説明

放送受信記録装置及びプログラム

【課題】記録予約番組をその最後まで記録できない可能性がある場合でも、その番組を最後まで継続して確実に記録できるようにする。
【解決手段】据置型レコーダ1は、録画予約指定された番組について、その番組の最後までを録画可能か否かを事前に判別しておき、録画不可能な場合には、その番組に対する継続録画のための追加予約を行う。例えば、据置型レコーダ1側でその番組の最後までを継続録画することができない場合、据置型レコーダ1は、他装置である連携機器(携帯電話装置2)に対して予約指定番組の継続録画を依頼する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放送番組の受信とその受信した番組の記録予約が可能な放送受信記録装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プロ野球放送が予定時間内に収まらない場合には、当初の放送時間を延長して継続放送を行うようにしたり、現在のチャンネル(テレビ・ラジオ局に割り当てられた周波数:以下同様)から別のチャンネルに移動して継続放送を行うようにしたりするようにしている。このような継続放送に対応する技術として、従来では、例えば、放送受信中での割込発生時にその放送と同一内容を放送する別放送手段に自動的に切り替えて継続出力するようにした技術が存在している(特許文献1参照)。また、放送録画中にあってその放送が時間延長された際に、その延長内容を放送する別チューナ(別放送手段)、例えば、アナログ放送用からBSデジタル放送用のチューナに自動的に切り替えて継続録画するようにした技術が存在している(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−236272号公報
【特許文献2】特開2002−281404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した各先行技術にあっては、同一装置内に複数のチューナを有し、放送切替が必要になった際にそのチューナ切替を行うもので、複数のチューナを有さない放送受信記録装置には対応することができなかった。
ところで、複数のチューナを有さない放送受信記録装置の場合、予約指定番組を最後まで記録(録画)することができないと分かった時点で、急遽、その予約指定番組の放送途中からその最後までを録画すべきことの継続録画(継続記録)を設定したり、外部の受信装置に対してその継続録画の依頼要求を指示したりすることも考えられるが、このような急遽の継続録画にあっては、既に他の予約が設定されている場合や外部受信装置と通信が取れずに継続録画の要求を送信することができない場合には継続録画を行うことができず、また、継続録画を行うことができたとしても、素早く設定しなければ、録画落ち部分が生じ、間が空いてしまうことにもなりかねない。
【0004】
このことは、上述した継続放送の場合に限らず、例えば、予約指定番組の受信途中で録画用のメモリ残量が不足する可能性がある場合などにおいても同様で、急遽、継続録画を設定したり、外部の受信装置に対して継続録画の依頼要求を指示したりする場合に、その設定を素早く行わなければ、録画落ち部分が生じ、間が空いてしまうことにもなりかねない。
【0005】
この発明の課題は、記録予約番組をその最後まで記録できない可能性がある場合でも、その番組を最後まで継続して確実に記録できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、放送番組の受信とその受信した番組の記録予約が可能な放送受信記録装置であって、所望する番組の記録を時間帯指定とチャンネル指定の条件で予約指定する予約指定手段と、この予約指定手段によって指定された予約指定番組をその最後まで記録可能か否かを判別する記録判別手段と、この記録判別手段によって予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別された場合に、その番組の最後までの継続記録を追加予約する追加予約手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記追加予約手段は、他の放送受信記録装置に対して前記予約指定番組の継続記録を依頼する予約指示を行う、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項2に従属する発明として、前記記録判別手段は、前記予約指定手段によって指定された予約指定番組をその最後まで継続して受信するのに種類の異なる放送受信チューナを別途必要とするか否かを判別し、別途必要とする場合に前記予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別する、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項2に従属する発明として、前記記録判別手段は、前記予約指定手段によって指定された予約指定番組をその最後まで継続して受信した場合の時間帯と重なって他の番組の記録予約が有るか否かを判別し、他の番組の記録予約が有る場合に前記予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別する、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項2に従属する発明として、前記記録判別手段は、前記予約指定手段によって指定された予約指定番組の受信途中で記録残量が不足する可能性があるか否かを判別し、記録残量が不足する可能性がある場合に前記予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項2に従属する発明として、前記他の放送受信記録装置に対して前記予約指定番組の継続記録を依頼する予約指示を行った場合に、自己の放送受信記録装置で記録した自己の記録内容と前記他の放送受信記録装置側で継続記録した記録内容とをリンクさせるために自己の記録内容に継続記録が存在することを示す継続情報を付加する付加手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項6に従属する発明として、前記予約指定番組の記録内容を再生した場合に、その再生が終了した時点で前記継続情報が付加されているかを判別する付加判別手段と、この付加判別手段によって継続情報が付加されていることが判別された場合に再生番組に継続記録が有ることを報知する報知手段と、を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項6に従属する発明として、前記予約指定番組の記録内容を再生した場合に、その再生が終了した時点で前記継続情報が付加されているかを判別する付加判別手段と、この付加判別手段によって継続情報が付加されていることが判別された場合に当該番組の継続記録を依頼した前記他の放送受信記録装置に対して継続再生を指示する、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項1に従属する発明として、前記予約指定手段は、前記予約指定番組が複数のチャンネルに跨って放送される場合に、当該放送受信記録装置側でその予約指定番組の記録予約を各チャンネルに対応して行う、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項9に従属する発明として、前記記録判別手段は、前記予約指定番組が複数のチャンネルに跨って放送されるか否かを判別し、複数のチャンネルに跨って放送される場合に前記予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別する、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0016】
また、上述した課題を解決するために請求項11記載の発明は、放送番組の受信とその受信した番組の記録予約が可能な放送受信記録装置であって、他の放送受信装置側で記録予約されている指定番組の情報を取得する取得手段と、この取得手段によって取得した予約指定番組の情報を参照し、当該予約指定番組が継続放送の有る受信可能な番組であるか否かを判別する継続放送判別手段と、この継続放送判別手段によって予約指定番組が継続放送の有る受信可能な番組であると判別された場合に、その予約指定番組の継続放送部分に対して記録予約を行う追加予約手段と、を具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項11に従属する発明として、前記取得手段は、他の放送受信装置に通信接続された際に当該放送受信装置から予約指定番組の情報を取得する、ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0018】
また、上述した課題を解決するために請求項13記載の発明は、放送番組の受信とその受信した番組の記録予約が可能な放送受信記録装置であって、予約指定番組を受信して記録した記録内容を再生出力する再生手段と、前記予約指定番組が継続放送の有る番組である場合に、その継続放送部分に対する継続記録の有無を判別する継続記録判別手段と、この継続記録判別手段によって継続記録が有ると判別された場合に、この番組をその途中まで記録した記録内容の再生終了時に、それ以降の継続記録部分における再生を制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0019】
請求項13に従属する発明として、前記継続記録判別手段は、当該放送受信記録装置側での継続記録の有無と他の放送受信記録装置側での継続記録の有無とを判別する、ようにしたことを特徴とする請求項14記載の発明であってもよい。
【0020】
請求項13に従属する発明として、前記制御手段は、継続記録部分を再生するに先立って、継続記録部分が有ることを報知する制御を行う、ようにしたことを特徴とする請求項15記載の発明であってもよい。
【0021】
また、上述した課題を解決するために請求項16記載の発明は、コンピュータに対して、所望する番組の記録を時間帯指定とチャンネル指定の条件で予約指定する機能と、前記指定された予約指定番組をその最後まで記録可能か否かを判別する機能と、前記予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別された場合に、その番組の最後までの継続記録を追加予約する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0022】
また、上述した課題を解決するために請求項17記載の発明は、コンピュータに対して、他の放送受信装置側で記録予約されている指定番組の情報を取得する機能と、前記取得した予約指定番組の情報を参照し、当該予約指定番組が継続放送の有る受信可能な番組であるか否かを判別する機能と、前記予約指定番組が継続放送の有る受信可能な番組であると判別された場合に、その予約指定番組の継続放送部分に対して記録予約を行う機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0023】
また、上述した課題を解決するために請求項18記載の発明は、コンピュータに対して、予約指定番組を受信して記録した記録内容を再生出力する機能と、前記予約指定番組が継続放送の有る番組である場合に、その継続放送部分に対する継続記録の有無を判別する機能と、前記継続記録が有ると判別された場合に、この番組をその途中まで記録した記録内容の再生終了時に、それ以降の継続記録部分における再生を制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、記録予約番組をその最後まで記録できない可能性がある場合でも、その番組を最後まで継続して確実に記録することができ、実用性に富んだものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(実施形態1)
以下、図1〜図9を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、放送受信記録装置として据置型レコーダに適用した場合を例示したもので、図1は、この据置型レコーダが利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
据置型レコーダ1は、テレビチューナを内蔵し、テレビ放送番組を受信して録画(記録)するもので、その記録媒体として、例えば、DVD、HDD/ブルーレイディクスなどを有している。そして、この据置型レコーダ1には、所望する番組の記録を時間帯指定とチャンネル指定(テレビ・ラジオ局の周波数指定)の条件で予約指定する録画予約機能が備えられているほか、無線LAN(構内専用回線網)に接続可能な無線LAN通信機能が備えられている。
【0026】
また、据置型レコーダ1は、携帯電話装置2との間でデータの送受信が可能となっている。すなわち、据置型レコーダ1は、無線LAN(ホームネットワーク)3に接続されていると共に、この無線LAN(ホームネットワーク)3を介してインターネット4及び無線通信網(移動体通信網)5に接続されており、無線LAN3を介して携帯電話装置2との間で送受信が可能なほか、インターネット3及び無線LAN3を介して携帯電話装置2との間でデータの送受信が可能となっている。ここで、携帯電話装置2は、据置型レコーダ1に対する連携機器として使用されるもので、連携機器としては携帯電話装置2のほか、他の据置型レコーダ1などであってもよい。この据置型レコーダ1には、予約指定番組が録画ファイルとして保存され、この録画ファイルの内容は、再生指示に応じて外部装置(テレビ受信機)6に送られて再生出力される。
【0027】
図2は、据置型レコーダ1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
据置型レコーダ1は、テレビチューナ11、デコーダ部12、記録部13、制御部14、記憶部15、無線LAN通信部16、表示部17、操作部18、赤外線通信部19などを有する構成で、テレビチューナ11は、高解像度の地上波デジタルテレビ放送(12セグ放送)を受信すると共に、テレビ映像及び音声情報以外にも電子番組表(EPG)なども含めて受信可能なもので、テレビ用アンテナによって受信したテレビ放送信号の中から予め選局されているチャンネルの放送信号を抽出して、デコーダ部12に与える。このテレビチューナ11によって受信された放送信号は、デコーダ部12によって映像、音声などを含む放送データに復号化されたのち、DVD、HDD/ブルーレイディクスなどの記録部13に記録される。この記録部13に録画された放送データは、制御部14の制御下で外部装置(テレビ受信機)6に送られて再生出力される。
【0028】
制御部14は、この据置型レコーダ1の全体動作を制御する中央演算処理装置などである。記憶部15は、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図6〜図8に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納され、また、そのデータ領域には、後述する録画予約リストR1などが設けられている。無線LAN通信部16は、無線LAN通信機能を構成し、携帯電話装置2との間でデータの送受信を行う。表示部17は、発光素子を有し、各種のメッセージなどを表示する。操作部18は、各種の押し釦式のキーを有し、制御部14は、操作部18からの操作信号に応じた処理を行う。赤外線通信部19は、リモートコントロール(リモコン)との間で赤外線通信を行うもので、制御部14は、リモコンからの操作信号に応じた処理を行う。
【0029】
図3は、携帯電話装置2の基本的な構成要素を示したブロック図である。
この携帯電話装置2は、例えば、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)が開閉可能に取り付けられた折り畳み自在なもので、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などが備えられている。CPU21は、記憶部22内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置2の全体動作を制御する中核的な中央演算処理装置である。記憶部22は、内部メモリであり、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図9に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納され、また、そのデータ領域には、後述する録画予約リストR2などが設けられている。メモリ23は、ワーク領域を有する内部メモリであり、必要に応じてメモリ23内の各種のデータは、記憶部22にセーブされる。
【0030】
電話通信部24は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能(音声電話機能)、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局(図示せず)との間でデータの送受信を行う電話通信手段で、音声電話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部25を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部25から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。
【0031】
テレビ放送受信部26は、地上波デジタルテレビ放送(1セグ放送)を受信可能なもので、テレビ映像及び音声情報以外にも電子番組表(EPG)なども含めて受信可能である。操作部27は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、CPU21は、操作部27からの入力信号に応じた処理を実行する。表示部28は、例えば、高精細液晶あるいは有機ELを使用し、待受画像、テレビ映像などを表示する。無線LAN通信部29は、無線LAN通信機能を構成し、据置型レコーダ1との間でデータの送受信を行う。
【0032】
図4は、据置型レコーダ1側の録画予約リストR1を説明するための図である。
記録予約リストR1は、所望する放送番組の録画がその番組の時間帯指定とチャンネル指定の条件によって予約指定された際に、その予約設定内容を記憶するもので、「予約ID」、「開始時刻」、「終了時刻」、「チャンネル」、「追加ID」の各項目を有している。「予約ID」は、予約設定内容を特定するための一連Noである。「開始時刻」、「終了時刻」は、予約指定番組が放送される時間帯を示し、「チャンネル」は、予約指定番組が放送されるチャンネルを示している。制御部14は、現在時刻が更新される毎に、現在時刻と予約設定の「開始時刻」とを比較し、予約設定の「開始時刻」に到来したかことを検出すると、この「チャンネル」の放送を受信してそれを録画する動作をその「終了時刻」に達するまで行うようにしている。
【0033】
「追加ID」は、予約指定番組をその最後まで録画することが不可能な場合に、その番組の開始からその途中までの録画予約とその番組の途中から最後までを追加予約とをリンクさせるための情報である。なお、放送メディアは、例えば、プロ野球放送などが予定放送時間内に収まらないような場合に当初の放送時間を延長して継続放送を行ったり、現在の放送チャンネルから別のチャンネルに移動して継続放送を行ったりするが、据置型レコーダ1は、予約指定番組の放送途中からその最後までを自己のレコーダ側で録画可能であれば、その継続録画の追加予約を設定し、自己のレコーダ側で記録不可能であれば、その継続録画の追加予約を連携機器(例えば、携帯電話装置2)に依頼する継続録画の予約指示(要求)を行うようにしている。ここで、自己のレコーダ側で継続録画を行うためにその追加予約を行った場合には、自レコーダ側の予約IDが「追加ID」に設定されるが、連携機器に継続録画を依頼した場合には、その追加予約を依頼した連携機器側の予約IDが「追加ID」に設定される。
【0034】
なお、図4は、据置型レコーダ1側の録画予約リストR1を示し、携帯電話装置2側の録画予約リストR2は、図示省略したが、この録画予約リストR2も、上述した「予約ID」、「開始時刻」、「終了時刻」、「チャンネル」の各項目を有している。
【0035】
図5は、継続録画を行った場合の録画ファイルを説明するための図で、図5(1)は、据置型レコーダ1において予約指定番組をその最後まで記録することができない場合に、その放送途中から自己のレコーダ側で継続録画した場合を図式化したものである。すなわち、据置型レコーダ1は、予約指定番組をその最後まで録画可能か否かを判別し、この予約指定番組をその最後まで録画することが不可能であると判別された場合に、その番組の最後までの継続録画の予約を行うようにしている。「#00A」は、予約指定番組をその先頭から放送途中までの中断録画ファイルを識別するファイルIDを示している。また、「#01A」は、この予約指定番組に対する追加予約によって継続録画が行われた場合にその継続録画ファイルを識別するファイルIDを示し、これらは「追加ID」によってリンクされている。
【0036】
図5(2)は、予約指定番組をその最後まで録画することができない場合に、連携機器に対してその継続録画の追加予約を依頼した場合を図式化したものである。すなわち、据置型レコーダ1は、予約指定番組をその最後まで録画可能か否かを判別し、この予約指定番組をその最後まで録画することが不可能であると判別された場合に、その番組の最後までの継続録画の予約を連携機器(例えば、携帯電話装置2)に対して依頼するようにしている。「#00F」は、予約指定番組をその先頭から放送途中までの中断録画ファイルを識別するファイルIDを示している。また、「#01F」は、予約指定番組に対する連携機器側での追加予約によって継続録画が行われた場合にその継続録画ファイルを識別するファイルIDを示し、これらは「追加ID」によってリンクされる。
【0037】
据置型レコーダ1は、予約指定番組を録画した録画ファイルの再生終了時に、それに続く継続録画の有無を判別し、継続録画が行われている場合には、その継続録画ファイルを再生するようにしている。この場合、継続録画ファイルが自己の据置型レコーダ1側にあるのか、連携機器(例えば、携帯電話装置2)側に存在しているのかを判別し、連携機器側に存在している場合には、この連携機器に対して継続録画ファイルの再生を要求するようにしている。
【0038】
次に、この第1実施形態における据置型レコーダ1、携帯電話装置2の動作概念を図6〜図9に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様である。なお、図6〜図8は、据置型レコーダ1側における本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図6、図7、図8のフローから抜けた際には、据置型レコーダ1の全体動作におけるメインフロー(図示省略)に戻る。同様に、図9は、携帯電話装置2における本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図9のフローから抜けた際には、携帯電話装置2における全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0039】
図6は、据置型レコーダ1において、ユーザ操作によって番組予約が指示された際に実行開始されるフローチャートである。
先ず、制御部14は、ユーザ操作によって電子番組表(EPG)の中から所望する番組が録画予約の対象番組として指定されると(ステップA1)、録画予約リストR1を参照し、この予約指定番組のチャンネル及び時間帯と、録画予約リストR1に設定されている予約指定番組のチャンネル及び時間帯とを比較しながら、それらの予約設定内容が重複しているかに応じて今回の指定番組を新規に予約することが可能であるかをチェックする(ステップA2)。
【0040】
その結果、予約設定内容が重複して指定番組の新規予約が不可能であれば(ステップA3でNO)、予約可能な時間帯内での予約(部分予約)を設定したのち(ステップA4)、予約不可能な時間帯分の継続録画の予約を他の装置に依頼するために、その予約要求を無線LAN通信部16から連携機器(例えば、携帯電話装置2)に対して送信する(ステップA5)。例えば、12セグ放送の1チャンネルで12時00分〜13時30分に放送される番組を録画予約する場合、同放送の3チャンネルで13時00分〜13時30分に放送される番組か既に録画予約されていれば、1チャンネルで12時00分〜13時00分の時間帯内での録画予約を自己のレコーダ側で設定するが、残りの予約不可能な時間帯分における継続録画の予約は、連携機器に対して依頼するようにしている。この場合、録画予約リストR1の「開始時刻」には“12時00分”、また、「終了時刻」には“13時00分”
が設定され、「チャンネル」には“1チャンネル”が設定される。
【0041】
そして、据置型レコーダ1は、連携機器側からの応答待ち状態となる(ステップA6)。この場合、連携機器側では、後で詳述するが、据置型レコーダ1から継続録画の予約が要求された場合に、この録画要求された番組の追加予約を行い、その予約設定内容を識別するための予約IDを付加したOK応答(肯定応答)を行うようにしている。ここで、据置型レコーダ1は、連携機器側からOK応答を受信すると(ステップA6でYES)、その連携機器側の予約IDを予約設定内容に付加設定する(ステップA7)。すなわち、録画予約リストR1において、「開始時刻」が“12時00分”、また、「終了時刻」が“13時00分”で、「チャンネル」が“1チャンネル”の予約設定内容に、その「追加ID」として連携機器側の予約IDが付加設定される。
【0042】
また、据置型レコーダ1は、予約要求に対してそれを否定する応答(NG応答)を連携機器側から受信した場合には(ステップA6でNO)、連携機器の第2候補として予め決められている連携機器(例えば、他の携帯電話装置2あるいは他の据置型レコーダ1)に対して、上述した継続録画の予約要求を送信する(ステップA8)。その結果、第2候補の連携機器側から予約IDが付加されているOK応答を受信した場合には(ステップA9でYES)、その連携機器側の予約IDを予約設定内容に付加設定するが(ステップA7)、それとは逆に、否定応答を受信した場合には(ステップA9でNO)、追加予約が不可能であることを示すメッセージを表示させたのち(ステップA10)、図6のフローの終了となる。
【0043】
一方、指定番組の予約が可能であれば(ステップA3でYES)、この指定番組の予約設定内容としてチャンネル及び時間帯を録画予約リストR1に設定する(ステップA11)。これによって上述の例では、録画予約リストR1の「開始時刻」には“12時00分”、「終了時刻」には“13時30分”
が設定され、「チャンネル」には“1チャンネル”が設定される。そして、電子番組表をチェックし(ステップA12)、予約指定番組は、継続放送の番組であるかを調べる(ステップA13)。例えば、電子番組表に“延長有り”が明記されている番組、番組途中から別のチャンネルに移動して放送する旨が明記されている番組(予約指定番組が複数のチャンネルに跨って放送される番組)などの番組であるかを調べる。この場合、12セグ放送用の電子番組表及び1セグ放送用の電子番組表をチェックする。その結果、継続放送の番組でなければ(ステップA13でNO)、この時点で図6のフローの終了となる。
【0044】
また、予約指定番組が継続放送の番組であれば(ステップA13でYES)、この継続放送の番組は同一種類の放送をそのまま継続する同一放送種の放送かをチェックする(ステップ)。この場合、予約指定番組をその最後まで継続して受信するのには種類の異なるチューナを別途必要とする番組であるか、12セグ放送から1セグ放送に移行するのかを調べるが、いま、12セグ放送の1チャンネルから同放送の3チャンネルのように、継続放送が同一放送種であれば(ステップA14でYES)、記録部13の残量を検出し、そのメモリ残量(記録残量)は所定量以下で残量不足であるかを調べる(ステップA15)。
【0045】
この場合、記録部13が残量不足でないことを条件に(ステップA15でNO)、この継続放送の番組を追加予約するか否かを問い合わせる確認メッセージを表示させる(ステップA17)。ここで、追加予約を拒否するユーザ操作が行われた場合には(ステップA18でNO)、この時点で図6のフローの終了となるが、追加予約を肯定するユーザ操作が行われた場合には(ステップA18でYES)、この継続放送の番組を追加予約するためにそのチャンネル及び時間帯を記録予約リストR1に追加設定すると共に(ステップA19)、追加予約の「ID」を予約設定内容に付加設定する(ステップA20)。このように予約指定番組が複数のチャンネルに跨って放送されるような場合、据置型レコーダ1側ではその予約指定番組の録画予約を各チャンネルに対応して行う。
【0046】
また、継続放送が同一放送種であっても(ステップA14でYES)、記録部13が残量不足であれば(ステップA15でYES)、連携機器(例えば、携帯電話装置2)に対して継続放送番組の継続録画を依頼する追加予約の要求を送信する(ステップA16)。以下、上述のステップA6に移り、同様の動作が行われる。また、継続放送が同一放送種ではなく、例えば、12セグ放送から1セグ放送に移行するような場合には(ステップA14でNO)、連携機器(例えば、携帯電話装置2)に対して継続放送の番組の継続録画を依頼する追加予約の要求を送信したのち(ステップA16)、以下、上述のステップA6に移り、同様の動作が行われる。
【0047】
図7は、据置型レコーダ1において、番組予約した設定開始時刻に到来に応じて実行開始される動作を示したフローチャートである。
先ず、制御部14は、記録予約リストR1を参照して、この「開始時刻」に対応する予約設定内容として「終了時刻」、「チャンネル」を読み出し、この「チャンネル」を指定してその放送受信を開始すると共に(ステップB1)、この放送内容を録画する録画動作を開始する(ステップB2)。この場合、新たな録画ファイルを生成してその放送内容(映像、音声、データ)を当該録画ファイルに逐次記録する。そして、この予約指定番組の受信とその録画動作は、予定設定内容の「終了時刻」に達するまで継続させる(ステップB3)。ここで、「終了時刻」に達すると(ステップB3でYES)、この録画動作を終了させる(ステップB4)。
【0048】
このようにして予約指定番組の録画を行ったのちは、記録予約リストR1を参照し、その予約設定内容の「追加ID」を参照し、自レコーダ側の予約IDあるいは連携機器側の予約IDが設定されているを調べ(ステップB5)、「追加ID」が設定されていなければ(ステップB5でNO)、この時点で図7のフローの終了となるが、「追加ID」が設定されていれば(ステップB5でYES)、それは連携機器側の予約IDであるかを調べる(ステップB6)。いま、「追加ID」として連携機器側の予約IDが設定されていれば(ステップB6でYES)、今回録画を終了した中断録画ファイルに、連携機器側の継続録画ファイルを識別するファイルIDを継続IDとして付加記憶したのち(ステップB7)、図7のフローの終了となる。
【0049】
また、「追加ID」として自レコーダ側の予約IDが設定されている場合には(ステップB6でYES)、この予約IDに基づいて記録予約リストR1を検索し、それに該当する予約設定内容を読み出し、その予約指定番組の受信を開始すると共に(ステップB8)、その番組を継続して録画する継続録画動作を開始する(ステップB9)。この場合、新たな継続録画ファイルを生成して当該継続録画ファイルに継続放送を逐次記録する。そして、この継続録画ファイルを識別するファイルIDを取得し、今回録画を終了した中断録画ファイルに、継続録画ファイルを識別するファイルIDを継続IDとして付加記憶する(ステップB10)。そして、上述のステップB3に戻り、追加予約の「終了時刻」を読み出して、この「終了時刻」に達するまで継続録画を行う。いま、追加予約の「終了時刻」に達すると、この継続録画を終了させたのち(ステップB4)、上述のステップB5に移るが、この場合、「追加ID」が設定されていないので、この時点で図7のフローの終了となる。
【0050】
図8は、据置型レコーダ1において、録画ファイルの再生指示に応じて実行開始される動作を示したフローチャートである。
先ず、制御部14は、録画済みの各録画ファイルがリスト表示されている状態において、このリストから所望するファイルを再生対象として選択するユーザ操作が行われると(ステップC1)、その再生対象ファイルを読み出してその録画内容を再生出力させる(ステップC2)。この状態において、再生終了がユーザ操作で指示されたり、再生対象ファイルの内容を全て再生し終わったことが検出されたりすると(ステップC3でYES)、今回再生した録画ファイルに継続IDが付加記憶されているかを調べ(ステップC4)、継続IDが付加記憶されていなければ(ステップC4でNO)、この時点で図8のフローの終了となる。
【0051】
また、今回再生した録画ファイルに継続IDが付加記憶されていれば(ステップC4でYES)、この継続IDは、連携機器側で録画した継続録画ファイルを識別するファイルIDであるかを調べ(ステップC5)、連携機器側のファイルIDでなければ(ステップC5でNO)、自レコーダ側で継続録画を行った継続録画ファイルを識別するファイルIDであるから、このファイルIDに基づいて該当する継続録画ファイルを選択し(ステップC6)、その継続録画ファイルの再生を開始する(ステップC2)。
【0052】
そして、この継続録画ファイルの再生が終了すると(ステップC3でYES)、上述のステップC3に移るが、この場合、継続IDが付加記憶されていないので、この時点で図8のフローの終了となる。また、継続IDが連携機器側のファイルIDであれば(ステップC5でYES)、連携機器側に継続録画ファイルが存在していることを知らせるメッセージを表示出力及び音声出力によって報知する(ステップC7)。その後、この連携機器に対して継続録画ファイルの再生を要求したのち(ステップC8)、図8のフローの終了となる。
【0053】
図9は、据置型レコーダ1からの要求を受信した際に実行開始される連携機器(携帯電話装置2)側の動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU21は、据置型レコーダ1からの要求は、録画予約の要求であるかを調べ(ステップD1)、録画予約の要求であれば(ステップD1でYES)、1セグ放送用の電子番組表を参照し、要求された番組を1セグ放送で録画予約することが可能であるかをチェックする(ステップD2)。ここで、録画予約が要求された番組が1セグ放送においてサイマル番組でなければ、予約録画が不可能であるから(ステップD3でNO)、予約録画が不可能である旨のNG応答を要求元の据置型レコーダ1に対して送信したのち(ステップD4)、図9のフローの終了となる。
【0054】
また、要求された番組の予約録画が可能であれば(ステップD3でYES)、録画予約リストR2にその番組の録画予約を新規設定する(ステップD5)。そして、この新規設定した予約設定内容の予約IDを付加したOK応答を要求元の据置型レコーダ1側に対して送信する(ステップD6)。すなわち、連携機器側で継続録画が可能であることを示すOK応答に連携機器側での予約IDを追加IDとして付加して送信したのち、図9のフローの終了となる。なお、上述のように録画予約を録画予約リストR2に新規設定した状態において、携帯電話装置2側では、番組予約した設定開始時刻に到来すると、記録予約リストR2を参照して、この「開始時刻」に対応する予約設定内容を読み出し、その予約番組を受信して継続録画する録画動作を行い、その継続録画ファイルを保存するようにしている。
【0055】
一方、据置型レコーダ1からの要求が録画予約の要求でなければ(ステップD1でNO)録画ファイルの再生要求であるかを調べるが(ステップD7)、再生要求でもなければ(ステップD7でNO)、他の要求に応じた処理を実行する(ステップD8)。いま、据置型レコーダ1からの要求が再生要求であれば(ステップD7でYES)、再生要求のあった継続録画ファイルを選択し(ステップD9)、この選択ファイルを再生出力するか否かを問い合わせる確認メッセージを表示出力及び音声出力して報知する(ステップD10)。ここで、ユーザから録画再生が要求されると(ステップD11でYES)、選択ファイルの内容を再生出力する再生動作を開始したのち(ステップD12)、図9のフローの終了となる。
【0056】
以上のように、この第1実施形態において据置型レコーダ1は、録画予約指定された番組について、その番組の最後までを録画可能か否かを事前に判別しておき、録画不可能な場合には、その番組に対する継続録画のための追加予約を行うようにしたので、録画予約番組をその最後まで録画できない可能性がある場合でも、その番組を最後まで継続して確実に録画することができる。すなわち、継続放送を行う番組を録画予約した場合でも、言い換えれば、継続放送を行う番組を録画予約した設定内容ではその番組の最後まで継続録画することができない可能性がある場合でも、その番組に対する継続録画の追加予約により、その番組を最後まで継続録画することが可能となり、実用性に富んだものとなる。
【0057】
据置型レコーダ1は、他装置である連携機器(携帯電話装置2)に対して予約指定番組の継続録画を依頼する予約指示を要求するようにしたので、据置型レコーダ1側でその番組の最後までを継続録画することができない場合でも携帯電話装置2側にその継続録画を依頼することができる。
【0058】
予約指定番組をその最後まで継続して受信するのに種類の異なるチューナを別途必要とする場合でも、連携機器に対して継続録画の追加予約を事前に依頼しておけば、据置型レコーダ1側に複数種のチューナを用意しておかなくても、継続放送への対応が可能となる。
【0059】
予約指定番組の放送時間帯と重なって他の番組の録画予約が存在している場合でも、連携機器に対して継続録画の追加予約を事前に依頼しておけば、放送時間帯が重複する他の番組の録画予約を取り消すことなく、継続放送への対応が可能となる。
【0060】
予約指定番組の受信途中でメモリ残量が不足する可能性がある場合でも、連携機器に対して継続録画の追加予約を事前に依頼しておけば、メモリ残量に拘わらず、継続放送への対応が可能となる。
【0061】
据置型レコーダ1は、連携機器に対して約指定番組の継続録画を依頼する予約指示を行った場合に、自己の据置型レコーダ1で記録した自己の録画ファイル(中断録画ファイル)に継続録画ファイルが存在することを示すIDを付加するようにしたので、連携機器に継続録画を依頼したとしても、中断録画ファイルと継続録画ファイルとをリンクさせることができる。
【0062】
据置型レコーダ1は、予約指定番組の録画ファイルを再生した場合に、その再生が終了した時点で継続IDが付加されていれば、再生した録画ファイルに続く継続録画ファイルが有ることを報知するようにしたので、ユーザにあっては継続録画ファイルの内容を引き続いて視聴することができる。
【0063】
据置型レコーダ1は、予約指定番組の録画ファイルを再生した場合に、その再生が終了した時点で継続IDが付加されていれば、その番組の継続録画を依頼した連携機器に対して継続再生を指示するようにしたので、据置型レコーダ1から連携機器に移行した継続再生が可能となる。
【0064】
据置型レコーダ1は、予約指定番組が複数のチャンネルに跨って放送される場合に、当該据置型レコーダ1側でその予約指定番組の録画予約を各チャンネルに対応して行うようにしたので、放送途中から別のチャンネルに移動して放送する番組であっても、据置型レコーダ1側で複数の録画予約を実行することで当該番組をその最後まで録画することが可能となる。
【0065】
据置型レコーダ1は、予約指定番組が複数のチャンネルに跨って放送される場合には、据置型レコーダ1側でチャンネル毎に録画予約を行うことで、継続放送への対応が可能となる。
【0066】
据置型レコーダ1は、予約指定番組を録画した録画ファイルの再生終了時に、それに続く継続録画の有無を判別し、継続録画が行われている場合には、その継続録画ファイルを再生するようにしたので、中断録画ファイルに続いて継続録画ファイルを再生することができる。
【0067】
据置型レコーダ1側での継続記録の有無と連携機器側での継続記録の有無とを判別するようにしたので、継続記録ファイルが据置型レコーダ1側あるいは連携機器側に存在していても、中断録画ファイルに続いて継続録画ファイルを再生することができる。
【0068】
継続録画ファイルを再生するに先立って、継続録画部分が有ることを報知するようにしたので、をユーザの意向に応じて継続録画ファイルを再生することができる。
【0069】
なお、上述した第1実施形態においては、据置型レコーダ1について適用したが、携帯電話装置2であってもよい。すなわち、携帯電話装置2は、録画予約指定された番組について、その番組の最後までを録画可能か否かを事前に判別しておき、録画不可能な場合には、他装置である連携機器(据置型レコーダ1)に対して予約指定番組の継続録画を依頼する予約指示を要求するようにしてもよい。この場合、携帯電話装置2は、メモリ残量に応じて予約指定番組の最後までを録画可能か否かを判別するほか、バッテリー残量に応じて予約指定番組の最後までを録画可能か否かを判別するようにしてもよい。
【0070】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図10を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、連携機器としての携帯電話装置2は、据置型レコーダ1から録画予約の要求を受信する毎に、その要求に応じて録画予約処理(図9のステップD5、D6)を実行するようにしたが、この第2実施形態においては、据置型レコーダ1と携帯電話装置2とが通信接続された際に、据置型レコーダ1側から録画予約リストR1を取得し、継続放送の予約指定番組の中から1セグ放送のみで放送される番組(非サイマル放送の番組)を抽出してその番組の継続放送部分に対して記録予約を行うようにしたものである。
【0071】
すなわち、他装置(据置型レコーダ1)で録画予約された番組が当該他装置では最後まで受信して録画することが不可能な場合に、携帯電話装置2は、その不可能な放送部分を代行して受信して継続録画することができるようにその継続録画の追加予約を行うようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0072】
図10は、第2実施形態において、据置型レコーダ1との通信接続時に実行開始される携帯電話装置2側の動作を示したフローチャートである。
先ず、CPU21は、据置型レコーダ1に対して録画予約リストR1の送信要求を行ったのち(ステップE1)、それに応答して据置型レコーダ1から送信されてきた録画予約リストR1を受信すると(ステップE2)、1セグ放送用の電子番組表を参照し(ステップE3)、「追加ID」が設定されている予約指定番組の中から継続放送の有る予約指定番組を抽出すると共に、継続放送の有る予約指定番組の中から1セグ放送のみで放送される番組(非サイマル放送の番組)を抽出する(ステップE4)。
【0073】
その結果、1セグ放送のみで放送される継続放送の有る予約指定番組(継続番組)を抽出することができたかの抽出の有無を調べる(ステップE5)、いま、該当する継続番組を抽出することができない場合には(ステップE5でNO)、この時点で図10のフローの終了となるが、該当する継続番組を抽出することができた場合には(ステップE5でYES)、携帯電話装置2側の録画予約リストR2にその継続番組(1セグ放送)を予約設定する(ステップE6)。そして、この録画予約リストR2に予約設定した継続番組の「予約ID」を読み出し、連携機器側で継続予約済みであることを示すために当該「予約ID」を、据置型レコーダ1側から取得した録画予約リストR1の該当番組の「追加ID」に付加設定したのち、元の据置型レコーダ1側に送信したのち(ステップE7)、図10のフローの終了となる。
【0074】
以上のように、この第2実施形態において、他装置(据置型レコーダ1)で録画予約された番組が当該他装置では最後まで受信して録画することが不可能な場合に、携帯電話装置2は、その不可能な放送部分を代行して受信して継続録画することができるようにその継続録画の追加予約を行うようにしたので、継続放送を行う番組を録画予約した場合でも、その番組をその最後まで継続録画することができ、実用性の高いものとなる。言い換えれば、他装置で継続放送を行う番組を録画予約した設定内容ではその番組の最後まで継続録画することができない可能性がある場合でも、その番組に対する継続録画を携帯電話装置2側で代行することにより、他装置との受信連携で番組内容の全体を確実に視聴することができる。
【0075】
他装置(据置型レコーダ1)に通信接続された際に、据置型レコーダ1から録画予約リストR1を取得するようにしたので、例えば、据置型レコーダ1側での録画予約時に、その予約指定番組が継続放送の有る番組であることが報知された際に、据置型レコーダ1と携帯電話装置2とを通信接続させるだけで、携帯電話装置2側では継続放送部分の録画予約が行われるので、確実かつ簡単に追加予約をすることが可能となる。
【0076】
なお、上述した第2実施形態においては、携帯電話装置2について適用したが、据置型レコーダ1であってもよい。すなわち、他装置(携帯電話装置2)で録画予約された番組が当該他装置では最後まで受信して録画不可能な場合に、据置型レコーダ1は、その不可能な部分を代行して受信して録画できるようにその録画予約を行うようにしてもよい。
【0077】
また、上述した各実施形態においては、据置型レコーダ1側に無線LAN通信部16を設け、携帯電話装置2側に無線LAN通信部29を設け、据置型レコーダ1と携帯電話装置2との間で無線LAN3を介してデータの送受信を行うようにしたが、据置型レコーダ1と携帯電話装置2との間での近距離通信(例えば、赤外線通信など)によってピアツーピア接続方式でデータの送受信を行うようにしてもよい。
【0078】
その他、放送受信記録装置は、据置型レコーダ1、携帯電話装置2に限らず、テレビ受信機、テレビ放送受信機能付きのパーソナルコンピュータ・PDA・デジタルカメラ・音楽プレイヤーなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】放送受信記録装置として適用した据置型レコーダが利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図。
【図2】据置型レコーダ1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】携帯電話装置2の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図4】据置型レコーダ1側の録画予約リストR1を説明するための図。
【図5】(1)は、据置型レコーダ1において予約指定番組をその最後まで記録することができない場合に、その放送途中から自己のレコーダ側で継続録画した場合を図式化した図、(2)は、予約指定番組をその最後まで録画することができない場合に、連携機器に対してその継続録画の追加予約を依頼した場合を図式化した図。
【図6】据置型レコーダ1において、ユーザ操作によって番組予約が指示された際に実行開始されるフローチャート。
【図7】据置型レコーダ1において、番組予約した設定開始時刻に到来に応じて実行開始される動作を示したフローチャート。
【図8】据置型レコーダ1において、録画ファイルの再生指示に応じて実行開始される動作を示したフローチャート。
【図9】据置型レコーダ1からの要求を受信した際に実行開始される連携機器(携帯電話装置2)側の動作を示したフローチャート。
【図10】第2実施形態において、据置型レコーダ1との通信接続時に実行開始される携帯電話装置2側の動作を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0080】
1 据置型レコーダ
2 携帯電話装置
3 無線LAN
4 インターネット
6 外部装置(テレビ受信機)
11 テレビチューナ
12 デコーダ部
13 記録部
14 制御部
15 記憶部
16 無線LAN通信部
17 表示部
18 操作部
19 赤外線通信部
21 CPU
22 記憶部
26 テレビ放送受信部
27 操作部
28 表示部
29 無線LAN通信部
R1、R2 録画予約リスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組の受信とその受信した番組の記録予約が可能な放送受信記録装置であって、
所望する番組の記録を時間帯指定とチャンネル指定の条件で予約指定する予約指定手段と、
この予約指定手段によって指定された予約指定番組をその最後まで記録可能か否かを判別する記録判別手段と、
この記録判別手段によって予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別された場合に、その番組の最後までの継続記録を追加予約する追加予約手段と、
を具備したことを特徴とする放送受信記録装置。
【請求項2】
前記追加予約手段は、他の放送受信記録装置に対して前記予約指定番組の継続記録を依頼する予約指示を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の放送受信記録装置。
【請求項3】
前記記録判別手段は、前記予約指定手段によって指定された予約指定番組をその最後まで継続して受信するのに種類の異なる放送受信チューナを別途必要とするか否かを判別し、別途必要とする場合に前記予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の放送受信記録装置。
【請求項4】
前記記録判別手段は、前記予約指定手段によって指定された予約指定番組をその最後まで継続して受信した場合の時間帯と重なって他の番組の記録予約が有るか否かを判別し、他の番組の記録予約が有る場合に前記予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の放送受信記録装置。
【請求項5】
前記記録判別手段は、前記予約指定手段によって指定された予約指定番組の受信途中で記録残量が不足する可能性があるか否かを判別し、記録残量が不足する可能性がある場合に前記予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の放送受信記録装置。
【請求項6】
前記他の放送受信記録装置に対して前記予約指定番組の継続記録を依頼する予約指示を行った場合に、自己の放送受信記録装置で記録した自己の記録内容と前記他の放送受信記録装置側で継続記録した記録内容とをリンクさせるために自己の記録内容に継続記録が存在することを示す継続情報を付加する付加手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の放送受信記録装置。
【請求項7】
前記予約指定番組の記録内容を再生した場合に、その再生が終了した時点で前記継続情報が付加されているかを判別する付加判別手段と、
この付加判別手段によって継続情報が付加されていることが判別された場合に再生番組に継続記録が有ることを報知する報知手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の放送受信記録装置。
【請求項8】
前記予約指定番組の記録内容を再生した場合に、その再生が終了した時点で前記継続情報が付加されているかを判別する付加判別手段と、
この付加判別手段によって継続情報が付加されていることが判別された場合に当該番組の継続記録を依頼した前記他の放送受信記録装置に対して継続再生を指示する、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の放送受信記録装置。
【請求項9】
前記予約指定手段は、前記予約指定番組が複数のチャンネルに跨って放送される場合に、当該放送受信記録装置側でその予約指定番組の記録予約を各チャンネルに対応して行う
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の放送受信記録装置。
【請求項10】
前記記録判別手段は、前記予約指定番組が複数のチャンネルに跨って放送されるか否かを判別し、複数のチャンネルに跨って放送される場合に前記予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項9記載の放送受信記録装置。
【請求項11】
放送番組の受信とその受信した番組の記録予約が可能な放送受信記録装置であって、
他の放送受信装置側で記録予約されている指定番組の情報を取得する取得手段と、
この取得手段によって取得した予約指定番組の情報を参照し、当該予約指定番組が継続放送の有る受信可能な番組であるか否かを判別する継続放送判別手段と、
この継続放送判別手段によって予約指定番組が継続放送の有る受信可能な番組であると判別された場合に、その予約指定番組の継続放送部分に対して記録予約を行う追加予約手段と、
を具備したことを特徴とする放送受信記録装置。
【請求項12】
前記取得手段は、他の放送受信装置に通信接続された際に当該放送受信装置から予約指定番組の情報を取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項11記載の放送受信記録装置。
【請求項13】
放送番組の受信とその受信した番組の記録予約が可能な放送受信記録装置であって、
予約指定番組を受信して記録した記録内容を再生出力する再生手段と、
前記予約指定番組が継続放送の有る番組である場合に、その継続放送部分に対する継続記録の有無を判別する継続記録判別手段と、
この継続記録判別手段によって継続記録が有ると判別された場合に、この番組をその途中まで記録した記録内容の再生終了時に、それ以降の継続記録部分における再生を制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする放送受信記録装置。
【請求項14】
前記継続記録判別手段は、当該放送受信記録装置側での継続記録の有無と他の放送受信記録装置側での継続記録の有無とを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項13記載の放送受信記録装置。
【請求項15】
前記制御手段は、継続記録部分を再生するに先立って、継続記録部分が有ることを報知する制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項13記載の放送受信記録装置。
【請求項16】
コンピュータに対して、
所望する番組の記録を時間帯指定とチャンネル指定の条件で予約指定する機能と、
前記指定された予約指定番組をその最後まで記録可能か否かを判別する機能と、
前記予約指定番組をその最後まで記録することが不可能であると判別された場合に、その番組の最後までの継続記録を追加予約する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータに対して、
他の放送受信装置側で記録予約されている指定番組の情報を取得する機能と、
前記取得した予約指定番組の情報を参照し、当該予約指定番組が継続放送の有る受信可能な番組であるか否かを判別する機能と、
前記予約指定番組が継続放送の有る受信可能な番組であると判別された場合に、その予約指定番組の継続放送部分に対して記録予約を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータに対して、
予約指定番組を受信して記録した記録内容を再生出力する機能と、
前記予約指定番組が継続放送の有る番組である場合に、その継続放送部分に対する継続記録の有無を判別する機能と、
前記継続記録が有ると判別された場合に、この番組をその途中まで記録した記録内容の再生終了時に、それ以降の継続記録部分における再生を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−154237(P2010−154237A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330345(P2008−330345)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】