説明

放送受信端末、ユーザ回答集計サーバ、ユーザ回答集計システム及び制御方法

【課題】受信端末14の視聴者に放送番組について回答させ、その回答を集計する場合に、調査対象の放送番組に回答入力用コンテンツのデータ放送を多重化して放送しなくてもすむようにするとともに、サーバ13の負担を軽減する。
【解決手段】受信端末14は、サーバ13から放送スケジュール及びCMタグ情報(放送コンテンツの中の広告についての一層詳細な情報)を受信する(R73)。放送局12からの放送コンテンツに対し、ユーザに回答を入力させ、該回答の基になる放送コンテンツを放送スケジュール及びCMタグ情報に基づき特定する(R75,R76)。受信端末14は、ユーザ回答とその基になる放送コンテンツとを含むユーザ回答情報をサーバ13へ送信し、サーバ13は、放送コンテンツ別にユーザ回答を集計する(R77,S78,S79)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ及び/又はラジオ等の番組やCM(コマーシャル)等の放送コンテンツについてユーザ回答を行う放送受信端末、該ユーザ回答を集計するユーザ回答集計サーバ、ユーザ回答集計システム及び制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、テレビのCMに対する視聴者の反応情報を調査する調査システムを開示する(特許文献1の図1)。該調査システムによれば、サーバ会社はCM反応調査用コンテンツ(質問事項)を放送局へ送り、放送局は、該CM反応調査用コンテンツのデータ放送と本放送とを多重化して放送し、視聴者は家庭の受像機にCM反応調査用画面を表示して、回答を入力し(特許文献1の図6)、該回答はCM反応情報としてサーバ会社のサーバへネットワークを介して送られ、サーバ会社において集計処理が行われるようになっている(特許文献1の図4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−357191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のCM調査システムでは、調査アンケートが放送局からデータ放送として送られることになっているので、調査会社やスポンサーがCMについて視聴率や評価を知ろうとするとき、放送局に対して、調査項目のデータ放送や、調査項目のデータ放送フォーマット化処理等を協力して貰う必要がある。また、データ放送に空きがない時間帯では、データ放送による調査項目の放送が不可能になり、該時間帯のCMについての視聴調査は困難である。
【0005】
本発明の目的は、放送局に対して調査実施のためのデータ放送の協力を求めなくても、各放送コンテンツに対する各ユーザからのユーザ回答を的確に集計できるようにするとともに、サーバの集計処理を軽減して、システム全体の能率化を図る放送受信端末、ユーザ回答集計サーバ、ユーザ回答集計システム及び制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、放送受信端末は、コンテンツ放送時間情報を保有し、ユーザから受付けたユーザ回答に対し、該ユーザ回答の基になっている放送コンテンツを、該放送コンテンツの放送元と該ユーザ回答の入力時刻とに基づきコンテンツ放送時間情報を参照して特定する。そして、ユーザ回答と該ユーザ回答に対して特定した放送コンテンツとを含むユーザ回答情報をユーザ回答集計サーバへネットワークを介して送信する。
【0007】
本発明の放送受信端末は次の手段を備える。
受信した放送コンテンツを出力する放送コンテンツ出力手段、
放送コンテンツについてのユーザ回答を受付けるユーザ回答受付け手段、
前記前記放送コンテンツの番組時間情報と広告時間情報とに係るコンテンツ放送時間情報を取得するコンテンツ放送時間情報取得手段、
ユーザ回答の基になっている放送コンテンツの放送元と該ユーザ回答の入力時刻とに基づき前記コンテンツ放送時間情報を参照して該放送コンテンツを特定する放送コンテンツ特定手段、及び
ユーザ回答と該ユーザ回答に対して特定した放送コンテンツとを含むユーザ回答情報をユーザ回答集計サーバへネットワークを介して送信する送信手段。
【0008】
本発明のユーザ回答集計サーバは次の手段を備える。
前記放送受信端末へネットワークを介してコンテンツ放送時間情報を配信するコンテンツ放送時間情報配信手段、
前記ネットワークを介して放送コンテンツについてのユーザ回答情報を受信する受信手段、及び
受信したユーザ回答情報からユーザ回答と該ユーザ回答の基になっている放送コンテンツとを抽出し各放送コンテンツについて複数のユーザからのユーザ回答を集計するユーザ回答集計手段。
【0009】
本発明のユーザ回答集計システムは前述の放送受信端末及びユーザ回答集計サーバを備える。
【0010】
本発明の放送受信端末制御方法は次のステップを備える。
受信した放送コンテンツを出力する放送コンテンツ出力ステップ、
放送コンテンツについてのユーザ回答を受付けるユーザ回答受付けステップ、
前記放送コンテンツの番組時間情報と広告時間情報とに係るコンテンツ放送時間情報を取得するコンテンツ放送時間情報取得ステップ、
ユーザ回答の基になっている放送コンテンツの放送元と該ユーザ回答の入力時刻とに基づき前記コンテンツ放送時間情報を参照して該放送コンテンツを特定する放送コンテンツ特定ステップ、及び
ユーザ回答と該ユーザ回答に対して特定した放送コンテンツとを含むユーザ回答情報をユーザ回答集計サーバへネットワークを介して送信する送信ステップ。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、放送局に対しユーザ回答の実施のためのデータ放送の協力を求めなくても、各放送コンテンツについてユーザ回答を集計することができるようになる。また、ユーザ回答に対しその基になっている放送コンテンツの特定は放送受信端末が自機のコンテンツ放送時間情報を参照して行うので、ユーザ回答集計サーバは、集計処理を軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】放送波配信型放送システムの概略構成図である。
【図2】放送波配信型放送システムの放送装置の構成図である。
【図3】放送波配信型放送システムのサーバの構成図である。
【図4】放送波配信型放送システムの受信端末の構成図である。
【図5】固定質問式の放送システムの各要素間の処理についてのラダーチャートである。
【図6】受信端末における回答情報処理方法のフローチャートである。
【図7】受信端末の操作入力部の一例を示す図である。
【図8】ユーザ回答とその受付時の検出情報とを対応付けた情報例を示す図である。
【図9】受信端末における処理の基にするCMタグ情報を例示す図である。
【図10】受信端末におけるユーザ回答情報の具体例を示す図である。
【0013】
【図11】サーバにおける回答集計処理方法のフローチャートである。
【図12】サーバのユーザDBにおけるユーザ情報の具体例を示す図である。
【図13】サーバの回答DBに記録されるユーザ回答情報の具体例を示す図である。
【図14】サーバにおける各放送コンテンツごとの集計結果の具体例を示す図である。
【図15】図14の集計結果にユーザ情報を加味した集計結果の具体例を示す図である。
【図16】可変質問式の放送システムにおける各要素間の処理についてのラダーチャートである。
【図17】受信端末における回答情報処理方法のフローチャートである。
【図18】サーバの質問DBにおける情報内容の一例を示す図である。
【図19】図18の質問情報に基づき受信端末の表示装置に表示される画面例を示す図である。
【0014】
【図20】受信端末における図19の回答画面に対するユーザ回答に基づき受信端末の回答情報記憶部に記憶されるユーザ回答情報の例を示す図である。
【図21】図17の回答情報処理方法に対応するサーバにおける回答集計処理方法のフローチャートである。
【図22】IP配信型放送システムの放送システムの概略構成図である。
【図23】IP配信型放送システムの放送装置及びサーバの詳細な構成図である。
【図24】IP配信型放送システムの受信端末の詳細な構成図である。
【図25】可変質問式のIP配信型放送システムの放送システムの各要素間の処理についてのラダーチャートである。
【図26】受信端末における受信状況通知方法のフローチャートである。
【図27】コンテンツ配信制御方法のフローチャートである。
【図28】放送受信端末のユーザがユーザ回答をその送信前に確認するユーザ回答確認方法のフローチャートである。
【図29】ユーザ回答集計システムの構成図である。
【図30】放送受信端末制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1 放送波配信型放送システム:放送システム10]
図1〜図21は放送波配信型の放送システム10に関する。図1は放送システム10の概略構成図である。該放送システム10では、各受信端末14はインターネット11から放送コンテンツ(本放送の番組、データ放送の番組及び本放送の広告(CM)を含む。)を放送波により放送局12に関連の電波塔17から受信することになっている。
【0016】
放送システム10はインターネット11、放送局12、サーバ13及び複数の受信端末14を備える。図1では、図示の簡略化上、放送局12及びサーバ13は1つずつしか記載されていないが、放送システム10は、1以上の放送局12と、1以上のサーバ13とを含むことができる。放送局12は、典型的には地上波のテレビ放送局であるが、FMラジオ放送局等のアナログのラジオ放送局であってもよい。サーバ13は、法令で定められている各放送対象地域(例:都道府県)に1つであっても、複数の放送対象地域に対して共通に1つであってもよい。サーバ13は、また、特定の放送局12に専用のものであってもよいし、複数の放送局12に共通のものであってもよい。
【0017】
放送局12は放送装置16を備える。放送装置16は、その記憶装置内の放送番組やデータ放送、さらにEPG(Electronic Program Guide)情報等を放送スケジュールに従って電波塔17から放送波により送出する。放送装置16は、また、放送波による番組、データ放送、EPG情報、広告等の番組の詳細なタイムテーブルをサーバ13に専用回線又はインターネット11を通じて、サーバ13に提供する。なお、「タイムテーブル」、「番組スケジュール」、及び「放送スケジュール」は、同義で使用し、すべて「コンテンツ放送時間情報」の下位概念と定義する。さらに、「コンテンツ放送時間情報」は後述の「CMタグ情報」も含む概念とする。
【0018】
サーバ13は、ユーザからの、番組/広告(放送コンテンツの下位概念)の好感度調査に関する登録、及び回答をDB(データベース)に記録したり、放送局12から前述のタイムテーブルを取得したりする。また、タイムテーブルから広告主や広告のブランド、広告の種類毎に時刻情報に関連付けたCMタグ情報(例:後述の図の9)を生成する。このテーブルとタグ情報は暗号化され、受信端末14に提供される。タイムテーブル及びタグ情報を暗号化する理由は、これら情報には、番組表として一般に公開される情報だけでなく、スポンサーや調査会社が独自に設定した秘密性のあるコンテンツ放送時間情報を含めることがあるからである。サーバ13は、さらに、ユーザからの回答を基に番組/広告ごとに集計を行う。サーバ13は、ユーザに対する好感度調査の質問情報を提供することもできる(例:後述の図16のS71bの回答情報の生成)。
【0019】
受信端末14は、典型的には家庭に据え置かれるものを想定しているが、携帯型や車載型であってもよい。受信端末14は、放送局12の放送波による番組をアンテナを介して受信する。受信端末14は、サーバ13からタイムテーブルとタグ情報を受信し、その情報を記録する。受信端末14は、ユーザからの登録情報及び回答情報を、インターネット11を介してサーバ13へ送る。
【0020】
[1−1 固定質問式の放送波配信型放送システム(放送システム10の第1の実施例)]
図2〜図15は固定質問式の放送システム10に関する。具体的には、固定質問式の放送システム10では、放送コンテンツを視聴するユーザへの質問は、放送コンテンツ、放送局及び放送時刻等に関係なく、固定されている。この例では、ユーザへの質問はユーザが視聴している放送コンテンツについての好感度を尋ねる質問であり、後述のように、ユーザは、毎回、図7の操作入力部54の回答キー部106の「好き」、「嫌い」及び「まあまあ」という好感度についての3つ選択肢から1つを選択して回答することになっている。
【0021】
図2は放送装置16の構成図である。放送装置16はデジタル放送用のものを想定している。本放送コンテンツDB20、放送スケジュールDB21、データ放送コンテンツDB22、制御部23、サーバ用通信部24、コンテンツストリーム作成部25、EPG情報作成部26、データ放送作成部27及びMUX(マルチプレクサ)28を備える。コンテンツストリーム作成部25は、制御部23からの指示に従い本放送コンテンツDB20から本放送コンテンツ(本放送の番組/広告)のデータを放送スケジュールDB21の放送スケジュールに沿って読み出して、本放送コンテンツのストリームデータを生成し、MUX28へ送る。制御部23は、生放送の本放送コンテンツについては、放送装置16の図示していない入力部へ入力されて来るストリームデータをそのままMUX28へ送る。
【0022】
EPG情報作成部26は、放送スケジュールDB21の放送スケジュールを参照して、EPG情報を作成し、MUX28へ出力する。データ放送作成部27は、放送スケジュールDB21の放送スケジュールに従いデータ放送コンテンツDB22から該当のデータ放送のデータを読み出して、該データに基づき例えば天気予報や番組に関連した情報等のデータ放送のコンテンツを作成し、MUX28へ出力する。MUX28は、本放送コンテンツのデータストリーム、EPG情報及びデータ放送コンテンツを多重化して、電波塔17へ送り、多重化コンテンツが電波塔17から放送波により送出される。
【0023】
サーバ用通信部24は、サーバ13に向けて放送局12のスケジュールテーブルを送る。スケジュールテーブルは、放送スケジュールDB21のデータそのものであってもよいし、より詳細なテーブルであってもよい。スケジュールテーブルは、自局のものだけではなく、他局のものを含むことができる。スケジュールテーブルは、また、通常は各放送コンテンツが放送開始される前に生成されてサーバ13へ送信されるが、放送開始後の放送コンテンツであっても、受信端末14におけるユーザ回答の入力前であるならば、該放送コンテンツを含むスケジュールテーブルを該放送コンテンツの放送開始後に生成して、サーバ13へ送信することもできる。
【0024】
図3はサーバ13の構成図である。サーバ13は、放送スケジュールDB33、回答DB34、質問DB35、コンテンツ生成部36、調査結果DB37、ユーザDB38、受信部39、送信部40、制御部41及び暗号化部42を備える。制御部41はサーバ13全体の制御を行う。放送スケジュールDB33には、各CMの放送時間や番組内のコーナー等、詳細な放送時間が記憶されている。これらを放送スケジュールデータと呼ぶ。また、CMの放送時間の情報を基に広告主や広告のブランド、広告の種類毎に時刻情報に関連付けたタグ情報を生成し、放送スケジュールDB33に記録する。これらをCMタグ情報と呼ぶ。コンテンツ放送時間情報は、放送スケジュールデータ及びCMタグ情報の両方を含む。放送スケジュールには、番組途中や番組間の広告の放送時間だけでなく、番組内の各コーナーや各広告の放送時間の詳細も含めることができる。各放送コンテンツの放送スケジュールデータは、通常は、該放送コンテンツの放送前に放送装置16から受信端末14へ送られて来るが、該放送コンテンツの放送中や、放送後に送られてきてもよいとする。CMタグ情報はサーバ13で生成される(後述の図5のS71)。
【0025】
ユーザDB38には、放送システム10の放送コンテンツ(該放送コンテンツには、本放送のコンテンツだけでなく、データ放送のコンテンツも含む。また、本放送のコンテンツには、番組だけでなく、広告も含める。)について、好感度調査を行うユーザの属性情報(例:性別、年齢、住所、職業等)や該ユーザのID若しくは該ユーザの受信端末14のID等が記録される。暗号化部42は放送スケジュールDB33の放送スケジュールデータ及びCMタグ情報を暗号化する。送信部40はユーザへの質問や回答DB34の結果を報告する企業等へ情報を送信する。また、受信端末へ暗号化された放送スケジュールデータ及びCMタグ情報を、インターネット11を介して受信端末14へ送信する。受信部39は放送局からの放送スケジュール情報やユーザからの回答を受信する。
【0026】
回答DB34は、ユーザからの回答についてその回答内容、回答時刻、及びどの質問についての回答であるか等を含む回答情報を、その回答を行ったユーザの属性情報と対応付けて記憶している。質問DB35は、ユーザへの質問内容や質問を受付ける期間等の情報を記録する。調査結果DB37は質問DB35及び回答DB34を基に集計した結果を記憶する。コンテンツ生成部36は、ユーザへの質問内容や番組に関連するコンテンツ等を生成する。送信部40はユーザへの質問や、回答DB34の結果を報告する企業等への情報をインターネット11へ送出する。受信部39は、インターネット11を介して放送装置16からの放送スケジュール情報やユーザからの回答を受信する。
【0027】
図4は受信端末14の構成図である。受信端末14は端末本体45、表示装置60及び音声再生装置61を備える。端末本体45は、アンテナ46、チューナ47、復調部48、ROM49、RAM50、通信部51、回答情報記憶部52、時計部53、操作入力部54、制御部55、映像出力部56、音声出力部57及び放送スケジュールDB58を備える。チューナ47はアンテナ46から放送局12の電波を受信する。復調部48は、チューナ47からの受信情報を基に受信信号を復調し、それぞれの信号をデコードする。ROM49にはプログラムや固定データが記録され、制御部55は該データを適宜読み出す。RAM50は制御部55が演算処理中にデータを一時的に記憶するのに用いられる。通信部51はインターネット11を介してサーバ13と質問情報や回答情報等のやり取りを行う。
【0028】
操作入力部54は、後述の図7で説明するように、リモコン式となっており、ユーザからの受信端末14に対する各種操作や視聴コンテンツに対するユーザ回答の入力に使用される。操作入力部54は、リモコン式の他に、タッチパネル式であってもよく、また、音声入力式であってもよい。時計部53はユーザからの回答がなされた日時を計時する。なお、通常は、回答時刻は回答対象の放送コンテンツの放送時刻に一致する。回答情報記憶部52は、ユーザからの回答、日時、サーバ13からの質問情報等を一時的に記憶し、適当な時期に通信部51へ送られる。
【0029】
映像出力部56は、制御部55から送られてきた表示情報を表示信号に変換し、表示装置60に表示する。音声出力部は制御部55からの音声データを音声信号に変換し、音声再生装置61で再生する。表示装置60は一般的にはディスプレイ又はテレビである。音声再生装置61は一般的にはスピーカである。なお、表示装置60及び音声再生装置61は端末本体45内に装備することもできる。
【0030】
放送スケジュールDB58には受信した暗号化された放送スケジュールデータ及びCMタグ情報が記憶される。放送スケジュールデータ及びCMタグ情報はサーバ13から受信する。受信端末14は、各番組や各CMの放送スケジュールデータ及びCMタグ情報を、通常は該番組や該CMの放送前に受信するが、放送中や放送後であってもよいとする。制御部55は、チューナ47、復調部48、映像出力部56、音声出力部57及び放送スケジュールDB58等を制御する。制御部55は、また、操作入力部54により入力されたユーザからの指示に応じて前述の各種処理を実行する。制御部55は、さらに、操作入力部54によりユーザから回答の入力があった場合には、放送スケジュールDB58の暗号化された放送スケジュールデータ及びCMタグ情報を適宜、復号し、日時情報を基にユーザからの回答情報を番組や広告といった分類に応じて、その回答情報を回答情報記憶部52に記憶するよう制御する。
【0031】
次に図5のラダーチャートを用い、本システムの第1の実施例について説明する。
S70:放送局12はサーバ13に対し、放送予定の放送スケジュール又は放送後に放送した内容のスケジュール情報を提供し、サーバ13は放送スケジュールDB33に記憶する。
S71:サーバ13は、放送スケジュールを基に広告主や広告のブランド、広告の種類毎に時刻情報に関連付けたCMタグ情報を生成する。
【0032】
S72:放送スケジュールデータ、CMタグ情報の暗号化し、各受信端末14に送信する。サーバ13は、この送信について各受信端末14のIPアドレスを利用する。通常、サーバ13のIPアドレスは固定であるのに対し、各受信端末14のIPアドレスは可変であるので、各受信端末14はその起動時等に適宜、自機のIPアドレスをサーバ13へ通知するようにする。
【0033】
R73:受信端末14はサーバ13から暗号化された放送スケジュールデータ、CMタグ情報を受信し、放送スケジュールDB58に記憶する。
R74:受信端末14は放送番組やCMを放送局12から放送波により受信する。
R75:受信端末14は、ユーザからの操作により、放送番組に関する調査回答の入力を受け付ける。RAM50は、回答の入力を時刻情報、受信中の放送局情報と共に記憶する。
【0034】
R76:受信端末14は、放送スケジュールDB58を基に、時刻情報とユーザの回答を照合し、回答を解析し、回答情報記憶部52に記憶する。
R77:受信端末14はサーバ13にインターネット11を介して回答情報を送信する。回答情報は所定のタイミングで行われる。回答情報は生成した時点で、サーバ13に送信してもよいが、ネットワークの負荷を軽減するため、深夜等に送信することが望ましい。
【0035】
S78:サーバ13は複数の受信端末14からの回答情報を受信する。なお、S72→R73におけるデータ伝送を暗号化して送信したのと同様に、R77→S78におけるデータ伝送も暗号化して、ユーザ回答の秘密性を保持してもよい。
S79:サーバ13は受信した回答情報を集計する。集計については、ユーザからの回答情報を基に行う。また、ユーザDB38により、ユーザの属性情報による集計も併せて行う。
S80:集計した結果を調査情報として生成する。生成した調査情報については、放送局12や広告主等に提供される。
【0036】
図6は図5のR73〜R77を具体的に示す回答情報処理方法90のフローチャートである。回答情報処理方法90は各受信端末14において実行される。
R91:現在、放送コンテンツを受信している放送局12の情報(例:放送種別及び受信周波数)を制御部より検出する。
R92:ユーザから操作入力により回答操作があるか否かを判定する。判定が正になりしだい、R93へ進む。
【0037】
図7は受信端末14の操作入力部54の一例である。ユーザは操作入力部54に対しR92における回答操作を行う。操作入力部54は一般操作キー部105と回答キー部106とを備える。一般操作キー部105は、受信端末14の、回答入力以外の各種操作に使用される。ユーザによる回答操作は、回答キー部106における3つのボタン(ハートマーク、スマイルマーク、×マーク)のいずれかを押下することによりなされる。図7の例では、ユーザは放送中の番組や広告について、「好き」と思った場合はハートマークを、「まあまあよい」と思った場合は「スマイルマーク」を、「嫌い」と思った場合は、「×マーク」を、それぞれ押下する。
【0038】
ボタンの形状は、ユーザが自分の回答に対応するボタンがどれかを区別できるものであれば、上記に限らず、どのような形状であってもよい。したがって、ボタンの頂面又は周囲に、「好き」/「嫌い」/「普通」等の語句を記入しておくこともできる。また「好き」/「嫌い」という評価に代えて、「面白い」や「役に立つ」、といった別の評価軸のボタンを用意して評価するようにしてもよい。さらに、複数の評価軸(例:嗜好、興味及び有益性)のボタンを用意するようにしてもよい。
【0039】
図6に戻る。
R93:R92の操作のあった時刻を検出する。
R94:放送局12の情報、回答内容、回答時刻を回答情報記憶部52に記憶する。図8はR94の処理により生成されたユーザ回答情報の一例である。図8の放送種別の"FM"はアナログのFMラジオ放送を意味し、放送システム10は、テレビ放送だけでなく、ラジオ放送の番組/広告についてユーザ回答を集計することにも対応している。
【0040】
各回答情報は、属性として、ユーザ回答の基になる放送コンテンツについての放送種別(例:地上波デジタル及びFM)、放送局名、放送波の周波数、回答の入力日時及び入力内容をもつ。回答の入力日時は時計部53(図4)により検出される。入力内容は、ユーザが操作入力部54の回答キー部106(図7)を操作して入力したものであり、操作入力部54(図4)により検出される。
【0041】
放送種別、放送波の周波数及び放送局名はチューナ47(図4)により検出される。なお、放送波がアナログ放送波である場合には、放送波内に放送局名の情報が含まれないので、受信端末14は、周波数と放送局名との対応付けのDB(図示せず)を参照して、放送局名を検出することができる。全国レベルでは、同一の周波数に対して複数の放送局が存在することもあるので、該DBには、地域の情報を含ませ、ユーザが受信端末14に対して登録している住所を放送対象地域とする放送局であって、周波数が受信端末14の現在の受信周波数と一致する放送局を検索して、その放送局名を把握することができる。
【0042】
図6に戻る。
R95:入力された放送局12の情報、回答時刻から今回のユーザ入力がどの番組又はCMへの評価であるかを照合するため、放送スケジュールDB58に当該放送局12、番組、CMの情報があるか否かを判定する。判定が正である場合はR96へ、否である場合には、R98へ進む。
【0043】
R96:番組又はCMと関連付けて、当該評価を記憶する。なお、1つの番組やCMに対し、所定期間内に所定回数以上の入力があった場合は、もっとも多かった評価のものに対して行われたと判断したり、エラーとして全データを消去する。すなわち、ユーザは、操作ミスにより同一の放送コンテンツに対して1度ならず、2度、3度と回答入力キーを押下することが有り得るので、これに対処する。同一の放送コンテンツに対しての最大回数の回答が複数、存在する場合も、その内のどれを今回のユーザ回答とするか不明となるので、このようなユーザ回答は、最大回数のユーザ回答の内の任意の1つを選択することなく、全部をエラーとしてデータを消去するようにしてもよい。
【0044】
図9はR96の処理の基にするCMタグ情報を例示している。CMタグ情報は、図5のS71で生成され、S72からR73で放送化スケジュールデータと共に暗号化されてサーバ13から受信端末14へ送られて来る。CMタグ情報は、各CMの各放送に対して、広告ID、放送種別、放送局名、広告(CM)名、広告主、広告ブランド、広告の種類、放送開始時刻1、放送終了時刻1、放送開始時刻2、放送終了時刻2、放送開始時刻3、放送終了時刻3、・・・の各属性を対応付けたものである。すなわち、広告については、同一内容の広告が繰り返し放送されるので、同一内容の広告について、広告IDを付与するとともに、所定期間(例:1日、1週間)内に繰り返し放送される各放送の放送開始時刻及び放送終了時刻が1,2,3,・・・を付けて識別している。CMタグ情報における放送種別、放送局名(受信周波数)、放送開始時刻1,2,3・・・及び放送終了時刻1,2,3・・・は放送スケジュールにおける放送種別、放送局名(受信周波数)、放送開始時刻1,2,3・・・及び放送終了時刻1,2,3・・・と対応しており、ユーザ回答の入力時刻及び該ユーザ回答の基になっている放送コンテンツの受信周波数に基づき放送スケジュール及びCMタグ情報を参照すれば、該ユーザ回答の基になっている広告ID、CMのCM名、広告主、広告ブランド及び広告の種類を把握することができる。CMタグ情報はユーザ回答をさらに詳細(例:広告主別や広告ブランド別)に分析するのに利用する。
【0045】
図10はR96の処理により生成されたユーザ回答情報の具体例を示している。図10(a)及び(b)はそれぞれテレビ番組及びラジオCMについてのユーザ回答情報の例である。該ユーザ回答情報が、直ちに又は適当な時期にインターネット11を介して受信端末14からサーバ13へ送られ、サーバ13の回答DB34に記憶される。図10によれば、番組についてのユーザ回答情報は、属性として放送種別、放送局名、番組名及び入力内容をもつ。また、CMについてのユーザ回答情報は、属性として広告ID、放送種別、CM名及び入力内容をもつ。図8のユーザ回答情報に基づき放送スケジュール及びCMタグ情報を参照して、ユーザ回答情報の基になる番組又はCMの番組名又は広告ID若しくはCM名が把握され、図8のユーザ回答情報における周波数及び入力日時が、図10のユーザ回答情報における番組名又はCMに置き換えられる。
【0046】
図6に戻る。
R97:回答情報(図10)をサーバ13に送信する。なお、回答情報のサーバ13への送信は、一定時間ごと(例:1時間に1回又は1日に1回等)に行うようにしてもよい。
R98:ユーザが回答操作を行った入力時刻から所定時刻経過したか否かを判定し、判定が正であれば、R98へ進み、否である場合には、R95へ戻る。R95へ戻る理由は、今回のユーザ回答の対象である番組等の放送スケジュールDBがサーバ13から受信端末14に未到着である可能性もあるからである。放送スケジュールDBは基本的には放送前に送信されるものであるが、スポーツ中継の生放送等、CMの時刻に変更の可能性がある場合等、放送局12の都合により、事後にしか送信できない場合は、放送後に送信される場合もある。したがってR97は、放送スケジュールDBが事後に送信される場合に整合させる処理である。
【0047】
R99:対応データがないと判断し、記憶部に記憶したデータを破棄して、処理を終了する。対応データがない例として、放送局12の都合により放送スケジュール自体を事前、事後にかかわらず送信されなかった場合やCMに関する情報がない場合、番組が放送休止期間中に誤ってユーザが入力した場合等があげられる。
【0048】
図11はサーバ13における回答集計処理方法110のフローチャートである。回答集計処理方法110は図5のS79で実施される処理である。
S111:受信端末14からユーザの回答情報を受信する。
S112:回答情報から抽出したユーザID又は受信端末IDを基にユーザDB38(図3)のユーザ情報を照合する。ユーザ情報及び回答情報の具体例について、図12及び図13において後述する。
S113:照合の結果、該当するユーザ情報がユーザDB38に存在するか否かを判定し、存在すれば、S115へ進み、存在しなければ、S114へ進む。
【0049】
S114:ユーザDB38にユーザ情報を新規登録する。なお、サーバ13におけるユーザ登録は、受信端末14から受信するユーザ情報を登録する。S114の次はS115へ進む。また、サーバ13から受信端末14へサーバ13の作成のユーザ登録画面用コンテンツを送信し、受信端末14においてユーザ登録画面を表示して、ユーザにユーザ情報の登録を行わせ、受信端末14からサーバ13へ返されたユーザ情報を受信端末14において登録するようにすることもできる。
【0050】
図12はユーザDB38におけるユーザ情報の具体例である。各ユーザについて、ID(受信端末ID)、年齢層及び職業の属性情報が登録されるとともに、各ユーザには、回答に対して付与されたポイントの情報が対応付けられている。各ユーザに付与されるポイントは、コンテンツに関係なく、1回の回答に対して固定のポイントであってもよいし、特定のコンテンツやキャンペーン期間の回答に対しては、割増のポイントであってもよい。なお、図12、図14、図15の各表において"*"は1桁の任意の数字を意味する。
【0051】
図11へ戻る。
S115:ユーザDB38に回答情報を登録する。図13は回答DB34に記録されるユーザ回答情報の具体例である。図13のユーザ回答情報は、受信端末14において生成しサーバ13への送信前のユーザ回答情報としての図10(a)及び(b)のユーザ回答情報と同一である。
【0052】
S116:ユーザからの回答情報を番組/広告ごとに回答DB34に登録する。各番組/広告に対し回答DB34への1回目の回答情報登録では、該番組/広告が未登録となっているので、該番組/広告を登録してから、回答情報を登録することになる。S116で登録した回答情報の具体例は図において後述する。
【0053】
S117:ユーザからの回答情報に対し、ユーザDB38(図12)を参照して該ユーザの年齢層、性別及び職業等のユーザ属性を判別し、該回答情報をユーザ属性ごとに分類して、回答情報についての再集計を行う。回答情報の再集計結果の具体例は図15において後述する。
【0054】
S118:再集計の結果は、回答DB34に保存するとともに、ユーザDB38においてユーザに対応付けられて記録されている回答情報が有効情報として記録された旨の情報をユーザDB38に登録する。有効情報は、有効情報として記録した回答情報のユーザにポイント等を付与する処理に利用される。
S119:有効情報のポイント数やそのポイントを利用した各種懸賞への応募条件や懸賞の当選情報等のコンテンツを今回の回答情報のユーザの受信端末14へ配信する。
【0055】
図14は各放送コンテンツごとの集計結果の具体例である。図14(a)及び(b)の集計結果は放送コンテンツがそれぞれ番組及びCMである場合のものになっている。該集計結果は回答集計処理方法110(図11)のS117において作成される。図14において評価の「好き」、「嫌い」及び「まあまあ」は操作入力部54(図7)のハートマーク、×マーク及びスマイルマークに対応しており、各番組に対して「好き」、「嫌い」及び「まあまあ」と回答したユーザ数が集計される。なお、図14は本放送の番組及びCMについてユーザ回答の集計であるが、放送システム10は、データ放送のコンテンツに対してもユーザが「好き」等を回答し、それを集計することができる。
【0056】
図15は図14の集計結果にユーザ情報を加味した集計結果の具体例である。図15(a)及び(b)は放送コンテンツがそれぞれ番組及びCMである場合のものである。図14の集計結果では、単に、「好き」、「嫌い」及び「まあまあ」のユーザ回答の集計であるのに対し、図15の集計結果では、性別に「好き」、「嫌い」及び「まあまあ」のユーザ回答を集計している。ユーザ情報には、図12で説明したように、各ユーザの性別の他に、年齢層や職業も登録されているので、それら各属性に対して、又は複数の属性の組合せに対して、好感度調査を行うことができる。
【0057】
[1−2 可変質問式の放送波配信型放送システム:放送システム10の第2の実施例]
図16〜図21は可変質問式の放送システム10に関する。具体的には、可変質問式の放送システム10では、ユーザが放送コンテンツに対するユーザ回答としての選択肢は放送コンテンツ、広告主、回答時刻、放送局、地域等のパラメータにより変更される。
【0058】
図16は可変質問式の放送システム10における各要素間の処理についてのラダーチャートである。図5のラダーチャートと同一の処理については、図5のものと同一の符号をつけて、説明を省略し、相違点についてのみ説明する。図16のラダーチャートでは、図5のラダーチャートのS71,S72,R73,R75及びR76がそれぞれS71b,S72b,R73b,R75b及びR76bへ変更されている。
【0059】
S71b:サーバ13は、放送スケジュールを基に広告主や広告のブランド、広告の種類毎に時刻情報に関連付けたCMタグ情報(前述の図9)を生成する。また放送スケジュールに応じて質問情報(後述の図18)を生成する。なお、質問情報については、放送局12や広告主に予めどのような質問を行って欲しいかを問い合わせるようにしてもよいし、所定の選択肢から選択させるようにしてもよい。
S72b:放送スケジュールデータ、CMタグ情報、質問情報の暗号化し、各受信端末14へ送信する。質問情報は、番組スケジュールに沿って、各時刻で各放送局12で行う質問内容のコンテンツとなる。具体的には、質問DB35から現在時刻情報に応じて、各放送局12の質問情報に関する情報を読み出し、受信端末14に送信する。
【0060】
R73b:暗号化された放送スケジュールデータ、CMタグ情報及び回答分類(該回答分類は質問情報に対応するものである。)を受信する。
R75b:受信端末14は、現在時刻及び選択放送局に基づき、R73bで受信した質問内容のコンテンツをユーザ要求に応じて表示する(例:後述の図19)。表示後、ユーザからの操作により、放送番組に関する調査回答の入力を受け付ける。受信端末14は、回答の入力を時刻情報、受信中の放送局情報と共に記憶する(前述の図8において、入力内容の数値を後述の図18の割り当てキーの内のユーザが入力操作したキーの名前に置き換えたもの)。
R76b:受信端末14は放送スケジュールDB58を基に時刻情報及び受信周波数から回答対象の放送コンテンツを特定し、該特定した放送コンテンツと質問情報及びユーザ回答とを対応付ける回答解析を行い、解析結果(後述の図20)を回答情報記憶部52に記憶する。
【0061】
図17は受信端末14における回答情報処理方法130のフローチャートである。回答情報処理方法130は図16のS75bで実施される処理である。回答情報処理方法130において、図6の回答情報処理方法90のステップと同一のステップについては、回答情報処理方法90の該ステップに付けた番号と同一の番号を付けて、説明は省略し、相違点について述べる。回答情報処理方法130では、R131,R132が回答情報処理方法90のR91とR92との間に追加されている。
【0062】
R131:ユーザから番組に対する回答画面の要求があるか否かを判定し、判定が正になりしだい、R132へ進む。
R132:R73b(図16)でサーバ13から受信した回答分類(質問情報又は調査項目)の送信コンテンツを基に現在の放送局/時刻に対応付けられた回答画面(後述の図19)を生成し、表示する。
【0063】
図18は質問DB35における情報内容の一例である。該情報内容は、放送コンテンツが番組である場合(図18(a))とCM(図18(b))である場合とで異なったものにしている。図18(a)では、各質問情報(図18の各行に対応)に対して、放送スケジュール情報の放送種別、放送局名、放送番組、放送開始時刻及び放送終了時刻と共に、また、図18(b)では、各質問情報に対して、CMタグ情報(図9)の放送種別及びCM名と共に、操作入力部54(図7)の一般操作キー部91の各カラーキーやテンキーとそれらに割当てた回答選択肢の内容とがそれぞれ割当てキー及びキー情報として登録されている。
【0064】
図19は図18の質問情報に基づき受信端末14の表示装置60に表示される画面例を示す。この画面はR75b(図16)の実行に伴い表示される。表示装置60の画面内の下部には、操作入力部54(図7)の一般操作キー部91におけるどの数値キーにどのような回答選択肢が割当てられているかをユーザに示す情報が表示されている。表示装置60の画面本体には、回答対象となっている番組やCM等の放送コンテンツが表示されていてもよいし、ユーザの回答期間中のみ、ユーザ回答の基にする放送コンテンツに対する質問画面が一時的に又は所定時間だけ表示されるようになっていてもよい。該質問画面には、例えば、「該番組についてどう思いますか。下記の選択肢からお選び下さい。」の質問事項が表示される。
【0065】
図20は受信端末14における図19の回答画面に対するユーザ回答に基づき受信端末14の回答情報記憶部52(図4)に記憶されるユーザ回答情報の例である。図20(a)及び(b)はそれぞれ番組及びCMに対するユーザ回答情報である。受信端末14は、今回のユーザ回答がどの放送コンテンツ(番組だけでなくCMも含む。)に対するものなのかを、前述の図8に関連して説明したように特定するとともに、入力内容としてのユーザ回答を質問情報(操作キーとユーザ回答との対応付け情報)から特定する。こうして特定された放送コンテンツと入力内容とを含むユーザ回答情報が図20のユーザ回答情報となっている。
【0066】
可変質問式ユーザ回答の放送システム10では、サーバ13側から、質問への回答の選択肢を操作入力部54のキーに対して割当てることが可能であるため、様々な番組に関する質問への回答の選択肢を自由に設定することができる。
【0067】
図21は回答集計処理方法140のフローチャートである。該回答集計処理方法140は図16のS79で実施される処理である。回答集計処理方法140において、図11の回答集計処理方法110のステップと同一のステップについては、回答集計処理方法110の該ステップに付けた番号と同一の番号を付けて、説明は省略し、相違点について述べる。回答集計処理方法140では、S141が回答集計処理方法110のS116とS117との間に追加されている。
【0068】
S141:質問DB35(図3)を参照し、ユーザの入力内容(回答情報)がどの質問に対するものなのかを照合する。
【0069】
[2 IP配信型放送システム:放送システム160]
図22〜図24は可変質問式のIP配信型の放送システム160に関する。放送システム160では、各受信端末163は、放送局12からの放送コンテンツを放送波及びインターネット11の両方で受信可能にしつつ、原則的にはインターネット11を介して受信する。インターネット11を介する放送コンテンツの放送にはIP(インターネットプロトコル)が利用される。なお、ユーザが受信端末163において選局した放送局が対応のIP型放送(IPを利用してネットワークを介して放送コンテンツを放送する放送形式と定義する。)を行っていない場合には、該受信端末163は、IP型放送による放送コンテンツの受信が困難であるので、選局した放送局からの放送波により受信した放送コンテンツを出力する。
【0070】
図22は放送システム160の概略構成図である。放送システム160において、放送システム10の要素と同一である要素については、放送システム10の対応要素と同一符号で示して、説明は省略し、相違点について述べる。
【0071】
放送局12は、放送コンテンツを電波塔17から放送波により放送するとともに、専用線又はインターネット11を介して放送コンテンツのデータをサーバ162へ送出する。サーバ162は放送局12が自局専用に有することもできる。各受信端末163は、放送局12の放送波の、法令上定められている放送対象地域に存在するときのみ、インターネット11を介してサーバ162から放送コンテンツを受信し、出力することができるようになっている。各受信端末163からのインターネット11を介する放送コンテンツの出力の許可及び禁止は、受信端末163が、サーバ162から受信した放送コンテンツについて、自ら、出力許可及び禁止を判断して、制御してもよいし、サーバ162が受信端末163へ放送コンテンツを送信する時に該放送コンテンツを送信するか否かを判断して、制御してもよい。
【0072】
図23は図22の放送装置161及びサーバ162の詳細な構成図である。放送装置161及びサーバ162において、放送システム10の放送装置16(図2)及びサーバ13(図3)の要素と同一の要素については、放送装置16及びサーバ13の要素に付した符号を付して、説明は省略し、相違点について述べる。
【0073】
放送装置161では、放送装置16に対して放送素材165が追加されている。サーバ162では、サーバ13に対して放送装置通信部169、コンテンツDB170及び送信可否判定部171が追加されている。放送素材165は、基本的に、MUX28から電波塔17への放送信号に対応するデータと同一であるが、該対応データからデータ放送分を欠落させたものであってもよく、また、非多重化データとしてもよいものである。放送装置161は、放送システム10の放送装置16の機能に加え、放送素材165をサーバ用通信部24から専用線又はインターネット11を介してサーバ162へ送信する機能を有する。
【0074】
サーバ162は、専用線又はインターネット11を介する放送装置161からの放送コンテンツを放送装置通信部169において受信し、コンテンツDB170に記録する。コンテンツ生成部36は質問のコンテンツを生成する。コンテンツDB170には、放送装置161から受信した放送コンテンツと共に当該放送に関連するコンテンツや、コンテンツ生成部36で生成されたコンテンツが記録される。なお、放送装置161から受信した放送のコンテンツはコンテンツDB170に記憶せず、そのまま受信端末163に配信するようにしてもよい。
【0075】
送信可否判定部171はユーザ情報に基づき当該受信端末163にコンテンツの送信の可否を判定する。具体的には、放送がなされている地域に受信端末163が存在するか否かを判定し、判定が正である場合には、コンテンツの受信を可能とする。放送がなされている地域であるか否かは、その放送の受信端末163における受信状況から分かる。なお、受信状況が悪い場合には、受信端末163のIPアドレスやGPS(GPS: Global Positioning System)等の別の手段から受信端末163の位置を把握することができるようにしてもよい。IPアドレスは受信端末163の存在地域に応じた値がISP(インターネットサービスプロバイダ)から付与されることになっているので、IPアドレスから受信端末163の存在地域を把握することができる。なお、受信状況は、受信端末163から各放送局の放送コンテンツについて最初の配信要求があった時に、該受信端末163における該放送局の受信状況をユーザDB38に登録しておき、その後の該放送局に係る放送コンテンツの配信時では、受信状況を検出したり、受信状況から配信の可否を決定したりすることを省略してもよい。
【0076】
図24は図22の受信端末163の詳細な構成図である。受信端末163において、放送システム10の受信端末14(図4)の要素と同一の要素については、受信端末14の要素に付した符号を付して、説明は省略し、相違点について述べる。受信端末163には、受信端末14に対して受信状況記憶部174が付加されている。受信端末163は、チューナ47において放送波の放送コンテンツを受信し、その受信状況(受信電界強度やビットエラー率)を測定して、受信状況記憶部174に記憶するとともに、通信部51からインターネット11を介してサーバ162へ送る。通信部51は、回答情報もインターネット11を介してサーバ162へ送る。なお、放送局12によっては、放送波放送のみで、IPネットワーク放送を実施していない場合があり、受信端末163のユーザがIPネットワーク放送を実施していない放送局12を選局した場合には、受信端末163は、チューナ47から出力される放送コンテンツを表示装置60及び音声再生装置61から出力する。
【0077】
[2−1 可変質問式のIP配信型放送システム:放送システム160の第1の実施例]
図25〜図27は可変質問式の放送システム160に関する。なお、放送波配信型放送システムについては固定質問式及び可変質問式をそれぞれ第1及び第2の実施例として説明したが、IP配信型放送システムについては、固定質問式及び可変質問式をそれぞれ第2及び第1の実施例として説明する。可変質問式の放送システム160は、可変質問式の放送システム10と同様に、ユーザが放送コンテンツに対するユーザ回答としての選択肢は放送コンテンツ、広告主、回答時刻、放送局、地域等のパラメータにより変更される。
【0078】
図25は放送システム160の各要素間の処理についてのラダーチャートである。図25において、図16のステップと同一のステップについては図16のステップと同一のステップ番号を付して、説明は省略し、相違点についてのみ説明する。図25のラダーチャートでは、図16のラダーチャートに対しR181,S182,R183,S184,S185,R186が追加されている。R181,S182,R183,S184はS72b,R73bの前に配置され、S185,R186はS72b,R73bの後ろでかつS75bの前に配置される。
【0079】
S70では、図16のS70と同様に、サーバ162は、受信端末163からのユーザ回答を受信する。しかしながら、サーバ162は、サーバ13(図1)に対し、自機が受信端末163へ配信する番組についてその配信時刻を把握しているので、放送スケジュールは、S70において放送局12から受信することなく、自機で作成して、それを受信端末163へ配信するようにしてもよい。さらに、サーバ162は、放送局12からの放送波のコンテンツとは別にサーバ162が独自に配信するコンテンツであって、放送局12を放送主体とするコンテンツを受信端末163に配信することも可能であり、そのようなコンテンツ配信の場合には、その放送スケジュールを自機で作成して、受信端末163へ送信する。
【0080】
R181では、受信端末163は、放送局12から放送コンテンツを放送波により受信する。受信端末163が放送波により受信した放送コンテンツは、受信端末163におけるコンテンツ出力には使用されず、単に、後述のR183における受信状況検出のためにのみ受信される。
【0081】
S182では、サーバ162は放送局12からの放送番組を、インターネット11を介するIP配信により受信する。R183では、受信端末163はR181において選択している放送波の受信状況を検出し、その受信状況をサーバ162へインターネット11を介して送信する。S184では、サーバ162は、受信端末163から送信された受信状況により、当該受信端末163に放送番組の他、サーバ162の地域限定されたコンテンツを送信してよいか否かを判定する。S185では、サーバ162側で配信してよいと判定した受信端末163について、放送番組/コンテンツを送信する。該コンテンツには、サーバ162が、該放送番組の放送局12を放送主体としてサーバ162が該放送番組とは別に制作したコンテンツが含まれる。S184における具体的な判定の仕方は後述の図27のS202において説明する。R186では、S185でサーバ162が配信して来た放送番組/コンテンツを受信端末163が受信する。
【0082】
図26は受信端末163における受信状況通知方法190のフローチャートである。受信状況通知方法190は図25のR183の処理を実行する。
R191:サーバ162に対し、放送局12からのサーバ162を経由した放送コンテンツ又は該放送局12が放送主体となりつつサーバ162で独自に作成した放送コンテンツについてその受信要求がユーザからあるか否かを判定し、判定が正になりしだい、R192へ進む。
R192:R191の受信要求対象の放送コンテンツの放送主体の放送局12からの放送波を受信中であるか否かを判定し、判定が正であれば、R194へ進み、否であれば、R193へ進む。
R193:R192の放送波にチューニングする。
【0083】
R194:当該放送局12の受信状況を検出する。受信状況とは、具体的には、受信端末163が、チューニング中の放送波についての受信電界強度やBER(ビットエラー率)から判断する。受信電界強度が所定の閾値以上であるときや、BERが所定の閾値未満であるときは、受信状況は良と判断する。通常、受信端末163がチューニング中の放送波を送出している放送局12の法令上の放送対象地域内に存在すれば、受信状況は良であり、放送対象地域外であれば、受信状況は不良である。なお、特に受信端末163が携帯型や車載型である場合、受信端末163が放送対象地域内に存在していても、地下街やトンネル内やビル影等では、受信状況が一時的に不良になることがある。
R195:検出した受信状況の情報を、インターネット11を介してサーバ162に通知する。
【0084】
図27はコンテンツ配信制御方法200のフローチャートである。コンテンツ配信制御方法200は図25のS184,S185の処理を実行する。
S201:受信端末163から受信状況情報及び受信端末IDを受信する。
【0085】
S202:受信状況は放送番組等(放送番組の他に、CMやデータ放送コンテンツが含まれる。)のコンテンツを送信可能に該当するか否か(受信状況が送信許可範囲内にあるかそれとも送信禁止範囲にあるか)を判断する。すなわち、受信端末163における放送波による放送番組等のコンテンツの受信状況から、該受信端末163が、該コンテンツの放送主体の放送局12の放送対象地域内に存在していると認められるか否かを判定する。判定が正であれば、S203へ進み、否であれば、S204へ進む。一般的には、該受信端末163における受信状況が良であれば、S202の判定は正であり、不良であれば、S202の判定は否となる。
【0086】
S203:受信端末163が受信要求を出しているコンテンツを、インターネット11を介して受信端末163へ配信する。
S204:受信端末IDをユーザDB38(図23)のユーザ情報と照合する。受信状況が不良であっても、該受信端末IDの受信端末163へコンテンツの送信を許可してよい場合があり、そのような場合であるかを判断するために、ユーザが登録したユーザ情報から受信端末IDの受信端末163の存在場所を調べる。受信端末163の存在場所を特定するユーザ情報の具体例は、受信端末163が据置型である場合には、(a)受信端末163のIPアドレス、(b)ユーザが登録した住所、郵便番号又は市外局番付き電話番号が真正と認めた場合の該住所、該郵便番号、該市外局番付き電話番号、(c)受信端末163の現在地についてのGPS(GPS: Global Positioning System)情報である。(a)及び(c)は受信端末163が携帯型や車載型である場合にも、利用可能である。
【0087】
S205:S204の照合に基づき、該受信端末163が、受信要求対象のコンテンツの放送主体の放送局12の放送対象地域に存在するか否か、すなわち該受信端末163が、該コンテンツを送信許可される受信端末であるか否かを判定する。判定が正であれば、S203へ進み、否であれば、S206へ進む。
S206:コンテンツを送信できない旨の情報を受信要求元の受信端末163へ送信する。
【0088】
S207:地域情報登録の方法を示したコンテンツを受信要求元の受信端末163へ送信する。地域情報登録とは、受信端末163のユーザに受信端末163の据置き場所についての情報(例:郵便番号、住所、又は電話の市外局番等)を登録させることである。
S208:S207で地域情報登録用のコンテンツを送信した受信端末163に対し、該受信端末163から、そのユーザが登録した地域情報を受信したか否かを判定し、判定が正になりしだい、S209へ進む。
S209:S208で受信した地域情報をユーザID又は受信端末IDに対応付けてユーザ情報としてユーザDB38(図23)に登録する。
【0089】
[2−2 固定質問式のIP配信型放送システム:放送システム160の第2の実施例]
固定質問式の放送システム160では、固定質問式の放送システム10と同様に、放送コンテンツを視聴するユーザへの質問は、放送コンテンツ、放送局及び放送時刻等に関係なく、固定されている。図2〜図15の固定質問式放送システム10と図16〜図21の可変質問式の放送システム10との対比から自明であるように、固定質問式の放送システム160では、可変質問式の放送システム160から、可変の質問情報を生成したり、可変の質問情報に応じて受信端末163のユーザに回答させたり、可変の質問情報に応じてユーザ回答を解析したりする処理が省かれる。具体的には、図25のS71b,S72b,R73b,R75b及びR76bが図5のS71,S72,R73,R75及びR76にそれぞれ置き換える。
【0090】
[3 ユーザ回答確認式放送受信端末]
図28は放送受信端末のユーザがユーザ回答をその送信前に確認するユーザ回答確認方法220のフローチャートである。ユーザ回答確認方法220は、放送システム10の受信端末14及び放送システム160の受信端末163のどちらにも適用することができる。ユーザ回答は、ユーザによる送信可否を問い合わせることなく、自動的に送信することもできるが、ユーザ回答確認方法22では、ユーザ回答は、ユーザから送信許可を受けてから、送信されるようになっている。
【0091】
R221:ユーザからユーザ回答としての回答情報の閲覧要求を受け付ける。
R222:どのユーザの回答情報について閲覧するのかの選択を受け付ける。登録ユーザが1人の場合は、そのユーザが選択されたと判断するようにしてもよい。なお、ここでは、家族が1台の放送受信端末を共有していることを想定している。したがって、1台の放送受信端末に対し、複数のユーザが存在し、同一の放送受信端末から各ユーザ別にユーザ回答をユーザ回答集計サーバへ送信できるようになっている。登録ユーザが複数の場合とは、例えば同一家族の複数のユーザが放送受信端末を共有して、ユーザ回答集計サーバへユーザ登録している場合を意味する。家族間で、各自のユーザ回答を秘密にするために、ユーザ選択の際に、各自のPSWを入力させ、ユーザ認証できた場合にのみ、次のR223へ進み、認証できなかった場合には、ユーザ回答確認方法220を直ちに終了するようにしてもよい。
【0092】
R223:当該ユーザの回答情報を表示する。
R224:回答情報のリストから回答情報を削除するか否かを問合せる。削除する場合はR225へ進み、削除しない場合はR226へ進む。
R225:回答情報を削除する。なお、当該ユーザに対して複数の回答情報が記憶されている場合には、それら全部の回答情報を削除してもよいし、削除する回答情報をユーザに選択させてから、選択された回答情報のみ削除することもできる。当該ユーザの全部の回答情報が削除された場合には、ユーザ回答確認方法220を終了し、削除されずに残った回答情報が存在する場合には、ユーザ回答確認方法220の終了に代えて、R2266へ進むこともできる。
R226:回答情報を送信するか否かをユーザに問合せる。ユーザが「送信する」を選択した場合には、R227へ進み、「送信しない」を選択した場合にはR224へ戻る。R224へ戻る代わりに、ユーザ回答確認方法220を一旦、終了することもできる。R227は、R226の判定が正になると、直ちに実行してもよいし、所定の時間帯や日時になったり、所定時間が警戒してから、実行するようにしてもよい。
R227:回答情報をサーバ13又は162へ送信する。
【0093】
[4 CMタグ情報の利用]
放送システム10の受信端末14又は放送システム160の受信端末163では、CMタグ情報(図9)を利用することにより、さらに詳細なユーザ回答情報を作成して、該ユーザ回答情報をサーバ13又は162へ送信することにより、サーバ13又は162におけるユーザ回答の集計についての詳細化及び/又は能率化を図ることができる。すなわち、CMタグ情報では、それを参照することにより、各CMに対し、広告主、広告のブランド及び広告の種類等の情報が盛り込まれているので、これを利用する。具体的な利用の仕方は例えば次の(a)及び(b)である。なお、CMタグ情報(図9)の広告IDを利用して、受信端末14は、ユーザが回答した広告のIDをサーバ13又は162へユーザ回答に対応付けて送信し、サーバ13又は162が広告ID別にユーザ回答を集計するようにすることもできる。
【0094】
(a)受信端末14又は163は、CMについてのユーザ回答情報には、そのユーザ回答について特定したCMの他に、広告主、広告のブランド及び広告の種類等の情報を含ませて、サーバ13又は162へ送信する。サーバ13又は162は、該ユーザ回答情報を利用して、広告主、広告のブランド若しくは広告、又はそれらの組合せ別にユーザ回答を集計する。
【0095】
(b)受信端末14又は163は、CMに対する各ユーザ回答に対して、広告主、広告のブランド若しくは広告、又はそれらの組合せ別に分類する。この場合、1つのユーザ回答が複数の分類に属することがある。例えば、図9のCMタグ情報では、CM名"エコ#"は、広告主"日本自動車"という分類に属するとともに、広告の種類が"自動車"の分類にも属する。こうして、受信端末14又は163においてあらかじめ分類分けされたユーザ回答情報がサーバ13又は162へ送信される。サーバ13又は162は、あらかじめ分類された、CMのユーザ回答について集計して、各分類ごとの集計結果を得る。
【0096】
[5 まとめ:ユーザ回答集計システム250]
図29はユーザ回答集計システム250の構成図である。ユーザ回答集計システム250の具体例は放送システム10,160である。ユーザ回答集計システム250は、放送局251、該放送局251を放送主体とする放送コンテンツを受信する放送受信端末252、及びユーザ回答集計サーバ253を備える。放送受信端末252及びユーザ回答集計サーバ253はネットワーク254を介してデータを送受する。放送局251とユーザ回答集計サーバ253とは、専用回線又はネットワーク254を介してデータを送受する。
【0097】
放送局251を放送主体とする放送コンテンツとは、例えば、(a)放送局251が放送波を使って放送している放送コンテンツ、(b)ユーザ回答集計サーバ253等のサーバが、放送局251による放送波の放送コンテンツと同一の放送コンテンツであって、IPネットワーク254を使って、放送している放送コンテンツ、及び(c)ユーザ回答集計サーバ253等のサーバが、放送局251による放送波の放送コンテンツと別の放送コンテンツであって、IPネットワーク254を使って、放送している放送コンテンツを含む趣旨で使用している。放送コンテンツとは、本放送の番組若しくは広告、又はデータ放送の番組若しくは広告である。
【0098】
放送受信端末252は、放送コンテンツ出力手段261、ユーザ回答受付け手段262、コンテンツ放送時間情報取得手段263、放送コンテンツ特定手段264、及び送信手段265を備える。放送コンテンツ出力手段261は、受信した放送コンテンツを出力する。ユーザ回答受付け手段262は、放送コンテンツについてのユーザ回答を受付ける。コンテンツ放送時間情報取得手段263は、該放送コンテンツの番組時間情報と広告時間情報とに係るコンテンツ放送時間情報を取得する。放送コンテンツ特定手段264は、ユーザ回答の基になっている放送コンテンツの放送元と該ユーザ回答の入力時刻とに基づきコンテンツ放送時間情報を参照して該放送コンテンツを特定する。送信手段265は、ユーザ回答と該ユーザ回答に対して特定した放送コンテンツとを含むユーザ回答情報をユーザ回答集計サーバ253へネットワーク254を介して送信する。
【0099】
放送コンテンツ出力手段261の具体例は表示装置60及び音声再生装置61(図4及び図24)である。放送コンテンツには、テレビだけでなくラジオの放送コンテンツも含まれ、ラジオの放送コンテンツの場合には、ユーザは放送コンテンツを聴取するのみとなる。コンテンツ放送時間情報には、各番組や各CMの放送開始日時及び放送終了日時についての情報だけでなく、それらより一層詳細にして、各番組や各CM内の所定の部分(例:番組内のコーナー)についての放送開始日時及び放送終了日時についての情報を含めることができる。ユーザ回答とは、例えば、ユーザが視聴した放送コンテンツに対し、その嗜好、興味及び有益性のユーザ評価についての回答である。
【0100】
好ましくは、放送受信端末252は、さらに、問合せ手段267を備える。問合せ手段267は、送信手段265によるユーザ回答集計サーバ253へのユーザ回答情報の送信に先立ち該ユーザ回答情報を表示してユーザに送信可否を問い合わせる。送信手段265は、ユーザが送信許可したユーザ回答情報についてのみ送信する。問合せ手段267の機能は例えば図28のユーザ回答確認方法220のR221〜R226の処理に対応する。
【0101】
典型的には、コンテンツ放送時間情報取得手段263が取得するコンテンツ放送時間情報は、ユーザ回答集計サーバ253から受信したものである(例:図5のR73、並びに図16及び図25のR73b。)。
【0102】
典型的には、放送受信端末252はさらに受信手段269を備える。受信手段269は、ユーザが回答を入力するのに先立ち調査項目情報をユーザ回答集計サーバ253からネットワーク254を介して受信する。これに対し、ユーザ回答受付け手段262は、受信した調査項目情報をユーザに提示してからユーザ回答を受付ける。この具体例は、前述の[1−2の可変質問式の放送システム10]及び[2−1の可変質問式の放送システム160]における受信端末14,163である。ユーザへの調査項目情報の提示としての表示は、全画面を放送コンテンツの画面から回答入力画面に置き換えるのではなく、図19に例示したように、放送画面、すなわち放送コンテンツを表示しつつ、隅の方に小さく行えば、ユーザは、放送コンテンツを見ながら、正しい回答キーを操作することができるので、便利となる。
【0103】
調査項目情報の調査項目は、例えば、調査対象の放送コンテンツ自体、調査対象の放送コンテンツ(番組又はCM)のジャンル(例:ドラマ、スポーツ、音楽及びスポーツ等)、調査対象の放送コンテンツの放送時刻、調査対象の放送コンテンツの放送元、及び/又は調査対象の放送コンテンツの放送地域に対応付けられるものとなっている。調査項目情報が調査対象の放送コンテンツ自体に対応付けられている場合とは、具体的には、各放送コンテンツごとに調査項目が設定されている場合である。
【0104】
典型的には、各調査項目は複数の選択肢を有し、放送受信端末252のユーザが1つの調査項目について複数の選択肢から選択したものがユーザ回答とされる。選択される選択肢は典型的には1つであるが、複数の選択があってもよいとする。選択肢の具体例は、図7の操作入力部操作入力部54の回答キー部106のハートマーク、スマイルマーク、×マークのキーにそれぞれ割当てられた「好き」、「まあまあ」及び「嫌い」である。
【0105】
好ましくは、調査項目情報には、各選択肢を放送受信端末252のどの操作キーに割当てるかの情報が含まれる。この具体例は、図18の赤及び青のカラーキーに割当てられた「好き」及び「嫌い」とか、"1"及び"2"のテンキーに割当てられた「面白い」及び「つまらない」とかである。調査項目とは、例えば、(a)放送コンテンツ自体に対する好感度、(b)広告の場合には、該広告の中の商品について好感度、(c)広告の場合にはスポンサーについての好感度、(d)出演俳優の好感度、及び(e)希望の放送時間帯である。こうして、調査項目の選択肢に応じて円滑にユーザ操作キーを割当てることができる。
【0106】
典型的には、放送受信端末252は受信手段269を備える。受信手段269は、放送コンテンツを、放送塔からの放送波又はユーザ回答集計サーバ253からネットワーク254(典型的にはIPを利用する。)を介して受信する。送信手段265は、放送コンテンツを、ユーザ回答集計サーバ253からIPネットワーク254を介して受信する場合には、自機が該放送コンテンツの放送元の放送対象地域内に存在することを示す情報を該放送コンテンツの送信要求と共にユーザ回答集計サーバ253へ送信する。
【0107】
ユーザ回答集計サーバ253はコンテンツ放送時間情報配信手段275、受信手段276及びユーザ回答集計手段277を備える。コンテンツ放送時間情報配信手段275は、放送受信端末252へネットワーク254を介してコンテンツ放送時間情報を配信する。受信手段276は、ネットワーク254を介して放送コンテンツについてのユーザ回答情報を受信する。ユーザ回答集計手段277は、受信したユーザ回答情報からユーザ回答と該ユーザ回答の基になっている放送コンテンツとを抽出し各放送コンテンツについて複数のユーザからのユーザ回答を集計する。
【0108】
図30は放送受信端末制御方法290のフローチャートである。放送受信端末制御方法290は放送受信端末252に適用される。S293は、S291の前や、S291のs292との間で実行することもできる。
【0109】
S291では、受信した放送コンテンツを出力する。S292では、放送コンテンツについてのユーザ回答を受付ける。S293では、放送コンテンツの番組時間情報と広告時間情報とに係るコンテンツ放送時間情報を取得する。S294では、ユーザ回答の基になっている放送コンテンツの放送元と該ユーザ回答の入力時刻とに基づきコンテンツ放送時間情報を参照して該放送コンテンツを特定する。S295では、ユーザ回答と該ユーザ回答に対して特定した放送コンテンツとを含むユーザ回答情報をユーザ回答集計サーバ253へネットワーク254を介して送信する。
【0110】
S291〜S295の処理は、放送受信端末252(図29)の放送コンテンツ出力手段261〜送信手段265の機能にそれぞれ対応している。したがって、放送コンテンツ出力手段261〜送信手段265の機能について述べた具体的態様はS291〜S295の処理についての具体的態様としても適用可能である。放送受信端末制御方法290では、また、放送受信端末252の問合せ手段267及び受信手段269の機能に対応する処理を実行するステップを適宜、追加可能である。問合せ手段267に対応するステップはS294とS295との間に挿入する。受信手段269に対応するステップはS292の実行に先立ち実施する。問合せ手段267及び受信手段269の機能について述べた具体的態様は、問合せ手段267及び受信手段269に対応するステップの処理の具体的態様として適用可能である。
【0111】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更(付加及び削除も含む。)が可能であることは言うまでもない。
【0112】
本明細書は様々な範囲及びレベルの発明を開示している。それら発明は、本明細書で説明した様々な技術的範囲及び具体的レベルの各装置及び各方法だけでなく、拡張ないし一般化の範囲で、各装置及び各方法から独立の作用、効果を奏する1つ又は複数の要素を抽出したものや、1つ又は複数の要素を拡張ないし一般化の範囲で変更したものや、さらに、各装置間及び各方法間で1つ又は複数の要素の組合せを入れ換えたものを含む。
【符号の説明】
【0113】
250:ユーザ回答集計システム、251:放送局、252:放送受信端末、253:ユーザ回答集計サーバ、254:ネットワーク、261:放送コンテンツ出力手段、262:ユーザ回答受付け手段、263:コンテンツ放送時間情報取得手段、264:放送コンテンツ特定手段、265:送信手段、267:問合せ手段、269:受信手段、275:コンテンツ放送時間情報配信手段、276:受信手段、277:ユーザ回答集計手段、290:放送受信端末制御方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した放送コンテンツを出力する放送コンテンツ出力手段、
放送コンテンツについてのユーザ回答を受付けるユーザ回答受付け手段、
前記放送コンテンツの番組時間情報と広告時間情報とに係るコンテンツ放送時間情報を取得するコンテンツ放送時間情報取得手段、
ユーザ回答の基になっている放送コンテンツの放送元と該ユーザ回答の入力時刻とに基づき前記コンテンツ放送時間情報を参照して該放送コンテンツを特定する放送コンテンツ特定手段、及び
ユーザ回答と該ユーザ回答に対して特定した放送コンテンツとを含むユーザ回答情報をユーザ回答集計サーバへネットワークを介して送信する送信手段、
を備えることを特徴とする放送受信端末。
【請求項2】
前記送信手段による前記ユーザ回答集計サーバへのユーザ回答情報の送信に先立ち該ユーザ回答情報を表示してユーザに送信可否を問い合わせる問合せ手段、及び
ユーザが送信許可したユーザ回答情報についてのみ送信する前記送信手段、
を備えることを特徴とする請求項1記載の放送受信端末。
【請求項3】
前記コンテンツ放送時間情報取得手段が取得する前記コンテンツ放送時間情報は、前記ユーザ回答集計サーバから受信したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の放送受信端末。
【請求項4】
ユーザが回答を入力するのに先立ち調査項目情報を前記ユーザ回答集計サーバから前記ネットワークを介して受信する受信手段、及び
受信した前記調査項目情報をユーザに提示してからユーザ回答を受付ける前記ユーザ回答受付け手段、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放送受信端末。
【請求項5】
前記調査項目情報の調査項目は、調査対象の放送コンテンツ自体、調査対象の放送コンテンツのジャンル、調査対象の放送コンテンツの放送時刻、調査対象の放送コンテンツの放送元、及び/又は調査対象の放送コンテンツの放送地域に対応付けられるものとなっていることを特徴とする請求項4記載の放送受信端末。
【請求項6】
各調査項目は複数の選択肢を有し、前記受信端末のユーザが1つの調査項目について複数の選択肢から選択したものがユーザ回答とされることを特徴とする請求項4又は5記載の放送受信端末。
【請求項7】
調査項目情報には、各選択肢を前記受信端末のどの操作キーに割当てるかの情報が含まれることを特徴とする請求項5記載の放送受信端末。
【請求項8】
放送コンテンツを、放送塔からの放送波又は前記ユーザ回答集計サーバからIPネットワークを介して受信する受信手段、及び
放送コンテンツを、前記ユーザ回答集計サーバからIPネットワークを介して受信する場合には、自機が該放送コンテンツの放送元の放送対象地域内に存在することを示す情報を該放送コンテンツの送信要求と共に前記ユーザ回答集計サーバへ送信する前記送信手段、
を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の放送受信端末。
【請求項9】
前記放送受信端末へネットワークを介してコンテンツ放送時間情報を配信するコンテンツ放送時間情報配信手段、
前記ネットワークを介して放送コンテンツについてのユーザ回答情報を受信する受信手段、及び
受信したユーザ回答情報からユーザ回答と該ユーザ回答の基になっている放送コンテンツとを抽出し各放送コンテンツについて複数のユーザからのユーザ回答を集計するユーザ回答集計手段、
を備えることを特徴とするユーザ回答集計サーバ。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の放送受信端末と、請求項9記載のユーザ回答集計サーバとを備えることを特徴とするユーザ回答集計システム。
【請求項11】
受信した放送コンテンツを出力する放送コンテンツ出力ステップ、
放送コンテンツについてのユーザ回答を受付けるユーザ回答受付けステップ、
前記放送コンテンツの番組時間情報と広告時間情報とに係るコンテンツ放送時間情報を取得するコンテンツ放送時間情報取得ステップ、
ユーザ回答の基になっている放送コンテンツの放送元と該ユーザ回答の入力時刻とに基づき前記コンテンツ放送時間情報を参照して該放送コンテンツを特定する放送コンテンツ特定ステップ、及び
ユーザ回答と該ユーザ回答に対して特定した放送コンテンツとを含むユーザ回答情報をユーザ回答集計サーバへネットワークを介して送信する送信ステップ、
を備えることを特徴とする放送受信端末制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−139304(P2011−139304A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298023(P2009−298023)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】