説明

放送受信装置およびシンボル合成方法

【課題】合成による合成利得を低減させることなくノイズの影響を抑制して受信特性を向上させることができる放送受信装置およびシンボル合成方法を提供すること。
【解決手段】各ブランチによって取得されたシンボルをキャリア毎に合成して仮合成シンボルを生成しておき、仮合成シンボルの生成に用いたシンボルのなかから合成対象とすべきでない非対象シンボルを抽出し、仮合成シンボルの生成に用いたシンボルから非対象シンボルを除いたシンボルと仮合成シンボルとを合成して本合成シンボルを生成するように放送受信装置を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信装置およびシンボル合成方法に関するものであり、特に合成による合成利得を低減させることなくノイズの影響を抑制して受信特性を向上させることができる放送受信装置およびシンボル合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用DTV(デジタルテレビジョン)受信機が普及してきている。DTV放送波は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)方式に準拠している。
【0003】
かかるOFDM方式は、互いに直交する複数のキャリア(周波数)を用い、複数のデータを並列的に送信することで通信効率を向上させた信号変調方式である。
【0004】
ところで、上記した車載用DTV受信機の場合、車両の速度や向き、車両周辺の環境に応じて受信環境が絶えず変化するので、このような移動環境においても放送波を安定して受信することが求められている。
【0005】
このため、車載用DTV受信機では、複数のアンテナにそれぞれ対応する複数の受信系(以下、「ブランチ」という)で放送波を受信し、各ブランチによって受信された放送波を合成することで放送波を安定受信するダイバーシティ方式が用いられている。
【0006】
ここで、複数の放送波を合成する方法として最大比合成がある。最大比合成では、各ブランチの各キャリアにおける伝送路応答に基づき各ブランチで受信した放送波の電力を算出し、各放送波へ対応する電力に応じた重み付けを行って合成する。
【0007】
すなわち、最大比合成では、電力の大きな放送波ほど受信状態が良好な放送波とみなし、受信状態に応じた重み付けを行って各放送波を合成するため、合成後の放送波には、受信状態が良好な放送波の影響が強く反映されることになる。
【0008】
しかし、合成する放送波の電力が大きいからといって必ずしも受信状態が良好な放送波だとは限らない。たとえば、元々電力の小さい放送波であっても、車載用DTV受信機で受信される前または受信された後に特定周波数のノイズが重畳された場合、ノイズの影響で電力が増大することがある。
【0009】
このように、ノイズの影響で電力が増大した放送波であっても、最大比合成では、受信状態の良好な放送波とみなされるため、合成後の放送波にはノイズの影響が大きく反映される。これにより、車載用DTV受信機の受信特性は悪化する。
【0010】
かかる受信特性の悪化を抑制する技術として、たとえば、特許文献1には、ブランチ毎にノイズ量を算出し、算出したノイズ量が大きなブランチで受信された放送波ほど、最大比合成時の合成割合を低減する放送受信装置が開示されている。
【0011】
特許文献1に記載の放送受信装置によれば、合成後の放送波へノイズの影響が反映されることを抑制することができるため、受信特性の悪化を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2006/098050号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記特許文献1に記載の放送受信装置は、ノイズ量の大きな放送波の合成割合を低減させるので、最大比合成により得られる合成利得まで低減してしまい受信特性を十分に向上させることができないという問題があった。
【0014】
すなわち、特許文献1に記載の放送受信装置は、たとえば、4つのブランチで受信した放送波のうち1つの放送波のノイズ量が非常に大きかった場合、ノイズ量が大きな放送波の合成割合を大幅に低減する。
【0015】
このように、特許文献1に記載の放送受信装置では、ノイズ量に応じて放送波の合成割合を低減するため、合成割合を低減させたブランチの利得が低減することになり、結果として4つのブランチから得られる合成利得が低減されてしまう。
【0016】
たとえば、特許文献1に記載の放送受信装置は、1つの放送波の合成割合を0まで低減して最大比合成を行った場合、3つのブランチで受信した放送波の合成利得しか得ることができない。
【0017】
このため、特許文献1に記載の放送受信装置は、4つのブランチを備えているにもかかわらず、3つのブランチしか備えていない放送受信装置と同等の受信特性しか発揮することができない。
【0018】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、最大比合成により得られる合成利得を低減させることなくノイズの影響を抑制して受信特性を向上させることができる放送受信装置およびシンボル合成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、直交周波数分割多重方式によって変調された放送波を受信し、該放送波に重畳されているシンボルを取得する複数のブランチを用いて前記シンボルをキャリア毎に合成する放送受信装置であって、各前記ブランチによって取得されたシンボルをキャリア毎に合成して仮合成シンボルを生成する第1合成手段と、シンボルをキャリア毎に同相成分軸および直交成分軸であらわしたコンスタレーション上における前記仮合成シンボルの位置および当該仮合成シンボルの生成に用いられたシンボルの位置に基づき、前記仮合成シンボルの生成に用いられたシンボルから合成対象とすべきでない非対象シンボルを抽出する抽出手段と、前記仮合成シンボルの生成に用いられたシンボルのうち、前記抽出手段によって抽出された前記非対象シンボルを除くシンボルおよび前記仮合成シンボルを合成して本合成シンボルを生成する第2合成手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、合成により得られる合成利得を低減させることなくノイズの影響を抑制して受信特性を向上させることができる放送受信装置およびシンボル合成方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、従来における放送受信手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、本発明における放送受信手法の概要を示す図である。
【図3】図3は、本発明に係る放送受信装置を示すブロック図である。
【図4】図4は、本実施例に係る放送受信装置による最大比合成方法の一例を示す図である。
【図5】図5は、本実施例に係る放送受信装置による最大比合成方法の一例を示す図である。
【図6】図6は、本実施例に係る放送受信装置による最大比合成方法の一例を示す図である。
【図7】図7は、本実施例に係る放送受信装置で実行される処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る放送受信装置およびシンボル合成方法の実施例を詳細に説明する。以下では、実施例の詳細な説明に先立って、まず、デジタルテレビ(以下、「DTV」という)放送の一般的な送受信手法を簡単に説明する。
【0023】
その後、本発明における放送受信手法の概要について、従来における放送受信手法と対比して説明してから本発明に係る放送受信装置およびシンボル合成方法の実施例を詳細に説明する。
【0024】
近年のDTV放送の放送波は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)方式に準拠している。OFDM方式は、互いに直交する複数のキャリア(周波数)を用い、複数のデータを並列的に送信することで通信効率を向上させた信号変調方式である。
【0025】
OFDM方式を用いて放送波を送信する放送局は、OFDM方式で変調された各データシンボル(以下、「シンボル」という)を同相成分軸(I軸)および直交成分軸(Q軸)であらわしたコンスタレーション上における各マッピング枠の基準点にマッピングする。
【0026】
そして、放送局は、マッピングした各シンボルをIFFT(逆高速フーリエ変換:Inverse Fast Fourier Transform)する。そして、放送局は、IFFTしたシンボルをD/A(デジタル/アナログ)変換し、それぞれ直交する複数のキャリアに重畳させたOFDM信号を放送波として送信する。
【0027】
一方、複数のブランチで放送波をダイバーシティ受信する放送受信装置では、各ブランチが所定周波数帯域で放送波を受信し、受信した放送波をA/D(アナログ/デジタル)変換する。
【0028】
続いて、各ブランチは、A/D変換された放送波をFFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)することで各キャリアに重畳された各シンボルを取得する。その後、各ブランチは、取得した各シンボルを同相成分軸(I軸)および直交成分軸(Q軸)であらわしたコンスタレーションにおける受信点にマッピングする。
【0029】
そして、放送受信装置は、各ブランチによりマッピングされたシンボルをキャリア毎に最大比合成(MRC:Maximum Ratio Combine)することで利得を増大したシンボルを生成する。続いて、放送受信装置は、最大合成後のシンボルの順番を放送局でマッピングされる前の所定の順番へ並べ替えるインターリーブを行う。
【0030】
その後、放送受信装置は、インターリーブによって順番が入れ替えられたシンボル列に対してビタビ復号などの誤り訂正処理を行った後、誤り訂正後のシンボル列を映像や音声として再生可能なデータ形式へ復号してディスプレイやスピーカへ出力することによりデータを再生する。
【0031】
次に、図1を用いて従来における放送受信手法の概要について説明する。図1は、従来における放送受信手法の概要を示す図である。ここでは、従来における受信手法により第1〜第4ブランチという4つの各ブランチによって取得された各シンボルを最大比合成する場合について説明する。
【0032】
図1(A)に示すように、従来における受信手法では、第1〜第4ブランチによって取得された各シンボルを同相成分軸(I軸)および直交成分軸(Q軸)であらわしたコンスタレーション上へマッピングする。
【0033】
同図では、第1ブランチ、第2ブランチ、第3ブランチ、第4ブランチによって取得されたシンボルをそれぞれ符号BR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)を付した黒丸で示している。
【0034】
なお、同図に示す白丸は、コンスタレーション上に規定された複数のマッピング枠の基準点(中心点)である。かかる基準点は、放送局が各シンボルをマッピングした位置に相当するものである。ここでは、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)が放送局で基準点Cの位置にマッピングされていたものとして説明する。
【0035】
ここで、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)は、放送波の受信状態が良好であれば、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)は、基準点Cの近傍にマッピングされる。
【0036】
一方、放送波が伝送経路でノイズなどの影響を受けて受信状態が劣化していた場合、同図に示すように、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)は、基準点Cから離れた位置にマッピングされる。
【0037】
続いて、従来における受信手法では、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)の合成利得を得るため、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)を最大比合成して合成シンボルMRCを生成する。
【0038】
このとき、従来における受信手法は、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)に対し、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)の信頼性に比例した重み付けを行って最大比合成を行う。
【0039】
ただし、従来における受信手法では、最大比合成を行う時点で各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)に最も近い基準点が異なる場合、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)を収束させるべき基準点がどの基準点であるかを判定できない。
【0040】
つまり、従来における受信手法では、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)から特定の基準点までの距離に基づいて、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)の信頼性を判定することができない。
【0041】
このため、従来における受信手法では、各ブランチで受信された放送波の伝送路応答に基づいて算出した各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)の受信電力値(以下、単に「電力」という)が大きいほど信頼性の高いシンボルとみなす。
【0042】
そして、従来における受信手法では、各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)に対し、対応する電力に比例した重み付けを行って最大比合成を行う。
【0043】
しかしながら、電力が大きいからといって必ずしも信頼性の高いシンボルだとは限らない。たとえば、元々電力の小さい放送波であっても、車載用DTV受信機で受信される前または受信された後に特定周波数のノイズが重畳された場合、ノイズの影響でシンボルの電力が増大することがある。
【0044】
ここで、図1(A)に示す本来の基準点Cから最も離れた位置にマッピングされたシンボルBR(4)の電力がノイズの影響で他のシンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)の電力よりも大きくなったとする。
【0045】
すると、従来における放送受信手法では、ノイズの影響を受けているシンボルBR(4)に対し、最も高い重み付けを行って最大比合成を行う。これにより、最大比合成によって生成された合成シンボルMRCには、ノイズの影響が大きく反映される。このため、従来における放送受信手法は、放送波の受信特性が悪化するという問題がある。
【0046】
このため、従来における他の放送受信手法では、ブランチ毎にノイズ量を算出し、算出したノイズ量が大きなブランチで受信された放送波ほど、最大比合成時の合成割合を低減する放送受信装置が開示されている。
【0047】
かかる放送受信手法では、たとえば、図1(B)に示すように、シンボルBR(4)に重畳されているノイズ量が非常に大きい場合、最大比合成時にBR(4)の合成割合を低減することで合成シンボルMRCにノイズの影響が反映されることを抑制している。
【0048】
しかし、かかる放送受信手法では、シンボルBR(4)の合成割合を0まで低減した場合、3つのシンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)を最大比合成することになるため、3つのブランチの合成利得しか得ることができない。
【0049】
すなわち、かかる放送受信手法では、4つのブランチを用いて最大比合成を行っているにもかかわらず、3つのブランチを用いて最大比合成を行った場合と同等の受信特性しか得ることができない。
【0050】
そこで、本発明では、最大比合成により得られる合成利得を低減させることなくノイズの影響を抑制して受信特性を向上させることができる放送受信手法を提供する。次に、図2を用いて本発明における放送受信手法の概要について説明する。
【0051】
図2は、本発明における放送受信手法の概要を示す図である。ここでは、本発明における放送受信手法により第1〜第4ブランチという4つの各ブランチによって取得された各シンボルを最大比合成する場合について説明する。なお、同図において図1に示したものと同一のものに対しては、同一の符号を付することにより説明を省略する。
【0052】
図2(A)に示すように、本発明における受信手法では、第1〜第4ブランチによって取得された各シンボルBR(1)、BR(2)、BR(3)、BR(4)を同相成分軸(I軸)および直交成分軸(Q軸)であらわしたコンスタレーション上へマッピングする。
【0053】
続いて、本発明における受信手法では、各シンボルBR(1)〜BR(4)に対し、対応する電力に比例した重み付けを行い、各シンボルBR(1)〜BR(4)を最大比合成して仮合成シンボルMRC(1)を生成する。
【0054】
そして、本発明における受信手法では、仮合成シンボルMRC(1)の生成に用いた4つのシンボルBR(1)〜BR(4)のなかから合成対象とすべきでない非対象シンボルとして所定量を超えるノイズが重畳されたシンボルを推定して抽出する。なお、かかるシンボルの抽出手順については、図5および図6を用いて後述する。
【0055】
ここで、本発明における受信手法により、所定量を超えるノイズが重畳されたシンボルとしてシンボルBR(4)を抽出したとする(同図における点線の円参照)。
【0056】
すると、本発明における受信手法では、図2(B)に示すように、シンボルBR(4)と仮合成シンボルMRC(1)とを置換することで、仮合成シンボルMRC(1)を第4ブランチで受信されたシンボルとして再度最大比合成を行う。
【0057】
すなわち、本発明における受信手法では、仮合成シンボルMRC(1)の生成に用いた4つのシンボルBR(1)〜BR(4)のうち、所定量を超えるノイズが重畳されていないと判定した3つのシンボルBR(1)〜BR(3)と仮合成シンボルMRC(1)とを最大比合成することで本合成シンボルMRC(2)を生成する。
【0058】
ここで、第4ブランチで受信されたものとして取り扱う仮合成シンボルMRC(1)は、4つのシンボルBR(1)〜BR(4)を最大比合成したものであるため、合成利得が低減されることがない。
【0059】
しかも、仮合成シンボルMRC(1)は、4つのシンボルBR(1)〜BR(4)を最大比合成したものであるため、同図に示すように、コンスタレーション上における本来の基準点Cまでの距離がBR(4)から基準点Cまでの距離よりも短い。
【0060】
かかるコンスタレーションにおける基準点Cまでの距離の違いは、仮合成シンボルMRC(1)の方がシンボルBR(4)よりもノイズによる影響が低いシンボルであることを意味している。
【0061】
そして、本発明における受信手法では、シンボルBR(4)よりもノイズによる影響が低く合成利得が低下していない仮合成シンボルMRC(1)と、元々ノイズの影響が低かったシンボルBR(1)〜BR(3)とを最大比合成することで本合成シンボルMRC(2)を生成する。
【0062】
このように、本発明における受信手法では、4つのブランチから取得したシンボルBR(1)〜BR(4)を1度最大比合成することで、仮合成シンボルMRC(1)を生成する。そして、本発明における受信手法では、1度目の最大比合成に用いた4つのシンボルBR(1)〜BR(4)から所定量を超えるノイズが重畳されているシンボルBR(4)を抽出する。
【0063】
続いて、本発明における受信手法では、抽出したシンボルBR(4)以外のシンボルBR(1)〜BR(3)と仮合成シンボルMRC(1)とを最大比合成(2度目の最大比合成)することで本合成シンボルMRC(2)を生成する。
【0064】
このため、本発明における受信手法によれば、コンスタレーション上で、図1(A)に示す従来における受信手法により生成された合成シンボルMRCよりも基準点Cまでの距離が短い本合成シンボルMRC(2)を生成することができる。
【0065】
また、本発明における受信手法によれば、図1(B)に示す従来における受信手法により生成された合成シンボルMRCよりも合成利得の高い本合成シンボルMRC(2)を生成することができる。
【0066】
つまり、本発明における受信手法によれば、最大比合成により得られる合成利得を低減させることなくノイズの影響を抑制して受信特性を向上させることができる。次に、図3〜図7を用いて本発明に係る放送受信装置およびシンボル合成方法の好適な実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0067】
図3は、本実施例に係る放送受信装置を示すブロック図であり、図4〜図6は、本実施例に係る放送受信装置による最大比合成方法の一例を示す図であり、図7は、本実施例に係る放送受信装置で実行される処理手順を示すフローチャートである。
【0068】
図3に示すように、本実施例に係る放送受信装置1は、4本のアンテナ2−1、2−2、2−3、2−4によってOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)方式で変調されたデジタルテレビ(以下、「DTV」という)放送の放送波をダイバーシティ受信する装置である。
【0069】
かかる放送受信装置1は、アンテナ2−1、2−2、2−3、2−4にそれぞれ対応した4系統のブランチ3−1、3−2、3−3、3−4と、合成部4と、誤り訂正部5と、デコード部6とを備えている。なお、デコード部6は、DTV放送の映像を出力するディスプレイ7および音声を出力するスピーカ8に接続されている。
【0070】
また、各ブランチ(3−1〜3−4)は、チューナ部31と、A(Analog)D(Digital)変換部32と、FFT(Fast Fourier Transform)部33と、電力算出部34とをさらに備えている。なお、以下では、アンテナ2−1に対応するブランチ3−1について説明するが、他のブランチ(3−2〜3−4)についても同様である。
【0071】
チューナ部31は、アンテナ2−1から所定の周波数帯域で放送波を含む信号を受信し、受信した信号を検波・増幅する処理部である。そして、チューナ部31は、検波・増幅後の信号波をAD変換部32へ出力する。また、AD変換部32は、チューナ部31からのアナログ信号をデジタル信号へ変換してFFT部33および電力算出部34へ出力する。
【0072】
FFT部33は、AD変換部32より入力されるデジタル信号から各キャリアの搬送波に重畳されたデータシンボル(以下、「シンボル」という)をFFT(高速フーリエ変換)によって取得する。
【0073】
そして、FFT部33は、取得した各シンボルを同相成分軸(I軸)および直交成分軸(Q軸)であらわしたコンスタレーションにおける受信点にマッピングする。続いて、FFT部33は、コンスタレーションへマッピングした各シンボルをキャリア毎に合成部4へ出力する。
【0074】
このとき、FFT部33は、取得した各シンボルの同相成分軸(In-Phase)について中心点から受信点までの距離を示す「ΔI」および直交成分軸(Quadrature)について中心点から受信点までの距離を示す「ΔQ」の組を各シンボルとして、キャリア数(コンスタレーション数)分出力する。
【0075】
たとえば、FFT部33は、64QAM形式のデータの場合、64組のΔIおよびΔQを合成部4へ出力する。なお、このとき、FFT部33は、合成部4が備える後述の第1合成部41、シンボル置換部42、第2合成部43のそれぞれへ各シンボルを出力する。
【0076】
また、電力算出部34は、AD変換部32から入力されるデジタル信号からSP(スキャッタード・パイロット)シンボルを取得し、取得したSPシンボルに基づき各ブランチのキャリア毎の伝送路応答を推定する。
【0077】
そして、電力算出部34は、推定した伝送路応答に基づき、各シンボルの受信電力値(以下、「電力」という)を算出し、算出した各シンボルの電力を合成部4へ出力する。なお、このとき、電力算出部34は、合成部4が備える後述の第1合成部41、シンボル置換部42、第2合成部43のそれぞれへ各シンボルの電力を出力する。
【0078】
また、合成部4は、各ブランチ3−1〜3−4から入力される各シンボルおよび各シンボルの電力を用いて各シンボルを最大比合成する処理部である。かかる合成部4は、第1合成部41と、シンボル置換部42と、第2合成部42とを備えている。
【0079】
ここで、図4〜図6を用いて合成部4による最大比合成方法の一例について説明する。以下では、ブランチ3−1から出力されたシンボルをシンボルBR(1)、ブランチ3−2から出力されたシンボルをシンボルBR(2)、ブランチ3−3から出力されたシンボルをシンボルBR(3)、ブランチ3−4から出力されたシンボルをシンボルBR(4)という。
【0080】
また、図4〜図6に示す例では、各シンボルBR(1)〜BR(4)を収束させるべき基準点、すなわち、各シンボルBR(1)〜BR(4)が放送局でマッピングされたコンスタレーション上の基準点が基準点Cであるものとして説明する。
【0081】
ここで、各ブランチ3−1〜3−4から合成部4の第1合成部41へ、図4(A)に示すようにコンスタレーション上にマッピングされた4つのシンボルBR(1)〜BR(4)と、各シンボルBR(1)〜BR(4)の電力とが入力されたとする。
【0082】
すると、第1合成部41は、同図に示すように、4つのシンボルBR(1)〜BR(4)を最大比合成することによって仮合成シンボルMRC(1)を生成する。このとき、第1合成部41は、下記の数式へ各シンボルBR(1)〜BR(4)の各データおよび各電力を代入することで仮合成シンボルMRC(1)を生成する。
【数1】

上記の数式におけるD1、D2、D3、D4は、それぞれ各シンボルBR(1)〜BR(4)の各データ値であり、P1、P2、P3、P4は、それぞれ各シンボルBR(1)〜BR(4)の電力を示している。
【0083】
そして、第1合成部41は、生成した仮合成シンボルMRC(1)をシンボル置換部42へ出力する。このとき、シンボル置換部42へは、各ブランチ3−1〜3−4からシンボルBR(1)〜BR(4)およびシンボルBR(1)〜BR(4)の電力値が入力される。
【0084】
シンボル置換部42は、仮合成シンボルMRC(1)が入力されると、まず、仮合成シンボルMRC(1)に関するビタビ硬判定を行うことで、図4(A)に示すように、コンスタレーション上で仮合成シンボルMRC(1)に最も近い基準点を仮基準点Caと決定する。
【0085】
続いて、シンボル置換部42は、図4(B)に示すように、仮基準点Caを基準としてシンボルBR(1)〜BR(4)のMER(Modulation Error Ratio:変調誤差比)を算出する。MERは、コンスタレーション上における各シンボルBR(1)〜BR(4)の基準点からのばらつきを数値化した値である。
【0086】
同図では、各シンボルBR(1)〜BR(4)のMERを点線矢印の長さによって示している。続いて、シンボル置換部42は、予め設定したMER用の閾値αと各シンボルBR(1)〜BR(4)のMERとを比較することで、所定量を超えるノイズが重畳されたシンボルを判定して抽出する。
【0087】
すなわち、シンボル置換部42は、図4(B)に示すように、コンスタレーション上で仮基準点Caからの距離がMER用の閾値αを超えているシンボル(ここでは、シンボルBR(1)、シンボルBR(4))を抽出する。
【0088】
ここで、MER用の閾値αとしては、たとえば、予め放送局で仮基準点Caと同じ位置にマッピングしたシンボルをノイズのない状態、段階的にノイズを重畳させた状態で試験的に各ブランチ3−1〜3−4で受信させ、受信したシンボルの再生品質を検証した上で、最低限の再生品質を確保できたシンボルのMERをMER用の閾値αとしてもよい。
【0089】
また、MER用の閾値αは、比較対象となる複数のシンボルBR(1)〜BR(4)から所定数(たとえば、1つ)のシンボルが抽出可能となるように変更可能な値を用いてもよい。所定数としては、抽出されないシンボルの数が少なくとも2以上となるように設定する。
【0090】
また、シンボル置換部42は、図5(A)に示すように、コンスタレーション上における各シンボルBR(1)〜BR(4)から仮合成シンボルMRC(1)までの距離を算出する。同図では、仮合成シンボルMRC(1)までの距離を実線矢印によって示している。
【0091】
そして、シンボル置換部42は、予め設定した距離用の閾値βと、各シンボルBR(1)〜BR(4)から仮合成シンボルMRC(1)までの距離とを比較することで、所定量を超えるノイズが重畳されたシンボルを判定して抽出する。
【0092】
すなわち、シンボル置換部42は、図5(A)に示すように、コンスタレーション上で仮合成シンボルMRC(1)からの距離が距離用の閾値βを超えているシンボル(ここでは、シンボルBR(4))を抽出する。
【0093】
ここで、距離用の閾値βは、比較対象となる複数のシンボルBR(1)〜BR(4)から所定数(たとえば、1つ)のシンボルが抽出可能となるように変更可能な値を用いることができる。なお、所定数としては、抽出されないシンボルの数が少なくとも2以上となるように設定する。
【0094】
そして、シンボル置換部42は、MER用の閾値との比較および距離用の閾値との比較の両方で所定量を超えるノイズが重畳されているシンボルとして抽出されたシンボル(ここでは、シンボルBR(4))をノイズにより劣化したシンボルとして決定する。
【0095】
続いて、シンボル置換部42は、図5(B)に示すように、ノイズにより劣化したシンボルとして決定したシンボルBR(4)と仮合成シンボルMRC(1)とを置換することで、仮合成シンボルMRC(1)をブランチ3−4から入力されたシンボルとして第2合成部43へ出力する。
【0096】
このとき、シンボル置換部42は、ブランチ3−4から入力されたシンボルとしての仮合成シンボルMRC(1)とともに仮合成シンボルMRC(1)の電力を第2合成部43へ出力する。さらに、このとき、第2合成部43へは、ブランチ3−1〜3−3からシンボルBR(1)〜BR(3)およびシンボルBR(1)〜BR(3)の電力値が入力される。
【0097】
そして、第2合成部43は、図6に示すように、シンボル置換部42から入力された仮合成シンボルMRC(1)とブランチ3−1〜3−3からシンボルBR(1)〜BR(3)とを最大比合成することで本合成シンボルMRC(2)を生成し、誤り訂正部5へ出力する。
【0098】
図3の説明に戻り、誤り訂正部5は、合成部4から順次入力される本合成シンボルMRC(2)の順番を放送局でマッピングされる前の所定の順番へ並べ替えるインターリーブを行う。
【0099】
また、誤り訂正部5は、インターリーブが行われた各本合成シンボルMRC(1)についてビタビ硬判定または軟判定を行うことで各本合成シンボルMRC(2)の確からしさを示す尤度を決定する。
【0100】
続いて、誤り訂正部5は、インターリーブが行われた各本合成MRC(1)に対し、決定した尤度に基づく重み付けを行い、重み付けの高いデータを優先的に使用してビタビ復号による誤り訂正処理を行う。そして、誤り訂正部5は、誤り訂正処理後の本合成シンボルMRC(2)をデコード部6へ出力する。
【0101】
デコード部6は、誤り訂正部5から入力される本合成シンボルMRC(2)のシンボル列を映像や音声として再生可能なデータ形式、たとえばMPEG形式へデコードし、デコード後のシンボル列をディスプレイ7やスピーカ8へ出力することによりデータを再生する。
【0102】
次に、図7を用いて放送受信装置1で実行される処理手順について説明する。なお、ここでは、本実施例に係る放送受信装置1の特徴的な構成である合成部4が実行する合成処理についてのみ説明する。
【0103】
以下で説明する処理は、放送受信装置1全体の動作を統括制御する制御部(図示略)が所定の放送受信プログラムを実行することで合成部4として機能して行う処理である。
【0104】
図7に示すように、合成部4は、各ブランチ3−1〜3−4からキャリア毎に4つのシンボルが入力されると、入力されたシンボルを最大比合成して仮合成シンボルを生成する第1最大比合成処理を行う(ステップS101)。
【0105】
続いて、合成部4は、コンスタレーション上で仮合成シンボルから最も近い位置に存在する基準点を仮基準点として決定する仮基準点決定処理を行う(ステップ102)。その後、合成部4は、仮基準点を基準として各シンボルのMERを算出するMER算出処理を行う(ステップS103)。
【0106】
続いて、合成部4は、コンスタレーション上における各シンボルから仮合成シンボルまでの距離を算出する距離算出処理を行い(ステップS104)、その後、閾値比較処理を行う(ステップS105)。
【0107】
比較処理において合成部4は、MER算出処理によって算出したMERとMER用の閾値αとの比較を行うとともに、距離算出処理によって算出した距離と距離用の閾値βとの比較を行う。
【0108】
続いて、合成部4は、閾値比較処理によってMREがMER用の閾値αを超え、且つ、仮合成シンボルまでの距離か距離用の閾値βを超えたシンボルを抽出するシンボル抽出処理を行う(ステップS106)。
【0109】
その後、合成部4は、シンボル抽出処理で抽出されたシンボルと仮合成シンボルとを置換するシンボル置換処理を行う(ステップS107)。すなわち、合成部4は、以後の処理において仮合成シンボルをシンボル抽出処理で抽出されたシンボルを取得したブランチで取得されたシンボルとして取り扱う。
【0110】
最後に、合成部4は、第1最大比合成処理で用いた4つのシンボルのうち、シンボル抽出処理で抽出されたシンボルを除く3つのシンボルと仮合成シンボルとを最大比合成する第2最大比合成処理を行って(ステップS108)、処理を終了する。
【0111】
このように、本実施例に係る放送受信装置1では、合成部4が4つのブランチから取得したシンボルを1度最大比合成することで、仮合成シンボルを生成する。そして、合成部4は、1度目の最大比合成に用いた4つのシンボルから所定量を超えるノイズが重畳されているシンボルを抽出する。
【0112】
続いて、合成部4は、抽出したシンボル以外の3つのシンボルと仮合成シンボルとを最大比合成(2度目の最大比合成)することで本合成シンボルを生成する。
【0113】
このため、本実施例に係る放送受信装置1によれば、コンスタレーション上で従来における受信手法により生成された合成シンボルよりも本来の基準点までの距離が短い本合成シンボルを生成することができる。
【0114】
また、本実施例に係る放送受信装置1によれば、従来における受信手法により生成された合成シンボルよりも合成利得の高い本合成シンボルを生成することができる。
【0115】
したがって、本実施例に係る放送受信装置1によれば、最大比合成により得られる合成利得を低減させることなくノイズの影響を抑制して受信特性を向上させることができる。
【0116】
なお、本実施例では、第1合成部41および第2合成部43が最大比合成を行う場合について説明したが、第1合成部41および第2合成部43が行う合成は、最大比合成ではなく各シンボルの電力を考慮しない均等合成であってもよい。
【0117】
これにより、合成部4の処理負荷を低減できるとともに、ノイズの影響で電力が増大したシンボルの電力に起因した影響が本合成シンボルに反映される可能性を低減することができる。
【0118】
また、本実施例に係る放送受信装置1でシンボル置換部42がMRE用の閾値αと比較する比較対象は、所定期間内に同じブランチで取得された同じキャリアのシンボルについて算出したMERをブランチ毎に時間平均したMERを用いてもよい。これにより、MRE用の閾値αと比較する比較対象の信頼性が向上するため、ノイズの影響が大きなシンボルを精度よく判定することができる。
【0119】
また、本実施例に係る放送受信装置1では、閾値比較処理によってMREがMER用の閾値αを超えたシンボルをノイズの影響が大きなシンボルと判定して仮合成シンボルと置換し、第2最大比合成処理を行ってもよい。この場合、各シンボルから仮合成シンボルまでの距離と距離用の閾値βとの比較処理は省略してもよい。
【0120】
また、本実施例に係る放送受信装置1では、仮合成シンボルまでの距離か距離用の閾値βを超えたシンボルをノイズの影響が大きなシンボルと判定して仮合成シンボルと置換し、第2最大比合成処理を行ってもよい。この場合、各シンボルのMERとMER用の閾値αとの比較処理は省略してもよい。このように一方の比較処理を省略することで、本実施例に係る放送受信装置1は処理負荷を低減することができる。
【0121】
また、本実施例に係る放送受信装置1では、所定量を超えるノイズが重畳されているシンボルと仮合成シンボルとを置換するのではなく、所定量を超えるノイズが重畳されているシンボルのコンスタレーション上の位置を仮合成シンボルへ近付くように補正して第2最大比合成処理に用いてもよい。
【0122】
この場合、本実施例に係る放送受信装置1は、仮基準点を基準として算出した仮合成シンボルのMER、仮合成シンボルの生成に用いた各シンボルのC/N(Carrier to Noise ratio)、仮合成シンボルの生成に用いた各シンボルの電力を算出する。
【0123】
そして、本実施例に係る放送受信装置1は、算出したMER、C/N、電力に基づき、所定量を超えるノイズが重畳されているシンボルのコンスタレーション上の位置を仮合成シンボルへ近付くように補正する。
【0124】
かかる補正を行うことによっても、本実施例に係る放送受信装置1は、最大比合成により得られる合成利得を低減させることなくノイズの影響を抑制して受信特性を向上させることができる。
【0125】
また、本実施例に係る放送受信装置1は、仮合成シンボルを用いて第2最大比合成処理を行う場合、仮合成シンボルの電力を実際の電力よりも低くなるように変更制御して、第2最大比合成を行うこともできる。
【0126】
これにより、本実施例に係る放送受信装置1は、最大比合成により得られる合成利得が低減されることを抑制しつつ、所定量を超えるノイズが重畳されているシンボルの電力による影響をさらに低減することができる。
【符号の説明】
【0127】
1 放送受信装置
2−1〜2−4 アンテナ
3−1〜3−4 ブランチ
31 チューナ部
32 AD変換部
33 FFT部
34 電力算出部
4 合成部
41 第1合成部
42 シンボル置換部
43 第2合成部
5 誤り訂正部
6 デコード部
7 ディスプレイ
8 スピーカ
BR(1)〜BR(4) シンボル
MRC(1) 仮合成シンボル
MRC(2) 本合成シンボル
C 基準点
Ca 仮基準点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直交周波数分割多重方式によって変調された放送波を受信し、該放送波に重畳されているシンボルを取得する複数のブランチを用いて前記シンボルをキャリア毎に合成する放送受信装置であって、
各前記ブランチによって取得されたシンボルをキャリア毎に合成して仮合成シンボルを生成する第1合成手段と、
シンボルをキャリア毎に同相成分軸および直交成分軸であらわしたコンスタレーション上における前記仮合成シンボルの位置および当該仮合成シンボルの生成に用いられたシンボルの位置に基づき、前記仮合成シンボルの生成に用いられたシンボルから合成対象とすべきでない非対象シンボルを抽出する抽出手段と、
前記仮合成シンボルの生成に用いられたシンボルのうち、前記抽出手段によって抽出された前記非対象シンボルを除くシンボルおよび前記仮合成シンボルを合成して本合成シンボルを生成する第2合成手段と
を備えたことを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記抽出手段は、
前記コンスタレーション上で、前記仮合成シンボルから当該仮合成シンボルの生成に用いられた各シンボルまでの距離が所定の閾値を超えているシンボルを前記非対象シンボルとして抽出することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、
前記コンスタレーション上で、当該コンスタレーション上における各マッピング枠の基準点のうち前記仮合成シンボルの位置に最も近い基準点から前記仮合成シンボルの生成に用いられた各シンボルまでの距離が所定の閾値を超えているシンボルを前記非対象シンボルとして抽出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記第1合成手段は、
各前記ブランチによって取得されたシンボルをキャリア毎に最大比合成することで前記仮合成シンボルを生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記第2合成手段は、
前記仮合成シンボルの生成に用いられたシンボルのうち前記抽出手段によって抽出された前記非対象シンボルを除くシンボルおよび前記仮合成シンボルを最大比合成することで前記本合成シンボルを生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の放送受信装置。
【請求項6】
直交周波数分割多重方式によって変調された放送波を受信し、該放送波に重畳されているシンボルを取得する複数のブランチを用いて前記シンボルをキャリア毎に合成する放送受信装置によるシンボル合成方法であって、
各前記ブランチによって取得されたシンボルをキャリア毎に合成して仮合成シンボルを生成する第1合成工程と、
シンボルをキャリア毎に同相成分軸および直交成分軸であらわしたコンスタレーション上における前記仮合成シンボルの位置および当該仮合成シンボルの生成に用いられたシンボルの位置に基づき、前記仮合成シンボルの生成に用いられたシンボルから合成対象とすべきでない非対象シンボルを抽出する抽出工程と、
前記仮合成シンボルの生成に用いられたシンボルのうち、前記抽出工程によって抽出された前記非対象シンボルを除くシンボルおよび前記仮合成シンボルを合成して本合成シンボルを生成する第2合成工程と
を含むことを特徴とするシンボル合成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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