次元マップnにおける最大値以外の値を平面に投影することにより得られるMIP画像以外の画像を用いることもできる。
【0073】
(3)本発明は、乳房検診用に限定されずに、変形する被検体Mを診断する検査の全般に応用することができる。
【0074】
(4)上述した各実施例のいうシンチレータ結晶は、LYSOで構成されていたが、本発明においては、その代わりに、LGSO(Lu2(1−X)2XSiO)やGSO(GdSiO)などの他の材料でシンチレータ結晶を構成してもよい。本変形例によれば、より安価な放射線検出器が提供できる放射線検出器の製造方法が提供できる。
【0075】
(5)上述した各実施例において、光検出器は、光電子増倍管で構成されていたが、本発明はこれに限らない。光電子増倍管に代わって、フォトダイオードやアバランシェフォトダイオードや半導体検出器などを用いてもよい。
【符号の説明】
【0076】
m 3次元マップ
n 変形3次元マップ
P1 変形MIP画像(変形画像)
P2 X線透視画像(放射線透視像)
T 移動先情報
12 検出器リング
21 位置特定部(位置特定手段)
22 移動先情報取得部(移動先情報取得手段)
23 マップ変形部(マップ変形手段)
24 変形MIP画像生成部(変形画像生成手段)
25 位置合わせ部(位置合わせ手段)
52a,52b 挟み板(板)
53 X線管(放射線源)
54 FPD(放射線検出手段)
57 挟み板移動機構(移動手段)
58 挟み板移動制御部(移動制御手段)
61 透視画像生成部(透視画像生成手段)
62 重ね合わせ部(重ね合わせ手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内で発生した放射線を検出する検出器リングと、
前記検出器リングから取得された検出データを基に放射線の発生位置を3次元上にマッピングする位置特定手段と、
前記位置特定手段が生成する3次元マップに写り込んだ被検体の形状を認識し、これを仮想的に変形させることにより被検体の形状がどのように変形するかを位置情報として示す移動先情報を取得する移動先情報取得手段と、
前記移動先情報に基づいて前記位置特定手段が生成する3次元マップを仮想的に変形させるマップ変形手段と、
仮想的に変形された変形3次元マップを用いて放射線の発生位置が2次元上にマッピングされた変形画像を生成する変形画像生成手段とを備えることを特徴とする放射線断層撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線断層撮影装置において、
放射線を被検体の外部から照射する放射線源と、
前記放射線源から照射された後、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出手段と、
押圧によって変形する被検体を挟み込む一対の板と、
板を移動させる移動手段と、
前記移動手段を制御する移動制御手段と、
押圧された被検体に放射線を照射し、そのときに前記放射線検出手段から出力された検出信号を基に被検体を変形させた状態で撮影された画像である放射線透視像を生成する透視画像生成手段とを更に備え、
前記マップ変形手段は、前記放射線透視像に写り込む被検体の変形を示す移動先情報に基づいて動作することを特徴とする放射線断層撮影装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の放射線断層撮影装置において、
前記変形画像生成手段は、前記変形3次元マップを横切る直線上に位置する前記変形3次元マップの各値のうちで放射線の発生が最も多いことを示す最大値を選択して選択された最大値をある投影面に投影し、この動作を異なる直線について繰り返すことにより投影面上に各直線に係る最大値を示す画素を配置することにより前記変形画像を生成することを特徴とする放射線断層撮影装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の放射線断層撮影装置において、
被検体を変形させた状態で撮影された画像と前記変形画像とを重ね合わせる重ね合わせ手段を更に備えることを特徴とする放射線断層撮影装置。
【請求項5】
請求項4に記載の放射線断層撮影装置において、
前記重ね合わせ手段は、被検体を変形させた状態で撮影された画像と前記変形画像とのうちの少なくとも一方を他方の画像に対して移動および回転させることで両画像の位置を一致させる位置合わせ手段を備えることを特徴とする放射線断層撮影装置。
【請求項6】
請求項2に記載の放射線断層撮影装置において、
前記変形画像生成手段は、前記移動制御手段が出力する一対の板の離間距離を示す距離データを基に参照する移動先情報を取得して動作することを特徴とする放射線断層撮影装置。
【請求項7】
請求項6に記載の放射線断層撮影装置において、
変形する被検体は乳房であり、乳房検診用となっていることを特徴とする放射線断層撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−47671(P2012−47671A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191986(P2010−191986)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】