説明

放射線検出装置

【課題】シンチレータや光検出部に形成された凹凸構造の損傷を防止する。
【解決手段】放射線の入射により光を発生するシンチレータは、立設された複数の柱状結晶31からなり、柱状結晶31の錐状の先端部31aが光検出部17に形成された樹脂層20に埋入している。樹脂層20は、熱硬化性樹脂材からなり、柱状結晶31の先端部31aを埋入させた状態で加熱することにより形成される。樹脂層20は、柱状結晶31より屈折率が低くいため、柱状結晶31と光検出部17との間における各層での平均屈折率が連続的に変化する。樹脂層20は、柱状結晶31の先端部31aを防止するとともに、光検出部17への光入射効率を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱状結晶構造のシンチレータと、シンチレータから射出された光を検出する光検出部とを備えた放射線検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照射されたX線やγ線、α線等の放射線を検出し、照射放射線量の分布を表す放射線画像のデータへ直接変換して出力する放射線検出装置が実用化されている。放射線検出装置として、基板上にフォトダイオード(PD)及び薄膜トランジスタ(TFT)が画素ごとに形成されてなる光検出部の上に、CsI、GOS(GdS:Tb)等のシンチレータ(蛍光体層)を積層した間接変換方式の放射線検出装置が知られている。シンチレータは、照射された放射線を光(可視光)に変換する。光検出部は、シンチレータから射出された光をPDにより電荷に変換して蓄積する。この電荷は、TFTを介して読み出される。
【0003】
間接変換方式の放射線検出装置には、放射線入射側からシンチレータ、光検出部を順に配置したPSS(Penetration Side Sampling)方式と、このPSS方式とは逆に、放射線入射側から光検出部、シンチレータを順に配置したISS(Irradiation Side Sampling)方式とがある。ISS方式の放射線検出装置では、光検出部を透過した放射線をシンチレータで光に変換し、放射線入射方向とは逆方向に射出される光をPDによって検出する。シンチレータの発光量は、放射線の入射側がそれとは反対の裏面側に比べて大きく、ISS方式では、シンチレータの放射線の入射側に近接して光検出部が配置される。このため、ISS方式は、PSS方式に比べて高感度化及び高鮮鋭化に有利である。
【0004】
特許文献1には、シンチレータをCsI等からなる柱状結晶構造とし、柱状結晶の先端側を光検出部に向けて対向配置した放射線検出装置が開示されている。このシンチレータでは、放射線の照射により柱状結晶内で発生した光は、柱状結晶のライトガイド効果によって柱状結晶中を進行する。シンチレータから射出される光の散乱が抑制されるため、検出画像の鮮鋭度が向上する。
【0005】
また、特許文献2には、間接変換方式の放射線検出装置においてさらに高感度化を図るため、シンチレータから光が入射する光検出部の表面を、複数の錐形状の突起からなる凹凸面とすることにより、光検出部への光の入射高率を高めることが開示されている。このように、凹凸構造により屈折率を連続的に変化させて入射面での反射を防止することにより光の入射効率を高める技術は、固体撮像装置の分野でも知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−26013号公報
【特許文献2】特許第3993176号公報
【特許文献3】特開2010−272612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のように柱状結晶による凹凸構造をシンチレータの表面に形成した場合や、特許文献2に記載のように反射防止のための凹凸構造を光検出部の表面に形成した場合には、シンチレータと光検出部との界面での接触により、凹凸構造が損傷し、感度や鮮鋭度が低下するといった問題がある。
【0008】
本発明の目的は、シンチレータや光検出部に形成された凹凸構造の損傷を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の放射線検出装置は、立設された複数の柱状結晶を有し、放射線の入射により光を発生して前記柱状結晶の先端部から射出するシンチレータと、前記柱状結晶の先端部に対向するよう配置され、前記先端部から射出された光を検出する光検出部と、前記シンチレータと前記光検出部との間に配置され、前記各柱状結晶の先端部による押圧により凹凸構造が形成された樹脂層と、を備えたものである。
【0010】
前記樹脂層は、熱硬化性樹脂材からなることが好ましい。また、前記樹脂層は、前記シンチレータの発光ピーク波長の光を透過させることが好ましい。さらに、前記樹脂層は、前記シンチレータより屈折率が低いことが好ましい。
【0011】
前記柱状結晶の先端部は、錐状であることが好ましい。また、前記複数の柱状結晶は、空隙を介して互いに離間していることが好ましい。
【0012】
本発明の放射線検出装置は、前記シンチレータに、前記光検出部を透過した放射線が入射するようISS方式とすることが好ましい。前記シンチレータは、ヨウ化セシウムからなることが好ましい。
【0013】
前記光検出部は、基板と、この基板上に形成された画素部とからなり、この画素部の表面に前記樹脂層が形成されていることが好ましい。これに代えて、前記光検出部は、基板と、この基板上に形成された画素部とからなり、この画素部の表面に平坦化層が形成され、この平坦化層の表面に前記樹脂層が形成されたものであってもよい。
【0014】
この場合、前記平坦化層と前記樹脂層との間で、かつ前記平坦化層の周縁部に、解体性接着剤を設けることが好ましい。前記解体性接着剤は、紫外線により接着性が低下する接着剤からなることが好ましい。
【0015】
さらに、前記光検出部は、基板と、この基板上に形成された画素部とからなり、この画素部の表面に、前記シンチレータに向かって突出した複数の凸部を有する凹凸部が形成され、この凹凸部が埋入するように前記樹脂層が形成されたものであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の放射線検出装置によれば、シンチレータを構成する各柱状結晶の先端部による押圧により凹凸構造が形成された樹脂層を、シンチレータと光検出部との間に配置したので、シンチレータと光検出部との間の凹凸構造(柱状結晶の先端部)の破損を防止することができる。また、この構成により、シンチレータと光検出部との間における各層での平均屈折率が連続的に変化するため、シンチレータから光検出部への光入射効率が向上する。
【0017】
樹脂層を熱硬化性樹脂材とすることにより、柱状結晶の先端部を熱硬化性樹脂材に埋入させた状態で加熱するといった簡単な手法で樹脂層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を実施した電子カセッテを一部破断して示す斜視図である。
【図2】電子カセッテの概略断面図である。
【図3】シンチレータの構成を示す概略断面図である。
【図4】シンチレータと光検出部との間の各層での平均屈折率を説明する図である。
【図5】光検出部とシンチレータとの接合方法を説明する工程図である。
【図6】光検出部の構成を模式的に示した断面図である。
【図7】電子カセッテの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の別の実施形態の電子カセッテの構成を示す概略断面図である。
【図9】本発明の別の実施形態の電子カセッテの構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1において、電子カセッテ10は、放射線を透過させる材料からなり、全体形状がおよそ箱形で、矩形状の上面が、被撮影者の体を透過した放射線が照射される照射面11とされた筐体12を備えた可搬型の放射線検出装置である。筐体12のうち、照射面11が設けられた天板13以外の部分は、ABS樹脂等から構成され、天板13はカーボン等の放射線低吸収材から構成される。これにより、天板13による放射線の吸収が抑制されるとともに、天板13の強度が確保される。
【0020】
電子カセッテ10の照射面11には、複数個のLEDからなり、電子カセッテ10の動作モード(例えば「レディ状態」や「データ送信中」等)やバッテリの残容量等の動作状態を表示するための表示部15が設けられている。表示部15は、LED以外の発光素子や、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置で構成してもよい。また、表示部15は照射面11以外の部分に配置してもよい。
【0021】
電子カセッテ10の筐体12内には、被撮影者の体を透過した放射線の進行方向に沿って、照射面11側から、光検出部17及びシンチレータ18がこの順に配置されている。また、筐体12の内部には、照射面11の長手方向に沿った一端側に、マイクロコンピュータを含む各種の電子回路や、充電可能かつ着脱可能なバッテリ(二次電池)を収容するケース19が配置されている。光検出部17を含む電子カセッテ10の各種電子回路は、バッテリから供給される電力によって作動する。これらの各種電子回路が放射線の照射に伴って損傷することを回避するため、ケース19の照射面11側には鉛板等からなる放射線遮蔽部材(図示せず)が配設されている。
【0022】
図2に示すように、光検出部17は全面に亘って天板13の内面に接着等により貼り付けられている。また、光検出部17とシンチレータ18との間は、樹脂層20を介して貼り合わされており、周縁部のみが全周に亘り、柔軟性を有する固定剤21によって固定されている。筐体12内の底面には、基台22が取付けられており、基台22の天板の下面には、制御基板23が取付けられている。制御基板23と光検出部17とは、フレキシブルケーブル24を介して電気的に接続されている。
【0023】
図3において、シンチレータ18は、蒸着基板26と、蒸着基板26上に結晶成長されることにより立設した複数の柱状結晶31とからなる。シンチレータ18は、被撮影者の体を透過して筐体12の照射面11に照射され、天板13及び光検出部17を透過して照射された放射線を吸収して光(可視光)を放出する。
【0024】
シンチレータ18は、蒸着基板26にタリウム活性化ヨウ化セシウム(CsI:Tl)を蒸着することにより形成されたものであり、蒸着基板26側は非柱状結晶30となり、光検出部17側に複数の柱状結晶31が形成される。蒸着基板26としては、耐熱性の高い材料が望ましく、低コストの観点からはアルミニウムが好適である。柱状結晶31は、互いに空隙Gを介して離間されている。柱状結晶31の平均径は、その長手方向に沿ってほぼ均一(約μm〜10μm程度)である。なお、シンチレータ18は、CsI:Tlに代えて、ナトリウム活性化ヨウ化セシウム(CsI:Na)等で形成されたものであってもよい。
【0025】
放射線は、光検出部17を介してシンチレータ18に入射するため、シンチレータ18内での発光は、主に柱状結晶31の光検出部17側で生じる。シンチレータ18で発生した光は、柱状結晶31のライトガイド効果によって柱状結晶31内を進行し、先端部31aから光検出部17へ射出される。先端部31aは、ほぼ円錐状であり、その頂部の角度が鋭角(例えば、40°〜80°)である。この先端部31aの形状は、WO2008/029610号公報に記されているように、先端部31aが凸曲面状の場合よりも光の反射を低減し、柱状結晶31からの光の射出効率を向上させる。なお、先端部31aの長さは、約μm〜10μm程度である。
【0026】
柱状結晶31で生じた光は、ライトガイド効果によって非柱状結晶30にも到達し、非柱状結晶30によって光検出部17側へ反射されるため、光の射出効率がさらに向上する。
【0027】
柱状結晶31は互いに離間して配置されているが、その充填率(領域中の柱状結晶31の占める割合)には適切な範囲がある。この充填率は、例えば70〜85%程度が最適である。充填率が過小(例えば70%未満)になるとシンチレータ18の発光量の低下が顕著になる一方、充填率が過大に(例えば85%よりも高く)なると、隣り合う柱状結晶31が接触しやすくなり、クロストークが発生して画像の鮮鋭度が低下する。
【0028】
樹脂層20は、ゲル状の熱硬化性樹脂材からなる。具体的な材料としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シアルルフタレート樹脂などが好ましい。また、樹脂層20は、少なくともシンチレータ18の発光ピーク波長(CsI:Tlの場合には、約565nm)に対して透過性を有する。
【0029】
光検出部17は、詳しくは後述するが、TFT基板42と、その表層に形成された画素部44とからなる。樹脂層20は、画素部44の表面に形成され、各柱状結晶31の先端部31aが埋入することにより、先端部31aの一部または全てを覆っている。樹脂層20は、先端部31aの埋入により凹凸構造が形成され、先端部31aが埋入されていない部分の厚みは、約μm〜10μm程度である。なお、先端部31aの頂部の高さにはある程度の分布が生じるため、樹脂層20の厚みは、この分布を吸収し、全ての先端部31aが埋まる程度の厚みであることが好ましい。
【0030】
本実施形態では、先端部31aを光検出部17から離間させているが、先端部31aを光検出部17に当接させてもよい。なお、先端部31aと樹脂層20との間に隙間が生じると、先端部31aと隙間との間で屈折率差が大きくなり、光の全反射が生じやすくなるため、隙間が生じないようにすることが好ましい。
【0031】
シンチレータ18の屈折率nは約1.8である。これに対して、樹脂層20の屈折率nはシンチレータ18の屈折率nより低く、例えば約1.5である。図4は、各層での平均的な屈折率(以下、平均屈折率と呼ぶ)の変化を示す。先端部31aの形状、及び先端部31aと樹脂層20との屈折率n,nの関係により、平均屈折率は連続的な変化を示す。この平均屈折率の変化により、先端部31aから画素部44へ入射する光の反射が防止され、画素部44への光入射効率が向上する。
【0032】
また、シンチレータ18の周囲は、保護フイルム32によって覆われている。保護フイルム32は、大気中の水分に対してバリア性を有する材料として、例えば熱CVD法、プラズマCVD法等の気相重合で得られる有機膜が用いられる。有機膜としては、ポリパラキシリレン製樹脂の熱CVD法によって形成された気相重合膜、または含フッ素化合物不飽和炭化水素モノマーのプラズマ重合膜不飽和炭化水素モノマーのプラズマ重合膜が用いられる。また有機膜と無機膜の積層構造を用いることもでき、無機膜の材料としては、例えば、窒化珪素(SiN)膜、酸化珪素(SiO)膜、酸窒化珪素(SiO)膜、Al等が好適である。
【0033】
次に、光検出部17とシンチレータ18との接合方法について説明する。図5(A)に示すように、光検出部17の表面上に、例えば、フェノール樹脂からなるゲル状の熱硬化性樹脂材を塗布することにより、樹脂層20を形成する。そして、樹脂層20が柱状結晶31の先端部31aの上に重ねられるように、樹脂層20をシンチレータ18の上に載置する。
【0034】
図5(B)に示すように、光検出部17の全域を均一な押圧力でシンチレータ18に押し付け、柱状結晶31の先端部31aを樹脂層20内に埋め込む。例えば、光検出部17と同程度の大きさを有する押圧板によって、光検出部17の全域を同時に押圧してもよいし、光検出部17上で転動される押圧ローラにより押圧してもよい。このとき、光検出部17の押圧力が強すぎると、柱状結晶31の先端部31aが破損してしまため、押圧力は適度な値とする。
【0035】
このように光検出部17をシンチレータ18に対して押圧した状態で、樹脂層20を加熱して熱硬化させる。この加熱温度は、使用する熱硬化性樹脂材によるが、例えば100〜150°C程度である。なお、このときシンチレータ18を過度に加熱しないことが好ましい。シンチレータ18を過度に加熱すると、CsI:Tlは熱膨張率が高い(50PPM程度)ため、常温に戻した際に樹脂層20との間に隙間が生じてしまう。
【0036】
次に、光検出部17について説明する。図6において、光検出部17は、薄膜トランジスタ(TFT)40及び蓄積容量41がマトリクス配列されたTFT基板42と、TFT40及び蓄積容量41に接続されるようにフォトダイオード(PD)からなる光電変換部43がマトリクス配列された画素部44とから構成されている。
【0037】
なお、本実施形態では、シンチレータ18の放射線入射側に光検出部17が配置されている。シンチレータと光検出部をこのような位置関係で配置する方式をISS(Irradiation Side Sampling)方式と称する。シンチレータは放射線入射側がより強く発光するので、シンチレータの放射線入射側に光検出部を配置するISS方式は、シンチレータの放射線入射側と反対側に光検出部を配置するPSS(Penetration Side Sampling)方式よりも光検出部とシンチレータの発光位置とが接近することから、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高い。また、ISS方式では、光検出部の受光量が増大することから、感度が向上する。
【0038】
光電変換部43は、下部電極43aと上部電極43bとの間に、シンチレータ18から放出された光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する光電変換膜43cが配置されて構成されている。下部電極43aは、シンチレータ18から放出された光を光電変換膜43cに入射させる必要があるため、少なくともシンチレータ18の発光波長に対して透明な導電性材料で構成することが好ましく、具体的には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物を用いることが好ましい。
【0039】
また、光電変換膜43cは、アモルファスシリコンからなり、シンチレータ18から放出された光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。光電変換膜43cとしてアモルファスシリコンを用いることにより、シンチレータ18から放出された光を広い波長域に亘って吸収するように構成することができる。
【0040】
また、光検出部17と天板13との間には接着層45が設けられており、光検出部17は接着層45によって天板13に貼り付けられている。
【0041】
図7において、光検出部17には、行方向に沿って延設され個々のTFT40をオンオフさせるための複数本のゲート配線46と、行方向と交差する列方向に沿って延設され、蓄積容量41(及び光電変換部43の下部電極43aと上部電極43bの間)に蓄積された電荷をオン状態のTFT40を介して読み出すための複数本のデータ配線47が設けられている。
【0042】
光検出部17のゲート配線46はゲート線ドライバ51に接続されており、データ配線47は信号処理部52に接続されている。被撮影者の体を透過した放射線(被撮影者の体の画像情報を担持した放射線)が電子カセッテ10に照射されると、シンチレータ18のうち照射面11上の各位置に対応する部分からは、前記各位置における放射線の照射量に応じた光量の光が放出され、光電変換部43では、シンチレータ18のうちの対応する部分から放出された光の光量に応じた量の電荷が発生され、この電荷が蓄積容量41(及び光電変換部43の下部電極43aと上部電極43bの間)に蓄積される。
【0043】
蓄積容量41に電荷が蓄積されると、TFT40は、ゲート線ドライバ51からゲート配線46を介して供給される信号により行単位で順にオンされる。オンされたTFT40に接続された蓄積容量41の電荷は、アナログの電気信号としてデータ配線47を伝送されて信号処理部52に入力される。このように、蓄積容量41に蓄積された電荷は行単位で順に読み出される。
【0044】
信号処理部52は、データ配線47ごとに設けられた増幅器及びサンプルホールド回路を備えている。データ配線47を伝送された電気信号は、増幅器で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D変換器が順に接続されている。サンプルホールド回路に保持された電気信号はマルチプレクサに順に入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。
【0045】
信号処理部52には画像メモリ54が接続されている。信号処理部52のA/D変換器から出力された画像データは、画像メモリ54に順に記憶される。画像メモリ54は複数フレーム分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ54に順次記憶される。
【0046】
画像メモリ54は電子カセッテ10全体の動作を制御するカセッテ制御部56と接続されている。カセッテ制御部56はマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPU56a、ROM及びRAMを含むメモリ56b、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部56cを備えている。
【0047】
また、カセッテ制御部56には無線通信部58が接続されている。無線通信部58は、IEEE802.11a/b/g/n等に代表される無線LAN規格に対応しており、無線通信による外部機器との間での各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部56は、無線通信部58を介してコンソール(図示せず)と無線通信が可能であり、コンソールとの間で各種情報の送受信を行う。
【0048】
次に、本実施形態の作用を説明する。電子カセッテ10を使用して放射線画像の撮影を行う場合、撮影者(例えば、放射線技師)は、被撮影者の撮影対象部位と基台(図示せず)との間に、照射面11側を上方へ向けた電子カセッテ10を挿入し、向きや位置等を調整する準備作業を行う。
【0049】
撮影者は、準備作業が完了すると、コンソールに設けられた操作パネルを操作して撮影開始を指示する。これにより、コンソールでは、曝射開始を指示する指示信号を放射線発生装置(図示せず)へ送信し、放射線発生装置は、放射線源(図示せず)から放射線を射出させる。放射線源から射出された放射線は、被撮影者の体を透過して電子カセッテ10の照射面11に照射され、天板13及び光検出部17を透過してシンチレータ18に照射される。シンチレータ18は、照射された放射線を吸収し、吸収した放射線量に応じた光量の光を射出する。
【0050】
柱状結晶31内で発生した光は、先端部31aから射出され、樹脂層20を介して画素部44に入射する。この先端部31aの形状は円錐状であり、その頂部の角度が鋭角であるため、光の全反射が生じにくく、光は効率よく射出される。また、図4に示したように、先端部31aと画素部44との間では、平均屈折率が連続的に変化しているため、画素部44での表面反射が少なく、画素部44に効率よく光が入射する。
【0051】
光検出部17は、画素部44に照射された光を画像として検出する。そして、光検出部17による検出結果は画像信号として読み出され、画像データに変換されてコンソールへ送信される。
【0052】
上記実施形態では、柱状結晶31の先端部31aが樹脂層20に埋入しているため、電子カセッテ10に加わる荷重や、電子カセッテ10が落下した際の衝撃から先端部31aが保護されるとともに、先端部31aの位置ずれが防止される。先端部31aの位置ずれが生じた場合には、シンチレータ18の欠陥位置がずれてしまうため、欠陥補正において不都合が生じてしまう。
【0053】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。上記実施形態では、樹脂層20を光検出部17の画素部44の表面に形成しているが、図8に示すように、画素部44の表面に平坦化層60を形成し、この平坦化層60上に樹脂層20を形成してもよい。平坦化層60は、窒化珪素(SiN)、酸化珪素(SiO)、酸窒化珪素(SiO)等の常温で変形しない無機材料により形成する。このように平坦化層60を設けることにより、柱状結晶31の先端部31aで画素部44が損傷することが防止される。
【0054】
また、平坦化層60の周縁部に解体性接着剤61を設け、この解体性接着剤61を介して樹脂層20を形成する。解体性接着剤61として、例えば、紫外線により解体する(接着性が低下する)接着剤を用いる。光検出部17やシンチレータ18が損傷し、いずれかを交換する必要が生じた場合には、樹脂層20等を介して解体性接着剤61に紫外線を照射することで、容易に交換することができる。なお、樹脂層20には柱状結晶31の先端部31aにより凹凸が形成されているため、シンチレータ18を交換する場合には、樹脂層20の交換も行うことが好ましい。解体性接着剤61により樹脂層20の交換も容易に行うことができる。
【0055】
また、上記実施形態では、柱状結晶31の先端部31aの形状によりシンチレータ18と画素部44との間の平均屈折率を連続的に変化させているが、図9に示すように、画素部44の表面に光反射防止のための凹凸部70を形成してもよい。凹凸部70は、シンチレータ18に向かって突出した錐形状の凸部71を備え、凸部71は樹脂層20に埋入される。凹凸部70は、窒化珪素(SiN)、酸化珪素(SiO)、酸窒化珪素(SiO)等の常温で変形しない無機材料を微細加工することにより形成される。この構成により、平均屈折率は、より連続的に変化し、画素部44への光入射効率がさらに向上する。
【0056】
同図では、柱状結晶31の先端部31aに対応するように凸部71を記載しているが、凸部71を先端部31aに対応して設ける必要はない。光の反射防止性を向上させるためには、凸部71の配列ピッチは、シンチレータ18の発光ピーク波長より小さいことが好ましい。
【0057】
また、上記実施形態では、光電変換部43の光電変換膜43cをアモルファスシリコンによって構成しているが、光電変換膜43cを、有機光電変換材料を含む材料で構成してもよい。この場合には、主に可視光域で高い吸収を示す吸収スペクトルが得られ、光電変換膜43cではシンチレータ18から放出された光以外の電磁波の吸収が殆ど無くなる。これにより、X線やγ線等の放射線が光電変換膜43cで吸収されることで発生するノイズが抑制される。
【0058】
また、有機光電変換材料からなる光電変換膜43cは、インクジェットヘッド等の液滴吐出ヘッドを用いて有機光電変換材料をTFT基板42上に付着させることで形成することができ、TFT基板42の耐熱性は要求されない。このため、ガラス以外の材質からなるTFT基板を用いることもできる。
【0059】
光電変換膜43cを有機光電変換材料で構成した場合、光電変換膜43cで放射線が殆ど吸収されないので、ISS方式において、光検出部17を透過することによる放射線の減衰が抑制される。従って、光電変換膜43cを有機光電変換材料で構成することは、特にISS方式に好適である。
【0060】
光電変換膜43cを構成する有機光電変換材料は、シンチレータ18から放出された光を最も効率良く吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ18の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ18の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ18から放出された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ18の発光ピーク波長との差が10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
【0061】
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、キナクリドン系有機化合物やフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。キナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ18の材料としてCsI:Tlを用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能であり、光電変換膜43cで発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
【0062】
放射線検出装置に適用可能な光電変換膜43cについて具体的に説明する。放射線検出装置における電磁波吸収/光電変換部は、電極43a,43bと、該電極43a,43bに挟まれた光電変換膜43cを含む有機層である。この有機層は、より具体的には、電磁波吸収部、光電変換部、電子輸送部、正孔輸送部、電子ブロッキング部、正孔ブロッキング部、結晶化防止部、電極、及び、層間接触改良部等を積み重ねるか、若しくは混合することで形成される。
【0063】
上記有機層は、有機p型化合物または有機n型化合物を含有することが好ましい。有機p型化合物は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体であり、電子を供与しやすい性質を有する。さらに詳しくは、有機p型化合物は、2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物である。ドナー性有機半導体としては、電子供与性を有するものであれば如何なる有機化合物も使用可能である。有機n型化合物は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体であり、電子を受容し易い性質を有する。さらに詳しくは、有機n型化合物は、2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物である。アクセプター性有機半導体としては、電子受容性を有するものであれば如何なる有機化合物も使用可能である。
【0064】
有機p型化合物及び有機n型化合物として適用可能な材料や、光電変換膜43cの構成については、特開2009−32854号公報において詳細に記載されているため説明を省略する。
【0065】
また、光電変換部43は、少なくとも電極対43a,43bと光電変換膜43cとを含んでいればよいが、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜及び正孔ブロッキング膜の少なくとも何れかを設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。
【0066】
電子ブロッキング膜は、上部電極43bと光電変換膜43cとの間に設けられる。上部電極43bと下部電極43aとの間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極43bから光電変換膜43cに電子が注入されて暗電流が増加することを抑制する。電子ブロッキング膜には電子供与性有機材料が用いられる。電子ブロッキング膜に用いる材料は、隣接する電極の材料や、隣接する光電変換膜43cの材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上電子親和力(Ea)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜43cの材料のイオン化ポテンシャル(Ip)と同等のIp、若しくはそれより小さいIpを有するものが好ましい。この電子供与性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に記載されているため説明を省略する。
【0067】
電子ブロッキング膜の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させると共に、光電変換部43の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
【0068】
正孔ブロッキング膜は、光電変換膜43cと下部電極43aとの間に設けられる。上部電極43bと下部電極43aとの間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極43aから光電変換膜43cに正孔が注入されて暗電流が増加することを抑制する。正孔ブロッキング膜には電子受容性有機材料が用いられる。正孔ブロッキング膜に用いる材料は、隣接する電極の材料、及び隣接する光電変換膜43cの材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上イオン化ポテンシャル(Ip)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜43cの材料の電子親和力(Ea)と同等のEa、若しくはそれより大きいEaを有するものが好ましい。この電子受容性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に記載されているため説明を省略する。
【0069】
正孔ブロッキング膜の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させると共に、光電変換部43の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
【0070】
なお、光電変換膜43cで発生した電荷のうち、正孔が下部電極43aに移動し、電子が上部電極43bに移動するようにバイアス電圧を設定する場合には、電子ブロッキング膜と正孔ブロッキング膜の位置を逆にすればよい。また、電子ブロッキング膜と正孔ブロッキング膜は両方設けることは必須ではなく、何れかを設ければ、ある程度の暗電流抑制効果が得られる。
【0071】
また、TFT40の活性層を形成可能な非晶質酸化物としては、In、Ga及びZnのうちの少なくとも1つを含む酸化物(例えば、In−O系)が好ましく、In、Ga及びZnのうちの少なくとも2つを含む酸化物(例えば、In−Zn−O系、In−Ga−O系、Ga−Zn−O系)がより好ましく、In、Ga及びZnを含む酸化物が特に好ましい。In−Ga−Zn−O系非晶質酸化物としては、結晶状態における組成がInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物が好ましく、特に、InGaZnOがより好ましい。なお、活性層を形成可能な非晶質酸化物はこれらに限定されるものではない。
【0072】
また、活性層を形成可能な有機半導体材料としては、フタロシアニン化合物や、ペンタセン、バナジルフタロシアニン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、フタロシアニン化合物の構成については、特開2009−212389号公報で詳細に記載されているため説明を省略する。
【0073】
TFT40の活性層を非晶質酸化物や有機半導体材料、カーボンナノチューブ等のうちの何れかによって形成すれば、X線等の放射線を吸収せず、或いは吸収したとしても極めて微量に留まるため、ノイズの発生を効果的に抑制することができる。
【0074】
また、活性層をカーボンナノチューブで形成した場合、TFT40のスイッチング速度を高速化することができ、また、TFT40における可視光域の光の吸収度合いを低下させることができる。なお、活性層をカーボンナノチューブで形成する場合、活性層にごく微量の金属性不純物が混入しただけでTFT40の性能が著しく低下するため、遠心分離等により非常に純度の高いカーボンナノチューブを分離・抽出して活性層の形成に用いる必要がある。
【0075】
また、TFT基板42は、光透過性を有し且つ放射線の吸収が少ないものであればよい。ここで、TFT40の活性層を構成する非晶質酸化物や、光電変換部43の光電変換膜43cを構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。従って、TFT基板42としては、半導体基板、石英基板、及びガラス基板等の耐熱性の高い基板に限定されず、合成樹脂製の可撓性基板、アラミド、バイオナノファイバを用いることもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の可撓性基板を用いることができる。このような合成樹脂製の可撓性基板を用いれば、軽量化を図ることもでき、例えば持ち運び等に有利となる。なお、TFT基板42には、絶縁性を確保するための絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、平坦性あるいは電極等との密着性を向上するためのアンダーコート層等を設けてもよい。
【0076】
なお、アラミドには200度以上の高温プロセスを適用できるため、透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化でき、また、ハンダのリフロー工程を含むドライバICの自動実装にも対応できる。アラミドは、ITO(Indium Tin Oxide)やガラス基板と熱膨張係数が近いため、製造後の反りが少なく、割れにくい。また、アラミドは、ガラス基板等と比べて基板を薄型化できる。超薄型ガラス基板とアラミドを積層してTFT基板42を形成してもよい。
【0077】
また、バイオナノファイバは、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束(バクテリアセルロース)と透明樹脂とを複合したものである。セルロースミクロフィブリル束は、幅50nmと可視光波長に対して1/10のサイズで、かつ、高強度、高弾性、低熱膨である。バクテリアセルロースにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を60〜70%も含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示すバイオナノファイバが得られる。バイオナノファイバは、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(3〜7ppm)を有し、鋼鉄並の強度(460MPa)、高弾性(30GPa)で、かつフレキシブルであることから、ガラス基板等と比べて薄型化できる。
【0078】
TFT基板42としてガラス基板を用いた場合、光検出部17全体としての厚みは、0.7mm程度になるが、TFT基板42として光透過性を有する合成樹脂からなる薄型の基板を用いることにより、光検出部17全体としての厚みを、0.1mm程度に薄型化できると共に、光検出部17に可撓性をもたせることができる。光検出部17に可撓性をもたせることで、電子カセッテ10の耐衝撃性が向上し、電子カセッテ10に衝撃が加わった場合にも破損し難くなる。また、TFT基板42を、プラスチック樹脂や、アラミド、バイオナノファイバ等の放射線吸収が少ない材料で形成することにより、ISS方式において感度の低下を抑えることができる。
【0079】
上記実施形態では、ISS方式の放射線検出装置を例に説明したが、本発明は、PSS方式の放射線検出装置にも適用可能である。また、放射線検出装置として電子カセッテを例示したが、立位型や臥位型の放射線検出装置、マンモグラフィ装置等にも適用可能である。その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0080】
10 電子カセッテ
17 光検出部
18 シンチレータ
20 樹脂層
30 非柱状結晶
31 柱状結晶
31a 先端部
42 TFT基板
44 画素部
60 平坦化層
61 解体性接着剤
70 凹凸部
71 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立設された複数の柱状結晶を有し、放射線の入射により光を発生して前記柱状結晶の先端部から射出するシンチレータと、
前記柱状結晶の先端部に対向するよう配置され、前記先端部から射出された光を検出する光検出部と、
前記シンチレータと前記光検出部との間に配置され、前記各柱状結晶の先端部による押圧により凹凸構造が形成された樹脂層と、
を備えたことを特徴とする放射線検出装置。
【請求項2】
前記樹脂層は、熱硬化性樹脂材からなることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項3】
前記樹脂層は、前記シンチレータの発光ピーク波長の光を透過させることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線検出装置。
【請求項4】
前記樹脂層は、前記シンチレータより屈折率が低いことを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項5】
前記柱状結晶の先端部は、錐状であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項6】
前記複数の柱状結晶は、空隙を介して互いに離間していることを特徴とする請求項1から5いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項7】
前記シンチレータには、前記光検出部を透過した放射線が入射することを特徴とする請求項1から6いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項8】
前記シンチレータは、ヨウ化セシウムからなることを特徴とする請求項1から7いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項9】
前記光検出部は、基板と、この基板上に形成された画素部とからなり、この画素部の表面に前記樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1から8いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項10】
前記光検出部は、基板と、この基板上に形成された画素部とからなり、この画素部の表面に平坦化層が形成され、この平坦化層の表面に前記樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1から8いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項11】
前記平坦化層と前記樹脂層との間で、かつ前記平坦化層の周縁部に、解体性接着剤を設けたことを特徴とする請求項10に記載の放射線検出装置。
【請求項12】
前記解体性接着剤は、紫外線により接着性が低下する接着剤からなることを特徴とする請求項11に記載の放射線検出装置。
【請求項13】
前記光検出部は、基板と、この基板上に形成された画素部とからなり、この画素部の表面に、前記シンチレータに向かって突出した複数の凸部を有する凹凸部が形成され、この凹凸部が埋入するように前記樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1から12いずれか1項に記載の放射線検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−242355(P2012−242355A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115881(P2011−115881)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】