説明

放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器

【課題】軽量化し、水分による電子機器への悪影響を軽減した放熱構造すなわち放熱ユニットを提供することを目的とするものである。
【解決手段】電子機器の一つの面に装着され、この電子機器の内部と外部を仕切る仕切り板9と、この仕切り板9の外側に配置した熱交換体10とを備え、仕切り板9は、上方通気口12と下方通気口13を有し、熱交換体10は、仕切り板9の外側において、上方通気口12と下方通気口13を架橋状に連結した温風路体14によって構成し、仕切り板9の外側には、この仕切り板9の上方通気口12から温風路体14を介して下方通気口13に送風する送風機11を設け、上方通気口12、下方通気口13の少なくとも一方の内面側であって、温風路体14の風路下方となる側に水分トラップ溝17a、17b、18a、18bを設けたものであるので、効率的な熱交換ができるとともに、電子機器内の水分を回収することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば屋外に設置される電子機器に活用される放熱ユニットおよびこれを組み込んだ電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器、例えばテレビジョン受像機では、本体ケースの前面側に表示部が設けられ、またこの本体ケースの内部には前記表示部の制御部が設けられ、制御部の背面側は仕切り板で覆われていた。
【0003】
また、この電子機器は、天井から吊り下げて使用される場合もあった(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7―322172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年のテレビジョン受像機は、その表示部が極めて大きくなってきたので、その表示効果の高さを利用し、これを広告装置として屋外に設置する取り組みも活発化されるようになっている。
【0006】
この場合、屋外で使用するためには、本体ケース内に雨水が浸入しないように密閉構造をとることが必要となり、そのためにこの本体ケースの前面開口部は表示部で、また背面開口部は仕切り板で、それぞれ密封する構成としていた。
【0007】
しかしながら、この様な密閉構造をとると、本体ケース内部分となる表示部背面側や、制御部の放熱が十分に行えなくなる。
【0008】
そこで、従来は本体ケースの背面側に設けた前記仕切り板を金属製とし、さらにこの仕切り板の内、外に金属製のフィンを複数設け、この状態で本体ケース内の空気を送風機で攪拌する構成としていた。
【0009】
つまり、本体ケース内の空気を送風機で攪拌することで、先ず、本体ケース内の熱を、本体ケース内のフィンに伝達し、次に、熱伝導によりこのフィンから仕切り板に熱を移動させ、その後、熱伝導により、本体ケース外のフィンに熱を移動させ、その後本体ケース外のフィンから屋外空気に放熱させる構成となっている。
【0010】
しかしながら、このような放熱構造、つまり金属製仕切り板の内、外に金属製のフィンを複数設けた構造は、よく知られているように極めて重くなり、このように放熱構造が重くなると、テレビジョン受像機自体も重くなり、結果として屋外の高所に設置するのに好ましくないものとなる。
【0011】
また、このような放熱構造では、金属製のフィンからは顕熱分だけが外部に放出されることになる。すなわち、このような電子機器の内部の湿度分は、その密閉構造により、外部に放出されることがなく、場合によっては、電子機器内で結露が発生し、電子機器に悪影響を及ぼすことがある。
【0012】
そこで、本発明は放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器の軽量化を図り、効率的に熱交換するとともに、電子機器内に存在する湿度分を回収することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そして、この目的を達成するために、本発明の放熱ユニットは、電子機器の一つの面に装着され、この電子機器の内部と外部を仕切る仕切り板と、この仕切り板の前記電子機器外部側に配置した熱交換体とを備え、前記仕切り板は、第一、第二の通気口を有し、前記熱交換体は、前記仕切り板の前記電子機器外部側において、前記第一の通気口と第二の通気口を架橋状に連結した複数の温風路体によって構成し、前記仕切り板の前記電子機器外部側には、この仕切り板の前記電子機器内部側の空気を、前記第一の通気口側から前記温風路体を介して第二の通気口側に送風する送風機を設け、前記第一の通気口、前記第二の通気口の少なくとも一方の内面側であって、前記温風路体の風路下方となる側に水分トラップ溝を設け、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0014】
以上のごとく本発明の放熱ユニットは、電子機器の一つの面に装着され、この電子機器の内部と外部を仕切る仕切り板と、この仕切り板の前記電子機器外部側に配置した熱交換体とを備え、前記仕切り板は、第一、第二の通気口を有し、前記熱交換体は、前記仕切り板の前記電子機器外部側において、前記第一の通気口と第二の通気口を架橋状に連結した複数の温風路体によって構成し、前記仕切り板の前記電子機器外部側には、この仕切り板の前記電子機器内部側の空気を、前記第一の通気口側から前記温風路体を介して第二の通気口側に送風する送風機を設け、前記第一の通気口、前記第二の通気口の少なくとも一方の内面側であって、前記温風路体の風路下方となる側に水分トラップ溝を設けたものであるので、放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器の軽量化を図り、効率的な熱交換を図るとともに、電子機器内の湿度分を回収することができる。
【0015】
すなわち、本発明においては、従来のように電子機器の本体ケース内部にまで放熱用のフィンを設けなくても、前記本体ケース内部の熱を、送風機の送風により、本体ケース外の熱交換体へ移動させ、効果的に放熱させることができるので、放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器の軽量化を図ることができるのである。
【0016】
また、本発明においては、熱交換体を構成する温風路体、および前記仕切り板の第一の通気口側から前記温風路体を介して第二の通気口側に送風する送風機を、前記仕切り板の前記電子機器外部側に設けたものであるので、仕切り板の内部側に配置される、電子機器の制御部の設計配置自由度が向上するものにもなる。
【0017】
また、電子機器内に水分が浸入していると、水分を含んだ空気が温風路体を通過したときに冷却されて結露する。しかし、結露した水分は、第一、あるいは、第二の通気口に設けられた水分トラップ溝にトラップされることになり、電子機器に対し、水分による悪影響が軽減されるのである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1の電子機器の設置例を示す斜視図
【図2】同背面側の斜視図
【図3】同背面側の分解斜視図
【図4】同放熱ユニットの斜視図
【図5】(a)同放熱ユニットの正面図(b)同上面図(c)同側面図(d)同下面図
【図6】(a)同断面図(b)同断面図
【図7】(a)同放熱ユニットの上方通気口カット図(b)上方通気口斜視図
【図8】(a)同放熱ユニットの下方通気口カット図(b)下方通気口斜視図
【図9】(a)同放熱ユニットの外気通風方向を示す背面斜視図(b)配置状態を変更した斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1において1は、電子機器の一例として用いた表示装置で、テレビジョン受像機としての機能以外に、屋外における広告用の表示も行えるようになっている。
【0021】
したがって、この図1では、表示装置1は商店2の軒下3、つまり屋外に設置され、この屋外において横長、長方形状(四角形の一例)の表示部4が、前面側に表出した状態となっている。
【0022】
前記表示装置1は、図2、図3に示すように、前面と背面が開口した横長、長方形状の本体ケース5と、この本体ケース5の前面開口部を覆うごとく、水密状態で配置された前記表示部4と、この本体ケース5の内部で、前記表示部4の背面側に配置されるとともに、前記表示部4の制御を行う図3で示す制御部6と、前記本体ケース5の背面開口部を分割状態で覆うとともに、水密状態で配置された十個(複数の一例)の放熱ユニット7と、この放熱ユニット7の背面側を通気状態で覆った通気性の背面カバー8とを備えている。
【0023】
なお、本実施形態では図3から理解されるように、十個の放熱ユニット7を本体ケース5の背面に並べて配置して、本体ケース5の背面開口部を、これら十個の放熱ユニット7で水密状態に覆う構成としている。
【0024】
また、十個の放熱ユニット7は、それぞれ図2、図3に示すように表示装置1を構成する本体ケース5背面開口部に装着される。そして、図3、4に示すように、放熱ユニット7は、本体ケース5の内部と外部を水密状態で仕切る縦長、長方形状の金属製の仕切り板9と、この仕切り板9の前記本体ケース5の外部側に配置した熱交換体10と、同じく仕切り板9の前記本体ケース5の外部側に配置した送風機11とを備えている。
【0025】
なお、放熱ユニット7の仕切り板9は、本実施形態では縦長の長方形状としたが、本体ケース5の形状などにより、横長の長方形状でも、正方形でも作成することもできる。例えば、十個の放熱ユニット7を一つの放熱ユニット7にした場合には、仕切り板9は一つの横長の長方形状になる。
【0026】
また、十個の仕切り板9は、それぞれ図3からも理解されるように、その上辺の内側(下側)に第一の通気口となる上方通気口12が設けられ、また上辺に対向する下辺内側(上側)には第二の通気口となる下方通気口13が設けられている。
【0027】
さらに、熱交換体10は、図4から図6に示すごとく、仕切り板9の本体ケース5の外部側において、上方通気口12と下方通気口13を、縦長の複数の温風路体14によって縦方向に橋架状に連結した構成となっている。
【0028】
つまり、温風路体14は合成樹脂製で、筒状となっており、上方通気口12と下方通気口13間を、本体ケース5の外部側において、連通させた状態となっている。
【0029】
また、複数の温風路体14の上方通気口12側も、下方通気口13側も一つに集合され、この集合した状態で、上方は上方通気口12に連結され、下方は下方通気口13に連結されている。
【0030】
そして、複数の温風路体14の下方集合筒14a内に送風機11が配置されている。
【0031】
この時、本実施形態では、送風機11は予め、仕切り板9の下方通気口13部分に取り付け、その状態で、この送風機11の外周を覆うように温風路体14の下方集合筒14aを被せるようにしている。
【0032】
また、これら複数の温風路体14で、隣接する温風路体14間には、それぞれ通風路16aが設けられている。
【0033】
さらに、本実施形態においては、上方通気口12と下方通気口13を、縦長の温風路体14によって縦方向に橋架状に連結したことにより、この温風路体14の上方通気口12と下方通気口13間において、仕切り板9の本体ケース5外部側との間には、通風路16bが形成されている。
【0034】
さらに、背面カバー8は上下、左右への通気が可能な多開口状態としている。
【0035】
以上の構成において、本体ケース5は、その前面開口部が表示部4で、また背面開口部が仕切り板9により、それぞれ水密状態で覆われているので、表示部4や制御部6の熱がこの本体ケース5内にこもることになる。
【0036】
そこで、本実施形態では、上述の放熱ユニット7を設けたものであり、送風機11を駆動すると、図6(b)の矢印Aのごとく、本体ケース5内の熱は温風として上方通気口12から温風路体14内へと、つまり本体ケース5外へと搬送される。
【0037】
そして、温風路体14を下方通気口13へと下方に進み、再び送風機11によって本体ケース5内に吹出される。
【0038】
この時、図6(a)に示すごとく上下、左右への通気が可能な多開口状態の背面カバー8から矢印Bのごとく進入した外気が、温風路体14の外表面に沿って上昇することで、温風路体14内を下降する温風と、熱交換され、この結果として、温風路体14内を下降する温風が冷却されることになる。
【0039】
そして、この冷却風が、送風機11によって、下方通気口13から制御部6の高温部に吹付けられ、これを効果的に冷却することになる。
【0040】
なお、本実施形態では、温風路体14を合成樹脂によって形成しているが、その板厚を薄くしているので、合成樹脂の熱伝導率が金属よりも小さくとも、対流による熱交換作用で十分なる熱交換が行えるようになっている。
【0041】
また、本実施形態の温風路体14は、上述のごとく、その仕切り板9側に通風路16bを設けているので、この通風路16bにも矢印Cのごとく、背面カバー8から進入した外気が上昇し、その結果として外気と温風路体14内の温風との熱交換は十分に行えるものとなる。
【0042】
図9(a)は横長の本体ケース5を横長状態に設置した状態を示している。そして、図9(b)は横長の本体ケース5を縦長状態で設置した状態を示している。
【0043】
つまり、表示効果を高めるためには、このように横長の本体ケース5を縦長状態で設置することもある。
【0044】
そして、このように横長の本体ケース5を縦長状態で設置した場合には、外気は各温風路体14の通風路16b内を直線状に上昇することになるので、この場合にも、外気と温風路体14内の温風との熱交換は十分に行えるものとなる。
【0045】
以上のごとく、本実施形態においては、本体ケース5内にこもった表示部4や制御部6の熱は、放熱ユニット7により、本体ケース5外へと搬送され、外気で効果的に冷却されることになる。
【0046】
また、放熱ユニット7の温風路体14は本体ケース5外にだけ設けられているので、軽量化が図りやすくなる。
【0047】
つまり、本実施形態では、従来のように表示装置1内部にまで放熱対策用に放熱フィンを設けなくても、この表示装置1の内部の熱を、送風機11の送風により、表示装置1の外部側に配置した熱交換体10へ移動させて効果的に放熱させることができるので、放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器の軽量化を図ることができるのである。
【0048】
また、本実施形態においては、送風機11を仕切り板9の本体ケース5外側に配置したので、仕切り板9の本体ケース5内側は、単なる平面状態となるので、制御部6の配置設計自由度が高くなる。
【0049】
さらに、送風機11は冷却空気を下方通気口13から本体ケース5内に吹出す構成としたものであるので、送風機11に対する送風抵抗が高くならず、大量の冷却空気を制御部6に吹き出すことが出来、その冷却効果を高めることができる。
【0050】
また、この下方通気口13からの冷却空気が、制御部6の高温部に噴出されるようにしておけば、制御部6の冷却効果をさらに高めることができる。
【0051】
さらに、この送風機11にとっても、冷却後の空気が通過するので、その寿命が延びることにもなる。
【0052】
これに対して、送風機11を上方通気口12側に設け、上方通気口12から送風機11で空気を温風路体14内に吸引するようにすると、本体ケース5内に比べて通気抵抗の高い温風路体14内に送風空気を押し込むことになるので、送風量が低下し、その結果として制御部6の冷却効果が低いものとなる。
【0053】
また、この時には、本体ケース5内で温度上昇した空気が送風機11を通過することになるので、この送風機11にとっても寿命が短くなる。
【0054】
ここで本実施形態の他の特徴的な部分について説明する。
【0055】
すなわち、図7、図8で示すように、複数設けた温風路体14は、下方集合筒14aの部分で合流するように設けられている。合流した下方集合筒14a内部には送風機11が設けられている。
【0056】
図7は、下方通気口13の詳細図である。
【0057】
前述したように、仕切り板9に設けられた下方通気口13には、送風機11が取り付けられ、さらに、この送風機11に被せるようにして熱交換体10の下方集合筒14aが設けられている。この下方集合筒14aの下面側内部には、水分トラップ溝17aが設けられている。
【0058】
このような構成によれば、表示装置1内で、温められた空気は、上方通気口12から下方通気口13へ温風路体14内部を通過する。そして、通風路16a、通風路16bを外気が通過することにより、温風路体14内を通過する空気が冷却される。このとき、表示装置1内に浸入した水分は、外気に冷却されて温風路体14内で結露水となる。この結露水は、温風路体14内壁面を伝わり、水分トラップ溝17aに溜まることになるのである。
【0059】
すなわち、温風路体14内で結露した水分は、再び表示装置1内に戻されることがなく、安定した表示装置1の動作が行われることになる。また、水分トラップ溝17aは、温風路体14内の下流側となる下方通気口13付近に設けられ、温風路体14内の空気の流れに沿って水分が移動するので、効率よく表示装置1内の水分を回収することができる。
【0060】
また、さらに、下方集合筒14aの両側面にも水分トラップ溝17bを設けても良い。この場合には、図9(b)に示すごとく、表示装置1を縦長にして設置した場合にも水分のトラップが可能になる。
【0061】
また、この水分トラップ溝17a、水分トラップ溝17bに吸湿剤を充填する構成でも良い。吸湿剤を充填することにより、確実に水分を捕獲することになる。
【0062】
また、この水分トラップ溝17a、水分トラップ溝17bにドレン栓を設けても良い。メンテナンス時に、このドレン栓を外すことによって水分トラップ溝17a、水分トラップ溝17bに回収された水分を装置外に排出することが可能になる。
【0063】
また、図8に示すように、下方通気口13だけでなく、上方通気口12近傍の温風路体14内に水分トラップ溝18a、水分トラップ溝18bを設けても良い。表示装置1内の制御部6のレイアウトによっては、放熱ユニット7は、上方通気口12が下側になるようにとりつけられることもある。
【0064】
この場合には、温風路体14内の空気の流れとは逆になるが、下方に流れた結露水がトラップされるよう、水分トラップ溝18a、水分トラップ溝18bを上方通気口12に設けると良いのである。
【0065】
なお、水分トラップ溝17a、水分トラップ溝17b、水分トラップ溝18a、水分トラップ溝18bは、温風路体14の外周側に設け、通風路16bに面した面には設けない構成である。これは、上側の通気口では、溝が天面側あるいは側面側のみに設けられることになり、上側で水分が溜まることがないからである。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のごとく本発明の放熱ユニットは、電子機器の一つの面に装着され、この電子機器の内部と外部を仕切る仕切り板と、この仕切り板の前記電子機器外部側に配置した熱交換体とを備え、前記仕切り板は、第一、第二の通気口を有し、前記熱交換体は、前記仕切り板の前記電子機器外部側において、前記第一の通気口と第二の通気口を架橋状に連結した複数の温風路体によって構成し、前記仕切り板の前記電子機器外部側には、この仕切り板の前記電子機器内部側の空気を、前記第一の通気口側から前記温風路体を介して第二の通気口側に送風する送風機を設け、前記第一の通気口、前記第二の通気口の少なくとも一方の内面側であって、前記温風路体の風路下方となる側に水分トラップ溝を設けたものであるので、放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器の軽量化を図り、効率的な熱交換を図るとともに、電子機器内の湿度分を回収することができる。
【0067】
すなわち、本発明においては、従来のように電子機器の反対ケース内部にまで放熱用のフィンを設けなくても、前記本体ケース内部の熱を、送風機の送風により、本体ケース外の熱交換体へ移動させ、効果的に放熱させることができるので、放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器の軽量化を図ることができるのである。
【0068】
また、本発明においては、熱交換体を構成する温風路体、および前記仕切り板の第一の通気口側から前記温風路体を介して第二の通気口側に送風する送風機を、前記仕切り板の前記電子機器外部側に設けたものであるので、仕切り板の内部側に配置される、電子機器の制御部の設計配置自由度が向上するものにもなる。
【0069】
また、電子機器内に水分が浸入していると、水分を含んだ空気が温風路体を通過したときに冷却されて結露する。しかし、結露した水分は、第一、あるいは、第二の通気口に設けられた水分トラップ溝にトラップされることになり、電子機器に対し、水分による悪影響が軽減されるのである。
【0070】
したがって、屋外設置タイプの電子機器にも、広く活用されることが期待される。
【符号の説明】
【0071】
1 表示装置
2 商店
3 軒下
4 表示部
5 本体ケース
6 制御部
7 放熱ユニット
8 背面カバー
9 仕切り板
10 熱交換体
11 送風機
12 上方通気口
13 下方通気口
14 温風路体
14a 下方集合筒
16a 通風路
16b 通風路
17a 水分トラップ溝
17b 水分トラップ溝
18a 水分トラップ溝
18b 水分トラップ溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の一つの面に装着され、この電子機器の内部と外部を仕切る仕切り板と、
この仕切り板の前記電子機器の外部側に配置した熱交換体とを備え、
前記仕切り板は、第一、第二の通気口を有し、
前記熱交換体は、前記仕切り板の前記電子機器の外部側において、前記第一の通気口と第二の通気口を架橋状に連結した複数の温風路体によって構成し、
前記仕切り板の前記電子機器の外部側には、この仕切り板の前記電子機器の内部側の空気を、前記第一の通気口側から前記温風路体を介して第二の通気口側に送風する送風機を設け、前記第一の通気口、前記第二の通気口の少なくとも一方の内面側であって、前記温風路体の風路下方となる側に水分トラップ溝を設けた放熱ユニット。
【請求項2】
前記水分トラップ溝は、前記温風路体内であって、前記第一の通気口、前記第二の通気口双方の近傍に設けた請求項1に記載の放熱ユニット。
【請求項3】
前記水分トラップ溝内に吸湿剤を充填した請求項1または2に記載の放熱ユニット。
【請求項4】
前記水分トラップ溝は、第一の通気口または/および第二の通気口において、前記温風路体の架橋内側を除いた面に設けた請求項1から3のいずれか一つに記載の放熱ユニット。
【請求項5】
前記水分トラップ溝に、水抜き栓を設けた請求項1〜4いずれか一つに記載の放熱ユニット。
【請求項6】
前面側に表示部を配置した本体ケースと、この本体ケースの前記表示部の背面側に配置した制御部と、この制御部の背面側の本体ケースの背面開口部に装着された請求項1から5のいずれか一つに記載の放熱ユニットとを備えた電子機器。
【請求項7】
本体ケースの背面開口部に、複数の放熱ユニットを配置した請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
複数の放熱ユニットの外表面は、それぞれ通気性の背面カバーで覆った請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
放熱ユニットの第二の通気口近傍に、制御部の高温部を設けた請求項6から8のいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項10】
本体ケースは横長の長方形とし、この本体ケースの上方に第一の通気口を配置し、本体ケースの下方に第二の通気口を配置し請求項6から9のいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項11】
本体ケースは縦長の長方形とし、この本体ケースの左右の一方に第一の通気口を配置し、前記本体ケースの左右の他方に第二の通気口を配置し請求項7から10のいずれか一つに記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−79775(P2012−79775A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221145(P2010−221145)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】