説明

放電管点灯装置

【課題】 トランスにベース巻線を配することなく同期が取れ、放電管の消灯制御が簡単で、且つ省電力・省スペースな放電管点灯装置を提供することを課題する。
【解決手段】 トランス駆動回路部11とトランス12と放電管13を接続配置したインバータユニット14を構成し、複数のインバータユニット14をそれぞれ同数のスイッチ回路部16を介して、1つの発信回路部15に接続した。さらに、消灯制御回路部17を各スイッチ回路部16に接続する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の放電管を点灯させる放電管点灯装置に関するもので、特に輝度調整機能を有する放電管点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを使用する表示装置は、通常、液晶パネルの背面を照らすバックライトとして、冷陰極管等の放電管を点灯させている。冷陰極管等の放電管を点灯させるには、高電圧を発生させて放電管に供給する放電管点灯装置が使用されている。この放電管点灯装置は、液晶バックライト用インバータと呼ばれる発振回路部と昇圧トランス等からなる回路部と、放電管とで構成される。
【0003】
近年、液晶パネルの大画面化にともない、1台の液晶パネル表示装置に使用される冷陰極管の数も増加している。複数の放電管を点灯させる放電管点灯装置は、液晶パネル表示の明るさを制御するため、複数の放電管がすべて点灯している状態で、放電管の明るさを制御する調光機能を有している。この調光機能は放電管に印加する電圧を制御して行うのが一般的であるが、放電管の持つ特性の制約によって、制御できる範囲が限られている。特に、放電管の明るさを暗くする調光には限界があった。
【0004】
一方、液晶パネル表示装置では、省電力化を図るために、従来よりもさらに明るさを抑える制御が必要となっている。そこで、必要に応じて、点灯させた複数の放電管のうち、いくつかを消灯して、調光する方法が提案されている。図1は、従来の放電管点灯装置の回路図である。図1に示す放電管点灯装置は、4本の冷陰極管1を点灯させて、そのうち2本を消灯させる機能を有している。
【0005】
従来の放電管点灯装置は、図1に示すように、2つある発信回路部2のいずれかをスイッチ5で選択し、どちらか一方の発信回路部2が出力した信号を4つあるトランス3とトランス4で昇圧し、それぞれのトランス3、4に接続された4本の冷陰極管1を点灯させる回路構成となっている。また、スイッチ6のオン/オフ動作により、4本の冷陰極管1のうち2本を消灯して調光する回路構成となっている。
【0006】
また、各放電管1を点灯させる駆動信号は同期をとらなければならず、図1に示す放電管点灯装置では、トランス3にベース巻線7を設け、発信回路部2にフィードバック信号を送るように構成されている。このような電磁式のトランスを用いた放電管点灯装置は特許文献1に開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2001−319793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図1に示すような構成では、発振回路が複数存在し回路が複雑となり、また、駆動信号の同期をとるためにトランス3には、ベース巻線7が必要となるので、トランス自体が大きくなるという問題点がある。さらに、4つのスイッチ5、6を操作してそれぞれの放電管の点灯を制御するが、そのスイッチの制御の方法も複雑となり、回路規模が大きくなるという問題点もある。
【0009】
したがって、本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。具体的には、トランスにベース巻線を配することなく同期を取ることができ、放電管の消灯制御が簡単で、且つ省電力・省スペースな放電管点灯装置を提供することを課題する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記従来技術の課題を解決するために、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、トランス駆動回路部の前段にスイッチ回路部を設け、消灯制御回路部からの消灯信号によって前記スイッチ回路部を制御することで放電管の消灯を行い、発振回路を一つにしてトランスにベース巻線がなくとも同期を取ることができようにすることをその要旨とする。
【0011】
本発明によれば、駆動信号を出力する発振回路部と、前記発振回路部に接続する複数のインバータユニットと、前記インバータユニットに接続して点灯する放電管と、消灯信号を出力する消灯制御回路部と、前記消灯制御回路部と前記各々のインバータユニットの間に接続配置されたスイッチ回路部とを有し、前記インバータユニットは、前記駆動信号に応じて駆動電圧を出力するトランス駆動回路部と、前記駆動電圧を昇圧して前記放電管に出力するトランスとからなり、前記放電管は、前記トランスから出力される昇圧された駆動電圧により点灯し、前記消灯制御回路部は、前記複数のインバータユニットから予め選択されたインバータユニットに接続している前記スイッチ回路部へ前記消灯信号を出力し、前記スイッチ回路部は前記消灯信号に応じて前記インバータユニット内の前記トランス駆動回路部の動作を停止させて前記放電管を消灯することを特徴とする放電管点灯装置が得られる。
【0012】
本発明による放電管点灯装置は、トランスを駆動するための最適な駆動信号を出力する発振回路部と、トランス駆動回路部とトランスとで構成されるインバータユニットとからなり、複数の前記インバータユニットが1つの前記発振回路部に接続され、各インバータユニットには放電管が接続される基本構成をもつ。さらに、本発明による放電管点灯装置は、予め選択されたインバータユニットの動作を停止させて該インバータユニットに接続されている放電管を消灯するための消灯信号を出力する消灯制御回路部と、前記消灯信号に応じて作動し該インバータユニットの動作を停止させるスイッチ回路部とを具備する。
【0013】
前記トランス駆動回路部は、前記駆動信号を受けて、トランスを駆動する為の駆動電圧をトランスに出力する。前記トランスは、前記トランス駆動回路部から出力される前記駆動電圧を入力電圧として、設定された昇圧比で前記駆動電圧を昇圧して出力する。前記放電管は、前記トランスから出力される出力電圧で点灯する。
【0014】
前記トランス駆動回路部とトランスとは連続した一組のインバータユニットを構成する。複数の前記インバータユニットを1つの発振回路部に接続することで、1つの発振回路部から出力される唯一の駆動信号だけで多数の放電管を点灯させることが可能となる。さらに、複数の前記放電管のうち、予め選択された放電管を消灯するための消灯信号を出力する消灯制御回路部を設けて、前記消灯信号に応じて作動するスイッチ回路部をインバータユニットに接続配置することで、該放電管が接続しているインバータユニットの動作を停止させて放電管を消灯制御することが可能となる。
【0015】
前記消灯制御回路部は、プログラム等により予め設定された放電管を消灯させるための消灯信号を、前記スイッチ回路部に出力する。前記スイッチ回路部は、前記消灯信号に従い、前記インバータユニットの動作を停止させる機能を有すれば良く、前記トランス駆動回路部の動作を停止させる機能を有すれば良い。
【0016】
前記トランスは前記駆動電圧を所定の電圧に昇圧して放電管を点灯させる手段を有すればよく、磁性材料に巻線を施した電磁トランスや圧電セラミックス材料からなる圧電トランス等でも良い。
【0017】
本発明によれば、駆動信号を出力する発振回路部と、前記発振回路部に接続する複数のインバータユニットと、前記インバータユニットに接続して点灯する放電管と、消灯信号を出力する消灯制御回路部と、前記消灯制御回路部と前記各々のインバータユニットの間に接続配置されたスイッチ回路部とを有し、前記インバータユニットは、前記駆動信号を増幅して増幅信号出力する増幅回路部と、前記増幅信号に応じて駆動電圧を出力するトランス駆動回路部と、前記駆動電圧を昇圧して前記放電管に出力するトランスとからなり、前記放電管は、前記トランスから出力される昇圧された駆動電圧により点灯し、前記消灯制御回路部は、前記複数のインバータユニットから予め選択されたインバータユニットに接続している前記スイッチ回路部へ前記消灯信号を出力し、前記スイッチ回路部は前記消灯信号に応じて前記インバータユニット内の前記増幅回路部の動作を停止させて前記放電管を消灯することを特徴とする放電管点灯装置が得られる。
【0018】
本発明による放電管点灯装置は、トランスを駆動するための最適な駆動信号を出力する発振回路部を有し、また増幅回路部とトランス駆動回路部とトランスとで構成されるインバータユニットを有し、複数の前記インバータユニットが1つの前記発振回路部に接続され、各インバータユニットには放電管が接続される基本構成をもつ。さらに、本発明による放電管点灯装置は、予め選択されたインバータユニットの動作を停止させて該インバータユニットに接続されている放電管を消灯するための消灯信号を出力する消灯制御回路部と、前記消灯信号に応じて作動し該インバータユニットの動作を停止させるスイッチ回路部とを具備する。
【0019】
前記増幅回路部は、前記駆動信号を増幅し増幅信号を出力する。前記トランス駆動回路部は、前記増幅信号を受けて、トランスを駆動する為の駆動電圧をトランスに出力する。前記トランスは、前記トランス駆動回路部から出力される前記駆動電圧を入力電圧として、設定された昇圧比で前記駆動電圧を昇圧して出力する。前記放電管は、前記トランスから出力される出力電圧で点灯する。
【0020】
前記増幅回路部と前記トランス駆動回路部とトランスとは連続した一組のインバータユニットを構成する。複数の前記インバータユニットを1つの発振回路部に接続することで、1つの発振回路部から出力される唯一の駆動信号だけで多数の放電管を点灯させることが可能となる。さらに、複数の前記放電管のうち、予め選択された放電管を消灯するための消灯信号を出力する消灯制御回路部を設けて、前記消灯信号に応じて作動するスイッチ回路部をインバータユニットに接続配置することで、該放電管が接続しているインバータユニットの動作を停止させて放電管を消灯制御することが可能となる。
【0021】
前記消灯制御回路部は、プログラム等により予め設定された放電管を消灯させるための消灯信号を、前記スイッチ回路部に出力する。前記スイッチ回路部は、前記消灯信号に従い、前記インバータユニットの動作を停止させる機能を有すれば良く、前記増幅回路部の動作を停止させる機能を有すれば良い。
【0022】
前記トランスは前記駆動電圧を所定の電圧に昇圧して放電管を点灯させる手段を有すればよく、磁性材料に巻線を施した電磁トランスや圧電セラミックス材料からなる圧電トランス等でも良い。
【0023】
本発明によれば、前記インバータユニットは、前記スイッチ回路部を介して前記発振回路部に接続され、前記スイッチ回路部は前記消灯信号に応じて前記インバータユニットに入力される前記駆動信号を遮断またはアースへ接続するように接続配置してなることを特徴とする放電管点灯装置が得られる。
【0024】
本発明による放電管点灯装置は、前記発振回路部の後段で、かつ前記インバータユニットの前段にスイッチ回路部を接続配置する。前記スイッチ回路部は、前記消灯制御回路部から出力される前記消灯信号に従い作動し、前記発振回路部から出力される駆動信号を遮断またはアースに接続することで前記インバータユニットの動作を停止させる機能を有する。
【発明の効果】
【0025】
上記の如く、本発明によれば、トランスにベース巻線を配することなく同期を取ることができ、放電管の消灯制御が簡単で、且つ省電力、省スペースを実現する放電管点灯装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明による放電管点灯装置は、駆動信号を出力する発振回路部と、前記駆動信号に応じて駆動電圧を出力するトランス駆動回路部と、前記駆動電圧を昇圧するトランスと、前記トランスに接続される放電管と、消灯信号を出力する消灯制御回路部及び、スイッチ回路部とで構成し、前記スイッチ回路部を前記消灯信号で制御することで、放電管の消灯を行うよう構成する。
【実施例】
【0027】
以下、具体的な例を挙げ、本発明の放電管点灯装置について図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0028】
(実施例1)
図2は、実施例1に係る放電管点灯装置のブロック図である。実施例1による放電管点灯装置は、トランス駆動回路部11とトランス12と放電管13を接続配置したインバータユニット14を構成し、複数のインバータユニット14をそれぞれ同数のスイッチ回路部16を介して、1つの発信回路部15に接続した。さらに、消灯制御回路部17を各スイッチ回路部16に接続する構成とした。
【0029】
発信回路部15は放電管を点灯させるために必要な周波数を持つ電圧を発生する。トランス駆動回路部11はスイッチング素子で構成されるフルブリッジ回路からなり、トランス12を駆動する駆動電圧を出力する。トランス12は、前記トランス駆動回路部11が出力した駆動電圧を昇圧して放電管13へ出力し、放電管13を点灯させる。前記トランス12の昇圧比は使用する放電管の仕様により設定されるが、本実施例1では2kVppの出力が得られるように、前記駆動電圧とトランス12の昇圧比を設定した。
【0030】
放電管13は、冷陰極管が一般的に使用されるが、本実施例においても、長さが500mm、管の直径が2.5mmの冷陰極管を使用した。トランス駆動回路部11とトランス12とを接続配置したインバータユニット14を複数配置し、トランス12に放電管13を接続したそれぞれのインバータユニット14を、スイッチ回路部16を介して1つの発信回路部15に接続する。スイッチ回路部16はスイッチング素子で構成する。前記スイッチ回路部16は全て消灯制御回路部17に接続し、消灯制御回路部17が出力する消灯信号により、前記スイッチング素子がスイッチング動作を行うように構成した。
【0031】
消灯制御回路部17は、予め設定された消灯制御動作に従って、消灯信号を出力するが、この信号は前記スイッチ回路部16の構成により決定される。本実施例1では、放電管の点灯時はHighレベルを出力し、消灯はLowレベルを出力するようなディジタル信号での処理を採用している。
【0032】
前記スイッチ回路部16を構成するスイッチング素子は、前記消灯制御回路部17の出力したLowレベル信号を受けると、スイッチ動作を開放し、前記発信回路部の出力する駆動信号をインバータユニット14側へ接続する回路を遮断する。これで、前記インバータユニット14に接続している放電管13は消灯する。
【0033】
この、前記消灯信号は、複数配置されたインバータユニット14それぞれについて、設定できるので、任意の放電管を任意のタイミングで消灯できる。また、放電管の点灯は一つの発信回路部の駆動信号で行っているので、各放電管の点灯に対して、同期をとる必要がない。従って、トランス12にはフィードバック信号を作るためのベース巻線を設ける必要がない。さらに、本実施例1では発信回路部も1つで良いので、回路構成が簡単且つ、制御も容易な放電管点灯装置となる。
【0034】
(実施例2)
図3は、実施例2に係る放電管点灯装置のブロック図である。実施例2による放電管点灯装置は、実施例1同様に、トランス駆動回路部11とトランス12とを接続配置したインバータユニット14を構成する。トランス12に放電管13を接続した複数のインバータユニット14をそれぞれ、前記インバータユニット14と同数の受動素子部18を介して、同一の発信回路部15に接続した。また、スイッチ回路部16を受動素子部18とトランス駆動回路部11の間に配置し、且つアース19に接続した。さらに消灯制御回路部17を各スイッチ回路部16に接続する構成とした。
【0035】
実施例2による放電管点灯装置は、上記の構成とすることで、実施例1同様に、予め設定された消灯制御動作に従って消灯制御回路部17から出力される消灯信号に従い、各スイッチ回路部16が動作する。各スイッチ回路部16は、消灯信号を受けると、抵抗素子、コンデンサ、ダイオード等からなる受動素子部18を介して発信回路部15から出力される駆動信号をアース19側に流すことで、インバータユニット14の動作を停止させる機能を有する。
【0036】
実施例2は、実施例1同様に、複数配置されたインバータユニット14それぞれについて、消灯信号の設定ができるので、任意の放電管を任意のタイミングで消灯できる。また、放電管の点灯は1つの発信回路部の駆動信号で行っているので、各放電管の点灯に対して、同期をとる必要がないので、トランス12にも特別にフィードバック信号を作るためのベース巻線を設ける必要もない。さらに、本実施例2も実施例1同様に発信回路部は1つあれば足り、回路構成が簡単且つ、制御も容易な放電管点灯装置となる。
【0037】
(実施例3)
図4は、実施例3に係る放電管点灯装置のブロック図である。実施例3による放電管点灯装置は、増幅回路部21とトランス駆動回路部11とトランス12とを接続配置したインバータユニット20を構成し、トランス12に放電管13を接続した複数のインバータユニット20をそれぞれ、同一の発信回路部15に接続した。また、スイッチ回路部16を増幅回路部21に接続した。さらに消灯制御回路部17を各スイッチ回路部16に接続する構成とした。
【0038】
増幅回路部21は、発信回路部15が出力する駆動信号を増幅する一般的な半導体素子を用いた増幅回路である。実施例3による放電管点灯装置は、上記の構成とすることで、実施例1同様に、予め設定された消灯制御動作に従って消灯制御回路部17から出力される消灯信号に従い、各スイッチ回路部16が動作する。各スイッチ回路部16は、消灯信号を受けると、増幅回路部21の動作を停止させて、インバータユニット20の動作を停止させる機能を有する。
【0039】
実施例3は、実施例1同様に、複数配置されたインバータユニット20それぞれについて、消灯信号の設定ができるので、任意の放電管を任意のタイミングで消灯できる。また、放電管の点灯は1つの発信回路部の駆動信号で行っているので、各放電管の点灯に対して、同期をとる必要がないので、トランス12にも特別にフィードバック信号を作るためのベース巻線を設ける必要もない。さらに、本実施例3も実施例1同様に発信回路部は1つあれば足り、回路構成が簡単且つ、制御も容易な放電管点灯装置となる。
【0040】
(実施例4)
図5は、実施例4に係る放電管点灯装置のブロック図である。実施例4による放電管点灯装置は、増幅回路部21とトランス駆動回路部11とトランス12とを接続配置して、インバータユニット20を構成し、トランス12に放電管13を接続した複数の前記インバータユニット20を、抵抗素子、コンデンサ、ダイオード等からなる同数の受動素子部18を介して、同一の発信回路部15に接続した。また、スイッチ回路部16を増幅回路部21とアース19にとの間に接続した。さらに消灯制御回路部17を各スイッチ回路部16に接続する構成とした。
【0041】
実施例4による放電管点灯装置は、上記の構成とすることで、実施例1同様に、予め設定された消灯制御動作に従って消灯制御回路部17から出力される消灯信号に従い、各スイッチ回路部16が動作する。各スイッチ回路部16は、消灯信号を受けると、増幅回路部21の動作を停止させて、インバータユニット20の動作を停止させる機能を有する。
【0042】
図6は、実施例4に係る放電管点灯装置の回路図である。図6は、図5に示した実施例4に係る放電管点灯装置のブロック図の一部を具体的に回路図で示している。トランス駆動回路部11は、電界効果形トランジスタを4つ用いてフルブリッジ回路を構成し、端子26は直流電源に接続している。トランス12を駆動する駆動回路であり、端子27は直流電源に接続している。トランス12はジルコン酸チタン酸鉛系の圧電セラミックス材料からなる圧電トランスであり、出力端子23に放電管が接続されるが、放電管は図示しない。
【0043】
増幅回路部21は、受動素子部18を介して、端子24から入力される発信回路部からの駆動信号を増幅するトランジスタで構成される増幅回路である。スイッチ回路部16はトランジスタで構成されるスイッチ回路であり、増幅回路部21に接続している。制御回路部からの停止信号は、端子25に入力される。
【0044】
端子25に入力された制御回路部からの停止信号は、スイッチ回路部16のトランジスタをオンする。すると、抵抗素子、コンデンサ、ダイオードからなる受動素子部18に接続している増幅回路部21を構成するトランジスタのベースはアース19に接続し、増幅回路部21は増幅動作を停止する。増幅回路部21の増幅動作が停止すると、トランス駆動回路部11の動作も停止して、放電管は停止することになる。
【0045】
実施例4は、実施例1同様に、複数配置されたインバータユニット20それぞれについて、消灯信号の設定ができるので、任意の放電管を任意のタイミングで消灯できる。また、放電管の点灯は1つの発信回路部の駆動信号で行っているので、各放電管の点灯に対して、同期をとる必要がないので、フィードバック信号を作ることが困難である圧電トランス22がトランスとして使用できる。さらに、本実施例4も実施例1同様に発信回路部は1つあれば足り、回路構成が簡単且つ、制御も容易な放電管点灯装置となる。
【0046】
上記の如く、本発明によれば、トランスにベース巻線を配することなく同期が取れ、放電管の消灯制御が簡単で、且つ省電力、省スペースを実現した放電管点灯装置の提供が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明による放電管点灯装置は、液晶表示装置のバックライト点灯用のインバータ装置として利用できる他、各種高電圧発生装置における電源装置として広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】従来の放電管点灯装置の回路図。
【図2】実施例1に係る放電管点灯装置のブロック図。
【図3】実施例2に係る放電管点灯装置のブロック図。
【図4】実施例3に係る放電管点灯装置のブロック図。
【図5】実施例4に係る放電管点灯装置のブロック図。
【図6】実施例4に係る放電管点灯装置の回路図。
【符号の説明】
【0049】
1 冷陰極管
2 発信回路部
3、4、22 トランス
5、6 スイッチ
7 ベース巻線
11 トランス駆動回路部
12 トランス
13 放電管
14、20 インバータユニット
15 発信回路部
16 スイッチ回路部
17 消灯制御回路部
18 受動素子部
19 アース
21 増幅回路部
23 出力端子
24、25、26、27 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号を出力する発振回路部と、前記発振回路部に接続する複数のインバータユニットと、前記インバータユニットに接続して点灯する放電管と、消灯信号を出力する消灯制御回路部と、前記消灯制御回路部と前記各々のインバータユニットの間に接続配置されたスイッチ回路部とを有し、前記インバータユニットは、前記駆動信号に応じて駆動電圧を出力するトランス駆動回路部と、前記駆動電圧を昇圧して前記放電管に出力するトランスとからなり、前記放電管は、前記トランスから出力される昇圧された駆動電圧により点灯し、前記消灯制御回路部は、前記複数のインバータユニットから予め選択されたインバータユニットに接続している前記スイッチ回路部へ前記消灯信号を出力し、前記スイッチ回路部は前記消灯信号に応じて前記インバータユニット内の前記トランス駆動回路部の動作を停止させて前記放電管を消灯することを特徴とする放電管点灯装置。
【請求項2】
駆動信号を出力する発振回路部と、前記発振回路部に接続する複数のインバータユニットと、前記インバータユニットに接続して点灯する放電管と、消灯信号を出力する消灯制御回路部と、前記消灯制御回路部と前記各々のインバータユニットの間に接続配置されたスイッチ回路部とを有し、前記インバータユニットは、前記駆動信号を増幅して増幅信号出力する増幅回路部と、前記増幅信号に応じて駆動電圧を出力するトランス駆動回路部と、前記駆動電圧を昇圧して前記放電管に出力するトランスとからなり、前記放電管は、前記トランスから出力される昇圧された駆動電圧により点灯し、前記消灯制御回路部は、前記複数のインバータユニットから予め選択されたインバータユニットに接続している前記スイッチ回路部へ前記消灯信号を出力し、前記スイッチ回路部は前記消灯信号に応じて前記インバータユニット内の前記増幅回路部の動作を停止させて前記放電管を消灯することを特徴とする放電管点灯装置。
【請求項3】
前記インバータユニットは、前記スイッチ回路部を介して前記発振回路部に接続され、前記スイッチ回路部は前記消灯信号に応じて前記インバータユニットに入力される前記駆動信号を遮断またはアースへ接続するように接続配置してなることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の放電管点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−207700(P2007−207700A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28147(P2006−28147)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】