説明

放送コンテンツ記録装置及び方法

【課題】システムコンポ10において、RDSのFMラジオ放送で放送される楽曲をMP3のオーディオファイル形式でUSB記録装置32に録音する場合に、録音後に、ユーザが、オーディオファイルの録音内容を、実際に再生しなくても、分かるようにする。また、ファイル名同一による上書きや録音不能等の不都合を防止する。
【解決手段】放送信号からオーディオ信号と共にデータ信号を抽出して、PTY(番組タイプ)、特に楽曲のジャンルに係るPTYやRT(ラジオテキスト)を入手する(S43)。PTYのコードデータは、ジャンル内容がID3_TAGにおいて一致しているGenreコードへ変換する(S44)。MP3のオーディオファイルにおいて、変換後のコードデータはGenreタグに格納し、RTのテキストデータはCommentタグに格納する(S50)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送コンテンツを記録する装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルオーディオプレーヤ等のオーディオ装置では、オーディオはフラッシュメモリやハードディスク装置等の記録媒体に例えばMP3(MPEG Audio Layer-3)やWMA(Windows(登録商標) Media Audio)規格のファイルにより記録される。従来のオーディオ装置では、ユーザが、ラジオ放送で放送される楽曲を録音する場合は、オーディオのみがファイルにより記録媒体に記録されるようになっている。
【0003】
一方、特許文献1はRDS(Radio Data System)の放送をMDに記録する装置を開示する。該放送記録装置では、RDSの放送をMDに記録中、PI(放送局の識別コード)を監視し、PIが変化するごとに、MDの記録トラックを更新するようにしている(特許文献1の段落0018及び図2のS3Y→S4)。
【0004】
特許文献1は、また、RDSの放送を記録するトラックのトラック名として、RDSのPS(Program Service:放送局名)やPTY(Program type:番組タイプ)に該当するジャンル名を付けることを開示する(特許文献1の0019,0020及び図2のS6)。
【0005】
特許文献2は、スピーカから流す音のソースをRDS用チューナとCDやMDのプレーヤとへ自動切換えするオーディオシステムを開示する。該オーディオシステムでは、RDSのPTYを監視し、PTYから放送内容が音楽関係のものであると判断したときには、オーディオソースをチューナへ切換え、また、非音楽関係のものと判断したときには、オーディオソースをCD等のプレーヤへ切換えるようになっている(特許文献2の図3のS13〜S18及び図5のS33〜S38)。
【特許文献1】特開2002−157865号公報
【特許文献2】特開2002−223198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のオーディオ装置では、ラジオ放送からの楽曲についてのオーディオファイルには、楽曲情報が記録されておらず、ユーザは、その内容を把握するためには、再生して聞いてみなければならず、不便となっている。
【0007】
特許文献1の放送記録装置では、RDSの放送をMDに記録する場合に、MDにおけるトラック名を、録音中の放送に係るPSやPTYにすることを開示するが、トラック名をデジタルオーディオファイルのファイル名に適用する場合、不都合が生じる。例えば、フラッシュメモリやハードディスク装置等の大容量メモリでは、同一のフォルダ内ではファイル名を重複して記録できないようになっているとともに、該メモリに格納されるオーディオファイルが多数となるので、PSやPTYをファイル名にしてメモリにオーディオファイルを新規に書込もうとする場合には、すでに、同一ファイル名のオーディオファイルが存在する事態が頻発し、上書きにより過去のオーディオファイルを削除してしまったり、今回のオーディオファイルの書込みを禁止されたり、又は新規にフォルダを作り、そこに今回のオーディオファイルを書込んだりすることになる。
【0008】
特許文献2は、現在の放送コンテンツが音楽関係であるか否かをPTYに基づき検出すること、及びスピーカから流すオーディオのソースをPTYに基づき切換えることを開示するのみである。特許文献2は、ファイル名重複に因る記録時の支障を回避しつつ、放送コンテンツの記録ファイルについて、その内容を、再生しなくても分かるようにする解決手段については一切、言及していない。
【0009】
本発明の目的は、放送コンテンツの記録時のファイル名重複に因る記録上の支障を回避しつつ、ユーザが、放送コンテンツを記録しているコンテンツファイルの内容を円滑に把握できるようにする放送コンテンツ記録装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、放送信号に多重化されているコンテンツ信号及び付属情報信号から、タグ情報付きコンテンツファイル用のコンテンツデータ及びタグ情報データをそれぞれ生成する。生成したコンテンツデータ及びタグ情報データは、タグ情報付きコンテンツファイルのコンテンツ領域及びタグ情報領域に格納されるように、タグ情報付きコンテンツファイルを記録媒体に記録する。タグ情報付きコンテンツファイルのタグ情報領域の情報はユーザにより適宜参照される。
【0011】
本発明の放送コンテンツ記録装置は次のものを備えている。
コンテンツ信号と該コンテンツ信号に関する付属情報信号とを多重化した放送信号を受信する受信手段、
受信した前記放送信号におけるコンテンツ信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のコンテンツデータを生成するコンテンツデータ生成手段、
受信した前記放送信号における付属情報信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のタグ情報データを生成するタグ情報データ生成手段、及び
コンテンツデータ及びタグ情報データがそれぞれコンテンツ領域及びタグ情報領域にそれぞれ格納したタグ情報付きコンテンツファイルを記録媒体に書き込むコンテンツファイル書込み手段。
【0012】
本発明の放送コンテンツ記録方法は次のステップを備えている。
コンテンツ信号と該コンテンツ信号に関する付属情報信号とを多重化した放送信号を受信するステップ、
受信した前記放送信号におけるコンテンツ信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のコンテンツデータを生成するステップ、
受信した前記放送信号における付属情報信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のタグ情報データを生成するステップ、及び
コンテンツデータ及びタグ情報データがそれぞれタグ情報付きコンテンツファイルのコンテンツ領域及びタグ情報領域にそれぞれ格納されるように、記録媒体に前記タグ情報付きコンテンツファイルを書き込むステップ。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、放送信号に多重化されている付属情報信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のタグ情報データを生成し、該タグ情報データをタグ情報付きコンテンツファイルのタグ情報領域に格納するように、タグ情報付きコンテンツファイルを作成する。したがって、記録媒体への放送コンテンツの新規ファイルを記録する際に、ファイル名重複に起因する記録上の支障が回避されるとともに、放送コンテンツの記録ファイルから内容情報を適宜参照することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1はシステムコンポ10の構成図である。システムコンポ10は、本体11及びスピーカ12を装備し、RDSのFMラジオ放送についての録音及び再生機能を有している。本体11は、チューナ部15、セレクタ16、マイコン17、ADC(アナログ/デジタル変換器)18、DSP19、DAC(デジタル/アナログ変換器)20及びパワーアンプ21を備えている。
【0015】
FMラジオ放送電波は、アンテナ25において捕捉されて、そこでRF信号へ変換されてから、チューナ部15へ供給される。チューナ部15において捕捉される放送電波の中には、RDSのFMラジオ放送電波が含まれる。RDSのFMラジオ放送電波には、オーディオ信号及びデータ信号が多重化されて、含まれている。
【0016】
RDSのデータ信号は、AF(代替周波数)、CT(時刻)、PI(放送局の識別子)、PS(放送局名)、PTY(番組タイプ)、RT(ラジオテキスト:なお、楽曲の放送中では、該楽曲の楽曲名やアーティスト名がラジオテキストに含まれることが多い。)、TA(交通情報通知)、TP(交通情報局の案内)等が含まれる。
【0017】
PTYは1〜31のコード情報で伝送されてくる。規格では、PTY=”1”はニュースであり、”4”はスポーツであり、”6”はドラマとなっている。PTY=10〜15は楽曲関係のコード情報となっており、PTY=”10”はポピュラー音楽、”11”はロック、”13”はLight Classical Music、”14”はSerious Classical Music、”15”はその他音楽となっており、放送楽曲のジャンルがPTY=10〜15から把握できるようになっている。
【0018】
チューナ部15は、マイコン17からの選局指示信号に基づき該当周波数のRF信号を復調して、復調したオーディオ信号をセレクタ16へ出力する。外部機器27,28は、システムコンポ10へ接続されているCDプレーヤやMDプレーヤのようなオーディオ再生機器である。セレクタ16は、チューナ部15及び外部機器27,28からのオーディオ信号の内、1つをマイコン17からの指示信号に従い選択して、それをADC18へ出力する。
【0019】
記録装置30は、例えば、MDプレーヤであり、アナログオーディオ信号を入力されて、該信号に係るオーディオを録音可能になっている。セレクタ16は、ADC18へ出力しているオーディオ信号と同一のオーディオ信号を、マイコン17からの指示信号に従って記録装置30へも出力するようになっている。
【0020】
ADC18は、セレクタ16からのアナログのオーディオ信号をデジタルのオーディオ信号へ変換する。DSP19は、マイコン17から指示及び情報に関する制御信号を受けるとともに、ADC18又はUSB記録装置32から入力したデジタル信号に対して、エンコーダ、デコーダ、ファイル解析・書込み、及びID3_TAG解析・書込みの各種処理を実施する。USB記録装置32は、例えば、USBメモリや、デジタルオーディオプレーヤ等であり、オーディオをMP3やWMA形式のオーディオファイルで記録する。
【0021】
DSP19は、デジタルオーディオ信号をDAC20へ出力し、DAC20は、それをアナログオーディオ信号へ変換して、パワーアンプ21へ供給する。パワーアンプ21は、オーディオ信号を増幅してから、スピーカ12へ供給する。スピーカ12は、供給されたオーディオ信号を音へ変換する。
【0022】
DSP19は、MP3やWMAのオーディオファイルをUSB記録装置32の記録媒体に記録するためのデータをUSB記録装置32へ供給する。MP3やWMAのオーディオファイルは、先頭部にタグ情報領域が配置され、その後ろに、オーディオデータを記録するオーディオデータ領域が配置されている。
【0023】
MP3のID3_TAG規格としてのID3v1,ID3v2では、MP3のタグ情報領域は複数の区分に区分化され、各区分には、Title(楽曲名)、Artist(アーティスト名)、Album(アルバム名)、Year(作成年やCDの発売年等)、Genre(楽曲のジャンル)、Comment(コメント)及びTrack(トラック番号)を書き込むようになっている。
【0024】
図2はFMラジオ放送録音方法40のフローチャートである。説明の便宜上、FMラジオ放送録音方法40により作成する録音ファイルはMP3とする。録音ファイルがWMAである場合も、同様である。FMラジオ放送録音方法40は、システムコンポ10がRDSのFMラジオ放送により放送される楽曲をUSB記録装置32にMP3のオーディオファイルとして録音する場合のシステムコンポ10の作動に対応する。FMラジオ放送録音方法40の各ステップの処理はDSP19において実行される。
【0025】
S41では、ユーザからの録音開始指示が有るか否かを判定し、有るならば、S42へ進み、無いならば、FMラジオ放送録音方法40を終了する。具体的には、ユーザは、本体11の操作部又はリモコンの録音キーを押下することにより、録音開始指示を出す。
【0026】
S42では、録音対象がRDSのFMラジオ放送か否かを判定し、判定が正であれば、S43へ進み、否であれば、S51へ進む。ユーザが、現在、RDSのFMラジオ放送を聞いている場合には、そのオーディオがスピーカ12から出力されており、ユーザは、録音した楽曲がスピーカ12から放音開始されるのに合わせて、録音キーを押下する。
【0027】
S43では、聴取中のFMラジオ放送からPTY(番組タイプ)及びRT(ラジオテキスト)を入手する。S44では、PTYのコードをMP3のID3_TAGにおけるGenre(ジャンル)のコードに変換する。
【0028】
RDSのPTYのコード体系とID3_TAGのGenreのコード体系とは、別のものになっている。例えば、ロックは、RDSのPTYのコードでは”11”であるが、ID3_TAGのGenreのコードでは”17”となっている。したがって、DSP19は、楽曲のジャンルについて、内容が一致するように、RDSのPTYのコードデータを変換してから、ID3_TAGのGenreの区分に書き込む必要がある。なお、変換対象になるPTYのコードは、音楽関係の10〜15のみとなる。その他のPTYコードは、ID3_TAGのGenreにおいて内容が一致するコードが存在しないからである。しかしながら、10〜15以外のPTYコードを、ID3_TAGのGenreのコードの”12(その他)”に変換してもよい。
【0029】
PTYのコードに対して、RTは、コードではなく、テキストデータであるので、変換することなく、そのままのデータでID3_TAGのComment(注釈)へ書込むことができ、また、PTYコードを文字列としてID3_TAGのCommentへ書き込んでもよい。
【0030】
S49では、USB記録装置32の記録媒体へのMP3のオーディオファイルの書込みを開始する。オーディオファイルの書込みは、具体的には、DSP19からUSB記録装置32へのオーディオファイルのデータをオーディオファイルの先頭から出力することにより行われる。S50では、MP3のオーディオファイルのヘッダに相当するタグデータ領域の書込みを行う。該タグデータ領域には、GenreやCommentのタグ区分が含まれており、それらタグ区分に、S44で変換したコードテータ及びRTにおけるそのままのテキストデータがそれぞれ書き込まれる。
【0031】
S51では、FMラジオ放送のオーディオ信号に係るオーディオデータをオーディオファイルのオーディオデータ部に書込む。S52では、ユーザからの録音終了指示が有るか否かを判定し、有るならば、S53へ進み、無いならば、S51へ戻って、オーディオデータの書込みを継続する。具体的には、ユーザは、本体11の操作部又はリモコンの録音停止キーを押下することにより、録音停止指示を出す。
【0032】
S53では、USB記録装置32の記録媒体へのオーディオファイルの書込みを終了する。具体的には、USB記録装置32の記録媒体に書き込み中のオーディオファイルを閉じる。
【0033】
こうして、記録媒体に記録されたMP3のオーディオファイルに対して、ユーザは、そのタグデータ領域のタグ情報を適宜、本体11の表示部(図示せず)に表示することができる。表示情報には、Genre(ジャンル)やComment(注釈)が含まれる。ユーザは、これらを参考に、オーディオファイルに録音されている放送楽曲を把握することができる。
【0034】
以下、FMラジオ放送録音方法40の各種変形例を説明する。FMラジオ放送録音方法40では、RDSのPTY及びRTをMP3のオーディオファイルのタグデータ領域に格納しているが、PTY及びRTのどちらか一方のみの書き込みであってもよい。また、RDSの他のデータを追加して、オーディオファイルのタグデータ領域の所定のタグ区分に格納することができる。例えば、RDSのPS(放送局名)をタグ情報領域の、例えばTitle(楽曲名)又はArtist(アーティスト名)のタグ区分に格納してもよい。
【0035】
RDSについて説明したが、RDSに代えて、RBDS(Radio Broadcast Data System)にも、FMラジオ放送録音方法40と同様な処理が可能である。システムコンポ10では、本体11の外部のUSB記録装置32にRDSのFMラジオ放送のオーディオファイルを作成しているが、システムコンポ10がハードディスク装置やフラッシュメモリを内蔵し、それにオーディオファイルを書込む場合にも、FMラジオ放送録音方法40と同様な処理が可能である。
【0036】
図3は放送コンテンツ記録装置60のブロック図である。前述のシステムコンポ10は放送コンテンツ記録装置60の具体例である。また、FMラジオ放送録音方法40の変形例を実施する機能を装備したシステムコンポ10も、放送コンテンツ記録装置60の具体例となる。放送コンテンツ記録装置60は、車載形やポータブル型であってもよく、さらに、携帯電話やパソコン等の情報処理装置に組み込まれるものであってもよい。
【0037】
放送コンテンツ記録装置60における放送信号は、ラジオの放送信号に限定されず、テレビの放送信号であってもよい。さらに、放送コンテンツ記録装置60における放送信号は、RDSやRBDSのようなアナログ放送に限定されず、デジタル放送のものであってもよい。放送コンテンツ記録装置60は、受信手段61、コンテンツデータ生成手段62、タグ情報データ生成手段63及びコンテンツファイル書込み手段64を備えている。
【0038】
受信手段61は、コンテンツ信号と付属情報信号とを多重化した放送電波68を受信する。コンテンツデータ生成手段62は、受信した放送電波68におけるコンテンツ信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のコンテンツデータを生成する。
【0039】
タグ情報データ生成手段63は、受信した放送電波68における付属情報信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のタグ情報データを生成する。コンテンツファイル書込み手段64は、コンテンツデータ及びタグ情報データがそれぞれコンテンツ領域及びタグ情報領域にそれぞれ格納したタグ情報付きコンテンツファイルを記録媒体69に書き込む。
【0040】
タグ情報付きコンテンツファイルの具体例は、システムコンポ10におけるMP3やWMAのオーディオファイルである。タグ情報データとは、RDSのFMラジオ放送におけるPTYやRTのデータに対応するものである。記録媒体69は、例えば。ハードディスク装置又はフラッシュメモリであり、放送コンテンツ記録装置60に内蔵されているものに限定されず、着脱自在になっていたり、ケーブル又は無線を介して放送コンテンツ記録装置60の本体に適宜、接続される機器のものであってもよい。
【0041】
放送コンテンツ記録装置60のユーザは、放送コンテンツを記録しているタグ情報付きコンテンツファイルについて、そのタグ情報を適宜、参照して、記録した放送コンテンツを把握することができる。
【0042】
好ましくは、コンテンツファイル書込み手段64は、タグ情報データが、その付属情報の種別に対応付けられている種別のタグ情報領域に格納されるように、記録媒体69にタグ情報付きコンテンツファイルを書き込むようになっている。前述のシステムコンポ10では、付属情報種別としてのRDSのPTY(番組タイプ)、RT(ラジオテキスト)及びPS(放送局名)がそれぞれMP3のオーディオファイルのタグ情報領域のGenre(ジャンル)、Comment(コメント)及びTitle(楽曲名)の各タグに対応付けられている。
【0043】
典型的には、タグ情報データ生成手段63が生成するタグ情報データは、放送電波68における付属情報のコードに対応付けられた内容と、タグ情報付きコンテンツファイルにおけるタグ情報領域のコードに対応付けられる内容とが一致するように、放送電波68における付属情報のコードデータをタグ情報付きコンテンツファイル用に変換したコードデータである。この具体例は、前述のシステムコンポ10において、RDSのPTYのロックが”11”であるのに対し、MP3のGenreのコードでは”17”となっていて、一致していないので、付属情報としてのPTYのコード”11”をMP3の”17”へ変換することである。
【0044】
図4は放送コンテンツ記録方法70のフローチャートである。放送コンテンツ記録方法70は放送コンテンツ記録装置60に適用される。放送コンテンツ記録方法70は、S81〜S84を備えている。S82,S83は、S83,S82の順番で実行してもよいし、並行して実行してもよい。
【0045】
S81では、コンテンツ信号と付属情報信号とを多重化した放送電波68を受信する。S82では、受信した放送電波68におけるコンテンツ信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のコンテンツデータを生成する。
【0046】
S83では、受信した放送電波68における付属情報信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のタグ情報データを生成する。S84では、コンテンツデータ及びタグ情報データがそれぞれタグ情報付きコンテンツファイルのコンテンツ領域及びタグ情報領域にそれぞれ格納されるように、記録媒体69にタグ情報付きコンテンツファイルを書き込む。
【0047】
S81〜S84の処理は、放送コンテンツ記録装置60(図3)の受信手段61〜コンテンツファイル書込み手段64の機能にそれぞれ対応している。したがって、受信手段61〜コンテンツファイル書込み手段64の機能について述べた具体的態様はS81〜S84の処理についての具体的態様としても適用可能である。
【0048】
本明細書は様々な発明を開示している。それら発明には、本明細書における発明の最良の形態等において、独立の作用、効果を奏する1つ又は複数の要素を抽出したものや、1つ又は複数の要素を自明の範囲で変更したものや、1つ又は複数の要素の組合せを自明の範囲で発明の形態間で入れ換えたものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】システムコンポの構成図である。
【図2】FMラジオ放送録音方法のフローチャートである。
【図3】放送コンテンツ記録装置のブロック図である。
【図4】放送コンテンツ記録方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
60:放送コンテンツ記録装置、61:受信手段、62:コンテンツデータ生成手段、63:タグ情報データ生成手段、64:コンテンツファイル書込み手段、68:放送電波、69:記録媒体、70:放送コンテンツ記録方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ信号と該コンテンツ信号に関する付属情報信号とを多重化した放送信号を受信する受信手段、
受信した前記放送信号におけるコンテンツ信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のコンテンツデータを生成するコンテンツデータ生成手段、
受信した前記放送信号における付属情報信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のタグ情報データを生成するタグ情報データ生成手段、及び
コンテンツデータ及びタグ情報データがそれぞれコンテンツ領域及びタグ情報領域にそれぞれ格納したタグ情報付きコンテンツファイルを記録媒体に書き込むコンテンツファイル書込み手段、
を備えることを特徴とする放送コンテンツ記録装置。
【請求項2】
前記コンテンツファイル書込み手段は、タグ情報データが、その付属情報の種別に対応付けられている種別のタグ情報領域に格納されるように、前記記録媒体に前記タグ情報付きコンテンツファイルを書き込むようになっていることを特徴とする請求項1記載の放送コンテンツ記録装置。
【請求項3】
前記タグ情報データ生成手段が生成するタグ情報データは、放送信号における付属情報のコードに対応付けられた内容と、タグ情報付きコンテンツファイルにおけるタグ情報領域のコードに対応付けられる内容とが一致するように、放送信号における付属情報のコードデータをタグ情報付きコンテンツファイル用に変換したコードデータであることを特徴とする請求項2記載の放送コンテンツ記録装置。
【請求項4】
コンテンツ信号と該コンテンツ信号に関する付属情報信号とを多重化した放送信号を受信するステップ、
受信した前記放送信号におけるコンテンツ信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のコンテンツデータを生成するステップ、
受信した前記放送信号における付属情報信号からタグ情報付きコンテンツファイル用のタグ情報データを生成するステップ、及び
コンテンツデータ及びタグ情報データがそれぞれタグ情報付きコンテンツファイルのコンテンツ領域及びタグ情報領域にそれぞれ格納されるように、記録媒体に前記タグ情報付きコンテンツファイルを書き込むステップ、
を備えることを特徴とする放送コンテンツ記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−286927(P2008−286927A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130527(P2007−130527)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】