説明

教材用遊戯具

【課題】 記憶することが困難で煩わしい化学で用いる元素記号を、カルタ風の遊び感覚で楽しく憶えることができ、さらには製造コストを大幅に軽減できる教材用遊戯具を提供すること。
【解決手段】 本発明の教材用遊戯具は、平板状の第一部材10および第二部材20と、第一部材10と第二部材20を着脱自在に装着する連結具30とからなる教材用遊戯具1であって、前記第一部材10の表面11に元素記号12を、第二部材20の裏面21に前記元素記号12の称呼22を、さらに第一部材10の裏面13と第二部材20の表面23に、元素記号12の原子番号3、用途4、および解説5からなる説明文2を記載したことを特徴とする。また前記遊戯具は間伐材6にて形成されている。また前記遊戯具は段ボール7にて形成してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学で用いられる元素記号の称呼や説明を、カルタ風の遊び感覚で習得することができる教材用遊戯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保育園児等が色彩に応じた寄せ集めを行うことによりゲーム感覚で平仮名文字や数字が完成され、無理なく平仮名文字や数字を覚えさせることができ、文字や数字等を興味を持って覚えさせることができるだけでなく、色彩を覚え、色彩感覚を養い、鋭敏にさせ、色弱、色盲の発見にも約立たせることができる教育用遊戯具がある(例えば、特許文献1参照)。
上掲特許文献1の教育用遊戯具は、表面及び/又は裏面に文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合を記載した板体を複数に分割することにより形成され、寄せ集めることにより前記文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合を具現させることができる各板片から成り、前記板体又は各板片には前記文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合の種類に応じた色彩又は該色彩を示す標記文字が付されて成ることを特徴とする。
【特許文献1】登録実用第3044403号公報(第1−2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上掲特許文献1の教育用遊戯具は、表面のみに数字や文字が記載されているため、遊戯方法が単純で玩具的要素が少ないという欠点がある。また、文字や数字等を興味を持って覚えさせることができ、色彩を覚え、色彩感覚を養い、鋭敏にさせ、色弱、色盲の発見にも約立たせる長所を有するが、深い教育的教養の習得や理解力を向上させるまでには至らなかった。
【0004】
そこで本発明は上記の点に鑑み、記憶することが困難で煩わしい化学で用いる元素記号をカルタ風の遊び感覚で楽しく憶えることができ、さらには製造コストを大幅に軽減できる教材用遊戯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために本発明の教材用遊戯具は、平板状の第一部材および第二部材と、第一部材と第二部材を着脱自在に装着する連結具とからなる遊戯具であって、前記第一部材の表面に元素記号を、第二部材の裏面に前記元素記号の称呼を、さらに第一部材の裏面と第二部材の表面に、元素記号の番号、用途、および解説からなる説明文を記載したことを特徴とする。また前記遊戯具を間伐材にて形成した。また前記遊戯具を段ボールにて形成してもよい。
【発明の効果】
【0006】
第一部の表面に元素記号を、第二部材の裏面に元素記号の称呼を、第一部材の裏面と第二部材の表面に、元素記号の番号、用途、および解説からなる説明文を記載したことにより、この遊戯具を使用してカルタ風に遊ぶことで、化学で用いる元素記号の称呼やその説明を遊戯感覚で記憶することができる。また前記遊戯具を間伐材または段ボールにて形成することで、製造コストを大幅に軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明における教材用遊戯具の実施の形態を図面に基づき説明する。
本発明の教材用遊戯具は、元素あるいは原子を表記するために用いられる元素記号や原子番号、またそれらの用途や解説を、カルタ風の遊戯感覚で記憶することができることを特徴とする。
【0008】
図示する教材用遊戯具1は、平板状の第一部材10および第二部材20と、第一部材10と第二部材20を着脱自在に装着する連結具30とからなる。また前記第一部材10の表面11には元素記号12が、第二部材20の裏面21には前記元素記号12の称呼22が記載されている。
【0009】
第一部材10の裏面13と第二部材20の表面23には、元素記号12の原子番号3、用途4、および解説5からなる説明文2が記載されている。例えば、図示する教材用遊戯具1においては、元素記号12(Au)、原子番号3(47)、用途4(食器・ナイフ・スプーン等)、解説5(電気・熱伝導率・可視光線の反射率は金属で最大)等の説明文2が記載されている。
【0010】
またその他の教材用遊戯具1にも、Au(金)、C(炭素)、Cl(塩素)、Cu(銅)、F(フッ素)、Hg(水銀)、Pt(白金)、Zn(亜鉛)等の元素記号12と称呼22とが記載されている。
【0011】
また前記教材用遊戯具1の第一部材10および第二部材20は、連結具30にて着脱自在に装着されている。前記連結具30は、第一部材10の裏面13に形成された凹溝31と、第二部材20の表面23に設けられたレール状の凸部31と、第二部材20の表面23の縁部に設けられた係止部33とで形成されている。なお、前記第一部材10、第二部材20、およびそれぞれの連結具30は一体成型にて形成することが好ましい。
【0012】
前記連結具30にて、第一部材10および第二部材20を連結する際、図3に示すように、凹溝31を凸部32に水平方向から嵌め込み、スライドさせながら係止片33にて係止させる。また、説明文2を読む場合には、第一部材10を水平方向にスライドさせ第一部材10および第二部材20を切り離し、図4に示すように横方向に並べて原子番号3や用途4、また解説5等を読み記憶する。
【0013】
また他の好適例として、前記教材用遊戯具1を間伐材6にて形成さすることが望ましい。間伐材は山林手入れ法の際、立木密度を疎にし、他の立木の発育を助けるため、林木の一部を伐採することにより得られるものである。そのため、前記間伐材6で教材用遊戯具1を形成することで、自然環境の保護に寄与すると共に、材料コストの低減も実現できる。
【0014】
また他の好適例として、図5および図6に示すように、前記教材用遊戯具1を段ボール7にて形成してもよい。前記段ボールは包装用板紙の一つで、波形に形成した紙の方面または両面に厚紙を張り合わせて形成されている。前記段ボール7の略中央部分を薄状とした折部8を形成することで、折畳みや展開を自在に行うことができる。
【0015】
なお、前記教材用遊戯具1は、間伐材や段ボール等の材質の他、プラスチック樹脂で一体的に成型してもよい。プラスチック樹脂で一体成型することで、低価格での大量生産が可能になる。
【0016】
次に、本発明における教材用遊戯具の遊び方および使用方法を説明する。
先ず、読み手1人と選手2人以上の遊戯者を集め、各選手は元素記号12が上面に配設された状態で複数の教材用遊戯具1を不規則に並べる。並べ終わると出題者は、予め用意してある読み上げ札により元素記号12の称呼22を読み上げる。選手は読み上げられた称呼22を基に、元素記号12が記載されている教材用戯具1を指で触れる。この際、教材用戯具1に先に触れた選手が勝ちとする。
【0017】
正しい教材用遊戯具1に触れたか否か裏面に記載された称呼22により確認し、正解した場合、遊戯者は教材用遊戯具1を開き、それぞれに記載されている説明文2の内容を記憶し自分の持分として確保する。なお不正解の場合は元に戻し、引き続きゲームを続行する。
【0018】
また、前記教材用遊戯具1を段ボール7で作製した場合、第一部材10および第二部材20を書籍状に開き、内部に記載されている説明文2の内容を記憶する。
【0019】
前記教材用遊戯具1を利用し上述の方法で楽しみながら競い合うことにより、元素あるいは原子を表記するために用いられる元素記号や原子番号、またそれらの用途や解説を、カルタ風の遊戯感覚で記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の教材用遊戯具の全体図である。
【図2】教材用遊戯具の裏面を示す全体図である。
【図3】教材用遊戯具の連結状態を示す。
【図4】教材用遊戯具の説明文を示す。
【図5】段ボールで形成した教材用遊戯具の全体図である。
【図6】段ボールで形成した教材用遊戯具を展開した状態である。
【符号の説明】
【0021】
1・・・教材用遊戯具
2・・・説明文
3・・・原子番号
4・・・用途
5・・・解説
6・・・間伐材
7・・・段ボール
8・・・折部
10・・第一部材
11・・表面
12・・元素記号
13・・裏面
20・・第二部材
21・・裏面
22・・称呼
23・・表面
30・・連結具
31・・凹溝
32・・凸部
33・・係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の第一部材および第二部材と、第一部材と第二部材を着脱自在に装着する連結具とからなる教材用遊戯具であって、前記第一部材の表面に元素記号を、第二部材の裏面に前記元素記号の称呼を、さらに第一部材の裏面と第二部材の表面に、元素記号の番号、用途、および解説からなる説明文を記載したことを特徴とする教材用遊戯具。
【請求項2】
前記教材用遊戯具を間伐材にて形成した請求項1記載の教材用遊戯具。
【請求項3】
前記教材用遊戯具を段ボールにて形成した請求項1記載の教材用遊戯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−170910(P2008−170910A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−24822(P2007−24822)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(595049264)
【Fターム(参考)】