説明

放電発光デバイス、発光装置および発光デバイス製造方法

【課題】耐熱性および耐圧性に優れ、かつ低コストで生産可能な高出力の放電発光デバイスを提供する。
【解決手段】放電により発光する放電発光デバイスであって、絶縁性ダイヤモンドからなり、内部に放電室20が形成された外囲器と、放電室20に封止された放電用物質22と、放電用物質22に電圧を印加すべく設けられた、導電性ダイヤモンドからなる電極対31,32とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電により発光する放電発光デバイス、発光装置および発光デバイス製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、気体プラズマを用いた発光デバイスである放電灯が知られている。このような放電灯としては、水銀灯、高圧水銀灯などがあり、天井灯用熱陰極蛍光灯をはじめ様々な用途に用いられている。その高い発光効率・発光出力から、照明ランプ市場においては放電灯がほぼ半分を占めるに至っている。中でも、高気圧のガスを放電させ、高電流で駆動し、高密度のプラズマを発生させ発光させるいわゆるHID(High Intensity Discharge)と呼ばれる放電灯の進展が近年著しい(たとえば、「非特許文献1」参照)。
【0003】
このHID型の光源デバイスの応用としては、プロジェクターや車のヘッドライト用ショートアークランプがあげられる。これらの用途においては、強い出力とともに単焦点であることが求められており、光源のサイズの低減が求められている。このため、上記アーク放電をさせるための電極間の距離は年々低減しており、1mm程度までになっている。
【0004】
このような短ギャップの電極間に数十から数百Wの電力を印加するため、内部には高気圧の水銀やメタルハライドなどが封入される。このため、ランプのベッセルには、高い内圧に耐える強度が必要である。
【0005】
このような高圧に耐えるベッセルとして、石英などが用いられてきた。しかし、高温・高気圧で活性なガスを内包した条件では、内壁への活性種の取り込まれなどにより劣化が生じる問題があった。これを改善する方法として、最近は石英ガラスに変わって各種の透光性セラミックスが用いられている。
【0006】
【非特許文献1】E.Fisher:Proc.LS−8 p.115(2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらは活性種に対する安定性に優れ、より耐熱性が高いことから、現在幅広く用いられつつある。しかし、依然として内部電極との界面での浸食や圧力漏れなどの問題がある。さらに、当該セラミックスベッセルは高度な焼結プロセスにより製造されており、電極の組み込み実装工程と併せて発光装置のコストを押し上げる要因となっている。さらに、前述のごとく、電極間ギャップの低減に伴い、電極間の電位降下が小さくなり、同じパワーを入れるためにより低電圧・大電流の電源制御が必要になりつつある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、安定性に優れかつ高出力の放電発光デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、放電発光デバイスであって、絶縁性ダイヤモンドからなり、内部に放電室が形成された外囲器と、前記放電室に封止された放電用物質と、前記放電用物質に電圧を印加すべく設けられた、導電性ダイヤモンドからなる電極対とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他の形態は、放電発光デバイスであって、内部に複数の放電室が配列された、透光性の外囲器と、前記複数の放電室のそれぞれに封止された放電用物質と、前記複数の放電室それぞれに対し電圧を印加する複数の電極対とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の他の形態は、放電発光デバイスであって、互いに対向する第1低導電性層と第2低導電性層とを備え、当該第1及び第2低導電性層の間に複数の放電室が配列された、透光性の外囲器と、前記複数の放電室のそれぞれに封止された放電用物質と、前記第1低導電性層および第2低導電性層のうち少なくとも一方の領域において、前記複数の放電室のうち2つの放電室を直列に接続する位置に積層された、前記第1低導電性層および前記第2低導電性層よりも高い導電性を示す高導電性層を備えた、前記複数の放電室それぞれに対し電圧を印加する複数の電極対とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の他の形態は、発光装置であって、絶縁性ダイヤモンドからなり、内部に放電室が形成された外囲器と、前記放電室に封止された放電用物質と、前記放電用物質に電圧を印加すべく設けられた、導電性ダイヤモンドからなる電極対とを有する放電発光デバイスと、前記放電発光デバイスを内部に備えた封止容器とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の他の形態は、発光デバイス製造方法であって、絶縁性層の第1の主面と第2の主面を貫通する複数の貫通孔を形成する貫通孔形成ステップと、前記複数の貫通孔に犠牲層を注入する注入ステップと、前記犠牲層が形成された前記絶縁性層の第1の主面および第2の主面それぞれに電極形成層を形成する電極形成層形成ステップと、前記電極形成層形成ステップにおいて前記第1の主面および前記第2の主面それぞれに形成された前記電極形成層のうち、前記犠牲層に対応する領域に少なくとも1つの開口部を形成する開口部形成ステップと、前記開口部を介して前記犠牲層を除去する犠牲層除去ステップと、前記犠牲層が除去された後、前記電極形成層上に導電性層を形成することにより前記開口部を封止し、当該導電性層を電極とする放電室を形成する放電室形成ステップと、前記放電室形成ステップにおいて放電室が形成された後、当該放電室単位に層構造を切断することにより発光デバイスを得る切断ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる放電発光デバイスは、外囲器が絶縁性ダイヤモンドからなり、内部に放電室が形成され、放電室に放電用物質が封止され、電極対が放電用物質に電圧を印加すべく設けられ、導電性ダイヤモンドからなる。このように、外囲器がダイヤモンドで構成されているので高圧放電に耐えることができるという効果を奏する。すなわち、安全性に優れ、かつ高出力の発光を行うことができるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明にかかる他の形態の放電発光デバイスは、透光性の外囲器の内部に複数の放電室が配列され、放電用物質が、複数の放電室のそれぞれに封止され、複数の電極対が、複数の放電室それぞれに対し電圧を印加する。このように、複数の放電室を一体に備えているので、高出力の発光を行うことができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明にかかる他の形態の放電発光デバイスは、透光性の外囲器が、互いに対向する第1低導電性層と第2低導電性層とを備え、複数の放電室が当該第1及び第2低導電性層の間に配列され、放電用物質が、複数の放電室のそれぞれに封止され、複数の電極対が、第1低導電性層および第2低導電性層のうち少なくとも一方の領域において、複数の放電室のうち2つの放電室を直列に接続する位置に積層された、第1低導電性層および第2低導電性層よりも高い導電性を示す高導電性層を備えた複数の放電室それぞれに対し電圧を印加するので、高出力の発光を行うことができるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明にかかる発光装置は、封止容器が、外囲器が絶縁性ダイヤモンドからなり、内部に放電室が形成され、放電室に放電用物質が封止され、電極対が放電用物質に電圧を印加すべく設けられ、導電性ダイヤモンドからなる放電発光デバイスを内部に備えているので、高圧放電に耐えることができるという効果を奏する。すなわち、安全性に優れ、かつ高出力の発光を行うことができるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明にかかる発光デバイス製造方法においては、貫通孔形成ステップにおいて、絶縁性層の第1の主面と第2の主面を貫通する複数の貫通孔を形成し、注入ステップにおいて、複数の貫通孔に犠牲層を注入し、電極形成層形成ステップにおいて、犠牲層が形成された絶縁性層の第1の主面および第2の主面それぞれに電極形成層を形成し、開口部形成ステップにおいて、電極形成層形成ステップにおいて第1の主面および前記第2の主面それぞれに形成された電極形成層のうち、犠牲層に対応する領域に少なくとも1つの開口部を形成し、犠牲層除去ステップにおいて、開口部を介して犠牲層を除去し、放電室形成ステップにおいて、犠牲層が除去された後、電極形成層上に導電性層を形成することにより開口部を封止し、当該導電性層を電極とする放電室を形成し、切断ステップにおいて、放電室形成ステップにおいて放電室が形成された後、当該放電室単位に層構造を切断することにより発光デバイスを得るので、同一の絶縁性層において複数の放電室および電極対を同時に形成することができ、生産コストを低減することができるという効果を奏する。また、品質の均一性を確保することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明にかかる放電発光デバイス、発光装置および発光デバイス製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる高圧放電発光デバイス1の外観を示す図である。図2は、高圧放電発光デバイス1の断面図である。高圧放電発光デバイス1は、絶縁性ダイヤ基板10と、絶縁性ダイヤ基板10に設けられた放電室20と、電極対としての第1主面側導電性ダイヤ層31および第2主面側導電性ダイヤ層32とを備えている。第1主面側導電性ダイヤ層31は、絶縁性ダイヤ基板10の第1主面10aに積層されている。また、第2主面側導電性ダイヤ層32は、絶縁性ダイヤ基板10の第2主面10bに積層されている。
【0021】
放電室20には、放電用物質22が封入されている。放電用物質22としては、水銀または金属化合物が好ましい。金属化合物としては、金属ハロゲン化物が特に好ましい。さらに、金属ハロゲン化物としては、ヨウ化ナトリウム(NaI)が特に好ましい。
【0022】
絶縁性ダイヤ基板10は、多結晶のダイヤモンドで形成されている。また、第1主面側導電性ダイヤ層31および第2主面側導電性ダイヤ層32は、半導体不純物がドープされたダイヤモンド結晶である。ここで、半導体不純物としては、リン(P)、窒素などが好ましい。また、ドーピング濃度は、1×1019以上、1×1021未満が好ましい。
【0023】
本実施の形態にかかる絶縁性ダイヤ基板10の高さ(h)は1mm、放電室20の半径(r)は300μmである。また、第1主面側導電性ダイヤ層31の厚(t)さは、放電室20に対する耐圧性の観点から、10μm以上が好ましい。
【0024】
なお、第1主面側導電性ダイヤ層31が受ける一様分布加重は以下の式により算出される。
【数10】

ここで、pは圧力、σmaxは、最大応力である。なお,最大応力は周辺上に生じる。
【0025】
放電室20内の圧力を
【数11】

とする。ダイヤモンドの降伏強度を20GPaとすると、最大逆アスペクト比は(式2)により算出される。
【数20】

【0026】
ここで、200atmは、放電室20にHgを封入した場合における上限圧力である。また、ダイヤモンドの降伏強度は53GPaであるが、第1主面側導電性ダイヤ層31のダイヤモンドには不純物が含まれている。ダイヤモンド結晶の強度は不純物濃度により変化することがわかっている。したがって、ここでは、高濃度(100ppmオーダー)の窒素含むダイヤモンドを想定し、第1主面側導電性ダイヤ層31の降伏強度を20GPaと見積もった。
【0027】
第1主面側導電性ダイヤ層31の半径(r)が300μmである場合、第1主面側導電性ダイヤ層31の厚さ(t)は、(式2)より以下のように算出される。
【数30】

すなわち、厚さ(t)は、8.2μmよりも十分に大きい値となるのが好ましい。
【0028】
また例えば、厚さh=5μmの場合には、
【数40】

より、半径(r)は、182.5μmよりも十分に小さな値となるのが好ましい。
【0029】
なお、放電室20にHgなどを充填した超高圧の条件下においては、上記の2倍の400atmまで耐え得るように設計するのが好ましい。すなわち、(式5)の関係を満たすよう半径(r)および厚さ(t)を設計する。
【数50】

したがって、厚み5μmの場合には、半径(r)は、129μmとするのが好ましい。
【0030】
以上のように、第1主面側導電性ダイヤ層31の半径(r)および厚み(t)は、放電室20の内圧に基づいて、(式1)より定まるr/tの関係を満たすように設計するのが好ましい。
【0031】
以上のように、本実施の形態にかかる高圧放電発光デバイス1は、絶縁性ダイヤ基板10で形成されているので、放電室20の高圧に耐えることができる。
【0032】
表1に、アルミナとCVDダイヤの熱伝導率等の値を示す。
【表1】

【0033】
このように、ダイヤモンドは、熱伝導率が高いので、放電室内の温度の均一性を向上させることができる。また、温度管理を容易に行うことができる。
【0034】
また、ダイヤモンドは、比強度が高いので、必要な層厚を小さくすることができる。これにより、外部への光取り出しの損失を抑制することができる。また、発光輝度を向上させ、かつ安定性を向上させることができる。
【0035】
さらに、層厚を小さくした場合には、熱容量を低減することができる。また、熱応答性が向上するので、放電開始からの温度上昇時間を短縮することができる。
【0036】
熱応答性を評価する指標として時定数がある。時定数は、(式6)により算出される。
時定数=物体から周辺への熱抵抗×熱容量 ・・・(式6)
熱容量は、(式7)により算出される。
熱容量=体積×比熱×比重量 ・・・(式7)
表1より、ダイヤモンドとアルミナの強度比は10:3である。そこで、放電室壁の厚みを1:3と見積もる。すなわち、体積比を1:3と見積もる。また、比熱比は、0.51/0.8より約0.64となり、比重量比は、3.6/3.52より約1.0となる。したがって、熱容量比は、約0.2となる。
すなわち、物体から周辺への熱抵抗を同一とした場合には、ダイヤモンドの時定数はアルミナの1/5となる。このように、ダイヤモンドにすることにより熱応答性が向上する。
【0037】
さらに、電極対として、導電性ダイヤモンドからなる第1主面側導電性ダイヤ層31および第2主面側導電性ダイヤ層32が設けられている。このように、絶縁壁部分と同じ材料を用いることにより、材料間の熱膨張係数の違いや化学的な安定性の違いに起因した界面での浸食やリークを抑えることができる。
【0038】
次に、図3〜図8を参照しつつ高圧放電発光デバイス1の製造方法について説明する。基板として、多結晶透光性ダイヤ基板10を用いる。基板の厚さは、1mmとした。なお、ダイヤモンド成長は、メタンと水素とを原料とし、マイクロプラズマCVDを用いた。
【0039】
なお、他の例としては、直流プラズマCVDや燃焼炎プラズマCVD、ホットフィラメントCVDなど各種の方式を用いることができる。
【0040】
まず、多結晶透光性ダイヤ基板10に対して放電室20となる孔を開ける。孔の寸法は半径300μmとした。孔開け加工は、YAGレーザなどのレーザにより行うのが好ましい。さらに、基板を回転させつつレーザを照射するのが好ましい。また、他の例としては、ドライエッチングにより行ってもよい。
【0041】
図3は、孔を空けた後の多結晶透光性ダイヤ基板10を示す図である。このように多結晶透光性ダイヤ基板10に対し複数の孔20A,20B・・・を形成する。これらの各孔20A,20B・・・がそれぞれ放電室20A,20B・・・となる。すなわち、同一の多結晶透明性ダイヤ基板10から複数の高圧放電発光デバイス1を同時に製造する。そして、後に絶縁性ダイヤ基板10を分割することにより複数の高圧放電発光デバイス1を得る。
【0042】
全ての孔20A,20B・・・を形成した後、全ての孔20A,20B・・・に対し犠牲層21を充填する。ここで、犠牲層としては、金属などが好ましい。本実施の形態においては、Moを片面または両面から蒸着する。そして、絶縁性ダイヤ基板10からはみ出した余分な部分をエッチング・研磨などにより除去する。図4は、多結晶透光性ダイヤ基板10に形成された複数の孔20A,20B・・・のうちの1つを示す断面図である。孔20には、犠牲層21が充填されている。
【0043】
次に、多結晶透光性ダイヤ基板10の両面にCVDにより、導電性ダイヤ層を形成する。具体的には、犠牲層21の第1主面21aおよび第2主面21bにそれぞれ第1主面側導電性ダイヤ層31および第2主面側導電性ダイヤ層32を形成する。図5は、第1主面側導電性ダイヤ層31aおよび第2主面側導電性ダイヤ層32が形成された後の多結晶透光性ダイヤ基板10の一部を示す断面図である。
【0044】
導電性を付与するためには、半導体不純物をドーピングするが、特にリン、窒素などのn型不純物をドーピングすることが望ましい。ドーピング濃度は1×1019以上が好ましい。さらに1×1021未満の範囲が好ましい。
【0045】
導電性ダイヤモンド層の厚さは最終的に積層する層と合わせて内部の圧力に耐えられる十分な厚みを確保する。前述のように、10μmとするのが好ましい。
【0046】
第1主面側導電性ダイヤ層31aおよび第2主面側導電性ダイヤ層32を形成し犠牲層21の第1主面21aおよび第2主面21bを封じた後、第1主面側導電性ダイヤ層31aのうち第1主面21aに面する部分のうち少なくとも一カ所に開口部33を形成する。開口部33の形成方法としては、エッチングなどが好ましい。図6は、開口部33が形成された後の状態を示す断面図である。
【0047】
次に、開口部33を介して、内部の犠牲層21をエッチングすることにより、放電室20の内部を空洞にする。なお、放電室20の内部を十分にエッチングする観点からは、第1主面側導電性ダイヤ層31aまたは第2主面側導電性ダイヤ層32に複数の孔を開けてエッチング液の流通をよくすることが好ましい。開口部33は犠牲層21に面する位置に形成されればよく、その位置および大きさは特に限定されるものではない。例えば、第2主面側導電性ダイヤ層32に形成されてもよい。また、第1主面側導電性ダイヤ層31aに2つ形成されてもよい。また、第1主面側導電性ダイヤ層31および第2主面側導電性ダイヤ層32にそれぞれ1つずつ形成されてもよい。
【0048】
次に、金属化合物や水銀を含有させたペレットを開口部33より内部に入れた後、再び開口部33を封じる。具体的には、開口部33が形成された第1主面側導電性ダイヤ層31a上にさらに第1主面側導電性ダイヤ層31bを形成する。図7は、第1主面側導電性ダイヤ層31bが形成された後の状態を示す断面図である。本実施の形態においては、第1主面側導電性ダイヤ層31aおよび第2主面側導電性ダイヤ層32をCVDにより形成している。同様に、CVDにより第1主面側導電性ダイヤ層31bを形成することにより、開口部33を封じる。このCVDの工程において、Ar、Xeなどの希ガスをベースにして、高気圧で成膜を行うことにより、封止後の放電室20の内部のベースガスを同時に封入してもよい。
【0049】
なお、本実施の形態においては、第1主面側導電性ダイヤ層31bをさらに積層することにより開口部33を封止したが、他の例としては、より低い温度で形成が可能な各種の材料を用いてもよい。
【0050】
以上の工程により、単一基板10上に複数の高圧放電発光デバイス1が形成される。図8は、高圧放電発光デバイス1が形成された単一基板10を示す図である。必要に応じて、高圧放電発光デバイス1が形成された単一基板10の上下の電極面、すなわち第1主面側導電性ダイヤ層31および第2主面側導電性ダイヤ層32に研磨などの追加工を施し、平坦化や一定の微細構造表面に仕上げてもよい。さらにウェハ上の単一基板10をレーザ加工等により分割ライン110A〜110C,120A〜120Cに沿って分割し、必要に応じて端面のエッチング・研磨・洗浄などを行う。以上の工程により、図1および図2に示した高圧放電発光デバイス1が得られる。
【0051】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。
【0052】
第1の変更例としては、本実施の形態において説明した製造方法は、ダイヤ以外の物質からなる発光デバイスの製造に適用してもよい。例えば、透光性セラミックスからなる発光デバイスの製造に適用してもよい。
【0053】
また、第2の変更例としては、高圧放電発光デバイス1は円柱形であってもよい。すなわち、製造の最終工程において、絶縁性ダイヤ基板10を円柱形に切り出す。このように、絶縁性ダイヤ基板10の外形は本実施の形態に限定されるものではない。
【0054】
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2にかかる高圧放電発光デバイス1の外観を示す図である。図10は、実施の形態2にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。実施の形態2にかかる高圧放電発光デバイス1においては、開口部33の近傍にのみ電極としての第1主面側導電性ダイヤ層35が形成されている。
【0055】
実施の形態2にかかる高圧放電発光デバイス1においては、絶縁性ダイヤ基板10の第1主面10a上にさらに第1主面側絶縁性ダイヤ層13が形成されている。第1主面側導電性ダイヤ層13は、絶縁性ダイヤ基板10と同様絶縁性ダイヤモンドにより形成されている。第1主面側絶縁性ダイヤ層13には、第1主面側開口部34が形成されている。第1主面側導電性ダイヤ層35は、第1主面側開口部34に対応する位置に形成され、第1主面側開口部34を塞いでいる。
【0056】
次に、実施の形態2にかかる高圧放電発光デバイス1の製造方法について説明する。実施の形態2にかかる高圧放電発光デバイス1においては、孔加工・犠牲層充填の後、多結晶透光性ダイヤ基板10の第1主面10aに第1主面側絶縁性ダイヤ層13を形成する。また、多結晶透光性ダイヤ基板10の第2主面10bには、第2主面側導電性ダイヤ層32を形成する。図11は、第1主面側絶縁性ダイヤ層13が形成された後の状態を示す断面図である。
【0057】
次に、第1主面側絶縁性ダイヤ層13に第1主面側開口部34を形成し、犠牲層21をエッチングにより除去する。その後、第1主面側絶縁性ダイヤ層13の主面13a上に第1主面側導電性ダイヤ層35を形成する。これにより、第1主面側開口部34を塞ぐ。図12は、第1主面側導電性ダイヤ層35が形成された後の状態を示す断面図である。さらに、第1主面側開口部34の上部を残して、第1主面側導電性ダイヤ層35をエッチングする。
【0058】
導電性ダイヤモンドは、不純物がドーピングされたダイヤモンドであるため絶縁性ダイヤモンドに比べて透明度が低い。したがって、外部への光取り出し損失を抑制する観点からは、導電性ダイヤモンドの領域を小さくすることが望ましい。そこで、本実施の形態においては、上述のように、導電性ダイヤ層を第1主面側開口部34の上部のみに形成することとした。これにより、外部への光取り出しの損失を抑制することができる。
【0059】
なお、実施の形態2にかかる高圧放電発光デバイス1のこれ以外の構成および製造方法は、実施の形態1にかかる高圧放電発光デバイス1の構成および製造方法と同様である。
【0060】
(実施の形態3)
図13は、実施の形態3にかかる高圧放電発光デバイス1の外観を示す図である。図14は、実施の形態3にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。実施の形態3にかかる高圧放電発光デバイス1においては、絶縁性ダイヤ基板10の第1主面10a上に第1主面側絶縁性ダイヤ層13が形成されている。第1主面側絶縁性ダイヤ層13には第1主面側開口部34が形成されている。第1主面側開口部34には、第1主面側導電性ダイヤ層35が形成され、第1主面側開口部34は塞がれている。
【0061】
一方、絶縁性ダイヤ基板10の第2主面10b上に第2主面側絶縁ダイヤ層14が形成されている。第2主面側絶縁性ダイヤ層14には、第2主面側開口部36が形成されている。第2主面側開口部36には、第2主面側導電性ダイヤ層37が形成され、第2主面側開口部36は塞がれている。
【0062】
このように、実施の形態3にかかる高圧放電発光デバイス1は、絶縁性ダイヤ基板10の両面において導電性ダイヤモンドの領域を小さくしている。これにより、外部への光取り出しの損失をさらに抑制することができる。
【0063】
次に、実施の形態3にかかる高圧放電発光デバイス1の製造方法について説明する。本実施の形態にかかる高圧放電発光デバイス1においては、絶縁性ダイヤ基板10に孔加工を施し、犠牲層21を充填したのち、絶縁性ダイヤ基板10の第1主面10aおよび第2主面10bにそれぞれ第1主面側開口部34および第2主面側開口部36を形成する。
【0064】
次に、第1主面側開口部34および第2主面側開口部36から犠牲層21を取り除くとともに、高気圧ガスプラズマを形成する金属化合物、または水銀(Hg)などを含有するペレットを放電室20に入れる。
【0065】
次に、第1主面側絶縁性ダイヤ層13および第2主面側絶縁性ダイヤ層14上にそれぞれ第1主面側導電性ダイヤ層35および第2主面側導電性ダイヤ層37を形成する。これにより、放電室20を封止する。図15は、第1主面側導電性ダイヤ層35および第2主面側導電性ダイヤ層37が形成された後の状態を示す断面図である。
【0066】
次に、第1主面側導電性ダイヤ層35および第2主面側導電性ダイヤ層37をパターニングし、第1主面側導電性ダイヤ層35および第2主面側導電性ダイヤ層37を封止するために必要な領域のみを残置させる。図16は、第1主面側導電性ダイヤ層35および第2主面側導電性ダイヤ層37が形成された後の状態を示す外観図である。この後、多結晶透光性ダイヤ基板10を放電室20単位で分割することにより、複数の高圧放電発光デバイス1が形成される。
【0067】
第1主面側導電性ダイヤ層35および第2主面側導電性ダイヤ層37は、放電室20に面し、電極を兼ねることはもちろんであるが、導電性の領域すなわち透明度の低い領域を最小限に留めることにより、外部への光取り出しの損失を最小限にすることができる。
【0068】
また、内部の放電電極としても、大きな内径の圧力容器を絶縁性ダイヤ基板およびダイヤ層で形成した上で、必要なセンター領域にのみ高密度プラズマ形成に必要な導電性電極領域を形成することにより、プラズマの収束性と側壁との相互作用の低減を図ることができる。
【0069】
なお、実施の形態3にかかる高圧放電発光デバイス1のこれ以外の構成および製造方法は、他の実施の形態にかかる高圧放電発光デバイス1の構成および製造方法と同様である。
【0070】
(実施の形態4)
図17は、実施の形態4にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。実施の形態4にかかる高圧放電発光デバイス1における第1主面側導電性ダイヤ層41は、放電室20に突出した第1主面側凸部42を有している。同様に、第2主面側導電性ダイヤ層43は、放電室20の突出した第2主面側凸部44を有している。このように、導電性ダイヤ層を放電室20の内部に突起状に形成することにより、放電室20の内径や高さなどのサイズによらず、第1主面側導電性ダイヤ層41および第1主面側凸部42の高さにより放電ポイントを制御することができる。
【0071】
次に、実施の形態4にかかる高圧放電発光デバイス1の製造方法について説明する。実施の形態4にかかる高圧放電発光デバイス1においては、犠牲層21を充填した後、犠牲層21を絶縁性ダイヤ基板10の表面から一部内部に入り込むまで犠牲層21を加工する。図18は、犠牲層加工後の状態を示す断面図である。犠牲層加工工程において、図18に示すように第1主面側凹部23Aおよび第2主面側凹部23Bが形成される。
【0072】
次に、第1主面側凹部23Aおよび第1主面10a上に第1主面側導電性ダイヤ層41aを形成する。同様に、第2主面側凹部23Bおよび第2主面10b上に第2主面側導電性ダイヤ層4332aを形成する。図19は、第1主面側導電性ダイヤ層41aおよび第2主面側導電性ダイヤ層43aが形成された後の状態を示す断面図である。
【0073】
次に、第1主面側導電性ダイヤ層41aに第1主面側開口部45を形成する。なお、第1主面側開口部45は、第1主面側凹部23Aの上部以外の領域に形成する。同様に、第2導電性ダイヤ層43aに第2主面側開口部46を形成する。図20は、第1主面側開口部45および第2主面側開口部46が形成された後の状態を示す断面図である。
【0074】
次に、犠牲層21をエッチングにより除去する。その後、第1主面側開口部45および第1主面側導電性ダイヤ層41aの上部にさらに第1主面側導電性ダイヤ層41bを形成する。同様に、第2主面側開口部46および第2主面側導電性ダイヤ層43a上にさらに第2導電性ダイヤ層43bを形成する。図21は、第1主面側導電性ダイヤ層41bおよび第2主面側導電性ダイヤ層43bが形成された後の状態を示す断面図である。以上により図17を参照しつつ説明した実施の形態4にかかる高圧放電発光デバイス1が形成される。
【0075】
なお、実施の形態4にかかる高圧放電発光デバイス1のこれ以外の構成および製造方法は、他の実施の形態にかかる高圧放電発光デバイス1の構成および製造方法と同様である。
【0076】
(実施の形態5)
図22は、実施の形態5にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。実施の形態5にかかる高圧放電発光デバイス1は、絶縁性ダイヤ基板10の外側にさらに、保護層50を備えている。保護層50は、電極となる領域を残し、絶縁性ダイヤ基板10、第1主面側導電性ダイヤ層31および第2主面側伝導性ダイヤ層32を覆っている。保護層50は、窒化シリコン(Si34)で形成されている。なお、他の例としては、保護層50は、炭化シリコン(SiC)、アルミナ(Al23)などであってもよい。このように、保護層50は、高温において耐酸化性を有する材料で形成されることが望ましい。
【0077】
保護層50を備えることにより、絶縁性ダイヤ基板10の酸化を防止することができる。したがって、高圧放電発光デバイス1の劣化を防止することができる。また、保護層50を備えることにより断熱することができる。
【0078】
なお、実施の形態5にかかる高圧放電発光デバイス1のこれ以外の構成および製造方法は、他の実施の形態にかかる高圧放電発光デバイス1の構成および製造方法と同様である。
【0079】
(実施の形態6)
図23は、実施の形態6にかかる高圧放電発光デバイス1の外観を示す図である。図24は、実施の形態6にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。実施の形態6にかかる高圧放電発光デバイス1は、2つの放電室20A,20Bを備えている。第1主面10a上には第1主面側絶縁性ダイヤ層13が形成されている。そして、第1主面側絶縁性ダイヤ層13にはさらに、放電室20Aに対応する位置に第1主面側開口部34Aが形成されている。また、放電室20Bに対応する位置に第1主面側開口部34Bが形成されている。一方、第2主面10b上には第2主面側絶縁性ダイヤ層14が形成されている。第2主面側絶縁性ダイヤ層14にはさらに放電室20Aに対応する位置に第2主面側開口部36Aが形成されている。また、放電室20Bに対応する位置に第2主面側開口部36Bが形成されている。
【0080】
第1主面側絶縁性ダイヤ層13の上部にはさらに第1主面側導電性ダイヤ層60が形成されている。第1主面側導電性ダイヤ層60は、第1主面側開口部34Aおよび第1主面側開口部34Bを塞ぐべく設けられている。また、第1主面側開口部34Aの領域から第1主面側開口部34Bの領域まで一体に形成されている。
【0081】
第2主面側絶縁性ダイヤ層14の上部にはさらに第2主面側導電性ダイヤ層61A,61Bが形成されている。第2主面側導電性ダイヤ層61Aは第2主面側開口部36Aを塞ぐべく形成されている。また、第2主面側導電性ダイヤ層61Bは、第2主面側開口部36Bを塞ぐべく形成されている。第2主面側導電性ダイヤ層61Aおよび第2主面側導電性ダイヤ層61Bは、第2主面側開口部36Aの領域と第2主面側開口部36Bの領域の間において離間して設けられている。
【0082】
以上の構成により、第2主面側開口部36Aおよび第2主面側開口部36Bに対応する位置にそれぞれ電極を設けた場合には、電流は放電室20Aから第1主面側導電性ダイヤ層60を介して、放電室20Bに設けられた電極に導かれる。
【0083】
このように、1チップ中に複数の放電室20を形成することにより、各放電室20が短ギャップとなっても、放電室20Aと放電室20Bとが直列接続され、複数の放電室全体に入力される印加電圧を高く保つことができる。さらに、印加電圧を高く保つことにより高電流を供給することなく高パワー、すなわち高光量を確保することができる。
【0084】
さらに、図23および図24に示すように、2つの放電室20Aと20Bは、各放電室の電極対が、第1主面側導電性ダイヤ層および第2主面側導電性ダイヤ層として同一平面上に形成されるように配列されている。すなわち、絶縁性ダイヤ基板10に並列に配置されている。したがって、単光源として機能することができる。
【0085】
また、各放電室20に封入する化合物の組成を互いに異なるものとしてもよい。異なる発光の混合により調光を行うことができる。
【0086】
次に、実施の形態6にかかる高圧放電発光デバイス1の製造方法について説明する。図25は、犠牲層21をエッチングし、第1主面側導電性ダイヤ層60および第2主面側導電性ダイヤ層61を形成した後の状態を示す断面図である。ここまでの工程は、実施の形態3にかかる高圧放電発光デバイス1の製造工程と同様である。
【0087】
その後、第1主面側導電性ダイヤ層60および第2主面側導電性ダイヤ層61をパターニングする。これにより、第1主面側導電性ダイヤ層60は、第1主面側開口部34Aと第1主面側開口部34Bの間に一体の配線層として第1主面側導電性ダイヤ層60を残す。一方、第2主面側導電性ダイヤ層61は、第2主面側開口部36Aと第2主面側開口部36Bの間を離間して第2主面側導電性ダイヤ層61Aおよび第2主面側導電性ダイヤ層61Bとして残す。最後に、2つの放電室を毎に多結晶透光性ダイヤ基板10を切り出す。以上により、2つの放電室を備えた高圧放電発光デバイス1を得ることができる。
【0088】
なお、実施の形態6にかかる高圧放電発光デバイス1のこれ以外の構成および製造方法は、他の実施の形態にかかる高圧放電発光デバイス1の構成および製造方法と同様である。
【0089】
図26は、実施の形態6の第1の変更例にかかる高圧放電発光デバイス1の外観を示す図である。第1の変更例にかかる高圧放電発光デバイス1は、4つの放電室20A〜20Dを備えている。4つの放電室20A〜20Dは、直列に接続されている。具体的には、放電室20Aと放電室20Bは、第1主面側導電性ダイヤ層62Aにより接続されている。また、放電室20Bと放電室20Cは、第2主面側導電性ダイヤ層63Bにより接続されている。また、放電室20Cと放電室20Dは、第1主面側導電性ダイヤ層62Bで接続されている。
【0090】
このように、放電室20の数を増やすことにより高圧放電発光デバイス1全体のトータルパワーを大きくすることができる。また、この場合にも、複数の放電室20は並列に配置されているので、単光源として機能することができる。
【0091】
なお、このように放電室20を複数備えていればよく、その数は実施の形態に限定されるものではない。また、複数の放電室20は、導電性ダイヤ層を介して直列に接続されていればよく、複数の放電室20の配列は特に限定されるものではない。ただし、単光源として機能する観点からは並列性を保つ配列とするのが好ましい。
【0092】
また、第2の変更例としては、本実施の形態においては、絶縁性ダイヤ基板10および導電性ダイヤ層により構成される高圧放電発光デバイス1について説明したが、基板内に複数の放電室を備えることにより、発光出力を向上させる観点からは、基板および電極対を構成する物質はこれに限定されるものではなく、例えば透光性セラミックス基板の高圧放電発光デバイスとしてもよい。
【0093】
(実施の形態7)
図27は、実施の形態7にかかる高圧放電発光デバイス1の外観図である。図28は、実施の形態7にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。実施の形態7にかかる高圧放電発光デバイス1は、3つの放電室20A〜20Cを備えている。また、金属配線層70A,70B,71A,71Bを備えている。
【0094】
より具体的には、高圧放電発光デバイス1においては、絶縁性ダイヤ基板10の第1主面10aには、第1主面側導電性ダイヤ層64が形成されている。同様に、絶縁性ダイヤ基板10の第2主面10bには、第2主面側導電性ダイヤ層65が形成されている。これらは、各放電室20A〜20Cの電極面として設けられている。
【0095】
第1主面側導電性ダイヤ層64の上面には、第1主面側金属配線層70A,70Bがさらに形成されている。同様に、第2主面側導電性ダイヤ層65の上面には、第2主面側金属配線層71A,71Bがさらに形成されている。第1主面側金属配線層70A,70Bおよび第2主面側金属配線層71A,71Bは、いずれも金属で形成された低抵抗配線である。
【0096】
なお、本実施の形態にかかる第1主面側導電性ダイヤ層64および第2主面側導電性ダイヤ層65は、特許請求の範囲に記載の第1導電性層に対応する。また、本実施の形態にかかる第1主面側金属配線層70A,70Bおよび第2主面側金属配線層71A,71Bは、特許請求の範囲に記載の第2導電性層に対応する。
【0097】
第1主面側金属配線層70A,70Bおよび第2主面側金属配線層71A,71Bは、それぞれ放電室20A〜20Cを直列に接続すべくパターニングされている。具体的には、第1主面側金属配線層70Aは、放電室20Aおよび放電室20Bを直列に接続すべく放電室20Aに対応する領域から放電室20Bに対応する領域まで一体に形成されている。一方で、直列の一端となる放電室20Aの第2主面10b側に配置された第2主面側金属配線層71Aは、放電室20Aに対応する領域に形成され、放電室20Bに対応する領域とは離間している。
【0098】
また、第2主面側金属配線層71Bは、放電室20Bおよび放電室20Cを直列に接続すべく放電室20Bに対応する領域から放電室20Cに対応する領域まで一体に形成されている。一方で、直列の一端となる放電室20Cの第1主面10a側に配置された第1主面側金属配線層70Bは、放電室20Cに対応する領域に形成され、放電室20Bに対応する領域とは離間している、すなわち、第1主面側金属配線層70Bは、第1主面側金属配線層70Aとは離間して形成されている。
【0099】
以上の構成の高圧放電発光デバイス1を放電させる場合について説明する。図29は、高圧放電発光デバイス1の起動初期の状態を説明するための図である。高圧放電発光デバイス1を起動した場合、起動初期には、低温であるため放電室20A〜20Cは、絶縁性を示し、抵抗値も非常に高い。したがって、印加した電圧は、第1主面側導電性ダイヤ層64を介して各放電室20A〜20Cに一様にかかる。これにより、各放電室20A〜20Cにおいて放電が並行して生じる。
【0100】
図30は、放電開始後の状態を説明するための図である。放電開始後は電圧が下がる。そして、さらに電流が投入されるとグロー放電モードから異常グロー状態を経て、アーク放電モードへと移行し始める。これにより、放電室20A〜20Cそれぞれの内部抵抗は急激に下がる。そして、印加電圧は、放電室20を経由した直列回路に優先的に流れるようになる。
【0101】
最終的に放電室20A〜20Cのすべての内部抵抗が下がると、放電室20A〜20Cは、第1主面側金属配線層70A,70Bおよび第2主面側金属配線層71A,71Bを配線とし、高圧放電発光デバイス1内で集積駆動される。
【0102】
このとき直列の効果により、短ギャップであるにも関わらず、直列段数分だけ放電電圧がシリーズに足し合わされることになる。したがって、放電電圧の維持に寄与することができる。また、単純に直列動作させる場合には起動時の放電開始電圧の増大が問題となるが、本実施の形態では、放電開始時には全放電室に並列に電圧がかかるため、放電開始にかかる時間も短縮することができる。
【0103】
放電開始前には放電セル内は絶縁性を示すため大きな抵抗を有している。したがって、導電性ダイヤ層64,65に対して印加された電圧は並列した放電室20A〜20Cに一様にかかる。
【0104】
しかし、いったん放電が始まると放電室20A〜20C内の抵抗は急激に減少する。このため、例えば第1主面側金属配線層70Bに印加された電圧による電流は放電室20Cを介してダイヤ層65に流れる。
【0105】
第1主面側金属配線層70Bから第2主面側金属配線層71Aに向かう電流は、抵抗最小の経路を通って流れる。この経路は、導電性ダイヤ層64,65を通じた第1主面側金属配線層70Bから第1主面側金属配線層70A直下の導電性ダイヤ層64までの抵抗(これを並列接続セル間抵抗Rpとする)と、第1主面側金属配線層70Bから放電室20Cを介して第2主面側金属配線層71Bに達し、この金属電極を通じて放電室20Bに達し、放電室20Bの放電を介して導電性ダイヤ層64に達する抵抗(これを直列接続セル間抵抗Rsとする)との大小関係により定まる。すなわち、並列接続セル間抵抗Rpよりも直列接続セル間抵抗Rsの方が低い場合には、直列接続モードにおける電流経路を電流が流れる。
【0106】
この電流経路を実現するためには、上述のように放電時にRp>Rsとなることが条件である。ここで、Rpは式(6)で示される。
Rp=Rc+Rl ・・・(6)
Rcは、電極と導電性ダイヤ層との接触抵抗を示す。Rlは、導電性ダイヤ層の並列する放電室間のシート抵抗を示す。
【0107】
また、Rsは式(7)で示される。
Rs=Rc×3+Rd×3+Rh×2+Rm ・・・(7)
ここで、Rdは、電極直下から放電室までの厚み方向の導電性ダイヤ層の抵抗を示す。Rhは、放電室内の抵抗を示す。Rmは、電極層の並列する放電室間のシート抵抗を示す。また、「Rd×3」としたのは、導電性ダイヤ層65側における折り返し回数分を加味したものである。
【0108】
ここで、Rsのうち、RhとRmは他に比べて相対的に小さいとする、式(8)が成り立つ。
Rs≒3Rc+3Rd ・・・(8)
よって、Rp>Rsは、式(6)および式(8)より式(9)のように示される。
Rc+Rl>3Rc+3Rd ・・・(9)
式(9)より式(10)の関係が得られる。
Rl>2Rc+3Rd ・・・(10)
【0109】
ここで、導電性ダイヤ層の抵抗率をρとすれば、式(11)および式(12)が成り立つ。
Rl≒ρ×l/(w×d) ・・・(11)
【0110】
ここで、lは、セル間の距離を示す。wは、ダイヤ層の実効配線幅を示す。dは、ダイヤ層の厚みを示す。
Rd≒ρ×d/s ・・・(12)
ここで、sは、ダイヤ層の実効配線面積を示す。
【0111】
RcはRdに比べて相対的に小さく、式(10)より式(13)が得られる。
Rl>3Rd ・・・(13)
これに式(11)および式(12)を代入すると、式(14)が得られる。
l/(w×d)>3(d/s) ・・・(14)
さらに、式(15)が得られる。
1>3(d/s)×(w×d)=3w×d2/s ・・・(15)
以上より、式(15)の関係が成り立つことが条件となる。
【0112】
なお、放電開始直後からダイヤ層は温度が上昇する。これに伴い、ρは変化する。しかし、相殺されるため、上記の関係には影響しない。したがって、上記の条件を満たす設計とすることにより、抵抗率に依存せずに動作モードを設計することができる。
【0113】
添加不純物としては、ボロン(B)が常温から導電性が得られることから望ましい。また、他の例としては、温度が上がれば、導電性を示すことから、窒素(N)やリン(P)であってもよい。いずれの場合もドーパントの濃度としては、1×1018〜1×1021cm-3の範囲が望ましい。
【0114】
なお、実施の形態7にかかる高圧放電発光デバイス1のこれ以外の構成および製造方法は、他の実施の形態にかかる高圧放電発光デバイス1の構成および製造方法と同様である。
【0115】
第1の変更例としては、本実施の形態においては、導電性ダイヤ層と金属配線層の積層構造としたが、伝導率の異なる2つの物質による積層構造であればよく、各層を構成する物質は実施の形態に限定されるものではない。
【0116】
(実施の形態8)
図31は、実施の形態8にかかる発光装置2の外観を示す図である。実施の形態8にかかる発光装置2は、実施の形態1に示す高圧放電発光デバイス1を実装している。高圧放電発光デバイス1の電極は外部リード4A,4Bに接続している。高圧放電発光デバイス1は真空に保持されている。すなわち、封止容器3の内部は真空に保持されている。そして、封止容器3の内部に高圧放電発光デバイス1が保持されている。さらに、高圧放電発光デバイス1は、封止容器3に封入されている。なお、封止容器3の封止方法については、既存のHIDランプの実装方法を適用することができる。なお、他の実施の形態にかかる高圧放電発光デバイス1を実装してもよい。すなわち、例えば実施の形態6にかかる高圧放電発光デバイス1のように複数の放電室20を備えた高圧放電発光デバイス1を実装してもよい。
【0117】
また、他の例としては、封止容器3に希ガス等の不活性ガスを封入し、大気圧よりも減圧に保ってもよい。このように、不活性ガスを封入しつつ減圧に保つことにより放電室のダイヤフラムにかかる外圧を低減することができる。また、封止容器3が内圧により破裂するのを防止することができる。
【0118】
(実施の形態9)
図32は、実施の形態9にかかる発光装置2の外観を示す図である。実施の形態9にかかる発光装置2は、実施の形態1に示す高圧放電発光デバイス1を実装している。発光装置2は、透明ガラス窓5と反射ミラー6と、反射ミラー6および高圧放電発光デバイス1を支持するステム7とを備えており、透明ガラス窓5から効率的に光を照射することができる。なお、同様に他の実施の形態にかかる高圧放電発光デバイス1を実装してもよい。
【0119】
(実施の形態10)
図33は、実施の形態10にかかる発光装置2の外観を示す図である。実施の形態10にかかる発光装置2は、高圧放電発光デバイス1の放電方向が透明ガラス窓5の面内方向と平行になるように実装している。なお、同様に他の実施の形態にかかる高圧放電発光デバイス1を実装してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】実施の形態1にかかる高圧放電発光デバイス1の外観を示す図である。
【図2】実施の形態1にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。
【図3】孔を空けた後の多結晶透光性ダイヤ基板10を示す図である。
【図4】多結晶透光性ダイヤ基板10に形成された複数の孔20A,20B・・・のうちの1つを示す断面図である。
【図5】第1主面側導電性ダイヤ層31aおよび第2主面側導電性ダイヤ層32が形成された後の多結晶透光性ダイヤ基板10の一部を示す断面図である。
【図6】開口部33が形成された後の状態を示す断面図である。
【図7】第1主面側導電性ダイヤ層31bが形成された後の状態を示す断面図である。
【図8】高圧放電発光デバイス1が形成された単一基板10を示す図である。
【図9】実施の形態2にかかる高圧放電発光デバイス1の外観を示す図である。
【図10】実施の形態2にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。
【図11】第1主面側絶縁性ダイヤ層13が形成された後の状態を示す断面図である。
【図12】第1主面側導電性ダイヤ層35が形成された後の状態を示す断面図である。
【図13】実施の形態3にかかる高圧放電発光デバイス1の外観を示す図である。
【図14】実施の形態3にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。
【図15】第1主面側導電性ダイヤ層35および第2主面側導電性ダイヤ層37が形成された後の状態を示す断面図である。
【図16】第1主面側導電性ダイヤ層35および第2主面側導電性ダイヤ層37が形成された後の状態を示す外観図である。
【図17】実施の形態4にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。
【図18】犠牲層加工後の状態を示す断面図である。
【図19】第1主面側導電性ダイヤ層41aおよび第2導電性ダイヤ層43aが形成された後の状態を示す断面図である。
【図20】第1主面側開口部45および第2主面側開口部46が形成された後の状態を示す断面図である。
【図21】第1主面側導電性ダイヤ層41bおよび第2主面側導電性ダイヤ層43bが形成された後の状態を示す断面図である。
【図22】実施の形態5にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。
【図23】実施の形態6にかかる高圧放電発光デバイス1の外観を示す図である。
【図24】実施の形態6にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。
【図25】犠牲層21をエッチングし、第1主面側導電性ダイヤ層60および第2主面側導電性ダイヤ層61を形成した後の状態を示す断面図である。
【図26】実施の形態6の第1の変更例にかかる高圧放電発光デバイス1の外観を示す図である。
【図27】実施の形態7にかかる高圧放電発光デバイス1の外観図である。
【図28】実施の形態7にかかる高圧放電発光デバイス1の断面図である。
【図29】高圧放電発光デバイス1の起動初期の状態を説明するための図である。
【図30】放電開始後の状態を説明するための図である。
【図31】実施の形態8にかかる発光装置2の外観を示す図である。
【図32】実施の形態9にかかる発光装置2の外観を示す図である。
【図33】実施の形態10にかかる発光装置2の外観を示す図である。
【符号の説明】
【0121】
1 高圧放電発光デバイス
2 発光装置
3 外囲器
4A,4B 外部リード
5 透明ガラス窓
6 反射ミラー
7 ステム
10 絶縁性ダイヤ基板
13 第1主面側絶縁性ダイヤ層
14 第2主面側絶縁性ダイヤ層
20 放電室
21 犠牲層
22 放電用物質
23A 第1主面側凹部
23B 第2主面側凹部
31 第1主面側導電性ダイヤ層
32 第2主面側伝導性ダイヤ層
33 開口部
34 第1主面側開口部
35 第1主面側導電性ダイヤ層
36 第2主面側開口部
37 第2主面側導電性ダイヤ層
41 第1主面側導電性ダイヤ層
42 第1主面側凸部
43 第2主面側導電性ダイヤ層
44 第2主面側凸部
45 第1主面側開口部
46 第2主面側開口部
50 保護層
60,62,64 第1主面側導電性ダイヤ層
61,63,65 第2主面側導電性ダイヤ層
70A,70B 第1主面側金属配線層
71A,71B 第2主面側金属配線層
110A〜C,120A〜C 分割ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性ダイヤモンドからなり、内部に放電室が形成された外囲器と、
前記放電室に封止された放電用物質と、
前記放電用物質に電圧を印加すべく設けられた、導電性ダイヤモンドからなる電極対と
を備えたことを特徴とする放電発光デバイス。
【請求項2】
前記導電性ダイヤモンドは、不純物をドープしたダイヤモンドであることを特徴とする請求項1に記載の放電発光デバイス。
【請求項3】
前記不純物は、リン、窒素、ボロンおよび硫黄のうちいずれか一の元素であることを特徴とする請求項2に記載の放電発光デバイス。
【請求項4】
前記放電用物質は、金属ハライド、水銀、硫黄、亜鉛およびこれらの化合物のうちいずれか一の物質であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の放電発光デバイス。
【請求項5】
前記電極対は、前記放電室の内側に凸状に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の放電発光デバイス。
【請求項6】
内部に複数の放電室が配列された、透光性の外囲器と、
前記複数の放電室のそれぞれに封止された放電用物質と、
前記複数の放電室それぞれに対し電圧を印加する複数の電極対と
を備えたことを特徴とする放電発光デバイス。
【請求項7】
前記複数の放電室は、直列に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の放電発光デバイス。
【請求項8】
互いに対向する第1低導電性層と第2低導電性層とを備え、当該第1及び第2低導電性層の間に複数の放電室が配列された、透光性の外囲器と、
前記複数の放電室のそれぞれに封止された放電用物質と、
前記第1低導電性層および第2低導電性層のうち少なくとも一方の領域において、前記複数の放電室のうち2つの放電室を直列に接続する位置に積層された、前記第1低導電性層および前記第2低導電性層よりも高い導電性を示す高導電性層を備えた、前記複数の放電室それぞれに対し電圧を印加する複数の電極対と
を備えたことを特徴とする放電発光デバイス。
【請求項9】
前記複数の放電室は、電流が流れる方向に略垂直な方向に並列に配置されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の放電発光デバイス。
【請求項10】
前記外囲器は、絶縁性ダイヤモンドからなることを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の放電発光デバイス。
【請求項11】
前記電極対は、導電性ダイヤモンドからなることを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の放電発光デバイス。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の放電発光デバイスと、
前記放電発光デバイスを内部に備えた封止容器と
を備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項13】
絶縁性層の第1の主面と第2の主面を貫通する複数の貫通孔を形成する貫通孔形成ステップと、
前記複数の貫通孔に犠牲層を注入する注入ステップと、
前記犠牲層が形成された前記絶縁性層の第1の主面および第2の主面それぞれに電極形成層を形成する電極形成層形成ステップと、
前記電極形成層形成ステップにおいて前記第1の主面および前記第2の主面それぞれに形成された前記電極形成層のうち、前記犠牲層に対応する領域に少なくとも1つの開口部を形成する開口部形成ステップと、
前記開口部を介して前記犠牲層を除去する犠牲層除去ステップと、
前記犠牲層が除去された後、前記電極形成層上に導電性層を形成することにより前記開口部を封止し、当該導電性層を電極とする放電室を形成する放電室形成ステップと、
前記放電室形成ステップにおいて放電室が形成された後、当該放電室単位に層構造を切断することにより発光デバイスを得る切断ステップと
を有することを特徴とする発光デバイス製造方法。
【請求項14】
前記電極形成層は、導電性物質からなることを特徴とする請求項13に記載の発光デバイス製造方法。
【請求項15】
前記導電性物質は、導電性ダイヤモンドであることを特徴とする請求項14に記載の発光デバイス製造方法。
【請求項16】
前記電極形成層は、絶縁性物質からなることを特徴とする請求項13に記載の発光デバイス製造方法。
【請求項17】
前記絶縁性物質は、絶縁性ダイヤモンドであることを特徴とする請求項16に記載の発光デバイス製造方法。
【請求項18】
前記導電性層は、導電性ダイヤモンドであることを特徴とする請求項13から17のいずれか一項に記載の発光デバイス製造方法。
【請求項19】
前記放電室形成ステップにおいて前記開口部が封止された後、前記電極形成層のうち前記開口部に対応する領域以外の領域に積層された前記導電性層を除去する導電性層除去ステップをさらに有し、
前記切断ステップにおいては、前記導電性層除去ステップにおいて前記導電性層が除去された後、前記放電室単位に前記層構造を切断することを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載の発光デバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2006−278290(P2006−278290A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−100038(P2005−100038)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】