説明

放射線治療装置のジオメトリを監視するシステム、追跡可能アセンブリ、プログラム製品及び関連方法

治療装置31のジオメトリを監視するシステム30、装置51、追跡可能アセンブリ43、プログラム製品81及び方法が提供される。システム30は、放射線発射器33を有する治療装置31と、コントローラ39によって制御された回転アセンブリ35と、コントローラ39に治療送達命令を提供するアプリケーション・コンピュータ41とを含む。システム30はさらに、回転アセンブリ35に接続された追跡可能アセンブリ43であって、基準固定物として機能する固定して接続された第1の追跡可能体45を有する追跡可能アセンブリ43と、回転アセンブリ35の回転角を決定するのに使用されるデータを提供する、枢動可能に接続された第2の追跡可能体49とを含むことができる。システム30はさらに、追跡可能体を追跡する装置51を含み、装置51は、第1及び第2の追跡可能体45、49によって担持されたインジケータ47の位置を検出する追跡可能体検出器53と、アイソセンタ座標系の原点57の位置を決定、検証し、回転アセンブリ35についての回転経路データを決定する決定器55とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年3月23日に出願された米国特許仮出願第60/664,513号の優先権及び恩典を主張する、2006年3月10日に出願された米国特許非仮出願第11/374,572号に関する。これらの出願はその全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
本発明は患者の治療に関する。より詳細には、本発明は、治療計画の送達中に使用される座標系の原点及び方向を検証するために放射線治療装置のジオメトリを監視するシステム、追跡可能アセンブリ、プログラム製品及び関連方法に関する。
【背景技術】
【0003】
放射線治療は、いくつかのタイプの癌性腫瘍、病変又はその他の「標的」の治療に有効である。腫瘍又は病変体積に十分な放射線量が送達される場合、このような標的の大多数は完全に根絶することができる。しかし、この必要な有効放射線量の使用の結果、標的を取り囲む健康な組織、又は標的の近くに位置する他の健康な体器官の損傷によって、合併症を発症する可能性がある。原体照射治療などのさまざまな放射線手法の目標は、送達される放射線量を、標的の外表面によって画定される標的体積だけに限定し、周囲の健康な組織又は隣接する健康な器官への放射線量を最小限に抑えることである。患者の体内の適当な位置に有効放射線量が送達されない場合、深刻な合併症が引き起こされる可能性がある。
【0004】
放射線治療は一般に、直線加速器、その他の放射線発生源などの放射線送達装置又はデバイスを使用して、標的を治療する。例えば、従来の直線加速器は、一般に水平軸線回りに回転する回転ガントリを含み、回転ガントリは、患者の近くに配置することができ、治療すべき標的に向かって放射線ビームを導くことができる放射線ビーム源を有する。直線加速器はさらに、一般に垂直軸線回りに回転し、回転ガントリの回転面内に標的を位置させることができる回転治療台を含むことができる。さらに、様々なタイプの装置が、放射線ビーム源の回転中に直線加速器からの放射線治療ビームが患者の体を通過して標的に入るときに、その放射線治療ビームから見た標的の空間的輪郭に従うように、放射線治療ビームの形状を成形することができる。複数のリーフ又はフィンガ突起を有するマルチリーフ・コリメータは、放射線ビームを成形するために放射線ビームの経路の内側及び外側に個別に移動するようにプログラムすることができる。
【0005】
様々なタイプの放射線治療計画システムが、実現されたときに、標的体積に一致するように成形された指定された量の放射線を送達し、同時に周囲の敏感な健康な組織或いは隣接する健康な器官又は構造に送達される放射線量を制限する放射線治療計画を作成することができる。一般に、患者は、コンピュータ連動断層撮影(「CT」)スキャニング、磁気共鳴(「MR」)画像化又は従来のシミュレーション・フィルムの使用による診断的研究に基づいて用意された放射線治療計画を有する。シミュレーション・フィルムは、患者、したがって放射線治療中に使用される位置にある患者の腫瘍又は病変を撮影した単純X線写真である。
【0006】
放射線治療計画を作成する診断的研究の時点でどの放射線発生装置又は技法が使用されるかにかかわらず、原体照射治療又は静的放射線治療などの送達においては、放射線送達装置に対する標的の位置が非常に重要である。放射線治療の成否は、標的上の適当な位置に放射線ビームを正確に置くことができるかどうかにかかっている。したがって、診断的研究の時点における標的の位置を、放射線治療の時点で標的がどのように位置されるかに関係づけることが必要になる。放射線治療の送達の全体を通じて放射線送達装置と標的の間の整合を維持することも必要である。この位置関係が正確でない場合、患者の体内の正確な位置に放射線量が送達されない可能性があり、ことによると、標的腫瘍又は病変の治療が不十分に終わり、健康な周囲の組織及び器官に損傷を与える可能性もある。
【0007】
放射線ビームを治療対象患者と適当に並置させることは、放射線ビームと患者位置の両方を、放射線送達装置のジオメトリによって定義されるアイソセンタ座標系と呼ばれる座標系に関係づけることによって、達成することができる。この直線加速器の例では、ガントリ、治療台及びコリメータがそれぞれ、治療室の中央のアイソセンタと呼ばれる特定の位置で交差するように設計された回転軸線を有し、アイソセンタは治療室の座標系の原点であり、この座標系は、対応してアイソセンタ座標系と呼ばれる。アイソセンタ座標系は名目上、水平(x軸)、垂直(z軸)、及びガントリ回転軸線と共線(y軸)として定義される。これらの3軸のアイソセンタは、治療計画作成中及び後続の放射線送達中に標的を放射線治療計画に適合させる基準「点」として決定され、使用される。
【0008】
放射線計画に基づく放射線治療を送達するため、直線加速器のアイソセンタに標的を配置するように患者の位置が調整される。患者は一般に、治療計画の処方中に使用される位置に一致するよう、放射線送達装置の治療台上に位置される。放射線治療計画に従って、治療台をさらに回転させ、次いで、標的をアイソセンタのところに配置し、標的の視野を、コリメータ又は直線加速器の他の放射線送達装置によって予想される視野と一致させる。治療台は次いでその場にロックされ、射線治療を始めることができるように患者は固定される。
【0009】
さらに、この直線加速器の例では、ガントリ回転のアイソセンタは、放射線ビーム源を担持した直線加速器のガントリが患者の標的回りに回転するときにコリメータからの放射線ビームが交差する点である。このアイソセンタの位置を決定する様々な方法がある。例えば、ガントリ回転のアイソセンタを決定する1つの方法は、マーキング用具を保持した長い棒などのマーキング・デバイスをガントリに取り付け、垂直に向けられた紙などの受取り材料シートを、このマーキング・デバイスに隣接して配置することを含む。次いでガントリを回転して、受取り材料上に弧又は円を形成する。操作者は次いで、この弧又は円を調べて、アイソセンタに関係する円の原点を決定することができる。さらに例えば、操作者は、ガントリの回転中に放射線ビームの方向を測定するために、実際に放射線ビームを発射することができる。操作者がアイソセンタのおおよその位置を決定するのを助けるため、他の物理測定を実施することもできる。例えば、参照によって援用されるScherch他の「System for Analyzing the Geometry of a Radiation Treatment Apparatus,Software and Related Methods」という名称の同時係属の米国特許出願第11/005,643号には、操作者によって使用されるアイソセンタ座標系を正確に画定するために、放射線ビームの位置及び患者の位置決めを決定する、放射線治療装置又はデバイスの機械系の様々な構成要素の回転を測定することができるシステム、装置、ソフトウェア及び方法が記載されている。
【0010】
アイソセンタの決定に使用される方法にかかわらず、アイソセンタ座標系が決定された後に、放射線ビームの配置及び患者位置決めをアイソセンタに関係づけることができる。次いで、アイソセンタの位置を識別するために、一般に治療室の壁に取り付けられた複数のレーザが、アイソセンタで交差するように向けられ又は指向される。
【0011】
しかし、本発明の出願人らは、アイソセンタを決定する上記の方法は一般に、放射線治療の実際の送達中のガントリの連続的な劣化を考慮していないことを認識した。さらに、放射線治療の進行中は、アイソセンタ座標系の位置を操作者に示す既存のシステム、即ち上述のレーザ、にアクセスすることができない。したがって、多くのシステムは、放射線送達中にアイソセンタ座標系を確実に示す較正された追跡システムの正確さに依存しなければならない。しかし、これらのシステムは、その較正された位置の意図しない変化に弱いことも認識された。
【0012】
具体的には、光学追跡システムの「カメラ」は構造上、一般に、ガントリから遠く離れており、壁又は天井のマウントに固定して接続されている。カメラのこの「リジッド取付け部分」は、アイソセンタに対して、実際に変動する可能性がある。カメラ取付け部分のわずかな動きでさえも、取付け部分とアイソセンタとの間の大きな距離によって、光学追跡システムの正確さに対して重大な影響を及ぼすことができ、したがって、光学追跡システムは、このような変化が生じたかどうかを判定するために、「朝」の特定の動作前品質保証調査を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の出願人らは、放射線ビームを治療対象患者と正確に並置させるために放射線ビーム及び患者位置を関係づける追跡システム又はデバイスによって使用される座標系の原点及び方向を連続的に検証するために、治療中の治療装置又はデバイスのジオメトリを連続的に監視するシステム、アセンブリ、プログラム製品及び関連方法が必要であることを認識した。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上のことを考慮して、本発明の実施例は、少なくとも1つの回転アセンブリを有する装置のジオメトリを監視することに関係したシステム、追跡可能アセンブリ、プログラム製品及び方法を有利に提供する。本発明の実施例は、患者治療送達中に放射線ビーム及び患者の位置決めを関係づける目的に使用される座標系の原点及び方向を検証するために、放射線治療装置又は放射線発生装置のジオメトリを監視することに関係したシステム、追跡可能アセンブリ、プログラム製品及び方法を有利に提供する。有利には、本発明の実施例は、放射線ビーム及び患者の位置決めを関係づける目的に使用されるアイソセンタ座標系の原点(アイソセンタ)及び方向を連続的に検証するために、放射線送達中に治療装置の機械系の様々な回転アセンブリの回転を監視することもできるシステム、追跡可能アセンブリ、プログラム製品及び方法を含む。治療計画をより正確に適用することができるように、この情報を使用して、操作者によって使用されるアイソセンタ座標系に対してその治療計画を較正することができる。有利には、本発明の実施例はさらに、回転ガントリ・アセンブリなどの治療装置の回転アセンブリの最大回転弧又は回転経路に沿った位置の空間内の3次元点を測定することができる、追跡可能アセンブリを含むシステム、プログラム製品及び方法を提供する。これらの測定を使用して、計画された放射線治療を、その正確さ及び効率が向上するように適合させることができる。有利には、放射線送達中に通常なら見過ごされ又は誤って解釈されるかもしれない放射線治療装置の機械系の欠陥を解析し、それらを指摘することができる。
【0015】
一般に、本発明の実施例は、放射線発射器と、コントローラによって制御された少なくとも1つの回転アセンブリと、治療送達命令をコントローラに提供するアプリケーション・コンピュータとを有する、一般に直線加速器の形態の治療装置を含むシステムを提供する。このシステムはさらに、回転アセンブリに接続された追跡可能アセンブリを含む。この追跡可能アセンブリは、基準固定物として機能する固定して接続された第1の追跡可能体を含み、この第1の追跡可能体は、自体の上に置かれた複数のインジケータを有する。この追跡可能アセンブリは、回転アセンブリの回転角を決定するのに使用されるデータを提供する枢動可能に接続された第2の追跡可能体を含むことができ、この第2の追跡可能体も自体の上に置かれた複数のインジケータを有する。このシステムはさらに、追跡可能体を追跡する、以後「追跡可能体追跡装置」と呼ぶ装置を含み、この装置は、インジケータの位置を検出するために提供された追跡可能体検出器と、それによって療法士によって使用されるアイソセンタ座標系のアイソセンタと呼ばれる座標システムの原点の位置及び方向を決定し、それによって回転アセンブリについての回転経路データを決定するために、追跡可能体検出器と通信して第1及び第2の追跡可能体の位置及び方向を決定する決定器とを含む。
【0016】
より具体的には、本発明の一実施例では、このシステムが、患者の体内の標的に放射線を送達する、好ましくは放射線治療装置の形態の装置を含む。メモリと、このメモリに記憶された治療計画とを有するアプリケーション・コンピュータが、治療送達命令を治療装置に提供する。この治療装置は、ビーム軸線を有する放射線ビームを発射するように配置された放射線発射器と、患者への放射線ビームの送達を制御するコントローラと、異なる平面内の回転経路及び回転軸線を有し、コントローラからの信号に従って患者の標的に放射線ビームを向けるように機能する回転アセンブリとを有する。回転アセンブリの回転軸線は一般に、治療装置のアイソセンタ座標系のアイソセンタ、すなわち、原点を定義する3次元座標のところでビーム軸線と交差する。
【0017】
このシステムは、好ましくは光学的な追跡可能体検出器又はカメラ・サブシステムと決定器とを含む追跡可能体追跡装置を含む。この追跡可能体検出器は、治療装置及び追跡可能アセンブリから間隔を置いて配置された検出器本体を含む。追跡可能アセンブリは、追跡可能体検出器によって見られ/検出されるように位置される。この追跡可能アセンブリは、回転アセンブリの回転経路に沿った、アイソセンタの3次元座標位置の予め決められた3次元座標系定義に対する予め決められたオフセット位置にある、回転アセンブリの予め選択された部分に固定して接続された第1の追跡可能体を含む。この第1の追跡可能体は、間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータを有し、複数のインジケータのそれぞれのインジケータの別個の3次元座標位置を追跡可能体検出器に示すために、これらの複数の別個のインジケータはそれぞれ、第1の追跡可能体上の予め選択された別個の位置に接続されている。それに対応して、追跡可能体検出器は、エネルギーを受け取り、それによって3次元位置を検出し、追跡可能アセンブリのインジケータの3次元座標位置を示す複数の位置信号を生成するように位置された受信器を有する。これらのインジケータは例えば、180度を超える反射視野を有利に提供し、能動インジケータに関連した内在する配線の必要性を低下させる逆反射球などの受動インジケータの形態をとることが好ましい。このような構成では、追跡可能体検出器がさらに、インジケータにエネルギーを供給する放射器を含む。
【0018】
追跡可能体検出器と通信し、追跡可能体検出器によって生成された複数の位置信号に応答する決定器は、第1の追跡可能体の予め決められた又は予め選択された追跡可能体基準座標系(即ち位置及び方向)と、予め決められたアイソセンタ座標系(即ちアイソセンタの物理3次元座標位置及びアイソセンタ座標系の方向)との間の変換(大きさ、方向及び回転)を提供し又は示すことができる決定器のメモリに記憶された予め決められた変換マトリックスを使用することによって、(追跡可能体検出器/カメラ空間における)アイソセンタの3次元座標位置及び/又はアイソセンタ座標系の方向を、第1の追跡可能体に関して決定することができる。追跡可能体検出器は第1の追跡可能体を検出することができ、決定器は、追跡可能体検出器座標系と第1の追跡可能体座標系との間の別個の変換マトリックスを決定することができる。変換マトリックスのチェーンを有することにより、決定器はしたがって、アイソセンタの3次元座標系定義を検出器/カメラ空間に変換することができる。追跡可能体検出器/カメラ空間におけるアイソセンタの3次元座標系定義の決定は一般に、アイソセンタの物理3次元座標位置の空間内における位置及び方向に対して追跡可能体追跡装置を較正することを指すことに留意されたい。
【0019】
本発明の一実施例では、決定器がさらに、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良(後述)が存在するときに、それを検出又は判定することができる。この実施例では、追跡可能体検出器が、固定して取り付けられ、寸澤地、不動化され、基準固定物として機能することができる。追跡可能体検出器には、追跡可能体検出器との間に固定された関係を有し、追跡可能体検出器オフセット位置を定義する追跡可能体追跡装置座標系が割り当てられる。起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を検出又は判定するため、決定器は、追跡可能体検出器基準座標系と予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換を提供又は示す、決定器のメモリに記憶された予め決められた変換マトリックスを使用することによって、アイソセンタの3次元座標系定義を、第1の追跡可能体に関してではなく、追跡可能体検出器に関して決定することができる。次いで、これらの別々に決定されたアイソセンタの3次元座標系定義を比較することができ、これにより、実質的な差は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す。
【0020】
起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を検出又は判定する代替法として、本発明の一実施例では、決定器が、回転アセンブリの回転経路に沿ってサンプリングされた複数の第1の3次元座標追跡可能体位置を決定することができる。これらの決定された位置は、決定器のメモリに記憶された回転アセンブリの予め決められた回転経路と比較することができるその時点の回転経路データを提供する。起こりうるアイソセンタ座標系定義不良は、これらの決定された複数の第1の追跡可能体位置のいずれかが、回転アセンブリの予め決められた回転経路と実質的に一致した位置から実質的に逸脱している場合に示される。
【0021】
回転アセンブリに接続されている第1の追跡可能体は本来、一般に、上述の構成では可変である第1の追跡可能体方向に対して向きが定められた座標系軸を有するアイソセンタ座標系に対する基準を生み出すためにしか使用することができない。したがって、本発明の一実施例では、追跡可能アセンブリがさらに、第1の追跡可能体に関して決定されたアイソセンタ座標系の相対的な方向を決定又は補正するために利用することができる第2の追跡可能体を有利に含むことができる。第2の追跡可能体は一般に、回転アセンブリが最初の基準位置から回転したときに必要となる。このために、第2の追跡可能体は、(平らであることが好ましい)第1の追跡可能体に枢動可能に接続され、又は第1の追跡可能体に隣接して枢動可能に接続された近位体端部と、自由に動く遠位体端部と、近位体端部及び遠位体端部に接続され、近位体端部と遠位体端部の間に延びる中間体部分とを有する。中間体部分は、間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータを有し、これらの複数の別個のインジケータはそれぞれ、やはりそれぞれのインジケータの3次元座標位置を追跡可能体検出器に示すために、第2の追跡可能体の予め選択された別個の位置に接続される。好ましくは、この近位/遠位端構成が、第2の追跡可能体が、重力に応答して、決定器が基準方向として使用することができる一定の方向を維持することを可能にする振り子型の動作を提供する。この基準方向は、決定器が、追跡可能アセンブリを担持した回転アセンブリが回転したときに存在する回転誤差に起因する第1の追跡可能体に関して決定されたアイソセンタ座標系の方向を補正することを可能にする。
【0022】
アイソセンタ座標系の方向を決定するため、決定器は最初に、第1及び第2の追跡可能体方向をそれぞれ決定する。決定器は次いで、最初の基準位置から回転した回転アセンブリの回転位置に関係した第1の追跡可能体の回転角を決定することができる。これは、第1の追跡可能体方向と第2の追跡可能体方向との間の角度差を決定することによって達成することができる。アイソセンタ座標系の正確な方向は、第1の追跡可能体から決定されたアイソセンタ座標系の基準方向を、第1の追跡可能体方向と第2の追跡可能体方向との間の角度差に関係した量だけ概念的に回転させることによって決定することができる。したがって、予め決められた同じ変換マトリックスを使用して、アイソセンタ座標系の正確な基準方向(及び位置)が、追跡可能アセンブリが接続された回転ガントリ・アセンブリの回転によって変化しうる第1の追跡可能体の回転方向とは無関係に有利に提供される。
【0023】
決定器の機能は、ハードウェア及び/又はソフトウェア/プログラム製品の中に実現することができる。しかし、本発明の好ましい実施例では、決定器の機能がほぼ完全に、決定器のメモリに事前にロードされた、又は別個の記憶媒体上に含まれるソフトウェア/プログラム製品の中に実現される。それに対応して、このシステムはさらに、治療装置ジオメトリを解析するジオメトリ解析プログラム製品などのプログラム製品を含むことができる。このジオメトリ解析プログラム製品は、第1の追跡可能体に接続された間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータの別個の3次元座標位置を示す、追跡可能体検出器によって生成された複数の位置信号を受け取り、これらの位置信号に応答するように適合された追跡可能体位置決定器を含む。この追跡可能体位置決定器は、第1の追跡可能体の3次元座標追跡可能体位置を決定する。アイソセンタ位置決定器は、第1の追跡可能体の決定された3次元座標位置と、予め決められた第1の追跡可能体基準座標系と治療装置の予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換を示す第1の予め決められた変換マトリックスとに応答して、アイソセンタの第1の3次元座標位置を決定する。
【0024】
前述の第2の追跡可能体を有する本発明の一実施例では、アイソセンタ座標系の方向も決定することができる。追跡可能体方向決定器は、追跡可能体検出器によって生成された複数の位置信号に応答して、第1の追跡可能体の第1の追跡可能体方向及び第2の追跡可能体の第2の追跡可能体方向を決定することができる。次いで、アイソセンタ方向決定器は、第1及び第2の追跡可能体方向に応答して、第1の追跡可能体方向と第2の追跡可能体方向との間の角度差を決定することができる。この角度差は、アイソセンタ座標系の3次元方向を決定するために利用される回転アセンブリの回転角を示す。したがって、有利には、このジオメトリ解析プログラム製品は、アイソセンタの位置とアイソセンタ座標系の方向の両方を、予め決められた同じ変換マトリックスを使用して、回転アセンブリの回転角とは独立に決定することを提供する。
【0025】
ジオメトリ解析プログラム製品はさらに、回転アセンブリのジオメトリの逸脱が存在するときに、追跡可能体位置決定器又はアイソセンタ位置或いはその両方に応答してその逸脱を検出する逸脱検出器を含む。このような逸脱は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す。これに対応して、逸脱応答器は、逸脱の検出に応答して、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良の存在を知らせる信号を送ることによって、治療計画の適用中にこのような逸脱に応答することができる。
【0026】
より具体的には、本発明の一実施例では、アイソセンタ位置決定器が、追跡可能体検出器に対する追跡可能体検出器基準座標系と治療装置の予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換を示す第2の予め決められた変換マトリックスを使用することによって、アイソセンタの第2の3次元座標位置を、固定された追跡可能体検出器オフセット位置に関して決定することができる。基準オフセット位置を含むこの追跡可能体検出器基準座標系は、追跡可能体検出器の本体の一部分に割り当てられることが好ましいが、その代わりに、固定して取り付けられた別個の固定物に割り当てられることもできる。この実施例では、逸脱検出器が、アイソセンタの決定された第1及び第2の3次元座標位置に応答して、アイソセンタの第1の3次元座標位置と第2の3次元座標位置とを比較するアイソセンタ比較器を含む。アイソセンタの決定された第1の3次元座標位置と決定された第2の3次元座標位置との間の実質的な差は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す。アイソセンタ比較器はさらに、アイソセンタ座標系の決定された第1及び第2の方向に応答して、アイソセンタ座標系の第1の方向と第2の方向とを比較することができる。それに対応して、アイソセンタ座標系の決定された第1の方向と決定された第2の方向との間の実質的な差も、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すことができる。
【0027】
本発明の代替実施例では、追跡可能体位置決定器が、回転アセンブリの回転経路に沿って位置する複数の第1の追跡可能体位置を決定する。この実施例では、逸脱検出器が、決定された複数の3次元座標追跡可能体位置及び回転アセンブリの予め決められた回転経路に応答して、決定された複数の第1の追跡可能体位置のいずれかが、回転アセンブリの予め決められた回転経路と実質的に一致した位置から実質的に逸脱しているかどうかを判定する回転経路比較器を含む。このような逸脱も、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すことができる。
【0028】
本発明の実施例はさらに、1つ又は複数の回転アセンブリを有する例えば患者治療装置などの装置のジオメトリを監視するコンピュータが読むことができるコンピュータ可読媒体を含む。有利には、この監視を、装置の試験中に、又は患者治療送達中に治療送達を中断する必要なしに「即座に」実施することができる。例えば、本発明の一実施例では、コンピュータ可読媒体が、コンピュータによって実行されたときに、追跡可能体検出器によって生成された複数の位置信号を受け取る操作をそのコンピュータに実行させる命令のセットを含むプログラム製品を含み、これらの信号は、回転アセンブリの回転経路に沿って回転アセンブリに接続された追跡可能体にそれぞれ接続された複数の好ましくは光学的な追跡可能インジケータの別個の3次元座標位置を示す。これらの命令はさらに、これらの複数の位置信号から、追跡可能体の3次元座標追跡可能体位置を決定する操作と、予め決められた追跡可能体基準座標系と治療装置の予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換を示す予め決められた変換マトリックスを受け取る操作と、決定された追跡可能体位置及び予め決められた変換マトリックスに応答して、装置のアイソセンタのそれぞれの3次元座標位置を決定する操作とを実行する命令を含む。
【0029】
有利には、回転アセンブリに第2の追跡可能体を接続することができる。第2の追跡可能体も、間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータを有する。第1及び第2の追跡可能体方向を決定する際に有用な垂直であることが好ましい基準方向を提供するために、第2の追跡可能体は概ね一定の方向を有利に維持することができる。本発明のこの実施例では、追跡可能体検出器によって生成された複数の位置信号がやはり、第2の追跡可能体に接続された間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータの別個の3次元座標位置を示すことができる。これに対応して、これらの命令はさらに、これらの位置信号から、第1の追跡可能体の第1の追跡可能体方向及び第2の追跡可能体の対応する第2の追跡可能体方向を決定する操作を実行する命令を含むことができる。さらに、第1の追跡可能体方向及び対応する第2の追跡可能体方向に応答して、これらの命令は、回転アセンブリの回転角を示す、第1の追跡可能体方向と第2の追跡可能体方向との間の角度差を決定する操作と、回転アセンブリの回転角に応答して、治療装置に対するアイソセンタ座標系の3次元方向を、回転アセンブリの回転角とは独立に決定する操作とを実行する命令を含むことができる。
【0030】
このコンピュータ可読媒体はさらに、コンピュータによって実行されたときに、追跡可能体検出器の追跡可能体検出器基準座標系と治療装置の予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換を示す第2の予め決められた変換マトリックスを受け取る操作と、第2の予め決められた変換マトリックスに応答して、固定された追跡可能体検出器オフセット位置に関係づけられたアイソセンタの第2の3次元座標位置を決定する操作と、アイソセンタの第1の3次元座標位置と第2の3次元座標位置とを比較する操作とをそのコンピュータに実行させる命令のセットを含むことができる。アイソセンタの決定された第1の3次元座標位置と決定された第2の3次元座標位置との間の実質的な差は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すことができる。有利には、アイソセンタの座標系定義の潜在的な不良を知ることは、例えば放射線治療装置などの装置の操作者が、監視された回転アセンブリの機能を検証することを可能にすることができる。
【0031】
本発明の代替実施例では、これらの命令がさらに、回転経路データセットを定義するために、回転アセンブリの予め決められた回転経路を定義するデータセットを受け取る操作と、決定された複数の追跡可能体位置及び回転経路データセットに応答して、決定された1つ又は複数の追跡可能体位置が、回転アセンブリの予め決められた回転経路と実質的に一致した位置から実質的に逸脱しているかどうかを判定する操作とを実行する命令を含むことができる。このような逸脱は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す。これらの命令はさらに、この逸脱に応答して、アイソセンタの補正された3次元座標位置及びアイソセンタ座標系の方向を決定する操作を実行する命令を含むことができる。
【0032】
本発明の一実施例では、このコンピュータ可読媒体が、コンピュータによって実行されたときに、追跡可能体検出器によって生成された複数の位置信号を受け取る操作であって、これらの位置信号が、回転アセンブリの回転経路に沿って配置された追跡可能体に接続された間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータの別個の3次元座標位置を示す操作と、これらの複数の位置信号に応答して、患者治療送達中に、追跡可能体の3次元座標追跡可能体位置を決定する操作とを、そのコンピュータに実行させる命令のセットを含む。これらの命令はさらに、予め決められた追跡可能体基準座標系と治療装置の予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換を示す予め決められた変換マトリックスを受け取る操作と、決定された追跡可能体の3次元座標位置及び予め決められた変換マトリックスに応答して、アイソセンタのそれぞれの3次元座標位置を決定する操作とを実行する命令を含む。これらの命令はさらに、回転アセンブリのジオメトリの逸脱が存在するときに、アイソセンタの決定された3次元座標位置からその逸脱を検出する操作であって、このような逸脱が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す操作と、このような逸脱の検出に応答して、潜在的なアイソセンタ座標系定義不良の存在を知らせる信号を送ることによってこの逸脱に応答する操作とを実行する命令を含むことができる。有利には、このような潜在的なアイソセンタ座標系定義不良を知ることは、標的組織構造を過剰に治療し、又は不十分に治療することを防ぎ、非標的組織構造への過剰な放射線送達を防ぐために、放射線治療送達中に操作者が、放射線治療送達を中断することを可能にすることができる。
【0033】
本発明の実施例はさらに、治療計画をより正確に患者に適用することができるように、少なくとも1つの回転アセンブリを有する治療装置のアイソセンタを決定する方法を含む。例えば、本発明の一実施例では、方法が、1つの回転アセンブリの予め選択された部分に接続され、治療装置のアイソセンタの予め決められた3次元座標(物理)位置に対してオフセットされた予め決められた位置に位置する第1の追跡可能体の3次元座標位置を決定するステップを含む。第1の追跡可能体は、間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータを有し、これらの複数の別個のインジケータはそれぞれ、複数のインジケータのそれぞれのインジケータの別個の3次元座標位置を指示し、それによって第1の追跡可能体の3次元位置のデータを提供するために、第1の追跡可能体上の予め選択された別個の位置に接続される。第1の追跡可能体の3次元座標位置を決定した後、予め決められた第1の追跡可能体基準座標系と、アイソセンタの物理3次元座標位置と一致して配置された予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換を示す予め決められた変換マトリックスを、第1の追跡可能体の決定された3次元位置に適用することによって、アイソセンタの3次元座標位置を決定することができる。アイソセンタの物理3次元座標位置に対応するアイソセンタの3次元座標系定義の決定は一般に、「較正手順」と呼ばれることに留意されたい。
【0034】
第1の追跡可能体は本来、回転アセンブリに接続されるため、第1の追跡可能体は、回転アセンブリの回転に伴って変化する方向を有する。これに対応して、アイソセンタ座標系の方向は、第1の追跡可能体とともに、治療装置及び治療室の非回転部分に対して回転する。しかし、アイソセンタ座標系の予め選択された実際の方向は、治療装置及び治療室の非回転部分に対して固定されている。したがって、本発明の一実施例は、治療装置に対するアイソセンタ座標系の3次元方向を回転アセンブリの回転角とは独立に決定する能力を、操作者に有利に提供する。これは、それぞれの回転アセンブリの回転角に関係したアイソセンタ角度補正係数を、アイソセンタ座標系の決定された3次元方向に適用することによって達成することができる。
【0035】
回転アセンブリの回転角及びアイソセンタ補正係数を決定するため、第2の追跡可能体を利用することができる。第2の追跡可能体は、第1の追跡可能体に枢動可能に接続され、又は第1の追跡可能体に隣接して枢動可能に接続された近位体端部と、自由に動く遠位体端部とを有する。近位体端部及び遠位体端部に中間体部分が接続され、近位体端部と遠位体端部の間に延びる。枢動可能に接続された近位体端部及び自由に動く遠位体端部を有することは、第2の追跡可能体が、実質的に一定の基準方向を維持することを可能にする。第2の複数のインジケータのそれぞれのインジケータの別個の3次元座標位置を指示し、それによって第2の追跡可能体の第2の追跡可能体方向データを提供するために、間隔を置いて配置された第2の複数の別個のインジケータがそれぞれ、第2の追跡可能体上の別個の予め選択された位置に接続される。
【0036】
次に、最初に第1及び第2の追跡可能体方向を決定し、次いで角度差を確認するためにそれらの方向を比較することによって、回転アセンブリの角度回転を、アイソセンタ角度の補正係数とともに決定することができる。次いで、アイソセンタ角度補正係数をアイソセンタ座標系の決定された3次元方向に適用することによって、回転アセンブリの回転角とは独立に、アイソセンタ座標系の方向を決定することができる。
【0037】
本発明の実施例はさらに、治療計画をより正確に患者に適用することができるように、少なくとも1つの回転アセンブリを有する治療装置のジオメトリを監視する方法を含む。例えば、本発明の一実施例では、この方法が、治療装置のアイソセンタの予め決められた3次元座標位置に対する予め決められたオフセット位置に位置する回転アセンブリの予め選択された部分に追跡可能体を接続するステップと、追跡可能体追跡装置によって使用される追跡可能体に関して決定されたアイソセンタ座標系の定義を検証するために、治療装置の回転アセンブリのジオメトリの逸脱が存在するときに、回転アセンブリの回転経路に沿った追跡可能体の少なくとも1つの位置を解析及びサンプリングすることによって、その逸脱を検出するステップとを含む。この方法はさらに、治療計画の適用中に逸脱が存在するときに、潜在的なアイソセンタ座標系定義不良の存在を知らせる信号を送ることによって、その逸脱の検出に応答するステップを含む。
【0038】
より具体的には、逸脱は、追跡可能体に関係づけられたアイソセンタの決定された第1の3次元座標位置及び/又はアイソセンタ座標系の方向を決定し、追跡可能体検出器の固定された追跡可能体検出器オフセット位置に関係づけられたアイソセンタの第2の3次元座標位置及び/又はアイソセンタ座標系の方向を決定し、アイソセンタの決定された第1の3次元座標位置と決定された第2の3次元座標位置とを比較し、及び/又はアイソセンタ座標系の決定された第1の方向と決定された第2の方向とを比較することによって、検出することができる。アイソセンタの決定された第1の3次元座標位置と決定された第2の3次元座標位置との間の実質的な差、又はアイソセンタ座標系の決定された第1の方向と決定された第2の方向との間の実質的な差は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す。逸脱はまた、回転アセンブリの回転経路に沿って位置する追跡可能体の複数の3次元座標追跡可能体位置を決定し、決定された3次元座標追跡可能体位置を、回転アセンブリの予め決められた回転経路と比較することによっても検出することができる。決定された複数の3次元座標追跡可能体位置のいずれかが、回転アセンブリの予め決められた回転経路と実質的に一致した位置から実質的に逸脱していることは、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す。
【0039】
有利には、本発明の実施例は、特定の品質保証チェックによって、アイソセンタ座標系のアイソセンタを示す較正された追跡システムの較正された位置において意図しない変化が生じたかどうかを判定する必要性を否定することができる。本発明の実施例は、予め決められたアイソセンタ位置に関係づけて固定して配置することができる追跡可能アセンブリを利用して、アイソセンタ座標系の位置及び方向を連続的に示すことができる。都合の良いことには、追跡可能アセンブリを、放射線送達装置又は放射線治療装置の物理的なアイソセンタ位置から非常に近い距離のところに取り付けて、治療送達の全体を通じてそれを実質的に見えるようにすることができる。有利には、安定なカメラ又は光学検出/追跡システム又は装置、又は他の任意の方法で正確に較正されたカメラ又は光学検出/追跡システム又は装置の必要性が否定され、カメラ又は光学検出/追跡システム又は装置ではなく、追跡可能アセンブリが、物理アイソセンタ位置に関する固定物の働きをすることができる。しかし有利には、本発明の一実施例において、追跡可能システム又は装置がアイソセンタ位置に対して正確に較正されたとき、このシステムはオーバー・スペシファイ(overspecified)され、アイソセンタ座標系の定義の操作者検証を提供する。有利には、本発明の実施例は、様々な回転アセンブリ及び患者標的(例えば標的腫瘍)の6つの自由度のすべてを提供し、アイソセンタの位置及びアイソセンタ座標系の方向を示す複数の追跡可能体を含むことができる。追跡可能アセンブリ及び/又は他の追跡可能体の連続する位置及び方向を放射線送達中に使用できることは、追跡システムによるアイソセンタ及び/又はアイソセンタ座標系の方向の定義の連続的、瞬間的な測定及び検証、並びに追跡されているすべてのアイテムの位置及び方向の連続的、瞬間的な検証を可能にする。
【0040】
本発明の特徴及び利点、並びに後に明らかになるその他の特徴及び利点をより詳細に理解することができるように、以上に簡単にまとめられた本発明のより具体的な説明は、本明細書の一部を構成する添付図面に示された本発明の実施例を参照することによって得ることができる。しかし、添付図面は本発明の様々な実施例を例示するだけであり、本発明の範囲は他の有効な実施例も含むので、添付図面は、本発明の範囲を限定するとはみなされない。
【実施例】
【0041】
次に、本発明の実施例を示す添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は多くの異なる形態で具体化することができ、本発明を、本明細書に記載され図示された実施例に限定されるものと解釈してはならない。これらの実施例はむしろ、この開示が徹底的且つ完全であり、この開示が本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。全体を通じて同様の符号は同様の要素を指す。ダッシュの付いた表記が使用される場合、それらの表記は代替実施例における同様の要素を指す。
【0042】
例えば放射線治療などの治療の成功は、放射線ビームを、正確に位置決めし、画定する能力に依存する。放射線ビームの空間位置は治療装置の物理ジオメトリによって画定される。治療装置の回転アセンブリのジオメトリは、放射線ビームの位置及び患者の位置決めを決定するために療法士によって使用される治療装置の座標系を定義する。この座標系の原点は「アイソセンタ」と呼ばれ、この座標系は「アイソセンタ座標系」と呼ばれる。多くの治療システムは、放射線送達中にアイソセンタ座標系を確実に示す較正された追跡システムの正確さに依存する。しかし、これらの治療システムは、その較正された位置の意図しない変化に弱い。例えば、「カメラ」或いは一般的な追跡可能体追跡システム又は装置の追跡可能体検出器は構造上、治療装置から遠く離れており、壁又は天井のマウントに固定されて接続されており、したがって、カメラ/検出器取付け部分のわずかな動きによってさえも影響を受ける。したがって、本発明の実施例は、図1〜図12に示されているように、追跡可能体追跡システム又は装置によって使用されるアイソセンタ座標系の定義の正確さを判定するために治療装置の回転アセンブリのジオメトリを監視するシステム、装置、追跡可能アセンブリ、プログラム製品及び方法を有利に提供する。
【0043】
おそらく図1に最もよく示されているが、システム30は一般に、1つ又は複数の回転アセンブリを有する、例えば直線加速器31などの治療装置を含む。以下の議論では、ただ単に例示を目的として、図1に示された直線加速器31を言及する。これらに限定されないが、磁気共鳴画像化(「MRI」)又はコンピュータ連動断層撮影(「CT」)スキャン・デバイスを含む、当業者に知られている他の治療装置も本発明の範囲内に含まれる。直線加速器31は、放射線発射器として機能する回転ビーム・コリメータ・アセンブリ33と、回転ガントリ・アセンブリ35と、回転治療台アセンブリ37とを含み、これらはそれぞれコントローラ39によって制御されることが好ましい。システム30はさらに、コントローラ39に治療送達命令を提供するアプリケーション・コンピュータ41を含む。システム30はさらに、回転ガントリ・アセンブリ35に接続された追跡可能アセンブリ43を含む。追跡可能アセンブリ43(図2にも示されている)は、固定して接続された第1の追跡可能体45を含み、第1の追跡可能体45は、第1の追跡可能体45上に位置され、基準固定物として機能する複数のインジケータ47を有する。追跡可能アセンブリ43はさらに、回転ガントリ・アセンブリ35の回転角を決定するために使用されるデータを提供する、枢動可能に接続された第2の追跡可能体49を含むことができ、第2の追跡可能体49も、第2の追跡可能体49上に配置された複数のインジケータ47を有する。システム30はさらに、インジケータ47の位置を検出するために設けられた追跡可能体検出器53を含む、追跡可能体を追跡するシステム又は装置51と、追跡可能体検出器53と通信し、第1及び第2の追跡可能体45、49の位置及び/又は方向を決定する決定器55とを含む。決定器55はさらに、アイソセンタ座標系のアイソセンタ57の位置を決定し、回転ガントリ・アセンブリ35についての回転経路データを決定することができる。
【0044】
より具体的には、本発明の一実施例では、システム30が、患者Pの標的Tに放射線を送達する直線加速器31などの治療装置を含む。直線加速器31は、放射線発射器として機能する回転ビーム・コリメータ・アセンブリ33と、放射線ビームを適当な位置に配置する回転ガントリ・アセンブリ35と、患者Pを適当な位置に配置する回転患者治療台アセンブリ37とを含む複数の回転アセンブリを有する。これらの回転アセンブリは、協働して、患者Pの標的Tに放射線ビームを向けるように機能する。それぞれの回転アセンブリは、異なる平面上の回転経路及び回転軸線を有する。メモリ59及びメモリ59に記憶された治療計画を有するアプリケーション・コンピュータ41は、治療送達命令を直線加速器31に提供する。回転ガントリ・アセンブリ35は、ガントリ回転軸線Gと、コントローラ39からの信号に従ってガントリ回転軸線Gの中心に向かって放射線ビームを向けるためにガントリの回転する外周に隣接して配置されたガントリ・ヘッド60とを有する。回転ビーム・コリメータ・アセンブリ33は、ガントリ・ヘッド60に接続され、ガントリ・ヘッド60によって向きが定められる。回転ビーム・コリメータ・アセンブリ33は、ビーム軸線Cに沿った放射線ビームを発生させ、構成に応じて、その放射線ビームのプロファイルを成形することができる。回転患者治療台アセンブリ37は、治療台回転軸線TTを有し、治療前及び治療中に患者Pの標的Tの位置をアイソセンタ57に関して移動させるために、ガントリ・アセンブリ35に隣接して配置される。回転ガントリ・アセンブリ35の回転軸線Gは一般に、直線加速器31のアイソセンタ座標系のアイソセンタ57(原点)を定義する3次元座標のところでビーム軸線Cと交差する。
【0045】
図1〜図4に示されているように、システム30は、以後「追跡可能体追跡装置」51と呼ぶ、追跡可能体を追跡するサブシステム又は装置を含む。追跡可能体追跡装置51は、光学検出器であることが好ましい追跡可能体検出器又はカメラ・サブシステム、例えば追跡可能体検出器53と、決定器55とを含む。追跡可能体検出器53は、直線加速器又は他の治療装置及び追跡可能アセンブリ43から間隔を置いて配置された検出器本体61を含む。追跡可能アセンブリ43は、追跡可能体検出器53によって見られ/検出されるように配置される。追跡可能アセンブリ43は、回転ガントリ・アセンブリ35の回転経路RP(図4)に沿った、アイソセンタ57の予め決められた3次元座標系定義に対する予め決められたオフセット位置にある、回転ガントリ・アセンブリ35の予め選択された部分に固定して接続された第1の追跡可能体45を含む。第1の追跡可能体45は、間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータ47を有し、これらの複数の別個のインジケータ47はそれぞれの3次元座標位置を追跡可能体検出器53に示すために、第1の追跡可能体45上の予め選択された別個の位置に接続されている。インジケータ47は例えば、180度を超える反射視野を有利に提供し、能動インジケータに関連した内在する配線の必要性を低下させる逆反射球などの受動インジケータの形態をとることが好ましい。しかし、インジケータ47は、能動放射体インジケータを含む他の形態をとることもできることに留意されたい。
【0046】
追跡可能体検出器53は、それぞれが視野を有する一対の光学受信器63を有し、視野の中に入ったときに、複数のインジケータ47によって発射又は反射された光エネルギーを受け取るように適合された、例えば、Northern Digital Inc.社(カナダOntario)のPolaris(登録商標)として知られているカメラ又は光電気モーション測定システムなどの光学検出器又はカメラ・ロケータ・サブシステムであることが好ましい。この形態では、追跡可能アセンブリ43の複数のインジケータ47が両方の光学受信器63の視野の中に同時に配置されたときに、受信器63が、それぞれのインジケータ47の3次元天球位置を検出して、複数の位置信号を生成することができる。複数のインジケータ47が光学逆反射球の形態をとるとき、検出器53は、赤外線照明器65などの一対の照明器を含むことができ、これらの照明器は、各インジケータ47が隣接する各受信器63の視野の中に置かれたときに各インジケータ47を選択的に照明するために受信器63に隣接して別々に配置される。
【0047】
図1及び図3を参照すると、決定器55は、追跡可能体検出器53によって生成された複数の位置信号を受け取り、処理するために、追跡可能体検出器53と通信する。決定器55は、決定器55のメモリ69に記憶されていることが好ましい予め決められた変換マトリックスM(図3)を使用することによって、(追跡可能体追跡装置/カメラ空間内で)第1の追跡可能体45に関係づけられたアイソセンタ57の3次元座標系定義を決定することができる。図3にさらに示されているように、追跡可能体追跡装置51は、検出器本体61の面に示された予め選択された追跡可能体検出器座標系を有する。追跡可能体検出器オフセット位置Oを定義するために、予め選択された原点及び方向を有し、追跡可能体検出器53と固定された関係にある予め選択された追跡可能体検出器座標系を確立することができる。変換マトリックスMは、ある座標系の位置及び方向を他の座標系に関係づけ又は変換するために使用することができる数学的構成を示すことに留意されたい。変換マトリックスMは、4×4マトリックスと呼ばれるマトリックスの形態をとることが好ましい。このような変換マトリックスは、(新しい方向への)3つの回転のセット、及び(新しい位置への)3つ平行移動のセットを定義する。これら変換マトリックスは、座標系の位置及び方向を座標系の連続系列に関係づけるために一緒に連鎖されうる。さらに、アイソセンタに関する用語「位置」は一般に、アイソセンタのx、y及びz座標を指定することに留意されたい。アイソセンタに関する用語「方向」は、アイソセンタ座標系の座標軸の方向ベクトルを指定する。
【0048】
本発明の好ましい実施例では、追跡可能体検出器53が、アイソセンタ57及びアイソセンタ座標系の基準固定物として機能する第1の追跡可能体45を検出する。決定器55は次いで、追跡可能体検出器オフセット位置Oに中心があることが好ましい割り当てられた追跡可能体基準座標系と、決定された第1の追跡可能体45の位置に中心があることが好ましい基準座標系との間の変換マトリックスM”を決定する。決定器55は、第1の追跡可能体45の第1の追跡可能体位置(通常、第1の追跡可能体45の図示された位置と一致する)に中心がある第1の追跡可能体基準座標系と、アイソセンタ57の物理3次元座標位置に中心があるアイソセンタ座標系との間の変換を提供し又は示す予め決められた変換マトリックスMを受け取り又は取り出すことができる。決定器55には、変換マトリックスM”とともに、アイソセンタ57の3次元座標系定義を検出器/カメラ空間に変換する十分なデータが提供される。追跡可能体検出器53に対して適正に較正されると、第1の追跡可能体45は、アイソセンタ57の3次元座標位置に対する即座の基準を提供する。追跡可能体検出器/カメラ空間のアイソセンタ57の3次元座標系定義の決定は一般に、アイソセンタ57の物理3次元座標位置の空間内における位置及びアイソセンタ座標系の方向に対して追跡可能体追跡装置51を較正することを指すことに留意されたい。
【0049】
追跡可能体検出器53の追跡可能体検出器オフセット位置Oに関する第1の追跡可能体45の系定義は容易に決定することができるため、検出器本体61の3次元座標位置(位置及び/又は方向)は、アイソセンタ57の3次元座標系定義への基準が、追跡可能体検出器オフセット位置Oだけに関して決定される場合には必要である非常に安定した位置にとどまる必要はない。即ち、有利には、検出器53が基準固定物の機能を果たすのではなしに、第1の追跡可能体45がアイソセンタ57に対する相対的な基準を提供するため、アイソセンタ57に対する基準を失うことなく検出器53を容易に移動させることができる。さらに、このような基準固定物、特にアイソセンタ57の近くに配置された基準固定物を有することは、追加の重要な利点を提供する。追跡可能体検出器53とアイソセンタ57の間の距離が大きいほど、追跡可能体追跡装置51の正確さは低下する。さらに、有利には、第1の追跡可能体45は、追跡可能体検出器53を、そうでなければ単にアイソセンタ57に対する基準を決定し維持するために必要なものよりも、侵入的でない位置に、安定でない取付けを用いて配置することを可能にする。
【0050】
おそらく図4に最もよく示されているように、第1の追跡可能体45は回転ガントリ・アセンブリ35などの回転アセンブリに接続されているため、変換マトリックスMが、回転ガントリ・アセンブリ35の回転とともに回転するように見えるアイソセンタ57に対する基準を維持することは容易に明らかであろう。アイソセンタ座標系の方向は概念上、第1の追跡可能体45とともに、治療装置(直線加速器31)及び治療室の非回転部分に対して回転する。しかし、物理的なアイソセンタ57、及びアイソセンタ座標系の対応する予め選択された方向は静止したままであり、治療装置及び治療室の非回転部分に対する回転ガントリ・アセンブリ35の回転に伴って回転しない。したがって、第1の追跡可能体45は一般に、決定がなされた時点における第1の追跡可能体45の方向に対して向きが定められた座標系軸を有するアイソセンタ57に対する基準を生み出すためにしか使用することができない。したがって、本発明の一実施例では、追跡可能アセンブリ43がさらに、(図示されているように)第1の追跡可能体45に接続され、又は回転ガントリ・アセンブリ35の予め選択された好ましくは隣接する部分に別個に接続された第2の追跡可能体49を有利に含むことができる。位置Iとして示された最初の基準位置から回転ガントリ・アセンブリ35を回転させたときに、第2の追跡可能体49を利用して、第1の追跡可能体45に関して決定されたアイソセンタ座標系の相対的な方向を決定又は補正することができる。
【0051】
このために、第2の追跡可能体49は、おそらく図2に最もよく示されているように、固定して取り付けられるのではなく、回転ガントリ・アセンブリ35又は第1の追跡可能体45に枢動可能に接続し、或いは第1の追跡可能体45に隣接して枢動可能に接続することができる近位体端部71を有する。第2の追跡可能体49はさらに、自由に動く遠位体端部73と、近位体端部71及び遠位体端部73に接続され、近位体端部71と遠位体端部73の間に延びる中間体部分75とを有する。第1の追跡可能体45と同様に、第2の追跡可能体49の中間体部分75は、間隔を置いて配置されたインジケータ47などの複数の別個のインジケータを有することができ、これらの複数の別個のインジケータはそれぞれ、やはりそれぞれのインジケータ47の3次元座標位置を追跡可能体検出器53に示すために、第2の追跡可能体49の予め選択された別個の位置に接続される。この近位枢動可能端/遠位自由端構成は、第2の追跡可能体が、重力に応答して、決定器55によって基準方向として使用される一定の方向(垂直方向として示されている)を維持することを可能にする振り子型の動作を提供することができる。
【0052】
このような振り子型動作を提供し、回転ガントリ・アセンブリ35の回転中に実質的に一定の方向を維持するため、望ましくない過剰な振動を防ぐ、当業者に知られており、理解されている緩衝装置(図示せず)を含むことができる好ましくは非追跡可能なマウント77に第2の追跡可能体49を接続することができる。回転ガントリ・アセンブリ35の回転中に第2の追跡可能体49を相乗作用によって実質的に一定の方向に維持するために、1つ又は複数の重り79によって、第2の追跡可能体49に適当な重みを加えることができる。追跡可能アセンブリ43のこの示された実施例では、第1の追跡可能体45の本体が、第1の追跡可能体45の範囲内で、第1の追跡可能体45によって担持されたどのインジケータ47も妨げることなく、回転アセンブリに近いプロファイルを維持しながら、第2の追跡可能体49が自由に回転することを可能にすることができる平面構成を有利に有する。
【0053】
第2の追跡可能体49によって提供される前述の基準方向は、決定器55が、第1の追跡可能体45に関して決定されたアイソセンタ座標系の相対的な方向を補正又は調整するのを可能にする。この不正確な方向は、追跡可能アセンブリ43を担持した回転ガントリ・アセンブリ35が、垂直として示されたその最初の基準位置I(図3)から回転したときに一般に存在する回転誤差の結果である。より具体的には、アイソセンタ座標系の方向を決定するために、決定器55は最初に、第1及び第2の追跡可能体45、49の方向をそれぞれ決定する。決定器55は次いで、最初の基準位置Iから回転した回転ガントリ・アセンブリ35の回転位置に関係する第1の追跡可能体45の回転角を決定することができる。これは、第1の追跡可能体45と第2の追跡可能体49との間の方向の角度差を決定することによって達成することができる。アイソセンタ座標系の正確な方向は、第1の追跡可能体45から決定されたアイソセンタ57の基準方向を、第1の追跡可能体45と第2の追跡可能体49のそれぞれの方向間の角度差に関係した量だけ概念的に回転させることによって決定することができる。したがって、予め決められた同じ変換マトリックスMを使用して、アイソセンタ座標系の正確な基準方向(及び位置)を、回転ガントリ・アセンブリ35の回転によって変化しうる第1の追跡可能体45の回転方向とは無関係に有利に提供(決定)することができる。
【0054】
図5及び図6に示されているように、本発明の一実施例では、決定器55がさらに、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良が存在するときに、その存在を検出又は判定することができる。そうするために、図5に示されているように、オフセット位置Oなどの追跡可能体検出器基準オフセット位置を含む追跡可能体検出器基準座標系を、システム30を「オーバー・スペシファイする(overspecify)」ように選択することができる。これは、アイソセンタ57の独立した別個の決定、即ち、回転ガントリ・アセンブリ35上に配置された固定物(例えば追跡可能体45)に関する決定と、通常は検出器53の本体61に結合された固定された固定物に関する決定とを実施することを可能にする。
【0055】
例えば、決定器55は、第2の予め決められた変換マトリックスM’を使用することによって、第1の追跡可能体45の追跡可能体基準位置に関する決定ではなしに、追跡可能体検出器基準オフセット位置Oに関する、アイソセンタ57の3次元座標系定義の第2の独立した決定を実施することができる。やはり決定器55のメモリ69に記憶されていることが好ましい第2の予め決められた変換マトリックスM’は、追跡可能体検出器基準座標系(通常はオフセット位置Oと一致する)と、アイソセンタ座標系(通常はアイソセンタ57の物理3次元座標位置と一致する)との間の変換を提供し、又は示すことができる。次いで、別々に決定されたアイソセンタ57の3次元座標位置を比較することができる。実質的な差は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すであろう。単に例示目的で、これらの変換マトリックスは、追跡可能体検出器53と追跡可能体45の間及び追跡可能体45とアイソセンタ57との間のアイソセンタ57を指す矢印で示されていることに留意されたい。これらの様々な座標系の変換は両方向に実施することができる。
【0056】
起こりうるアイソセンタ座標系定義不良は一般に、取付けの失敗によって引き起こされた追跡可能体45又は追跡可能体検出器53の予想外の望ましくない移動によるものだが、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良は、回転アセンブリの不良位置合せ又は部分故障によって引き起こされうることに留意されたい。さらに、本発明のこの好ましい実施例では、予め選択された追跡可能体検出器基準座標系が、(示されているように)追跡可能体検出器53の本体61の一部分の位置と一致して割り当てられることが好ましいが、その代わりに、予め選択された追跡可能体検出器基準座標系を、治療装置及び治療室に関して静止した固定された別個の追跡可能固定物(図示せず)に割り当てることができることにも留意されたい。この構成は、追跡可能体検出器53を固定する必要なしにシステム30を「オーバー・スペシファイする」ことを可能にするだろう。この代替構成は、壁の振動又は他の外部刺激によって引き起こされる追跡可能体検出器53の移動による不正確さを最小限に抑える。さらに、この代替構成は、より小さく、保守を必要としそうになく、したがって意図せずに移動させること又は移動させる必要がなさそうな固定物を配置することを可能にする。
【0057】
起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を検出し又は判定する代替方法として、図6に示されているように、決定器55は、回転ガントリ・アセンブリ35の回転経路RPに沿ったサンプリングされた複数の2次元又は3次元座標の第1の追跡可能体位置Sを決定することができる。決定された位置Sは、回転ガントリ・アセンブリ35の予め決められた回転経路RP’と比較することができるその時点の回転経路データを提供する。予め決められた回転経路RP’は、一般に「品質保証(QA)円」と呼ばれ、回転経路データセットの形態で決定器55のメモリ69に記憶されていることが好ましい。したがって、決定器55は、決定された複数の第1の追跡可能体位置Sのいずれかが、回転ガントリ・アセンブリ35の予め決められた回転経路RP’と実質的に一致した位置(例えば示された位置S’)から実質的に逸脱しているかを判定することができる。このような逸脱は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すと考えられる。
【0058】
本発明の一実施例では、決定器55が、潜在的なアイソセンタ座標系定義不良の存在を知らせる信号を送ることによって、患者Pに対する治療計画の適用前又は適用中にこのような逸脱の検出又は判定に応答することができる。さらに、本発明の一実施例では、決定器55がアプリケーション・コンピュータ41と通信する場合、アプリケーション・コンピュータ41は、逸脱が存在することを操作者に知らせることができ、治療の送達を終えるよう治療装置のコントローラ39に信号を送ることができ、及び/又は、治療装置が直線加速器31などの形態をとる場合には、逸脱を補償するため必要に応じて、放射線ビームの方向又は強度を調整するようコントローラ39に信号を送ることができる。さらに、このような逸脱に応答して、決定器55は、第1の追跡可能体45からのアイソセンタ57の再計算された3次元座標系定義を、回転ガントリ・アセンブリ35の回転角A(図4)とは無関係に推定することができる。
【0059】
さらに、本発明の一実施例では、システム30が、患者位置データを提供することができる第3の追跡可能体を含むことができる。例えば、本発明の一実施例では、それ自体に取り付けられた間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータ47を有する、例えばSmetak他の「System and Tracker for Tracking an Object,and Related Methods」という名称の米国特許出願第10/957,128号に記載されている追跡可能体又は適当な代替物などの追跡可能体80(図6)を、患者Pの標的Tに対して予め決められたオフセット位置にある回転治療台アセンブリ37の予め選択された部分に接続することができる。本発明のこの実施例では、そのように許可された場合に、回転治療台アセンブリ37の位置を調整して、標的Tをアイソセンタ57の補正された3次元座標系定義と一致するように移動させるために、アプリケーション・コンピュータ41が、コントローラ39に信号を送ることができるように、逸脱の検出に応答して、決定器55が、標的Tの位置を決定することができる。
【0060】
図7に示されているように、決定器55の機能は、ハードウェア及び/又はソフトウェア/プログラム製品の中に実現することができるが、本発明のこの好ましい実施例では、決定器55の機能がほぼ完全に、決定器55のメモリ69に事前にロードされたソフトウェア/プログラム製品、又は例えばコンパクト・ディスク、ポータブル・ハード・ドライブ、リモート・コンピュータなどの別個の記憶媒体上に含まれるソフトウェア/プログラム製品の中に実現される。それに対応して、システム30はさらに、治療装置ジオメトリを解析するジオメトリ解析プログラム製品81などのプログラム製品を含むことができる。プログラム製品81は、ハードウェアの機能を制御し、その動作を示す、当業者によって知られており理解されている順序付き操作の特定の1つ又は複数のセットを提供するマイクロコード、プログラム、ルーチン及び記号言語の形態をとることができることに留意されたい。さらに、簡単にするために、決定器55は単一の別個のユニット(図1)として示されており、ジオメトリ解析プログラム製品81は、決定器55のメモリ69の中に配置されているものとして後述されることにも留意されたい。
【0061】
しかし、決定器55は実際には、追跡可能体検出器53及び示された決定器55に分散され、又はリモート・コンピュータ(図示せず)中に分散されるように実現されることが好ましい。それに対応して、ジオメトリ解析プログラム製品81の全部又は一部を、追跡可能体検出器53と決定器55の両方に配置し、及び/又は部分的に又は完全にリモート・コンピュータ(図示せず)に配置することができる。実際、本発明のこの好ましい実施例では、ジオメトリ・プログラム製品81が少なくとも部分的に追跡可能体検出器53の中に位置する。したがって、追跡可能検出器53の物理実施例はさらに、決定器55の物理及び機能実施例の一部を含むことができる。このために、示された追跡可能体検出器53は一般に、それ自体のプロセッサ及びメモリ(図示せず)を含む。
【0062】
図7に示されているように、ジオメトリ解析プログラム製品81は、追跡可能体の位置を決定することができる追跡可能体位置決定器85と、追跡可能体方向を決定することができる追跡可能体方向決定器87とを有する追跡可能体位置/方向決定器83を含み、追跡可能体位置決定器85と追跡可能体方向決定器87はともに、単一のモジュール又は別個のモジュールの形態をとることができる。決定器55のメモリ69にロードされたとき、追跡可能体位置/方向決定器83は、間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータ47の別個の3次元座標位置を示す、追跡可能体検出器53によって生成された複数の位置信号を受け取り、これに応答するように配置される。
【0063】
追跡可能体位置/方向決定器83は、第1及び第2の追跡可能体45、49を識別し、それらの追跡可能インジケータ47を、それぞれの追跡可能体45、49にそれぞれ割り当てられた予め選択された座標系に関係づけることができる。これは、メモリ69に記憶された定義表84を使用することによって、又は当業者に知られている他の適当な追跡可能体識別手段によって達成することができる。その結果は、第1及び第2の追跡可能体45、49を識別すること、並びに、第1及び第2の追跡可能体45、49の3次元座標追跡可能体位置及び/又は方向を決定することである。
【0064】
第1及び第2の追跡可能体45、49の複数のインジケータ47は、それぞれの追跡可能体45、49上に配置することができる。その結果、それぞれのインジケータ47が、それぞれの間の固有のセグメント長さ有する。この配置は、予め選択されたそれぞれの追跡可能体が追跡可能体検出器53によって見られたときに、追跡可能体追跡装置51が、それぞれの追跡可能体を一意に識別することを可能にする。そのため、それぞれの追跡可能体45、49の複数のインジケータ47は、それぞれの追跡可能体45、49に割り当てられ、又はそれぞれの追跡可能体45、49に対して予め選択された座標系の選択された原点に関して適当な位置に配置することができる(例えば図4参照)。このジオメトリは、追跡可能体位置/方向決定器83が、予め選択された追跡可能体45、49の位置及び方向を定義するために使用することができる追跡可能体45、49に別々に割り当てられた座標系の原点の3次元座標位置及びそれぞれの軸の直線方向(方向ベクトル)を決定することを可能にすることができる。しかし、当業者によって知られている、位置及び方向を定義する他の方法も本発明の範囲に含まれる。
【0065】
ジオメトリ解析プログラム製品81は、アイソセンタ57の位置を決定することができるアイソセンタ位置決定器95と、アイソセンタ57の方向を決定することができるアイソセンタ方向決定器97とを含む、一体化された単一のモジュール又は別個のモジュールとして機能することができるアイソセンタ位置/方向決定器93を含む。アイソセンタ位置決定器95とアイソセンタ方向決定器97もともに、単一のモジュール又は別個のモジュールの形態をとることができる。アイソセンタ位置/方向決定器93は、第1の追跡可能体45の決定された3次元座標位置及び第1の予め決められた変換マトリックスM(図3及び図4)に応答して、アイソセンタ57の第1の3次元座標位置を決定する。以前に述べたとおり、予め決められた変換マトリックスMは、回転アセンブリ(回転ガントリ・アセンブリ35)上の第1の追跡可能体45の第1の追跡可能体基準座標系と、治療装置(例えば直線加速器31)の予め決められた/予め選択されたアイソセンタ座標系との間の変換を示すことに留意されたい。
【0066】
図4及び図7に示されているように、前述の第2の追跡可能体49を有する本発明の一実施例では、アイソセンタ座標系の方向も容易に決定することができる。アイソセンタ位置/方向決定器93は、第1及び第2の追跡可能体45、49の決定された方向に応答して、決定された方向間の角度差を決定することができる。この角度差は、最初の位置I(図4)からの回転ガントリ・アセンブリ35の回転角A(図4)と、アイソセンタ座標系の3次元方向を決定するために利用することができるアイソセンタ角度補正係数の両方を示す。したがって、有利には、ジオメトリ解析プログラム製品81は、回転ガントリ・アセンブリ35に沿った様々な位置に関するアイソセンタ57の位置とアイソセンタ座標系の方向の両方を、予め決められた同じ変換マトリックスMを使用して、回転ガントリ・アセンブリ35の回転角Aとは独立に決定することができる。
【0067】
図7に示されているように、ジオメトリ解析プログラム製品81はさらに、潜在的なアイソセンタ座標系定義不良を示す、回転ガントリ・アセンブリ35などの回転アセンブリのジオメトリの逸脱を検出することができる逸脱検出器101を含むことができる。前述したとおり、この逸脱は、第1の追跡可能体45を担持した回転アセンブリの動作不良又は予想外の移動に起因するが、最も典型的には、第1の追跡可能体45又は追跡可能体検出器53の不適正な移動の結果であることに留意されたい。逸脱応答器103は、潜在的なアイソセンタ座標系定義不良の存在を知らせる信号を送ることによって、患者Pへの治療計画の適用の前又は最中のこのような逸脱の検出に応答することができる。決定器55がアプリケーション・コンピュータ41(図1)と通信する本発明の一実施例では、アプリケーション・コンピュータ41が、逸脱が存在することを操作者に知らせ、治療の送達を終えるよう治療装置のコントローラ39に信号を送り、及び/又は、逸脱を補償するため必要に応じて、治療装置が直線加速器31などの形態をとる場合には、放射線ビームの方向又は強度を調整するようコントローラ39に信号を送り、又は許可された場合には、回転治療台アセンブリ37を再配置することができる。
【0068】
図5及び図7に示されているように、本発明の一実施例では、固定された追跡可能体検出器オフセット位置Oに関するアイソセンタ57の第2の決定された3次元座標位置を決定するために、アイソセンタ位置/方向決定器93が、やはりメモリ69に記憶されていることが好ましい第2の予め決められた変換マトリックスM’を受け取ることができる。前述したように、予め決められた変換マトリックスM’は、予め決められたアイソセンタ座標系と、通常はオフセット位置Oと一致する追跡可能体検出器基準座標系との間の変換を示すことが好ましいことに留意されたい。
【0069】
追跡可能体検出器基準オフセット位置は、好ましくは追跡可能体検出器53に割り当てられ、或いは、追跡可能体検出器53及びアイソセンタ57の物理アイソセンタ座標位置を考慮して適当な位置に配置された固定された非回転(静止)固定物(図示せず)に割り当てられる。本発明のこの実施例では、逸脱検出器101が、前述のように決定されたアイソセンタ57の決定された第1及び第2の3次元座標位置を受け取ることができ、アイソセンタ57のこの第1の3次元座標位置と第2の3次元座標位置とを比較することができるアイソセンタ比較器105を含む。アイソセンタ57の決定された第1の3次元座標位置と決定された第2の3次元座標位置との間の実質的な差は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す。アイソセンタ比較器105はさらに、アイソセンタ座標系の第1の方向と第2の方向とを比較することができる。それに対応して、アイソセンタ座標系の決定された第1の方向と決定された第2の方向との間の実質的な差も、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すことができる。上述の比較は、別々に実施し、又はアイソセンタ57の決定された第1の3次元座標位置/系定義と決定された第2の3次元座標位置/系定義との間の差の比較と組み合わせて実施することができる。
【0070】
図6及び図7に示されているように、本発明の一実施例では、追跡可能体位置/方向決定器83が、回転ガントリ・アセンブリ35の回転経路RPに沿って位置する複数の3次元座標追跡可能体位置Sを決定することができる。この実施例では、決定された複数の第1の追跡可能体位置Sのいずれかが、回転ガントリ・アセンブリ35の予め決められた回転経路RP’と実質的に一致した位置(例えば位置S’)から実質的に逸脱しているかどうかを判定するために、逸脱検出器101が、決定された複数の追跡可能体位置Sを、好ましくはデータセットの形態の回転ガントリ・アセンブリ35の予め決められた回転経路RP’と比較する回転経路比較器107を含むことができる。このような逸脱は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す。
【0071】
本発明の実施例を完全に機能するシステムの文脈で説明したが、本発明の機構及び/又は本発明の諸態様を、1つ又は複数プロセッサなどで実行される様々な形態の命令のコンピュータ可読媒体の形態で分散させることができること、並びに、この分散を実際に実施するために使用される信号担持媒体の具体的なタイプの如何にかかわらず、本発明は等しく適用されることを当業者は理解するであろうことに留意することは重要である。コンピュータ可読媒体の例には、リード・オンリー・メモリ(ROM)、CD−ROM及びDVD−ROM、消去可能な電気的にプログラム可能なリード・オンリー・メモリ(EEPROM)などの不揮発性のハードコード型の媒体、フロッピー(登録商標)ディスク、ハード・ディスク・ドライブ、CD−R/RW、DVD−RAM、DVD−R/RW、DVD+R/RW、フラッシュ・ドライブ、他のより新しいタイプのメモリなどの記録できるタイプの媒体、並びにデジタル及びアナログ通信リンクなどの伝送型の媒体が含まれる。
【0072】
図1〜図12に示されているように、本発明の実施例はさらに、1つ又は複数の回転アセンブリを有する装置のジオメトリを監視するコンピュータが読むことができるコンピュータ可読媒体を含む。例えば、例示のため直線加速器31(図1)を再び参照すると、回転ガントリ・アセンブリ35の回転経路に沿った回転ガントリ・アセンブリ35の一部分に、追跡可能体45が接続される。追跡可能体45には、光学的に追跡可能であることが好ましい複数のインジケータ47が、これらの光学的に追跡可能なインジケータ47の位置データを提供するために接続される。追跡可能体追跡装置51は、それぞれのインジケータ47の位置を検出するために提供された追跡可能体検出器53と、追跡可能体検出器53と通信する決定器55とを含む。決定器55、検出器53/決定器55の組合せ、又はリモート・コンピュータ(図示せず)は、ジオメトリ(直線加速器31の1つ又は複数の回転アセンブリ33、35、37)を監視するコンピュータの機能を実行することができる。有利には、このような監視を患者治療送達の前又は最中に実施することができる。
【0073】
本発明のこの実施例では、コンピュータ可読媒体が、コンピュータによって実行されたときに、追跡可能体検出器53によって生成された複数の位置信号を受け取る操作をそのコンピュータに実行させる命令のセットを有するプログラム製品を含む。おそらく図3に最もよく示されているように、これらの命令はさらに、これらの複数の位置信号から、追跡可能体45の3次元座標追跡可能体位置を決定する操作と、追跡可能体45の追跡可能体基準座標系と装置(例えば直線加速器31)の予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換を示す予め決められた変換マトリックスMを受け取る操作と、追跡可能体45の決定された追跡可能体位置及び予め決められた変換マトリックスMに応答して、直線加速器31のアイソセンタ57のそれぞれの3次元座標系定義を決定する操作とを実行するための命令を含む。この決定は、直線加速器31の試験中に、又は患者治療送達中に治療送達を中断する必要なしに「即座に」実施することができる。
【0074】
回転ガントリ・アセンブリ35に第2の追跡可能体49を接続することができる。第2の追跡可能体49も、インジケータ47などの間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータを有する。第1及び第2の追跡可能体45、49の方向を決定する際に有用な垂直であることが好ましい基準方向を提供するために、第2の追跡可能体49は概ね一定の方向を有利に維持する。本発明のこの実施例では、追跡可能体検出器53によって生成された複数の位置信号がやはり、第2の追跡可能体49の間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータ47の別個の3次元座標位置を示すことができる。これに対応して、これらの命令はさらに、これらの位置信号から、第1の追跡可能体45の第1の追跡可能体方向及び第2の追跡可能体49の対応する第2の追跡可能体方向を決定する操作を実行する命令を含むことができる。さらに、第1の追跡可能体方向及び対応する第2の追跡可能体方向に応答して、これらの命令は、回転ガントリ・アセンブリ35の回転角A(図4)に関係するアイソセンタ座標系角度補正係数を定義するために、第1の追跡可能体方向と第2の追跡可能体方向との間の角度差(図4)を決定する操作と、角度補正係数又は回転角Aに応答して、直線加速器31に対するアイソセンタ座標系の好ましくは3次元の方向を、回転ガントリ・アセンブリ35の回転角Aとは独立に決定する操作とを実行する命令を含むことができる。
【0075】
このコンピュータ可読媒体はさらに、コンピュータによって実行されたときに、通常はオフセット位置O(図5)と一致した位置である追跡可能体検出器53の追跡可能体検出器基準座標系と、直線加速器31の予め決められた又は予め選択されたアイソセンタ座標系との間の変換を示す第2の予め決められた変換マトリックスM’(図5)を受け取る操作と、第2の予め決められた変換マトリックスM’に応答して、追跡可能体検出器53に関係づけられたアイソセンタ57の第2の3次元座標位置(例えばオフセット位置O)を独立に決定する操作とをそのコンピュータに実行させる命令のセットを含むことができる。
【0076】
これらの命令はさらに、アイソセンタ57の第1の3次元座標位置と第2の3次元座標位置とを比較する操作を実行する命令を含むことができる。アイソセンタ57の決定された第1の3次元座標位置と決定された第2の3次元座標位置との間の実質的な差は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すことができる。さらに、これらの命令はまた、アイソセンタ57の決定された第2の3次元座標位置に対応するアイソセンタ座標系の第2の方向を独立に決定する操作と、アイソセンタ座標系の決定された第1の方向と決定された第2の方向とを比較する操作とを実行する命令を含むことができる。アイソセンタ座標系の決定された第1の方向と決定された第2の方向との間の実質的な差もやはり、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すことができる。
【0077】
有利には、アイソセンタ57の座標系定義の潜在的な不良を知ることは、例えば直線加速器31などの治療装置の操作者が、治療送達の前に、監視された回転アセンブリの機能を検証することを可能にすることができ、標的組織構造T(図1)を過剰に治療し、又は不十分に治療することを防ぎ、非標的組織構造への過剰な放射線送達を防ぐために、放射線治療送達中に操作者が、放射線治療送達を中断することを可能にすることができる。
【0078】
さらに、これらの命令はまた、潜在的なアイソセンタ座標系定義不良と同時に起こる回転ガントリ・アセンブリ35に関する第1の追跡可能体45の位置(角度位置)(図4)における決定された第1の追跡可能体45の方向と対応する決定された第2の追跡可能体49の方向との間の差を決定する操作を実行する命令を含むことができる。これらの命令はさらに、この比較から角度位置を決定する操作と、第1の追跡可能体35の決定された角度位置に応答して、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良の原因の位置を決定する操作とを実行する命令を含むことができる。
【0079】
本発明の代替実施例では、これらの命令が、回転経路データセットを定義するために、回転ガントリ・アセンブリ35の予め決められた回転経路PR’を定義するデータセットを受け取る操作と、決定された複数の追跡可能体位置S及び回転経路データセットに応答して、決定された1つ又は複数の追跡可能体位置Sのうちの1つの追跡可能体位置Sが、回転ガントリ・アセンブリ35の予め決められた回転経路RP’と実質的に一致した位置(S’として示されている)から実質的に逸脱しているかどうかを判定する操作とを実行する命令を含むことができる。このような逸脱は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す。これらの命令はさらに、判定又は検出された逸脱に応答して、アイソセンタ57の補正された3次元座標位置及びアイソセンタ座標系の方向を決定する操作を実行する命令を含むことができる。
【0080】
図4及び図8に示されているように、本発明の実施例はさらに、治療計画をより正確に患者P(図1)に適用することができるように、少なくとも1つの回転アセンブリを有する直線加速器31などの治療装置のアイソセンタ57の座標系定義を決定する方法を含む。例えば、本発明の一実施例では、方法が、例えば回転ガントリ・アセンブリ35などの1つの回転アセンブリの予め選択された部分に接続され、直線加速器31のアイソセンタ57の予め決められた(物理)3次元座標位置からオフセットされた予め決められた追跡可能体基準位置に位置する第1の追跡可能体45の3次元座標位置(位置及び/又は方向)を決定するステップを含む(ブロック110)。第1の追跡可能体45は、インジケータ47などの間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータのセットを有し、複数のインジケータ47のセット中のそれぞれのインジケータ47の別個の3次元座標位置を指示し、それによって第1の追跡可能体45の3次元位置データを提供するために、複数の別個のインジケータはそれぞれ、第1の追跡可能体45上の予め選択された別個の位置に接続されている。第1の追跡可能体45の3次元座標位置を決定した後、第1の追跡可能体45の座標系とアイソセンタ座標系との間の変換を示す予め決められた変換マトリックスMを適用することによって、アイソセンタ57の3次元座標系定義を容易に決定することができる(ブロック113)。アイソセンタ57の3次元座標系定義の決定は一般に較正手順と呼ばれ、この較正手順によって、アイソセンタ57の物理位置及びアイソセンタ座標系の方向が、治療計画を処方し送達するアプリケーション・コンピュータ41によって使用可能な電子位置に変換されることに留意されたい。
【0081】
第1の追跡可能体45は回転アセンブリに接続されるため、第1の追跡可能体45は本来、回転アセンブリ35の回転に伴って変化する方向を有する。したがって、本発明の一実施例では、第1の追跡可能体45によって提供された決定された3次元座標位置及びアイソセンタ座標系の相対的な方向に、回転角Aに関係し又は回転角Aと等価のアイソセンタ角度補正係数を適用することによって、直線加速器31のアイソセンタ座標系の3次元方向が、回転ガントリ・アセンブリ35の回転角Aとは独立に決定される。アイソセンタ補正係数を決定するため、第2の追跡可能体49を、好ましくは第1の追跡可能体45に枢動可能に接続し、又は第1の追跡可能体45に隣接して枢動可能に接続することができる。第2の追跡可能体49は、インジケータ47などの間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータのセットを担持した中間体部分75を有し、これらの複数の別個のインジケータはそれぞれ、第2の追跡可能体49上の予め選択された別個の位置に接続される。インジケータ47は、それによって第2の追跡可能体49の第2の追跡可能体方向データを提供するために、複数のインジケータ47のセット中のそれぞれのインジケータ47の別個の3次元座標位置を示す。枢動可能に接続された近位体端部71と自由に動く遠位体端部73とを有することは、回転ガントリ・アセンブリ35の回転角Aとは無関係に、第2の追跡可能体49が、実質的に一定の基準方向を維持することを可能にする。
【0082】
第1及び第2の追跡可能体45、49の方向を決定し(ブロック115)、角度差を確認するためにこれらの方向を比較する(ブロック117)ことによって、アイソセンタ角度補正係数とともに、回転ガントリ・アセンブリ35の回転角Aを容易に決定することができる。次いで、第1の追跡可能体45の方向に対して決定された方向を有するアイソセンタ57の3次元座標位置にアイソセンタ角度補正係数を適用することによって、回転ガントリ・アセンブリ35の回転角Aとは独立にアイソセンタ座標系の方向を決定することができる(ブロック119)。即ち、直線加速器及び/又は治療室の非回転部分に対するアイソセンタ57の位置とアイソセンタ座標系の方向の両方を正確に決定するために、第1の追跡可能体45に対して決定されたアイソセンタ57の位置に関連したアイソセンタ座標系の方向を、回転ガントリ・アセンブリ35の回転角Aに関係した量だけ概念的に回転させ、又は「ある方向に向ける」。
【0083】
図9〜図11に示されているように、本発明の実施例はさらに、治療計画をより正確に患者に適用することができるように、回転ガントリ・アセンブリ35などの少なくとも1つの回転アセンブリを有する直線加速器31などの治療装置のジオメトリを監視する方法を含む。例えば、本発明の一実施例では、この方法が、直線加速器31などの治療装置の回転アセンブリのジオメトリの逸脱が存在するときにその逸脱を検出し(ブロック130)、逸脱が検出された場合に(ブロック160)、検出された逸脱に応答するステップ(ブロック170)を含む。
【0084】
図4〜図6及び図9〜図12に示されているように、逸脱を検出するステップ(ブロック130)は、追跡可能体45に関して決定された追跡可能体追跡装置51などの追跡可能体追跡システム又は装置のアイソセンタ57の定義を検証する(ブロック140)ステップ、及び/又は、回転ガントリ・アセンブリ35の回転経路RPに沿った、追跡可能体45などの光学的に追跡可能であることが好ましい追跡可能体のサンプル位置を解析する(ブロック150)ステップを含むことができる。前者のステップでは、追跡可能体45が、回転ガントリ・アセンブリ35の予め選択された部分に接続され、直線加速器31のアイソセンタ57の予め決められた3次元座標位置からオフセットされた予め決められた追跡可能体位置に配置される。
【0085】
より具体的には、図5、図9及び図10に示されているように、追跡可能体45の追跡可能体位置及び/又は方向に関係づけられたアイソセンタ57の決定された第1の3次元座標位置及び/又はアイソセンタ座標系の方向を決定し(ブロック141)、例えば追跡可能体検出器53の固定された追跡可能体検出器オフセット位置Oなどの位置を有する固定された固定物に関係づけられたアイソセンタ57の第2の3次元座標位置及び/又はアイソセンタ座標系の方向を決定し(ブロック143)、アイソセンタ57のこの決定された第1の3次元座標位置と決定された第2の3次元座標位置とを比較し(ブロック145)、及び/又はアイソセンタ座標系の第1の方向と第2の方向を比較する(ブロック147)ことによって、逸脱を検出することができる。アイソセンタ57の決定された第1の3次元座標位置と決定された第2の3次元座標位置との間の実質的な差、及び/又はアイソセンタ座標系の第1の方向と第2の方向との間の実質的な差は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す。
【0086】
さらに、図6、図9及び図11に示されているように、逸脱は或いは、回転ガントリ・アセンブリ35の回転経路RPに沿って位置する追跡可能体45の複数の2次元又は3次元座標追跡可能体位置Sを決定し(ブロック151)、決定された複数の3次元座標追跡可能体位置Sのいずれかが、回転ガントリ・アセンブリ35の予め決められた回転経路RP’と実質的に一致した位置(例えば位置S’)から実質的に逸脱しているかどうかを判定するために、決定された3次元座標追跡可能体位置Sを、回転ガントリ・アセンブリ35の予め決められた回転経路RP’と比較する(ブロック153)ことによって検出することができる。このような逸脱は、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す。
【0087】
図9及び図12に示されているように、逸脱が検出されたとき(ブロック160)、この方法はさらに、逸脱の検出に応答するステップ(ブロック170)を含む。操作者は次いで、操作を継続し又は終了させることができる(ブロック180)。操作を継続する場合には、回転ガントリ・アセンブリ35のジオメトリを監視し続けることができる。有利には、操作者に、検出された逸脱に応答する様々な方法を提供することができる。潜在的なアイソセンタ座標系定義不良の存在を知らせる信号を送り(ブロック171)、及び/又はアイソセンタ57の補正された3次元座標位置及び/又はアイソセンタ座標系の方向を決定する(ブロック173)ことによって、治療計画の適用前又は適用中に、逸脱の検出に応答するステップ(ブロック170)を達成することができる。このことは、操作者、又は直線加速器の実施例ではアプリケーション・コンピュータ41が、放射線治療を停止させることを可能にし、或いは、任意選択で、放射線ビームの形状又は強度を変化させることによって、又は回転治療台アセンブリ37を回転させることにより標的Tを再配置することによって、放射線ビームと標的Tとの並置を調整することを可能にする。
【0088】
添付図面及び本明細書では、本発明の好ましい典型的な実施例が開示された。特定の用語が使用されるが、それらの用語は、説明的な意味においてのみ使用され、限定のためには使用されない。本発明は、示されたこれらの実施例を特に言及して相当に詳細に説明されている。しかし、上記明細書に記載され、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の趣旨及び範囲に含まれる様々な修正及び変更を加えることができることは明白である。例えば、治療装置は、直線加速器の形態をとるとして説明し、示した。しかし、本発明はこのような装置に限定されず、少なくとも1つの回転アセンブリを有し、装置の座標系の定義を検証するために装置のジオメトリを監視する必要がある任意の装置とともに使用することができる。さらに例えば、決定器を、メモリ及びジオメトリ解析プログラム製品を有する単一のハードウェアとして示したが、決定器及び/又は決定器の機能、並びにジオメトリ解析プログラム製品は、検出器、示された決定器、その両方、又はリモート・コンピュータにインストールすることができる。さらに、このプログラム製品は、コンパクト・ディスク、ポータブル・ハード・ドライブなどの1つの移動記憶媒体に独立に記憶することができ、又は複数の別個の構成要素上にロードするために複数の別個の記憶媒体上に置くことができる。さらに、方向が可変の追跡可能体上に配置された方向が一定の追跡可能体を示した。しかし、方向が一定の追跡可能体は、回転アセンブリ上の様々な他の位置に配置することができる。さらに、方向が一定の追跡可能体は、一定の方向を維持する例えばジャイロスコープ法などの当業者に知られている他の方法を使用して実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】治療装置のジオメトリを監視する本発明の一実施例に基づくシステムの透視図である。
【図2】本発明の一実施例に基づく追跡可能アセンブリの透視図である。
【図3】本発明の一実施例に基づく治療装置のアイソセンタの位置の決定を示す、治療装置のジオメトリを監視するシステムの一部分の透視図である。
【図4】本発明の一実施例に基づく治療装置のアイソセンタの位置及び方向の決定を示す、治療装置のジオメトリを監視するシステムの一部分の透視図である。
【図5】治療装置のアイソセンタを決定する本発明の一実施例に基づく複数の方法を示す、治療装置のジオメトリを監視するシステムの一部分の透視図である。
【図6】本発明の一実施例に基づく欠陥を有する回転アセンブリの回転経路を示す、治療装置の透視図である。
【図7】治療装置のジオメトリを監視する本発明の一実施例に基づくプログラム製品の概略図である。
【図8】本発明の一実施例に基づく治療装置のアイソセンタの決定を示す、治療装置のジオメトリを監視する方法のフローチャートである。
【図9】治療装置のジオメトリを監視する本発明の一実施例に基づく方法の高次フローチャートである。
【図10】アイソセンタ座標系の定義を検証する本発明の一実施例に基づくステップを示す、治療装置のジオメトリを監視する方法のフローチャートである。
【図11】回転アセンブリの回転経路に沿った追跡可能体のサンプル位置を解析する本発明の一実施例に基づくステップを示す、治療装置のジオメトリを監視する方法のフローチャートである。
【図12】アイソセンタ座標系定義の逸脱の検出に応答する本発明の一実施例に基づくステップを示す、治療装置のジオメトリを監視する方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療装置(31)のジオメトリを監視し、それによって起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を検出するシステム(30)であって、メモリ(59)と、治療送達命令を提供する前記メモリ(59)に記憶された治療計画とを有するアプリケーション・コンピュータ(41)と、前記アプリケーション・コンピュータ(41)と通信して前記患者に放射線治療を提供する治療装置(31)とを有し、前記放射線治療装置(31)が、放射線ビームを発射するように配置された放射線発射器(33)と、前記患者の標的(T)を貫くビーム軸線(C)を有する放射線ビームを導く回転アセンブリ(35)であって、異なる平面上の回転経路(RP)と回転軸線(G)とを有する回転アセンブリ(35)とを含み、前記回転アセンブリ(35)の前記回転軸線(G)が、前記治療装置(31)のアイソセンタ座標系のアイソセンタ(57)を定義する3次元座標のところで前記ビーム軸線(C)と交差するシステム(30)において、
前記アイソセンタ(57)の予め決められた3次元座標位置に対する追跡可能体の予め決められたオフセット位置にある前記回転アセンブリ(35)の予め選択された部分(60)に固定して接続された追跡可能体(43)であって、間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータ(47)を有し、前記複数の別個のインジケータ(47)のそれぞれの3次元座標位置を示すために、前記複数のインジケータ(47)がそれぞれ、該追跡可能体(43)上の予め選択された別個の位置に接続されており、追跡されるようにされた追跡可能体(43)と、
該追跡可能体(43)を追跡する装置(51)であって、
前記治療装置(31)から間隔を置いて配置された検出器本体(61)と、前記複数のインジケータ(47)の前記一部によって提供されたエネルギーを受け取るように配置された受信器(63)とを有し、それによって3次元位置を検出し、前記複数のインジケータ(47)の一部の3次元座標位置を示す複数の位置信号を生成する追跡可能体検出器(53)と、
前記追跡可能体検出器(53)と通信し、前記検出器(53)によって生成された前記複数の位置信号に応答して、前記複数のインジケータ(47)の前記一部の前記3次元座標位置を決定し、それによって前記治療装置(31)の前記アイソセンタ(57)の前記3次元座標位置を決定し、それによって、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良が存在するときに、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良が存在すると判定する決定器(55)と
を有する装置(51)と
を特徴とするシステム(30)。
【請求項2】
請求項1に記載のシステム(30)において、
前記決定器(55)が、メモリ(69)と、予め選択された追跡可能体基準座標系と予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換の大きさ、方向及び回転を示す前記メモリ(69)に記憶された予め決められた変換マトリックス(M)とを含み、
前記決定器(55)が、前記追跡可能体検出器(53)からの前記複数の位置信号及び前記予め決められた変換マトリックス(M)に応答して、前記アイソセンタ(57)の前記3次元座標位置を決定している、システム(30)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステム(30)において、
前記決定器(55)が、メモリ(69)と、予め選択された追跡可能体基準座標系と予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換の大きさ、方向及び回転を示す前記メモリ(69)に記憶された予め決められた変換マトリックス(M)と、治療装置のジオメトリを解析する前記メモリ(69)に記憶されたジオメトリ解析プログラム製品(81)とを含み、
前記ジオメトリ解析プログラム製品(81)が、
前記追跡可能体検出器(53)によって生成された前記複数の位置信号に応答して、前記回転アセンブリ(35)の前記回転経路(RP)に沿った前記追跡可能体の少なくとも1つの3次元座標位置を決定する追跡可能体位置決定器(85)と、
前記追跡可能体(43)の前記決定された少なくとも1つの3次元座標位置及び前記メモリ(69)に記憶された前記予め決められた変換マトリックス(M)に応答して、前記アイソセンタ(57)のそれぞれの少なくとも1つの3次元座標位置を決定するアイソセンタ位置決定器(95)と
を含んでいる、システム(30)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のシステム(30)において、
前記追跡可能体(43)が第1の追跡可能体(45)を含み、
複数のインジケータ(47)のセットがインジケータ(47)の第1のセットであり、
前記第1の追跡可能体(45)に枢動可能に接続され、又は前記第1の追跡可能体(45)に隣接して枢動可能に接続された近位体端部(71)と、自由に動く遠位体端部(73)と、前記近位体端部(71)及び前記遠位体端部(73)に接続され、前記近位体端部(71)と前記遠位体端部(73)の間に延びる中間体部分(75)とを有し、さらに、間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータ(47)の第2のセットを有する第2の追跡可能体(49)であって、前記複数のインジケータ(47)のそれぞれが第2の追跡可能体(49)の予め選択された別個の位置に接続され、前記各インジケータ(47)の3次元座標位置を前記追跡可能体検出器(53)に示す、第2の追跡可能体(49)を特徴とする、システム(30)。
【請求項5】
請求項4に記載のシステム(30)において、
前記決定器(55)が、メモリ(69)と、予め選択された第1の追跡可能体の基準座標系と予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換の大きさ、方向及び回転を示す前記メモリ(69)に記憶された予め決められた変換マトリックス(M)とを含み、
前記決定器(55)が、前記追跡可能体検出器(53)からの前記複数の位置信号及び前記予め決められた変換マトリックス(M)に応答して、前記第1及び前記第2の追跡可能体(45、49)の3次元座標位置及び方向をそれぞれ決定し、それによって前記アイソセンタ(57)のそれぞれの3次元座標位置及び前記アイソセンタ座標系の方向を決定する、システム(30)。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のシステム(30)において、
前記決定器(55)が、メモリ(69)と、予め選択された第1の追跡可能体の基準座標系と予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換の大きさ、方向及び回転を示す前記メモリ(69)に記憶された予め決められた変換マトリックス(M)と、治療装置(31)のジオメトリを解析する前記メモリ(69)に記憶されたジオメトリ解析プログラム製品(81)とを含み、
前記ジオメトリ解析プログラム製品(81)が、
前記追跡可能体検出器(53)によって生成された前記複数の位置信号に応答して、前記第1の追跡可能体(45)の第1の追跡可能体方向を決定し、前記第2の追跡可能体(49)の第2の追跡可能体方向を決定する追跡可能体方向決定器(87)と、
前記第1の追跡可能体方向及び前記第2の追跡可能体方向に応答して、前記第1の追跡可能体方向と前記第2の追跡可能体方向との間の角度差であって、前記回転アセンブリ(35)の回転角(A)を示す角度差を決定し、それによって前記治療装置(31)の前記アイソセンタ座標系の3次元方向を、前記回転アセンブリ(35)の前記回転角(A)とは独立に、決定するアイソセンタ方向決定器(97)と、
を含む、システム(30)。
【請求項7】
請求項4から6のいずれかに記載のシステム(30)において、
前記第1の追跡可能体(43)が第1の追跡可能体方向を有し、
前記回転アセンブリ(35)の前記回転経路(RR)に沿った前記回転アセンブリ(35)の予め選択された回転角(A)からの前記回転アセンブリ(35)の回転中に、前記第1の追跡可能体方向が、前記回転アセンブリ(35)の前記予め選択された部分の回転角(A)に対応する量だけ回転するように、前記第1の追跡可能体(43)が、前記治療装置(31)の前記回転アセンブリ(35)の前記予め選択された部分に実質的に固定され、
前記第2の追跡可能体(49)が第2の追跡可能体方向を有し、
前記予め選択された回転角(A)からの前記回転アセンブリ(35)の回転中に、前記第2の追跡可能体方向が実質的に一定のままであるように、前記第2の追跡可能体(49)の前記近位体端部(71)が、前記第1の追跡可能体(45)に取り付けられ又は前記第1の追跡可能体(45)に隣接して取り付けられた非追跡可能体に枢動可能に接続されている、システム(30)。
【請求項8】
請求項2から7のいずれかに記載のシステム(30)において、
前記予め決められた変換マトリックス(M)が第1の予め決められた変換マトリックス(M)であり、
前記アイソセンタ(57)の前記決定された3次元位置が、前記第1の追跡可能体(45)に関して決定された前記アイソセンタ(57)の第1の3次元座標位置であり、
前記追跡可能体検出器(53)が、追跡可能体検出器(53)のオフセット位置を定義する、前記アイソセンタ(57)の前記3次元座標位置からオフセットされた位置に配置され、
前記決定器(55)が、前記予め決められたアイソセンタ座標系と追跡可能体検出器(53)の基準座標系との間の変換を示す前記メモリ(69)に記憶された第2の予め決められた変換マトリックス(M’)を有し、
前記第2の予め決められた変換マトリックス(M’)に応答して、前記決定器(55)が、前記追跡可能体検出器(53)のオフセット位置に関する前記アイソセンタ(57)の第2の3次元座標位置を決定し、
前記決定器(55)が、前記アイソセンタ(57)の前記決定された第1の3次元座標位置と前記決定された第2の3次元座標位置とを比較し、
前記アイソセンタ(57)の前記決定された第1の3次元座標位置と前記決定された第2の3次元座標位置との間の実質的な差が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示している、システム(30)。
【請求項9】
請求項3から8のいずれかに記載のシステム(30)において、
前記予め決められた変換マトリックス(M)が第1の予め決められた変換マトリックス(M)であり、
前記アイソセンタ(57)の前記決定された3次元位置が、前記第1の追跡可能体(45)の前記3次元座標位置に関して決定された前記アイソセンタ(57)の第1の3次元座標位置であり、
前記追跡可能体検出器(53)が、予め選択された追跡可能体検出器座標系を有し、
前記追跡可能体検出器(53)が、前記追跡可能体検出器座標系の追跡可能体検出器オフセット位置を定義する、前記アイソセンタ(57)の前記3次元座標位置からオフセットされた予め選択された位置に配置され、
前記決定器(55)が、前記予め決められたアイソセンタ座標系と予め選択された追跡可能体検出器座標系との間の変換を示す前記メモリ(69)に記憶された第2の予め決められた変換マトリックス(M’)を有し、
前記アイソセンタ位置決定器(95)が、前記第2の予め決められた変換マトリックス(M’)に応答して、前記追跡可能体検出器オフセット位置に関する前記アイソセンタ(57)の第2の3次元座標位置を決定し、
前記ジオメトリ解析プログラム製品(81)がさらに、前記アイソセンタ(57)の前記第1及び前記第2の決定された3次元座標位置に応答して、前記アイソセンタ(57)の前記第1の決定された3次元座標位置と前記第2の決定された3次元座標位置とを比較するアイソセンタ比較器(105)を含み、前記アイソセンタ(57)の前記第1の決定された3次元座標位置と前記第2の決定された3次元座標位置との間の実質的な差が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示している、システム(30)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のシステム(30)において、該システムが、前記治療計画の前記治療送達命令に応答して、前記患者への前記放射線ビームの送達を制御するコントローラ(39)をさらに含み、
前記決定器(55)が前記アプリケーション・コンピュータ(41)と通信しており、
前記決定器(55)が、起こりうるアイソセンタ定義不良が存在すると判定されたときに、それに応答して、起こりうる定義不良が存在すると操作者に知らせる操作、放射線送達を終了させるよう前記コントローラ(39)に信号を送る操作、及び前記起こりうるアイソセンタ定義不良を補償するため必要に応じて、放射線ビームの方向又は強度を調整するよう前記コントローラ(39)に信号を送る操作のうちの少なくとも1つを実行するように、前記アプリケーション・コンピュータ(41)に信号を送っている、システム(30)
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載のシステム(30)において、
前記決定器(55)が、メモリ(69)と、前記メモリ(69)に記憶された前記回転アセンブリ(35)の予め決められた回転経路(RP)とを含み、
前記決定器(55)が、前記追跡可能体検出器(53)からの前記複数の位置信号に応答して、実質的に前記回転アセンブリ(35)の前記回転経路(RP)に沿って位置する第1の追跡可能体位置(S)のセットを決定し、
前記決定器(55)が、第1の追跡可能体位置(S)の前記セットのそれぞれの第1の追跡可能体位置(S)を、前記予め決められた回転経路(RP)と比較し、それによっていずれかの前記3次元座標追跡可能体位置(S)が、前記予め決められた回転経路(RP)と実質的に一致した位置から実質的に逸脱しているかどうかを判定し、該逸脱が、起こりうるアイソセンタ定義不良を示している、システム(30)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載のシステム(30)において、
前記決定器(55)が、メモリ(69)と、前記メモリ(69)に記憶された前記回転アセンブリ(35)の予め決められた回転経路(RP)と、治療装置のジオメトリを解析する前記メモリ(69)に記憶されたジオメトリ解析プログラム製品(81)とを含み、
前記ジオメトリ解析プログラム製品(81)が、
前記追跡可能体検出器(53)によって生成された前記複数の位置信号に応答して、前記回転アセンブリ(35)の前記回転経路(RP)に沿った複数の第1の追跡可能体位置(S)を決定する追跡可能体位置決定器(85)と、
前記複数の決定された第1の追跡可能体位置(S)に応答して、前記複数の決定された第1の追跡可能体位置(S)を前記予め決められた回転経路(RP)と比較し、それによって前記複数の決定された第1の追跡可能体位置(S)のいずれかが、前記回転アセンブリ(35)の前記予め決められた回転経路(RP)と実質的に一致した位置から実質的に逸脱しているかどうかを判定する回転経路比較器(107)であって、該逸脱が、起こりうるアイソセンタ定義不良を示している、回転経路比較器(107)と
を含む、システム(30)。
【請求項13】
請求項12に記載のシステム(30)において、
前記決定器(55)が、いずれかの前記第1の追跡可能体位置(S)が、前記回転アセンブリ(35)の前記予め決められた回転経路(RP)と実質的に一致した位置から実質的な逸脱していると判定されたことに応答して、前記アイソセンタ(57)の補正された3次元座標位置を決定している、システム(30)。
【請求項14】
治療装置(31)の回転アセンブリ(35)についての3次元位置及び角度回転データを提供し、それによって起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を検出する追跡可能アセンブリ(43)において、
前記回転アセンブリ(35)の予め選択された部分に枢動可能に接続されるようにされた近位体端部(71)と、自由に動く遠位体端部(73)と、前記近位体端部(71)及び前記遠位体端部(73)に接続され、前記近位体端部(71)と前記遠位体端部(73)の間に延びる中間体部分(75)とを有し、さらに、間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータ(47)を有する追跡可能体(49)であって、前記複数の別個のインジケータ(47)がそれぞれ、前記追跡可能体(49)上の予め選択された別個の位置に接続され、それぞれのインジケータ(47)の3次元座標位置を指示し、それによって該追跡可能体(49)の3次元位置データ及び方向データを提供し、該追跡可能体(49)が、追跡可能体を追跡する前記装置(51)によって、追跡可能体の可能な位置及び方向の一部にわたって追跡されるようにされ、追跡可能体を追跡する装置(51)に実質的に一定の基準方向を提供する追跡可能体(49)を特徴とする、追跡可能アセンブリ(43)。
【請求項15】
請求項14に記載の追跡可能アセンブリ(43)において、
前記追跡可能体(49)が、間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータ(47)の第1のセットを有する第1の追跡可能体(49)であり、
前記治療装置(31)のアイソセンタ座標系のアイソセンタ(57)の予め決められた3次元座標位置に対する予め決められたオフセット位置に位置する回転アセンブリ(35)の予め選択された部分に固定して接続されるようにされた第2の追跡可能体(45)であって、間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータ(47)にして、それぞれが第2の追跡可能体(45)上の予め選択された別個の位置に接続されている複数のインジケータ(47)を有し、それぞれのインジケータ(47)の3次元座標位置を指示し、それによって該第2の追跡可能体(45)の3次元位置データを提供し、該第2の追跡可能体(45)が、追跡可能体を追跡する前記装置(51)によって、追跡可能体の可能な位置の一部にわたって追跡されるようにされ、前記アイソセンタ(57)の前記3次元座標位置に固定位置基準を提供する、第2の追跡可能体(45)をさらに特徴とする追跡可能アセンブリ(43)。
【請求項16】
請求項15に記載の追跡可能アセンブリ(43)において、
前記第1の追跡可能体(49)が前記第2の追跡可能体(45)に取り付けられた非追跡可能体に枢動可能に接続されている、追跡可能アセンブリ(43)。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の追跡可能アセンブリ(43)において、
前記第1の追跡可能体(49)と前記第2の追跡可能体(45)が協働して、追跡可能体を追跡する前記装置(51)に、前記回転アセンブリ(35)についての回転角データを提供している、追跡可能アセンブリ(43)。
【請求項18】
請求項15から17のいずれかに記載の追跡可能アセンブリ(43)において、
前記第1及び前記第2の追跡可能体(49、45)がそれぞれ、追跡可能体を追跡する前記装置(51)に、前記第1及び前記第2の追跡可能体(49、45)のそれぞれの3次元方向データを提供し、
追跡可能体を追跡する前記装置(51)が、前記第1の追跡可能体方向と前記第2の追跡可能体方向との間の角度差を決定するようにされており、
前記角度差が前記回転アセンブリ(35)の回転角(A)を示し、前記治療装置(31)の前記アイソセンタ座標系の方向を前記回転アセンブリ(35)の前記回転角(A)とは独立に決定するために追跡可能体を追跡する前記装置(51)によって使用されている、追跡可能アセンブリ(43)。
【請求項19】
請求項15から18のいずれかに記載の追跡可能アセンブリ(43)において、
前記回転アセンブリ(35)の回転中に、第2の追跡可能体方向が、前記回転アセンブリ(35)の予め選択された回転角(A)から、前記回転アセンブリ(35)の前記回転経路(RP)に沿って、前記回転アセンブリ(35)の前記予め選択された部分の回転角(A)に比例した量だけ回転するように、前記第2の追跡可能体(45)が、前記治療装置(31)の前記回転アセンブリ(35)の前記予め選択された部分に実質的に固定されている、追跡可能アセンブリ(43)。
【請求項20】
請求項14から19のいずれかに記載の追跡可能アセンブリ(43)において、
前記第1の追跡可能体方向が、重力に応答して、前記回転アセンブリ(35)の回転中、実質的に垂直のままである、追跡可能アセンブリ(43)。
【請求項21】
請求項15から20のいずれかに記載の追跡可能アセンブリ(43)において、
前記第2の追跡可能体(45)が、追跡可能体を追跡する前記装置(51)に、前記回転アセンブリ(35)の予め決められた回転経路(RP)に関する追跡可能基準を提供している、追跡可能アセンブリ(43)。
【請求項22】
請求項21に記載の追跡可能アセンブリ(43)において、
前記第2の追跡可能体(45)が、追跡可能体を追跡する前記装置(51)に、前記追跡可能体(45)の3次元位置データを提供し、それによって追跡可能体を追跡する前記装置(51)が前記第2の追跡可能体(45)の複数の位置(S)を決定し、それによって追跡可能体を追跡する前記装置(51)によって決定された前記第2の追跡可能体(45)の複数の3次元座標位置(S)のいずれかが、前記回転アセンブリ(35)の前記予め決められた回転経路(RP)と実質的に一致した位置から実施的に逸脱しているかどうかを判定し、前記逸脱が、起こりうるアイソセンタ定義不良を示している、追跡可能アセンブリ(43)。
【請求項23】
回転アセンブリ(35)を有する治療装置(31)のジオメトリを解析し、それによって起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を検出する、記憶媒体上に記憶されたジオメトリ解析プログラム製品(81)であって、回転アセンブリ(35)の回転経路(RP)に沿って配置された追跡可能体(45)に接続された間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータ(47)の別個の位置を示す、追跡可能体検出器(53)によって生成された複数の位置信号を受け取り、前記追跡可能体(45)の追跡可能体位置を決定するようにされた追跡可能体位置決定器(85)を含むプログラム製品(81)において、
前記決定された追跡可能体位置と、予め決められた追跡可能体座標系と前記治療装置(31)の予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換の大きさ及び方向を示す予め決められた変換マトリックス(M)とに応答して、前記アイソセンタ座標系のアイソセンタ(57)の少なくとも1つの3次元座標位置を決定するアイソセンタ位置決定器(95)
を特徴とするプログラム製品(81)。
【請求項24】
請求項23に記載のプログラム製品(81)において、
前記回転アセンブリ(35)の前記ジオメトリの逸脱が存在するときに、前記追跡可能体位置決定器(85)と前記アイソセンタ位置決定器(95)のうちの少なくとも一方に応答して、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す前記逸脱を検出する逸脱検出器(101)と、
前記逸脱が存在するときにその検出に応答して、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良の存在を知らせる信号を送ることによって、前記治療計画の適用中にこのような逸脱に応答する逸脱応答器(103)と
をさらに特徴とする、プログラム製品(81)。
【請求項25】
請求項23又は24に記載のプログラム製品(81)において
前記追跡可能体(45)が第1の追跡可能体(45)であり、
前記追跡可能体検出器(53)によって生成された前記複数の位置信号が、前記回転アセンブリ(35)の前記回転経路(RP)に沿って配置された第2の追跡可能体(49)に接続された間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータ(47)の別個の位置を示しており、
前記プログラム製品(81)が、
前記追跡可能体検出器(53)によって生成された前記複数の位置信号に応答して、前記第1の追跡可能体(45)の第1の追跡可能体方向を決定し、前記第2の追跡可能体(49)の第2の追跡可能体方向を決定する追跡可能体方向決定器(87)と、
前記決定された第1の追跡可能体方向及び前記第2の追跡可能体方向に応答して、前記第1の追跡可能体方向と前記第2の追跡可能体方向との間の角度差にして前記回転アセンブリ(35)の前記回転角(A)を示す角度差を決定し、それによって前記治療装置(31)の前記アイソセンタ座標系の方向を前記回転アセンブリ(35)の回転角(A)とは独立に決定する、アイソセンタ方向決定器(97)と
をさらに特徴とするプログラム製品(81)。
【請求項26】
請求項23から25のいずれかに記載のプログラム製品において、
前記予め決められた変換マトリックス(M)が第1の予め決められた変換マトリックス(M)であり、
前記アイソセンタ(57)の前記決定された3次元座標位置が、前記第1の追跡可能体に関して決定された前記アイソセンタ(57)の第1の3次元座標位置であり、
前記追跡可能体検出器(53)が、追跡可能体検出器のオフセット位置を定義する、前記アイソセンタ(57)の前記3次元座標位置からオフセットされた固定位置に配置され、
前記アイソセンタ位置決定器(95)が、前記追跡可能体検出器(53)の前記予め選択された追跡可能体検出器基準オフセット位置と、前記治療装置(31)の前記アイソセンタ(57)の前記予め決められた3次元座標位置との間の変換の大きさ及び方向を示す第2の予め決められた変換マトリックス(M’)に応答して、前記追跡可能体検出器(53)のオフセット位置に関する前記アイソセンタ(57)の第2の3次元座標位置を決定し、
前記プログラム製品が、
前記アイソセンタ(57)の前記第1及び前記第2の決定された3次元座標位置に応答して、前記アイソセンタ(57)の前記第1の3次元座標位置と前記第2の3次元座標位置とを比較するアイソセンタ比較器(105)であって、前記アイソセンタ(57)の前記第1の決定された3次元座標位置と前記第2の決定された3次元座標位置との間の実質的な差が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すアイソセンタ比較器(105)をさらに特徴とするプログラム製品(81)。
【請求項27】
請求項25又は26に記載のプログラム製品(81)において、
前記アイソセンタ座標系の前記決定された方向が、前記第1の追跡可能体方向と前記第2の追跡可能体方向との間の角度差から決定された前記アイソセンタ座標系の第1の方向であり、
前記アイソセンタ方向決定器(97)が、追跡可能体検出器(53)の基準方向に関係づけられた前記アイソセンタ座標系の第2の方向を決定し、
前記アイソセンタ比較器(105)が、前記アイソセンタ座標系の前記第1及び前記第2の決定された方向に応答して、前記アイソセンタ座標系の前記第1の決定された方向と前記第2の決定された方向とを比較し、前記アイソセンタ座標系の前記第1の決定された方向と前記第2の決定された方向との間の実質的な差が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示している、プログラム製品(81)。
【請求項28】
請求項23から27のいずれかに記載のプログラム製品(81)において、
前記追跡可能体位置決定器(85)が、前記回転アセンブリ(35)の前記回転経路(RP)に沿って位置する複数の3次元座標追跡可能体位置(S)を決定し、
前記プログラム製品(81)が、
前記複数の決定された追跡可能体位置(S)に応答し、前記回転アセンブリ(35)の予め決められた回転経路(RP)を受け取るように配置されて、前記複数の決定された追跡可能体位置(S)のいずれかが、前記回転アセンブリ(35)の前記予め決められた回転経路(RP)と実質的に一致した位置から実質的に逸脱しているかどうかを判定する回転経路比較器(107)であって、該逸脱が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す回転経路比較器(107)
をさらに特徴とする、プログラム製品(81)。
【請求項29】
請求項28に記載のプログラム製品(81)において、
前記アイソセンタ位置決定器(95)が、前記逸脱の前記判定に応答して、前記アイソセンタ(57)の補正された3次元座標位置を決定している、プログラム製品(81)。
【請求項30】
請求項29に記載のプログラム製品(81)において、
前記アイソセンタ(57)の前記補正された3次元座標位置が、前記回転アセンブリ(35)の最大回転範囲に沿った複数の回転位置に対して決定されている、プログラム製品(81)。
【請求項31】
回転アセンブリ(35)を有する装置(31)のジオメトリを監視し、それによって起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を検出する、コンピュータ(55)が読むことができるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ(55)によって実行されたときに、追跡可能体(45)にそれぞれ接続された複数の追跡可能インジケータ(47)の別個の3次元座標位置を示す、追跡可能体検出器(53)によって生成された複数の位置信号を受け取る操作と、前記複数の位置信号に応答して、前記追跡可能体(45)の3次元座標追跡可能体位置を決定する操作とを、前記コンピュータ(55)に実行させる命令のセットを含むコンピュータ可読媒体であって、
前記操作がさらに、
前記追跡可能体(45)の予め決められた追跡可能体基準座標系と前記装置(31)の予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換の大きさ、方向及び回転を示す予め決められた変換マトリックス(M)を受け取り、
前記決定された追跡可能体位置及び前記予め決められた変換マトリックス(M)に応答して、前記装置(31)の前記アイソセンタ(57)のそれぞれの3次元座標系定義を決定することを特徴とする、コンピュータ可読媒体。
【請求項32】
請求項31に記載のコンピュータ可読媒体において、
前記追跡可能体(45)が第1の追跡可能体(45)であり、
前記追跡可能体検出器(53)によって生成された前記複数の位置信号がさらに、第2の追跡可能体(49)に接続された間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータ(47)の別個の3次元座標位置を示しており、
前記操作がさらに、
前記複数の位置信号に応答して、前記第1の追跡可能体(45)の第1の追跡可能体方向及び前記第2の追跡可能体(49)の対応する第2の追跡可能体方向を決定し、
前記第1の決定された追跡可能体方向及び前記第2の決定された追跡可能体方向に応答して、前記第1の追跡可能体方向と前記第2の追跡可能体方向との間の角度差を決定し、該角度差が、前記回転アセンブリ(35)の回転角(A)を指示し、
前記回転アセンブリ(35)の前記回転角(A)に応答して、前記装置(31)に対する前記アイソセンタ座標系の3次元方向を、前記回転アセンブリ(35)の前記回転角(A)とは独立に決定する
ことを特徴とする、コンピュータ可読媒体。
【請求項33】
請求項31又は32に記載のコンピュータ可読媒体において、
前記予め決められた変換マトリックス(M)が第1の予め決められた変換マトリックス(M)であり、
前記アイソセンタ(57)の前記決定された3次元系定義が、前記第1の追跡可能体位置に関して決定された前記アイソセンタ(57)の第1の3次元座標系定義であり、
前記追跡可能体検出器(53)が、追跡可能体検出器基準オフセット位置を定義する、前記アイソセンタ(57)の前記3次元座標系定義からオフセットされた固定位置に配置され、
前記操作がさらに、
前記追跡可能体検出器(53)の追跡可能体検出器(53)座標系と前記装置(31)の前記予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換の大きさ、方向及び回転を示す第2の予め決められた変換マトリックス(M’)を受け取り、
前記第2の予め決められた変換マトリックス(M’)に応答して、前記追跡可能体検出器オフセット位置に関係づけられた前記アイソセンタ(57)の第2の3次元座標系定義を決定し、
前記アイソセンタ(57)の前記第1及び前記第2の決定された3次元座標系定義の決定に応答して、前記アイソセンタ(57)の前記第1の3次元座標系定義と前記第2の3次元座標系定義とを比較し、前記アイソセンタ(57)の前記第1の決定された3次元座標系定義と前記第2の決定された3次元座標系定義との間の実質的な差にして、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す差を決定する、
ことを特徴とする、コンピュータ可読媒体。
【請求項34】
請求項31から33のいずれかに記載のコンピュータ可読媒体において、
前記操作がさらに、
回転経路(RP)データセットを定義するために、前記回転アセンブリ(35)の予め決められた回転経路(RP)を定義するデータセットを受け取り、
前記決定された追跡可能体位置及び前記回転経路(RP)データセットに応答して、前記決定された追跡可能体位置が、前記回転アセンブリ(35)の前記予め決められた回転経路(RP)と実質的に一致した位置から実質的に逸脱しているかどうかを判定し、該逸脱が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を指示し、
前記逸脱の前記判定に応答して、前記アイソセンタ(57)の補正された3次元座標系定義及び前記アイソセンタ座標系の方向を決定する
ことを特徴とする、コンピュータ可読媒体。
【請求項35】
患者治療送達中に、回転アセンブリ(35)を有する治療装置(31)のジオメトリを監視し、それによって起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を検出する、コンピュータが読むことができるコンピュータ可読媒体であって、
該コンピュータ可読媒体が、前記コンピュータ(55)によって実行されたときに、前記回転アセンブリ(35)の回転経路(RP)に沿って配置された追跡可能体(45)に接続された間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータ(47)の3次元座標位置を示す、追跡可能体検出器(53)によって生成された複数の位置信号を受け取る操作を、前記コンピュータ(55)に実行させる命令のセットを有し、
前記操作がさらに、
患者治療送達中に、前記複数の位置信号に応答して、前記追跡可能体(45)の3次元座標追跡可能体位置を決定し、
前記追跡可能体の予め決められた追跡可能体座標系と前記治療装置(31)の予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換を示す予め決められた変換マトリックス(M)を受け取り、
前記追跡可能体(45)の前記決定された3次元座標位置及び前記予め決められた変換マトリックス(M)に応答して、前記アイソセンタ(57)の少なくとも1つの3次元座標位置を決定する
ことを特徴とする、コンピュータ可読媒体。
【請求項36】
請求項35に記載のコンピュータ可読媒体において、
前記操作がさらに、
前記回転アセンブリ(35)の前記ジオメトリの逸脱が存在するときに、前記アイソセンタ(57)の前記決定された3次元座標位置に応答して、前記回転アセンブリ(35)の前記ジオメトリの逸脱を検出し、該逸脱が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を指示し、
前記逸脱の検出に応答して、前記起こりうるアイソセンタ(57)定義不良の存在を知らせる信号を送ることによって前記逸脱に応答する
ことを特徴とする、コンピュータ可読媒体。
【請求項37】
請求項35又は36に記載のコンピュータ可読媒体において、
前記追跡可能体(45)が第1の追跡可能体(45)であり、
前記追跡可能体検出器(53)によって生成された前記複数の位置信号が、前記回転アセンブリ(35)の前記回転経路(RP)に沿って配置された第2の追跡可能体(49)に接続された間隔を置いて配置された複数の別個の追跡可能インジケータ(47)の別個の3次元座標位置を示し、
前記操作がさらに、
前記追跡可能体検出器(53)によって生成された前記複数の位置信号に応答して、前記第1の追跡可能体(45)の第1の追跡可能体方向を決定し、前記第2の追跡可能体(49)の対応する第2の追跡可能体方向を決定し、
前記決定された第1の追跡可能体方向及び前記第2の追跡可能体方向に応答して、前記第1の追跡可能体方向と前記第2の追跡可能体方向との間の角度差を決定し、該角度差が、前記回転アセンブリ(35)の回転角(A)を指示し、
前記回転アセンブリ(35)の前記回転角(A)に応答して、前記治療装置(31)に対する前記アイソセンタ座標系の3次元方向を、前記回転アセンブリ(35)の前記回転角(A)とは独立に決定する
ことを特徴とする、コンピュータ可読媒体。
【請求項38】
請求項35から37のいずれかに記載のコンピュータ可読媒体において
前記予め決められた変換マトリックス(M)が第1の予め決められた変換マトリックス(M)であり、
前記アイソセンタ(57)の前記決定された3次元位置が、前記第1の追跡可能体位置に関して決定された前記アイソセンタ(57)の第1の3次元座標位置であり、
前記追跡可能体検出器(53)が、前記アイソセンタ(57)の前記3次元座標位置からオフセットされた固定位置に配置され、追跡可能体検出器オフセット位置を定義し、
前記操作がさらに、
前記追跡可能体検出器(53)の追跡可能体検出器(53)の座標系と前記治療装置(31)の前記予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換を示す第2の予め決められた変換マトリックス(M’)を受け取り、
前記第2の予め決められた変換マトリックス(M’)に応答して、前記追跡可能体検出器オフセット位置に関する前記アイソセンタ(57)の第2の3次元座標位置を決定し、
前記アイソセンタ(57)の前記第1及び前記第2の決定された3次元座標位置に応答して、前記アイソセンタ(57)の前記第1の3次元座標位置と前記第2の3次元座標位置とを比較し、前記アイソセンタ(57)の前記第1の決定された3次元座標位置と前記第2の決定された3次元座標位置との間の実質的な差が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す
ことを特徴とする、コンピュータ可読媒体。
【請求項39】
請求項38に記載のコンピュータ可読媒体において、
前記操作がさらに、
前記第1の決定された追跡可能体方向及び前記第2の追跡可能体方向に応答して、前記回転アセンブリ(35)の回転角(A)を決定し、
前記回転アセンブリ(35)の前記決定された回転角(A)及び前記起こりうるアイソセンタ定義不良に応答して、前記起こりうるアイソセンタ座標系定義不良の原因の位置を決定する
ことを特徴とする、コンピュータ可読媒体。
【請求項40】
請求項38又は39に記載のコンピュータ可読媒体において
前記アイソセンタ座標系の前記決定された方向が、前記第1の追跡可能体方向と前記第2の追跡可能体方向との間の角度差から決定された前記アイソセンタ座標系の第1の方向であり、
前記操作がさらに、
前記第2の予め決められた変換マトリックス(M’)に応答して、追跡可能体検出器(53)オフセット位置に関係づけられた前記アイソセンタ座標系の第2の方向を決定し、
前記アイソセンタ座標系の前記第1及び前記第2の決定された方向に応答して、前記アイソセンタ座標系の前記第1の決定された方向と前記第2の決定された方向とを比較し、前記アイソセンタ座標系の前記第1の決定された方向と前記第2の決定された方向との間の実質的な差が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示す
ことを特徴とする、コンピュータ可読媒体。
【請求項41】
回転アセンブリ(35)を有する治療装置(31)のアイソセンタ(57)を決定し、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を検出する方法であって、該方法が、
前記回転アセンブリ(35)の予め選択された部分に接続され、前記治療装置(31)のアイソセンタ座標系のアイソセンタ(57)の予め決められた3次元座標系定義に対する予め決められたオフセット位置に位置する追跡可能体(45、49)の3次元座標位置を決定するステップであって、前記追跡可能体(45、49)が、間隔を置いて配置された複数の別個のインジケータ(47)を有し、前記複数のインジケータ(47)がそれぞれの3次元座標位置を示し、前記複数のインジケータ(47)がそれぞれ、前記追跡可能体(45、49)上の予め選択された別個の位置に接続され、それによって前記追跡可能体(45、49)の3次元位置データを提供するステップと、
前記追跡可能体(45、49)の前記決定された3次元位置に、追跡可能体基準座標系と前記アイソセンタ座標系との間の変換を示す予め決められた変換マトリックス(M)を適用することによって、前記アイソセンタ(57)の前記3次元座標系定義を決定するステップと
を特徴とする、方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、
前記追跡可能体(45、49)が、間隔を置いて配置された第1の複数の別個のインジケータ(47)を有する第1の追跡可能体(45)であり、
該方法が、
前記第1の追跡可能体(45)の第1の追跡可能体方向を決定するステップと、
第2の追跡可能体(49)の第2の追跡可能体方向を決定するステップであって、前記第2の追跡可能体(49)が、前記第1の追跡可能体(45)に枢動可能に接続され、又は前記第1の追跡可能体(45)に隣接して枢動可能に接続された近位体端部(71)と、実質的に一定の基準方向を提供する自由に動く遠位体端部(73)と、前記近位体端部(71)及び前記遠位体端部(73)に接続され、前記近位体端部(71)と前記遠位体端部(73)の間に延びる中間体部分(75)と、間隔を置いて配置された第2の複数の別個のインジケータ(47)とを有し、前記第2の複数のインジケータ(47)がそれぞれの3次元座標位置を指示し、前記第2の複数の別個のインジケータ(47)がそれぞれ、前記第2の追跡可能体上の予め選択された別個の位置に接続され、それによって前記第2の追跡可能体(49)の第2の追跡可能体方向データを提供するステップ、
をさらに特徴とする、方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法において、
前記サンプリング点において、前記第1の追跡可能体(45)の前記第1の追跡可能体方向を、前記第2の追跡可能体(49)の前記第2の追跡可能体方向と比較し、それによってサンプリング点における前記回転アセンブリ(35)の角度回転を決定するステップをさらに特徴とする、方法。
【請求項44】
請求項42又は43に記載の方法において、
前記アイソセンタ座標系が前記第1の追跡可能体方向に関係した方向を有し、
前記第1の追跡可能体(45)の前記第1の追跡可能体方向と前記第2の追跡可能体(49)の前記第2の追跡可能体方向との間の角度差を決定するステップであって、前記角度差が、アイソセンタ角度補正係数を示すステップと、
前記アイソセンタ角度補正係数を、前記アイソセンタ(57)の前記決定された3次元座標系定義に適用し、それによって前記治療装置(31)の前記アイソセンタ座標系の方向を、前記回転アセンブリ(35)の回転角(A)とは独立に決定するステップと
をさらに特徴とする、方法。
【請求項45】
回転アセンブリ(35)を有する治療装置(31)のジオメトリを監視し、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を検出する方法であって、
前記治療装置(31)のアイソセンタ(57)の予め決められた3次元座標位置に対する予め決められたオフセット位置に位置する前記回転アセンブリ(35)の予め選択された部分に追跡可能体(45、49)を接続するステップと、
前記治療計画の適用中に、前記回転アセンブリ(35)の回転経路(RP)に沿った前記追跡可能体(45、49)の少なくとも1つの位置をサンプリングし、解析して、前記回転アセンブリ(35)の前記ジオメトリの逸脱が存在するときに、前記逸脱を検出し、それによって前記追跡可能体(45、49)に関して決定された前記アイソセンタ座標系の定義を検証するステップと、
前記逸脱の検出に応答して、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良の存在を知らせる信号を送るステップと
を特徴とする方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法において、
前記逸脱を検出するステップが、
前記追跡可能体(45、49)の3次元座標位置を決定し、追跡可能体位置を定義するステップと、
予め決められた追跡可能体基準座標系と予め決められたアイソセンタ座標系との間の変換を示す第1の予め決められた変換マトリックス(M)を前記追跡可能体位置に適用し、それによって第1のアイソセンタ座標位置を決定するステップと、
追跡可能体を追跡する装置(51)の一部分の3次元座標位置を決定し、追跡可能体検出器オフセット位置を定義するステップと、
前記予め決められた追跡可能体検出器オフセット位置と前記アイソセンタ(57)の前記予め決められた3次元座標位置との間の変換を示す第2の予め決められた変換マトリックス(M’)を前記追跡可能体検出器オフセット位置に適用し、それによって第2のアイソセンタ位置を決定するステップと、
前記第1の決定されたアイソセンタ位置と前記第2の決定されたアイソセンタ位置とを比較するステップであって、前記第1の決定されたアイソセンタ位置と前記第2の決定されたアイソセンタ位置との間の実質的な差が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すステップと
を更に有する、方法。
【請求項47】
請求項45又は46に記載の方法において、
前記追跡可能体(45、49)が第1の追跡可能体(45)であり、
逸脱を検出する前記ステップがさらに、
前記第1の追跡可能体(45)の第1の追跡可能体方向と、前記第1の追跡可能体(45)に枢動可能に接続され、又は前記第1の追跡可能体(45)に隣接して枢動可能に接続された第2の追跡可能体(49)の第2の追跡可能体方向との間の角度差を決定し、それによって前記アイソセンタ(57)の第1の決定された方向を決定するステップと、
追跡可能体を追跡する前記装置(51)の一部分の予め定義された方向に応答して、前記アイソセンタ座標系の第2の決定された方向を決定するステップと、
前記アイソセンタ座標系の前記第1の方向と前記第2の方向とを比較するステップであって、前記アイソセンタ座標系の前記第1の方向と前記第2の方向との間の実質的な差が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すステップと
を含む、方法。
【請求項48】
請求項45から47のいずれかに記載の方法において、
逸脱を検出する前記ステップがさらに、
前記回転アセンブリ(35)の前記回転経路(RP)に沿って位置する前記追跡可能体の複数の3次元座標追跡可能体位置を決定するステップと、
前記決定された3次元座標追跡可能体位置を前記回転アセンブリ(35)の前記予め決められた回転経路(RP)と比較し、前記複数の決定された3次元座標追跡可能体位置のいずれかが、前記回転アセンブリ(35)の予め決められた回転経路(RP)と実質的に一致した位置から実質的に逸脱しているかどうかを判定するステップであって、該逸脱が、起こりうるアイソセンタ座標系定義不良を示すステップと
を含む、方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法において、
前記逸脱の検出に応答する前記ステップがさらに、前記アイソセンタ(57)の補正された3次元座標位置を決定するステップを含む、方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法において、
前記アイソセンタ(57)の前記補正された3次元座標位置が、前記回転アセンブリ(35)の最大回転範囲に沿った複数の回転位置に対して決定されている、方法。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2008−537899(P2008−537899A)
【公表日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503154(P2008−503154)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/010483
【国際公開番号】WO2007/030142
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(507186182)ノモス コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】